JP2003330459A - 音楽データの印象付けシステム及びプログラム - Google Patents

音楽データの印象付けシステム及びプログラム

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JP2003330459A JP2002140439A JP2002140439A JP2003330459A JP 2003330459 A JP2003330459 A JP 2003330459A JP 2002140439 A JP2002140439 A JP 2002140439A JP 2002140439 A JP2002140439 A JP 2002140439A JP 2003330459 A JP2003330459 A JP 2003330459A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲の構造に基づいて、曲の持つ印象を適切に
求めて音楽データに付与する。 【解決手段】 音楽データをグループ分けして各グルー
プの重みを求めるグループ重み付け処理部1と、音楽デ
ータから各グループ毎に当該音楽の特徴を示す特徴パラ
メータを抽出する特徴パラメータ抽出部2と、各グルー
プ毎に抽出された特徴パラメータからそれら特徴パラメ
ータによって関連付けられる1又は複数の概念の関連性
の強さを示す活性値を算出すると共に各グループの概念
の活性値を各グループの重みで重み付けして合成するこ
とにより音楽データの概念の活性値を算出する概念活性
値算出部3と、算出された音楽データの概念の活性値に
基づいて前記音楽データにその印象を付与する印象付与
処理部4とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音楽の印象から音
楽データを検索するシステムの音楽データベースを構築
するのに好適な音楽データの印象付けシステム及びプロ
グラムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ネットインフラの進展と、携帯電
話などの携帯端末装置の普及により、音楽データをイン
ターネットを介してモバイル配信するなど、音楽データ
の配信技術の進歩は著しい。カラオケシステムなどに代
表されるように、所望とする音楽データを音楽データベ
ースから検索するには、曲のコードや、曲名、歌手名、
作曲者名などのテキスト検索が一般的である。これに対
し、曲名や歌手名などの書誌的事項が不明な場合に、
「楽しい」、「悲しい」などのユーザが求める楽曲の印
象を検索キーとして入力することにより、ファジィ推論
などを用いてユーザの好みに近い選曲を可能とするよう
な選曲システムも種々提案されている(例えば特開平5
−257487号)。
【0003】このようなシステムでは、音楽データベー
スを構成する各曲の音楽データにその印象を付与するた
めの印象付けを行う必要がある。従来、このような音楽
データに付与される印象は、曲のテンポ、音程、音程差
など、種々の特徴パラメータに注目し、楽曲全体に対す
る出現頻度のような平均値で求めるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、曲には
盛り上がりなどがあり、楽しいテンポの速い曲の場合に
は、前半部分で意図的にテンポを落とすことがなされる
こともある。従って、上述したような楽曲全体に対する
平均値で曲の印象を求めると、曲の途中の変化が全く無
視されて、本来曲が持っている印象が求められないとい
う問題がある。
【0005】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、曲の構造に基づいて、曲の持つ印象を適切に求め
て音楽データに付与することができる音楽データの印象
付けシステムおよびプログラムを提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る音楽データ
の印象付けシステムは、音楽データをグループ分けして
各グループの重みを求めるグループ重み付け処理部と、
前記音楽データから前記各グループ毎に当該音楽の特徴
を示す特徴パラメータを抽出する特徴パラメータ抽出部
と、前記各グループ毎に前記抽出された特徴パラメータ
からそれら特徴パラメータによって関連付けられる1又
は複数の概念の関連性の強さを示す活性値を算出すると
共に前記各グループの概念の活性値を前記各グループの
重みで重み付けして合成することにより前記音楽データ
の概念の活性値を算出する概念活性値算出部と、前記算
出された音楽データの概念の活性値に基づいて前記音楽
データにその印象を付与する印象付与処理部とを備えた
ことを特徴とする。
【0007】本発明に係る音楽データの印象付けプログ
ラムは、音楽データをグループ分けして各グループの重
みを求めるグループ重み付けステップと、前記音楽デー
タから前記各グループ毎に当該音楽の特徴を示す特徴パ
ラメータを抽出する特徴パラメータ抽出ステップと、前
記各グループ毎に前記抽出された特徴パラメータから1
又は複数の概念の活性値を算出すると共に前記各グルー
プの概念の活性値を前記各グループの重みで重み付けし
て合成することにより前記音楽データの概念の活性値を
算出する概念活性値算出ステップと、前記算出された音
楽データの概念の活性値に基づいて前記音楽データにそ
の印象を付与する印象付与ステップとをコンピュータに
実行させるように構成されたものである。
【0008】本発明によれば、音楽データをグループ分
けして各グループの曲における重みを求め、各グループ
毎に抽出された特徴パラメータから概念の活性値を求
め、各グループの概念の活性値を各グループの重みで重
み付けして合成することにより音楽データのトータル的
な概念の活性値を求め、これに基づいて音楽データに印
象を付与するようにしているので、楽曲の中で重要な部
分の評価が反映されて、楽曲の特徴を良好に捉えた印象
付けを行うことができる。
【0009】なお、グループ重み付け処理部が、音楽デ
ータを階層別にグループ分けして、下位のグループほど
重みが大きくなるように各グループの重みを決定するも
のであると、より特徴部分を強調することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態
に係る音楽データの印象付けシステムの構成を示す図で
ある。図示しない入力装置や受信装置から入力されるM
IDI、音符データなどの音楽データは、グループ重み
付け処理部1と、特徴パラメータ抽出部2とに供給され
ている。グループ重み付け処理部1は、入力された音楽
データをグループ分けして各グループの重みを求める。
このシステムでは、音楽データは階層別にグループ化し
て各グループの重みを求める。特徴パラメータ抽出部2
は、グループ重み付け処理部1で求められたグループ毎
に、音楽データから種々の特徴パラメータを抽出する。
特徴パラメータとしては、例えば、音高平均の高から
低、又は低から高への変化、音長平均の長から短、又は
短から長への変化、音高分散の高から低、又は低から高
への変化、テンポなどがある。
【0011】グループ重み付け処理部1で求められた各
グループの重みと、特徴パラメータ抽出部2で抽出され
た特徴パラメータは、概念活性値算出部3に入力されて
いる。概念活性値算出部3は、各グループ毎に抽出され
た特徴パラメータからそれら特徴パラメータによって関
連付けられる1又は複数の概念の関連性の強さを示す活
性値を算出すると共に各グループの概念の活性値を各グ
ループの重みで重み付けして合成することにより音楽デ
ータのトータル的な概念の活性値を算出する。求められ
た音楽データの概念の活性値は、印象付与処理部4に入
力されている。印象付与処理部4は、音楽データの概念
の活性値から音楽データにその印象を付与する。音楽デ
ータとそれに付与された印象とは、音楽データベース5
に格納される。なお、グループ重み付け処理部1、特徴
パラメータ抽出部2、概念活性値算出部3及び印象付与
処理部4は、各部の処理をコンピュータにより実行させ
るため、グループ重み付けステップ、特徴パラメータ処
理ステップ、概念活性値算出ステップ、および印象付与
ステップを備えたプログラムにより構成されていても良
い。
【0012】次に、このように構成された本システムの
各部の処理の詳細を説明する。図2は、入力される音楽
データの例を示す図である。音楽データは音符データか
ら構成されている。グループ重み付け処理部1は、入力
された音楽データを音楽構造解析してグルーピング及び
重み付けを行っていく。このような音楽構造解析の手法
としては、例えばGTTM(Generative Theory of Ton
al Music)が知られている。本システムでは、GTTM
をベースとして、次のような処理を実行してグループ重
み付け処理を実行する。
【0013】まず、所定のルールに基づいて、楽曲を構
成する各音符に拍の強さを割り当てる。例えば、楽曲中
で1番出現頻度が高い拍を基本拍とし(図2の例では、
8分音符が基本拍)、次に基本拍の部分に音符が存在し
ている場合、相対的に長い拍やそれらの拍の間隔などに
基づいて強拍を判定する。これら拍の強さに基づいて、
最も下層レベルの各音符に重みw1〜w12を割り当て
る。
【0014】次に、音符データに含まれるリズムを分析
する。図2の例では、4分音符−8分音符−8分音符と
いうリズムが存在することが検出され、これに基づいて
拍節構造のグループが図3のように求められる。次に、
求められた拍節構造の最も下位の階層のグループから順
に、各グループで最も重要な音符を上位のグループに残
していきながら、各グループに重みを付加して行く。ど
の音符を重要であると見るかは、ルール次第であるが、
例えば、より高い音、グループ中の最初の音符等を優先
することができる。そして、最終的には、図4に示すよ
うに、下層から上層にかけて徐々に枝が収束していく、
ツリー構造が求められ、各ツリーの枝に相当する各グル
ープに重みが求められる。重みは、例えば下層のグルー
プから引き継がれた音符の重みを、新たなグループの中
の比率に変換することにより求めていくことができる。
図4の例では、8分音符レベル、4分音符レベル、2分
音符レベル、全音符レベル、2小節レベルのそれぞれに
12個、8個、4個、2個、1個の重みw1,w2,…
が求められる。このようにして求められた各グループの
重みの例を図5に示す。最終的に求めるグループの最下
位レベルは、あまり短いと楽曲の特徴を捉えることがで
きないため、2小節程度とする。図示の例では、グルー
プの長さが最下位レベルから順に2小節、4小節、8小
節となっている。ここで、最下位レベルの2小節のグル
ープに、楽曲の特徴が最も現れると考えられ、2小節の
グループのトータルの重みを1.0とし、4小節のグル
ープのトータルの重みを0.5、8小節のグループのト
ータルの重みを0.25とする。この例では、第7小節
と第8小節のグループ(7,8)の重みwが0.606
811と最も重くなっている。
【0015】一方、特徴パラメータ抽出部2では、図6
に示すように、各グループ(1,2),(3,4),
…,(1,8)毎に音符データを解析して、音高平均が
高から低に移る程度、低から高に移る程度、音長平均が
長から短に移る程度、短から長に移る程度、音高分散が
高から低に移る程度、低から高に移る程度、…などの特
徴パラメータを抽出する。
【0016】概念活性値算出部3では、求められた特徴
パラメータによって、例えば図7に示すような概念知識
を駆動して「明るい」、「力強い」、「美しい」等の概
念の活性値を求める。このような概念知識は、CFS
(Conceptual Fuzzy Sets:概念ファジィ集合)の概念
体系により適宜作成することができる。図8は、このよ
うな概念辞書に基づいて作成された概念の活性値算出の
ためのテーブルを示す図である。いま、図8に示す「安
定」という概念に着目すると、この「安定」の項目の図
中横方向に延びるワードベクトルの各項が特徴パラメー
タと対応しており、ワードベクトルと特徴パラメータと
の内積を求めることにより、概念「安定」についての活
性値が求められる。他の概念「不安定」、「軽さ」、…
についても同様に、それらのワードベクトルと特徴パラ
メータとの内積を求める。
【0017】この結果、図9に示すように、各グループ
(1,2),(3,4),…,(1,8)毎に概念の活
性値が求められる。但し、各グループの概念の活性値に
は、そのグループの重みwが乗算されている。つまり、
グループ(1,2)の概念の活性値は、特徴パラメータ
とワードベクトルの内積にグループ(1,2)の重みw=
0.146199を掛け合わせた結果となっている。各
グループ(1,2),(3,4),…,(1,8)の概
念の活性値が求められたら、全グループの活性値を加算
して音楽データ全体の概念の活性値を求める。図9の右
欄に求められた合計が、音楽データ全体の概念の活性値
を示している。
【0018】これらの概念の活性値を「印象」としてそ
のまま音楽データに付与しても良いが、このシステムで
は、更にこれらの概念を中間概念と位置付け、これらの
中間概念の活性値から、更に「喜び」、「悲しみ」とい
った総括概念の活性値を求めている。図10は、中間概
念から総括概念を求めるテーブルの例を示している。
「喜び」という総括概念に対応するワードベクトルと、
図9に示したトータルの中間概念の活性値との内積を求
めることにより、総括概念「喜び」の活性値が求められ
る。また、図11に示すように、各グループ毎に中間概
念の活性値から総括概念の活性値を求め、これらを全グ
ループについて加算して総括的な総括概念の活性値を求
めるようにしても良い。
【0019】印象付与処理分4は、このようにして求め
られた総括概念の活性値、又は総括概念と中間概念の活
性値を、「印象」として音楽データと関連付け、音楽デ
ータベース5に登録する。
【0020】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、音楽
データをグループ分けして各グループの曲における重み
を求め、各グループ毎に抽出された特徴パラメータから
概念の活性値を求め、各グループの概念の活性値を各グ
ループの重みで重み付けして合成することにより音楽デ
ータのトータル的な概念の活性値を求め、これに基づい
て音楽データに印象を付与するようにしているので、楽
曲の中で重要な部分の評価が反映されて、楽曲の特徴を
良好に捉えた印象付けを行うことができるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る音楽データの印象
付けシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】 同システムで印象付けの対象となる音楽デー
タを示す図である。
【図3】 同音楽データのグループ化を説明するための
図である。
【図4】 同音楽データのグループ構造を示す図であ
る。
【図5】 同音楽データのグループ構造の各グループの
重みを示す図である。
【図6】 同音楽データから抽出された各グループの特
徴パラメータを示す図である。
【図7】 特徴パラメータから概念を求める概念知識を
説明するための図である。
【図8】 特徴パラメータから概念の活性値を求めるテ
ーブルを示す図である。
【図9】 求められた各グループの概念の活性値を示す
図である。
【図10】 中間概念の活性値から総括概念の活性値を
求めるテーブルを示す図である。
【図11】 求められた各グループ毎の総括概念の活性
値を示す図である。
【符号の説明】
1…グループ重み付け処理部 2…特徴パラメータ抽出部 3…概念活性値算出部 4…印象付与処理部 5…音楽データベース

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音楽データをグループ分けして各グルー
    プの重みを求めるグループ重み付け処理部と、 前記音楽データから前記各グループ毎に当該音楽の特徴
    を示す特徴パラメータを抽出する特徴パラメータ抽出部
    と、 前記各グループ毎に前記抽出された特徴パラメータから
    それら特徴パラメータによって関連付けられる1又は複
    数の概念の関連性の強さを示す活性値を算出すると共に
    前記各グループの概念の活性値を前記各グループの重み
    で重み付けして合成することにより前記音楽データの概
    念の活性値を算出する概念活性値算出部と、 前記算出された音楽データの概念の活性値に基づいて前
    記音楽データにその印象を付与する印象付与処理部とを
    備えたことを特徴とする音楽データの印象付けシステ
    ム。
  2. 【請求項2】 前記グループ重み付け処理部は、前記音
    楽データを階層別にグループ分けして、下位のグループ
    ほど重みが大きくなるように各グループの重みを決定す
    るものであることを特徴とする請求項1記載の音楽デー
    タの印象付けシステム。
  3. 【請求項3】 音楽データをグループ分けして各グルー
    プの重みを求めるグループ重み付けステップと、 前記音楽データから前記各グループ毎に当該音楽の特徴
    を示す特徴パラメータを抽出する特徴パラメータ抽出ス
    テップと、 前記各グループ毎に前記抽出された特徴パラメータから
    1又は複数の概念の活性値を算出すると共に前記各グル
    ープの概念の活性値を前記各グループの重みで重み付け
    して合成することにより前記音楽データの概念の活性値
    を算出する概念活性値算出ステップと、 前記算出された音楽データの概念の活性値に基づいて前
    記音楽データにその印象を付与する印象付与ステップと
    をコンピュータに実行させるように構成された音楽デー
    タの印象付けプログラム。
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