JP2003325472A - Mri装置、フロー定量化装置、及びaslイメージングにおけるフロー定量化方法 - Google Patents

Mri装置、フロー定量化装置、及びaslイメージングにおけるフロー定量化方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】演算量が少なくて済み、かつ、フロー(組織血
流)の実際の挙動をより正確に反映させた高精度なフロ
ー値を求めることができるフローの定量化法を提供す
る。 【解決手段】MRI装置は、two−compartm
ent modelと呼ばれるモデルに基づいて求めた
トレーサーとしての水のトレーサー濃度と組織血流とし
てのフローとの対応情報(変換式又はテーブル)を求め
て保管する手段(6,10,11)と、ASLイメージ
ングにより得られた画像データに基づくASLR画像値
を前記対応情報に照らして撮像領域における組織血流の
フローを定量化するフロー手段(6,10,11)とを
備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検体に造影剤を
投与することなく、パフュージョン(perfusion:組織
血流)又は血管の画像を提供することができるASL
(Arterial Spin Labeling)法に基づくイメージングを
用いて、フローを簡便な手法で定量化することができる
MRI(磁気共鳴イメージング)装置及びASLイメー
ジングにおけるフロー定量化方法に関する。
【0002】なお、本発明で説明するASL法とは、広
義の意味でのスピンラベリング法の全体を指すこととす
る。
【0003】
【従来の技術】磁気共鳴イメージングは、静磁場中に置
かれた被検体の原子核スピンをラーモア周波数の高周波
信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生するFI
D(自由誘導減衰)信号やエコー信号から画像を得る手
法である。
【0004】この磁気共鳴イメージングの一つのカテゴ
リーとして、組織のパフュージョンを評価するスピンラ
ベリング(spin labeling)法、すなわちASL法が知
られている。このASL法は、被検体に造影剤を投与す
ることなく、つまり非侵襲の状態で、被検体の血管像や
micro circulation(灌流)を反映させたパフュージョ
ン(組織血流)像などを提供する手法であり、近年、こ
れに関する研究が盛んに行われている。とくに、頭部の
脳血流(CBF)を中心に臨床応用も進んでおり、血流
量の定量化も可能になりつつある。
【0005】ASL法は、「continuous ASL(CAS
L)法」と、「pulsed ASL(PASL)法」(dynamic
ASL(DASL)法とも呼ばれる)とに大別される。C
ASL法は、大きな連続的なadiabatic RFを印加する
手法であり、血管内のスピン状態をある時点でラベル
(磁化)して、このラベルされた血液のボーラスがイメ
ージングスラブ(観測面)に達した後の信号変化をイメ
ージングする。一方、PASL法はパルス状のadiabati
c RFを印加する手法であって、血管内の磁化を常に変
化させ、磁化された血流を持続的に受けている組織をイ
メージングすることでその組織のパフュージョンを評価
する。このPASL法は、臨床用のMRI装置でも比較
的簡単に実施することができる。このASLイメージン
グでは、一般に、コントロールモード及びラベル(タ
グ)モードの2画像が生成される。タグモードとコント
ロールモード夫々において得られた画像データは、それ
ら画像間の画素毎の差分演算に処せられる。この結果、
イメージングスラブに流入する血液の情報、すなわち灌
流を表すASL画像が得られる。
【0006】このようなASLイメージングにより、フ
ロー(組織血流)を定量化しようとする試みが知られて
いる。その一例を説明する。
【0007】フローfは、一般的には、Bloch方程
式と呼ばれる方程式から導出される(例えば、“MRM 3
5:540-546(1996)、C.Scwarzwauer et al”参照)。
フローfが在る場合の縦緩和のBloch方程式は
【数1】 である。ここで、T1appは見かけのT1である。
【0008】そこで、タグモード及びコントロールモー
ド夫々にて画像を得て、フローfを算出する。すなわ
ち、M及びT1をピクセル毎に計測して、血液のT1
(=T1:添え字aはarteryを意味する)が組織のT
1と同じであると仮定して解くと、フローfは
【数2】 で表されることが報告されている。
【0009】しかし、上述した(c)式に拠るフローF
を算出するには、現実問題として、M及びT1をピク
セル毎に計測する必要があり、計測の手間とデータ数が
多くなるばかりか、演算量が膨大で、演算時間も長くな
る。
【0010】さらに、撮影の時間差がある多数枚の画像
データを用いるので、体動に因るミスレジストレーショ
ンなどが生じ、この点からも誤差混入に因る計測精度の
劣化が指摘されている。
【0011】このように、従来のフロー(組織血流)の
定量化法を実際の臨床に応用するには種々の不具合があ
るため、これらを解決した現実的な対応が可能な定量化
法が要望されていた。とくに、一般の急性期梗塞などの
患者に適用する場合、フローを短時間にかつ簡便に定量
化できる必要がある。
【0012】かかる状況に鑑みて、ASLイメージング
に拠るイメージングスラブからの収集データの量を必要
最小限に止めることができ、その収集データからリニア
なスケーリングを行うことにより、イメージングスラブ
のフロー(組織血流)を簡単に定量化する手法が特開平
11−375237号公報で提案されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た公報に記載のフロー定量化は、Bloch方程式が基
礎としていた“single-compartment model”(シングル
・コンパートメント・モデル)をそのまま引き継いだ手
法であった。この“single-compartment model”は、
「ASLにおけるトレーサーである水は完全な拡散性を
有するという仮定に基づいている。すなわち、「組織に
運ばれてきた動脈血流中の水のスピンは、速やかに組織
内に移行して組織のT1値に変化する」前提条件に基づ
いている。
【0014】しかし、実際には、上流の動脈血流をラベ
リングしてからデータ収集開始までの時間(TI時間
(実際は1〜2sec程度))の間に、そのような条件
が完全に満たされることはない。それは、毛細血管床に
留まっている水スピンが毛細血管外に比べて多いからで
ある。このため、上述したフローの定量化値には、“si
ngle-compartment model”に拠る前提条件が完全に満た
されないことに因る計測誤差が含まれ易いことから、よ
り高精度なフロー化の手法が望まれていた。
【0015】一方、文献“Jinyuan Z,David AW, Peter
CM:Two-compartment model for perfusion quantific
ation using Arterial Spin Labeling, Proc. Intl. So
c. Magn. Reson. Med., 2000;8, 166”にみられるよう
に、“single-compartment model”よりも正確なモデル
の検討も進んでいる。このようにモデルが複雑化するに
つれて、フローの定量化に必要なパラメータの数も増加
し、演算がますます複雑になっている。
【0016】一方で、実験的にはASLの信号強度(AS
L signal)と血流量はほぼ線形の相関があることは動物
実験などでは報告されている。
【0017】本発明は、上述した従来のASL法に拠る
フローの定量化法に鑑みてなされたもので、演算量が少
なくて済み、かつ、フロー(組織血流)の実際の挙動を
より正確に反映させた高精度なフロー値を求めることが
できるフローの定量化法を提供することを、その目的と
する。
【0018】
【課題を解決するための手段】最初に、本発明における
用語を明確化しておく。
【0019】「フロー」は、イメージングスラブを脳に
置いて求めることが多く、正式には“CBF:cerebral bl
ood flow”のことを指すが、頭部以外の臓器にも適用可
能な量であるので、組織血流(regional blood flow)
の量の意味に用いられ、一般化してフローf[ml/1
00cc/min]と呼ばれる。また、「フローの定量
化」とは、画素毎にフローの定量化情報(血流量など)
を求めることであり、血流量の画像をフロー画像として
提示する態様もこれに含まれる。
【0020】本発明によれば、造影剤を用いないで、非
侵襲的に、ASL法に基づき得た、原則として1枚のA
SL画像にリニアなスケーリング又は高次式基づく変換
を施すことで、フロー(組織血流)の定量化情報を得る
ことができる。このスケーリングに用いるスケール値
(スケーリング値)又は変換に用いる値は事前に算出し
ておくか、その都度、レファレンスファントムの画像値
から算出される。
【0021】以下、本発明に係る簡便且つ高精度なフロ
ー定量化を実現するために、本発明者が行ったシミュレ
ーション及び実験の結果を説明する。このシミュレーシ
ョン及び実験は、ASLイメージングにおける局所脳血
流量の定量化の根拠を提示するものである。
【0022】[I]シミュレーション [A]シミュレーションの目的 このシミュレーションでは、臨床応用可能な簡便かつ定
量的ASLイメージングの実現を目的として、ASLで
の水をトレーサーとしたモデルに比較的近いとされるtw
o-compartment modelを用いて、パルス法によるASL
(PASL)イメージの信号強度と血流量や他のパラメ
ータとの関係などについて、Cold Xenon-CT(Xe−C
T)やPositron Emission CT(PET)など他のモダリ
ティにおけるモデルとも比較しながら、シミュレーショ
ンによる理論的検討を行う。また、このシミュレーショ
ンでは、実験的にも、頭部ボランティアにてXe−CT
画像とPASL法により得られた画像(PASL画像)
との相関をとることにより、単一のTI時間で得られた
ASL信号とCBFとの関係から、単純にスケーリング
するという本発明者の着想の妥当性について検討した。
【0023】[B]シミュレーションの方法 (B1)モデル このシミュレーションに用いたtwo-compartment model
を図1に、このモデルで採用したパラメータの定義を以
下に示す。 Q/Q:血管内/血管外、各コンパートメント内の
トレーサーの量、 Q:単位ボクセル内トレーサーの総量(Q=Q
)、 V/V:血管内/外、各コンパートメントの体積
(V+V=1とする。)、 C:動脈血中のトレーサー濃度(モデルへの入力関
数)、 f:単位あたりの血流量、 PS:Permeability Surface Area Product of Water
(トレーサーが単位ボクセル内で単位時間に血管の内側
から外側へ漏れる量で[ml/100cc/min]で
表される。)、 T1/T1:血管内/血管外各コンパートメントで
のT1緩和時間、 λ:トレーサーの血液組織分配係数(M0i:血管内の
水の定常状態での縦磁化密度、M0e:血管外の水の定
常状態での縦磁化密度、とするλ=M0e/M 0i)、 t:ラべリング後の時間(=TI)、 とする。
【0024】各コンパートメントにおいて微小時間dt
間で残存するトレーサーの量dQ及びdQはトレー
サーが微小時間dt間でコンパートメントへ入った分と
出た分との差となるというFickの原理に基づき記述
すると、コンパートメント各々についてのトレーサーの
量の時間的変化は、
【数3】 と表せる。これをQ、Qについて解くと、Q=Q
+Qがトレーサー信号強度に比例する単位ボクセル
内の総トレーサー量となる。
【0025】ASLイメージングではトレーサーとして
水を用いているが、水は拡散性トレーサーとはいえず、
血管から組織へ移行する度合いを表すPSが有限であ
り、そのため単位ボクセル内で血管内・血管外の2つの
コンパートメントに分ける。ASLはPETにおける水
トレーサー、H 15Oを用いた場合と類似している。
しかし、PETの水トレーサーでは緩和時間が2分程度
と長く、2つのコンパートメント内で一様とみなせるの
に対して、ASLイメージングではトレーサーの緩和時
間が秒単位と短く、かつ血管内外で異なることがPET
に比べてモデルを複雑にしている。
【0026】また、single-compartment modelで解析さ
れているXe−CTで用いられるcold xenonは、数分の
測定時間のオーダーでは拡散性トレーサーとみなしてよ
いとされ、さらに緩和もない。Xe−CTやPETでは
呼気からの吸入や経静脈的にトレーサーを注入するた
め、入力関数C(t)は、組織での応答関数には肺の
影響が入る。これに対し、ASLでは、動脈に対するC
(t)は、RF波により脳内の動脈へ直接に与えられ
る。Xe−CT、PET、及びASLにおける血流から
みた組織モデルは、いずれの場合も、図1に示したtwo-
compartment modelにおけるパラメータのうちλの差を
無視すれば、T1、T1、T1及びPSの違いと
して表現できる。
【0027】(B2)条件 対象は、脳組織の血流量として、灰白質(GM)と白質
(WM)の代表的なパラメータを設定した。但し、いず
れもトレーサーが関心組織へ到達する遅れ時間は無視し
(即ちτ=0)、C(t)はT1=T1=∞、
PS=∞における平衡状態でのトレーサー濃度との相対
濃度で与え、PETやXe−CTでのC (t)は、実
際とは大きく異なるが、組織でのQ(t)をASLと
比較するために動脈にトレーサーを直接、ステップ関数
状に入力したものとし、またASL画像の単位ボクセル
内の信号強度(ASL signal)は、トレーサー濃度、すな
わち単位ボクセル内のトレーサー量に比例するものとし
た。
【0028】具体的には、V=0.03(CBV=3
%)、f=80[ml/100cc/min](GMの
とき)、f=20[ml/100cc/min](WM
のとき)は共通とし、入力関数は一般化して、 A:ラべリング効果を表す係数、 T1:ラベル部の動脈血のT1緩和時間、 τ:動脈入力関数計測部分から関心組織に到達するま
での遅れ時間(transmit delay time)、 Ttec:ラべリング時間幅(tag duration time) のとき、
【数4】 と仮定した(図2(a)参照)。この仮定に基づき、X
e−CT、PET、及びPASLのそれぞれに対して、
パラメータを以下のように与えた。
【0029】(a)Xe−CTのとき A=1、T1=T1=T1=∞、PS=∞、λ=
1、τ=0、Tte =∞とする。
【0030】この場合、(1)式及び(2)式より
【数5】 と簡略化される。
【0031】(b)水(H 15O)のPETのとき A=1,T1=T1=T1=120sec,PS
=130[ml/100cc/min],λ=1,τ
=0,Ttec=∞とする。
【0032】(c)PASLのとき A=1,T1=T1=1.2sec,T1=0.
7/0.9(WM/GM)sec,PS=130[ml
/100cc/min],τ=0,λ=0.82/
0.98(WM/GM)[16],τ=0,Ttec
=∞とする。
【0033】[C]シミュレーションの内容 (1)式及び(2)式の微分方程式を解いて、下記の検
討を行った。
【0034】(C1)各モダリティにおけるトレーサー
の時間的変化:PASL、水トレーサーのPET、Xe
−CTの3種類の方法における血管内外のコンパートメ
ント及び全体のトレーサー量についての時間的変化を調
べた。
【0035】(C2)トレーサー信号強度(ASL signa
l)と血流量fとの関係:血流量f以外のパラメータを
一定とした場合、トレーサー信号強度は真の血流量fに
どの程度相関するかということについて、血管透過性を
表すPSをパラメータとして、single-compartment mod
el(PS=∞に相当)とtwo-compartmentmodelの各々に
ついて比較した。なお、single-compartment modelは、
two-compartment modelにおいてPS=∞に設定したモ
デルに対応する。
【0036】(C3)パラメータの変動に因るトレーサ
ー信号強度の変化:脳組織に対して、測定毎には計測し
ないモデルパラメータを一定と仮定することに因る誤差
はどの程度になるのかを調べた。GMの条件を基準に、
PSをパラメータとして、トレーサー信号強度と血管外
でのT1緩和時間T1、血流量を表すV、及びトレ
ーサーの血液組織分配係数λとの関係について、さらに
図3に示すように、血管信号を低減するために用いられ
るタグIRパルス(Tag−IR)の印加からラべリン
グ時間幅Ttec後にタグ部にプリサチュレーションパ
ルス(Presat(Tag End Cut(TEC)と称す)の有無
による遅れ時間τ及びパラメータTてcと、トレーサ
ー信号強度との関係についても調べた。
【0037】(C4)リニアスケーリング法によるCB
F定量化:two-compartment modelに基づき、GM、W
Mのパラメータを与えて求めたトレーサー信号強度(Q
t)を理論値として、この理論値と同一のトレーサー信
号強度を与えるCBFを、single-compartment model、
及びリニアスケーリング法(linear scaling method)
について算出した。
【0038】リニアスケーリング法ではWM及びGMの
理論値の2点を直線近似して、以下の(5)式のkを求
め、CBFは(6)式により算出した。
【0039】
【数6】
【0040】[D]PASL及びXe−CTの実測デー
タをリニアスケーリング法によるCBF定量化 (D1)測定対象は、Xe−CT及びPASLとも同一
スライスで同一日にイメージングした正常ボランティア
9名
【0041】(D2)ASLイメージングには、(株)
東芝製の1.5T MRI装置を用いた。PASL法に
よるイメージングは、具体的には、ASTAR法を使用
した。このASTAR法は、例えば文献「木村徳典:Mo
dified STAR using asymmetric inversion slabs(AS
TAR)法による非侵襲血流イメージング、日磁医誌20
01;20(8),347-385」に見られるように、EPISTA
R法(文献「EdelmanRR et al.,:Qualitative mapping
of cerebral blood flow and functional localizatio
n with echo-planar MR imaging and signal targeting
with alternating radio frequency,Radiology 199
4;192:513-520」参照)を変形して構成された手法で
ある。つまり、コントロール部とタグ部を空間的に非対
称に配置することにより、MT効果をキャンセルしつ
つ、頭頂側から流入する不要な静脈内の血管信号を低減
できるようにしたASL法である。
【0042】また、イメージングは、頭部用送受信QD
コイルにて受信ゲインを固定するとともに、2D Fast Gr
adient Echo(FFE)法(TR/TE/FA=9ms
/3.6ms/15deg,TI=1400ms,FO
V=25.6cm,スライス厚=10mm,シングルス
ライス)、タグ厚=10cm,slice-tag gap=1c
m,Ttec=800msという撮像条件にて行った。
このシーケンスの概要を図3(a)に、各スラブの撮影
位置を図3(b)にそれぞれ示す。得られるASL画像
のASL信号は、タグ画像とコントロール画像の信号差
の絶対値、すなわち流入血流の信号強度とした。
【0043】(D3)Xe−CT:CTは短時間吸入法
(wash-in/wash-outプロトコル)を用いて、30%X
enonガスを3分吸入、1分ごとに8分間、計9スキ
ャン測定した画像を使用した。
【0044】(D4)解析:前頭葉皮質、前頭葉白質、
視床、後頭葉皮質、後頭葉白質、及び半球の左右対称に
ROIを同一位置及び大きさで設定し、平均値を測定し
た。
【0045】Xe-CT CBFとASL信号の相関から、シミ
ュレーションと同様に(0、0)を通る直線近似の
(5)式を計算して比例定数kを求める。この後、K=
1/kとしてASL信号を(6)式によりスケーリング
して、CBF値に換算した。なお、相関係数の算出には
前頭葉白質、後頭葉皮質、視床を用いた(被検者数N=
9、ROI数n=54(9x3x2))。さらに、各組
織単位でのXe-CT CBF及びASL CBFの平均値及びSDをそ
れぞれ計算し、その平均値及びSDの各々においてXe-C
T CBF及びASL CBFを相互に比較した。またXe-CT CBF画
像とASL CBF画像による同一スケーリングでの表示を行
った。なお、Xe-CT画像は、ASL CBF画像と同じ解像度で
表示されるようにスムージングフィルタを使用した。
【0046】[E]結果 (E1)各モダリティでのトレーサー信号強度(ASL si
gnal)の時間的変化を図3に示す。
【0047】(a)Xe-CTの場合:トレーサーが拡散性
で緩和がない場合(PS>>f,T1=T1=∞)
の場合 この場合には、トレーサー信号強度(ASL signal)は時
間の経過に従って指数関数的に増加し、3分程度で平衡
に達するが、図4(a)に示すように、時間が短い範囲
(10sec以下)ではほぼ時間に対して線形の関係に
あると、みなすことができる。血管内外のトレーサー量
の比は常に血管内外の体積比と同じである。つまり、Q
/Q=V/Vの関係が成り立つ。
【0048】(b)水(H 15O)のPETの場合:
トレーサーが水で緩和が小さい場合(PS≒f,T1
=T1>>t)の場合 図4(b)に示すように、トレーサーの注入直後にあっ
ては、血管内トレーサー量は血管外のそれに比べて小さ
いが、時間経過とともに増加して2sec程度で同一に
なり、平衡時には血管内外でのトレーサー濃度が同じに
なり、血管内外の体積比に近づく(Q/Q→V
)。このため、PETの測定時間のオーダー(分)
では血管内外は平衡に達しているとみなすことができ
る。
【0049】(c)PASLの場合:トレーサーが水で
あり、緩和が大きい場合(PS≒f,T1=1.2
s,T1=0.9s)の場合 この場合の測定結果を、図4(c)に示す。MRIのA
SLではPETの水に比べて緩和がひと桁以上大きいこ
と、及び、PASLではトレーサー信号強度はt=1s
ec付近にピークを有する特性を示すため、測定時間は
2sec以下にせざるを得ないが、トレーサーの濃度は
その時刻では未だ平衡に達しておらず、トレーサー量の
割合は血管内に比べて血管外の方が小さい(Q/Q
>V/V)。
【0050】(d)PASLでPS=∞、且つ、他の条
件はc)と同一とした場合 この条件は、PS=∞、すなわちトレーサーがボクセル
内に均一に拡散するとしたsingle-compartment modelに
相当し、短時間でも血管外成分がほとんどを占めること
になる。図4(d)に示すように、トータルのトレーサ
ー信号強度は実際に近いPSを用いた場合に比べて多少
大きくなる。
【0051】(E2)トレーサー信号強度と血流量fの
関係 血流量fに対するトレーサー信号強度(ASL signal)の
変化について、図5にt=1.4sでのPSをパラメー
タとした曲線を示す。
【0052】PS>>fの場合、single-compartmentに
近似できるため、ラベル後の測定時間tを固定(PAS
Lでの例でt=1〜2sec)すると、トレーサー信号
強度はフローfに比例する。これに対し、two-compartm
ent modelを用いたPASLの場合、トレーサー信号強
度はPSが小さいほど高いフローで小さくなる。この結
果、図5に示すように、上に凸の特性になる。しかしな
がら、トレーサー信号強度ASL信号とフローfは脳血
流の0〜100[ml/100cc/min]の範囲で
はほぼ比例関係にあるとみなすことができる。但し、こ
れはGMのT1 の条件でみたものであり、WMでのA
SL信号はT1が短い分、これより若干小さくなる。
【0053】(E3)ASLにおけるトレーサーの信号
強度と他のパラメータ関係 (a)トレーサー信号強度と血管外T1緩和時間T1
の関係図6(a)に示すように、PSが大きいほど、す
なわち血管外への透過率が大きいほど、血管内のトレー
サー成分Q(t)より血管外のトレーサー成分Q
(t)の割合が増加するため、T1の変動に対する
トレーサー信号強度(ASLsignal)の変化率は大きくな
るが、脳組織(PS=130[ml/100cc/mi
n])では、例えばt=1.4sの場合GMのT1
WMのT1と同一と仮定したとしてもトレーサー信号
強度は約5%低下するだけであるが、PS=∞としたsi
ngle-compartment modelでは17%も変化してしまう。
【0054】(b)トレーサー信号強度の血管床体積V
との関係 図6(b)に示すように、ASLのPS=130[ml
/100cc/min]において、トレーサー信号強度
(ASL signal)は、V<0.02では多少小さくなる
ものの、V>0.03ではあまり変化しない。人体の
脳で採り得るとされるV=0.02〜0.05の範囲
においてトレーサー信号強度は20%程度の変化であ
る。
【0055】一般に、PS>>fの場合、血管内外での
緩和が同一ならば全体の信号に占めるVの寄与は単純
にV分だけであり、かつ時間的にも一定(Q(t)
/Q (t)=V/V)である。つまり、単位体積
あたりの全体の総和ではVが変化しても一定である。
しかし、水PETやASLのようにPSがfと同程度だ
と時間的に変化し、定常状態では体積比に近づく(Q
(t)/Q(t)>V/V:tが短いとき、Q
(t)/Q(t)→V/V:t→∞のとき)。
【0056】トレーサー注入後の時間が短いほど、かつ
PSがfに比べ小さいほどトレーサーが血管内に残存す
る割合は大きい。よって、全体に占める血管容積である
内の信号の寄与が大きくなる。図4(c)に示すよ
うに、ASLでの測定時刻1〜2secではV=0.
03程度であっても、全体の半分以上がV内からの信
号である。
【0057】(c)トレーサー信号強度とトレーサーの
血液組織分配係数λとの関係 図6(c)に示すように、PSが大きいほど血管外の信
号成分Qが相対的に大きくなるので、トレーサーの血
液組織分配係数λの変動によるトレーサー信号強度(AS
L signal)の変動も大きくなる。λ=1とした場合のト
レーサー信号強度は正しいλでのトレーサー信号強度の
(Q+Q/Q+λQ)倍になる。水のλはGM
で0.98、WMで0.82とすると、λ=1とした場
合、GMではほとんど問題とならず、WMではt=1.
4sでトレーサー信号強度の誤差は6%、過大評価さ
れ、CBF換算で1.2[ml/100cc/min]
程度である。
【0058】(d)Tag End Cut(TEC)のパラメー
タとトレーサー信号強度の関係 Tag End Cut(TEC)を用いた場合と用いない場合に
対する、トレーサー信号強度(ASL signal)のGMにお
ける時間的変化を図7(a)に示し、一方、t=1.4
secにおけるGMとWM双方での遅れ時間τとの関
係を図7(b)に示す。
【0059】測定時刻をt>Ttec+τに設定すれ
ば、TECを印加する場合は、それを印加しない場合に
比べ、トレーサー信号強度は低下するが、遅れ時間τ
の変動による影響は軽減される。緩和は遅れ時間τ
影響は受けず、ラベル直後(t=0)から始まるため、
緩和による信号減衰の方が勝るためである。TECの時
間パラメータについて、t>Ttec+τを満たすよ
うにTtecはVを満たすだけの動脈血をラベルする
に十分な時間幅で、かつ、τがその測定系で最大の時
間に対してtを設定すればいいことになる。TECを印
加しない場合であっても、t=2.5sec前後にTE
Cを印加した場合のトレーサー信号強度とほぼ同一にな
る条件がある。しかし、TECを印加すれば、印加しな
い場合に比べて、測定時刻を短縮できるというTECの
利点がある。また、遅れ時間τを無視できない場合で
も、t<τの範囲では、組織部分では無信号である。
しかしながら、この場合も実際には、ラベルされた血液
が動脈内を通過し続けており、これにより高信号化に伴
う血管アーチファクトが生じ易い。TECを印加するこ
とにより、このような事態を抑制することができる。
【0060】(e)リニアスケーリング法と各モデルに
対するCBF値との比較 CBF値と各モデルに対するトレーサー信号強度(ASL
signal)との関係を図8に示す。WM及びGMの各々に
対してtwo-compartment modelに基づいて算出したトレ
ーサー信号強度を理論値とし、各方法で理論値と同一の
トレーサー信号強度を与えるCBF値の算出結果を図9
(a)の表1に示す。
【0061】Single-compartment modelではCBF値は
PS以外の正しいパラメータを与えてもWMで44%大
きく、GMで6%小さくなり、特にWMでの誤差が大き
い。これはPS=∞としたことに因る血管外成分の過大
評価による影響である。linear scaling methodの場
合、比例係数はk=5.543*10−5、K=1/k
=18041となり、算出されたCBF値は理論値に比
べWMで6%大きい程度であり、GMで0.4%小さい
程度と十分なレベルである。
【0062】(E4)実測データによるリニアスケーリ
ング法の評価 図10に示すように、トレーサー信号強度(ASL signa
l)とXe-CT CBFは良好に相関した。
【0063】
【数7】 であった。
【0064】また原点(0、0)を通る近似直線では
【数8】 と算出された。従って、K=1/k=0.3と算出さ
れ、この係数をかけてトレーサー信号強度(ASL signa
l)から換算したASL CBFとXe-CT CBFの関係のグラフは
図11に示すようになった。これに対応するCBF値は
図9(b)の表2に示す。また、図示しないが、Xe-CT
CBFとASL CBF各画像の例によれば、各組織に関して両画
像とも特に視床での標準偏差が大きくなったが、SD/MEA
Nの比では各組織とも20%程度のばらつきであった。さ
らに、図示しないが、Tag End Cutのtag時間幅T
tecをパラメータとして得たPASL画像によれば、
tecの短縮に伴い、下肢側から流入する血液信号が
中大脳動脈、小脳および視床で顕著に低減していること
が確認された。
【0065】[F]考察 [F1]single-compartment modelとtwo-compartment
modelの違い single-compartment modelは、トレーサー到達後にボク
セル内が瞬時に平衡するモデル、すなわちtwo-compartm
ent modelで血管透過性を表すPSが∞でかつ緩和も一
定としたモデルに相当する。ところで、two-compartmen
t modelに基づく実際の装置で得られるトレーサー信号
強度(ASL signal)は、フローfが大きくない範囲で
は、G:送受信系のゲインなど測定装置系に依存した比
例係数とし、既出のパラメータを用いて(5)式のkは
一般的に、
【数9】 と表わすことができる。近似的には、single-compartme
nt modelの場合、
【数10】 と表わすことができる。
【0066】ここでGAM0i/λ=1とすると、シミ
ュレーションと同一スケールになる。本発明者のシミュ
レーションにおける図4のPSをパラメータとしたトレ
ーサー信号強度(ASL signal)対フローfの特性では、
PASLでの人体脳におけるパラメータの条件では幸い
にも、血管内外総量のトレーサー信号強度はトレーサー
のPSの変化に対し、さほど大きく影響されない。これ
により、PASL法を用いた場合、少なくとも人体脳で
はPS>>fのsingle-compartment modelと仮定しても
大きな誤差は生まないことになる。
【0067】しかし、本発明者が行った、実際により近
いtwo-compartment modelに基づく検討で明らかになっ
たことは、図5に示したようにPASLでの人体脳にお
けるパラメータの条件の場合、single-compartment mod
elを用いても計測する必要があるとされているT1
λの違いの影響は、血管外成分の寄与が小さいために比
較的小さく、またtwo-compartment modelで影響される
血管床容積CBVの寄与も3%以上では小さい。このた
め、それらのパラメータを一定値としても大きな誤差は
生じないから、測定の必要性は少ない。逆に、それらの
パラメータを計測してsingle-compartment modelに基づ
いてT1緩和を補正した場合、過大な補正になり、測定
の意味は無いということである。
【0068】またラベリングに連続RF波を使用するA
SL(CASL)では入力関数である(3)式のC
(t)でtをτに置き換えたものに相当し(図2
(b)の入力関数の波形を参照)、別途実施したシミュ
レーションでは血管内成分の比Q/Qは定常状態で
60%程度になり、T1、V、及びλのパラメータ
の変動によるトレーサー信号強度の変化もPASLの場
合と同程度であった。
【0069】PASL及びCASLともトレーサー信号
強度以外のパラメータを測定してもsingle-compartment
modelでは過大な補正になることは同じであり、測定す
るならばtwo-compartment modelを用いるべきである。
なお、いずれのモデルにおいても各コンパートメント内
がトレーサー到達後、瞬時に一様に均一になるという仮
定があるが、トレーサー信号強度が血管内外のトレーサ
ー量を決めるPSにロバストであることから、その影響
は小さいと考えられる。
【0070】[F2]トレーサー信号強度から血流量f
への比例換算の可能性 two-compartment modelに基づいたシミュレーションに
より、測定時刻tを固定したトレーサー信号強度(ASL
signal)は血流量fとほぼ比例関係とみなすことがで
き、かつ、T1、V、λ、及びPSなど異なり得る
パラメータの影響は人体脳において取りうる範囲ではロ
バストであることが明らかになった。
【0071】また、実測データにおいてもシミュレーシ
ョンでみたように、PASL法のトレーサー信号強度と
定量測定法として定着しているXe-CT CBFデータとの間
に良好な相関が認められ、ほぼ比例関係にあることが確
認された。このため、何らかの方法により一旦、トレー
サー信号強度(ASL signal)からCBF値に換算するた
めの比例係数”K”が求められればCBF値に換算可能
であることが判明した。
【0072】kを表す(7)式の係数Gは測定系依存の
パラメータで装置及び撮影条件を変えない限り有効であ
るので、頻回に測定する必要はなく、送受信系の感度な
どは変化しても現状の装置系の条件での脳組織または静
止ファントムでの信号強度を測定しておけば補正可能で
あると考えられる。
【0073】今回用いた被検者のコントロール画像の全
体の平均値の変動(SD/MEAN)は6%程度であ
る。また、同一スライスレベルを用いたこともあり、送
受信系のゲインの影響Gはほぼ無視できていると考えら
れた。しかし、コイル感度が異なる場合であっても、ゲ
インGの影響を低減させる方法がある。それは、測定対
象の血液でもよいが一般に測定困難なので、血液のプロ
トン密度とほぼ同一とみなせる正常白質がほぼ定常状態
になっているとみなせる十分長く取ったTIによるコン
トロール画像で縦磁化密度M0iに比例した信号強度S
(=G*M0i)を測定し、その比の相対信号強度:
ASL signal/Sを用いれば送受信形のゲインGやM
0iがキャンセルされより普遍的な係数になる。
【0074】また必要ならば、トレーサー信号強度から
血流量fに換算するのに単純なスケーリングでなくても
よい。例えば、血流量とトレーサー信号強度との関係を
テーブル化しておき、このテーブルを用いて、トレーサ
ー信号強度から血量量fをサーチすれば、たとえ非線形
であっても定量化可能である。
【0075】また、ラベルされた血液の経路となる血管
内信号を無視できる場合、遅れ時間τの延長に因って
TECを用いない場合はトレーサー信号強度の低下、T
ECを用いた場合でもトレーサー信号強度の僅かな増大
をもたらすが、もしスライス面内で一定なら同一のスケ
ーリング値で換算できる。遅れ時間τについては、白
質は灰白質に比べ0.5sec程度延長することは報告
されているが、τによる誤差はPASL法ならTag En
d CutによりTI−Ttec>τに設定すれば軽減さ
れると考えられる。なお実験では遅れ時間τを極力短
縮するために、単一スライスを用い、且つ、タグスラブ
とイメージングスラブのギャップを1cmと狭くしてい
るので、TI−Ttec=1.4−0.8=0.6se
cとなり、GMとWMのτの差はほぼ無視できると考
えられる。
【0076】次に静脈信号の影響であるが、組織におけ
る血液のmean transit timeをMTTとすると、t>M
TTではラベルされた水が静脈に到達する割合が増大す
る結果、ボクセル内の静脈信号の寄与も生じうる。しか
し、人体脳ではMTT=2〜5secとされ、さらに血
液信号もexp[−t/T1]倍に小さくなるため、
t<2secというPASLの条件では問題にならない
と考えられる。直接にイメージングスラブ内に入り込む
血管信号の影響は、頭部では頭側からの血流はほぼ静脈
成分とみなせるのでEPISTAR法やFAIR法を用
いずに、足側からの血流のみをラベルするASTAR法
などを用いるか、ラベリング後の遅延時間を与えるTag
End Cutを用い且つパラメータを適切に設定することな
どで軽減される。
【0077】以上のように、two-compartment modelと
いう、より高精度なモデルを用いたシミュレーションが
提供され、このシミュレーションの中で、a)トレーサ
ー量(トレーサー濃度)Qtは、フロー以外のパラメー
タ(T1e,lambda,Vi(CBV),PS)に
対してロバストであること(すなわち、Qt≒function
(f)が成り立つこと)、b)TIを用いるだけでも、
脳血流のオーダー(<100[ml/100cc/mi
n])の範囲では、ほぼリニアに近似できること(すな
わち、Qt≒K・f,K:比例係数が成り立つこと)、
c)さらに、2次式で近似すれば、近似の精度がより向
上すること(すなわち、Qt=a・f+b・fが好ま
しいこと)などが判明した。
【0078】[II]実験 本発明者は、ASL法においてトレーサー濃度からフロ
ーfへの簡便な換算法を探るために、別の実験も行っ
た。
【0079】Two-compartment modelを用い、そのモデ
ルの血管外各コンパートメントにおけるT1緩和時間T
1eに対して、灰白質(GM)と白質(WM)それぞれ
について、正しいパラメータを入れた場合(#1)のト
レーサー濃度Qtを基準として、そのトレーサー濃度Q
tを与える各種の態様(#2〜7:モデルとT1eの与
え方の違い、及び、スケーリングによる線形変換の場
合)についてフローfを算出した(図12参照)。
【0080】ここで、正しいパラメータとは、WMの場
【数11】 である。
【0081】この算出結果を用いて、原点(0,0)、
WM、GMのフローfとトレーサー濃度Qtとの理論値
(3点)を線形及び2次式で近似した変換式を図13、
14に夫々示す。図13はPASL法を示し、一方、図
14はCASL法を示す。
【0082】この結果から、WMの理論値は線形(y=
kx)の近似の場合、多少、誤差があるが、2次式(y
=ax+bx)の近似にすると、その誤差は小さくな
っている。つまり、前述したように、フローfが高い値
になるほど、トレーサー濃度Qtはフローfに対する比
例関係は崩れ、上に凸の形状を示す曲線になることが分
かっている。したがって、このような高い値のフローf
の場合には、2次式など高次式による換算の方がtwo-co
mpartment modelに、より良好に近似することが判明し
た。
【0083】上述したシミュレーション及び実験から得
られた知見に基づいて、本発明は以下のように構成され
た。
【0084】本発明に係るMRI装置によれば、被検体
の撮像領域にASL法に基づくスキャンを実行して当該
ASL法に基づく前記撮像領域の画像データを得る撮像
手段と、前記被検体の撮像領域における血流が組織に拡
散するときの血流の内外に2つのコンパートメントを設
定して当該血流の組織への拡散状態の時間変化を考慮し
たモデルに基づいて求めたトレーサーとしての水のトレ
ーサー濃度と組織血流としてのフローとの対応情報を求
めて保管する保管手段と、前記撮像手段により得られた
画像データに基づく量を前記トレーサー濃度とフローと
の対応情報に照らして前記撮像領域における組織血流の
フローを定量化するフロー定量化手段とを備えたことを
特徴とする。
【0085】好適には、前記保管手段は、前記モデルに
前記被検体の撮像領域の組織の代表的なパラメータを適
用して複数の既知のフローのそれぞれに対応する単位ボ
クセル内のトレーサー量を複数個求める手段と、前記複
数の既知フローと前記複数のトレーサー量との関係をリ
ニア又はノンリニアな式で近似する手段と、前記リニア
又はノンリニアな式に基づく対応関係を記憶テーブル又
は変換式として記憶する手段とを備える。
【0086】例えば、前記フロー定量化手段は、前記撮
像手段により得られたASL法に基づく画像データの信
号強度から単位ボクセル内のトレーサー量を求める手段
と、このトレーサー量を前記記憶テーブル又は変換式で
フローに換算する手段とを備える。この前記トランスデ
ューサ量を求める手段は、前記ASL法に基づく画像デ
ータからASLR画像を求める手段を有し、このASL
R画像から前記トレーサー量を演算することが好まし
い。
【0087】上述した各構成において、一例として、前
記保管手段は、レファレンスデータを用いて前記トレー
サー濃度と前記フローとの対応情報を補正する手段を有
する。また、前記撮像手段は、前記スキャンとしてAS
TAR法に基づくスキャンを実行する手段であることが
望ましい。
【0088】また、本発明に係るフロー定量化装置によ
れば、被検体の撮像領域における血流が組織に拡散する
ときの血流の内外に2つのコンパートメントを設定して
当該血流の組織への拡散状態の時間変化を考慮したモデ
ルに基づいて求めたトレーサーとしての水のトレーサー
濃度と組織血流としてのフローとの対応情報を求めて保
管する保管手段と、撮像手段により得られた画像データ
に基づく量を前記トレーサー濃度とフローとの対応情報
に照らして前記撮像領域における組織血流のフローを定
量化するフロー定量化手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0089】例えば、前記保管手段は、前記モデルに前
記被検体の撮像領域の組織の代表的なパラメータを適用
して複数の既知のフローのそれぞれに対応する単位ボク
セル内のトレーサー量を複数個求める手段と、前記複数
の既知フローと前記複数のトレーサー量との関係をリニ
ア又はノンリニアな式で近似する手段と、前記リニア又
はノンリニアな式に基づく対応関係を記憶テーブル又は
変換式として記憶する手段とを備えることが望ましい。
【0090】さらに、本発明の別の態様に係るフロー定
量化装置によれば、被検体の血流が組織に拡散する状態
を表すモデルに当該被検体の撮像領域の組織の代表的な
パラメータを適用して複数の既知のフローのそれぞれに
対応する単位ボクセル内のトレーサー量を複数個求める
手段と、前記複数の既知フローと前記複数のトレーサー
量との関係をノンリニアな式で近似する手段と、前記ノ
ンリニアな式に基づく対応関係を記憶テーブル又は変換
式として記憶する手段とを備える。好適には、前記モデ
ルは、前記被検体の撮像領域における血流が組織に拡散
するときの血流の内外に2つのコンパートメントを設定
して当該血流の組織への拡散状態の時間変化を考慮した
ツー・コンパートメント・モデルである。
【0091】さらに、本発明に係るフロー定量化方法に
よれば、被検体の撮像領域における血流が組織に拡散す
るときの血流の内外に2つのコンパートメントを設定し
て当該血流の組織への拡散状態の時間変化を考慮したモ
デルに基づいて求めたトレーサーとしての水のトレーサ
ー濃度と組織血流としてのフローとの対応情報を求めて
保管し、得られた画像データに基づく量を前記トレーサ
ー濃度とフローとの対応情報に照らして前記撮像領域に
おける組織血流のフローを定量化する、ことを特徴とす
る。
【0092】好適には、前記モデルに前記被検体の撮像
領域の組織の代表的なパラメータを適用して複数の既知
のフローのそれぞれに対応する単位ボクセル内のトレー
サー量を複数個求め、前記複数の既知フローと前記複数
のトレーサー量との関係をリニア又はノンリニアな式で
近似し、前記リニア又はノンリニアな式に基づく対応関
係を記憶テーブル又は変換式として記憶する。
【0093】さらに、本発明の別の態様に係るフロー定
量化方法によれば、被検体の血流が組織に拡散する状態
を表すモデルに当該被検体の撮像領域の組織の代表的な
パラメータを適用して複数の既知のフローのそれぞれに
対応する単位ボクセル内のトレーサー量を複数個求め、
前記複数の既知フローと前記複数のトレーサー量との関
係をノンリニアな式で近似し、前記ノンリニアな式に基
づく対応関係を記憶テーブル又は変換式として記憶する
ことを特徴とする。好適には、前記モデルは、前記被検
体の撮像領域における血流が組織に拡散するときの血流
の内外に2つのコンパートメントを設定して当該血流の
組織への拡散状態の時間変化を考慮したツー・コンパー
トメント・モデルである。
【0094】本発明のその他の態様に係る具体的な構成
及び特徴は、以下に記す発明の実施形態及び添付図面に
より明らかにされる。
【0095】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づき説明する。
【0096】本発明の1つの実施形態に係るMRI装置
を、図15〜図22を参照して説明する。
【0097】この実施形態に係るMRI装置は、本発明
に係るASLイメージングによるフロー定量化装置を兼
ねるもので、ASLイメージングを行って、そのイメー
ジング結果を用いたフロー定量化を行う機能と一体に備
えた例を示す。別の形態としては、かかるフロー定量化
の機能を専用的に備えたフロー定量化装置を備えて、本
発明に係るフロー定量化を実施するようにしてもよい。
【0098】本実施形態に係る、フロー定量化装置を兼
ねたMRI装置は、トレーサー濃度Qtからフローfへ
の変換を、予め格納した記憶テーブルを用いて行うこと
に特徴を有する。
【0099】最初に、MRI装置の概略構成から説明す
る。
【0100】このMRI装置は、被検体Pを載せる寝台
部と、静磁場を発生させる静磁場発生部と、静磁場に位
置情報を付加するための傾斜磁場発生部と、高周波信号
を送受信する送受信部と、システム全体のコントロール
及び画像再構成を担う制御・演算部とを備えている。
【0101】静磁場発生部は、例えば超電導方式の磁石
1と、この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備
え、被検体Pが遊挿される円筒状の開口部(診断用空
間)の軸方向(Z軸方向)に静磁場Hを発生させる。
なお、この磁石部にはシムコイル14が設けられてい
る。このシムコイル14には、後述するコントローラの
制御下で、シムコイル電源15から静磁場均一化のため
の電流が供給される。寝台部は、被検体Pを載せた天板
を磁石1の開口部に退避可能に挿入できる。
【0102】傾斜磁場発生部は、磁石1に組み込まれた
傾斜磁場コイルユニット3を備える。この傾斜磁場コイ
ルユニット3は、互いに直交するX、Y、Z軸方向の傾
斜磁場を発生させるための3組(種類)のx,y,zコ
イル3x〜3zを備える。傾斜磁場部はさらに、x,
y,zコイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場電源
4を備える。この傾斜磁場電源4は、後述するシーケン
サ5の制御のもと、x,y,zコイル3x〜3zに傾斜
磁場を発生させるためのパルス電流を供給する。
【0103】傾斜磁場電源4からx,y,zコイル3x
〜3zに供給されるパルス電流を制御することにより、
物理軸としての3軸であるX,Y,Z方向の傾斜磁場を
合成して、論理軸としてのスライス方向傾斜磁場Gs、
位相エンコード方向傾斜磁場Ge、および読出し方向
(周波数エンコード方向)傾斜磁場Grの各方向を任意
に設定・変更することができる。スライス方向、位相エ
ンコード方向、および読出し方向の各傾斜磁場は静磁場
に重畳される。
【0104】送受信部は、磁石1内の撮影空間にて被検
体Pの近傍に配設されるRFコイル7と、このコイル7
に接続された送信器8T及び受信器8Rとを備える。こ
の送信器8T及び受信器8Rは、後述するシーケンサ5
の制御のもとで、磁気共鳴(MR)現象を起こさせるた
めのラーモア周波数のRF電流パルスをRFコイル7に
供給する一方、RFコイル7が受信した高周波のMR信
号を受信し、各種の信号処理を施して、対応するデジタ
ル信号を形成するようになっている。
【0105】さらに、制御・演算部は、シーケンサ(シ
ーケンスコントローラとも呼ばれる)5、ホスト計算機
6、演算ユニット10、記憶ユニット11、表示器1
2、および入力器13を備える。この内、ホスト計算機
6は、記憶したソフトウエア手順により、オペレータが
指令した情報を受け付け、この情報に基づくスキャンシ
ーケンス情報をシーケンサ5に指令するとともに、シー
ケンサ5をはじめとして、演算ユニット10、記憶ユニ
ット11、および表示器12を含む装置全体の動作を統
括する機能を有する。
【0106】シーケンサ5は、CPUおよびメモリを備
えており、ホスト計算機6から送られてきたパルスシー
ケンス情報を記憶し、この情報にしたがって傾斜磁場電
源4、送信器8T、受信器8Rの一連の動作を制御す
る。また、シーケンサ5は、受信器8RからのMR信号
のデジタルデータを一旦入力して、再構成処理を行う演
算ユニット10にそのデータを転送する。
【0107】ここで、パルスシーケンス情報とは、一連
のパルスシーケンスにしたがって傾斜磁場電源4、送信
器8Rおよび受信器8Tを動作させるために必要な全て
の情報であり、例えばx,y,zコイル3x〜3zに印
加するパルス電流の強度、印加時間、印加タイミングな
どに関する情報を含む。
【0108】本実施形態のASLイメージング法は、例
えば、ASTAR法、STAR法(signal targetting
with alternating radio frequency)、EPISTAR
(echo planar MR imaging and signal targetting wit
h alternating radio frequency)法、FAIR(flow-
sensitive alternation inversion recovery)法など、
任意の手法を使用できる。また、それらの手法で採用可
能なパルスシーケンスは、縦磁化の大きさを強調した高
速イメージング用であればどのようなパルスシーケンス
であってもよい。例えば、高速FE法、高速SE法、E
PI(Echo Planar Imaging)法、FASE(高速Asymm
etric SE)法、ハイブリッドEPI法などである。
【0109】演算ユニット10は、入力する生データの
読込み、画像のフーリエ空間(k空間または周波数空間
とも呼ばれる)への生データの配置、データのアベレー
ジング処理、タグモードおよびコントロールモードのデ
ータ相互間の差分、データのしきい値処理、複素数デー
タの絶対値化処理、生データを実空間データに再構成す
る再構成処理(例えば2次元または3次元のフーリエ変
換処理)を適宜な順番で行うようになっている。なお、
3次元撮像が行われた場合、演算ユニット10は、3次
元画像データから2次元画像データを生成するためにM
IP(最大値投影)処理なども実施できるようになって
いる。
【0110】記憶ユニット11は、生データ及び再構成
画像データのみならず、演算処理が施された画像データ
を保管することができる。表示器12は画像を表示す
る。また、術者は入力器13を介して所望のスキャン条
件、スキャンシーケンス、画像処理法などの必要情報を
ホスト計算機6に入力できるようになっている。
【0111】次に、この実施形態の動作例を説明する。
【0112】図16に、本実施形態に係るASLイメー
ジングにおけるフロー定量化の処理例を示す。この処理
は、フロー定量化の機能を有している、ホスト計算機6
又は演算ユニット10で実行される。
【0113】この処理例の場合、トレーサー量Qtをフ
ローfに変換する変換式又はテーブルが最初に作成され
る。すなわち、測定対象モデル(two-compartment mode
l)の平均値パラメータP1,P2,…,Pm(例え
ば、T1a,T1i,T1e,lambda,Vi,P
S,t(固定値)など)に基づき、その測定対象モデル
に従いトレーサー濃度Qdとフローfとの関係をテーブ
ル化する(ステップS1、S2)。これにより、f=T
able(Qt)の規定するテーブルが準備される。こ
のテーブルにおいて、フローfとトレーサー量Qtはリ
ニアスケーリング(すなわち、f=K・Qt;Kは比例
係数)又は多項式による近似で規定される。なお、固定
値tはユーザインターフェースなどの装置からダイナミ
ックに入力される量である。
【0114】これを詳述すると、two-compartment mode
lによる表現を含む一般的表現として、 Qt:単位ボクセル当たりのトレーサー量(トレーサー
濃度)、 f:フロー、 P1,…,Pn:フローに関与する他のパラメータ としたとき、あるモデルに対して
【数12】 の関係にあるとする。次いで、P1,…,Pnのうち、
影響を与えるk個の支配的なパラメータに対する式
【数13】 に修正される。
【0115】仮に、k=0ならば、フローのみの式Qt
=function(f)となる。
【0116】次いで、「Qt vs.f」の関係を表す
テーブル(又は変換式)が以下の手順で作成される。こ
の作成はホスト計算機6又は演算ユニット10の演算機
能により、フロー定量化の前の適宜なタイミングで、オ
ペレータとの間でインターラクティブに実行される。
【0117】1):最初のステップでは、代表的な組織
のパラメータに基づき、two-compartment modelによる
シミュレーションを行ってフローfを得て、トレーサー
量Qtを求める。
【0118】フローfをf1、f2、…、fkとする
と、トレーサー量QtはQt(f1)、Qt(f2)、
…、Qt(fk)が求められる。なお、Qt(f1)、
Qt(f2)、…、Qt(fk)はシミュレーションで
は無く、実測データから求めてもよい。
【0119】2):次のステップでは、「Qt vs.
f」の関係を線形式又は高次式で近似する。高次式とし
て、多項式を用いる場合、原点、Qt(f1)、Qt
(f2)、…を通る多項式は、
【数14】 で近似される。そこで、例えば、m=1の場合、原点及
び1個の点を通る直線(リニアスケーリング)で図17
(a)に示すようになり、m=2の場合、原点及び2個
の点を通る曲線近似(2次曲線近似)になり、さらに、
m=kの場合、原点及びk個の点を通る曲線近似で図1
7(b)に示すようになる。
【0120】3):次のステップでは、「Qt vs.
f」の関係からリサンプリングなどによりテーブルが作
成される。具体的には、リサンプリングして離散的なテ
ーブルが図18に示す如く作成される。この場合、パラ
メータP1〜Pkのそれぞれ毎に作成される。
【0121】また、two-compartment modelをフローf
について
【数15】 を解析的に解いてテーブルを作成してもよい。この場
合、解は連続関数になるが、解析的に解けない場合、数
値的に解いてもよい。さらに、解析的にも数値的にも解
けない場合、上述したリサンプリングによる方法を用い
るのが良い。
【0122】なお、テーブルの代わりに、変換式を記憶
するようにしてもよく、その場合には、上記3)のステ
ップで近似させた直線を表す1次式又は曲線を表す高次
式を記憶させ、フロー定量化の都度、かかる変換式が呼
び出される。
【0123】なお、トレーサー量Qtを算出するときに
フローf以外のパラメータがP1,P2,…,Pmがあ
る場合には、P1〜Pmのそれぞれ毎に「Qt vs.
f」のテーブルを作成しておく必要がある。また、フロ
ーが組織によりP1,P2,…,Pkに依存する場合、
あるパラメータではあるフローを、別のパラメータでは
別のフローに対応させたテーブルが作成される。テーブ
ルは離散的であることが要求されるが、関数で与えられ
るならば、連続的な値が求まる。
【0124】図19は脳の例を示し、タグパルスを印加
後の時間TIを1個のみの有意なパラメータ(k=1)
にとったものである(P1=TI)。例えば、脳におけ
るWM及びGMの場合、別々のパラメータの組み合わせ
で2点が形成され(m=2)、これらの点を原点を含め
て、1次式又は2次式でフィッティングする。このフィ
ッティングした直線又は2次曲線はサンプリングされ
て、サンプリングされた値を用いてテーブルが作成され
る。
【0125】以上のように何れかの手法により、ASL
イメージング前に、「Qt vs.f」の関係を表す離
散的なテーブルが作成される。このテーブルは例えば記
憶ユニット11のメモリに格納され、演算ユニット10
又はホスト計算機6による定量化の処理時に呼び出され
て用いられる。
【0126】次に、オペレータからの指示に呼応して、
ASLイメージングが好適にはASTAR法により実行
される。このための実行指令は、シーケンサ5から傾斜
磁場電源4、受信器8R、及び送信器8Tに、ASTA
R法のパルスシーケンスに基づく制御情報が順次送られ
ることでなされる。このASTAR法はPASL法及び
CASL法の何れによって実行できる。
【0127】ここで、ASTAR法の概要を図20に基
づいて説明する。
【0128】図20に、PASL法に基づくASTAR
法により空間的に設定されるスラブ(又はスライス)の
位置関係を示す。同図において、横軸を被検体の体軸方
向zにとり、縦軸をイメージングスラブ(Imaging sla
b)のz軸方向の中心からの変調周波数オフセット量に
とる。斜めの2本の破線はIR(反転回復)傾斜磁場強
度を示す。
【0129】このASTAR法(PASL法に拠る)で
は、図20に示す如く、撮像領域として選択的に設定さ
れるイメージングスラブに対し、タグ用IR(インバー
ジョン)パルスの印加によるタグスラブ(Tagging slab
またはTag-IR slab)とコントロール用IRパルスの印
加によるコントロールスラブ(Controlling slabまたは
Control-IR slab)とが選択的に設定される。
【0130】そして、タグスラブに選択的に印加するタ
グ用IRパルスを含んだパルス列とイメージングスラブ
に選択的に印加するイメージング用パルス列とから成る
第1のパルスシーケンスを用いたスキャン(タグ(ラベ
ル)スキャン)と、コントロールスラブに選択的に印加
するコントロール用IRパルスを含んだパルス列とイメ
ージングスラブに選択的に印加するイメージング用パル
ス列とから成る第2のパルスシーケンスを用いたスキャ
ン(コントロールスキャン)が適宜な順番で時系列的に
実施される。タグスキャンを行う撮像モードをタグモー
ドと呼び、コントロールスキャンを行う撮像モードをコ
ントロールモードと呼ぶことにする。
【0131】このタグスキャンおよびコントロールスキ
ャンを実行するに際し、タグ用IRパルスとコントロー
ル用IRパルスのイメージングスラブの中心からのオフ
セット周波数は同じ値にした状態で、各イメージングパ
ルスによるスラブの厚さと位置オフセットを同じ倍率で
変えることを特徴の1つとする。これにより、タグスラ
ブおよびコントロールスラブとイメージングスラブとの
間の距離を調整でき、これにより、両IRパルスの印加
に伴ってイメージングスラブに生じるMT効果を同一に
または殆ど同一にし、かつ、一方向からの血流のみをイ
メージングする手法である。
【0132】このASTAR法を実施して例えば被検体
の頭部を撮像する場合、動脈は下肢側から頭頂部側に流
れているので、タグ用IRスラブはイメージングスラブ
よりも下肢側(下側)に設定され、一方、コントロール
用IRスラブはイメージングスラブよりも頭頂部側(上
部)側に設定される。このASTAR法では、コントロ
ール用IRスラブを、静脈を含む頭頂部に掛からないよ
うに設定することを必須の特徴とする。つまり、頭頂部
から外れた位置にコントロール用IRスラブが設定され
る。
【0133】ASL法において、通常、除外したいの
は、静脈系から検出される信号である。「除外」と言っ
ても、結局のところ、反転(TI)時間内に静脈からの
信号がイメージングスラブに入りこまなければよい。静
脈は動脈に比べて、比較的低速であるため、タグ用IR
パルスを頭部から位置的に完全に外して印加する必要は
無く、静脈の流速、ギャップ(空隙)の距離、および反
転時間などの条件に応じて、適度なマージンだけイメー
ジングスラブから離して設定できる。
【0134】図21には、上述したASTATR法(P
ASL法に基づく)を実施するためのパルスシーケンス
の詳細な一例を示す。この例は、IRパルスを用いた高
速FE法のシーケンスを元にしたパルス列で構成されて
いる。
【0135】上述したASTAR法が実行されて、コン
トロールモード及びスキャンモードによるエコーデータ
から、頭部などの所望部位のコントロール画像S
cont(x,y)とタグ画像Stag(x,y)が演算
ユニット10により再構成される(ステップS3,S
4)。
【0136】次いで、演算ユニット10により、再構成
されたコントロール画像Scont(x,y)とタグ画
像Stag(x,y)を用いてASL画像ASL(x,
y)が、
【数16】 の引き算により画素毎に演算される(ステップS5)。
【0137】次いで、演算ユニット10により、実際に
測定されるASL画像ASL(x,y)とコントロール
画像値Scontとの比を
【数17】 に基づき画素毎に求めて、正規化されたASLR(ASL
signal to control signal ratio)画像ASLR(x,
y)が得られる(ステップS6)。ここで、S ont
は、コントロール画像上のWM又は血液の画像値を表
す。この画像値S ontは、プロトン密度を反映する
とみなせる回復時間Trepが十分に長くない場合(す
なわち、2秒よりも短い場合)、それよりも長いT
repで別に撮像した画像から採用される。
【0138】なお、この画像値Scontは以下のよう
な理由で用いられる。いま、送受信ゲインなどの装置に
依存するパラメータをG、ラベリング方法(インバージ
ョン角度など)やT2緩和などに依存する係数をAとす
ると、
【数18】 で表される。仮に、画像値Scontが、T1緩和が十
分に飽和したとみなせるほどの十分に長いTIで計測さ
れているとすれば、
【数19】 になり、G、A、及びMの影響が共にキャンセルさ
れ、単純に、テーブルを参照すれば済むことになる。
【0139】脳の場合、血液のMを測定する必要があ
るが、血液を測定することは困難であるので、その代わ
りに白質部の信号強度を代用してもよい。また、被検者
毎にシングルスライスならば1箇所、画像値Scont
を求めておけばよいし、マルチスライスならばコイル感
度が異なるので、画像値Scontをスライス毎に求め
ておけばよい。
【0140】なお、上述した実施形態の構成において、
MRI装置のホスト計算機6、演算ユニット10、記憶
ユニット11、表示器12、及び入力器13は、本発明
に係るフロー定量化装置Aとしても機能する構成要素で
ある。
【0141】(その他の実施形態…その1)上述した実
施形態にあっては、一度、何等かの方法でトレーサー流
量Qtとフローfの対応関係を示すテーブルを求めてお
く手法であったが、その他の実施形態としては、フロー
fとトレーサー流量Qtの関数関係に基づき直接、変換
するようにしてもよい。
【0142】具体的には、上述したテーブルを用いたフ
ロー定量化の中で、代表的な組織のパラメータを元にtw
o-compartment modelに基づくシミュレーションで求め
た「Qt vs.f」の関係を縦軸と横軸を入れ変え
て、フローfを縦軸とする上記(12)式に変換する。
すなわち、「Qt vs.f」の関係をf(Qt1)、
f(Qt2)、…を通るフローfの曲線(=多項式):
【数20】 でフィッティングすればよく、このように直接変換方式
を採ることで、(11)式をfについて解く必要は無く
なる。
【0143】図22(a),(b)は、上述のように
「Qt vs.f」の関係を縦軸と横軸を入れ変えてフ
ィッティングし、トレーサー流量Qtからフローfを求
める手順を例示する。同図(a)は、直線近似(リニア
スケーリング)によるフロー定量化を示すもので、前述
した図17(a)に対応する。また同図(b)は、多項
式近似によるフロー定量化を示すもので、前述した図1
7(b)に対応する。
【0144】このように近似させた直線又は曲線は、前
述と同様に、リサンプリングして離散的なテーブルとし
て作成される(図18参照)。例えば、フローfは1
[ml/100cc/min]の刻みで作成される。ま
た、このテーブルは、パラメータのP1〜Pkのそれぞ
れ毎に作成するようにしてもよい。
【0145】なお、テーブルの代わりに、変換式を記憶
するようにしてもよく、その場合には、近似させた直線
を表す1次式又は曲線を表す高次式を記憶させ、フロー
定量化の都度、かかる変換式が呼び出される。
【0146】なお、トレーサー量Qtを算出するときに
フローf以外のパラメータがP1,P2,…,Pmがあ
る場合には、P1〜Pmのそれぞれ毎に「Qt vs.
f」のテーブルを作成しておく必要がある。また、フロ
ーが組織によりP1,P2,…,Pkに依存する場合、
あるパラメータではあるフローを、別のパラメータでは
別のフローに対応させたテーブルが作成される。テーブ
ルは離散的であることが要求されるが、関数で与えられ
るならば、連続的な値が求まる。
【0147】(その他の実施形態…その2)前述した実
施形態では、とくに、レファレンスデータを用いて受信
ゲインの違いによる影響を補正するようにしてもよい。
この補正の一例は以下のように実行される。
【0148】予め、静止レファレンスファントムref
1(図23参照)に対する、コントロールモードにおけ
る受信ゲインで補正後の画像値Scont/cor(r
ef1)が統計的に演算され、記憶ユニット11に格納
される(図23のステップS21)。レファレンスファ
ントムref1は、T1が血液に近い値(静磁場が1.
5Tの場合、1200〜1500msec)のファント
ムである。この演算は、演算ユニット10又はホスト計
算機6を使って行なうことができるが、本MRI装置と
は別の機器で演算したデータをホスト計算機6が入力器
13を介して受け取り、これを記憶ユニット11に格納
してもよい。
【0149】なお、受信ゲインGを算出するために
は、静止レファレンスファントムref1に代えて、頭
部組織そのものを用いることもできる。
【0150】そして、被検体の頭部の近傍に静止レファ
レンスファントムref1を置いた状態でASLイメー
ジング、すなわちコントロールスキャン及びタグスキャ
ンが適宜な順序で1回ずつ実行される。このコントロー
ルスキャン及びタグスキャンは、シーケンサ5の制御の
基に傾斜磁場電源4、送信器8T、及び受信器8Rを動
作させて実行される。RFコイル7で受信され、かつ受
信器8Rで処理されたエコーデータは、演算ユニット1
0にて再構成され、各モードでの画像値に生成される。
【0151】したがって、各被検体に対するフロー定量
化又は同一被検体に対するフロー定量化の度に(すなわ
ち測定の度に)、コントロールスキャン及びタグスキャ
ンが被検体とレファレンスファントムref1と対して
同時に実行され、各モードのデータ測定及び収集が行な
われる。
【0152】この内、コントロールスキャンにより発生
したエコー信号から画像測定値S
ont/measured(ref1)が生成される
(ステップS22)。
【0153】さらに、上述のコントロール画像S
cont/measured(x,y)及びタグ画像S
tag/measured(x,y)から、その頭部の
gray matterにレファレンスref2(ROI)を置い
たときの、レファレンスref2に対するコントロール
スキャン及びタグスキャン各々の画像測定値S
cont/m easured(ref2)及びS
tag/measured(ref2)が夫々生成され
る(ステップS23、S24)。
【0154】ここで、ステップS21〜S24は上述し
た処理順に限定されることなく、適宜な順で処理してよ
い。
【0155】次いで、前述したステップS21及びS2
2で記憶又は生成しているデータから、受信ゲインG1
【数21】 により補正演算される(ステップS25)。つまり、測
定毎に、補正された受信ゲインGが求められる。
【0156】なお、正常な灰白質や白質の画像値S
cont/corの個人差は小さいので、既知の画像値
cont/corが有るならば、その値を用いて、測
定毎に受信ゲインGを補正演算するようにしてもよ
い。これにより、静止レファレンスファントムref1
を用いた事前の測定を省略することができる。さらに、
各回の測定に際し、受信ゲインGそれ自体が既知であ
る場合、ステップS21〜S22の一連の測定及び演算
を省略し、その既知のゲイン値を後述する処理で直接用
いるようにしてもよい。
【0157】次いで、補正された受信ゲインでスケール
値(比例係数)K1corを演算するための処理工程に
入る。最初に、前述したステップS23及びS24にお
ける生成データから、レファレンスref2に対するA
SL画像値ΔSmeasur ed(ref2)が
【数22】 により差分演算される(ステップS26)。
【0158】さらに、ステップS26で補正された受信
ゲインGを用いてレファレンスref2に対する画像
値ΔScor(ref2)が、
【数23】 により演算される(ステップS27)。
【0159】このようにして求めた画像値ΔS
cor(ref2)を用いて多項式近似の関数が適宜に
補正され、受信ゲインの違いに因る影響が排除されたフ
ロー定量化がなされる。
【0160】以上説明した種々の実施形態によるフロー
定量化によれば、従来のsingle-compartment modelに基
づくスケーリングでは不足していた高精度なフロー定量
化を行うことができる。
【0161】これは、本発明者が行ったシミュレーショ
ン及び実験から導出された知見に基づく構成に拠るもの
である。とくに、血流が組織に拡散するモデルとして、
two-compartment modelを用い、このtwo-compartment m
odelに代表的な組織のパラメータを適用して数段階の値
のフローfに対するトレーサー濃度Qtを求めることに
基礎を置いている。そして、トレーサー濃度Qtからフ
ローfへの換算式又はテーブルを求めて可能しておく。
さらに、ASTAR法などに基づくASLイメージング
で求めたASL画像:ASL(x,y)は、ASLR画
像:ASLR(x,y)に正規化し、このASLR画像
からトレーサー流量Qt(x,y)を求め、このトレー
サー流量Qt(x,y)は、上述した換算式又はテーブ
ルを利用又は参照する簡単なスケーリング操作に付さ
れ、フローfが画素毎に定量化される。これにより、例
えば頭部のフローfの2次元分布情報が表示される。
【0162】このようにtwo-compartment modelをベー
スモデルとしていること、直線近似に拠るリニアスケー
リングのみならず、2次以上の高次の多項式を用いた曲
線近似がなされることによって、より高精度なフローの
定量化がなされる。
【0163】この定量化において、two-compartment mo
delを用いながらも、このモデルに必要なパラメータを
測定しないものの、測定したのとほぼ同等の精度でフロ
ー定量化を行うことができる。また、この定量化の過程
において、従来のsingle-compartment modelに比べて、
組織毎にパラメータT1を測定しなくても済むので、定
量性が向上する。さらに、測定データを単一条件におけ
る信号強度であり、この強度に基づくトレーサー濃度Q
tでテーブル参照するだけの操作であるから、簡便に血
流量などのフローfを定量化することができる。
【0164】なお、上述した多項式による曲線近似(ノ
ンリニアなスケーリング)は、single-compartment mod
elに基づくスケーリングにも適用可能なものである。従
来は、single-compartment modelに基づくリニアスケー
リングしか知られておらず、このsingle-compartment m
odelに拠る、より簡便なスケーリングの精度をノンリニ
アなスケーリングでカバーすることは大きな利点であ
る。このsingle-compartment modelに拠るスケーリング
によれば、T1値を測定しなくても済むという利点もあ
る。
【0165】また、上述した実施形態にあっては、撮像
部位が頭部である場合を例示したが、撮像部位は腎臓、
肝臓、筋血流など、種々の部位に適用することもでき
る。
【0166】なお、本発明は、代表的に例示した上述の
実施の形態に限定されるものではなく、当業者であれ
ば、特許請求の範囲の記載内容に基づき、その要旨を逸
脱しない範囲内で種々の態様に変形、変更することがで
き、それらも本発明の権利範囲に属するものである。
【0167】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るMR
I装置、フロー定量化装置、及びフロー定量化方法によ
れば、ASLイメージングにより得られた画像データに
基づく量を、予め保管してあるトレーサー濃度とフロー
との対応情報に照らして線形及び非線形のスケーリング
により組織血流から成るフローを精度良く、且つ、より
少ない測定データ数と演算量で簡便に定量化することが
できる。
【0168】とくに、tow-compartment modelを用いて
濃度とフローの対応情報(例えば変換式又はテーブル)
を生成し、保管してあるので、より高精度で且つ簡単な
演算でフローの定量化を行うことができる。また、多項
式などによる非線形近似によるスケーリングも行えるの
で、フローの高精度な定量化を行うことができる。
【0169】このため、従来の収集データや演算量が膨
大な、実際には殆ど使用困難な手法に比べて、一般の急
性期梗塞の患者などに対して、とくに有効性を発揮す
る。このフロー定量化を画像表示することで、画像値を
使った臨床的に意味のある比較が可能になり、患者毎に
又は同一患者の時間経過毎にフロー値の変化を追跡する
といった診断法も提供できる。
【0170】また、当然に、造影剤が不要であるから非
侵襲性を維持でき、X被曝も無いといった点でも有利で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するために記載したツー・
コンパートメント・モデル(two-compartment model)
の説明図。
【図2】本発明で実施できるPASL法及びCASL法
それぞれにおける入力関数の波形を示す図。
【図3】本発明で好適に採用可能なASTAR法のパル
スシーケンス及び印加パルスのスラブ位置を説明する
図。
【図4】本発明者が行ったシミュレーションの結果を示
すグラフ。
【図5】本発明者が行ったシミュレーションの結果を示
すグラフ。
【図6】本発明者が行ったシミュレーションの結果を示
すグラフ。
【図7】本発明者が行ったシミュレーションの結果を示
すグラフ。
【図8】本発明者が行ったシミュレーションの結果を示
すグラフ。
【図9】本発明者が行ったシミュレーションの結果を示
す表の図。
【図10】本発明者が行ったシミュレーションの結果を
示すグラフ。
【図11】本発明者が行ったシミュレーションの結果を
示すグラフ。
【図12】本発明者が行った実験の結果を示す表の図。
【図13】本発明者が行った実験の結果を示すグラフ。
【図14】本発明者が行った実験の結果を示すグラフ。
【図15】本発明の実施形態に係るMRI装置の一例を
示すブロック図。
【図16】実施形態に係るASLイメージングにおける
テーブル換算によるフロー定量化の概要を例示するフロ
ーチャート。
【図17】リニアスケーリング及び多項式近似によるス
ケーリングを用いたフロー算出の概要を説明する図。
【図18】フロー定量化のための記憶テーブルを説明す
る図。
【図19】一例として説明する、タグパルスの印加から
イメージングまでの時間TIをパラメータとした多項式
近似の曲線を示すグラフ。
【図20】実施形態におけるASLイメージングでAS
TAR法をより詳細に説明する図。
【図21】ASTAR法に係るパルスシーケンスを例示
する図。
【図22】リニアスケーリング及び多項式近似によるス
ケーリングを用いたフロー算出の概要を説明する図。
【図23】他の実施形態に係るリファレンスデータを用
いたスケーリングの補正を説明するフローチャート。
【符号の説明】
1 磁石(撮像手段) 2 静磁場電源 3 傾斜磁場コイルユニット(撮像手段) 4 傾斜磁場電源(撮像手段) 5 シーケンサ(撮像手段) 6 ホスト計算機(撮像手段/フロー定量化手段/保管
手段) 7 RFコイル(撮像手段) 8T 送信器(撮像手段) 8R 受信器(撮像手段) 10 演算ユニット(撮像手段/フロー定量化手段/保
管手段) 11 記憶ユニット(フロー定量化手段/保管手段) 12 表示器(フロー定量化手段) 13 入力器(フロー定量化手段)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体の撮像領域にASL法に基づくス
    キャンを実行して当該ASL法に基づく前記撮像領域の
    画像データを得る撮像手段と、 前記被検体の撮像領域における血流が組織に拡散すると
    きの血流の内外に2つのコンパートメントを設定して当
    該血流の組織への拡散状態の時間変化を考慮したモデル
    に基づいて求めたトレーサーとしての水のトレーサー濃
    度と組織血流としてのフローとの対応情報を求めて保管
    する保管手段と、 前記撮像手段により得られた画像データに基づく量を前
    記トレーサー濃度とフローとの対応情報に照らして前記
    撮像領域における組織血流のフローを定量化するフロー
    定量化手段とを備えたことを特徴とするMRI装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のMRI装置において、 前記保管手段は、前記モデルに前記被検体の撮像領域の
    組織の代表的なパラメータを適用して複数の既知のフロ
    ーのそれぞれに対応する単位ボクセル内のトレーサー量
    を複数個求める手段と、前記複数の既知フローと前記複
    数のトレーサー量との関係をリニア又はノンリニアな式
    で近似する手段と、前記リニア又はノンリニアな式に基
    づく対応関係を記憶テーブル又は変換式として記憶する
    手段とを備えたMRI装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のMRI装置において、 前記フロー定量化手段は、前記撮像手段により得られた
    ASL法に基づく画像データの信号強度から単位ボクセ
    ル内のトレーサー量を求める手段と、このトレーサー量
    を前記記憶テーブル又は変換式でフローに換算する手段
    とを備えるMRI装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のMRI装置において、 前記トランスデューサ量を求める手段は、前記ASL法
    に基づく画像データからASLR画像を求める手段を有
    し、このASLR画像から前記トレーサー量を演算する
    ようにしたMRI装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか一項に記載のMR
    I装置において、 前記保管手段は、レファレンスデータを用いて前記トレ
    ーサー濃度と前記フローとの対応情報を補正する手段を
    有するMRI装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか一項に記載のMR
    I装置において、 前記撮像手段は、前記スキャンとしてASTAR法に基
    づくスキャンを実行する手段であるMRI装置。
  7. 【請求項7】 被検体の撮像領域における血流が組織に
    拡散するときの血流の内外に2つのコンパートメントを
    設定して当該血流の組織への拡散状態の時間変化を考慮
    したモデルに基づいて求めたトレーサーとしての水のト
    レーサー濃度と組織血流としてのフローとの対応情報を
    求めて保管する保管手段と、 撮像手段により得られた画像データに基づく量を前記ト
    レーサー濃度とフローとの対応情報に照らして前記撮像
    領域における組織血流のフローを定量化するフロー定量
    化手段とを備えたことを特徴とするフロー定量化装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のフロー定量化装置にお
    いて、 前記保管手段は、前記モデルに前記被検体の撮像領域の
    組織の代表的なパラメータを適用して複数の既知のフロ
    ーのそれぞれに対応する単位ボクセル内のトレーサー量
    を複数個求める手段と、前記複数の既知フローと前記複
    数のトレーサー量との関係をリニア又はノンリニアな式
    で近似する手段と、前記リニア又はノンリニアな式に基
    づく対応関係を記憶テーブル又は変換式として記憶する
    手段とを備えたフロー定量化装置。
  9. 【請求項9】 被検体の血流が組織に拡散する状態を表
    すモデルに当該被検体の撮像領域の組織の代表的なパラ
    メータを適用して複数の既知のフローのそれぞれに対応
    する単位ボクセル内のトレーサー量を複数個求める手段
    と、前記複数の既知フローと前記複数のトレーサー量と
    の関係をノンリニアな式で近似する手段と、前記ノンリ
    ニアな式に基づく対応関係を記憶テーブル又は変換式と
    して記憶する手段とを備えたフロー定量化装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のフロー定量化装置に
    おいて、 前記モデルは、前記被検体の撮像領域における血流が組
    織に拡散するときの血流の内外に2つのコンパートメン
    トを設定して当該血流の組織への拡散状態の時間変化を
    考慮したツー・コンパートメント・モデルであるフロー
    定量化装置。
  11. 【請求項11】 被検体の撮像領域における血流が組織
    に拡散するときの血流の内外に2つのコンパートメント
    を設定して当該血流の組織への拡散状態の時間変化を考
    慮したモデルに基づいて求めたトレーサーとしての水の
    トレーサー濃度と組織血流としてのフローとの対応情報
    を求めて保管し、 得られた画像データに基づく量を前記トレーサー濃度と
    フローとの対応情報に照らして前記撮像領域における組
    織血流のフローを定量化する、ことを特徴とするフロー
    定量化方法。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載のフロー定量化方法
    において、 前記モデルに前記被検体の撮像領域の組織の代表的なパ
    ラメータを適用して複数の既知のフローのそれぞれに対
    応する単位ボクセル内のトレーサー量を複数個求め、前
    記複数の既知フローと前記複数のトレーサー量との関係
    をリニア又はノンリニアな式で近似し、前記リニア又は
    ノンリニアな式に基づく対応関係を記憶テーブル又は変
    換式として記憶するフロー定量化方法。
  13. 【請求項13】 被検体の血流が組織に拡散する状態を
    表すモデルに当該被検体の撮像領域の組織の代表的なパ
    ラメータを適用して複数の既知のフローのそれぞれに対
    応する単位ボクセル内のトレーサー量を複数個求め、前
    記複数の既知フローと前記複数のトレーサー量との関係
    をノンリニアな式で近似し、前記ノンリニアな式に基づ
    く対応関係を記憶テーブル又は変換式として記憶するこ
    とを特徴とするフロー定量化方法。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載のフロー定量化方法
    において、 前記モデルは、前記被検体の撮像領域における血流が組
    織に拡散するときの血流の内外に2つのコンパートメン
    トを設定して当該血流の組織への拡散状態の時間変化を
    考慮したツー・コンパートメント・モデルを用いるフロ
    ー定量化方法。
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