JP2003321956A - シリンダー錠 - Google Patents

シリンダー錠

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JP2003321956A
JP2003321956A JP2002130729A JP2002130729A JP2003321956A JP 2003321956 A JP2003321956 A JP 2003321956A JP 2002130729 A JP2002130729 A JP 2002130729A JP 2002130729 A JP2002130729 A JP 2002130729A JP 2003321956 A JP2003321956 A JP 2003321956A
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大地 堀江
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピッキングによるロック解除が困難な全く新
しいタイプのシリンダー錠を提供する。 【解決手段】 回転筒18と、該回転筒を収容するシリ
ンダー部材12と、回転筒をシリンダー部材内において
回転方向に位置決めするための位置決め部材30、32
と、を具備するシリンダー錠10に関する。シリンダー
錠10では、回転筒は鍵通路34を有し且つ少なくとも
二つの回転筒部分20、22に分割され、各回転筒部分
はシリンダー部材内で回転可能であり、これら回転筒部
分の少なくとも一つに少なくとも一つの貫通孔が設けら
れる。シリンダー部材に回転筒部分の貫通孔に対応する
位置決め穴が設けられ、これら貫通孔および位置決め穴
内で摺動可能な位置決め部材が貫通孔と位置決め穴とに
亘って配置されることによって回転筒がシリンダー部材
内において回転方向に位置決めされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダー錠に関
し、特に、ピッキングによるロック解除が困難なシリン
ダー錠に関する。
【0002】
【従来の技術】ピッキング防止の効果を高めたシリンダ
ー錠に関するものとしては、特開2001−26288
0号公報がある。このシリンダー錠は、概して、回転筒
と該回転筒を収容するシリンダー部材とから成る。この
回転筒は、該回転筒の軸線方向に延びる鍵通路と回転筒
の軸線方向に離間して整列せしめられた複数の貫通孔を
有し、この貫通孔内に板状タンブラが挿入されている。
一方、シリンダー部材には、該シリンダーの軸線方向に
前記貫通孔に対応するように離間されて整列せしめられ
た位置決め穴を有し、この位置決め穴に板状タンブラが
進入することにより回転筒がシリンダー部材内で回転方
向に位置決めされる。
【0003】使用時には、通常の状態では、回転筒内に
配置された板状タンブラがシリンダー部材の位置決め穴
に進入しているため、回転筒はシリンダー部材内で回転
方向に位置決めされ、「ロック」されている。一方、鍵
通路に鍵が進入すると、この鍵により、位置決め穴に進
入していた板状タンブラが回転筒の貫通孔内に戻され
る。これにより、回転筒はシリンダー部材内で回転方向
に自由に移動することができるようになり、「ロック解
除」される。
【0004】また、このシリンダー錠では、ピッキング
を防止する目的で板状タンブラがシリンダー部材の軸線
方向に対して垂直な二つの方向に付勢されている。通
常、ピッキングを行う場合には、「ピック」と呼ばれる
工具で鍵が挿入されたときと同様に、位置決め穴に進入
していた板状タンブラを貫通孔内に戻すことによってロ
ック解除を行うが、上記シリンダー錠では板状タンブラ
を二つの方向に付勢することによりこのロック解除を困
難にしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように従来のピッ
キング防止を目的としたシリンダー錠では、位置決め穴
に進入しているタンブラをピックで貫通孔内に戻すのを
困難にすることによってシリンダー錠のロック解除を困
難にしている。
【0006】ところで、ピッキングを行う場合には、通
常、「テンション」と呼ばれる工具を用いて回転筒にこ
の回転筒の回転方向の力(以下、回転力と称す)を加え
ながら行われる。一般に、位置決め穴に進入しているタ
ンブラを一度に全てピックで貫通孔に戻すことはできな
いため、一つずつタンブラを貫通孔に戻す操作が行われ
るが、貫通孔に戻ったタンブラをその位置に維持するた
めに回転筒に回転力が加えられるのである。
【0007】ところが、上述したように、ピッキングに
おいて回転筒全体に回転力を加えることは必須条件であ
るにも拘らず、従来からタンブラをピックで貫通孔内に
戻すのを困難にすることによってシリンダー錠のロック
解除を困難にしたシリンダー錠は存在するが、回転筒全
体に回転力を加えることを防止することによってピッキ
ングによるシリンダー錠のロック解除を困難にしたシリ
ンダー錠は存在しなかった。
【0008】すなわち、本発明は、回転筒全体に回転力
を加えることを防止することによって、ピッキングによ
るシリンダー錠のロック解除を困難にした全く新しいタ
イプのシリンダー錠を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
するために、本発明は、回転筒全体の鍵通路が鍵を案内
する方向に分割されていることを特徴とする。
【0010】より具体的には、本発明は、以下のものを
提供する。
【0011】(1) 円筒状の回転筒が鍵を案内するよ
うに延びる鍵通路を有し、かつ、当該回転筒全体の鍵通
路が鍵を案内する方向に分割されていることを特徴とす
るシリンダー錠。
【0012】本発明によれば、円筒状の回転筒を有する
シリンダー錠において、回転筒が分割されている、より
具体的には、回転筒全体の鍵通路が鍵を案内する方向に
分割されているので、ピッキングによって、回転筒全体
に回転力が加えられることを防止することができる。
【0013】(2) 円筒状の回転筒と、前記回転筒を
収容するシリンダー部材と、前記回転筒を前記シリンダ
ー部材内において回転方向に位置決めするための位置決
め部材と、を具備するシリンダー錠において、前記回転
筒は、鍵を案内するように延びる鍵通路を有し、かつ、
当該回転筒全体の鍵通路が鍵を案内する方向に分割され
るように少なくとも二つの回転筒部分に分割され、各回
転筒部分はシリンダー部材内で該シリンダー部材の軸線
回りで回転可能であり、「最も鍵挿入側に配置された回
転筒部分」以外の回転筒部分のうち少なくとも一つの回
転筒部分に、前記鍵通路から回転筒の外周面まで延びる
少なくとも一つの貫通孔が設けられると共に、シリンダ
ー部材に前記回転筒部分の貫通孔に対応する位置決め穴
が設けられ、これら回転筒部分及びシリンダー部材内に
それぞれ設けられた貫通孔及び位置決め穴内で摺動可能
な前記位置決め部材が、前記貫通孔と前記位置決め穴と
に亘って配置されることによって、前記回転筒が前記シ
リンダー部材内において回転方向に位置決めされるシリ
ンダー錠。
【0014】一般的なシリンダー錠は、鍵通路を有する
円筒状の回転筒と、この回転筒を収容するシリンダー部
材と、回転筒をシリンダー部材内において回転方向に位
置決めするための位置決め部材と、を具備し、回転筒に
形成され且つ鍵通路に通じる貫通孔とシリンダー部材に
形成された位置決め穴とに亘って位置決め部材が配置さ
れたときに回転筒がシリンダー部材内において回転方向
に位置決めされ、回転筒がロックされていた。
【0015】このような一般的なシリンダー錠をピッキ
ングする場合、「テンション」と呼ばれる工具で回転筒
に回転力を加えつつ、「ピック」と呼ばれる工具で貫通
孔と位置決め穴とに亘って配置された位置決め部材を一
つずつ貫通孔内または位置決め穴内に完全に収容される
ように移動させることによって、シリンダー錠のロック
解除が行われていた。回転筒に回転力を加える理由は、
貫通孔と位置決め穴とに亘って配置された位置決め部材
を一度に全て貫通孔内または位置決め穴内に完全に収容
されるように移動させることはできないため、貫通孔内
または位置決め穴内に完全に収容されるように移動され
たタンブラをその位置に維持するためである。なお、
「テンション」とは垂直に曲がった先端部と手持ち部を
有する細長い板状の工具であり、テンションで回転筒に
回転力を加えるには鍵進入側近傍の回転筒の鍵通路にテ
ンションの先端部を進入させて、鍵通路の両側面にテン
ションの先端部を当接させつつ手持ち部に力を加える。
これにより、テコの原理で回転筒に回転力を加えること
ができる。
【0016】これに対して本発明によるシリンダー錠で
は、回転筒は回転筒全体の鍵通路が鍵を案内する方向に
分割されるように少なくとも二つの回転筒部分に分割さ
れる。したがって、本発明のシリンダー錠の鍵通路にテ
ンションの先端部を進入させても、テンションの先端部
は「最も鍵進入側に配置された回転筒部分」の鍵通路の
両側面にしか当接せず、よってテンションの先端部を進
入させて手持ち部に力を加えても、「最も鍵進入側に配
置された回転筒部分」のみにしか回転力が加わらず、そ
れ以外の回転筒部分には回転力が加えられない。
【0017】また、ピッキングを行うには回転筒に加え
る回転力の微妙な調整が必要である。これに対して、本
発明のシリンダー錠では、テンションの先端部が「最も
鍵進入側に配置された回転筒部分」以外の回転筒部分の
鍵通路に進入したとしても、鍵通路に対するテンション
の先端部の角度やテンションの手持ち部分に加える力加
減の微妙な調整が必要になるため、全ての回転筒部分に
加える回転力を微妙に調整するのは困難である。
【0018】さらに、従来のピッキング対策を施したシ
リンダー錠は機構が複雑であり、部品点数も多い。これ
に対して、本発明のシリンダー錠は非常に構造が簡単で
あり、また、基本的なシリンダー錠に必要な部品だけで
構成されるため部品点数が少ない。極端に言えば、本発
明のシリンダー錠を製造するには、従来から存在するシ
リンダー錠の回転筒を切断するだけでよいため、本発明
のシリンダー錠を製造するのに新たな製造ラインを新設
する必要はなく、従来の製造ラインに回転筒を切断する
という簡単な行程を加えるだけでよい。すなわち、従来
の製造ラインを廃棄せずに利用し、さらに簡単な行程を
加えるだけで本発明のシリンダー錠を製造することがで
きる。
【0019】(3) 各回転筒部分に少なくとも一つの
貫通孔が設けられ、前記位置決め穴は、各位置決め部材
が各回転筒部分の貫通孔とシリンダー部材の位置決め穴
とに亘って配置されたときに、全ての回転筒部分の鍵通
路が直線状に延びるように配置されることを特徴とする
(2)に記載のシリンダー錠。
【0020】本発明によれば、各位置決め部材が各回転
筒部分の貫通孔とシリンダー部材の位置決め穴とに亘っ
て配置されたときに、全ての回転筒部分の鍵通路が直線
状に延びる。すなわち、各回転筒部分が回転方向に位置
決めされたときに、隣り合った回転筒部分の対面する鍵
通路の形状は一致する。このため、全ての回転筒部分が
位置決めされているときには、これら回転筒部分に設け
られた鍵通路に鍵を進入させるのが容易となる
【0021】(4) 前記回転筒が少なくとも三つの回
転筒部分に分割されることを特徴とする(1)から
(3)のいずれかに記載のシリンダー錠。
【0022】上述したように、ピッキングを行うには回
転筒に加える回転力の微妙な調整が必要である。これに
対して、本発明のシリンダー錠では、回転筒がより多く
の回転筒部分に分割されることにより、全ての回転筒部
分に加える回転力を微妙に調整するのが非常に困難とな
る。
【0023】(5) 「最も鍵挿入側に配置された回転
筒部分」以外の回転筒部分であって、貫通孔が設けられ
た回転筒部分のうち少なくとも一つの回転筒部分の鍵通
路の幅が、「最も鍵挿入側に配置された回転筒部分」の
鍵通路の幅よりも広いことを特徴とする(1)から
(4)のいずれかに記載のシリンダー錠。
【0024】上述したように回転筒部分に回転力を加え
る場合、テンションの先端部を鍵通路に進入させて回転
筒部分の鍵通路の両側面に当接させることによって行わ
れる。これに対して、本発明のシリンダー錠では、鍵通
路の幅が最も鍵挿入側に配置された回転筒部分の鍵通路
の幅よりも広い回転筒部分が存在する。したがって、テ
ンションの先端部が最も鍵挿入側に配置された回転筒部
分の鍵通路の両側面に当接しても、鍵通路の幅が広い回
転筒部分ではテンションの先端部は鍵通路の両側面に当
接せず、よって鍵通路の幅が広い回転筒部分には回転力
を加えることができないこととなる。
【0025】(6) 前記位置決め部材がピン状タンブ
ラ又は板状タンブラであることを特徴とする(2)から
(5)のいずれかに記載のシリンダー錠。本発明によれ
ば、従来からシリンダー錠の位置決め部材としてピン状
タンブラが用いられているため、従来のシリンダー錠を
利用することができ、また、従来からシリンダー錠の位
置決め部材として板状タンブラが用いられているため、
従来のシリンダー錠を利用することができる。
【0026】
【発明の実施の形態1】図1から図3を参照して、本発
明のシリンダー錠10の第1の実施形態について説明す
る。
【0027】ここで、図1は、鍵通路に鍵が進入してい
ない状態の本発明のシリンダー錠10の断面図であり、
図2は、図1のシリンダー錠10の側面図であり、図3
は、鍵通路に鍵が進入している状態の図1と同様なシリ
ンダー錠1の断面図である。
【0028】図1に示したように、シリンダー錠10
は、シリンダー部材12と、このシリンダー部材12の
円筒状のシリンダー空間14に収容された円筒状の回転
筒18と、を有する。回転筒18は、2つの円筒状の回
転筒部分20、22を有し、これら第一回転筒部分20
と第二回転筒部分22とは、シリンダー空間14の軸線
方向に並べて配置される。これら回転筒部分20、22
は、それぞれ鍵を案内するように延びる鍵通路24を有
する。これら鍵通路24は、各回転筒部分20、22を
その軸線方向に貫通するように延びる。
【0029】本実施形態では、図1及び図3に示したよ
うに鍵が進入する側に第一回転筒部分20が配置され、
鍵が進入する側とは反対側に第二回転筒部分22が配置
される。各回転筒部分20、22の鍵通路24内には、
鍵通路24の側面から垂直に鍵案内部材26が突出し、
この鍵案内部材26は鍵通路24と平行に延びる。
【0030】さらに、各回転筒部分20、22は、鍵通
路24から各回転筒部分20、22の外周面に向かって
延びる一つまたはそれ以上の貫通孔30を有する。より
詳細には、これら貫通孔30は、鍵通路24の鍵案内方
向とは垂直な方向の断面において、中央近傍に位置する
端部31から各回転筒部分20、22の外周面まで貫通
する。本実施形態では、第一回転筒部分20に一つの貫
通孔30が設けられ、第二回転筒部分22に三つの貫通
孔30が設けられ、各貫通孔30は各回転筒部分20、
22の軸線方向に対して垂直な方向に延びる。これら貫
通孔30は回転筒18の軸線方向に等間隔に離間されて
平行に配置される。
【0031】一方、シリンダー部材12は、シリンダー
空間14から延びる位置決め穴32を有する。本実施形
態では、位置決め穴32は、シリンダー部材12に収容
される回転筒部分20、22の軸線方向に対して垂直な
方向に延びる。位置決め穴32は、全ての回転筒部分2
0、22に設けられた貫通孔30の数と同じ数だけ設け
られる。そして、これら位置決め穴32は、貫通孔30
に対応するように回転筒18の軸線方向に等間隔に離間
されて平行に配置される。
【0032】各貫通孔30及びこの貫通孔30に対応す
る位置決め穴32内には、これら貫通孔30及び位置決
め穴32内で摺動可能な二つのピン状タンブラ40、4
2が位置決め部材として配置される。より詳細には、第
一ピン状タンブラ40が回転筒部分20、22側に配置
され、第二ピン状タンブラ42がシリンダー部材12側
に配置され、第一ピン状タンブラ40のシリンダー部材
12側の端面と第二ピン状タンブラ42の回転筒部分2
0、22側の端面とは互いに当接する。各第二ピン状タ
ンブラ42のシリンダー部材12側には、付勢手段とし
てバネ44が配置され、これらバネ44は第一ピン状タ
ンブラ40と第二ピン状タンブラ42とを回転筒部分2
0、22の方向に付勢する。
【0033】第一ピン状タンブラ40の摺動方向の長さ
は各第一ピン状タンブラ40毎に異なり、各第二ピン状
タンブラ42の摺動方向の長さはピン状タンブラ40、
42が最も貫通孔30の端部31側に位置するときに、
回転筒部分20、22に設けられた貫通孔30とシリン
ダー部材12に設けられた位置決め穴32とに亘って延
びるような長さである。このため、図1に示したように
鍵通路24に鍵16が進入していない状態のときには、
バネ44によって第一ピン状タンブラ40と第二ピン状
タンブラ42とが回転筒部分20、22に付勢され、第
二ピン状タンブラ42が貫通孔30と位置決め穴32と
に亘って延びる。これにより、回転筒部分20、22は
シリンダー部材12内で回転方向に位置決めされ、シリ
ンダー部材12に対して「ロック」される。
【0034】一方、図3に示したように、鍵通路24に
鍵16が進入すると、この鍵16によりバネ32によっ
て付勢されていた第一ピン状タンブラ40及び第二ピン
状タンブラ42がシリンダー部材12の方へ移動せしめ
られる。このとき、鍵16によって移動せしめられる距
離は、第一ピン状タンブラ40と第二ピン状タンブラ4
2との当接位置が回転筒部分20、22とシリンダー部
材12との境界にくるような距離であるため、回転筒部
分20はシリンダー部材12内で回転方向に自由に移動
することができるようになる。こうして、回転筒部分2
0、22はシリンダー部材12に対して「ロック解除」
される。このとき、第一回転筒部分20及び第二回転筒
部分22の鍵通路24に鍵16が進入しているため、こ
れら回転筒部分20、22が別々の方向に回転してしま
うことはなく、同一方向に同じだけ回転せしめられる。
【0035】ところで、従来のシリンダー錠では回転筒
は分割されておらず一体的である。このような一般的な
シリンダー錠をピッキングする場合、「テンション」と
呼ばれる工具で回転筒に回転力を加えつつ、「ピック」
と呼ばれる工具で第一ピン状タンブラと第二ピン状タン
ブラとの当接位置が回転筒とシリンダー部材との境界に
くるようにタンブラを移動させることよってシリンダー
錠のロック解除が行われていた。言い換えると、テンシ
ョン50によって回転筒に回転力を加え、ピックによっ
てタンブラを移動させなければピッキングによってシリ
ンダー錠のロック解除を行うことができない。なお、テ
ンション50とは図4に示したような垂直に曲がった先
端部52と手持ち部54を有する細長い板状の工具であ
り、このテンション50を鍵進入側近傍の回転筒の鍵通
路にテンション50の先端部52を進入させて、鍵通路
の両側面にテンション50の先端部の側部56、58を
当接させつつ手持ち部54に力を加えることによって、
回転筒に回転力が加えられる。
【0036】一方、従来のピッキング対策を施したシリ
ンダー錠では、ピックによってタンブラを移動させるの
を困難にさせることを目的としていた。したがって、こ
のようなシリンダー錠ではタンブラが二方向に付勢され
たり、タンブラが複雑な形状となったりしていた。とこ
ろが、このような方法でピッキング対策を施すとシリン
ダー錠の構造が複雑になり、且つ部品点数が増えたり加
工しにくくなったりすることによって製造コストが高く
なってしまっていた。
【0037】これに対して本発明の実施の形態に係るシ
リンダー錠10では、回転筒18は(少なくとも)二つ
の回転筒部分20、22に分割されている。したがっ
て、図5及び図6に示したように、本発明のシリンダー
錠10の鍵通路24にテンション50の先端部52を進
入させても、テンション50の先端部52の両側部5
6、58は第一回転筒部分20の鍵通路24の両側面に
しか当接しない。このため、テンション50の先端部5
2を進入させて手持ち部54に力を加えても、第一回転
筒部分20のみにしか回転力が加わらず、第二回転筒部
分22には回転力が加えられない。第二回転筒部分22
をピッキングによって自由に回転可能な状態にするため
には、第二回転筒部分22にも回転力を加えなければな
らない。よって本発明のシリンダー錠10では従来から
ピッキングに用いられているテンションではピッキング
によって回転筒18のロック解除を行うことが防止され
る。
【0038】また、例えばテンション50を鍵通路24
内に進入させたときに、先端部52が第二回転筒部分2
2に到達する程、先端部52が長いテンション50を用
いた場合について考える。通常、ピッキングを行うとき
に回転筒に加える回転力は微妙な調整が必要である。
【0039】すなわち、回転筒に加える回転力が大きす
ぎても小さすぎても、回転筒をロック解除させることは
できない。ここで、本発明の実施の形態に係るシリンダ
ー錠10では回転筒18が分割されている。よって、上
述した長いテンション50を用いたとしても、鍵通路2
4に対するテンション50の先端部52の角度や、テン
ション50の手持ち部分54に加える力加減の微妙な調
整が必要になるため、第一回転筒部分20と第二回転筒
部分22とに加える回転力を適切な回転力に調整するの
は困難である。こうして長いテンション50が用いられ
たとしても、ピッキングによって回転筒18のロック解
除を行うことが防止される。
【0040】このように本発明の実施の形態に係るシリ
ンダー錠10では、回転筒部分20、22に回転力を加
えさせないことや、全ての回転筒部分20、22に加え
る回転力を微妙に調整するのを困難にすることにより、
全く新しいピッキング対策によってロック解除が防止さ
れる。
【0041】次に、本発明の利点について説明する。上
述したように従来のピッキング対策を施したシリンダー
錠は機構が複雑であり、部品点数も多い。これに対して
本発明のシリンダー錠は従来の最も単純な機構のシリン
ダー錠を切断しただけであるので、非常に構造が簡単で
あり、部品点数が少ない。さらに、本発明のシリンダー
錠を製造するのに新たな製造ラインを新設する必要はな
く、従来の製造ラインに回転筒を切断するという簡単な
行程を加えるだけでよい。すなわち、従来の製造ライン
を廃棄せずに利用し、さらに簡単な行程を加えるだけで
本発明のシリンダー錠を製造することができる。その
上、タンブラに関して変更を加えることによってピッキ
ング対策を施した従来のシリンダー錠にも、切断するだ
けでより強力なピッキング対策を施すことができる。
【0042】なお、上記第1の実施の形態では、回転筒
18は二つの回転筒部分20、22に分割されている
が、分割する数は二つ以上であればいくつでもよい。特
に、回転筒18を三つ以上の回転筒部分に分割すること
により、先端部52が長いテンション50で全ての回転
筒部分に加える回転力を微妙に調整するのが非常に困難
となる。この場合、各回転筒部分に少なくとも一つの貫
通孔30が設けられ、第二ピン状タンブラ42の各回転
筒部分の貫通孔30とシリンダー部材の位置決め穴32
とに亘って配置されたときに全ての回転筒部分の鍵通路
24が直線状に延びるのが好ましい。これにより、タン
ブラ42によって全ての回転筒部分が位置決めされてい
るときには、これら回転筒部分に設けられた鍵通路24
に鍵を進入させるのが容易である。
【0043】また、上記第1の実施の形態では、第一回
転筒部分20に一つ、第二回転筒部分22に三つの貫通
孔30が設けられているが、少なくとも一つの貫通孔3
0が「最も鍵進入側に配置された回転筒部分」以外の回
転筒部分に設けられていれば各回転筒部分に設けられる
貫通孔30の個数は幾つであっても構わない。
【0044】さらに、上記第1の実施の形態では、貫通
孔30、位置決め穴32は等間隔に離間されて平行に配
置されているが、これら貫通孔、位置決め穴は等間隔に
離間されていなくてもよいし、平行に配置されていなく
てもよい。
【0045】また、上記第1の実施の形態では、位置決
め部材として各貫通孔30と位置決め穴32とに二つの
ピン状タンブラが配置されているが、これらピン状タン
ブラは二つでなく、三つ以上であってもよい。また位置
決め部材はピン状でなく、従来から用いられている板状
タンブラであってもよい。
【0046】
【発明の実施の形態2】次に、図7及び図8を参照して
本発明の第2の実施の形態に係るシリンダー錠60につ
いて説明する。なお、図7は第2の実施の形態に係るシ
リンダー錠の断面図であり、図8は第2の実施の形態に
係るシリンダー錠に用いられる回転筒部分の正面図であ
る。
【0047】図7に示したように、第2の実施の形態に
係るシリンダー錠60は、第1の実施の形態に係るシリ
ンダー錠10と同様な構成であるが、回転筒部分が第1
の実施の形態に係るシリンダー錠10と異なる。
【0048】すなわち、本実施の形態に係るシリンダー
錠60では、シリンダー部材12のシリンダー空間14
には三つの回転筒部分62、64、66が収容され、こ
れら第一回転筒部分62、第二回転筒部分64、第三回
転筒部分66はシリンダー空間14の軸線方向に鍵16
が進入する側から順に配置される。これら回転筒部分6
2、64、66のうち第一回転筒部分62及び第三回転
筒部分66は、第1の実施の形態の鍵通路24と同様な
鍵通路70を有する。これに対して図8に示したよう
に、第二回転筒部分64は鍵通路70よりも幅が広い鍵
通路72を有する。ここで、鍵通路70、72の幅とは
鍵の進入方向とは垂直な鍵通路の断面において、端部の
間の距離が短い方の両端の間の距離であり、あるいは鍵
通路70、72に進入する鍵16の厚さ方向に対応する
方向の鍵通路70、72の長さである。
【0049】ところで、上述したように分割された回転
筒部分それぞれに回転力を加える場合、先端部の長いテ
ンション50の先端部52を鍵通路に進入させて回転筒
部分の鍵通路の両側面に当接させることによって行われ
る。これに対して、第2の実施の形態に係るシリンダー
錠60では、テンション50の先端部52は、第一回転
筒部分62の鍵通路70及び第三回転筒部分66の鍵通
路70の両側面に当接するが、第二回転筒部分64の鍵
通路72の幅が第一回転筒部分62及び第三回転筒部分
66の鍵通路70の幅よりも広いため、第二回転筒部分
64の鍵通路72の両側面には当接しない。このため、
テンション50によって第二回転筒部分64に回転力を
加えることはできず、よってピッキングによってシリン
ダー錠60のロック解除を行うことが防止される。
【0050】なお、本実施の形態では、三つの回転筒部
分のうち中央の回転筒部分の鍵通路の幅が広げられてい
るが、回転筒部分は三つでなくてもよく、また鍵通路の
幅が広げられる回転筒部分は最も鍵進入側に配置されて
いなければどこに配置されてもよい。また、二つ以上の
回転筒部分の鍵通路の幅を広げる場合、これら幅は同一
でなくてもよく、異なった広さにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、回転筒部分に回転力を
加えさせないことや、全ての回転筒部分に加える回転力
を微妙に調整するのを困難にすることにより、ピッキン
グによるロック解除が困難な全く新しいタイプのシリン
ダー錠が提供される。
【0052】また、本発明によれば、非常に構造が簡単
で部品点数が少なく、また従来の製造ラインに簡単な行
程を加えるだけで製造することができるため、製造コス
トが非常に低減される。
【0053】さらに、本発明によれば、鍵通路の幅が広
い回転筒部分には回転力を加えることができなくなるこ
とにより、ピッキングによるロック解除がより困難にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】鍵通路に鍵が進入していない状態の本発明の第
1の実施の形態に係るシリンダー錠の断面図である。
【図2】図1のシリンダー錠の正面図である。
【図3】鍵通路に鍵が進入している状態の図1と同様な
シリンダー錠の断面図である。
【図4】テンションの斜視図である。
【図5】鍵通路にテンションが進入している状態の図1
と同様なシリンダー錠の断面図である。
【図6】鍵通路にテンションが進入している状態の図2
と同様なシリンダー錠の正面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るシリンダー錠
の断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るシリンダー錠
に用いられる回転筒部分の正面図である。
【符号の説明】
10 シリンダー錠 12 シリンダー部材 14 シリンダー空間 16 鍵 18 回転筒 20 第一回転筒部分 22 第二回転筒部分 34 鍵通路 30 貫通孔 32 位置決め穴 40 第一ピン状タブレット 42 第二ピン状タブレット 44 バネ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状の回転筒が鍵を案内するように延
    びる鍵通路を有し、かつ、当該回転筒全体の鍵通路が鍵
    を案内する方向に分割されていることを特徴とするシリ
    ンダー錠。
  2. 【請求項2】 円筒状の回転筒と、前記回転筒を収容す
    るシリンダー部材と、前記回転筒を前記シリンダー部材
    内において回転方向に位置決めするための位置決め部材
    と、を具備するシリンダー錠において、 前記回転筒は、鍵を案内するように延びる鍵通路を有
    し、かつ、当該回転筒全体の鍵通路が鍵を案内する方向
    に分割されるように少なくとも二つの回転筒部分に分割
    され、各回転筒部分はシリンダー部材内で該シリンダー
    部材の軸線回りで回転可能であり、「最も鍵挿入側に配
    置された回転筒部分」以外の回転筒部分のうち少なくと
    も一つの回転筒部分に、前記鍵通路から回転筒の外周面
    まで延びる少なくとも一つの貫通孔が設けられると共
    に、シリンダー部材に前記回転筒部分の貫通孔に対応す
    る位置決め穴が設けられ、 これら回転筒部分及びシリンダー部材内にそれぞれ設け
    られた貫通孔及び位置決め穴内で摺動可能な前記位置決
    め部材が、前記貫通孔と前記位置決め穴とに亘って配置
    されることによって、前記回転筒が前記シリンダー部材
    内において回転方向に位置決めされるシリンダー錠。
  3. 【請求項3】 各回転筒部分に少なくとも一つの貫通孔
    が設けられ、前記位置決め穴は、各位置決め部材が各回
    転筒部分の貫通孔とシリンダー部材の位置決め穴とに亘
    って配置されたときに、全ての回転筒部分の鍵通路が直
    線状に延びるように配置されることを特徴とする請求項
    2に記載のシリンダー錠。
  4. 【請求項4】 前記回転筒が少なくとも三つの回転筒部
    分に分割されることを特徴とする請求項1から3のいず
    れかに記載のシリンダー錠。
  5. 【請求項5】 「最も鍵挿入側に配置された回転筒部
    分」以外の回転筒部分であって、貫通孔が設けられた回
    転筒部分のうち少なくとも一つの回転筒部分の鍵通路の
    幅が、「最も鍵挿入側に配置された回転筒部分」の鍵通
    路の幅よりも広いことを特徴とする請求項1から4のい
    ずれかに記載のシリンダー錠。
  6. 【請求項6】 前記位置決め部材がピン状タンブラ又は
    板状タンブラであることを特徴とする請求項2から5の
    いずれかに記載のシリンダー錠。
JP2002130729A 2002-05-02 2002-05-02 シリンダー錠 Withdrawn JP2003321956A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10900257B2 (en) 2015-03-24 2021-01-26 Kapan CHU Method for mutually controlling and unlocking a dual plug in a lock and a lock with a dual plug

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