JP2003323722A - ディスク状記録媒体 - Google Patents

ディスク状記録媒体

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JP2003323722A
JP2003323722A JP2002129309A JP2002129309A JP2003323722A JP 2003323722 A JP2003323722 A JP 2003323722A JP 2002129309 A JP2002129309 A JP 2002129309A JP 2002129309 A JP2002129309 A JP 2002129309A JP 2003323722 A JP2003323722 A JP 2003323722A
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Fuji Tanaka
富士 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トラッキング極性が異なる他のフォーマット
の光磁気ディスクに対して、再生専用領域のトラッキン
グ極性を同じにする。 【解決手段】 光磁気ディスクの再生専用領域210に
形成されたグルーブ211の深さd を、データ記録
領域220に形成されたグルーブ221の深さd
りも浅く(d <d )し、互換性を有する他のフォ
ーマットの光磁気ディスクの再生専用領域のトラッキン
グ極性に等しくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラッキングサー
ボ用のトラック案内溝を有するディスク状記録媒体に関
し、特に、磁壁移動型超解像再生方式、いわゆるDWD
D(Domain WallDisplacement Detection)再生方式に
好適な光磁気ディスク等のディスク状記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】書き換え可能なディスク状記録媒体とし
て、光磁気ディスクが知られている。この光磁気ディス
クの記録密度を高める技術が種々開発されているが、近
年において、例えば、特開平6−290496号公報
(以下、文献1という。)に開示されているような技術
が注目されている。
【0003】上記文献1で開示されている再生方式は、
磁性層として、少なくとも移動層、スイッチング層及び
メモリ層の3層を有した光磁気ディスクを利用して、メ
モリ層に記録されている磁区の大きさが移動層において
実質的に拡大することを利用する磁壁移動型超解像光磁
気再生方式であり、DWDD(Domain Wall Displaceme
nt Detection)と呼ばれるものである。DWDDは、情
報信号の再生時に再生用レーザ光を照射して、スイッチ
ング層内のキュリー温度以上となった領域に対応される
メモリ層と移動層との間の磁気的結合が切断されること
によって、この磁気的結合が切断された領域に対応する
移動層の領域において移動する磁壁を検出するものであ
って、これにより、メモリ層に記録されている磁区の大
きさを実質的に移動層において拡大し、再生キャリア信
号を大きくするというものである。
【0004】このDWDDによる光磁気再生方式(以
下、DWDD再生方式という。)について具体的に説明
する。DWDD再生方式が適用される光磁気ディスク
は、図23の(A)に示すように、移動層101、スイ
ッチング層102及びメモリ層103の3層の磁性層か
ら構成されている。この光磁気ディスク100において
は、メモリ層103に、正逆のスピンによる異なる磁化
方向(同図(A)における矢印M,M方向)を有し
て、データ長を磁区の長さとされたデータが記録され
る。そして、光磁気ディスク100においては、磁化方
向が互いに異なる磁区104同士の境界が磁壁105と
なる。なお、同図(A)における矢印R方向は、光磁気
ディスク100の回転方向を示している。
【0005】光磁気ディスク100は、再生用レーザ光
BMが照射されると、局所的に加熱されるため同図23
の(B)に示すように温度分布が生じる。ここで、温度
Tsは、スイッチング層102のキュリー温度であり、
この温度Tsよりも温度が高いスイッチング層102内
の領域DPでは磁性が消滅する。このように光磁気ディ
スク100においては、スイッチング層102において
磁性が消滅することによって、磁性が消滅したスイッチ
ング層102内の領域D とメモリ層101との交換
結合力が切断される。これによって、光磁気ディスク1
00においては、領域D に対応される移動層101
の領域である磁壁抗磁力の小さい移動層101内の磁壁
が単独で、同図23の(A)における矢印S方向に示す
高温側に移動する。このような磁壁の移動は、メモリ層
103の記録マークに対応した間隔として存在する移動
層101の磁壁について、光磁気ディスク100の走査
に伴って温度Tsの等温線上にこの磁壁が到達するたび
に発生する。光磁気ディスク100は、この磁壁の移動
が検出されることによって、メモリ層103に記録され
ている記録データが実質的に拡大して再生される。な
お、上述したような高温側への磁壁の移動は、最高温度
部付近までとなるが、最高温度部は、例えばビームスポ
ット内における後方位置で生じている。
【0006】このDWDD再生方式は、再生用レーザ光
の光学的な限界分解能以下の周期の微小記録磁区からも
非常に大きな信号を再生することが可能であり、再生用
レーザ光の波長、対物レンズの開口数(Numerical Aper
ture;NA)等を変更することなく高密度化が行なえる
有力な再生方式の1つである。すなわち、DWDD再生
方式によれば、ビームスポット走査方向に関して記録密
度の大幅な向上を図ることが可能となる。
【0007】一方、記録方式としては、主に光変調と磁
界変調との2つ方式があるが、磁界変調の記録方式は、
記録マークを小さくして記録することができ、記録され
るデータ容量を大きくすることができる。
【0008】磁界変調の記録方式では、再生時よりも大
きい出力レベルの記録用レーザ光を上述した光磁気ディ
スク100に照射して、記録信号に応じた変調磁界を印
加して記録マークとして所望の記録トラックに記録す
る。図24に、記録トラック100a上に形成される記
録用レーザ光によるビームスポットSPの形状と、光磁
気ディスク100のメモリ層103に記録される記録マ
ーク110の形状との関係を示す。
【0009】磁界変調の記録方式においては、同図に示
すように、記録用レーザ光を照射することによって、ビ
ームスポットSPの形状に対応してそのビームスポット
SPの略中心位置に発生される高温部111に、変調磁
界による記録が順次行われ、その結果、記録マーク11
0が記録される。高温部111の発生領域は、ビームス
ポットSPの形状に依存することから、同図24に示す
ように、ビームスポットSPが略円形状の場合には、記
録マーク110の形状は、高温部111の後端部に沿っ
た形状とされ、略矢羽形状とされる。すなわち、記録マ
ーク110の外形をなすエッジ部分110aの形状は、
ビームスポットSPの後端部の曲率に依存する形状とさ
れる。なお、高温部111は、メモリ層103のキュリ
ー温度を超える温度とされ、再生時に再生用レーザ光を
照射することにより発生される高温部の温度とは異なる
ものである。
【0010】上述のように磁界変調の記録方式により記
録された記録マーク110について、DWDD再生方式
では、再生用レーザ光の照射して加熱することにより発
生するエッジ部分110aの移動を検出することによっ
て、信号の再生を行っている。このようなDWDD再生
方式によりディスクの線密度を高めることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな新たな記録再生方式の記録媒体を市場に供給しよう
とする場合に、既存の記録媒体との互換性を考慮するこ
とが重要とされる。
【0012】例えば、既存のフォーマットの光磁気ディ
スクに対して、互換性を考慮した上記DWDD再生方式
を採用した光磁気ディスクを供給することで、既存フォ
ーマットの光磁気ディスク及び新フォーマットの光磁気
ディスクの両者を記録再生可能な上位互換性を有するデ
ィスク記録再生装置を容易に製造し安価に提供すること
ができる。
【0013】ここで、既存フォーマットの光磁気ディス
クにおいて、案内溝を記録トラックとするグルーブ記録
が採用されている場合に、新フォーマットの高密度の光
磁気ディスクもグルーブ記録を採用することが考えられ
るが、上記DWDD再生方式との兼ね合いから、グルー
ブ(案内溝)の深さは上記既存フォーマットの光磁気デ
ィスクよりも深く形成することが必要とされる。これ
は、DWDD再生における磁壁移動の際に、グルーブの
深さが浅いと隣接するランド部の磁壁も引きずられて移
動しようとする等の原因により、再生特性が劣化するか
らである。
【0014】図25は、グルーブ深さに対するトラッキ
ング信号を極性と共に示したものである。この図25に
おいて、縦軸は、トラッキングエラー信号の振幅を最大
値が1となるように規格化(正規化)して表したもので
あり、その極性は、トラッキングずれの方向(内周側及
び内周側)とトラッキングエラー信号の正負との対応関
係により決められたものである。また横軸は、グルーブ
深さをλ/nを単位として表しており、λはレーザ波
長、nはディスク基板の屈折率である。
【0015】この図25から明らかなように、トラッキ
ング信号(トラッキングエラー信号の振幅)は、グルー
ブの深さをλ/8nとしたときが最も大きくなり、λ/
4nのときはランドとグルーブのそれぞれで反射回折さ
れた光の位相差がπとなるためにお互いに干渉して打ち
消されるので信号がなくなり、さらにグルーブ深さが深
くなると、トラッキングずれの方向とトラッキングエラ
ー信号の正負との対応関係が逆転し、極性が負側に表れ
る。これは、グルーブ深さがλ/4nよりも浅いディス
クのグルーブ中心にトラッキングされるようなトラッキ
ングサーボ動作によって、グルーブ深さがλ/4nより
も深いディスクのランドの中心にトラッキングされるこ
とになる。ここで、既存フォーマットの光磁気ディスク
におけるグルーブ深さが、λ/nの1/8(=0.12
5)よりもやや浅めの約0.1(×λ/n)程度に規定
され、上記次世代MD2のグルーブ深さがλ/nの1/
4(=0.25)よりも深い約0.3(×λ/n)程度
に規定されているとすると、既存フォーマットの光磁気
ディスクに対するトラッキングサーボ系をそのまま用い
る場合には、新フォーマットの高密度の光磁気ディスク
のランド中心にトラッキングされることになる。これ
は、トラッキング極性を切り替える(反転する)ことに
より、すなわち、トラッキングエラー信号に対するトラ
ックずれ補正方向を逆とすることにより、新フォーマッ
トの光磁気ディスクのグルーブ中心にトラッキングさせ
ることができる。
【0016】ここで、例えば、既存フォーマットの光磁
気ディスクの最内周側には、再生専用のTOC(Table
Of Contents) 、いわゆるP−TOC(プリマスタード
TOC)領域が設けられ、エンボスピットによるディス
ク管理情報等が記録されていることが多い。この再生専
用領域のピットは、既存フォーマットの光磁気ディスク
のデータ記録領域のグルーブと同じ深さに形成されてい
る。ピット部は、ピットのあるところとないところが同
確率で存在するため、見かけの深さは図25の半分の深
さに相当し、仮にピットの深さがλ/8であれば、λ/
16に相当するトラッキング信号となる。ここで、既存
フォーマットの光磁気ディスクにおけるグルーブ深さが
約0.1(×λ/n)程度に規定されている場合、ピッ
ト部では約0.05(×λ/n)に相当するトラッキン
グ信号となり、トラッキング極性は同じとなって、デー
タ領域のグルーブ中心にトラッキングされるトラッキン
グサーボ系をそのまま用いて、再生専用領域のピット中
心にトラッキングされることになる。
【0017】なお、上記新フォーマットの光磁気ディス
クにおけるディスク最内周側等の再生専用領域には、案
内溝をウォブル(揺動、蛇行)させることでTOC情報
等の再生専用情報を書き込むようにすることが考慮され
ている。
【0018】このような場合、上記既存フォーマット及
び新フォーマットのいずれの光磁気ディスクも使用可能
な(互換性を有する)ディスクドライブに、いずれかの
光磁気ディスクを最初に装着した際に、上記TOC情報
等の再生専用情報を再生できないことになる。
【0019】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
提案されたものであり、トラッキング極性の異なる複数
の規格のディスク状記録媒体との間の互換性を考慮し、
いずれのディスクに対しても迅速に再生専用情報に対し
てトラッキングをとることができるようなディスク状記
録媒体を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明に係るディスク状
記録媒体は、トラッキングサーボ用のグルーブ又はラン
ドを有し、再生専用領域とデータ記録領域とを有するデ
ィスク状記録媒体において、上記再生専用領域のトラッ
キング極性と上記データ記録領域のトラッキング極性と
を異ならせて成ることを特徴とすることにより、上述し
た課題を解決する。
【0021】ここで、上記ディスク状記録媒体は、磁壁
移動型超解像再生方式により再生される光磁気ディスク
であることが挙げられる。また、上記トラッキングサー
ボ用のグルーブ又はランドについてのディスク面垂直方
向の高さとして、上記再生専用領域の高さを、上記デー
タ記録領域の高さよりも低く形成し、上記再生専用領域
のトラッキング極性を、互換性を有する他のフォーマッ
トのディスク状記録媒体の再生専用領域のトラッキング
極性に等しくすることが挙げられる。
【0022】また、上記トラッキングサーボ用のグルー
ブ又はランドについてのディスク面垂直方向の高さとし
て、上記再生専用領域の高さを、上記データ記録領域の
高さに等しく形成し、上記再生専用領域のランド又はグ
ルーブの両側(両側壁)あるいは片側(片方の側壁)を
ウォブルさせて再生専用情報を書き込むことにより、該
再生専用領域のランド又はグルーブのトラッキング極性
を、互換性を有する他のフォーマットのディスク状記録
媒体の再生専用領域のグルーブ又はランドのトラッキン
グ極性に等しくすることが挙げられる。
【0023】ところで、本発明をグルーブ記録の磁壁移
動型超解像(DWDD)再生方式の光磁気ディスクに適
用する場合には、本発明に係る光磁気ディスクは、トラ
ッキングサーボ用のトラック案内溝を有し、再生専用領
域とデータ記録領域とを有するディスク状記録媒体にお
いて、上記再生専用領域のトラッキング極性と上記デー
タ記録領域のトラッキング極性とを異ならせて成ること
を特徴とするkとにより、上述した課題を解決する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明す
る。
【0025】本発明に係るディスク状記録媒体の第1の
実施の形態は、磁壁移動型超解像再生方式、いわゆるD
WDD(Domain Wall Displacement Detection)再生方
式を採用した光磁気ディスクに本発明を適用したもので
あり、トラッキングサーボ用のトラック案内溝としての
ウォブル(揺動、蛇行)グルーブを有し、最内周側の再
生専用領域には、上記ウォブルによりディスク管理情報
を記録する。この再生専用領域のグルーブ深さ(ディス
ク面垂直方向の高さ)を、データ記録領域のグルーブ深
さよりも浅く形成し、互換性を有する他のフォーマット
の光磁気ディスクの再生専用領域のトラッキング極性に
等しくしている。
【0026】すなわち、図1は、本発明の第1の実施の
形態となる光磁気ディスクの要部を拡大して示す概略断
面図であり、ディスク最内周側の再生専用領域210に
形成されたグルーブ211の深さd を、データ記録
領域220に形成されたグルーブ221の深さd
りも浅く(d <d )し、互換性を有する他のフォ
ーマットの光磁気ディスクの再生専用領域のトラッキン
グ極性に等しくしている。
【0027】なお、上記実施の形態はグルーブ記録の場
合であるが、ランド記録の場合にも同様に、再生専用領
域のランドの高さ(ディスク面垂直方向の高さ)を、デ
ータ記録領域のランド高さよりも低く形成し、互換性を
有する他のフォーマットの光磁気ディスクの再生専用領
域のトラッキング極性に等しくすればよいことは勿論で
ある。
【0028】この実施の形態に用いられる光磁気ディス
クは、既存のフォーマットの光磁気ディスクの記録容量
を増加したものであり、高密度記録技術及び新規ファイ
ルシステムを適用することによって、既存の光磁気ディ
スクと筐体外形及び記録再生光学系に互換性を有しつ
つ、記録容量を飛躍的に増加することを可能にしたもの
である。
【0029】本実施の形態では、光磁気ディスクとし
て、いわゆるミニディスクMD(登録商標)に適用した
具体例について説明する。ここでは、特に、通常用いら
れる記録形式とは異なる形式を適用することによって、
既存の光磁気ディスクと同じ記録媒体を用いて、その記
録容量を増加することを実現したディスクを「次世代M
D1」とし、高密度記録可能な新規記録媒体に対して新
規記録形式を適用することにより、記録容量の増加を実
現したディスクを「次世代MD2」と称する。
【0030】ここで、本発明の実施の形態のより具体的
な説明に先立ち、これらの各フォーマットの光磁気ディ
スク、すなわち、既存のMD、次世代MD1、及び次世
代MD2について説明する。
【0031】1.ディスク仕様及びエリア構造 まず、既存のミニディスクMD(登録商標)の仕様につ
いて図2を用いて説明する。ミニディスク(オーディオ
MD及びMD−DATA)の物理フォーマットは、以下
のように定められている。トラックピッチは、1.6μ
m、ビット長は、0.59μm/bitとなる。また、
レーザ波長λは、λ=780nmであり、光学ヘッドの
開口率は、NA=0.45としている。記録方式として
は、グルーブ(ディスク盤面上の溝)をトラックとして
記録再生に用いるグルーブ記録方式を採用している。ま
た、アドレス方式は、ディスク盤面上にシングルスパイ
ラルのグルーブを形成し、このグルーブの両側に対して
アドレス情報としてのウォブル(Wobble)を形成したウ
ォブルドグルーブを利用する方式を採っている。なお、
本明細書では、ウォブルとして記録される絶対アドレス
をADIP(Address in Pregroove)ともいう。
【0032】従来のミニディスクでは、記録データの変
調方式としてEFM(8−14変換)変調方式が採用さ
れている。また、誤り訂正方式としては、ACIRC
(Advanced Cross Interleave Reed-Solomon Code)を
用いている。また、データインターリーブには、畳み込
み型を採用している。これにより、データの冗長度は、
46.3%となっている。
【0033】また、従来のミニディスクにおけるデータ
の検出方式は、ビットバイビット方式であって、ディス
ク駆動方式としては、CLV(Constant Linear Veroci
ty)が採用されている。CLVの線速度は、1.2m/
sである。
【0034】記録再生時の標準のデータレートは、13
3kB/s、記録容量は、164MB(MD−DATA
では、140MB)である。また、データの最小書換単
位(クラスタ)は、32個のメインセクタと4個のリン
クセクタによる36セクタで構成されている。
【0035】続いて、本具体例として示す次世代MD1
に関して説明する。次世代MD1は、上述した従来のミ
ニディスクと記録媒体の物理的仕様は、同一である。そ
のため、トラックピッチは、1.6μm、レーザ波長λ
は、λ=780nmであり、光学ヘッドの開口率は、N
A=0.45である。記録方式としては、グルーブ記録
方式を採用している。また、アドレス方式は、ADIP
を利用する。このように、ディスクドライブ装置におけ
る光学系の構成やADIPアドレス読出方式、サーボ処
理は、従来のミニディスクと同様であるため、従来ディ
スクとの互換性が達成されている。
【0036】次世代MD1は、記録データの変調方式と
して、高密度記録に適合したRLL(1−7)PP変調
方式(RLL;Run Length Limited、PP:Parity pre
serve/Prohibit rmtr(repeated minimum transition r
unlength))を採用している。また、誤り訂正方式とし
ては、より訂正能力の高いBIS(Burst IndicatorSub
code)付きのRS−LDC(Reed Solomon−Long Dista
nce Code)方式を用いている。
【0037】具体的には、ホストアプリケーション等か
ら供給されるユーザデータの2048バイトに4バイト
のEDC(Error Detection Code)を付加した2052
バイトを1セクタ(データセクタ、後述するディスク上
の物理セクタとは異なる)とし、図3に示すように、Se
ctor0〜Sector31の32セクタを304列×216行の
ブロックにまとめる。ここで、各セクタの2052バイ
トに対しては、所定の疑似乱数との排他的論理和(Ex-O
R)をとるようなスクランブル処理が施される。このス
クランブル処理されたブロックの各列に対して32バイ
トのパリティを付加して、304列×248行のLDC
(Long Distance Code)ブロックを構成する。このLD
Cブロックにインターリーブ処理を施して、152列×
496行のブロック(Interleaved LDC Block)とし、
これを図4に示すように38列ずつ1列の上記BISを
介して配列することで155列×496行の構造とし、
さらに先頭位置に2.5バイト分のフレーム同期コード
(Frame Sync)を付加して、1行を1フレームに対応さ
せ、157.5バイト×496フレームの構造とする。
この図4の各行が、後述する図10に示す1レコーディ
ングブロック(クラスタ)内のデータ領域のFrame10〜F
rame505の496フレームに相当する。
【0038】以上のデータ構造において、データインタ
ーリーブは、ブロック完結型とする。これによりデータ
の冗長度は、20.50%になる。また、データの検出
方式として、PR(1,2,1)MLによるビタビ復号
方式を用いる。
【0039】ディスク駆動方式には、CLV方式を用
い、その線速度は、2.4m/sとする。記録再生時の
標準データレートは、4.4MB/sである。この方式
を採用することにより、総記録容量を300MBにする
ことができる。変調方式をEFMからRLL(1−7)
PP変調方式とすることによって、ウインドウマージン
が0.5から0.666となるため、1.33倍の高密
度化が実現できる。また、データの最小書換単位である
クラスタは、16セクタ、64kBで構成される。この
ように記録変調方式をCIRC方式からBIS付きのR
S−LDC方式及びセクタ構造の差異とビタビ復号を用
いる方式にすることで、データ効率が53.7%から7
9.5%となるため、1.48倍の高密度化が実現でき
る。
【0040】これらを総合すると、次世代MD1は、記
録容量を従来ミニディスクの約2倍である300MBに
することができる。
【0041】一方、次世代MD2は、例えば、磁壁移動
検出方式(DWDD:Domain WallDisplacement Detect
ion)等の高密度化記録技術を適用した記録媒体であっ
て、上述した従来ミニディスク及び次世代MD1とは、
物理フォーマットが異なっている。次世代MD2は、ト
ラックピッチが1.25μm、ビット長が0.16μm
/bitであり、線方向に高密度化されている。
【0042】また、従来ミニディスク及び次世代MD1
との互換を採るため、光学系、読出方式、サーボ処理等
は、従来の規格に準じて、レーザ波長λは、λ=780
nm、光学ヘッドの開口率は、NA=0.45とする。
記録方式は、グルーブ記録方式、アドレス方式は、AD
IPを利用した方式とする。また、筐体外形も従来ミニ
ディスク及び次世代MD1と同一規格とする。
【0043】但し、従来ミニディスク及び次世代MD1
と同等の光学系を用いて、上述のように従来より狭いト
ラックピッチ及び線密度(ビット長)を読み取る際に
は、デトラックマージン、ランド及びグルーブからのク
ロストーク、ウォブルのクロストーク、フォーカス漏
れ、CT信号等における制約条件を解消する必要があ
る。そのため、次世代MD2では、グルーブの溝深さ、
傾斜、幅等を変更した点が特徴的である。具体的には、
グルーブの溝深さを160nm〜180nm、傾斜を6
0°〜70°、幅を600nm〜800nmの範囲と定
める。
【0044】また、次世代MD2は、記録データの変調
方式として、高密度記録に適合したRLL(1−7)P
P変調方式(RLL;Run Length Limited、PP:Pari
ty preserve/Prohibit rmtr(repeated minimum transi
tion runlength))を採用している。また、誤り訂正方
式としては、より訂正能力の高いBIS(Burst Indica
tor Subcode)付きのRS−LDC(Reed Solomon−Lon
g Distance Code)方式を用いている。
【0045】データインターリーブは、ブロック完結型
とする。これによりデータの冗長度は、20.50%に
なる。またデータの検出方式は、PR(1,−1)ML
によるビタビ復号方式を用いる。また、データの最小書
換単位であるクラスタは、16セクタ、64kBで構成
されている。
【0046】ディスク駆動方式には、ZCAV方式を用
い、その線速度は、2.0m/sとする。記録再生時の
標準データレートは、9.8MB/sである。したがっ
て、次世代MD2では、DWDD方式及びこの駆動方式
を採用することにより、総記録容量を1GBにできる。
【0047】本具体例に示す次世代MD1の盤面上のエ
リア構造例を図5に模式的に示す。次世代MD1は、従
来ミニディスクと同じ媒体であって、ディスクの最内周
側は、プリマスタードエリアとして、PTOC(Premas
terd Table Of Contents)が設けられている。ここに
は、ディスク管理情報が物理的な構造変形によるエンボ
スピットとして記録されている。
【0048】プリマスタードエリアより外周は、光磁気
記録可能なレコーダブルエリアとされ、記録トラックの
案内溝としてのグルーブが形成された記録再生可能領域
である。このレコーダブルエリアの最内周側は、UTO
C(User Table Of Contents)領域であって、このUT
OC領域には、UTOC情報が記述されるとともに、プ
リマスタードエリアとの緩衝エリアや、レーザ光の出力
パワー調整等のために用いられるパワーキャリブレーシ
ョンエリアが設けられている。
【0049】次世代MD2は、図6に示すように、高密
度化を図るためにプリピットを用いないが、次世代MD
2のPTOC相当情報は、グルーブのウォブルにより書
き込むことが考慮されている。例えば、次世代MD2に
は、レコーダブルエリアのさらに内周領域に、著作権保
護のための情報、データ改竄チェックのための情報、他
の非公開情報等を記録するユニークIDエリア(Unique
ID;UID)が設けられている。このUIDエリア
は、次世代MD2に適用されるDWDD方式とは異なる
記録方式で記録されている。
【0050】なお、ここでは、次世代MD1及び次世代
MD2に音楽データ用のオーディオトラックとデータト
ラックとをディスク上に混在記録することもできる。こ
の場合、例えば、図7に示すように、データエリアに少
なくとも1つのオーディオトラックが記録されたオーデ
ィオ記録領域AAと、少なくとも1つのデータトラック
が記録されたPC用データ記録領域DAとがそれぞれ任
意の位置に形成されることになる。
【0051】一連のオーディオトラックやデータトラッ
クは、ディスク上で必ずしも物理的に連続して記録され
る必要はなく、図7に示すように複数のパーツに分割し
て記録されていてもよい。パーツとは、物理的に連続し
て記録される区間を示す。すなわち、図7のように物理
的に離れた2つのPCデータ記録領域が存在する場合で
も、データトラックの数としては、1つの場合もあり、
複数の場合もある。但し、図7は、次世代MD1の物理
的仕様に関して示したものであるが、次世代MD2に関
しても同様に、オーディオ記録領域AAとPC用データ
記録領域DAとを混在して記録することができる。
【0052】上述した物理的仕様を有する次世代MD1
と次世代MD2との互換性を有した記録再生装置の具体
例に関しては、後段で詳細に説明する。
【0053】2.ディスクの管理構造 図8及び図9に基づいて、本具体例のディスクの管理構
造を説明する。図8は、次世代MD1のデータ管理構造
を示したものであり、図9は、次世代MD2のデータ管
理構造を示したものである。
【0054】次世代MD1では、上述したように、従来
のミニディスクと同一の媒体であるため、次世代MD1
では、従来ミニディスクで採用されているように書換不
可能なエンボスピットによりPTOCが記録されてい
る。このPTOCには、ディスクの総容量、UTOC領
域におけるUTOC位置、パワーキャリブレーションエ
リアの位置、データエリアの開始位置、データエリアの
終了位置(リードアウト位置)等が管理情報として記録
されている。
【0055】次世代MD1では、ADIPアドレス00
00〜0002には、レーザの書込出力を調整するため
のパワーキャリブレーションエリア(Rec Power Calibr
ation Area)が設けられている。続く0003〜000
5には、UTOCが記録される。UTOCには、トラッ
ク(オーディオトラック/データトラック)の記録・消
去等に応じて書き換えられる管理情報が含まれ、各トラ
ック及びトラックを構成するパーツの開始位置、終了位
置等を管理している。また、データエリアにおいて未だ
トラックが記録されていないフリーエリア、すなわち書
込可能領域のパーツも管理している。UTOC上では、
PC用データ全体をMDオーディオデータによらない1
つのトラックとして管理している。そのため、仮にオー
ディオトラックとデータトラックとを混在記録したとし
ても、複数のパーツに分割されたPC用データの記録位
置を管理できる。
【0056】また、UTOCデータは、このUTOC領
域における特定のADIPクラスタに記録され、UTO
Cデータは、このADIPクラスタ内のセクタ毎に、そ
の内容が定義されている。具体的には、UTOCセクタ
0(このADIPクラスタ内の先頭のADIPセクタ)
は、トラックやフリーエリアにあたるパーツを管理して
おり、UTOCセクタ1及びセクタ4は、トラックに対
応した文字情報を管理している。また、UTOCセクタ
2には、トラックに対応した記録日時を管理する情報が
書き込まれる。
【0057】UTOCセクタ0は、記録されたデータや
記録可能な未記録領域、さらにデータの管理情報等が記
録されているデータ領域である。例えば、ディスクにデ
ータを記録する際、ディスクドライブ装置は、UTOC
セクタ0からディスク上の未記録領域を探し出し、ここ
にデータを記録する。また、再生時には、再生すべきデ
ータトラックが記録されているエリアをUTOCセクタ
0から判別し、そのエリアにアクセスして再生動作を行
う。
【0058】なお、次世代MD1では、PTOC及びU
TOCは、従来のミニディスクシステムに準拠する方
式、ここではEFM変調方式により変調されたデータと
して記録されている。したがって、次世代MD1は、E
FM変調方式により変調されたデータとして記録された
領域と、RS−LDC及びRLL(1−7)PP変調方
式で変調された高密度データとして記録された領域とを
有することになる。
【0059】また、ADIPアドレス0032に記述さ
れるアラートトラックには、従来ミニディスクのディス
クドライバ装置に次世代MD1を挿入したとしても、こ
の媒体が従来ミニディスクのディスクドライバ装置に対
応していないことを知らせるための情報が格納されてい
る。この情報は、「このディスクは、この再生装置に対
応していないフォーマットです。」等の音声データ、或
いは警告音データとしてもよい。また、表示部を備える
ディスクドライバ装置であれば、この旨を表示するため
のデータであってもよい。このアラートトラックは、従
来ミニディスクに対応したディスクドライバ装置でも読
取可能なように、EFM変調方式によって記録されてい
る。
【0060】ADIPアドレス0034には、次世代M
D1のディスク情報を表したディスクディスクリプショ
ンテーブル(Disc Discription Table;DDT)が記録
される。DDTには、フォーマット形式、ディスク内論
理クラスタの総数、媒体固有のID、このDDTの更新
情報、不良クラスタ情報等が記述される。
【0061】DDT領域からは、RS−LDC及びRL
L(1−7)PP変調方式で変調された高密度データと
して記録されるため、アラートトラックとDDTとの間
には、ガードバンド領域が設けられている。
【0062】また、RLL(1−7)PP変調方式で変
調された高密度データが記録される最も若いADIPア
ドレス、すなわち、DDTの先頭アドレスには、ここを
0000とする論理クラスタ番号(Logical Cluster Nu
mber;LCN)が付される。1論理クラスタは、65,
536バイトであり、この論理クラスタが読み書き最小
単位となる。なお、ADIPアドレス0006〜003
1は、リザーブされている。
【0063】続くADIPアドレス0036〜0038
には、認証によって公開可能となるセキュアエリア(Se
cure Area)が設けられている。このセキュアエリアに
よって、データを構成する各クラスタの公開可・不可等
の属性を管理している。特に、このセキュアエリアで
は、著作権保護のための情報、データ改竄チェックのた
めの情報等を記録する。また、このほかの各種の非公開
情報を記録することができる。この公開不可領域は、特
別に許可された特定外部機器のみが限定的にアクセスで
きるようになっており、このアクセス可能な外部機器を
認証する情報も含まれる。
【0064】ADIPアドレス0038からは、書込及
び読取自由なユーザエリア(User Area)(任意データ
長)とスペアエリア(Spare Area)(データ長8)とが
記述される。ユーザエリアに記録されたデータは、LC
Nの昇順に並べたとき、先頭から2,048バイトを1
単位としたユーザセクタ(User Sector)に区切られて
おり、PC等の外部機器からは、先頭のユーザセクタを
0000とするユーザセクタ番号(User Sector Numbe
r;USN)を付してFATファイルシステムにより管
理されている。
【0065】続いて、次世代MD2のデータ管理構造に
ついて図9を用いて説明する。次世代MD2は、PTO
Cエリアを持たない。そのため、ディスクの総容量、パ
ワーキャリブレーションエリアの位置、データエリアの
開始位置、データエリアの終了位置(リードアウト位
置)等のディスク管理情報は、PDPT(PreFormat Di
sc Parameter Table)として全てADIP情報に含まれ
て記録されている。データは、BIS付きのRS−LD
C及びRLL(1−7)PP変調方式で変調され、DW
DD方式で記録されている。
【0066】また、リードインエリア及びリードアウト
エリアには、レーザパワーキャリブレーションエリア
(Power Cariburation Area;PCA)が設けられる。
次世代MD2では、PCAに続くADIPアドレスを0
000としてLCNを付ける。
【0067】また、次世代MD2では、次世代MD1に
おけるUTOC領域に相当するコントロール領域が用意
されている。図9には、著作権保護のための情報、デー
タ改竄チェックのための情報、他の非公開情報等を記録
するユニークIDエリア(Unique ID;UID)が示さ
れているが、実際には、このUIDエリアは、リードイ
ン領域のさらに内周位置に、通常のDWDD方式とは異
なる記録方式で記録されている。
【0068】次世代MD1及び次世代MD2のファイル
は、ともにFATファイルシステムに基づいて管理され
る。例えば、各データトラックは、それぞれ独自にFA
Tファイルシステムを持つ。或いは、複数のデータトラ
ックにわたって1つのFATファイルシステムを記録す
るようにもできる。
【0069】3.ADIPセクタ/クラスタ構造とデー
タブロック 続いて、本発明の具体例として示す次世代MD1及び次
世代MD2のADIPセクタ構造とデータブロックとの
関係について図10を用いて説明する。従来のミニディ
スク(MD)システムでは、ADIPとして記録された
物理アドレスに対応したクラスタ/セクタ構造が用いら
れている。本具体例では、説明の便宜上、ADIPアド
レスに基づいたクラスタを「ADIPクラスタ」と記
す。また、次世代MD1及び次世代MD2におけるアド
レスに基づくクラスタを「レコーディングブロック(Re
cording Block)」あるいは「次世代MDクラスタ」と
記す。
【0070】次世代MD1及び次世代MD2では、デー
タトラックは、図10に示すようにアドレスの最小単位
であるクラスタの連続によって記録されたデータストリ
ームとして扱われ、1レコーディングブロック(1次世
代MDクラスタ)は、図10に示すように16セクタあ
るいは1/2ADIPクラスタにより構成されている。
【0071】図10に示す1レコーディングブロック
(1次世代MDクラスタ)のデータ構造としては、10
フレームのプリアンブルと、6フレームのポストアンブ
ルと、496フレームのデータ部とからなる512フレ
ームから構成されている。さらにこのレコーディングブ
ロック内の1フレームは、同期信号領域と、データ、B
IS、DSVとからなる。
【0072】また、1レコーディングブロックの512
フレームのうち、有意のデータが記録される496フレ
ームを16等分した各31フレームをアドレスユニット
(Address Unit)とよぶ。また、このアドレスユニット
の番号をアドレスユニットナンバ(Address Unit Numbe
r;AUN)とよぶ。このAUNは、全てのアドレスユ
ニットに付される番号であって、記録信号のアドレス管
理に使用される。
【0073】次世代MD1のように、ADIPに記述さ
れた物理的なクラスタ/セクタ構造を有する従来ミニデ
ィスクに対して、1−7PP変調方式で変調された高密
度データを記録する場合、ディスクに元々記録されたA
DIPアドレスと、実際に記録するデータブロックのア
ドレスとが一致しなくなるという問題が生じる。ランダ
ムアクセスは、ADIPアドレスを基準として行われる
が、ランダムアクセスでは、データを読み出す際、所望
のデータが記録された位置近傍にアクセスしても、記録
されたデータを読み出せるが、データを書き込む際に
は、既に記録されているデータを上書き消去しないよう
に正確な位置にアクセスする必要がある。そのため、A
DIPアドレスに対応付けした次世代MDクラスタ/次
世代MDセクタからアクセス位置を正確に把握すること
が重要となる。
【0074】そこで、次世代MD1の場合、媒体表面上
にウォブルとして記録されたADIPアドレスを所定規
則で変換して得られるデータ単位によって高密度データ
クラスタを把握する。この場合、ADIPセクタの整数
倍が高密度データクラスタになるようにする。この考え
方に基づいて、従来ミニディスクに記録された1ADI
Pクラスタに対して次世代MDクラスタを記述する際に
は、各次世代MDクラスタを1/2ADIPクラスタ区
間に対応させる。
【0075】したがって、次世代MD1では、従来のM
Dクラスタの1/2クラスタが最小記録単位(レコーデ
ィングブロック(Recording Block))として対応付け
されている。
【0076】一方、次世代MD2では、1クラスタが1
レコーディングブロックとして扱われるようになってい
る。
【0077】なお、本具体例では、前述したように、ホ
ストアプリケーションから供給される2048バイト単
位のデータブロックを1論理データセクタ(Logical Da
ta Sector;LDS)とし、このとき同一レコーディン
グブロック中に記録される32個の論理データセクタの
集合を論理データクラスタ(Logical Data Cluster;L
DC)としている。
【0078】以上説明したようなデータ構造とすること
により、次世代MDデータを任意位置へ記録する際、媒
体に対してタイミングよく記録できる。また、ADIP
アドレス単位であるADIPクラスタ内に整数個の次世
代MDクラスタが含まれるようにすることによって、A
DIPクラスタアドレスから次世代MDデータクラスタ
アドレスへのアドレス変換規則が単純化され、換算のた
めの回路又はソフトウェア構成が簡略化できる。
【0079】なお、図10では、1つのADIPクラス
タに2つの次世代MDクラスタを対応付ける例を示した
が、1つのADIPクラスタに3以上の次世代MDクラ
スタを配することもできる。このとき、1つの次世代M
Dクラスタは、16ADIPセクタから構成される点に
限定されず、EFM変調方式とRLL(1−7)PP変
調方式におけるデータ記録密度の差や次世代MDクラス
タを構成するセクタ数、また1セクタのサイズ等に応じ
て設定することができる。
【0080】続いて、ADIPのデータ構造に関して説
明する。図11の(a)には、次世代MD2のADIP
のデータ構造が示され、図11の(b)には、次世代M
D1のADIPのデータ構造が示されている。
【0081】次世代MD1では、同期信号と、ディスク
におけるクラスタ番号等を示すクラスタH(Cluster
H)情報及びクラスタL(Cluster L)情報と、クラスタ
内におけるセクタ番号等を含むセクタ情報(Secter)と
が記述されている。同期信号は、4ビットで記述され、
クラスタHは、アドレス情報の上位8ビットで記述さ
れ、クラスタLは、アドレス情報の下位8ビットで記述
され、セクタ情報は、4ビットで記述される。また、後
半の14ビットには、CRCが付加されている。以上、
42ビットのADIP信号が各ADIPセクタのヘッダ
部に記録されている。
【0082】また、次世代MD2では、4ビットの同期
信号データと、4ビットのクラスタH(Cluster H)情
報、8ビットのクラスタM(Cluster M)情報及び4び
っとのクラスタL(Cluster L)情報と、4ビットのセ
クタ情報とが記述される。後半の18ビットには、BC
Hのパリティが付加される。次世代MD2でも同様に4
2ビットのADIP信号が各ADIPセクタのヘッダ部
に記録されている。
【0083】ADIPのデータ構造では、上述したクラ
スタH(Cluster H)情報、クラスタM(Cluster M)及
びクラスタL(Cluster L)情報の構成は、任意に決定
できる。また、ここに他の付加情報を記述することもで
きる。例えば、図12に示すように、次世代MD2のA
DIP信号において、クラスタ情報を上位8ビットのク
ラスタH(Cluster H)と下位8ビットのクラスタL(C
luster L)とで表すようにし、下位8ビットで表される
クラスタLに替えて、ディスクコントロール情報を記述
することもできる。ディスクコントロール情報として
は、サーボ信号補正値、再生レーザパワー上限値、再生
レーザパワー線速補正係数、記録レーザパワー上限値、
記録レーザパワー線速補正係数、記録磁気感度、磁気−
レーザパルス位相差、パリティ等があげられる。
【0084】4.ディスクドライブ装置 図13及び図14を用いて、次世代MD1及び次世代M
D2の記録再生に対応したディスクドライブ装置10の
具体例について説明する。ここでは、ディスクドライブ
装置10は、パーソナルコンピュータ(以下、PCと記
す。)100と接続でき、次世代MD1及び次世代MD
2をオーディオデータのほか、PC等の外部ストレージ
として使用できる。
【0085】ディスクドライブ装置10は、メディアド
ライブ部11と、メモリ転送コントローラ12と、クラ
スタバッファメモリ13と、補助メモリ14と、USB
インターフェイス15,16と、USBハブ17と、シ
ステムコントローラ18と、オーディオ処理部19とを
備える。
【0086】メディアドライブ部11は、装填された従
来ミニディスク、次世代MD1、及び次世代MD2等の
個々のディスク90に対する記録/再生を行う。メディ
アドライブ部11の内部構成は、図14で後述する。
【0087】メモリ転送コントローラ12は、メディア
ドライブ部11からの再生データやメディアドライブ部
11に供給する記録データの送受制御を行う。クラスタ
バッファメモリ13は、メディアドライブ部11によっ
てディスク90のデータトラックから高密度データクラ
スタ単位で読み出されたデータをメモリ転送コントロー
ラ12の制御に基づいてバッファリングする。補助メモ
リ14は、メディアドライブ部11によってディスク9
0から読み出されたUTOCデータ、CATデータ、ユ
ニークID、ハッシュ値等の各種管理情報や特殊情報を
メモリ転送コントローラ12の制御に基づいて記憶す
る。
【0088】システムコントローラ18は、USBイン
ターフェイス16、USBハブ17を介して接続された
PC(パーソナルコンピュータ)70との間で通信可能
とされ、このPC70との間の通信制御を行って、書込
要求、読出要求等のコマンドの受信やステイタス情報、
その他の必要情報の送信等を行うとともに、ディスクド
ライブ装置10全体を統括制御している。
【0089】システムコントローラ18は、例えば、デ
ィスク90がメディアドライブ部11に装填された際
に、ディスク90からの管理情報等の読出をメディアド
ライブ部11に指示し、メモリ転送コントローラ12に
よって読み出されたPTOC、UTOC等の管理情報等
を補助メモリ14に格納させる。
【0090】システムコントローラ18は、これらの管
理情報を読み込むことによって、ディスク90のトラッ
ク記録状態を把握できる。また、CATを読み込ませる
ことにより、データトラック内の高密度データクラスタ
構造を把握でき、PC70からのデータトラックに対す
るアクセス要求に対応できる状態となる。
【0091】また、ユニークIDやハッシュ値により、
ディスク認証処理及びその他の処理を実行したり、これ
らの値をPC70に送信し、PC70上でディスク認証
処理及びその他の処理を実行させる。
【0092】システムコントローラ18は、PC70か
ら、あるFATセクタの読出要求があった場合、メディ
アドライブ部11に対して、このFATセクタを含む高
密度データクラスタの読出を実行する旨の信号を与え
る。読み出された高密度データクラスタは、メモリ転送
コントローラ12によってクラスタバッファメモリ13
に書き込まれる。但し、既にFATセクタのデータがク
ラスタバッファメモリ13に格納されていた場合、メデ
ィアドライブ部11による読出は必要ない。
【0093】このとき、システムコントローラ18は、
クラスタバッファメモリ13に書き込まれている高密度
データクラスタのデータから、要求されたFATセクタ
のデータを読み出す信号を与え、USBインターフェイ
ス15,USBハブ17を介して、PC70に送信する
ための制御を行う。
【0094】また、システムコントローラ18は、PC
70から、あるFATセクタの書込要求があった場合、
メディアドライブ部11に対して、このFATセクタを
含む高密度データクラスタの読出を実行させる。読み出
された高密度データクラスタは、メモリ転送コントロー
ラ12によってクラスタバッファメモリ13に書き込ま
れる。但し、既にこのFATセクタのデータがクラスタ
バッファメモリ13に格納されていた場合は、メディア
ドライブ部11による読出は必要ない。
【0095】また、システムコントローラ18は、PC
70から送信されたFATセクタのデータ(記録デー
タ)をUSBインターフェイス15を介してメモリ転送
コントローラ12に供給し、クラスタバッファメモリ1
3上で該当するFATセクタのデータの書き換えを実行
させる。
【0096】また、システムコントローラ18は、メモ
リ転送コントローラ12に指示して、必要なFATセク
タが書き換えられた状態でクラスタバッファメモリ13
に記憶されている高密度データクラスタのデータを記録
データとしてメディアドライブ部11に転送させる。こ
のとき、メディアドライブ部11は、装着されている媒
体が従来ミニディスクであればEFM変調方式で、次世
代MD1又は次世代MD2であればRLL(1−7)P
P変調方式で高密度データクラスタの記録データを変調
して書き込む。
【0097】なお、本具体例として示すディスクドライ
ブ装置10において、上述した記録再生制御は、データ
トラックを記録再生する際の制御であり、MDオーディ
オデータ(オーディオトラック)を記録再生する際のデ
ータ転送は、オーディオ処理部19を介して行われる。
【0098】オーディオ処理部19は、入力系として、
例えば、ライン入力回路/マイクロフォン入力回路等の
アナログ音声信号入力部、A/D変換器、及びデジタル
オーディオデータ入力部を備える。また、オーディオ処
理部19は、ATRAC圧縮エンコーダ/デコーダ、圧
縮データのバッファメモリを備える。さらに、オーディ
オ処理部19は、出力系として、デジタルオーディオデ
ータ出力部、D/A変換器及びライン出力回路/ヘッド
ホン出力回路等のアナログ音声信号出力部を備えてい
る。
【0099】ディスク90に対してオーディオトラック
が記録されるのは、オーディオ処理部19にデジタルオ
ーディオデータ(又は、アナログ音声信号)が入力され
る場合である。入力されたリニアPCMデジタルオーデ
ィオデータ、或いはアナログ音声信号で入力された後、
A/D変換器で変換されて得られたリニアPCMオーデ
ィオデータは、ATRAC圧縮エンコードされ、バッフ
ァメモリに蓄積される。その後、所定タイミング(AD
IPクラスタ相当のデータ単位)でバッファメモリから
読み出され、メディアドライブ部11に転送される。
【0100】メディアドライブ部11では、転送された
圧縮データをEFM変調方式又はRLL(1−7)PP
変調方式で変調してディスク90にオーディオトラック
として書き込む。
【0101】メディアドライブ部11は、ディスク90
からオーディオトラックを再生する場合、再生データを
ATRAC圧縮データ状態に復調してオーディオ処理部
19に転送する。オーディオ処理部19は、ATRAC
圧縮デコードを行ってリニアPCMオーディオデータと
し、デジタルオーディオデータ出力部から出力する。或
いは、D/A変換器によりアナログ音声信号としてライ
ン出力/ヘッドホン出力を行う。
【0102】なお、この図13に示す構成は、一例であ
って、例えば、ディスクドライブ装置10をPC70に
接続してデータトラックのみ記録再生する外部ストレー
ジ機器として使用する場合は、オーディオ処理部19
は、不要である。一方、オーディオ信号を記録再生する
ことを主たる目的とする場合、オーディオ処理部19を
備え、さらにユーザインターフェイスとして操作部や表
示部を備えることが好適である。また、PC70との接
続は、USBに限らず、例えば、IEEE(TheInstitu
te of Electrical and Electronics Engineers,Inc.:
アメリカ電気・電子技術者協会)の定める規格に準拠し
た、いわゆるIEEE1394インターフェイスのほ
か、汎用の接続インターフェイスが適用できる。
【0103】続いて、従来ミニディスク、次世代MD1
及び次世代MD2を記録再生するためのメディアドライ
ブ部11の構成を図14を用いて、さらに詳細に説明す
る。
【0104】メディアドライブ部11は、従来ミニディ
スク、次世代MD1及び次世代MD2を記録再生するた
めに、特に、記録処理系として、従来ミニディスクの記
録のためのEFM変調・ACIRCエンコードを実行す
る構成と、次世代MD1及び次世代MD2の記録のため
のRLL(1−7)PP変調・RS−LDCエンコード
を実行する構成とを備える点が特徴的である。また、再
生処理系として、従来ミニディスクの再生のためのEF
M復調・ACIRCデコードを実行する構成と、次世代
MD1及び次世代MD2の再生にPR(1,2,1)M
L及びビタビ復号を用いたデータ検出に基づくRLL
(1−7)復調・RS−LDCデコードを実行する構成
を備えている点が特徴的である。
【0105】メディアドライブ部11は、装填されたデ
ィスク90をスピンドルモータ21によってCLV方式
又はZCAV方式にて回転駆動する。記録再生時には、
このディスク90に対して、光学ヘッド22からレーザ
光が照射される。
【0106】光学ヘッド22は、記録時に記録トラック
をキュリー温度まで加熱するための高レベルのレーザ出
力を行い、また再生時には、磁気カー効果により反射光
からデータを検出するための比較的低レベルのレーザ出
力を行う。このため、光学ヘッド22は、レーザ出力手
段としてのレーザダイオード、偏光ビームスプリッタや
対物レンズ等からなる光学系及び反射光を検出するため
のディテクタが搭載されている。光学ヘッド22に備え
られる対物レンズとしては、例えば2軸機構によってデ
ィスク半径方向及びディスクに接離する方向に変位可能
に保持されている。
【0107】また、本具体例では、媒体表面の物理的仕
様が異なる従来ミニディスク及び次世代MD1と、次世
代MD2とに対して最大限の再生特性を得るために、両
ディスクに対してデータ読取り時のビットエラーレート
を最適化できる位相補償板を、光学ヘッド22の読取光
光路中に設ける。
【0108】ディスク90を挟んで光学ヘッド22と対
向する位置には、磁気ヘッド23が配置されている。磁
気ヘッド23は、記録データによって変調された磁界を
ディスク90に印加する。また、図示しないが光学ヘッ
ド22全体及び磁気ヘッド23をディスク半径方向に移
動させためのスレッドモータ及びスレッド機構が備えら
れている。
【0109】このメディアドライブ部11では、光学ヘ
ッド22、磁気ヘッド23による記録再生ヘッド系、ス
ピンドルモータ21によるディスク回転駆動系のほか
に、記録処理系、再生処理系、サーボ系等が設けられ
る。記録処理系としては、従来ミニディスクに対する記
録時にEFM変調、ACIRCエンコードを行う部位
と、次世代MD1及び次世代MD2に対する記録時にR
LL(1−7)PP変調、RS−LDCエンコードを行
う部位とが設けられる。
【0110】また、再生処理系としては、従来ミニディ
スクの再生時にEFM変調に対応する復調及びACIR
Cデコードを行う部位と、次世代MD1及び次世代MD
2の再生時にRLL(1−7)PP変調に対応する復調
(PR(1,2,1)ML及びビタビ復号を用いたデー
タ検出に基づくRLL(1−7)復調)、RS−LDC
デコードを行う部位とが設けられる。
【0111】光学ヘッド22のディスク90に対するレ
ーザ照射によりその反射光として検出された情報(フォ
トディテクタによりレーザ反射光を検出して得られる光
電流)は、RFアンプ24に供給される。RFアンプ2
4では、入力された検出情報に対して電流−電圧変換、
増幅、マトリクス演算等を行い、再生情報としての再生
RF信号、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエ
ラー信号FE、グルーブ情報(ディスク90にトラック
のウォブリングにより記録されているADIP情報)等
を抽出する。
【0112】従来ミニディスクの再生時には、RFアン
プで得られた再生RF信号は、コンパレータ25、PL
L回路26を介して、EFM復調部27及びACIRC
デコーダ28で処理される。再生RF信号は、EFM復
調部27で2値化されてEFM信号列とされた後、EF
M復調され、さらにACIRCデコーダ28で誤り訂正
及びデインターリーブ処理される。オーディオデータで
あれば、この時点でATRAC圧縮データの状態とな
る。このとき、セレクタ29は、従来ミニディスク信号
側が選択されており、復調されたATRAC圧縮データ
がディスク90からの再生データとしてデータバッファ
30に出力される。この場合、図13のオーディオ処理
部19に圧縮データが供給される。
【0113】一方、次世代MD1又は次世代MD2の再
生時には、RFアンプで得られた再生RF信号は、A/
D変換回路31、イコライザ32、PLL回路33、P
RML回路34を介して、RLL(1−7)PP復調部
35及びRS−LDCデコーダ36で信号処理される。
再生RF信号は、RLL(1−7)PP復調部35にお
いて、PR(1,2,1)ML及びビタビ復号を用いた
データ検出によりRLL(1−7)符号列としての再生
データを得て、このRLL(1−7)符号列に対してR
LL(1−7)復調処理が行われる。さらに、RS−L
DCデコーダ36にて誤り訂正及びデインターリーブ処
理される。
【0114】この場合、セレクタ29は、次世代MD1
・次世代MD2側が選択され、復調されたデータがディ
スク90からの再生データとしてデータバッファ30に
出力される。このとき、図13のメモリ転送コントロー
ラ12に対して復調データが供給される。
【0115】RFアンプ24から出力されるトラッキン
グエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEは、サー
ボ回路37に供給され、グルーブ情報は、ADIPデコ
ータ38に供給される。
【0116】ADIPデコータ38は、グルーブ情報に
対してバンドパスフィルタにより帯域制限してウォブル
成分を抽出した後、FM復調、バイフェーズ復調を行っ
てADIPアドレスを抽出する。抽出された、ディスク
上の絶対アドレス情報であるADIPアドレスは、従来
ミニディスク及び次世代MD1の場合であれば、MDア
ドレスデコーダ39を介し、次世代MD2の場合であれ
ば、次世代MD2アドレスデコーダ40を介してドライ
ブコントローラ41に供給される。
【0117】ドライブコントローラ41では、各ADI
Pアドレスに基づいて、所定の制御処理を実行する。ま
たグルーブ情報は、スピンドルサーボ制御のためにサー
ボ回路37に戻される。
【0118】サーボ回路37は、例えばグルーブ情報に
対して再生クロック(デコード時のPLL系クロック)
との位相誤差を積分して得られる誤差信号に基づき、C
LVサーボ制御及びZCAVサーボ制御のためのスピン
ドルエラー信号を生成する。
【0119】またサーボ回路37は、スピンドルエラー
信号や、上記のようにRFアンプ24から供給されたト
ラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号、或いは
ドライブコントローラ41からのトラックジャンプ指
令、アクセス指令等に基づいて各種サーボ制御信号(ト
ラッキング制御信号、フォーカス制御信号、スレッド制
御信号、スピンドル制御信号等)を生成し、モータドラ
イバ42に対して出力する。すなわち、上記サーボエラ
ー信号や指令に対して位相補償処理、ゲイン処理、目標
値設定処理等の必要処理を行って各種サーボ制御信号を
生成する。
【0120】モータドライバ42では、サーボ回路37
から供給されたサーボ制御信号に基づいて所定のサーボ
ドライブ信号を生成する。ここでのサーボドライブ信号
としては、2軸機構を駆動する2軸ドライブ信号(フォ
ーカス方向、トラッキング方向の2種)、スレッド機構
を駆動するスレッドモータ駆動信号、スピンドルモータ
21を駆動するスピンドルモータ駆動信号となる。この
ようなサーボドライブ信号により、ディスク90に対す
るフォーカス制御、トラッキング制御、及びスピンドル
モータ21に対するCLV制御又はZCAV制御が行わ
れる。
【0121】ディスク90に対して記録動作が実行され
る際には、図13に示したメモリ転送コントローラ12
から高密度データ、或いはオーディオ処理部19からの
通常のATRAC圧縮データが供給される。
【0122】従来ミニディスクに対する記録時には、セ
レクタ43が従来ミニディスク側に接続され、ACIR
Cエンコーダ44及びEFM変調部45が機能する。こ
の場合、オーディオ信号であれば、オーディオ処理部1
9からの圧縮データは、ACIRCエンコーダ44でイ
ンターリーブ及びエラー訂正コード付加が行われた後、
EFM変調部45においてEFM変調される。EFM変
調データがセレクタ43を介して磁気ヘッドドライバ4
6に供給され、磁気ヘッド23がディスク90に対して
EFM変調データに基づいた磁界印加を行うことで変調
されたデータが記録される。
【0123】次世代MD1及び次世代MD1に対する記
録時には、セレクタ43が次世代MD1・次世代MD2
側に接続され、RS−LCDエンコーダ47及びRLL
(1−7)PP変調部48が機能する。この場合、メモ
リ転送コントローラ12から送られた高密度データは、
RS−LCDエンコーダ47でインターリーブ及びRS
−LDC方式のエラー訂正コード付加が行われた後、R
LL(1−7)PP変調部48にてRLL(1−7)変
調される。
【0124】RLL(1−7)符号列に変調された記録
データは、セレクタ43を介して磁気ヘッドドライバ4
6に供給され、磁気ヘッド23がディスク90に対して
変調データに基づいた磁界印加を行うことでデータが記
録される。
【0125】レーザドライバ/APC49は、上記のよ
うな再生時及び記録時においてレーザダイオードにレー
ザ発光動作を実行させるが、いわゆるAPC(Automati
c Lazer Power Control)動作も行う。具体的には、図
示しないが、光学ヘッド22内には、レーザパワーモニ
タ用のディテクタが設けられており、このモニタ信号が
レーザドライバ/APC49にフィードバックされるよ
うになっている。レーザドライバ/APC49は、モニ
タ信号として得られた現在のレーザパワーを予め設定さ
れているレーザパワーと比較して、その誤差分をレーザ
駆動信号に反映させることによって、レーザダイオード
から出力されるレーザパワーが設定値で安定化されるよ
うに制御している。ここで、レーザパワーは、ドライブ
コントローラ41によって、再生レーザパワー及び記録
レーザパワーとしての値がレーザドライバ/APC49
内部のレジスタにセットされる。
【0126】ドライブコントローラ41は、システムコ
ントローラ18からの指示に基づいて、以上の各動作
(アクセス、各種サーボ、データ書込、データ読出の各
動作)が実行されるように各構成を制御する。なお、図
14において一点鎖線で囲った各部は、1チップの回路
として構成することもできる。
【0127】ところで、ディスク90が図7のように、
予めデータトラック記録領域とオーディオトラック記録
領域とが分割して領域設定されている場合、システムコ
ントローラ18は、記録再生するデータがオーディオト
ラックかデータトラックかに応じて、設定された記録領
域に基づいたアクセスをメディアドライブ部11のドラ
イブコントローラ41に指示することになる。
【0128】また、装着されたディスク90に対して、
PC用のデータ又はオーディオデータの何れか一方のみ
を記録許可し、これ以外のデータの記録を禁止する制御
を行うようにもできる。すなわち、PC用のデータとオ
ーディオデータとを混在しないように制御することもで
きる。
【0129】したがって、本具体例として示すディスク
ドライブ装置10は、上述した構成を備えることによ
り、従来ミニディスク、次世代MD1及び次世代MD2
の間の互換性を実現できる。
【0130】5.データトラックのセクタ再生処理 以下、上述したディスクドライブ装置10によって、次
世代MD1及び次世代MD2に対する再生処理、記録処
理について説明する。データ領域に対するアクセスで
は、例えば、外部のPC70からディスクドライブ装置
10のシステムコントローラ18に対して、USBイン
ターフェイス16を経由して「論理セクタ(以下、FA
Tセクタと記す。)」単位で記録又は再生する指示が与
えられる。データクラスタは、図8に示したように、P
C70からみれば、2048バイト単位に区切られてU
SNの昇順にFATファイルシステムに基づいて管理さ
れている。一方、ディスク90におけるデータトラック
の最小書換単位は、それぞれ65,536バイトの大き
さを有した次世代MDクラスタであり、この次世代MD
クラスにタは、LCNが与えられている。
【0131】FATにより参照されるデータセクタのサ
イズは、次世代MDクラスタよりも小さい。そのため、
ディスクドライブ装置10では、FATにより参照され
るユーザセクタを物理的なADIPアドレスに変換する
とともに、FATにより参照されるデータセクタ単位で
の読み書きをクラスタバッファメモリ13を用いて、次
世代MDクラスタ単位での読み書きに変換する必要があ
る。
【0132】図15に、PC70からあるFATセクタ
の読出要求があった場合のディスクドライブ装置10に
おけるシステムコントローラ18における処理を示す。
【0133】システムコントローラ18は、USBイン
ターフェイス16を経由してPC70からのFATセク
タ#nの読出命令を受信すると、指定されたFATセク
タ番号#nのFATセクタが含まれる次世代MDクラス
タ番号を求める処理を行う。
【0134】まず、仮の次世代MDクラスタ番号u0を
決定する。次世代MDクラスタの大きさは、65536
バイトであり、FATセクタの大きさは、2048バイ
トであるため、1次世代MDクラスタのなかには、FA
Tセクタは、32個存在する。したがって、FATセク
タ番号(n)を32で整数除算(余りは、切り捨て)し
たもの(u0)が仮の次世代MDクラスタ番号となる。
【0135】続いて、ディスク90から補助メモリ14
に読み込んであるディスク情報を参照して、データ記録
用以外の次世代MDクラスタ数uxを求める。すなわ
ち、セキュアエリアの次世代MDクラスタ数である。
【0136】上述したように、データトラック内の次世
代MDクラスタのなかには、データ記録再生可能なエリ
アとして公開しないクラスタもある。そのため、予め補
助メモリ14に読み込んでおいたディスク情報に基づい
て、非公開のクラスタ数uxを求める。その後、非公開
のクラスタ数uxを次世代MDクラスタ番号u0に加
え、その加算結果uを実際の次世代MDクラスタ番号#
uとする。
【0137】FATセクタ番号#nを含む次世代MDク
ラスタ番号#uが求められると、システムコントローラ
18は、クラスタ番号#uの次世代MDクラスタが既に
ディスク90から読み出されてクラスタバッファメモリ
13に格納されているか否かを判別する。もし格納され
ていなければ、ディスク90からこれを読み出す。
【0138】システムコントローラ18は、読み出した
次世代MDクラスタ番号#uからADIPアドレス#a
を求めることでディスク90から次世代MDクラスタを
読み出している。
【0139】次世代MDクラスタは、ディスク90上で
複数のパーツに分かれて記録されることもある。したが
って、実際に記録されるADIPアドレスを求めるため
には、これらのパーツを順次検索する必要がある。そこ
でまず、補助メモリ14に読み出してあるディスク情報
からデータトラックの先頭パーツに記録されている次世
代MDクラスタ数pと先頭の次世代MDクラスタ番号p
xとを求める。
【0140】各パーツには、ADIPアドレスによって
スタートアドレス/エンドアドレスが記録されているた
め、ADIPクラスタアドレス及びパーツ長から、次世
代MDクラスタ数pと先頭の次世代MDクラスタ番号p
xとを求めることができる。続いて、このパーツに、目
的となっているクラスタ番号#uの次世代MDクラスタ
が含まれているか否かを判別する。含まれていなけれ
ば、次のパーツに移る。すなわち、注目していたパーツ
のリンク情報によって示されるパーツである。以上によ
り、ディスク情報に記述されたパーツを順に検索してい
き、目的の次世代MDクラスタが含まれているパーツを
判別する。
【0141】目標の次世代MDクラスタ(#u)が記録
されたパーツが発見されたら、このパーツの先頭に記録
される次世代MDクラスタ番号pxと、目標の次世代M
Dクラスタ番号#uの差を求めることで、そのパーツ先
頭から目標の次世代MDクラスタ(#u)までのオフセ
ットを得る。
【0142】この場合、1ADIPクラスタには、2つ
の次世代MDクラスタが書き込まれるため、このオフセ
ットを2で割ることによって、オフセットをADIPア
ドレスオフセットfに変換することができる(f=(u
−px)/2)。
【0143】但し、0.5の端数が出た場合は、クラス
タfの中央部から書き込むこととする。最後に、このパ
ーツの先頭ADIPアドレス、すなわちパーツのスター
トアドレスにおけるクラスタアドレス部分にオフセット
fを加えることで、次世代MDクラスタ(#u)を実際
に書き込む記録先のADIPアドレス#aを求めること
ができる。
【0144】以上が、図15のステップS1において再
生開始アドレス及びクラスタ長を設定する処理にあた
る。なお、ここでは、従来ミニディスクか、次世代MD
1か次世代MD2かの媒体の判別は、別の手法により、
既に完了しているものとする。
【0145】ADIPアドレス#aが求められると、シ
ステムコントローラ18は、メディアドライブ部11に
ADIPアドレス#aへのアクセスを命じる。これによ
りメディアドライブ部11では、ドライブコントローラ
41の制御によってADIPアドレス#aへのアクセス
が実行される。
【0146】システムコントローラ18は、図15のス
テップS2において、アクセス完了を待機し、アクセス
が完了したら、ステップS3において、光学ヘッド19
が目標とする再生開始アドレスに到達するまで待機し、
ステップS4において、再生開始アドレスに到達したこ
とを確認すると、ステップS5において、メディアドラ
イブ部11に次世代MDクラスタの1クラスタ分のデー
タ読取開始を指示する。
【0147】メディアドライブ部11では、これに応じ
て、ドライブコントローラ41の制御により、ディスク
90からのデータ読出を開始する。光学ヘッド19、R
Fアンプ24、RLL(1−7)PP復調部35、RS
−LDCデコーダ36の再生系で読み出したデータを出
力し、メモリ転送コントローラ12に供給する。
【0148】このとき、システムコントローラ18は、
ステップS6において、ディスク90との同期がとれて
いるか否かを判別する。ディスク90との同期が外れて
いる場合、ステップS7において、データ読取りエラー
発生の旨の信号を生成する。ステップS8において、再
度読取りを実行すると判別された場合は、ステップS2
からの工程を繰り返す。
【0149】1クラスタ分のデータを取得すると、シス
テムコントローラ18は、ステップS10において、取
得したデータのエラー訂正を開始する。ステップS11
において、取得したデータに誤りあれば、ステップS7
に戻ってデータ読取りエラー発生の旨の信号を生成す
る。また、取得したデータに誤りがなければ、ステップ
S12において、所定のクラスタを取得したか否かを判
別する。所定のクラスタを取得していれば、一連の処理
を終了し、システムコントローラ18は、このメディア
ドライブ部11による読出動作を待機し、読み出されて
メモリ転送コントローラ12に供給されたデータをクラ
スタバッファメモリ13に格納させる。取得していない
場合、ステップS6からの工程を繰り返す。
【0150】クラスタバッファメモリ13に読み込まれ
た次世代MDクラスタの1クラスタ分のデータは、複数
個のFATセクタを含んでいる。そのため、この中から
要求されたFATセクタのデータ格納位置を求め、1F
ATセクタ(2048バイト)分のデータをUSBイン
ターフェイス15から外部のPC70へと送出する。具
体的には、システムコントローラ18は、要求されたF
ATセクタ番号#nから、このセクタが含まれる次世代
MDクラスタ内でのバイトオフセット#bを求める。そ
して、クラスタバッファメモリ13内のバイトオフセッ
ト#bの位置から1FATセクタ(2048バイト)分
のデータを読み出させ、USBインターフェイス15を
介してPC70に転送する。
【0151】以上の処理により、PC70からの1FA
Tセクタの読出要求に応じた次世代MDセクタの読み出
し・転送が実現できる。
【0152】6.データトラックのセクタ書込処理 次に、PC70からあるFATセクタの書込要求があっ
た場合のディスクドライブ装置10におけるシステムコ
ントローラ18の処理を図16に基づいて説明する。
【0153】システムコントローラ18は、USBイン
ターフェイス16を経由してPC70からのFATセク
タ#nの書込命令を受信すると、上述したように指定さ
れたFATセクタ番号#nのFATセクタが含まれる次
世代MDクラスタ番号を求める。
【0154】FATセクタ番号#nを含む次世代MDク
ラスタ番号#uが求められると、続いて、システムコン
トローラ18は、求められたクラスタ番号#uの次世代
MDクラスタが既にディスク90から読み出されてクラ
スタバッファメモリ13に格納されているか否かを判別
する。格納されていなければ、ディスク90からクラス
タ番号uの次世代MDクラスタを読み出す処理を行う。
すなわち、メディアドライブ部11にクラスタ番号#u
の次世代MDクラスタの読出を指示し、読み出された次
世代MDクラスタをクラスタバッファメモリ13に格納
させる。
【0155】また、上述のようにして、システムコント
ローラ18は、書込要求にかかるFATセクタ番号#n
から、このセクタが含まれる次世代MDクラスタ内での
バイトオフセット#bを求める。続いて、PC70から
転送されてくる当該FATセクタ(#n)への書込デー
タとなる2048バイトのデータをUSBインターフェ
イス15を介して受信し、クラスタバッファメモリ13
内のバイトオフセット#bの位置から、1FATセクタ
(2048バイト)分のデータを書き込む。
【0156】これにより、クラスタバッファメモリ13
に格納されている当該次世代MDクラスタ(#u)のデ
ータは、PC70が指定したFATセクタ(#n)のみ
が書き換えられた状態となる。そこでシステムコントロ
ーラ18は、クラスタバッファメモリ13に格納されて
いる次世代MDクラスタ(#u)をディスク90に書き
込む処理を行う。
【0157】以上が、図16のステップS21における
記録データ準備工程である。この場合も同様に、媒体の
判別は、別の手法により既に完了しているものとする。
【0158】続いて、システムコントローラ18は、図
16のステップS22において、書込を行う次世代MD
クラスタ番号#uから、記録開始位置のADIPアドレ
ス#aを設定する。ADIPアドレス#aが求められた
ら、システムコントローラ18は、メディアドライブ部
11にADIPアドレス#aへのアクセスを命じる。こ
れによりメディアドライブ部11では、ドライブコント
ローラ41の制御によってADIPアドレス#aへのア
クセスが実行される。
【0159】ステップS23において、アクセスが完了
したことを確認すると、ステップS24において、シス
テムコントローラ18は、光学ヘッド19が目標とする
再生開始アドレスに到達するまで待機し、ステップS2
5において、データのエンコードアドレスに到達したこ
とを確認すると、ステップS26において、システムコ
ントローラ18は、メモリ転送コントローラ12に指示
して、クラスタバッファメモリ13に格納されている次
世代MDクラスタ(#u)のデータのメディアドライブ
部11への転送を開始する。
【0160】続いて、システムコントローラ18は、ス
テップS27において、記録開始アドレスに到達したこ
とを確認すると、メディアドライブ部11に対しては、
ステップS28において、この次世代MDクラスタのデ
ータのディスク90への書込開始を指示する。このと
き、メディアドライブ部11では、これに応じてドライ
ブコントローラ41の制御により、ディスク90へのデ
ータ書込を開始する。すなわち、メモリ転送コントロー
ラ12から転送されてくるデータについて、RS−LD
Cエンコーダ47、RLL(1−7)PP変調部48、
磁気ヘッドドライバ46、磁気ヘッド23及び光学ヘッ
ド19の記録系でデータ記録を行う。
【0161】このとき、システムコントローラ18は、
ステップS29において、ディスク90との同期がとれ
ているか否かを判別する。ディスク90との同期が外れ
ている場合、ステップS30において、データ読取りエ
ラー発生の旨の信号を生成する。ステップS31におい
て、再度読取りを実行すると判別された場合は、ステッ
プS2からの工程を繰り返す。
【0162】1クラスタ分のデータを取得すると、シス
テムコントローラ18は、ステップS32において、所
定のクラスタを取得したか否かを判別する。所定のクラ
スタを取得していれば、一連の処理を終了する。
【0163】以上の処理により、PC70からの1FA
Tセクタの書込要求に応じた、ディスク90へのFAT
セクタデータの書込が実現される。つまり、FATセク
タ単位の書込は、ディスク90に対しては、次世代MD
クラスタ単位の書換として実行される。
【0164】7.本発明の実施の形態 以上説明したように、既存のMD、次世代MD1、及び
次世代MD2の各フォーマットにおいて、既存のMD及
び次世代MD1については、通常、ピットとグルーブの
深さが同じでかつλ/4n以下で作られているので、上
記図25と共に説明したように、ピットもグルーブもト
ラッキング信号が+となる。それに対して次世代MD2
のグルーブは、上記DWDD方式の再生特性を向上させ
るために、グルーブ深さはλ/4n〜λ/2nで形成さ
れ、極性が逆である。すなわち、既存のMD及び次世代
MD1のピットおよびグルーブにトラッキングがかかる
ようにディスクドライブのトラッキングサーボ系が調整
してある場合、上記次世代MD2ではランドにトラッキ
ングがかかる。
【0165】従って、互換性を有するディスクドライブ
にいずれかのフォーマットのディスクを挿入した場合
に、既存のMD、次世代MD1のトラッキング極性(グ
ルーブ、ピット共に同じトラッキング極性)と、次世代
MD2のトラッキング極性とが異なるため、上述したP
TOC等の再生専用領域の情報が得られなくなる虞があ
る。
【0166】そこで、本発明の第1の実施の形態におい
ては、次世代MD2の光磁気ディスクとして、上記図1
に示したように、再生専用領域210のグルーブ211
の深さd を、データ記録領域220のグルーブ22
1の深さd よりも浅く(d <d )形成し、上
記既存のMD、次世代MD1の光磁気ディスクの再生専
用領域のトラッキング極性に等しくしている。
【0167】この場合、次世代MD2の再生専用領域
(TOC相当部)にはデータ記録を行わないため、グル
ーブ深さd をλ/4n〜λ/2nにする必然性はな
い。そこで再生専用領域のグルーブ深さd をλ/4
n以下とし、これにより次世代MD2の再生専用領域の
トラッキング特性を既存のMD及び次世代MD1と同じ
にできる。
【0168】これによって、既存のMD、次世代MD
1、及び次世代MD2のいずれの光磁気ディスクをディ
スクドライブに挿入した場合でも、再生専用領域のピッ
トあるいはグルーブに対してトラッキングがかかり、こ
の再生専用領域の情報からいずれのフォーマットのディ
スクかを判別でき、次世代MD2の場合にはトラッキン
グ極性を切り替えることにより、データ領域のグルーブ
に対するトラッキングをとることができる。
【0169】次に、上述した本発明の第1の実施の形態
の図1に示すような2種類のグルーブ深さを有する光磁
気ディスクの製造方法について、図17〜図20を参照
しながら説明する。
【0170】図1に示すような2種類のグルーブ深さを
有する光磁気ディスクを製造するためには、ディスク製
造用のスタンパをそのように製作すれば、以後のディス
ク製作工程は従来どおりである。ディスク製造用スタン
パに、上述のような2種類のグルーブ深さを形成するた
めの凸部が形成されるように製作するためには、先ず、
図17に示すように、例えばガラス原板231に塗布す
るレジスト232の厚さは記録部グルーブ深さに合わ
せ、λ/4n〜λ/2nとする。TOC情報等の再生専
用情報が記録される再生専用領域にグルーブを形成する
際はカッティングレーザCLのパワーを絞り、レジスト
232の深さ方向の途中までしか露光しないようにす
る。これによって、図18に示すように、レジスト23
2の深さ方向の途中までが感光部234となり、このよ
うな感光状態のレジストを現像すると、図19に示すよ
うに、再生専用領域のグルーブ236の深さをλ/4n
以下にできる。このグルーブ236が、上記図1に示す
光磁気ディスクのグルーブ211を形成する部分に相当
する。また、データ記録領域にグルーブを形成する際は
レーザパワーを上げ、ガラス原板にまでレーザ光が届く
ようにすることにより、現像後には、図20に示すよう
に、レジスト232の厚さ分のグルーブ237が形成さ
れることになる。このレジスト上に、スタンパを形成す
るための金属をメッキ等により被覆形成し、剥離するこ
とによりスタンパが形成される。なお、実際には、レジ
スト原盤からはメタルマスタが作られ、メタルマスタか
ら複数名のマザーが作られ、マザーから複数枚のスタン
パが作られるわけであるが、これらの工程は通常のディ
スク製造工程と同様であるので、説明を省略する。
【0171】最終的に製造される図1に示すような光磁
気ディスクの再生専用領域210のグルーブ211が図
20のレジスト232のグルーブ236に対応し、図1
のデータ記録領域220のグルーブ221が図20のレ
ジスト232のグルーブ237に対応する。データ記録
領域220に対応する部分のグルーブ237の深さはレ
ジスト232の厚さとなり、安定したグルーブが形成さ
れる。
【0172】次に、本発明の第2の実施の形態となる光
磁気ディスクについて、図21を参照しながら説明す
る。この本発明の第2の実施の形態においては、TOC
該当部等の再生専用領域のグルーブ深さは次世代MD2
のデータ記録領域のグルーブ深さと同じ(あるいは同じ
トラッキング極性で異なる深さでも原理的にはかまわな
い)とし、ランドの両脇(両側壁)が同じウォブル状態
となるようにランドを形成するものである。
【0173】すなわち、図21は、本発明の第2の実施
の形態となる光磁気ディスクの要部を拡大して示し、
(A)は概略平面図、(B)は概略断面図である。この
図21において、ディスク最内周側の再生専用領域21
0には、データ記録領域220に形成されたグルーブ2
21の深さと同じ深さ(高さ)のランド213を形成
し、このランド213の両脇(両側壁)が同じウォブル
状態となるように形成することにより、ランド213に
対するトラッキング極性が、互換性を有する他のフォー
マット(既存の第1世代MDや次世代MD1)の光磁気
ディスクの再生専用領域のピットのトラッキング極性に
等しくなるようにしている。すなわち、第1世代MDや
次世代MD1のピットに対して極性が逆であるため、ラ
ンドにトラッキングがかかるが、ランドにウォブルが形
成されているため、ウォブルとして記録されているTO
C相当情報等の再生専用情報は再生できる。
【0174】これにより、既存の第1世代MDや次世代
MD1のグルーブやピットに対してトラッキング極性が
合わされたディスクドライブに次世代MD2を挿入し
て、再生専用領域をアクセスしたときに、ランドに対し
てトラッキングがとられ、TOC相当情報等の再生専用
情報を読み取ることができる。
【0175】ところで、この第2の実施の形態の光磁気
ディスクを通常の方法で製造する場合には、スタンパ製
作時のレーザはグルーブに照射されるので、ランドの両
脇のウォブル状態をそろえるのは技術的に難しい。そこ
で、次の第3の実施の形態のように、片側ウォブルとす
ることが挙げられる。
【0176】図22は、本発明の第3の実施の形態とな
る光磁気ディスクの要部を拡大して示し、(A)は概略
平面図、(B)は概略断面図である。この本発明の第3
の実施の形態においては、TOC該当部等の再生専用領
域のグルーブ深さは次世代MD2のデータ記録領域のグ
ルーブと同じ深さ(あるいは同じトラッキング極性で異
なる深さ)とし、ランドの片側あるいはグルーブの片側
(一方の側壁)のみウォブルさせてTOC相当情報等の
再生専用情報を書き込んでいる。
【0177】すなわち、図22において、ディスク最内
周側の再生専用領域210には、データ記録領域220
に形成されたグルーブ221の深さと同じ深さのグルー
ブ216(すなわち、同じ高さのランド215)を形成
し、このグルーブ216の片側(ランド215の片側)
のみをウォブルさせるように形成している。すでに、片
側ウォブルのグルーブを形成する技術は確立されてお
り、「片側ウォブルのグルーブ216を形成」すること
は、結果的に「片側ウォブルのランド215を形成」す
ることと同義である。この場合、グルーブのトラッキン
グ極性は、第1世代MDや次世代MD1のピットに対し
て極性が逆であるため、ランドにトラッキングがかかる
が、ランドの片側にウォブルが形成されているため、ウ
ォブルとして記録されているTOC相当情報等の再生専
用情報が再生できる。
【0178】以上説明したような本発明の実施の形態に
よれば、互換性を有するディスクドライブに対して、既
存の第1世代MD、次世代MD1、及び次世代MD2の
うちのいずれの光磁気ディスクが挿入された場合でも、
PTOC等に相当する再生専用領域に対して有効にトラ
ッキングがかかり、TOC相当情報等の再生専用情報を
直ちに読み取ることができる。すなわち、上記PTOC
のようなピット信号が再生されるか、グルーブのウォブ
ル信号が再生されるかで即座に第1世代MD、次世代M
D1、又は次世代MD2のいずれであるかを判別でき
る。
【0179】なお、本発明は、上述した実施の形態のみ
に限定されるものではなく、例えば、上述した実施の形
態では、グルーブ記録の場合について説明したが、ラン
ド記録の場合も同様に本発明を適用できることは勿論で
ある。また、本発明の実施の形態においては、いわゆる
ミニディスクMD(登録商標)における次世代MD2の
場合について説明したが、この他、種々の光磁気ディス
クや他の記録可能なディスク状記録媒体に本発明を適用
できることは勿論である。
【0180】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、トラッキングサーボ用のグルーブ又はランドを有
し、再生専用領域とデータ記録領域とを有するディスク
状記録媒体において、上記再生専用領域のトラッキング
極性と上記データ記録領域のトラッキング極性とを異な
らせて成ることにより、例えば、上記再生専用領域のト
ラッキング極性を他のフォーマットのディスク状記録媒
体の再生専用領域のトラッキング極性に等しくするする
ことができ、ディスクドライブが挿入されたディスク状
記録媒体の再生専用領域をアクセスする際に、トラッキ
ングサーボの極性を他のフォーマットのディスク状記録
媒体に対するトラッキングサーボの極性のままで再生専
用領域の情報を読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の要部を示す概略断
面図である。
【図2】第1世代(既存)MD、次世代MD1、次世代
MD2の仕様を示す図である。
【図3】次世代MD1及び次世代MD2のBISを含む
データブロック構成を示す図である。
【図4】次世代MD1及び次世代MD2のデータブロッ
クに対するECCフォーマットを示す図である。
【図5】次世代MD1の盤面上のエリア構造例を模式的
に示した図である。
【図6】次世代MD2の盤面上のエリア構造例を模式的
に示した図である。
【図7】次世代MD1及び次世代MD2に音楽データ用
のオーディオトラックとデータトラックとを混在記録可
能とするエリア構造例を示した図である。
【図8】次世代MD1のデータ管理構造を示した図であ
る。
【図9】次世代MD2のデータ管理構造を示した図であ
る。
【図10】次世代MD1及び次世代MD2のADIPセ
クタ構造とデータブロックとの関係を示す図である。
【図11】ADIPのデータ構造を示す図である。
【図12】次世代MD2のADIP信号にディスクコン
トロール信号を埋め込む処理を説明するための図であ
る。
【図13】ディスクドライブ装置の構成を示すブロック
図である。
【図14】メディアドライブ部の内部構成を示すブロッ
ク図である。
【図15】PCからあるFATセクタの読出要求があっ
た場合のディスクドライブ装置におけるシステムコント
ローラにおける処理を示すフローチャートである。
【図16】PCからあるFATセクタの書込要求があっ
た場合のディスクドライブ装置におけるシステムコント
ローラの処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第1の実施の形態となる光磁気ディ
スクを製造する際のレーザ露光工程を示す概略断面図で
ある。
【図18】本発明の第1の実施の形態となる光磁気ディ
スクを製造する工程における感光部を示す概略断面図で
ある。
【図19】本発明の第1の実施の形態となる光磁気ディ
スクを製造する工程における現像後の状態を示す概略断
面図である。
【図20】本発明の第1の実施の形態となる光磁気ディ
スクを製造する工程における現像後の再生専用領域及び
データ記録領域を示す概略断面図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態の要部を示す概略
断面図である。
【図22】本発明の第3の実施の形態の要部を示す概略
断面図である。
【図23】磁壁移動型超解像(DWDD)再生方式の光
磁気ディスクの再生動作を説明するための概略断面図及
び温度分布図である。
【図24】磁壁移動型超解像(DWDD)再生方式の光
磁気ディスクのビームスポットと記録マークとの関係を
示す概略平面図である。
【図25】グルーブ深さに対するトラッキングエラー信
号の振幅を極性と共に示した図である。
【符号の説明】
210 再生専用領域、 211,216,221 グ
ルーブ、 213,215 ランド、 220 データ
記録領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 11/105 516 G11B 11/105 516K 521 521F

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トラッキングサーボ用のグルーブ又はラ
    ンドを有し、再生専用領域とデータ記録領域とを有する
    ディスク状記録媒体において、 上記再生専用領域のトラッキング極性と上記データ記録
    領域のトラッキング極性とを異ならせて成ることを特徴
    とするディスク状記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記ディスク状記録媒体は、磁壁移動型
    超解像再生方式により再生される光磁気ディスクである
    ことを特徴とする請求項1記載のディスク状記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記トラッキングサーボ用のグルーブ又
    はランドについてのディスク面垂直方向の高さとして、
    上記再生専用領域の高さを、上記データ記録領域の高さ
    よりも低く形成し、上記再生専用領域のトラッキング極
    性を、互換性を有する他のフォーマットのディスク状記
    録媒体の再生専用領域のトラッキング極性に等しくする
    ことを特徴とする請求項1記載のディスク状記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記トラッキングサーボ用のグルーブ又
    はランドについてのディスク面垂直方向の高さとして、
    上記再生専用領域の高さを、上記データ記録領域の高さ
    に等しく形成し、上記再生専用領域のランド又はグルー
    ブの両側をウォブルさせて再生専用情報を書き込むこと
    により、該再生専用領域のランド又はグルーブのトラッ
    キング極性を、互換性を有する他のフォーマットのディ
    スク状記録媒体の再生専用領域のグルーブ又はランドの
    トラッキング極性に等しくすることを特徴とする請求項
    1記載のディスク状記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記トラッキングサーボ用のグルーブ又
    はランドについてのディスク面垂直方向の高さとして、
    上記再生専用領域の高さを、上記データ記録領域の高さ
    に等しく形成し、上記再生専用領域のグルーブ又はラン
    ドの片側をウォブルさせて再生専用情報を書き込むこと
    により、該再生専用領域のランド又はグルーブのトラッ
    キング極性を、互換性を有する他のフォーマットのディ
    スク状記録媒体の再生専用領域のグルーブ又はランドの
    トラッキング極性に等しくすることを特徴とする請求項
    1記載のディスク状記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018032463A (ja) * 2013-09-30 2018-03-01 シャープ株式会社 情報記録媒体および再生装置

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JP2018032463A (ja) * 2013-09-30 2018-03-01 シャープ株式会社 情報記録媒体および再生装置

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