JP2003315514A - マスク、光反射膜付基板、光反射膜の形成方法、電気光学装置の製造方法、及び電気光学装置、並びに電子機器 - Google Patents

マスク、光反射膜付基板、光反射膜の形成方法、電気光学装置の製造方法、及び電気光学装置、並びに電子機器

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JP2003315514A
JP2003315514A JP2003053325A JP2003053325A JP2003315514A JP 2003315514 A JP2003315514 A JP 2003315514A JP 2003053325 A JP2003053325 A JP 2003053325A JP 2003053325 A JP2003053325 A JP 2003053325A JP 2003315514 A JP2003315514 A JP 2003315514A
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substrate
electro
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reflecting film
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Toshihiro Otake
俊裕 大竹
Mutsumi Matsuo
睦 松尾
Tadashi Tsuyuki
正 露木
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 干渉縞の発生が少ない光反射膜付基板を製造
するためのマスク、それを用いてなる光反射膜付基板、
光反射膜の製造方法、及び干渉縞の発生が少ない光反射
膜付基板を備えた電気光学装置、並びに干渉縞の発生が
少ない光反射膜付基板を備えた電子機器を提供する。 【解決手段】 光透過部又は光不透過部を、ドット領域
の数より少ない数のドット分を一単位として形成し、か
つその単位内において不規則に配列するとともに、当該
一単位を複数個含むマスクを用いて、基材に形成された
複数の凸部の高さや凹部の深さを実質的に等しくすると
ともに、当該複数の凸部又は凹部の平面形状を、重なり
合う円及び重なり合う多角形、あるいはいずれか一方の
平面形状とし、かつ、複数の凸部又は凹部を平面方向に
ランダムに配列した光反射膜付基板を作成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスク、光反射膜
付基板、光反射膜の形成方法、電気光学装置の製造方
法、及び電気光学装置、並びに電子機器に関する。より
詳細には、干渉縞の発生が少ない光反射膜付基板を製造
するためのマスク、それを用いてなる光反射膜付基板、
光反射膜の形成方法、及び干渉縞の発生が少ない光反射
膜付基板を備えた電気光学装置、並びに干渉縞の発生が
少ない光反射膜付基板を備えた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、薄型化や省電力化等が図
られることから、各種の電子機器における表示装置とし
て、液晶表示装置が広く用いられている。このような液
晶表示装置は、一対のガラス基板等の間に液晶を封入し
た状態で、シール材によって周囲を貼り合わせた構成が
一般的である。そして、このような液晶表示装置を搭載
した電子機器は、液晶表示装置を外部からの衝撃などか
ら保護すべく、当該液晶表示装置の観察側、すなわち、
表示を視認する観察者の側に、保護板を配設した構成が
採られている。かかる保護板は、通常、光透過性を有す
る材料、例えば、透明プラスチックなどからなる板状部
材である。
【0003】しかしながら、このような保護板における
液晶表示装置との対向面を完全な平滑面とすることは困
難であり、微細な凹凸が存在している場合が多い。そし
て、このような保護板を液晶表示装置に配設した場合、
表面の微細な凹凸に起因して表示品位が著しく低下して
しまうという問題があった。このように表示品位が低下
する原因の一つとして、液晶表示装置における観察側の
基板と保護板との間隔が、保護板の表面に存在する凹凸
に応じてばらつくことが挙げられる。すなわち、このよ
うな間隔のばらつきに対応して、液晶表示装置からの出
射光が保護板を透過する際に干渉を生じ、その結果、干
渉縞が発生する。そして、発生した干渉縞が表示画像と
重なりあうことによって、表示品位の低下が引き起こさ
れると推定される。
【0004】また、特開平6−27481号公報には、
図26に示すように反射型液晶表示装置400を開示し
ており、特開平11−281972号公報には、図27
に示すように反射透過両用型500を開示しており、そ
れぞれ干渉縞の発生を低下すべく、高さが異なる複数の
凹凸構造404a、404b(504a、504b)を
設け、その上に高分子樹脂膜405(505)を形成
し、さらにその上に、連続する波状の反射電極409
(509)が形成されている。また、かかる反射電極を
有する液晶表示装置の製造工程が開示されており、例え
ば、図28に開示されている。まず、図28(a)に示
すように、ガラス基板600上にレジスト膜602を全
面的に形成し、次いで、図28(b)に示すように、直
径が異なる複数の円からなるパターン604を介して、
露光する。その後、図28(c)に示すように現像し、
高さが異なる複数の角のある凸部606a、606bを
設け、さらに、図28(d)に示すように、加熱して、
凸部の角部を軟化させて、角落ちした凸部608a、6
08bを形成する。そして、図28(e)に示すよう
に、かかる凹凸構造の間610に所定量の高分子樹脂6
20を充填して波状表面を有する連続層とした後、さら
に、高分子樹脂膜620の上に、スパッタリング法等の
積層手段によって、連続する波状の反射電極624を形
成するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
6−27481号公報等に開示された反射型液晶表示装
置や反射透過両用型の液晶表示装置は、直径が異なる複
数の円等が規則的又は一部不規則に配列されたマスクを
用い、紫外線露光及び現像を利用して、高さが異なる複
数の凹凸構造を設けることを意図しているものの、塗布
厚のばらつき等もあり、光干渉を有効に防止できるよう
に高さを厳密に調整することは困難であった。また、高
さが異なる複数の凹凸構造上に、反射電極が形成されて
いることから、断線したり、ショートしやすいなどの問
題も見られた。さらに、開示された光反射膜付基板の製
造方法は、工程数が多く、管理項目が多いという製造上
の問題も見られた。したがって、特開平6−27481
号公報等に開示された光反射膜付基板は、干渉縞の発生
を有効に防止することが困難であるばかりか、かかる光
反射膜付基板を、安定して、しかも効率的に製造するこ
とは困難であった。
【0006】そこで、本発明の発明者らは、以上の問題
を鋭意検討した結果、光反射膜付基板における基材上
に、複数の凸部又は凹部を設けるとともに、当該複数の
凸部又は凹部の高さを実質的に変えずに、平面方向にラ
ンダムに配列することによって、干渉縞の発生が少ない
光反射膜付基板が容易に得られることを見出したもので
ある。すなわち、本発明は、干渉縞の発生が少なく、製
造が容易な光反射膜付基板が得られるマスク、そのよう
な光反射膜付基板、そのような光反射膜の形成方法、及
びそのような光反射膜付基板を設けた電気光学装置、並
びにそのような光反射膜付基板を有する電子機器を提供
することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、複数の
ドット領域を有する基板にパターンを形成するためのマ
スクであって、入射光を透過可能な光透過部と、実質的
に光を透過させない光不透過部と、を具備し、光透過部
又は光不透過部は所定形状を有しており、当該所定形状
同士が一部重なり合うことを特徴とするマスクが提供さ
れ、上述した問題を解決することができる。すなわち、
所定形状の光透過部又は光不透過部からなるパターン、
例えば、平面形状が、円(楕円を含む。以下、同様であ
る。)及び多角形、あるいはいずれか一方の形状であっ
て、それらが一部重なりあった形状を有する光透過部又
は光不透過部を平面方向に配列してあることから、光反
射膜付基板を製造した場合に、優れた光散乱効果を発揮
し、干渉縞の発生を有効に防止することができる。さら
に、光反射膜付基板が用いられる液晶表示装置等におけ
る複数のドット分を基本単位とした場合、例えば、光透
過部又は光不透過部を、画素に対応したRGBドットの
3ドット、6ドット、又は12ドットを一単位として、
平面方向にランダムに配列した場合には、光透過部又は
光不透過部により形成されるパターンに関する情報量を
少なくすることができる。したがって、所定形状の光透
過部又は光不透過部からなるパターン、例えば、平面形
状が、円(楕円を含む。以下、同様である。)及び多角
形、あるいはいずれか一方の形状であって、それらが一
部重なりあった形状を有する光透過部又は光不透過部か
らなるパターンを形成する際に、かかる基本単位を繰り
返すことにより、マスクの設計を極めて容易かつ短時間
にすることができる。なお、光透過部又は光不透過部の
平面形状を制御する理由は、光反射膜の基材を構成する
感光性樹脂に、光透過部を透過した光が照射された箇所
が光分解して、現像剤に対して可溶化するポジ型と、光
透過部を透過した光が照射された箇所が感光し、現像剤
に対して不溶化するネガ型とがあることによる。
【0008】また、本発明のマスクを構成するにあた
り、光透過部又は光不透過部の径を3〜15μmの範囲
内の値とすることが好ましい。
【0009】また、本発明のマスクを構成するにあた
り、各々径が異なる複数の光透過部、又は各々径が異な
る光不透過部を具備することが好ましい。すなわち、例
えば、光透過部又は光不透過部の径を異ならせ、2〜1
0種の光透過部又は光不透過部を設けることが好まし
い。
【0010】また、本発明の別の態様のマスクは、複数
のドット領域を有する基板にパターンを形成するための
マスクであって、入射光を透過可能な光透過部と、実質
的に光を透過させない光不透過部と、を具備し、光透過
部又は光不透過部は所定形状を有しており、当該所定形
状同士が一部重なり合い、光透過部及び光不透過部によ
り形成されるパターンは、複数のドット分を一単位とし
て形成されているとともに、その一単位内において対称
となる個所を含むこと、を特徴とするマスクである。こ
のように構成することにより、干渉縞の発生が少ない光
反射膜付基板を効率的に製造することができる。すなわ
ち、光反射膜付基板を製造した際に、所定の対称パター
ン、例えば、一本の仮想線によってマスクを分割し、当
該仮想線に対して鏡面対称にあるパターンを利用して、
光を適当に散乱させることができるため、干渉縞の発生
を有効に防止することができる。また、対称パターンを
利用して、そのパターンを繰返し使用するため、パター
ンに関する情報量を少なくすることができ、光反射膜付
基板の製造が容易になる。
【0011】また、本発明の別の態様は、基材及び反射
層を含む光反射膜付基板であって、凸部又は凹部を有す
る光反射膜を有し、凸部又は凹部は、所定形状を有して
いるとともに、当該所定形状同士が一部重なり合うこ
と、を特徴とする光反射膜付基板である。このように凸
部又は凹部が所定形状を有するとともに、例えば、画素
に対応したRGBドットの3ドット、6ドット、又は1
2ドットを一単位として、平面方向にランダムに配列し
てあることから、優れた光散乱効果を発揮し、干渉縞の
発生を有効に防止することができる。
【0012】また、本発明の光反射膜付基板を構成する
にあたり、凸部の高さ又は凹部の深さを面内において実
質的に等しくすることが好ましい。例えば、基材と、光
反射膜とを含む光反射膜付基板であって、当該基材の表
面に独立して形成された複数の凸部又は凹部の高さを実
質的に等しくすることが好ましい。このように複数の凸
部の高さ又は凹部の深さを実質的に等しくすることによ
り、容易に製造することができるとともに、均一な反射
特性を得ることができる。また、このように複数の凸部
の高さ又は凹部の深さが実質的に等しく、比較的平坦な
構造であれば、光散乱膜や液晶表示装置の保護板と組み
合わせた場合であっても、それぞれ間隙の凹凸に起因し
た表示品位の低下を効率的に抑制することができる。
【0013】また、本発明の光反射膜付基板を構成する
にあたり、複数の凸部又は凹部の径を3〜15μmの範
囲内の値とすることが好ましい。例えば、複数の凸部又
は凹部の平面形状を重なり合った円及び多角形、あるい
はいずれか一方の平面形状とするともに、当該径を3〜
15μmの範囲内の値とすることが好ましい。
【0014】また、本発明の光反射膜付基板を構成する
にあたり、複数の凸部又は凹部の間隔を2〜30μmの
範囲内の値とすることが好ましい。
【0015】また、本発明の光反射膜付基板を構成する
にあたり、複数の凸部の高さや凹部の深さを0.1〜1
0μmの範囲内の値とすることが好ましい。
【0016】また、本発明の光反射膜付基板を構成する
にあたり、複数のドットにより定義される単位は、基板
全体のドット数より少なく、かつ基板全体を構成するの
に一単位を複数個含むことが好ましい。
【0017】また、本発明の光反射膜付基板を構成する
にあたり、各々径が異なる複数の凸部、又は各々径が異
なる複数の凹部を具備することが好ましい。
【0018】また、本発明の別の態様の光反射膜付基板
は、複数のドット領域を有する基板に光反射膜が形成さ
れた光反射膜付基板であって、凸部又は凹部を有する光
反射膜を有し、凸部又は凹部は、所定形状を有している
とともに、当該所定形状同士が一部重なり合い、凸部又
は凹部により形成されるパターンは、複数ドット分を一
単位として形成されており、かつその単位内において対
称となる個所を含むこと、を特徴とする光反射膜付基板
である。
【0019】また、本発明の別の態様は、複数のドット
領域を有する電気光学装置であって、凸部又は凹部を有
する光反射膜が形成された基板と、基板に支持された電
気光学層と、を具備し、凸部又は凹部は、所定形状を有
しているとともに、当該所定形状同士が一部重なり合う
こと、を特徴とする電気光学装置である。
【0020】また、本発明の電気光学装置を構成するに
あたり、凸部の高さ又は凹部の深さを面内において実質
的に等しくすることが好ましい。
【0021】また、本発明の電気光学装置を構成するに
あたり、複数のドットにより定義される一単位(基本単
位)は、基板全体のドット領域の数より少なく、かつ基
板全体を構成するのに当該一単位を複数個含むことが好
ましい。
【0022】また、本発明の電気光学装置を構成するに
あたり、複数のドットに対応して設けられた、各々色が
異なる複数の着色層と、それらに対応する複数のドット
により1画素が形成され、一単位内に少なくとも1画素
が対応してなることが好ましい。
【0023】また、本発明の別の態様の電気光学装置
は、複数のドット領域を有する電気光学装置であって、
凸部又は凹部を有する光反射膜が形成された基板と、基
板に支持された電気光学層と、を具備し、凸部又は凹部
は、所定形状を有しているとともに、当該所定形状同士
が一部重なり合い、凸部又は凹部により形成されるパタ
ーンは、複数ドット分を一単位として形成されており、
かつその単位内において対称となる個所を含むこと、を
特徴とする電気光学装置である。
【0024】また、本発明の電気光学装置を構成するに
あたり、複数のドットに対応して設けられた各々色が異
なる複数の着色層と、それらに対応する複数のドットに
より1画素が形成され、一単位内に少なくとも1画素が
対応してなることが好ましい。
【0025】また、本発明の別の態様の電気光学装置
は、電気光学装置であって、電気光学層と、電気光学層
の一方の側に配置した光散乱膜と、電気光学層の他方の
側に配置した光反射膜と、を具備し、光反射膜には、不
規則に配列された凸部又は凹部が形成されており、か
つ、凸部又は凹部は、所定形状を有しているとともに、
当該所定形状同士が一部重なり合うことを特徴とする電
気光学装置である。
【0026】また、本発明の電気光学装置を構成するに
あたり、併用する光散乱膜のヘイズ値が10%以上60
%以下であることが好ましい。
【0027】また、本発明の電気光学装置を構成するに
あたり、複数のドット領域を有してなり、凸部又は凹部
により形成されるパターンは、1ドット又は2ドットに
より定義される一単位内において不規則に配列されてお
り、併用する光散乱膜のヘイズ値を40〜60%の範囲
内の値とすることが好ましい。
【0028】また、本発明の電気光学装置を構成するに
あたり、複数のドット領域と、それらに対応して設けら
れた各々色が異なる複数の着色層とにより1画素が形成
され、一単位内に少なくとも、当該1画素が対応してな
ることが好ましい。
【0029】また、本発明の電気光学装置を構成するに
あたり、複数のドット領域を有してなり、凸部又は凹部
により形成されるパターンは、3以上のドットを含む一
単位内において不規則に配列されており、併用する光散
乱膜のヘイズ値が10%以上40%以下であることが好
ましい。
【0030】また、本発明の電気光学装置を構成するに
あたり、一方の側に配置した保護板を具備することが好
ましい。
【0031】また、本発明の別の態様は、電気光学装置
を表示部として含む電子機器において、電気光学装置と
して、複数のドット領域を有する電気光学装置であっ
て、凸部又は凹部を有する光反射膜が形成された基板
と、基板に支持された電気光学層と、を具備し、光反射
膜には、不規則に配列された凸部又は凹部が形成されて
おり、凸部又は凹部は、所定形状を有しているととも
に、当該所定形状同士が一部重なり合うことを特徴とす
る電子機器である。
【0032】また、本発明の別の態様は、電気光学装置
を表示部として含む電子機器において、電気光学装置と
して、凸部又は凹部を有する光反射膜が形成された基板
と、基板に支持された電気光学層と、を具備し、光反射
膜には、不規則に配列された凸部又は凹部が形成されて
おり、凸部又は凹部は、所定形状を有しているととも
に、当該所定形状同士が一部重なり合い、かつ、凸部又
は凹部により形成されるパターンは、複数ドット分を一
単位として形成されており、かつその単位内において対
称となる個所を含む電気光学装置を採用したことを特徴
とする電子機器である。
【0033】また、本発明の別の態様は、電気光学装置
を表示部として含む電子機器において、電気光学装置と
して、電気光学層と、電気光学層の一方の側に配置した
光散乱膜と、電気光学層の他方の側に配置した光反射膜
と、を具備し、光反射膜には、不規則に配列された凸部
又は凹部が形成されてなる電気光学装置を採用したこと
を特徴とする電子機器である。
【0034】また、本発明の別の態様は、複数のドット
領域を有する基材に光反射膜を形成する方法であって、
基材に感光性材料を塗布する工程と、感光性材料を露光
する工程と、露光した感光性材料に凹凸を形成する工程
と、凹凸上に光反射膜を形成する工程と、を具備し、凹
凸は、所定形状を有しているとともに、当該所定形状同
士が一部重なり合うこと、を特徴とする光反射膜の形成
方法である。
【0035】また、本発明の別の光反射膜を形成する方
法に関する態様は、複数のドット領域を有する基材に光
反射膜を形成する方法であって、基材に感光性材料を塗
布する工程と、感光性材料を露光する工程と、露光した
感光性材料に凹凸を形成する工程と、凹凸上に光反射膜
を形成する工程と、を具備し、凹凸は、所定形状を有し
ているとともに、当該所定形状同士が一部重なり合い、
凹凸のパターンが、複数ドット分を一単位とし、かつそ
の単位内において対称となる個所を含むよう形成される
こと、を特徴とする光反射膜の形成方法である。
【0036】また、本発明の電気光学装置の製造方法
は、基材に感光性材料を塗布する工程と、感光性材料を
露光する工程と、露光した感光性材料に凹凸を形成する
工程と、凹凸上に光反射膜を形成する工程と、を具備
し、凹凸は、所定形状を有しているとともに、当該所定
形状同士が一部重なり合う、複数のドット領域を有する
基材に光反射膜を形成する方法を工程として含むことを
特徴とする電気光学装置の製造方法である。
【0037】また、本発明の別の電気光学装置の製造方
法は、基材に感光性材料を塗布する工程と、感光性材料
を露光する工程と、露光した感光性材料に凹凸を形成す
る工程と、凹凸上に光反射膜を形成する工程と、を具備
し、凹凸は、所定形状を有しているとともに、当該所定
形状同士が一部重なり合い、凹凸のパターンを、複数ド
ット分を一単位とし、かつその一単位内において対称と
なる個所を含むよう形成する、複数のドット領域を有す
る基材に光反射膜を形成する方法を工程として含むこと
を特徴とする電気光学装置の製造方法である。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。なお、言うまでもなく、
以下に示す実施の形態は、本発明の一態様を示すもので
あり、何ら本発明を限定するものではなく、本発明の技
術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0039】[第1実施形態]第1実施形態は、複数のド
ット領域を有する基板にパターンを形成するためのマス
クであって、入射光を透視可能な光透過部と、実質的に
光を透過させない光不透過部と、を具備し、光透過部又
は光不透過部は所定形状を有しており、当該所定形状同
士が一部重なり合うマスクである。すなわち、例えば、
図2に示すような光反射膜付基板を製造するためのマス
ク20であって、光透過部又は光不透過部22を、平面
形状が、一部が重なった円(楕円を含む)及び多角形、
あるいはいずれか一方の形状とするとともに、光透過部
又は光不透過部22を、ドット領域の数よりも少ない数
のドット分、例えば、不規則に配列されてなる所定の画
素に対応したRGBドットを一単位として平面方向にラ
ンダムに配列してあることを特徴とするマスクである。
【0040】1.光透過部又は光不透過部 (1)形状 マスクの光透過部又は光不透過部を、図1に示すよう
に、一部が重なった円(楕円を含む。)及び多角形、あ
るいはいずれか一方の平面形状とすることが好ましい。
この理由は、光透過部又は光不透過部の平面形状を、こ
のように一部が重なった円(楕円を含む。)又は多角形
とすることにより、光反射膜付基板を製造するために露
光プロセスを実施する際、樹脂の凹凸配置を複雑にする
ことができるためである。また、一部が重なった円や多
角形は、基本図形であることから、マスク自体の製造も
容易になるためである。なお、好ましい多角形として
は、一部が重なった四角形、五角形、六角形、八角形等
が挙げられる。一方、光透過部又は光不透過部の平面形
状を、全て重なり合う円(楕円を含む。)又は重なり合
う多角形とする必要はなく、反射量を調整する関係か
ら、一部に独立した円(楕円を含む。)又は多角形を含
むことも好ましい。その場合、光透過部又は光不透過部
の数を100%としたときに、独立した円又は多角形か
らなる光透過部又は光不透過部の数を20〜90%の範
囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる独
立した円又は多角形からなる光透過部又は光不透過部の
数が20%未満の値になると、重なりが大きくなってパ
ターンが繋がってしまうためであり、一方、90%を超
えると、独立パターンが支配的になり干渉縞が増加する
ためである。したがって、独立した円又は多角形からな
る光透過部又は光不透過部の数を、全体の数に対して、
25〜75%の範囲内の値とすることがより好ましく、
40〜60%の範囲内の値とすることが更に好ましい。
【0041】(2)径及び間隔 また、マスクにおける光透過部又は光不透過部の径を3
〜15μmの範囲内の値とすることが好ましい。この理
由は、光透過部又は光不透過部の径が3μm未満となる
と、光反射膜付基板を製造する際に露光プロセスを用い
たとしても、凸部又は凹部の平面形状や配置パターン
を、正確に制御することが困難となる場合があるためで
ある。また、光透過部又は光不透過部の径が3μm未満
となると、マスク自体の製造も困難となる場合があるた
めである。一方、光透過部又は光不透過部の径が15μ
mを超えると、得られた光反射膜付基板において、光を
適度に散乱させることが困難となって、散乱特性が落ち
て暗い反射となる。したがって、マスクの光透過部又は
光不透過部の径を5〜13μmの範囲内の値とすること
がより好ましく、6〜12μmの範囲内の値とすること
がさらに好ましい。
【0042】また、マスクにおける光透過部又は光不透
過部の少なくとも一つの径を5μm以上の値とすること
が好ましい。すなわち、径が異なる光透過部又は光不透
過部があった場合に、少なくとも一つの光透過部又は光
不透過部における径を5μm以上の値とするものであっ
て、径が異なる他の光透過部又は光不透過部にあって
は、その径が5μm未満の値であっても良い。この理由
は、かかる光透過部又は光不透過部の平面形状がいずれ
も5μm未満の円又は多角形となると、得られた光反射
膜付基板において、光を過度に散乱させる場合が多くな
り、暗い反射となる。ただし、光透過部又は光不透過部
の径が、過度に大きくなると、光の散乱効果が低下し、
干渉縞が発生する場合がある。したがって、マスクの光
透過部又は光不透過部の少なくとも一つの径を5〜13
μmの範囲内の値とすることがより好ましく、6〜12
μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0043】また、マスクにおける光透過部又は光不透
過部の間隔(ピッチ)を2〜30μmの範囲内の値とす
ることが好ましい。この理由は、かかる光透過部又は光
不透過部の間隔が3.5μm未満の値になると、光透過
部又は光不透過部の独立性が低下し重なりが増大するた
めである。一方、かかる光透過部又は光不透過部の間隔
が30μmを越えると、光透過部又は光不透過部のラン
ダム配置性が低下する場合があるためである。したがっ
て、マスクにおける光透過部又は光不透過部の間隔(ピ
ッチ)を3〜20μmの範囲内の値とすることがより好
ましく、マスクにおける光透過部又は光不透過部の間隔
(ピッチ)を4〜15μmの範囲内の値とすることがさ
らに好ましい。なお、かかる光透過部又は光不透過部の
間隔は、隣接する光透過部又は光不透過部の中心から中
心までの距離であって、10箇所以上の平均値である。
【0044】(3)種類 また、マスクにおける光透過部又は光不透過部の径を異
ならせ、2〜10種類の光透過部又は光不透過部を設け
ることが好ましい。例えば、図5に示すように、異なる
径を有する光透過部又は光不透過部を一つのランダムパ
ターン内に設けるものである。この理由は、このように
径の異なる光透過部又は光不透過部が存在することによ
り、干渉縞の発生が少ない光反射膜付基板をさらに効率
的に製造することができるためである。すなわち、この
ようなマスクを用いて光反射膜付基板を製造した際に、
得られる凸部又は凹部の配列がより分散して、光を適当
に散乱させることができるためである。したがって、こ
のような光反射膜付基板を液晶表示装置等に使用した場
合に、干渉縞の発生をさらに有効に防止することができ
ることになる。
【0045】なお、光反射膜用マスクパターンにおける
径が異なる光透過部又は光不透過部からなるパターンの
組み合わせとして、下記の例を挙げることができる。 1)7.5μmの重ね六角形パターンと、9μmの重ね
六角形パターンとの組み合わせ 2)5μmの重ね六角形パターンと、7.5μmの重ね
六角形パターンと、9μmの重ね六角形パターンとの組
み合わせ 3)4.5μmの重ね正方形パターンと、5μmの重ね
正方形パターンと、7.5μmの重ね六角形パターン
と、9μmの重ね六角形パターンと、11μmの重ね六
角形パターンと、の組み合わせが好ましい。
【0046】(4)面積比率 また、マスクの光透過部又は光不透過部の面積比率を、
全体面積に対して、10〜60%の範囲内の値とするこ
とが好ましい。この理由は、かかる面積比率が、10%
未満の値になると、光反射膜付基板を製造した際に、複
数の凸部又は凹部の占有面積が小さくなって平坦部が増
加し、光散乱効果が著しく低下する場合があるためであ
る。一方、かかる面積比率が、60%を越えても平坦部
が増加し、光散乱効果が著しく低下する場合があるため
である。したがって、マスクの光透過部又は光不透過部
の面積比率を、全体面積に対して、15〜50%の範囲
内の値とすることがより好ましく、20〜40%の範囲
内の値とすることがさらに好ましい。なお、基材を構成
する感光性樹脂として、ポジ型を使用した場合には、光
透過部を透過した光が照射された箇所が光分解して、現
像剤に対して可溶化することから、マスクの光不透過部
の面積比率が問題となり、ネガ型を使用した場合には、
光透過部を透過した光が照射された箇所が感光し、現像
剤に対して不溶化することから、マスクの光透過部の面
積比率が問題となる。
【0047】2.ランダム配列 (1)ランダム配列1 第1実施形態では、例えば、図1に示すように、マスク
10における光透過部又は光不透過部12を平面方向に
ランダムに配列してあることを特徴とする。すなわち、
このようなマスクを用いることにより、露光プロセスに
よって光反射膜付基板を形成した場合に、基材に対し
て、複数の凸部又は凹部を容易にランダム配列させ、適
当に光散乱させることができるためである。なお、ラン
ダム配列とは、端的には光透過部又は光不透過部が無秩
序に配列されていることを意味するが、より正確には、
マスクを単位面積ごとに切り分け、それらのマスクを重
ねた場合に、それぞれのパターンが完全に異なっている
か、あるいは部分的に重なる箇所はあっても、完全には
一致しない状態を意味する。
【0048】(2)ランダム配列2 また、光反射膜用マスクパターンの光透過部又は光不透
過部を、光反射膜が使用される液晶表示装置等における
画素を形成するRGBドットを基準として、平面方向に
ランダムに配列してあることが好ましい。すなわち、光
反射膜が使用される液晶表示装置等における1画素(R
GB:3ドット)、2画素(RGB:6ドット)、又は
4画素(RGB:12ドット)を一単位として、それを
繰り返して、平面方向にランダムに配列することが好ま
しい。例えば、図2に示すように、縦方向のラインL1
及びL2でそれぞれ分画される3種類のRGBドットを
一単位として、光透過部又は光不透過部22からなるラ
ンダムパターンを繰り返しても良い。また、図3に示す
ように、縦方向のラインL1及びL2と、横方向のライ
ンL3と、でそれぞれ分画される6種類のRGBドット
を一単位として、光透過部又は光不透過部32からなる
ランダムパターンを繰り返しても良い。さらには、図4
に示すように、縦方向のラインL1〜L5と、横方向の
ラインL6と、でそれぞれ分画される12種類のRGB
ドットを一単位として、光透過部又は光不透過部42か
らなるランダムパターンを繰り返しても良い。この理由
は、このようなRGBドットのいくつかのまとまりを基
本単位としたパターンを有するマスクとすることによ
り、これから得られる光反射膜における複数の凸部又は
凹部が、光を適当に散乱させて、干渉縞の発生を有効に
防止することができるためである。また、RGBドット
のいくつかのまとまりを基本単位としてパターン化する
ため、パターンの情報量を少なくすることができ、光反
射膜を製造する際のパターンの位置調整等が容易になる
ためである。なお、本発明において、光反射膜用マスク
パターンの光透過部又は光不透過部を、液晶表示装置等
におけるRGBドットを基準として、平面方向にランダ
ムに配列してあるといった場合、必ずしも画素を有する
部材、例えば、カラーフィルタと併用する必要はなく、
結果として、RGBドット単位に所定のランダムパター
ンが形成されていれば良い。
【0049】(3)ランダム配列3 また、マスクを構成するにあたり、少なくとも一本の仮
想線によってマスクを分割し、当該仮想線に対して、光
透過部又は光不透過部により形成されるパターンを鏡面
対称に配列することが好ましい。このように構成するこ
とにより、干渉縞の発生が少ない光反射膜付基板をさら
に効率的に製造することができる。すなわち、光反射膜
付基板を製造した際に、複数の凸部又は凹部が鏡面対称
パターンであることを利用して、光を適当に散乱させる
ことができるため、干渉縞の発生をさらに有効に防止す
ることができる。また、鏡面対称パターンを利用するた
め、回転移動させることによって同一パターンを形成す
ることができる。したがって、パターンの情報量を少な
くすることができ、光反射膜付基板の製造が容易にな
る。
【0050】ここで、図6(a)及び(b)を参照し
て、ランダム配列としての鏡面対称パターンについて、
さらに具体的に説明する。なお、図6(a)及び(b)
では、鏡面対称パターンの関係が容易に理解できるよう
に、円又は多角形からなる光透過部又は光不透過部によ
り形成されるパターンを、文字パターン(F)としてあ
る。まず、図6(a)に示すように、一本の仮想線(L
1)に対して、複数の凸部又は凹部からなる文字パター
ン(F)を鏡面対称、すなわち、左右対称に配列するこ
とが好ましい。このように構成することにより、一方の
パターンを利用して、それを反転させることにより、も
う一方のパターンを形成することができるためである。
また、図6(b)に示すように、二本の仮想線(L1及
びL2)に対して、複数の凸部又は凹部からなる文字パ
ターン(F)をそれぞれ鏡面対称として、左右対称及び
上下対称に配列することが好ましい。このように構成す
ることにより、一つの文字パターン63を利用して、他
の3つの文字パターンを形成することができるためであ
る。すなわち、文字パターン63を、L1を軸として反
転させることにより文字パターン65を形成することが
できる。また、文字パターン63を、L2を軸として反
転させることにより文字パターン67を形成することが
できる。さらに、文字パターン63を、基点68を中心
として180°回転させることにより文字パターン69
を形成することができる。そして、いずれにしても、パ
ターンが鏡面対称にある場合、仮想線を対称にして得ら
れるパターン同士を上下方向に重ね合わせることができ
ず、本発明で規定するランダムパターンの一種として、
適度な光散乱を生じさせることができる。
【0051】[第2実施形態]第2実施形態は、複数のド
ット領域を有する基板に光反射膜が形成された光反射膜
付基板であって、凸部又は凹部を有する光反射膜を有
し、凸部又は凹部は、所定形状を有しているとともに、
当該所定形状同士が一部重なり合い、凸部又は凹部によ
り形成されるパターンは、複数のドットにより定義され
る一単位において不規則に配列されていることを特徴と
する光反射膜付基板である。すなわち、図7に示すよう
に、一例として、ネガ型の感光性樹脂を用いた場合を示
しているが、基材77及び反射層72を含む光反射膜付
基板70であって、当該基材77に形成された複数の凸
部76の高さ又は凹部の深さを実質的に等しくするとと
もに、当該複数の凸部又は凹部76の平面形状を、一部
重なった円及び多角形、あるいはいずれか一方の平面形
状とし、かつ、複数の凸部又は凹部76を平面方向にラ
ンダムに配列することを特徴とする光反射膜付基板70
である。
【0052】1.基材 基材の構成としては、図7に示すように、下方から第1
の基材76及び第2の基材79を順次に含み、当該第1
の基材76が独立した複数の凸部から構成してあり、第
2の基材79が連続層である。このように構成すること
により、連続層である第2の基材79を介して、その上
に形成される反射層72を比較的なだらかな曲面とする
ことができるため、液晶表示装置等に用いられた場合
に、干渉縞の発生を有効に防止することができる。 以
下、好適例として、図7に示すように、下方から基材7
7が、第1の基材76及び第2の基材79から構成され
た場合を例にとって説明する。
【0053】(1)第1の基材 第1の基材における独立した複数の凸部の高さや凹部の
深さを0.5〜5μmの範囲内の値とすることが好まし
い。この理由は、かかる凸部の高さや凹部の深さが0.
5μm未満の値になると、第2の基材を介して、適当な
曲面を有する反射層を設けることが困難になる場合があ
るためである。一方、かかる凸部の高さや凹部の深さが
5μmを超えると、反射層の凹凸が大きくなって、過度
に光を散乱させたり、あるいは断線しやすくなったりす
る場合があるためである。したがって、第1の基材にお
ける独立した複数の凸部の高さや凹部の深さを0.8〜
4μmの範囲内の値とすることがより好ましく、1〜3
μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0054】(2)第2の基材 第2の基材における連続した凸部の高さや凹部の深さを
0.1〜3μmの範囲内の値とすることが好ましい。こ
の理由は、かかる凸部の高さや凹部の深さが0.1μm
未満の値になると、その上に、適当な曲面を有する反射
層を設けることが困難になる場合があるためである。一
方、かかる凸部の高さや凹部の深さが3μmを超える
と、その上に形成される反射層の凹凸が大きくなって、
過度に光を散乱させたり、あるいは断線しやすくなる場
合があるためである。したがって、第2の基材における
独立した複数の凸部の高さや凹部の深さを0.1〜2μ
mの範囲内の値とすることがより好ましく、0.3〜2
μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0055】(3)複数の凸部又は凹部 凸部又は凹部の平面形状 また、基材に形成された複数の凸部又は凹部の平面形状
に関して、重なり合う円及び重なり合う多角形、あるい
はいずれか一方の平面形状とすることが好ましい。この
理由は、一部重なり合う円及び多角形、あるいはいずれ
か一方の平面形状とすることにより、複数の凸部又は凹
部の平面形状や配置パターンを、露光プロセスを用い
て、正確に制御することができるためである。また、こ
のような平面形状の凸部又は凹部であれば、光を散乱さ
せることができ、干渉縞の発生を有効に防止することが
できるためである。また、凸部の平面形状の好適例とし
て、図8(a)に示すようなオフセットした楕円形(液
滴形状)や、図8(b)に示すようなオフセットした四
角形(ピラミッド型)、あるいは凹部の平面形状の好適
例として、図18〜図22に示す楕円のドーム形状や長
円のドーム形状等が挙げられる。この理由は、複数の凸
部又は凹部の平面形状を、このような平面形状とするこ
とにより、高さ方向の斜面と相俟って、図9に示すよう
に、所定の光散乱性を維持したまま、光指向性が向上す
るためである。図9中、一点鎖線aが図8(a)に示す
ようなオフセットした楕円形の場合に視覚される光量を
示しており、実線bがオフセットしていない均等な円形
の場合に視覚される光量を示している。したがって、こ
のような平面形状とすることにより、一定方向から眺め
た場合、例えば、角度が+15°の位置において目に入
ってくる光量が多くなり、その位置では明るい画像を認
識することができる。
【0056】凸部又は凹部の径 また、基材に形成された複数の凸部又は凹部に関して、
その凸部又は凹部の径を3〜15μmの範囲内の値とす
ることが好ましい。この理由は、かかる範囲の径を有す
る複数の凸部又は凹部であれば、平面形状や配置パター
ンを、露光プロセスを用いて、正確に制御することがで
きるとともに、光を適度に散乱させ、干渉縞の発生を有
効に防止することができるためである。また、かかる範
囲の径を有する複数の凸部又は凹部であれば、不定形の
シミ模様が視覚されることが少なくなるためである。し
たがって、複数の凸部又は凹部の径を5〜13μmの範
囲内の値とすることがより好ましく、6〜12μmの範
囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0057】凸部の高さ及び凹部の深さ また、基材に形成された複数の凸部又は凹部に関して、
その凸部の高さや凹部の深さを0.1〜10μmの範囲
内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる凸部
の高さや凹部の深さが0.1μm未満の値になると、露
光プロセスを用いても、凸凹が小さくなり散乱特性が低
下するためである。一方、かかる凸部の高さや凹部の深
さが10μmを超えると、反射層の凹凸が大きくなっ
て、過度に光を散乱したり、あるいは断線しやすくなる
場合があるためである。したがって、凸部の高さや凹部
の深さを0.2〜3μmの範囲内の値とすることがより
好ましく、0.3〜2μmの範囲内の値とすることがさ
らに好ましい。
【0058】ランダム配列1 また、基材表面に形成された複数の凸部又は凹部、特に
第1の基材を構成する複数の凸部の高さや凹部の深さを
実質的に等しくするとともに、当該複数の凸部又は凹部
を平面方向にランダムに配列することが好ましい。この
理由は、複数の凸部又は凹部が規則的に配列されている
と、液晶表示装置等に使用された場合に、干渉縞が発生
し、画像品質が著しく低下する場合があるためである。
また、かかる複数の凸部の高さや凹部の深さを実質的に
等しくするのは、逆に、特開平6−27481号公報や
特開平11−281972号公報に記載されたように、
複数の凸部の高さや凹部の深さを異ならせると、製造が
困難となって、安定して干渉縞の発生を抑制することが
できない場合があるためである。
【0059】また、複数の凸部又は凹部の径を異なら
せ、例えば、2〜10種類の凸部又は凹部を設けること
が好ましい。この理由は、このように構成することによ
り、1種類の凸部又は凹部によっては得られないような
複雑な光反射を可能とし、光をより分散して散乱させる
ことができるためである。したがって、径が異なる複数
の凸部又は凹部を設けることにより、干渉縞の発生をさ
らに有効に防止することができる。
【0060】ランダム配列2 複数の凸部又は凹部を、光反射膜が使用される液晶表示
装置等における1画素(RGB:3ドット)、2画素
(RGB:6ドット)、又は4画素(RGB:12ドッ
ト)を一単位として、平面方向にランダムに配列するこ
とが好ましい。この理由は、RGBドットのいくつかを
単位とした複数の凸部又は凹部であっても、複数の凸部
又は凹部が光を適当に散乱させて、干渉縞の発生を有効
に防止することができるためである。また、RGBドッ
トを基本単位としてパターン化するため、パターンの情
報量を少なくすることができ、光反射膜を製造する際の
パターンの位置あわせ等が容易になるためである。な
お、このようなランダム配列は、上述したように、図2
〜図4に示す光反射膜用マスクパターンを介して、露光
プロセスによって、容易に形成することができる。
【0061】ランダム配列3 また、基材を仮想線によって分割し、当該仮想線に対し
て、複数の凸部又は凹部を鏡面対称に配列することが好
ましい。このように構成することにより、鏡面対称であ
ることを利用して、光を適当に散乱させることができる
ため、干渉縞の発生をさらに有効に防止することができ
る。また、鏡面対称パターンを利用すると、回転移動さ
せることにより一致させることができるため、パターン
の情報量を少なくすることができ、光反射膜付基板の製
造が容易になる。なお、このような鏡面対称パターンを
作成するにあたり、第1実施形態で説明した鏡面対称パ
ターンを有するマスクを好適に使用することができる。
【0062】(4)開口部 光反射膜付基板において、光を部分的に通過させるため
の開口部が設けてあることが好ましい。このように構成
することにより、反射透過両用型の液晶表示装置等に使
用することができる。すなわち、図10に示すように、
光反射膜100の一部に開口部102を設けることによ
り、光反射膜100によって外部からの光を効率的に反
射することができるとともに、内部から発せられた光に
ついても、開口部102を通して、外部に効果的に放出
することができる。なお、開口部の大きさは特に制限さ
れるものでなく、光反射膜付基板の用途等によって決定
されることが好ましいが、例えば、光反射膜付基板の全
体面積を100%としたときに、5〜80%の範囲内の
値とすることが好ましく、10〜70%の範囲内の値と
することがより好ましく、20〜60%の範囲内の値と
することがさらに好ましい。
【0063】2.反射層 厚さ 光反射膜付基板における反射層の厚さを0.05〜5μ
mの範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、か
かる反射層の厚さが0.05μm未満の値になると、反
射効果が著しく乏しくなる場合があるためである。一
方、かかる反射層の厚さが5μmを越えると、得られる
光反射膜付基板のフレキシブル性が低下したり、製造時
間が過度に長くなる場合があるためである。したがっ
て、かかる反射層の厚さを0.07〜1μmの範囲内の
値とすることがより好ましく、0.1〜0.3μmの範
囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0064】種類 また、反射層の構成材料は特に制限されるものでなく、
例えば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(C
u)、金(Au)、クロム(Cr)、タンタル(W)及
びニッケル(Ni)等の導電性や光反射性に優れた金属
材料とすることが好ましい。また、上記反射層の上に酸
化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム、あるい
は酸化スズ等の透明導電材料を使用することも好まし
い。ただし、このような金属材料や透明導電材料を用い
た際に、液晶への溶け込みがある場合には、当該金属材
料等からなる反射膜の表面に電気絶縁膜を設けたり、金
属材料等とともに、電気絶縁物をスパッタリング等する
ことも好ましい。
【0065】下地層 また、反射層を第2の基板の上に形成するにあたり、密
着力を向上させるとともに、反射層をなだらかな曲面と
するために、厚さ0.01〜2μmの下地層を設けるこ
とが好ましい。なお、このような下地層の構成材料とし
て、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ア
ルミニウムカップリング剤、アルミニウム−マグネシウ
ム合金、アルミニウム−シラン合金、アルミニウム−銅
合金、アルミニウム−マンガン合金、アルミニウム−金
合金等の一種単独あるいは二種以上の組み合わせが挙げ
られる。
【0066】鏡面反射率 また、反射層における鏡面反射率を5〜50%の範囲内
の値とすることが好ましい。この理由は、かかる鏡面反
射率が5%未満の値となると、液晶表示装置等に使用し
た場合に、得られる表示画像の明るさが著しく低下する
場合があるためである。一方、かかる鏡面反射率が50
%を超えると、散乱性が低下して、背景の写りこみや、
外部光が過度に鏡面反射する場合があるためである。し
たがって、反射層における鏡面反射率を10〜40%の
範囲内の値とすることがより好ましく、15〜30%の
範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0067】上述した光反射膜付基板を、他の構成部
材、例えば、図14及び図15に示すように、カラーフ
ィルタ150、遮光層151、オーバーコート層15
7、複数の透明電極154と、配向膜等と組み合わせる
ことが好ましい。このように組み合わせることにより、
干渉縞の発生が少ない、カラー液晶表示装置等の部材を
効率的に提供することができる。例えば、RGB(赤、
青、緑)の3色の色要素により構成したストライプ配
列、モザイク配列、あるいはデルタ配列等のカラーフィ
ルタ150を組み合わせることにより、容易にカラー化
が図れるし、さらに遮光層151と組み合わせることに
より、コントラストに優れた画像を得ることができる。
また、光反射膜付基板は反射電極として使用することも
できるが、他の電極、例えば、透明電極154を設ける
ことにより、光吸収を防ぎながら、複数の凸部又は凹部
からなる反射膜の影響を排除することができる。さら
に、RGB(レッド、グリーン、ブルー)からなる3色
素からなるカラーフィルタのかわりに、YMC(イエロ
ー、マゼンダ、シアン)からなる3色素によってカラー
フィルタを構成することも好ましい。このように、YM
Cの3色素からなるカラーフィルタは、光透過特性に優
れ、例えば、反射型液晶表示装置に用いた場合には、さ
らに明るい表示を得ることができる。
【0068】[第3実施形態]第3実施形態は、複数のド
ット領域を有する基材に光反射膜を形成する方法であっ
て、基材に感光性材料を塗布する工程と、感光性材料を
露光する工程と、露光した感光性材料に凹凸を形成する
工程と、凹凸上に光反射膜を形成する工程と、を具備
し、凹凸は所定形状を有しているとともに、当該所定形
状同士が一部重なり合い、その凹凸のパターンが、ドッ
ト領域の数より少ない複数ドット分を一単位とし、かつ
その一単位内において不規則になるように形成されるこ
とを特徴とする光反射膜の形成方法である。すなわち、
光透過部又は光不透過部を、例えば、重なり合う円及び
重なり合う多角形、あるいはいずれか一方の平面形状と
し、かつ、平面方向にランダムに配列されたマスクを使
って、塗布された感光性樹脂に対して、露光プロセスに
よって、高さが実質的に等しく、平面方向にランダムに
配列され、かつ、平面形状が、重なり合う円及び重なり
合う多角形、あるいはいずれか一方の平面形状の独立し
た複数の凸部又は凹部を有する第1の基材を形成する工
程と、当該第1の基材の表面に感光性樹脂を塗布して、
露光プロセスによって、連続した複数の凸部又は凹部を
有する第2の基材を形成する工程と、当該第2の基材の
表面に反射層を形成する工程と、を含むことを特徴とす
る光反射膜付基板の製造方法である。以下、図11及び
図12を適宜参照しながら、第1の基材の表面に凹部を
形成する場合を例に採って、光反射膜付基板の製造方法
を具体的に説明する。なお、図11は、光反射膜付基板
の製造工程を図式化したものであって、図12は、それ
のフローチャートである。
【0069】1.第1の基材を形成する工程 平面方向にランダムに配列された複数の凹部を、第1実
施形態で説明したマスクを利用して、ポジ型感光性樹脂
から、露光プロセスによって形成することが好ましい。
すなわち、光透過部又は光不透過部を、重なり合う円及
び重なり合う多角形、あるいはいずれか一方の平面形状
とし、平面方向にランダムに配列してあるマスクを用い
て、そのマスクパターンに対応させて、重なり合う円及
び重なり合う多角形、あるいはいずれか一方の平面形状
の独立した複数の凹部を、感光性樹脂から構成してある
ことが好ましい。
【0070】(1)感光性樹脂 第1の基材を構成する感光性樹脂の種類は特に制限され
るものではないが、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ
系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂、オキセ
タン系樹脂等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙
げられる。また、精度良く、所定の円形又は多角形とす
ることができるように、感光性樹脂中に、シリカ粒子、
酸化チタン、酸化ジルコニア、酸化アルミニウム等の無
機フィラーを添加しておくことも好ましい。なお、上述
したように、第1の基材を構成する感光性樹脂として
は、光透過部を透過した光が照射された箇所が光分解し
て、現像剤に対して可溶化するポジ型と、光透過部を透
過した光が照射された箇所が硬化し、現像剤に対して不
溶化するネガ型とがあるが、いずれも好適に使用するこ
とができる。
【0071】(2)露光プロセス 図11(a)及び図12の工程P31に示すように、独
立した複数の凹部である第1の基材を形成するにあた
り、スピンコーター等を用いて、第1の基材を構成する
感光性樹脂を、支持部114上に均一に塗布して、第1
層110を形成することが好ましい。その場合、スピン
コーターの条件として、例えば、600〜2、000r
pmの回転数で、5〜20秒とすることが好ましい。次
いで、解像度を向上させるために、図12の工程P32
に示すように、第1層110をプリベークすることが好
ましい。その場合、例えば、ホットプレートを用いて、
80〜120℃、1〜10分の加熱条件とすることが好
ましい。
【0072】次いで、図11(b)及び図12の工程P
33に示すように、第1実施形態のマスク119を使用
し、均一に塗布された感光性樹脂からなる第1層110
の上に、第1実施形態のマスク119を載置した後、i
線等を露光することが好ましい。その場合、i線等の露
光量を例えば50〜300mJ/cm2の範囲内の値と
することが好ましい。
【0073】次いで、図11(c)及び図12の工程P
34に示すように、現像液によって、例えば、マスク1
19の光透過部117を透過した部分をポジ現像するこ
とにより、平面方向にランダムに配列され、独立した複
数の凹部からなる第1の基材112を形成することがで
きる。なお、第2の基材113を形成する前に、図12
の工程P35及び図36に示すように、一例として、露
光量が300mJ/cm2となるように全面的にポスト
露光した後、220℃、50分の条件で加熱することに
よってポストベークし、第1の基材112をさらに強固
にすることも好ましい。
【0074】2.第2の基材を形成する工程 第2の基材を形成する工程は、樹脂塗布等によって、第
1の基材上、すなわち、平面方向にランダムに配列され
た複数の凹部上に、連続層としての第2の基材を形成す
る工程である。
【0075】(1)感光性樹脂 第2の基材を構成する感光性樹脂の種類は特に制限され
るものではないが、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ
系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げ
られる。また、第1の基材と第2の基材との間の密着力
が向上するため、第2の基材を構成する感光性樹脂と、
第1の基材を構成する感光性樹脂とを同種とすることが
好ましい。なお、第1の基材と第2の基材との間の密着
力が向上するため、第1の基材の表面に、シランカップ
リング剤等の処理を施しておくことが好ましい。
【0076】(2)露光工程 図11(d)及び図12の工程P37〜P40に示すよ
うに、第2の基材113を形成するにあたっては、第2
の基材113を構成する感光性樹脂を塗布した後、パネ
ル表示領域周辺の実装領域にi線等を露光して樹脂層を
除去することが好ましい。この場合も、第1の基材11
2を露光させるのと同様に、i線等の露光量を例えば5
0〜300mJ/cm2の範囲内の値とすることが好ま
しい。さらに、図12の工程P41〜P42に示すよう
に、第2の基材113を形成した後に、一例として、露
光量が300mJ/cm2となるように全面的にポスト
露光した後、220℃、50分の条件で加熱することに
よってポストベークし、第1の基材112及び第2の基
材113をそれぞれさらに強固にすることも好ましい。
【0077】3.反射層を形成する工程 反射層を形成する工程は、図11(e)及び図12の工
程P43〜P44に示すように、第2の基材113の表
面に、適度に光散乱させるように、滑らかな曲面を有す
る反射層116を形成する工程である。
【0078】(1)反射層材料 反射層材料としては、第2実施形態で説明したように、
アルミニウム(Al)及び銀(Ag)等の光反射性に優
れた金属材料とすることが好ましい。
【0079】(2)形成方法 スパッタリング等の手法を用いて、反射層を形成するこ
とが好ましい。また、所望の箇所以外の反射層材料は、
フォトエッチング等の手法で除去することができる。ま
た、第2の基材の表面に凹凸があるため、反射層材料が
均一な厚さに積層しない場合があるが、そのようなとき
には、回転蒸着法や回転スパッタリング法を採用するこ
とが好ましい。さらにまた、反射層を形成するととも
に、当該反射層をTFT(Thin Film Transistor)や、
MIM(Metal Insulating Metal)等の端子に対して、電
気接続することが好ましい。
【0080】[第4実施形態]第4実施形態は、アクティ
ブ素子として2端子型の能動素子であるTFD(Thin F
ilm Diode)を用いたアクティブマトリクス方式の液晶
表示装置であって、基板間に挟持された液晶素子と、当
該液晶素子の観察側と反対側の基板に設けられた光反射
膜付基板と、を具備しており、当該光反射膜付基板が、
基材及び反射層からなり、当該基材に形成された複数の
凸部の高さや凹部の深さを実質的に等しくしてあるとと
もに、当該複数の凸部又は凹部の平面形状を、重なり合
う円及び重なり合う多角形、あるいはいずれか一方の平
面形状とし、かつ、当該複数の凸部又は凹部が平面方向
にランダムに配列してあることを特徴とした液晶表示装
置である。以下、図23〜図25を参照して具体的に説
明するが、外部光を用いた反射表示と照明装置を用いた
透過表示を選択的に行うことができる方式の半透過反射
型液晶装置を例にとって説明する。
【0081】まず、本実施形態においても液晶装置23
0は、図23に示すように、第1基板231aと第2基
板231bとをシール材(図示せず)によって貼り合わ
せ、さらに、第1基板231a、第2基板231b及び
シール材によって囲まれる間隙すなわちセルギャップ内
に液晶を封入することによって形成される。なお、一方
の基板231bの表面に、液晶駆動用IC(図示せず)
が、例えば、COG(Chip on glass)方式によって直
接的に実装されていることが好ましい。そして、図23
において、液晶装置230の表示領域を構成する複数の
表示ドットのうち、数個の断面構造を拡大して示してお
り、図24は、1つの表示ドット部分の断面構造を示し
ている。
【0082】ここで、図23に示すように、第2基板2
31bのシール材によって囲まれる内部領域には、複数
の画素電極が、行方向XX及び列方向YYに関してドッ
トマトリクス状の配列で形成される。また、第1基板2
31aのシール材によって囲まれる内部領域にはストラ
イプ状の電極が形成され、そのストライプ状電極が第2
基板231b側の複数の画素電極に対向して配置される
ことになる。また、第1基板231a上のストライプ状
電極と、第2基板231b上の1つの画素電極によって
液晶を挟んだ部分が1つの表示ドットを形成し、この表
示ドットの複数個がシール材によって囲まれる内部領域
内で、ドットマトリクス状に配列することによって表示
領域が形成される。また、液晶駆動用ICは複数の表示
ドット内の対向電極間に選択的に走査信号及びデータ信
号を印加することにより、液晶の配向を表示ドット毎に
制御することになる。すなわち、液晶の配向制御により
該液晶を通過する光が変調されて、表示領域内に文字、
数字等といった像が表示される。
【0083】また、図24において、第1基板231a
は、ガラス、プラスチック等によって形成された基材2
36aと、その基材236aの内側表面に形成された光
反射膜231と、その光反射膜231の上に形成された
カラーフィルタ242と、そのカラーフィルタ242の
上に形成された透明なストライプ状電極243とを有す
る。そのストライプ状電極243の上には、配向膜24
1aが形成される。この配向膜241aに対して配向処
理としてのラビング処理が施される。ストライプ状電極
243は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明
導電材料によって形成される。また、第1基板231a
に対向する第2基板231bは、ガラス、プラスチック
等によって形成された基材236bと、その基材236
bの内側表面に形成されたスイッチング素子として機能
するアクティブ素子としてのTFD(Thin Film Diod
e)247と、このTFD247に接続された画素電極
239とを有する。TFD247及び画素電極239の
上には、配向膜241bが形成され、この配向膜241
bに対して配向処理としてのラビング処理が施される。
画素電極239は、例えばITO(Indium Tin Oxide)
等の透明導電材料によって形成される。また、第1基板
231aに属するカラーフィルタ242は、第2基板2
31b側の画素電極239に対向する位置にR(赤),
G(緑),B(青)又はY(イエロー),M(マゼン
タ),C(シアン)等といった各色のいずれかの色フィ
ルタエレメント242aを有し、画素電極239に対向
しない位置にブラックマスク242bを有することが好
ましい。
【0084】また、図24に示すように、第1基板23
1aと第2基板231bとの間の間隔、すなわちセルギ
ャップはいずれか一方の基板の表面に分散された球状の
スペーサ304によって寸法が維持され、そのセルギャ
ップ内に液晶が封入される。ここで、TFD247は、
図24に示すように、第1金属層244と、その第1金
属層244の表面に形成された絶縁層246と、その絶
縁層246の上に形成された第2金属層248とによっ
て構成されている。このようにTFD247は、第1金
属層/絶縁層/第2金属層から成る積層構造、いわゆる
MIM(Metal Insulator Metal)構造によって構成さ
れている。また、第1金属層244は、例えば、タンタ
ル単体、タンタル合金等によって形成される。第1金属
層244としてタンタル合金を用いる場合には、主成分
のタンタルに、例えば、タングステン、クロム、モリブ
デン、レニウム、イットリウム、ランタン、ディスプロ
リウム等といった周期律表において第6〜第8族に属す
る元素が添加される。また、第1金属層244はライン
配線249の第1層249aと一体に形成される。この
ライン配線249は画素電極239を間に挟んでストラ
イプ状に形成され、画素電極239へ走査信号を供給す
るための走査線又は画素電極239へデータ信号を供給
するためのデータ線として作用する。また、絶縁層24
6は、例えば、陽極酸化法によって第1金属層244の
表面を酸化することによって形成された酸化タンタル
(Ta25)によって構成される。なお、第1金属層2
44を陽極酸化したときには、ライン配線249の第1
層249aの表面も同時に酸化されて、同様に酸化タン
タルから成る第2層249bが形成される。また、第2
金属層248は、例えばCr等といった導電材によって
形成される。画素電極239は、その一部が第2金属層
248の先端に重なるように基材236bの表面に形成
される。なお、基材236bの表面には、第1金属層2
44及びライン配線の第1層249aを形成する前に酸
化タンタル等によって下地層を形成することがある。こ
れは、第2金属層248の堆積後における熱処理によっ
て第1金属層244が下地から剥離しないようにした
り、第1金属層244に不純物が拡散しないようにした
りするためである。
【0085】そして、第1基板231aに形成された光
反射膜231は、例えば、アルミニウム等といった光反
射性の金属によって形成され、第2基板231bに属す
る各画素電極239に対応する位置、すなわち各表示ド
ットに対応する位置に光透過用の開口241が形成され
る。また、光反射膜231の液晶側表面には、例えば、
図8及び図18〜図22に示すような長円形状でドーム
形状の谷部又は山部80、84、180、190、20
0、210、220が形成してあることが好ましい。す
なわち、かかる谷部又は山部80、84、180、19
0、200、210、220は、ライン配線の延在方向
であるX軸線方向を長軸とし、それと直角なY軸線方向
が短軸となるように配列されていることが好ましい。ま
た、谷部又は山部80、84、180、190、20
0、210、220の長軸方向Xは、基材のXX方向に
延びる端辺に対して平行に設定され、短軸方向Yは基材
のYY方向に延びる端辺に対して平行に設定されている
ことが好ましい。
【0086】第4実施形態の液晶表示装置230は以上
のように構成されているので、当該液晶表示装置230
が反射型表示を行う場合には、図23において、観察者
側すなわち第2基板231b側から液晶表示装置230
の内部へ入った外部光は、液晶を通過して光反射膜23
1に到達し、当該反射膜231で反射して再び液晶へ供
給される(図24の矢印F1参照)。液晶は、画素電極
239とストライプ状対向電極243との間に印加され
る電圧、すなわち走査信号及びデータ信号によって表示
ドット毎にその配向が制御され、これにより、液晶に供
給された反射光は表示ドット毎に変調され、これにより
観察者側に文字、数字等といった像が表示される。他
方、液晶表示装置230が透過型表示を行う場合には、
第1基板231aの外側に配置された照明装置(図示せ
ず)、いわゆるバックライトが発光し、この発光が偏光
板233a、位相差板232a、基材236a、光反射
膜231の開口241、カラーフィルタ242、電極2
43及び配向膜241aを通過した後に液晶に供給され
る(図24の矢印F2参照)。この後、反射型表示の場
合と同様にして表示が行われる。
【0087】そして、第4実施形態では、光反射膜付基
板における基材上に、重なり合う円及び重なり合う多角
形、あるいはいずれか一方の平面形状を有する複数の凸
部又は凹部を設けるとともに、当該複数の凸部又は凹部
の高さを実質的に変えずに、平面方向にランダムに配列
してあることから、干渉縞の発生を少なくすることがで
きる。また、第4実施形態において、上述したように、
複数の凸部又は凹部におけるX軸線に沿った立体形状と
Y軸線に沿った立体形状とを互いに異ならせた場合に
は、一定の視野角方向への反射光量を低く抑えた上で、
別の特定の視野角方向への反射光量を増大させることが
できる。この結果、観察者は、光反射膜を用いて行われ
る反射型表示の際に、液晶表示装置の表示領域内に表示
される像を特定の視野角方向に関して非常に明るい表示
として観察できる。
【0088】[第5実施形態]第5実施形態は、パッシブ
マトリクス方式の反射型液晶表示装置に関する液晶表示
装置であって、基板間に挟持された液晶素子と、当該液
晶素子の観察側と反対側の基板に設けられた光反射膜付
基板と、を具備しており、当該光反射膜付基板が、基材
及び反射層からなり、当該基材に形成された複数の凸部
の高さや凹部の深さを実質的に等しくしてあるととも
に、当該複数の凸部又は凹部の平面形状を、重なり合う
円及び重なり合う多角形、あるいはいずれか一方の平面
形状とし、かつ、当該複数の凸部又は凹部が平面方向に
ランダムに配列してあることを特徴とした液晶表示装置
である。以下、図14等を適宜参照しながら、第5実施
形態におけるパッシブマトリクス方式の反射型液晶表示
装置を、具体的に説明する。なお、以下に示す各図にお
いては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大き
さとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならせてあ
る場合がある。
【0089】1.構成 図14に示すように、この液晶表示装置140は、相互
に対向する第1基板141と第2基板142とがシール
材158を介して貼り合わされ、両基板の間に液晶14
4が封入された構成となっている。さらに、この液晶表
示装置141の観察側には、光透過性を有する保護板1
45が配設される。この保護板145は、当該液晶表示
装置140を外部から与えられる衝撃などから保護する
ための板状部材であり、例えば液晶表示装置140が搭
載される電子機器の筐体に設けられる。また、保護板1
45は、液晶表示装置140における第1基板141
(観察側の基板)の基板面と近接するように配設され
る。なお、第5実施形態においては、プラスチックから
なる保護板145を、第1基板141の構成要素のうち
最も観察側に位置する偏光板146の表面に当接させた
場合を想定する。このように保護板145をプラスチッ
クにより構成した場合、成形が容易で安価に製造できる
という利点がある反面、その表面に微細な凹凸が形成さ
れやすい。
【0090】一方、液晶表示装置140の第1基板14
1及び第2基板142は、ガラスや石英、プラスチック
等の光透過性を有する板状部材である。このうち、観察
側に位置する第1基板141の内側(液晶144側)表
面には、所定の方向に延在する複数の透明電極143が
形成されている。各透明電極143は、ITO(Indium
Tin Oxide)等の透明導電材料によって形成された帯状
の電極である。さらに、これらの透明電極143が形成
された第1基板141の表面は、配向膜(図示略)によ
って覆われている。この配向膜はポリイミド等の有機薄
膜であり、電圧が印加されていないときの液晶144の
配向方向を規定するためのラビング処理が施されてい
る。
【0091】2.光散乱膜 第1基板141の外側(液晶144とは反対側)には、
入射光を所定方向に偏光させる偏光板146と、第1基
板141と偏光板146との間に介在する散乱層147
とが設けられている。散乱層147は、当該散乱層14
7を透過する光を散乱させるための層であり、偏光板1
46を第1基板141に貼着するための接着剤148a
と、当該接着剤148a中に分散された多数の微粒子1
48bとを有する。この散乱層147としては、例えば
アクリル系又はエポキシ系等の接着剤148aに、シリ
カからなる微粒子148bを分散させたものを用いるこ
とができる。そして、接着剤148aの屈折率と微粒子
148bの屈折率とは異なっており、当該散乱層147
に入射した光は接着剤148aと微粒子148bとの境
界において屈折するようになっている。この結果、散乱
層147への入射光を、適度に散乱させた状態で出射さ
せることができる。
【0092】さらに、第5実施形態における散乱層14
7は、そのヘイズ値(曇価)Hが10〜60%の範囲内
の値となるように、接着剤148a中に分散される微粒
子148bの数や両者の屈折率などが選定されている。
ここで、ヘイズ値Hとは、ある部材への入射光が当該部
材を透過する際に散乱する程度を表す値であり、以下の
式により定義される。 ヘイズ値(曇価)H=(Td/Tt)×100(%)
【0093】ここで、Ttは全光線透過率(%)であ
り、Tdは散乱光透過率(%)である。全光線透過率T
tは、ヘイズ値Hの測定対象となる試料への入射光量の
うち当該試料を透過した光量の割合を表す値である。一
方、散乱光透過率Tdは、試料に対して所定方向から光
を照射した場合に、当該試料を透過した光量のうち上記
所定方向以外の方向に出射した光量、すなわち、散乱光
量の割合を表す値である。つまり、試料からの出射光量
のうち入射光と平行な方向への出射光量の割合を平行光
透過率Tp(%)とすると、上記散乱光透過率Tdは、
上記全光線透過率Ttと平行光透過率Tpとの差(Td
=Tt−Tp)により表される。上記からも明らかなよ
うに、ヘイズ値Hが高ければ散乱の程度が大きく、すな
わち透過光量に占める散乱光量の割合が大きく、逆にヘ
イズ値Hが低ければ散乱の程度が小さい、すなわち透過
光量に占める散乱光量の割合が小さいということができ
る。なお、上記ヘイズ値(曇価)Hについては、JIS(Ja
panese Industrial Standards) K6714-1977に詳述され
ている。
【0094】3.反射層(光反射膜) 一方、第2基板142の内側(液晶144側)表面には
反射層149が形成されている。この反射層149は、
液晶表示装置140に対して観察側から入射した光を反
射させるための層であり、例えばアルミニウムや銀とい
った光反射性を有する金属によって形成される。ここ
で、図14に示すように、第2基板142の内側表面の
うち反射層149によって覆われる領域は多数の微細な
突起及び窪みが形成された粗面となっている。より具体
的には、基材と、反射層とを含む光反射膜付基板であっ
て、当該基材の表面に独立して形成された複数の凸部の
高さや凹部の深さを実質的に等しくするとともに、当該
複数の凸部又は凹部の平面形状を、重なり合う円及び重
なり合う多角形、あるいはいずれか一方の平面形状と
し、かつ、複数の凸部又は凹部を平面方向にランダムに
配列した反射層149である。このため、反射層149
の表面は、第2基板142表面の突起及び窪みを反映し
た粗面となる。すなわち、反射層149は、当該表面に
おける反射光を適度に散乱させて広い視野角を実現する
ための散乱構造を有している。より具体的には、反射層
149が、複数の凸部又は凹部からなる基材上に形成さ
れており、そして、基材に形成された複数の凸部の高さ
を実質的に等しくしてあるとともに、当該複数の凸部又
は凹部の平面形状を、重なり合う円及び重なり合う多角
形、あるいはいずれか一方の平面形状とし、かつ、当該
複数の凸部又は凹部が平面方向にランダムに配列してあ
る構造である。
【0095】4.その他の構成 さらに、第2基板142を覆う反射層149の面上に
は、カラーフィルタ150と、遮光層151と、カラー
フィルタ150及び遮光層151によって形成される凹
凸を平坦化するためのオーバーコート層157と、複数
の透明電極154と、配向膜(図示略)とが形成されて
いる。各透明電極154は、第1基板141上の透明電
極143の延在方向と交差する方向(図14における紙
面左右方向)に延在する帯状の電極であり、透明電極1
43と同様にITO等の透明導電材料によって形成され
る。かかる構成の下、液晶144は、透明電極143と
透明電極154との間に印加された電圧に応じてその配
向方向が変化する。すなわち、透明電極143と透明電
極154とが交差する領域が画素(サブ画素)として機
能するのである。カラーフィルタ150は、これらの画
素の各々に対応して設けられた樹脂層であり、染料や顔
料によってR、G、Bのいずれかに着色されている。ま
た、遮光層151は、各画素の間隙部分を遮光するため
の格子状の層であり、例えばカーボンブラックが分散さ
れた黒色樹脂材料などによって形成される。
【0096】5.動作 以上説明した構成によって反射型表示が実現される。す
なわち、太陽光や室内照明光等の外光は、保護板145
を透過して液晶表示装置140に入射し、反射層149
の表面で反射する。この反射光は、液晶144及び第1
基板141を透過し、散乱層147において適度に散乱
された後に偏光板146を透過して液晶表示装置140
の観察側に出射する。そして液晶表示装置140からの
出射光は、保護板145を透過して観察者に視認され
る。
【0097】ここで、上述したように、保護板145の
材料としてプラスチックを用いた場合、その表面を完全
な平面とすることは困難であり、複数の微細な凹凸が形
成されやすい。このように微細な凹凸が形成された保護
板145を液晶表示装置140の第1基板141と近接
するように配設した場合、当該液晶表示装置140から
の出射光が保護板145を透過するときに干渉する結
果、当該凹凸に対応する干渉縞が表示画像に重なって表
示品位の低下を招き得る。しかしながら、本発明者によ
る試験の結果、上記実施形態に示したように、液晶14
4を通過して保護板145に至る光を散乱層147によ
って散乱させた場合には、高品位の表示を実現すること
ができる。
【0098】また、図14に示した構成において、干渉
縞の発生を抑えるという観点からは、散乱層147のヘ
イズ値Hが高い、つまり、散乱の程度が高いことが望ま
しい。しかしながら、このヘイズ値Hをあまりに高い値
(例えば70%以上の値)とした場合、液晶表示装置1
40から保護板145に至る光が散乱し過ぎて表示画像
のコントラストが低下する、すなわち表示画像がぼやけ
るという新たな問題が生じ得る。一方、散乱層147の
ヘイズ値Hをあまりに低い値とした場合、例えば10%
以下の値とした場合、凹凸に起因するシミが見え易い。
本発明者による試験の結果、凸部又は凹部により形成さ
れるパターンが、1ドット又は2ドットにより定義され
る一単位において不規則に配列されている場合には、散
乱層147のヘイズ値Hを40%〜60%の範囲内の値
に設定するのが好ましく、表示画像のコントラストが著
しく低下するのを回避しつつ、保護板145の表面の凹
凸に起因した表示品位の低下を有効に抑えることがで
き、良好な表示品位を確保できるという知見を得るに至
った。また、凸部又は凹部により形成されるパターン
が、3ドット以上で定義される一単位内において不規則
に配列されている場合には、散乱層147のヘイズ値H
を10%〜40%の範囲内の値に設定することで、コン
トラストを高く設定することができた。
【0099】なお、第5実施形態に示したように、接着
剤148a中に微粒子148bを分散させた散乱層14
7を用いた場合、例えば微粒子148bの添加量(数)
を調節することによってヘイズ値Hを任意に選定するこ
とができる。すなわち、接着剤148a中に分散させる
微粒子148bの添加量を増やせば、当該散乱層147
への入射光はより散乱することとなるため、当該散乱層
147のヘイズ値Hを高くすることができ、逆に微粒子
の添加量を減らせば散乱層147のヘイズ値Hを低くす
ることができるといった具合である。
【0100】また、第5実施形態によれば、液晶表示装
置140から出射する光の散乱の程度を広範囲にわたっ
て容易に選定できるという利点がある。すなわち、上記
散乱層147を有しない液晶表示装置において、液晶表
示装置140から出射する光の散乱の程度を調節するた
めには、反射層149の表面の形状、例えば凸部の高さ
や凹部の深さ、もしくは隣接する凸部(又は凹部)間の
距離などを調節する必要がある。しかしながら、このよ
うに反射層149の表面を正確に所望の形状にすること
は、第2基板142上に所望の凹凸を形成する製造技術
上の事情などを考慮すると必ずしも容易ではない。さら
に、反射層149表面の形状を調節することのみによっ
ては、液晶表示装置140から出射する光の散乱の程度
を調節可能な幅が極めて狭い範囲に限定されてしまう。
これに対し、本実施形態によれば、反射層149の表面
の形状を大幅に変更しなくても、散乱層147のヘイズ
値Hを変更することによって、例えば接着剤148a中
に分散する微粒子148bの添加量などを適宜調節する
ことによって、液晶表示装置140から出射する光の散
乱の程度を広範囲にわたって容易に調節できるという利
点がある。
【0101】[第6実施形態]第6実施形態は、基板間に
挟持された液晶素子と、当該液晶素子の観察側とは反対
側の基板に設けられた光反射膜付基板と、を具備した液
晶表示装置であって、当該光反射膜付基板が、基材及び
反射層からなり、当該基材に形成された複数の凸部の高
さや凹部の深さを実質的に等しくしてあるとともに、当
該複数の凸部又は凹部の平面形状を、重なり合う円及び
重なり合う多角形、あるいはいずれか一方の平面形状と
し、かつ、当該複数の凸部又は凹部が平面方向にランダ
ムに配列してあるパッシブマトリクス方式の半透過反射
型液晶表示装置である。そこで、図15を参照して、第
6実施形態のパッシブマトリクス方式の半透過反射型液
晶表示装置について、具体的に説明する。
【0102】1.基本構成 図15に示すように、第6実施形態においては、液晶表
示装置160の背面側(観察側とは反対側)にバックラ
イトユニット153が配設される。このバックライトユ
ニット153は、光源として機能する複数のLED15
(図15においてはひとつのLED15のみが図示され
ている。)と、側端面に入射したLED15からの光を
液晶表示装置160における第2基板142の全面に導
く導光板152と、この導光板152により導かれた光
を液晶表示装置160に対して一様に拡散させる拡散板
155と、導光板152から液晶表示装置160とは反
対側に出射した光を液晶表示装置160側に反射させる
反射板156とを有する。ここで、LED15は常に点
灯しているわけではなく、外光がほとんど存在しないよ
うな環境において使用される場合に、ユーザからの指示
やセンサからの検出信号に応じて点灯する。
【0103】さらに、第6実施形態に係る液晶表示装置
160においては、反射層149のうち各画素の中央部
近傍に対応する領域に開口部159が形成されている。
また、第2基板142の外側(液晶144とは反対側)
には別の偏光板が貼着されるが、図15においてはその
偏光板を省略して図示している。
【0104】2.動作 かかる構成の液晶表示装置160によれば、上記第6実
施形態において示した反射型表示に加えて、透過型表示
を実現することができる。すなわち、バックライトユニ
ット153から液晶表示装置160に照射された光は、
反射層149の開口部159を通過する。この光は、液
晶144及び第1基板141を透過し、散乱層147に
おいて散乱した後に偏光板146を透過して液晶表示装
置160の観察側に出射する。そして、この出射光が保
護板145を透過して観察側に出射することにより、透
過型表示が実現されるのである。したがって、本実施形
態においても、上述した第6実施形態と同様、表面に微
細な凹凸が形成された保護板145を液晶表示装置16
0と近接して設けた場合であっても、当該凹凸に起因し
た表示品位の低下を抑えることができる。
【0105】[第7実施形態]第7実施形態は、基板間に
挟持された液晶素子と、当該液晶素子の観察側とは反対
側の基板に設けられた光反射膜付基板と、を具備した液
晶表示装置であって、当該光反射膜付基板が、基材及び
反射層からなり、当該基材に形成された複数の凸部の高
さや凹部の深さを実質的に等しくしてあるとともに、当
該複数の凸部又は凹部の平面形状を、重なり合う円及び
重なり合う多角形、あるいはいずれか一方の平面形状と
し、かつ、当該複数の凸部又は凹部が平面方向にランダ
ムに配列してある液晶表示装置の変形例である。
【0106】(1)変形例1 上記各実施形態においては、散乱層147を第1基板1
41と偏光板146との間に設けた構成としたが、散乱
層147の位置はこれに限られるものではない。例え
ば、干渉色を補償するための位相差板を偏光板146と
第1基板141との間に設ける場合、当該位相差板と第
1基板141との間に散乱層147を介挿してもよい
し、又は位相差板と偏光板146との間に散乱層147
を介挿してもよい。要は、散乱層147が、液晶144
に対して保護板145側に設けられた構成であればよい
のである。
【0107】また、上記各実施形態においては、接着剤
148a中に多数の微粒子148bを分散させた構成の
散乱層147を用いたが、散乱層147の構成はこれに
限られるものではなく、入射光を散乱させることができ
る層であれば、いかなる構成であってもよい。もっと
も、接着剤148aを含む散乱層147を用いた場合に
は、当該散乱層147を挟む部材、例えば、上記各実施
形態における第1基板141と偏光板146同士を当該
接着剤148aによって接着することができるから、接
着剤148aを含まない散乱層147を用いた場合と比
較して、製造コストの低減及び製造工程の簡素化を図る
ことができるという利点がある。
【0108】(2)変形例2 上記第5実施形態においては反射型液晶表示装置を、第
6実施形態においては半透過反射型液晶表示装置を例示
したが、反射層149を有さず透過型表示のみを行う透
過型液晶表示装置にも本発明を適用可能である。すなわ
ち、透過型液晶表示装置においては、図15に示した半
透過反射型液晶表示装置のうち反射層149を除いた構
成とすればよい。また、上記第4実施形態においては、
開口部159を有する反射層149によって反射型表示
と透過型表示の双方を実現する構成としたが、かかる反
射層149に代えて、照射された光のうちの一部を透過
させて他の一部を反射させる、いわゆるハーフミラーを
用いた半透過反射型液晶表示装置にも、本発明を適用で
きることはいうまでもない。
【0109】(3)変形例3 上記各実施形態においては、保護板145としてプラス
チックの板状部材を用いた場合を例示した。かかる保護
板145の表面には凹凸が形成されやすいため、本発明
を適用することによって特に顕著な効果を奏し得る。し
かしながら、保護板145の材料はこれに限られるもの
ではなく、他にも様々な材料の板状部材を保護板145
として用いることができる。
【0110】(4)変形例4 上記各実施形態においては、カラーフィルタ150や遮
光層151が第2基板142上に形成された場合を例示
したが、これらの要素が第1基板141上に形成された
構成の液晶表示装置や、カラーフィルタ150又は遮光
層151を具備しない液晶表示装置にも、本発明を適用
可能であることはいうまでもない。このように、観察側
に近接して保護板145が配設される構成の液晶表示装
置160であれば、その他の要素の態様如何に拘わら
ず、本発明を適用することができる。
【0111】(5)変形例5 上記第4実施形態においては、アクティブ素子として2
端子型の能動素子であるTFDを用いたアクティブマト
リクス方式の液晶表示装置を例示したが、図13に示す
ように、アクティブ素子として3端子型の能動素子であ
るTFTを用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示
装置でもよい。この場合には、図13に示すように、遮
光領域にTFT素子を設けることが好ましい。
【0112】[第8実施形態]第8実施形態は、光反射膜
付基板を具備した液晶表示装置を含む電子機器であっ
て、光反射膜付基板が、基材及び反射層を含み、当該基
材に形成された複数の凸部の高さや凹部の深さを実質的
に等しくしてあるとともに、当該複数の凸部又は凹部の
平面形状を、重なり合う円及び重なり合う多角形、ある
いはいずれか一方の平面形状とし、かつ、当該当該複数
の凸部又は凹部を平面方向にランダムに配列してあるこ
とを特徴とする電子機器である。
【0113】(1)モバイル型コンピュータ まず、本発明に係る液晶表示装置を、可搬型のパーソナ
ルコンピュータ(いわゆるノート型パーソナルコンピュ
ータ)の表示部に適用した例について説明する。図16
は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図で
ある。同図に示すように、パーソナルコンピュータ16
1は、キーボード162を備えた本体部163と、本発
明に係る液晶表示装置(図示略)を用いた表示部164
とを備えている。表示部164は、窓部165に対応し
てプラスチックの保護板145が配設された筐体166
に、本発明に係る液晶表示装置160が収容された構成
となっている。より詳細には、液晶表示装置160は、
その観察側の基板面が保護板145と近接するように、
筐体166に収容されている。なお、かかるパーソナル
コンピュータ161においては、外光が十分に存在しな
い状況下であっても表示の視認性を確保すべく、上記第
6実施形態に示したように、背面側にバックライトユニ
ット153を備えた半透過反射型液晶表示装置を用いる
ことが望ましい。
【0114】(2)携帯電話機 次に、本発明に係る液晶表示装置を、携帯電話機の表示
部に適用した例について説明する。図17は、この携帯
電話機の構成を示す斜視図である。同図に示すように、
携帯電話機170は、複数の操作ボタン171のほか、
受話口172、送話口173とともに、本発明に係る液
晶表示装置(図示略)を用いた表示部174を備えてい
る。この携帯電話機170においては、窓部174bに
対応してプラスチックの保護板175が配設された筐体
176に、本発明に係る液晶表示装置が収容された構成
となっている。なお、携帯電話機170においても、上
記パーソナルコンピュータと同様、液晶表示装置は、そ
の観察側の基板面が保護板175に近接するように、筐
体176に収容されている。
【0115】なお、本発明に係る液晶表示装置を適用可
能な電子機器としては、図16に示したパーソナルコン
ピュータや図17に示した携帯電話機のほかにも、液晶
テレビや、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオ
テープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、
電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーショ
ン、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機
器などが挙げられる。上述したように、本発明に係る液
晶表示装置によれば、表面に微細な凹凸を有する保護板
を、当該液晶表示装置の基板面と近接するように配設し
た場合であっても、当該凹凸に起因した表示品位の低下
を抑えることができる。したがって、表示品位を損なう
ことなく、保護板を液晶表示装置に近接して配設するこ
とによって電子機器の薄型化ないし小型化を図ることが
できる。
【0116】[その他の構成]本発明の光反射膜付基板を
設けた液晶表示装置、並びに光反射膜付基板を有する電
子機器によれば、表面に微細な凹凸を有する保護板を近
接して配設した場合であっても、当該凹凸に起因した表
示品位の低下を抑えることができるようになった。この
ような効果は、上述した液晶表示装置や電子機器の構成
においても得られるが、以下の構成によっても達成する
ことができる。 (1)相互に対向する一対の基板の間に液晶を有し、一
対の基板のうち観察側の基板の基板面に近接して保護板
が配設された液晶表示装置であって、透過する光を散乱
させるために設けられ、液晶に対して保護板側に設けら
れた散乱層と、前記液晶に対して観察側とは反対側に設
けられ、表面に複数の凹凸が形成された反射層と、を具
備することを特徴とする液晶表示装置である。 (2)散乱層のヘイズ値は10%以上60%以下である
ことを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置である。 (3)反射層は、光を通過させる開口部を有することを
特徴とする(1)又は(2)に記載の液晶表示装置であ
る。 (4)相互に対向する一対の基板の間に液晶を有し、一
対の基板のうち観察側の基板の基板面に近接して保護板
が配設される液晶表示装置であって、液晶に対して保護
板側に設けられ、透過する光を散乱させる散乱層であっ
て、ヘイズ値が10%以上60%以下である散乱層を具
備することを特徴とする液晶表示装置である。 (5)散乱層は、観察側の基板に配設された偏光板と、
当該観察側の基板との間に設けられていることを特徴と
する(1)〜(4)のいずれかに記載の液晶表示装置で
ある。 (6)散乱層は、接着剤中に複数の微粒子を分散させた
ものであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか
に記載の液晶表示装置である。 (7)(1)〜(6)のいずれかに記載の液晶表示装置
と、液晶表示装置における観察側の基板の基板面に近接
する保護板と、を具備することを特徴とする電子機器で
ある。
【0117】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のマスク及
びそれから得られる光反射膜付基板によれば、それぞれ
光透過部又は光不透過部、あるいは複数の凸部又は凹部
が特定のランダムパターンを有することにより、設計や
製造自体が容易になって、複数の凸部又は凹部を有する
基材上に、平坦部が少ない、滑らかな斜面を有する反射
層を形成することができ、液晶表示装置等に使用した場
合には、干渉縞の発生を効果的に抑制することができる
ようになった。また、本発明のマスクによれば、情報量
が少ないパターンを繰り返し使用するため、小型の液晶
表示装置等はもちろんのこと、大型の液晶表示装置等に
おいても、干渉縞の発生が少ない光反射膜付基板が得ら
れるマスクを、容易かつ迅速に設計することができるよ
うになった。また、本発明の光反射膜付基板を設けた電
気光学装置及び電子機器によれば、干渉縞の発生が少な
くなるとともに、設計や製造についても容易になった。
また、本発明の光反射膜付基板を設けた電気光学装置及
び電子機器によれば、光散乱膜と組み合わせることによ
り、光反射膜付基板における複数の凸部又は凹部をラン
ダムパターンにした場合に発生する不定形のシミ模様に
ついても効果的に抑制することができるようになった。
さらに、本発明の光反射膜付基板を設けた電気光学装
置、並びに光反射膜付基板を有する電子機器によれば、
表面に微細な凹凸を有する保護板を近接して配設した場
合であっても、当該凹凸に起因した表示品位の低下を抑
えることができるようになった。なお、本発明の光反射
膜付基板、及び電気光学装置、並びに電子機器は、実施
形態で説明した液晶表示装置等の他、電気泳動を利用し
た表示デバイス等にも好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のマスクを説明するために供する平面
図である。
【図2】 1画素(RGB:3ドット)を一単位とし
て、光透過部又は光不透過部を平面方向にランダムに配
列したマスクを説明するために供する平面図である。
【図3】 2画素(RGB:6ドット)を一単位とし
て、光透過部又は光不透過部を平面方向にランダムに配
列したマスクを説明するために供する平面図である。
【図4】 4画素(RGB:12ドット)を一単位とし
て、光透過部又は光不透過部を平面方向にランダムに配
列したマスクを説明するために供する平面図である。
【図5】 光透過部又は光不透過部の径が異なるマスク
を説明するために供する平面図である。
【図6】 光透過部又は光不透過部が鏡面対称にあるマ
スクを説明するために供する平面図である。
【図7】 第1の基板及び第2の基板を含む光反射膜付
基板の断面図である。
【図8】 非対称の実質的に涙型の凸部からなる光反射
膜付基板の平面図及び断面図である。
【図9】 視覚される光量と、視認する角度の関係を示
す図である。
【図10】 開口部を有する光反射膜付基板の断面図で
ある。
【図11】 光反射膜付基板の製造工程図である。
【図12】 光反射膜付基板の製造工程のフローチャー
トである。
【図13】 TFT素子に電気接続された光反射膜付基
板を説明するために供する断面図である。
【図14】 パッシブマトリクス方式の液晶表示装置の
構成を示す断面図である。
【図15】 別な液晶表示装置の構成を示す断面図であ
る。
【図16】 電子機器の一例たるパーソナルコンピュー
タの構成を示す斜視図である。
【図17】 電子機器の一例たる携帯電話機の構成を示
す斜視図である。
【図18】 実質的に円錐型の凹部からなる光反射膜付
基板の平面図及び断面図である。
【図19】 非対称の実質的に涙型の凹部からなる光反
射膜付基板の平面図及び断面図である。
【図20】 非対称の実質的にピラミッド状の凹部から
なる光反射膜付基板の平面図及び断面図である。
【図21】 実質的に水平断面が曲率半径の小さい放物
線で垂直断面がそれより曲率半径の大きい放物線の凹部
からなる光反射膜付基板の平面図及び断面図である。
【図22】 実質的に水平断面が矩形であって、垂直方
向に角錐状の凹部からなる光反射膜付基板の平面図及び
断面図である。
【図23】 TFD方式の液晶表示装置の分解図であ
る。
【図24】 TFD方式の液晶表示装置の部分断面図で
ある。
【図25】 TFD方式の液晶表示装置の部分斜視図で
ある。
【図26】 従来の液晶表示装置の構成を示す断面図で
ある。
【図27】 従来の液晶表示装置の別の構成を示す断面
図である。
【図28】 従来の液晶表示装置の製造工程図である。
【符号の説明】
10、20、30、40、50:マスク 70、100:光反射膜付基板 72、116:反射層 76、112:第1の基材 79、113:第2の基材 102:開口部 140:液晶表示装置 141:第1基板(観察側の基板) 142:第2基板 143:透明電極 144:液晶 145:保護板 146:偏光板 147:散乱層 148a:接着剤 148b:微粒子 149:反射層 150:カラーフィルタ 151:遮光層 152:導光板 153:バックライトユニット 154:透明電極 155:拡散板 156:反射板 157:オーバーコート層 158:シール材 159:開口部 160:液晶表示装置 161:パーソナルコンピュータ(電子機器) 170:携帯電話機(電子機器) 230:液晶表示装置 247:TFD
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 露木 正 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2H042 AA02 AA26 BA04 BA12 BA15 BA20 DA02 DA04 DA11 DA22 2H091 FA16Y FB02 FB08 FC26 FD02 LA18 LA20 2H095 BB02 BB36 BC09

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のドット領域を有する基板にパター
    ンを形成するためのマスクであって、 入射光を透過可能な光透過部と、 実質的に光を透過させない光不透過部と、を具備し、 前記光透過部又は光不透過部は所定形状を有しており、
    当該所定形状同士が一部重なり合うこと、 を特徴とするマスク。
  2. 【請求項2】 前記光透過部又は光不透過部の径を3〜
    15μmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1
    に記載のマスク。
  3. 【請求項3】 各々径が異なる複数の前記光透過部、又
    は各々径が異なる光不透過部を具備することを特徴とす
    る請求項1に記載のマスク。
  4. 【請求項4】 複数のドット領域を有する基板にパター
    ンを形成するためのマスクであって、 入射光を透過可能な光透過部と、 実質的に光を透過させない光不透過部と、を具備し、 前記光透過部又は光不透過部は所定形状を有しており、
    当該所定形状同士が一部重なり合い、 前記光透過部又は光不透過部により形成されるパターン
    は、複数のドット分を一単位として形成されているとと
    もに、その一単位内において対称となる個所を含むこ
    と、 を特徴とするマスク。
  5. 【請求項5】 複数のドット領域を有する基板に光反射
    膜が形成された光反射膜付基板であって、 凸部又は凹部を有する光反射膜を有し、 前記凸部又は凹部は、所定形状を有しているとともに、
    当該所定形状同士が一部重なり合うこと、 を特徴とする光反射膜付基板。
  6. 【請求項6】 前記凸部の高さ又は凹部の深さが面内に
    おいて実質的に等しいことを特徴とする請求項5に記載
    の光反射膜付基板。
  7. 【請求項7】 前記複数の凸部又は凹部の径を3〜15
    μmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項5に記
    載の光反射膜付基板。
  8. 【請求項8】 前記複数の凸部又は凹部の間隔を2〜3
    0μmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項5に
    記載の光反射膜付基板。
  9. 【請求項9】 前記複数の凸部の高さ又は凹部の深さを
    0.1〜10μmの範囲内の値とすることを特徴とする
    請求項5に記載の光反射膜付基板。
  10. 【請求項10】 前記複数のドットにより定義される単
    位は、前記ドット領域の数より少なく、かつ前記単位を
    複数個含むことを特徴とする請求項5に記載の光反射膜
    付基板。
  11. 【請求項11】 各々径が異なる複数の前記凸部、又は
    各々径が異なる複数の前記凹部を具備することを特徴と
    する請求項5に記載の光反射膜付基板。
  12. 【請求項12】 複数のドット領域を有する基板に光反
    射膜が形成された光反射膜付基板であって、 凸部又は凹部を有する光反射膜を有し、 前記凸部又は凹部は、所定形状を有しているとともに、
    当該所定形状同士が一部重なり合い、 前記凸部又は凹部により形成されるパターンは、複数ド
    ット分を一単位として形成されており、かつその単位内
    において対称となる個所を含むこと、 を特徴とする光反射膜付基板。
  13. 【請求項13】 複数のドット領域を有する電気光学装
    置であって、 凸部又は凹部を有する光反射膜が形成された基板と、 前記基板に支持された電気光学層と、を具備し、 前記凸部又は凹部は、所定形状を有しているとともに、
    当該所定形状同士が一部重なり合うこと、 を特徴とする電気光学装置。
  14. 【請求項14】 前記凸部の高さ又は凹部の深さが面内
    において実質的に等しいことを特徴とする請求項13に
    記載の電気光学装置。
  15. 【請求項15】 前記複数のドットにより定義される単
    位は、前記ドット領域の数より少なく、かつ前記単位を
    複数個含むことを特徴とする請求項13に記載の電気光
    学装置。
  16. 【請求項16】 複数のドットに対応して設けられた、
    各々色が異なる複数の着色層と、それらに対応する複数
    のドットにより1画素が形成され、前記一単位内に少な
    くとも1画素が対応してなることを特徴とする請求項1
    3に記載の電気光学装置。
  17. 【請求項17】 複数のドット領域を有する電気光学装
    置であって、 凸部又は凹部を有する光反射膜が形成された基板と、 前記基板に支持された電気光学層と、を具備し、 前記凸部又は凹部は、所定形状を有しているとともに、
    当該所定形状同士が一部重なり合い、 前記凸部又は前記凹部により形成されるパターンは、複
    数ドット分を一単位として形成されており、かつその単
    位内において対称となる個所を含むこと、 を特徴とする電気光学装置。
  18. 【請求項18】 複数のドットに対応して設けられた各
    々色が異なる複数の着色層と、それらに対応する複数の
    ドットにより1画素が形成され、前記一単位内に少なく
    とも1画素が対応してなることを特徴とする請求項17
    に記載の電気光学装置。
  19. 【請求項19】 電気光学装置であって、 電気光学層と、 前記電気光学層の一方の側に配置した光散乱膜と、 前記電気光学層の他方の側に配置した光反射膜と、を具
    備し、 前記光反射膜には、不規則に配列された凸部又は凹部が
    形成されており、凸部又は凹部は、所定形状を有してい
    るとともに、当該所定形状同士が一部重なり合ってなる
    電気光学装置。
  20. 【請求項20】 前記光散乱膜のヘイズ値が10%以上
    60%以下であることを特徴とする請求項19に記載の
    電気光学装置。
  21. 【請求項21】 請求項19に記載の前記電気光学装置
    であって、複数のドット領域を有してなり、 前記凸部又は前記凹部により形成されるパターンは、1
    ドット又は2ドットにより定義される一単位内において
    不規則に配列されており、 前記光散乱膜のヘイズ値を40〜60%の範囲内の値と
    することを特徴とする電気光学装置。
  22. 【請求項22】 複数のドット領域と、それらに対応し
    て設けられた各々色が異なる複数の着色層とにより1画
    素が形成され、前記一単位内に少なくとも前記1画素が
    対応してなることを特徴とする請求項21に記載の電気
    光学装置。
  23. 【請求項23】 請求項19に記載の電気光学装置であ
    って、 複数のドット領域を有してなり、 前記凸部又は凹部により形成されるパターンは、3以上
    のドットを含む一単位内において不規則に配列されてお
    り、 前記光散乱膜のヘイズ値が10%以上40%以下である
    ことを特徴とする電気光学装置。
  24. 【請求項24】 請求項19に記載の電気光学装置であ
    って、前記一方の側に配置した保護板を具備することを
    特徴とする電気光学装置。
  25. 【請求項25】 電気光学装置を表示部として含む電子
    機器において、前記電気光学装置として請求項13に記
    載の電気光学装置を採用したことを特徴とする電子機
    器。
  26. 【請求項26】 電気光学装置を表示部として含む電子
    機器において、前記電気光学装置として請求項17に記
    載の電気光学装置を採用したことを特徴とする電子機
    器。
  27. 【請求項27】 電気光学装置を表示部として含む電子
    機器において、前記電気光学装置として請求項19に記
    載の電気光学装置を採用したことを特徴とする電子機
    器。
  28. 【請求項28】 複数のドット領域を有する基材に光反
    射膜を形成する方法であって、 基材に感光性材料を塗布する工程と、 前記感光性材料を露光する工程と、 前記露光した感光性材料に凹凸を形成する工程と、 前記凹凸上に光反射膜を形成する工程と、を具備し、 前記凹凸は、所定形状を有しているとともに、当該所定
    形状同士が一部重なり合うこと、 を特徴とする光反射膜の形成方法。
  29. 【請求項29】 複数のドット領域を有する基材に光反
    射膜を形成する方法であって、 基材に感光性材料を塗布する工程と、 前記感光性材料を露光する工程と、 前記露光した感光性材料に凹凸を形成する工程と、 前記凹凸上に光反射膜を形成する工程と、を具備し、 前記凹凸は、所定形状を有しているとともに、当該所定
    形状同士が一部重なり合い、 前記凹凸のパターンが、複数ドット分を一単位とし、か
    つその単位内において対称となる個所を含むよう形成さ
    れること、 を特徴とする光反射膜の形成方法。
  30. 【請求項30】 電気光学装置の製造方法において、請
    求項28に記載の光反射膜の形成方法を工程として含む
    ことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  31. 【請求項31】 電気光学装置の製造方法において、請
    求項29に記載の光反射膜の形成方法を工程として含む
    ことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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