JP2003309521A - Vipa波長分散補償器 - Google Patents

Vipa波長分散補償器

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JP2003309521A JP2002114776A JP2002114776A JP2003309521A JP 2003309521 A JP2003309521 A JP 2003309521A JP 2002114776 A JP2002114776 A JP 2002114776A JP 2002114776 A JP2002114776 A JP 2002114776A JP 2003309521 A JP2003309521 A JP 2003309521A
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裕司 阪田
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英夫 岡田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度変動によるVIPA波長分散補償器を構
成する非球面ミラーの膨張/収縮があっても、又、温度
変動によるVIPAアセンブリからの出射光の角度の変
動があっても、正確に波長分散補償を行なうことが可能
なVIPA波長分散補償器を提供する。 【解決手段】 温度センサが検出した温度に対応する該
非球面ミラーによる波長分散補償量の誤差を求め、該誤
差を補正した波長分散補償量を該非球面ミラーの位置に
変換し、該非球面ミラーを搭載する移動ステージを移動
させるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、VIPA(Virtua
lly Imaged Phased Array の頭文字による略語で、複数
の波長の合成である光信号を波長毎に分岐するものを指
す。以降、上記略語を使用する。)波長分散補償器に係
り、特に、温度変動によるVIPA波長分散補償器を構
成する非球面ミラーの膨張/収縮を含む移動があって
も、又、温度変動によるVIPA波長分散補償器を構成
するVIPAアセンブリからの出射光の角度の変動があ
っても、正確に波長分散補償を行なうことが可能なVI
PA波長分散補償器に関する。
【0002】光ファイバを伝送媒体とした光伝送システ
ムは、耐電気雑音特性が優れていること、高速なデジタ
ル信号によって連続光信号を変調する電気−光変換素子
と変調を受けた光信号から高速デジタル信号を復調する
光−電気変換素子に恵まれていること、伝送速度が高速
化されても光ファイバ伝送路が低伝送損失であることに
よる長距離伝送又は長スパン伝送に適していること、及
び、既敷設の光ファイバ伝送路を使用して波長多重方式
を採用することにより容易に伝送容量を増加させ得るこ
となど多くの理由によって、1950年代前半の実用化
以来世界中で基幹デジタル伝送システムとして適用され
ており、技術的にも更に発展を続けている。
【0003】さて、電気信号を伝送する場合には、伝送
される電気信号に歪みを与える主たる原因として伝送シ
ステムの損失の周波数特性(損失歪み)と群遅延時間の
周波数特性(群遅延歪み又は位相歪み)が存在してお
り、損失歪みと群遅延歪みの双方を補償する必要があっ
た。一方、光信号を伝送する場合にも、電気信号を伝送
する場合に比較して比較的低速では影響が少ないという
利点はあるものの、高速化が進むほど損失歪みと群遅延
歪みの影響を無視できなくなることは電気信号を伝送す
る場合と同様である。
【0004】特に、高速光伝送を行なう光伝送システム
においては群遅延歪みと等価な現象である波長分散によ
る波形劣化の影響が顕著になり、波長多重伝送方式のよ
うに広い波長帯を使う光伝送システムにおいては波長分
散による波形劣化が更に顕著になる。従って、種々の原
理による波長分散補償器によって波長分散を補償するよ
うになっているが、光ファイバ伝送路長の温度特性や伝
送路切り替えによる伝送経路の変化に順応できる波長分
散補償器を適用することが望ましい。
【0005】又、その波長分散補償器が設置される光伝
送装置内部の温度範囲は、0℃から70℃という広範囲
に及ぶので、温度変動による波長分散補償量の誤差が少
ない波長分散補償器を適用することが必要になってく
る。
【0006】
【従来の技術】図5は、波長分散の補償を示す図であ
る。図5において、101は電気信号で変調された光信
号を送信する送信機、102は光伝送路を形成する光フ
ァイバ、103は光ファイバ102中で生じた波長分散
を補償する波長分散補償器(図では、「VIPA」と略
記している。)、104は波長分散を補償された光信号
を復調して電気信号を再生する受信機である。
【0007】最も基本的には送信機101、光ファイバ
伝送路102及び受信機104によって光伝送システム
が構成されるが、光ファイバ伝送路の波長分散特性を無
視しえないような光ファイバ伝送路を使用する場合や高
速光伝送を行なう場合には、図5の如く波長分散補償器
103を挿入する。図5の構成による波長分散補償は下
記のように行なわれる。即ち、送信機101から送信さ
れる1ビットの送信波形は図5の如きもので、光ファ
イバ伝送路の波長分散の影響を受けていないものであ
る。
【0008】一般に、光ファイバ伝送路102を通過し
た受信波形は、光ファイバ伝送路102の波長分散の影
響を受けて、図5の如く半値幅が広がって、光ファイ
バ伝送路に損失がなくてもピーク値が小さくなる。図5
の構成では、光ファイバ伝送路102とは逆の波長分散
特性を有する波長分散補償器103を挿入しているの
で、波長分散補償器103を通過して受信機104に入
力される補償された波形は、送信波形と同じ波形に
なる。即ち、半値幅とピーク値が送信波形と同じにな
る。
【0009】この波長分散を補償された波形を受けて受
信機104において光信号を電気信号に変換して、変換
して得られた電気信号を識別して元のデジタル信号を再
生するので、送信機101において連続光信号を強度変
調したデジタル信号を正確に再生することができる。
尚、図5では、波長分散補償器103を光ファイバ伝送
路102と受信機104の接続点に挿入する例を示して
いるが、波長分散補償器103を送信機101と光ファ
イバ伝送路102の接続点に挿入してもよい。前者を波
長分散の等化といい、後者を波長分散の予等化という。
【0010】さて、通常用いられる波長分散補償器を構
成する技術としては、2つの代表的な技術がある。その
第一は、光ファイバ伝送路の波長分散特性と逆の波長分
散特性を有する分散補償ファイバを光ファイバ伝送路の
入力又は出力にタンデムに挿入するものである。
【0011】しかし、光ファイバ伝送路の波長分散特性
と逆の波長分散特性を有する分散補償ファイバを光ファ
イバ伝送路にタンデムに挿入する方式では、光ファイバ
伝送路の波長分散特性が温度によって変化する場合や、
障害などによって伝送路切り替えが行なわれて光ファイ
バ伝送路の経路が変わった場合における波長分散特性の
変化に柔軟に追随できないという不利な点がある。
【0012】そこで開発されたのが、VIPAと非球面
ミラーとを組み合わせて、分岐された異なる波長毎に異
なる長さの経路を経由させて光ファイバ伝送路の波長分
散の逆特性を実現するVIPA波長分散補償器である。
図6は、VIPA波長分散補償器である。図6におい
て、1はVIPAアセンブリ、2は非球面ミラー、3は
非球面ミラー2を搭載して移動させる移動ステージであ
る。
【0013】尚、非球面ミラー2は移動ステージ3上に
搭載され、非球面ミラーの中心位置で移動ステージに固
定されており、VIPAアセンブリ1は移動ステージ3
を内部に実装する金属ケース(図示を省略)に固定され
ている。ここで、VIPAアセンブリ1は、下記のよう
に構成されている。即ち、受信光をVIPAアセンブリ
1内に出射し、VIPAアセンブリ1内で異なる波長毎
に異なる経路を通ってきた光を受ける光ファイバ1−
1、光ファイバ1−1から出射される光を平行光に変換
して出射し、逆方向から入射される光を光ファイバ1−
1の端面に集束するコリメート・レンズ1−2、コリメ
ート・レンズ1−2から出射される平行光をVIPAに
集束し、VIPAから出射されてくる光を平行光に変換
するコリメート・レンズ1−3、コリメート・レンズ1
−3から入射される光を多重反射させて異なる波長毎に
分岐し、反対側から入射される光を多重反射させて合成
してコリメート・レンズ1−3に出射するVIPA1−
4、VIPA1−4が異なる波長毎に出射した光を波長
毎に非球面ミラー2上のの異なる位置に集束し、非球面
ミラー2で反射して戻ってくる光を平行光化するコリメ
ート・レンズ1−5を備えている。
【0014】さて、VIPAアセンブリ1の光軸は3次
元座標のz軸方向、コリメート・レンズ1−5が異なる
波長の光を非球面ミラー2上に集束させる方向はy軸方
向、移動ステージの移動方向はx軸方向であるものとす
る。図7は、非球面ミラーの役割を説明するための図で
ある。図7(イ)において、2は非球面ミラー、3は移
動ステージである。
【0015】図7(イ)では、異なる波長の光λ1 、λ
2 及びλ3 の3波が非球面ミラー2の特定のx座標にお
いてy軸方向の異なる位置に集束されているものとして
示しているが、実際には移動ステージ3の上面に対する
垂直方向(y方向)に連続的に直線状に集光される。そ
して、非球面ミラー2はx座標によって異なる断面形状
を有している。この断面形状を示したのが図7の(ロ)
乃至(ニ)であり、図7(ロ)は、図7(イ)において
によって示したx座標における非球面ミラー2の断面
図、図7(ハ)は、図7(イ)においてによって示し
たx座標における非球面ミラー2の断面図、図7(ニ)
は、図7(イ)においてによって示したx座標におけ
る非球面ミラー2の断面図である。
【0016】即ち、非球面ミラー2の断面形状は、x座
標が近傍では凹面鏡、x座標が近傍では平面鏡に近
い鏡、x座標が近傍では凸面鏡となっており、x座標
のから方向への変化に対応して連続的に曲面の形状
が変化している。図7(ハ)のみに、図7(イ)の波長
がそれぞれλ1 、λ2 及びλ3 の入射光と反射光を示し
ているが、非球面ミラー2の中心軸上に入射した波長λ
2 の光は入射光軸と同じ光軸方向に反射してゆく。
【0017】ここで、非球面ミラーに入射した光が入射
光軸と同じ光軸方向に反射する点を結んだ線を非球面ミ
ラーの中心軸と呼ぶことにする。即ち、該中心軸は非球
面ミラーの表面上で直線である。これに対して、波長λ
2 の光よりy軸方向高い位置に入射した波長λ1 の光は
入射光軸より若干上方向に反射し、波長λ2 の光よりy
軸方向低い位置に入射した波長λ3 の光は入射光軸より
若干下方向に反射してゆく。
【0018】これに対して、図7(ニ)の凸面鏡に図7
(イ)のλ1 、λ2 及びλ3 の光が、それぞれ、図7
(イ)と同じy座標の位置に入射された場合には、波長
λ2 の光は入射光軸と同じ光軸方向に反射し、波長λ1
の光は図7(ハ)の場合より上方向に反射し、波長λ3
の光は図7(ハ)の場合より下方向に反射してゆく。
又、図7(ロ)の凹面鏡に図7(イ)のλ1 、λ2 及び
λ3 の光が図7(イ)と同じy座標の位置に入射された
場合には、波長λ2 の光は入射光軸と同じ光軸方向に反
射し、波長λ1 の光は入射方向より下方向に反射し、波
長λ3 の光は入射方向より上方向に反射してゆく。
【0019】上記の如く、非球面ミラーにおいて反射し
た光は図6のコリメート・レンズ1−5、VIPA1−
4、コリメート・レンズ1−3及びコリメート・レンズ
1−2を介して光ファイバ1−1の端面に入射される。
そして、光ファイバ1−1の端面を出射されてから光フ
ァイバ1−1の端面に入射されるまでに異なる波長の光
は異なる長さの経路を通ってくる。
【0020】例えば、図7(ニ)の凸面鏡で反射した場
合には波長λ1 の光が最長の経路を通り、波長λ3 の光
が最短の経路を通って光ファイバ1−1の端面に戻り、
図7(ロ)の凹面鏡で反射した場合には波長λ3 の光が
最長の経路を通り、波長λ1の光が最短の経路を通って
光ファイバ1−1の端面に戻ってくる。即ち、非球面ミ
ラー2のx座標のいずれの位置で反射するかによって異
なる波長毎の経路長が異なって光ファイバ1−1の端面
に戻ってくるので、移動ステージ3をx軸方向に移動す
ることによってVIPA波長分散補償器における波長分
散特性を制御することができる。
【0021】実際には、波長分散補償量を外部から設定
して、該波長分散補償量を非球面ミラー上で波長が異な
る光が集光する位置情報に変換し、該位置情報が示すと
ころまでモータによって移動ステージを移動させること
によって、VIPA波長分散補償器における波長分散特
性を制御している。図8は、非球面ミラーの断面形状と
パルス波形を示す図である。
【0022】図8(イ)は受信波形で、光ファイバ伝送
路の波長分散の影響を受けて波形が劣化している。これ
に対して、図7(ハ)に示したの位置での断面で反射
した場合に、波長λ2 の光に対して波長λ3 の光が若干
短い経路を通り、波長λ1 の光が若干長い経路を通って
戻る結果、波長分散が適度に補償されるものとすると、
図7(ロ)に示したの位置での断面で反射した場合に
は、波長λ2 の光に対して波長λ3の光が長い経路を通
り、波長λ1 の光が短い経路を通って戻る結果、光ファ
イバ伝送路の波長分散特性と同じ波長分散が加えられる
ことになり、波形は更に広がることになる。
【0023】逆に、図7(ニ)に示したの位置での断
面で反射した場合に、波長λ2 の光に対して波長λ3
光が非常に短い経路を通り、波長λ1 の光が非常に長い
経路を通って戻る結果、過補償の状態になり、波形は最
適波形に比較して半値幅が狭くなる。一方、更に大きな
波長分散の影響を受けて図8(イ)に示した波形より半
値幅が広がって受信された波形に対しては、異なる波長
毎に分岐された光を図7(ニ)の断面において反射さ
せると波長分散の影響が取り除かれ、逆に、過補償の状
態で受信された波形に対しては、図7(ロ)の断面に
おいて反射させると波長分散の影響が取り除かれる。
【0024】即ち、波長分散の影響による波形劣化の度
合いに応じて非球面ミラーの最適な断面形状の箇所にお
いて異なる波長に分解された光を反射させることによっ
て波長分散による波形劣化を補償することができる。従
って、図6に示したVIPA波長分散補償器において、
移動ステージ3をx軸方向に移動させて、非球面ミラー
の最適な断面形状において反射させることによって波長
分散による波形劣化を補償することができる。
【0025】上記の如く、波長分散補償量を外部から設
定して、該波長分散補償量を非球面ミラー上で波長が異
なる光が集光する位置情報に変換し、該位置情報が示す
ところまでモータによって移動ステージを移動させるこ
とによって、VIPA波長分散補償器における波長分散
特性を制御しているので、光ファイバ伝送路の波長分散
特性が温度によって変化しても、障害などによって伝送
路切り替えが行なわれることによって光ファイバ伝送路
の経路が変わっても、変化した波長分散特性を把握して
いれば柔軟に波長分散特性を補償することができる。従
って、図6に示したVIPA波長分散補償器は分散補償
ファイバより優れた波長分散補償性能を発揮することが
できる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】しかし、VIPA波長
分散補償器自体に温度変動があると、波長分散補償特性
を安定に保つことができなくなる。第一の問題は下記の
通りである。即ち、精密加工する必要があるためガラス
又はプラスチックを成形したミラー体の非球面をなす表
面に反射膜を形成して非球面ミラーを構成し、該非球面
ミラーを図7のx軸方向の中心位置で移動ステージに固
定する。このため、該非球面ミラーは、該非球面ミラー
と該移動ステージとを固定するx座標を基準として、温
度上昇に伴ってx軸方向の長さが伸びる。
【0027】従って、VIPAアセンブリが直線状の光
を出射するx軸の座標と、該非球面ミラーと該移動ステ
ージとを固定するx座標とを一致させてx座標の原点と
する時、該非球面ミラーの伸びの分だけVIPAアセン
ブリが出射する直線状の光が集光される該非球面ミラー
上のx座標が誤差を持つことになる。具体的にいうと、
該非球面ミラーの伸びの分だけVIPAアセンブリが出
射する直線状の光が集光される該非球面ミラー上のx座
標の絶対値は、正しいx座標の絶対値より小さくなる。
即ち、該非球面ミラー上の特定の曲率となるx座標に集
光されるべきが、該特定の曲率より小さな曲率となるx
座標に集光されることになる。
【0028】第二の問題は下記の通りである。即ち、温
度変動による非球面ミラーの伸び以外に、VIPAアセ
ンブリにおける光の出射角の変動もある。これは、該V
IPAアセンブリ内における構成要素間の熱膨張係数の
不一致や、接合点において生ずる熱的なねじれによっ
て、VIPAや複数のコリメート・レンズの光軸の方向
がずれるために生ずるものである。
【0029】この出射角変動によって、当然、VIPA
アセンブリが出射する直線状の光が集光される該非球面
ミラー上のx座標は誤差を持つことになる。本発明は、
かかる問題点に鑑み、VIPA波長分散補償器に係り、
特に、温度変動によるVIPA波長分散補償器を構成す
る非球面ミラーの膨張/収縮を含む移動があっても、
又、温度変動によるVIPA波長分散補償器を構成する
VIPAアセンブリからの出射光の角度の変動があって
も、正確に波長分散補償を行なうことが可能なVIPA
波長分散補償器を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】第一の発明は、上記第一
の問題を解決することを目的とするもので、VIPAア
センブリによって光信号を波長毎に分岐して非球面ミラ
ーに入射し、該非球面ミラーによる反射によって波長毎
の伝播距離を制御して波長分散を補償するVIPA波長
分散補償器であって、温度センサが検出した温度に対応
する該非球面ミラーによる波長分散補償量の誤差を求
め、該誤差を補正した波長分散補償量を該非球面ミラー
の位置に変換し、該非球面ミラーを搭載する移動ステー
ジを移動させることを特徴とするVIPA波長分散補償
器である。
【0031】第一の発明によれば、温度センサが検出し
た温度に対応する該非球面ミラーの膨張量を知ることが
できるために温度センサが検出した温度に対応する該非
球面ミラーによる波長分散補償量の誤差を求めることが
でき、該誤差を補正した波長分散補償量を該非球面ミラ
ーの位置に変換して該非球面ミラーを搭載する移動ステ
ージを移動させるので、該非球面ミラーを温度変動を加
味した正しい位置に移動させることができ、温度変動が
あっても正しく波長分散補償を行なうことができる。
【0032】第二の発明は、上記第一の問題を解決する
ことを目的とするもので、VIPAアセンブリによって
光信号を波長毎に分岐して非球面ミラーに入射し、該非
球面ミラーによる反射によって波長毎の伝播距離を制御
して波長分散を補償するVIPA波長分散補償器であっ
て、該非球面ミラーを構成する透明なミラー部材上にス
ケールを形成し、該非球面ミラーを搭載して移動する移
動ステージ上に該スケールを読み取るセンサを配置する
ことを特徴とするVIPA波長分散補償器である。
【0033】第二の発明によれば、該非球面ミラーを構
成する透明なミラー部材上に所定の間隔で反射しない部
位と反射する部位、即ち、透明、不透明を繰り返すスケ
ールを形成し、該非球面ミラーを搭載して移動する移動
ステージ上に該スケールを読み取るセンサを配置するの
で、該非球面ミラーが温度変動に伴って膨張した場合に
も、その膨張量を正確に把握することができる。
【0034】第三の発明は、上記第二の問題を解決する
ことを目的とするもので、第二の発明のVIPA波長分
散補償器であって、上記VIPAアセンブリが出射する
光のうち、上記非球面ミラーでは反射させない高次の回
折光を光源とし、上記センサに光学センサを適用して上
記スケールを読み取ることを特徴とするVIPA波長分
散補償器である。
【0035】第三の発明によれば、第二の発明のVIP
A波長分散補償器において、VIPA波長分散補償器を
構成するVIPAアセンブリが出射する光のうち、上記
非球面ミラーでは反射させない高次の回折光を光源とし
て上記センサによって上記スケールを読み取るので、該
非球面ミラーが温度変動に伴って膨張した場合にも、該
センサによる該スケールの読み取りによって該非球面ミ
ラーの膨張量を求めることができる上に、特別な光源を
必要とせずに該非球面ミラーの膨張量を求めることがで
きる。
【0036】第四の発明は、第二の発明又は第三の発明
のいずれかのVIPA波長分散補償器において、上記セ
ンサが検出した上記非球面ミラーの温度変動に伴う移動
量によって該非球面ミラーに設定される座標を補正し、
該非球面ミラーを搭載する移動ステージを移動させるこ
とを特徴とするVIPA波長分散補償器である。第四の
発明によれば、第二の発明又は第三の発明のいずれかの
VIPA波長分散補償器でおいて、上記センサが検出し
た上記非球面ミラーの膨張量によって該非球面ミラーに
設定される座標を補正し、該非球面ミラーを搭載する移
動ステージを移動させるので、該非球面ミラーを温度変
動を加味した正しい位置に移動させることができ、温度
変動があっても正しく波長分散補償を行なうことができ
る。
【0037】特に、第二の発明のVIPA波長分散補償
器に上記機能を付加した場合には、該非球面ミラーの膨
張を含む移動量を補償して正しく波長分散補償を行なう
ことができ、第三の発明のVIPA波長分散補償器に上
記機能を付加した場合には、VIPA波長分散補償器を
構成するVIPAアセンブリからの光の出射角の変動を
補償して正しく波長分散補償を行なうことができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以降、図面も併用して本発明の技
術を詳細に説明する。図1は、本発明の第一の実施の形
態で、図1(イ)にVIPA波長分散補償部の構成を、
図1(ロ)に制御部の構成を示している。図1(イ)に
おいて、1はVIPAアセンブリ、2は非球面ミラーで
ある。
【0039】又、3は移動ステージで、駆動モータ3−
1及び温度センサ3−2を備えている。そして、温度セ
ンサ3−2の出力は後述する制御部に供給され、駆動モ
ータ3−1には該制御部から駆動信号が供給される。図
1(ロ)において、4−1は温度センサ3−2の出力と
外部から設定される波長分散補償量とを参照して温度変
動に伴う波長分散補償量の誤差を求める温度・補償誤差
変換手段、4−2は外部から設定される波長分散補償量
と温度・補償誤差変換手段4−1が出力する温度変動に
伴う波長分散補償量の誤差との差分を求める加算手段、
4−3は加算手段4−2が出力する波長分散補償量を非
球面ミラーの移動先の位置に変換する分散補償量・位置
変換手段、4−4は分散補償量・位置変換手段4−3の
出力によって移動ステージを移動させる駆動信号を出力
して駆動モータ3−1に供給するモータ駆動手段であ
る。
【0040】ここで、図1においては温度センサ3−2
の出力を直接温度・補償誤差変換手段4−1に供給する
ように図示しているが、実際には、温度センサ3−2が
出力する温度依存性がある電流値を温度情報に変換し、
該温度情報をデジタル化して温度・補償誤差変換手段4
−1に供給するという処理が必要である。しかし、上記
処理は通常行なわれている技術でよく、又、上記処理が
本発明の本質ではないので、温度センサ3−2と温度・
補償誤差変換手段4−1との間に上記処理を行なうもの
があって、それが図示を省略されているものと御理解戴
きたい。
【0041】さて、波長分散補償量によってVIPAア
センブリ1から出射される光が非球面ミラー上に入射す
るx座標(入射x座標)が異なり、該入射x座標が異な
れば同じ温度変動に対しても該入射x座標の温度変動に
よる移動量が異なる。従って、温度・補償誤差変換手段
4−1は、設定される波長分散補償量毎に温度情報をア
ドレスとして該入射x座標の温度変動による移動量に対
応する波長分散補償量の誤差を格納した複数のテーブル
を備えている。そして、外部から設定される波長分散補
償量によって該複数のテーブルの中から1つのテーブル
を選択し、選択されたテーブル上で温度センサからの温
度情報に該当するアドレスに書き込まれている該入射x
座標の温度変動による移動量に対応する波長分散補償量
の誤差を求めればよい。
【0042】尚、外部から設定されている波長分散補償
量に正確に一致するテーブルがなかったり、1つのテー
ブル内で温度センサからの温度情報に正確に一致するア
ドレスがない場合には一次近似による内挿演算を行なえ
ばよい。又は、外部から設定される波長分散補償量と温
度センサ3−2から供給される温度情報とを用いて該入
射x座標の温度変動による移動量に対応する波長分散補
償量の誤差を求める変換式を決定して格納しておき、個
々の状態において入力される波長分散補償量と温度情報
を代入して該入射x座標の温度変動による移動量に対応
する波長分散補償量の誤差を求めることもできる。そし
て、この場合には内挿演算をする必要性は生じない。
【0043】さて、温度センサとしては、所謂サーミス
タを用いることができる。先の、温度依存性がある電流
値温度情報に変換し云々の記載はサーミスタを意識した
ものである。しかし、サーミスタに限定される訳ではな
く、熱・電気変換系の温度センサでもよい。そして、重
要なことは、移動ステージや該移動ステージを実装する
金属ケースなどに容易にはりつけることができることで
ある。
【0044】又、分散補償量・位置変換手段4−3は、
分散補償量をアドレスとして非球面ミラーの位置を格納
するテーブルであってもよいし、分散補償量から非球面
ミラーの位置を求める計算式であってもよい。更に、モ
ータ駆動手段4−4は非球面ミラーの移動量に対応する
数のパルスを出力し、駆動モータ3−1は1パルスによ
って所定の角度回転するタイプであれば、オープン・ル
ープで非球面ミラー2の位置を制御することができるの
で、VIPA波長分散補償器の構成を簡易にすることが
できる。
【0045】図2は、本発明の第二の実施の形態で、図
2(イ)にVIPA波長分散補償部の構成を、図2
(ロ)に制御部の構成を示している。図2(イ)におい
て、1はVIPAアセンブリである。又、2は非球面ミ
ラーで、ミラー部材2−1、反射膜2−2及びスケール
2−3を備えている。
【0046】又、3は移動ステージで、駆動モータ3−
1、スケール2−3の移動量を計測する光学センサ3−
3を備えている。そして、光学センサ3−3の出力は後
述する制御部に供給され、駆動モータ3−1には該制御
部から駆動信号が供給される。図2(ロ)において、4
−3は波長分散補償量を非球面ミラーの移動先の位置に
変換する分散補償量・位置変換手段、4−5は光学セン
サ3−3の出力から非球面ミラーの温度による移動量を
求めるセンサ出力・位置変換手段、4−2は分散補償量
・位置変換手段4−3の出力からセンサ出力・位置変換
手段4−5の出力を減産する加算手段、4−4は加算手
段4−2の出力によって移動ステージを移動させる駆動
信号を出力して駆動モータ3−1に供給するモータ駆動
手段である。
【0047】ここで、図2の構成では、スケール2−3
は非球面ミラー2を構成する透明なミラー部材2−1
の、反射膜2−2が形成されていない光が透過可能な部
分に配置されており、光学センサ3−3は移動ステージ
3を実装するベースに固定し、スケール2−3に近接さ
せて配置する。そして、スケール2−3は、非球面ミラ
ー2の膨張の影響を受けやすいことが必要なので、樹脂
フィルムを用いて該樹脂フィルムに窓をあけてスリット
とし、該受信フィルムにあけた窓以外には反射膜を形成
して非球面ミラーにはりつけるか、非球面ミラーの表面
に反射膜だけを縞状に形成する。
【0048】又、光学センサ3−3は、実際には光源と
センサ部材とから構成され、光源から出力されてスケー
ル2−3の反射膜で反射されて戻った光をセンサ部材で
受けるようにしておく。図3は、光学センサによる位置
読み取り原理を説明する図である。このうち、図3
(イ)にはセンサ部材の形状例を示している。
【0049】図3(イ)において、×印と○印を記載し
てある矩形は、それぞれ、独立なセンサ部材で、互いに
半幅だけずらされて形成されている。尚、センサ部材と
しては一般的な光・電気変換機能を有する部材、典型的
には、フォト・ダイオードを用いればよい。又、図3
(ロ)にはスケールとその移動の様子を示している。
【0050】図3(ロ)において示しているスケールは
帯状の反射膜を形成したフィルムに窓をあける形式のも
のであるが、先に記載した如く、反射膜を非球面ミラー
の表面に縞状に形成してもよい。又、図3(ロ)におい
て縦方向にアルファベットを付記しているのはスケール
の温度変動に伴う移動を示すためであり、左側の列(a
乃至i)はスケールが右側へ移動する場合であり、右側
の列(a及びp乃至w)はスケールが左側へ移動する場
合である。
【0051】今、センサ部材側から、2つのセンサ部材
の幅に等しい幅の光ビームが出力され、そのうちスケー
ルの反射膜で反射された光がセンサ部材に戻って、各々
のセンサ部材で電気変換される。例えば、図3(ロ)の
aにおいては、×印を記載したセンサ部材はスリット#
3とスリット#4の間の反射膜で反射された光のうち半
分を受け、○印を記載したセンサ部材はスリット#3と
スリット#4の間の反射膜で反射された光の全てを受け
る。
【0052】そして、図3(ロ)の如くスケールが右に
移動すると、×印を記載したセンサ部材はスリット#3
とスリット#4の間の反射膜で反射されうる光の1/4
を受け、○印を記載したセンサ部材はスリット#3とス
リット#4の間の反射膜で反射されうる光の3/4を受
ける。図3(ハ)は、センサ部材の出力を示しており、
×で示したのが×印を記載したセンサ部材の出力、点で
示したのが○印を記載したセンサ部材の出力である。
【0053】スケールがaの状態を初期状態として右側
に移動してゆくと、a乃至cでは○印を記載したセンサ
部材の出力の方が×印を記載したセンサ部材の出力より
大きい状態で、双方のセンサ部材の出力が低下してゆ
く。ついで、c以降では×印を記載したセンサ部材の出
力が増加に転じ、c乃至eでは○印を記載したセンサ部
材の出力は減少し続け、e以降増加に転ずる。そして、
双方の出力が増加している間は、×印を記載したセンサ
部材の出力の方が○印を記載したセンサ部材の出力より
大きい。
【0054】一方、スケールがaの状態を初期状態とし
て左側に移動してゆく場合には、双方の出力が減少して
いる間は×印を記載したセンサ部材の出力の方が○印を
記載したセンサ部材の出力より大きく、双方の出力が増
加している間は×印を記載したセンサ部材の出力の方が
○印を記載したセンサ部材の出力より小さい。即ち、ス
ケールが右側へ移動する場合とは逆の関係になっている
ことが判る。従って、双方のセンサ部材の出力の大小関
係と増減方向とによってスケールの移動方向を検出する
ことができる。
【0055】又、スケールがスリットの1ビッチだけ左
右に移動すると、双方のセンサ部材の出力は元の状態に
おける出力と同じになる(図3(ロ)のaとiの状
態)。従って、元の状態における出力になった回数をカ
ウントすれば移動したピッチ数を知ることができる。更
に、ピッチの整数倍移動しなかった場合には、移動量と
出力の関係が判るので(図3に示した例では三角波の関
係になることが容易に判る。)1ピッチのうちどれほど
移動したかを計算することは容易である。
【0056】上記の如く、光学センサ3−3を用いる場
合には、スケール2−3における光の透過と反射によっ
て非球面ミラー2の移動量を取得するので、スケール2
−3を非球面ミラー2を構成する透明なミラー部材2−
1の、反射膜2−2が形成されていない光が透過可能な
部分に配置して、光学センサ3−3をスケール2−3に
近接させて配置する必要がある訳である。
【0057】尚、図2の構成ではスケール2−3を非球
面ミラー2の反射膜2−2とは反対側に配置する例を説
明したが、非球面ミラー2の反射膜2−2と同じ側に配
置することも可能である。図2のセンサ出力・位置変換
手段4−5は、上記の如くして光学センサ3−3が取得
した非球面ミラー2の移動量から非球面ミラー2の温度
変動による移動量を求める。
【0058】従って、図2(ロ)の制御部では、必要な
波長分散補償量から決まる非球面ミラーの位置を上記の
如くして求めた非球面ミラーの温度変動による移動量で
補正して駆動モータを制御することができる。このよう
に、非球面ミラーの温度変動による移動量を直接計測し
て駆動モータを駆動するので、非球面ミラーの膨張以外
の要因も加わった場合にも、非球面ミラーに対するVI
PAアセンブリからの出射光の集光位置を正確に制御す
ることができる。
【0059】さて、上では、光源と、実質的に縞状に形
成された反射膜よりなるスケールとセンサ部材とで非球
面ミラーの移動量を計測する技術を説明したが、スケー
ルを磁性体で縞状に形成し、センサ部材を磁気センサで
構成する技術も可能である。この場合にも、センサ部材
を2つの独立なセンサ部材を半幅だけずらして組み合わ
せる技術が有効である。
【0060】尚、この場合には、スケールを形成する位
置を非球面ミラー2を構成する透明なミラー部材2−1
の、反射膜2−2が形成されていない光が透過可能な部
分に限定する必要はなく、反射膜2−2の裏側にスケー
ルを配置してもよい。即ち、図2の構成の本質は、「V
IPAアセンブリによって光信号を波長毎に分岐して非
球面ミラーに入射し、該非球面ミラーによる反射によっ
て波長毎の伝播距離を制御して波長分散を補償するVI
PA波長分散補償器において、該非球面ミラーを構成す
る透明なミラー部材上に縞状のスケールを形成し、該非
球面ミラーを搭載して移動する移動ステージ上に該スケ
ールを読み取るセンサを配置する。」ことである。
【0061】図4は、本発明の第三の実施の形態で、図
4(イ)にVIPA波長分散補償部の構成を、図4
(ロ)に制御部の構成を示している。図4(イ)におい
て、1はVIPAアセンブリである。又、2は非球面ミ
ラーで、ミラー部材2−1、反射膜2−2及びスケール
2−3を備えている。
【0062】又、3は移動ステージで、駆動モータ3−
1、スケール2−3の移動量を計測する光学センサ3−
3aを備えている。そして、光学センサ3−3aの出力
は後述する制御部に供給され、駆動モータ3−1には該
制御部から駆動信号が供給される。図4(ロ)におい
て、4−3は波長分散補償量を非球面ミラーの移動先の
位置に変換する分散補償量・位置変換手段、4−5は光
学センサ3−3の出力から非球面ミラーの温度による移
動量を求めるセンサ出力・位置変換手段、4−2は分散
補償量・位置変換手段4−3の出力からセンサ出力・位
置変換手段4−5の出力を減産する加算手段、4−4は
加算手段4−2の出力によって移動ステージを移動させ
る駆動信号を出力して駆動モータ3−1に供給するモー
タ駆動手段である。
【0063】ここで、図4の構成では、スケール2−3
は非球面ミラー2を構成する透明なミラー部材2−1
の、反射膜2−2が形成されている側の光が透過可能な
部分に配置されており、光学センサ3−3は移動ステー
ジ3を実装するベースに固定しする。そして、スケール
2−3は、非球面ミラー2の膨張の影響を受けやすいこ
とが必要なので、樹脂フィルムを用い、該樹脂フィルム
に窓をあけてスリットとし、該樹脂フィルムにあけた窓
以外には反射膜を形成しておく。この場合には、光源と
してVIPAアセンブリ1から出射される、非球面ミラ
ー2には集光しない高次の回折光を用いるので、反射膜
2−2はスケール2−3のVIPAアセンブリ1側に形
成するのがよい。これは、反射膜2−2をスケール2−
3の光学センサ3−3a側に形成しておくと、本来は光
学センサ3−3aに入射させたくない角度の光がミラー
部材2−1中で屈折してスケール2−3のスリットを通
って光学センサ3−3aに入射するのを防止するためで
ある。
【0064】又、この場合にはVIPAアセンブリ1の
高次の回折光を光源とするので光学センサ自体には光源
を備えておらず、センサ部材のみで構成される。そのセ
ンサ部材は、図3において説明したのと同じ構成にす
る。ここで、光学センサ3−3aによる非球面ミラー2
の移動量を取得する原理は図3で説明したのと同じであ
るので、改めて説明することは割愛したい。又、制御部
の構成と作用も図2の場合と同じである。
【0065】ここで、図2の構成と図4の構成の違い
は、センサとして光学センサを用いる場合において、光
学センサ自体が光源を持っていて非球面ミラー2の移動
量を取得するか、高次の回折光を光源として光学センサ
が非球面ミラー2の移動量を取得するかにある。前者に
よると、非球面ミラー2の膨張も含めた移動量が計測さ
れるのに対して、後者によれば、高次の回折光を光源と
して移動量を計測するので、非球面ミラー2の膨張も含
めた移動量とVIPAアセンブリ1自体の出力光の温度
変動に伴う角度変動による非球面ミラー2への集光位置
の移動量とを含んだ移動量が計測できる。
【0066】VIPA波長分散補償器において波長分散
補償量を決定するのはVIPAアセンブリ1からの出射
光の非球面ミラー2への集光位置であるから、VIPA
アセンブリ1自体の出力光の温度変動に伴う角度変動に
よる非球面ミラー2への集光位置の移動量を含んだ移動
量を計測できる図3の構成は、より正確に波長分散補償
量を決定することができる。
【0067】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明により、温度
変動によるVIPA波長分散補償器を構成する非球面ミ
ラーの膨張/収縮を含む移動があっても、又、温度変動
によるVIPA波長分散補償器を構成するVIPAアセ
ンブリからの出射光の角度の変動があっても、正確に波
長分散補償を行なうことが可能なVIPA波長分散補償
器を実現することができる。
【0068】即ち、第一の発明によれば、温度センサが
検出した温度に対応する非球面ミラーの膨張量を知るこ
とができるために該温度センサが検出した温度に対応す
る該非球面ミラーによる波長分散補償量の誤差を求める
ことができ、該誤差を補正した波長分散補償量を該非球
面ミラーの位置に変換して該非球面ミラーを搭載する移
動ステージを移動させるので、該非球面ミラーを温度変
動を加味した正しい位置に移動させることができ、温度
変動があっても正しく波長分散補償を行なうことができ
る。
【0069】又、 第二の発明によれば、該非球面ミラ
ーを構成する透明なミラー部材上に所定の間隔で反射し
ない部位と反射する部位、即ち、透明、不透明を繰り返
すスケールを形成し、該非球面ミラーを搭載して移動す
る移動ステージ上に該スケールを読み取るセンサを配置
するので、該非球面ミラーが温度変動に伴って膨張した
場合にも正確にその膨張量を把握することができる。
【0070】又、第三の発明によれば、第二の発明のV
IPA波長分散補償器において、VIPA波長分散補償
器を構成するVIPAアセンブリが出射する光のうち、
上記非球面ミラーでは反射させない高次の回折光を光源
として上記センサによって上記スケールを読み取るの
で、該非球面ミラーが温度変動に伴って膨張した場合に
も、該センサによる該スケールの読み取りによって該非
球面ミラーの膨張量を求めることができる上に、特別な
光源を必要とせずに該非球面ミラーの膨張量を求めるこ
とができる。
【0071】更に、第四の発明によれば、第二の発明又
は第三の発明のいずれかのVIPA波長分散補償器でお
いて、上記センサが検出した上記非球面ミラーの膨張量
によって該非球面ミラーに設定される座標を補正し、該
非球面ミラーを搭載する移動ステージを移動させるの
で、該非球面ミラーを温度変動を加味した正しい位置に
移動させることができ、温度変動があっても正しく波長
分散補償を行なうことができる。
【0072】特に、第二の発明のVIPA波長分散補償
器に上記機能を付加した場合には、該非球面ミラーの膨
張を含む移動量を補償して正しく波長分散補償を行なう
ことができ、第三の発明のVIPA波長分散補償器に上
記機能を付加した場合には、VIPA波長分散補償器を
構成するVIPAアセンブリからの光の出射角の変動を
補償して正しく波長分散補償を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施の形態。
【図2】 本発明の第二の実施の形態。
【図3】 光センサによる位置読み取りの原理。
【図4】 本発明の第三の実施の形態。
【図5】 波長分散の補償。
【図6】 VIPA波長分散補償器。
【図7】 非球面ミラーの役割。
【図8】 非球面ミラーの断面形状とパルス波形。
【符号の説明】
1 VIPAアセンブリ 1−1 光ファイバ 1−2 コリメート・レンズ 1−3 コリメート・レンズ 1−4 VIPA 1−5 コリメート・レンズ 2 非球面ミラー 2−1 ミラー部材 2−2 反射膜 2−3 スケール 3 移動ステージ 3−1 駆動モータ 3−2 温度センサ 3−3 光学センサ 3−3a 光学センサ 4−1 温度・補償誤差変換手段 4−2 加算手段 4−3 分散補償量・位置変換手段 4−4 モータ駆動手段 4−5 センサ出力・位置変換手段 101 送信機 102 光ファイバ 103 波長分散補償器 104 受信機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若菜 伸一 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 2H037 BA32 CA13 CA15 DA04 DA05 5K102 AA01 AA68 MB20 MD02 MH11 RB02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 VIPA(Virtually Imaged Phased Ar
    ray)アセンブリによって光信号を波長毎に分岐して非球
    面ミラーに入射し、該非球面ミラーによる反射によって
    波長毎の伝播距離を制御して波長分散を補償するVIP
    A波長分散補償器であって、 温度センサが検出した温度に対応する該非球面ミラーに
    よる波長分散補償量の誤差を求め、 該誤差を補正した波長分散補償量を該非球面ミラーの位
    置に変換し、 該非球面ミラーを搭載する移動ステージを移動させるこ
    とを特徴とするVIPA波長分散補償器。
  2. 【請求項2】 VIPAアセンブリによって光信号を波
    長毎に分岐して非球面ミラーに入射し、該非球面ミラー
    による反射によって波長毎の伝播距離を制御して波長分
    散を補償するVIPA波長分散補償器であって、 該非球面ミラーを構成する透明なミラー部材上に縞状の
    スケールを形成し、 該非球面ミラーを搭載して移動する移動ステージ上に該
    スケールを読み取るセンサを配置することを特徴とする
    VIPA波長分散補償器。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のVIPA波長分散補償器
    であって、 上記VIPAアセンブリが出射する光のうち、上記非球
    面ミラーでは反射させない高次の回折光を光源とし、 上記センサに光学センサを適用して上記スケールを読み
    取ることを特徴とするVIPA波長分散補償器。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3のいずれかに記載
    のVIPA波長分散補償器において、 上記センサが検出した上記非球面ミラーの温度変動に伴
    う移動量によって該非球面ミラーに設定される座標を補
    正し、 該非球面ミラーを搭載する移動ステージを移動させるこ
    とを特徴とするVIPA波長分散補償器。
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