JP2003311537A - 研磨方法、研磨装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

研磨方法、研磨装置及び半導体装置の製造方法

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JP2003311537A
JP2003311537A JP2002129173A JP2002129173A JP2003311537A JP 2003311537 A JP2003311537 A JP 2003311537A JP 2002129173 A JP2002129173 A JP 2002129173A JP 2002129173 A JP2002129173 A JP 2002129173A JP 2003311537 A JP2003311537 A JP 2003311537A
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polishing
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film
current
pad
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Shuzo Sato
修三 佐藤
Takeshi Nogami
毅 野上
Shingo Takahashi
新吾 高橋
Hisanori Komai
尚紀 駒井
Kaori Tai
香織 田井
Hiroshi Horikoshi
浩 堀越
Suguru Otorii
英 大鳥居
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 研磨終点まで安定した電流密度分布で被研磨
対象に通電するとともに、従来通りのメッキ装置や洗浄
装置等他の装置の使用や製造プロセスフローによる実施
を可能とする。 【解決手段】 電解液E中に金属膜2が形成された基板
1と対向電極3とを所定の間隔をもって対向配置し、金
属膜2に押接される通電電極4を金属膜2上に配設して
金属膜2を電解研磨するとともに、この電解研磨と同時
に、基板1を回転させながら、金属膜2上にパッドを摺
動させてワイピングする。このとき電解研磨は、金属膜
2に摺接する通電電極4で金属膜2に通電することによ
り行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に形成され
た金属膜に通電して電解研磨を行う研磨方法及び研磨装
置に関し、詳しくは上記金属膜への通電方法及び通電電
極の配置に関する。また、本発明は、上述した研磨方法
をその製造工程中に実施する半導体装置の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】テレビジョン受像機、パーソナルコンピ
ュータ、携帯電話機等の電子機器に対する小型高性能
化、多機能化等の要求から、これら電子機器に使用され
るLSI(Large Scale Integration:大規模集積回
路)においてはさらなる高速化、低消費電力化が求めら
れている。このようなLSIの高速化、低消費電力化に
応えるため、半導体素子では、微細化、多層構造化が行
われており、加えて材料の最適化も行われている。
【0003】微細化が進む半導体素子においては、デザ
インルールで言うところの0.1μm世代からその先の
世代へと移行しつつある状況にある。このような状況の
中、半導体装置の製造プロセスにおいては、微細化に伴
う露光側における焦点深度(DOF)の限界から表面の
平坦化が必要とされており、この表面の平坦化を行うた
めに化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:
以下、CMPと称して説明する)プロセスが導入され、
既に広く一般化している。例えば、デュアルダマシン法
に代表される配線形成方法においては、配線溝やコンタ
クトホール等となるトレンチやビアに金属配線となる金
属材料を埋め込むために、電解メッキ等によって半導体
ウェーハの全面にわたって金属膜を成膜している。この
とき、ボイドやピット等の表面不良を発生させずに金属
膜の成膜を完了させるために、電解メッキ液に各種工夫
された添加剤が添加されるが、この添加剤の効果によっ
て、図13に示すように、微細配線密集部DAに所定の
値以上の盛り上がり(ハンプ)Hや、幅広配線部WTに
へこみDS等の凹凸が生じてしまう。上述したCMP
は、このような金属膜の凹凸を平坦化する際に実施され
る。
【0004】一方、配線材料の面では、素子の微細化に
よって動作遅延に占める割合が無視できないレベルにな
った配線遅延を減少させるため、配線を形成する導電性
金属材料として従来から用いられてきたアルミニウムか
ら、電気抵抗の低い銅への移行が0.1μm世代以降に
おいて進められている。
【0005】また、0.07μm世代においては、上述
した銅配線とシリコン酸化膜系絶縁膜との組み合わせで
は、動作遅延に占める割合が素子トランジスタ遅延より
も配線遅延の方が大きくなってしまうことから、配線構
造の改善、特に絶縁膜の誘電率を更に小さくすることが
必須となっている。このため、半導体装置にあっては、
誘電率2以下のポーラスシリカ等の超低誘電率材料の採
用が検討されている。しかしながら、ポーラス状等の超
低誘電率材料は、いずれも機械的強度が低く、従来のC
MPの実施時に印加される加工圧力4〜6PSI(1P
SIは約70g/cm。したがって、280〜420
g/cm)の下では、超低誘電率材料にて成膜された
絶縁膜に圧壊やクラック、剥離等が生じ、良好な配線形
成を行うことができなくなる。また、このような圧壊等
を防ぐために、上述した材料にて成膜した絶縁膜が機械
的に耐え得る圧力1.5PSI(105g/cm)以
下までCMPの圧力を下げた場合には、通常の生産速度
に必要な研磨レートを得ることができない等の問題があ
る。このように、絶縁膜に超低誘電率材料を使用した場
合、半導体ウェーハ表面を平坦化するためにCMPを実
施することには多くの問題点がある。
【0006】上述したようなCMPの問題点に鑑みて、
単純に電解メッキの逆電解(以下、単純逆電解と称す
る。)によって余剰な金属膜を除去する方法もある。こ
の単純逆電解によれば、加工圧力が問題とならず、した
がって超低誘電率材料にて成膜された絶縁膜に圧壊等の
問題が生じない。しかしながら、この単純逆電解は、金
属膜の表層から一様に材料溶出除去が行われるため、凹
凸を平坦化することができず、その結果研磨終了時にお
いて、その金属膜の凹凸パターンに応じて部分的に図1
4(a)示すような配線の消失、同図(b)に示すよう
なディッシング(へこみ)、リセス(ひけ)等のオーバ
ー研磨、或いは同図(c)に示すようなトレンチ上の金
属膜の凸状の残りや、この凸状残りによる隣接配線の接
触を原因とするショート、トレンチ以外の箇所に金属膜
が島状に残存するアイランド等のアンダー研磨のような
研磨不良が生じる問題がある。
【0007】そこで、上述したようなCMPや単純逆電
解による電解研磨ではなく、電解研磨とパッドによるワ
イピングとを同時に行うことによって、低圧力でかつ通
常の生産速度に必要な研磨レートを得ることができる研
磨方法が提案されている。この方法は、被研磨対象であ
る半導体ウェーハ表面の金属膜(例えば銅膜)に陽極と
して通電し、この半導体ウェーハと対向する位置に配置
した陰極である対向電極との間に電解液を介して電解電
圧を印加して電解電流を通電させ、電解研磨を行う。こ
の電解研磨によって、陽極として電解作用を受ける金属
膜表面が陽極酸化され、表層に酸化物被膜が形成され
る。さらに、この酸化物と電解液中に含まれる錯体形成
剤とが反応することで、金属膜表面に高電気抵抗層や不
溶性錯体被膜、不動態被膜等の変質層が形成される。そ
して、この電解研磨と同時に、上述したような変質層を
パッドによってワイピングすることで変質層の除去を行
う。このとき、凹凸を有する金属膜の凸部表層の変質層
のみが除去されて下地の金属が露出するのに対し、凹部
表層の変質層は残留する。したがって、下地金属が露出
した凸部部分のみが部分的に再電解され、さらにワイピ
ングされることによって凸部部分の研磨が進行する。こ
のようなサイクルが繰り返されることによって、半導体
ウェーハ表面の平坦化が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した研磨方法にお
いては、電解研磨を行うために被研磨対象である半導体
ウェーハ表面の金属膜を陽極として通電する必要がある
が、電解研磨と同時に半導体ウェーハ表面にパッドを摺
動させるワイピングを行うため、パッドの摺動動作を阻
害するようなウェーハ表面に突出する通電電極(陽極)
を固定して設置することができない。このため、半導体
ウェーハ裏面にまで金属膜を形成し、この裏面側が接触
するウェーハチャックから通電させる方法も考えられる
が、ハンドリング時における他の装置間とのコンタミネ
ーションや、金属膜の成膜方法の変更等、半導体装置の
製造プロセスフローに与える影響が大きい。
【0009】また、電解研磨においては、研磨条件や研
磨レートが電流密度に大きく依存するため、半導体ウェ
ーハ面に安定して均等な電流密度分布となるような通電
方法が必要である。半導体ウェーハ表面の金属膜面積の
割合が研磨開始当初の全面にわたって成膜されている1
00%の状態から、余剰部分の除去を終了し配線パター
ンのみが残った状態まで減少させる場合に、不安定な電
流密度分布で電解研磨が行われると、研磨終点における
金属膜表面の腐食、荒れや電流集中によるピットの発生
等の問題が生じる。また、取り残された大きな金属残存
部や幅広配線部と独立した微細配線部との除去速度差が
微細配線への溶出レートの集中によって増大し、加速的
に微細配線部における溶出レートが上昇して、配線消失
が生じるという問題もある。このように、不安定な電流
密度分布での電解研磨では、良好な終点表面の形成が困
難であり、その結果、研磨不足による金属残りや、オー
バー研磨等の重大な欠陥によって、配線のショートやオ
ープンをも生じさせ、また表面粗度が粗く配線電気抵抗
が不安定な面が形成されてしまう。
【0010】上述した各問題は、平坦化能力を高めるた
めに、砥粒を含むCMPに用いるスラリーをベースとし
て導電性を与えた電解研磨液を電解液に代えて電解研磨
を行った場合も同様に発生し得る問題である。
【0011】そこで、本発明は、研磨終点まで安定した
電流密度分布で被研磨対象に通電が可能な研磨方法及び
研磨装置、さらにはこの研磨方法を製造工程中に導入
し、従来通りのメッキ装置や洗浄装置等他の装置の使用
や製造プロセスフローの実施を可能とする半導体装置の
製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
本発明に係る研磨方法は、電解液中に金属膜が形成され
た基板と対向電極とを所定の間隔をもって対向配置し、
通電電極を金属膜の端部に摺接させながら通電するとと
もに、金属膜表面を研磨パッドを摺動させることにより
払拭することを特徴とする。そして、摺動する研磨パッ
ドの最大幅を金属膜の幅よりも小とし、研磨パッドから
はみ出した端部に通電電極を摺接させる。この通電電極
は、回転駆動される円形の基板の、例えば径方向両端部
において摺接している。
【0013】また、本発明に係る研磨装置は、金属膜が
形成された基板と、この基板と所定の間隔をもって対向
配置される対向電極と、金属膜の端部に摺接する通電電
極と、金属膜表面を摺動する研磨パッドとが電解液中に
配設されてなる。そして、通電電極により金属膜に通電
するとともに、金属膜表面を研磨パッドを摺動させるこ
とにより払拭することを特徴とする。通電電極は、摺動
する研磨パッドの最大幅を金属膜の幅よりも小とし、研
磨パッドからはみ出した、例えば回転駆動される円形の
基板の径方向両端部に通電電極を摺接させる。
【0014】本発明の研磨方法及び研磨方法では、通電
電極と金属膜との接触が充分に滑らかになるように、例
えば通電電極が金属膜に摺接する面が、金属膜に比して
軟質な導電性材料により形成され、また金属膜に摺接す
る面が湾曲形状、或いは面取り部を有するように形成さ
れている。そして、金属膜との摩擦係数が、金属膜と研
磨パッドとの摩擦係数以下とされている。
【0015】上述した本発明の研磨方法及び研磨装置
は、金属膜に充分滑らかに接触しながら摺接する通電電
極で金属膜に通電する。このため、本発明では、通電電
極と金属膜との摺接により傷つき等が生じ、この傷つき
部分に電解が集中し、先行して通電部分を溶出させるよ
うなことがない。したがって、本発明によれば、上述し
たような電解の集中のない均等な電流密度分布での通電
が行われ、研磨終点まで良好に電解研磨が進行し、金属
膜の残留やオーバー研磨等の発生が防止される。
【0016】また、本発明は、上述した金属膜への通電
とともに、金属膜表面の払拭が行われ、これにより金属
膜を研磨する。そして、この払拭時に使用する研磨パッ
ドは、最大幅が金属膜の幅よりも小とされ、この研磨パ
ッドからはみ出した部分に通電電極が配置される。した
がって、通電電極を研磨面側に配設しても研磨パッドの
動きの阻害とならず、金属膜への通電及び金属膜表面の
払拭とが同時にかつ良好に行われる。
【0017】また、本発明に係る半導体装置の製造方法
は、電解液中に、層間絶縁膜に形成された接続孔又は配
線溝、あるいはこれらの双方を埋め込むように金属配線
材料からなる金属膜が形成されたウェーハ基板と対向電
極とを所定の間隔をもって対向配置し、通電電極を金属
膜の端部に摺接させながら通電するとともに、金属膜表
面を研磨パッドを摺動させることにより払拭することを
特徴とする。
【0018】本発明に係る半導体装置の製造方法は、上
述した研磨方法と同様に、研磨終点まで良好に電解研磨
が進行し、金属膜の残留やオーバー研磨等の発生が防止
され、また電解研磨とワイピングとが同時にかつ良好に
行われる。この結果、本発明によれば、金属配線のショ
ートやオープン等の発生が抑制されるとともに、平滑で
配線電気抵抗が安定した面が形成される。また、例えば
ウェーハ基板の裏面側にも金属膜を成膜して、この裏面
側から通電させる場合のように、他の装置間とのコンタ
ミネーションや、金属膜の成膜方法の変更等を考慮する
必要が無く、従来から使用されている成膜装置や、研磨
後の洗浄装置を使用した従来通りの半導体装置の製造プ
ロセスフローによって半導体装置が製造可能とされる。
【0019】さらに、本発明は、通電電極が、層間絶縁
膜の破壊圧力よりも低い押し付け圧で金属膜に対して押
接される。したがって、本発明によれば、層間絶縁膜に
ポーラスシリカ等の低誘電率材料により形成された強度
の低い低誘電率膜を使用した場合でも、剥離、クラック
等の層間絶縁膜の破壊が防止され、良好な配線形成が実
現される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る研磨方法、研
磨装置及び半導体装置の製造方法の具体的な実施の形態
について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】本発明の研磨方法は、基板上に成膜された
凹凸のある金属膜、例えば銅(Cu)膜を研磨して平坦
化する際に、基板上に形成された金属膜に通電して、こ
の金属膜を被研磨対象とする電解研磨を行い、同時に金
属膜表面にパッドを摺動させて払拭するワイピングを行
うものである。なお、以下の説明においては、金属膜が
Cu膜である場合を例示して説明する。
【0022】電解研磨は、図1に示すように、円盤状の
基板1上に形成される被研磨対象であり、かつ陽極とし
て通電されるCu膜2と、対向電極(陰極)3とを電解
液E中に相対向させて配し、これらCu膜2と対向電極
3との間で電解液Eを介して電解電圧を印加して電解電
流を流すことにより行われる。この電解研磨により、陽
極として電解作用を受けるCu膜2表面が陽極酸化さ
れ、表層に銅酸化物被膜が形成される。そして、この酸
化物と電解液E中に含まれる銅錯体形成剤が反応する
(錯体形成する)ことで、その錯体形成剤物質により高
電気抵抗層、不溶性錯体被膜、不働態被膜等の変質層が
Cu膜2表面に形成される。本発明の研磨方法では、こ
のような電解研磨が、Cu膜2の端部に押接され、後述
する基板1の回転駆動によってCu膜2上を摺接する陽
極4によってCu膜2に通電して行われる。この陽極4
は、Cu膜2の径方向の端部の少なくとも一箇所に配設
される。
【0023】このように摺接状態の通電電極である陽極
4により通電する場合には、Cu膜2と陽極4とが充分
滑らかに接触するよう陽極4が形成される。具体的に
は、陽極4は、Cu膜2に摺接する面が、被研磨対象で
ある金属、本例においてはCuよりも軟質な導電性材料
で形成される。このような導電性材料としては、金属膜
が上述したCu膜2である場合、例えば銅、銀、焼結銅
合金、カーボン等が挙げられる。また、陽極4は、陽極
4とCu膜2との摩擦係数が、Cu膜2をワイピングす
るパッドとCu膜2との摩擦係数以下となるように、さ
らにはCu膜2との接触面が湾曲形状に、又は面取り部
を有するように形成される。
【0024】上述したような陽極4をCu膜2に摺接さ
せることで、電解研磨において通電する際に陽極4の摺
接によって、Cu膜2におけるスクラッチ等の傷つきの
発生を防止することができる。Cu膜2にこのような傷
つきが発生した場合には、傷つき部分に電解が集中して
電流密度分布が不安定になり、全面にわたって電解研磨
を行うために研磨終点まで残しておく必要のある陽極4
とCu膜2との接点部分が先行して溶出してしまうおそ
れがあり、その結果研磨不足による金属残りや、オーバ
ー研磨等の重大な欠陥が生じたり、また表面粗度が粗い
面が形成されたりするが、上述した陽極を使用した研磨
方法では、電解が一部に集中しないため安定して均等な
電流密度分布での通電が可能となるため、電解研磨を終
点まで進行させることができ、内周側におけるCu残り
等を防止することができる。
【0025】本発明の研磨方法では、電解研磨と同時
に、上述したようにパッドによるCu膜2表面のワイピ
ングが行われる。このワイピングは、陽極酸化されたC
u膜2表面にパッドを摺動させることによって、凹凸を
有するCu膜2の凸部の表層に存在する変質層被膜を払
拭して除去して、下地のCuを露出させ、このCuが露
出した部分が再電解されるようにするものである。そし
て、このような電解研磨、ワイピングのサイクルを繰り
返し行うことによって基板1上に形成されたCu膜2の
平坦化が進行する。
【0026】このワイピングでは、被研磨対象である基
板1上のCu膜2の幅によりも、最大幅が小さなパッド
が使用される。したがって、ワイピングは、パッドから
Cu膜2の一部が常にはみ出た状態で行われる。なお、
このパッドからはみ出たCu膜2の径方向の両端部に上
述した陽極4が配設され、この陽極4の間にパッドを摺
動させてワイピングが行われる。このため、上述した研
磨方法にあっては、被研磨対象であるCu膜2の研磨面
に、通電するための陽極4を配設することができ、この
研磨面上の陽極4によってワイピングにおけるパッドの
動きが阻害されることがない。
【0027】また、ワイピングは、パッド自体を回転
等、駆動させながら行われる。また、ワイピング時に
は、パッドと同様に基板1も回転駆動される。
【0028】上述したワイピングにおいて、基板1を回
転させることにより、基板1上に形成されたCu膜2の
全面にわたって均一な研磨が行われる。すなわち、ワイ
ピングは、Cu膜2の径方向の両端部に配設された陽極
4の間にパッドを摺動させて行われるが、基板1を回転
させることで、陽極4が配設されてパッドの摺動範囲に
位置しないCu膜2の端部と、パッドの摺動範囲に位置
するCu膜2の端部とを順次切り換えることができるた
め、Cu膜2の全面にわたって均一な研磨を行うことが
できる。
【0029】上述したような研磨方法によりCu膜2の
研磨を行うことで、安定して均等な電流密度分布で通電
が行われ、良好な研磨レート、研磨条件での電解研磨を
行うことができるようになる。また、Cu膜2と陽極4
との通電部分が研磨終了前に先行して溶出するというこ
とが無く、研磨終点まで良好に電解研磨を進行させるこ
とができるようになる。したがって、上述した研磨方法
では、Cu残りやオーバー研磨等の発生を防止すること
ができる。
【0030】また、上述した研磨方法は、Cu膜2の研
磨面側に陽極4を配しているが、パッドが陽極4の位置
以外のCu膜2上を摺動するため、陽極4がワイピング
におけるパッドの動きを阻害することが無く、電解研磨
とワイピングとを同時にかつ良好に行うことができるよ
うになる。したがって、Cu膜2の研磨面側に陽極4を
配設することができ、例えば基板1の裏面側にもCu膜
2を成膜して、この裏面側から通電させる場合のよう
に、他の装置間とのコンタミネーションや、Cu膜2の
基板1への成膜方法の変更等を考慮する必要が無い。
【0031】なお、上述した研磨方法にあっては、平坦
化能力を高めるために、砥粒を含むCMP用のスラリー
をベースとして導電性を与えた電解研磨液を電解液に代
えて使用する場合にも適用することができる。
【0032】上述した研磨方法は、半導体装置の製造に
おいて、配線溝埋め込みのために成膜された金属膜の凹
凸を研磨して平坦化し、金属配線を形成する研磨工程に
適用することができる。以下、上述した研磨方法がその
製造工程中に行われる半導体装置の製造方法について説
明する。この半導体装置の製造方法は、Cuからなる金
属配線を、いわゆるダマシン法を用いて形成するもので
ある。なお、以下の説明では、配線溝とコンタクトホー
ルとを同時に加工するデュアルダマシン構造におけるC
u配線形成について説明するが、配線溝のみ又は接続孔
のみが形成されるシングルダマシン構造におけるCu配
線形成についても適用し得ることは勿論である。
【0033】まず、図2(a)に示すように、シリコン
等からなる円盤状のウェーハ基板11上に、ポーラスシ
リカ等の低誘電率材料からなる層間絶縁膜12が形成さ
れる。この層間絶縁膜12は、例えば減圧CVD(Chem
ical Vapor Deposition)法によって形成される。
【0034】次に、同図(b)に示すように、ウェーハ
基板11の不純物拡散領域(図示は省略する。)に通じ
るコンタクトホールCHおよび配線溝Mを、例えば公知
のフォトリソグラフィー技術及びエッチング技術を用い
て形成する。
【0035】次に、同図(c)に示すように、バリアメ
タル膜13が、層間絶縁膜12上、コンタクトホールC
H及び配線溝M内に形成される。バリアメタル膜13
は、例えばTa、Ti、W、Co、TaN、TiN、W
N、CoW、CoWP等の材料をスパッタリング装置、
真空蒸着装置などを用いたPVD(Physical Vapor Dep
osition)法によって形成される。このバリアメタル膜
13は、層間絶縁膜へのCuの拡散を防止する目的で形
成されるものである。
【0036】上述したバリアメタル膜13の形成後に、
配線溝M及びコンタクトホールCHに対するCuの埋め
込みが行われる。このCuの埋め込みは、従来から用い
られている種々の公知技術、例えば電解めっき法、CV
D法、スパッタリングとリフロー法、高圧リフロー法、
無電解めっき等により行うことができる。なお、成膜速
度や成膜コスト、形成される金属材料の純度、密着性な
どの観点からは、電解めっき法によりCuの埋め込みを
行うことが好ましい。この電解メッキ法によりCuの埋
め込みを行う場合には、同図(d)に示すように、バリ
アメタル膜13上に、配線形成材料と同じ材料、すなわ
ちCuからなるシード膜14が、スパッタリング法等に
より形成される。このシード膜14は、Cuを配線溝M
及びコンタクトホールCH内に埋め込んだ際に、銅グレ
インの成長を促すために形成される。
【0037】配線溝M及びコンタクトホールCHに対す
るCuの埋め込みは、上述した各種の方法で、同図
(e)に示すように、配線溝M及びコンタクトホールC
H内を含む層間絶縁膜12上の全体にわたってCu膜1
5を形成することにより行われる。このCu膜15は、
少なくとも配線溝M及びコンタクトホールCHの深さ以
上の膜厚を有し、また配線溝M及びコンタクトホールC
Hという段差のある層間絶縁膜12上に形成されるた
め、そのパターンに応じた段差を有する膜となる。な
お、電解メッキ法によりCuの埋め込みを行った場合、
バリアメタル膜13上に形成されたシード膜14は、C
u膜15と一体化する。
【0038】そして、上述したCu膜15が形成された
ウェーハ基板11に対して研磨工程が行われるが、この
研磨工程では上述した電解研磨及びパッドによるワイピ
ングを同時に行う研磨方法が実施される。すなわち、図
3(a)に示すように、回転駆動されるウェーハ基板の
Cu膜15上に通電電極である陽極を所定圧力で押し付
けて摺接させ、さらにCu膜15と対向させて対向電極
16を配設し、これらCu膜15と対向電極16とを電
解液E中に配置する。このとき、陽極をCu膜15に押
接する圧力は、強度の低い低誘電率膜である層間絶縁膜
の破壊を防ぐために、ポーラスシリカで形成された層間
絶縁膜12の破壊圧力である140g/cm以下とさ
れる。そして、同図(b)に示すように、電解電流を流
してCu膜15に通電して電解研磨を行うことにより、
Cu膜15表面を陽極酸化させ、酸化銅の不溶性錯体1
7からなる変質層を形成する。
【0039】同時に、同図(c)に示すように、所定圧
力、具体的には陽極と同様に層間絶縁膜12の破壊圧力
である140g/cm以下でパッド18を押し付けか
つ摺動させてワイピングを行い、不溶性錯体17からな
る変質層を払拭して除去し、Cu膜15の下地銅を露出
させる。このパッド18によるワイピングでは、Cu膜
15の凸部の変質層のみが除去され、凹部の変質層はそ
のまま残存する。そして、電解研磨を進行させ、同図
(d)に示すように、下地銅をさらに陽極酸化させる。
このとき、Cu膜15の凹部には、上述したように不溶
性錯体17からなる変質層が残存しているため、電解研
磨が進行せず、その結果Cu膜15の凸部のみが研磨さ
れることになる。このように、電解研磨による変質層の
形成と、ワイピングによる変質層の除去とを繰り返し行
うことによってCu膜15が平坦化され、配線溝M及び
コンタクトホールCH内にCu配線が形成される。
【0040】半導体装置は、上述した研磨工程の後に、
バリアメタル膜13の研磨及び洗浄が行われ、Cu配線
が形成されたウェーハ基板11上にキャップ膜が形成さ
れる。そして、上述した層間絶縁膜12の形成(図2
(a)にて図示)からキャップ膜の形成までの各工程が
繰り返されて多層化される。
【0041】上述したように、半導体装置の製造工程中
に電解研磨とワイピングとを行う研磨方法を行うこと
で、安定して均等な電流密度分布で通電され、良好な研
磨レート、研磨条件で研磨終点まで進行する電解研磨に
よってCu膜15の平坦化が図られるため、Cu残りや
オーバー研磨等の発生が防止される。したがって、Cu
配線のショートやオープン等の発生を抑制することがで
きるとともに、平滑で配線電気抵抗が安定した面を形成
することができる。
【0042】また、Cu膜15の研磨面側に陽極を配設
しながら電解研磨とワイピングとが同時にかつ良好に行
われるため、例えばウェーハ基板11の裏面側にもCu
膜15を成膜して、この裏面側から通電させる場合のよ
うに、他の装置間とのコンタミネーションや、Cu膜1
5のウェーハ基板11への成膜方法の変更等を考慮する
必要が無く、また従来から使用されているCu膜の成膜
装置や、研磨後の洗浄装置を使用した従来通りの半導体
装置の製造プロセスフローにて半導体装置を製造するこ
とができる。
【0043】さらに、陽極の押接と変質層のワイピング
とは、CMPに比して低い押し付け圧力で、具体的には
ポーラスシリカ等の低誘電率材料により形成された強度
の低い層間絶縁膜12の破壊圧力よりも低い押し付け圧
力で行われるため、剥離、クラック等の層間絶縁膜12
の破壊が防止され、強度の低い低誘電率膜を層間絶縁膜
12とした場合であっても良好な配線形成を行うことが
できる。
【0044】なお、上述した半導体装置の製造方法にあ
っては、平坦化能力を高めるために、上述した研磨工程
中で、砥粒を含むCMP用のスラリーをベースとして導
電性を与えた電解研磨液を電解液に代えて使用する場合
にも適用することができる。
【0045】また、Cu膜上を摺接する陽極により通電
して電解研磨を行う上述した研磨方法は、半導体装置の
製造における研磨工程に限らず、金属膜を研磨する工程
を含む他のあらゆる製造工程中に実施し得ることは勿論
である。
【0046】上述した研磨方法、及び半導体装置の製造
方法における研磨工程の際に使用される研磨装置につい
て説明する。
【0047】研磨装置21は、図4及び図5に示すよう
に、電解液Eが溜められた電解槽22内に、上述したよ
うなウェーハ基板11上にCu膜15が成膜された半導
体ウェーハWをチャッキングするウェーハチャック23
が配設されている。このウェーハチャック23は、電解
槽22内において、図示を省略する駆動モータにより同
図中矢印A方向に回転駆動される。このウェーハチャッ
ク23においては、例えば真空吸着手段によって半導体
ウェーハWが吸着保持される。そして、ウェーハチャッ
ク12に吸着保持された半導体ウェーハWも、ウェーハ
チャック12によって矢印A方向に回転駆動される。
【0048】ウェーハチャック23により吸着保持され
た半導体ウェーハWのCu膜15上には、図6に示すよ
うに、その径方向の両端部に一対の陽極部24が配設さ
れる。このように一対の陽極部24をCu膜15端部の
所定幅X、例えば5mmの通電エリア(図中斜線にて示
す。)で重なるように配設することで、その重畳部分が
接触エリア全周に対して約10%の面積を有することに
なり、Cu膜15に対して十分な電解電流を通電できる
ようになる。
【0049】この陽極部24は、Cu膜15の研磨面に
対して陽極部24を垂直方向に移動させる第1のアーム
25と、研磨面に対して陽極部24を水平方向に移動さ
せる第2のアーム26とによって支持されており、この
第2のアーム26の先端に後述する弾性部材を介して配
設されている。また、研磨装置21においては、半導体
ウェーハWのウェーハチャック23へのローディング、
アンローディング時には、第2のアーム26によって陽
極部24がウェーハチャック23上を解放する退避位置
に移動される。したがって、ウェーハチャック23上方
からのウェーハWのローディング、アンローディングが
可能となる。
【0050】陽極部24は、図7に示すように、長板状
の支持板24aと、この支持板24aに取り付けられる
陽極24bとからなる。スライダ本体24aは、第2の
アーム26に弾性部材、例えば同図に示すバネ27によ
って支持されている。陽極24bは、Cuよりも軟質
な、例えば銅、銀、焼結銅合金、カーボン等の導電性材
料からなる板状部材であり、湾曲形状に形成されてい
る。研磨雄値21においては、この湾曲した陽極24b
がCu膜15に対する接触面となる。
【0051】陽極部24は、上述したようにCu膜15
の径方向の両端部の通電エリア上に、図7に示すよう
に、バネ27を介して支持されかつCu膜15に押接さ
れた状態で配設される。この陽極部24の押接は、半導
体ウェーハWに層間絶縁膜として形成されたポーラスシ
リカからなる低誘電率膜の破壊圧力である140g/c
以下の押し付け圧とされる。また、陽極部24は、
バネ27により、半導体ウェーハW表面に微細な凹凸が
あった場合でも、摺接時にその凹凸を吸収することがで
き、一定の圧力で押接された状態を維持する。
【0052】このように、研磨装置21では、半導体ウ
ェーハWに通電する陽極部24を140g/cm以下
の押し付け圧という低い圧力で押しつけた状態で半導体
ウェーハW上を摺接させるため、半導体ウェーハWにお
けるCu膜15の傷つきや層間絶縁膜の破壊等を防止す
ることができる。また、研磨装置21では、陽極部24
が半導体ウェーハWと上述したような曲面で接するた
め、滑らかな摺接が可能となり、陽極部24と半導体ウ
ェーハWとの摩擦係数が、後述するワイピング用のパッ
ドと半導体ウェーハWの摩擦係数以下に抑えられ、これ
によっても半導体ウェーハWにおけるCu膜15の傷つ
きを防止することができる。したがって、傷つき部分へ
の電解の集中を無くして均等な電流密度分布で電解研磨
が行われるとともに、強度の弱い低誘電率膜を層間絶縁
膜とした場合であっても良好な配線形成を行うことがで
きるようになる。
【0053】また、研磨装置21には、図4及び図5に
示すように、パッド28が電解槽22側の面に配された
パッド保持機構29が設けられる。パッド28は、リン
グ状を呈してなり、半導体ウェーハWに比して小径に形
成されている。パッド28は、パッド保持機構29に保
持された状態で矢印B方向に回転され、かつ陽極部24
の配設位置以外、具体的にはCu膜15の径方向両端部
に配設された陽極部24間のCu膜15上を摺動しなが
ら矢印C方向に往復移動するよう駆動される。また、パ
ッド保持機構29には、パッド28との間に対向電極3
0が配設される。研磨装置21では、この対向電極30
が、電解液E中で半導体ウェーハWと所定間隔をもって
対向配置される。
【0054】このような研磨装置21では、陽極部24
によって陽極としてCu膜15を通電させることで半導
体ウェーハWのCu膜15を電解研磨し、この電解研磨
と同時に回転しつつ矢印C方向に移動しながらCu膜1
5上を摺動するパッド28ワイピングが行われる。この
パッド28によるワイピングは、ポーラスシリカ等の低
誘電率材料で形成された層間絶縁膜の破壊圧力である1
40g/cm以下の押し付け圧で行われる。
【0055】このように、Cu膜15への通電を、低い
押し付け圧で半導体ウェーハWに摺接される陽極部24
で行うことで、安定して均等な電流密度分布で通電が可
能となるため、良好な研磨レート、研磨条件での電解研
磨が行われ、Cu膜2と陽極4との通電部分が研磨終了
前に先行して溶出するということが無くなり、研磨終点
まで良好に電解研磨を進行することができるようにな
る。したがって、上述したような研磨装置31において
は、Cu残りやオーバー研磨等の発生が防止され、Cu
配線のショートやオープン等の発生を抑制することがで
きるとともに、平滑で配線電気抵抗が安定した面を形成
することができる。
【0056】また、研磨装置21は、Cu膜15の研磨
面側に陽極4を配設しながら電解研磨とワイピングとが
同時にかつ良好に行われるため、例えばウェーハ基板1
1の裏面側にもCu膜15を成膜して、この裏面側から
通電させる場合のように、他の装置間とのコンタミネー
ションや、Cu膜15のウェーハ基板11への成膜方法
の変更等を考慮する必要が無く、また従来から使用され
ているCu膜の成膜装置や、研磨後の洗浄装置を使用し
た従来通りの半導体装置の製造プロセスフローにて半導
体装置を製造することができる。
【0057】さらに、陽極部24の押接と変質層のワイ
ピングは、低誘電率材料により形成された強度の低い層
間絶縁膜の破壊圧力よりも低い押し付け圧力で行われ
る。このため、研磨装置21では、CMPによる研磨の
ように、剥離、クラック等の層間絶縁膜の破壊が生じる
ことがなく、その結果良好な配線形成を行うことができ
る。
【0058】本発明の研磨装置は上述した構成に限ら
ず、以下の如きものでも良い。他の構成を有する研磨装
置について説明する。なお、以下の説明において、研磨
装置21と同一部材である場合には、同一符号を付し、
詳細な説明は省略するものとする。
【0059】研磨装置31は、図8(a)及び(b)に
示すように、ウェーハチャック23によって下向きに吸
着保持された半導体ウェーハWを、ベルト型のパッド3
2によって研磨するものである。パッド32は、環状と
され、一対の駆動ローラ33によって駆動され、矢印D
方向に走行する。また、パッド32は、半導体ウェーハ
Wに比して両側5mm程度幅狭に形成されている。このパ
ッド32の走行経路上には、電解液Eが溜められた電解
槽22が配されており、この電解槽22内には、パッド
32を挟んで半導体ウェーハWと対向する位置に対向電
極30が配設されている。
【0060】この研磨装置31においては、下向きに吸
着保持された半導体ウェーハWが、矢印F方向に回転し
ながら、走行するパッド32に押し付けられてワイピン
グが行われる。そして、パッド32からはみ出ている半
導体ウェーハWの外周縁部にアーム34に支持されて半
導体ウェーハWに押接された陽極部24で通電して電解
研磨が行われる。
【0061】また、上述した研磨装置31は、図9
(a)に示すように、複数のガイドロール35を介して
走行させてもよく、さらに同図(b)に示すように、パ
ッド32を環状としてエンドレスに走行させる構成とせ
ずに、巻出しローラ36によって巻き出し、巻取りロー
ラ37によって巻き取るように走行させる構成とするも
のであってもよい。
【0062】次に、さらに他の構成を有する研磨装置4
1について説明する。研磨装置41は、図10(a)及
び(b)に示すように、ウェーハチャック23によって
下向きに吸着保持された半導体ウェーハWを、ドーナツ
型のパッド42によって研磨するものである。パッド4
2は、電解液Eが溜められた電解槽22内でパッド保持
機構29に保持されかつ矢印G方向に回転駆動される。
また、パッド42は、内周から外周までの幅が、半導体
ウェーハWに比して両側5mm程度幅狭に形成されてい
る。パッド保持機構29には、パッド42との間に対向
電極30が配設されている。
【0063】この研磨装置41においては、下向きに吸
着保持された半導体ウェーハWが、矢印H方向に回転し
ながら、矢印G方向に回転するパッド42に押し付けら
れてワイピングが行われる。そして、同図(c)に示す
ように、パッド42からはみ出ている半導体ウェーハW
の外周縁部にアーム43に支持されて半導体ウェーハW
に押接された陽極部24で通電して電解研磨が行われ
る。
【0064】次に、さらに他の構成を有する研磨装置5
1について説明する。研磨装置51は、図11(a)及
び(b)に示すように、ウェーハチャック23によって
下向きに吸着保持された半導体ウェーハWを、パッド5
2によって研磨するものである。パッド52は、電解液
Eが溜められた電解槽22内でパッド保持機構29に保
持された状態で、矢印I方向に回転しかつ小円を描くよ
うに惑星運動するよう駆動される。また、パッド52
は、半導体ウェーハWに比して両側5mm程度小径に形成
されている。パッド保持機構29には、パッド52との
間に対向電極30が配設されている。
【0065】この研磨装置51においては、下向きに吸
着保持された半導体ウェーハWが、矢印J方向に回転し
ながら、矢印I方向に回転しかつ惑星運動するパッド5
2に押し付けられてワイピングが行われる。そして、パ
ッド52からはみ出ている半導体ウェーハWの外周縁部
にアーム53に支持されて半導体ウェーハWに押接され
た陽極部24で通電して電解研磨が行われる。
【0066】このような構成を有する研磨装置31、4
1、51においても、上述した研磨装置21と同様にC
u残りやオーバー研磨等の発生が防止され、Cu配線の
ショートやオープン等の発生を抑制することができると
ともに、平滑で配線電気抵抗が安定した面を形成するこ
とができる。また、従来から使用されているCu膜の成
膜装置や、研磨後の洗浄装置を使用した従来通りの半導
体装置の製造プロセスフローにて半導体装置を製造する
ことができる。
【0067】なお、上述した各研磨装置にあっては、半
導体ウェーハWに通電を行う陽極部を板状の陽極24を
有するものとして説明したが本発明はこのような構成に
限定されるものではない。例えば、図12(a)に示す
ように、カーボンからなるブラシ部61が、弾性を有す
る材料で形成されたブラシホルダー62によって保持さ
れる陽極部63を上述した各研磨装置に配設するもので
あっても良い。この陽極部63の下面、すなわち半導体
ウェーハWと接触する面は、半導体ウェーハWとの接触
が充分に滑らかになるように、半導体ウェーハWの回転
方向の上流側及び下流側に位置する一対の辺部に面取り
部61aが形成されている。また、陽極部63では、研
磨装置側から供給される電流が、図中矢印に示すように
ブラシホルダー62を介して半導体ウェーハWに接触す
るブラシ部61に流れる。
【0068】この陽極部63は、同図(b)に示すよう
に、ブラシ部61の対向する側部に凹部61bを設け、
この凹部61aにブラシホルダー62に設けられた凸部
62aを嵌入させることによって、ブラシホルダー62
がブラシ部61に取り付けられる。このようにブラシホ
ルダー62が取り付けられたブラシ部61は、半導体ウ
ェーハWの回転方向と平行な方向(同図中矢印にて示
す。)への動きの自由度が増し、半導体ウェーハWと陽
極部63との摺接時の抵抗が軽減される。また、同図
(c)に示すように、ブラシ部61の対向する側部に回
動可能にブラシホルダー62を取り付けてもよい。この
ようにブラシホルダー62に取り付けられたブラシ部6
1は、半導体ウェーハWの回転方向と直交する方向(同
図中矢印にて示す。)への動きの自由度が増し、半導体
ウェーハWと陽極部63との摺接時の抵抗が軽減され
る。
【0069】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
研磨装置及び研磨方法では、金属膜に充分滑らかに接触
しながら摺接する通電電極で金属膜に通電するため、通
電電極と金属膜との摺接による傷つき等の発生を防止す
ることができる。したがって、本発明によれば、傷つき
部分への電解の集中を無くすことにより、均等な電流密
度分布での通電が行われ、良好な研磨レート、研磨条件
にて研磨終点まで良好に電解研磨を進行させて、金属膜
の残留やオーバー研磨等の発生を防止することができ
る。
【0070】また、本発明によれば、最大幅が金属膜の
幅よりも小とされた研磨パッドを使用し、この研磨パッ
ドからはみ出した部分に通電電極を配設することで、通
電電極を研磨面側に配設しても研磨パッドの動きの阻害
とならず、金属膜への通電及び金属膜表面の払拭とを同
時にかつ良好に行うことができる。
【0071】さらに、本発明に係る半導体装置の製造方
法によれは、上述した研磨方法と同様に、研磨終点まで
良好に電解研磨を進行させ、金属膜の残留やオーバー研
磨等の発生を防止でき、また電解研磨とワイピングとを
同時にかつ良好に行うことができる。したがって、本発
明では、金属配線のショートやオープン等の発生を抑制
することができるとともに、平滑で配線電気抵抗が安定
した面を形成することができる。そして、他の装置間と
のコンタミネーションや、金属膜の成膜方法の変更等を
考慮する必要が無く、従来から使用されている成膜装置
や、研磨後の洗浄装置を使用した従来通りの半導体装置
の製造プロセスフローによって半導体装置を製造するこ
とができる。
【0072】さらに、本発明によれば、通電電極が、層
間絶縁膜の破壊圧力よりも低い押し付け圧で金属膜に対
して押接されるため、層間絶縁膜にポーラスシリカ等の
低誘電率材料により形成された強度の低い低誘電率膜を
使用した場合でも、剥離、クラック等の層間絶縁膜の破
壊を防止でき、良好な配線形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る研磨方法において実施される電解
研磨の電極配置を説明するための図である。
【図2】本発明に係る半導体装置の製造方法を説明する
図であり、層間絶縁膜の形成から配線溝及びコンタクト
ホールへの金属材料の埋め込みを行うCu膜の形成まで
の各工程を説明するための要部縦断面図である。
【図3】同製造方法における研磨工程を説明するための
図である。
【図4】本発明に係る研磨装置の側面図である。
【図5】同研磨装置における陽極の配置位置及びパッド
の摺動状態を説明するための図である。
【図6】半導体ウェーハの平面図であり、Cu膜への通
電エリアを示す図である。
【図7】陽極部の半導体ウェーハへの配設状態を説明す
るための図である。
【図8】他の構成を有する研磨装置の概略構成を示す図
であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図9】(a)は同装置の他の構成を示す図であり、
(b)は同装置のさらに他の構成を示す図である。
【図10】さらに他の構成を有する研磨装置の概略構成
を示す図であり、(a)は側面図、(b)は平面図、
(c)は(b)中A−A線における断面図である。
【図11】さらに他の構成を有する研磨装置の概略構成
を示す図であり、(a)は側面図、(b)は陽極部の位
置及びパッドの動きを説明するための図である。
【図12】他の構成を有する陽極部を説明するための図
であり、(a)は正面図、(b)はブラシ部とブラシホ
ルダーとの接続状態を示す断面図、(c)はブラシ部と
ブラシホルダーとの他の接続状態を示す側面図である。
【図13】ダマシン法による配線形成において、半導体
ウェーハ上に形成された金属膜の状態を示す図である。
【図14】単純逆電解にて金属膜の研磨を行った場合に
生じる研磨不良の例を示す図であり、(a)は配線消失
が起きた状態を、(b)はディッシングが生じた状態
を、(c)はトレンチ上に金属膜の凸状の残りが生じた
状態を示す図である
【符号の説明】
1 基板,2 金属膜,3 対向電極,4 陽極,5
電解電源,11 ウェーハ基板,12 層間絶縁膜,1
5 Cu膜,16 対向電極,17 不溶性錯体,18
パッド,21 研磨装置,22 電解槽,23 ウェ
ーハチャック,24 陽極部,24a 支持板,24b
陽極,25 第1のアーム,26 第2のアーム,2
7 バネ,28 パッド,29 パッド保持機構,30
対向電極,W 半導体ウェーハ,E 電解液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 新吾 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 駒井 尚紀 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 田井 香織 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 堀越 浩 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 大鳥居 英 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 3C059 AA02 GB03 GC01

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解液中に金属膜が形成された基板と対
    向電極とを所定の間隔をもって対向配置し、通電電極を
    上記金属膜の端部に摺接させながら通電するとともに、 上記金属膜表面を研磨パッドを摺動させることにより払
    拭することを特徴とする研磨方法。
  2. 【請求項2】 摺動する上記研磨パッドの最大幅を上記
    金属膜の幅よりも小とし、研磨パッドからはみ出した端
    部に上記通電電極を摺接させることを特徴とする請求項
    1記載の研磨方法。
  3. 【請求項3】 回転駆動される円形の基板の径方向両端
    部において上記通電電極を上記金属膜の端部に摺接させ
    ることを特徴とする請求項2記載の研磨方法。
  4. 【請求項4】 長尺状の研磨パッドを用い、該研磨パッ
    ドを上記通電電極間において一方向に走行させることを
    特徴とする請求項3記載の研磨方法。
  5. 【請求項5】 円板上又は環状の研磨パッドを用い、該
    研磨パッドを回転させながら上記通電電極間において往
    復移動させることを特徴とする請求項3記載の研磨方
    法。
  6. 【請求項6】 上記通電電極は、バネによって金属膜に
    対して付勢されていることを特徴とする請求項1記載の
    研磨方法。
  7. 【請求項7】 上記通電電極は、少なくとも上記金属膜
    に摺接する面が、上記金属膜に比して軟質な導電性材料
    により形成されることを特徴とする請求項1記載の研磨
    方法。
  8. 【請求項8】 上記導電性材料は、銅、銀、焼結銅合金
    又はカーボンのいずれかであることを特徴とする請求項
    7記載の研磨方法。
  9. 【請求項9】 上記通電電極は、上記金属膜に摺接する
    面が湾曲形状に形成されていることを特徴とする請求項
    1記載の研磨方法。
  10. 【請求項10】 上記通電電極は、上記金属膜に摺接す
    る面に面取り部が形成されていることを特徴とする請求
    項1記載の研磨方法。
  11. 【請求項11】 上記通電電極は、金属膜との摩擦係数
    が、上記金属膜と上記研磨パッドとの摩擦係数以下であ
    ることを特徴とする請求項1記載の研磨方法。
  12. 【請求項12】 上記金属膜は、銅膜であることを特徴
    とする請求項1記載の研磨方法。
  13. 【請求項13】 金属膜が形成された基板と、 上記基板と所定の間隔をもって対向配置される対向電極
    と、 上記金属膜の端部に摺接する通電電極と、 上記金属膜表面を摺動する研磨パッドとが電解液中に配
    設されてなり、 上記通電電極により上記金属膜に通電するとともに、上
    記金属膜表面を研磨パッドを摺動させることにより払拭
    することを特徴とする研磨装置。
  14. 【請求項14】 摺動する上記研磨パッドの最大幅を上
    記金属膜の幅よりも小とし、研磨パッドからはみ出した
    端部に上記通電電極を摺接させることを特徴とする請求
    項13記載の研磨装置。
  15. 【請求項15】 回転駆動される円形の基板の径方向両
    端部において上記通電電極を上記金属膜の端部に摺接さ
    せることを特徴とする請求項14記載の研磨装置。
  16. 【請求項16】 電解液中に、層間絶縁膜に形成された
    接続孔又は配線溝、あるいはこれらの双方を埋め込むよ
    うに金属配線材料からなる金属膜が形成されたウェーハ
    基板と対向電極とを所定の間隔をもって対向配置し、通
    電電極を上記金属膜の端部に摺接させながら通電すると
    ともに、 上記金属膜表面を研磨パッドを摺動させることにより払
    拭することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 上記層間絶縁膜は、低誘電率材料によ
    り形成されることを特徴とする請求項16記載の半導体
    装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 上記通電電極は、上記層間絶縁膜の破
    壊圧力よりも低い押し付け圧で上記金属膜に対押接され
    ていることを特徴とする請求項17記載の半導体装置の
    製造方法。
JP2002129173A 2002-04-30 2002-04-30 研磨方法、研磨装置及び半導体装置の製造方法 Pending JP2003311537A (ja)

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