JP2003332615A - 半導体発光素子 - Google Patents

半導体発光素子

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JP2003332615A
JP2003332615A JP2002134678A JP2002134678A JP2003332615A JP 2003332615 A JP2003332615 A JP 2003332615A JP 2002134678 A JP2002134678 A JP 2002134678A JP 2002134678 A JP2002134678 A JP 2002134678A JP 2003332615 A JP2003332615 A JP 2003332615A
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light
layer
wavelength
semiconductor light
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JP2002134678A
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Michio Kondo
道雄 近藤
Yoshiyuki Mizuno
義之 水野
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境温度の変化に伴う発光強度の低下を可及
的に抑えた共鳴空洞型の半導体発光素子を提供する。 【解決手段】 ノッチフィルタと、反射層54とによっ
て構成される光共振器により、活性層58を含む発光層
により発生させられた光が互いに異なる2つの共振波長
をもって光共振させられる。かかる2つの共振波長が、
半導体発光素子50に所望される発光波長λから長波長
側および短波長側にそれぞれ所定波長だけずれた値に設
定されることにより、たとえば光通信に寄与するその進
行方向と発光面80の中心における法線との成す角φが
所定の角度範囲内である光のとり得る波長域を、発光出
力をほとんど低下させることなく拡大することができる
為、上記発光層により発生させられる光のフォトルミネ
センス強度のピーク波長が温度変化に伴って長波長側あ
るいは短波長側へと推移したとしても、常温と同程度の
光強度の光を供給することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえばプラスチ
ック光ファイバ(POF:Plastic Optic
al Fiber)に光を供給する為の光源などに好適
に用いられる共鳴空洞型の半導体発光素子の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光通信に不可欠な伝達媒体である光ファ
イバの一態様として、プラスチック光ファイバ(以下、
POFと称する)が知られている。かかるPOFは、た
とえばポリメチルメタアクリレート(PMMA)から成
るコアがフッ素樹脂から成るクラッドにその外周を被覆
されて構成されたものであり、石英系の材料から成る光
ファイバと比較して開口数(NA:Numerical
Aperture)が高い、口径を広くし易い、価格
が安いなどの利点を有している。その一方で、伝送損失
がたとえば0.2dB/m程度と比較的大きい為、伝送
距離が比較的短いホームユースあるいは自動車機器など
に多用されている。
【0003】そのようなPOFの伝送損失は、伝送され
る光の波長に依存するものであり、赤外線領域には電子
準位の励起による強い吸収があり、紫外線領域にはプラ
スチック材料中の原子間収縮運動に基づく多数の振動吸
収ピークがある。従って、最も低損失となる波長は可視
光領域に存在し、たとえば0.62〜0.68μm程度
の波長域において伝送損失が可及的に低く抑えられる。
【0004】かかるPOFに光を供給する為の光源とし
て、たとえば図1に示すような面発光型LED10が好
適に用いられる。図において、面発光型LED10は、
n−GaAs単結晶から成る基板12上に順次結晶成長
させられたn−AlAs単結晶およびn−AlGaAs
単結晶が交互に32対積層された基板側反射層14、i
−AlInGaP単結晶から成る第1バリア層16、i
−InGaP単結晶から成る活性層18、i−AlIn
GaP単結晶から成る第2バリア層20、p−AlAs
単結晶およびp−AlGaAs単結晶が交互に8対積層
された発光面側反射層22、p−GaAs単結晶から成
るクラッド層24、およびn−AlGaAs単結晶から
成る電流阻止層26と、基板12の下面および電流阻止
層26の上面にそれぞれ固着された下部電極28および
上部電極30とから構成されている。なお、上記電流阻
止層26上に設けられた上部電極30の内周側に位置す
る領域には、たとえばエッチングなどの手段により凹部
32が形成されており、その底面が発光面34に対応す
る。また、上記クラッド層24および電流阻止層26に
おける図1に斜線で示す領域には、たとえばZnなどの
p型ドーパントが高濃度で拡散された高濃度拡散領域3
6が形成されることにより、その領域内においては上記
クラッド層24の導電性が高められると共に、上記電流
阻止層26の導電型が反転させられてp型とされ、上記
凹部32に対応する部分のみが通電可能とされた電流狭
窄構造が形成されている。また、上記第1バリア層16
の下面から上記第2バリア層20の上面に至るまでの光
学的厚み寸法すなわち物理的厚みと屈折率との積は、面
発光型LED10に所望される発光波長λたとえば0.
65μm程度とされている。
【0005】以上のように構成された面発光型LED1
0では、下部電極28および上部電極30間に電圧を印
加されることにより、上述の通電可能領域を通る経路で
電流が流れ、これによって上記活性層18が励起されて
発光させられる。このとき、上記第1バリア層16、活
性層18、および第2バリア層20は1対の反射層14
および22によって構成される光共振器内に設けられて
いることから、共振条件を満足する上記波長λ程度の光
が上記発光面34から好適に放出される。すなわち、図
1に示す面発光型LED10は、λ共振器を備えた共鳴
空洞型発光ダイオード(RC−LED)である。
【0006】図2は、前記面発光型LED10がPOF
38に光を供給する為の光源として用いられる様子を示
す概略図である。この図に示すように、前記面発光型L
ED10は、凸レンズ40と一体に形成された屈折率が
たとえば1.5の合成樹脂部材42に包囲されてその内
部に、上記発光面34がその凸レンズ40側に向き且つ
その発光面34の中心における法線が上記凸レンズ40
の光軸と略一致するように設けられている。また、上記
合成樹脂部材42は、上記凸レンズ40の光軸が上記P
OF38の端面近傍における軸心と略一致するように配
設される。前記面発光型LED10から放出された光L
は、上記凸レンズ40によって屈折させられ、上記PO
F38におけるコア44の端面に入射させられる。その
コア44の外周はクラッド46により被覆されており、
上記光Lは、そのコア44とクラッド46との境界にお
いて反射させられ、かかる反射が繰り返されることによ
り1方向に伝送される。
【0007】ところで、光ファイバは一般に所定の開口
数NAを有する。その開口数NAは上記コア44の屈折
率をn1、上記クラッド46の屈折率をn2として次の数
式1で与えられる。かかる値は同時に、上記コア44の
端面の法線と上記光Lの進行方向とが成す角すなわち入
射角をθとして、数式2で示される上記光Lの入射角許
容範囲を定めるものであり、この範囲を逸脱した光Lは
上記コア44とクラッド46との境界において反射され
ず上記クラッド46を透過する為、上記1方向に伝送さ
れず光通信に寄与しない。
【0008】[数式1] NA≡(n1 2−n2 21/2 [数式2] NA≧sinθ
【0009】かかる開口数NAは、たとえば0.3〜
0.5程度であり、前記POF38においては0.3程
度であると考えると、前記入射角θは17.5°程度ま
で許容されるものとなる。また、前記凸レンズ40は、
前記合成樹脂部材42内においてその進行方向と前記発
光面34の中心における法線との成す角φが35°であ
る光Lが、空気中に射出された際にその進行方向と前記
発光面の中心における法線との成す角θが17.5°と
なるように光Lを屈折させるものであると考える。すな
わち、前記合成樹脂部材42内においてその進行方向と
前記発光面の中心における法線との成す角φが35°以
下である光Lが前記POF38による光通信に寄与する
運びとなる。
【0010】図3は、前記第2バリア層20の内部から
前記発光面側反射層22に向けてそれらの境界面に垂直
に進行する光Lの波長とその方向における反射率との関
係を示すグラフであり、図4は、前記第1バリア層16
の内部から前記基板側反射層14に向けてそれらの境界
面に垂直に進行する光Lの波長とその方向における反射
率との関係を示すグラフである。この2つのグラフは2
0℃程度の温度雰囲気におけるものであり、何れのグラ
フも鎖線で示す波長0.66μm付近において最大値を
とっていることがわかる。図5は、空気中から前記面発
光型LED10の発光面34に向けて垂直に進行する光
Lの波長とその方向における反射率との関係を示すグラ
フである。このグラフは、図3および図4のグラフと同
じく20℃程度の温度雰囲気におけるものであり、鎖線
で示す波長0.66μm付近において反射率が最大値か
ら局域的に低下する波長域(以下、キャビティモードと
称する)が存在することがわかる。かかるキャビティモ
ードは前記面発光型LED10の内部光共振器において
共振させられ且つ前記発光面34から出力される発光波
長λとよく一致するものであり、図6に示すように、そ
の光Lの進行方向と前記発光面34の中心における法線
との成す角φによって一義的に定まるものである。すな
わち、前記1対の反射層14および22によって構成さ
れる光共振器により光共振させられる波長は前記発光面
34の中心における法線との成す角φによって異なり、
そのように光共振させられる波長がその角度における発
光波長に対応するものと考えられる。なお、図6は、前
記面発光LED10を20℃程度の空気中にて発光させ
た際の関係を示しており、前記合成樹脂部材42内にお
いては、図6におけるそれぞれの角度と対応する角度φ
において同様のキャビティモードのずれが生じる。
【0011】図7は、20℃程度の温度雰囲気における
光Lの進行方向と前記発光面34の中心における法線と
の成す角の変化によるキャビティモードの推移を説明す
るグラフであり、活性層18において発生させられる光
の波長とフォトルミネセンス(PL)強度との関係を
(s)に併記している。ここで、(a)は空気中から前
記面発光型LED10の発光面34に向けて垂直に進行
する光Lの波長とその方向における反射率との関係を示
すグラフであり、(b)は同じく発光面34に向けてそ
の法線と成す角が40°となるようにすなわち前記合成
樹脂部材42内において成す角φが20°となるように
進行する光Lの波長とその方向における反射率との関係
を示すグラフであり、(c)は同じく発光面34に向け
てその法線と成す角が70°となるようにすなわち前記
合成樹脂部材42内において成す角φが35°となるよ
うに進行する光Lの波長とその方向における反射率との
関係を示すグラフである。この図に示すように、前記キ
ャビティモードは前述の成す角φが20°の光Lにおい
ては波長0.65μm付近に存在し、成す角φが35°
の光Lにおいては波長0.64μm付近に存在する。す
なわち、前述のように光通信に寄与するその進行方向と
前記発光面34の中心における法線との成す角φが0〜
35°の光Lは、波長0.64〜0.66μmの波長域
にそれぞれキャビティモードの中心を有するものであ
り、前記活性層18において発生させられる光の内、か
かる波長域に含まれる光は、前記1対の反射層14およ
び22によって構成される光共振器により光共振させら
れ、何れかの角度φにおいて射出させられ、前記凸レン
ズ40を経てPOF38による光通信に寄与する。
(s)のグラフにおいて、斜線で示された部分がそのよ
うにPOF38による光通信に寄与する波長域であり、
その面積は前記POF38により伝送される光強度(伝
送損失を考えない値)に対応する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図7の(s)
に示す活性層18により発生させられる光のフォトルミ
ネセンス強度は温度に依存するものであり、その値が最
大となるピーク波長は、温度上昇に伴って、たとえば
0.12nm/℃程度の変化率で長波長側へと推移する
ものである。図8は、100℃程度の温度雰囲気におけ
る光Lの進行方向と前記発光面の中心における法線との
成す角φの変化によるキャビティモードの推移を説明す
るグラフであり、活性層18において発生させられる光
の波長とフォトルミネセンス強度との関係を(s)に併
記している。ここで、(a)〜(c)は、図7における
(a)〜(c)にそれぞれ対応する。なお、かかる
(a)〜(c)のグラフもまた温度上昇により若干変化
するものであるが、フォトルミネセンス強度の推移に比
べて十分に小さなものである為、図においてはその変化
を無視した。この図に示すように、100℃程度の温度
雰囲気においては、(s)に示すフォトルミネセンス強
度のピーク波長が長波長側に推移することにより、斜線
で示される面積が20℃程度の温度雰囲気におけるそれ
よりも小さくなっていることがわかる。同様に、たとえ
ば−60℃程度といった温度雰囲気においてもかかる斜
線で示される面積は小さくなる。これは、従来の面発光
型LED10がたとえば前記POF38に光を供給する
為の光源として用いられた場合、その温度変化によって
前記POF38により伝送される光強度が低下すること
を示している。
【0013】前記POF38は、前述のように、自動車
機器などに使用されるものである為、たとえばエンジン
ルーム内において100℃付近の温度雰囲気に置かれる
ことが想定され、また寒冷地においては氷点下における
作動が求められる。すなわち、たとえば−60〜100
℃程度の温度範囲においては常温とほとんど変わらない
光強度をもって光が伝送されることが望ましいが、その
ように好適な伝送を実現する半導体発光素子は、未だ開
発されていないのが現状であった。
【0014】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであり、その目的とするところは、環境温度の変
化に伴う発光強度の低下を可及的に抑えた共鳴空洞型の
半導体発光素子を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成
する為に、本第1発明の要旨とするところは、量子井戸
構造の発光層と、その発光層により発生させられた光を
反射する為の反射層とを備えて構成された共鳴空洞型の
半導体発光素子であって、第1多層膜層および第2多層
膜層と、その第1多層膜層および第2多層膜層の間に挟
まれて設けられたスペーサ層とから成るノッチフィルタ
を備え、そのノッチフィルタと前記反射層との間に前記
発光層が挟まれて設けられていることを特徴とするもの
である。
【0016】
【第1発明の効果】このようにすれば、前記ノッチフィ
ルタと、前記反射層とによって構成される光共振器によ
り、前記発光層により発生させられた光が互いに異なる
2つの共振波長をもって光共振させられる。かかる2つ
の共振波長が、前記半導体発光素子に所望される発光波
長から長波長側および短波長側にそれぞれ所定波長だけ
ずれた値に設定されることにより、たとえば光通信に寄
与するその進行方向と発光面の中心における法線との成
す角が所定の角度範囲内である光のとり得る波長域を、
発光出力をほとんど低下させることなく拡大することが
できる為、前記発光層により発生させられる光のフォト
ルミネセンス強度のピーク波長が温度変化に伴って長波
長側あるいは短波長側へと推移したとしても、常温と同
程度の光強度を備えた光を供給することが可能となる。
すなわち、環境温度の変化に伴う発光強度の低下を可及
的に抑えた半導体発光素子を提供することができる。
【0017】
【第1発明の他の態様】ここで、好適には、前記ノッチ
フィルタは、前記発光層よりも発光面側に設けられたも
のである。このようにすれば、前記半導体発光素子を比
較的簡単に作製でき、前記発光面から好適な放出光が得
られるという利点がある。
【0018】また、好適には、前記第1多層膜層および
第2多層膜層は、それぞれ積層数が異なるものである。
このようにすれば、その第1多層膜層および第2多層膜
層の積層数を適宜設定することにより、前記半導体発光
素子に所望される発光波長に好適に対応したノッチフィ
ルタが構成されるという利点がある。
【0019】また、好適には、前記半導体発光素子は垂
直キャビティ型面発光レーザである。このようにすれ
ば、指向性に優れた光を供給することが可能な半導体発
光素子を提供することができるという利点がある。
【0020】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記課題を
解決する為に、本第2発明の要旨とするところは、量子
井戸構造の発光層が、その発光層により発生させられた
光を反射する為の1対の反射層の間に挟まれて設けられ
た共鳴空洞型の半導体発光素子であって、その半導体発
光素子の発光面に光を照射した際に、その光の反射率が
最大値から局域的に低下する波長域が少なくとも2つ存
在することを特徴とするものである。
【0021】
【第2発明の効果】このようにすれば、半導体発光素子
の発光面に光を照射した際に、その光の反射率が最大値
から局域的に低下する少なくとも2つの波長域が存在
し、かかる波長域それぞれの中心波長が、前記半導体発
光素子に所望される発光波長から長波長側および短波長
側にそれぞれ所定波長だけずれた値に設定されることに
より、たとえば光通信に寄与するその進行方向と発光面
の中心における法線との成す角が所定の角度範囲内であ
る光のとり得る波長域を、発光出力をほとんど低下させ
ることなく拡大することができる為、前記発光層により
発生させられる光のフォトルミネセンス強度のピーク波
長が温度変化に伴って長波長側あるいは短波長側へと推
移したとしても、常温と同程度の光強度を備えた光を供
給することが可能となる。すなわち、環境温度の変化に
伴う発光強度の低下を可及的に抑えた半導体発光素子を
提供することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図面に基づい
て詳細に説明する。なお、以下の説明に用いる図面に関
して、各部の寸法比等は必ずしも正確には描かれていな
い。
【0023】図9は、図1に示す従来の面発光型LED
10に印加される電流と配光パターンとの関係を示す図
である。かかる図において、半円の径方向はその電流が
流された際の発光出力の最大値を1.0とした発光出力
の相対値を、半円の周方向は発光面34の法線と光Lの
進行方向とが成す角をそれぞれ示す。この図に示すよう
に、半導体発光素子に印可される電流と配光パターンと
の関係は、ラビットイヤと呼ばれる兎の耳状の線図を形
成する。上記面発光型LED10に印加される電流が1
0mAから20mA、50mAへと上昇するに従い、か
かるラビットイヤが狭まっているすなわち上記面発光型
LED10の発光面34から放出される放出光のとる角
度範囲が狭まっていることがわかるが、これはより大き
な電流が印加されることにより、上記面発光型LED1
0においてより高い発熱が発生していることに起因する
ものである。
【0024】すなわち、半導体発光素子の配光パターン
は温度依存性を呈するものであり、図10に、図1に示
す従来の面発光型LED10の温度と配光パターンとの
関係をさらに詳しく示す。ここでは、図2に示すような
POF38に光を供給する為の点光源として用いられる
半導体発光素子に態様を近づける為、屈折率1.5の合
成樹脂材料に包囲されてその内に設けられた上記面発光
型LED10に、20mAの電流を印加してその合成樹
脂材料中を進行する光の測定をおこなった。なお、図9
は、空気中を進行する光を測定したものであり、図10
のラビットイヤが図9に比べておしなべて狭まっている
のはそのように屈折率が異なる為である。この図10に
示すように、上記面発光型LED10の温度が20℃か
ら80℃、100℃、120℃、150℃へと上昇する
に従い、上記ラビットイヤが狭まっているすなわち上記
面発光型LED10の発光面34から放出される放出光
のとる角度範囲が狭まっていることがわかる。
【0025】かかる図9および図10から明らかなよう
に、半導体発光素子の発光面から放出される放出光のと
る角度範囲はその温度上昇によって狭まる。これはすな
わち、半導体発光素子が図2に示すようなPOF38に
光を供給する為の点光源として用いられる場合、その温
度上昇に伴い発光面から放出される放出光が絞られてそ
のPOF38に入射し易くなることを意味している。し
かし、その一方で、放出光の利得幅(発光スペクトルの
ピーク波長における利得に対して所定割合以上の利得が
得られる波長域の幅)は、図7と図8とを比較して示し
たように、たとえば100℃以上といった比較的高温に
おいては常温に比べて狭まる為、放出光のとる角度範囲
が上述のように狭くなったとしても、上記POF38に
おいて光通信に寄与する光強度は実質的に低下する。と
ころで、図2に示す凸レンズ40は、たとえば合成樹脂
部材42内においてその進行方向と前記発光面の中心に
おける法線との成す角φが35°である光Lが、空気中
に射出された際にその進行方向と前記発光面の中心にお
ける法線との成す角θが17.5°となるように光Lを
屈折させるものであり、上記POF38は、たとえばそ
の成す角θが17.5°以下の光を許容するものであ
る。すなわち、POF38に光を供給する為の光源とし
て用いられる従来の半導体発光素子は、そのような配光
パターンの温度依存性を予め考慮した上で、専ら常温す
なわち20℃前後で好適に作動するように設計されてい
るのである。
【0026】図11は、本発明の第1実施例である半導
体発光素子50の構成を示す図である。図において、半
導体発光素子50は、n−GaAs単結晶から成る基板
52上に、たとえばMOCVD(Metal Orga
nic ChemicalVapor Deposit
ion:有機金属化学気相成長)法などのエピタキシャ
ル成長技術によって順次結晶成長させられたn−AlG
aAs単結晶およびn−AlAs単結晶が交互に32対
積層された反射層54、i−AlInGaP単結晶から
成る第1バリア層56、i−InGaP単結晶から成る
活性層58、i−AlInGaP単結晶から成る第2バ
リア層60、p−AlAs単結晶およびp−AlGaA
s単結晶が交互に9対積層された第1多層膜層62、p
−AlGaAs単結晶から成るスペーサ層64、p−A
lAs単結晶およびp−AlGaAs単結晶が交互に9
対積層された第2多層膜層66、p−GaAs単結晶か
ら成るクラッド層68、およびn−AlGaAs単結晶
から成る電流阻止層70と、基板52の下面および電流
阻止層70の上面にそれぞれ固着された下部電極72お
よび上部電極74とから構成されている。なお、上記電
流阻止層70上に設けられた上部電極74の内周側に位
置する領域には、たとえばエッチングなどの手段により
凹部76が形成されており、上記クラッド層68および
電流阻止層70における図11に斜線で示す領域には、
たとえばZnなどのp型ドーパントが高濃度で拡散され
た高濃度拡散領域78が形成されることにより、その領
域内においては上記クラッド層68の導電性が高められ
ると共に、上記電流阻止層70の導電型が反転させられ
てp型とされ、上記凹部76に対応する部分のみが通電
可能とされた電流狭窄構造が形成されている。
【0027】本実施例の半導体発光素子50の常温にお
ける前記発光面80に垂直な光の発光波長の設計値λを
1.0とした場合、それぞれの半導体層の光学的厚み寸
法すなわち物理的厚みと屈折率との積の相対値は、たと
えばそれぞれの光学的厚みが0.25であるn−AlG
aAs単結晶およびn−AlAs単結晶が32対積層さ
れた上記反射層54が光学的厚みで16.0(n−Al
GaAs単結晶の屈折率が約3.5、n−AlAs単結
晶の屈折率が約3.1であるので、物理的厚みが約4.
9)、上記第1バリア層56の下面から上記第2バリア
層60の上面に至るまでが同様に1.0(i−AlIn
GaP単結晶の屈折率が約3.3であるので、物理的厚
みが約0.3)、 それぞれの光学的厚みが0.25で
あるp−AlAs単結晶およびp−AlGaAs単結晶
が9対(p−AlAs単結晶が便宜上1層多く設けられ
ている)積層された上記第1多層膜層62が同様に4.
75(物理的厚みが約1.4)、上記スペーサ層64が
同様に0.5(物理的厚みが約0.14)、それぞれの
光学的厚みが0.25であるp−AlAs単結晶および
p−AlGaAs単結晶が9対積層された上記第2多層
膜層66が同様に4.5(物理的厚みが約1.4)、上
記クラッド層68の下面から上記電流阻止層70におけ
る凹部76の底面すなわち発光面80に至るまでが同様
に0.5(物理的厚みが約0.14)とされたものであ
る。本実施例においては、上記第1バリア層56、活性
層58、および第2バリア層60が量子井戸構造の発光
層を、上記第1多層膜層62、スペーサ層64、および
第2多層膜層66がノッチフィルタをそれぞれ構成して
いる。
【0028】以上のように構成された半導体発光素子5
0では、下部電極72および上部電極74間に電圧を印
加されることにより、上述の通電可能領域を通る経路で
電流が流れ、これによって上記活性層58が励起されて
発光させられる。このとき、上記第1バリア層56、活
性層58、および第2バリア層60は前記反射層54と
上記ノッチフィルタにより構成される光共振器内に設け
られていることから、共振条件を満足する光が上記発光
面80から好適に放出される。すなわち、図11に示す
半導体発光素子50は、内部光共振器を備えた共鳴空洞
型発光ダイオード(RC−LED)であり、上記ノッチ
フィルタが総体的に発光面80側の反射層に対応する。
【0029】図12は、前記第2バリア層60の内部か
ら前記第1多層膜層62に向けてそれらの境界面に垂直
に進行する光Lの波長とその方向における反射率との関
係を示すグラフであり、図13は、前記第1バリア層5
6の内部から前記反射層54に向けてそれらの境界面に
垂直に進行する光Lの波長とその方向における反射率と
の関係を示すグラフである。この2つのグラフは20℃
程度の温度雰囲気におけるものであり、図12のグラフ
は、0.64〜0.68μm程度の波長域において最大
値をとり、波長0.66μm付近において反射率がその
最大値から局域的に低下していることがわかる。そのよ
うな波長0.66μm付近における反射率の局域的な低
下は、前記半導体発光素子50に前記ノッチフィルタが
設けられていることによるものと考えられる。また、図
13のグラフは、0.64〜0.68μm程度の波長域
において最大値をとっていることがわかる。
【0030】図14の(a)は、空気中から前記半導体
発光素子50の発光面80に向けて垂直に進行する光L
の波長とその方向における反射率との関係を示すグラフ
である。このグラフは、図12および図13のグラフと
同じく20℃程度の温度雰囲気におけるものであり、
0.655μm付近および0.665μm付近において
反射率が最大値から局域的に低下する波長域すなわちキ
ャビティモードがそれぞれ存在することがわかる。これ
は、図12に示した前記第2バリア層60の内部から前
記第1多層膜層62に向けての反射率が、波長0.66
μm付近においてその最大値から局域的に低下している
ことによるものと考えられ、すなわち前記半導体発光素
子50に前記ノッチフィルタが設けられていることによ
り、前記半導体発光素子50の発光面80に光を照射し
た際に、その光の反射率が最大値から局域的に低下する
波長域が2つ発生するものと考えられる。
【0031】前記活性層58で発生させられた光は、前
記反射層54と前記ノッチフィルタにより構成された光
共振器により光共振させられるものであり、その光共振
には、図12に示す前記第2バリア層60の内部から前
記第1多層膜層62に向けた反射率と、図13に示す前
記第1バリア層56の内部から前記反射層54に向けた
反射率とが関わってくる。すなわち、図12および図1
3に示す発光面80に垂直な光においては、図14の
(a)においてキャビティモードが現れている0.65
5μm付近および0.665μm付近の2つの波長をも
って、上記光共振器により光共振がおこなわれているも
のと考えられる。ここで、図12および図13における
かかる2つの波長を鎖線で示す。図12から明らかなよ
うに、かかる2つの波長においては、前記第2バリア層
60の内部から前記第1多層膜層62に向けた反射率は
0.8〜0.9程度であるが、そのような反射率であれ
ば十分な光共振がおこなわれ、前記発光層58により発
生させられた光が互いに異なる2つの共振波長をもって
光共振させられるのである。
【0032】図14は、本実施例の半導体発光素子50
が、図2に示すようにPOF38に光を供給する為の光
源として用いられた際に、20℃程度の温度雰囲気にお
ける光Lの進行方向と前記発光面80の中心における法
線との成す角φの変化によるキャビティモードの推移を
説明するグラフであり、活性層58において発生させら
れる光の波長とフォトルミネセンス(PL)強度との関
係を(s)に併記している。ここで、(a)は空気中か
ら前記半導体発光素子50の発光面80に向けて垂直に
進行する光Lの波長とその方向における反射率との関係
を示すグラフであり、(b)は同じく発光面80に向け
てその法線と成す角が40°となるようにすなわち前記
合成樹脂部材42内において成す角φが20°となるよ
うに進行する光Lの波長とその方向における反射率との
関係を示すグラフであり、(c)は同じく発光面80に
向けてその法線と成す角が70°となるようにすなわち
前記合成樹脂部材42内において成す角φが35°とな
るように進行する光Lの波長とその方向における反射率
との関係を示すグラフである。この図に示すように、前
記キャビティモードは前述の成す角φが20°の光Lに
おいては波長0.645μm付近および0.655μm
付近に存在し、成す角φが35°の光Lにおいては波長
0.635μm付近および0.645μm付近に存在す
る。すなわち、前述のように光通信に寄与するその進行
方向と前記発光面80の中心における法線との成す角φ
が0〜35°の光Lは、波長0.635〜0.665μ
mの波長域にそれぞれキャビティモードの中心を有する
ものであり、前記活性層58において発生させられる光
の内、かかる波長域に含まれる光は、前記反射層54と
前記ノッチフィルタにより構成される光共振器により光
共振させられ、何れかの角度φにおいて射出させられ、
前記凸レンズ40を経てPOF38による光通信に寄与
する。(s)のグラフにおいて、斜線で示された部分が
そのようにPOF38による光通信に寄与する波長域で
あり、その面積は前記POF38により伝送される光強
度(伝送損失を考えない値)に対応する。
【0033】前記活性層58により発生させられる光の
フォトルミネセンス強度は温度に依存するものであり、
その値が最大となるピーク波長は、温度上昇に伴って、
たとえば0.12nm/℃程度の変化率で長波長側へと
推移するものである。図15は、100℃程度の温度雰
囲気における光Lの進行方向と前記発光面80の中心に
おける法線との成す角φの変化によるキャビティモード
の推移を説明するグラフであり、活性層58において発
生させられる光の波長とフォトルミネセンス強度との関
係を(s)に併記している。ここで、(a)〜(c)
は、図14における(a)〜(c)にそれぞれ対応す
る。なお、かかる(a)〜(c)のグラフもまた温度上
昇により若干変化するものであるが、フォトルミネセン
ス強度の推移に比べて十分に小さなものである為、図に
おいてはその変化を無視した。この図に示すように、本
実施例の半導体発光素子50によれば、前記POF38
により伝送される光強度に対応する斜線で示される面積
が、100℃程度の温度雰囲気におけるものと20℃程
度の温度雰囲気におけるものとでほとんど変わらないこ
とがわかる。同様に、たとえば−60℃程度といった温
度雰囲気においても、かかる斜線で示される面積は常温
におけるそれと大差なく、本実施例のように、前述の2
つの共振波長が、前記半導体発光素子50に所望される
発光波長λから長波長側および短波長側にそれぞれ所定
波長だけずれた値に設定されることにより、たとえば光
通信に寄与するその進行方向と発光面80の中心におけ
る法線との成す角φが所定の角度範囲内である光のとり
得る波長域を、発光出力をほとんど低下させることなく
拡大することができるのである。
【0034】図16は、図1に示す従来の面発光型LE
D10を、図2に示すようにPOF38に光を供給する
為の光源として用いた際の、環境温度と光通信に寄与す
る光強度との関係を示すグラフである。また、図17
は、本実施例の半導体発光素子50を、図2に示すよう
にPOF38に光を供給する為の光源として用いた際
の、環境温度と光通信に寄与する光強度との関係を示す
グラフである。図16に示すように、従来の面発光型L
ED10においては、環境温度が80℃程度あるいは−
40℃程度において光強度が40%程度減少しているの
に対し、図17に示すように、本実施例の半導体発光素
子50においては、かかる温度においても光強度が20
%程度しか減少していないことがわかる。このように、
本実施例の半導体発光素子50では、前記発光層58に
より発生させられる光のフォトルミネセンス強度のピー
ク波長が温度変化に伴って長波長側あるいは短波長側へ
と推移した際の光強度の減少が、従来の半導体発光素子
と比較して1/2程度に抑えられていることがわかる。
【0035】このように、本第1実施例によれば、前記
ノッチフィルタと、前記反射層54とによって構成され
る光共振器により、前記活性層58を含む発光層により
発生させられた光が互いに異なる2つの共振波長をもっ
て光共振させられる。かかる2つの共振波長が、前記半
導体発光素子50に所望される発光波長λから長波長側
および短波長側にそれぞれ所定波長だけずれた値に設定
されることにより、たとえば光通信に寄与するその進行
方向と発光面80の中心における法線との成す角φが所
定の角度範囲内である光のとり得る波長域を、発光出力
をほとんど低下させることなく拡大することができる
為、前記活性層58を含む発光層により発生させられる
光のフォトルミネセンス強度のピーク波長が温度変化に
伴って長波長側あるいは短波長側へと推移したとして
も、常温と同程度の光強度の光を供給することが可能と
なる。すなわち、環境温度の変化に伴う発光強度の低下
を可及的に抑えた半導体発光素子50を提供することが
できる。
【0036】また、本第1実施例によれば、半導体発光
素子50の発光面80に光を照射した際に、その光の反
射率が最大値から局域的に低下する少なくとも2つの波
長域が存在し、かかる波長域それぞれの中心波長が、前
記半導体発光素子50に所望される発光波長λから長波
長側および短波長側にそれぞれ所定波長だけずれた値に
設定されることにより、たとえば光通信に寄与するその
進行方向と発光面80の中心における法線との成す角φ
が所定の角度範囲内である光のとり得る波長域を、発光
出力をほとんど低下させることなく拡大することができ
る為、前記活性層58を含む発光層により発生させられ
る光のフォトルミネセンス強度のピーク波長が温度変化
に伴って長波長側あるいは短波長側へと推移したとして
も、常温と同程度の光強度の光を供給することが可能と
なる。
【0037】また、好適には、前記ノッチフィルタは、
前記活性層58を含む発光層よりも発光面80側に設け
られたものである為、前記半導体発光素子50を比較的
簡単に作製でき、前記発光面80から好適な放出光が得
られるという利点がある。
【0038】続いて、本発明の他の実施例について説明
する。なお、以下の説明に用いる図面に関して、前述の
第1実施例と共通する部分については同一の符号を付し
てその説明を省略する。
【0039】図18は、本発明の第2実施例である内部
共振器を備えた共鳴空洞(RC)型の半導体発光素子9
0の構成を示す図である。かかる半導体発光素子90
は、たとえばその発光波長λが0.90μm程度に設定
されたものであり、図において、半導体発光素子90
は、基板52上に順次結晶成長させられたn−AlAs
単結晶およびn−GaAs単結晶が交互に36対積層さ
れた反射層92、i−GaAs単結晶から成る第1バリ
ア層94、i−InGaAs単結晶から成る活性層9
6、i−GaAs単結晶から成る第2バリア層98、p
−AlAs単結晶およびp−GaAs単結晶が交互に1
4対積層された第1多層膜層100、p−GaAs単結
晶から成るスペーサ層102、p−AlAs単結晶およ
びp−GaAs単結晶が交互に10対積層された第2多
層膜層104、クラッド層68、電流阻止層70と、基
板52の下面および電流阻止層70の上面にそれぞれ固
着された下部電極72および上部電極74とから構成さ
れている。
【0040】かかる半導体発光素子90において、それ
ぞれの半導体層の光学的厚み寸法は、上記反射層92、
第1多層膜層100、および第2多層膜層104の他は
前述の第1実施例においてそれぞれ対応する半導体層と
等しく、本実施例の半導体発光素子50の発光波長の設
計値λを1.0とした場合、それぞれの光学的厚みが
0.25であるn−AlAs単結晶およびn−GaAs
単結晶が36対(n−AlAs単結晶が便宜上1層多く
設けられている)積層された上記反射層92が光学的厚
みで18.25(n−AlAs単結晶の屈折率が約3.
0、n−GaAs単結晶の屈折率が約3.6であるの
で、物理的厚みが約5.6)、それぞれの光学的厚みが
0.25であるp−AlAs単結晶およびp−GaAs
単結晶が14対(p−AlAs単結晶が便宜上1層多く
設けられている)積層された上記第1多層膜層100が
同様に7.25(物理的厚みが約2.2)、それぞれの
光学的厚みが0.25であるp−AlAs単結晶および
p−GaAs単結晶が10対積層された上記第2多層膜
層104が同様に5.0(物理的厚みが約1.5)とさ
れたものである。
【0041】以上のように構成された半導体発光素子9
0では、下部電極72および上部電極74間に電圧を印
加されることにより、その反射層92とノッチフィルタ
とにより構成される光共振器により、前記発光面80に
垂直な放射光について、たとえば0.895μm付近お
よび0.905μm付近の2つの波長をもって、上記光
共振器により光共振がおこなわれる。すなわち、図18
に示すような構成によれば、上記光共振器により光共振
させられる2つの共振波長が、前記半導体発光素子90
に所望される発光波長λから長波長側および短波長側に
それぞれ0.005μm程度だけずれた値とされる。
【0042】このように、本第2実施例によれば、半導
体発光素子90を構成する半導体層の材料および厚み寸
法などを適宜選択することにより、上記光共振器により
光共振させられる2つの波長が、本実施例の半導体発光
素子90に所望される発光波長λから長波長側および短
波長側にそれぞれ所定波長だけずれた値に設定される。
それにより、たとえば光通信に寄与するその進行方向と
発光面80の中心における法線との成す角φが所定の角
度範囲内である光のとり得る波長域を、発光出力をほと
んど低下させることなく拡大することができる。すなわ
ち、前記半導体発光素子90に所望される発光波長λに
合わせた構成とすることにより、任意の発光波長λに関
して、環境温度の変化に伴う発光強度の低下を可及的に
抑制することができる。
【0043】図19は、本発明の第3実施例である内部
共振器を備えた共鳴空洞型の半導体発光素子110の構
成を示す図である。図において、半導体発光素子110
は、基板52上に順次結晶成長させられたn−AlGa
As単結晶およびn−AlAs単結晶が交互に36対積
層された反射層112、i−AlGaAs単結晶から成
る第1バリア層114、i−GaAs単結晶から成る活
性層116、i−AlGaAs単結晶から成る第2バリ
ア層118、p−AlGaAs単結晶およびp−AlA
s単結晶が交互にx対積層された第1多層膜層120、
p−AlGaAs単結晶から成るスペーサ層122、p
−AlGaAs単結晶およびp−AlAs単結晶が交互
にy対積層された第2多層膜層124、クラッド層6
8、電流阻止層70と、基板52の下面および電流阻止
層70の上面にそれぞれ固着された下部電極72および
上部電極74とから構成されている。
【0044】かかる半導体発光素子110において、そ
れぞれの半導体層の光学的厚み寸法は、上記反射層11
2、第1多層膜層120、および第2多層膜層124の
他は前述の第1実施例および第2実施例においてそれぞ
れ対応する半導体層と等しく、本実施例の半導体発光素
子110の発光波長の設計値λを1.0とした場合、そ
れぞれの光学的厚みが0.25であるn−AlGaAs
単結晶およびn−AlAs単結晶が36対(n−AlA
s単結晶が便宜上1層多く設けられている)積層された
上記反射層112が光学的厚みで18.25、それぞれ
の光学的厚みが0.25であるp−AlGaAs単結晶
およびp−AlAs単結晶がx対(p−AlGaAs単
結晶が便宜上1層多く設けられている)積層された上記
第1多層膜層100が同様に0.25(2x−1)、そ
れぞれの光学的厚みが0.25であるp−AlGaAs
単結晶およびp−AlAs単結晶がy対積層された上記
第2多層膜層104が同様に0.5yとされたものであ
る。
【0045】前記第1多層膜層120の積層数xおよび
第2多層膜層124の積層数yは、前記半導体発光素子
110の特性に影響を与える。図20は、前記半導体発
光素子110における第2多層膜層124の積層数yを
10対に固定し、空気中からその発光面80に向けて垂
直に進行する光Lの波長とその方向における反射率との
関係を示すグラフであり、(a)は前記第1多層膜層1
20の積層数xを8対としたもの、(b)は12対とし
たものである。この図に示すように、前記第1多層膜層
120の積層数xを増加させることにより、前記キャビ
ティモードが深くなっているすなわちその波長域におい
て反射率がより低下していることがわかる。前記キャビ
ティモードの深さは光共振のQ値(振動系の共振の鋭さ
を表す量)に関係するものであり、かかるキャビティモ
ードが深くなるのに伴って光共振のQ値が増大する。ま
た、図21は、前記半導体発光素子110における第1
多層膜層120の積層数xを10対に固定し、空気中か
らその発光面80に向けて垂直に進行する光Lの波長と
その方向における反射率との関係を示すグラフであり、
(a)は前記第2多層膜層124の積層数yを10対と
したもの、(b)は14対としたものである。この図に
示すように、前記第2多層膜層124の積層数yを増加
させることにより、前記2つのキャビティモードの相互
間隔が狭まっていることがわかる。
【0046】上記光共振のQ値は、前記活性層116を
含む発光層の利得によりその最適値が異なり、また、前
記半導体発光素子110に予想される環境温度によって
は、かかるキャビティモードの相互間隔を狭めた方が好
ましい場合も考えられる。ちなみに、前記第1多層膜層
120および第2多層膜層124の積層数を増大させた
場合、製造公差を大きくできる為に製造が容易になる。
このように、本実施例によれば、前記第1多層膜層12
0および第2多層膜層124は、それぞれ積層数が異な
るものである為、その第1多層膜層120および第2多
層膜層124の積層数を適宜設定することにより、前記
半導体発光素子110に所望される発光波長λなどの特
性に好適に対応したノッチフィルタが構成されるのであ
る。
【0047】次に、本発明の第4実施例である内部共振
器を備えた共鳴空洞型の半導体発光素子130について
説明する。かかる半導体発光素子130は、図19に示
す構成において、反射層112の積層数が48対、第1
多層膜層120および第2多層膜層124の積層数が2
5対とされたものである。そのように構成された半導体
発光素子130は、たとえばその発光波長λが0.83
μm程度の垂直キャビティ型面発光レーザ(VCSE
L)として機能する。すなわち、本実施例の半導体発光
素子130においては、活性層116を含む発光層によ
り発生させられた光が、反射層112とノッチフィルタ
により構成された光共振器によりレーザ共振させられる
ものであり、たとえば開口数NAが比較的低い石英系の
光ファイバに光を供給する為の光源あるいはレーザポイ
ンタ(レーザ光によりホワイトボードなどにおける任意
の点を指示する機器)の光源などとしても好適に用いる
ことができ、そのような光学機器の環境温度の変化に伴
う発光強度の低下を可及的に抑制することができる。
【0048】このように、本実施例の前記半導体発光素
子130は、垂直キャビティ型面発光レーザである為、
指向性に優れた光を供給することが可能な半導体発光素
子130を提供することができるという利点がある。
【0049】図22は、本発明の第5実施例である内部
共振器を備えた共鳴空洞型の半導体発光素子140の構
成を示す図である。図において、半導体発光素子140
は、基板52上に順次結晶成長させられたn−AlAs
単結晶およびn−AlGaAs単結晶が交互に36対積
層された反射層142、i−AlGaAs単結晶から成
る第1バリア層144、i−GaAs単結晶から成る活
性層146、i−AlGaAs単結晶から成る第2バリ
ア層148、p−AlAs単結晶およびp−AlGaA
s単結晶が交互にx対積層された第1多層膜層150、
p−AlGaAs単結晶から成る第1スペーサ層15
2、p−AlAs単結晶およびp−AlGaAs単結晶
が交互にy対積層された第2多層膜層154、p−Al
GaAs単結晶から成る第2スペーサ層156、p−A
lAs単結晶およびp−AlGaAs単結晶が交互にz
対積層された第3多層膜層158、クラッド層68、電
流阻止層70と、基板52の下面および電流阻止層70
の上面にそれぞれ固着された下部電極72および上部電
極74とから構成されている。なお、本実施例において
は、上記第1多層膜層150、第1スペーサ層152、
および第2多層膜層154が第1ノッチフィルタを、上
記第2多層膜層154、第2スペーサ層156、および
第3多層膜層158が第2ノッチフィルタをそれぞれ構
成している。
【0050】図23は、上記半導体発光素子140にお
いて、上記第1多層膜層150の積層数x、第2多層膜
層154の積層数y、および第3多層膜層158の積層
数zを何れも14対とした際に、空気中からその発光面
80に向けて垂直に進行する光Lの波長とその方向にお
ける反射率との関係を示すグラフである。この図に示す
ように、本実施例の半導体発光素子140によれば、そ
の発光面80に光を照射した際に、その光の反射率が最
大値から局域的に低下するキャビティモードが3つ現れ
ていることがわかる。そのように、本発明の半導体発光
素子にn個のノッチフィルタが設けられている場合、そ
の半導体発光素子の発光面に光を照射した際にn+1個
のキャビティモードが現れるものと考えられる。本実施
例の半導体発光素子140は、所望される発光波長λが
0.83μm程度とされたものであり、中央のキャビテ
ィモードの中心波長がかかる発光波長λと略一致するよ
うに、その他のキャビティモードの中心波長が、発光波
長λから長波長側および短波長側にそれぞれ所定波長だ
けずれた値に設定されることにより、前述の第1実施例
などと同様に環境温度の変化に伴う発光強度の低下を可
及的に抑えることができる。
【0051】図24は、前記半導体発光素子140にお
いて、前記第1多層膜層150の積層数xを7対、第2
多層膜層154の積層数yを14対、および第3多層膜
層158の積層数zを7対とした際に、空気中からその
発光面80に向けて垂直に進行する光Lの波長とその方
向における反射率との関係を示すグラフである。この図
に示すように、そのような積層数の組み合わせによれ
ば、波長0.83μm付近に現れた中央のキャビティモ
ードが、他のキャビティモードに比べて傾斜が緩やかで
深さも浅くなっている。前述の第1実施例などにおいて
は、キャビティモードに対応する波長において、量子井
戸構造の発光層により発生させられた光が光共振させら
れることにより誘導放射(特定の遷移に合致する周波数
をもって入射する放射が引金となって生じる励起準位か
らより低い準位への量子遷移による電磁波の放出)が引
き起こされていたわけであるが、図24に示す中央のキ
ャビティモードに対応する波長付近の光は誘導放射によ
るものではなく、ほとんど自然放射に近いものとなる。
それにより、前記発光面80から放出される放出光は、
波長0.82μm付近および0.84μm付近の誘導放
射による光と、波長0.83μm付近の自然放射による
光とが混合されたものとなるが、前記発光層の利得が小
さい場合などはそのような構成により却って高い発光強
度が得られることも考えられる。
【0052】このように、本実施例によれば、前記n個
のノッチフィルタと、前記反射層142とによって構成
される光共振器により、前記活性層146を含む発光層
により発生させられた光が互いに異なるn+1個の共振
波長をもって光共振させられる。かかるn個の共振波長
(所望される発光波長λと一致するものを除く)が、前
記半導体発光素子140に所望される発光波長λから長
波長側および短波長側にそれぞれ所定波長だけずれた値
に設定されることにより、たとえば光通信に寄与するそ
の進行方向と発光面80の中心における法線との成す角
φが所定の角度範囲内である光のとり得る波長域を、発
光出力をほとんど低下させることなく拡大することがで
きる為、前記活性層146を含む発光層により発生させ
られる光のフォトルミネセンス強度のピーク波長が温度
変化に伴って長波長側あるいは短波長側へと推移したと
しても、常温と同程度の光強度の光を供給することが可
能となる。また、前記n個のノッチフィルタを構成する
n+1層の多層膜層それぞれの層数を適宜設定すること
により、たとえば前記発光面80から誘導放出による光
と自然放出による光とが混合された光を放出させること
ができるなどといった利点がある。
【0053】以上、本発明の好適な実施例を図面に基づ
いて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、さらに別の態様においても実施される。
【0054】図25は、前述の第1実施例の半導体発光
素子50における発光面付近の構成および電流狭窄構造
を変更した実施例である半導体発光素子160の構成を
示す図である。かかる半導体発光素子160において
は、前記半導体発光素子50における前記第2多層膜層
66に対応する多層膜層が、半導体多層膜層162およ
び誘電体多層膜層164とされている。図に示すよう
に、かかる誘電体多層膜層164は、上記半導体多層膜
層162の上面に設けられた上部電極74の内周側に積
層されており、その上面が発光面166に対応する。ま
た、基板52における反射層54との境界付近から上記
半導体多層膜層162の中央付近に至るまでの領域に、
上記発光面166に対応する部分を除いて水素イオンが
局所的に注入されることにより、図において斜線で示す
領域が水素注入領域168とされて電流狭窄構造が形成
されている。本発明は、このような構成によるものであ
ってもよく、半導体多層膜のみで構成されていた前記第
2多層膜層66の一部が誘電体多層膜で代替されること
により、より少ない積層数すなわち厚みにおいて半導体
発光素子160に所望の特性を付与することができると
いう利点がある。
【0055】また、図26は、上面および下面から光が
放出される半導体発光素子170の構成を示す図であ
る。かかる半導体発光素子170は、たとえばサファイ
アなどの透光性基板172上に形成された第1多層膜層
174と、スペーサ層176と、第2多層膜層178
と、第1バリア層56と、活性層58と、第2バリア層
60と、第3多層膜層180とを備えて構成されてお
り、上記第1多層膜層174、スペーサ層176、およ
び第2多層膜層178がノッチフィルタを構成し、上記
第3多層膜層180が反射層に対応する。また、上記第
3多層膜層180の上面から上記第2多層膜層178の
中央付近に至るまでの側部がたとえばメサエッチングな
どの手段により除去されており、それにより露出させら
れた第2多層膜層178の上面に下部電極72が、第3
多層膜層180の上面に上部電極74がそれぞれ設けら
れている。そのように構成された半導体発光素子170
においては、上記透光性基板172の下面および上記第
3多層膜層180の上面における上記上部電極74の内
周側がそれぞれ発光面182および184に対応し、上
面および下面から光が放出される。本発明は、そのよう
な半導体発光素子170に適用されてもよく、さらに
は、上記第1多層膜層174がSiO2などの電気絶縁
性の誘電体多層膜から成るものであっても構わない。
【0056】また、前述の実施例においては、単一の量
子井戸構造から成る発光層を備えた半導体発光素子50
などに本発明が適用された実施例について説明したが、
本発明は、たとえば前記ノッチフィルタと反射層との間
に複数層の活性層を備えた多重量子井戸構造を備えた半
導体発光素子に用いられても当然に構わない。
【0057】また、前述の実施例においては、発光波長
λが専ら可視光域に設定された半導体発光素子50など
に本発明が適用された実施例について説明したが、本発
明は、発光波長λがたとえば紫外線域あるいは赤外線域
など、可視光域を逸脱する波長域に設定された半導体発
光素子に用いられても構わない。
【0058】その他一々例示はしないが、本発明はその
趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えら
れて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】量子井戸構造の発光層を備えた従来の面発光型
LEDの構成を示す図である。
【図2】図1に示す面発光型LEDがPOFに光を供給
する為の光源として用いられる様子を示す概略図であ
る。
【図3】図1に示す面発光型LEDにおいて、第2バリ
ア層の内部から発光面側反射層に向けてそれらの境界面
に垂直に進行する光の波長とその方向における反射率と
の関係を示すグラフである。
【図4】図1に示す面発光型LEDにおいて、第1バリ
ア層の内部から基板側反射層に向けてそれらの境界面に
垂直に進行する光の波長とその方向における反射率との
関係を示すグラフである。
【図5】図1に示す面発光型LEDにおいて、空気中か
らその発光面に向けて垂直に進行する光の波長とその方
向における反射率との関係を示すグラフである。
【図6】図1に示す面発光型LEDにおいて、光の進行
方向と発光面の中心における法線との成す角の変化によ
るキャビティモードのずれを示すグラフである。
【図7】図1に示す面発光型LEDにおいて、20℃程
度の温度雰囲気における光の進行方向と発光面の中心に
おける法線との成す角の変化によるキャビティモードの
推移を説明するグラフである。
【図8】図1に示す面発光型LEDにおいて、100℃
程度の温度雰囲気における光の進行方向と発光面の中心
における法線との成す角の変化によるキャビティモード
の推移を説明するグラフである。
【図9】図1に示す面発光型LEDに印加される電流と
配光パターンとの関係を示す図である。
【図10】図1に示す面発光型LEDの用いられる環境
温度と配光パターンとの関係を示す図である。
【図11】本発明の第1実施例である半導体発光素子の
構成を示す図である。
【図12】図11に示す半導体発光素子において、第2
バリア層の内部から第1多層膜層に向けてそれらの境界
面に垂直に進行する光の波長とその方向における反射率
との関係を示すグラフである。
【図13】図11に示す半導体発光素子において、第1
バリア層の内部から反射層に向けてそれらの境界面に垂
直に進行する光の波長とその方向における反射率との関
係を示すグラフである。
【図14】図11に示す半導体発光素子において、20
℃程度の温度雰囲気における光の進行方向と発光面の中
心における法線との成す角の変化によるキャビティモー
ドの推移を説明するグラフである。
【図15】図11に示す半導体発光素子において、10
0℃程度の温度雰囲気における光の進行方向と発光面の
中心における法線との成す角の変化によるキャビティモ
ードの推移を説明するグラフである。
【図16】図1に示す面発光型LEDを、図2に示すよ
うにPOFに光を供給する為の光源として用いた際の、
環境温度と光通信に寄与する光強度との関係を示すグラ
フである。
【図17】図11に示す半導体発光素子を、図2に示す
ようにPOFに光を供給する為の光源として用いた際
の、環境温度と光通信に寄与する光強度との関係を示す
グラフである。
【図18】本発明の第2実施例である半導体発光素子の
構成を示す図である。
【図19】本発明の第3実施例および第4実施例である
半導体発光素子の構成を示す図である。
【図20】第3実施例の半導体発光素子における第2多
層膜層の積層数を10対に固定し、空気中からその発光
面に向けて垂直に進行する光の波長とその方向における
反射率との関係を示すグラフである。
【図21】第3実施例の半導体発光素子における第1多
層膜層の積層数を10対に固定し、空気中からその発光
面に向けて垂直に進行する光の波長とその方向における
反射率との関係を示すグラフである。
【図22】本発明の第5実施例である半導体発光素子の
構成を示す図である。
【図23】第5実施例の半導体発光素子において、第1
多層膜層の積層数、第2多層膜層の積層数、および第3
多層膜層の積層数を何れも14対とした際に、空気中か
らその発光面に向けて垂直に進行する光の波長とその方
向における反射率との関係を示すグラフである。
【図24】第5実施例の半導体発光素子において、第1
多層膜層の積層数を7対、第2多層膜層の積層数を14
対、および第3多層膜層の積層数を7対とした際に、空
気中からその発光面に向けて垂直に進行する光の波長と
その方向における反射率との関係を示すグラフである。
【図25】第1実施例の半導体発光素子における発光面
付近の構成および電流狭窄構造を変更した実施例である
半導体発光素子の構成を示す図である。
【図26】上面および下面から光が放出される半導体発
光素子の構成を示す図である。
【符号の説明】
50、90、110、130、140、160、17
0:半導体発光素子 54、92、112、142:反射層 58、96、116、146:活性層 62、100、120、150、174:第1多層膜層 64、102、122、176:スペーサ層 66、104、124、154、178:第2多層膜層 80、166、182、184:発光面 152:第1スペーサ層(スペーサ層) 156:第2スペーサ層(スペーサ層) 158:第3多層膜層 162:半導体多層膜層(第2多層膜層) 164:誘電体多層膜層(第2多層膜層) 180:第3多層膜層(反射層) L:光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F041 AA09 AA14 CA05 CA12 CA34 CA35 CA36 CA39 CA65 CB03 CB15 EE03 FF14 5F073 AA07 AA73 AB17 AB28 BA02 CA04 CB02 DA05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 量子井戸構造の発光層と、該発光層によ
    り発生させられた光を反射する為の反射層とを備えて構
    成された共鳴空洞型の半導体発光素子であって、 第1多層膜層および第2多層膜層と、該第1多層膜層お
    よび第2多層膜層の間に挟まれて設けられたスペーサ層
    とから成るノッチフィルタを備え、 該ノッチフィルタと前記反射層との間に前記発光層が挟
    まれて設けられていることを特徴とする半導体発光素
    子。
  2. 【請求項2】 前記ノッチフィルタは、前記発光層より
    も発光面側に設けられたものである請求項1の半導体発
    光素子。
  3. 【請求項3】 前記第1多層膜層および第2多層膜層
    は、それぞれ積層数が異なるものである請求項1または
    2の半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 前記半導体発光素子は垂直キャビティ型
    面発光レーザである請求項1から3の何れかの半導体発
    光素子。
  5. 【請求項5】 量子井戸構造の発光層が、該発光層によ
    り発生させられた光を反射する為の1対の反射層の間に
    挟まれて設けられた共鳴空洞型の半導体発光素子であっ
    て、 該半導体発光素子の発光面に光を照射した際に、該光の
    反射率が最大値から局域的に低下する波長域が少なくと
    も2つ存在することを特徴とする半導体発光素子。
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