JP2003317955A - 発光装置およびその作製方法、製造装置の操作方法 - Google Patents

発光装置およびその作製方法、製造装置の操作方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】アクティブマトリクス方式の発光装置において
も、TFTはEL層の下方に配置されるため、EL層上
に金属層を形成する方法として電子銃蒸着法を採用して
も問題ないと予想していた。しかしながら、TFTは、
電子銃により発生するイオン化された蒸発粒子や2次電
子や反射電子などに対して非常に敏感であり、電子銃蒸
着法を用いた場合、EL層への損傷はほとんど見られな
いものの、TFTへの損傷が大きいことが判明した。 【解決手段】本発明は、アクティブマトリクス方式の発
光装置において、TFTへの影響が最も少ない抵抗加熱
法を用いて、有機化合物層および金属層(陰極または陽
極)を形成することによって、優れたTFT特性(オン
電流、オフ電流、Vth、S値など)を有する発光装置
を作製することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置に関し、
特に、絶縁表面を有する基板上に形成された有機発光素
子を有する発光装置およびその作製方法に関する。ま
た、有機発光パネルにコントローラを含むIC等を実装
した、有機発光モジュールに関する。なお本明細書にお
いて、有機発光パネル及び有機発光モジュールを共に発
光装置と総称する。
【0002】
【従来の技術】近年、自発光型の素子として有機発光素
子を有した発光装置の研究が活発化しており、特に、E
L材料として有機材料を用いた発光装置が注目されてい
る。この発光装置は有機ELディスプレイ又は有機発光
ダイオードとも呼ばれている。
【0003】なお、有機発光素子は、電場を加えること
で発生するルミネッセンス(ElectroLuminescence)が
得られる有機化合物を含む層(以下、EL層と記す)
と、陽極と、陰極とを有する。有機化合物におけるルミ
ネッセンスには、一重項励起状態から基底状態に戻る際
の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際
の発光(リン光)とがあるが、本発明の成膜装置および
成膜方法により作製される発光装置は、どちらの発光を
用いた場合にも適用可能である。
【0004】発光装置は、液晶表示装置と異なり自発光
型であるため視野角の問題がないという特徴がある。即
ち、屋外に用いられるディスプレイとしては、液晶ディ
スプレイよりも適しており、様々な形での使用が提案さ
れている。
【0005】有機発光素子は一対の電極間にEL層が挟
まれた構造となっているが、EL層は通常、積層構造と
なっている。代表的には、「正孔輸送層/発光層/電子
輸送層」という積層構造が挙げられる。この構造は非常
に発光効率が高く、現在、研究開発が進められている発
光装置は殆どこの構造を採用している。
【0006】また、他にも陽極上に正孔注入層/正孔輸
送層/発光層/電子輸送層、または正孔注入層/正孔輸
送層/発光層/電子輸送層/電子注入層の順に積層する
構造も良い。発光層に対して蛍光性色素等をドーピング
しても良い。また、これらの層は、全て低分子系の材料
を用いて形成しても良いし、全て高分子系の材料を用い
て形成しても良い。
【0007】なお、本明細書において、陰極と陽極との
間に設けられる全ての層を総称してEL層という。した
がって、上述した正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電
子輸送層及び電子注入層は、全てEL層に含まれるもの
とする。
【0008】また、本明細書中では、陰極、EL層及び
陽極で形成される発光素子を有機発光素子といい、これ
には、互いに直交するように設けられた2種類のストラ
イプ状電極の間にEL層を形成する方式(単純マトリク
ス方式)、又はTFTに接続されマトリクス状に配列さ
れた画素電極と対向電極との間にEL層を形成する方式
(アクティブマトリクス方式)の2種類がある。
【0009】公知の代表的な蒸着法としては、蒸着材料
を収納した容器まわりに抵抗加熱体を配置して通電加熱
することによって間接的に加熱し、蒸着材料を蒸発させ
る抵抗加熱法、電子ビームを蒸着材料に照射し、蒸発さ
せる電子銃蒸着法(EB蒸着法とも呼ばれる)などが挙
げられる。その他の蒸着法として、金属で容器(蒸着材
料を収納した)を形成し、直接通電して加熱し、蒸着材
料を蒸発させる方法や、石英などの光透過性材料で容器
(蒸着材料を収納した)を形成し、赤外線ランプによっ
て蒸着材料を輻射加熱して蒸発させる方法などがある。
【0010】また、有機化合物からなる蒸着材料は、電
子ビームを照射するとエネルギーが高すぎて分解してし
まうため、その他の蒸着法が用いられることが多い。一
方、一般に発光素子の陰極や陽極として、比較的融点の
高い無機物である金属薄膜を蒸着する際には、成膜レー
トを安定させやすい電子銃蒸着法が用いられることが多
い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、絶縁表面上
に形成されたTFTに接続され、且つ、マトリクス状に
配列された第1電極(陰極、或いは陽極)と第2電極
(陽極、或いは陰極)との間にEL層を形成する方式
(アクティブマトリクス方式)の発光装置において、優
れたTFT特性を有する発光装置を完成させることを課
題とする。具体的には、TFT形成後の工程(特にEL
層の形成工程、対向電極の形成工程、画素電極の形成工
程など)でTFT特性を低下させることなく、発光装置
を完成させることを課題とする。
【0012】なお、TFTはアクティブマトリクス方式
の発光装置を実現する上で、必須の素子となっている。
加えて、アクティブマトリクス方式の発光装置を実現す
る上で、有機発光素子を用いた発光装置においては、T
FTで有機発光素子に流す電流を制御するため、電界効
果移動度の低い非晶質シリコンを用いたTFTでは実現
が困難であり、結晶構造を有する半導体膜、代表的には
ポリシリコンを用いたTFTを有機発光素子に接続する
TFTとして採用することが望ましい。
【0013】有機発光素子を有する発光装置の作製工程
において、いくら優れたTFTを形成できたとしても、
TFT形成後の工程で不純物が混入してしまったり、T
FT自体にダメージを与えてしまったりすると、発光装
置の特性自体も低下することにつながり、信頼性や歩留
まりも低下することになる。特に、ガラス基板や石英基
板やプラスチック基板などの絶縁表面を有する基板上に
形成した結晶構造を有する半導体膜(代表的にはポリシ
リコン膜)を活性層とするTFTは、高い駆動能力(オ
ン電流、Ion)を有している一方、非常に敏感であり様
々な要因によって影響を受け特性が変化しやすいという
面もある。
【0014】従って、アクティブマトリクス方式の発光
装置において、TFTまでを作製した段階で測定したT
FT特性と、TFT上に有機発光素子を形成した後で測
定したTFT特性とでは差が生じる恐れがある。
【0015】アクティブマトリクス方式の発光装置は、
少なくとも、スイッチング素子として機能するTFT
と、有機発光素子に電流を供給するTFTとが、各画素
に設けられている。スイッチング素子として機能するT
FTには低いオフ電流(Ioff)が求められている一
方、有機発光素子に電流を供給するTFTには、高い駆
動能力(オン電流、Ion)及びホットキャリア効果によ
る劣化を防ぎ信頼性を向上させることが求められてい
る。また、データ線側駆動回路のTFTも、高い駆動能
力(オン電流、Ion)及びホットキャリア効果による劣
化を防ぎ信頼性を向上させることが求められている。
【0016】加えて、有機発光素子に電流を供給するT
FTには、高い駆動能力(オン電流、Ion)以外のTF
T特性も優れていることが望ましく、例えば、TFTの
しきい値(Vth)が0に近いほど、低い駆動電圧での
駆動が可能となり、消費電力の低下を達成することがで
きるとともにTFTに与えられるストレスが小さくなる
ため、信頼性の向上にもつながる。また、TFTのS値
(サブスレッシュルド係数)が理想値(60mV/deca
de)に近いほど、高速動作が可能となり、動画表示など
の応答スピードが向上する。
【0017】即ち、本発明は、アクティブマトリクス方
式の発光装置において、優れたTFT特性(オン電流、
オフ電流、Vth、S値など)を有する発光装置を作製
することを課題とする。
【0018】また、EL材料は極めて劣化しやすく、酸
素もしくは水の存在により容易に酸化して劣化する。そ
のため、成膜後にフォトリソグラフィ工程を行うことが
できず、パターン化するためには開口部を有したマスク
(以下、蒸着マスクという)で成膜と同時に分離させる
必要がある。従って、昇華した有機EL材料の殆どが成
膜室内の内壁、もしくは防着シールド(蒸着材料が成膜
室の内壁に付着することを防ぐための保護板)に付着し
ていた。
【0019】また、従来の蒸着装置は、膜厚の均一性を
上げるために、基板と蒸着源との間隔を広くしており、
装置自体が大型化していた。また、基板と蒸着源との間
隔が広いため、成膜速度が遅くなり、成膜室内の排気に
要する時間も長時間となってスループットが低下してい
る。
【0020】加えて、従来の蒸着装置では、高価なEL
材料の利用効率が約1%以下と極めて低く、発光装置の
製造コストは非常に高価なものとなっていた。
【0021】また、本発明は、EL材料の利用効率を高
め、且つ、均一性に優れ、且つ、スループットの優れた
蒸着装置を提供することも課題としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】単純マトリクス方式の発
光装置の作製方法においては、TFTを形成しないた
め、発光素子の陰極または陽極となる金属層は、電子銃
を用いた蒸着法が多く用いられている。ただし、EL層
上に電子銃を用いた蒸着法で金属層を形成する場合、2
次電子や反射電子やX線の入射によってEL層が損傷を
受ける問題があった。2次電子や反射電子の問題に対し
ては、蒸発源と基板との間に遮蔽板を配置して電子銃と
基板を隔離する方法や、基板近傍に設けられた磁場で電
子の入射を抑える方法や、基板に負電位を印加して電子
の入射を抑える方法や、蒸発源近傍に正電位の電圧を印
加する導電板を配置して電子を吸引する方法などが提案
されている。これらの方法によって、上記問題を解決す
ることが可能となり、EL層への損傷が低減され、EL
層上に電子銃蒸着法で金属層を形成することができる。
【0023】本発明者らは、アクティブマトリクス方式
の発光装置においても、TFTはEL層の下方に配置さ
れるため、EL層上に金属層を形成する方法として電子
銃蒸着法を採用しても問題ないと予想していた。
【0024】しかしながら、TFTは、電子銃により発
生するイオン化された蒸発粒子や2次電子や反射電子や
X線などに対して非常に敏感であり、電子銃蒸着法を用
いた場合、EL層への損傷はほとんど見られないもの
の、TFTへの損傷が大きいことが判明した。
【0025】図13に電子銃蒸着法を用いて陰極を形成
した後にTFT特性を測定した結果を示す。図13
(A)は、画素部におけるpチャネル型TFTの電気特
性を示し、図13(B)は、駆動回路(ドライバ回路)
におけるpチャネル型TFTの電気特性を示している。
図13(A)においては、TFTがEL層を介して陰極
と接続しているが、図13(B)においては、陰極がT
FTの上方に配置されて重畳しているものの、陰極とT
FTは接続していない。また、図14(A)は、陰極と
は重畳していない部分の駆動回路(ドライバ回路)にお
けるpチャネル型TFTの電気特性を示している。ま
た、図14(B)は、EL層形成前に測定した画素部に
おけるpチャネル型TFTの電気特性を示している。
【0026】図14(B)と比較して図13(A)のT
FT特性は変化が見られ、Vthがマイナスシフトして
いる。さらに、S値も悪化している。また、図13
(B)においてもVthがマイナスシフトし、S値も悪
化している。一方、TFTの上方に陰極が形成されてい
ないTFTの特性である図14(A)は、ほとんど変化
していない。
【0027】また、鉛箔で部分的に覆った基板(TFT
が設けられている基板)上に電子銃を用いた蒸着法によ
り成膜を行うと、鉛箔で覆われているTFTの特性に変
化が見られなかったことから、TFT特性の変化はX線
が寄与していることが推測できる。
【0028】このように、電子銃を用いた蒸着法は、融
点が高い無機材料も蒸着させることができるという長所
を持つ反面、TFTの特性、特にpチャネル型TFTの
S値を低下させてしまうといった欠点を有している。
【0029】そこで、本発明は、アクティブマトリクス
方式の発光装置において、TFTへの影響が最も少ない
抵抗加熱法を用いて、有機化合物を含む層(EL層)お
よび金属層(陰極または陽極)を形成することを特徴と
する。
【0030】また、有機化合物を含む層(EL層)を形
成するEL材料は低分子系(モノマー系)材料と高分子
系(ポリマー系)材料に大別されるが、このうち低分子
系材料は主に蒸着により成膜される。また、EL層に無
機材料(シリコンなど)を含ませてもよい。
【0031】本明細書で開示する発光装置の作製方法に
関する本発明の構成は、陰極と、該陰極に接する有機化
合物を含む層と、該有機化合物を含む層に接する陽極と
を有する発光素子と、該発光素子に接続されるTFTと
を有する発光装置の作製方法であって、抵抗加熱で蒸着
材料を加熱する蒸着法により、前記有機化合物を含む層
と、金属材料からなる前記陰極とを形成することを特徴
とする発光装置の作製方法である。
【0032】図1に抵抗加熱法を用いて陰極を形成した
後にTFT特性を測定した結果を示す。図1(A)は、
画素部におけるpチャネル型TFTの電気特性を示し、
図1(B)は、駆動回路(ドライバ回路)におけるpチ
ャネル型TFTの電気特性を示している。図1(A)に
おいては、TFTがEL層を介して陰極と接続している
が、図1(B)においては、陰極がTFTの上方に配置
されて重畳しているものの、陰極とTFTは接続してい
ない。また、図2(A)は、陰極とは重畳していない部
分の駆動回路(ドライバ回路)におけるpチャネル型T
FTの電気特性を示している。また、図2(B)は、E
L層形成前に測定した画素部におけるpチャネル型TF
Tの電気特性を示している。
【0033】図1に示すように、抵抗加熱法を用いて陰
極を形成した場合、図2(B)と比較してTFT特性に
ほとんど変化が見られない。
【0034】また、陰極を2層以上の積層構造としても
よい。例えば陰極を2層構造とした場合、EL層と接す
る陰極の一層目は、抵抗加熱法で形成し、該陰極の一層
目に接して二層目を電子銃蒸着法で形成すればよい。こ
の場合、抵抗加熱法で形成した一層目の層がブロッキン
グ層として機能し、TFTへの損傷を防ぐことができ
る。また、抵抗加熱法で形成した一層目の層を設けたこ
とにより二層目の電子銃蒸着法での蒸着の際、局所的な
電荷の集中を防ぎ、電気的なダメージを拡散させること
ができる。
【0035】また、本明細書で開示する発光装置の作製
方法に関する他の本発明の構成は、陰極と、該陰極に接
する有機化合物を含む層と、該有機化合物を含む層に接
する陽極とを有する発光素子と、該発光素子に接続され
るTFTとを有する発光装置の作製方法であって、抵抗
加熱で蒸着材料を加熱する蒸着法により、前記有機化合
物を含む層と、前記有機化合物を含む層と接する前記陰
極の下層とを形成し、電子銃で金属材料からなる蒸着材
料を加熱する蒸着法により、前記陰極の上層を形成する
ことを特徴とする発光装置の作製方法である。
【0036】また、上記作製方法により得られる構成も
本発明の一つであり、陰極と、該陰極に接する有機化合
物を含む層と、該有機化合物を含む層に接する陽極とを
有する発光素子と、該発光素子に接続されるTFTとを
有する発光装置であって、前記陰極は、抵抗加熱で金属
材料からなる蒸着材料を加熱する蒸着法による層と、電
子銃で金属材料からなる蒸着材料を加熱する蒸着方法に
よる層との積層であることを特徴とする発光装置であ
る。
【0037】上記構成において、前記金属材料からなる
蒸着材料は、仕事関数の小さい材料、代表的には周期表
の1族もしくは2族に属する金属元素を含む合金材料で
あることを特徴としている。
【0038】また、本発明において、陰極上に有機化合
物を含む層を形成し、有機化合物を含む層上に陽極を形
成してもよく、この場合における構成は、陰極と、該陰
極に接する有機化合物を含む層と、該有機化合物を含む
層に接する陽極とを有する発光素子と、該発光素子に接
続されるTFTとを有する発光装置であって、前記陽極
は、抵抗加熱で金属材料からなる蒸着材料を加熱する蒸
着法による層と、電子銃で金属材料からなる蒸着材料を
加熱する蒸着方法による層との積層であることを特徴と
する発光装置である。
【0039】また、上記構成において、前記金属材料か
らなる蒸着材料は、仕事関数の大きい材料、代表的には
Pt、Cr、W、Ni、Zn、Sn、Inから選ばれた
一種または複数の元素を含む導電性材料であることを特
徴としている。
【0040】また、蒸着させるEL材料や金属材料に対
して、酸素や水等の不純物が混入する恐れのある主な過
程を挙げた場合、蒸着前にEL材料や金属材料を蒸着装
置にセットする過程、蒸着過程などが考えられる。
【0041】通常、EL材料を保存する容器は、褐色の
ガラス瓶に入れられ、プラスチック製の蓋(キャップ)
で閉められている。このEL材料を保存する容器の密閉
度が不十分であることも考えられる。
【0042】従来、蒸着法により成膜を行う際には、容
器(ガラス瓶)に入れられた蒸発材料を所定の量取りだ
し、蒸着装置内での被膜形成物に対向させた位置に設置
された容器(代表的にはルツボ、蒸着ボート)に移しか
えているが、この移しかえ作業において不純物が混入す
る恐れがある。すなわち、有機発光素子の劣化原因の一
つである酸素や水及びその他の不純物が混入する可能性
がある。
【0043】ガラス瓶から容器に移しかえる際には、例
えば、蒸着装置にグローブなどが備えられた前処理室内
で人間の手で行うことが考えられる。しかし、前処理室
にグローブを備えた場合、真空にすることができず、大
気圧で作業を行うこととなり、たとえ窒素雰囲気で行う
としても前処理室内の水分や酸素を極力低減することは
困難であった。ロボットを使用することも考えられる
が、蒸発材料は粉状であるので、移しかえするロボット
を作製することは困難である。従って、下部電極上にE
L層を形成する工程から上部電極形成工程までの工程を
全自動化し、不純物混入を避けることが可能な一貫した
クローズドシステムとすることを困難していた。
【0044】そこで、本発明は、EL材料を保存する容
器として従来の容器、代表的には褐色のガラス瓶等を使
用せず、蒸着装置に設置される予定の容器にEL材料や
金属材料を直接収納し、搬送後に蒸着を行う製造システ
ムとし、高純度な蒸着材料への不純物混入防止を実現す
るものである。また、EL材料の蒸着材料を直接収納す
る際、得られた蒸着材料を分けて収納するのではなく、
蒸着装置に設置される予定の容器に直接昇華精製を行っ
てもよい。本発明により、今後のさらなる蒸着材料の超
高純度化への対応を可能とする。また、蒸着装置に設置
される予定の容器に金属材料を直接収納し、加熱抵抗に
より蒸着を行ってもよい。
【0045】上記蒸着装置に設置する容器に蒸着材料を
直接収納する作業は、蒸着装置を使用する発光装置メー
カーが蒸着材料を作製、または販売している材料メーカ
ーに依頼することが望ましい。
【0046】また、いくら高純度なEL材料を材料メーカ
ーで提供されても、発光装置メーカーで従来の移しかえ
の作業があるかぎり不純物混入の恐れが存在し、EL材料
の純度を維持することができず、純度に限界があった。
本発明により発光装置メーカーと材料メーカーが連携し
て不純物混入の低減に努めることによって、材料メーカ
ーで得られる極めて高い純度のEL材料を維持し、その
まま純度を落とすことなく発光装置メーカーで蒸着を行
うことができる。
【0047】本明細書で開示する発明の構成は、有機材
料、無機材料、或いは金属材料を収納した第1の容器が
第2の容器で密閉され、真空排気手段を有する製造装置
に、基板を配置し、前記第2の容器を導入し、該第2の
容器の中から前記第1の容器を取り出して配置した後、
前記第1の容器を抵抗加熱により加熱して前記基板上に
蒸着を行うことを特徴とする製造装置の操作方法であ
る。
【0048】上記構成において、前記第1の容器は、内
壁に有機材料が昇華精製されていることを特徴としてい
る。また、上記構成において、前記金属材料は、発光素
子の陰極または陽極となる導電性材料であることを特徴
としている。また、上記構成において、前記無機材料
は、発光素子の陰極バッファ層となる材料(CaF2
MgF2、BaF2など)であることを特徴としている。
【0049】また、従来の抵抗加熱法を用いた蒸着装置
では、電子銃を用いた蒸着法に比べて成膜レートが不安
定になりやすいという欠点があった。
【0050】そこで、本発明は、蒸着材料の利用効率を
高め、且つ、均一性に優れ、且つ、スループットの優れ
た蒸着装置を提供するため、蒸着の際、基板と蒸着源と
の間隔距離dを代表的には20cm以下に狭め、蒸着材
料の利用効率及びスループットを格段に向上させる。基
板と蒸着源との間隔距離dを狭めることによって、成膜
室サイズを小型化することができる。小型化によって、
成膜室容積量を小さくしたことにより真空排気の時間を
短縮でき、且つ、成膜室内に存在するトータルの不純物
量を低減でき、高純度なEL材料への不純物(水分や酸
素など)混入防止を実現するものである。
【0051】また、上記製造装置の操作方法において、
前記基板と前記容器との間隔距離を20cm以下として
前記基板上に蒸着を行うことを特徴としている。
【0052】加えて、成膜室内に基板を回転させる機構
と、蒸着源を移動させる機構とを設け、蒸着の際、基板
の回転と、蒸着源の移動とを同時に行うことによって、
膜厚均一性の優れた成膜を行うことを特徴とする。
【0053】また、上記製造装置の操作方法において、
前記蒸着を行う際、前記基板を回転させ、且つ、前記第
1の容器を移動させることを特徴としている。
【0054】また、本明細書で開示する発明の構成は、
容器内に有機材料、或いは金属材料からなる蒸着材料を
収納する第1工程と、蒸着装置内に基板を配置し、該基
板に対向させて前記容器を設置する第2工程と、前記蒸
着装置内に設置された前記容器を抵抗加熱により加熱
し、且つ、基板と前記容器との間隔距離を20cm以下
として前記基板上に蒸着を行う第3工程と、を有するこ
とを特徴とする発光装置の作製方法である。
【0055】また、上記構成において、容器内に有機材
料、或いは金属材料からなる蒸着材料を収納する第1工
程は、材料メーカーで行われることを特徴としている。
【0056】また、上記構成において、前記蒸着を行う
際、前記基板を回転させ、且つ、前記容器を移動させる
ことを特徴としている。また、上記構成において、有機
材料を収納する際、前記容器内に直接、昇華精製しても
よい。
【0057】また、上記構成において、前記基板は、T
FTと該TFTに接続する第1電極とが設けられてお
り、前記第3の工程で、前記第1電極上に接して抵抗加
熱法により有機材料からなる有機化合物を含む層を形成
し、該有機化合物を含む層上に接して抵抗加熱法により
金属材料からなる第2の電極を形成して、前記第1電極
と、前記有機化合物を含む層と、前記第2電極とを有す
る発光素子を作製することを特徴としている。
【0058】また、本発明の発光装置において、画面表
示の駆動方法は特に限定されず、例えば、点順次駆動方
法や線順次駆動方法や面順次駆動方法などを用いればよ
い。代表的には、線順次駆動方法とし、時分割階調駆動
方法や面積階調駆動方法を適宜用いればよい。また、発
光装置のソース線に入力する映像信号は、アナログ信号
であってもよいし、デジタル信号であってもよく、適
宜、映像信号に合わせて駆動回路などを設計すればよ
い。
【0059】また、本発明の発光装置において、画素構
造は特に限定されず、1つの画素に保持容量やメモリ
(SRAM、DRAMなど)を形成してもよい。さらに
1つの画素に複数(2個、または3個以上)のTFTや
様々な回路(カレントミラー回路など)を組み込んだ構
造としてもよい。
【0060】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について、以下
に説明する。
【0061】(実施の形態1)ここでは、同一基板上に
画素部と駆動回路とを有し、有機発光素子を含むアクテ
ィブマトリクス型発光装置の作製工程を例にとって図3
および図4に説明する。
【0062】まず、図3(A)に示すように、絶縁表面
を有する基板11上に公知の作製工程により薄膜トラン
ジスタ(以下、TFTという)12を形成する。画素部
10aには、nチャネル型TFT及びpチャネル型TF
Tを設けるが、ここでは、有機発光素子に電流を供給す
るpチャネル型TFTを図示している。なお、有機発光
素子に電流を供給するTFTがnチャネル型TFTであ
ってもpチャネル型TFTであってもよい。また、画素
部の周辺に設ける駆動回路10bには、nチャネル型T
FT、pチャネル型TFT、およびこれらを相補的に組
み合わせたCMOS回路などを形成する。なお、ここで
は、透明な酸化物導電膜(ITO(酸化インジウム酸化
スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In23
ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等)からなる陽極13を
マトリクス状に形成した後、TFTの活性層と接続する
配線を形成している例を示す。次いで、陽極13の端部
を覆う無機絶縁材料または有機絶縁材料からなる絶縁膜
14を形成する。
【0063】次に、図3(B)に示すように、有機発光
素子を形成する有機化合物を含む層(EL層)の成膜を
行う。
【0064】まず、前処理として陽極23のクリーニン
グを行う。陽極表面のクリーニングとしては、真空中で
の紫外線照射、または酸素プラズマ処理を行い、陽極表
面をクリーニングする。また、酸化処理としては、10
0〜120℃で加熱しつつ、酸素を含む雰囲気中で紫外
線を照射すればよく、陽極がITOのような酸化物であ
る場合に有効である。また、加熱処理としては、真空中
で基板が耐えうる50℃以上の加熱温度、好ましくは6
5〜150℃の加熱を行えばよく、基板に付着した酸素
や水分などの不純物や、基板上に形成した膜中の酸素や
水分などの不純物を除去する。特に、EL材料は、酸素
や水などの不純物により劣化を受けやすいため、蒸着前
に真空中で加熱することは有効である。
【0065】次いで、大気にふれさせることなく、蒸着
源を備えた成膜室に搬送し、陽極13上に有機化合物を
含む層の1層である正孔輸送層、正孔注入層、または発
光層などを適宜、積層形成する。ここでは、抵抗加熱に
より蒸着源を加熱して蒸着を行い、正孔注入層15と、
発光層(R)16と、発光層(G)17と、発光層
(B)18とを形成する。なお、発光層(R)は、赤色
光を発する発光層であり、発光層(G)は、緑色光を発
する発光層であり、発光層(B)は、青色光を発する発
光層である。
【0066】次いで、陰極19を抵抗加熱により蒸着源
を加熱して蒸着を行う。陰極19を抵抗加熱法で形成す
ることによって、TFTの電気特性を変化させることな
く有機発光素子を完成させることができる。画素部にお
いて、抵抗加熱法による陰極形成後のTFT特性を示す
図1(A)と、EL層形成前のTFT特性を示す図2
(B)とを比較しても特性にほとんど変化は見られな
い。任意の3つのTFTを測定したそれぞれのVth
は、図1(A)に示したように、−0.44(V)、−
0.51(V)、−1.59Vであり、S値は、0.2
14(V/dec)、0.287(V/dec)、0.26
(V/dec)と優れた値であった。
【0067】陰極19に用いる材料としては仕事関数の
小さい金属(代表的には周期表の1族もしくは2族に属
する金属元素)や、これらを含む合金を用いることが好
ましいとされている。仕事関数が小さければ小さいほど
発光効率が向上するため、中でも、陰極に用いる材料と
しては、アルカリ金属の一つであるLi(リチウム)を
含む合金材料が望ましい。なお、陰極は全画素に共通の
配線としても機能し、接続配線を経由して入力端子部に
端子電極を有している。従って、図3(B)に示すよう
に駆動回路において、いくつかのTFTは陰極19と重
畳する場合がある。この陰極19と重畳するTFT特性
を測定した結果が、図1(B)に示したものである。
【0068】抵抗加熱法ではなく、電子銃を用いた蒸着
法で陰極を形成した場合、画素部のTFTだけでなく、
駆動回路において陰極と重畳するTFTも電気特性が変
化してしまう。電子銃を用いた蒸着法で陰極を形成した
TFTの電気特性を図13および図14に示す。画素部
における任意の3つのTFTを測定したそれぞれのVt
hは、図13(A)に示したように、−7.69
(V)、−7.07(V)、−7.15Vであり、S値
は、0.541(V/dec)、0.559(V/dec)、
0.566(V/dec)であった。
【0069】次いで、保護膜、封止基板、或いは封止缶
で封入することにより、有機発光素子を外部から完全に
遮断し、外部から水分や酸素等のEL層の酸化による劣
化を促す物質が侵入することを防ぐことが好ましい。な
お、乾燥剤を設置してもよい。
【0070】次いで、異方性導電材で入出力端子部の各
電極にFPC(フレキシブルプリントサーキット)を貼
りつける。異方性導電材は、樹脂と、表面にAuなどが
メッキされた数十〜数百μm径の導電性粒子とから成
り、導電性粒子により入出力端子部の各電極とFPCに
形成された配線とが電気的に接続する。
【0071】また、必要があれば、偏光板と位相差板と
で構成される円偏光板等の光学フィルムを設けてもよい
し、ICチップなどを実装させてもよい。
【0072】以上の工程でFPCが接続されたモジュー
ルタイプアクティブマトリクス型の発光装置が完成す
る。
【0073】また、陰極を2層以上の積層構造としても
よい。ここでは、陰極を2層構造とし、EL層と接する
陰極の一層目を抵抗加熱法で形成し、該陰極の一層目に
接して二層目を電子銃蒸着法で形成する例を図4に示
す。なお、図3と同一である工程の詳細な説明は簡略化
のため、ここでは省略することとする。
【0074】図3(A)と同様に絶縁表面を有する基板
21上にTFT22、陽極23、絶縁膜24を形成す
る。(図4(A))
【0075】次いで、図3(B)と同様に抵抗加熱法
で、正孔注入層25、発光層(R)26、発光層(G)
27、発光層(B)28を形成する。次いで、抵抗加熱
法で陰極(下層)29aを形成する。(図4(B))こ
の陰極(下層)29aの膜厚は、後に行われる電子銃蒸
着法での蒸着の際にTFTがダメージを受けない範囲で
適宜設定すればよい。
【0076】次いで、図4(C)に示すように電子銃蒸
着法で陰極(上層)29bを形成する。ここでは陰極2
9a、29bとして同一材料を蒸着した例を示したが、
それぞれ異なる材料としてもよい。
【0077】このように陰極を積層構造とした場合、抵
抗加熱法で形成した一層目の層がブロッキング層として
機能し、TFTへの損傷を防ぐことができる。また、抵
抗加熱法で形成した一層目の層を設けたことにより二層
目の電子銃蒸着法での蒸着の際、局所的な電荷の集中を
防ぎ、電気的なダメージを拡散させることができる。
【0078】以降の工程は、上記モジュールタイプのア
クティブマトリクス型の発光装置の作製方法と同一であ
るのでここでは省略する。
【0079】また、ここでは、陽極を透明導電膜とし、
該陽極、有機化合物を含む層、陰極の順に積層する例を
示したが、本発明は、この積層構造に限定されず、陰
極、有機化合物を含む層、陽極の順に積層してもよい
し、陽極を金属層とし、該陽極、有機化合物を含む層、
透光性を有する陰極の順に積層してもよく、TFT上に
有機発光素子を形成する際に金属層からなる陰極または
陽極を、抵抗加熱法で蒸着することを特徴としている。
【0080】また、ここではTFTの構造としてトップ
ゲート型TFTの例を示したが、TFT構造に関係なく
本発明を適用することが可能であり、例えばボトムゲー
ト型(逆スタガ型)TFTや順スタガ型TFTに適用す
ることが可能である。
【0081】(実施の形態2)ここでは、図5に示す蒸
着装置を説明する。図5(A)は断面図、図5(B)は
上面図である。
【0082】図5において、51は成膜室、52は基板
ホルダ、53は基板、54は蒸着マスク、55は蒸着シ
ールド(蒸着シャッター)、57は蒸着源ホルダ、58
は蒸着材料、59は蒸発した蒸着材料59である。
【0083】真空度が5×10-3Torr(0.665
Pa)以下、好ましくは10-4〜10 -6Paまで真空排
気された成膜室51で蒸着を行う。蒸着の際、予め、抵
抗加熱により蒸着材料は蒸発(気化)されており、蒸着
時にシャッター(図示しない)が開くことにより基板5
3の方向へ飛散する。蒸発した蒸発材料59は、上方に
飛散し、蒸着マスク54に設けられた開口部を通って基
板53に選択的に蒸着される。
【0084】上記蒸着装置において、蒸着源ホルダと
は、ルツボと、ルツボの外側に均熱部材を介して配設さ
れたヒータと、このヒータの外側に設けられた断熱層
と、これらを収納した外筒と、外筒の外側に旋回された
冷却パイプと、ルツボの開口部を含む外筒の開口部を開
閉するシャッタ装置とから構成されている。なお、本明
細書中において、ルツボとは、BNの焼結体、BNとA
lNの複合焼結体、石英、またはグラファイトなどの材
料によって形成された比較的大きな開口部を有する筒状
容器であり、高温、高圧、減圧に耐えうるものとなって
いる。
【0085】なお、蒸着源ホルダ52に備えられた抵抗
加熱は、マイクロコンピュータにより成膜速度を制御で
きるようにしておくと良い。
【0086】図5に示す蒸着装置においては、蒸着の
際、基板53と蒸着源ホルダ57との間隔距離dを代表
的には20cm以下、好ましくは5cm〜15cmに狭
め、蒸着材料の利用効率及びスループットを格段に向上
させている。
【0087】さらに、基板ホルダ52には、基板53を
回転させる機構が設けられている。また、蒸着源ホルダ
57は、水平を保ったまま、成膜室51内をX方向また
はY方向に移動可能な機構が設けられている。
【0088】図5に示す蒸着装置は、蒸着の際、基板5
3の回転と、蒸着源ホルダ57の移動とを同時に行うこ
とによって、膜厚均一性の優れた成膜を行うことを特徴
としている。
【0089】従来の抵抗加熱法を用いた蒸着装置では、
電子銃を用いた蒸着法に比べて成膜レートが不安定にな
りやすいものであったが、図5に示す蒸着装置は、均一
性に優れ、且つ、スループットの優れた蒸着装置であ
る。
【0090】また、移動可能な蒸着源ホルダ57に蒸着
シャッターを設けてもよい。また、一つの蒸着源ホルダ
に備えられる有機化合物は必ずしも一つである必要はな
く、複数であっても良い。
【0091】また、基板53と蒸着源ホルダ57との間
隔距離dを代表的には20cm以下、好ましくは5cm
〜15cmに狭めるため、蒸着マスク54も加熱される
恐れがある。従って、蒸着マスク54は、熱によって変
形されにくい低熱膨張率を有する金属材料(例えば、タ
ングステン、タンタル、クロム、ニッケルもしくはモリ
ブデンといった高融点金属もしくはこれらの元素を含む
合金、ステンレス、インコネル、ハステロイといった材
料を用いることが望ましい。また、加熱される蒸着マス
クを冷却するため、蒸着マスクに冷却媒体(冷却水、冷
却ガス)を循環させる機構を備えてもよい。
【0092】また、蒸着マスク54は選択的に蒸着膜を
形成する際に使用するものであり、全面に蒸着膜を形成
する場合には特に必要ではない。
【0093】また、基板ホルダ52は永久磁石を備えて
おり、金属からなる蒸着マスクを磁力で固定しており、
その間に挟まれる基板53も固定されている。ここで
は、蒸着マスクが基板53と密接している例を示した
が、ある程度の間隔を有して固定する基板ホルダや蒸着
マスクホルダを適宜設けてもよい。
【0094】また、成膜室には、成膜室内を真空にする
真空排気処理室と連結されている。真空排気処理室とし
ては、磁気浮上型のターボ分子ポンプ、クライオポン
プ、またはドライポンプが備えられている。これにより
搬送室の到達真空度を10-5〜10-6Paにすることが
可能であり、さらにポンプ側および排気系からの不純物
の逆拡散を制御することができる。装置内部に不純物が
導入されるのを防ぐため、導入するガスとしては、窒素
や希ガス等の不活性ガスを用いる。装置内部に導入され
るこれらのガスは、装置内に導入される前にガス精製機
により高純度化されたものを用いる。従って、ガスが高
純度化された後に成膜装置に導入されるようにガス精製
機を備えておく必要がある。これにより、ガス中に含ま
れる酸素や水、その他の不純物を予め除去することがで
きるため、装置内部にこれらの不純物が導入されるのを
防ぐことができる。
【0095】また、成膜室51内にプラズマ発生手段を
設け、基板を配置していない状態で成膜室内にプラズマ
を発生させ、成膜室内壁、防着シールド、または蒸着マ
スクに付着した蒸着物を気化させて成膜室外に排気する
ことによって、クリーニングしてもよい。こうして、メ
ンテナンス時に成膜室内を大気にふれることなくクリー
ニングすることが可能となる。なお、クリーニングの
際、気化した有機化合物は、排気系(真空ポンプ)など
によって回収し、再度利用することもできる。
【0096】本実施の形態は、実施の形態1と自由に組
み合わせることができる。図5に示す蒸着装置を用いれ
ば、基板面内における均一性を向上させることができ、
有機化合物を含む層、金属層からなる陰極または陽極を
抵抗加熱法で形成できる。
【0097】(実施の形態3)図6に本発明の製造シス
テムの説明図を示す。
【0098】図6において、61aは第1の容器(ルツ
ボ)であり、61bは第1の容器を大気から隔離して汚
染から防ぐための第2の容器である。また、62は高純
度に精製された粉末状のEL材料である。また、63は
真空可能なチャンバーであり、64は加熱手段、65は
被蒸着物、66は蒸着膜である。また、68は、材料メ
ーカーであり、蒸着材料である有機化合物材料を生産、
精製している製造者(代表的には原材料取り扱い業者)
であり、69は蒸着装置を有する発光装置メーカーであ
り、発光装置の製造者(代表的には生産工場)である。
【0099】本発明の製造システムの流れを以下に説明
する。
【0100】まず、発光装置メーカー69から材料メー
カー68に発注60を行う。材料メーカー68は発注6
0に従って、第1の容器と第2の容器を用意する。そし
て、材料メーカーが清浄室環境内で不純物(酸素や水分
など)の混入に十分注意を払いながら第1の容器61a
に超高純度のEL材料62を精製または収納する。その
後、材料メーカー68が清浄室環境内で第1の容器の内
部または外部に余分な不純物が付着しないように第2の
容器61bで第1の容器61aを密閉することが好まし
い。密閉する際には、第2の容器61bの内部は、真
空、または不活性ガスで充填することが好ましい。な
お、超高純度のEL材料62を精製または収納する前に
第1の容器61aおよび第2の容器61bをクリーニン
グしておくことが好ましい。
【0101】本発明において、第1の容器61aは、後
に蒸着を行う際、そのままチャンバー内に設置されるも
のである。また、第2の容器61bは、酸素や水分の混
入をブロックするバリア性を備えた包装フィルムであっ
てもよいが、自動で取り出し可能とするため、筒状、ま
たは箱状の頑丈な遮光性を有する容器とすることが好ま
しい。
【0102】次いで、第1の容器61aが第2の容器6
1bに密閉されたままの状態で、材料メーカー68から
発光装置メーカー69に搬送67する。
【0103】次いで、第1の容器61aが第2の容器6
1bに密閉されたままの状態で、真空排気可能な処理室
63内に導入する。なお、処理室63は、内部に加熱手
段64、基板ホルダー(図示しない)が設置されている
蒸着チャンバーである。その後、処理室63内を真空排
気して酸素や水分が極力低減されたクリーンな状態にし
た後、第2の容器61bから第1の容器61aを取り出
し、真空を破ることなく、加熱手段64に設置すること
で蒸着源を用意することができる。なお、第1の容器6
1aに対向するように被蒸着物(ここでは基板)65が
設置される。
【0104】次いで、抵抗加熱などの加熱手段64によ
って蒸着材料に熱を加えて蒸着源に対向して設けられた
被蒸着物65の表面に蒸着膜66を形成することができ
る。こうして得られた蒸着膜66は不純物を含まず、こ
の蒸着膜66を用いて発光素子を完成させた場合、高い
信頼性と高い輝度を実現することができる。
【0105】こうして、第1の容器61aは一度も大気
に触れることなく蒸着チャンバー63に導入され、材料
メーカーで蒸着材料62を収納した段階での純度を維持
したまま、蒸着が行えることを可能とする。また、材料
メーカーで第1の容器61aに直接EL材料62を収納
することによって、必要な量だけを発光装置メーカーに
提供し、比較的高価なEL材料を効率よく使用すること
ができる。
【0106】従来の抵抗加熱による蒸着法においては、
材料の使用効率が低く、例えば以下に示すような使用効
率をあげる方法がある。蒸着装置のメンテナンス時にル
ツボに新しいEL材料を入れた状態で1回目の蒸着を行
った後は、蒸着されずに残留物が残る。そして、次に蒸
着を行う際には残留物上に新たにEL材料を補充して蒸
着を行い、以降の蒸着はメンテナンスを行うまで上記補
充を繰り返す方法で使用効率をあげることができるが、
この方法では、残留物が汚染の原因となり得る。また、
補充する際には作業者が行うため、その際、蒸着材料に
酸素や水分が混入して純度が低下する恐れがある。ま
た、何回か繰り返し蒸着したルツボはメンテナンス時に
放棄する。また、不純物の汚染を防ぐため、蒸着を行う
ごとに新しいEL材料をルツボに入れ、蒸着するごとに
ルツボも放棄することも考えられるが、製造コストが高
くなる。
【0107】従来において蒸着材料を収納していたガラ
ス瓶をなくすことができ、さらに、上記製造システムに
よりガラス瓶からルツボに移しかえる作業をなくすこと
ができ、不純物混入を防ぐことができる。加えて、スル
ープットも向上する。
【0108】本発明により、全自動化してスループット
を向上させる製造システムを実現するとともに、材料メ
ーカー68で精製した蒸着材料62への不純物混入を避
けることが可能な一貫したクローズドシステムを実現す
ることが可能となる。
【0109】また、上記ではEL材料を例に説明を行っ
たが、本発明では陰極や陽極となる金属層も抵抗加熱に
より蒸着を行うこともできる。抵抗加熱法で陰極を形成
すれば、TFT12の電気特性(オン電流、オフ電流、
Vth、S値など)を変化させることなく有機発光素子
を形成することができる。
【0110】金属材料としても、同様にして、予め、第
1の容器に金属材料を収納して、その第1の容器をその
まま蒸着装置に導入して、抵抗加熱により蒸発させて蒸
着膜を形成すればよい。
【0111】また、本実施の形態は、実施の形態1、ま
たは実施の形態2と自由に組み合わせることができる。
実施の形態2に示す蒸着装置を用いれば、抵抗加熱法で
も陰極や陽極となる金属層を均一性よく成膜することが
できる。
【0112】(実施の形態4)実施の形態1ではTFT
12、22としてトップゲート型TFT(具体的にはプ
レーナ型TFT)を作製した例を示しているが、本実施
例ではTFT12、22の代わりにTFT72を用い
る。本実施例で用いるTFT72は、ボトムゲート型T
FT(具体的には逆スタガ型TFT)であり、公知の作
製工程により形成すれば良い。
【0113】まず、図7(A)に示すように、絶縁表面
を有する基板71上に公知の作製工程によりボトムゲー
ト型TFT72を形成する。なお、ここでは、TFTを
形成した後、金属層(Pt、Cr、W、Ni、Zn、S
n、Inから選ばれた一種または複数の元素を含む導電
性材料)からなる陽極73をマトリクス状に形成した例
を示す。
【0114】次いで、陽極73の端部を覆う無機絶縁材
料または有機絶縁材料からなる絶縁膜74を形成する。
【0115】次に、図7(B)に示すように、EL素子
を形成する有機化合物を含む層(EL層)の成膜を行
う。蒸着源を備えた成膜室に搬送し、陽極73上に有機
化合物を含む層の1層である正孔輸送層、正孔注入層、
または発光層などを適宜、積層形成する。ここでは、抵
抗加熱により蒸着源を加熱して蒸着を行い、正孔注入層
75と、発光層(R)76と、発光層(G)77と、発
光層(B)78とを形成する。
【0116】次いで、下層となる陰極79aを抵抗加熱
により蒸着源を加熱して蒸着を行う。陰極79を抵抗加
熱法で形成することによって、TFTの電気特性を変化
させることなく有機発光素子を完成させることができ
る。下層となる陰極79aは、非常に薄い金属膜(Mg
Ag、MgIn、AlLi、CaNなどの合金、または
周期表の1族もしくは2族に属する元素とアルミニウム
とを共蒸着法により形成した膜)、あるいはそれらの積
層を用いることが好ましい。
【0117】次いで、上層となる陰極79bを形成す
る。(図7(C))上層となる陰極79bは、透明な酸
化物導電膜(ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、
酸化インジウム酸化亜鉛合金(In23―ZnO)、酸
化亜鉛(ZnO)等)を用いればよい。図7(C)の積
層構造は、図中における矢印方向に発光させる場合(陰
極に発光を通過させる場合)であるので、陰極として、
透光性を有する導電性材料を用いることが好ましい。
【0118】以降の工程は、上記実施の形態1に示した
モジュールタイプのアクティブマトリクス型の発光装置
の作製方法と同一であるのでここでは省略する。
【0119】また、本実施の形態は、実施の形態1、実
施の形態2、または実施の形態3と自由に組み合わせる
ことができる。
【0120】以上の構成でなる本発明について、以下に
示す実施例でもってさらに詳細な説明を行うこととす
る。
【0121】(実施例) [実施例1]本実施例では上部電極までの作製を全自動
化したマルチチャンバー方式の製造装置の例を図8に示
す。
【0122】図8において、100a〜100k、10
0m〜100p、100r〜100uはゲート、101
は仕込室、119は取出室、102、104a、10
8、114、118は搬送室、105、107、111
は受渡室、106R、106B、106G、109、1
10、112、113は成膜室、103は前処理室、1
17は封止基板ロード室、115はディスペンサ室、1
16は封止室、120a、120bはカセット室、12
1はトレイ装着ステージである。
【0123】以下、予めTFT12及び陽極13が設け
られた基板を図8に示す製造装置に搬入し、図3(B)
に示す積層構造を形成する手順を示す。
【0124】まず、カセット室120aまたはカセット
室120bにTFT12及び陽極13が設けられた基板
をセットする。基板が大型基板(例えば300mm×360m
m)である場合には、カセット室120bにセットし、
通常基板(例えば、127mm×127mm)である場合に
は、トレイ装着ステージ121に搬送し、トレイ(例え
ば300mm×360mm)に数枚の基板を搭載する。
【0125】次いで、基板搬送機構が設けられた搬送室
118から仕込室101に搬送する。
【0126】仕込室101は、真空排気処理室と連結さ
れており、真空排気した後、不活性ガスを導入して大気
圧にしておくことが好ましい。次いで仕込室101に連
結された搬送室102に搬送する。予め、搬送室内には
極力水分や酸素が存在しないよう、真空排気して真空を
維持しておく。
【0127】また、搬送室102には、搬送室内を真空
にする真空排気処理室と連結されている。真空排気処理
室としては、磁気浮上型のターボ分子ポンプ、クライオ
ポンプ、またはドライポンプが備えられている。これに
より搬送室の到達真空度を10-5〜10-6Paにするこ
とが可能であり、さらにポンプ側および排気系からの不
純物の逆拡散を制御することができる。装置内部に不純
物が導入されるのを防ぐため、導入するガスとしては、
窒素や希ガス等の不活性ガスを用いる。装置内部に導入
されるこれらのガスは、装置内に導入される前にガス精
製機により高純度化されたものを用いる。従って、ガス
が高純度化された後に成膜装置に導入されるようにガス
精製機を備えておく必要がある。これにより、ガス中に
含まれる酸素や水、その他の不純物を予め除去すること
ができるため、装置内部にこれらの不純物が導入される
のを防ぐことができる。
【0128】また、基板に含まれる水分やその他のガス
を除去するために、脱気のためのアニールを真空中で行
うことが好ましく、搬送室102に連結された前処理室
103に搬送し、そこでアニールを行えばよい。さら
に、陽極の表面をクリーニングする必要があれば、搬送
室102に連結された前処理室103に搬送し、そこで
クリーニングを行えばよい。
【0129】また、陽極上に高分子からなる有機化合物
を含む層を全面に形成してもよい。成膜室112は、高
分子からなる有機化合物を含む層を形成するための成膜
室である。本実施例では、正孔注入層15として作用す
るポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレ
ンスルホン酸)水溶液(PEDOT/PSS)を全面に形成する
例を示す。成膜室112においてスピンコート法やイン
クジェット法やスプレー法で有機化合物を含む層を形成
する場合には、大気圧下で基板の被成膜面を上向きにし
てセットする。本実施例では、受渡室105には、基板
反転機構が備わっており、基板を適宜反転させる。水溶
液を用いた成膜を行った後は、前処理室103に搬送
し、そこで真空中での加熱処理を行って水分を気化させ
ることが好ましい。なお、本実施例では高分子からなる
正孔注入層15を形成する例を示したが、低分子有機材
料からなる正孔注入層を抵抗加熱法による蒸着で形成し
てもよいし、正孔注入層15を特に設けなくともよい。
【0130】次いで、大気にふれさせることなく、搬送
室102から受渡室105に基板104cを搬送した
後、搬送室104に基板104cを搬送し、搬送機構1
04bによって、成膜室106Rに搬送し、陽極13上
に赤色発光するEL層16を適宜形成する。ここでは抵
抗加熱を用いた蒸着によって形成する。成膜室106R
には、受渡室105で基板の被成膜面を下向きにしてセ
ットする。なお、基板を搬入する前に成膜室内は真空排
気しておくことが好ましい。
【0131】例えば、真空度が5×10-3Torr
(0.665Pa)以下、好ましくは10-4〜10-6
aまで真空排気された成膜室106Rで蒸着を行う。蒸
着の際、予め、抵抗加熱により有機化合物は気化されて
おり、蒸着時にシャッター(図示しない)が開くことに
より基板の方向へ飛散する。気化された有機化合物は、
上方に飛散し、メタルマスク(図示しない)に設けられ
た開口部(図示しない)を通って基板に蒸着される。な
お、蒸着の際、基板を加熱する手段により基板の温度
(T1)は、50〜200℃、好ましくは65〜150
℃とする。
【0132】本実施例においては、成膜室106R、1
06B、106G、110には蒸着材料が予め材料メー
カーで収納されているルツボをセットする。セットする
際には大気に触れることなく行うことが好ましく、材料
メーカーから搬送する際、ルツボは第2の容器に密閉し
た状態のまま成膜室に導入することが好ましい。望まし
くは、成膜室106Rに連結して真空排気手段を有する
チャンバーを備え、そこで真空、若しくは不活性ガス雰
囲気で第2の容器からルツボを取り出して、成膜室にル
ツボを設置する。こうすることによって、ルツボおよび
該ルツボに収納されたEL材料を汚染から防ぐことがで
きる。
【0133】ここでは、フルカラーとするために、成膜
室106Rで成膜した後、順次、各成膜室106G、1
06Bで成膜を行って、赤色、緑色、青色の発光を示す
有機化合物を含む層16〜18を適宜形成する。
【0134】陽極13上に正孔注入層15、および所望
のEL層16〜18を得たら、次いで、大気にふれさせ
ることなく、搬送室104aから受渡室107に基板を
搬送した後、さらに、大気にふれさせることなく、受渡
室107から搬送室108に基板を搬送する。
【0135】次いで、搬送室108内に設置されている
搬送機構によって、成膜室110に搬送し、抵抗加熱に
よる蒸着法で金属層からなる陰極19を適宜形成する。
ここでは、成膜室110は、LiとAlを蒸着源に備え
て抵抗加熱により蒸着する蒸着装置とする。
【0136】以上の工程で図3(A)に示す積層構造の
発光素子が形成される。
【0137】次いで、大気に触れることなく、搬送室1
08から成膜室113に搬送して窒化珪素膜、または窒
化酸化珪素膜からなる保護膜を形成する。ここでは、成
膜室113内に、珪素からなるターゲット、または酸化
珪素からなるターゲット、または窒化珪素からなるター
ゲットを備えたスパッタ装置とする。例えば、珪素から
なるターゲットを用い、成膜室雰囲気を窒素雰囲気また
は窒素とアルゴンを含む雰囲気とすることによって窒化
珪素膜を形成することができる。
【0138】次いで、発光素子が形成された基板を大気
に触れることなく、搬送室108から受渡室111に搬
送し、さらに受渡室111から搬送室114に搬送す
る。
【0139】次いで、発光素子が形成された基板を搬送
室114から封止室116に搬送する。なお、封止室1
16には、シール材が設けられた封止基板を用意してお
くことが好ましい。
【0140】封止基板は、封止基板ロード室117aに
外部からセットされる。なお、水分などの不純物を除去
するために予め真空中でアニール、例えば、封止基板ロ
ード室117内でアニールを行うことが好ましい。そし
て、封止基板にシール材を形成する場合には、搬送室1
08を大気圧とした後、封止基板を封止基板ロード室か
らディスペンサ室115に搬送して、発光素子が設けら
れた基板と貼り合わせるためのシール材を形成し、シー
ル材を形成した封止基板を封止室116に搬送する。
【0141】次いで、発光素子が設けられた基板を脱気
するため、真空または不活性雰囲気中でアニールを行っ
た後、シール材が設けられた封止基板と、発光素子が形
成された基板とを貼り合わせる。また、密閉された空間
には水素または不活性気体を充填させる。なお、ここで
は、封止基板にシール材を形成した例を示したが、特に
限定されず、発光素子が形成された基板にシール材を形
成してもよい。
【0142】次いで、貼り合わせた一対の基板を封止室
116に設けられた紫外線照射機構によってUV光を照
射してシール材を硬化させる。なお、ここではシール材
として紫外線硬化樹脂を用いたが、接着材であれば、特
に限定されない。
【0143】次いで、貼り合わせた一対の基板を封止室
116から搬送室114、そして搬送室114から取出
室119に搬送して取り出す。
【0144】以上のように、図8に示した製造装置を用
いることで完全に発光素子を密閉空間に封入するまで外
気に晒さずに済むため、信頼性の高い発光装置を作製す
ることが可能となる。また、予め蒸着材料が収納された
ルツボを設置すればよいので、蒸着材料の設置を自動化
することができる。なお、搬送室114においては、真
空と、大気圧での窒素雰囲気とを繰り返すが、搬送室1
02、104a、108は常時、真空が保たれることが
望ましい。
【0145】なお、インライン方式の成膜装置とするこ
とも可能である。
【0146】以下、予めTFT及び陽極が設けられた基
板を図8に示す製造装置に搬入し、図7(C)に示す積
層構造を形成する手順を示す。
【0147】まず、図3(A)の積層構造を形成する場
合と同様にカセット室120aまたはカセット室120
bにTFT及び陽極73が設けられた基板をセットす
る。
【0148】次いで、基板搬送機構が設けられた搬送室
118から仕込室101に搬送する。次いで仕込室10
1に連結された搬送室102に搬送する。
【0149】また、基板に含まれる水分やその他のガス
を除去するために、脱気のためのアニールを真空中で行
うことが好ましく、搬送室102に連結された前処理室
103に搬送し、そこでアニールを行えばよい。さら
に、陽極の表面をクリーニングする必要があれば、搬送
室102に連結された前処理室103に搬送し、そこで
クリーニングを行えばよい。
【0150】また、陽極上に高分子からなる有機化合物
を含む層を全面に形成してもよい。成膜室112は、高
分子からなる有機化合物を含む層を形成するための成膜
室である。例えば、正孔注入層75として作用するポリ
(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスル
ホン酸)水溶液(PEDOT/PSS)を全面に形成してもよ
い。成膜室112においてスピンコート法やインクジェ
ット法やスプレー法で有機化合物を含む層を形成する場
合には、大気圧下で基板の被成膜面を上向きにしてセッ
トする。受渡室105には、基板反転機構が備わってお
り、基板の表裏を適宜反転させる。また、溶液を用いた
成膜を行った後は、前処理室103に搬送し、そこで真
空中での加熱処理を行って溶媒成分を気化させることが
好ましい。
【0151】次いで、大気にふれさせることなく、搬送
室102から受渡室105に基板104cを搬送した
後、搬送室104に基板104cを搬送し、搬送機構1
04bによって、成膜室106Rに搬送し、陽極73上
に赤色発光するEL層16を適宜形成する。ここでは抵
抗加熱を用いた蒸着によって形成する。
【0152】ここでは、フルカラーとするために、成膜
室106Rで成膜した後、順次、各成膜室106G、1
06Bで成膜を行って、赤色、緑色、青色の発光を示す
有機化合物を含む層76〜78を適宜形成する。
【0153】陽極13上に正孔注入層75、および所望
のEL層76〜78を得たら、次いで、大気にふれさせ
ることなく、搬送室104aから受渡室107に基板を
搬送した後、さらに、大気にふれさせることなく、受渡
室107から搬送室108に基板を搬送する。
【0154】次いで、搬送室108内に設置されている
搬送機構によって、成膜室110に搬送し、非常に薄い
無機膜(MgAg、MgIn、AlLi、CaNなどの
合金、または周期表の1族もしくは2族に属する元素と
アルミニウムとを共蒸着法により形成した膜)からなる
陰極(下層)79aを抵抗加熱を用いた蒸着法で形成す
る。薄い金属層からなる陰極(下層)79aを形成した
後、成膜室109に搬送してスパッタ法により透明導電
膜(ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化イン
ジウム酸化亜鉛合金(In23―ZnO)、酸化亜鉛
(ZnO)等)からなる陰極(上層)79bを形成し、
薄い金属層と透明導電膜との積層からなる陰極79a、
79bを適宜形成する。なお、発光素子の陰極として機
能するのは薄い金属層であるが、本明細書では薄い金属
層と透明導電膜との積層膜を陰極と呼ぶ。
【0155】以上の工程で図7(C)に示す積層構造の
発光素子が形成される。図7(C)に示す積層構造の発
光素子は図中に矢印で示した発光方向となり、図3
(B)の発光素子とは逆方向となる。
【0156】また、以降の工程は上記した図3(A)に
示す積層構造を有する発光装置の作製手順と同一である
のでここでは説明を省略する。
【0157】このように、図8に示す製造装置を用いれ
ば、図3(B)、図7(C)に示す積層構造とを作り分
けることができる。
【0158】また、本実施例は、実施の形態1乃至4の
いすれとも自由に組み合わせることができる。
【0159】[実施例2]図9は、ELモジュールの上
面図の外観を示す図である。無数のTFTが設けられた
基板(TFT基板とも呼ぶ)405には、表示が行われ
る画素部400と、画素部の各画素を駆動させる駆動回
路401a、401bと、EL層上に設けられる陰極と
引き出し配線とを接続する接続部と、外部回路と接続す
るためにFPCを貼り付ける端子部402とが設けられ
ている。また、有機発光素子を封止するための基板40
6と、シール材404とによって密閉する。
【0160】なお、図9において画素部の断面は、特に
限定されないが、ここでは、図3(B)の断面図を一例
とし、図3(B)の断面構造に保護膜や封止基板を接着
するなどの封止工程後のものとなる。
【0161】基板上に絶縁膜が設けられ、絶縁膜の上方
には画素部、駆動回路が形成されており、画素部は電流
制御用TFTとそのドレインに電気的に接続された画素
電極を含む複数の画素により形成される。また、駆動回
路はnチャネル型TFTとpチャネル型TFTとを組み
合わせたCMOS回路を用いて形成される。
【0162】これらのTFTは、以下に示す工程で形成
すればよい。
【0163】まず、厚さ0.7mmの耐熱性ガラス基板
(第1の基板)上にプラズマCVD法により下地絶縁膜
の下層として、プラズマCVD法で成膜温度400℃、
原料ガスSiH4、NH3、N2Oから作製される酸化窒
化シリコン膜(組成比Si=32%、O=27%、N=
24%、H=17%)を50nm(好ましくは10〜20
0nm)形成する。次いで、表面をオゾン水で洗浄した
後、表面の酸化膜を希フッ酸(1/100希釈)で除去
する。次いで、下地絶縁膜の上層として、プラズマCV
D法で成膜温度400℃、原料ガスSiH4、N2Oから
作製される酸化窒化シリコン膜(組成比Si=32%、
O=59%、N=7%、H=2%)を100nm(好ま
しくは50〜200nm)の厚さに積層形成し、さらに大
気解放せずにプラズマCVD法で成膜温度300℃、成
膜ガスSiH4で非晶質構造を有する半導体膜(ここで
はアモルファスシリコン膜)を54nmの厚さ(好まし
くは25〜80nm)で形成した。
【0164】本実施例では下地絶縁膜を2層構造として
示したが、珪素を主成分とする絶縁膜の単層膜または2
層以上積層させた構造として形成しても良い。また、半
導体膜の材料に限定はないが、好ましくはシリコンまた
はシリコンゲルマニウム(Si 1-XGeX(X=0.00
01〜0.02))合金などを用い、公知の手段(スパ
ッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等)に
より形成すればよい。また、プラズマCVD装置は、枚
葉式の装置でもよいし、バッチ式の装置でもよい。ま
た、同一の成膜室で大気に触れることなく下地絶縁膜と
半導体膜とを連続成膜してもよい。
【0165】次いで、非晶質構造を有する半導体膜の表
面を洗浄した後、オゾン水で表面に約2nmの極薄い酸
化膜を形成する。次いで、TFTのしきい値を制御する
ために微量な不純物元素(ボロンまたはリン)のドーピ
ングを行う。ここでは、ジボラン(B26)を質量分離
しないでプラズマ励起したイオンドープ法を用い、ドー
ピング条件を加速電圧15kV、ジボランを水素で1%
に希釈したガスを流量30sccmとし、ドーズ量2×
1012/cm2で非晶質シリコン膜にボロンを添加し
た。
【0166】次いで、重量換算で10ppmのニッケルを
含む酢酸ニッケル塩溶液をスピナーで塗布した。塗布に
代えてスパッタ法でニッケル元素を全面に散布する方法
を用いてもよい。
【0167】次いで、加熱処理を行い結晶化させて結晶
構造を有する半導体膜を形成する。この加熱処理は、電
気炉の熱処理または強光の照射を用いればよい。電気炉
の熱処理で行う場合は、500℃〜650℃、4〜24
時間で行えばよい。ここでは脱水素化のための熱処理
(500℃、1時間)の後、結晶化のための熱処理(5
50℃、4時間)を行って結晶構造を有するシリコン膜
を得た。なお、ここでは炉を用いた熱処理を用いて結晶
化を行ったが、短時間での結晶化が可能なランプアニー
ル装置で結晶化を行ってもよい。なお、ここではシリコ
ンの結晶化を助長する金属元素としてニッケルを用いた
結晶化技術を用いたが、他の公知の結晶化技術、例えば
固相成長法やレーザー結晶化法を用いてもよい。
【0168】次いで、結晶構造を有するシリコン膜表面
の酸化膜を希フッ酸等で除去した後、結晶化率を高め、
結晶粒内に残される欠陥を補修するためのレーザー光
(XeCl:波長308nm)の照射を大気中、または
酸素雰囲気中で行う。レーザー光には波長400nm以下
のエキシマレーザ光や、YAGレーザの第2高調波、第
3高調波を用いる。ここでは、繰り返し周波数10〜1
000Hz程度のパルスレーザー光を用い、当該レーザー
光を光学系にて100〜500mJ/cm2に集光し、90〜
95%のオーバーラップ率をもって照射し、シリコン膜
表面を走査させればよい。ここでは、繰り返し周波数3
0Hz、エネルギー密度470mJ/cm2でレーザー光の照
射を大気中で行なった。なお、大気中、または酸素雰囲
気中で行うため、レーザー光の照射により表面に酸化膜
が形成される。なお、ここではパルスレーザーを用いた
例を示したが、連続発振のレーザーを用いてもよく、非
晶質半導体膜の結晶化に際し、大粒径に結晶を得るため
には、連続発振が可能な固体レーザを用い、基本波の第
2高調波〜第4高調波を適用するのが好ましい。代表的
には、Nd:YVO4レーザー(基本波1064nm)の第
2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を適
用すればよい。連続発振のレーザーを用いる場合には、
出力10Wの連続発振のYVO4レーザから射出された
レーザ光を非線形光学素子により高調波に変換する。ま
た、共振器の中にYVO4結晶と非線形光学素子を入れ
て、高調波を射出する方法もある。そして、好ましくは
光学系により照射面にて矩形状または楕円形状のレーザ
光に成形して、被処理体に照射する。このときのエネル
ギー密度は0.01〜100MW/cm2程度(好まし
くは0.1〜10MW/cm2)が必要である。そし
て、10〜2000cm/s程度の速度でレーザ光に対
して相対的に半導体膜を移動させて照射すればよい。
【0169】なお、ここではシリコンの結晶化を助長す
る金属元素としてニッケルを用いた熱結晶化を行った後
にレーザー光を照射する技術を用いたが、ニッケルを添
加することなく、連続発振のレーザー(YVO4レーザ
ーの第2高調波)でアモルファスシリコン膜を結晶化さ
せてもよい。
【0170】次いで、レーザー光の照射により形成され
た酸化膜を希フッ酸で除去した後、オゾン水で表面を1
20秒処理して合計1〜5nmの酸化膜からなるバリア
層を形成する。ここではオゾン水を用いてバリア層を形
成したが、酸素雰囲気下の紫外線の照射で結晶構造を有
する半導体膜の表面を酸化する方法や酸素プラズマ処理
により結晶構造を有する半導体膜の表面を酸化する方法
やプラズマCVD法やスパッタ法や蒸着法などで1〜1
0nm程度の酸化膜を堆積してバリア層を形成してもよ
い。本明細書中、バリア層とは、ゲッタリング工程にお
いて金属元素が通過可能な膜質または膜厚を有し、且
つ、ゲッタリングサイトとなる層の除去工程においてエ
ッチングストッパーとなる層を指している。
【0171】次いで、バリア層上にスパッタ法にてゲッ
タリングサイトとなるアルゴン元素を含む非晶質シリコ
ン膜を50nm〜400nm、ここでは膜厚150nm
で形成する。ここでの成膜条件は、成膜圧力を0.3P
aとし、ガス(Ar)流量を50(sccm)とし、成膜パ
ワーを3kWとし、基板温度を150℃とした。なお、
上記条件での非晶質シリコン膜に含まれるアルゴン元素
の原子濃度は、3×1020/cm3〜6×1020/c
3、酸素の原子濃度は1×1019/cm3〜3×1019
/cm3である。その後、電気炉を用いて550℃、4
時間の熱処理を行いゲッタリングして、結晶構造を有す
る半導体膜中のニッケル濃度を低減した。電気炉に代え
てランプアニール装置を用いてもよい。
【0172】次いで、バリア層をエッチングストッパー
として、ゲッタリングサイトであるアルゴン元素を含む
非晶質シリコン膜を選択的に除去した後、バリア層を希
フッ酸で選択的に除去する。なお、ゲッタリングの際、
ニッケルは酸素濃度の高い領域に移動しやすい傾向があ
るため、酸化膜からなるバリア層をゲッタリング後に除
去することが望ましい。
【0173】次いで、得られた結晶構造を有するシリコ
ン膜(ポリシリコン膜とも呼ばれる)の表面にオゾン水
で薄い酸化膜を形成した後、レジストからなるマスクを
形成し、所望の形状にエッチング処理して島状に分離さ
れた半導体層を形成する。半導体層を形成した後、レジ
ストからなるマスクを除去する。
【0174】次いで、フッ酸を含むエッチャントで酸化
膜を除去すると同時にシリコン膜の表面を洗浄した後、
ゲート絶縁膜となる珪素を主成分とする絶縁膜を形成す
る。ここでは、プラズマCVD法により115nmの厚
さで酸化窒化シリコン膜(組成比Si=32%、O=5
9%、N=7%、H=2%)で形成した。
【0175】次いで、ゲート絶縁膜上に膜厚20〜10
0nmの第1の導電膜と、膜厚100〜400nmの第
2の導電膜とを積層形成する。本実施例では、ゲート絶
縁膜上に膜厚50nmの窒化タンタル膜、膜厚370n
mのタングステン膜を順次積層し、以下に示す手順でパ
ターニングを行って各ゲート電極及び各配線を形成す
る。
【0176】第1の導電膜及び第2の導電膜を形成する
導電性材料としてはTa、W、Ti、Mo、Al、Cu
から選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金
材料もしくは化合物材料で形成する。また、第1の導電
膜及び第2の導電膜としてリン等の不純物元素をドーピ
ングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜や、、
AgPdCu合金を用いてもよい。また、2層構造に限
定されず、例えば、膜厚50nmのタングステン膜、膜
厚500nmのアルミニウムとシリコンの合金(Al−
Si)膜、膜厚30nmの窒化チタン膜を順次積層した
3層構造としてもよい。また、3層構造とする場合、第
1の導電膜のタングステンに代えて窒化タングステンを
用いてもよいし、第2の導電膜のアルミニウムとシリコ
ンの合金(Al−Si)膜に代えてアルミニウムとチタ
ンの合金膜(Al−Ti)を用いてもよいし、第3の導
電膜の窒化チタン膜に代えてチタン膜を用いてもよい。
また、単層構造であってもよい。
【0177】上記第1の導電膜及び第2の導電膜のエッ
チング(第1のエッチング処理および第2のエッチング
処理)にはICP(Inductively Coupled Plasma:誘導
結合型プラズマ)エッチング法を用いると良い。ICP
エッチング法を用い、エッチング条件(コイル型の電極
に印加される電力量、基板側の電極に印加される電力
量、基板側の電極温度等)を適宜調節することによって
所望のテーパー形状に膜をエッチングすることができ
る。ここでは、レジストからなるマスクを形成した後、
第1のエッチング条件として1Paの圧力でコイル型の電
極に700WのRF(13.56MHz)電力を投入し、エッチ
ング用ガスにCF4とCl2とO2とを用い、それぞれの
ガス流量比を25/25/10(sccm)とし、基板
側(試料ステージ)にも150WのRF(13.56MHz)電
力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加す
る。なお、基板側の電極面積サイズは、12.5cm×
12.5cmであり、コイル型の電極面積サイズ(ここ
ではコイルの設けられた石英円板)は、直径25cmの
円板である。この第1のエッチング条件によりW膜をエ
ッチングして端部をテーパー形状とする。この後、レジ
ストからなるマスクを除去せずに第2のエッチング条件
に変え、エッチング用ガスにCF4とCl2とを用い、そ
れぞれのガス流量比を30/30(sccm)とし、1
Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MH
z)電力を投入してプラズマを生成して約30秒程度の
エッチングを行った。基板側(試料ステージ)にも20
WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己
バイアス電圧を印加する。CF4とCl2を混合した第2
のエッチング条件ではW膜及びTaN膜とも同程度にエ
ッチングされる。なお、ここでは、第1のエッチング条
件及び第2のエッチング条件を第1のエッチング処理と
呼ぶこととする。
【0178】次いで、レジストからなるマスクを除去せ
ずに第2のエッチング処理を行う。ここでは、第3のエ
ッチング条件としてエッチング用ガスにCF4とCl2
を用い、それぞれのガス流量比を30/30(scc
m)とし、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのR
F(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成してエッ
チングを60秒行った。基板側(試料ステージ)にも2
0WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自
己バイアス電圧を印加する。この後、レジストからなる
マスクを除去せずに第4のエッチング条件に変え、エッ
チング用ガスにCF4とCl2とO2とを用い、それぞれ
のガス流量比を20/20/20(sccm)とし、1
Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MH
z)電力を投入してプラズマを生成して約20秒程度の
エッチングを行った。基板側(試料ステージ)にも20
WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己
バイアス電圧を印加する。なお、ここでは、第3のエッ
チング条件及び第4のエッチング条件を第2のエッチン
グ処理と呼ぶこととする。この段階で第1の導電層を下
層とし、第2の導電層を上層とするゲート電極および各
電極が形成される。
【0179】次いで、レジストからなるマスクを除去し
た後、ゲート電極をマスクとして全面にドーピングする
第1のドーピング処理を行う。第1のドーピング処理は
イオンドープ法、もしくはイオン注入法で行えば良い。
イオンドープ法の条件はドーズ量を1.5×1014atom
s/cm2とし、加速電圧を60〜100keVとして行
う。n型を付与する不純物元素として、典型的にはリン
(P)または砒素(As)を用いる。自己整合的に第1
の不純物領域(n--領域)が形成される。
【0180】次いで、新たにレジストからなるマスクを
形成するが、この際、スイッチングTFTのオフ電流値
を下げるため、マスクは、画素部のスイッチングTFT
を形成する半導体層のチャネル形成領域及びその一部を
覆って形成する。また、マスクは駆動回路のpチャネル
型TFTを形成する半導体層のチャネル形成領域及びそ
の周辺の領域を保護するためにも設けられる。加えて、
マスクは、画素部の電流制御用TFTを形成する半導体
層のチャネル形成領域及びその周辺の領域を覆って形成
される。
【0181】次いで、上記レジストからなるマスクを用
い、選択的に第2のドーピング処理を行って、ゲート電
極の一部と重なる不純物領域(n-領域)を形成する。
第2のドーピング処理はイオンドープ法、もしくはイオ
ン注入法で行えば良い。ここでは、イオンドープ法を用
い、フォスフィン(PH3)を水素で5%に希釈したガ
スを流量30sccmとし、ドーズ量を1.5×1014
atoms/cm2とし、加速電圧を90keVとして行う。こ
の場合、レジストからなるマスクと第2の導電層とがn
型を付与する不純物元素に対するマスクとなり、第2の
不純物領域が形成される。第2の不純物領域には1×1
16〜1×1017/cm3の濃度範囲でn型を付与する不純
物元素を添加される。ここでは、第2の不純物領域と同
じ濃度範囲の領域をn-領域とも呼ぶ。
【0182】次いで、レジストからなるマスクを除去せ
ずに第3のドーピング処理を行う。第3のドーピング処
理はイオンドープ法、もしくはイオン注入法で行えば良
い。n型を付与する不純物元素として、典型的にはリン
(P)または砒素(As)を用いる。ここでは、イオン
ドープ法を用い、フォスフィン(PH3)を水素で5%
に希釈したガスを流量40sccmとし、ドーズ量を2
×1015atoms/cm2とし、加速電圧を80keVとして
行う。この場合、レジストからなるマスクと第1の導電
層及び第2の導電層がn型を付与する不純物元素に対す
るマスクとなり、第3の不純物領域が形成される。第3
の不純物領域には1×1020〜1×10 21/cm3の濃度範
囲でn型を付与する不純物元素が添加される。ここで
は、第3の不純物領域と同じ濃度範囲の領域をn+領域
とも呼ぶ。
【0183】次いで、レジストからなるマスクを除去し
た後、新たにレジストからなるマスクを形成して第4の
ドーピング処理を行う。第4のドーピング処理により、
pチャネル型TFTを形成する半導体層を形成する半導
体層にp型の導電型を付与する不純物元素が添加された
第4の不純物領域及び第5の不純物領域を形成する。
【0184】また、第4の不純物領域には1×1020
1×1021/cm3の濃度範囲でp型を付与する不純物元素
が添加されるようにする。尚、第4の不純物領域には先
の工程でリン(P)が添加された領域(n--領域)であ
るが、p型を付与する不純物元素の濃度がその1.5〜
3倍添加されていて導電型はp型となっている。ここで
は、第4の不純物領域と同じ濃度範囲の領域をp+領域
とも呼ぶ。
【0185】また、第5の不純物領域は第2の導電層の
テーパー部と重なる領域に形成されるものであり、1×
1018〜1×1020/cm3の濃度範囲でp型を付与する不
純物元素が添加されるようにする。ここでは、第5の不
純物領域と同じ濃度範囲の領域をp-領域とも呼ぶ。
【0186】以上までの工程でそれぞれの半導体層にn
型またはp型の導電型を有する不純物領域が形成され
る。導電層はTFTのゲート電極となる。
【0187】次いで、ほぼ全面を覆う絶縁膜(図示しな
い)を形成する。本実施例では、プラズマCVD法によ
り膜厚50nmの酸化シリコン膜を形成した。勿論、こ
の絶縁膜は酸化シリコン膜に限定されるものでなく、他
のシリコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用
いても良い。
【0188】次いで、それぞれの半導体層に添加された
不純物元素を活性化処理する工程を行う。この活性化工
程は、ランプ光源を用いたラピッドサーマルアニール法
(RTA法)、或いはYAGレーザーまたはエキシマレ
ーザーを裏面から照射する方法、或いは炉を用いた熱処
理、或いはこれらの方法のうち、いずれかと組み合わせ
た方法によって行う。
【0189】また、本実施例では、上記活性化の前に絶
縁膜を形成した例を示したが、上記活性化を行った後、
絶縁膜を形成する工程としてもよい。
【0190】次いで、窒化シリコン膜からなる第1の層
間絶縁膜を形成して熱処理(300〜550℃で1〜1
2時間の熱処理)を行い、半導体層を水素化する工程を
行う。この工程は第1の層間絶縁膜に含まれる水素によ
り半導体層のダングリングボンドを終端する工程であ
る。酸化シリコン膜からなる絶縁膜の存在に関係なく半
導体層を水素化することができる。水素化の他の手段と
して、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素
を用いる)を行っても良い。
【0191】次いで、第1の層間絶縁膜上に有機絶縁物
材料から成る第2の層間絶縁膜を形成する。本実施例で
は塗布法により膜厚1.6μmのアクリル樹脂膜を形成
し、さらに、スパッタ法により200nmの窒化シリコ
ン膜を積層する。なお、ここでは、1.6μmのアクリ
ル樹脂に窒化シリコン膜を積層した例を示したが、層間絶縁
膜の材料または膜厚は、特に限定されず、ゲート電極と
その上に形成する電源供給線との間で容量を形成する場
合には、適宜、有機絶縁膜または無機絶縁膜の膜厚を
0.5μm〜2.0μmとすればよい。
【0192】次いで、pチャネル型TFTからなる電流
制御用TFTのドレイン領域に接して後で形成される接
続電極に接して重なるよう画素電極を形成する。本実施
例では、画素電極は有機発光素子の陽極として機能さ
せ、有機発光素子の発光を画素電極に通過させるため、
透明導電膜とする。
【0193】次いで、ゲート電極またはゲート配線とな
る導電層に達するコンタクトホールと、各不純物領域に
達するコンタクトホールを形成する。本実施例では複数
のエッチング処理を順次行う。本実施例では第2の層間
絶縁膜をエッチングストッパーとして第3の層間絶縁膜
をエッチングした後、第1の層間絶縁膜をエッチングス
トッパーとして第2の層間絶縁膜をエッチングしてから
第1の層間絶縁膜をエッチングした。
【0194】その後、Al、Ti、Mo、Wなどを用い
て電極、具体的にはソース配線、電源供給線、引き出し
電極及び接続電極などを形成する。ここでは、これらの
電極及び配線の材料は、Ti膜(膜厚100nm)とシ
リコンを含むAl膜(膜厚350nm)とTi膜(膜厚
50nm)との積層膜を用い、パターニングを行った。
こうして、ソース電極及びソース配線、接続電極、引き
出し電極、電源供給線などが適宜、形成される。なお、
層間絶縁膜に覆われたゲート配線とコンタクトを取るた
めの引き出し電極は、ゲート配線の端部に設けられ、他
の各配線の端部にも、外部回路や外部電源と接続するた
めの電極が複数設けられた入出力端子部を形成する。ま
た、先に形成された画素電極と接して重なるよう設けら
れた接続電極は、電流制御用TFTのドレイン領域に接
している。
【0195】以上の様にして、nチャネル型TFT、p
チャネル型TFT、およびこれらを相補的に組み合わせ
たCMOS回路を有する駆動回路と、1つの画素内にn
チャネル型TFTまたはpチャネル型TFTを複数備え
た画素部を形成することができる。
【0196】また、画素電極は有機発光素子の陽極とし
て機能する。また、画素電極の両端にはバンクとよばれ
る絶縁膜が形成され、画素電極上には有機化合物を含む
層および発光素子の陰極が形成される。
【0197】陰極は全画素に共通の配線としても機能
し、接続配線を経由してFPCと接続する端子部に電気
的に接続されている。さらに、画素部及び駆動回路に含
まれる素子は全て陰極、及び保護膜で覆われている。さ
らに、カバー材(封止するための基板)と接着剤で貼り
合わせてもよい。また、カバー材には凹部を設け、乾燥
剤を設置してもよい。
【0198】[実施例3]本実施例では、実施の形態3
に示した第2の容器の一例を図10に示す。
【0199】図10は、第1の容器を収納した第2の容
器の断面図である。
【0200】図10において、301は第1の容器、代
表的にはルツボであり、EL材料302が収納されてい
る。このルツボ301は、ルツボ蓋303で軽く閉める
ことができるようにする。また、第2の容器は2つのパ
ーツからなっており、上部パーツ304aと下部パーツ
304bとをOリング305などで密閉するものであ
る。上部パーツ304aにはバネ306が設けられてお
り、上蓋307が可動するようになっている。また、下
部パーツ304bにもバネ308が設けられており、下
蓋309が可動するようになっている。ルツボ301
は、上蓋307と下蓋309とで挟まれる形で配置され
ている。下蓋309にはルツボ301を固定する凸部
(図示しない)が設けられており、ルツボ蓋303は上
蓋307で押さえ付けるようになっている。なお、ルツ
ボ蓋と上蓋を一体化させてもよい。
【0201】また、第2の容器304a、304bの内
部は不活性ガス(代表的には窒素)で充填する。
【0202】この第2の容器を真空排気可能な処理室内
に入れて、真空状態にすると、内圧と外圧の差で第2の
容器の上部パーツ304aがバネの復元力で外れる。そ
れとともにルツボ301がバネの復元力で押し出され
る。このように、図10に示した第2の容器は、大気圧
から真空状態とすることで比較的容易に開くことが可能
な容器である。従って、開けた後の作業、例えば、上部
パーツ304aやルツボ蓋303を除去する作業や、第
1の容器を取り出す作業はロボットなどによって可能と
なる。また、図10に示した第2の容器は、衝撃にも強
く搬送に適した容器とすることが可能である。
【0203】本実施例は、実施の形態1乃至4、実施例
1、実施例2のいずれか一と自由に組み合わせることが
可能である。
【0204】[実施例4]本発明を実施することによっ
て有機発光素子を有するモジュール(アクティブマトリ
クス型ELモジュール)を組み込んだ全ての電子機器が
完成される。
【0205】その様な電子機器としては、ビデオカメ
ラ、デジタルカメラ、ヘッドマウントディスプレイ(ゴ
ーグル型ディスプレイ)、カーナビゲーション、プロジ
ェクタ、カーステレオ、パーソナルコンピュータ、携帯
情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子
書籍等)などが挙げられる。それらの一例を図11、図
12に示す。
【0206】図11(A)はパーソナルコンピュータで
あり、本体2001、画像入力部2002、表示部20
03、キーボード2004等を含む。
【0207】図11(B)はビデオカメラであり、本体
2101、表示部2102、音声入力部2103、操作
スイッチ2104、バッテリー2105、受像部210
6等を含む。
【0208】図11(C)はモバイルコンピュータ(モ
ービルコンピュータ)であり、本体2201、カメラ部
2202、受像部2203、操作スイッチ2204、表
示部2205等を含む。
【0209】図11(D)はゴーグル型ディスプレイで
あり、本体2301、表示部2302、アーム部230
3等を含む。
【0210】図11(E)はプログラムを記録した記録
媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであ
り、本体2401、表示部2402、スピーカ部240
3、記録媒体2404、操作スイッチ2405等を含
む。なお、このプレーヤーは記録媒体としてDVD(D
igtial Versatile Disc)、CD
等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネッ
トを行うことができる。
【0211】図11(F)はデジタルカメラであり、本
体2501、表示部2502、接眼部2503、操作ス
イッチ2504、受像部(図示しない)等を含む。
【0212】図12(A)は携帯電話であり、本体29
01、音声出力部2902、音声入力部2903、表示
部2904、操作スイッチ2905、アンテナ290
6、画像入力部(CCD、イメージセンサ等)2907
等を含む。
【0213】図12(B)は携帯書籍(電子書籍)であ
り、本体3001、表示部3002、3003、記憶媒
体3004、操作スイッチ3005、アンテナ3006
等を含む。
【0214】図12(C)はディスプレイであり、本体
3101、支持台3102、表示部3103等を含む。
【0215】ちなみに図12(C)に示すディスプレイ
は中小型または大型のもの、例えば5〜20インチの画
面サイズのものである。また、このようなサイズの表示
部を形成するためには、基板の一辺が1mのものを用
い、多面取りを行って量産することが好ましい。
【0216】以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広
く、あらゆる分野の電子機器の作製方法に適用すること
が可能である。また、本実施例の電子機器は実施の形態
1乃至4、及び実施例1〜3のどのような組み合わせか
らなる構成を用いても実現することができる。
【0217】
【発明の効果】本発明により、有機発光素子を備えたア
クティブマトリクス方式の発光装置において、優れたT
FT特性(オン電流、オフ電流、Vth、S値など)を
有する発光装置を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 抵抗加熱法により陰極を形成したTFT特
性を示す図である。
【図2】 TFT特性を示す図である。
【図3】 本発明を示す断面図である。(実施の形態
1)
【図4】 本発明を示す断面図である。(実施の形態
1)
【図5】 製造装置を示す図である。(実施の形態
2)
【図6】 実施の形態3を示す図である。
【図7】 実施の形態4を示す図である。
【図8】 製造装置を示す図である。(実施例1)
【図9】 発光装置の上面図を示す図である。(実施
例2)
【図10】 実施例3を示す図である。
【図11】 電子機器の一例を示す図。
【図12】 電子機器の一例を示す図。
【図13】 電子銃蒸着法により陰極を形成したTFT
特性を示す図である。(比較例)
【図14】 TFT特性を示す図である。(比較例)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大谷 久 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内 Fターム(参考) 3K007 AB18 CC00 DB03 FA01 4K029 BA02 BA07 BA10 BA12 BA13 BA15 BA18 BA62 BB02 BC07 BD00 CA01 DB18 DB23 HA02

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰極と、該陰極に接する有機化合物を含む
    層と、該有機化合物を含む層に接する陽極とを有する発
    光素子と、該発光素子に接続されるTFTとを有する発
    光装置の作製方法であって、抵抗加熱で蒸着材料を加熱
    する蒸着法により、前記有機化合物を含む層と、金属材
    料からなる前記陰極とを形成することを特徴とする発光
    装置の作製方法。
  2. 【請求項2】陰極と、該陰極に接する有機化合物を含む
    層と、該有機化合物を含む層に接する陽極とを有する発
    光素子と、該発光素子に接続されるTFTとを有する発
    光装置の作製方法であって、抵抗加熱で蒸着材料を加熱
    する蒸着法により、前記有機化合物を含む層と、前記有
    機化合物を含む層と接する前記陰極の下層とを形成し、
    電子銃で金属材料からなる蒸着材料を加熱する蒸着法に
    より、前記陰極の上層を形成することを特徴とする発光
    装置の作製方法。
  3. 【請求項3】陰極と、該陰極に接する有機化合物を含む
    層と、該有機化合物を含む層に接する陽極とを有する発
    光素子と、該発光素子に接続されるTFTとを有する発
    光装置であって、 前記陰極は、抵抗加熱で金属材料からなる蒸着材料を加
    熱する蒸着法による層と、電子銃で金属材料からなる蒸
    着材料を加熱する蒸着方法による層との積層であること
    を特徴とする発光装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記金属材料からなる
    蒸着材料は、周期表の1族もしくは2族に属する金属元
    素を含む合金材料であることを特徴とする発光装置。
  5. 【請求項5】陰極と、該陰極に接する有機化合物を含む
    層と、該有機化合物を含む層に接する陽極とを有する発
    光素子と、該発光素子に接続されるTFTとを有する発
    光装置であって、 前記陽極は、抵抗加熱で金属材料からなる蒸着材料を加
    熱する蒸着法による層と、電子銃で金属材料からなる蒸
    着材料を加熱する蒸着方法による層との積層であること
    を特徴とする発光装置。
  6. 【請求項6】請求項5において、前記金属材料からなる
    蒸着材料は、Pt、Cr、W、Ni、Zn、Sn、In
    から選ばれた一種または複数の元素を含む導電性材料で
    あることを特徴とする発光装置。
  7. 【請求項7】請求項3乃至6のいずれか一において、前
    記発光装置は、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグ
    ル型ディスプレイ、カーナビゲーション、パーソナルコ
    ンピュータまたは携帯情報端末であることを特徴とする
    発光装置。
  8. 【請求項8】有機材料、或いは金属材料を収納した第1
    の容器が第2の容器で密閉され、真空排気手段を有する
    製造装置に、基板を配置し、前記第2の容器を導入し、
    該第2の容器の中から前記第1の容器を取り出して配置
    した後、前記第1の容器を抵抗加熱により加熱して前記
    基板上に蒸着を行うことを特徴とする製造装置の操作方
    法。
  9. 【請求項9】請求項8において、前記第1の容器は、内
    壁に有機材料が昇華精製されていることを特徴とする製
    造装置の操作方法。
  10. 【請求項10】請求項8または請求項9において、前記
    金属材料は、発光素子の陰極または陽極となる導電性材
    料であることを特徴とする製造装置の操作方法。
  11. 【請求項11】請求項8乃至10のいずれか一におい
    て、前記基板と前記容器との間隔距離を20cm以下と
    して前記基板上に蒸着を行うことを特徴とする製造装置
    の操作方法。
  12. 【請求項12】請求項8乃至11のいずれか一におい
    て、前記蒸着を行う際、前記基板を回転させ、且つ、前
    記第1の容器を移動させることを特徴とする製造装置の
    操作方法。
  13. 【請求項13】容器内に有機材料、無機材料、或いは金
    属材料からなる蒸着材料を収納する第1工程と、蒸着装
    置内に基板を配置し、該基板に対向させて前記容器を設
    置する第2工程と、前記蒸着装置内に設置された前記容
    器を抵抗加熱により加熱し、且つ、基板と前記容器との
    間隔距離を20cm以下として前記基板上に蒸着を行う
    第3工程と、を有することを特徴とする発光装置の作製
    方法。
  14. 【請求項14】請求項13において、前記蒸着を行う
    際、前記基板を回転させ、且つ、前記容器を移動させる
    ことを特徴とする発光装置の作製方法。
  15. 【請求項15】請求項13または請求項14において、
    前記基板は、TFTと該TFTに接続する第1電極とが
    設けられており、 前記第3の工程で、前記第1電極上に接して抵抗加熱法
    により有機材料からなる有機化合物を含む層を形成し、
    該有機化合物を含む層上に接して抵抗加熱法により金属
    材料からなる第2の電極を形成して、 前記第1電極と、前記有機化合物を含む層と、前記第2
    電極とを有する発光素子を作製することを特徴とする発
    光装置の作製方法。
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