JP2003312580A - ゼンマイ歯車装置 - Google Patents

ゼンマイ歯車装置

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JP2003312580A
JP2003312580A JP2002125348A JP2002125348A JP2003312580A JP 2003312580 A JP2003312580 A JP 2003312580A JP 2002125348 A JP2002125348 A JP 2002125348A JP 2002125348 A JP2002125348 A JP 2002125348A JP 2003312580 A JP2003312580 A JP 2003312580A
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gear
rotation
pedal
wheel
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Fumio Imai
文生 今井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車輪機構における、回転速度自動変速ギアの実
現、ゼンマイの有効利用化。省エネ・高機能・省スペー
ス自転車の創出。高機能一輪車の創出。 【解決手段】従来自転車のペダル側あるいは車輪側、歯
車を、背中あるいは側面に、歯車用突起を持つゼンマイ
である「ゼンマイ歯車」と置換し、走行時の手動変速ギ
ア機構を自動変速化する。さらに、ブレーキ時もゼンマ
イ歯車を内側から巻く機構とし、エネルギーの有効活用
を図る。さらに、これらゼンマイ歯車機構をタイヤ内に
収納し、かつ、ペダル軸と後輪軸とを同一化し、自転車
の省スペース化を図る。また、この新自転車関連技術を
利用し、従来一輪車に対し、補助輪の動的利用を含む仕
組みを付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自転車を含む車両
の車輪装置に関し、特に回転エネルギー損失率削減を実
現する、ゼンマイ(Coil Spring)を利用した自動変速
機構用の歯車(Sprocket wheel)と、伸びるペダルアー
ム(Crank)と、を含むゼンマイ装置技術と、車輪装置
内歯車技術と、省エネルギー化技術と、省スペース化技
術と、に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明に関連したゼンマイを使用したエ
ネルギー損失の少ない車輪技術としては、自転車の車輪
に関し、以下のものが存在する。
【0003】(1)公報番号:特開平10−4508
2、「自転車の補助動力装置」
【0004】ゼンマイを後輪と同軸で後輪横に配置し、
ゼンマイ外側終端を自転車本体に固定、その下で、ゼン
マイ内側終端をタイヤ内径に接続と、切離との機構を持
ち、接続時は、ゼンマイ内側の回転を、タイヤ回転と同
一方向と、反対方向とする2様を持つ。まず、ブレーキ
時は、タイヤと間接的に反対方向に回転する形の接続を
し、回転力をゼンマイに吸収し、タイヤを静止させる。
ブレーキ解放時は、蓄えられたゼンマイエネルギーをタ
イヤ内径加速の一部にする為に、前述とは逆にゼンマイ
内側をタイヤ軸に接続し、ゼンマイ内側の戻る力、すな
わち自転車進行方向回転力を利用し、ブレーキ解除直
後、タイヤの回転を助ける様にさせる、という内容であ
る。また、ハンドルレバーとして、切離、接続1、接続
2の3モードを有す。特徴として、ゼンマイへのエネル
ギー蓄積およびエネルギー解放時のタイヤへの寄与を、
共にゼンマイ内側をタイヤ回転の切り口にしている所に
ある。つまり、欠点として、エネルギー蓄積と、エネル
ギー開放は、同時並行処理が出来ない構造になってい
る。
【0005】(2)公報番号:特開2000−2295
95、「エネルギー蓄積機構付自転車」
【0006】基本原理は、前出(1)の発明とほぼ同
一。大きな違いは、(1)に比し、形状において、ゼン
マイ自身と、後軸との回転接続・切離機構とを、後輪タ
イヤ内に両方とも収めてしまった所にある。後軸を包
み、かつ、回転スライドする横長の輪(筒)であるスレ
ーブを設け、さらに、スレーブの輪を囲む形でゼンマイ
収納ドラムを設け、ドラム外径にゼンマイ外側終端を固
定する(説明には無いが、恐らく、ドラム内径は、スレ
ーブを囲むスレーブと非接触の輪で、さらに、車体に固
定されている。そうで無いとすると、他の記述とのつじ
つまが合わない。)。ブレーキ時、ゼンマイ内側終端を
スレーブに接続させ、しかも、スレーブをタイヤ回転と
反対方向に回転する様にさせる。この様にしてゼンマイ
を巻く。ブレーキ解除直後は、スレーブをタイヤに固定
させる様に切り換え、ゼンマイが戻る反発力をタイヤの
前方向への回転に寄与させる。しかし、この発明(2)
は、説明、図ともに不充分であり、正しい理解が得難
い。特に、ゼンマイ外側終端が、一体何処に連結されて
いるか、つまり、ゼンマイドラムの記述が不充分であ
る。私が思うに、この発明は、原理は、発明(1)と完
全に同一である。ゼンマイを車輪内に強引に入れてしま
っただけ、また、ゼンマイ内側終端をタイヤ回転の反対
方向にするために(1)は、滑車とベルトにて実現して
いた形態を、歯車にしただけに過ぎない。さらに、モー
ドの切り換えを、スレーブの横スライドで実現しただけ
に過ぎない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述の両発明(1)、
(2)の動作原理は、おもちゃのチョロキューと同一で
あり、ゼンマイの一方の終端をタイヤ軸に、ゼンマイ他
方終端を車体に各々固定し、エネルギー蓄積時は、進行
方向と逆回転(あるいは同一回転)になるように、間接
的に、あるいは直接的にゼンマイを巻き、エネルギー放
出時は、そのゼンマイを逆方向に戻る反動の回転をさ
せ、タイヤ軸に直接的に逆回転させずに(あるいは逆回
転させて間接的に)接続し、タイヤの進行方向回転を助
ける、という方式である。
【0008】第1の問題点は、両発明のゼンマイ終端を
巻く入力源は、タイヤ内径からの回転力、出力もゼンマ
イ同一終端からのタイヤ内径への回転力、というゼンマ
イへのエネルギー蓄積、および、ゼンマイからのエネル
ギ放出が同一ゼンマイ終端となる方式である事である。
また、ペダルの回転力を直接的には考慮しておらず、ペ
ダル→タイヤ内径→ゼンマイという回転力伝達の構成と
なっていることである。そして、回転動力源(ペダル)
に余力がある場合、エネルギーを蓄積するには、ブレー
キレバーを絞りつつ(エネルギー蓄積モード、とも呼ば
れる)、足を回転させるしか方策が無い結果となってい
る。そのため、この行為を行うと、意に反し自転車が減
速されし過ぎる結果ともなり得る。これは、大きな欠陥
である。また、操作性も良くない。余力があるとき、何
故にブレーキモードに準ずるレバーを掴み、力を入れた
ペダル回転にする必要があろうか。感覚的にも、意に合
わない。別の表現をすると、従来の発明においては、ゼ
ンマイは、ブレーキ時とその直後のみしか、有効利用さ
れていない。これは、ゼンマイという素材を十分に利用
しておらず、従来発明は、余り賢く無い、と言える。
【0009】その原因は、エネルギー蓄積および解放の
動作を、ゼンマイの同一終端のみに頼り、他方終端を車
体に常に固定している方式を使用し、エネルギーの蓄積
と放出が時間的に排他動作となっているからに他ならな
い。より熟慮すれば、エネルギーの蓄積と放出が時間的
に排他動作とならない方式が、同じゼンマイという素材
を使用して実現可能である。
【0010】第2の問題点は、特に発明(2)の装置
は、メイン機構を車輪内に封じ込めた代償として、構造
的に複雑で、強度が弱いと言う欠陥がある様に思える。
また機構の説明が不十分である。
【0011】その理由は、歯車の支え等がことごとく、
左右非対称な片方からの支えの構造となっていること。
意図する構造は、手回しの鉛筆削り器と似ているが、支
えが今一である。また、動作モードの切り換えとして、
ブレーキレバーの力を、車軸を包む円の輪(筒)である
スレーブのスイッチをスライドさせる方式にも、力学的
な無理が感じられる。また、複数の歯車の配置が、外側
歯車の形態が外枠内側面にギザギサを持ち、内側歯車と
噛み合わせる構造(反対方向回転実現のための歯車組合
せ)は、装置作成の技術を難しくし、さらに内側構造を
外から見えなくしているのも好ましくない。また、3つ
の動作モード制御を車軸を包むスレーブのスライド位置
で切り換えるが、右端→左端→中位との切り換えをブレ
ーキ兼エネルギー解放レバーで行うと図示されている、
しかし、その具体的実現方法の記述が無い。つまり、右
端→左端のスライドにおいて中位を飛ばして、どうやっ
て行くのか等の説明が無い、良くない。
【0012】他方、発明(1)では、反対回転実現のた
めに、8の字のベルトと滑車を使用している。ブレーキ
時の回転速度のアナログ的比率変更の拡張を考えると、
方式としては、歯車方式よりは、ベルト方式の方が柔軟
性がある、と私は思うが、実現に当たっては、優劣は難
しい。また、発明(1)の記述の中で、クラッチという
用語を使用した記述に関し、クラッチの具体的作成方法
例が明示されていない、これは良くない。いわゆる、絵
に描いた餅、的なところがある。さらに(1)には、ゼ
ンマイを巻き切ってしまった場合の配慮が全く無い。良
くない。(2)にはあるが、言葉のみである。自転車の
専門家には、これでも充分なのか否かは、私は、自転車
に関し、門外漢なので、本件に関し、何も言えない。
【0013】第3の問題点は、前述の両発明では共に、
従来の摩擦によるブレーキ機構を完全に削除した自転車
構造としている点である。これは、誤りである。ゼンマ
イによる制動機構が完全に従来ブレーキ機能を代行する
ことは、記述された内容では方式的・感覚的に実現困難
である。すなわち、発明(1)、(2)レベルのゼンマ
イ方式では、タイヤ停止までの所要時間は、力が均衡す
るゼンマイの巻き切り時間に比例する。そのため、例え
ば、ゼンマイが全く巻かれていない場合の急ブレーキ
は、おそらく従来のブレーキ時間より遅くなる。従来の
ブレーキ指示は、アナログ的で、強くブレーキレバーを
握れば停止時間も短くなるのに対し、ゼンマイブレーキ
指示は、ON/OFF制御に過ぎないからである。つま
り、ゼンマイのみのブレーキは、タイヤ停止までの時間
が、ブレーキ開始時点のゼンマイの巻き具合と、その時
の自転車のスピードの状況に依存し、停止までの時間長
がキマグレの長さとなる。特に、急ブレーキしたいケー
スのキマグレ性は、欠陥であり、簡単に、人をひけてし
まうことにもなり得る。ブレーキは、一般車両にとっ
て、非常に重要な位置を占める機能と言えるので、充分
な配慮が必要であろう。しかし、これは、システム機構
の認識不足に過ぎないだけであり、従来ブレーキも併用
すれば良いだけの話かもしれない。本来ならば、ゼンマ
イによる制動力の加減を調節できる事が一番良いと言え
る。さらに述べるならば、発明(2)にはゼンマイ巻き
切り時以降の更なる巻取り防止機構の配慮が言葉のみで
指摘されているが、この配慮は一見良さそうに思うかも
知れないが、実は違う、この結果であるゼンマイ回転空
振りは、坂道を降る際に自転車を停止できないという結
果を招くことが、容易に推測される(理由は、重力によ
る落下エネルギーが無限に入力されるため、である)。
従来発明(1)、(2)共に従来ブレーキ装置の併用が
必須である。
【0014】第4の問題点は、従来自転車一般において
その図体が大き過ぎるという欠陥がある。巷を見るに、
今や自転車は道端に満ち溢れ、放置されているものさえ
ある。しかし、その自転車自体の形状たるや、旧態依然
の形であり、特に、前後の長さが長過ぎる、あるいは、
タイヤのスポーク内の隙間空間がもったいないと私は思
う。そう思わない人は、感性が弱いのである。同一機能
を果す異なる構造で、形状がよりコンパクトなものの出
現を個人的には切望する。単に、全体を小型にしただけ
では、脳が無い。より革新的な新しいタイプの自転車の
創出をすべきであり、それを受け入れる時代の期は熟し
ていると思われる。さらに、日本は現在不景気の中にあ
り、新しい知恵が将に要求されている。
【0015】
【発明の目的】特性として、低エネルギー消費化、小型
・軽量化、操作性向上、性能向上、が挙げられる。
【0016】つまり、本発明のゼンマイ歯車装置の目的
は、車輪の走行、停止に対しゼンマイを介し、効率良い
回転エネルギーの蓄積機構と、ブレーキ補助機構と、エ
ネルギー放出伝達機構と、をシンプルな構造で実現し、
さらに、操作性も良く、車輪関連部分の形状の小型化も
させる、という装置を提供することにある。特に、第1
に、例えば自転車において、ゼンマイエネルギーの蓄積
と放出を排他的に行うのでは無く、並行して行える様に
改良させること(駆動力のタイヤ回転への伝達という通
常走行時も配慮に入れる)と、第2に、従来の半径の異
なる歯車の組み合わせを切り換える、いわゆる変速ギア
機構を、ゼンマイ自身を使用し、自動変速ギア機構と
し、利用者の便宜を図ることと、第3に、ペダル軸と後
輪軸を同一軸化し、形状をコンパクト化すること、にあ
る。具体的には、この目的のために幾つかのアイデアを
紹介し、最後に、機能的には、従来自転車以上で、か
つ、ペダル軸が、後輪軸あるいは前輪軸を兼用するスタ
イルの新しいタイプの省スペース型自転車を紹介する
(この自転車は、時代の逆行とも、解釈され得る。すな
わち、大昔の自転車、子供の三輪車、あるいは一輪車に
近いペダルの回転軸が車輪の軸でもある車両である、し
かし、ペダル1回転に対し、車輪m回転を実現し、さら
に自動変速機能をも持つ所が、技術の進歩であり、全く
異なる)。
【0017】
【課題を解決するための手段】具体的には、ペダル(回
転駆動源)を系の中に明示的に意識し、かつ、基本は、
ペダル回転とタイヤ内径を直結せず、「ペダル→ゼンマ
イ→タイヤ内径」という様にゼンマイをペダルとタイヤ
軸の仲介としてとらえる(図4)。すなわち、ゼンマイ
内側終端をペダルと連動し、ゼンマイ内側に引きずられ
て回転するゼンマイ外側終端をタイヤ外径あるいは内径
(=タイヤ外径とタイヤ内径とは、同一回転である)に
接続(正確には、タイヤ外径あるいは内径を押す形)さ
せる構成とする(図6、または、図7)。このために最
終的には、終端近傍に通常歯車のギザギザ突起を付けた
ゼンマイ(板バネをコイル状に巻いたもの)を導入する。
以後、本発明では、このゼンマイの外側終端の部分の背
中あるいは側面に、歯車用イボイボ突起を付けたゼンマ
イのことを、単に、「ゼンマイ歯車(ゼンマイであると
同時に歯車でもあるため)」、と呼ぶ(図1中央、また
は、図14)。
【0018】まず、従来の発明方式の3種のモードであ
る、エネルギー蓄積、エネルギー放出、ペダルによる直
接タイヤ軸への伝達、のモードを、改め、従来自転車と
全く同様に、ブレーキモードと、ブレーキモードで無い
モードと、の2つのみとするモード切り換え制御手段M
(Mode)を有す(図1下、ブレーキ用クサビ)。
【0019】次に、ブレーキ時、ゼンマイを進行方向回
転の反対方向に回転させるのでは無く、タイヤ回転と同
一方向で、ゼンマイ内側の回転をゼンマイ外側の回転
(=タイヤの回転)よりも速くする(相対的には、ゼン
マイ内径からゼンマイ外径を見ると、ゼンマイ外径はゼ
ンマイをタイヤ進行方向回転とは逆回転方向に回転)こ
とにより、タイヤ回転エネルギーをゼンマイエネルギー
に変換蓄積させ、タイヤを停止させるフィードバック機
構のブレーキ手段B(Break)を有す(図1下、Feedback
チェーン、または、図7)。
【0020】さらに、ブレーキ時以外の通常時、レバー
切り換え操作無しに、ペダルを漕げば、タイヤ回転の減
速を全く生じずに、ゼンマイエネルギーを蓄積しつつ、
タイヤも回転させることを保証するスムーズな走行を持
たせる機構として、ゼンマイ外側回転から生ずるタイヤ
を押す回転力がタイヤ回転より遅い場合は、ゼンマイ外
側から生ずる回転を、車体に固定させる動作を自動的に
行い、エネルギーロスを減らす自動的クラッチ機構を採
用するクラッチ手段C(Crutch)と(図1中央、または、
図10、A61およびA62)、ゼンマイが全く巻かれ
ていない状態からのスタート時のタイヤ回転までの時間
差を無くすために、タイヤの回転速度が低いか否かを自
動検出し、低い場合、従来の様にゼンマイを介さずタイ
ヤを直接回転させるという初期モード手段I(Initial)
を有す(図10、A17)。
【0021】これらにより、ブレーキ時のゼンマイ巻取
りと、ペダル回転によるゼンマイ巻取りと、のゼンマイ
エネルギー蓄積機構と、そのゼンマイエネルギーの放出
機構を、共に、入力(=エネルギー蓄積)はゼンマイ内
側から、出力(=エネルギー放出)はゼンマイ外側へ、
と形式を統一した、スムーズな動作伝達の流れを持つゼ
ンマイ(内蔵)歯車装置を実現する(図7)。
【0022】さらに、本発明では、上記の実現の考察過
程で自然発生的にアイデアが出て来た、ペダルの漕ぎ手
の人力の負荷を軽減させるペダル歯車の改良である、ゼ
ンマイ歯車手段と、ペダルアームとの改良手段の2点を
有す。前者は、タイヤの負荷に比例して自動的にペダル
歯車の径が小さくなる歯車の発明であり(図1中央)、
後者は、ペダルを漕ぐ人間の足に対する負荷に比例して
アームの長さが長くなる手段である(図2)。どちら
も、「テコの原理」の簡単な応用に過ぎないが、新規性
があると思わる。特に、ゼンマイ歯車は、ゼンマイ自身
を応用したものであり、前述のゼンマイエネルギーの蓄
積を行うクラッチ手段Cに使用されるゼンマイ(図6、
ゼンマイ)を、一番最後に、再度、このゼンマイ歯車を
適用し、自動変速ギア機能を持たせる、という機能拡張
を行う(図10)。
【0023】ゼンマイ歯車に対しては、理解も容易なの
で、まず、一番初めに、従来自転車への応用まで解説し
てしまい、本発明の原理の新規性を理解してもらう。そ
して、その後ゆっくり、ゼンマイを自転車車輪内に入れ
てしまうと同時に、さらに機能もより完全にした、ペダ
ル軸と車輪軸がを同一化された省スペース型自転車の構
築を試みる。
【0024】
【作用(効果をもたらすための手段の働き)】モード切
り換え制御手段Mは、従来一般自転車のブレーキレバー
を握る、握らない、の2つのモードの切り換えを行い、
ブレーキレバーを握るに相当するブレーキモード選択時
は、
【0025】従来のブレーキ用摩擦機構に制動を掛ける
動作以外に、ゼンマイによる制動動作を行うブレーキ手
段Bにその実行を指示する。具体的には、ブレーキ用ワ
イヤにより指示が伝わる。
【0026】ブレーキ手段Bは、タイヤ回転→ゼンマイ
内側回転(このとき、回転速度は、ゼンマイ外側回転よ
り大となる様にさせる)→ゼンマイ外側回転→タイヤ回
転、という各構成要素の回転の入出力連鎖の強制閉ルー
プを形成させて、この再帰的閉ループのゴールである回
転の停止状態を作るものである。このとき収束のゴール
としては、ゼンマイが巻き切らずのケースと、巻き切っ
てしまう2様が考えられる。ゼンマイが巻き切ってしま
った場合、ゼンマイエネルギーを一部一時的に解放す
る、あるいは、ゼンマイ内側と外側の回転速度を同一に
する、あるいは、部品の強度が強いとの前提の下で何も
しない、のいずれかの配慮をし、かつ、従来ブレーキ機
構も併用させていることにより、確実に停止させる。
【0027】次に、ブレーキレバーを握らないモードで
ある通常モード下では、ブレーキ手段Bは働かず、回転
動力源であるペダルのタイヤへの回転伝達をするクラッ
チ手段Cが働く。つまり、ゼンマイ外側回転から生ずる
タイヤを押す回転がタイヤ回転より遅い場合は、ゼンマ
イ外側終端の関係部分は、車体に固定され、ペダル回転
は、ゼンマイを巻く事のみに貢献する。このゼンマイを
巻く動作は、最終的にはゼンマイ外径によるタイヤ内径
あるいは外径を押すというタイヤを回転させる動作に、
後で貢献することになる。このとき、ゼンマイを巻き、
ゼンマイエネルギーを蓄積するという動作は、ブレーキ
手段によってもなされている。これにより、タイヤの回
転に直接に貢献しなかった従来自転車でのペダル漕ぎ動
作であるタイヤの加速に貢献するまでのをペダル漕ぎの
過度期の動作や、慣性による走行状態での遊びの進行方
向回転動作も確実にゼンマイエネルギーとして蓄えられ
ることになる。また、ゼンマイが不用意にタイヤを追い
かけエネルギー放出をしてしまうのを防ぐ機構をも備え
るものとなる。
【0028】さらに、ゼンマイが巻き切って、支えが折
れてしまう等というケースを回避するために、ゼンマイ
巻き切りを検出し、ゼンマイを空振り回転させ、一時的
にエネルギー放出する等の配慮も機能として備えるもの
とする(方式例に関しては、実施例で述べる)。
【0029】次に、ゼンマイ巻き切りと従来ブレーキと
の関係について触れておく。前述の説明では、駆動源を
ペダルの回転として解説した、しかし、これは正しくな
い、それは、坂道を降るケースは、その駆動源は重力
(落下エネルギー)である。この場合、ゼンマイ巻き切
りの配慮は役に立たたず、長い下り坂途中で停止したい
場合ゼンマイによるブレーキのみでは停止不可能状態を
招き得る。その意味でも、従来ブレーキの併用が必要で
ある。従来発明(2)は、ゼンマイ巻き切りをサポート
しているが、従来ブレーキの併用に関し記述が無い。こ
の点においても発明(2)は、細かい配慮に欠けるとい
える。従来発明(1)は、ゼンマイ巻き切りの配慮が全
く無いので、この現象は発生せず、坂道途中でも停止す
る。
【0030】さらに、ゼンマイを介さずに、ペダルとタ
イヤが直結する初期モード手段Iは、タイヤの回転速度
を計測する機能、例えば、タイヤ回転の遠心力を用いて
計測し(回転速度と遠心力は分銅の重さを係数として正
比例する、という物理法則を利用)、遠心力の値が小さ
い時は、直結とする。自転車に乗る開始時点を含む、自
転車が低速で走行している際に自動適用され、従来自転
車に比較して機能低下になるケースをカバーする。
【0031】最後に、改良ペダル歯車と、改良ペダルア
ームと、を適用し、車輪の駆動源の負荷を自動最適化す
る効果を持たせる。すなわち、タイヤの回転負荷に比例
して、歯車の径が小さくなり、また、ペダルアームの長
さも伸び、どちらも駆動源の負荷(負担)を下げる効果
を生む。
【0032】
【発明の実施の形態】
【構成の説明】次に、本発明の実施の形態について、自
転車を対象にし、図面を参照して詳細に説明する。
【0033】解説順序は、当初の考察過程の順とは異な
り、既に述べた如く、読者への便宜のために、分かり易
い発明内容の物から順に解説していくものとする。
【0034】図1は、ゼンマイ歯車とは何であるか、お
よび、その応用を示す図である。ペダル歯車が後輪歯車
にチェーンの輪によって結ばれ、ペダル1回転に対し、
後輪歯車が、m回転する従来自転車(図1上)に対し、ペ
ダル歯車部を、ゼンマイの外側終端領域部分背中に歯車
用ギザギザを付け、ペダル歯車の代替をするゼンマイ歯
車に置換した図が、図1中央、である。坂道を登る様な
場合、ペダルの回転負荷は増加するが、ゼンマイ歯車の
場合、ゼンマイはチェーンを回転させる力が重くなるの
に均衡した形で、ゼンマイの巻き具合がきつく締められ
る形で自動的に、全体としてのゼンマイ歯車の半径が短
くなる様になる。そして、その分、一定長のチェーン
は、だぶつく形となり、そのだぶつきの長さを吸収補正
する歯車をチェーン余り解消器としてチェーンにかませ
ている。
【0035】また、後輪歯車は、従来のラチェット機構
を2重構造の輪の境界に持つ物を、そのまま使用しても
良いが、自転車がペダルを漕がない状態で走行している
慣性力によって走っている際の軸回転に対し、ラチェッ
ト機構は有るが、この外側歯車の輪が引きずられて回転
し、ゼンマイが無駄に解ける危険性も有るので、これを
防止するため、外側の輪の回転に対し、軽い圧力を掛け
る。この引きずられ回転は、従来ペダル歯車では、チェ
ーンをとおし人間の足の力による抑える力がその防止を
し、歯車の2つの輪同士の空回りを確実にしていた。し
かし、ゼンマイ歯車方式では、人間の足が直接的には後
輪外側歯車とはつながっていない状況を作ったため、こ
の配慮が必要になった。また、このために、後輪歯車の
外側の輪は、もう一車線増やし、横幅を増加する必要が
ある。この引きずられ回転防止器は、必要があれば、取
り付けるものとするが、おそらく、必要だろう。
【0036】このゼンマイ歯車の機構は、従来の変速ギ
ア付き自転車と同様であるが、従来の場合、変速ギアの
切り換え指示は、人間の意思に委ねられ、自動では無か
った。ゼンマイ歯車は、この判断を自動化し、乗り手
は、特に意識すること無く、快適に近い人間の足の負担
を得る。
【0037】図1下、に、さらにゼンマイの機能を活用
した、ブレーキ制動の補助機能を持つ従来自転車の強化
を示す。この図は、従来の発明(1)および(2)で示され
た構造よりもはるかにシンプルで、機能的には、通常走
行時の自動変速機構という追加機能まで有すゼンマイに
よるエネルギー蓄積開放機能を実現している。
【0038】歯車として、H1(Hという記号は、Hagul
umaの頭文字である)の従来のペダル用歯車にゼンマイ
歯車を適用、H2の従来後輪歯車は、従来のままの二重
構造の内側の輪と外側の輪からなり、その境界にはラチ
ェット機構を施してあるものとするが、さらに、内側輪
の側面には、ギザギザ突起を新規に付ける。新規に後輪
に歯車H3を追加。また、ペダル側にも、歯車H4を追
加。歯車H1、H3、H4は、軸に対し自由にスライド
回転できるものとする。さらに、H3とH4とは、横ス
ライドも可能なものとする。このスライド機構は、例え
ば、軸とは、ボールベアリングを介し、軸の回りを回転
および横移動するものとする。H1の軸に近い円周部分
の両側側面には、放射状にクサビ状の突起が付いてお
り、ペダルあるいはH4からの自転車進行方向回転は、
突起と突起がその形状から噛み合い同一回転する。ま
た、ペダルあるいはH4からの自転車進行方向回転とは
逆、あるいは、静止の回転に対しては、突起同士が空回
りし、従属しないようになっている。後輪側のH3は、
ブレーキ時以外の通常時は、2つのブレーキ用クサビの
右側クサビにより押され、H2と軸とは自由な状態で、
車体に対しほぼ絶対静止の形で留まっている。このと
き、前述の図1中央の引きずられ回転防止器(図1下で
は、単に、回転防止器、と略して記してある)も構成さ
れているものとする。つまり、非ブレーキ時は、図1中
央と同一動作をする。
【0039】ブレーキレバーを掴むブレーキ時、H3を
サンドイッチの形で囲むブレーキ用クサビは、H3をH
2内側に圧着する様にスライドさせられる。すると、H
3側面のギザギザ突起とH2内側側面のギザギザ突起が
噛み合い、H3はH2内側と同一回転する。すなわち、
H3は後輪タイヤの回転となる。さらに、H3の回転
は、ブレーキ用チェーンを介し、H4へ伝達され、H4
歯車が強制回転させられる。すると、H4側面のギザギ
ザ突起がH1内側側面のギザギザ突起と噛み合い、ゼン
マイ歯車H1を内側から回転させる。また、H1外側
は、従来チェーンにより歯車H2外側に連結されてい
る。H2内側は、出発点となった歯車H3から回転を規
制されており(規制している、と表現しても良い)、い
わゆる、閉ループ状態が成立している。閉ループ状態に
なると、この出発点であったH3までもが逆に規制され
る状態とも言え、タイヤ軸の回転速度がゼンマイにより
規制される、とも解釈できる状態を生む。ここで、歯車
H3とH4との径の比の大きさを調節し、H1の内側の
回転がH1の外側の回転よりも速い様に設定するなら
ば、H1の回転は、内側回転の方が外側回転よりも速い
ので、ゼンマイを巻く方が、ゼンマイを解くよりも勝る
形となり、ゼンマイにエネルギーが蓄積される。
【0040】そして、ゼンマイが自転車の慣性エネルギ
ーを全て奪い取ってしまった場合、あるいは、ゼンマイ
が巻き切った状態になると、閉ループ状態を構成する各
歯車は、身動きが取れない、うんともすんとも出来ない
状態に陥る。すなわち、各歯車の回転は止まり、自転車
自身も停止する。
【0041】しかし実際には、この閉ループ環境は単純
ではなく、歯車H2の内側と外側はラチェット機構によ
り、消極的意味において、離切状態にあり、ゼンマイ歯
車H1の外側がH2外側から押される確率は低く、H2
の内側と外側が完全一体となっている環境に比べ、より
速く、ゼンマイ歯車のネジが巻かれる形となる。
【0042】数学的に、この閉ループの収束状態への推
移を説明すると、H1(内側と外側があるが、ここで
は、どちらとしても良いと解釈する)の速度をvとする
と、閉ループ(Feedback機構と呼んでも良い)は、v=K
vという、自分自身を係数K倍したものが自分自身であ
るという、再帰的な式が成立し、この式の解である収束
値は、通常v=0である。ここで、係数Kは定数では無
くゼンマイの状態、および、その他の要因に依存する変
数である。H1の内側回転が外側回転より速ければ速い
程、高速に停止する。停止効果が良過ぎて、停止時、自
転車は前にツンノメリ状態になるかも知れない。また、
停止時の閉ループを構成する部品要素の強度が弱いと、
その要素が力に耐えられず破損するかも知れない。これ
を回避するには、3つの方法が容易(人によっては容易
では無い、かも)に推測できる。
【0043】1つ目は、ゼンマイの巻き切り状態の手前
で、一時的に閉ループを解除させ、ゼンマイを空振り回
転させエネルギーを放出させるやり方である。但し、こ
の方法では、その装置の仕組みを追加する必要があり、
装置が複雑になる欠点を持つ。また、感覚的には、エネ
ルギーの一時放出を反復するので、自転車の乗り手は、
自転車がシャックリしている様に感ずるかも知れない。
【0044】2つ目の方法は、(1-K)v=0の、もう1つの
解であるK=1を利用し、(H4半径/H3半径)の半径
比率を((H1の最小半径)/H2半径)となるようにし、
緩やかにH1のゼンマイを巻きながらエネルギー蓄積す
ることを保証し、回転停止を保証しない、という解であ
る。この解は、H1の巻き切り収束最小半径値を基準に
しているので、その値に収束するまでの途中の過程にお
けるH1の半径に対応する実際のKの値は1より小さ
く、ゼンマイ内側回転が外側回転より速いことを保証
し、確実にゼンマイを巻くことを保証する。難点は、収
束時間が長くなってしまう可能性があることである。但
し、構造は全く複雑化されない。従来ブレーキの併用が
必須であることを考えると、この方法も良いと思う。さ
らに、この方式でも、前述したH2のラチェット機構が
働いているので、収束は、案外速いかも知れない。
【0045】最後の3つ目の方法は、各構成要素の強度
を強くし、この力と力のぶつかり合いに耐えられるよう
にすることである。
【0046】最後の方式が最も簡便であるが、それが駄
目なら、2番目の方式を考えるものとする。思うに、ブ
レーキが利き過ぎることは、一概に悪いことでは無い。
なぜならば、ブーレーキを小まめに掛ければ良いだけの
策が乗り手には残っている。最もいけないのは、ブレー
キが効かない(効きが悪い)ことの方である。
【0047】本発明の最終目標は、このレベルでは無
い。最終目標は、ペダル軸とタイヤ軸との一体化、か
つ、機能的には従来自転車に劣らない、という新しいタ
イプの自転車の創出にある。
【0048】図2上は、ペダルアームを、やはり、登り
坂などでの重いペダル漕ぎの足の負担を軽減するため
に、半自動的にペダルアーム長が伸びる様にしたもので
あり、構造も非常に単純である。結果的に、重いペダル
回転を強いられる場合、いわゆる卵形(Oval style)のペ
ダルの回転軌跡とするものである。過去において、「オ
ーバル・ギア」という名前を良く耳にしたが、結果的に
は、同様な足の負担を軽減するものなのか否かについて
は、調査していない。私の記憶では、ペダル歯車の形状
を楕円形にし、足の回転負荷に強弱をつけたものか、あ
るいは、歯車の噛み合わせで軸を少しずらす方式だった
様に思う。また、水流の計測器の部品としても、オーバ
ルギア同士の噛み合わせ時の隙間の大きさを利用して、
水流を計る、形で使用されている様だ。従って、本発明
のこの方式は、従来のオーバルギアには抵触しないと思
われる。少し解説をしておく。ペダル回転のペダルを押
し下げる右半分の領域において、踏み込んだ足の力に比
例して、アームが伸びるため、足を従来より少し遠くに
伸ばすことを強いるが、全体としては、足の負担が、よ
り軽減され、軽い力でタイヤを回転出来る。また、足を
余分に伸ばすのが嫌な人は、そういう様にペダルを漕げ
ば良く、従来機能を包含している。
【0049】図2中央は、伸びるアームにより軽い負荷
でペダルに対し、従来と同一の全体負荷を生むことが出
来ることの、「テコの原理」による補足図である。解説
は、省略する。
【0050】図2下は、実際のペダル軸を平行移動さ
せ、仮想的に伸びるアームを実現する、矩形枠を利用し
た方式図である。この方式は、幾何の初歩のレベルの知
識で理解できる内容であるが、非常に重要な図である。
後の解説で、ペダル軸を後輪軸と同一化する議論をする
が、逆に軸を同一化すると、それは、一輪車の様なサド
ルとペダルの位置関係を強いてしまい、乗り手の人間
は、直下にあるペダルを漕ぐ状態を強いられる形となる
が、これを、仮想的にペダル軸を実際の軸より前に配置
可能とし、より人間にやさいしい形とする。図中にも記
してあるが、この仮想のペダル軸の位置はどこでも良
く、タイヤの円の内側にも配置可能である。この点は、
従来自転車の延長線上に無い知恵である。また、自転車
の左右のペダルに対して対処が必要である。また、これ
と等価な1個のペダルに対する機構を同一大の2個歯車
と、チェーンの輪と、を使用して作成可能(あるいは、
3個の歯車でも実現できる(図3中央))である。しか
し、それは、大袈裟過ぎる。
【0051】最後に述べたコメントに対し、さらに2つ
コメントしておく。1つは、この矩形によるペダル軸の
ずらし方式は、歯車とチェーンを使用したものより、簡
素に実現できるが、少し、危険な気もする。もし、この
矩形の中に手や指を入れると大怪我を引き起こすからで
ある。その意味では、良い構造とは言えない。本件は、
実現に際しては、カバーを施す等の対処を必ずするもの
とする。また、矩形枠の絶対方向ベクトルに対応する現
実の枠の長さは、方向さえ正しければ、短くすることも
可能であり、強度等との関係で決定される。もう1つ
は、矩形で説明すると伸びるアームという気がするが、
歯車とチェーンでも等価に出来ると言うと、伸びるアー
ムでは無く、単なる回転軸のずらし、であり、テコの原
理による小さい力で動く、というメリットは生んでくれ
ない気がする。一体、どちらの解釈が正しいのであろう
か。乗り手の必要とする力を減らす効果は有る、無い、
の一体どちらなのだろうか。ペダルの軌跡が、同一円に
なっていることは、エネルギー的には、同一であり、テ
コの原理のメリットは、無いのかも知れない。なぜな
ら、テコの原理のメリットがあるとすると、動かした距
離は増すが、その時に掛けた力は、より少ない、という
イメージに合致する必要があり、完全平行移動は、テコ
の原理に対応しない、と解釈すべきなのかも知れない。
図2の上のケースは、軌跡の延べの距離が元よりも大き
くなっているので、テコの原理が成立している、とみな
して良い。
【0052】図3に、伸びるペダルアームの変化例を参
考に付けた。解説は、省略する。
【0053】以上が、本発明の前段である。少し補足し
ておくが、この前段の発明は、駆動源を人間の足で解説
したが、より一般の駆動源である、シリンダー内のピス
トン運動を回転運動に変える方式のガソリンエンジン等
にも、そのまま適用可能であろう。ピストンから出た2
つ折りの棒の動作は、腰から下の足の動きに似ている。
以下からは、本命のゼンマイを車輪内に封じ込めた車輪
装置の解説を行う。また、一部、前述した解説と重複し
ていることを附記しておく。
【0054】図4は、ゼンマイが従来の一般車輪のエネ
ルギー伝達構成要素のどの部分に挿入されるかを示す図
である。すなわち、ペダル(駆動源)、タイヤ、ブレー
キ実行部に対し、ゼンマイは、ペダルとタイヤの仲立ち
の位置付けとなる。ブレーキ状態で無い場合、ゼンマイ
は、ペダルの回転を、その回転エネルギーを蓄積しつつ
タイヤに伝える。ペダル→ゼンマイ→タイヤの流れは、
従来と比べ、ワンクッションを置いて時間差がある形で
遅れて伝えられるという機能低下は、後で詳細する初期
モード手段Iにより回避される。また、このワンクッシ
ョン(バッファリング)機能は、タイヤ回転の平準化に
寄与する。あるいは、蓄積されたゼンマイエネルギーが
タイヤ回転を助けるために、感覚的には車体の慣性力が
増加した様な効果をもたらす。ブレーキ状態の場合、ゼ
ンマイは、タイヤの回転に制動を掛ける部品として、タ
イヤの回転エネルギーを吸収し、従来のブレーキ実行部
の制動処理機能を補助する。
【0055】図5は、ゼンマイの活用方式に付き、従来
発明とのアイデアの相違を示したものである。従来発明
では、ゼンマイの終端の一つを車体に絶対的に固定し、
もう一方の終端の伸び縮みを利用した入口と出口が同
一、の形態といえる。本発明では、ゼンマイの2つの終
端を相対的に捉え、一方をねじると、他方もそれに引き
ずられて同一方向に回転させられる性質を利用した、2
つの口を持つ入出力が並行動作可能な方式である。
【0056】図6は、本発明を従来自転車の後輪に適用
した基礎となるゼンマイ装置構成図であり、後で再度発
展させた図を示す。この図は、ゼンマイを完全にタイヤ
の中に入れてしまった例である。また、ゼンマイは、ゼ
ンマイ歯車ではなく、背中にイボイボも無い。この図6
は、車軸2(ペダル連結軸のこと)をベースに幾つかの
回転体を持つ構成の水平断面図である。まず、車軸2
は、車体1とスライド回転する形で構成される。車体1
は図に向かって手前方向に進行しているとし、車軸2
は、右斜め前から見て、左回転しているものとする。ま
ず、自転車を前進させるためにペダルを漕ぐと、その回
転力は、車軸2に伝えられる。車軸2に固定された、タ
イヤ9の車輪内部の部分にあるゼンマイ内側終端接続3
をとおし、ゼンマイを内側から巻く。そして、ゼンマイ
の左回転力は、ゼンマイの外側終端に伝えられる。
【0057】ゼンマイ外側終端は、車軸2を軸とし車軸
2とはスライド回転するアーチ状のゼンマイ外枠4の外
側であるゼンマイ外側終端接続5と連結されており、左
回転させようとする力は、ゼンマイ外枠4に伝えられ
る。ゼンマイ外枠4は、車軸2を軸とし車軸2とはスラ
イド回転の関係にある車体のタイヤ9に対し、クラッチ
部6を介し、さらに、スポーク8によって、左回転化の
力が伝達される。クラッチ部6は、ゼンマイ外枠4およ
びタイヤ内輪7の軸部分に取り付けられた各々対面する
円盤を条件によって連結・切離する機構であり、対面す
る面に放射状にクサビ状のギザギザ突起を付け、タイヤ
9の回転がゼンマイ外枠4の回転よりも速い場合は、ク
ラッチ部6は切離状態となる様になっている。この仕組
みは、ゼンマイが無用に解かれるのを防ぐためのもので
ある。また、ゼンマイが巻き切ってしまった場合には、
ゼンマイ巻取りセンサワイヤ13を介しクラッチ部6
は、切離状態とする。以上の様にして、車軸2への駆動
力がタイヤ9へ伝達される。また、ゼンマイの内側終端
と外側終端とは、力学的には互いに相反関係にあり、一
方を固定すると他方が回転してしまう関係にある。その
ため、内側を主とし、外側を従とするために、車軸2
(=ゼンマイ内側)の逆転回転防止のために、根元が車
体固定されたラチェット12を車軸2に固定された歯車
に掛けている。
【0058】次に、ブレーキを掛けた場合の動作を説明
する。この基本図6には書いてないが、従来のブレーキ
レバーおよびブレーキ装置が別にあるものとする。ブレ
ーキを掛けると、ブレーキスライド部10という2つの
大小の歯車が同軸で同一回転するように接合され、しか
も、自転車の車体に例えば水平スライド可能な形で取り
付けられている。このブレーキスライド部10をスライ
ドさせ接合歯車の回転体を、車軸2と車軸2をスライド
軸とするタイヤ内輪7に各々接合された大小の歯車であ
るギザギザ歯車11に、圧着する。ここで、車軸2側の
歯車の大小は、タイヤ内輪側の歯車の方を必ず大きくす
るものとする。さらに、今述べた合計4つの歯車の大き
さは、圧着時、完全に接する大きさに揃えるものとす
る。ブレーキスライド部10をスライド圧着すると、タ
イヤ9と車軸2の回転速度は互いに完全に規制される。
すなわち、スライド部10の接合歯車を仲介として、タ
イヤの回転速度の1より大きい一定比率で車軸2が回転
させる様に強要する。つまり、入力→出力→入力とい
う、無限ループの再帰的フィードバック関係を回転速度
に関し強要している。そして、この無限ループの収束値
は、タイヤの停止状態である。
【0059】この強要は、ゼンマイが巻き切っていない
場合は問題は無いが、巻き切ってしまった後も強引に強
要すると、スゴイ力学的力が関連装置部分に発生し得
る。ヘタをすると、例えば歯車の歯が欠けてしまうかも
しれない。頑丈に作ってあるならば、衝撃の大きい急停
止状態を発生できるかも知れない。ゼンマイが巻き切る
前に、収束停止することも当然ある。しかし、巻き切る
場合のために、先に少し紹介したが、ゼンマイ巻き切り
センサワイヤ13という検出機構を設け、ゼンマイエネ
ルギーの一部分一時放出をワザとさせるものとする。
【0060】このようにして、従来のブレーキ処理を補
助すると共に、ブレーキ解除後の自転車前進再開のため
のゼンマイエネルギーの蓄積を行う。
【0061】図7は、図6の解説でのゼンマイの活用方
式に関する補足の図である。下の図は、ブレーキ時の説
明図であるが、本発明では、従来の発明の様に車輪停止
のためにゼンマイを反タイヤ回転方向にネジを巻く方式
では無い。ネジはタイヤと同一方向に巻く、一見すると
タイヤは止まらず、逆にもっと加速されてしまうのでは
ないかと懸念する人もいるかもしれないが、その様なこ
とは無い。証明は簡単である。例えば、平たい所を走行
していてブレーキ機構を使用せずペダル漕ぎを止めた場
合を想定すると、エネルギー保存則で説明ができる。こ
の場合、自転車は、慣性力のみのエネルギーの新規入力
がない状態なので、通常、ブレーキを掛けなくても何時
かは必ず停止する。ゼンマイを利用し、ブレーキ時にゼ
ンマイにエネルギーが貯まる方式を適用すると、ゼンマ
イはタイヤ走行に残されていたエネルギーを強引に奪う
ことになるので、今述べたブレーキ機構が無い場合より
も早く停止する。別の表現をすると、早い話が、どちら
方向にゼンマイを巻いても良いのである。他の解説は、
省略する。
【0062】次に、図6のゼンマイ部分に関し、避けて
通ってはいけない問題点を考える、それは、従来の自転
車では、ペダル回転速度と後輪タイヤ回転速度は同一で
はなく、一定比率の回転速度変更を行っている、普通
は、ペダル側の歯車の径の方が後輪歯車の径より大き
い。だとすると、図6レベルのゼンマイ利用をそのまま
従来自転車に適用した場合、客観的に見て、ゼンマイを
介したタイヤ回転機構は、一種の速度変更機構と言える
ので、通常走行時に同一自転車の中に良く似た2つの異
なる速度変更機構が存在することになり、無駄である。
そこで、従来自転車のペダル回転軸と後輪回転軸を1つ
にする方策について考える。つまり、ペダル軸と後輪軸
を同一にすることを考える。
【0063】本命題の解が、図8と図9と、である。図
中、INの部分の部品は、従来のペダル側に対応し、O
UTの部分の部品は、後輪タイヤ側に対応すると解釈し
て頂きたい。図を見れば理解できるはずなので、解説は
略す。
【0064】以後では、図8の中の「その2」の方式を
図6のゼンマイ部分に適用し(すなわち、ゼンマイ改め
ゼンマイ歯車とし、ゼンマイ外枠をゼンマイ受けと名称
変更等をしている)、さらに、その他の配慮すべき機能
を追加したより完全な構成装置例である図10を最終構
成図として示し、解説する。便宜のため、図10は、図
6の発展例であるので、機能的・物理的に図6と同一の
構成要素に関しては、番号、名称共に踏襲している。ま
た、機能拡張された構成要素、および、新規追加された
構成要素には、「Ann」という番号を割り当てた(Aは
Advanceの頭文字である)。さらに、沢山ある歯車に対
しSnという番号を割り当てた(SはSprocketの頭文字
である)。ここで、歯車とは通常の背中に突起を持つ形
のもの以外に、側面にギザギザ突起・クサビを持つ輪も
含むものとする。また、この図10は、従来自転車に対
してゼンマイ歯車を適用した図1下の図を発展、機能強
化した図でもある。
【0065】駆動車軸A2は、一輪車や子供の三輪車の
様に直接ペダルのアームをここに接合することを想定し
ている。また、従来の自転車のペダル側歯車と後輪歯車
による回転速度の変更は、ゼンマイ歯車とゼンマイ受け
歯車の半径の大きさを自転車製造時に、従来自転車に近
い回転速度の変更値になる様に設定されるものとする。
ペダルによる駆動車軸A2の回転は、まず、クラッチ部
C1のA61の動作が、タイヤ内輪7から出ている複数
スポーク8とほぼ同様に設定されたタイヤ内輪から伸び
ている1本の棒に対し、それを囲む形でスライドする、
ある程度の重さを持つ遠心力計測用分銅A17による遠
心力の値が小さいか否かで状態が2分される。
【0066】まず、この2つの状態の内の1つであるタ
イヤ回転が低速時(回転速度と遠心力は正比例する)
は、分銅17からのワイヤによるタイヤ側のギザギザ歯
車A11のS5を引く力が、クラッチ部C1の中にある
車軸を取り囲むスプリングによる2つのギザギザ歯車A
11のS4とS5を切離せるまでには到らず、駆動車軸
A2とタイヤ内輪7とが、歯車S3とS4とを介し連結
された形となり(ここで、歯車S3とS2とは常に接触
状態で噛み合っているものとする)、駆動車軸A2の回
転は、ゼンマイ歯車機構を介さず、直接タイヤ9を回転
させる様に働く。この動作機能は、自転車の一番初めの
進行開始時に少なくとも必ず適用され、ゼンマイ歯車の
みを介しタイヤを回転させる場合に生じる、タイヤが回
転始める状態になるまでの遅れ時間の発生、を回避す
る。この時、ペダル回転は直接タイヤ回転へ伝達される
と同時に軸も回転するため、ゼンマイも並行して同時に
巻かれるものとする。この性質は、構造を単純化し、特
に機能的支障を来さないものと解釈され、許されると考
える。
【0067】次に、もう1つの状態であるタイヤ9があ
る一定回転速度に達している場合には、分銅A17の遠
心力により、逆にクラッチ部C1のA61の対面する2
つの歯車S4とS5とは切離状態となり、駆動車軸A2
の回転は、直接タイヤには伝わらず、ゼンマイ内側終端
接続部3に伝わり、ゼンマイ歯車S6を回転させ、さら
に、チェーンA15を介し、ゼンマイ受け歯車A5のS
7とS8とを回転させ、さらにゼンマイ受け枠A4のア
ーム根元にある歯車S10を回転させる。この歯車S1
0は、駆動車軸A2と同軸の形で回転および横スライド
する中間筒の一方の端に取り付けられており、中間筒を
右横方向へ押す。すると、中間筒右端に取り付けられた
歯車S11をタイヤ内輪7に取り付けられた歯車S12
と噛み合う形にし、S11がS12を押す形でタイヤ9
が回転されられる結果となる。歯車S9からS12の側
面の突起であるクサビの形状は、自転車の慣性力での走
行時のタイヤ回転に引きずられてゼンマイ歯車S6が回
転し、ゼンマイを解く結果になるのを防ぐ効果を持たせ
た結果である。
【0068】つまり、中間筒の回転がタイヤ回転よりも
遅い場合には、この対面する2つのクサビ付き歯車S1
1とS12は、S12主導で、接触はするが両歯車は空
回り状態となり、中間筒は、左方向のスライドを強いら
れる。すると、中間筒左端の歯車S10は対面する車体
に固定された歯車S9と噛み合い、結局は、中間筒は車
体1に固定される結果となる。
【0069】この中間筒の性質は、非常に重要である。
別の表現を用いると、中間筒には、それを挟むゼンマイ
からの回転力と、タイヤからの回転力と、のいずれか一
方の強い回転力とは反対側の方に排他的に接合される、
性質を持たせている。この性質は、前述した、ペタルを
漕いでいる時、自転車が慣性で走っている時、の2つの
ケース以外に、後述するブレーキ時の閉ループ動作の力
の主従の関係においても、非常に重要な位置付けとな
る。
【0070】上記をまとめると、ゼンマイによるタイヤ
を押す回転速度がタイヤ回転速度よりも速い場合は、タ
イヤを押す様に働き、逆に、タイヤ回転速度が中間筒よ
り速い場合、タイヤに引きずられず、蓄えられたゼンマ
イエネルギーが無駄に解放されてしまうことを防ぐ。中
間筒は、ゼンマイ歯車とタイヤの仲立ちの役目をし、S
11とS12との連結と、S10とS9との連結と、を
完全排他の形で実現している。つまり、中間筒の両端に
対面するどちらか一方に完全密着し、中間筒がどちらに
も密着されず独立している状態が無い様にしている。隙
間を非常に厳密になる様に作成する必要がある。この機
構の実現には、車輪装置の各構成要素のレイアウト等が
非常に制限されているので、読者は、じっくりと図の構
造を見て意図するところを理解して頂きたい。
【0071】参考に述べておくが、図1下の図には、回
転防止器以外には、積極的な意味において、この配慮は
していない。従来の自転車の後輪歯車にはラチェット機
構が付いているが、慣性での走行時、どの位ゼンマイ歯
車が解かれるかは検証していない。本来ならば、この後
輪の2階立ての歯車の輪は、2階建とせず、横並びと
し、前述した中間筒の性質を、外側であった歯車に対し
施し、作り変えてしまうのが最も良い。
【0072】また、ゼンマイ歯車S6が巻かれて行くと
チェーンがだぶついて行くが、これは、チェーン余り解
消器A13により解消される。チェーンのだぶつきが、
ある一定値を超えた場合を、ゼンマイが巻き切り状態に
近づきゼンマイ歯車の半径の最小値になったと判定し、
ゼンマイをエネルギー放出のために一時的に解く方式
は、可動部分も多く、また、シャックリ現象も招くの
で、ここでは採用しないものとする。図8の構成におい
ては、この方式を採用したが、この図10では状況が異
なる。
【0073】次に、ブレーキ時の動作を解説する。図6
の場合とは、クラッチ部C1のA61の形状を、初期モ
ード手段Iに相当する仕組みを入れ、形状が変わってい
るため、ブレーキスライド部A10の形状も変わってい
る。つまり、低速走行している場合のブレーキでは駆動
車軸A2は、タイヤと直結しており、ゼンマイ歯車も巻
かれるので、低速走行時のブレーキ指示に対しては何も
しない、つまりブレーキ動作も兼ね、従来のブレーキに
よって停止するものとする。この時、最初から、S5→
S4→S3→S2→S6→S7→S8→S10→S11
→S12→S5という閉ループを構成してはいるが、通
常ゼンマイは余り巻かれておらず、閉ループによる制動
効果は殆ど働かず、一部の回転エネルギーをゼンマイエ
ネルギー化しているだけ、と解釈して良いだろう。
【0074】非低速時の通常走行のペダルを漕いでいな
い自転車が慣性力で走行している時のブレーキ動作は、
図10には書いて無いが、歯車S5はブレーキレバーと
ワイヤ(従来のブレーキワイヤを分岐させる等させる)
でつながれており、ブレーキを握るとS5は、左に強制
スライドされる。これは、例えば、S5と左側タイヤ内
輪7の隙間に、クサビを挿入し強制スライドをさせると
解釈してもらって結構である。スライドされると、S5
→S4→S3→S2→S6→S7→S8→S10→S1
1という歯車回転の連鎖が発生するが、この最後のS1
1の中間筒右側歯車の状態は、自転車が慣性力で走行時
は、中間筒に対する回転の力の主導権は、タイヤ側のS
12にあり、中間筒は、左にスライドされており、積極
的意味において、車体に固定されている状態である。つ
まり、この環境では、閉ループを構成することなく、ゼ
ンマイが巻かれる。しかし、ゼンマイが巻かれて行く途
中の段階でS11とS12の力関係がS11の方が大き
くなると、この系は、S5→S4→S3→S2→S6→
S7→S8→S10→S11→S12→S5という閉ル
ープを構成する。閉ループ下では、関係歯車の径の大き
さが、常にゼンマイ歯車S6の内側回転速度がその外側
回転速度より大きくなる様に設定してあるものとし、最
終的には、ゼンマイも巻かれ、タイヤも停止する。この
所の議論は、図1の解説で全て述べたので、後の詳細は
略すが、注意すべき点として、図1でのH2のラチェッ
ト機能は、回転防止器を含め、消極的意味において成立
するが、こちらの図10では、S11とS12との間の
ラチェット機能は、積極的意味で成立している、こと、
また、もし、平坦地で、従来ブレーキ併用構成がしてな
い場合、ゼンマイが完全巻き切り状態となり、しかも、
関係歯車の径の大きさが、図1で述べたゼンマイ歯車の
最小の径に対するK=1が成立する比率で設定してあっ
たとすると、収束状態では、ブレーキを握っているにも
係わらす、ペダルを漕げば、その分自転車は進む、ま
た、ペダルを止めれば、自転車も止まる、という面白い
最終収束状態となる、こと、を附記しておく。
【0075】また、この自転車の各歯車の大きさ、ゼン
マイ自身のバネの強度、ゼンマイの長さ等を最善になる
ように調節したとしても、登り坂の際の低速化により、
従来自転車対応のペダル、タイヤ直結モードが働き、ゼ
ンマイ歯車機構のモードを使用するのと比べると却って
人間の足の負担が増加してしまう、という現象が発生す
る場合には、図10左下にある垂直重りを利用した坂道
センサを設け、ゼンマイモードが働く様にする。この配
慮は、最悪ケースを回避するために適用するものとす
る。関連情報を述べるならば、各歯車の径の大きさが、
ゼンマイ歯車の径の最小値の時に前述した係数KがK=
1となるように設定してある場合は、この配慮は不要で
ある。なぜなら、その様な各歯車の設定は、ペダルとタ
イヤ直結の際のペダルとタイヤの回転速度の差が最も少
ない値となり、ペダルを漕ぐ人にとって最も力を要しな
い状態になっているからである。但し、その代償とし
て、ペダル1回転当たりの自転車の進む距離は、最も小
さくなり、沢山漕がないと前に進めない状態でもある。
このことは、図1の単純な構成から簡単に推測できる。
逆に図10は、ペダルとタイヤの回転速度の関係を決め
る歯車の数が多過ぎて、その径の設定に自由度が有り過
ぎ、良くない、とも言える。また、図10のタイヤ内の
2本のチェーンは、つなげて1本化へ変更可能である。
やり方は、簡単なので、説明は省略する。
【0076】最後に、図11に、本発明を応用した1つ
の実用例として、新しいタイプの自転車の全体概略像を
示しておく。
【0077】この図は、一輪車をベースに、安定を保証
するするために、小タイヤの前輪を設けた構造であり、
従来自転車と比し、長さを約66%化とする省スペース
化を実現し、後輪タイヤの大きさは従来のままとし、後
輪タイヤの中に、ゼンマイ歯車機構を収納し、自動変速
ギア機能と、ゼンマイによるブレーキエネルギー吸収補
助機構と、を有す。前後の長さを縮めたが、安定性に関
し、支障は出ないと考える。必要ならば、サドル位置
を、さらに後ろに配置しても良い。後ろ荷台を無くした
ので、二人乗りは、不可能となっている。荷物は、ハン
ドルの前にカゴをおけるものとする。また、小さな子供
用イスは、ハンドル逆方向に設置するタイプのものを使
用可能とする。
【0078】また、ペダル位置を漕ぎ易くするために、
ペダルの回転円の平行移動ズラシを前水平方向に対し、
矩形枠にて実施している。さらにその下で、図11で
は、伸びるペダルアームの図2とは異なる例を示してあ
る。また、車体の強度を維持するための車体のフレーム
の追加等、も適宜適用されるものとする。また、ペダル
の回転円の平行移動ズラシ位置は、ユーザによる、チュ
ーニングが可能、との仕様を設けるものとする。
【0079】この自転車から、ハンドルとブレーキレバ
ー部分を残し、前輪タイヤ部分を完全に取り去ったハン
ドル付き一輪車の形態へ変形可能、とする。この変形一
輪車は、乗りこなすまでには、かなりの時間を要するか
も知れないが、人間にはそれを行う学習感覚能力が備わ
っていると考える。例えば、人間の歩行は2足歩行であ
るが、実質は、バランスを取り、2足同時に地面に付け
ず歩いている。走っている場合は、特にそうであり、前
述の一輪車高速走行のことは、絵空事では無いと思う
(但し、実は、私は、現在の一輪車さえ乗った経験は無
い、ので余り変なことは言えない)。
【0080】勇気のある方は、是非この一輪車の高速走
行にチャレンジして頂きたい。
【0081】
【発明の他の実施の形態】次に、ゼンマイ利用、あるい
は、自転車または一輪車関連技術、の他の実施形態につ
いて6つ紹介しておく。1つ目は、一輪車に関し、図1
2、図13が対応する図である。2つ目は、ゼンマイ歯
車に関し、図14がその図である。3つ目は、従来のゼ
ンマイの連結を工夫することにより、構造をシンプル化
させた、汎用的なゼンマイ内蔵タイヤに関する図15で
ある。4つ目は、同軸回転数変換方式に関する図16で
ある。5つ目は、ペダルの円回転の直線往復化について
図17を用いて考える。6つ目に、ペダルの軌跡の汎用
的変形方法について図18で説明する。
【0082】まず、一輪車の変化について記す。前述の
本発明の最終実施例、図12では、従来の一輪車に対
し、補助輪を前輪として付けた。ここでは、後輪として
付けた変化例を示す。図12は、現在の自転車に近い
姿、形となっているが、図13では、動的に自転車を一
輪車とする、一輪車に近い姿、形とし、現在の一輪車に
付加機能を付けたものである。
【0083】特徴としては、以下が挙げられる。
【0084】1.ペダル1回転に対しタイヤm回転を同
軸で実現
【0085】2.タイヤ回転時、ペダル回転セズのモー
ドの提供
【0086】3.手動による変速ギアの提供
【0087】4.一輪車、二輪車の動的変更による車体
安定性の提供
【0088】5.4.における操縦性の確保
【0089】以下、図の解説をする。図12は、一輪車
としての構成図である。変速機構は、チェーンを使用せ
ず、歯車のみで実現し簡素化している。N段変速機構
は、タイヤ内輪に取り付けた最小の輪と、それを囲むペ
ダル内側側面に取り付けたN個の輪と、タイヤ側の輪と
ペダル側の輪の1つを連結する同軸同一回転する2つの
歯車とから成る。そして、これらの輪の側面には、軸を
中心に環状に取り付けた三角四面体の突起群を持ち、突
起の数は、輪の円周の長さに比例し、外側の輪程、突起
数が多い構造となっている。輪は垂直に回転するのに対
し、歯車は水平回転する様にしてあり、輪と水平歯車を
圧着すると、噛み合い、垂直回転→水平回転の変換を
し、この水平回転は同軸のもう一方の歯車に伝達され、
後者の歯車に噛み合っている輪を、水平回転→垂直回転
の形で変換伝達する。2つの歯車の1つは、タイヤ内輪
に付けた突起輪(以後、この輪のことを突起輪、と呼
ぶ)専用とし、もう一方の歯車は、ペダル側のN個の中
の1つを選択可能な様に、コマ状の歯車形状において、
水平歯車は回転軸に対し軸方向の、図中のX方向のスラ
イドが可能とする。また、この軸は、図中Y方向の円弧
の回転が可能で、歯車と突起輪と、の切離と圧着と、が
可能とする。N個の円周が異なる突起輪に対し、共通の
1個の歯車で全て対応するために、突起輪側の突起の形
状は、図12下に示した様な三角四面体をベースとする
ものとする。また、図には無いが、X、Y方向のスライ
ドは、ワイヤをとおして行うものとする。外側の突起輪
を選択する程、ペダル1回転当たりのタイヤ回転数が増
す。
【0090】次に、図13の解説をする。この図は、図
12の続きである。この図13上は、一輪車を動的に二
輪車とする構造を示す、と同時に、この車体の全体像を
示している。サドルの前に2種類の垂直レバーを設定し
ており、手元のレバーは、前述したペダル→タイヤの回
転速度変更用制御レバーであり、X方向とY方向の選択
をするものである。Xの選択は、Yの歯車と突起輪の切
離圧着状態が切離状態時のみ可能、となる様になってい
る。遠い方のもう1つのレバーは、一輪車の後輪として
設定した小タイヤの地面との角度を制御するものであ
り、小タイヤも地面に接している状態から、レバーを手
前に引くと、小タイヤは上に上がる様に作ってあり、ち
ょうど飛行機の操縦桿を手前に引くと飛行機は、昇降舵
を下げ車体が上向きになるのと同じ様に、レバーを引い
た後も小タイヤを地面に付けたとすると、二輪車の車体
は上向く様に作ってある。このレバーを引きつつ、サド
ルから下へ伸びた軸も前方向になる様な姿勢をとると、
サドルの軸は垂直を保ったままで、小車輪が地面から離
れた格好になる。ちょうど、飛行機が離陸する様な感覚
で、二輪車から一輪車(厳密には、二輪車で後ろの小タ
イヤが地面に付いていない状態を指す)への動的変更を
する。また、このレバーを遠くへ押す動作をすると、小
タイヤは地面方向に、より押し付けられる。一輪車の車
体の不安定さをこれを用いて制御できる。また、ブレー
キ機構と進路を曲げる機構は、一輪車同様無い。これら
を取ってしまうと、一輪車たる魅力を無くすので、敢え
て残す。また、一輪車の高速走行時の車体が慣性力で走
行している場合のために、手前レバーをY方向(横方
向)にずらし、止めた状態にすると、歯車と突起輪が切
離状態となり、ペダルが自由な状態となる様にした。こ
れにより、乗り手は、より快適な走行操作状態を得る。
【0091】図13下は、小タイヤを地面から離した
り、付けたりするレバー制御動作機構の構成図である。
ここでも、矩形(特に、菱形)の性質の内を使用してい
る。説明は、図を見れば理解できるはずなので、省略す
る。
【0092】次に、図14を使用し、もう1つの変化例
として、ゼンマイ歯車の歯車用の突起をゼンマイの背中
では無く、側面に配置することを考える。図14右下が
このタイプのゼンマイ歯車の形状である。背中に突起を
持ちチェーンにより、他の歯車と連結する場合には、無
かった部品として、ゼンマイが板状になることを防ぐ機
構として、ゼンマイを囲む輪の壁であるゼンマイ収納壁
をペダル側面に取り付ける。この配慮は、チェーンによ
り回転伝達する場合には、チェーンの輪がこのゼンマイ
の渦巻き状態を保つ役割を果たしており、特に必要はな
かった。ゼンマイが内側から巻かれ、ゼンマイ外側を他
の回転体との接点とすると、背中に突起を持つゼンマイ
歯車と同様に、ゼンマイを巻くのに必要な負荷が高くな
ると、ゼンマイ全体の円状の外形の半径は小さくなる、
という性質を有す。
【0093】このゼンマイ歯車を図14上の構成要素と
して使用する。この図14上の図は、図12の一輪車の
構成図で解説した、縦回転を水平回転に変換、あるい
は、その逆、により、ペダル1回転をタイヤm回転に変
換する図の拡張であり、N個の半径の異なるペダル側突
起輪を側面がギザギザのゼンマイ歯車と置換し、さら
に、水平歯車を寸胴の1個のクサビ状歯車と置換し、自
動変速ギア機構を実現したものである。なお、この場合
のギザギザ突起の形状は、三角では無く、クサビ状の一
方方向の回転のみ噛み合い、反対回転に対してはスライ
ドするものとする。水平寸胴クサビ歯車、タイヤ内輪側
突起輪の突起も、クサビ型の形状とする(図中の水平寸
胴クサビ歯車の絵の突起が通常の歯車突起となっている
が、これは、作図できなかった結果であり、実際はクサ
ビ状の突起であると解釈して頂きたい)。チェーン方式
の場合、チェーンのだぶつき対策として「チェーン余り
解消器」という要素を必要としたが、図14では、それ
に相当するものを必要とせず、単純な全体構成となる。
【0094】新たな問題としては、先程のゼンマイ収納
壁の設定以外に、ゼンマイがきつくなり、半径が小さく
なった場合、側面のギザギザ突起が多重になってしま
い、水平歯車との噛み合いに何かしらの不整合が発生し
正しく回転動作の変換がなされない(空振りの発生)、
という危惧がある。本件については、楽観視している、
しっかりと噛み合うもの、そうでないもの、段が異なる
ものが同時にカチッと噛み合うもの、等、色々考えられ
るが、いずれにせよ最終的には、突起同士のぶつかり合
いは、自然淘汰がなされ、優先度が付いた形で、正しく
回転伝達がなされると思う。必要ならば、側面突起が多
重になった場合、最も外側のものが優先され、内側突起
の効果が無くなる様な仕組みを講ずるものとする。これ
は、余り難しく無い。例えば、突起の底部に、何か短い
帯状あるいはヒモ状のものをぶら下げると、多重段の内
側の突起と水平歯車の噛み合いは、上段のぶら下がり物
により妨げられ、うまく噛み合わなくなり、下段の局所
的空振りを作る。
【0095】また、図14には、ブレーキの閉ループ構
成の機構も付加しておいたので、結果的に、この図は、
図1あるいは図10と、ほぼ同機能のものを、タイヤに
対しゼンマイ歯車を外付けとし、かつ、ペタル軸と車輪
軸を同一化とした、変化例でもある。図中、多くのクサ
ビ輪を使用しているが、そのクサビの向きは色々であ
る、ここでは、特に解説しない。読者の想像力に任せる
ものとする。図の意図する勘所を理解しているならば、
それは容易である、と思う。また、ここでは、タイヤは
従来のものを使用したが、後述する図15のエネルギー
蓄積型タイヤを使用し、ゼンマイによるエネルギーの蓄
積を分散化し、2箇所のゼンマイを持っても良い。ま
た、この図の構成は、図10と比べると車輪軸を囲む筒
の多重度が低く、より好ましい形態となっている。しか
し、歯車の円周長の違いから回転速度の変更を行う、従
来の変速方式としての2種類の方式である、チェーンを
使用する方式と、歯車のみを使用する方式と、におい
て、垂直回転を水平回転化、あるいはその逆、を行うこ
の図14の様な方式は、磨耗度が高い様な気がする。し
かし、チェーン方式も、良く考えると、チェーンの各要
素間の摩擦が発生しており、要素の数は多い、のでトー
タルの摩擦も案外多いのかも知れない。両方式も、どっ
ちもどっち、で優劣しがたいが、直感的には垂直←→水
平方式の方が、摩擦部が集中しているので負けると思
う。従って、例えば、前述した寸胴歯車の少なくとも接
触面の材質は、硬いものにする必要があるだろう。
【0096】次の変化例として、図15の、ゼンマイ歯
車の応用では無いが、従来のゼンマイを内蔵したエネル
ギー蓄積型の単体の車輪について考える。これは、図6
で説明したの部品要素数を減らし、よりシンプルな汎用
性の高い拡張ともいえる。図6では、車体の走行時およ
びブレーキ時の両方でゼンマイにエネルギーを蓄える、
1つの解であるが、ゼンマイの出力がゼンマイ外側終端
であるため、それを受けるゼンマイ受け枠というコの字
状(アーチ状)の枠を設け、その枠の回転をタイヤ内輪
に伝達させた。この枠は、図10の本格的なゼンマイ利
用時では歯車を付け回転速度をある比率で変換するとい
う様に他の目的のために必要であったのに比べると、ス
ペースを取り、しかも、枠自身という部品をも必要する
ので、少し勿体無いと言える。これを解決したものが、
図15であり、枠のためのスペースを取る位なら、もう
1つゼンマイを増設し、出力口をゼンマイ内側とし、図
6と比べ等価以上のシステムを実現しようという工夫で
ある。結果的には図15下にある様な構成からなるタイ
ヤを生む。このタイヤは、独立性が高く単体として、従
来のタイヤと交換可能である。そして、もし交換したな
らば、緩やかなスタート(物は言い様で、なかなか回転
しないをここでは、正と捕らえている)と走行時のペダ
ル回転のエネルギーを蓄積するので、自転車の乗り心地
も一味違った快適なものになる。さらに、車軸外側に図
6で解説したブレーキ補助機構を増設すると、ブレーキ
時もエネルギーを蓄え、より効率の良い自転車となるだ
ろう。
【0097】個人的な意見であるが、今述べた最後の構
成は、自転車以外に、ブレーキ&加速の動作を反復する
各駅停車や一般バスの車両に対し、簡単に適用でき、か
つ、効果があると思う。特に、このシンメトリ構成は左
右のゼンマイが鏡で映した様な動作をし、その性質も最
も不公平が無いものであり、採用するに値すると思う。
最後のコメントを補足しておく、ズバリいうが、ゼンマ
イとはどの様な性質を持っているのだろうか。内側を1
回転させると外側は、外側に負荷がある時、m回転する
とすると、予想であるがm<1である。逆に、外側を1
回転させると内側に負荷が掛かっていたとしても、その
回転をmとすると、m>1が通常成立すると思う。これ
は、これはテコの原理からの予想である。つまり、外側
は軸から柄の長さが長く、弱い力で物を動かすことが出
来、内側は柄の長さが短く同じ物を動かすには、より強
い力を必要とする。従って、同じ1回転でも外側からの
1回転は、内側ではより強い力を発生させ、より回転数
が多い回転を生む、と思う。図15ではこの内側と外側
との非対称性を鏡に映した構成とし打ち消している。つ
まり、ゼンマイが緩い状態であっても、入力1回転に対
しエネルギーを貯めつつ、かつ、出力も極力1回転に近
いものになろうと働く、と思う。従って、このシンメト
リ構成は、色々な意味で、成功していると思う。
【0098】しかし、この図15の構造は、上記の様な
思考結果で当初考えられたが、良く考えると、結果的に
は、単にゼンマイの外側終端を、軸に対する内側終端の
接続の横隣に接続したに過ぎないとも言える、面白くも
何とも無い、とも言える。だが、前述の対象性の記述は
正しい。逆に、これをさらに発展させると、外側終端を
軸に対し、軸への内側終端接合部よりも、スペースに余
裕があるならば、ワザともっと距離をおいた所に接合さ
せると、模型のプロペラのゴムの様な状態を実現でき
る、と言える。別の表現をすると、ゼンマイは、始点と
終点の距離の間で均等になる様に少しづつずれて配置さ
れる。この性質は、より多くのエネルギーを省スペース
で蓄えるための、増々良い性質の構造と言える。また、
この図には図6の様なゼンマイ巻き切りの配慮が無い、
が、単体の汎用タイヤとしては、ゼンマイ巻き切りの配
慮は無くても良いと思う、その分ゼンマイの始点と終点
の接合部の強度を強くしておけば良い、と解釈する。こ
のタイヤは、エネルギー蓄積型タイヤとして従来のタイ
ヤと、今すぐにでも、置換可能である。また、置換対象
としては、既に少し触れたが、ゼンマイ歯車をタイヤに
対し外付けとし、タイヤは従来のものであった、図1中
央、図1下、あるいは、図14のタイヤとしても適用可
能であり、ゼンマイをタイヤ内とタイヤ外と、の2箇所
で利用する結果となる形態、も含まれる。
【0099】次に、図16に、同軸歯車間の第三の中間
媒体絶対要素(これは、例えば、車体に固定された歯車
群や、絶対方向を向いたチェーンの様な仲介物、を指
す)を、見掛け上必要としない、回転速度の変換を行う
手法について考える。図16は、昔の中学の技術の時間
に習った、ノギスの如く、10の刻みに対し、もう1つ
9の刻みの定規を用意することにより、10分の1の単
位まで測定可能にする、のと、似ている。これは、ウナ
リの現象にも、似ている。つまり、波長の異なる2つの
音は、最小公倍数の周期で、音がちょうど共鳴し、ウナ
リが周期的に発生する。図16は、歯車突起の数が、ち
ょうど1個分異なるリングを隣同士にし、多重の輪とし
たものである。隣接するギザギザの形状は、大雑把に言
うと、ほぼ同じであり、厳密には1個分違う。このよう
な、リング同士が、噛み合って行くと、1/N という
極微のズレを発生させながら、突起と突起がぶつかる形
となり、外側1回転に対し、内側が、1/N回転余分に
回転してしまう、という仕掛けである。この特性を利用
すると、入力を外側の輪すると、内側は、1回転以上が
えられ、逆に、内側を入力とすると、外側は、1回転以
内の出力が得られる。この方式は、絶対要素の中間媒体
を有しない変換方式の様に見えるが、実は、違う。重力
という、絶対媒介要素を利用している。無重力状態で
は、この方式も働かないだろう。尚、リング間は、適度
な隙間のラグを必要とする。ゼンマイもこの多重リング
の性質を有すが、もっと柔軟的で、一定比率の回転速度
を保証しないものと言える、これは、ゼンマイの利点で
もあり、欠点でもある。
【0100】次の変化例として、ペダルの通常円回転軌
跡の直線往復運動化についての変化を図17に示す。こ
の図は、図3の伸びるペダルアームの参考例を、より具
体化したものでもある。個人的に、私は、現在のペダル
漕ぎの形態が、人間にとって最適なものとは考えていな
い。むしろ、現在のものは、不自然だと考えている。図
は、車輪の両脇にスライドレールを設け、そのレールに
沿ったスライドをするスライド筒を持たせ、左右のスラ
イド筒脇には、足踏みを持たせ、また、スライド筒同士
は、左右レールの間の上方に設定された滑車をとおし、
ワイヤで結ばれており、一方のスライド筒を下へ押す
と、他方のスライド筒は、その分、上にスライドさせる
様に働く。クサビ枠は、一方のスライド筒と接合されて
いる。また、車軸に接合された歯車は、クサビ枠の内の
2列の内向きのクサビによりクッション(但し、巧妙に
作れば、このクッションは不要である)を介し圧着され
ている。すると、クサビ枠の上下運動は、歯車を、上下
に押される形で回転させる。しかも、往路、復路、共に
回転に供する。この構造は、現在、日本の子供達の間で
流行っている、ベイブレイド、のコマの回転方法に近
い。この直線運動の回転運動化は、従来自転車の後輪の
ラチェット付き2重歯車2個と、チェーン2本と、さら
に、逆回転化機構により機能的に等価な仕組みが実現で
きるが、大袈裟過ぎる。また、楕円ペダル回転の一次元
方向(図17下では、Y方向としている)成分を直線往
復変位として抜き出し、前述のクサビ枠に連動させ、見
掛け上は、ペダル軌跡の楕円軌跡化とすることも出来
る。直線往復が最適とも思えないが、人の屈伸運動に
は、円運動よりは、近く、より好ましいかも知れない。
さらに、この図から容易に推測されるが、2本の平行直
線は、実際には、湾曲してる曲線でも良い。
【0101】変化例最後の6つ目として、図18に、従
来自転車の車体に対するペダル回転軌跡の円を、汎用的
に、自分の好きな形に指定可能な方式について考える。
この例も、伸びるペダルアームの変形例と解釈できる。
これは、その軌跡の枠の雛形(テンプレート)をユーザ
指定してもらい、その枠をペダル軸を囲む形で車体に付
け、ペダルアーム終端が、その枠に沿って回転するよう
にさせるだけである。図では、実際に車体に取り付ける
枠を、ペダルアームの長さの2分の1に縮小したものを
示してある。そのために、三角形の相似の性質と2等辺
三角形とをここでは採用している。この縮小比率は、自
在に変更可能である。また、枠の形としては、ヒステリ
シス曲線の様な、胃袋の形のものを例として挙げた。こ
の形は、かなり、人間に向いているのではないかとの印
象を持っている。考え方は、易しいので、図の解説を見
て頂きたい。また、一般に、雛形枠の閉じた曲線は、凸
(Convex)状の方がスムーズに動作するだろう。
また、さらに、図18のペダル歯車軸の位置は、既に述
べた様に、漕ぎ手が、漕ぎ易い位置に、車軸とは平行移
動した、ずらした位置に配置しても良い。この辺の調節
も、自転車の購入者自身が調節できる様に、自転車製造
者は配慮することが好ましい。
【0102】ここで、本当の最後になるが、今まで解説
して来た沢山の図において、ゼンマイ歯車を従来歯車に
置き換えた構成も、もし新規性があるとすると、本発明
の請求範囲に抵触するものとする。また、歯車同士の噛
み合いである、いわゆるクラッチ機構や、また、一方方
向の回転をさせるラチェット機構に対し、本発明では手
抜きをせず、その図の例を示したが、そのクラッチおよ
びラチェット部分の実現に際しては、世の中に実在す
る、あるいは、将来実現されるだろう、同一機能を実現
する、最も適切な形状のものを、使用するものとする、
ことを付記しておく。
【0103】また、最後の本発明に関連した、私観を述
べておく。同軸での回転速度変換は、第3の絶対方向
(第3の異なる絶対軸)の仲介無くしては、達成出来な
い、様に思えるが、これは、真理であろうか。いくら考
えても、そうなってしまう。例えば、ドライバ(ネジま
わし)を片手で1回転すると、ネジが2回転するような
ドライバは、作成不可能なのであろうか。両手が使える
ドライバなら、こんなことは容易に実現できる。また、
例えば、図3中央の「伸びるペダルアーム変化その2」
の図は、2本のアームを、歯車あるいはチェーンで構成
される汎用コネクタで仲介する形として捕らえると、こ
のコネクタには、絶対方向の要素は無く、相対方向の要
素のみである、にも係わらず、図を見ると、ペダルのア
ーム方向は、水平を保つと、私は書いた。テストらしき
事もした結果であるが、概念的には、がてん、が行かな
い。嘘かも知れない。静止衛星の形になるのかも知れな
い。また、参考として、図19に、私が気にしている仮
説の図を示しておく。左右の図が、もし、完全等価だと
すると、同軸問題は、非常に構造がスッキリした形とな
る。図19に関し、静止衛星の形になるか否かについて
は、色々テストをしたが、どちらとなるかについては、
残念ながら、確認は取れておらず、残念である。同軸で
の速度変更の技術は、非常に難しい、と言える。
【0104】誰か、今述べた、「ネジまわし」の発明
と、図19の仮説の結果に関し、その白黒を付けて頂き
たい。もし、誤り、あるいは、不可能であるなら、その
理由の証明をも示して欲しい。
【0105】
【発明の効果】第1の効果は、ゼンマイ歯車による、車
輪回転速度の変速ギア操作の自動化。その理由は、ゼン
マイ歯車には、ゼンマイを巻くとその全体の円の径が自
動的に小さくなり、径の小さい歯車となる性質があるか
ら。
【0106】第2の効果は、伸びるペダルアームによ
る、ペダル漕ぎ手の負荷軽減。その理由は、ペダルに対
する強い押しに対し、自動的にアーム長が伸びるから。
【0107】第3の効果は、ブレーキ時、および、走行
時、のエネルギーの蓄積、活用の効率向上。その理由
は、ゼンマイ歯車(ゼンマイ)をブレーキ時、のみなら
ず、通常走行時にも、有効活用しているから。
【0108】第4の効果は、従来機能以上の機能を持
ち、かつ、形の小さい自転車の実現。その理由は、ゼン
マイ歯車(ゼンマイ)を車輪内に封じ込め、かつ、ペダ
ル軸と車軸を同一軸に配置するから。
【0109】第5の効果は、一輪車の走行の安定化、高
速化、高操作性、単純構造化の実現。その理由は、補助
輪の動的追加、手動変速ギアの導入、ペダルと車輪の従
属性の動的無効化、操作性の良いレバーの導入、チェー
ン無しによる変速ギア機構および矩形枠構造によるの力
の伝達、をしているから。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゼンマイ歯車(従来自転車改良)
【図2】伸びるペダルアーム
【図3】伸びるペダルアーム変化
【図4】ゼンマイ追加による連携
【図5】オルゴール箱のゼンマイ
【図6】基礎となる構成[断面図](従来ゼンマイレベ
ル)
【図7】動作原理概念
【図8】タイヤ軸とペダル軸の同一化
【図9】ペダル円ずらし(平行移動)
【図10】駆動軸構成[断面図](車軸が駆動軸への拡
張例)
【図11】一輪車変形二輪車(新自転車外形)
【図12】一輪車変化例(同軸技術)
【図13】一輪車変化例(同軸技術)続き
【図14】自動変速ギア変化例(同軸技術)
【図15】汎用ゼンマイ内蔵タイヤ
【図16】同軸変速化変化例(N,N+1ギザギサ輪)
【図17】ペダル軌跡変化例(直線往復化)
【図18】ペダル軌跡の汎用的変形方法
【図19】参考:タイヤ・スポーク空間内等価システム
【符号の説明】
H1〜H4 歯車(図1) 1 車体 2 車軸 3 ゼンマイ内側終端接続 4 ゼンマイ外枠 5 ゼンマイ外側終端接続 6 クラッチ部 7 タイヤ内輪 8 スポーク 9 タイヤ 10 ブレーキスライド部 11 ギザギザ歯車 12 車体固定のラチェット 13 ゼンマイ巻き切りセンサワイヤ A2 駆動車軸 A4 ゼンマイ受け枠 A5 ゼンマイ受け歯車 A61 クラッチ部 C1 A62 クラッチ部 C2 A10 ブレーキスライド部 A11 ギザギザ歯車 A13 ブレーキ摩擦ドラム A14 チェーン余り解消器 A15 チェーン A16 中間筒 A17 遠心力計測用分銅 S1〜S13 歯車(図10)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゼンマイの帯の外側(あるいは、内側)終
    端領域の背中あるいは側面あるいは内面に、歯車用突起
    群を設け、ゼンマイ内側(あるいは、外側)終端を、軸
    (あるいは回転体)と接合し、その軸(あるいは回転体
    の軸)を歯車の軸と捕らえ、かつ、このゼンマイ自身を
    歯車と捕らえ、一般歯車の用途に利用すること。当然で
    あるが、このとき前記ゼンマイは、ゼンマイの用途とし
    て使用しても良い、を含む、を特徴とする「ゼンマイ歯
    車」装置。
  2. 【請求項2】自転車を含む車両において、車輪軸と車輪
    とを切り離し、その間にゼンマイを挿入し、車輪軸とゼ
    ンマイ内側(あるいは、外側)とを接合し、かつ、車輪
    とゼンマイ外側(あるいは内側)とを接合し、車輪の回
    転を、駆動源→車軸回転→ゼンマイ回転→車輪回転とい
    う、ゼンマイエネルギーを介す回転伝達形態とし、この
    とき、ブレーキ時は、車輪の入力源として、車輪の回転
    を使用し、車輪回転→車軸回転→ゼンマイ回転→車輪回
    転という閉ループ構成とし、この閉ループ動作の収束値
    として車両の停止状態を得ても良い、を含む。また、ゼ
    ンマイと、車輪軸あるいは車輪との接合関係は、動的に
    切離可能であっても良い、を含む。また、ゼンマイの物
    理的位置は、自転車あるいは一輪車等の車輪のスポーク
    内空間にあっても良い、を含む。また、ゼンマイは、複
    数個のゼンマイを接合したゼンマイであっても良い、を
    含む。また、回転の伝達においては、歯車あるいはチェ
    ーン等との組み合わせ、により、回転速度の変更がなさ
    れても良い、を含む。また、前記ゼンマイあるいは歯車
    の中には、請求項1のゼンマイを使用しても良い、を含
    む、を特徴とする、「ゼンマイ内在車両」装置。
  3. 【請求項3】自転車あるいは一輪車のペダルのアーム部
    において、強い足の踏み込み力が強いられるとき、アー
    ム長が自然に伸びる機構を有すこと、を特徴とする、
    「ペダル」装置。
  4. 【請求項4】自転車あるいは一輪車において、ペダル軸
    と車輪軸とを同軸化する仕組みの変化例において、ペダ
    ル軸と車輪軸とが矩形枠(平行四辺形の各辺終端が隣接
    辺と自由回転できる形で結合されているフレーム)に
    て、「車両車軸回転部平行移動」の形で結合された回転
    伝達機構を有す、あるいは、ペダル軸と車輪軸とが、車
    輪軸に対し、同軸で内側および外側に歯車用突起を持
    つ、半径の異なる多層の輪(筒)で囲み、このとき、2
    つの接する多層の輪同士の外側と内側との突起数は、内
    側の輪の外側突起数を、その外側輪の内側突起数よりも
    1個分少なくする様な輪とする、多層の輪により連結さ
    れた回転伝達機構を有す、あるいは、ペダルの移動方向
    を直線往復運動とし、この往復運動を、縦2列内側を連
    続クサビ状とした細長い長方形の枠であるクサビ枠に伝
    え、さらに、対面するクサビ列が車輪軸に接合された歯
    車を挟む形で圧着され、クサビ枠の直線往復運動を歯車
    回転運動化させる機構を有す、あるいは、所望のペダル
    軌跡形状の雛形枠を設定させ、伸びるアームの方式を適
    用し、汎用的な自由なペダル軌跡を提供させる機構を有
    す、を含むことを特徴とする、ペダル運動の車軸回転運
    動化変換方式。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2017047370A1 (ja) * 2015-09-18 2018-09-27 遠藤工業株式会社 ゼンマイ式駆動装置及び自走キャスター

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JPWO2017047370A1 (ja) * 2015-09-18 2018-09-27 遠藤工業株式会社 ゼンマイ式駆動装置及び自走キャスター

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