JP2003329549A - 品質判定方法および装置 - Google Patents

品質判定方法および装置

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JP2003329549A
JP2003329549A JP2003120460A JP2003120460A JP2003329549A JP 2003329549 A JP2003329549 A JP 2003329549A JP 2003120460 A JP2003120460 A JP 2003120460A JP 2003120460 A JP2003120460 A JP 2003120460A JP 2003329549 A JP2003329549 A JP 2003329549A
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Katsuhisa Furuta
勝久 古田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製品の状態等を可及的に明確に判断すること
を可能にした品質判定方法および装置を提供する。 【解決手段】 FUZZY推論部(432−1)で複数
の特徴量に基づき製品の不良品の度合いおよび不明の度
合いを各特徴量毎にそれぞれファジイ推論し、このファ
ジイ推論の結果から総合判定部(423−2)で製品が
確実な良品であるか、確実な不良品であるか、中間グレ
ード品であるかを総合判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、推論を用いて製
品の状態を判定する品質判定方法および装置に関し、詳
しくは、モータやコンプレッサ等の振動部を有する機器
やこれら振動部を有する機器を用いた製品、これら振動
部を有する機器により駆動される製品の正常、異常を判
定する品質判定方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、生産工場において、モータやコ
ンプレッサ等の振動部を有する機器やこれら振動部を有
する機器を用いた製品、これら振動部を有する機器によ
り駆動される製品の正常、異常を判定する場合は、製品
出荷前に製品を実際に稼動させて、検査員が、異常音が
発生しないか否かを耳で聞いたり、手で触って振動を確
認したりするいわゆる官能検査で正常、異常を判定し、
これによって品質保証を行なっている。
【0003】しかし、上記検査員による官能検査による
製品の正常、異常の判定結果は、個人差や時間による変
化などによりばらつきが大きく、さらに、上記官能検査
による判定結果は、データ化、数値化が難しく、その管
理も困難であった。
【0004】すなわち、従来の検査員による官能検査に
おいては、 1)検査員をいかに訓練してもその判断には個人差があ
り、その判断基準がばらつく 2)官能検査の訓練や判定基準の構成のために限界見本
を用意しても、その見本は物理的に同じ振動や騒音の発
生の状態を維持できない 3)同一の検査員であっても、日や時間によって判定レ
ベルが変化する(例えば、当日の始業直後に音の静かな
製品が続けば、そのロットの判定は厳しめとなる) 4)検査員は長時間緊張していなければならず、ストレ
スの蓄積や場合により難聴になる等の安全衛生的な問題
がある 5)検査員による官能検査には、必ずうっかり見逃しが
発生する 6)検査員は無意識的に不良率のコントロールをし、判
定基準を調整する(例えば、当日のロットで、音のうる
さい製品の頻度が多ければ、無意識的に判定基準は甘い
ものとなる) 7)検査員にかかる人件費や高価な防音設備が必要な
ど、製品原価低減を図る場合のネックになる 等の問題があり、このために生産工場においては検査員
による官能検査の自動化が求められている。
【0005】ところで、上記検査員による官能検査を自
動化するためには、 1)検査対象物を判定するための物理量を計測できるセ
ンサから計測信号をセンシングする 2)計測信号そのものを自動判定の判定材料となるよう
な情報へ加工する 3)その情報を入力し判断を行ない、合格、不合格の判
定結果を出すという処理が必要になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、検査員によ
る官能検査を行なっている製品の品質は、定量的な尺
度、判断基準で示せることは一般的になく、また求めら
れている品質を示す値は直接計測できない場合が多い。
【0007】例えば、家電製品では、静粛性が要求され
る場合でも、生産工場での官能検査の検査基準や設計品
質としては、単に、「異音なきこと」とされており、そ
れに対して実際の官能検査員が判別する基準としては、
騒音計で測れるような騒音値の大きさだけでなく、音
色、高周波性、すなわち、音の安定性や周波数成分など
人間が不快音と感じると不合格と判別しているのが現状
となっている。
【0008】また、直接の品質を表わすデータが計測で
きる場合は、その計測信号そのものを判定のためのある
しきい値(判定基準値)を設け、2値論理的判断をする
ことにより自動検査を実現することができる。
【0009】しかし、直接品質を表わすデータが計測で
きない場合には、そのように単純に判定することはでき
ない。
【0010】すなわち、官能検査自動化においては、 1)生産工程においてはっきりした判断ができない中間
グレードのものが多く、その中間グレードの微妙な差に
ついて官能検査の判定基準にバラツキが発生する 2)その判定基準は定量的に表わすことができない 3)自動化に当たり、仮に判断基準を一定にすると生産
ロットによる不良率の変動が発生する 4)判定のためのデータは基本的には計測器で直接計測
することはできないという問題が発生する。
【0011】また、官能検査の自動化のために2値論理
的判断を行なうと、 1)検査員による官能検査で微妙となる中間グレードに
対しても具体的に製品の良否を見極める判定基準を設定
することが困難である 2)検査員による官能検査により吸収されていた不良率
コントロールがなくなるため、製品出来高に与える影響
が大きいという問題が発生する。これらの問題は、2値
論理的判断を行なうと無理に合格、不合格の2つに分け
ようとするために発生すると考えられる。
【0012】そこで、自動検査の判定手法としては、確
実な良品、確実な不良品、中間グレード品の3つに分類
して出力する手法が要求される。
【0013】また、官能検査の自動化のために、ファジ
イ推論を利用することも提案されているが、結論として
1つの不良度合いを表わすグレードとして出力されるも
ので、この場合、 1)どこまでが「異常性あり」で、どこまでが「不良
品」かがその出力グレードから判断がし難い 2)メンバシップ関数の微妙な設定により中間レベル品
の判定が「OK」か「NG」かの最終判定がまるっきり
入れ替ってしまうという問題が発生する。
【0014】このように、従来検査員の五感に頼った判
定を自動化して「OK」か「NG」かの判別を行なうの
は困難である。
【0015】しかし、確実な合格品、不合格品と中間レ
ベルのものに自動で判断することができれば、初めから
完全に省力化することはできなくても検査員の負担を大
幅に軽減することができるし、見逃しによるミスもなく
なる。
【0016】また、判定された中間レベルのものはその
データの解析や構造的な調査をすることにより、さらに
明確な判定領域を広げることが可能である。
【0017】そこで、この発明は、製品の状態等を可及
的に明確に判断することを可能にした品質判定方法およ
び装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、製品に取り付けられた計測手段
により計測された計測データから複数の特徴量を抽出
し、該抽出した複数の特徴量に基づき該製品が良品であ
るか不良品であるかを判別する品質判定方法において、
上記複数の特徴量に基づき上記製品の不良品の度合いお
よび不明の度合いを各特徴量毎にそれぞれ推論し、上記
推論の結果から前記製品が確実な良品であるか、確実な
不良品であるか、中間グレード品であるかを総合判定す
ることを特徴とする。
【0019】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
において、上記推論は、上記良品の特徴量の分布と上記
不良品の特徴量の分布が近接している場合は、上記確実
な良品、確実な不良品、中間グレード品のそれぞれに対
応する3つのメンバシップ関数を用いてファジイ推論
し、上記良品の特徴量の分布と上記不良品の特徴量の分
布が離れている場合は、上記確実な良品、確実な不良品
のそれぞれに対応する2つのメンバシップ関数を用いて
ファジイ推論することを特徴とする。
【0020】また、請求項3の発明は、請求項1の発明
において、上記総合判定は、上記推論の各判定ルール出
力の合成出力から製品の不良品の度合いおよび不明の度
合いの総合出力値を求め、該総合出力値に基づき確実な
良品であるか、確実な不良品であるか、中間グレード品
であるかを判定することを特徴とする。
【0021】また、請求項4の発明は、製品に取り付け
られた計測手段により計測された計測データから複数の
特徴量を抽出し、該抽出した複数の特徴量に基づき該製
品が良品であるか不良品であるかを判別する品質判定装
置において、上記複数の特徴量に基づき上記製品の不良
品の度合いおよび不明の度合いを各特徴量毎にそれぞれ
推論する推論手段と、上記推論手段による推論の結果か
ら前記製品が確実な良品であるか、確実な不良品である
か、中間グレード品であるかを総合判定する総合判定手
段と、を具備することを特徴とする。
【0022】また、請求項5の発明は、請求項4の発明
において、上記推論手段は、上記良品の特徴量の分布と
上記不良品の特徴量の分布が近接している場合は、上記
確実な良品、確実な不良品、中間グレード品のそれぞれ
に対応する3つのメンバシップ関数を用いてファジイ推
論し、上記良品の特徴量の分布と上記不良品の特徴量の
分布が離れている場合は、上記確実な良品、確実な不良
品のそれぞれに対応する2つのメンバシップ関数を用い
てファジイ推論することを特徴とする。
【0023】また、請求項6の発明は、請求項4の発明
において、上記総合判定手段は、上記推論手段の各判定
ルール出力の合成出力から製品の不良品の度合いおよび
不明の度合いの総合出力値を求め、該総合出力値に基づ
き確実な良品であるか、確実な不良品であるか、中間グ
レード品であるかを判定することを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて添付図面を参照して詳細に説明する。
【0025】図1は、この発明に係わる品質判定方法お
よび装置を適用して構成した異常判定システムをブロッ
ク図で示したものである。
【0026】図1において、この異常判定システムは、
検査対象物100に、加速度センサ101を配設し、こ
の加速度センサ101の計測信号に基づき検査対象物1
00の正常、異常を判定する。
【0027】検査対象物100に配設された加速度セン
サ101から出力される検査対象物100の測定信号
は、まず、アンプ200で増幅され、その後、A/D変
換ボード(アナログ/ディジタル変換ボード)300で
ディジタル計測データに変換され、パソコン(パーソナ
ルコンピュータ)400に入力される。
【0028】パソコン(パーソナルコンピュータ)40
0では、上記ディジタル計測データに対して以下に詳述
する処理を行なうことにより、検査対象物100の正
常、異常を判断する。
【0029】図2は、図1に示したパソコン(パーソナ
ルコンピュータ)400における処理の概要をブロック
図で示したものである。
【0030】検査対象物100に配設された加速度セン
サ101から出力される検査対象物100の測定信号
は、A/D変換ボード300のアナログ/ディジタル変
換部(A/D変換部)310によりディジタル計測デー
タに変換され、パソコン400に入力される。
【0031】パソコン400は、上記A/D変換ボード
300からのディジタル計測データ(以下、単に計測デ
ータという)を格納するメモリ410および上記メモリ
410に格納された計測データ(元データ)に基づき上
記パソコン400に内蔵されたCPU(中央演算処理
部)で所定の処理を実行するCPUによる内部処理部4
20を有しており、CPUによる内部処理部420は、
前処理部421、特徴量演算部422、FUZZY判定
部423を有している。
【0032】ここで、FUZZY判定部423は、FU
ZZY推論部423−1および総合判定部423−2か
ら構成されている。
【0033】なお、CPUによる内部処理部420にお
ける前処理部421および特徴量演算部422の処理
は、図3に示すように、メモリ410に格納された元デ
ータに基づき、FFT処理部430、周波数処理部44
0、断続成分増幅処理部450、低周波増幅処理部46
0、高周波増幅処理部470の処理を並列実行すること
により行われる。
【0034】以下、FFT処理部430、周波数処理部
440、断続成分増幅処理部450、低周波増幅処理部
460、高周波増幅処理部470の処理の詳細を説明す
る。
【0035】図4は、FFT処理部430の処理の詳細
をブロック図で示したものである。
【0036】図4において、メモリ410には、A/D
変換ボード300のアナログ/ディジタル変換部(A/
D変換部)310の変換データ単位で、例えば1024
点ずつの固定のデータブロックに分けられ元データが格
納される。
【0037】このメモリ410に格納された時間軸波形
からなる元データは、まず、FFT演算処理部431
で、FFT(高速フーリエ変換)により周波数軸データ
に変換され、この周波数軸データに基づき、特徴量1抽
出部432−1で特定周波数帯a成分が抽出され、特徴
量2抽出部432−2で特定周波数帯b成分が抽出さ
れ、特徴量3抽出部432−3で特定周波数帯c成分が
抽出される。
【0038】ここで、特徴量1抽出部432−1による
特定周波数帯a成分の抽出および特徴量2抽出部432
−2による特定周波数帯b成分の抽出および、特徴量3
抽出部432−3による特定周波数帯c成分の抽出は、
それぞれ上記データブロック単位でそのピーク値を抽出
し、この抽出したピーク値をそれぞれ複数の対象データ
ブロックで平均化処理することにより行われ、この平均
化処理により各データブロックによるバラツキを抑える
ことができる。
【0039】このFFT処理部430の処理により抽出
される特徴量は、周波数帯の異なる設定を複数用いるこ
とにより、それぞれ異なる特徴量を抽出することが可能
になる。
【0040】図5は、周波数処理部440の処理の詳細
をブロック図で示したものである。
【0041】図5において、メモリ410には、図4の
場合と同様に、A/D変換ボード300のアナログ/デ
ィジタル変換部(A/D変換部)310の変換データ単
位で、例えば1024点ずつの固定のデータブロックに
分けられ元データが格納される。
【0042】このメモリ410に格納された時間軸波形
からなる元データは、まず、バンドパスフィルタ処理部
441でそのノイズ成分や暗騒音的信号を除去する前処
理が行われる。そして、このノイズ成分や暗騒音的信号
が除去された前処理後のデータから特徴量が抽出され
る。
【0043】この特徴量の抽出は、特徴量1抽出部44
2−1、特徴量2抽出部442−2、特徴量3抽出部4
42−3、特徴量4抽出部442−4、特徴量5抽出部
442−5で行われる。
【0044】ここで、特徴量1抽出部442−1による
特徴量抽出は、上記前処理後のデータからRMS(自乗
平方根)演算により特徴量を抽出するものであり、特徴
量2抽出部442−2による特徴量抽出は、ピーク値を
求める特徴量演算関数によるもので、上記前処理後のデ
ータから各データブロック単位でそのピーク値を抽出す
る。
【0045】また、特徴量3抽出部442−3による特
徴量の抽出は、極値数を求める特徴量演算関数によるも
ので、上記前処理後のデータのデータ配列の波形の極値
を判断し、そのデータ配列の上記極値の数をカウントし
た値がそのデータ配列の極値数となる。
【0046】また、特徴量4抽出部442−4による特
徴量の抽出は、極値差を求める特徴量演算関数によるも
ので、上記極値数を求める特徴量演算関数により求めた
データ配列中の極値について、前後極値の差の絶対値を
計算したものの配列を求め、上記前後極値の差の絶対値
を計算したものの配列内のデータの中から大きい順に所
定個のデータを抽出し、その平均を求めた値を極値差と
する。
【0047】また、特徴量5抽出部442−5による特
徴量の抽出は、上記前処理後のデータの傾き平均を求め
るものである。
【0048】なお、ここでの特徴抽出は、上記特徴量抽
出手法の他に、一般的な振動解析指標や統計関数を用い
た手法を採用することができる。
【0049】図6は、断続成分増幅処理部450の詳細
をブロック図で示したものである。
【0050】図6において、この断続成分増幅処理部4
50においては、まず、断続成分増幅前処理部451
で、 1)元データをヒルバート変換する 2)元データを実数部、ヒルバート変換後データを虚数
部として複素数配列を作る 3)複素数配列の自乗平方根の配列を演算する移動平均
などの平滑処理をする 4)ローパスフィルタを通す処理から構成される前処理
が行われる。
【0051】この断続成分増幅前処理部451の処理に
よると、時間軸波形で傾きが強い信号成分だけが大きな
信号になりそれ以外は小さくなる信号が得られる。
【0052】この断続成分増幅前処理部451の処理に
より前処理がなされた波形は、特徴量1抽出部457−
1によるピーク値の抽出、特徴量2抽出部457−2に
よる極値差の抽出、特徴量3抽出部457−3によるデ
ータブロック間の最大値最小値の差、すなわち、データ
ブロック間最大−最小の抽出が行われる。
【0053】図7は、上記断続成分増幅前処理部451
の詳細をブロック図で示したものである。
【0054】図7に示すように、断続成分増幅前処理部
451は、メモリ410に格納された時間軸波形である
元データをヒルバート変換するヒルバート変換部45
2、メモリ410に格納された時間軸波形である元デー
タを実数部とし、ヒルバート変換部452によるヒルバ
ート変換後データを虚数部として複素数配列を作る複素
数計算部453、複素数計算部453で作られた複素数
配列の自乗平方根の配列を演算する自乗平方根計算部4
54、自乗平方根計算部454で演算された自乗平方根
の配列を移動平均などの平滑処理をする平滑処理部45
5、平滑処理部455で平滑処理された波形から雑音成
分等を除くローパスフィルタ456を具備して構成され
る。
【0055】一般に、モータ等の回転駆動部を有する製
品、すなわち、検査対象物100の状態異常の代表的な
ものにはベアリング不良がある。このベアリング不良等
に代表される断続的に発生する高周波成分を含む波形
(以下、断続高調波という)は、通常は、基本波の成分
よりも振幅が高い。その場合は、波形の実効値や最大値
を求めることで、正常状態と区別することができる。
【0056】しかし、その断続高調波が、正常状態の基
本波の振幅成分と比較してあまり差がない場合や発生周
期が長い場合には、そのような異常状態を検出するのは
非常に困難になる。
【0057】また、FFT(高速フーリエ変換)により
元データの周波数軸へ変換を行なっても、発生頻度が少
ないため変換結果は対象時間の平均周波数成分として計
算されるため、有効な差は現れない。
【0058】そこで、断続成分増幅前処理部451にお
いては、まず、包絡線処理すなわち、 1)元データをヒルバート変換する(ヒルバート変換部
452) 2)元データを実数部、ヒルバート変換後データを虚数
部として複素数配列を作る(複素数計算部453) 3)複素数配列の自乗平方根の配列を演算する(自乗平
方根計算部454)処理を実行する。
【0059】すなわち、まず、前包絡線Ψ(t)を求め
る。この前包絡線Ψ(t)は、元データにそのヒルバー
トを虚数部として付加した複素帯域通過信号で、以下の
式で求められる。
【0060】元データをχ(t)とし、χ(t)のヒル
バート変換データをζ(t)とすると、前包絡線Ψ
(t)は、 Ψ(t)=χ(t)+ζ(t) となる。
【0061】また、包絡線w(t)は、前包絡線Ψ
(t)の振幅として定義されるので、包絡線w(t)
は、χ(t)の2乗とζ(t)の2乗の和の平方根をと
ることにより、次式で求めることができる。 w(t)=(χ2 (t)+ζ2 (t))
【0062】この処理により、元データの波を中心で折
り返したような波形が得られる。この折り返しにより問
題となる断続高調波はその発生周期の観測が容易にな
る。
【0063】次に、平滑処理が行われる。この平滑処理
は、 1)複素数配列の自乗平方根の配列を演算する移動平均
などの平滑処理をする(平滑処理部455) 2)ローパスフィルタを通す処理(ローパスフィルタ4
56)により行われる。なお、上記平滑処理は、平滑処
理部455による処理とローパスフィルタ456による
処理の両者の組み合わせで行なうのが好ましいが、どち
らか一方の処理でも近似的な結果は得られる。
【0064】すなわち、上記移動平均処理、すなわち、
平滑処理部455による処理により、小さな波はカット
される。
【0065】上記処理により、処理後の波形は、異常部
で振幅の高い波となり、その結果正常、異常の区別を容
易に行なうことができる。
【0066】図8は、低周波増幅処理部460の処理の
詳細をブロック図で示したものである。
【0067】図8において、メモリ410には、図4の
場合と同様に、A/D変換ボード300のアナログ/デ
ィジタル変換部(A/D変換部)310の変換データ単
位で、例えば1024点ずつの固定のデータブロックに
分けられ元データが格納される。
【0068】このメモリ410に格納された時間軸波形
からなる元データは、まず、低周波処理部461で前処
理が行われる。この前処理は、 1)元データをローパスフィルタに通す 2)ローパスフィルタを通した元データを微小時間にて
積分する処理により行われる。
【0069】そして、この低周波処理部461で前処理
が施されたデータから、特徴量が抽出される。
【0070】この特徴量の抽出は、特徴量1抽出部46
2−1、特徴量2抽出部462−2、特徴量3抽出部4
62−3で行われる。
【0071】ここで、特徴量1抽出部462−1による
特徴量抽出は、ピーク値を求める特徴量演算関数による
もので、上記前処理後のデータから各データブロック単
位でそのピーク値を抽出する。
【0072】また、特徴量2抽出部462−2による特
徴量の抽出は、上述した極値数を求める特徴量演算関数
によるもので、上記前処理後のデータのデータ配列の波
形の極値を判断し、そのデータ配列の上記極値の数をカ
ウントした値がそのデータ配列の極値数となる。
【0073】また、特徴量3抽出部462−3による特
徴量の抽出は、データブロック間の最大値最小値の差、
すなわち、データブロック間最大−最小を演算すること
により行われる。
【0074】図9は、高周波増幅処理部470の処理の
詳細をブロック図で示したものである。
【0075】図9において、メモリ410には、図4の
場合と同様に、A/D変換ボード300のアナログ/デ
ィジタル変換部(A/D変換部)310の変換データ単
位で、例えば1024点ずつの固定のデータブロックに
分けられ元データが格納される。
【0076】このメモリ410に格納された時間軸波形
からなる元データは、まず、高周波処理部471で前処
理が行われる。この前処理は、 3)元データをローパスフィルタに通す 4)ハイパスフィルタを通した元データを微小時間にて
微分する処理により行われる。
【0077】そして、この高周波処理部471で前処理
が施されたデータから、特徴量が抽出される。
【0078】この特徴量の抽出は、特徴量1抽出部47
2で行われる。すなわち、特徴量1抽出部472による
特徴量抽出は、上述した極値差を求める特徴量演算関数
によるもので、上記極値数を求める特徴量演算関数によ
り求めたデータ配列中の極値について、前後極値の差の
絶対値を計算したものの配列を求め、上記前後極値の差
の絶対値を計算したものの配列内のデータの中から大き
い順に所定個のデータを抽出し、その平均を求めた値を
極値差とする。
【0079】このように、元データに対して複数の処理
を並列実行してその特徴量を抽出することで、あらゆる
異常状態の検出が可能になる。
【0080】さて、検査対象物100が、例えば、モー
タであった場合、その異常の種類としては、ベアリング
不良、ブラシと整流子とのスレ、軸や回転子の機械的不
釣り合いによるアンバランスなどの複数の要因のものが
存在する。
【0081】例として、あるモータの不良品の種類を、
ベアリング不良、スレ不良、びびり不良の3つである場
合、これを集合的に表わすと、検査すべき不合格品の全
体集合をX、ベアリング不良の集合をA、スレ不良の集
合をB、びびり不良の集合をCとすると、 X=AUBUC(Uは論理和を示す) となる。
【0082】したがって、この不合格品を判定する判定
装置としては、上記ベアリング不良の集合A、スレ不良
の集合B、びびり不良の集合Cのいずれかを検出するだ
けでは不十分で、すべての不良種類において不合格レベ
ルのものを検出、判定できなければならない。
【0083】いま、ひとつの不良を検査員がどのように
判定しているかを示すために、以下、「音がうるさい不
良」を例としてあげて説明する。
【0084】図10は、騒音計で測定した騒音のレベル
(デシベル)と検査員がうるさいと感じる関係をクリス
プ集合とファジイ集合で表わしたものである。図10か
ら明らかになるように、検査員によるすべての判断は、
クリスプ集合で表わすよりもファジイ集合で表わす方が
適切である。また、検査員によるすべての判断は、個人
差もあれば、同じ検査員でも体調によりその判断は変わ
る。
【0085】このため、検査員による判断の場合、はっ
きりした境界はないが、検査員は中間レベルのものも合
格か不合格かの2つに判断しなければならないため、そ
の都度無理矢理どちらかの判断を出している。その部分
が合格、不合格のバラツキの原因になっている。この結
果、騒音計を計測器としたシステムにおける判定と検査
員による判断とを完全に一致させることは極めて困難で
ある。
【0086】良品と音がうるさい不良品について、JI
S(日本工業規格)に定められた騒音レベルの測定方法
に定められた方法で得た騒音値を特徴量として分布グラ
フで示すと図11のようになる。
【0087】図11において、良品と不良品の分布の山
には交差する部分があり、判定装置において、この交差
部分のいずれかのデシベル値を判定基準として定めると
その基準値を上回る良品は、過検出となり、下回る不良
品は見逃しとなり、その結果判定装置としての信頼性が
得られない。
【0088】もちろん、ある特徴量と検査員の判断結果
とを同様の手段でその分布で表わした場合は、その山と
山との間に判定基準値を設定した従来の2値論理判断に
よって判定することが可能になる。
【0089】そこで、この実施の形態においては、ま
ず、はっきりした良品とはっきりした不良品のサンプル
を一定数以上収集し、図11のようにその分布を調べ
る。
【0090】このとき、良品と不良品の分布の山は離れ
なければならず、交差していれば、その横軸とした特徴
量が適切でないか、サンプルがおかしいことになる。
【0091】次に、2つの判定基準値SAおよびSBを
求める。この2つの判定基準値SAおよびSBは、良品
の平均値をμ1、標準偏差をσ1とし、不良品の平均値
をμ2、標準偏差をσ2とすると、次式により求めるこ
とができる。 SA=μ1+3σ1 SB=μ2−3σ2
【0092】このときSA<SBが成り立たなければな
らない。成り立たない場合は、やはりその不良を検出す
るための有効特徴量ではないかサンプル標本がおかしい
ということになる。
【0093】次に、検査員の官能検査による良品と音が
うるさい不良のサンプルを収集する。ここで、良品と音
がうるさい不良のサンプルには中間グレードのものを含
む。これを同様に分布をとり、そのサンプルについて2
つの判定基準値SAおよびSBを求める。
【0094】図12は、上記検査員の官能検査の場合の
上記2つの判定基準値SAおよびSBを求めた結果を示
したものである。このとき、SA>SBが成り立てば、
SAをSHとし、SBをSLとする。また、SA≦SB
が成り立てば、SAをSLとし、SBをSHとする。
【0095】ここで、製品不良の種類は複数あるので、
すべての製品不良の種類に対して、上記有効特徴量を決
定し、その特徴量毎に、上記SLおよびSHを同様の手
法により決定していく。ここで、1つの不良種類に対し
て、有効特徴量は2つ以上の複数存在してもよい。
【0096】さて、図2に戻り、この実施の形態の異常
判定システムにおいて、FUZZY判定部423は、F
UZZY推論部423−1と、このFUZZY推論部4
23−1による推論結果から検査対象物100の総合判
定を行なう総合判定部423−2とから構成されてい
る。
【0097】ここで、総合判定部423−2は、FUZ
ZY推論部423−1による推論結果から検査対象物1
00の異常に関して「OK」、「GLAY」、「NG」
の3つに判断する。
【0098】FUZZY推論部423−1に入力する情
報としては、前述したようにして確定した有効特徴量が
前件部の変数となる。
【0099】図13は、FUZZY判定部423のFU
ZZY推論部423−1によるファジイ推論のための各
特徴量のメンバシップ関数を示したものである。
【0100】図13において、(a)は、SA>SBの
場合のメンバシップ関数を示す。ここで、このメンバシ
ップ関数のラベルは、SML、MDL、LRGの3つの
ラベルからなり、台形型の横軸座標は、図13(a)に
示すように、SMLとMDLの交点が前述の手法で求め
たSLになるように設定され、MDLとLRGの交点が
前述の手法で求めたSHになるように設定されている。
【0101】また、図13において、(b)は、SA≦
SBの場合のメンバシップ関数を示す。この場合は、図
13(b)に示すように、SMLとLRGの2つのメン
バシップ関数を設定する。
【0102】図14は、FUZZY判定部423のFU
ZZY推論部423−1によるファジイ推論のための後
件部を示す。ここで、FUZZY推論部423−1によ
るファジイ推論は、「悪い」、「おかしい」の2結論に
対して行なうことが特徴である。
【0103】また、「悪い」の後件部変数としては、図
14(a)に示すように、「OK」と「NG」の2つの
シングルトンを持ち、「おかしい」の後件部変数として
は、図14(b)に示すように、「OK」と「GRA
Y」の2つのシングルトンを持つ。
【0104】図15は、FUZZY判定部423のFU
ZZY推論部423−1においてファジイ推論を行なう
ためのファジイ判定ルールの一例を示す。ここで、ファ
ジイ推論のための特徴量は必要に応じて何種類まであっ
てもよいが、図15に示すファジイ判定ルールにおいて
は、ファジイ推論のための特徴量として5種類の特徴量
を前件部として使用する場合を示している。
【0105】図15において、ルールNo.1は、2つ
の結論において「OK」となるルールを示す。全集合に
対し、複数の不良種類A、B、Cがあった場合、良品の
集合は、 Ac*Bc*Cc(*は論理積を示す) (ここで、Ac、Bc、Ccは、それぞれ、A、B、C
の補集合である。)となるので、このルールNo.1
は、すべての有効特徴量=SMLの条件がアンド条件で
成立するときだけ明らかに良品であるというルールであ
る。
【0106】ルールNo.2からルールNo.6まで
は、結論2、すなわち「おかしい」に対するルールであ
る。すなわち、ルールNo.2からルールNo.6まで
によると、いずれかの特徴量がMDLであれば、「おか
しい」の「GRAY」度合いが発生する。
【0107】ルールNo.7からルールNo.11まで
は、結論1、すなわち「悪い」に対するルールである。
すなわち、ルールNo.7からルールNo.11までに
よると、いずれかの特徴量がLRGであれば、「悪い」
の「NG」度合いが発生する。
【0108】ルールNo.12、ルールNo.13は、
複数の特徴量の値がMDLのグレードを持つ場合に、
「悪い」度合いが発生するルールである。これは、サン
プルから得たデータを検証した結果、該当するルールが
見つかった場合にその組み合わせで追加していくもの
で、特に各特徴量のメンバシップに、組み合わせ判定用
に新たなラベルを作成してもよい。
【0109】また、これ以外にも、組み合わせで「おか
しい」度合いが発生する特徴量候補がある場合は、それ
らをそのアンド条件と識別できるラベルで「おかしい」
の「GRAY」度合いが発生するルールを追加してもよ
い。
【0110】図16は、各ルールから適合度α、βが求
められることを示す。各特徴量の適合度にミニ・マック
ス(mini−max)演算を行なうと、各出力の合成
としての各結論の2つのシングルトンの適合度が求めら
れる。
【0111】例えば、図15のルールNo.1では、す
べての特徴量毎のSMLの適合度α1、α2、α3、α
4、α5とLRGの適合度β1、β2、β3、β4、β
5を求める。条件部すべての適合度としては、ミニ演算
により、λ=min(α1、α2、α3、α4、α5)
で求められる最小値となり、その高さを結論2の「おか
しい」の「OK」グレードとする。同様に、βにより
「GRAY」のグレードμ=min(β1、β2、β
3、β4、β5)も求める。
【0112】また、同様に、結論1の「悪い」について
も適合度α、βを求める。
【0113】次に、マックス演算として、結論1および
結論2の各ラベル毎にそのラベルを出力する各ルールの
最大値を求める。
【0114】次に、重心法により、結論毎の合成ファジ
イ出力から1つの出力値(グレード;y)を得る。
【0115】結論2の「おかしい」については、 y=(0×λ+1×μ)/(λ+μ) 同様に、結論1の「悪い」についてもグレードzを求め
る。
【0116】こうして、FUZZY判定部423のFU
ZZY推論部423−1で、「おかしい」度合いおよび
「悪い」度合いを示すグレードが得られる。
【0117】FUZZY判定部423の総合判定部42
3−2では、「おかしい」に対するしきい値mと「悪
い」に対するしきい値nが設定されており、各グレード
としきい値が比較され、以下のような条件により分類さ
れる。 if y<m and z<n then 「OK」 if y≧m and z<n then 「GRAY」 if z≧n then 「NG」 この結果が最終的な判定結果となり、外部へ出力され
る。
【0118】上記手法によると、検査結果として、確実
な「OK」、確実な「NG」とそうでないものが判別で
き、さらに、「GRAY」として判定された検査対象物
100とデータの解析を行なうことにより、「GRA
Y」の幅を狭めることが可能になる。
【0119】なお、本実施形態では、計測手段として、
検査対象物100に取り付けられた加速度センサ101
を用いたが、その他音波やレーザ光を使って非接触で計
測したり、駆動電流を計測して手元で計測するという方
法もある。
【0120】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
複数の特徴量に基づき製品の不良品の度合いおよび不明
の度合いを各特徴量毎にそれぞれ推論し、該推論の結果
から製品が確実な良品であるか、確実な不良品である
か、中間グレード品であるかを総合判定するように構成
したので、製品の状態等を可及的に明確に判断すること
ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わるファジイ判定方法および装置
を適用して構成した異常判定システムを示すブロック
図。
【図2】図1に示したパソコン(パーソナルコンピュー
タ)における処理の概要を示すブロック図。
【図3】図2に示したCPUによる内部処理部における
前処理部および特徴量演算部の処理を説明するブロック
図。
【図4】図3に示したFFT処理部の処理の詳細を示す
ブロック図。
【図5】図3に示した周波数処理部の処理の詳細を示す
ブロック図。
【図6】図3に示した断続成分増幅処理部の詳細を示す
ブロック図。
【図7】図6に示した断続成分増幅前処理部451の詳
細を示すブロック図
【図8】図3に示した低周波増幅処理部の処理の詳細を
示すブロック図。
【図9】図3に示した高周波増幅処理の処理の詳細を示
すブロック図。
【図10】騒音計で測定した騒音のレベル(デシベル)
と検査員がうるさいと感じる関係をクリスプ集合とファ
ジイ集合で表わした図。
【図11】良品と音がうるさい不良品について、JIS
(日本工業規格)に定められた騒音レベルの測定方法に
定められた方法で得た騒音値を特徴量として分布グラフ
で示した図。
【図12】検査員の官能検査の場合の2つの判定基準値
SAおよびSBを求めた結果を示した図。
【図13】図2に示したFUZZY判定部におけるFU
ZZY推論部によるファジイ推論のための各特徴量のメ
ンバシップ関数を示した図。
【図14】図2に示したFUZZY判定部におけるFU
ZZY推論部によるファジイ推論のための後件部を示す
図。
【図15】図2に示したFUZZY判定部におけるFU
ZZY推論部においてファジイ推論を行なうためのファ
ジイ判定ルールの一例を示す図。
【図16】各ルールから適合度α、βが求められること
を説明する図。
【符号の説明】
100 検査対象物 101 加速度センサ 200 アンプ 300 A/D変換ボード(アナログ/ディジタル変
換ボード) 310 アナログ/ディジタル変換部(A/D変換
部) 400 パソコン(パーソナルコンピュータ) 410 メモリ 420 CPUによる内部処理部 421 前処理部 422 特徴量演算部 423 FUZZY判定部 423−1 FUZZY推論部 423−2 総合判定部 430 FFT処理部 431 FFT演算処理部 432−1 特徴量1抽出部 432−2 特徴量2抽出部432−2 432−3 特徴量3抽出部432−3 440 周波数処理部 441 バンドパスフィルタ処理部 442−1 特徴量1抽出部 442−2 特徴量2抽出部 442−3 特徴量3抽出部 442−4 特徴量4抽出部 442−5 特徴量5抽出部 450 断続成分増幅処理部 451 断続成分増幅前処理部 452 ヒルバート変換部 453 複素数計算部 454 自乗平方根計算部 455 平滑処理部 456 ローパスフィルタ 457−1 特徴量1抽出部 457−2 特徴量2抽出部 457−3 特徴量3抽出部 460 低周波増幅処理部 461 低周波処理部 462−1 特徴量1抽出部 462−2 特徴量2抽出部 462−3 特徴量3抽出部 470 高周波増幅処理部 471 高周波処理部 472 特徴量1抽出部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 計測手段により計測された計測データか
    ら複数の特徴量を抽出し、該抽出した複数の特徴量に基
    づき該製品が良品であるか不良品であるかを判別する品
    質判定方法において、 上記複数の特徴量に基づき上記製品の不良品の度合いお
    よび不明の度合いを各特徴量毎にそれぞれ推論し、 上記推論の結果から前記製品が確実な良品であるか、確
    実な不良品であるか、中間グレード品であるかを総合判
    定することを特徴とする品質判定方法。
  2. 【請求項2】 上記推論は、 上記良品の特徴量の分布と上記不良品の特徴量の分布が
    近接している場合は、上記確実な良品、確実な不良品、
    中間グレード品のそれぞれに対応する3つのメンバシッ
    プ関数を用いてファジイ推論し、 上記良品の特徴量の分布と上記不良品の特徴量の分布が
    離れている場合は、上記確実な良品、確実な不良品のそ
    れぞれに対応する2つのメンバシップ関数を用いてファ
    ジイ推論することを特徴とする請求項1記載の品質判定
    方法。
  3. 【請求項3】 上記総合判定は、 上記推論の各判定ルール出力の合成出力から製品の不良
    品の度合いおよび不明の度合いの総合出力値を求め、 該総合出力値に基づき確実な良品であるか、確実な不良
    品であるか、中間グレード品であるかを判定することを
    特徴とする請求項1記載の品質判定方法。
  4. 【請求項4】 計測手段により計測された計測データか
    ら複数の特徴量を抽出し、該抽出した複数の特徴量に基
    づき該製品が良品であるか不良品であるかを判別する品
    質判定装置において、 上記複数の特徴量に基づき上記製品の不良品の度合いお
    よび不明の度合いを各特徴量毎にそれぞれ推論する推論
    手段と、 上記推論手段による推論の結果から前記製品が確実な良
    品であるか、確実な不良品であるか、中間グレード品で
    あるかを総合判定する総合判定手段と、 を具備することを特徴とする品質判定装置。
  5. 【請求項5】 上記推論手段は、 上記良品の特徴量の分布と上記不良品の特徴量の分布が
    近接している場合は、上記確実な良品、確実な不良品、
    中間グレード品のそれぞれに対応する3つのメンバシッ
    プ関数を用いてファジイ推論し、 上記良品の特徴量の分布と上記不良品の特徴量の分布が
    離れている場合は、上記確実な良品、確実な不良品のそ
    れぞれに対応する2つのメンバシップ関数を用いてファ
    ジイ推論することを特徴とする請求項4記載の品質判定
    装置。
  6. 【請求項6】 上記総合判定手段は、 上記推論手段の各判定ルール出力の合成出力から製品の
    不良品の度合いおよび不明の度合いの総合出力値を求
    め、 該総合出力値に基づき確実な良品であるか、確実な不良
    品であるか、中間グレード品であるかを判定することを
    特徴とする請求項4記載の品質判定装置。
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