JP2003333421A - ディジタルカメラおよびそのシェーディング補正方法 - Google Patents

ディジタルカメラおよびそのシェーディング補正方法

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JP2003333421A JP2002138782A JP2002138782A JP2003333421A JP 2003333421 A JP2003333421 A JP 2003333421A JP 2002138782 A JP2002138782 A JP 2002138782A JP 2002138782 A JP2002138782 A JP 2002138782A JP 2003333421 A JP2003333421 A JP 2003333421A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像の階調特性の劣化が最小化され、かつ撮
像光学系の特性に応じたシェーディング補正を行なうこ
とのできるディジタルカメラを提供。 【解決手段】 高い感度特性を有する光電変換素子102
から出力される画像信号122と低い感度特性を有する光
電変換素子104から出力される画像信号124とを有効画面
領域130における画素PCの位置に応じた重み係数α、β
を乗じて合成する。この重み係数α、βは、画面周縁部
では高感度の方の光電変換素子の出力122の割合が増
し、中央部では低感度の方の光電変換素子の出力124の
割合が増すように設定されている。こうして、画素単位
で両感度の画像信号122および124が合成され、シェーデ
ィング補正が行なわれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタルカメ
ラ、とくに固体撮像素子や光学系に固有のシェーディン
グを補正するディジタルカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディジタルカメラで撮像した画像は、使
用するCCD(Charge-Coupled Device)等の固体撮像素子
やその光学系の構造から画面の周縁部では光量が低下し
暗くなるため、画像信号のレベルは、画面の周縁部が中
心部より相対的に低下する。これは、ディジタルカメラ
に限らず光学レンズを通して画像を形成する装置であれ
ば、例えば銀塩カメラでも避けられない現象である。ま
た、マイクロレンズを使用したCCDカメラでは、マイク
ロレンズを通して光電変換セルへ入射する光の角度が画
面の周縁部では撮像面の垂直方向からそれる現象や、周
縁部での受光量がレンズのf値より減少することもあ
る。
【0003】従来、シェーディングを補正するためにい
くつかの方法が提案されている。一つの方法は、撮像素
子からの出力信号のゲインをシェーディング特性とは逆
の特性で画面の周縁部ほど増大させる方法である。すな
わち、画面の中心からの距離に応じて増大させた補正係
数を画像信号に乗算することが一般的に採用されてい
る。このような逆特性でゲインを補正することにより、
フラットな階調の被写体を撮像した場合、出力画像信号
は、画面の中心部から周縁部かけて均一なレベルが得ら
れる。
【0004】このようなシェーディング補正方法をアナ
ログ乗算器で実現した例が特開平5-236339号公報に記載
されている。同公報では、CCDで撮像したアナログ基準
(通常、白色画像)レベル信号をディジタル信号に変換
し、これと基準(白)レベルとの比率を基に逆特性を有
する補正係数値を画素ごとにディジタル演算してメモリ
に記憶し、次に、入力された画像信号にこの記憶した補
正係数値をメモリから読み出してアナログ値に変換して
乗算することによって、シェーディングを補正してい
る。したがって画面の中心部に比較して減衰した周縁部
の信号レベルは、補正係数により増大され、中心部と周
縁部で一様な階調の正しい画像信号出力が得られる。
【0005】シェーディング補正の別な方法は、CCD撮
像素子の前面にあるマイクロレンズの光透過率を調整な
いし制御して、画面中心に近いほど光透過率を低下させ
る方法である。この方法としては特開2001-189442号公
報に記載のディジタルカメラがある。同公報では、CCD
固体撮像素子は、半導体基板の主面に形成された複数の
フォトダイオード(光電変換素子)と複数のマイクロレ
ンズを備え、マイクロレンズの光透過率はCCDの受光領
域の中心部が周縁部より低くなるように、受光領域の位
置に応じてマイクロレンズの光透過率を調整ないし制御
する手段が受光面側に設けられている。これにより、受
光領域の位置に応じて異なるシェーディング量を補正す
ることができる。同特許公報では、透過率制御手段とし
て、有機系材料膜を使用したり、位置に応じて受光面積
を調整する矩形または短冊領域を形成したり、エレクト
ロクロミック素子を用いたりすることが記載されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、撮像素子出力
信号のゲインをシェーディング特性の逆特性で補正する
方法は、シェーディングはたしかに補正されるが、画面
の周縁部の階調が乏しくなる欠点がある。しかも、前掲
の特開平5-236339号公報に記載の方法では、画面の周縁
部について量子化歪が顕著となり、画質が劣化する欠点
がある。より詳細には、周縁部の入力画像信号は光量が
相対的に低い。一方、アナログ・ディジタル変換は、周
知のように通常、等間隔の量子化レベルを採用し、画面
の周縁部の低レベル信号についても相対的に明るい中央
領域と同じ量子化ステップで量子化される。したがっ
て、周縁部の低レベルの信号については、シェーディン
グ補正係数に応じて量子化ステップ幅が拡大された信号
となり、滑らかな階調の補正出力が得られず、量子化歪
が顕著になる。
【0007】一方、後者の特開2001-189442号公報に記
載の方法では、透過率制御用の膜は、レンズの特性に依
存しているため、レンズ光学系の種類だけ透過率制御用
膜を備えた撮像素子を製作しなければならない。たとえ
ば、レンズ光学系の交換に柔軟に対応することができな
い。また、透過率制御を可変とした、例えばエレクトロ
クロミック素子を使用した場合は、透過率制御用膜に矩
形または同心円のようなパターン電極を形成した構造と
しなければならず、制御用電圧供給用の配線を制御対象
である制御用膜の数だけ必要とするなど、配線も複雑と
なる。
【0008】本発明は、このような従来技術の欠点を解
消して、画像の階調特性の劣化が最小化され、かつ撮像
光学系の特性に応じたシェーディング補正を行なうこと
のできるシェーディング補正方法およびディジタルカメ
ラを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によるディジタル
カメラは、高い感度特性を有する光電変換素子から出力
される画像信号と低い感度特性を有する光電変換素子か
ら出力される画像信号とを有効画面領域における画素の
位置に応じた重み係数を乗じて画素ごとに合成し、この
重み係数は、画面周縁部では高感度の方の光電変換素子
の出力の割合が増し、中央部では低感度の方の光電変換
素子の出力の割合が増すように設定されている。
【0010】本発明によれば、被写界を撮像して被写界
を表わす画像信号を生成する固体撮像素子を含むディジ
タルカメラにおいて、固体撮像素子は、被写界を表わす
画面を構成する複数の画素が配列され複数の画素のそれ
ぞれは第1の光電変換素子と第1の光電変換素子より低
い感度特性を有する第2の光電変換素子とを含み、この
カメラは、固体撮像素子を含む光学系のシェーディング
特性を補償するシェーディング補正手段を含み、シェー
ディング補正手段は、画面の領域における各画素につい
て、第1および第2の光電変換素子のうちの少なくとも
一方に対応してシェーディング特性に応じた重み係数を
蓄積する蓄積手段と、画面の領域における各画素につい
て、第1および第2の光電変換素子から出力される画像
信号に蓄積手段に蓄積されている重み係数を乗じ、結果
の画像信号を合成する演算手段とを含み、重み係数は、
画面の領域の周縁部の画素については第1の光電変換素
子の画像信号の割合が多く、画面の領域の中央部の画素
については第2の光電変換素子の画像信号の割合が多い
ように設定され、これによって画像信号にシェーディン
グ補正を行なう。
【0011】本発明によればまた、被写界を撮像して被
写界を表わす画像信号を出力するディジタルカメラは、
被写界を撮像して被写界を表わす第1の画像信号を生成
する第1の固体撮像素子と、第1の固体撮像素子より低
い感度特性を有し、同じ被写界を撮像してその被写界を
表わす第2の画像信号を生成する第2の固体撮像素子
と、第1および第2の固体撮像素子を含む光学系のシェ
ーディング特性を補償するシェーディング補正手段を含
み、シェーディング補正手段は、被写界を表わす画面の
領域における各画素について、第1および第2の固体撮
像素子のうちの少なくとも一方に対応してシェーディン
グ特性に応じた重み係数を蓄積する蓄積手段と、画面の
領域における画素ごとに、第1および第2の固体撮像素
子から出力される画像信号に蓄積手段に蓄積されている
重み係数を乗じ、結果の画像信号を合成する演算手段と
を含み、重み係数は、画面の領域の周縁部の画素につい
ては第1の固体撮像素子の画像信号の割合が多く、画面
の領域の中央部の画素については第2の固体撮像素子の
画像信号の割合が多いように設定され、これによって画
像信号にシェーディング補正を行なう。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明によるディジタルカメラの
実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、
本発明によるディジタルカメラの実施例の全体構成を示
す機能ブロック図である。実施例のディジタルカメラ
は、図示しない被写体の光学画像106を固体撮像素子100
にて撮影し、その画像信号130におけるシェーディング
の影響をシェーディング補正部200にて補償し、これを
記録部800にて画像記録媒体に記録する撮像および記録
装置である。
【0013】図示しない被写体からの光学画像を概念的
に線106で示すが、これは、レンズ300によって固体撮像
素子100の撮像面上に結像される、固体撮像素子100は、
その撮像面に結像した画像106を撮像して対応する電気
信号120に変換する光電変換装置であり、本実施例で
は、CCD(Charge-Coupled Device)を含んでいる。固体
撮像素子100の出力120は、相関二重サンプリング/アナ
ログ・ディジタル変換器(CDS/AD) 400の入力に接続され
ている。以下の説明において、信号はその現れる接続線
の参照符号で指定する。
【0014】CDS/AD回路400は、固体撮像素子100から出
力される点順次の画像信号120を相関二重サンプリング
するとともに、対応する、例えば8ビットの並列ディジ
タルデータ130に変換する信号変換回路である。その出
力130はシェーディング補正部200の入力に接続されてい
る。
【0015】ここで図2を参照して、本実施例における
固体撮像素子100の構成例を説明する。このCCD固体撮像
素子100は、半導体基板110に2次元アレイ状に多数のフ
ォトダイオード102および104が形成されている。同図で
は、その一部を例示しているにすぎない。これらのフォ
トダイオード102および104は、図示のように対を成し、
対のうちの一方102は高感度フォトダイオードであり、
他方104は低感度フォトダイオードである。つまり、高
感度フォトダイオード102および低感度フォトダイオー
ド104は、1対が近接して配置されて1つの受光領域を
形成している。これらの上に、平坦化膜112、色フィル
タ層114、マイクロレンズ固定膜116およびマイクロレン
ズ118が図示のようにこの順に積層されている。マイク
ロレンズ118は、各セグメントレンズが1対のフォトダ
イオード102および104の上方に対応して配設され、これ
によって各セグメント当り1画素が構成される。被写体
からの光106はマイクロレンズ118により集光され、各対
のフォトダイオード102および104上に1画素の信号電荷
が形成される。つまり、各対のフォトダイオード102お
よび104は、光入力106についてマイクロレンズ118の後
方に配置されて1画素分の撮像素子を構成している。こ
のようにして固体撮像素子100は、高感度フォトダイオ
ード102および低感度フォトダイオード104の画素数分の
対が半導体基板110上に2次元状に形成され、各受光素子
102および104の蓄積電荷は点順次でシフトされて、固体
撮像素子100の出力120側には、高感度フォトダイオード
出力と低感度フォトダイオード出力の組が画素ごとに繰
り返す形でシーケンシャル信号として出力される。この
様子を図4に模式的に示す。
【0016】図4に示すように、固体撮像素子100からの
画像信号120は、画素PCごとに高感度フォトダイオード1
02の光電変換出力(H) 122と低感度フォトダイオード104
の光電変換出力(L) 124が交互に連続するシーケンシャ
ル信号である。このように画素単位で時系列に点順次で
交互に配列されたアナログ電荷信号120がCDS/AD回路400
へ供給される。画面領域の中心部では、高感度フォトダ
イオード122が低感度フォトダイオード124より少ない受
光量で飽和する。
【0017】高感度フォトダイオード122および低感度
フォトダイオード124の光電変換出力特性は、おおよそ
次のようである。すなわち、高感度フォトダイオード10
2の出力122は、低感度フォトダイオード104に比べて同
じ受光光量に対する光電変換ゲインが大きく、したがっ
て、低感度フォトダイオード104より少ない受光光量で
飽和する。そこで、高感度フォトダイオード122は、撮
像素子100の撮像面における画面領域の中心部では飽和
しやすく、逆に、画面領域の周縁部では、シェーディン
グの影響により中央領域に比べて飽和し難い。つまり、
画面領域の周縁部では、高感度フォトダイオード122
は、その有する階調特性の全域を中央領域の高感度フォ
トダイオード122より有効に利用することができる。
【0018】シェーディング補正部200は、ディジタル
化された画像信号データ130をシェーディング補正処理
する本発明の重要な構成要素の1つである。本実施例の
シェーディング補正回路200は、上述した高感度フォト
ダイオード出力122と低感度フォトダイオード出力124の
組が交互に繰り返すシーケンシャル信号120を、撮像素
子100の撮像面における有効画面130(図5)の周縁領域の
画素については高感度フォトダイオード出力122に相対
的に大きな重みαを与え、また中央領域の画素について
は低感度フォトダイオード出力124に相対的に大きな重
みβを与えて、両出力122および124を各画素において合
成することによって、シェーディングの影響を補償す
る。つまり、シェーディング補正回路200の出力210=α
×高感度フォトダイオード出力122+β×低感度フォト
ダイオード出力124、ただし、α+β=k(一定、たとえ
ば1)でよい。この重み係数αおよびβは、図5に示す
ように、各画素PCについて有効画面130の中心132からの
距離に応じて固有に定められる値をとる。その値は、固
体撮像素子100に使用するCCDおよびマイクロレンズ118
やその光学レンズ系300の構造に依存する。有効画面130
の周縁部の画素では重み係数αが大きく、中心132に近
い画素ほど、重み係数βが大きく定められる。
【0019】重み係数αは、有効画面領域130の中心画
素132について最小の値をとり、またそれから最も遠い
画素、たとえば画素134について最大の値をとるように
定められる。他の画素位置では、両者の中間の値をとる
ことになる。こうして、各画素PCについて重み係数の組
(α、β)が決定される。その際、階調特性の直線性を確
保するように、高感度フォトダイオード出力122が飽和
した領域では、重み係数αが小さく設定される。たとえ
ば、画面中心部付近ではα<βに、一方、画面周縁部で
はα>βに設定してもよい。便利のために、画面領域13
0を、例えば同心円状に分割して、それらの複数の領域
でステップ状の値に設定してもよい。これにより、単純
な係数の組(α、β)の値を設定してもよい。
【0020】このようなシェーディング補償は、本実施
例では、図3に回路構成によって実現される。同図にお
いて、図1に示す構成要素と同様の構成要素には同一番
号を付し、説明を省略する。シェーディング補正部200
は乗算器202を有し、これは、CDS/AD回路400から上述の
シーケンシャル信号130をその一方の入力に受信する。
乗算器202の他方の入力140は重み係数メモリ204に接続
されている。
【0021】重み係数メモリ204には、有効画面領域130
における各画素PCについて上述の重み係数の組(α、
β)が格納されている。重み係数(α、β)の値は、基準
の画像、たとえば画面130全体に一様な白色画像の被写
体を撮影して実験的に決定すればよい。決定された重み
係数は、画素位置と対応させて重み係数メモリ204に格
納される。また、たとえば、基準となる原画像(例えば
白色画像)を撮像し、後述のマイコン600により重み係
数を計算し、重み係数メモリ200に記憶するように構成
してもよい。これにより、たとえばレンズ300や撮像素
子100が交換可能に構成されていても、それらのシェー
ディング特性に適応して重み係数の組(α、β)を重み係
数メモリ204に書換え可能に設定することができる。
【0022】乗算器202では、一方の入力130に到来する
画素信号の画素位置に応じて他方の入力140に重み係数
メモリ204から重み係数の組(α、β)が順次読み出さ
れ、両者を乗算する演算回路である。その出力150は、
合成器206に接続されている。合成器206は、各画素PCに
ついて、乗算器202から出力される高感度フォトダイオ
ード102についての出力と低感度フォトダイオード104に
ついての出力124を加算する演算回路である。
【0023】合成器206の構成例を図6に示す。構成器2
06は、同一画素位置の高感度フォトダイオード出力デー
タHと低感度フォトダイオード出力データLが合成される
ように、遅延回路214と加算器212が図示のように接続さ
れて構成されている。遅延回路214は、入力の画素信号1
50をその1クロック分だけ遅延させるシフトレジスタで
構成される。図4に例示したように、低感度フォトダイ
オードデータLが高感度フォトダイオードデータHより先
行するシステム構成の場合は、遅延回路214には、低感
度フォトダイオードデータLが入力され、これを1クロ
ック分遅延させ、後続の高感度フォトダイオードデータ
Hが直接、加算器212に入力される。加算器212は、1ク
ロック間隔で同期動作し、遅延回路214からの入力216と
乗算器202からの入力150とを相互に加算することによ
り、画素ごとに合成されたシェーディング補正出力210
を出力する。
【0024】こうして合成器206の出力210には、高感度
フォトダイオード出力122にαを乗じた信号と低感度フ
ォトダイオード出力124にβを乗じた信号の和がシェー
ディング補正回路200の出力として出力される。
【0025】図1に戻って、シェーディング補正200の
出力210はY/C処理部500の入力に接続されている。Y/C処
理部500は、シェーディング補正された画像信号210を圧
縮に適した信号形式、本実施例では輝度信号Yおよび色
差信号Cに変換する画像信号処理回路である。Y/C処理部
500には、Y/C処理するときに一時的に画像信号を格納す
るメモリ550が接続されている。Y/C処理部500の一方の
出力502は、JPEG (Joint Photographic Experts Group)
圧縮部700の入力に接続されている。圧縮部700は、Y/C
信号を画像データの記録に適した信号形式に符号化圧縮
する冗長度圧縮回路である。その出力702は記録部800の
入力に接続されている。記録部800は、圧縮された画像
データ702を、たとえばメモリカードなどの画像データ
記録媒体(図示せず)に記録する記憶装置である。
【0026】記録部800は出力802も有し、これはJPEG伸
張部750の入力に接続されている。JPEG伸張部750は、記
録部800から読み出される圧縮された画像データを伸張
する復号回路である。伸張部750の出力752はY/C処理部5
00の他の入力に接続されている。Y/C処理部500は、記録
部800から伸張部750を通して読み出されたY/C信号を、
たとえば3原色RGB信号に変換する機能も有し、その変換
出力504は液晶(LCD)表示部900の入力に接続されてい
る。LCD表示部900は、撮像部100で撮影した画像もしく
は記録部800から読み出された画像を映像モニタ(図示せ
ず)に可視画像として表示する画像表示装置である。
【0027】本装置はマイコン(マイクロコンピュータ)
600を有し、これは、操作部602に応動して、制御線604
で概念的に示すようにY/C処理部500を始め本装置の各部
を統括的に制御し、撮像、記録および表示などの制御を
行なうシステム制御部である。操作部602は、シャッタ
レリーズボタンなど、操作者が操作する部材を有し、操
作者の指示を本装置に入力する操作装置である。
【0028】動作状態において、操作部602を操作して
撮影指示を入力すると、マイコン600は、固体撮像素子1
00を駆動して、その撮像面にレンズ300を通して結像さ
れた被写体画像を撮像する。このとき、マイクロレンズ
118により撮像素子102および104上に集光された光は、
画素ごとに、高感度フォトダイオード102および低感度
フォトダイオード104によって光電変換され、順次信号1
22および124の交互信号としてラスタ走査136(図5)の順
にCDS/AD回路400へ出力される。この画素ごとの順次信
号122および124は、CDS/AD回路400で対応するディジタ
ルデータ130に変換されて、シェーディング補正部200へ
供給される。
【0029】シェーディング補正部200では、乗算器202
は、点順次で到来する画素データ130を受ける。これと
ともに、その画素PCの位置に対応する重み係数の組
(α、β)が画素ごとに重み係数メモリ204から読み出
され、乗算器202は、高感度光電変換出力122および低感
度光電変換出力124に対応するディジタルデータ130にこ
の読み出した重み係数を乗算する。乗算結果150は画素
単位に合成器206に入力され、同じ画素の高感度光電変
換出力122および低感度光電変換出力124に対応するディ
ジタルデータが互いに加算されて合成される。これによ
って、有効画面130の周縁部の画素については高感度フ
ォトダイオードの光電変換出力122の割合が多くなり、
中央領域の画素については低感度フォトダイオードの光
電変換出力の割合が多くなり、適切なシェーディング補
正が達成される。また、光量が減少する周縁部では、高
感度フォトダイオードの出力の重みを増大しているた
め、雑音や量子化歪が少なく、階調特性が大幅に改善さ
れる。
【0030】こうしてシェーディング補正された画像デ
ータ210は、Y/C処理部500に入力され、Y/C信号に変換さ
れる。Y/C信号は、処理部500の出力502からJPEG圧縮部7
00で符号化圧縮され、記録部800にて画像データ記録媒
体に保存される。
【0031】本実施例では、高感度および低感度の1対
の光電変換素子102および104について、それらの光電変
換出力が時系列的にシリアルな画像信号データとして交
互に取り出される。しかし、高感度光電変換素子102と
低感度光電変換素子104の出力を空間的に別個の2系列
で固体撮像素子100から出力する配線構造としてもよ
い。この場合、固体撮像素子から並列に読み出された高
感度光電変換素子102および低感度光電変換素子104から
の出力は、画素ごとに重み係数αおよびβがそれぞれ乗
算され、画素単位で相互に合成されて1画素のシェーデ
ィング補正された信号となる。または、固体撮像素子か
らのこのような並列出力をディジタル変換後、シリアル
信号形式に多重化して、前述のシェーディング補正を行
なうように構成してもよく、画像データ信号の出力形態
を特定の例に限定するものではない。
【0032】図7は本発明の他の実施例を示すブロック
図であって、これまでに説明した構成要素と同様の要素
には同一番号を付し説明を省略する。本実施例では、レ
ンズ300を通過した被写体光106はハーフミラー1000によ
って2つの光束1002および1004に分割される。ハーフミ
ラー1000は、たとえばプリズムにより構成される。本実
施例では、ハーフミラー1000で分割された2本の入力光
束1002および1004は、対応する2つの固体撮像素子160
および162で受光される。固体撮像素子160および162
は、本実施例ではCCDを含み、一方の固体撮像素子160は
高感度光電変換素子であり、他方の固体撮像素子162は
低感度光電変換素子である。高感度光電変換素子160の
出力122は、低感度光電変換素子162に比べて同じ受光光
量に対する光電変換ゲインが大きく、したがって、低感
度光電変換素子162より少ない受光光量で飽和するよう
に構成されている。そこで、高感度光電変換素子160
は、その撮像面における画面領域の中心部では飽和しや
すく、逆に、画面領域の周縁部では、シェーディングの
影響により中央領域に比べて飽和し難い。それ以外の点
で、固体撮像素子160および162は同一の画素数を有し、
同じ構成でよい。
【0033】高感度固体撮像素子160からの光電変換出
力164は、対応するCDS/AD回路400によりCDSサンプルさ
れディジタル変換されてディジタルデータ出力402とな
り、シェーディング補正部200の一方の入力端子に供給
される。また、低感度固体撮像素子162からの出力166は
他方のCDS/AD回路410によりCDSサンプルされディジタル
変換されてディジタルデータ出力412となり、シェーデ
ィング補正部200の他方の入力端子に入力される。シェ
ーディング補正部200は、これら2本の入力端子402およ
び412を有し、高感度変換出力402と低感度変換出力412
が並列に乗算器202に入力されるように構成されている
以外は、前述の実施例と同様に構成されている。本実施
例では、2つのCDS/AD回路410および412が設けられてい
るが、両機能を単一のCDS/AD回路に一体化してもよく、
その場合、2つのCCD 160および162からの出力164およ
び166がともに単一のCDS/AD回路に入力され、この単一
のCDS/AD回路から出力されるディジタルデータがシェー
ディング補正部200に入力されるように構成される。
【0034】動作状態において、被写体からレンズ300
を通過した入射光106は、ハーフミラー1000において2
分割され、一方は高感度固体撮像素子160へ、また他方
は低感度固体撮像素子162へ入射され、それぞれにおい
て画像信号164および166に変換される。画像信号出力16
4および166は、それぞれCDS/AD回路400および410に入力
され、対応するディジタル信号データ402および412に変
換されてシェーディング補正部200の入力端子402および
412に供給される。高感度固体撮像素子出力データ402お
よび低感度固体撮像素子出力データ412は、画面領域130
における同一画素位置について同期して画素ごとにシェ
ーディング補正部200に取り込まれる。これと同期して
係数メモリ204からは、高感度撮像信号402については重
み係数αが、また低感度撮像信号412については重み係
数βが乗算器202へ読み出され、乗算器202では、同じ画
素位置について、高感度撮像信号402には重み係数α
を、また低感度撮像信号412には重み係数βをそれぞれ
乗算する。その乗算結果は、合成器206において同一画
素内で相互に合成される。これにより前述の実施例と同
様のシェーディング補正が行なわれる。
【0035】本実施例では固体撮像素子が複数必要とは
なるが、従来と同様な構造で感度だけが異なる2種類の
固体撮像素子を用いることができる。そのため、固体撮
像素子の構造が先の実施例に比較して簡易である。光学
系や撮像素子が変更されれば、それらのシェーディング
特性に応じた重み係数を重み係数メモリ204に設定し
て、光学系のシェーディング特性に柔軟に対応できる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のディジタ
ルカメラでは、高い感度特性を有する光電変換素子から
出力される画像信号と低い感度特性を有する光電変換素
子から出力される画像信号とを有効画面領域における画
素の位置に応じた重み係数を画素ごとに乗じて合成し、
この重み係数は、画面周縁部では高感度の方の光電変換
素子の出力の割合が増し、中央部では低感度の方の光電
変換素子の出力の割合が増すように設定されている。こ
れによって、画面の周縁領域においても量子化歪や雑音
の少ない良好な階調特性でシェーディング補正を行なう
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディジタルカメラの実施例の構成例を
示す機能ブロック図である。
【図2】図1に示す実施例における固体撮像素子の構成
例を示す拡大部分断面図である。
【図3】同実施例におけるシェーディング補正部の構成
例を示す機能ブロック図である。
【図4】同実施例における固体撮像素子の出力信号の例
を示す図である。
【図5】同実施例における画像信号の形成する画面の例
を示す説明図である。
【図6】図3に示すシェーディング補正部の合成器の実
施例の構成を示す機能ブロック図である。
【図7】本発明の他の実施例の構成例を示す、図1と同
様の機能ブロック図である。
【符号の説明】
100 固体撮像素子 102 高感度フォトダイオード 104 低感度フォトダイオード 114 色フィルタ 118 マイクロレンズ 200 シェーディング補正部 202 乗算器 204 重み係数メモリ 206 合成器 400 CDS/AD回路 500 Y/C処理部 600 マイコン
フロントページの続き Fターム(参考) 5C021 PA67 PA72 PA78 RB08 XA03 XA67 5C022 AA13 AB51 AC42 AC54 AC55 AC69 5C024 BX01 CX35 DX04 EX18 EX41 EX48 GY01 HX30 5C065 AA03 BB06 DD02 EE01 EE02 GG23 GG27 GG49

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写界を撮像して該被写界を表わす画像
    信号を生成する固体撮像素子を含むディジタルカメラに
    おいて、 前記固体撮像素子は、前記被写界を表わす画面を構成す
    る複数の画素が配列され、該複数の画素のそれぞれは、
    第1の光電変換素子と、第1の光電変換素子より低い感
    度特性を有する第2の光電変換素子とを含み、 該カメラは、前記固体撮像素子を含む光学系のシェーデ
    ィング特性を補償するシェーディング補正手段を含み、 該シェーディング補正手段は、 前記画面の領域における各画素について、第1および第
    2の光電変換素子のうちの少なくとも一方に対応して前
    記シェーディング特性に応じた重み係数を蓄積する蓄積
    手段と、 前記画面の領域における各画素について、第1および第
    2の光電変換素子から出力される画像信号に前記蓄積手
    段に蓄積されている重み係数を乗じ、結果の画像信号を
    合成する演算手段とを含み、 前記重み係数は、前記画面の領域の周縁部の画素につい
    ては第1の光電変換素子の画像信号の割合が多く、前記
    画面の領域の中央部の画素については第2の光電変換素
    子の画像信号の割合が多いように設定され、これによっ
    て前記画像信号にシェーディング補正を行なうことを特
    徴とするディジタルカメラ。
  2. 【請求項2】 被写界を撮像して該被写界を表わす画像
    信号を出力するディジタルカメラにおいて、該カメラ
    は、 被写界を撮像して該被写界を表わす第1の画像信号を生
    成する第1の固体撮像素子と、 第1の固体撮像素子より低い感度特性を有し、前記被写
    界と同じ被写界を撮像して該被写界を表わす第2の画像
    信号を生成する第2の固体撮像素子と、 第1および第2の固体撮像素子を含む光学系のシェーデ
    ィング特性を補償するシェーディング補正手段を含み、 該シェーディング補正手段は、 前記被写界を表わす画面の領域における各画素につい
    て、第1および第2の固体撮像素子のうちの少なくとも
    一方に対応して前記シェーディング特性に応じた重み係
    数を蓄積する蓄積手段と、 前記画面の領域における画素ごとに、第1および第2の
    固体撮像素子から出力される画像信号に前記蓄積手段に
    蓄積されている重み係数を乗じ、結果の画像信号を合成
    する演算手段とを含み、 前記重み係数は、前記画面の領域の周縁部の画素につい
    ては第1の固体撮像素子の画像信号の割合が多く、前記
    画面の領域の中央部の画素については第2の固体撮像素
    子の画像信号の割合が多いように設定され、これによっ
    て前記画像信号にシェーディング補正を行なうことを特
    徴とするディジタルカメラ。
  3. 【請求項3】 請求項2の記載のディジタルカメラにお
    いて、該カメラはさらに、前記被写界からの入射光を2
    分割し、該分割された入射光の一方を第1の固体撮像素
    子へ、また他方を第2の固体撮像素子へ導く入射光分割
    手段を含むことを特徴とするディジタルカメラ。
  4. 【請求項4】 被写界を表わす画面を構成する複数の画
    素が配列され、該複数の画素のそれぞれは、第1の光電
    変換素子と、第1の光電変換素子より低い感度特性を有
    する第2の光電変換素子とを含む固体撮像素子によっ
    て、被写界を撮像する工程と、 前記画面の領域における各画素について、第1および第
    2の光電変換素子のうちの少なくとも一方について前記
    シェーディング特性に応じた重み係数を用意し、該重み
    係数は、前記画面の領域の周縁部の画素については第1
    の光電変換素子の画像信号の割合が多く、前記画面の領
    域の中央部の画素については第2の光電変換素子の画像
    信号の割合が多いように設定する工程と、 前記画面の領域における各画素について、第1および第
    2の光電変換素子から出力される画像信号に前記重み係
    数を乗じ、結果の画像信号を合成する工程とを含み、 これによって前記画像信号にシェーディング補正を行な
    うことを特徴とするディジタルカメラのシェーディング
    補正方法。
  5. 【請求項5】 被写界を撮像して該被写界を表わす第1
    の画像信号を生成する第1の固体撮像素子と、第1の固
    体撮像素子より低い感度特性を有し、前記被写界を撮像
    して該被写界を表わす第2の画像信号を生成する第2の
    固体撮像素子とを含む固体撮像素子によって、同じ被写
    界を撮像する工程と、 前記被写界を表わす画面の領域における各画素につい
    て、第1および第2の固体撮像素子のうちの少なくとも
    一方について前記シェーディング特性に応じた重み係数
    を用意し、該重み係数は、前記画面の領域の周縁部の画
    素については第1の固体撮像素子の画像信号の割合が多
    く、前記画面の領域の中央部の画素については第2の固
    体撮像素子の画像信号の割合が多いように設定する工程
    と、 前記画面の領域における画素ごとに、第1および第2の
    固体撮像素子から出力される画像信号に前記重み係数を
    乗じ、結果の画像信号を合成する工程とを含み、 これによって前記画像信号にシェーディング補正を行な
    うことを特徴とするディジタルカメラのシェーディング
    補正方法。
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CN110036630A (zh) * 2016-12-08 2019-07-19 松下知识产权经营株式会社 固体摄像装置以及摄像装置

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