JP2003321358A - 医薬組成物 - Google Patents

医薬組成物

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JP2003321358A JP2003051054A JP2003051054A JP2003321358A JP 2003321358 A JP2003321358 A JP 2003321358A JP 2003051054 A JP2003051054 A JP 2003051054A JP 2003051054 A JP2003051054 A JP 2003051054A JP 2003321358 A JP2003321358 A JP 2003321358A
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純宏 野村
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Toshiyuki Kume
俊行 久米
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 α4介在細胞接着が関与する疾病の治療に有
用な医薬組成物を提供する。 【解決手段】 有効成分として下記式[I]: 【化1】 (式中、X1はハロゲン原子;X2はハロゲン原子;Qは
−CH2−または−(CH2)2−;YはC1-6アルキル;お
よびCO2Rはエステル化されていてもよいカルボキシ
ル)で示される化合物、その薬理学的に許容される塩の
治療上有効量および薬理学的に許容される担体からなる
医薬組成物。該組成物はα4介在細胞接着が関与する疾
病の治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は喘息、糖尿病、リウ
マチ関節炎、炎症性腸疾患、および組織(例えば皮膚、
尿道、気管、関節滑膜、肺、血管、心臓、神経系など)
への白血球浸潤が関与する疾患などの治療に有効な、α
4介在接着の阻害剤である、新規なフェニルアラニン誘
導体を有効成分とする医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】白血球の内皮細胞または細胞外マトリッ
クスプロティンへの接着は、免疫および炎症の基礎的な
プロセスであり、多数の接着相互反応が関与している。
このプロセスの最初の事象は、白血球のローリングであ
り、ついでインテグリンアビジチー(親和性)の変化が起
こり、堅固な接着となる(例えば、非特許文献1;非特
許文献2;非特許文献3;非特許文献4;非特許文献
5;非特許文献6;および非特許文献7参照)。化学走
化性因子(chemotactic factor)に呼応して、白血球は2
つの隣接した内皮細胞を介して、細胞外マトリックスプ
ロティンのフィブロネクチン(FN)(例えば、非特許文
献8参照)およびコラーゲン(例えば、非特許文献9;お
よび非特許文献10参照)から成る組織に移行する。こ
れらの反応に関与する重要な認識分子はインテグリン遺
伝子スーパーファミリーに属する(例えば、非特許文献
3;非特許文献11;非特許文献5;および非特許文献
6参照)。
【0003】インテグリンは、アルファ(α)およびベー
タ(β)サブユニットと称される非共有結合で集合したサ
ブユニットから構成されるヘテロダイマーである(例え
ば、非特許文献3;非特許文献11;非特許文献5;お
よび非特許文献6参照)。現在のところ、8個のインテ
グリンβサブユニットが同定され、16個の異なるαサ
ブユニットと結合して23個の異なるインテグリンを形
成することが知られている。VLA−4(最遅延抗原−
4;Very Late Antigen-4)としても知られているα4β1
インテグリンはリンパ球、単球、および好酸球などの白
血球上に発現し(例えば、非特許文献12;および非特
許文献13参照)、炎症の間これらの細胞のリクルート
メントにおいて重要な役割を果たす。VLA−4は血管
細胞接着分子−1(VCAM−1)(例えば、非特許文献
14参照)およびFN A鎖の結合セグメント1(CS−
1)(例えば、非特許文献15参照)の受容体である。さ
らに、α4β1インテグリンは、動脈硬化性プラークにア
ップレギュレートされるオステオポンチン(osteoponti
n)と結合することが知られている(例えば、非特許文献
16参照)。
【0004】α4β7インテグリンは3個の既知のリガン
ド(VCAM−1、CS−1、MAdCAM−1)と結合
する。ひとつは粘膜アドレシン細胞接着分子−1(Mucos
alAddressin Cell Adhesion Molecule-1 (MAdCAM
−1))であり、α4β7に対し特異性を示す(例えば、非
特許文献17;非特許文献18;および非特許文献19
参照)。MAdCAM−1は腸間膜リンパ節内の集合リ
ンパ小節高内皮小静脈(Peyer's patch high endothelia
l venules)、および消化管基底膜および乳腺小静脈に多
く発現される(例えば、非特許文献20参照)。インテグ
リンα4β7およびMAdCAM−1は正常な腸への白血
球移動の制御に重要であることが証明されている(例え
ば、非特許文献21参照)。
【0005】残り2つのリガンドVCAM−1およびC
S−1(例えば、非特許文献14参照)はα4β7及びα4
β1インテグリンによって共有されている。
【0006】インビボでの多くの研究により、α4β1
ンテグリン及びα4β7インテグリン(以下、両者を総称
してα4インテグリンまたはα4と称する)が多くの疾病
の病因に重大な役割を担っていることが示されており、
α4に対するモノクロナル抗体が様々な疾病モデルで試
験されている。例えば、抗α4抗体の有効性は実験的自
己免疫型脳脊髄炎のラットおよびマウスモデルで示され
ている(例えば、非特許文献22;および非特許文献2
3参照)。また、α4のモノクロナル抗体はいくつかの肺
抗原攻撃モデルにおいて有効であった(例えば、非特許
文献24;および非特許文献25参照)。さらに、自然
発生慢性大腸炎を発症するワタボウシタマリン(Cotton-
top tamarin)は抗α4抗体あるいは抗α4β7抗体の投与
により、大腸炎の有意な軽減を示した(例えば、非特許
文献26;非特許文献27;および非特許文献28参
照)。CD45RBhigh CD4+ T細胞で再構成された
重症複合型免疫不全マウスにおいて、β7またはMAd
CAM−1のモノクロナル抗体は大腸への白血球リクル
ートメントを遮断し、大腸の炎症の重篤度を軽減した
(例えば、非特許文献29参照)。α4に対するモノクロ
ナル抗体は膵島炎を阻害し、非肥満糖尿病(NOD)マウ
スの糖尿病の発病を遅らせる(例えば、非特許文献3
0;非特許文献31;および非特許文献32参照)。
【0007】また、NODマウスにおいて、MAdCA
M−1は膵臓内の炎症した膵島の高内皮性小静脈上に発
現し、これはα4β7インテグリンの糖尿病における役割
を示唆している(例えば、非特許文献33参照)。炎症滑
膜への白血球の接着はα4β1インテグリン/VCAM−
1相互反応に支配されていると言われていたが、しかし
ながら、α4β7ポジティブT細胞の増加がリウマチ関節
炎患者の滑膜にも発見されており(例えば、非特許文献
34参照)、α4β7インテグリンの発現はこの疾病の増
悪および恒久化に関与していると示唆されている(例え
ば、非特許文献35参照)。さらにまた、α4β7および
α4β1インテグリンのリンパ球および好酸球上の発現、
およびα4β7/α4β1インテグリンがVCAM−1、C
S−1およびMAdCAM−1へのヒト好酸球接着を介
在することを示すインビトロでの研究(例えば、非特許
文献36参照)により、α4インテグリンが喘息治療の適
した治療標的であることが示されている。α4インテグ
リンが関与する他の疾病として、リウマチ関節炎(例え
ば、非特許文献37参照;および非特許文献38参
照)、動脈硬化症(例えば、非特許文献39参照)、同種
移植拒絶反応(例えば、非特許文献40参照)、および腎
炎(例えば、非特許文献41参照)が挙げられる。遅延型
過敏反応(例えば、非特許文献42参照)、接触過敏反応
(例えば、非特許文献43参照、および非特許文献44
参照)および脈管内膜過形成(例えば、非特許文献45参
照)もまた抗α4抗体により妨害される。これらのデータ
はα4β7およびα4β1インテグリンが多様な炎症性疾患
において重要な役割を有していることを示している。
【0008】また、経口投与できる、生体内利用可能な
非ペプチド性小分子α4アンタゴニストは、喘息、炎症
性腸疾患、リウマチ関節炎、多発性硬化症および他の疾
病の治療および予防に有効であることが開示されている
(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】 国際公開第99/36393号パンフ
レット
【非特許文献1】 バッチャー(Butcher), Cell, (199
1), 67巻, p. 1033-1036
【非特許文献2】 ハーラン(Harlan), Blood, (1985),
3巻, p. 513-525
【非特許文献3】 ヘムラー(Hemler), Annu. Rev. Imm
unol., (1990),8巻, p. 365-400
【非特許文献4】 オズボーン(Osborn), Cell, (199
0), 62巻, p. 3-6
【非特許文献5】 シミズ(Shimizu)ら, Immunol. Re
v., (1990), 114巻, p. 109-143
【非特許文献6】 スプリンガー(Springer), Nature,
(1990), 346巻,p. 425-434
【非特許文献7】 スプリンガー(Springer), Cell, (1
994), 76巻, p.301-314
【非特許文献8】 ワイナー(Wayner), J. Cell Biol.,
(1987), 105巻, p. 1873-1884
【非特許文献9】 ボーンステイン(Bornstein)ら, An
n. Rev. Biochem., (1980), 49巻, p. 957-1003
【非特許文献10】 ミラー(Miller), K. A. ピエズ
(K.A. Piez)およびA. H. レジ(A.H. Reddi)編集、「細
胞外マトリックス生化学(Extracellular Matrix Bioche
mistry)、“コラーゲンおよびその分布の化学”, エウ
セヴィエル出版、アムステルダム, (1983), p. 41-78
【非特許文献11】 ハイネス(Hynes), Cell, (1987),
48巻, p. 549-554
【非特許文献12】 ヘムラー(Hemler)ら, J. Bio. Ch
em. (1987), 262巻, p. 11478-11485
【非特許文献13】 ボッチャー(Bochner)ら, J. Exp.
Med. (1991),173巻, p. 1553-1556
【非特許文献14】 エリセス(Elices)ら, Cell, (199
0), 60巻, p. 577-584
【非特許文献15】 ウェイ(Wayne)ら, J. Cell Bio
l., (1989), 109巻, p. 1321-1330
【非特許文献16】 バイレス(Bayless)ら, J. Cell S
cience, (1998), 111巻, p. 1165-1174
【非特許文献17】 アンドリュー(Andrew)ら, J. Imm
unol., (1994),153巻, p. 3847-3861
【非特許文献18】 ブリスキン(Briskin)ら, Nature,
(1993), 363巻, p. 461-464
【非特許文献19】 シャジャン(Shyjan)ら, J. Immun
ol., (1996), 156巻, p. 2851-2857
【非特許文献20】 ベルグ(Berg)ら, Immunol. Rev.,
(1989), 105巻, p. 5
【非特許文献21】 ホルツマン(Holzmann)ら, Cell,
(1989), 56巻,p. 37-46
【非特許文献22】 バロン(Baron)ら, J. Exp. Med.,
(1993), 177巻, 57-68
【非特許文献23】 エドノック(Yednock)ら, Nature,
(1992), 356巻, p. 63-66
【非特許文献24】 アブラハム(Abraham)ら, J. Cli
n. Invest., (1994), 93巻, p. 776-787
【非特許文献25】 ウェグ(Weg)ら, J. Exp. Med.,
(1993), 177巻,p. 561-566
【非特許文献26】 ベル(Bell)ら, J. Immunol., (19
93), 151巻, p.4790-4802
【非特許文献27】 ポドルスキー(Podolsky)ら, J. C
lin. Invest.,(1993), 92巻, p. 372-380
【非特許文献28】 ヘステルベルグ(Hesterberg)ら,
Gastroenterology, (1996), 111巻, p. 1373-1380
【非特許文献29】 ピカレラ(Picarella)ら, J. Immu
nol., (1997),158巻, p. 2099-2106
【非特許文献30】 バロン(Baron)ら, J. Clin. Inve
st., (1994), 93巻, p. 1700-1708
【非特許文献31】 バークリー(Burkly)ら, Diabete
s, (1994), 43巻, p. 529-534
【非特許文献32】 ヤング(Yang)ら, Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA,(1993), 90巻, p. 10494-10498
【非特許文献33】 ヤング(Yang)ら, Diabetes, (199
7), 46巻, p. 1542-1547
【非特許文献34】 マックマリー(McMurray), Semin.
Arthritis Rheum., (1996), 25巻, p. 215-233
【非特許文献35】 ラザロビッツ(Lazarovits)ら, J.
Immunol., (1993), 151巻, p. 6482-6489
【非特許文献36】 ウォルシュ(Walsh)ら, Immunolog
y, (1996), 9巻, p. 112-119
【非特許文献37】 ラホン(Laffon)ら, J. Clin. Inv
est., (1991),88巻, p. 546-552
【非特許文献38】 モラレス−デュクレ(Morales-Duc
ret)ら, J. Immunol., (1992), 149巻, p. 1424-1431
【非特許文献39】 チブルスキーら、Science, 251:
788-791 (1991)
【非特許文献40】 イソベ(Isobe)ら, J. Immunol.
(1994), 153巻,p. 5810-5818
【非特許文献41】 アレン(Allen)ら, J. Immunol.
(1999), 162巻,p. 5519-5527
【非特許文献42】 イセクズ(Issekutz), (1991), J.
Immunol., 147巻, p. 4178-4184
【非特許文献43】 キショルム(Chisholm)ら, Eur.
J. Immunol., (1993), 23巻,p. 682-688
【非特許文献44】 ファーグソン(Ferguson)ら, J. I
mmunol., (1993), 150巻, p. 1172-1182
【非特許文献45】 ラムスデン(Lumsden)ら, J. Vas
c. Surg., (1997), 26巻, p. 87-93
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はα4
在細胞接着による炎症性疾患および/またはアレルギー
性疾患の治療または予防に有用な医薬組成物を提供する
ことである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は式[I]:
【化3】 (式中、X1はハロゲン原子;X2はハロゲン原子;Qは
−CH2−基または−(CH2)2−基;YはC1-6アルキル
基;およびCO2Rはエステル化されていてもよいカル
ボキシル基)で示される新規なフェニルアラニン誘導
体、またはその薬理学的に許容される塩を有効成分とす
る医薬組成物に関する。
【0012】さらに、本発明は、式[I]の化合物または
その薬理学的に許容される塩を有効成分とすることを特
徴とする、α4インテグリン介在細胞接着による病態の
治療または予防用医薬組成物に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の医薬組成物における有効
成分である式[I]の化合物はその不斉炭素に基づいて光
学活性異性体が存在するが、本発明はこれらの異性体お
よびその混合物も包含する。
【0014】本発明の一態様において、化合物[I]にお
けるエステル化されていてもよいカルボキシル基とは、
カルボキシル基および体内で加水分解されてカルボキシ
ル基になるエステル化カルボキシル基を意味する。その
ようなエステル化カルボキシル基の例としては、メトキ
シカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、p−ア
ミノベンジルオキシカルボニル基等の置換または非置換
2-7アルコキシカルボニル基が挙げられる。特にC2-7
アルコキシカルボニル基が好ましい。
【0015】本発明の一態様において、不斉中心におけ
るR/S立体配位は確定する必要はない。本発明におけ
る活性化合物は単一の配位の化合物でもよく、または異
なる配位が混合した化合物でもよい。
【0016】本発明の活性化合物中、好ましい化合物は
式[I−1]の化合物である。
【化4】 (式中、記号は前記と同じ)
【0017】さらに好ましい態様において、X1は塩素
原子またはフッ素原子、X2は塩素原子またはフッ素原
子、YはC1-4アルキル基、およびCO2Rはカルボキシ
ル基またはC2-7アルコキシカルボニル基である。
【0018】さらに好ましい別の態様においては、X1
は塩素原子またはフッ素原子、X2は塩素原子またはフ
ッ素原子、Qは−CH2−基、Yはメチル基、エチル
基、またはn−プロピル基、およびCO2Rはカルボキ
シル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、またはtert−ブトキシカルボニル基である。
【0019】特に好ましい活性化合物は、X1がフッ素
原子、X2が塩素原子またはフッ素原子、Qが−CH2
基、Yがメチル基またはエチル基、およびCO2Rがカ
ルボキシル基またはメトキシカルボニル基およびエトキ
シカルボニル基等のC2-7アルコキシカルボニル基であ
る化合物である。
【0020】本発明の最も好ましい活性化合物は以下の
化合物から選ばれる。N−(2,6−ジフルオロベンゾイ
ル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−エトキシメチルフ
ェニル)−L−フェニルアラニン[つまり、(2S)−2−
[(2,6−ジフルオロベンゾイル)アミノ]−3−[4−
(2,6−ジメトキシ−4−エトキシメチルフェニル)フ
ェニル]プロピオン酸];N−(2−クロロ−6−フルオ
ロベンゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−エトキ
シメチルフェニル)−L−フェニルアラニン[つまり、
(2S)−2−[(2−クロロ−6−フルオロベンゾイル)
アミノ]−3−[4−(2,6−ジメトキシ−4−エトキシ
メチルフェニル)フェニル]プロピオン酸];N−(2−ク
ロロ−6−フルオロベンゾイル)−4−(2,6−ジメト
キシ−4−メトキシメチルフェニル)−L−フェニルア
ラニン[つまり、(2S)−2−[(2−クロロ−6−フル
オロベンゾイル)アミノ]−3−[4−(2,6−ジメトキ
シ−4−メトキシメチルフェニル)フェニル]プロピオン
酸];N−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−4−(2,6
−ジメトキシ−4−メトキシメチルフェニル)−L−フ
ェニルアラニン[つまり、(2S)−2−[(2,6−ジフル
オロベンゾイル)アミノ]−3−[4−(2,6−ジメトキ
シ−4−メトキシメチルフェニル)フェニル]プロピオン
酸];またはそのC1-6アルキルエステル、またはその薬
理学的に許容される塩。
【0021】本発明の活性化合物は遊離の形または製薬
学的に許容される塩のいずれの形でもよい。製薬学的に
許容される塩とは、無機塩基との塩、有機塩基との塩、
または塩基性アミノ酸との塩(ナトリウム塩およびカリ
ウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩およびカル
シウム塩等のアルカリ土類金属塩;またはアンモニウム
塩、トリエチルアンモニウム塩等のアミンとの塩;リジ
ンとの塩等)、および無機酸または有機酸との塩(塩酸
塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、メタンスルホン酸
塩、p−トルエンスルホン酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩
等)が挙げられる。また、製薬学的に許容される塩に
は、分子内塩、または溶媒和物または水和物も含まれ
る。
【0022】本発明の活性化合物の特徴は、(1)ビフェ
ニル環の4'位へのC1-6アルコキシ置換C1-2アルキル
基の導入と、(2)ジハロ置換ベンゾイル基および2',
6'−ジメトキシ−4'−(C1-6アルコキシ置換C1-2
ルキル)ビフェニル環との組み合わせにあり、そのよう
な特徴は先行文献では特に開示されていない。
【0023】本発明の活性化合物はα4介在細胞接着に
対する強力な阻害活性を保持し、また、a)代謝安定
性、b)血漿蛋白質結合およびc)水溶性が総体的に改善
されており、このため経口投与時に優れた生体内利用性
を示す。特に、ビフェニル環の4'位へのC1-6アルコキ
シ置換C1-2アルキル基の導入により、先行文献に開示
されているいくつかの化合物に見られるような速い代謝
を減速する。本発明の活性化合物は肝クリアランスの減
少等により生体内利用性を改善している。
【0024】よって、本発明の医薬組成物はα4介在細
胞接着による病態に対して優れた改善作用を示し、本発
明の医薬組成物はヒトなどの哺乳動物におけるα4接着
介在病態の治療または予防に用いることができる。
【0025】さらに、本発明の医薬組成物は分子MAd
CAM−1および/またはVCAM−1を発現する組織
への白血球(たとえば、リンパ球、単球)の浸潤(リクル
ートメント、および/または組織中の白血球の蓄積を含
む)が関与する疾病に罹患した個体の治療に用いること
ができる。たとえば、胃集合内皮細胞を含む胃腸管、他
の粘膜組織、あるいはMAdCAM−1分子を発現する
組織(小腸大腸の固有層の細静脈などの胃集合組織、乳
腺(泌乳乳腺)等)への白血球浸潤が関与する疾病を含
む、炎症性疾病が本組成物により治療できる。同様に、
本発明組成物はVCAM−1分子を発現する組織への白
血球浸潤が関与する疾病に罹患した個体の治療に用いる
ことができる。
【0026】よって、本発明の医薬組成物は、リウマチ
関節炎等の炎症性疾患;喘息;鼻炎などのアレルギー性
疾患;成人呼吸窮迫症候群;AIDS痴呆;アルツハイ
マー病;心・血管疾患;血栓症または有害な血小板凝
集;血栓溶解後の再閉塞;再潅流障害;乾癬、湿疹、接
触性皮膚炎およびアトピー性皮膚炎などの皮膚炎症性疾
患;糖尿病(たとえば、インスリン依存性糖尿病、自己
免疫性糖尿病);多発性硬化症;全身性エリテマトーデ
ス;潰瘍性大腸炎、クローン病(限局性腸炎)および嚢炎
(pouchitis)(たとえば、直腸結腸切除後および回腸肛門
吻合後に発症)などの炎症性腸疾患;他の胃腸管への白
血球浸潤が関与する疾患、例えば、セリアック病、非熱
帯スプルー、血清反応陰性関節症が関与する腸疾患、リ
ンパ球性大腸炎、コラーゲン蓄積大腸炎、および好酸球
性胃腸炎;他の上皮組織(例えば皮膚、尿道、気管支、
関節滑膜)への白血球浸潤が関与する疾患;膵炎;乳腺
炎;肝炎;胆嚢炎;胆管炎または胆管周囲炎(胆管およ
び肝臓の周囲組織);気管支炎;副鼻腔炎;間質性線維
症を引き起こす肺の炎症性疾患(たとえば、過敏性肺
炎);サルコイドーシス;骨粗鬆症;変形性関節症;腫
瘍脈管形成、悪性腫瘍、多発性骨髄腫、および腫瘍性ま
たは癌性増殖転移を含む腫瘍性疾患;外傷(外傷治癒促
進);網膜剥離、アレルギー性結膜炎および自己免疫ブ
ドウ膜炎などのある種の眼病;シェーグレン症候群;宿
主対移植片疾患、移植片対宿主疾患などの臓器移植後の
拒絶反応(慢性および急性);脈管内膜過形成;動脈硬化
症(アテローム性動脈硬化症や移植後の移植片動脈硬化
症を含む);経皮経管冠動脈形成術(PTCA)および経
皮経管動脈再疎通術などの外科手術後の再梗塞または再
狭窄;腎炎;骨髄腫誘発性骨吸収;および脳卒中、外傷
性脳損傷および脊椎損傷などの中枢神経障害などの治療
または予防に用いることができる。
【0027】本発明の医薬組成物は好ましくは、喘息、
鼻炎などのアレルギー性疾患、潰瘍性大腸炎やクローン
病などの炎症性腸疾患、リウマチ関節炎、アトピー性皮
膚炎、多発性硬化症および臓器移植後の拒絶反応の治療
または予防に用いることができる。
【0028】治療に適切な化合物は、適切な動物モデル
を用いてインビボで評価できる。炎症の適切な動物モデ
ルは文献に開示されている。たとえば、NODマウスは
インスリン依存性糖尿病の動物モデルである。CD45
RBHi SCIDマウスモデルは、クローン病および潰
瘍性大腸炎両者と類似性のあるモデルである(ポウリー
ら、Immunity, 1:553-562 (1994))。ワタボウシタマリ
ンは自然発生的に、しばしば慢性的に大腸炎を起こし、
それは臨床的にまた組織学的にヒトにおける潰瘍性大腸
炎に相似している(マダラら、Gastroenterology, 88:1
3-19 (1985))。ネズミ大腸炎のデキストラン硫酸ナトリ
ウム(DSS)モデルは飲料水にDSSを加えて導入され
る。DSS大腸の生理的および組織学的変化は文献に十
分に開示されており、ヒト潰瘍性大腸炎によく似ている
(クーパーら、Laboratory Investig., 69:238-249 (19
93))。ヒト炎症性腸疾患の病変と相似の胃腸病変を起こ
すIL−10ノックアウトマウスも開示されている(ス
トローバーら、Cell, 75:203-205 (1993))。
【0029】本発明の医薬組成物は、通常、有効成分の
式[I]の化合物および薬理学的に許容される担体または
希釈剤を含有する。
【0030】製薬学的に許容される担体または希釈剤
は、たとえば、結合剤(シロップ、アラビアゴム、ゼラ
チン、ソルビトール、トラガント、ポリビニルピロリド
ン等)、賦形剤(乳糖、砂糖、コーンスターチ、リン酸カ
リウム、ソルビトール、グリシン等)、滑沢剤(ステアリ
ン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、
シリカ等)、崩壊剤(馬鈴薯デンプン等)および湿潤剤(ラ
ウリル硫酸ナトリウム等)等を挙げることができる。
【0031】医薬組成物は口、肺、眼、直腸、非経口
(皮下、筋肉内および静脈内を含む)、動脈内、局所、経
鼻吸入(たとえばエアゾールと)またはバッカル投与に適
した製剤形が挙げられる。これらの製剤は製薬分野で公
知の持続型製剤も含むものと理解される。経口および非
経口投与が好ましい投与方法である。
【0032】医薬組成物は単位投与形が適当であり、製
薬分野でよく知られたいずれの方法によっても調製でき
る。一般的に、製剤は有効成分を液体担体または細密に
粉砕された固体担体、または両者と均一かつ完全に混合
し、ついで、要すれば、生成物を所望の形に成形するこ
とにより調製される。
【0033】経口投与に適した本発明の製剤は、カプセ
ル剤、カシェ剤、錠剤、ロゼンジ剤等のそれぞれ分離し
た単位形で、各単位形は予め決定された量の有効成分を
粉末、顆粒、または水性液体溶液または懸濁液の形で含
有する。他の投与方法の製剤としては非水性液体を含み
得、水中油乳剤や、油中水乳剤、エアゾール剤、クリー
ム剤または軟膏、または経皮的に有効成分を投与するた
めの経皮パッチ剤への含浸剤の形で、必要な患者に投与
される。本発明の活性化合物はそれを必要とする患者に
ボーラス剤、舐剤、またはペースト剤の形でも投与でき
る。
【0034】本発明の活性化合物はα4介在細胞接着を
減少または予防するために十分な量で、それを必要とす
る患者に投与することができる。他の態様では、本発明
の活性化合物は所望の治療効果および/または予防効果
を得るために十分な量で、またはMAdCAM−1/V
CAM−1介在結合を減少あるいは予防し、よって白血
球接着および浸潤を阻害しそれに伴う細胞応答を阻止す
るために十分な量で、患者に投与できる。
【0035】治療効果を得るために必要な化合物[I]の
用量は、投与方法、治療対象の年齢、性別、体重および
症状、および治療する疾患や病気により変化するが、化
合物[I]またはその製薬学的に許容される塩の1日あた
りの投与量は、哺乳動物の体重1kg当たり0.1〜1
00mg、好ましくは0.3〜30mg/kgである。
非経口投与の場合、投与量は体重1kg当たり化合物の
0.1〜10mg、好ましくは0.3〜3mg/kgの範
囲である。経口投与の場合、適切な1日量は体重1kg
あたり化合物1〜100mg、好ましくは2〜30m
g、最も好ましい投与量は1〜10mg/kgの範囲
で、1日あたり2〜3回に分けて投与される。局所投与
の場合、例えば皮膚や眼に投与する場合は、式[I]の化
合物、または製薬学的に許容される塩の適切な投与量は
体重1kg当たり化合物0.1〜100μgの範囲であ
る。
【0036】式[I]の化合物、またはその製薬学的に許
容される塩は以下の工程で合成できる。 (1)式[II]:
【化5】 (式中、CO21はエステル化されたカルボキシル基、
および他の記号は前記と同じ)で示される化合物を式[I
a]:
【化6】 (式中、記号は前記と同じ)で示される化合物に変換し; (2)要すれば、化合物[Ia]のエステル化されたカルボ
キシル基をカルボキシル基に変換し; (3)さらに要すれば、得られた化合物をその製薬学的に
許容される塩に変換する。
【0037】工程1:化合物[II]の化合物[Ia]への
変換は後記の方法AからCのいずれか1法により行うこ
とができる。
【0038】工程2:エステル化されたカルボキシル基
CO21のカルボキシル基への変換は、通常の方法によ
り、例えば、塩基(水酸化リチウムや水酸化ナトリウム
などの水酸化アルカリ金属など)や酸(塩酸など)を用い
た加水分解や、酸(TFAなど)処理等により行うことが
できる。
【0039】工程3:得られた化合物[I]のその製薬学
的に許容される塩への変換は、塩基(水酸化ナトリウム
などの無機塩基、エチルアミンなどの有機塩基、リジン
などの塩基性アミノ酸など)や酸(塩酸、硝酸および硫酸
などの無機酸、酢酸やマレイン酸などの有機酸、または
アスパラギン酸やグルタミン酸などの酸性アミノ酸)を
用いる通常の方法により行うことができる。
【0040】化合物[II]の化合物[Ia]への変換は以
下の方法(方法A〜C)のいずれか1法により行うことが
できる。
【0041】方法A:Qが−CH2−基である化合物[I
a]は以下の方法で合成できる: (1)化合物[II]を酸化して式[III]:
【化7】 (式中、記号は前記と同じ)で示される化合物とし、つい
で (2)化合物[III]を式[IV]: Y−OH [IV] (式中、記号は前記と同じ)で示される化合物と還元的に
縮合する。
【0042】工程1:酸化反応は適当な溶媒中(例え
ば、CH2Cl2、ベンゼン、トルエン、DMSO、ある
いはこれらの混合物)、塩基(例えば、Et3N、DIE
A)の存在下あるいは非存在下、慣用の酸化剤(例えば、
MnO2、SO3・ピリジンなど)を用いて行うことがで
きる。反応は−50℃〜50℃の間、好ましくは室温下
で行うことができる。
【0043】工程2:化合物[III]と化合物[IV]の
縮合反応は還元剤(例えば、トリエチルシラン等)および
脱水剤(例えば、硫酸、トリフルオロ酢酸等)の存在下、
溶媒中(例えば、THF、CH2Cl2など)または無溶媒
で行うことができる。反応は−50℃〜50℃に間、好
ましくは0℃〜室温下で行うことができる。
【0044】方法B:化合物[Ia]は以下の方法で合成
できる: (1)化合物[II]を式[V]:
【化8】 (式中、Zは脱離基、および他の記号は前記と同じ)で示
される化合物に変換し、ついで (2)化合物[V]を化合物[IV]と反応させる。
【0045】脱離基Zとしては、例えば、ハロゲン原子
(塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子)が使用できる。
【0046】工程1:化合物[II]の化合物[V]への変
換は、適当な溶媒中(例えば、CH2Cl2、ジオキサ
ン、THF、DMF、DMSOなど)、塩基の存在下(例
えば、Na2CO3、NaHCO3など)または非存在下で
ハロゲン化剤(例えば、三臭化リン、三塩化リン、およ
びCBr4とトリフェニルホスフィンとの組み合わせな
ど)で化合物[II]をハロゲン化することにより行うこ
とができる。反応は−50℃〜50℃の間、好ましくは
0℃〜室温下で行うことができる。
【0047】工程2:化合物[V]と化合物[IV]の反応
は銀化合物(酸化第1銀(Ag2O)、酸化銀(AgO)等の
存在下で、適当な溶媒中(例えば、トルエン、CH2Cl
2、ジオキサン、MeCNなど)または無溶媒で行うこと
ができる。反応は室温下から100℃の範囲の温度下で
行うことができる。
【0048】方法C:化合物[Ia]は化合物[II]を式
[VI]:Y−Z [VI](式中、記号は前記と
同じ)で示される化合物でアルキル化することにより合
成できる。
【0049】アルキル化反応は銀化合物(酸化第1銀(A
2O)および酸化銀(AgO)の存在下、適当な溶媒中ま
たは無溶媒で行うことができる。反応は方法Bの工程2
と同様の方法で行うことができる。
【0050】出発化合物[II]は以下の方法(方法Dま
たはE)により合成できる。方法D
【化9】 (上記反応工程式中、記号は前記と同じである)
【0051】化合物[II]は式[VII]の化合物または
その反応性誘導体を、式[VIII]の化合物またはその
塩と縮合させることにより合成できる。
【0052】化合物[VIII]の塩としては、例えば無
機酸または有機酸との塩(トリフルオロ酢酸塩、p−ト
ルエンスルホン酸塩、塩酸塩、硫酸塩など)が挙げられ
る。化合物[VII]と化合物[VIII]またはその塩と
の縮合反応は適当な溶媒中(例えば、CH2Cl2、TH
F、DMF)、縮合剤(例えば、BOP−Cl、BOP試
薬、EDCなど)および塩基(例えば、DIEA、Et3
N、4−メチルモルホリン)の存在下で行うことができ
る。
【0053】縮合剤は活性化剤(例えば、HOBt)と共
に用いることが好ましい。
【0054】反応は−50℃から50℃の間で、好まし
くは0℃から室温下で行うことが出来る。
【0055】化合物[VIII]またはその塩と化合物
[VII]の反応性誘導体との縮合反応は適当な溶媒中
(例えば、AcOEt、水、CH2Cl2、THF、DM
F、トルエンあるいはそれらの混合物)、塩基(例えば、
DIEA、Et3N、Na2CO3、K2CO3、NaHC
3など)の存在下で行うことが出来る。
【0056】化合物[VII]の反応性誘導体の例として
は、例えば酸ハライド(酸クロリドなど)が挙げられる。
反応は−30℃から室温下で行うことが出来る。
【0057】方法E
【化10】 (上記反応工程式中、Lは脱離基、および他の記号は前
記と同じである)
【0058】化合物[II]は式[IX]の化合物を式[X]
の化合物とカップリングさせて合成できる。脱離基Lの
例としては、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基が
挙げられる。
【0059】カップリング反応は、例えば室温から15
0℃(好ましくは、80℃から150℃)の間で、パラジ
ウム触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム、パラジウム(II)アセテート、パラジ
ウム(II) クロリド)および塩基(例えばK2CO3、E
3N、DIEA、ジイソプロピルアミン、モルホリン)
の存在下、ホスフィンリガンド(例えば、トリフェニル
ホスフィン、トリエチルホスフィン、トリメチルホスフ
ィン)の存在または非存在下に、適当な溶媒中(例えば、
トルエン、THF、DMF、NMP、水またはこれらの
混合溶媒)で行われる。
【0060】化合物[IX]は、(1)式[XI]:
【化11】 (式中、Z1はハロゲン原子であり、他の記号は前記と同
じ)で示される化合物と式[XII]:
【化12】 (式中、CO21は上記と同じ)で示される化合物または
その塩と、方法Dと同様の方法で縮合し;ついで(2)得
られた化合物の水酸基を脱離基に変換することにより合
成できる。例えば、水酸基のトリフルオロメタンスルホ
ニルオキシ基への変換は、無水トリフルオロメタンスル
ホン酸を用い、−30℃から0℃の間で、塩基(例え
ば、ピリジン、NEt3、DIEA)の存在下、適当な溶
媒(例えば、CH2Cl2、THFあるいはこれらの混合
溶媒)中で行うことができる。
【0061】化合物[VIII]は、 (1)式[XIII]:
【化13】 (式中、Pはアミノ基の保護基、および他の記号は前記
と同じ)で示される化合物を、化合物[X]とカップリン
グ反応により縮合し; (2)得られた化合物のアミノ基の保護基を除くことによ
り合成できる。
【0062】アミノ基の保護基は通常のアミノ基の保護
基から選択でき、例えば、アリール−C2-7アルコキシ
カルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル基)、
2-7アルコキシカルボニル基(例えば、tert-ブトキシ
カルボニル基)等を用いることができる。
【0063】カップリング反応は、方法Eにおける化合
物[IX]と化合物[X]の反応と同様の方法で行うことが
出来る。アミノ基の保護基の除去は常法により行われ、
例えば、触媒(例えば、パラジウム−活性炭素)を用いた
接触還元、酸(例えばTFA、HCl)処理等により実施
できる。
【0064】Lがトリフルオロメタンスルホニルオキシ
基である化合物[XIII]は、式[XIV]:
【化14】 (式中、記号は前記と同じである)で示される化合物と無
水トリフルオロメタンスルホン酸を、化合物[IX]の合
成の工程2と同様の方法で反応させることにより合成す
ることができる。
【0065】化合物[X]は、(1)式[XV]:
【化15】 (式中、Qは前記と同じ)で示される化合物を、アルキル
リチウム(例えば、n−BuLi)と、−100℃から室
温の間、適当な有機溶媒(例えば、ジエチルエーテル、
THFまたはこれらの混合溶媒)中で反応させ、(2)得
られた化合物をホウ酸トリメチルと−100℃から室温
の間で、適当な有機溶媒(例えば、ジエチルエーテル、
THFまたはこれらの混合溶媒)中で反応させ、ついで
(3)得られた化合物を0℃から室温の間、適当な溶媒
(例えば、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、
水、またはそれらの混合溶媒)中で、酸(例えば、酢酸、
クエン酸)の存在下で加水分解して合成できる。
【0066】本明細書および請求の範囲を通じて、ハロ
ゲン原子は、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、または
ヨウ素原子である。C1-6アルキル基は、炭素数1〜6
個の、好ましくは炭素数1〜4個の、直鎖、分岐鎖ある
いは環状アルキル基を意味し、例えば、メチル、エチ
ル、n−プロピル、n−ブチル、イソプロピル、シクロ
プロピル、tert−ブチル等が挙げられる。C2-7
ルコキシカルボニル基は、炭素数2〜7の、好ましくは
炭素数2〜5の、直鎖、分岐鎖または環状アルコキシカ
ルボニル基を意味し、例えば、メトキシカルボニル、エ
トキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、n−ブ
トキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、シクロ
プロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル
等が挙げられる。
【0067】、略語: BOP−Cl:ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニ
ル)ホスフィン酸クロリド BOP試薬:ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−ト
リス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホス
フェート EDC:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド THF:テトラヒドロフラン DMF:N,N−ジメチルホルムアミド DMSO:ジメチルスルホキシド NMP:1−メチル−2−ピロリドン DIEA:ジイソプロピルエチルアミン HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール TFA:トリフルオロ酢酸 Ac:アセチル Me:メチル Et:エチル Pr:プロピル Bu:ブチル Ph:フェニル EtOAc:酢酸エチル(=AcOEt)
【0068】実験例 RPMI8866/CS−1細胞接着阻害試験:本試験
は、α4β7インテグリンを発現するRPMI8866細
胞(以下、PRMI細胞)とフィブロネクチンCS−1の
部分配列ペプチドを用いて、本発明有効成分のα4β7
ンテグリン介在細胞接着阻害作用を測定したものであ
る。 (1)検体溶液の調製 後記製造例記載化合物をジメチルスルホキシドに溶解し
た後、0.25%トリ卵白アルブミン添加ダルベッコ変
法イーグル培地溶液で希釈し、所望の濃度の検体溶液を
調製した。 (2)ペプチド被膜プレートの調製 CS−1部分配列ペプチド(配列:CLHGPEILD
VPST)と組換ペプチド(配列:CLHPGIELVS
DPT)をベックマン990シンセサイザーで合成し
た。マイクロプレートの各ウェルをヒト血清アルブミン
リン酸緩衝生理食塩水溶液(20μg/mL、100μ
l)を用いて室温で2時間被膜した後、リン酸緩衝生理
食塩水で一回洗浄し、3−(2−ピリジルジチオ)プロピ
オン酸 N−ヒドロキシスクシンイミドエステルリン酸
緩衝生理食塩水溶液(10μg/mL、100μl)で1時
間誘導体化した。洗浄後、前記ペプチドのジメチルスル
ホキシド溶液(100μg/mL、100μl)を各ウェ
ルに加え、4℃で一晩プレートに架橋させた。プレート
をリン酸緩衝生理食塩水で洗浄し、次いで、プレートを
ウシ血清アルブミンのリン酸緩衝生理食塩水溶液(2.5
mg/mL、100μl)で被膜させ(37℃、1時
間)、未反応サイトをブロックした。 (3)細胞接着 検体溶液100μlをプレートに加えた後、RPMI細
胞の0.25%トリ卵白アルブミン含有ダルベッコ変法
イーグル培地溶液(2.5×106細胞/mL、100μ
l)をプレートに加え、37℃で1時間インキュベート
した。インキュベート後、プレートをリン酸緩衝生理食
塩水で洗浄した。p−ニトロフェニル−N−アセチル−
β−D−グルコースアミニドを0.1Mクエン酸緩衝液
(pH5)に7.5mMの濃度で溶解し、等量の0.5%の
トリトンX−100(t−オクチルフェノキシポリエト
キシエタノール)と混合した。この溶液50μlをプレ
ートに加え、プレートを37℃で60分間インキュベー
トした。グリシン/エデト酸(エチレンジアミン四酢酸)
溶液(50mMグリシン、5mMエデト酸緩衝液、pH
10.4)100μlを添加して反応を止めた。分光光度
計で405nmの吸光度を測定し、遊離したp−ニトロ
フェノールを定量した。組換ペプチドを用いて得られた
非特異的結合を差し引いた後、濃度阻害曲線から50%
阻害濃度(IC50)を計算した。結果は下記第1表のとお
りである。なお、比較対照化合物として、WO99/3
6393パンフレットに記載のN−(2,6−ジクロロベ
ンゾイル)−4−(2,6−ジメトキシフェニル)−L−フ
ェニルアラニンを用いた。
【表1】 第1表から明らかな通り、本発明の活性化合物は優れた
α4β7インテグリン介在細胞接着阻害作用を示す。
【0069】製造例1:N−(2,6−ジクロロベンゾイ
ル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−エトキシメチルフ
ェニル)−L−フェニルアラニン エチルエステル (1)L−チロシン エチルエステル塩酸塩(55.08g)
と炭酸水素ナトリウム(22.52g)のCH2Cl2/水
(280ml/280ml)混合物に二炭酸ジtert−
ブチル(56.82g)を少量ずつ加えた。混合物を室温
で2時間攪拌し、酢酸エチルで希釈した。有機層を水洗
し、Na2SO4で乾燥し、減圧濃縮した。残渣をジエチ
ルエーテルとヘキサンの混合溶媒で再結晶してN−(t
ert−ブトキシカルボニル)−L−チロシン エチルエ
ステル(62.71g)を得た。融点:87−88℃;M
S(APCI) m/z 327 (M+NH4)、310(M
+H)。
【0070】(2)ピリジン(48ml)を上記で得た生成
物(61.63g)のCH2Cl2(1800ml)溶液にア
ルゴン下加えた。溶液を−35℃から−30℃に冷却
し、無水トリフルオロメタンスルホン酸(35ml)を攪
拌下少量ずつ加えた。添加後、混合物を−30℃から−
20℃で2時間攪拌した。氷水を混合物に加え、有機層
を集め、5%クエン酸水溶液、水、および食塩水で洗浄
した。得られたCH2Cl2溶液をNa2SO4で乾燥し、
減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリ
カゲル;溶出液:n−ヘキサン/EtOAc=4:1)
で精製してN−(tert−ブトキシカルボニル)−O−
(トリフルオロメタンスルホニル)−L−チロシン エチ
ルエステル(87.94g)を得た。融点:47−49
℃;IR(Nujol)3390,1737,1691cm
-1;MS(APCI) m/z (M+NH4)。
【0071】(3)上記で得た生成物(76.51g)と2,
6−ジメトキシ−4−ヒドロキシメチルベンゼンボロン
酸(62.27g)のDMF(350ml)混合物にEt3
(41g)を加え、アルゴンで脱気した。Pd(PPh3)4
(19.5g)を混合物に加え、80〜90℃でアルゴン
下1時間攪拌した。混合物を冷却し、AcOEtと水で
希釈し、セライト濾過し、AcOEtで洗浄した。濾液
を水で希釈し、分取した。有機層を水と食塩水で洗浄
し、Na2SO4で乾燥、活性炭処理して減圧濃縮した。
残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;溶出
液:n−ヘキサン/EtOAc=3:2〜2:3)で精
製し、イソプロピルアルコールで再結晶して、N−(t
ert−ブトキシカルボニル)−4−(2,6−ジメトキ
シ−4−ヒドロキシメチルフェニル)−L−フェニルア
ラニン エチルエステル(69.4g)を得た。融点:14
2−143℃;IR(Nujol)3507,3323,1
731,1689,1606cm-1;MS(APCI) m
/z 477(M+NH4)。
【0072】(4)上記で得た生成物(10.0g)のジオ
キサン(50ml)溶液に4N HCl−ジオキサン(50
ml)を0℃で加え、混合物を室温下2時間攪拌した。
混合物をジエチルエーテルで希釈した。得られた沈殿物
を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄して、4−(2,6−
ジメトキシ−4−ヒドロキシメチルフェニル)−L−フ
ェニルアラニン エチルエステル塩酸塩(8.26g)を得
た。IR(Nujol)3321,1735cm-1;MS
(APCI+Q1MS) m/z 360(M+H)。
【0073】(5)上記で得た生成物(1.5g)のNaH
CO3(955mg)含有AcOEt/水(60ml/60
ml)混合物に、2,6−ジクロロベンゾイルクロリド
(0.6ml)を0℃で加え、混合物を0℃で0.5時間攪
拌した。混合物をAcOEt、水、および少量のCH2
Cl2で希釈した。有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO
4で乾燥し、減圧濃縮した。残渣を結晶化してN−(2,
6−ジクロロベンゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−
4−ヒドロキシメチルフェニル)−L−フェニルアラニ
ン エチルエステル(1.93g)を得た。融点:121
℃;IR(Nujol)3249,1725,1641cm
-1;MS(APCI+Q1MS) m/z 532(M+
H)。
【0074】(6)上記で得た生成物(508mg)のCH
2Cl2(10ml)溶液にMnO2(976mg)を加え
た。混合物を室温下2.5時間攪拌し、14時間還流し
た。混合物を冷却し、セライト濾過し、CH2Cl2で洗
浄した。濾液を減圧濃縮してN−(2,6−ジクロロベン
ゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−ホルミルフェ
ニル)−L−フェニルアラニン エチルエステル(352
mg)を得た。IR(Nujol)1734,1691,1
655cm-1;MS(APCI) m/z 530(M+
H).
【0075】(7)上記で得た生成物(345mg)のEt
3SiH(226mg)含有EtOH(4ml)混合物に濃
硫酸(0.5ml)を加えた。室温で18時間攪拌後、混
合物をAcOEtと水の混合物で処理した。有機層を水
と食塩水で順次洗浄し、MgSO 4で乾燥、減圧濃縮し
た。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;溶
出液:n−ヘキサン/AcOEt=2:1)で精製し、
ジイソプロピルエーテルとイソプロパノールの混合溶媒
で結晶化して標記化合物(254mg)を得た。融点:9
1〜94℃;IR(Nujol)3290,1729,16
52,1463,1123cm-1;MS(APCI+Q1
MS) m/z 560(M+H)。
【0076】製造例2:N−(2,6−ジクロロベンゾイ
ル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−エトキシメチルフ
ェニル)−L−フェニルアラニン メチルエステル (1)N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−チロシ
ン メチルエステル(3.34g)を製造例1−(1)と同様
にして、L−チロシン メチルエステル塩酸塩(2.69
g)から得た。融点:105〜106℃;IR(Nujo
l)3415,3321,1761,1691cm-1;MS
(APCI+Q1MS) m/z 313(M+NH4),29
6(M+H)。
【0077】(2)上記で得た生成物(3.3g)をN−(t
ert−ブトキシカルボニル)−O−(トリフルオロメタ
ンスルホニル)−L−チロシン メチルエステル(4.62
g)に、製造例1−(2)と同様にして変換した。IR(N
eat)3366,1747,1715cm-1;MS(AP
CI+Q1MS) m/z 445(M+NH4)。
【0078】(3)上記で得た生成物(4.56g)をN−
(tert−ブトキシカルボニル)−4−(2,6−ジメト
キシ−4−ヒドロキシメチルフェニル)−L−フェニル
アラニン メチルエステル(3.21g)に、製造例1−
(3)と同様にして変換した。融点:100℃;IR(N
ujol)3360,1739,1683,1661c
-1;MS(APCI) m/z 463(M+NH4)。
【0079】(4)上記で得た生成物(3.19g)を4−
(2,6−ジメトキシ−4−ヒドロキシメチルフェニル)
−L−フェニルアラニン メチルエステル塩酸塩(2.4
5g)に、製造例1−(4)と同様にして変換した。融
点:211−213℃(分解);IR(Nujol)330
1,1739cm-1;MS(APCI+Q1MS) m/z
346(M+H)。
【0080】(5)上記で得た生成物(1.08g)をN−
(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−(2,6−ジメトキ
シ−4−ヒドロキシメチルフェニル)−L−フェニルア
ラニンメチルエステル(874mg)に、製造例1−(5)
と同様にして変換した。融点:116〜120℃;IR
(Nujol)3230,3069,1749,1732,1
641cm-1;MS(APCI+Q1MS) m/z 51
8(M+H)。
【0081】(6)上記で得た生成物(937mg)のNa
HCO3(304mg)含有ジオキサン(10ml)混合物
にPBr3(680mg)のジオキサン(2ml)溶液を室
温下少量ずつ加えた。20分間攪拌後、混合物に氷を入
れて反応を止め、AcOEtで抽出した。有機層を水と
食塩水で順次洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮し
た。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;溶
出液:AcOEt/CHCl3=1:10)で精製してN
−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−(4−ブロモメチ
ル−2,6−ジメトキシフェニル)−L−フェニルアラニ
ン メチルエステル(598mg)を得た。MS(APCI
+Q1MS) m/z 584,582,580(M+H)。
【0082】(7)上記で得た生成物(571mg)のAg
O(659mg)含有EtOH(20ml)混合物を室温下
7時間超音波で処理した。混合物をセライト濾過し、E
tOHで洗浄した。濾液を減圧濃縮し、残渣をカラムク
ロマトグラフィー(シリカゲル;溶出液:AcOEt/
CHCl3=1:20)で精製して標記化合物(318m
g)を得た。MS(APCI+Q1MS) m/z 546
(M+H)。
【0083】製造例3:N−(2,6−ジクロロベンゾイ
ル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−エトキシメチルフ
ェニル)−L−フェニルアラニン 製造例1の化合物(207mg)のTHF/水(8ml/
2ml)溶液にLiOH(30mg)を5℃で加えた。混
合物を5℃で20時間攪拌し、6N塩酸(1ml)で反応
を止め、AcOEtで抽出した。有機層を水と食塩水で
洗浄し、MgSO 4で乾燥し、減圧濃縮した。残渣をM
eOH、ジエチルエーテルおよびヘキサンの混合溶媒で
再結晶して標記化合物(147mg)を得た。融点:19
6〜198℃;IR(Nujol)3300,3270,1
705,1651,1462,1126cm-1;MS(ES
I−Q1MS) m/z 530(M−H)。
【0084】製造例4:N−(2,6−ジクロロベンゾイ
ル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−メトキシメチルフ
ェニル)−L−フェニルアラニン エチルエステル 製造例1−(5)の生成物(304mg)のAg2O(868
mg)含有CH3CN(30ml)混合物にMeI(871
mg)を加えた。混合物を室温下18.5時間攪拌し、つ
いで50℃で5時間超音波で処理した。混合物をセライ
ト濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣をカラムクロマト
グラフィー(シリカゲル;溶出液:AcOEt/n−ヘ
キサン=1:2)で精製して標記化合物(222mg)を
得た。IR(Neat+CHCl3)3285,1736,
1663cm-1;MS(APCI+Q1MS) m/z 5
46(M+H)。
【0085】製造例5:N−(2,6−ジクロロベンゾイ
ル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−メトキシメチルフ
ェニル)−L−フェニルアラニン 製造例4で得た生成物(210mg)を製造例3と同様に
して標記化合物(139mg)に変換した。融点:232
〜235℃;IR(Nujol)3336,1717,16
85cm-1;MS(ESI−Q1MS) m/z 516
(M−H)。
【0086】製造例6:N−(2,6−ジクロロベンゾイ
ル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−n−プロポキシメ
チルフェニル)−L−フェニルアラニン エチルエステル (1)製造例1−(5)で得た生成物(3.0g)のPPh
3(1.77g)含有CH2Cl 2(80ml)溶液にCBr
4(2.8g)を0℃で加えた。混合物を室温下3時間攪拌
し、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル;溶出液:AcOEt/n−ヘキサン=
1:1)で精製してN−(2,6−ジクロロベンゾイル)−
4−(2,6−ジメトキシ−4−ブロモメチルフェニル)
−L−フェニルアラニン エチルエステル(3.15g)を
得た。IR(Nujol)1731,1654cm-1;M
S(APCI) m/z 596(M+H)。
【0087】(2)上記で得た生成物(304mg)のAg
O(515mg)含有n−PrOH(12ml)混合物をア
ルゴン下45℃で28時間超音波で処理した。混合物を
セライト濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣をカラムク
ロマトグラフィー(シリカゲル;溶出液:n−ヘキサン
/AcOEt=3:1)で精製して標記化合物(258m
g)を得た。IR(Nujol)1733,1655c
-1;MS(APCI) m/z 574 (M+H)。
【0088】製造例7:N−(2,6−ジクロロベンゾイ
ル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−n−プロピルオキ
シメチルフェニル)−L−フェニルアラニン 製造例6で得た生成物(150mg)を製造例3と同様に
して標記化合物(142mg)に変換した。融点:183
〜186℃;IR(Nujol)1719,1684cm
-1;MS(APCI) m/z 544(M−H)。
【0089】製造例8:N−(2,6−ジクロロベンゾイ
ル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−イソプロポキシメ
チルフェニル)−L−フェニルアラニン エチルエステル 製造例6−(1)で得た生成物(231mg)をn−プロパ
ノールの代わりにイソプロパノールを用いる以外は、製
造例6−(2)と同様にして標記化合物(179mg)に変
換した。IR(Nujol)3270,1731,1658
cm-1;MS(APCI) m/z 574(M+H)。
【0090】製造例9:N−(2,6−ジクロロベンゾイ
ル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−イソプロポキシメ
チルフェニル)−L−フェニルアラニン 製造例8で得た生成物(122mg)を製造例3と同様に
して加水分解して標記化合物(117mg)を得た。IR
(Nujol)3341,3070,1718,1681c
-1;MS(ESI) m/z 544(M−H)。
【0091】製造例10:N−(2,6−ジフルオロベン
ゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−エトキシメチ
ルフェニル)−L−フェニルアラニン エチルエステル (1)製造例1−(4)で得た生成物(2.1g)を製造例1
−(5)と同様にして2,6−ジフルオロベンゾイルクロ
リドでアシル化し、N−(2,6−ジフルオロベンゾイ
ル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−ヒドロキシメチル
フェニル)−L−フェニルアラニン エチルエステル(2.
75g)を得た。融点:70〜72℃;IR(Nujo
l)3400,3263,1735,1654,1624c
-1;MS(APCI) m/z 500(M+H)。
【0092】(2)上記で得た生成物(1.72g)のDM
SO(20ml)溶液にEt3N(4.8ml)とSO3・ピ
リジン(5.6g)を室温下順次加えた。混合物全体を室
温で25分間攪拌した。反応混合物を氷水に注ぎ、つい
で混合物をEtOAcで抽出した。有機層を5%HCl
水溶液、水および食塩水で順次洗浄し、Na2SO4で乾
燥し、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル;溶出液:n−ヘキサン/EtOAc=
5:1〜1:1)で精製してN−(2,6−ジフルオロベ
ンゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−ホルミルフ
ェニル)−L−フェニルアラニン エチルエステル(1.5
4g)を得た。融点:114〜116℃;IR(Nujo
l)3332,1735,1695,1657,1644,1
623cm-1;MS(APCI) m/z 498(M+
H)。
【0093】(3)上記で得た生成物(716mg)を製造
例1−(7)と同様にして標記化合物(428mg)に変換
した。融点:87〜89℃;IR(Neat+CHC
3)3300,1739,1668cm-1;MS(APC
I) m/z 528(M+H)。
【0094】製造例11:N−(2,6−ジフルオロベン
ゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−エトキシメチ
ルフェニル)−L−フェニルアラニン メチルエステル (1)製造例2−(4)で得た生成物(1.00g)を製造例
1−(5)と同様にして2,6−ジフルオロベンゾイルク
ロリドでアシル化し、N−(2,6−ジフルオロベンゾイ
ル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−ヒドロキシメチル
フェニル)−L−フェニルアラニン メチルエステル(8
73mg)を得た。IR(Nujol)3257,174
3,1655,1624cm-1;MS(APCI+Q1M
S) m/z 503(M+NH4),486(M+H)。
【0095】(2)上記で得た生成物(860mg)を製造
例2−(6)と(7)と同様にして標記化合物(220mg)
に変換した。
【0096】製造例12:N−(2,6−ジフルオロベン
ゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−エトキシメチ
ルフェニル)−L−フェニルアラニン 製造例10で得た生成物(200mg)を製造例3と同様
に加水分解して標記化合物(160mg)を得た。融点:
156−158℃;IR(Nujol)1735,165
5cm-1;MS(ESI) m/z 498(M−H)。
【0097】製造例13:N−(2,6−ジフルオロベン
ゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−メトキシメチ
ルフェニル)−L−フェニルアラニン エチルエステル (1)製造例10−(1)で得た生成物(1.41g)を製造
例6−(1)と同様にしてN−(2,6−ジフルオロベンゾ
イル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−ブロモメチルフ
ェニル)−L−フェニルアラニン エチルエステル(1.2
2g)に変換した。IR(Nujol)3317,174
0,1653,1623cm-1;MS(APCI) m/z
564(M+H)。
【0098】(2)上記で得た生成物(231mg)を、n
−プロパノールの代わりにメタノールを用いる以外は製
造例6−(2)と同様にして、標記化合物(96mg)に変
換した。IR(Nujol)3347,1754,165
5,1626cm-1;MS(APCI+Q1MS) m/z
514(M+H)。
【0099】製造例14:N−(2,6−ジフルオロベン
ゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−メトキシメチ
ルフェニル)−L−フェニルアラニン 製造例13で得た生成物(96mg)を製造例3と同様に
して加水分解し、標記化合物(62mg)を得た。IR
(Nujol)3303,3275,1724,1709,1
655,1626cm-1;MS(ESI−Q1MS) m/
z 484(M−H)。
【0100】製造例15:N−(2,6−ジフルオロベン
ゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−n−プロポキ
シメチルフェニル)−L−フェニルアラニン エチルエス
テル 製造例13−(1)で得た生成物を製造例6−(2)と同様
にして標記化合物に変換した。IR(Neat)330
2,1739,1674,1624cm-1;MS(APC
I) m/z 542(M+H)。
【0101】製造例16:N−(2,6−ジフルオロベン
ゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−イソプロポキ
シメチルフェニル)−L−フェニルアラニン エチルエス
テル 製造例13−(1)で得た生成物を、n−プロパノールの
代わりにイソプロパノールを用いる以外は製造例6−
(2)と同様にして標記化合物に変換した。IR(Nuj
ol)3332,1756,1653,1625cm-1;M
S(APCI+Q1MS) m/z 542(M+H)。
【0102】製造例17:N−(2,6−ジフルオロベン
ゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−n−プロポキ
シメチルフェニル)−L−フェニルアラニン 製造例15で得た生成物を製造例3と同様にして加水分
解して標記化合物を得た。IR(Nujol)1735,
1660,1624cm-1;MS(ESI) m/z 51
2(M−H)。
【0103】製造例18:N−(2,6−ジフルオロベン
ゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−イソプロポキ
シメチルフェニル)−L−フェニルアラニン 製造例16で得た生成物を製造例3と同様にして加水分
解して標記化合物を得た。IR(Nujol)1735,
1655,1624cm-1;MS(ESI−Q1MS) m
/z 512(M−H)。
【0104】製造例19:N−(2−クロロ−6−フル
オロベンゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−エト
キシメチルフェニル)−L−フェニルアラニン エチルエ
ステル (1)製造例1−(4)で得た生成物(863mg)と2−ク
ロロ−6−フルオロ安息香酸(456mg)のDMF(1
5ml)溶液にEDC・HCl(549mg)、HOBt
(383mg)および4−メチルモルホリン(0.48m
l)を室温下で順次加えた。混合物を室温で14時間攪
拌し、水で希釈した。混合物をAcOEtで抽出し、有
機層を飽和NaHCO3水溶液、水および食塩水で順次
洗浄した。得られた有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧
濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲ
ル;溶出液:n−ヘキサン/AcOEt=1:1)で精
製してN−(2−クロロ−6−フルオロベンゾイル)−4
−(2,6−ジメトキシ−4−ヒドロキシメチルフェニ
ル)−L−フェニルアラニン エチルエステル(950m
g)を得た。融点:101〜104℃;IR(Nujo
l)2921,2853,1733,1652,1605c
-1;MS(APCI) m/z 516(M+H)。
【0105】(2)上記で得た生成物(630mg)を製造
例1−(6)と同様にして酸化してN−(2−クロロ−6
−フルオロベンゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4
−ホルミルフェニル)−L−フェニルアラニン エチルエ
ステル(466mg)を得た。IR(Nujol)327
9,1735,1691,1657cm-1;MS(APCI
+Q1MS) m/z 514(M+H)。
【0106】(3)上記で得た生成物(466mg)を製造
例1−(7)と同様にして標記化合物(454mg)に変換
した。IR(Neat+CHCl3)3289,1737,
1663,1605cm-1;MS(APCI) m/z 5
44(M+H)。
【0107】製造例20:N−(2−クロロ−6−フル
オロベンゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−エト
キシメチルフェニル)−L−フェニルアラニン 製造例19で得た生成物(210mg)のTHF(5ml)
溶液に0.5N LiOH(1.54ml)と3% H2
2(65μl)を5℃で加えた。混合物を5℃で14時間
攪拌し、1N塩酸で酸性とした。混合物を濃縮し、水で
希釈し、得られた沈殿物を濾過して集め、水洗して標記
化合物(171mg)を得た。融点:182〜184℃;
IR(Nujol)3295,1729,1711,165
3cm-1;MS(ESI) m/z 514(M−H)。
【0108】製造例21:N−(2−クロロ−6−フル
オロベンゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−メト
キシメチルフェニル)−L−フェニルアラニン メチルエ
ステル (1)製造例2−(4)で得た生成物(49g)を製造例19
−(1)と同様にして2−クロロ−6−フルオロ安息香酸
でアシル化して、N−(2−クロロ−6−フルオロベン
ゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−ヒドロキシメ
チルフェニル)−L−フェニルアラニン メチルエステル
(58g)を得た。IR(Nujol)1735,1651
cm-1;MS(APCI) m/z 519(M+NH4)。
【0109】(2)上記で得た化合物(58g)を製造例1
−(6)と同様にして酸化してN−(2−クロロ−6−フ
ルオロベンゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−ホ
ルミルフェニル)−L−フェニルアラニン メチルエステ
ル(45.8g)を得た。IR(Nujol)3275,17
43,1691cm-1;MS(APCI+Q1MS) m/
z 500(M+H)。
【0110】(3)上記で得た生成物(2.0g)を、エタ
ノールの代わりにメタノールを用いる以外は製造例1−
(7)と同様にして標記化合物(1.4g)に変換した。I
R(Neat+CHCl3)3285,1745,1665,
1605cm-1;MS(APCI+Q1MS) m/z 5
33(M+NH4),516(M+H)。
【0111】製造例22:N−(2−クロロ−6−フル
オロベンゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−メト
キシメチルフェニル)−L−フェニルアラニン エチルエ
ステル (1)製造例19−(1)で得た生成物(3.29g)をN−
(2−クロロ−6−フルオロベンゾイル)−4−(2,6−
ジメトキシ−4−ブロモメチルフェニル)−L−フェニ
ルアラニン エチルエステル(2.91g)に、製造例6−
(1)と同様にして変換した。IR(Neat+CHC
3)3315,1735,1662,1603cm -1;M
S(APCI) m/z 582,580,578(M+H)。
【0112】(2)上記で得た生成物(250mg)を、エ
タノールの代わりにメタノールを用いる以外は製造例2
−(7)と同様にして標記化合物(190mg)に変換し
た。IR(Nujol)1736,1659cm-1;MS
(APCI) m/z 530(M+H)。
【0113】製造例23:N−(2−クロロ−6−フル
オロベンゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−メト
キシメチルフェニル)−L−フェニルアラニン 製造例22で得た生成物(130mg)を製造例3と同様
に加水分解して標記化合物(100g)を得た。融点:1
70〜175℃;IR(Nujol)1720,1680
cm-1;MS(ESI) m/z 500(M−H)。
【0114】製造例24:N−(2−クロロ−6−フル
オロベンゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−n−
プロポキシメチルフェニル)−L−フェニルアラニン エ
チルエステル 製造例22−(1)で得た生成物を、エタノールの代わり
にn−プロパノールを用いる以外は、製造例2−(7)と
同様にして標記化合物に変換した。IR(Neat+C
HCl3)1737,1667cm-1;MS(APCI) m
/z 558(M+H)。
【0115】製造例25:N−(2−クロロ−6−フル
オロベンゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−イソ
プロポキシメチルフェニル)−L−フェニルアラニン エ
チルエステル 製造例22−(1)で得た生成物を、エタノールの代わり
にイソプロパノールを用いる以外は、製造例2−(7)と
同様にして標記化合物に変換した。IR(Neat+C
HCl3)3305,1737,1665,1605c
-1;MS(APCI) m/z 558(M+H)。
【0116】製造例26:N−(2−クロロ−6−フル
オロベンゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−n−
プロポキシメチルフェニル)−L−フェニルアラニン 製造例24で得た生成物を、製造例3と同様にして加水
分解し標記化合物を得た。IR(Nujol)1713,
1654cm-1;MS(APCI)m/z 528(M−
H)。
【0117】製造例27:N−(2−クロロ−6−フル
オロベンゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−イソ
プロポキシメチルフェニル)−L−フェニルアラニン 製造例25で得た生成物を製造例3と同様に加水分解し
て標記化合物を得た。IR(Neat+CHCl3)34
00,3280,1737,1660,1605cm-1;M
S(ESI) m/z 528(M−H)。
【0118】製造例28:N−(2,6−ジクロロベンゾ
イル)−4−[2,6−ジメトキシ−4−(2−エトキシエ
チル)フェニル]−L−フェニルアラニン tert−ブ
チルエステル (1)L−チロシン tert−ブチルエステル(2.5g)
を製造例1−(5)と同様にアシル化して、N−(2,6−
ジクロロベンゾイル)−L−チロシン tert−ブチル
エステル(4.3g)を得た。融点:177〜178℃;
IR(Nujol)1721,1652cm-1;MS(AP
CI) m/z 427(M+NH4),410(M+H)。
【0119】(2)上記で得た生成物(4.3g)を製造例
1−(2)と同様にして、N−(2,6−ジクロロベンゾイ
ル)−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−L−チロ
シン tert−ブチルエステル(5.6g)に変換した。
融点:92〜93℃;IR(Nujol)1716,16
43cm-1;MS(APCI) m/z 559(M+N
4)。
【0120】(3)上記で得た生成物(4.07g)、2,6
−ジメトキシ−4−(2−ヒドロキシエチル)ベンゼンボ
ロン酸(2.71g)およびEt3N(2.27g)のDMF
(100ml)脱気懸濁液にPd(PPh3)4(866mg)
を加えた。混合物を80〜90℃で2時間アルゴン下加
熱した。得られた混合物をAcOEtで希釈し、水洗
し、セライト濾過した。有機層を分離し、MgSO4
乾燥し、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィ
ー(塩基性シリカゲル(Chromatorex−NH、
富士シリシア化学株式会社);溶出液:酢酸エチル;つ
いでシリカゲル;溶出液:酢酸エチル/n−ヘキサン=
3:2〜2:1)で精製し、ジエチルエーテルで再結晶
してN−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−[2,6−
ジメトキシ−4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−
L−フェニルアラニン tert−ブチルエステル(2.
5g)を得た。融点:96〜98℃;IR(Nujol)
1727,1645cm-1;MS(APCI) m/z 5
91(M+NH4)。
【0121】(4)上記で得た生成物(254mg)を製造
例4と同様にしてEtIでアルキル化し、標記化合物
(116mg)を得た。IR(Neat+CHCl3)33
01,1730,1669cm-1;MS(APCI) m/
z 619(M+NH4)。
【0122】製造例29:N−(2,6−ジクロロベンゾ
イル)−4−[2,6−ジメトキシ−4−(2−エトキシエ
チル)フェニル]−L−フェニルアラニン 製造例28で得た生成物(109mg)のCH2Cl2(2
ml)溶液に4N HCl−ジオキサン(3ml)を室温下
で加えた。混合物を室温で3日間攪拌し、減圧濃縮し
た。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;溶
出液:n−ヘキサン/AcOEt=1:1)で精製して
標記化合物(88mg)を得た。IR(Nujol)332
0,3067,1736,1715,1683cm-1;MS
(ESI) m/z 544(M−H)。
【0123】製造例30:N−(2,6−ジフルオロベン
ゾイル)−4−[2,6−ジメトキシ−4−(2−エトキシ
エチル)フェニル]−L−フェニルアラニン tert−
ブチルエステル (1)L−チロシン tert−ブチルエステル(10.0
g)を製造例1−(5)と同様にして2,6−ジフルオロベ
ンゾイルクロリドでアシル化して、N−(2,6−ジフル
オロベンゾイル)−L−チロシン tert−ブチルエス
テル(15.9g)を得た。融点:145〜148℃;I
R(Nujol)1728,1638cm-1;MS(APC
I) m/z 395(M+NH4),378(M+H)。
【0124】(2)上記で得た生成物(15.9g)を製造
例1−(2)と同様にしてN−(2,6−ジフルオロベンゾ
イル)−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−L−チ
ロシンtert−ブチルエステル(21.04g)に変換
した。IR(Neat+CHCl 3)1732,1658c
-1;MS(APCI) m/z 527(M+NH4)。
【0125】(3)上記で得た生成物(5.61g)を製造
例28−(3)と同様にして、N−(2,6−ジフルオロベ
ンゾイル)−4−[2,6−ジメトキシ−4−(2−ヒドロ
キシエチル)フェニル]−L−フェニルアラニン ter
t−ブチルエステル(3.54g)に変換した。IR(Ne
at+CHCl3)3307,1731,1660cm-1
MS(APCI) m/z 559(M+NH4),542(M
+H)。
【0126】(4)上記で得た生成物(250mg)を製造
例4と同様にしてEtIでアルキル化し、標記化合物
(230mg)を得た。IR(Neat+CHCl3)17
31,1675cm-1;MS(APCI) m/z 588
(M+NH4),570(M+H)。
【0127】製造例31:N−(2,6−ジフルオロベン
ゾイル)−4−[2,6−ジメトキシ−4−(2−エトキシ
エチル)フェニル]−L−フェニルアラニン 製造例30で得た生成物(200mg)を製造例29と同
様にして加水分解し、標記化合物(161mg)を得た。
融点:63〜70℃;IR(Nujol)1737,16
60,1624cm-1;MS(APCI) m/z 512
(M−H)。
【0128】製造例32:N−(2,6−ジフルオロベン
ゾイル)−4−[2,6−ジメトキシ−4−(2−メトキシ
エチル)フェニル]−L−フェニルアラニン エチルエス
テル (1)製造例1−(2)で得た生成物(43.83g)を製造
例28−(3)と同様にしてN−(tert−ブトキシカ
ルボニル)−4−[2,6−ジメトキシ−4−(2−ヒドロ
キシエチル)フェニル]−L−フェニルアラニン エチル
エステル(38.03g)に変換した。融点:112−1
14℃。IR(Nujol)3487,3327,172
9,1688,1607cm-1;MS(APCI) m/z
491(M+NH4)。
【0129】(2)上記で得た生成物(3.04g)を製造
例1−(4)と同様にして4−[2,6−ジメトキシ−4−
(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−L−フェニルアラ
ニン エチルエステル塩酸塩(2.57g)に変換した。I
R(Nujol)3400,1730cm-1;MS(APC
I) m/z 374(M+H)。
【0130】(3)上記で得た生成物(2.57g)を製造
例1−(5)と同様にして2,6−ジフルオロベンゾイル
クロリドでアシル化して、N−(2,6−ジフルオロベン
ゾイル)−4−[2,6−ジメトキシ−4−(2−ヒドロキ
シエチル)フェニル]−L−フェニルアラニン エチルエ
ステル(2.35g)を得た。融点:115〜117℃;
IR(Nujol)3568,3355,1753,165
5,1627cm-1;MS(APCI) m/z 514(M
+H)。
【0131】(4)上記で得た生成物(329mg)を製造
例4と同様にしてアルキル化し、標記化合物(294m
g)を得た。IR(Nujol)3341,1755,16
55,1625cm-1;MS(APCI) m/z 528
(M+H)。
【0132】製造例33:N−(2,6−ジフルオロベン
ゾイル)−4−[2,6−ジメトキシ−4−(2−メトキシ
エチル)フェニル]−L−フェニルアラニン 製造例32で得た生成物(187mg)を製造例3と同様
にして加水分解し、標記化合物(143mg)を得た。I
R(Neat+CHCl3)1739,1667cm-1;M
S(APCI) m/z 498(M−H)。
【0133】参考例1:2,6−ジメトキシ−4−ヒド
ロキシメチルベンゼンボロン酸 3,5−ジメトキシベンジルアルコール(80g)のTH
F(1900ml)溶液にn−BuLi(1.6M ヘキサ
ン溶液、750ml)を−50℃でアルゴン下0.5時間
かけて少量ずつ加えた。混合物を室温まで2時間加温
し、再度−60℃まで冷却した。混合物に(MeO)3
(200ml)を加え、得られた混合物を室温で加温し、
一晩攪拌した。反応混合物にクエン酸(300g)の水
(1200ml)溶液を0℃で少量ずつ加えた。水層を分
離し、NaClの飽和とし、AcOEtで抽出した。集
めたAcOEt抽出液をNa2SO4で乾燥し、減圧濃縮
した。結晶性残渣をAcOEtでトリチュレーション
し、濾取して標記化合物(75.1g)を得た。融点:9
2〜98℃;IR(Nujol)3460,3408,32
18,1613,1578,1288,1231,1123,
1055,960,779cm-1;MS(APCI) m/
z 230(M+NH4)。
【0134】参考例2:2,6−ジメトキシ−4−(2−
ヒドロキシエチル)ベンゼンボロン酸 (1)LiAlH4(1.05g)のジオキサン(100ml)
溶液に3,5−ジメトキシフェニル酢酸(5.32g)のジ
オキサン(20ml)溶液を少量ずつ0℃で加えた。混合
物を室温下0.5時間攪拌し、50℃で2時間攪拌し
た。混合物に濃NH4OHを加えて反応を止め、セライ
ト濾過した。濾液を減圧濃縮して粗体の3,5−ジメト
キシフェネチルアルコール(5.1g)を得た。IR(Ne
at)3400,1600cm-1;MS(GC−EI)18
2(M+),151(M−MeO)。(2)上記で得た生成物
(27.16g)を参考例1と同様にして標記化合物(3
9.1g)に変換した。
【発明の効果】本発明の有効成分である化合物[I]
は、優れたα4介在細胞接着阻害作用を有する。また、
本発明の活性化合物は、ビフェニル環の4'位へのC1-6
アルコキシ置換C1-2アルキル基の導入という構造的特
徴により、a)代謝安定性、b)血漿蛋白質結合、c)水
溶性等が改善され、優れた生体内利用性を示す。さら
に、本発明の活性化合物は毒性が低く、医薬として安全
性が高い。このため、本発明の医薬組成物は、α4介在
細胞接着が関与する疾病の治療に有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 3/10 A61P 3/10 7/00 7/00 7/02 7/02 9/00 9/00 9/08 9/08 9/10 9/10 11/00 11/00 11/04 11/04 11/06 11/06 13/12 13/12 17/00 17/00 19/02 19/02 19/10 19/10 25/00 25/00 25/28 25/28 27/02 27/02 27/16 27/16 29/00 29/00 101 101 31/18 31/18 35/00 35/00 37/02 37/02 37/08 37/08 (72)発明者 久米 俊行 埼玉県さいたま市大字中尾1151−2 (72)発明者 イラ・サーカー アメリカ合衆国92130カリフォルニア州サ ンディエゴ、ライディング・リッジ・ロー ド4832番 Fターム(参考) 4C206 AA01 AA02 GA07 GA37 MA01 MA04 NA14 ZA02 ZA15 ZA16 ZA33 ZA34 ZA36 ZA39 ZA45 ZA51 ZA54 ZA59 ZA66 ZA75 ZA81 ZA89 ZA96 ZA97 ZB07 ZB11 ZB13 ZB15 ZB26 ZC35 ZC55

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式[I]: 【化1】 (式中、X1はハロゲン原子;X2はハロゲン原子;Qは
    −CH2−基または−(CH2)2−基;YはC1-6アルキル
    基;およびCO2Rはエステル化されていてもよいカル
    ボキシル基)で示されるフェニルアラニン誘導体、また
    はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有す
    ることを特徴とする医薬組成物。
  2. 【請求項2】 化学構造が下記式[I−1]: 【化2】 (式中、記号は請求項1と同じである)である、請求項1
    記載の医薬組成物。
  3. 【請求項3】 X1が塩素原子またはフッ素原子;X2
    塩素原子またはフッ素原子;YがC1-4アルキル基;お
    よびCO2Rがカルボキシル基またはC2-7アルコキシカ
    ルボニル基である、請求項2記載の医薬組成物。
  4. 【請求項4】 X1が塩素原子またはフッ素原子;X2
    塩素原子またはフッ素原子;Qが−CH2−基;Yがメ
    チル基、エチル基またはn−プロピル基;およびCO2
    Rがカルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシ
    カルボニル基、またはtert−ブトキシカルボニル基
    である、請求項3記載の医薬組成物。
  5. 【請求項5】 X1がフッ素原子;X2が塩素原子または
    フッ素原子;Qが−CH2−基;Yがメチル基またはエ
    チル基;およびCO2Rがカルボキシル基またはC2-7
    ルコキシカルボニル基である、請求項3記載の医薬組成
    物。
  6. 【請求項6】 有効成分がN−(2,6−ジフルオロベン
    ゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−エトキシメチ
    ルフェニル)−L−フェニルアラニン;N−(2−クロロ
    −6−フルオロベンゾイル)−4−(2,6−ジメトキシ
    −4−エトキシメチルフェニル)−L−フェニルアラニ
    ン;N−(2−クロロ−6−フルオロベンゾイル)−4−
    (2,6−ジメトキシ−4−メトキシメチルフェニル)−
    L−フェニルアラニン;N−(2,6−ジフルオロベンゾ
    イル)−4−(2,6−ジメトキシ−4−メトキシメチル
    フェニル)−L−フェニルアラニン;またはそれらのC
    1-6アルキルエステル、または製薬学的に許容される塩
    である、請求項1記載の医薬組成物。
  7. 【請求項7】 α4介在細胞接着による病態の治療また
    は予防用の、請求項1〜6のいずれかに記載の医薬組成
    物。
  8. 【請求項8】 該病態がリウマチ関節炎、喘息、アレル
    ギー性疾患、成人呼吸窮迫症候群、AIDS痴呆、アル
    ツハイマー病、心・血管疾患、血栓症または有害な血小
    板凝集、血栓溶解後の再閉塞、再潅流障害、皮膚炎症性
    疾患、糖尿病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデ
    ス、炎症性腸疾患、胃腸管への白血球浸潤が関与する疾
    病、上皮組織への白血球浸潤が関与する疾病、膵炎、乳
    腺炎、肝炎、胆嚢炎、胆管炎、胆管周囲炎、気管支炎、
    副鼻腔炎、肺の炎症性疾患、サルコイドーシス、骨粗鬆
    症、変形性関節症、動脈硬化症、腫瘍性疾患、外傷、眼
    病、シェーグレン症候群、臓器移植後の拒絶反応、脈管
    内膜過形成、手術後の再梗塞または再狭窄、腎炎、骨髄
    腫誘発骨吸収、および中枢神経障害から選択される、請
    求項7記載の医薬組成物。
  9. 【請求項9】 該病態が喘息、アレルギー性疾患、炎症
    性腸疾患、リウマチ関節炎、アトピー性皮膚炎、多発性
    硬化症または臓器移植後の拒絶反応である、請求項7記
    載の医薬組成物。
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