JP2003311129A - 同位体分離方法 - Google Patents

同位体分離方法

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JP2003311129A
JP2003311129A JP2002117725A JP2002117725A JP2003311129A JP 2003311129 A JP2003311129 A JP 2003311129A JP 2002117725 A JP2002117725 A JP 2002117725A JP 2002117725 A JP2002117725 A JP 2002117725A JP 2003311129 A JP2003311129 A JP 2003311129A
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isotope
group
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isotope separation
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JP2002117725A
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Haruo Kuroda
田 晴 雄 黒
Konstantinovich Petrov Alexander
アレクサンダー、コンスタンチノビッチ、ペトロフ
Andrei Vitalievich Chernyshev
アンドレイ、ビタリエビッチ、チェルニシェフ
Keiji Nomaru
丸 圭 司 能
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分離工程の簡略化と効率化とコストの低減化
を同時に図ることができ、しかも高い選択性で目的同位
体を効率的かつ工業的規模において分離/濃縮すること
を可能にする同位体分離方法ならびにこの方法において
使用する作業物質を提供すること。 【解決手段】 分離されるべき対象となる同位体元素を
含む第1の基と、この第1の基と結合して同位体分離用
の作業物質を形成する基であって、電磁波照射によって
解離して常温において非ポリマー性の固体生成物を形成
し得る第2の基とを含んでなる同位体分離用の作業物質
を用意し、前記作業物質に電磁波照射を行うことによっ
て、当該作業物質を分解して、(イ)分解ガス成分と未
分解の作業物質とからなる、標的同位体元素成分を含む
気相生成物と、(ロ)標的同位体元素以外の成分を含ん
でなる、非ポリマー性の固相生成物、に分離する工程、
を含む同位体分離方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同位体の分離方法
に関し、特にSiの同位体を分離するレーザー同位体分
離法ならびに当該同位体分離に用いられる作業物質に関
する。
【0002】
【従来の技術】天然のSiには3つの同位体が存在し、
28Si:29Si:30Si=92.23%:4.6
7%:3.10%の割合で含まれている。これらの同位
体の中から特定のものを分離する方法としては、遠心分
離法や熱ガス拡散法、蒸留法、化学交換法など、従来様
々な方法が考えられている。
【0003】しかしながら、これら従来提案されている
同位体分離法は、いずれも分離工程が煩雑であるため、
目的同位体の分離および濃縮のためのコストが勢い増大
するという問題がある。よって、より安価にしかも工業
的規模で効率的に分離できる手法の開発が期待されてい
る。
【0004】そのための有望な方法のひとつとして、赤
外レーザーによる同位体分離法がある。これは赤外レー
ザー光を分離対象となる同位体を含む元素とその他の元
素により構成される化合物(作業物質)に照射すること
により同位体分離を行う。分子の振動数は同位体の質量
数の違いによりわずかに異なる。これは同位体シフトと
呼ばれ、この同位体シフトを利用することによって特定
の同位体を含む化合物のみを分解し、分解前の化合物あ
るいは分解生成物に特定同位体を濃縮する方法が提案さ
れている。現在、このような濃縮方法に関連する方法と
しては、特開昭61−181525号に示されるような
Siガスを用いたレーザー同位体分離法が知られ
ている。
【0005】しかしながら、本発明者の知見によれば、
この方法においては、作業物質としてのSiがS
iFとSiFに分解されるが、この場合の作業物質
は1分子に2個のSi原子が含まれているために同位体
選択性が低くなってしまう。また、SiFは、ポリマ
ー化して反応容器壁や光照射窓に強固に付着して装置を
汚したり窓にダメージを与えるという問題がある。
【0006】また、1分子中にSi原子を1個しか含ま
ない作業物質を使用する方法としては、特開62−45
327号に開示されている方法がある。しかしながら、
この方法においては、分解生成物の副反応による同位体
選択性の低下が考えられるため、このような副反応を抑
えるための適当なスカベンジャーガスが必要となる。ス
カベンジャーガスを用いればある程度の副反応は抑制で
きるものの完全にこれを抑制することは困難であり、ま
た追加的付加成分としてのスカベンジャーの使用は分離
・濃縮工程の煩雑化とコストの向上をもたらす。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来の問題点に鑑みてなされたものであり、同位体分離プ
ロセスにおいて大きな同位体シフトを維持して高い同位
体選択性を確保し、しかも副反応の起こる機構を持た
ず、回収が困難で工程の煩雑化につながるポリマー成分
が発生することのない同位体分離方法を提供することを
目的とするものであり、言い換えれば、分離工程の簡略
化と効率化とコストの低減化を同時に図ることができ、
しかも高い選択性で目的同位体を効率的かつ工業的規模
で分離・濃縮することを可能にする同位体分離方法なら
びにこの方法において使用する作業物質を提供すること
を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る同位体分離
方法は、分離されるべき対象となる同位体元素を含む第
1の基と、この第1の基と結合して同位体分離用の作業
物質を形成する基であって、電磁波照射によって解離し
て常温において非ポリマー性の固体生成物を形成し得る
第2の基とを含んでなる同位体分離用の作業物質を用意
し、前記作業物質に電磁波照射を行うことによって、当
該作業物質を分解して、(イ)分解ガス成分と未分解の
作業物質とからなる、標的同位体元素成分を含む気相生
成物と、(ロ)標的同位体元素以外の成分を含んでな
る、非ポリマー性の固相生成物、に分離する工程、を含
むことを特徴とするものである。
【0009】さらに、本発明は、分離されるべき対象と
なる同位体元素を含む第1の基と、この第1の基と結合
して同位体分離用の作業物質を形成する基であって、電
磁波照射によって解離して常温において非ポリマー性の
固体生成物を形成し得る第2の基とを含んでなる、同位
体分離用の作業物質を包含する。
【0010】このように、本発明に係る同位体分離方法
においては、レーザー光等の電磁波照射によって作業物
質を構成する第1の基と第2の基とが、同位体シフトに
基づいて選択的に解離ないし分解し、この分解反応の結
果、(イ)分解ガス成分と未分解の作業物質とからなる
標的同位体元素成分を含む気相生成物と、(ロ)標的同
位体元素以外の成分を含んでなる固相生成物とに相分離
が生じる。しかも、ここで生成する固体の生成物は非ポ
リマー性の物質からなるので、反応容器内に強固に付着
する等の問題が生じることがない。よって、両相の分離
は容易かつ簡便な操作によって行われ得る点で工業的観
点ですこぶる有利である。
【0011】さらに、得られた気相生成物中には、分解
ガス成分と未分解作業物質成分が含まれているが、これ
ら両ガス成分は沸点差/融点差等を利用して比較的容易
に分離することができるので、標的同位体元素成分の分
離・濃縮を効率的かつ速やかに行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに具体的に説
明する。
【0013】上述したように、本発明に係る同位体分離
方法は、分離されるべき対象となる同位体元素を含む第
1の基と、この第1の基と結合して同位体分離用の作業
物質を形成する基であって、電磁波照射によって解離し
て常温において非ポリマー性の固体生成物を形成し得る
第2の基とを含んでなる同位体分離用の作業物質を用意
し、前記作業物質に電磁波照射を行うことによって、当
該作業物質を分解して、(イ)分解ガス成分と未分解の
作業物質とからなる、標的同位体元素成分を含む気相生
成物と、(ロ)標的同位体元素以外の成分を含んでな
る、非ポリマー性の固相生成物、に分離する工程、を含
むことを特徴とするものである。
【0014】本発明の他の態様においては、前記気相生
成物中の前記分解ガス成分と前記未分解の作業物質と
を、さらに分離する工程を含むことができる。
【0015】また、本発明の好ましい態様においては、
前記電磁波照射によって生成する分解ガス成分が、標的
同位体元素を含有する成分であるか、あるいは前記電磁
波照射による分解反応後に残存する未分解の前記作業物
質が、標的同位体元素を含有する成分であることができ
る。
【0016】本発明において、「電磁波照射」とは、上
記作業物質の選択的分解ないし解離を引き起こし得る量
子の照射を意味し、主に赤外光、可視光、紫外光などの
光が含まれる。特に本発明の好ましい態様においては、
前記電磁波照射は、赤外光により行われ、さらに好まし
くは、赤外光の中でもコヒーレント光およびレーザー光
により行われる。レーザー光源としては、たとえば、自
由電子レーザー、炭酸ガスレーザー、その他のガスレー
ザー、半導体レーザー、固体レーザーなどがある。
【0017】さらに、本発明の好ましい態様において
は、前記作業物質の前記第2の基が、フェニル基または
その誘導体であり、前記第1の基が、ケイ素の同位体を
含有する基からなり、特定の同位体ケイ素を選択的に分
離し濃縮することを含む。また、この場合において、前
記第1の基が、式SiXYZ(ここで、X、Y、Zは、
それぞれ、同一でも異なるものであってもよく、H、O
H、アルキル基、F、Cl、BrおよびIからなる群か
ら選ばれたものである)で表されるものであることが好
ましい。この態様において特に好ましい前記作業物質
は、CSiF である。
【0018】さらに本発明の他の態様においては、前記
電磁波照射を、作業物質に複数波長のレーザー光を同時
に照射することによって行うことができる。また、前記
電磁波照射は、作業物質に複数波長のレーザー光をタイ
ミングをずらして照射することによっても行うことがで
きる。
【0019】本発明の他の好ましい態様においては、前
記分離工程が、1回もしくは2回繰り返すことによって
標的同位体元素含有成分を分離/濃縮したのち、さらに
従来法に基づく高濃縮プロセスを併用する工程を含むこ
とができる。また、この場合において、従来法に基づく
高濃縮プロセスとして遠心分離法を適用することもでき
る。
【0020】本発明の他の好ましい態様においては、前
記気相生成物と固相生成物との分離を常温条件下で行う
ことができる。
【0021】また、本発明の方法においては、本質的
に、追加的成分としてのスカベンジャーを実質的に使用
する必要がない。
【0022】本発明においては、標的同位体元素が、S
i以外の他の同位体元素からなるものにおいても適用可
能である。
【0023】本発明の他の好ましい態様においては、沸
点および/または融点の差を利用して前記分解ガス成分
と未分解作業物質の分離を行うことができる。
【0024】さらに、本発明は、分離されるべき対象と
なる同位体元素を含む第1の基と、この第1の基と結合
して同位体分離用の作業物質を形成する基であって、電
磁波照射によって解離して常温において非ポリマー性の
固体生成物を形成し得る第2の基とを含んでなる、同位
体分離用の作業物質を包含する。
【0025】上記の作業物質において、好ましくは、前
記第2の基が、フェニル基またはその誘導体であること
ができ、さらに、前記第1の基が、ケイ素の同位体を含
有する基からなることができる。
【0026】また、上記の態様において、該作業物質
は、前記第1の基が、式SiXYZ(ここで、X、Y、
Zは、それぞれ、同一でも異なるものであってもよく、
H、OH、アルキル基、F、Cl、BrおよびIからな
る群から選ばれたものである)で表されるものであるこ
とができ、具体的には、CSiFからなる作業
物質を包含する。
【0027】以下、上記の作業物質の好ましい態様のS
i含有化合物の内、第2の基がフェニル基である場合、
すなわちPh−SiXYZを作業物質とし、電磁波照射
源として赤外レーザーを用いてSiの同位体分離を行う
場合について説明する。
【0028】作業物質Ph−SiXYZに特定波長の赤
外レーザー光を照射すると、ph−Si結合が切断さ
れ、PhラジカルおよびSiXYZラジカルが発生す
る。SiXYZラジカルは反応性が高くPh‐SiXY
Zの中のいずれかの原子をとって安定分子SiXYZA
(ここで、Aは奪い取った原子を表す)。一方、Phラ
ジカルおよびPh‐XYZよりいずれかの原子をとられ
て生成されたラジカルは反応性が比較的低く、これら2
つのラジカル同士で反応が進み安定化される。これら分
子はPh基を2個含んでおり通常常温において固体とな
る。これら固体は全て2つのラジカルにより1分子を生
成するため。従って、生成固体はポリマー化しないので
容器に強固に付着することはなく回収が容易である。ま
た、反応生成物としてのガスはSiXYZAであり、こ
のガス成分はPh基を含んでいないので融点が元の作業
物質に比べて極めて高いことから、レーザー光照射後に
おいて、低温トラップ等を利用して容易に分離すること
が可能である。参考のために、図3に、上記の作業物質
を用いて同位体元素28Siを分離する場合の反応プロ
セスを例示する。
【0029】本発明の分離方法においては、同位体シフ
トを利用して、標的同位体を含む成分を選択的に分解す
ることができる。また、本発明の他の好ましい態様にお
いては、上記の選択的な分解が赤外光で起こり、分解に
伴う副生成物がすべて固体である。
【0030】このように、本発明の分離方法において
は、常温において、分解反応の結果生じる、(イ)分解
ガス成分(SiXYZA)と未分解の作業物質(Ph‐
SiXYZ)とからなる標的同位体元素成分を含む気相
生成物と、(ロ)標的同位体元素以外の成分を含んでな
る固相生成物(Ph−Ph等)とに相分離が生じる。し
かも、ここで生成する固体の生成物は非ポリマー性の物
質からなるので、反応容器内に強固に付着する等の問題
が生じることがない。よって、両相の分離は容易かつ簡
便な操作によって行われ得る点で工業的観点ですこぶる
有利である。
【0031】さらに、得られた気相生成物中には、分解
ガス成分と未分解作業物質成分が含まれているが、これ
ら両ガス成分は沸点差/融点差等を利用して比較的容易
に分離することができるので、標的同位体元素成分の選
択的な分離・濃縮を効率的かつ速やかに行うことができ
る。
【0032】また、上記のような分離反応系において
は、副反応が生じる機構を有さないので、従来必要であ
ったスカベンジャー等の追加的添加成分を使用する必要
がない点においても有利である。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれら実施例の記載によって制限されるもので
はない。
【0034】実施例 図1は本発明を実施するために用いられた実験装置の概
略図である。この実験装置は以下のように構成されてい
る。反応セル1にZnSe製の窓2が取り付けられたも
のの中心に、自由電子レーザー3より発振した自由電子
レーザー光4をZnSe製レンズ(焦点距離25cm)
5を用いて集光し、反応セル1に充填された作業物質
(CSiF)6に照射する。反応セル1は、長
さが約13cmで直径1.6cmの筒状容器である。
【0035】次に、上記作業物質を用いてSi同位体分
離を行った実験について説明する。
【0036】図1に示された装置を用い、作業物質とし
て、室温に保たれた2TorrのC SiFを用
い、反応セル内の作業物質に、レーザー光として、波数
971cm−1、エネルギー17mJ、繰り返し5Hz
の自由電子レーザー光を照射した。
【0037】図2に、作業物質ならびにその分解性生成
物の赤外吸収スペクトルの時間変化を示す。図2におい
て点線は自由電子レーザー光照射前の吸収スペクトルで
あり、一方、実線は自由電子レーザー光を60分照射後
の吸収スペクトルである。
【0038】図2に示す結果から、照射後1028cm
−1近傍に解離生成物のピークが認められる。これはS
iFのピークに相当する。他にはピークはみられな
い。すなわち、ガスとしての生成物はSiFのみであ
る。このことから、他の生成物は全て固体となっている
ことが分かる。また、この場合において、生成した固体
は粉末状であり、ポリマー状の生成物や液状の生成物は
認められなかった。
【0039】また、生成ガス成分であるCSiF
およびびSiFの分離に関しては、CSiF
の融点は−19℃、SiFの沸点は−86℃と非常
に差が大きく、CSiFを冷却・固化してもな
おSiFはガスであるため低温トラップで容易に分離
することができた。
【0040】下記の表1は、いくつかの照射波数に関し
て実験を行い、照射後の残留C SiF中のSi
同位体の濃度比を4重極質量分析器により測定した結果
である。
【0041】
【表1】 表1に示す結果から分かるように、971cm−1では
28Siを含む作業物質が選択的に分解され、934c
−1では29Si,30Siを含む作業物質が選択的
に分解されている。すなわち、照射レーザー光の波数を
変えることによって、異なる同位体を選択的に濃縮する
ことができる。
【0042】
【発明の効果】上述のとおり、本発明の同位体分離方法
によれば、特定の作業物質に赤外線レーザー等のエネル
ギーを照射して当該作業物質を効率的かつ容易に分解し
濃縮することができるので、工業上すこぶる有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において使用された実験装置の
概略図。
【図2】作業物質としてのCSiFに自由電子
レーザーを照射した際のC SiF及び解離生成
物SiFの赤外吸収スペクトル。
【図3】同位体元素28Siを分離する場合の反応プロ
セスを示す図。
【符号の説明】
1 反応セル 2 窓(ZnSe) 3 自由電子レーザー 4 自由電子レーザー光 5 レンズ 6 作業物質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アレクサンダー、コンスタンチノビッチ、 ペトロフ ロシア国ノボシビルスク、630090、インス ティツーツカヤ、3、インスティツート、 オブ、ケミカル、キネティクス、アンド、 コンバスチョン内 (72)発明者 アンドレイ、ビタリエビッチ、チェルニシ ェフ ロシア国ノボシビルスク、630090、インス ティツーツカヤ、3、インスティツート、 オブ、ケミカル、キネティクス、アンド、 コンバスチョン内 (72)発明者 能 丸 圭 司 千葉県野田市二ツ塚118番地 川崎重工業 株式会社関東技術研究所内

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分離されるべき対象となる同位体元素を含
    む第1の基と、この第1の基と結合して同位体分離用の
    作業物質を形成する基であって、電磁波照射によって解
    離して常温において非ポリマー性の固体生成物を形成し
    得る第2の基とを含んでなる同位体分離用の作業物質を
    用意し、 前記作業物質に電磁波照射を行うことによって、当該作
    業物質を分解して、(イ)分解ガス成分と未分解の作業
    物質とからなる、標的同位体元素成分を含む気相生成物
    と、(ロ)標的同位体元素以外の成分を含んでなる、非
    ポリマー性の固相生成物、に分離する工程を含む、同位
    体分離方法。
  2. 【請求項2】前記気相生成物中の前記分解ガス成分と前
    記未分解の作業物質とを、さらに分離する工程を含む、
    請求項1に記載の同位体分離方法。
  3. 【請求項3】前記電磁波照射によって生成する分解ガス
    成分が、標的同位体元素を含有する成分である、請求項
    1に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記電磁波照射による分解反応後に残存す
    る未分解の前記作業物質が、標的同位体元素を含有する
    成分である、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記電磁波照射がレーザー光によって行わ
    れる、請求項1に記載の同位体分離方法。
  6. 【請求項6】前記レーザー光の光源が、自由電子レーザ
    ー、炭酸ガスレーザー、半導体レーザーおよび固体レー
    ザーからなる群から選択されたものである、請求項5に
    記載の同位体分離方法。
  7. 【請求項7】前記第2の基が、フェニル基またはその誘
    導体である、請求項1に記載の同位体分離方法。
  8. 【請求項8】前記第1の基が、ケイ素の同位体を含有す
    る基からなり、特定の同位体ケイ素を選択的に分離し濃
    縮する、請求項1に記載の同位体分離方法。
  9. 【請求項9】前記第1の基が、式SiXYZ(ここで、
    X、Y、Zは、それぞれ、同一でも異なるものであって
    もよく、H、OH、アルキル基、F、Cl、Brおよび
    Iからなる群から選ばれたものである)で表される、請
    求項1に記載の同位体分離方法。
  10. 【請求項10】前記作業物質が、1分子中に1個のSi
    を含んでなる化合物からなり、好ましくはCSi
    である、請求項1に記載の同位体分離方法。
  11. 【請求項11】前記電磁波照射が、作業物質に複数波長
    のレーザー光を同時に照射することによって行われる、
    請求項1に記載の同位体分離方法。
  12. 【請求項12】前記電磁波照射が、作業物質に複数波長
    のレーザー光をタイミングをずらして照射することによ
    って行われる、請求項1に記載の同位体分離方法。
  13. 【請求項13】前記分離工程を、1回もしくは2回繰り
    返すことによって標的同位体元素含有成分を分離/濃縮
    したのち、さらに従来法に基づく高濃縮プロセスを併用
    する工程を含む、請求項2に記載の同位体分離方法。
  14. 【請求項14】従来法に基づく高濃縮プロセスとして遠
    心分離法を適用する、請求項13に記載の同位体分離方
    法。
  15. 【請求項15】前記気相生成物と固相生成物との分離を
    常温条件下で行う、請求項1に記載の同位体分離方法。
  16. 【請求項16】追加的成分としてのスカベンジャーを実
    質的に使用しない、請求項1に記載の同位体分離方法。
  17. 【請求項17】標的同位体元素が、Si以外の他の同位
    体元素からなる、請求項1に記載の同位体分離方法。
  18. 【請求項18】沸点および/または融点の差を利用して
    前記分解ガス成分と未分解作業物質の分離を行う、請求
    項2に記載の同位体分離方法。
  19. 【請求項19】同位体シフトを利用して、標的同位体を
    含む成分を選択的に分解する、請求項1に記載の同位体
    分離方法。
  20. 【請求項20】選択的な分解が赤外光で起こる、請求項
    19に記載の同位体分離方法。
  21. 【請求項21】分解に伴う副生成物がすべて固体であ
    る、請求項1に記載の同位体分離方法。
  22. 【請求項22】分離されるべき対象となる同位体元素を
    含む第1の基と、この第1の基と結合して同位体分離用
    の作業物質を形成する基であって、電磁波照射によって
    解離して常温において非ポリマー性の固体生成物を形成
    し得る第2の基とを含んでなる、同位体分離用の作業物
    質。
  23. 【請求項23】前記第2の基が、フェニル基またはその
    誘導体である、請求項22に記載の作業物質。
  24. 【請求項24】前記第1の基が、ケイ素の同位体を含有
    する基からなる、請求項22に記載の作業物質。
  25. 【請求項25】前記第1の基が、式SiXYZ(ここ
    で、X、Y、Zは、それぞれ、同一でも異なるものであ
    ってもよく、H、OH、アルキル基、F、Cl、Brお
    よびIからなる群から選ばれたものである)で表され
    る、請求項22に記載の作業物質。
  26. 【請求項26】1分子中に1個のSiを含む化合物から
    なり、好ましくはCSiFからなる、請求項2
    2に記載の作業物質。
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