JP2003328269A - コンクリート等の補強用材料 - Google Patents

コンクリート等の補強用材料

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JP2003328269A
JP2003328269A JP2002132431A JP2002132431A JP2003328269A JP 2003328269 A JP2003328269 A JP 2003328269A JP 2002132431 A JP2002132431 A JP 2002132431A JP 2002132431 A JP2002132431 A JP 2002132431A JP 2003328269 A JP2003328269 A JP 2003328269A
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concrete
resin
fiber
reinforcing material
coupling agent
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Hajime Izawa
一 伊澤
Sadamitsu Murayama
定光 村山
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期にわたり機械的特性の優れたコンクリー
ト等の補強用材料、特に引張り方向の歪みに対して優れ
た補強効果を発揮するコンクリート等の補強用材料を提
供すること。 【解決手段】 繊維状若しくは可撓性のある棒形状を有
する基材の表面を、シランカップリング剤及び/又はチ
タンカップリング剤を含む熱可塑性樹脂、及び/又は、
シランカップリング剤及び/又はチタンカップリング剤
を含む熱硬化性樹脂で被覆した樹脂被覆体からなり、該
樹脂被覆体は、少なくとも1個の突起部を有しており、
その長さが4mm以上で、且つ、該突起部を除く部分の
平均径の3倍以上の長さを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート等の
補強用材料に関し、さらに詳しくは、コンクリートやモ
ルタル材料等に使用することによりその曲げ強度などの
機械的特性を向上させ得るコンクリート等の補強用材料
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からモルタルやコンクリート材料の
曲げ強度、耐衝撃強度等の機械的特性を向上させるため
に、アスベスト、ガラス繊維、スチール繊維、及び、炭
素繊維等の無機繊維が用いられてきた。その中でアスベ
ストは、古くから使用されてきたが、発ガン性の問題等
から現在は使用が規制されるようになってきた。また、
ガラス繊維は、耐アルカリ性のものでも、セメント中の
アルカリにより劣化し、長期的に補強効果を維持するこ
とが困難であるため、大量使用には至っていない。スチ
ール繊維は、コンクリート中で腐食が生じ、これによっ
てコンクリート材料にひび割れが生じるという問題があ
る。また、スチール繊維に防錆処理を施しても長期的に
は腐食に耐えられず、しかも防錆処理にコストがかかり
有用ではない。炭素繊維は、セメント中に分散させるた
めの混練処理中に折れて短くなり、必要な長さが維持で
きないので期待通りの補強効果が得られなくなるという
問題を有している。
【0003】これに対して有機高分子重合体からなる繊
維については、例えば、ビニロン繊維、ポリプロピレン
繊維、アラミド繊維等の使用による補強が有効であり、
「ガラス繊維補強強化セメント製品の製造方法」(特開昭
49−98424号公報)、「繊維強化セメント製品の製
造法」(特開昭49−104917号公報)、「耐熱混合繊
維強化セメント製品の製造法」(特開昭49−10491
8号公報)、「軽量硬化補強製品の製造法」(特開昭61−
86452号公報)、「軽量珪酸カルシウム製品」(特開昭
62−171952号公報)、「スチールファイバー補強
コンクリート材料」(特開平6−115988号公報)、
及び「無機質繊維強化セメント製建材とその製造方法」
(特開昭63−45185号公報)等が知られている。
【0004】確かに、これらの繊維を使用して補強を行
うことによりコンクリート等の材料の曲げ強度、耐衝撃
強度等の機械的特性を向上させることが可能になるが、
補強効果を充分に発現させるためには、コンクリート材
料中の繊維の1本1本が周囲のコンクリートと強固に結
合していることが重要である。しかし、上記の繊維は、
コンクリート中では、アルカリや腐食によって劣化して
強度低下を生じたり、コンクリート材料中にひび割れ等
を生じさせるばかりでなく、経年変化や各種の荷重負荷
によりコンクリート界面との結合性が低下し、補強効果
を充分に発揮できていないという欠点を有している。
【0005】このような問題を解決するため、先に本発
明者らは、特開2001−328853号公報におい
て、繊維状若しくは可撓性のある棒形状を有する基材の
表面を熱可塑性樹脂、及び/又は、熱硬化性樹脂で被覆
し、少なくとも1個の突起部を有する樹脂被覆体を開示
したが、該方法においては、被補強体であるコンクリー
トの凝集力が高い場合には、樹脂被覆体のす抜けが起こ
るという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来の問題点を解消し、長期にわたり機械的特性の優
れたコンクリート等の補強用材料を提案することにあ
り、特に引張り方向の歪みに対して優れた補強効果を発
揮するコンクリート等の補強用材料を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
解決のために種々検討した結果、繊維状若しくは可撓性
のある棒形状を有する基材の表面を熱可塑性樹脂、及び
/又は、熱硬化性樹脂で被覆する際、該熱可塑性樹脂、
及び/又は、熱硬化性樹脂にシランカップリング剤及び
/又はチタンカップリング剤を含有させるとき、所望の
補強用材料が得られることを究明し本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明によれは、繊維状若しく
は可撓性のある棒形状を有する基材の表面を、シランカ
ップリング剤及び/又はチタンカップリング剤を含む熱
可塑性樹脂、及び/又は、シランカップリング剤及び/
又はチタンカップリング剤を含む熱硬化性樹脂で被覆し
た樹脂被覆体からなり、該樹脂被覆体は、少なくとも1
個の突起部を有しており、その長さが4mm以上で、且
つ、該突起部を除く部分の平均径の3倍以上の長さを有
していることを特徴とするコンクリート等の補強用材料
が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のコンクリート等の補強用材料とは、砂等の骨材
とセメントとを混練して作成されるコンクリートや主と
してセメントにより作成され小さな骨材を含むか若しく
は骨材を含まないモルタル等の補強用に使用することが
出来る材料を意味する。
【0010】本発明のコンクリート等の補強用材料は樹
脂被覆体からなり、該樹脂被覆体は下記に示す基材を用
いて形成される。該基材は繊維状若しくは可撓性のある
棒状の形態を有しており、樹脂被覆体は該基材の表面を
シランカップリング剤及び/又はチタンカップリング剤
を含む熱可塑性樹脂、及び/又は、熱硬化性樹脂で被覆
して形成される。さらに、該樹脂被覆体は、少なくとも
1個の突起部を有していることが重要である。
【0011】図1は、本発明に使用する樹脂被覆体を模
式的に示す側面図である。図1において、1は樹脂被覆
体が有する突起部を示し、2は該突起部を除く部分を示
す。該突起部1の最大径:d1と突起部を除く部分2の
平均径:d2の比率:d1/d2は1.3倍以上が必要であ
り、好ましくは、1.5倍以上、さらに好ましくは、3倍
以上である。この突起部の比率が1.3倍未満では、コ
ンクリート材料中において、該樹脂被覆体の引抜き抵抗
値を充分に大きくすることができず、本発明の効果が得
られない。すなわち、本発明において、突起部とは、突
起部1の最大径:d1と突起部を除く部分2の平均径:
2の比率:d1/d2が1.3倍以上を満足するようなもの
(突起部)を意味する。1個の樹脂被覆体について、この
ような突起部の数は、1以上が必要であり、実用的には
2〜5個のものが好ましく例示されるが、5個を超えて
有していても構わない。特に、該樹脂被覆体の長さが、
比較的長い場合には、5個を超えて有しているものが好
ましい場合もある。
【0012】また、該樹脂被覆体は、その長さが4mm
以上であるものが好ましく例示され、さらに好ましく
は、10mm以上であり、特に骨材を混入させたコンク
リート用には、20mm以上のものが最適に例示され
る。
【0013】該樹脂被覆体の長さが4mm未満では、モ
ルタル、又は、コンクリート材料中において引抜き抵抗
値を充分に大きくすることができず、また、モルタル、
又は、コンクリート材料中に使用される砂等の骨材の大
きさや発泡コンクリート中に形成される気泡の大きさか
らみて補強材として機能しない恐れがあり好ましくな
い。また、コンクリートパネル等において、該パネルの
縦方向、若しくは、横方向に沿って埋め込まれる補強用
材料として使用する場合には、該パネルの縦方向長さ若
しくは横方向長さと同じ長さの樹脂被覆体として用いる
ことも出来る。また、該樹脂被覆体をモルタルやコンク
リート中に均一に混練・分散するためには、該樹脂被覆
体は適当な長さに切断して使用されるが、この場合の長
さは80mm以下のものが好ましく使用され実用的であ
る。
【0014】また、該樹脂被覆体の突起部を有しない部
分の径と該樹脂被覆体の長さの関係では、突起部を除く
部分の平均径の3倍以上の長さのものを使用することが
好ましく、より好ましくは4倍以上の長さのものであ
る。該樹脂被覆体の長さが、突起部を除く部分の平均径
の3倍未満の場合は、樹脂被覆体の単位体積当たりの表
面積(コンクリートと接触する面積)が小さくなり、その
長さ方向に作用する引張力に対して充分に機能しないた
め好ましくない。
【0015】次に、該樹脂被覆体に使用する基材として
は、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、スチール
繊維等の無機繊維、及び、アラミド繊維、ビニロン繊
維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリアリ
レート繊維、PBO繊維、ナイロン繊維、ポリエステル
繊維、アクリル繊維、塩化ビニル繊維、セルロース繊
維、パルプ繊維等の有機繊維を使用することが出来る。
【0016】特に、アラミド繊維は、高い引張強度と耐
薬品性を有し、且つ、軽量であるため、近年セメント薄
板等の補強用材料として用いられるようになってきた。
すなわち、セメント材料にアラミド短繊維を添加し、ル
ーダーを用いて混練し、これを押出成形することにより
得られる薄板は、曲げ強度、耐衝撃強度が著しく向上し
て薄板をより薄くすることが可能となる。さらに、アラ
ミド繊維の中でもパラ型アラミド繊維が好ましく例示さ
れる。
【0017】パラ型アラミド繊維としては、例えば、ポ
リパラフェニレンテレフタラミドや共重合体であるコポ
リパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレ
フタラミド繊維等をあげることが出来る。特に、コポリ
パラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフ
タラミド繊維を基材として用いた場合には、優れた引抜
き特性を有するために他の繊維に比べ特に補強効果が優
れているだけでなく、耐アルカリ性にも優れているた
め、長期にわたって高性能を保持することが出来る。さ
らに、この繊維は、耐アルカリ性にも優れていることか
ら、温度:200℃程度のオートクレーブ養生にも耐え
られる。
【0018】また、樹脂被覆体の基材に使用するこれら
繊維の太さ(繊維糸繊度)は、111.1〜10000d
tex(100〜9000de)の範囲のものが例示され
るが、より好ましくは222.2〜3333.3dte
x(200〜3000de)の範囲のものである。但し、
特にこの範囲に限定されるものではない。該繊維糸繊度
が細い場合には、コンクリートに混入する一定量に対し
てコンクリートとの接触面積を増加させるので好ましい
場合があるが、前記の範囲を外れて細い場合には、補強
用繊維としての絶対強力が不足する場合があり好ましく
ない。該繊維糸繊度が太い場合には、補強用繊維として
の絶対強力は、充分であるが混入する一定量に対して接
触面積が減少(本数が少なくなる)し、補強効率を低下さ
せるので好ましくない。また、これらの繊維の長さ方向
と直交する断面は、通常の円型形状や、長方形、偏平形
状、その他異型断面形状のものも使用し得るが、円型形
状若しくは円型形状に近い形状のものが取り扱い上は好
ましい。
【0019】次に、本発明のコンクリート等の補強用材
料に使用する樹脂は、耐アルカリ性の熱可塑性樹脂、及
び/又は、熱硬化性樹脂であれば特に制限なく使用され
るが、好ましくは、エポキシ系樹脂、ビニールエステル
系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、メラ
ミン系樹脂、ホルムアルデヒド系樹脂、フルオロ重合体
系樹脂等の熱硬化性樹脂が使用され、中でも、エポキシ
系樹脂やビニールエステル系樹脂が特に好ましく使用さ
れる。これらの樹脂は、浸漬法やスプレー法により前記
の基材となる繊維表面に付与し、乾燥及び必要により熱
処理することにより樹脂被覆体とすることが出来る。
【0020】また、本発明に使用する該樹脂被覆体は、
前記のように少なくとの1個の突起部を有するものであ
るが、このような突起部を形成する方法としては、予め
突起部を形成した基材を使用することも出来るが、他の
方法として、基材となる繊維表面に樹脂を付与し乾燥す
る際に、該樹脂の表面張力により凝縮する性質を利用し
て該樹脂を球形状に凝縮させ、該球形状の凝縮部(これ
が突起部となる)を繊維の長さ方向に沿って多数形成し
たものを使用してもよい。
【0021】このように樹脂を球形状に凝縮させるに
は、使用する樹脂の濃度と付着量を調節することにより
基材に適当量(樹脂により異なるが、例えば、アラミド
繊維では基材の重量比で60〜250重量%)を付与
し、該樹脂を乾燥若しくは硬化する工程で行うことが出
来る。
【0022】本発明においては、上記被覆樹脂中に予め
シランカップリング剤及び/又はチタンカップリング剤
を含有させることが必要である。
【0023】本発明で使用するシランカップリング剤と
は、下記式で示されるような、加水分解可能なアルコキ
シ基(RO−)と有機官能基(X)を1分子中に持つ化
合物である。下記式において、RO−は、具体的にはC
3O−、C25O−、CH3OC24O−などを表し、
加水分解後はシラノール基またはチタノール基を生成す
る。また、X−はビニル基、エポキシ基、メツカプト
基、アクリル基、アミノ基等である。
【0024】
【化1】
【0025】上記化合物において、シラノール基は親水
性、有機官能基は親油性であるため、異なる極性基を同
一分子内に持つことになり、更にシラノール基は架橋反
応もできるので、これらの性質がコンクリート材料中で
の樹脂被覆体とコンクリートマトリックスとの界面接着
力を向上させる。
【0026】上記化合物の具体例としては、3−アミノ
プロピルトリエトキシシランや3−グリシドプロピルメ
トキシシランなどが例示される。
【0027】また、本発明で使用するチタンカップリン
グ剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタ
ネート、イソプロピルトリステアロイルチタネート、或
いはイソプロピルトリ(ジブチルピロフォスフェート)
チタネートなどが例示される。
【0028】上記シランカップリング剤及び/又はチタ
ンカップリング剤の含有量は、被覆樹脂全重量に対して
0.1重量%以上であることが好ましく、1.0重量%
以上であることがさらに好ましい。該含有量が0.1重
量%未満の場合は接着力の向上効果が奏されないことが
ある。
【0029】このようにして、その表面にシランカップ
リング剤及び/又はチタンカップリング剤を含む樹脂を
付与された基材は、一定の長さに切断されて、少なくと
も1個の突起部を有する樹脂被覆体となる。該突起部の
形状は、多くは球形状に形成されるが他の形状であって
もよい。球形状に形成されたものは、その央部を繊維の
軸芯が貫く形態のものがコンクリート等の補強用材料と
して好ましく使用される。
【0030】
【発明の作用】かくして本発明によれば、樹脂被覆体に
形成された突起部の存在がコンクリート材料中での引抜
き抵抗を高め、しかも樹脂中に含まれるシランカップリ
ング剤及び/又はチタンカップリング剤がコンクリート
との結合性をさらに高める作用を呈するので、補強効果
の優れた補強用材料材の提供が可能となる。
【0031】また、本発明に使用する樹脂被覆体の基材
として、炭素繊維を使用する場合には、従来から有して
いた問題を解消することが出来る。すなわち、炭素繊維
を単独で使用した補強用材料では、コンクリート中に分
散させるための混練処理中に折れるという問題があった
が、本発明では樹脂被覆によりこの問題を低下させるだ
けでなく、例え折れたものでも突起部の存在により補強
効果が低下するという問題を低減させることが出来る。
【0032】一方、本発明に使用する樹脂被覆体の基材
として、ガラス繊維を使用した場合、従来は前記のよう
にセメント中のアルカリにより劣化するという問題を有
していたが、本発明では耐アルカリ性の樹脂被覆により
この問題を減少させることが可能となる。すなわち、被
覆用樹脂として、エポキシ系樹脂やビニールエステル系
樹脂を使用したものでは、これらの樹脂が耐アルカリ性
や防錆性も有するために、ガラス繊維やスチール繊維を
基材に用いても長期間に及んで劣化することが少なく長
期間補強効果を発揮することが出来る。
【0033】また、本発明に使用する樹脂被覆体の基材
として、アラミド繊維を使用した場合には、高い引張強
度、耐薬品性を有し、軽量であるためにコンクリート補
強材として有用である。アラミド繊維の中でパラ型アラ
ミド繊維、特に、コポリパラフェニレン・3,4’オキ
シジフェニレン・テレフタラミド繊維を使用した場合に
は、耐薬品性に優れているのみならず、優れた引抜き強
度を有するために基材の太さを細くすることができ、コ
ンクリートとの接触面積を大きくすることが可能となる
ので、コンクリートとの結合力が高まり、補強効果をよ
り大きくすることが出来る。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。実施例で用いた測定値は下記の測定法によっ
た。
【0035】(1)補強用材料引抜き強力(単位:N/本) アルミ板の上に、早強ポルトランドセメントからなるモ
ルタルを厚さ:15mmとなるように流し込む際に該ア
ルミ板の表面と垂直となる方向に沿って試料となる補強
用材料を埋め込んだ試験片を作成し、該試験片を用いて
通常の定速型引張試験機により、ヘッドスピード:20
mm/分の条件で引抜き強力を測定した。
【0036】(2)コンクリートの曲げ強度 容量10トンの引張圧縮試験機(Universal Testing I
nstrument Model UTM 10-ton、Toyo Baldwwin Co
Ltd.製)を用いて、試験片(4cm×4cm×16c
m)の3点曲げ法にて行い、支点から距離:10cmの
点を2mm/分で圧縮し、応力の最高点より曲げ強度を
求めた。なお、該試験片は、早強ポルトランドセメン
ト:1174g、試験に供する補強用材料:5.9g、
水:493gをオムニミキサー中に投入した後、粘剤と
してメチルセルロース:11.7gを加えて、400rp
mの条件で5分間混練を行った後、型枠(4cm×4c
m×16cm)に流し込み、該セメンと複合材料を室温
にて1ケ月間養生を行い試験片とした。
【0037】[実施例1]樹脂被覆体の基材として、コ
ポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テ
レフタラミド繊維(帝人(株)製、「テクノーラ」、166
6.7dtex(1500de))を用い、3−グリシド
プロピルチリメチルシラン(信越化学(株)製)を0.
5重量%含有するビニールエステル樹脂中に浸漬して、
該ビニールエステル樹脂の付着量が150重量%となる
ように付着させた後、170℃で乾燥させた。
【0038】得られた樹脂被覆アラミド繊維は、樹脂に
より形成された多数の突起部を有するものであり、これ
らの突起部は、該突起部の最大径:d1と突起部を除く
部分の平均径:d2との比率:d1/d2が、1.3倍以
上のものが90%以上を占めていた。
【0039】このような突起部を有する樹脂被覆体を3
0mmの長さにカットして、樹脂被覆体を得た。得られ
た樹脂被覆体は、平均して4.1個の突起部を有するも
のであった。該樹脂被覆体をコンクリート補強用材料と
して用いて前記(1)及び(2)に記載した方法により
試験用のコンクリートを作成し、補強用材料引抜き強力
及びコンクリート曲げ強度を測定した。試験結果を表1
に示す。
【0040】[実施例2]実施例1において、3−グリ
シドプロピルチリメチルシランの含有量を0.1重量%
に変更した以外は実施例1と同様に実施した。試験結果
を表1に示す。
【0041】[実施例3]実施例1において、3−グリ
シドプロピルチリメチルシランの含有量を0.08重量
%に変更した以外は実施例1と同様に実施した。試験結
果を表1に示す。
【0042】[実施例4]実施例1において、アラミド
繊維に代えて、ポリエチレン繊維(東洋紡績(株)製、1
333.3dtex(1200de))を用いた以外は実
施例1と同様に実施した。試験結果を表1に示す。
【0043】[実施例5]実施例1において、アラミド
繊維に代えて、炭素繊維(東邦テナックス(株)製、19
80dtex(1782de))を用いた以外は実施例1
と同様に実施した。試験結果を表1に示す。
【0044】[比較例1]コンクリート用補強材料とし
て、コポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレ
ン・テレフタラミド繊維(帝人(株)製、「テクノーラ」、
1666.7dtex(1500de))であって、製糸
時に油剤を付与して収束した糸を用い(樹脂を被覆する
ことなく)、これを30mmの長さにカットした短繊維
をコンクリート補強用材料として用いて前記(1)及び
(2)に記載した方法により試験用のコンクリートを作
成し、補強用材料引抜き強力及びコンクリート曲げ強度
を試験した。試験結果を表1に併せて示す。
【0045】なお、この場合、カット長が30mmと長
く、且つ、油剤により収束されているのみであるため、
混練時に繊維間同士が絡まりあって、フロー値が高くな
り、繊維の分散が上手く出来ない問題も発生したが、該
混練物を型枠に手で押込んで試験片を作成した。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、長期にわたり機械的特
性の優れたコンクリート等の補強用材料、特に引張り方
向の歪みに対して優れた補強効果を発揮するコンクリー
ト等の補強用材料が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する樹脂被覆体を模式的に示す側
面図である。
【符号の説明】
1 突起部 2 突起部を除く部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // D06M 101:18 D06M 101:18 101:24 101:24 101:30 101:30 101:32 101:32 101:36 101:36 101:40 101:40 Fターム(参考) 4G058 GA01 GB04 GB08 GF03 4L033 AA05 AA06 AA07 AA08 AA09 AB01 AC15 BA95 BA96 CA18 CA33 CA34 CA36 CA49 CA50

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維状若しくは可撓性のある棒形状を有
    する基材の表面を、シランカップリング剤及び/又はチ
    タンカップリング剤を含む熱可塑性樹脂、及び/又は、
    シランカップリング剤及び/又はチタンカップリング剤
    を含む熱硬化性樹脂で被覆した樹脂被覆体からなり、該
    樹脂被覆体は、少なくとも1個の突起部を有しており、
    その長さが4mm以上で、且つ、該突起部を除く部分の
    平均径の3倍以上の長さを有していることを特徴とする
    コンクリート等の補強用材料。
  2. 【請求項2】 シランカップリング剤及び/又はチタン
    カップリング剤の含有量が、熱可塑性樹脂及び/又は熱
    硬化性樹脂全重量に対して0.1重量%以上である請求
    項1記載のコンクリート等の補強用材料。
  3. 【請求項3】 樹脂被覆体の基材が、無機繊維若しくは
    有機繊維であり、且つ、該樹脂被覆体の長さが4〜80
    mmの範囲にある請求項1又は2記載のコンクリート等
    の補強用材料。
  4. 【請求項4】 樹脂被覆体の基材が、アラミド繊維であ
    る請求項1、2又は3記載のコンクリート等の補強用材
    料。
  5. 【請求項5】 樹脂被覆体の基材が、ポリビニルアルコ
    ール系繊維である請求項1、2又は3記載のコンクリー
    ト等の補強用材料。
  6. 【請求項6】 樹脂被覆体の基材が、ポリエチレン系繊
    維である請求項1、2又は3記載のコンクリート等の補
    強用材料。
  7. 【請求項7】 樹脂被覆体の基材が、ポリプロピレン系
    繊維である請求項1、2又は3記載のコンクリート等の
    補強用材料。
  8. 【請求項8】 樹脂被覆体の基材が、脂肪族ポリエステ
    ル若しくは芳香族ポリエステル系繊維である請求項1、
    2又は3記載のコンクリート等の補強用材料。
  9. 【請求項9】 樹脂被覆体の基材が、ポリパラフェニレ
    ンベンゾビスオキサゾール(PBO)系繊維である請求項
    1、2又は3記載のコンクリート等の補強用材料。
  10. 【請求項10】 樹脂被覆体の基材が、ガラス繊維であ
    る請求項1、2又は3記載のコンクリート等の補強用材
    料。
  11. 【請求項11】 樹脂被覆体の基材が、炭素繊維である
    請求項1、2又は3記載のコンクリート等の補強用材
    料。
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