JP2003315739A - 偏波スクランブラ - Google Patents

偏波スクランブラ

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Noboru Takachio
昇 高知尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パルスごとに直交偏波した光パルスに時間的
な重なりがある場合でも偏光度がゼロであり、かつ光ス
ペクトル広がりの小さい光を生成する。 【解決手段】 一定期間T/2ごとに同一の強度波形を
繰り返し、かつ前記一定期間T/2ごとに位相が反転す
る強度波形周期T/2、光電界周期Tの光パルスを発生
する光パルス発生器と、その光パルスを入力して偏波状
態が直交する2つの光パルスに分離し、さらにその時間
位置を相対的に(2n−1)T/4だけずらし(nは自
然数)、1パルスごとに偏波の直交した光を生成する直
交偏波遅延器とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号光の偏光度を
ゼロにする偏波スクランブラに関する。長距離光増幅中
継伝送システムでは、光増幅器の利得の偏波依存性によ
る伝送特性劣化に対して、送信側で信号光の偏光状態を
高速に変化させて無偏光化する偏波スクランブリングが
有効な改善技術として注目されている。
【0002】
【従来の技術】図11は、偏波スクランブラを用いた長
距離光増幅中継伝送システムの構成例を示す。図におい
て、光送信部は、光搬送波を出力する光源1、光搬送波
を送信信号で変調して光信号を出力する光変調器2、光
信号を偏波スクランブリングする偏波スクランブラ3、
偏波スクランブラ3に一定周期信号を与える発振器4、
偏波スクランブル光を増幅する光増幅器5により構成さ
れる。光送信部から出力される光信号は、光ファイバ伝
送路6および光増幅器5を介して光受信部に伝送され
る。光受信部は、光増幅器5、光増幅器5で付加された
自然放出光による雑音の影響を低減する光バンドパスフ
ィルタ(BPF)7、光信号を光電気変換して受信信号
を出力する光電気変換器8により構成される。
【0003】ここで、伝送路中の光増幅器は、偏波ホー
ルバーニング(PHB:Polarization Hole Burning)の
影響により、0.1dB 程度の小さな利得の偏波依存性(P
DG:Polarization Dependent Gain)をもつ。長距離伝
送では、この光増幅器が多段に接続されることにより、
自然放出光による雑音と利得の偏波依存性により信号対
雑音比(SNR)の劣化が累積され、結果的に大きな伝
送特性の劣化を引き起こす。
【0004】偏波スクランブラ3は、図11(b) に示す
ように、位相変調を与えることが可能なY軸(位相変調
軸)と、それに直交する位相変調の影響をほとんど受け
ないX軸(非位相変調軸)をもつ光位相変調器であり、
発振器4から一定周期信号を印加する構成である。光位
相変調器をZ軸方向に進む入射光は、偏波軸がX軸およ
びY軸に対して45度の角度になるように入射され、発振
器4からの一定周期信号によりY軸のみ位相変調され
る。これにより、入射光の偏波状態が回転し、多段接続
された各光増幅器のPDGの影響を平均化し、SNR劣
化を低減させることができる。
【0005】なお、偏波スクランブリングの効果を最大
にするには、時間平均においてすべての偏波状態が均一
に起こる、すなわち偏光度ゼロにする必要がある。ま
た、位相変調信号の繰り返し周期は、光増幅器のPHB
の時定数(〜0.1ms)よりも速ければよく、特に変調信号
ビットレートの2倍程度以上の信号周波数で高速偏波ス
クランブリングを行うことにより、その効果が大きくな
ることが指摘されている(例えば、参考文献1として非
特許文献1参照)。
【0006】また、その他の偏波スクランブリング方法
が提案されているいくつかの文献があり(例えば、特許
文献1、2参照)、偏光に係る技術を開示した文献もあ
る(例えば、非特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】特開平9−326767号公報
【0008】
【特許文献2】特開平9−326758号公報
【0009】
【非特許文献1】IEEE Photon. Technol. Lett., vol.
6, pp.1156-1158, 1994
【0010】
【非特許文献2】M.Born and E.Wolf, Principle of Op
tics, 4th ed,London: Pergamon Press, 1970, ch10-8
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図11(b)
に示す光位相変調器を用いた偏波スクランブラの構成は
簡単であるが、一方の偏波軸にのみ位相変調を行うた
め、位相変調による光スペクトル広がりが大きくなる。
そのため、例えば図12に示すような波長多重(WD
M)伝送システムに偏波スクランブラ(光位相変調器)
3を用いた場合には、隣接波長チャネル間のクロストー
クを引き起こし、WDM信号の高密度化を阻害する要因
になっていた。
【0012】この問題を解決する手法として、位相変調
を直交する2軸に分散する偏波スクランブリング方法が
提案されている(特許文献1)。この偏波スクランブリ
ング方法では、図11(b) においてY軸(位相変調軸)
のみに行う位相変調を、それに直交するX軸(非位相変
調軸)に対しても行うために、X軸およびY軸に与える
一定周期信号を互いに逆位相としている。この手法で
は、Y軸のみに与えていた位相変調量を直交する2軸に
均等に分散することにより、図11(b) の偏波スクラン
ブラよりも光スペクトル広がりの小さい偏波スクランブ
リングが可能となる。
【0013】具体的には、図11(b) の光位相変調器を
2段にし、図13に示すように光位相変調器41−1,
41−2の間に偏波を90度回転させる偏波回転器42を
配置し、発振器4から各光位相変調器に印加される一定
周期信号が互いに逆位相になるように位相調整器43を
用いる。
【0014】一方、偏波スクランブリング方法には、上
記の位相変調を用いた手法の他に、光短パルスを利用し
た手法がある(特許文献2)。これは、信号1ビットに
複数の光短パルスを対応させ、各光短パルスの偏波状態
を一定にし、かつ1ビット内の各光短パルスの偏波状態
を相互に異なるようにして信号1ビットを無偏光化する
(偏光度をゼロにする)ものである。以下、この手法に
よる無偏光化について説明する。
【0015】振幅および位相を変調されたZ軸方向に進
む光電界(X軸方向の光電界Ex 、Y軸方向の光電界E
y )は、 Ex(t)=a1(t) expi[(ωct−kz)−φ1(t)] …(1) Ey(t)=a2(t) expi[(ωct−kz)−φ2(t)] …(2) と表される。ここで、ωc ,kは、光電界の角周波数、
波数である。a1(t)、a 2(t)、φ1(t)、φ2(t)は、X軸
方向変調振幅、Y軸方向変調振幅、X軸方向変調位相、
Y軸方向変調位相を表す。
【0016】Y軸方向成分がX軸方向成分に比べてεだ
け位相を遅らせたとすると、正のX軸とθの角度をなす
方向に透過軸をもつ偏光子を透過した後の光強度I
(θ,ε)を考える。このとき、θ方向の電界ベクトル
成分は、 E(t;θ;ε)=Ex cosθ+Ey exp(iε)sinθ …(3) であり、その強度の時間平均は、 I(θ;ε) =<E(t;θ;ε)E*(t;θ;ε)> =Jxxcos2θ+Jyysin2θ+Jxyexp(-iε)cosθsinθ +Jyxexp(iε)sinθcosθ …(4) で与えられる。ここで、Jxx、Jyy、Jxy、Jyxは、次
の可干渉性行列
【0017】
【数1】
【0018】の各要素に対応する。Jの対角要素は実数
であり、対角要素の和は光の全強度 TrJ=Jxx+Jyy=<Ex Ex*>+<Ey Ey*> …(6) を表す。非対角要素は、一般に複素数であり、 Jxy=Jyx * …(7) |Jxy|=|Jyx|≦(Jxx)1/2(Jyy)1/2 …(8) なる関係がある。
【0019】ここで、偏光度ゼロの光とは、式(4) の値
が、θ、εのいずれにも依存しない状態の光のことをい
い、その必要十分条件は、 Jxy=Jyx=0 …(9) Jxx=Jyy …(10) である(非特許文献2)。
【0020】いま、スクランブル光の直交偏波成分のパ
ワーは等しく、条件式(10)は満たされているので、条件
式(9) が成り立てばスクランブル光の偏光度はゼロにな
る。すなわち、パルスごとに偏波の直交した光パルスが
時間的に重ならなければ、光パルスの位相に係わらずa
1(t)×a2(t)はすべての時間においてゼロになり、スク
ランブル光の偏光度をゼロにすることが可能であり、参
考文献3はこれに基づいたものである。
【0021】しかし、パルスごとに偏波を直交した光パ
ルスの時間的な重なりがない場合には、スクランブル光
のパワーが小さくなる問題がある。一方、スクランブル
光のパワーを上げるために、パルスごとに偏波を直交し
た光パルスに時間的な重なりをもたせた上で、スクラン
ブル光の偏光度をゼロにする手法が必要になるが、参考
文献3その他では未だ明らかになっていない。
【0022】本発明は、パルスごとに直交偏波した光パ
ルスに時間的な重なりがある場合でも偏光度がゼロであ
り、かつ光スペクトル広がりの小さい光を生成すること
ができる偏波スクランブラを提供することを目的とす
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の偏波スクランブ
ラは、一定期間T/2ごとに同一の強度波形を繰り返
し、かつ一定期間T/2ごとに位相が反転する強度波形
周期T/2、光電界周期Tの光パルスを発生する光パル
ス発生器と、その光パルスを入力して偏波状態が直交す
る2つの光パルスに分離し、さらにその時間位置を相対
的に(2n−1)T/4だけずらし(nは自然数)、1
パルスごとに偏波の直交した光を生成する直交偏波遅延
器とを備える。
【0024】また、光パルス発生器は、連続光を発生す
る光源と、tを時刻としたときに、入力信号φ(t) 、特
定の入力信号φ0 に対して、出力光電界が E(φ(t)−φ0)=−E(−φ(t)−φ0) (≠0) となる透過特性をもち、 φ(t)−φ0 =φ(t−T)−φ0 =−φ(t−T/2)−φ0
(≠0) の関係がある周期Tの入力信号φ(t) で駆動される光強
度変調器とを備え、連続光を周期Tの入力信号φ(t) で
変調し、光電界が E(t) =E(φ(t)) で表される周期T/2(光電界まで含めると周期T)の
光パルスを発生する構成である。
【0025】
【発明の実施の形態】(本発明の偏波スクランブラの実
施形態)図1は、本発明の偏波スクランブラの実施形態
を示す。図において、本発明の偏波スクランブラは、一
定期間T/2ごとに同一の強度波形を繰り返し、かつ一
定期間T/2ごとに位相が反転する強度波形周期T/
2、光電界周期Tの光パルス(例えば図1(b) )を発生
する光パルス発生器10と、その光パルスを入力して偏
波状態が直交する2つの光パルスに分離し、さらにその
時間位置を相対的に(2n−1)T/4だけずらして1
パルスごとに偏波の直交した光(例えば図1(c) )を生
成する直交偏波遅延器20により構成される(nは自然
数)。
【0026】図2は、直交偏波遅延器20の構成例を示
す(参考文献3)。図2(a) に示す直交偏波遅延器20
は、入力光パルスを光パワーが均等になるように2分岐
する光分岐器21と、2分岐された各光パルスの偏波を
相対的に直交させる偏波回転器22および時間位置を相
対的に(2n−1)T/4だけずらす遅延線23と、偏
波および時間位置を調整した光パルスを合波し、偏光度
ゼロの光を出力する光合波器24により構成される。な
お、ここでは、2分岐した一方の経路に偏波回転器22
を配置し、他方の経路に遅延線23を配置しているが、
それらは相対的なものであるので、いずれか一方の経路
にまとめて配置してもよい。
【0027】図2(b) に示す直交偏波遅延器20は、偏
波保持光ファイバ25を用いたものであり、偏波保持光
ファイバ25の速達軸26と遅延軸27に電力比が1:
1になるように光パルスを入力する。その結果、1つの
光パルスは偏光状態が直交する2つの光パルスに分離さ
れ、1パルスごとに偏波の直交した光が生成される。
【0028】(光パルス発生器11の第1の構成例)図
3は、光パルス発生器10の第1の構成例を示す。図に
おいて、光パルス発生器10は、連続光を発生する光源
11、光強度変調器12および発振器13から構成され
る。光強度変調器12は、例えば図4に示すように、入
力信号φ(t)と、特定の入力信号φ0 に対して、出力光
電界が E(φ(t)−φ0)=−E(−φ(t)−φ0) となる透過特性をもち、 φ(t)−φ0 =φ(t−T)−φ0 =−φ(t−T/2)−φ0 なる関係がある周期Tの入力信号φ(t) で駆動される。
すなわち、光強度変調器12は、φ0 を境に透過特性の
絶対値が等しいので、発振器13から出力される周期T
の入力信号φ(t) を用いて周期T/2(光電界まで含め
ると周期T)の光パルスを生成することができる。
【0029】(光パルス発生器10の第2の構成例)図
3に示した光パルス発生器10における光強度変調器1
2は、図5に示すように、入力信号φ(t) と、特定の入
力信号φ0 に対して、出力光電界が周期的な透過特性を
もち、周期Tの入力信号φ(t) で駆動するようにしても
よい。この構成では、入力信号φ(t) の振幅を大きくす
ることにより、入力信号周波数を一定にしたままで偏波
スクランブル速度を上昇させることができる。
【0030】(光パルス発生器10の第3の構成例)図
6は、光パルス発生器10の第3の構成例を示す。図に
おいて、光パルス発生器10は、連続光を発生する光源
11、マッハツェンダ型光強度変調器14、マッハツェ
ンダ型光強度変調器14を駆動する発振器13、直流印
加器15および位相調整器16から構成される。マッハ
ツェンダ型光強度変調器14は、光源11からの連続光
を入力し、光パワーを均等に2分岐した経路に与えられ
る相対的な位相差に応じて振幅変調を行う。特に、大き
さが等しく、互いに逆位相(逆符号)の信号で2つの経
路をそれぞれ位相変調すると、図6(b) に示すような正
弦波状の電界透過特性が得られる。なお、ここではφは
逆位相信号の位相差を示し、時間平均差がφ0 (分離し
た2経路に位相差πを生じさせる量)であり、ピークツ
ーピークで位相差πを生じさせる逆位相の正弦波信号で
位相変調を行い、光パルスを生成する。ただし、2つの
正弦波信号に加えられる時間平均差φ0 および位相差
は、それぞれ直流印加器15および位相調整器16にお
いて与えられる。
【0031】このような光パルス発生器10と直交偏波
遅延器20の構成により得られる光パルス(スクランブ
ル光)の偏光度がゼロになることについて以下に示す。
光パルス発生器10は、光電界が E(t) =E(φ(t)) …(11) で表される周期T/2(光電界まで含めると周期T)の
光パルスを発生する。なお、Eおよびφは、tを時刻、
Tをφの周期としたときに、 E(φ)=−E(−φ) (≠0) …(12) φ(t) =φ(t−T)=−φ(t−T/2)(≠0) …(13) なる関係を満たす関数である。
【0032】ここで、直交偏波遅延器20を図2(a) に
示す構成とした場合に、光分岐器21で2分岐される光
パワーは等しく、互いに偏波が直交する光パルスのパワ
ーは等しいとしているので、条件式(10)は満たされてお
り、条件式(9) が成り立てばスクランブル光の偏光度は
ゼロになる。ここで、 Ex(t)=E(φ(t)) …(14) Ey(t)=E(φ(t−T/4)) …(15) であるので、
【0033】
【数2】
【0034】となり、偏光度がゼロであることが示され
る。途中、置換式t'=t−T/4、t"=t−T/2、t'" =
t− 3T/4、および式(12)〜(15)を用いた。
【0035】(従来構成と本発明構成の比較)図13の
従来構成の偏波スクランブラと、図1,6の本発明構成
の偏波スクランブラにより生成された偏光度ゼロの光の
特性について比較する。まず、各偏波スクランブリング
方式に対する入力信号周期を決定する。図7は、ビット
レートBの送信信号で変調した光に偏波スクランブリン
グを行い、その後、単一偏波を透過する偏光子(伝送路
の偏波特性が極端な場合)を透過させた時の計算パラメ
ータθおよびεに対するアイ開口を示す。
【0036】入力信号周期は、後述するように、T=2
/mB(mは自然数)であることが望ましいので、図7
(a) 〜(c) はそれぞれ、従来構成における入力信号周期
T=1/B、従来構成における入力信号周期T=1/2
B、本発明構成における入力信号周期T=1/Bの場合
についての計算結果である。実際には、従来構成の偏波
スクランブラでは、X軸およびY軸をそれぞれ φPM1 =(0.7655/2)πsin2π(t/T) …(17) φPM2 =−(0.7655/2)πsin2π(t/T) …(18) の入力信号で位相変調し、本発明の偏波スクランブラで
は、マッハツェンダ型光強度変調器の2分岐した経路に
それぞれ φpulse1=(1/2)πsin2π(t/T) +φ0 …(19) φpulse2=−(1/2)πsin2π(t/T)t …(20) の入力信号で位相変調する。変調器を駆動する信号は正
弦波とした。図7(b),(c) に示すように、従来構成にお
ける入力信号周期T=1/2Bと、本発明構成における
入力信号周期T=1/Bの場合は、同等のアイ開口が得
られていることがわかる。したがって、以下の計算はこ
の条件の下で行う。
【0037】図8は、各偏波スクランブラに対して、6
Bの3dB幅をもつガウス型光フィルタを偏光子の前に1
回、偏光子の後に2回透過させたときの出力パワーを示
す。なお、光フィルタを透過させない場合は、偏光度ゼ
ロの条件により偏光子出力パワーに変動はない。図の縦
軸は光源からの連続光パワーを0dBとしている。図8
(a) に示すように、θおよびε、すなわち偏光子への入
力偏波状態により出力光パワーに変動が生じるが、図8
(b) ではほとんどパワー変動が生じない。これは、光ス
ペクトルの広がり具合により、光フィルタによりスペク
トルが切り取られ、偏光度がゼロからずれるためであ
る。
【0038】さらに、光フィルタの3dB幅を変化させた
場合のパワー変動量変化についての計算結果を図8(c)
に示す。実線は本発明構成、破線は従来構成によるもの
である。この図より、本発明構成の偏波スクランブラ
は、光フィルタの3dB幅の変化に対してもパワー変動量
がほとんどないことがわかる。光パワー変動は、伝送路
内に挿入された光増幅器への入力パワー変動により、時
間的な信号SNRのばらつきを生む。このことから、本
発明構成の方が従来構成よりも、信号SNRの観点から
も有利であると言える。
【0039】図9(a) は、光フィルタの3dB幅を変化さ
せた場合の最小光パワーの計算結果を示す。実線は本発
明構成、破線は従来構成によるものである。なお、ここ
での最小光パワーとは、偏光子への入力偏波状態による
最悪値である。この図から本発明構成の方が従来構成よ
りも光スペクトルが小さいことがわかる。なお、図9
(a) (および図8(b))は、光パルス生成によるパワー損
失〜2dBを含んでいるため、グラフの縦軸を相対平均パ
ワーにとると、本発明構成の計算結果はいずれも+2dB
となる。また、光スペクトル広がりが小さいことは、伝
送路の分散の影響によるアイ開口劣化が小さいことから
も示される。図9(b) に、波長1550nm、ビットレート2.
5Gbit/s の偏波スクランブルした光を偏光子に透過させ
た後(光フィルタは透過させない)、波長分散量16ps/n
m/kmの単一モードファイバ上で伝送させた時のアイ開口
の計算結果を示す。アイ開口は、偏光子への入力偏波状
態による最悪値をプロットした。図に示されるように、
本発明構成による偏波スクランブラの方が、従来構成よ
りも同じアイ開口劣化に達する伝送距離が長い。
【0040】(本発明の偏波スクランブラを用いた光送
信装置の構成例)図10は、本発明の偏波スクランブラ
を用いた光送信装置の構成例を示す。図において、本発
明の偏波スクランブラを構成する光パルス発生器10の
光源11と光強度変調器12との間に光データ変調器3
1を配置し、光データ変調器31を送信信号発生器32
から出力される送信信号により駆動する。基準周波数発
生器33は、送信信号発生器32および発振器13に所
定の基準周波数信号を供給して位相同期をとる。必要が
あれば、周波数逓倍/分周器により基準周波数信号を逓
倍/分周してもよい。
【0041】光源11から出力された連続光は光データ
変調器21に入力され、送信信号発生器32から出力さ
れるビットレートBの送信信号で変調されて光強度変調
器12に入力される。光強度変調器12は、発振器13
からの周期T/2mBの繰り返し信号によって駆動さ
れ、信号1ビット内で位相が反転する光パルスを生成し
て直交偏波遅延器20に入力する。直交偏波遅延器20
では図2に示す構成により信号1ビット内で偏波の直交
した偏光度ゼロの信号光が生成される。
【0042】本構成では、図10(b) に示すように(m
=2の場合)、Z軸方向に進む信号光は、X偏波成分お
よびY偏波成分ともに、スリップすることなく常に1ビ
ット内における同じ相対時間位置がサンプリングされる
ので、光電気変換後の受信信号波形から周波数ずれによ
るジッタの影響を取り除くことができる。また、位相同
期をとることにより、位相ずれによるジッタの影響も同
時に取り除くことができる。なお、基準周波数発生器3
3から供給される基準周波数信号の代わりに、一方の信
号から取り出したクロック信号を用いてもよい。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の偏波スク
ランブラは、パルスごとに偏波を直交した光パルスに時
間的な重なりをもたせた上で、スクランブル光の偏光度
をゼロにし、かつ光スペクトル広がりの小さい偏波スク
ランブル光を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の偏波スクランブラの実施形態を示す図
である。
【図2】直交偏波遅延器20の構成例を示す図である。
【図3】光パルス発生器10の第1の構成例を示す図で
ある。
【図4】光強度変調器12の透過特性を示す図である。
【図5】光強度変調器12の透過特性を示す図である。
【図6】光パルス発生器10の第3の構成例を示す図で
ある。
【図7】従来構成と本発明構成における入力信号周期の
決定を説明する図である。
【図8】従来構成と本発明構成の比較を示す図である。
【図9】従来構成と本発明構成の比較を示す図である。
【図10】本発明の偏波スクランブラを用いた光送信器
の構成例を示す図である。
【図11】偏波スクランブラを用いた長距離光増幅中継
伝送システムの構成例を示す図である。
【図12】偏波スクランブラを用いた波長多重(WD
M)伝送システムの構成例を示す図である。
【図13】従来の偏波スクランブラの構成例を示す図で
ある。
【符号の説明】
10 光パルス発生器 11 光源 12 光強度変調器 13 発振器 14 マッハツェンダ型光強度変調器 15 直流印加器 16 位相調整器 20 直交偏波遅延器 21 光分岐器 22 偏波回転器 23 遅延線 24 光合波器 25 偏波保持光ファイバ 31 光データ変調器 32 送信信号発生器 33 基準信号発生器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 10/142 10/152 10/18 (72)発明者 高知尾 昇 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 岩月 勝美 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2H079 BA01 BA03 CA04 CA24 KA12 KA20 2H099 AA01 BA00 CA07 DA00 5K102 AA01 AA61 AA63 AA67 AH02 AH26 AH30 KA01 KA42 PA12 PB01 PH02 PH11 PH21 PH26 PH31 PH49 PH50 RB01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定期間T/2ごとに同一の強度波形を
    繰り返し、かつ前記一定期間T/2ごとに位相が反転す
    る強度波形周期T/2、光電界周期Tの光パルスを発生
    する光パルス発生器と、 前記光パルスを入力して偏波状態が直交する2つの光パ
    ルスに分離し、さらにその時間位置を相対的に(2n−
    1)T/4だけずらし(nは自然数)、1パルスごとに
    偏波の直交した光を生成する直交偏波遅延器とを備えた
    ことを特徴とする偏波スクランブラ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の偏波スクランブラにお
    いて、 前記光パルス発生器は、連続光を発生する光源と、tを
    時刻としたときに、入力信号φ(t) 、特定の入力信号φ
    0 に対して、出力光電界が E(φ(t)−φ0)=−E(−φ(t)−φ0) (≠0) となる透過特性をもち、 φ(t)−φ0 =φ(t−T)−φ0 =−φ(t−T/2)−φ0
    (≠0) の関係がある周期Tの入力信号φ(t) で駆動される光強
    度変調器とを備え、前記連続光を前記周期Tの入力信号
    φ(t) で変調し、光電界が E(t) =E(φ(t)) で表される強度波形周期T/2、光電界周期Tの光パル
    スを発生する構成であることを特徴とする偏波スクラン
    ブラ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の偏波スクランブラにお
    いて、 前記光強度変調器は、入力信号に対して周期的な透過特
    性を有する構成であることを特徴とする偏波スクランブ
    ラ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の偏波スクランブラにお
    いて、 前記光強度変調器がマッハツェンダ型光強度変調器であ
    り、光パワーを2分岐した経路に、それぞれ時間平均差
    がφ0 であり、ピークツーピークで位相差πを生じさせ
    る逆位相の正弦波信号で位相変調を行う構成であること
    を特徴とする偏波スクランブラ。
  5. 【請求項5】 請求項2または請求項4に記載の偏波ス
    クランブラにおいて、 送信信号ビットレートをBとしたときに、前記光強度変
    調器への入力信号周期をT=2/mB(mは自然数)と
    して送信信号および前記光強度変調器への入力信号の位
    相同期をとる構成であることを特徴とする偏波スクラン
    ブラ。
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