JP2003316065A - トナー - Google Patents

トナー

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JP2003316065A
JP2003316065A JP2002119051A JP2002119051A JP2003316065A JP 2003316065 A JP2003316065 A JP 2003316065A JP 2002119051 A JP2002119051 A JP 2002119051A JP 2002119051 A JP2002119051 A JP 2002119051A JP 2003316065 A JP2003316065 A JP 2003316065A
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iron oxide
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toner according
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JP2002119051A
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English (en)
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Eriko Yanase
恵理子 柳瀬
Tatsuhiko Chiba
建彦 千葉
Keiji Kawamoto
恵司 河本
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 磁性酸化鉄の分散が良好で、安定した帯電性
能を有し、長時間の使用においても画像濃度が高く、カ
ブリの発生がなく、流動性及び現像性に優れたトナーを
提供する。 【解決手段】 水酸基価5〜45mg/KOH/gのポ
リアルキレンワックスを結着樹脂100重量部に対して
1〜30重量部と、シランカップリング剤で疎水化処理
を施した体積平均粒径0.1〜0.3μmの磁性酸化鉄
と、重合性単量体とを水系媒体中に混合分散して重合し
てトナー粒子を製造する。該トナーの平均円形度だ0.
97以上、外添加剤として疎水性シリカを用いた現像剤

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、磁気記録法、トナージェット方式記録法の如き
画像形成方法において形成される静電画像の現像に用い
るトナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては多数の方法が
知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々
の手段により静電荷像担持体(以下「感光体」という)
上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーで現像
を行なって可視像とし、必要に応じて紙などの転写材に
トナー像を転写した後、熱・圧力等により転写材上にト
ナー画像を定着して複写物を得るものである。
【0003】電気的潜像を可視化する方法としては、カ
スケード現像法、磁気ブラシ現像法、加圧現像方法等が
知られている。
【0004】米国特許第3,909,258号明細書に
は電気的に導電性を有する磁性トナーを用いて現像する
方法が提案されている。これは、内部に磁性を有する円
筒状の導電性スリーブ上に導電性磁性トナーを支持し、
これを静電像に接触せしめ現像するものである。この
際、現像部において、記録体表面とスリーブ表面の間に
トナー粒子により導電路が形成され、この導電路を経て
スリーブよりトナー粒子に電荷が導かれ、静電像の画像
部との間のクーロン力によりトナー粒子が画像部に付着
して現像される。この導電性磁性トナーを用いる現像方
法は従来の二成分現像方法にまつわる問題点を回避した
優れた方法であるが、反面トナーが導電性であるため、
現像した画像を、記録体から普通紙等の最終的な支持部
材へ静電的に転写することが困難であるという問題を有
している。
【0005】静電的に転写することが可能な高抵抗の磁
性トナーを用いる現像方法として、トナー粒子の誘電分
極を利用した現像方法がある。しかし、かかる方法は本
質的に現像速度が遅い、現像画像の濃度が十分に得られ
ていない等の問題点を有しており、実用上困難である。
【0006】高抵抗の絶縁性の磁性トナーを用いるその
他の現像方法として、トナー粒子相互の摩擦、トナー粒
子とスリーブ等との摩擦等によりトナー粒子を摩擦帯電
し、これを静電像保持部材に接触して現像する方法が知
られている。しかしこの方法は、トナー粒子と摩擦部材
との接触回数が少なく、また、用いられる磁性トナーは
トナー粒子表面に磁性体が多く露出しているため、摩擦
帯電が不十分となりやすく帯電不良による画像不良など
の問題があった。
【0007】例えば、特開昭54−43027号公報及
び特開昭55−18656号公報等においては、現像剤
担持体上に磁性現像剤を薄く塗布し、これを摩擦帯電せ
しめ、次いでこれを磁界の作用下で静電潜像に極めて近
接させ、且つ接触することなく対向させ、現像する方
法、いわゆるジャンピング現像方法が開示されている。
この方法によれば、磁性現像剤を現像剤担持体上に薄く
塗布することにより現像剤の十分な摩擦帯電を可能と
し、しかも現像剤を磁力によって支持しつつ静電潜像に
接することなく現像が行われるため、非画像部への現像
剤の転移、いわゆるカブリが抑制されて高精細な画像を
得ることが可能となる。
【0008】このような一成分現像方式は二成分方式の
ようにガラスビーズや鉄粉等のキャリア粒子が不要なた
め、現像装置自体を小型化・軽量化できる。さらには、
二成分現像方式は現像剤中のトナー濃度を一定に保つ必
要があるため、トナー濃度を検知し必要量のトナーを補
給する装置が必要である。よって、ここでも現像装置が
大きく重くなる。一成分現像方式ではこのような装置は
必要とならないため、小さく軽くできるため好ましい。
【0009】しかしながら、絶縁性磁性トナーを用いる
現像方法には、用いる絶縁性磁性トナーに関わる不安定
要素がある。それは、絶縁性磁性トナー中には微粉末状
の磁性体が相当量混合分散されており、該磁性体の一部
がトナー粒子の表面に露出しているため、磁性トナーの
流動性及び摩擦帯電性に影響し、結果として、磁性トナ
ーの現像特性、耐久性等の磁性トナーに要求される種々
の特性の変動或いは劣化を引き起こすというものであ
る。
【0010】従来の磁性体を含有する磁性トナーを用い
た場合に、上述した問題が生じてしまうのは、磁性トナ
ーの表面に磁性体が露出していることがその大きな原因
と考えられる。即ち、磁性トナーの表面に、トナーを構
成する樹脂に比して相対的に抵抗の低い磁性体微粒子が
露出することにより、トナー帯電性能の低下、トナー流
動性の低下、さらに長期間の使用においては、トナー同
士或いは規制部材との摺擦による磁性体の剥離に伴う画
像濃度の低下やスリーブゴーストと呼ばれる濃淡のムラ
の発生など現像剤の劣化などが引き起こされるのであ
る。
【0011】一方、トナーは、結着樹脂、着色剤等を溶
融混合し、均一に分散した後、微粉砕装置により粉砕
し、分級機により分級して、所望の粒径を有するトナー
として製造(粉砕法)されてきたが、トナーの微小粒径
化には材料の選択範囲に制限がある。例えば、樹脂着色
剤分散体が充分に脆く、経済的に使用可能な製造装置で
微粉砕し得るものでなくてはならない。この要求から、
樹脂着色剤分散体を脆くするため、この樹脂着色剤分散
体を実際に高速で微粉砕する場合に、広い粒径範囲の粒
子が形成され易く、特に比較的大きな割合の微粒子(過
度に粉砕された粒子)がこれに含まれるという問題が生
ずる。さらに、このように高度に脆性の材料は、複写機
等において現像用トナーとして使用する際、しばしば、
さらなる微粉砕乃至粉化を受ける。
【0012】また、粉砕法では、磁性粉或いは着色剤等
の固体微粒子を樹脂中へ完全に均一に分散することは困
難であり、その分散の度合によっては、カブリの増大、
画像濃度の低下の原因となる。さらに、粉砕法は、本質
的に、トナーの表面に磁性酸化鉄粒子が露出してしまう
ため、トナーの流動性や過酷環境下での帯電安定性にど
うしても問題が残る。
【0013】即ち、粉砕法においては、高精彩、高画質
化で要求されるトナーの微粒子化に限界があり、それに
伴い粉体特性、特にトナーの流動性が著しく減衰する。
この傾向は、定着性を向上させるためにワックスなどの
離型性物質を多量に添加する場合に、トナー表面により
存在しやすくなり顕著になる。さらには、ワックスなど
の離型性物質の分散性を十分なレベルとするためには、
樹脂との混練温度において溶解して液状になっていない
ことが必要であり、このような制約のため粉砕法による
トナーの定着性には限界がある。
【0014】上述の様な粉砕法によるトナーの問題点を
克服するため、さらには上記のごとき要求を満たすため
重合法によるトナーの製造方法が提案されている。
【0015】重合法によるトナー(以後、重合トナーと
呼ぶ)は、上記制約が無いことに加えて、ワックスを内
包化することができ、良好な定着性、耐オフセット性が
得られる。また、トナーの微粒子化が容易に可能であ
り、さらには得られるトナーの形状が球状であることか
ら流動性に優れ、高画質化に有利となる。
【0016】しかしながら、この重合トナー中に磁性体
を含有することにより、その流動性及び帯電特性は著し
く低下する。これは、磁性粒子は一般的に親水性である
ためにトナー表面に存在しやすいためであり、この問題
を解決するためには磁性体の有する表面特性の改質が重
要となる。
【0017】重合トナー中の磁性体の分散性向上のため
の表面改質に関しては、数多く提案されている。例え
ば、特開昭59−200254号、同59−20025
6号、同59−200257号及び同59−22410
2号各公報等に磁性体の各種シランカップリング剤処理
技術が提案されており、特開昭63−250660号公
報では、ケイ素元素含有磁性粒子をシランカップリング
剤で処理する技術が開示されており、また特開平7−7
2654号公報では、磁性酸化鉄をアルキルトリアルコ
キシシランで処理する技術が開示されている。
【0018】しかしながら、これらの処理によりトナー
中の分散性はある程度向上するものの、磁性体表面の疎
水化を均一に行うことが困難であるという問題があり、
従って、磁性体同士の合一や疎水化されていない磁性体
粒子の発生を避けることができず、トナー中の分散性を
良好なレベルにまで向上させるには不十分である。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の如き
問題を解決した静電荷像現像用トナーを提供することを
目的とする。
【0020】本発明は、安定した帯電性能を有し、長時
間の使用においても画像濃度が高く、カブリの発生が抑
制され、画像再現性に優れたトナーを提供することを目
的とする。
【0021】本発明は、トナー中における磁性酸化鉄の
分散が非常に良好で、流動性と現像性が良好なトナーを
提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも結
着樹脂、着色剤及び離型剤を含有する、水系媒体中で製
造されるトナー粒子を有するトナーであり、該離型剤
は、5乃至45mgKOH/gの水酸基価を有する炭化
水素ワックスであることを特徴とするトナーに関する。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明者らが鋭意検討を行なった
結果、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有す
る、水系媒体中で製造されるトナー粒子を有するトナー
であり、該離型剤は、5乃至45mgKOH/gの水酸
基価を有する炭化水素ワックスであることを特徴とする
トナーである場合に、着色剤、特に磁性酸化鉄の分散が
極めて良好なだけでなく、トナー表面が滑らかであり、
微分も少ないために流動性に優れ、帯電性も均一且つ安
定なトナーを提供できることを見出した。
【0024】本発明の効果が得られることについての詳
細は不明であるが、本発明者らが鋭意検討した結果、着
色剤に対する分散性については、本発明にかかる炭化水
素ワックスを特定の着色剤、即ち極性を有する顔料や無
機顔料、特に磁性酸化鉄と組み合わせることで良好な分
散性を有することが分かってきた。このことから、上記
炭化水素ワックスの水酸基が、着色剤の極性基と何らか
の分散安定化作用があり、特に金属系着色剤である磁性
酸化鉄には強固な配位をし、分散剤として良好に働くと
考えられる。即ち、本発明においては着色剤として特に
磁性酸化鉄が好ましく用いられる。このことより、本発
明者らは、上記のように本発明にかかるワックスの水酸
基が磁性酸化鉄に配位し、見かけ上ワックスが磁性酸化
鉄を取り込んでいるような状態にあると考え、加えて、
本発明にかかるワックスはそれ自身結着樹脂に対する相
溶性が高いため、水系媒体中でトナーを製造する過程に
用いることで、比重の大きい磁性酸化鉄が結着樹脂或い
は重合性単量体中で沈降或いは合一したり、水系中でト
ナー粒子から遊離したりすることなく、トナー粒子表面
が均一且つ造粒性が安定な、高度に着色剤の分散性の高
いトナーを得ることができたと考えている。
【0025】尚、本発明にかかるワックスは検討の結
果、水系媒体中でトナーを製造する過程において、水酸
基価により造粒時の微分の発生を抑えるだけでなく、樹
脂との相溶性についても制御可能であり、結果として特
定の範囲の水酸基価とすることで定着性や帯電性の更な
る向上が達成された。
【0026】本発明に用いられる炭化水素ワックスは、
水酸基が5乃至45mgKOH/gであり、好ましくは
10乃至40mgKOH/gである。
【0027】該ワックスの水酸基価は、炭化水素ワック
スのアルコールへの転化率の巨視的な指標となる数値で
あるが、水酸基価が5mgKOH/g未満の場合は、ワ
ックスの性質としてはパラフィンに近い無極性ワックス
として働くため、着色剤への配位力が弱く分散剤として
の効果が低下する。よって、トナー粒子中で着色剤の合
一や偏りが生じたり、水系中への遊離が発生しやすくな
り好ましくない。
【0028】一方、水酸基価が45mgKOH/gを超
える場合は、液相酸化により生成する低融点成分が増加
するため流動性が悪化し、また、長期間の使用において
感光体ドラムやスリーブ表面に融着が発生しやすくなり
好ましくない。また、水系媒体中で重合する場合、造粒
性が悪化し微分が発生しやすくなる。
【0029】さらに、本発明に用いられる炭化水素ワッ
クスは、好ましくは下記式(1)及び/または(2)で
示される構造を主体として有するワックスである。下記
式(1)または(2)で示されるような構造を主体とし
て有するワックスは、ほぼ全てのワックス分子が多少な
りとも水酸基を有しているので、結着樹脂との相溶性の
低い未変性成分がトナーから遊離して保存性、耐久性を
阻害することがなく好ましい。さらに、各分子内での水
酸基変性部位の偏りが比較的少なく、分子鎖全体で着色
剤を取り込むことができるため、着色剤の分散剤として
効率よく働くことができる。また、水酸基濃度の極端に
高い部位が存在しないために、水系中でのトナー製造過
程においてワックスがトナー表面に析出して保存性、耐
久性を阻害することも無い。
【0030】
【化2】
【0031】(式中、n=5〜20、R1〜R9はそれぞ
れ水素、水酸基、ハロゲン、又は炭素数1〜20の直鎖
状及び環状炭化水素、エステル基、カルボニル基、カル
ボキシル基またはハロゲン化炭化水素基のいずれかを示
す。)
【0032】なお、上記構造のワックスは、例えば後述
の如き酸化方法において、添加する硼酸触媒の量を少な
くしたり、反応系に吹き込む混合ガス中の酸素濃度を低
くしたり、反応温度を低くしたりすることによって得ら
れる。
【0033】本発明に用いられるワックスは、パラフィ
ンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスをアルコー
ル変性することによって得られる。
【0034】炭素数が20〜60の範囲にあるパラフィ
ンワックスは、硼酸、無水硼酸、もしくはメタ硼酸の如
き触媒の存在下に分子状酸素含有ガスで液相酸化するこ
とによりアルコールに転化できることが知られている。
液相酸化反応終了後、反応系内には硼酸、無水硼酸、も
しくはメタ硼酸の如き触媒の固形成分は全く存在せず、
全てのアルコールとの硼酸エステルを形成し、液相中に
溶存する。使用される触媒添加量は、原料パラフィンワ
ックス1molに対して0.01〜0.5mol、特に
0.1〜0.25molが好ましい。
【0035】反応系に吹き込む分子状酸素含有ガスとし
ては、酸素、空気またはそれらを不活性ガスで希釈した
広範囲のものが使用可能であるが、酸素濃度3〜20%
が好ましく、特に白色度に優れたアルコール系ワックス
は酸素濃度が5〜10%の時に得られる。また、反応温
度は、100〜200℃、好ましくは120〜148℃
である。使用されるパラフィンワックスは、その最終製
品の品質、用途などを考慮するときは、各炭素数の成分
1%以上のものが炭素数範囲20〜60にある炭化水素
を主成分とするものが好ましい。
【0036】また、本発明に用いられる炭化水素ワック
スの酸価は0.1乃至20mgKOH/gが好ましく、
さらに好ましくは2乃至15mgKOH/gである。上
記したパラフィンワックスのアルコール変性過程におい
て、生成されたアルコール成分は逐次酸化を受け、アル
デヒド、ケトン、酸に変化し、脂肪酸の副生成物が生成
される。ワックスの酸価は、この副生成物が耐熱性に与
える悪影響の指標となる数値であるが、酸価が0.1m
gKOH/g未満の場合は、水酸基価が5mgKOH/
g未満の場合と同様に、着色剤との親和性が低く、強固
な配位によって着色剤を取り込むことができないので、
着色剤同士の合一や水系中への遊離を避けることができ
ず、トナー中の分散性を良好なレベルにまで向上させる
には不十分である。
【0037】一方、酸価が20mgKOH/gを超える
場合は、50℃以下におけるワックスの軟化が発生し、
耐熱ブロッキング性能が著しく悪化することとなる。
【0038】本発明のトナーにおいては、該炭化水素ワ
ックスが結着樹脂100質量部に対し、1乃至30質量
部含有されているのが好ましい。ワックスの含有量が1
質量部未満では離型剤としての効果が悪くなり、定着特
性が低下する。また、含有量が30質量部を超えてしま
うと長期間の保存性が低下すると共に、他のトナー材料
の分散性が悪くなり、特に本発明の場合、造粒性の悪化
が主因となるトナーの流動性の劣化や画像特性の低下が
生じる。
【0039】さらに、該炭化水素ワックスは、着色剤1
00質量部に対し8質量部以上含有されているのが好ま
しい。ワックスの含有量が着色剤に対して8質量部未満
では、着色剤全量に対して十分に配位することができ
ず、極性の着色剤がトナー表面に析出して帯電性能を著
しく阻害することとなる。特に、好ましい着色剤である
磁性体に対しては、トナー表面への露出に伴うカブリが
発生する。
【0040】次に本発明のトナーの製造方法を説明す
る。
【0041】本発明と同様の構成のトナーは、重合法に
より製造する。
【0042】本発明に使用される重合性単量体系を構成
する重合性単量体としては以下のものが挙げられる。
【0043】重合性単量体としては、スチレン、o−メ
チルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレンの如き
スチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、ア
クリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アク
リル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アク
リル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アク
リル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プ
ロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブ
チル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ス
テアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの
如きメタクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、アクリルアミドが挙げられる。
【0044】これらの単量体は単独または混合して使用
し得る。上述の単量体の中でも、スチレンまたはスチレ
ン誘導体を単独で、或いは他の単量体と混合して使用す
ることがトナーの現像特性及び耐久性の点から好まし
い。
【0045】本発明では、単量体系に樹脂を添加して重
合しても良い。例えば、単量体では水溶性のため水性懸
濁液中では溶解して乳化重合を起こすため使用できない
アミノ基、カルボン酸基、水酸基、スルフォン酸基、グ
リシジル基、ニトリル基の如き親水性官能基含有の単量
体成分をトナー中に導入したい時には、これらとスチレ
ン或いはエチレン等ビニル化合物とのランダム共重合
体、ブロック共重合体、或いはグラフト共重合体の如き
共重合体の形にして、或いはポリエステル、ポリアミド
の如き重縮合体、ポリエーテル、ポリイミンの如き重付
加重合体の形で使用が可能となる。こうした極性官能基
を含む高分子重合体をトナー中に共存させると、前述の
ワックス成分を相分離させ、より内包化が強力となり、
耐オフセット性、耐ブロッキング性、低温定着性の良好
なトナーを得ることができる。その使用量としては、重
合性単量体100質量部に対して1〜20質量部が好ま
しい。使用量が1質量部未満では添加効果が小さく、一
方20質量部を超えて使用された場合には、重合トナー
の種々の物性設計が難しくなってしまう。またこれら極
性官能基を含む高分子重合体の平均分子量は3000以
上が好ましく用いられる。分子量3000未満、特に2
000以下では、本重合体が表面付近に集中し易いこと
から、現像性、耐ブロッキング性等に悪い影響が起こり
易くなり好ましくない。また、単量体を重合して得られ
るトナーの分子量範囲とは異なる分子量の重合体を単量
体中に溶解して重合すれば、分子量分布の広い、耐オフ
セット性の高いトナーを得ることができる。
【0046】本発明のトナーには、荷電特性を安定化す
るために荷電制御剤を配合しても良い。荷電制御剤とし
ては、公知のものが利用できるが、特に帯電スピードが
速く、且つ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制
御剤が好ましい。
【0047】さらに、トナーを直接重合法を用いて製造
する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可
溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。具体
的な化合物としては、ネガ系荷電制御剤としてサリチル
酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフ
トエ酸、ダイカルボン酸の如き芳香族カルボン酸の金属
化合物、アゾ染料もしくはアゾ顔料の金属塩または金属
錯体、スルホン酸またはカルボン酸基を側鎖に持つ高分
子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合
物、カリックスアレーンが挙げられる。ポジ系荷電制御
剤として四級アンモニウム塩、その四級アンモニウム塩
を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、ニ
グロシン系化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。
これらの荷電制御剤は、重合性単量体100質量部に対
して0.5〜10質量部使用することが好ましい。しか
しながら、本発明のトナーにおいては、荷電制御剤の添
加は必須ではなく、トナーの層圧規制部材やトナー担持
体との摩擦帯電を積極的に利用することでトナー中に必
ずしも荷電制御剤を含む必要はない。
【0048】本発明において、単量体組成物の重合に使
用する重合開始剤としては、重合反応時に半減期0.5
〜30時間であるものを、重合性単量体に対して0.5
〜20質量%の添加量で重合反応を行なうと、分子量1
万〜10万の間に極大を有する重合体を得、トナーに望
ましい強度と適当な溶融特性を与えることができる。重
合開始剤の例としては、2,2’−アゾビス−(2,4
−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソ
ブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン
−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メ
トキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイ
ソブチロニトリルの如きアゾ系またはジアゾ系重合開始
剤;ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパ
ーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネー
ト、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベ
ンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドの
如き過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
【0049】本発明では、架橋剤を添加しても良く、好
ましい添加量としては、重合性単量体の0.001〜1
5質量%である。
【0050】本発明においては、重合性単量体中に、着
色剤、前記炭化水素ワックス、及び必要に応じて他の添
加剤、例えば可塑剤、結着剤、荷電制御剤、架橋剤、重
合反応で生成する重合体の粘度を低下させるために入れ
る有機溶媒、分散剤等を適宜加えて単量体組成物を調製
し、これを重合させてトナー粒子を得る。単量体組成物
の調製にあたっては、ホモジナイザー、ボールミル、コ
ロイドミル、超音波分散機等の分散機に依って均一に溶
解または分散せしめ、得られた単量体組成物を分散安定
剤を含有する水系媒体中に分散する。この時、高速撹拌
機もしくは超音波分散機のような高速分散機を使用して
一気に所望のトナー粒子のサイズとするほうが、得られ
るトナー粒子の粒径がシャープになる。重合開始剤添加
の時期としては、重合性単量体中に他の添加剤を添加す
る時同時に加えても良いし、水系媒体中に分散する直前
に混合しても良い。また、造粒直後、重合反応を開始す
る前に重合性単量体或いは溶媒に溶解した重合開始剤を
加えることもできる。
【0051】造粒後は、通常の撹拌機を用いて、粒子状
態が維持され且つ粒子の浮遊・沈降が防止される程度の
撹拌を行なえば良い。
【0052】本発明において重合反応を懸濁重合で行う
際には、分散安定剤として公知の界面活性剤や有機・無
機分散剤が使用でき、中でも無機分散剤が有害な超微粉
を生じ難く、その立体障害性により分散安定性を得てい
るので反応温度を変化させても安定性が崩れ難く、洗浄
も容易でトナーに悪影響を与え難いので、好ましく使用
できる。こうした無機分散剤の例としては、燐酸カルシ
ウム、燐酸マグネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸亜鉛
の如き燐酸多価金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウムの如き炭酸塩;メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウムの如き無機塩;水酸化カルシウム、
水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、ベ
ントナイト、アルミナの如き無機酸化物が挙げられる。
【0053】これらの無機分散剤は、重合性単量体10
0質量部に対して、0.2〜20質量部を単独でまたは
2種類以上組み合わせて使用することが好ましい。平均
粒径が5μm以下である様な、より微粒化されたトナー
を目的とする場合には、0.001〜0.1質量部の界
面活性剤を併用しても良い。
【0054】界面活性剤としては、例えばドデシルベン
ゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペ
ンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、
オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステア
リン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムが挙げられ
る。
【0055】これら無機分散剤を用いる場合には、その
まま使用しても良いが、より細かい粒子を得るため、水
系媒体中にて該無機分散剤粒子を生成させることができ
る。例えば、燐酸カルシウムの場合、高速撹拌下、燐酸
ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液とを混合し
て、水不溶性の燐酸カルシウムを生成させることがで
き、より均一で細かな分散が可能となる。この時、同時
に水溶性の塩化ナトリウム塩が副生するが、水系媒体中
に水溶性塩が存在すると、重合性単量体の水への溶解が
抑制されて、乳化重合に依る超微粒トナーが発生し難く
なるので、より好都合である。重合反応終期に残存重合
性単量体を除去する時には障害となることから、水系媒
体を交換するか、イオン交換樹脂で脱塩したほうが良
い。無機分散剤は、重合終了後酸或いはアルカリで溶解
して、ほぼ完全に取り除くことができる。
【0056】前記重合工程においては、重合温度は40
℃以上、一般には50〜90℃の温度に設定して重合を
行なう。この温度範囲で重合を行なうと、内部に封じら
れるべき離型剤やワックスの類が、相分離により析出し
て内包化がより完全となる。残存する重合性単量体を消
費するために、重合反応終期ならば、反応温度を90〜
150℃にまで上げることは可能である。
【0057】また、本発明のトナーは、特公昭56−1
3945号公報等に記載のディスクまたは多流体ノズル
を用いて溶融混合物を空気中に霧化し球状トナーを得る
方法や、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系
有機溶剤を用いて直接トナーを生成する分散重合方法、
または水溶性の極性重合開始剤の存在下で直接重合させ
てトナーを生成するソープフリー重合方法に代表される
乳化重合方法等を用いてトナーを製造する方法でも製造
が可能である。
【0058】次に、本発明の更なる特徴の一つである磁
性体について説明する。前記のように、本発明のトナー
においては、本発明にかかる炭化水素ワックスと着色剤
を用いて水系媒体中で重合するという構成によって、当
該炭化水素ワックスの充分な性能が得られる。しかしな
がら、本発明に用いられる好ましい着色剤である磁性酸
化鉄の場合、比重が大きいだけでなく極性基も多く含有
しているため、本発明にかかるワックスを少量用いて水
系媒体中で重合する際には包水などの現象を生じる場合
があり、環境特性に課題が残っていた。そこで、本発明
者らは鋭意検討の結果、磁性酸化鉄を疎水化することで
環境特性が改善され、更に帯電性そのものが向上するこ
とを見出し、本発明に至った。
【0059】前記した炭化水素ワックスを疎水化処理さ
れた磁性酸化鉄と共に用いることで、一部存在している
疎水化の不十分な磁性酸化鉄がワックスの水酸基変性部
位に取り込まれ、疎水化の均一な磁性酸化鉄を得ること
ができる。これにより、トナー中への分散性が非常に良
好となったために、トナーの帯電性が均一且つ安定なも
のと考えている。
【0060】さらに、本発明のトナーにおいて使用され
る磁性酸化鉄は、疎水化する際、水系媒体中で、磁性酸
化鉄を一次粒径となるよう分散しながらカップリング剤
を加水分解しながら表面処理することによって、非常に
高いレベルでの疎水化の均一性を図ったものが好適であ
る。このような磁性酸化鉄は重合性単量体との親和性が
非常に高く、且つ、それでもごく微量存在している疎水
化の不十分な磁性酸化鉄を水酸基変性部位が取り込むた
め、磁性体同士の合一や単量体の沈降を避けることがで
きるという相乗効果により、結果としてトナー粒子中の
磁性酸化鉄の分散がこの上なく良好なものとなり、現像
性や転写性の高いトナーを得ることができる。水系媒体
中での疎水化処理方法は、気相中での処理に比べ、磁性
酸化鉄粒子同士の合一が生じにくく、また疎水化処理に
よる磁性酸化鉄粒子間の帯電反発作用が働き、磁性酸化
鉄はほぼ一次粒子の状態で表面処理されるようになるた
め、高い均一性の疎水化が達成されるので好ましい。
【0061】カップリング剤を水系媒体中で加水分解し
ながら磁性酸化鉄表面を処理する方法は、クロロシラン
類やシラザン類のようにガスを発生するようなカップリ
ング剤を使用する必要もなく、さらに、これまで気相中
では磁性酸化鉄粒子同士が合一しやすくて、良好な処理
が困難であった高粘性のカップリング剤も使用できるよ
うになり、疎水化の効果は絶大である。
【0062】本発明に使用できるカップリング剤として
は、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリン
グ剤が挙げられる。より好ましく用いられるのはシラン
カップリング剤であり、一般式 Rm−Si−Yn (上記式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1〜3の整
数を示し、Yはアルキル基、ビニル基、グリシドキシ
基、メタクリル基の如き炭化水素基を示し、nは1〜3
の整数を示す。)で示されるものである。例えばビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−
メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニル
トリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
ラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピル
トリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n
−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシル
トリメトキシシランを挙げることができる。
【0063】特に、一般式Cp2p+1−Si−(OCq
2q+13 (式中、pは2〜20の整数を示し、qは1〜3の整数
を示す。)で示されるアルキルトリアルコキシシランカ
ップリング剤を使用して水系媒体中で酸化鉄を疎水化処
理するのが良い。
【0064】上記式におけるpが2より小さいと、疎水
化処理は容易となるが、疎水性を十分に付与することが
困難であり、またpが20より大きいと、疎水性は十分
になるが、磁性酸化鉄粒子同士の合一が多くなり、トナ
ー中へ磁性酸化鉄粒子を十分に分散させることが困難に
なる。
【0065】また、qが3より大きいと、シランカップ
リング剤の反応性が低下して疎水化が十分に行われにく
くなる。
【0066】特に、式中のpが2〜20の整数(より好
ましくは、3〜15の整数)を示し、qが1〜3の整数
(より好ましくは、1または2の整数)を示すアルキル
トリアルコキシシランカップリング剤を使用するのが良
い。
【0067】その処理量は磁性酸化鉄100質量部に対
して、0.05〜20質量部、好ましくは0.1〜10
質量部とするのが良い。
【0068】本発明において、水系媒体とは、水を主要
成分としている媒体である。具体的には、水系媒体とし
て水そのもの、水に少量の界面活性剤を添加したもの、
水にpH調整剤を添加したもの、水に有機溶剤を添加し
たものが挙げられる。界面活性剤としては、ポリビニル
アルコールの如きノンイオン系界面活性剤が好ましい。
界面活性剤は、水に対して0.1〜5質量%添加するの
が良い。pH調整剤としては、塩酸の如き無機酸が挙げ
られる。
【0069】撹拌は、例えば撹拌羽根を有する混合機
(具体的には、アトライター、TKホモミキサーの如き
高剪断力混合装置)で、酸化鉄微粒子が水系媒体中で、
一次粒子になるように充分に行うのがよい。
【0070】本発明において、磁性酸化鉄は、重合性単
量体100質量部に対して、10〜200質量部用いる
ことが好ましく、20〜180質量部用いることがさら
に好ましい。磁性酸化鉄の配合量が10質量部未満では
現像剤の着色力が乏しく、カブリの抑制も困難である。
一方、200質量部を超えると、現像剤担持体への磁力
による保磁力が強まり現像性が低下したり、個々のトナ
ー粒子への酸化鉄の均一な分散が難しくなるだけでな
く、定着性が低下してしまう。
【0071】また、本発明において磁性体として好まし
く用いられる磁性酸化鉄は、リン、コバルト、ニッケ
ル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ケイ
素の如き元素を含んでもよく、四三酸化鉄、γ−酸化鉄
を主成分とするものであり、これらを1種または2種以
上を併用して用いられる。これら酸化鉄は、窒素吸着法
によるBET比表面積が好ましくは2〜30m2/g、
特に3〜28m2/gであり、さらにモース硬度が5〜
7のものが好ましい。
【0072】また、磁性酸化鉄の形状としては、8面
体、6面体、球状、針状、鱗片状などがあるが、8面
体、6面体、球状、不定形の如き異方性の少ないものが
画像濃度を高める上で好ましい。こういった形状は、S
EMなどによって確認することができる。磁性酸化鉄の
粒度としては、体積平均粒径が0.1〜0.3μmであ
ることが好ましい。
【0073】体積平均粒径が0.1μm未満の磁性酸化
鉄を用いた磁性トナーから画像を得ると、画像の色味が
赤味にシフトし、画像の黒色度が不足したり、ハーフト
ーン画像ではより赤味が強く感じられる傾向が強くなる
など、一般的に好ましいものではない。また、磁性酸化
鉄の表面積が増大するためにワックスの水酸基が十分に
配位することができず、分散性が低下する。さらに、磁
性酸化鉄の着色剤としての効果が弱くなり、画像の濃度
が不足することもあり、好ましいものではない。
【0074】一方、磁性酸化鉄の体積平均粒径が0.3
μmを超えると、一粒子あたりの質量が大きくなるた
め、製造時にバインダーとの比重差の影響でトナー表面
に露出する確率が高まったり、製造装置の摩耗などが著
しくなる可能性が高まったり、分散物の沈降安定性など
が低下するため好ましくない。また、同じ使用量であっ
ても個数的に少ないために、各トナー粒子に均一個数を
含有させることが確率的に難しくなり、好ましくない。
【0075】本発明においては、前述の粒径の条件を満
たすよう、磁性酸化鉄製造条件を設定したり、予め粉砕
及び分級の如き粒度分布の調整を行ったものを使用する
ことが好ましい。分級方法としては、例えば、遠心分離
やシックナーといった沈降分離を利用したものや、例え
ばサイクロンを利用した湿式分級装置などの手段が好適
である。
【0076】磁性酸化鉄の体積平均粒径の決定は、以下
の測定方法によって行う。粒子を十分に分散させた状態
で、透過型電子顕微鏡(TEM)において3万倍の拡大
倍率の写真で視野中の100個の酸化鉄粒子のそれぞれ
投影面積を測定し、測定された各粒子の投影面積に等し
い円の相当径を各粒子径として求める。さらに、その結
果を基に体積平均粒径を計算する。また、画像解析装置
により粒子径を測定することも可能である。
【0077】トナー粒子中の磁性酸化鉄の体積平均粒径
を決定する場合には、以下の測定方法により行う。
【0078】エポキシ樹脂中へ観察すべきトナー粒子を
十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬
化させ得られた硬化物を、ミクロトームにより薄片状の
サンプルとして、透過型電子顕微鏡(TEM)において
1万〜4万倍の拡大倍率の写真で視野中の100個の酸
化鉄の粒子径のそれぞれ投影面積を測定し、測定された
各粒子の投影面積に等しい円の相当径を磁性酸化鉄の粒
子径として求める。また、画像解析装置により粒子径を
測定することも可能である。
【0079】本発明のトナーは、上記磁性酸化鉄を用い
て磁性トナーを構成する場合に良好な分散効果が顕著に
得られるが、磁性酸化鉄以外の着色剤を用いた場合でも
良好に分散させることができ、また、磁性酸化鉄以外に
他の着色剤を磁性酸化鉄と併用しても良い。用い得る着
色材料としては、磁性或いは非磁性無機化合物、公知の
染料及び顔料が挙げられる。具体的には、例えば、コバ
ルト、ニッケルの如き強磁性金属粒子、またはこれらに
クロム、マンガン、銅、亜鉛、アルミニウム、希土類元
素を加えた合金、ヘマタイト、チタンブラック、ニグロ
シン染料/顔料、カーボンブラック、フタロシアニンが
挙げられる。これらもまた、表面を処理して用いても良
い。
【0080】本発明のトナーにおいては、平均円形度を
0.970以上とすることが好ましい。
【0081】静電荷像担持体上の非画像部へのトナー付
着や転写残余トナー量を低減するには、トナー粒子の帯
電性が十分で且つ均一であることが必要である。さら
に、高画質化の観点から微小粒径のトナーを用いる場合
は、トナー粒子の付着力が増大するため、トナー粒子の
形状も静電荷像担持体上の非画像部へのトナー付着に大
きな影響を及ぼす。即ち、トナー粒子が球形に近く、形
状が揃っているほど粒子の付着面積が減少し、静電荷像
担持体上の非画像部へのトナー付着や転写残余トナー量
が低減され、高画質及び耐久安定性が達成される。
【0082】加えて、本発明に係るトナー粒子は帯電性
が十分であり、且つ上述した如く、トナー粒子の付着力
が低減されていることにより、静電荷像担持体から紙等
の転写材へのトナーの転写効率も大きく改善される。こ
れは、微小ドット画像の再現性と共に高解像性を達成す
るための重要なトナー性能と言える。
【0083】従って、本発明のトナーにおいては、トナ
ーの平均円形度を0.970以上とすることにより高画
質や高安定性が達成される。
【0084】従来、着色剤として磁性体を用いる場合、
通常の重合法では、磁性体が分散性に劣るために磁性体
がトナー粒子表面に偏在してしまったり、水系媒体中に
おける造粒時に磁性体が乱雑に動き、それに引きずられ
て粒子形状がゆがんだりするために、平均円形度が0.
970以上のトナーは得られがたいものであったが、本
発明のワックスと、磁性酸化鉄として前記した高いレベ
ルでの均一な疎水化が行われた磁性酸化鉄とを用いるこ
とにより、平均円形度が0.970以上のトナーを容易
に得ることができる。
【0085】また、本発明のトナーは円形度分布におい
て、モード円形度が0.99以上であることが好まし
い。モード円形度が0.99以上であるということは、
トナー粒子の多くが真球に近い形状を有することを意味
しており、上記作用がより一層顕著になり、好ましい。
【0086】上記したような円形度を有するトナーを用
いれば、転写残トナーが非常に低減されるため、帯電部
材と感光体との圧接部におけるトナーの存在量が非常に
少なく、接触帯電工程を有する画像形成方法において
も、安定した帯電が行なわれると共にトナー融着が防止
され、画像欠陥が著しく抑制されるものと考えられる。
さらに、平均円形度が0.970以上のトナーは表面の
エッジ部がほとんど無いため、帯電部材と感光体との圧
接部において感光体表面を引っ掻くことが無いことか
ら、感光体表面の削れが抑制されることも挙げられる。
【0087】これらの効果は、転写中抜けの発生しやす
い接触転写工程を含む画像形成方法においても、顕著と
なって現れる。
【0088】本発明のトナーにおいては、重量平均粒径
が2〜10μmであることが好ましい。
【0089】トナーの重量平均粒径が10μmを超える
ような場合、微小ドット画像の再現性が低下するため、
過酷環境下でのトナーの帯電安定性が十分発揮し得な
い。一方、トナーの重量平均粒径が2μmより小さい場
合には、本発明の特殊な酸化鉄を用いてもトナーの流動
性は著しく低くなり、帯電不良によるカブリ、濃度薄等
の問題が発生しやすくなる。
【0090】つまり、本発明のトナーにおいて帯電安定
性や流動性の改善等、従来例と比較して顕著な効果が画
像上に現れるのは、重量平均粒径が2〜10μm(より
好ましくは、3〜10μm)である。
【0091】また、本発明のトナーには、流動性向上剤
として、無機微粉体または疎水性無機微粉体が混合され
ることが好ましい。例えば、酸化チタン微粉末、シリカ
微粉末、アルミナ微粉末を添加して用いることが好まし
く、特にシリカ微粉末を用いることが好ましい。
【0092】現像剤に用いられる無機微粉体は、BET
法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以
上のもの、特に50〜400m2/gの範囲のものが良
好な結果を与えることができるため好ましい。
【0093】本発明に用いられるシリカ微粉体はケイ素
ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる
乾式法またはヒュームドシリカと称される乾式シリカ及
び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両方
が使用可能であるが、表面及び内部にあるシラノール基
が少なく、製造残渣のない乾式シリカが好ましく用いら
れる。
【0094】さらに本発明に用いるシリカ微粉体は疎水
化処理されているものが好ましい。疎水化処理するに
は、シリカ微粉体と反応或いは物理吸着する有機ケイ素
化合物などで化学的に処理することによって付与され
る。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸
気相酸化により生成された乾式シリカ微粉体をシランカ
ップリング剤で処理した後、或いはシランカップリング
剤で処理すると同時にシリコーンオイルの如き有機ケイ
素化合物で処理する方法が挙げられる。
【0095】疎水化処理に使用されるシランカップリン
グ剤としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメ
チルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエト
キシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロ
ルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニ
ルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブ
ロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルト
リクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、
クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシラ
ンメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリ
オルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキ
シシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチル
ジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキ
サン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンが
挙げられる。
【0096】有機ケイ素化合物としては、シリコーンオ
イルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとして
は、25℃における粘度がおよそ30〜1,000mm
2/s(cSt)のものが用いられ、例えばジメチルシ
リコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α
−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニ
ルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが好
ましい。
【0097】シリコーンオイル処理の方法は、例えばシ
ランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコ
ーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて
直接混合しても良いし、ベースとなるシリカへシリコー
ンオイルを噴射する方法によっても良い。或いは適当な
溶剤にシリコーンオイルを溶解或いは分散せしめた後、
ベースのシリカ微粉体とを混合し、溶剤を除去して作製
しても良い。
【0098】本発明のトナーには、必要に応じて流動性
向上剤以外の外部添加剤を添加してもよい。
【0099】例えば、クリーニング性を向上させる等の
目的で、一次粒径が30nmを超える(好ましくは比表
面積が50m2/g未満)微粒子、より好ましくは一次
粒径が50nm以上(好ましくは比表面積が30m2
g未満)で球状に近い無機微粒子または有機微粒子をさ
らに添加することも好ましい形態の一つである。例えば
球状のシリカ粒子、球状のポリメチルシルセスキオキサ
ン粒子、球状の樹脂粒子を用いるのが好ましい。
【0100】さらに他の添加剤、例えばテフロン(登録
商標)粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリ
デン粉末の如き滑剤粉末;または酸化セリウム粉末、炭
化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末の如き研磨
剤;ケーキング防止剤;または例えばカーボンブラック
粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末の如き導電性付与
剤;また、逆極性の有機微粒子、及び無機微粒子を現像
性向上剤として少量加えることもできる。これらの添加
剤も、その表面を疎水化処理して用いることも可能であ
る。
【0101】上述の如き、外添剤は、トナー粒子100
質量部に対して0.1〜5質量部(好ましくは0.1〜
3質量部)使用するのが良い。
【0102】次に、本発明における各物性の測定方法を
以下に説明する。
【0103】(1)水酸基価、酸価 JISK0070に規定の方法に準ずる。但し、サンプ
ルが溶解しない場合は溶媒にジオキサンまたはテトラヒ
ドロフラン(THF)などの溶媒を用いる。
【0104】(2)凝集度 試料(外添剤を有するトナー、分級品)の流動特性を測
定する一手段として凝集度を用いるものであり、この凝
集度の値が大きいほど試料の流動性は悪いと判断する。
【0105】測定装置としては、デジタル振動計(デジ
バイブロ MODEL 1332)を有するパウダーテ
スター(細川ミクロン社製)を用いる。測定法として
は、振動台に200メッシュ、100メッシュ、60メ
ッシュの篩いを目開の狭い順に、即ち60メッシュ篩い
が最上位にくるように200メッシュ、100メッシ
ュ、60メッシュの篩い順に重ねてセットする。このセ
ットした60メッシュ篩い上に正確に秤量した試料5g
を加え、振動台への入力電圧を21.7Vになるように
し、デジタル振動計の変位の値を0.130にし、その
際の振動台の振幅が60〜90μmの範囲に入るように
調整し(レオスタット目盛約2.5)、約15秒間振動
を加える。その後、各篩い上に残った試料の重量を測定
して下式に基づき凝集度を得る。
【0106】凝集度(%)=20a+12b+4c (式中、a、b、cはそれぞれ60メッシュ、100メ
ッシュ、200メッシュ篩い上に残った資料の重量
(g))
【0107】尚、試料は23℃、60%RHの環境下で
約12時間放置したものを用い、測定環境は23℃、6
0%RHである。
【0108】(3)トナーの平均円形度及びモード円形
度 本発明における円形度は、粒子の形状を定量的に表現す
る簡便な方法として用いたものであり、本発明では東亜
医用電子社製フロー式粒子像分析装置FPIA−100
0を用いて粒子形状の測定を行い、円形度を下記式によ
り求める。さらに下式で示すように、測定された全粒子
の円形度の総和を全粒子数で除した値を平均円形度と定
義する。
【0109】円形度a=L0/L (式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
を示し、Lは粒子の投影像の周囲長を示す。)
【0110】
【数1】
【0111】また、モード円形度は、円形度を0.40
〜1.00までを0.01毎に61分割し、測定した粒
子の円形度をそれぞれの円形度に応じて各分割範囲に割
り振り、円形度頻度分布において頻度値が最大となるピ
ークの円形度である。
【0112】尚、本発明で用いている測定装置である
「FPIA−1000」は、各粒子の円形度を算出後、
平均円形度の算出に当たって、粒子を得られた円形度に
よって、円形度0.40〜1.00を0.01間隔で6
1分割した分割範囲に分け、分割点の中心値と頻度を用
いて平均円形度の算出を行う算出法を用いている。
【0113】この算出法で算出される平均円形度の各値
と、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式によっ
て算出される平均円形度の各値との誤差は、非常に少な
く、実質的には無視できる程度であるため、本発明にお
いては、算出時間の短縮化や算出演算式の簡略化の如き
データの取り扱い上の理由で、上述した各粒子の円形度
を直接用いる算出式の概念を利用し、一部変更したこの
様な算出法を用いている。
【0114】本発明における円形度は、粒子の凹凸の度
合いを示す指標であり、粒子が完全な球形の場合に1.
000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さ
な値となる。
【0115】円形度の具体的な測定方法としては、ノニ
オン型界面活性剤約0.1mgを溶解している水10m
lにトナー約5mgを分散させ分散液を調整し、超音波
(20kHz、50W)を分散液に5分間照射し、分散
液濃度を5000〜20000個/μlとして、上記フ
ロー式粒子像測定装置により測定を行い、3μm以上の
円相当径を有する粒子群の平均円形度及びモード円形度
を求める。
【0116】測定の概略は、東亜医用電子社(株)発行
のFPIA−1000のカタログ(1995年6月
版)、測定装置の操作マニュアル及び特開平8−136
439号公報に記載されているが、以下の通りである。
【0117】試料分散液は、フラットで扁平な透明フロ
ーセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って
広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対し
て交差して通過する光路を形成するように、ストロボと
CCDカメラが、フローセルに対して相互に反対側に位
置するように装着される。試料分散液が流れている間
に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を
得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それ
ぞれの粒子はフローセルに平行な一定範囲を有する2次
元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像
の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径と
して算出する。それぞれの粒子の2次元画像の投影面積
及び投影像の周囲長から上記の円形度算出式を用いて各
粒子の円形度を算出する。
【0118】(4)トナーの粒度分布 測定装置としてはコールターカウンターTA−II型
(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力
するインターフェイス(日科機社製)及びCX−1パー
ソナルコンピュータ(キヤノン社製)を接続し、電解液
は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調
製する。例えば、ISOTON R−II(コールター
サイエンティフィックジャパン社製)を使用できる。測
定法としては前記電解水溶液100〜150ml中に分
散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンス
ルホン酸塩)を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を
2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分
散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカ
ウンターTA−II型により、アパチャーとして100
μmアパチャーを用いて、トナーの体積、個数を測定し
て2〜40μmの粒子の体積分布と個数分布とを算出す
る。それから、個数分布から求めた数基準の数平均粒径
D1、体積分布から求めた重量基準の重量平均径D4
(各チャンネルの中央値をチャンネルごとの代表値とす
る)を求める。
【0119】次に、本発明のトナーを好適に用いること
のできる画像形成装置の一例を図1に沿って具体的に説
明する。尚、該装置では着色剤として磁性体を用いた磁
性トナーを用いる。
【0120】図1において、1は感光ドラムで、その周
囲に一次帯電ローラー5、現像器10、転写帯電ローラ
ー3、クリーナー4、給紙ローラー7等が設けられてい
る。そして感光体ドラム1は一次帯電ローラー5によっ
て−700Vに帯電される。(印加電圧は交流電圧−
2.0kVpp、直流電圧−700Vdc)そして、レ
ーザー発生装置6によりレーザー光12を感光体ドラム
1に照射することによって露光される。感光体ドラム1
上の静電潜像は現像器10によって一成分磁性トナーで
現像され、転写材を介して感光体ドラム1に当接された
転写帯電ローラー3により転写材上へ転写される。トナ
ー画像をのせた転写材は搬送ベルト8等により定着器9
へ運ばれ転写材上に定着される。また、一部感光体ドラ
ム1上に残されたトナーはクリーナー4によりクリーニ
ングされる。現像器10は図1に示すように感光体ドラ
ム1に近接してアルミニウム、ステンレス等非磁性金属
で作られた円筒状のトナー坦持体2(以下現像スリーブ
と称す)が配設され、感光体ドラム1と現像スリーブ2
との間隙は図示されないスリーブ/感光体間隙保持部材
等により約230μmに維持されている。現像スリーブ
内にはマグネットローラー(不図示)が現像スリーブ2
と同心的に固定、配設されている。但し現像スリーブ2
は回転可能である。マグネットローラーには複数の磁極
が具備されており、それぞれ現像、トナーコート量規
制、トナーの取り込み/搬送、トナーの吹き出し防止に
影響している。現像スリーブ2に付着して搬送される磁
性トナー量を規制する部材として、弾性ブレード13が
配設され弾性ブレード13の現像スリーブ2に対する当
接圧により現像領域に搬送されるトナー量が制御され
る。現像領域では、感光体ドラム1と現像スリーブ2と
の間に直流及び交流の現像バイアスが印加され、現像ス
リーブ2上トナーは静電潜像に応じて感光体ドラム1上
に飛翔し可視像となる。
【0121】次に、非磁性の着色剤を用いた非磁性トナ
ーを好適に用いることの出来る画像形成装置の一例を図
に沿って具体的に説明する。
【0122】画像形成装置として図2に示すような60
0dpiのレーザービームプリンタ(キヤノン製:LB
P−8Mark IV)を用意した。この装置は、プロ
セススピードが80mm/sとなるように改造されてい
る。図2に示すように、この装置は直流及び交流成分を
印加した帯電ローラー21を用い感光体26を一様に帯
電する。このとき、直流成分は定電圧に制御し、交流成
分は定電流に制御する。なお、帯電ローラーの導電層は
体積低効率が102Ω・cm、抵抗層は107Ω・cmの
ものを用い、当接圧が230N/mとなるように設定し
た。帯電についで、レーザー光30で画像部分を露光す
ることにより静電潜像を形成し、一成分非磁性トナーに
より可視画像としてトナー画像を形成した後、電圧を印
加した転写ローラー(体積低効率が5×109Ω・c
m)27によりトナー画像を転写材28に転写する。ト
ナー画像をのせた転写材は定着器33により転写材上に
定着される。なお、感光体と転写ローラーとの当接圧力
は線圧130N/mとなるように設定した。また、一部
感光体上に残されたトナーはクリーニング部材29とし
たウレタンゴムからなるブレードによりクリーニングさ
れる。
【0123】現像容器22は図2に示すように、トナー
供給体としてトナー担持体24が感光体26に当接され
ている。トナー担持体24の表面の移動方向及び回転周
速は、感光体ドラム表面との接触部分において同方向で
ある。
【0124】トナー担持体にトナー20を塗布する手段
として、現像部分に塗布ローラー25が設けられ、該ト
ナー担持体に当接している。接触部分において、塗布ロ
ーラー25表面の移動方向が、トナー担持体の移動方向
と反対方向に移動するように回転させることによりトナ
ーをトナー担持体上に塗布する。さらに、該トナー担持
体上トナーのコート層制御のために、樹脂コートしたス
テンレス製ブレード23が取り付けられている。現像領
域では、感光体26とトナー担持体24との間に直流の
現像バイアスが印加され、トナー担持体上のトナーは静
電潜像に応じて感光体26上に飛翔し可視像となる。
【0125】次に、フルカラー画像を形成するための画
像形成方法の一例を図に基づいて説明する。
【0126】図3は、複数画像形成部にて各色のトナー
画像をそれぞれ形成し、これを同一転写材に順次重ねて
転写するようにした画像形成装置である。ここでは、第
1、第2、第3および第4の画像形成部41a,41
b,41c,41dが並設されており、各画像形成部は
それぞれ専用の静電潜像保持体、所謂感光ドラム42
a,42b,42c,および42dを具備している。感
光ドラム42a乃至42dはその外周側に潜像形成手段
43a,43b,43cおよび43d、現像部44a,
44b,44cおよび44d、転写用放電部45a,4
5b,45cおよび45d、ならびにクリーニング部4
6a,46b,46cおよび46dが配置されている。
このような構成にて、まず、第1画像形成部41aの感
光ドラム42a上に潜像形成手段43aによって原稿画
像における、例えばイエロー成分色の潜像が形成され
る。該潜像は現像手段44aのイエロートナーを有する
現像剤で可視画像とされ、転写部45aにて、転写材と
しての記録材Sに転写される。上記のようにイエロー画
像が転写材Sに転写されている間に、第2画像形成部4
1bではマゼンタ成分色の潜像が感光ドラム42b上に
形成され、続いて現像手段44bのマゼンタトナーを有
する現像剤で可視画像とされる。この可視画像(マゼン
タトナー像)は、上記の第1画像形成部41aでの転写
が終了した転写材Sが転写部45bに搬入されたとき
に、該転写材Sの所定位置に重ねて転写される。以下、
上記と同様な方法により、第3、第4の画像形成部41
c,41dによってシアン色、ブラック色の画像形成が
行われ、上記同一の転写材Sに、シアン色、ブラック色
を重ねて転写するのである。このような画像形成プロセ
スが終了したならば、転写材Sは定着部47に搬送さ
れ、転写材S上の画像を定着する。これによって転写材
S上には多色画像が得られるのである。転写が終了した
各感光ドラム42a,42b,42cおよび42dはク
リーニング部46a,46b,46cおよび46dによ
り残留トナーを除去され、引き続き行われる次の潜像形
成のために供せられる。なお、上記画像形成装置では、
転写材として記録材Sの搬送のために、搬送ベルト48
が用いられており、図3において、転写材Sは右側から
左側へ搬送され、その搬送過程で、各画像形成部41
a,41b,41cおよび41dにおける各転写部45
a,45b,45cおよび45dを通過し、転写を受け
る。この画像形成方法において、転写材を搬送する搬送
手段として加工の容易性及び耐久性の観点からテトロン
繊維のメッシュを用いた搬送ベルト及びポリエチレンテ
レフタレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ウレタン系樹
脂の如き薄い誘電体シートを用いた搬送ベルトが利用さ
れる。転写材Sが第4画像形成部41dを通過すると、
AC電圧が除電部49に加えられ、転写材Sは除電さ
れ、ベルト48から分離され、その後、定着部47に入
り、画像定着され、排出口50から排出される。
【0127】尚、この画像形成方法では、その画像形成
部にそれぞれ独立した静電潜像保持体を具備しており、
転写材はベルト式の搬送手段で、順次、各静電潜像保持
体の転写部へ送られるように構成してもよい。また、こ
の画像形成方法では、その画像形成部に共通する静電潜
像保持体を具備してなり、転写材は、ドラム式の搬送手
段で、静電潜像保持体の転写部へ繰り返し送られて、各
色の転写を受けるように構成してもよい。
【0128】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではな
い。
【0129】(アルコール変性パラフィンワックス
(1)の製造例)平均炭素数35で融点が69.5℃の
パラフィンワックス1200gをガラス製の円筒型反応
容器に入れ、硼酸38.5gを温度140℃で添加し、
直ちに空気50容量%と窒素50容量%の酸素濃度約1
0容量%の混合ガスを毎分20リットルの割合で吹き込
み、160℃で2.5時間反応させた後、反応液に温水
を加え、95℃で2時間加水分解を行い、静置後上層の
反応物を分取し、滴定及びカラムクロマトグラフ分析を
行った。その際における水酸基価は32mgKOH/
g、酸価は5mgKOH/gであった。
【0130】(アルコール変性パラフィンワックス
(2)の製造例)上記アルコール変性パラフィンワック
ス(1)の製造例において、硼酸の添加量を23.0
g、混合ガス中の酸素濃度を5容量%、145℃で6時
間反応させたこと以外は同様にして、表1に示すアルコ
ール変性パラフィンワックス(2)を得た。1H−NM
Rにより、式(1)の構造を満たすことを確認した。
【0131】(アルコール変性パラフィンワックス
(3)〜(6)の製造例)上記アルコール変性パラフィ
ンワックス(1)の製造例において、硼酸の添加量と混
合ガス中の酸素濃度、反応温度、反応時間を適宜変える
以外は同様にして、表1に示すアルコール変性パラフィ
ンワックス(3)〜(6)を得た。
【0132】(疎水性磁性酸化鉄の製造例1)硫酸第一
鉄水溶液中に、鉄イオンに対して1.0〜1.1当量の
苛性ソーダ溶液を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を
調製した。該水溶液をpH8に維持しながら、空気を吹
き込み、80〜90℃で酸化反応を行い、種晶を生成さ
せるスラリー液を調製した。次いで、このスラリー液に
当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対
し0.9〜1.2当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加
えた後、スラリー液をpH=8に維持して、空気を吹込
みながら酸化反応を進め、酸化反応の終期にpHを約6
に調整し、酸化反応を終了した。生成した酸化鉄粒子を
洗浄、濾過して一旦取り出し、乾燥せずに別の水中に再
分散させた後、再分散液のpHを調整し、十分撹拌しな
がらシランカップリング剤[n−C1021Si(OCH
33]を磁性酸化鉄100質量部に対し2質量部添加
し、十分撹拌した。生成した疎水性酸化鉄粒子を常法に
より洗浄、濾過、乾燥し、次いで凝集している粒子を解
砕処理し、疎水性磁性酸化鉄1を得た。
【0133】(疎水性磁性酸化鉄の製造例2)製造例1
と同様に酸化反応を進め、酸化反応後に生成した酸化鉄
粒子を常法により洗浄、濾過、乾燥し、次いで凝集して
いる粒子を解砕処理し酸化鉄粒子aを得た。得られた酸
化鉄粒子aを気相中にてシランカップリング剤[n−C
613Si(OCH33](酸化鉄100質量部に対し
て、カップリング剤が2質量部となる様に調整)で処理
することにより疎水性磁性酸化鉄2を得た。
【0134】次に、下記実施例1〜8及び比較例1〜4
において用いた画像形成装置について説明する。
【0135】画像形成装置として、LBP−1760を
改造し、概ね図1に示される構造のものを用いた。
【0136】静電荷像坦持体(感光体ドラム1)の電位
は、暗部電位Vd=−650V、明部電位VL=−130
Vとした。また、静電荷像坦持体と現像スリーブとの間
隙は270μmとし、トナー担持体として下記の構成の
層厚約7μm、JIS中心線平均粗さ(Ra)1.0μ
mの樹脂層を、表面をブラストした直径16φのアルミ
ニウム円筒上に形成した現像スリーブを使用し、現像磁
極85mT(850ガウス)、トナー規制部材として厚
み1.0mm、自由長0.5mmのウレタン製ブレード
を39.2N/m(40g/cm)の線圧で当接させ
た。 フェノール樹脂 100質量部 グラファイト(粒径約7μm) 90質量部 カーボンブラック 10質量部
【0137】次いで、現像バイアスとして直流バイアス
成分Vdc=−450V、重畳する交流バイアス成分V
p-p=1600V、f=2200Hzを用いた。また、
現像スリーブの周速は感光体周速(94mm/sec)
に対して順方向に110%のスピード(103mm/s
ec)とした。また、転写バイアスは直流1.5kVと
した。
【0138】定着方法としてはLBP−1760のオイ
ル塗布機能のない、フィルムを介してヒーターにより加
熱加圧定着する方式の定着装置を用いた。この時加圧ロ
ーラーはフッ素系樹脂の表面層を有するものを使用し、
ローラーの直径は30mmであった。また、定着温度は
180℃、ニップ幅を7mmに設定した。
【0139】<実施例1>イオン交換水709質量部に
0.1mol/リットル−Na3PO4水溶液451質量
部を投入し60℃に加温した後、1.0mol/リット
ル−CaCl2水溶液67.7質量部を徐々に添加して
Ca3(PO42を含む水系媒体を得た。
【0140】一方、 スチレン 82質量部 n−ブチルアクリレート 18質量部 ポリエステル樹脂 5質量部 負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 2質量部 疎水性磁性酸化鉄1 110質量部 上記処方をアトライター(三井三池化工機社製)を用い
て均一に分散混合した。
【0141】この単量体組成物を60℃に加温し、そこ
にアルコール変性パラフィンワックス(1)10質量部
を混合溶解し、これに重合開始剤2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル[t1/2=140
分、60℃条件下]8質量部を溶解した。
【0142】前記水系媒体中に上記重合性単量体系を投
入し、60℃、N2雰囲気下においてTK式ホモミキサ
ー(特殊機化工業社製)にて10,000rpmで15
分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼を用いて1
00rpmで撹拌しつつ、60℃で1時間反応させた。
その後液温を80℃としさらに10時間撹拌を続けた。
反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加えてCa3(P
42を溶解し、濾過、水洗、乾燥してトナー粒子を得
た。得られたトナー粒子は微分量または粗分量が少なく
粒度分布の狭いものであり、重量平均粒径と数平均粒径
の比(D4/D1)は1.27であった。
【0143】このトナー粒子100質量部と、ヘキサメ
チルジシラザン処理した後シリコーンオイルで処理し、
処理後のBET比表面積が120m2/gの疎水性シリ
カ微粉体1.4質量部とをヘンシェルミキサー(三井三
池化工機社製)で混合して、トナーA(重量平均粒径
8.4μm)を調製した。
【0144】画像形成装置として、図1に示されるもの
を用い、トナーAを用いて、常温常湿環境下(23℃、
65%RH)5000枚の画出し試験を行なった。その
結果、連続5000枚プリント後においても飛び散りの
無い良好な画像が得られた。また、スリーブ上のトナー
をエアで除去した後、目視観察をしたが、スリーブ上は
現像剤固着も全くなかった。後述の評価方法による画像
濃度、カブリ量及び転写効率の評価結果を表2に示す。
【0145】<実施例2〜4>実施例1のアルコール変
性パラフィンワックス(1)をアルコール変性パラフィ
ンワックス(2)〜(4)に替えた以外は同様にしてト
ナーB〜Dを得た。
【0146】得られたトナーB〜Dを用いて、実施例1
と同様にして評価を行なった。
【0147】<実施例5、6>アルコール変性パラフィ
ンワックス(1)の添加量を0.7質量部または31質
量部に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーE、
Fを得た。
【0148】得られたトナーE、Fを用いて、実施例1
と同様にして評価を行なった。
【0149】<実施例7>実施例1の疎水性酸化鉄1を
80質量部の疎水性磁性酸化鉄2に替えた以外は同様に
してトナーGを得た。
【0150】得られたトナーGを用いて、実施例1と同
様にして評価を行なった。
【0151】<実施例8>実施例1の疎水性磁性酸化鉄
1を10質量部のカーボンブラックに変えた以外は同様
にしてトナーHを得た。
【0152】画像形成装置として図2に示されるものを
用いた以外は、得られたトナーHを用いて、実施例1と
同様にして評価を行った。
【0153】<比較例1>実施例1のアルコール変性パ
ラフィンワックス(1)をパラフィンワックスに替えた
以外は同様にしてトナーIを得た。
【0154】得られたトナーIを用いて、実施例1と同
様にして評価を行なった。
【0155】<比較例2、3>実施例1のアルコール変
性パラフィンワックス(1)をアルコール変性パラフィ
ンワックス(5)、(6)に替えた以外は同様にしてト
ナーJ、Kを得た。
【0156】得られたトナーJ、Kを用いて、実施例1
と同様にして評価を行った。
【0157】<比較例4>イオン交換水709質量部に
0.1mol/リットル−Na3PO4水溶液451質量
部を投入し、60℃に加温した後、1.0mol/リッ
トル−CaCl2水溶液67.7質量部を徐々に添加し
てCa3(PO42を含む水系媒体を得た。
【0158】一方、 スチレン 82質量部 n−ブチルアクリレート 18質量部 ポリエステル樹脂 5質量部 疎水性磁性酸化鉄1 110質量部 上記処方をアトライター(三井三池化工機社製)を用い
て均一に分散混合した。
【0159】この単量体組成物を60℃に加温し、これ
に重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル[t1/2=140分、60℃条件下]8質
量部を溶解した。
【0160】前記水系媒体中に上記重合性単量体系を投
入し、60℃、N2雰囲気下においてTK式ホモミキサ
ー(特殊機化工業社製)にて10,000rpmで15
分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつ
つ、60℃で1時間反応させた。その後液温を80℃と
しさらに10時間撹拌を続けた。反応終了後、懸濁液を
冷却し、塩酸を加えてCa3(PO42を溶解し、濾
過、水洗、乾燥して重量平均粒径10.0μmの酸化鉄
含有樹脂粉を得た。
【0161】次に、 上記酸化鉄含有樹脂粉 205質量部 負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 0.8質量部 アルコール変性パラフィンワックス(1) 3質量部 を混合し、140℃に加熱された二軸エクストルーダー
で溶融混練し、混練物を冷却した後ハンマーミルで粗粉
砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し得られた微粉
砕物を風力分級してトナー粒子aを得た。このトナー粒
子a100質量部に対して、実施例1で使用した疎水性
シリカ微粉体1.2質量部を加えた混合物をヘンシェル
ミキサーで混合しトナーL(重量平均粒径7.4μm)
を調製した。
【0162】得られたトナーLを用いて、実施例1と同
様にして評価を行なった。
【0163】得られた各トナーの物性及び評価結果は表
1、表2に示した。尚、評価方法は次の通りである。
【0164】〔トナーの流動性〕先に述べた凝集度測定
結果に基づき、評価基準数値範囲を以下のように定め
た。尚、サンプルは外添を施さない分級品で行なった。
【0165】A:流動性が極めて良好:凝集度の測定結
果が20%以下のサンプル B:流動性が良好:凝集度の測定結果が41%〜50%
のサンプル C:流動性が普通:凝集度の測定結果が51%〜60%
のサンプル D:流動性が悪い:凝集度の測定結果が61%〜70%
のサンプル E:流動性が極めて悪い:凝集度の測定結果が71%以
上のサンプル
【0166】〔画像濃度〕測定はマクベス濃度計RD9
18(マクベス社製)で測定した。
【0167】〔カブリ〕測定は、東京電色社製のREF
LECTMETER MODELTC−6DSを使用し
て測定した。フィルターは、グリーンフィルターを用
い、下記の式より算出した。
【0168】カブリ(反射率)(%)=標準紙上の反射
率(%)−サンプル非画像部の反射率(%) カブリは、2.0%以下であれば良好な画像である。ま
た、耐久初期において2.5%以下、耐久終期において
4.0%以下であれば実用上問題のないレベルである。
【0169】〔耐久初期(100枚時)の転写効率〕ベ
タ黒画像転写後の感光体上の転写残トナーをマイラーテ
ープによりテーピングしてはぎ取り、紙上に貼ったもの
のマクベス濃度の値をC、転写後定着前のトナーの載っ
た紙上にマイラーテープを貼ったもののマクベス濃度を
E、未使用の紙上に貼ったマイラーテープのマクベス濃
度をDとした時、近似的に以下の式で計算した。
【0170】転写効率(%)=(E−C)×100/
(E−D) 転写効率は90%以上であれば良好な画像であり、80
%以上であれば実用上問題のないレベルである。
【0171】
【表1】
【0172】
【表2】
【0173】
【発明の効果】本発明のトナーは、添加したポリアルキ
レンワックスが、着色剤、特に磁性酸化鉄の分散剤とし
て働くため、トナー中における磁性酸化鉄の分散が非常
に良好である。そのため、トナーの流動性と現像性が
良好である、安定した帯電性能を有し、長時間の使用
においても画像濃度が高く、カブリの発生が抑制され、
画像再現性に優れている、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーを用いることのできる画像形成
装置の一例の概略図である。
【図2】非磁性トナーを用いることのできる画像形成装
置の一例の概略図である。
【図3】フルカラー画像を形成する画像形成装置の一例
の概略図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 2 現像スリーブ 3 転写帯電ローラー 4 クリーナー 5 一次帯電ローラー 6 レーザー発生装置 7 給紙ローラー 8 搬送ベルト 9 定着器 10 現像器 11 攪拌部材 12 レーザー光 13 弾性ブレード 20 トナー 21 帯電ローラー 22 現像容器 23 ブレード 24 トナー担持体 25 塗布ローラー 26 感光体 27 転写ローラー 28 転写材 29 クリーニング部材 30 レーザー光 33 定着器 41a〜41d 画像形成部 42a〜42d 感光ドラム 43a〜43d 潜像形成手段 44a〜44d 現像部 45a〜45d 転写用放電部 46a〜46d クリーニング部 47 定着部 48 搬送ベルト 49 除電部 50 排出口 51 吸着帯電部 52 一次帯電部 53 分離除電放電器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/08 301 361 (72)発明者 河本 恵司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA02 AA03 AA06 AA08 AA15 AB06 CA14 CA26 CB13 EA05 EA07 EA10

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤
    を含有する、水系媒体中で製造されるトナー粒子を有す
    るトナーであり、該離型剤は、5乃至45mgKOH/
    gの水酸基価を有する炭化水素ワックスであることを特
    徴とするトナー。
  2. 【請求項2】 該炭化水素ワックスは、10乃至40m
    gKOH/gの水酸基価を有することを特徴とする請求
    項1に記載のトナー。
  3. 【請求項3】 該炭化水素ワックスが、下記式(1)及
    び/または(2)で示される構造を主体として有するワ
    ックスであることを特徴とする請求項1または2に記載
    のトナー。 【化1】 (式中、n=5〜20、R1〜R9はそれぞれ水素、水酸
    基、ハロゲン、又は炭素数1〜20の直鎖状及び環状炭
    化水素、エステル基、カルボニル基、カルボキシル基ま
    たはハロゲン化炭化水素基のいずれかを示す。)
  4. 【請求項4】 該炭化水素ワックスは、0.1乃至20
    mgKOH/gの酸価を有することを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 【請求項5】 該炭化水素ワックスは、2乃至15mg
    KOH/gの酸価を有することを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれかに記載のトナー。
  6. 【請求項6】 該炭化水素ワックスは、結着樹脂100
    質量部に対し、1乃至30質量部含有されていることを
    特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  7. 【請求項7】 該炭化水素ワックスは、着色剤100質
    量部に対し、8質量部以上含有されていることを特徴と
    する請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー。
  8. 【請求項8】 該着色剤が磁性体であることを特徴とす
    る請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー。
  9. 【請求項9】 該磁性体が磁性酸化鉄であることを特徴
    とする請求項8に記載のトナー。
  10. 【請求項10】 該磁性酸化鉄が、疎水化処理されたも
    のであることを特徴とする請求項9に記載のトナー。
  11. 【請求項11】 該磁性酸化鉄が、水系媒体中でカップ
    リング剤により表面処理されたものであることを特徴と
    する請求項9または10に記載のトナー。
  12. 【請求項12】 該磁性酸化鉄が、体積平均粒径0.1
    〜0.3μmであることを特徴とする請求項9乃至11
    のいずれかに記載のトナー。
  13. 【請求項13】 該トナーの平均円形度が0.970以
    上であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか
    に記載のトナー。
  14. 【請求項14】 該トナーのモード円形度が0.99以
    上であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか
    に記載のトナー。
  15. 【請求項15】該トナーの重量平均粒径が、2〜10μ
    mであることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか
    に記載のトナー。
  16. 【請求項16】該トナーが、疎水性シリカを含有してい
    ることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載
    のトナー。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100449410C (zh) * 2004-03-29 2009-01-07 兄弟工业株式会社 评测着色剂的方法、着色剂和静电潜像显影用调色剂
JP2012018206A (ja) * 2010-07-06 2012-01-26 Canon Inc 磁性トナー
CN111517371A (zh) * 2020-04-28 2020-08-11 铜陵同达兴实业有限责任公司 一种纳米级氧化铁的生产工艺

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