JP2003308550A - 電子投票プログラム及び電子投票装置 - Google Patents

電子投票プログラム及び電子投票装置

Info

Publication number
JP2003308550A
JP2003308550A JP2002114524A JP2002114524A JP2003308550A JP 2003308550 A JP2003308550 A JP 2003308550A JP 2002114524 A JP2002114524 A JP 2002114524A JP 2002114524 A JP2002114524 A JP 2002114524A JP 2003308550 A JP2003308550 A JP 2003308550A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voting
card
storage area
data
candidate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002114524A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3925787B2 (ja
Inventor
Akinari Suehiro
晃也 末廣
Kazufumi Komoda
和史 菰田
Tadashi Aizawa
忠 相澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Victor Company of Japan Ltd filed Critical Victor Company of Japan Ltd
Priority to JP2002114524A priority Critical patent/JP3925787B2/ja
Publication of JP2003308550A publication Critical patent/JP2003308550A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3925787B2 publication Critical patent/JP3925787B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Time Recorders, Dirve Recorders, Access Control (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 現行の自書式投票と同等のセキュリティを確
保できる電子投票装置を提供することにある。 【解決手段】 電子投票の際、電子投票装置が受け付け
た一連の投票の結果を、原本として所定の原本用記録媒
体に書き込み(D5)、原本として書き込んだ一連の投
票の結果を原本用記録媒体から読み出し(D12)、副
本として所定の副本用記録媒体に書き込む(D24)等
し、各記録媒体に書き込んだ原本と副本とを用いて一連
の投票の結果の保全を行なうようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、国内外の公職選挙
などの際にコンピュータを用いて電子投票を行なうため
の、電子投票プログラム及び電子投票装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の情報技術(IT:Information Te
chnology)の進展に伴い、タッチパネル方式に関する特
許第2747171号公報や、マークシート方式に関す
る特許第2669371号公報等、選挙における投票や
開票のプロセスのIT化を目的とした電子投票に関する
発明が開示されている。
【0003】また、本出願人が既に特許出願している電
子投票に係る発明(特願2001−112491、特願
2001−19194、特願2001−24966、特
願2001−53972、特願2001−260619
等)によれば、バリアフリー技術により、選挙人(投票
者)が指定された投票所に設置されたコンピュータを使
用して候補者を選択する際、候補者の表示手段(出力手
段)と投票手段(入力手段)を任意に選ぶことが可能と
なっている。なお、上記の特許出願中の発明は、まだ公
開されておらず、公知とはなっていない。
【0004】さて、電子投票装置を公職選挙に対して実
際に導入する場合、選挙人(有権者)の投票の秘密を侵
さないために無記名投票の原則を守りながら、かつ一人
一票の原則を守り同一選挙人による二重投票を防止する
ために本人確認を行なわなければならないという、一見
相反する2つの条件を兼備することが法的に要求され
る。このような電子投票システムとして、(1)ネット
ワーク方式の電子投票システム(特許第3003771
号公報)と(2)投票所方式の電子投票システム(特開
2001−243395)の2つが開示されている。
【0005】上記の(1)は、選挙人が投票操作を行な
う端末(家庭のパーソナルコンピュータ、あるいは携帯
電話等の個人用情報端末)と開票所の開票・集計装置と
を電気通信回線によりオンライン接続し、ネットワーク
認証により本人確認を行って二重投票を防止するととも
に、投票されたデータを暗号化することにより無記名投
票を実現するものである。この方式は、在宅投票や外出
先での投票が可能となるため極めて便利ではあるが、見
えざる所での端末入力時に起こりうる買収や脅迫等の不
正に対処不能であるために、公職選挙に直ちに導入する
にはリスクが高いと考えられる。
【0006】一方(2)は、従来通り投票所に出向いた
選挙人に対し投票管理者が選挙人名簿(又は抄本)との
対照により本人確認を行い、その際に発行する投票カー
ドを用いて選挙人が投票所に設置されたコンピュータを
操作して電子投票を行なうものである。そして、投票さ
れた電子データは、投票カードに格納された後、投票所
の出口端末で投票カードからデータを読み出して、開票
所の開票・集計装置に対して投票の都度オンラインで伝
送し、データの集計を行なう。この方式では、選挙人が
投票所に足を運ばねばならないという不便さは解消され
ないが、投票立会人の立会いのもと投票が行われるため
上記不正を排除可能であり、しかも開票の迅速化、及び
無効票や疑問票のゼロ化といった電子投票の利点を発揮
できるため、公職選挙に導入するにあたって(1)より
も有望な方式と考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記発明はいずれの方
式も電子投票装置と開票所の開票・集計装置とを電気通
信回線によりオンライン接続して投票データのネットワ
ーク伝送を行っており、データの暗号化手段により伝送
中の傍受や改ざんに対する一定のセキュリティ対策は施
されている。しかし、電子的なデータの脆弱性に起因す
る投票データの消失を防ぐという視点に立った、根本の
セキュリティに関しては技術開示がみられない。
【0008】すなわち、従来の自書式投票における紙媒
体(投票用紙)に比較して、電子投票における投票結果
を記録した電子データは、書き込み時のエラーや、衝撃
等の環境要因によるデータの破損、消失等に対して極め
て脆弱であるにも関わらず、脆弱性を補完し、信頼性を
確立する手立てが不透明であり、これが自書式投票から
電子投票への移行するにあたっての障壁のひとつとなっ
ている。公職選挙における投票は、たとえ一部の投票所
のデータが消失してしまったとしても、やり直しを行な
うことは事実上極めて困難であるため、少なくとも投票
日における投票時間内においてはデータがエラーなく確
実に記録され、集計されるまで確実に保持されなければ
ならない。
【0009】本発明は、上記状況を鑑みなされたもので
あり、特に電子的に投票を受け付ける電子投票装置であ
って、この電子投票装置が受け付けた一連の投票の結果
を、原本として所定の原本用記録媒体に書き込む手段
と、原本として書き込んだ一連の投票の結果を原本用記
録媒体から読み出して、副本として所定の副本用記録媒
体に書き込む手段とを備え、各記録媒体に書き込んだ原
本と副本とを用いて一連の投票の結果の保全を行なうこ
とを特徴とする電子投票装置とすることにより、電子投
票における電子的な投票データを確実に記録可能であ
り、かつ投票データが開票所で集計されるまで確実に保
持可能であり、一度しか行なうことのできない選挙を適
正かつ公正に執行するのに少なくとも現行の自書式投票
と同等のセキュリティを確保できる電子投票プログラム
及び電子投票装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、以下の1)〜12)記載の手段よりな
る。すなわち、 1) 電子投票による投票の際、記憶手段に格納された
候補者リストを選挙人に表示させるための表示手段と、
前記選挙人の投票の際の所定の入力操作状態を報知する
報知手段と、前記表示された候補者リストから選挙人が
選択入力した候補者を記録媒体に電磁的に記録させる手
段とを有する電子投票装置を制御するための電子投票プ
ログラムであって、前記選挙人が選択入力した候補者の
レコードを抽出し、第1とされる前記記憶手段の第1の
記憶領域に記憶するステップと、前記第1の記憶領域に
記憶されたレコードの内容を前記表示手段に表示させる
ステップと、前記選挙人により、前記表示内容の確認入
力がなされなかった場合、再表示により前記確認入力を
促すステップと、前記確認入力がなされた場合に、第2
の記憶手段に対して、前記第1の記憶領域に記憶された
レコードを記録するステップと、前記第2の記憶手段に
記録されたレコードを読み出して、前記の第1の記憶手
段の第2の記憶領域に記憶するステップと、前記第1の
記憶領域に記憶されたレコードと、前記第2の記憶領域
に記憶されたレコードとを照合するステップと、前記照
合の結果、不一致レコードであると判断された場合、前
記第2の記憶手段に対して記録が正しく行われなかった
ことを、前記表示手段及び報知手段に表示及び報知さ
せ、以後の処理を中断するステップと、前記照合の結
果、一致したレコードであると判断された場合、第3の
記憶手段に対して、前記第1の記憶領域に記憶されたレ
コードを記録するステップと、前記第3の記憶手段に記
録されたレコードを読み出して、前記第1の記憶手段の
第3の記憶領域に記憶するステップと、前記第3の記憶
領域に記憶されたレコードと、前記第1の記憶領域に記
憶されたレコードとを照合するステップと、前記照合の
結果、不一致したレコードであると判断された場合、前
記第3の記憶手段に対して記録が正しく行われず、投票
が確定したことを前記表示手段及び報知手段に表示及び
報知させるステップと、前記照合の結果、一致したレコ
ードであると判断された場合、投票が確定したことを前
記表示手段及び報知手段に表示及び報知させ、前記選挙
人及び前記選挙管理者に報知するステップと、を有する
ことを特徴とする電子投票プログラム。
【0011】2)前記1)に記載の電子投票プログラム
において、前記第1の記憶領域に記憶されたレコード
と、前記第2の記憶領域に記憶されたレコードとが一致
した場合に、前記第3の記憶手段に対する記録を開始す
るステップに先立ち、前記第2の記憶手段への記録が正
しく行われたことを前記表示手段及び報知手段に表示及
び報知させるステップをさらに有することを特徴とする
電子投票プログラム。
【0012】3)電子投票による投票の際、記憶手段に
格納された候補者リストを選挙人に表示させるための表
示手段と、前記選挙人の投票の際の所定の入力操作状態
を報知する報知手段と、前記表示された候補者リストか
ら選挙人が選択入力した候補者を記録媒体に電磁的に記
録させる手段とを有する電子投票装置を制御するための
電子投票プログラムであって、前記選挙人が選択入力し
た候補者のレコードを抽出し、第1とされる前記記憶手
段の第1の記憶領域に記憶するステップと、前記第1の
記憶領域に記憶されたレコードの内容を前記表示手段に
表示させるステップと、前記選挙人により、前記表示内
容の確認入力がなされなかった場合、再表示により前記
確認入力を促すステップと、前記確認入力がなされた場
合に、前記第1の記憶手段の第2の記憶領域に投票の開
始ログを記憶するステップと、前記第2の記憶手段のロ
グ記憶領域に対して、前記第1の記憶手段の第2の記憶
領域に記憶させた投票の開始ログを記録するステップ
と、第2の記憶手段に対して、前記第1の記憶領域に記
憶されたレコードを記録するステップと、前記レコード
の記録が終了した後に、前記第2の記憶領域に投票の終
了ログを記憶するステップと、前記第2の記憶手段のロ
グ記憶領域に対して、前記第2の記憶領域に記憶された
前記終了ログを記録するステップと、前記第2の記憶手
段に記録されたレコードを読み出して、前記第1の記憶
手段の第3の記憶領域に記憶するステップと、前記第1
の記憶領域に記憶されたレコードと、前記第3の記憶領
域に記憶されたレコードとを照合するステップと、前記
照合の結果、不一致レコードであると判断された場合、
前記第2の記憶手段に対して記録が正しく行われなかっ
たことを、前記表示手段及び報知手段に表示及び報知さ
せ、以後の処理を中断するステップと、前記照合の結
果、一致したレコードであると判断された場合、前記第
2の記憶手段のログ記憶領域を読み出して、前記第1の
記憶手段の第4の記憶領域に記憶するステップと、前記
第2の記憶領域に記憶された前記開始ログ及び前記終了
ログと、前記第4の記憶領域に記憶された前記開始ログ
及び前記終了ログとを照合するステップと、前記照合の
結果、不一致ログであると判断された場合、前記第2の
記憶手段に対して記録が正しく行われなかったことを、
前記表示手段及び報知手段に表示及び報知させ、以後の
処理を中断するステップと、前記照合の結果、一致した
ログであると判断された場合に、第3の記憶手段のログ
記憶領域に対して、前記第2の記憶領域に記憶された前
記開始ログ及び前記終了ログを記録するステップと、前
記第3の記憶手段に対して、前記第1の記憶領域に記憶
されたレコードを記録するステップと、前記第3の記憶
手段に記録されたレコードを読み出して、前記第1の記
憶手段の第3の記憶領域に記憶するステップと、前記第
1の記憶領域に記憶されたレコードと、前記第3の記憶
領域に記憶されたレコードとを照合するステップと、前
記照合の結果、不一致したレコードであると判断された
場合、前記第3の記憶手段に対して記録が正しく行われ
なかったこと及び、投票が確定したことを前記表示手段
及び報知手段に表示及び報知させるステップと、前記照
合の結果、一致したレコードであると判断された場合、
前記第3の記憶手段のログ記憶領域を読み出して、前記
電子投票装置の第4の記憶領域に記憶するステップと、
前記第2の記憶領域に記憶された前記開始ログ及び前記
終了ログと、前記第4の記憶領域に記憶された前記開始
ログ及び前記終了ログとを照合するステップと、前記照
合の結果、不一致ログであると判断された場合、前記第
3の記憶手段に対して記録が正しく行われなかったこと
及び、投票が確定したことを前記表示手段及び報知手段
に表示及び報知させるステップと、前記照合の結果、一
致したログであると判断された場合、投票が確定したこ
とを前記表示手段及び報知手段に表示及び報知させるス
テップと、を有することを特徴とする電子投票プログラ
ム。
【0013】4)前記3)に記載の電子投票プログラム
において、前記第2の記憶手段のログ記憶領域を読み出
して、前記第1の記憶手段の第4の記憶領域に記憶する
ステップと、前記第2の記憶領域に記憶された前記開始
ログ及び前記終了ログと、前記第4の記憶領域に記憶さ
れた前記開始ログ及び前記終了ログとが一致した場合
に、前記第3の記憶手段に対する記録を開始するステッ
プに先立ち、前記第2の記憶手段の記録が正しく行われ
たことを前記前記表示手段及び報知手段に表示及び報知
させるステップをさらに有することを特徴とする電子投
票プログラム。
【0014】5)前記1)、2)、3)、又は4)に記
載の電子投票プログラムを所定格納部に格納して、前記
電子投票プログラムを実行させるようにしたことを特徴
とする電子投票装置。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明のにつき、好ましい
実施例により説明する。図1は、本発明の実施例に係る
電子投票装置203を用いた電子投票システムの全体構
成の一例を示す図である。同図に示す電子投票システム
は、選挙管理委員会や中央選挙管理会などの選挙管理組
織によって管理されるものであり、大別して、選挙デー
タ作成システム100、投票所システム200、開票所
システム300により構成される。なお、選挙データ作
成システム100は全国の自治体毎に複数存在し、また
投票所システム200も、各々の選挙データ作成システ
ム100に対して投票区毎に複数設置されるシステムで
あり、さらに開票所システム300も開票区毎に複数設
置される。したがって、複数の選挙データ作成システム
100、及び複数の投票所システム200、複数の開票
所システムが存在するが、同図では、簡略のため、1つ
の選挙データ作成システム100、2つの投票所システ
ム200、2つの開票所システム300のみが図示され
ている。
【0016】選挙データ作成システム100は、選挙デ
ータ管理作成機101と選挙データメディアコピー機1
02とを有している。選挙データ管理作成機101は、
実施選挙の種類402(単記式候補者選挙や、非拘束名
簿式比例代表選挙などの選挙の種類のこと)、カード認
証キー(以下認証キーとも言う)403及び投票プログ
ラム404の管理、候補者名・政党登録の更新・削除な
どを管理し、候補者画面と選挙データから構成される候
補者データ401を作成することにより、後述する電子
投票装置用や投票カード発券機用及び投票データ収集・
集計機用の選挙データマスター400を投票前に事前に
作成するサブシステムである。
【0017】特に、候補者名・政党名の登録の際には、
候補者の氏名、所属政党、読み仮名、経歴、公約などの
データをテキスト形式データとして、ハードディスクや
メモリなどの格納手段(不図示)内に格納する。また、
これらのデータは、視覚障害者に対して音声ガイドを行
なうために、ADPCM(Adaptive Differential Puls
e Code Modulation)やMP3(エム・ピー・スリー:M
PEG-1/Audio Layer3、MPEG:Motion Picture Experts G
roup)などの適切な圧縮形式の音声データとして記憶さ
れる。さらに、候補者の顔写真やポスターなどの画像情
報などはJPEG(ジェイペグ: Joint Photographic
Experts Group)などの適切な圧縮形式の画像データと
して記憶される。なお、この選挙データ管理作成機10
1は、PC(パーソナルコンピュータ: Personal Comp
uter)によって実現可能である。
【0018】選挙データ管理作成機101が作成する選
挙データマスター400には、投票プログラム404、
候補者データ401、カード認証キー403が記録され
る。カード認証キー403とは、本実施例では、ICカ
ードの読取りを認証するためのキーである。選挙データ
マスター400は、通常1つのメディアとして作成さ
れ、選挙管理組織(以下、選挙管理委員会、選管ともい
う)が有する試験用機器により試験され、承認された場
合に、選挙データメディアコピー機102に移送され
る。
【0019】選挙データメディアコピー機102は、選
管によって試験されて承認された選挙データマスター4
00のデータを、複数のメディアに複製するための装置
である。この選挙データメディアコピー機102により
作成されるメディアは、後述する投票所システム200
を構成する電子投票装置203に対して配布される記録
媒体(副本用記録媒体)409と投票所の投票カード発
券機に対して配布される記録媒体(発券機用メディア)
202である。
【0020】副本用記録媒体409には、投票プログラ
ム404、候補者データ401、カード認証キー403
が、選挙データマスター400から複製され、記録され
る。なお、副本用記録媒体409とは別に原本用記録媒
体408が用意され、原本用記録媒体408には、デー
タを何も記録しないブランク状態で電子投票装置203
に配布される。投票プログラム404とは、電子投票装
置203において、画面及び音声ガイダンスなどを含む
候補者データ401とカード認証キー403を用いて、
投票の制御と投票データの記録管理を実行するアプリケ
ーションプログラムである。また、カード認証キー40
3とは、投票カード初期化や投票カードの有効性の認証
を行なうためのデータである。
【0021】投票カード発券機201に予め内蔵される
発券機用メディア202には、実施選挙の種類402、
カード認証キー403が、選挙データメディアコピー機
により選挙データマスター400から複製され、記録さ
れる。発券機用メディア202とは、投票カード発券機
201を起動するために必要な記録媒体である。メディ
アとしてはフロッピー(登録商標)ディスク(以下FD
と記す)やICカードなどが使用される。
【0022】投票所システム200は、投票カード発券
機201と電子投票装置203を有している。投票カー
ド発券機201は、住民基本台帳に基づいて作成された
選挙人名簿又は抄本に記載された選挙人にあらかじめ配
布された入場整理券(主に、選挙人に郵送される葉書)
との対照により本人確認を行った後、記載されている選
挙人特性(障害の種類)に応じて、投票カード406を
発行するための装置である。投票カード406は、例え
ば、ICカードを用いることにより、多くの情報を蓄積
することができる。この投票カード406には、後述す
る図21において図示されるようにカード発券年月日、
選挙人の障害の種類を示す選挙人特性ID2021、言
語区分、選挙の種類を示す選挙ID、投票種別、などの
データが記憶される。
【0023】投票カード発券機201は、投票管理者が
所有管理する運用カード405をも発行する機能を有す
る。投票管理者は、投票カード発券機201を使い、投
票カード認証キー403を使用して作成した固有の投票
所ID4055(以下、管理IDともいう)を運用カー
ド(以下、管理者カードともいう)405に記録する。
運用カード405には、選挙管理委員会が生成した全投
票所で共通のカード認証キー403を用いて生成される
投票所ID4055が記録される。運用カード405
は、ICカードなどで実現され、投票所ID4055は
投票所毎に異なる固有値を取る必要がある。運用カード
405は、電子投票装置203に挿入されると、電子投
票装置203に装着された副本用記録媒体409上のカ
ード認証キー403を使用して運用カード405の読取
りを認証し、投票所ID4055を読み取る。読み取ら
れた投票所ID4055は、電子投票装置203のRA
M453(ディスクメモリ等)に格納される。こうし
て、投票所に固有の投票所IDが投票カード発券機20
1から電子投票装置203に伝播され、電子投票装置2
03が、選挙人から投票カード406を受付可能な状態
となる。このとき、投票カード406にはこの投票所I
D(管理ID)が記録されて発券されるため、この投票
所における投票カード発券機201で発行された投票カ
ード406以外の投票カードは、異なる投票所IDを有
することから、受け付けられないこととなる。
【0024】投票カード406には、投票所ID405
5以外に、選挙人が入出力手段を選択できる情報が投票
カード発券機201において記録される。例えば、入場
整理券の選挙人特性欄に視覚障害者の記載がある選挙人
の投票カード406には、投票所において視覚障害者で
あることを示す選挙人特性ID2021が記録され、選
挙人に貸与される。この選挙人が投票カード406を電
子投票装置203に挿入した場合、視覚障害者用の投票
モードになり、適切な表示入力モードが選択される。な
お、この投票カード406には、憲法15条に定められ
た投票の秘密を守るため、カードを使用する選挙人を特
定できるような個人情報は記憶されないようにすること
が好ましい。したがって、投票カードとして、住民基本
台帳カードなどの個人情報が記録されたカードを利用す
る場合には、電子投票装置203による個人情報の読取
りを制限する必要がある。
【0025】電子投票装置203は、投票所に複数台設
置され、選挙人による投票を受け付けるための装置であ
る。電子投票装置203は、投票所に設置された時点で
は、選挙に係るデータは何ら格納されておらず、空の投
票箱の状態である。選挙データシステム100から電子
投票装置203に対して実施選挙に係るデータの移送が
完了して初めて、電子投票装置としての機能を果たすよ
うになる。すなわち、選挙データメディアコピー機10
2から可搬性のある副本用記録媒体409により、投票
プログラム404及び候補者データ401、カード認証
キー403が移送され、電子投票装置203の記憶手段
(後述するRAM453)に記録される。
【0026】また電子投票装置203は、投票終了後に
おいては、選挙人の投票内容を記録した投票データ40
7及び電子投票プログラム(以下投票プログラムとも言
う)404などの電子投票装置203内部に存在する選
挙に係る全てのデータは、記憶手段が揮発性メモリを使
用していることにより、電源切断時にRAM453から
自動的に消去される。そして、メモリカードなどの可搬
性のある記録媒体(すなわち原本用記録媒体408及び
副本用記録媒体409)が開票所システム300に送致
される。このように、投票時間の間だけ、電子投票装置
203に選挙に係るデータやソフトウェアが置かれるよ
うにすることによって、第三者による不正操作の危険を
極めて低くすることが可能となる。
【0027】電子投票装置203は、投票日の投票開始
時刻の前に、投票カード発券機201によって発行され
た識別コードである投票所ID4055を、投票開始に
先立って運用カード(管理者カード)405により読込
んで電子投票装置内部に記憶する機能を有する。そし
て、電子投票装置203は、投票開始時刻の後には、本
人確認を済ませた有権者(以下、選挙人、投票者ともい
う)に対して投票カード発券機201により発券された
投票カード406を読み取る機能を有する。投票カード
406には、同一投票所内では上述した運用カード40
5に記録されたものと同一の投票所IDが記録されてお
り、投票者が電子投票装置203に対して投票カード4
06を挿入したときに、認証キー403によりデータ読
取りの認証が成功した後に、カードに記録された投票所
IDを読み込んで電子投票装置内部の投票所IDと比較
照合することにより、挿入された投票カードの真正性を
判定する。また電子投票装置203は読み取る投票カー
ド406には、投票所ID4055の他に、上記した選
挙人特性ID2021や、投票可能な選挙の種類(図1
では実施選挙の種類402として図示)に対応する投票
権利を示す投票フラグ2022が記録されている。これ
らのデータは、上記投票所ID4055の照合が成功し
た後に、順次読み取られる。
【0028】なお、本実施例においては、投票所システ
ム200における複数の電子投票装置203の各々が投
票データ407を記録可能な電磁的記録媒体を有するよ
う構成しているが、これを、投票所システム200内で
ローカルエリアネットワーク(LAN)を構築し、各々
の電子投票装置203のデータをオンラインで1台のサ
ーバに伝送し、サーバが可搬性のある電磁的記録媒体に
投票データ407を記録するようなシステム構成として
もよい。
【0029】開票所システム300は、データ収集・集
計機301、集計結果を印刷するプリンタを有してい
る。投票データ収集・集計機301は、複数の投票所に
設置されて電子投票装置203の投票データ407及び
投票装置シリアル番号203s(個々の電子投票装置の
製造時に付与されたシリアル番号)を収集し、両者を関
連付けて格納手段(不図示)に格納するための装置であ
る。本実施例では、投票データ407の収集方法として
は、可搬性のある原本用記録媒体408による物理的な
搬送手段を用いる。なお、本発明の他の実施形態とし
て、投票所システム200と開票所システム300とを
電気通信回線によりネットワーク接続し、電磁的記録媒
体408、409に記録されたデータを読み出して、ネ
ットワーク伝送するように構成することも可能である。
このような電磁的記録媒体とネットワークを併用するハ
イブリッド方式のネットワーク型システムを採用した場
合、常時接続を必要とせず、投票所を閉じる時刻の後に
一括してデータ伝送を行なうことができるため、伝送に
おけるセキュリティをより高めることが可能である。
【0030】以下、図1に示す電子投票装置を構成する
ハードウェアおよびソフトウェアの詳細について、図2
以降の図面を用いて説明する。図2は、本実施例に適用
される電子投票装置203の外装の一例を示す斜視図で
ある。電子投票装置203は、液晶表示装置20311
(以下LCDともいう。LCD:Liquid Crystal Displ
ay)及びタッチパネル20313、及び図示しないタッ
チパネルコントロール基板、後述するインバータ基板2
0312並びに筐体部から構成されるディスプレイユニ
ット2031を有している。LCD20311は、投票
に係る情報を、投票者に視覚的に報知する。本実施例に
おけるLCD20311のサイズは15インチであり、
誰にとっても見やすい大きさの画面表示を行なうのに十
分な大きさと解像度(1024×768画素)を有して
いる。
【0031】タッチパネル20313は、上記LCDの
上面に重ね合わせて配置され、指やスタイラスペンで触
れることにより座標入力が可能な抵抗膜式の透明タブレ
ットである。タッチパネル20313は、LCD以上の
解像度(4096×4096画素)を有しており、LC
D上にGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェ
ース:Graphical User Interface)により表示された操
作ボタンをタッチパネル上から押下する際に、確実な識
別が可能となっている。また、投票カード406の読取
りを行なう投票カード記録読取手段2032(以下、カ
ード記録読取手段、カードリーダライタ、カードR/W
ともいう)を有する。さらに、音声による投票操作ガイ
ドを行なうスピーカ(音声出力手段)2033を有して
いる。
【0032】また、電子投票装置203は、投票所の投
票管理者が管理する南京鍵2030aによって開閉可能
なフロントドア2030を有している。フロントドア2
030の内部には、後述するように、投票データ407
や投票ログ4075等を記録する記録媒体(原本用記録
媒体408、副本用記録媒体409)を挿入するスロッ
ト等が格納されており、フロントドア2030を本南京
錠2030aにより施錠することにより、第三者による
メディアへの不正脱着を防止することとしている。ま
た、フロントドア2030には、開閉状態を電気的に検
出可能なセンサ20310が配置されており、投票中に
おいては、フロントドア2030が開いた場合に、異常
として検出し、状態表示灯20301の操作表示灯20
301bに表示する。
【0033】LCDおよびタッチパネルを含むディスプ
レイユニット2031は、誰にとっても利用しやすい高
さおよび形状を実現するため、水平面に対して15度の
傾きを有するように構成されており、投票所において電
子投票装置203を自書式投票用の記載台の上に設置し
た際に、立位の投票者による目視が容易であり、かつ投
票者背面によりの盗み見を防止できるような角度に設定
されている。
【0034】電子投票装置203は、状態表示灯203
01を除く外装部の大きさが、幅350mm×奥行35
0mm×高さ190mmであり、図示しない保管箱に収
納した状態で5段の積み重ねが可能である。また、従来
自書式投票において使用されてきた記載台の上にも設置
することが可能である。また、電子投票装置203の重
量は約8kg程度であるので一人で十分運搬可能であり、
投票所への運搬又は設置等の選挙事務に支障のない重量
である。
【0035】図3は、本実施例に適用される電子投票装
置203の外装の一例を示す斜視図である。ディスプレ
イユニット2031の筐体部は、表示面の傾き(チル
ト)を調整可能な機構をさらに有し、しかもタッチパネ
ル操作時に安定性を有する支持機構(図示せず)を具備
させて、車椅子の選挙人等が座した状態でも操作し易い
ようなバリアフリー仕様とすることが好ましい。ただ
し、この表示面の角度は、必ずしも任意の角度に調整可
能であるように構成する必要はない。同図は、表示面を
設置面に対して90度(垂直)に配置した場合の斜視図
である。図2及び図3に図示するように、表示部の傾き
は、水平面(設置面)に対して15度または90度の2
種類のみから投票者が選択することとしても、実際上差
し支えないことが、全国の身体障害者に対する実地試験
により明らかになっている。そこで、これ以外の角度に
対する調整機構を省略することにより、図示しない支持
機構の製作費用を低減することができる。なお、表示部
を立てた状態で使用するときは、投票時に、背後にいる
人間の盗み見により投票の秘密が漏れないように、投票
所の壁面を背にする等、適切な向きで設置することが好
ましい。
【0036】図4は、本実施例に適用される電子投票装
置203の外装の一例を示す上面図である。同図に示す
電子投票装置203の上面図は、ディスプレイユニット
2031を倒した状態(すなわち水平面から15度の状
態)を図示している。電子投票装置203は、ロックブ
ラケット2030bを有している。ロックブラケット2
030bは、南京錠2030a等の鍵のシャックル部が
貫通できるような穴を有しており、その穴の径は、鍵の
シャックル部が十分に出し入れできる程に大きく、かつ
施錠時にフロントドア2032にガタが生じない程度の
大きさを有している。また、電子投票装置203は、ス
タイラスペン2031aを保持するペンホルダ2031
bを有している。電子投票装置203のタッチパネル入
力操作に使用するスタイラスペン2031aは、投票者
がタッチパネルを指で触れる代わりに選択的に用いるも
のであり、適度に先の尖ったペン形状の物品であれば、
どのようなものでも使用可能である。
【0037】電子投票装置203は、スライドカバー2
035を有している。同図では、スライドカバー203
5が半分だけ開いた状態が図示されている。スライドカ
バー内部に、状態表示灯20301を電子投票装置内部
のハードウェアに接続するための状態表示灯ケーブル2
0301dを有している。状態表示灯ケーブル2030
1dは、ポール20301c(図5に図示)の内部を通
し、本体リア部にコネクタ接続される。この状態表示灯
ケーブル20301dは、後述する電子投票装置内部の
マザーボード450及び直流電源20315に接続さ
れ、投票操作及び電源状態をランプの点灯状態により表
示することにより、電子投票装置203から離れた場所
にいる人が視覚的にモニター可能である。
【0038】なお、図4には図示されていないが、スラ
イドカバー内部には、表示または入力に関するバリアフ
リーオプションを接続するための複数の端子が配置され
ている。例えば、候補者選択項目が巡回的に移動するス
キャン入力画面において使用可能な運動機能障害用プッ
シュスイッチ20371で行なう投票モードで使用する
運動機能障害用プッシュスイッチ端子2037を有す
る。また、視覚的に候補者画面表示を認識困難な選挙人
が使用可能な、触覚認識用ピンディスプレイ及び盲人用
キーボードを配置した視覚障害者用専用キーボード20
381を接続する視覚障害者用専用キーボード端子20
38を有する。さらに、ディスプレイユニット2031
を使用せずに音声のみで投票を行なう投票モードで使用
する音量調整付きヘッドホン20391を接続するヘッ
ドホン端子2039等が配置されている。
【0039】図5は本実施例に適用される電子投票装置
203の外装の一例を示す正面図である。電子投票装置
203が有する状態表示灯20301は、電源表示灯2
0301a、操作表示灯20301b、ポール2030
1cから構成されている。電源表示灯20301aは、
操作表示灯とは異なる色(例えば赤色)のLED(発光
ダイオード:Light-Emitting Diode)により構成され、
消灯、点滅、点灯の3状態により、AC電源2031
6、DC電源20315(停電用に電子投票装置に内蔵
された内部バッテリ又は電子投票装置に接続した外部バ
ッテリ)等の電源駆動状態の確認表示を行なう。例え
ば、LED消灯状態をAC電源供給駆動中、LED点滅
状態をAC電源供給無し、かつ外部バッテリ接続無し
(内蔵バッテリ駆動中)、LED点灯状態をAC電源供
給無し、かつ外部バッテリ接続駆動中などと定義するこ
とにより、電子投票装置から離れた投票立会人等が電源
状態を常に視覚的に監視することができる。操作表示灯
20301bは、上記した電源表示灯とは異なる色(例
えば緑色)のLEDにより構成され、消灯、点滅、点灯
の3状態により、 投票状態の確認表示を行なう。
【0040】例えば、LED点灯状態を投票中、LED
消灯状態を投票待ち受け中、LED点滅状態をエラー発
生時などと定義し、投票管理者や投票立会人が不正操作
が行われていないかどうか、電子投票装置203から離
れた位置から監視することができる。エラー発生の例と
しては、投票データを記録する記録媒体や電源スイッチ
等を格納するフロントドア2032が投票中に開いたこ
とをフロントドア開閉センサ20310で検出した場
合、後述する投票カードの読取エラーが発生した場合等
が挙げられる。ポール20301cは、伸縮自在な4段
式ポールであり、先端部に2色のLED(緑、赤)を取
付けた構造となっている。本実施例では、最大延長時約
110cmの長さを有し、記載台(高さ75cm)に設
置した際の高さが、有権者の平均的な身長よりも高くな
るようにして、投票所内の投票管理者や投票立会人が監
視しやすいように設定されている。
【0041】電子投票装置203は、投票確定LED2
034を有している。投票確定LED2034とは、選
挙人による候補者選択確認後、原本用記録媒体408に
投票データ407及び投票ログ4075が正常に記録さ
れた場合、投票データ407の投票確定が完了したこと
を示す表示LEDである。ただし、投票確定は、後述す
るように、投票データ407と投票ログ4075が原本
用記録媒体408に記録確認された時点で成立する。ま
た、投票確定LED2034は、投票操作中に不測の障
害が発生した場合に、投票が完了しているか否かを明確
にさせる機能をも有している。
【0042】電子投票装置203は、カード挿入ガイド
LED2032aを有する。カード挿入ガイドLED2
032aとは、カード記録読取手段2032の挿入口を
投票者に対して明示するためのランプである。カード挿
入ガイドLED2032aは、点灯状態が投票カード4
06(あるいは運用カード405)が挿入中、点滅状態
が投票カード406が(あるいは運用カード405)未
挿入又はカード抜取り待ち中であることを意味する。電
子投票装置203は、電源ランプ20308(以下、A
C入力確認用LEDともいう)を有する。電源ランプ2
0308は、商用電源であるAC100V(50/60
Hz)が入力されているか否かをモニターするための、
緑色LEDである。
【0043】図6は本実施例に適用される電子投票装置
203の外装の一例を示す正面図(フロントドアオープ
ン時)である。フロントドア2032の内部には、原本
用記録媒体用スロット20303、副本用記録媒体用ス
ロット20304、電源スイッチ2032が格納されて
いる。投票時においては、フロントドア2032は、ロ
ックブラケット2030b部分に小型の南京錠2030
aにより、投票管理者が施錠を行なうので、第三者が不
正にフロントドア内部に触れることが禁止されている。
なお、同図には図示されていないが、フロントドア開閉
センサ20310(図8に図示)も格納されており、不
測のフロントドアの開錠を監視するための二重鍵の機能
を果たしている。
【0044】原本用記録媒体用スロット20303に装
着される原本用記録媒体408とは、選挙人により、候
補者選択確認後最初に投票データ407が記録される記
録媒体をいう。通常は投票データ記録後、投票ログ40
75も記録される。投票所へ送付される原本用記録媒体
408は、一般的にデータが何も記録されていないブラ
ンクメディアであり、投票データは「ゼロ票」である必
要がある。また、副本用記録媒体用スロット20304
に装着される副本用記録媒体409とは、原本用記録媒
体408のバックアップ用として、原本用記録媒体に投
票データ記録後に同一データが複写記録される媒体をい
う。投票所へ送付される副本用記録媒体は、電子投票装
置203を立ち上げるための投票プログラム404、候
補者データ401、投票カード認証キー403等のデー
タが供給される場合もある。これらの記録媒体として、
FD等や、書き換え型コンパクトディスク(CD−R
W:Compact Disk Rewritable)等の様々な電磁的記録媒
体(電子的方式、磁気的方式その他人間の知覚によって
は認識することのできない方式で作られる記録であっ
て、電子計算機による情報処理の用に供されるものに係
る記録媒体)を使用することが可能であるが、本実施例
においてはメカ部不要の不揮発性メモリであるコンパク
ト・フラッシュ・メモリカード(CF:Compact Flas
h)を使用することにより、機械的な故障要因を排除す
ることとしている。
【0045】これらのコンパクト・フラッシュ・メモリ
カードは、コンパクト・フラッシュ・メモリカードアダ
プター(メモリカードソケット)を使用して、原本用記
録媒体用スロット20303、副本用記録媒体用スロッ
ト20304に装着される。メモリカードソケットは、
コンパクト・フラッシュ・タイプ1専用PCMCIA
(PCMCIA:Personal Computer Memory Card Inte
rnational Association:PCカードの規格管理を行って
いる団体) インターフェースカードを使用することが
できる。原本用記録媒体用スロット20303、副本用
記録媒体用スロット20304は、ダブルプッシュボタ
ンタイプ(対メディアソケット)、すなわちメディア脱
着レバーが一度目のプッシュ操作で脱着操作が有効とな
り、二度目のプッシュでメディアが脱着される機構タイ
プのもので構成されており、装着されたメモリカードを
容易に脱着可能である。
【0046】電源スイッチ2032は、電子投票装置2
03の、AC100V商用電源の投入・切断を行なうス
イッチである。実際の電源電圧の入力状態は、電源ラン
プ20308又は電源表示灯20301a等で確認する
ことができる。
【0047】図7は本実施例に適用される電子投票装置
203の外装の一例を示す背面図である。電子投票装置
203は、ボリューム2033a、電源ケーブル、外部
ディスプレイ端子20302等を有している。ボリュー
ム2033aは、上記したスピーカ2033の音量を調
整するために用いられる。装置背面部分に、ボリューム
2033aを配置したのは、投票中において、選挙人が
みだりにボリューム操作を行なうこと防止するためであ
る。一方、施錠されたフロントドア2032内部に配置
しなかったのは、必要なときは投票立会人が投票プログ
ラムを中断させることなく随時調整を行なうことを可能
とするためである。なお、ディスプレイユニット203
1を使用せずに、音声ガイダンスによる投票を行なう選
挙人がバリアフリー用ヘッドホン20391を使用する
場合には、バリアフリー用ヘッドホン20391をヘッ
ドホン端子2039に接続した際に、スピーカ音量が自
動的に切断される。ヘッドホンの音量調整は、付属の音
量調整機能を用いて行なう。
【0048】電子投票装置203は、外部ディスプレイ
端子20302を有している。外部ディスプレイ端子2
0302には、例えば、頭部に装着して使用する視覚用
ディスプレイであるヘッドマウントディスプレイを接続
することが可能である。これは、起き上がることが困難
な選挙人や、不随意運動を伴う肢体不自由の選挙人のよ
うにディスプレイユニット2031を継続的に視野に入
れることが難しい選挙人が、ディスプレイユニット20
31の代わりに使用することができる。
【0049】図8は、本実施例に適用される電子投票装
置203内部のハードウェア構成の一例を示す図であ
る。マザーボード450は、その基板上に、CPU45
1(CPU:Central Processing Unit)、ROM45
2(ROM:Read Only Memory)、RAM453(RA
M:Random Access Memory)、各種機器を接続するため
のバスやコネクタ等を有している。ROM452は、O
Sとハードウェアの間のデータ受け渡しを制御する基本
ソフトであるBIOS(BIOS:Basic Input/Output
System)を格納する。RAM453は、揮発性のメイ
ンメモリであり、副本用記録媒体409よりロードされ
た投票プログラム404や候補者データ401等のデー
タを投票の間だけ一時的に格納するRAMディスクとし
て機能する。
【0050】シリコンディスク454(silicon disk)
は、コンパクト・フラッシュ(登録商標:以下CFと記
す)メモリカードを使用したディスクメモリであり、I
DE規格(IDE:Integrated Device Electronics)
のインターフェースにより、マザーボード450と接続
されている。シリコンディスク454には、OS411
(OS:Operating System)及び各種ドライバが格納さ
れており、システムディスクとして機能する。一般的に
使用されるシステムディスクであるハードディスク(H
D:Hard Disk)と異なり、磁気ヘッドのような物理的な
駆動部分がないので故障率が低く、しかも高速アクセス
が可能である。以下、シリコンディスク454をシステ
ムディスク454ともいうこととする。
【0051】マザーボード450には、VRAM456
及び、LCD20311がLVDS(LVDS:Low Vo
ltage Differential Signaling 高速、低消費電力の画
像情報汎用インターフェース標準)により接続されてい
る。LCD20311は、大きさが対角15インチ(3
8.1cm)のTFT液晶(TFT:Thin Film Transi
stor薄膜トランジスタ)であり、解像度1024×76
8ピクセル、RGB64階調26万色のカラー画面を、
170cdの明るさで表示できる。
【0052】LCD20311上に重ねて配置された透
明タブレットであるタッチパネル20313は、RS−
232規格(直列データ伝送用の標準インターフェー
ス)によりマザーボード450と接続されており、大き
さが対角15インチ、分解能1024×1024画素の
性能を有する。タッチパネル20313の入力操作の検
出方式は、水や埃に対する耐環境性に優れる抵抗膜方式
を用いることが好ましい。なお、抵抗膜方式とは、2枚
のガラスの間に設けられた電極(透明導電性基板)が指
やスタイラスペンの押圧によって通電するのを電気的に
検知するものである。
【0053】カードリーダライタ2032は、本実施例
に適用される投票カード406または運用カード405
の一例である、ICカードの読み出しまたは書込みを行
なう装置であり、マザーボード450とRS−232イ
ンターフェースにより接続される。カードリーダライタ
2032は、投票カード406又は運用カード405を
自動で搬入及び排出を行なう。カードの搬送速度は約2
00ミリメートル毎秒であり、搬送時間は1/4秒であ
る。
【0054】スピーカ2033は、音声ガイダンス用で
あり、非障害者、運動機能障害者共に対応する。電子投
票装置203のカード挿入口近傍に配置される。音量調
整用ボリューム2033aは、スピーカ音量の調整を行
なう。ヘッドホンの音量には影響しない。
【0055】本実施例に適用される原本用記録媒体40
8又は副本用記録媒体409の一例であるCFメモリカ
ードは、CFメモリアダプタに装着され、PCMCIA
インターフェースにより、マザーボード450と接続さ
れている。原本用記録媒体408には、投票データ、投
票ログが記録され、副本用記録媒体409には、原本用
データのバックアップ記録がなされる。これらのメディ
アのパッケージには、混同を防ぐために、各々「原本」
又は「副本」に印刷表示が施されている。
【0056】状態表示灯20301は、緑色LEDであ
る操作表示灯20301b及び赤色LEDである電源表
示灯20301aの2色のランプから構成されている。
操作表示灯20301bは、GPIO規格(GPIO:
General Purpose Input/Output)インターフェースによ
り、マザーボード450と接続されており、投票状態の
確認表示を行なう。操作表示灯20301bの表示は、
ランプの点灯、消灯、点滅の3状態を用いて表現され
る。例えば、点灯を投票中、消灯を投票待ち受け中、点
滅をエラー発生時を表すように定義する。
【0057】一方、電源表示灯20301aは、直流電
源(DC電源ともいう)20315に接続されており、
電源駆動状態の確認表示を行なう。電源表示灯2030
1aも、同様に上記の3状態を用いて表現できる。例え
ば、消灯をAC電源(交流電源ともいう)供給駆動中を
表し、点滅をAC電源供給無し、かつ外部電池2031
6接続無し(すなわち内蔵電池20314駆動中)を表
し、点灯をAC電源供給無し、かつ外部電池20316
接続駆動中などと定義する。なお、外部電池20316
とは、電子投票装置203の外部に専用接続コネクタに
て接続されるバッテリをいい、長期停電時の投票を可能
にする。実施例としては、車載用バッテリが挙げられ
る。
【0058】投票確定LED2034は、選挙人による
候補者選択確認後、原本用記録媒体408に投票データ
407及び投票ログ4075が正常に記録された場合、
投票データの投票確定が完了したことを選挙人に報知す
るための表示LEDである。投票確定LED2034
は、マザーボード450とGPIOインターフェースに
より接続されている。投票確定LED2034が、点灯
保持状態のときは、投票データの原本用記録媒体への正
常記録時を表し、消灯状態のときは投票カード抜き取り
時を表すように定義する。投票確定LED2034は、
ハードウェア制御により点灯及び消灯を行なうため、た
とえ投票操作中にソフトウェアに起因するハングアップ
等の不測の障害が発生した場合においても点灯状態が保
存され、エラー発生時点で投票が完了していたか否かを
明らかにすることが可能である。
【0059】このように本実施例に適用される電子投票
装置203には、投票管理者や操作者のためにLCD2
0311による画面表示以外に動作状態を示す表示機能
が備わっている。これらの表示状態は、GPIOでラッ
チされているため、投票プログラム404が停止状態で
あっても、電源が通電状態であり、回路が動作していれ
ば、その情報は保存される。ただし、投票プログラム4
04の暴走により、ラッチアドレスへの不正アクセスが
発生する可能性は存在する。
【0060】カードガイドLED2032aは、カード
リーダライタ2032のカード挿入口に複数個配置さ
れ、投票カード406及び運用カード405の挿入又は
抜き取りの案内を選挙人に対して行なうためのLEDで
ある。カードガイドLED2032aは、マザーボード
450とGPIOインターフェースにより並列接続され
ている。カードガイドLED2032aは、点灯状態
が、ICカード挿入中を表し、点滅状態が、ICカード
挿入待ち状態を表す。
【0061】電源LED20308(AC入力確認用L
EDともいう)は、AC電源(日本国内の商用交流電源
にあっては交流100V、周波数50Hz又は60Hz
のもの)が供給されていることを監視するためのLED
である。電源LED20308は、直流電源20315
とGPIOインターフェースにより接続され、直流電源
20315に対して入力されるAC電源の電圧を監視す
る。電源LED20308は、点灯状態がAC電源供給
時、消灯状態がAC電源断時を表す。
【0062】ジャンクション基板455(ジャンクショ
ンボードともいう)は、マザーボード450とRS−2
32インターフェースにより接続されている。ジャンク
ション基板とは、基板上にバリアフリー対応の専用キー
ボード、又はヘッドホン若しくはプッシュスイッチ等を
接続することにより、通信制御やデータ通信を行なう専
用基板である。ジャンクション基板455上には、運動
機能障害用プッシュスイッチ端子2037、視覚障害者
用専用キーボード端子2038、ヘッドホン端子203
9が配置され、バリアフリー対応のオプション装置を接
続することができる。運動機能障害用プッシュスイッチ
端子2037には、電子投票装置203のタッチパネル
20313による入力が困難な、運動機能障害を有する
選挙人が対象とした入力機器である3.5φメーク接点
式のプッシュスイッチが接続される。
【0063】当該選挙人は、当該プッシュスイッチを使
用して、スキャン画面(選択項目が自動的に順次切り替
わる投票画面)に従い投票を行なうことができる。視覚
障害者用専用キーボード端子2038及びヘッドホン端
子2039には、視覚障害者用専用キーボード2038
1及び音量調整付きヘッドホン20391が各々接続さ
れる。視覚障害を有する選挙人は、机または手に持って
入力可能な専用キーボード20381と音声投票用ガイ
ダンスの音量調整付きヘッドホン20391の併用によ
り、音声投票を行なうことができる。視覚障害者対応の
音声投票用キーボード(運動機能障害者対応兼用)は、
点字が施された6個のファンクションキー(○、×、
←、→、△、平たいボタン)から構成され、上下・左右
共に26mmピッチを有する。ジャンクション基板45
5上のヘッドホン端子2039に音量調整付ヘッドホン
20391が接続された場合には、スピーカ2033へ
の接続が自動的に切断される。
【0064】CLOCK457(内蔵時計ともいう)
は、マザーボード450上に装着された時計モジュール
である。CLOCK457による時刻の情報は、例え
ば、投票の監査記録(監査証跡)として、投票操作を含
む動作状態を記録した投票ログ4075を作成する際に
使用する。
【0065】図9は、本実施例に適用される電子投票装
置203内部のRAM453内部のデータ構造の一例を
示す図である。RAM453は、投票が行われている
間、投票プログラム404を一時的に格納する投票プロ
グラム領域404bを有する。投票プログラム404
は、選挙データ作成システム100における選挙データ
メディアコピー機102において、選挙データマスター
400から副本用記録媒体409に複製されて、投票所
システム200に配布されたものである。副本用記録媒
体409が、副本用記録媒体用スロット20303を介
して電子投票装置203に装着されると、プログラムロ
ーダー436により、投票プログラム404がRAM4
53上の投票プログラム領域404bにロードされる。
【0066】RAM453は、候補者データ401を格
納する候補者データ領域401bを有する。RAM45
3は、投票カード406及び運用カード405の読取に
係る認証キー403を格納する認証キー領域403bを
有する。RAM453は、発券機201が発行した乱数
である投票所IDを格納する投票所ID領域4055b
を有する。RAM453は、選挙人による投票データ4
07が原本用記録媒体408及び副本用記録媒体409
に記録されて照合が行われるまでの間、一時的に投票デ
ータ407を格納する投票データ領域407bを有す
る。このキャッシュ領域は、固定されたアドレスに存在
するわけではない。空きのある番地に適宜割り振られ
る。
【0067】RAM453は、投票ログ4075を格納
する投票ログ領域4075bを有する。RAM453
は、後述するシステムディスクに記録されたOS411
及びドライバ、投票プログラム404、候補者データ4
01等を複製して格納するローカルディスク領域407
5bを有する。
【0068】図10は、本実施例に適用される電子投票
装置203内部のシステムディスクとして用いられるシ
リコンディスク454内部のデータ構造の一例を示す図
である。シリコンディスク454は、プログラムローダ
ー436を格納する領域を有する。プログラムローダー
436は、投票プログラム404を副本用記録媒体40
9よりロードするプログラムである。シリコンディスク
454は、投票装置シリアル番号記録部203sを格納
する領域を有する。
【0069】シリコンディスク454は、I/O制御部
412を格納する領域を有する。I/O制御部412
は、データの入出力の際、データを1ビットずつ連続的
に入力又は出力する制御を行なうためのプログラムであ
る。シリコンディスク454は、ウインドウ制御部41
3を格納する領域を有する。ウインドウ制御部413
は、タッチパネルLCD2031などに表示される画面
の中で、枠などによって区切られた表示部分の管理を行
なうためのプログラムである。シリコンディスク454
は、ファイル制御部414を格納する領域を有する。フ
ァイル制御部414は、ファイルの登録、追加、修正、
削除などのファイル保守、特定ファイルへのアクセスを
制限するファイル保護などを行なうためのプログラムで
ある。
【0070】シリコンディスク454は、カード制御部
415を格納する領域を有する。カード制御部415
は、カード発券機201が発行した投票カード406ま
たは運用カード405の搬入、搬出及び、読取り及び書
き込みなどを制御するためのプログラムである。シリコ
ンディスク454は、タッチパネル制御部416を格納
する領域を有する。タッチパネル制御部416 は、タ
ッチパネル20313上でのタッチパネルからの入力を
制御するためのプログラムである。シリコンディスク4
54は、ジャンクション基板制御部418を格納する領
域を有する。ジャンクションボックス制御部418は、
バリアフリー対応入出力機器接続端子2037、203
8、2039、20302を介して電子投票装置203
に接続される各種の外部入出力装置を制御するためのプ
ログラムである。
【0071】シリコンディスク454は、OS411を
格納する領域を有する。OS411は、特に限定される
ものではないが、例えば、米国マイクロソフト社製OS
である、ウィンドウズ(登録商標)NTエンベデッドを
使用することが可能である。このOS411は、機器制
御に特化した組み込み型OSであり、マウスやキーボー
ドなどの外部入力装置がない状態でも動作することが可
能である。そして、シリコンディスクに記録されたOS
その他のシステムディスクをRAM453のローカルデ
ィスク領域454b上にコピーして動作させることが可
能である。
【0072】なお、シリコンディスク454は、工場出
荷時に、必要なプログラムデータと固有の機器管理用シ
リアル番号である電子投票装置シリアル番号記録部20
3sを書き込み後、ライトフィルター処理され、読み出
し専用メモリ(ROM)となる。本処理により、電子投
票装置203でのシステムディスクの書き換えはできな
いこととなる。
【0073】図11は、本実施例に適用される電子投票
装置203内部のRAM453に、副本用記録媒体40
9よりロードされて格納される投票プログラム404の
構造の一例を示す図である。投票プログラム404は、
カード読取部431を有する。カード読取部431は、
ICカードなどの形態で提供される投票カード406又
は運用カード405が、カード記録読取手段2032に
搬入された後、カードに記録されたデータを読み取るの
を制御するためのプログラムである。
【0074】投票プログラム404は、候補者データ読
取部432を有する。候補者データ読取部432は、R
AM453上に格納された候補者データ415を構成す
るデータベース(図12〜図18において後述する)の
電子的な読取を制御するためのプログラムである。投票
プログラム404は、投票画面作成部433を有する。
投票画面作成部433は、選挙人が投票を行なう際にL
CD20311に表示される画面の作成を制御するため
のプログラムである。画面作成に必要な候補者情報又は
レイアウトの情報は、候補者データ401に含まれる後
述するデータベース(後述する図16における固定画面
レイアウトテーブル401d、及び図17における投票
画面レイアウトテーブル401e)上から読み取られ
る。
【0075】投票プログラム404は、投票データ記録
部434を有する。投票データ記録部434は、選挙人
の投票データ407(投票結果)を、可搬性のある電磁
的記録媒体に記録することを制御するためのプログラム
である。すなわち、投票データ記録部434は、RAM
453の投票データ領域407bに読み込まれた投票デ
ータ407を原本用記録媒体408に記録した後に、R
AM453との照合を行い、さらに副本用記録媒体40
9に複写を行なう。原本、副本の二つの記録媒体に投票
データを保存するにあたっては、媒体毎に独立して、フ
ァイルオープン→データ書き込み →ファイルクローズ
→キャッシュはき出しを行い、記録を確定させる。この
ように同時に二つの記録媒体がアクティブな状態を無く
すことで、障害時には、最悪いずれか一つの記録媒体の
データを確保することができる。
【0076】投票プログラム404は、投票制御部43
5を有する。投票制御部435は、選挙人が、投票操作
することによる、投票画面の切り替えを制御するための
プログラムである。投票画面には、投票可能な候補者を
一覧表示する候補者選択画面(図41に図示)、選挙人
が仮選択した候補者を表示し投票意思の確認を行なう候
補者確認画面(図50に図示)等がある。投票プログラ
ム404は、OS411としてウィンドウズ(登録商
標)を用いる場合には、このOS411に依存する簡易
プログラミング言語であるビジュアル・ベーシック(Vi
sual BasicTM)を使用して作成するのが便利である。
【0077】また、投票プログラム404は、電磁的記
録媒体(副本用記録媒体409)を介して供給されるア
プリケーションプログラムであって、電子投票装置20
3への常駐は出来ず、電源投入毎にプログラムローダー
436によりRAMディスク453に新たにロードされ
る。投票プログラム404の供給形態は、適当な圧縮形
式ファイルであり、電磁的記録媒体よりロードするにあ
たり、プログラムローダー436により、同プログラム
の正当性確認を行なうことで改ざんの有無を確認する。
正当性の確認は、誤り検出用符号の算出比較により実施
する。プログラムロード後、更に圧縮解凍処理時のCR
Cチェック等の確認により、エラー検出を行なう。
【0078】図12は、本実施例に適用される電子投票
装置203内部のRAM453に格納される候補者デー
タ401の構造の一例を示す図である。候補者データ4
01は、テキスト形式のファイルとして存在する6種類
のテーブル(表)から構成されている。すなわち、第1
に実施選挙の種類を識別する選挙ID毎に存在する候補
者テーブル401a1〜401an、第2に政党テーブ
ル401b、第3に投票所グループテーブル401c、
第4に固定画面レイアウトテーブル401d、第5に選
挙ID毎に存在する投票画面レイアウトテーブル401
e1から401en、第6に表示メッセージテーブル4
01f)が互いに関連付けられたリレーショナルデータ
ベース(RDB:Relational Data Base)の構造を有す
る。
【0079】さらに、これらのテーブルから参照される
バイナリ形式のファイルである画像ファイル(候補者画
像データや政党画像データ)及び音声ファイル(音声ガ
イドデータ等)が存在する。これらは、各々のテーブル
の中から、ファイルの相対位置(パス)を参照すること
により関連付けられている。バイナリファイルの参照方
法は、あらかじめ指定されたディレクトリに存在する音
声または画像ファイルに対しては、テーブルのフィール
ド部にファイル名を指定することで参照することができ
る。ディレクトリによるファイル管理は、基本ソフトで
あるOSの機能を利用する。
【0080】図13は、本実施例に適用される候補者デ
ータ401を構成する候補者テーブル401a1(選挙
ID=1用)の一例を示す図である。投票所テーブル4
01cは、候補者を識別する候補者ID401a1a、
立候補届出名401a1b、候補者名ふりがな401a
1c、出身地401a1d、所属する政党を識別する政
党ID401a1e等のフィールドを有するテーブルと
して構成されている。例えば、候補者ID401a1a
のフィールドの値が「00001」であるレコードは、
立候補届出名が「木戸 孝允」、候補者名ふりがな40
1a1c「きどたかよし」、出身地401a1d「山口
県」、政党ID401a1e「002」という一連のデ
ータを格納する。
【0081】また、候補者テーブル401a1には、候
補者の氏名の別の読みも登録されている。従来の自書式
投票においては、投票所の記載台に掲示された立候補者
の届出名を投票用紙に書き写すだけでよく、実際の候補
者名前の読み仮名を知らないでも投票を行なうことがで
きた。例えば、立候補者の登録名が「河野太郎」であっ
た場合、読み仮名が「こうのたろう」なのか「かわのた
ろう」なのか忘れた、あるいは知らない場合でも、投票
用紙には「河野太郎」と書き写すだけで投票することが
可能であった。ところが、候補者の頭文字を入力する場
合には、読み仮名を知らない限り、検索をすることがで
きない、という制約が生じるおそれがある。かかる、制
約が生じないようにするために、本実施例では、間違や
すい候補者の氏名の別の読み仮名を用意して、上記例で
は、「こ」又は「か」のいずれを選択したとしても、候
補者の「河野太郎」が表示されるようにしている。すな
わち、本実施例によれば、立候補者のいろいろな読み方
を候補者データとして同時に記録しておくことにより、
間違えられそうな読み仮名のいずれでも検索を行なうこ
とが可能となる。
【0082】図14は、本実施例に適用される候補者デ
ータ401を構成する政党テーブル401bの一例を示
す図である。政党テーブル401bは、政党ID、言語
ID、政党名等のフィールドを有している。例えば、政
党IDのフィールド値が「002」であるレコードは、
政党名が「長州党」であり、上記した木戸孝允が長州党
に所属することを意味する。政党IDのフィールドは、
データベース技術における主キーと呼ばれるものであっ
て、図13における政党IDのフィールドとリレーショ
ンシップがとられている。
【0083】図15は、本実施例に適用される候補者デ
ータ401を構成する投票所グループテーブル401c
の一例を示す図である。投票所グループテーブル401
cは、選挙の種類を識別する選挙ID及び選挙名、選挙
区を識別する選挙区ID及び選挙区名等のフィールドを
有している。選挙IDのフィールドは、投票カード40
6に記録された投票可能な選挙IDの値を投票プログラ
ム404が読み込んだ際に、必要な選挙IDのレコード
のみが抽出され、使用されることとなる。
【0084】図16は、本実施例に適用される候補者デ
ータ401を構成する固定画面レイアウトテーブル40
1dの一例を示す図である。固定画面レイアウトテーブ
ルは、選挙の種類に無関係な共通の画面レイアウトを規
程するためのテーブルである。固定画面レイアウトテー
ブル401dは、選挙人(投票者)の身体的な障害の種
類を識別する選挙人特性ID2021のフィールドを有
している。そして、選挙人特性ID毎のレコードにおい
て、表示画面の種類を識別する画面ID、画面の機能を
識別する機能ID、表示色を規定する前面色及び背景
色、表示文字の書体、サイズ、表示するオブジェクトの
水平座標、及び垂直座標等のレイアウトのデータを格納
するフィールドを有している。画面IDフィールドは、
選挙の種類(すなわち選挙ID)によって全く異なる画
面を、その都度作成するのではなく、少数個からなる共
通画面の基本レイアウトを規定するためのフィールドで
ある。そして、この共通の基本レイアウトをベースとし
たバリエーションを、色やサイズ、座標、位置合わせ情
報などを規定するフィールドで実現している。
【0085】本実施例による基本レイアウトとしては、
単頁用候補者選択画面、候補者確認画面、候補者選択方
式確認画面、候補者番号入力画面、候補者選択頁案内画
面、棄権確認画面、複数頁用候補選択画面の7種類のレ
イアウトで十分である。例えば、単記式候補者選挙にお
ける候補者選択画面と拘束名簿式比例代表選挙における
政党選択画面は、同一の画面IDを用いて、作成するこ
とができる。このように、少数の固定画面を共通化する
ことにより、候補者画面作成が極めて容易になり、選管
による候補者データ作成の事務の作業負担を軽減するこ
とができる。
【0086】図17は、本実施例に適用される候補者デ
ータ401を構成する投票画面レイアウトテーブル40
1e1(選挙ID=1用)の一例を示す図である。投票
画面レイアウトデータベース401e1は、選挙の種類
や、画面に表示すべき立候補者の数、あるいは選挙人特
性IDの値によって、異なる画面のレイアウトを規定す
るためのテーブルである。投票画面レイアウトテーブル
は、選挙人特性ID、画面ID、機能ID、前景色、背
景色、サイズ、水平座標、垂直座標等のフィールドを有
している。テーブルは、投票カード406に記録された
実施可能な選挙IDに基づいて必要な投票画面レイアウ
トテーブルを選択し、さらに選挙人特性IDに基づい
て、選挙人の障害毎に適した画面レイアウトを規定す
る。
【0087】図18は、本実施例に適用される候補者デ
ータ401を構成する表示メッセージテーブル401f
の一例を示す図である。表示メッセージテーブル401
fは、候補者テーブル401a1又は政党テーブル40
1b若しくは投票所グループテーブル401cに格納さ
れてない文字列であって、画面に表示すべきものを規定
する。例えば、投票プログラム404により、メッセー
ジID「00001」のレコードが参照されたときは
「投票カードをいれてください。」というメッセージを
画面に表示し、選挙人に対して投票カード406を電子
投票装置203に挿入することを促すことができる。
【0088】図19は、本実施例に適用される電子投票
装置203内部に格納される原本用記録媒体408のデ
ータ構造の一例を示す図である。原本用記録媒体408
とは、選挙人により、候補者選択確認後最初に投票デー
タ407が記録される記録媒体を指す。本実施例におい
ては、投票データの記録後に、投票ログ4075も記録
される。投票所へ送付される原本用記録媒体408は、
一般的にデータが何も記録されていないブランクメディ
アであり、投票データは「ゼロ票」である必要がある。
投票データは、投票の秘密保持のため、投票データがラ
ンダムな順序で記録される。例えば、8番目の投票者の
投票データ407及び投票ログ4075を格納する投票
データ8領域及び投票ログ8領域の隣の領域には、2番
目の投票者の投票データ407及び投票ログ4075を
格納する投票データ2領域及び投票ログ2領域が割当て
られる。
【0089】図20は、本実施例に適用される電子投票
装置203内部に格納される副本用記録媒体409のデ
ータ構造の一例を示す図である。副本用記録媒体409
には、選管から配布される投票プログラム404、候補
者データ401、カード認証キー403を格納する領域
を有している。これらは、上記したように電子投票装置
のRAM453にコピーされ用を果たすが、その後もデ
ータは格納されている。そして、原本用記録媒体の投票
データ407の複製が、これらに追記される形で記録さ
れる。
【0090】ところで図19及び図20のデータ構造を
有する原本用記録媒体408及び副本用記録媒体409
は、電子投票における選挙人がいずれの候補者を選択し
たかの情報を記録する際に、人間の知覚をもってしては
認識不可能な方法で記録され、従来の投票用紙による票
と形態を異にするものである。電子投票における票を記
録する記録媒体は、選挙人による投票情報が電子的又は
磁気的又はその他の方式で記録され、コンピュータによ
る情報処理が可能な記録媒体である。
【0091】記録媒体の具体的態様としては、フラッシ
ュメモリが内蔵されたCFカードなどが挙げられる。他
の規格のメモリカードとして、SDメモリーカード、ス
マートメディア(登録商標)、メモリースティックな
ど、マルチメディアカード(登録商標))を用いてもよ
い。メモリカードは、ハードディスクなどに比べて軽量
であり、かつ振動に強いためデータの搬送性、保存性に
優れ、しかも安価である。もちろん、電磁的記録媒体と
して、FD、光ディスク(CD、DVD)や光磁気ディ
スク(MO)などが使用可能であることはいうまでもな
い。
【0092】本実施例では、図19及び図20に図示す
るデータを記録する記録媒体として、1台の電子投票装
置に対して2枚のメモリカード(原本用記録媒体40
8、副本用記録媒体409)を使用する。本実施例にお
いては、これらは、選挙実施前において、選挙データ作
成システム100から投票所システム200の電子投票
装置203に対して選挙に必要なデータを搬送する際の
担体としての機能を果たす。そして、投票中においては
電子投票装置203に装着され、従来の投票用紙の代替
物としての機能、すなわち選挙人が投票する候補者名を
電磁的なデータとして確実に記録し保持する機能を有す
る。
【0093】そして、投票後においては、投票所システ
ム200から開票所システム300に投票データ407
を搬送する際の担体としての機能を有する。なお、将来
法改正がなされた場合において、本発明をネットワーク
型システムとして実施する場合には、電磁的記録媒体4
08、409は、選挙データ作成システム100、投票
所システム200、開票所システム300の各拠点にお
いて、ネットワーク送信を行なう前に、データを拠点内
で一時的に記録し、蓄積する機能を有する。本発明にお
ける電磁的記録媒体を用いないネットワーク型システム
に比較して、ネットワーク障害に対するデータ消失の危
険性が極めて低くなる。
【0094】図21は、本実施例に適用される電子投票
装置203内部に挿入される投票カード406又は運用
カード405のデータ構造の一例を示す図である。投票
カード406又は運用カード405には、カードに記録
されたデータへのアクセス認証を行なう鍵であるカード
認証キー403が格納され、電子投票装置203のRA
M453に記憶されたカード認証キーにより認証が成功
した場合にのみ、内部のデータの読み書きが可能となる
ように構成される。投票カード406又は運用カード4
05の内部には、以下のデータが記録されている。すな
わち、市区町村ID、選挙人の障害の種類を示す選挙人
特性ID2021、電子投票装置203が表示する言語
の種類を区別する言語区分、投票所に固有のIDである
投票所ID、指定投票所における投票又は不在者投票若
しくは巡回投票等を識別する投票種別、カード発券機2
01により発行された発券年月日、複数の選挙を同日に
行なう場合の選挙の数である選挙可能件数、実施される
選挙の各々(選挙ID=1、2〜m、nとして図示)に
対して投票権利が有るか未発券かを識別する投票フラグ
2022等のデータを格納する。
【0095】選挙人特性IDは、選挙人名簿に基づいて
作成され選挙人に予め郵送された入場整理券の選挙人特
性欄の記載に基づいて、投票所の係員が、投票カードを
発行する際に記録される。例えば、選挙人特性欄に視覚
障害者の記載がある選挙人に対しては、投票カード40
6には、視覚障害者であることを示す選挙人特性ID=
01が記録される。この選挙人がこの投票カード406
を電子投票装置203に挿入した場合、投票プログラム
404が当該選挙人特性ID2021を読み取って、対
応する候補者データ401をデータベースから参照する
ことにより、視覚障害者用の表示入力モードにより投票
を行なうことが可能となる。
【0096】なお、データが記録された投票カード40
6又は運用カード405のメディアは、ICカードを用
いることにより、他の記録方式のカードに比較して多く
の情報を、しかもデータのアクセス権を設定したりデー
タ自体をTDES(TDES:Triple Data Encryption
Standard)等により暗号化したりすることにより安全
に蓄積することが可能である。もちろんICカードの代
わりに、磁気カードを使用することも可能であるし、ま
た光記録媒体を使用することも可能である。また、計算
機ホログラム(CGH:Computer Generated Hologra
m)の不可逆記録とICカードのハイブリッドカードを
用いることも可能である。また、電子ペーパーとして知
られた液晶記録媒体に対して記録を行なうことも可能で
ある。あるいは紙による印字媒体に記録された文字又は
バーコードを光学的に読み取るOMR方式(OMR:Op
tical Mark Reader)を用いてもよい。
【0097】投票カード406には、憲法15条に定め
られた投票の秘密を守るため、投票カード406を使用
する選挙人を特定可能であるような個人情報は一切記録
されていない。したがって、投票カードとして、住民基
本台帳カード(住民カード、住基カードともいう)のよ
うな個人情報が記録されたカードを利用する場合には、
電子投票装置203が生成する投票データが、個人情報
を読み取らないことを保障するような機能が必要にな
る。
【0098】図22は、本実施例に適用される投票カー
ド406に記録される投票フラグ2022のデータ構造
の一例を示す図である。投票フラグ2022は、投票権
利の有無の識別子(トークン)であって、従来において
は、投票可能か、投票済みかの値によって二重投票を防
止することが行われてきた。ところが、このような従来
のトークンは投票カード読取のエラーが発生した際の対
処が複雑になるという問題があった。すなわち、選挙人
が候補者を選択して確認ボタンに触れて原本用記録媒体
408には投票データは記録されたものの、投票カード
に投票済みのフラグの記録する際に書込みエラーが発生
した場合、果たして投票確定か否かを直ちに判断するこ
とが困難になることである。
【0099】そこで、本発明では、投票フラグとして投
票済みのフラグを用いることを廃し、投票可能状態、お
よびカード未発券の2種類のみとした。つまり、投票済
みかどうかの判断は投票カード406では行わず、投票
確定LED2034によりハードウェア的に行なうこと
としている。そして、二重投票防止の措置として、投票
可能であるフラグを確認した後に、電子投票装置内部で
投票カードの初期化を行って排出し、再使用不可能とし
た。さて、選挙ID=1の投票フラグである2022a
には「投票可能」が、そして選挙ID=3の投票フラグ
2022bには「未発券」が、同様に選挙ID=3の投
票フラグ2022cには「投票可能」が記録されてい
る。投票プログラム404のカード読取部431(図2
3において詳述する)において、これらの情報を読み取
ると、この選挙人が投票できる選挙が選挙ID=1及び
選挙ID=3であると判断する。そして、候補者データ
読取部432によりこれらの選挙IDに対応する候補者
データ401をデータベースの各テーブルから抽出し
て、投票画面作成部433により、候補者数等に応じた
画面レイアウトを決定し、図41に図示するような候補
者選択画面を表示する。
【0100】なお、本発明に係る投票カード406は、
投票権利を有する選挙人に対して発券するものである
が、不正投票を排除するため、発券後に投票カードの記
録情報により投票権利の有無を確認する用途には用いな
い。電子投票装置203では、障害発生時に可能な限り
投票権利の有無についての情報を表示する。
【0101】図21及び図22に図示する投票カード4
06又は運用カード405が格納するデータは、7ビッ
トのアスキーコード(ASCII: American Standard Code
forInformation Interchange、情報交換用米国標準コー
ド)として記録されている。例えば、選挙人特性ID2
021が「30」というアスキーコードとして記録され
ている場合には、図57に図示する選挙人特性ID20
21が「00」、すなわち非障害者を意味する。また、
投票フラグ2022は、投票可能か否かを示すものであ
るが、10進数で表したときの0が未発券、1が投票可
能な状態であると規定したとすると、例えばアスキーコ
ードでは選挙ID1に対する投票フラグの「31」は、
投票可能な状態を意味する。なお、投票カード上のデー
タは全部で256バイトのデータから構成されている。
【0102】図23は、本実施例に適用される投票プロ
グラム404を構成するカード読取部431の処理の流
れの一例を示すフローチャートである。このフローチャ
ートにより実現されるコンピュータプログラムは、投票
カード406または運用カード405であるICカード
の読取処理を行なうサブルーチンプログラムである。こ
のルーチンの初期状態においては、電子投票装置203
のカード記録読取手段2032(カードリーダライタ)
の近傍に配置されているカードガイドLED2032a
が点滅している(ステップA1)。
【0103】そして、カードリーダライタ2032内に
ICカードが挿入されたか否かを確認するステップを有
する(ステップA2)。投票者が投票カード406を電
子投票装置203に挿入し、ICカードがカードリーダ
ライタ2032内に存在することが確認されると(ステ
ップA3における「YES」、次のステップA4におい
て、電子投票装置203から投票カード406上のIC
チップに対して、全投票所共通のコードであるカード認
証キー403が送信され、ICチップ内で受信した電子
投票装置203からのカード認証キーとカード発券機2
01によりICチップに予め記録されたカード認証キー
とを照合し、カードデータへのアクセス権限の認証を行
なう。2つの認証キーが一致して認証に成功した場合
(ステップA5における「YES」)、次のステップに
移りカード種別の読取りを行なう(ステップA6)。
【0104】認証が拒否された場合(ステップA5にお
ける「NO」)、電子投票装置203がエラー発生画面
を表示し(ステップA23)、投票カード406をリー
ダライタ2032から排出する(ステップA24)。排
出されたカードは、投票所の係員により回収され、カー
ドが投票カード406である場合には、投票者はカード
再発行等の適切な処置を受ける。なお、エラー発生は、
投票所内で電子投票装置203から離れた場所から投票
の様子を監視する投票立会人に対し、状態表示ランプ2
0301(状態表示灯、警告灯ともいう)により、視覚
的に報知される。
【0105】さて、図23におけるステップA5におけ
るカード認証が成功した場合(ステップA5における
「YES」)、ステップA6においてカード種別の読取
処理を行なう。読取可能なカード種別は、投票カードと
運用カードの2種類であり、カード内の所定のカード種
別記録領域に記録された識別コード(図21に「カード
種別ID」として図示)を読み取る。
【0106】以下、図23におけるカード種別IDの読
取りのステップにおいて、投票カード406であること
が読み取られた場合(ステップA7における「YE
S」)の流れを説明する。挿入されたカードの種別が投
票カード406であることが読み取られると、ステップ
A8において、投票所ID(管理識別ID、管理ID、
あるいは乱数ともいう)4055の読取処理を行なう。
読み取られた投票所IDが、電子投票装置203のRA
M453に予め記憶させた投票所IDと一致した場合
(ステップA9における「YES」)、次の投票権利を
確認する次のステップ(A10))に移る。次のステッ
プでは、図21に図示する投票フラグ2022の読取り
が行われる(ステップA10)。
【0107】投票フラグ2022とは(同日に複数の選
挙を実施する場合において)、投票者が選挙の投票権利
を有するか否かを識別するコードである。例えば、
「0」が未発券、「1」が投票可能な状態であると規定
することができる。投票フラグ2022の読み取りが正
常に行われた場合において(ステップA11における
「YES」)、投票フラグ2022が「1」投票可能状
態である、すなわち投票者が当該選挙に対して未投票で
あることが読み取られると、投票の態様を規定する次の
ステップ(A13)に移行する。ステップA13では、
投票カード406をカード発券機201で発券する際
に、選挙人名簿に基づいて投票カード406に記録され
た投票者(選挙人)の身体的な障害の特性を示すコード
(選挙人特性ID2021、図57に図示)の読取りが
行われる。
【0108】選挙人特性IDとは、換言すれば、投票者
が、電子投票装置203を用いて行なう入力手段(タッ
チパネル20313、視覚障害者用専用キーボード20
381、運動機能障害用プッシュスイッチ20371
等)及び表示手段(LCD20311、ヘッドマウント
ディスプレイ、点字ディスプレイ、音声ガイド等)を規
定するコードである。選挙人特性ID2022の値に対
する条件分岐を示すステップ(ステップA14)におい
て、選挙人特性IDが00、すなわち非障害(健常者)
であったとすると、入力手段としてタッチパネル203
13、表示手段としてLCD20311が選択され、使
用可能かどうかの確認処理を行なう(ステップS15
a)。
【0109】また、選挙人特性IDが02、すなわち視
覚障害者であった場合には、ステップA15cにおい
て、入力手段として視覚障害者用専用キーボード203
81と表示手段として音量調整付きヘッドホン2039
1が選択される。このように、投票カード406に記録
された投票者の選挙人特性IDに対応する入出力機器が
使用可能かどうかチェックされると、次のステップA1
6において、投票カード406の初期化処理が行われ
る。このステップは、使用済みの投票カードの再使用に
よる二重投票の防止に万全を期すために、投票カードの
データ記録領域を再フォーマットすることにより、全デ
ータを抹消するステップである。以上により、カード種
別読取のステップA4〜A5において投票カード406
であることが読み取られた場合のカード読取ルーチンは
終了する。
【0110】次に、図23におけるカード種別読取のス
テップA4〜A5において、電子投票装置203に挿入
されたカードが投票カード406でないことが読み取ら
れ(ステップA5における「NO」、運用カード(管理
者カードともいう)405であることが読み取られた場
合のステップについて説明する。この処理は、投票日当
日の投票開始時刻の前にカード発券機201によって発
券された運用カード405を用いて行なうことが好まし
い。
【0111】まず、カード種別IDが運用カード405
である場合は、ステップA18において、投票所ID4
055の読取が行われる。投票所IDが読み取られた場
合(ステップA19における「YES」)、投票所ID
4055は、電子投票装置203のRAM453の投票
所ID領域4055bのアドレスに格納される(ステッ
プA20)。そして、投票所IDが電子投票装置に登録
されたことを投票管理者に報知する画面が表示され(ス
テップA21)、運用カードの排出処理が行われる(A
22)。以後、電子投票装置203は、この投票所ID
が記録された投票カード406のみを受付可能となる。
したがって、他の投票所のカード発券機で発行されたカ
ードや、偽造・変造が行われたカードでは、投票を行な
うことが不可能となる。
【0112】図24は、本実施例に適用される投票プロ
グラム404を構成する投票制御部435の処理の流れ
の一例を示すフローチャートである。投票制御部435
は,投票カードの読み取り後,選挙人に対して候補者の
一覧を表示して,候補者の選択を促す画面を表示するサ
ブルーチンプログラムである。まず,ステップE0aに
おいて、候補者データ401を構成する候補者テーブル
401aより、選挙の種類を特定する選挙IDに対応す
る候補者の数、即ち、候補者IDで特定されるレコード
総数を読み取って、RAM453に記憶する。
【0113】次に、ステップE0bにおいて、一つの画
面に表示する候補者名を付したボタンの最大数の設定の
読取りを行なう。単一画面に表示するボタンの数は、予
め、選挙データ作成システム100における選挙データ
管理作成機101によって、候補者データ401の作成
時に設定される数値である。具体的には、選挙データ管
理作成機101が有する専用ソフトウェア(画面エディ
タ)によって、候補者データ401の中の投票画面レイ
アウトデータベース401e(図17に図示)の中で、
ボタンのサイズや位置、文字サイズ等の画面レイアウト
の設定が行われる。原則として、公平性の観点から、候
補者はなるべく一つの画面内に全員を表示することが望
ましいものである(図41を参照)。
【0114】しかしながら、立候補者が50人を超える
ような選挙の場合には、一画面では表示できない場合が
起こりうる。表示画面(LCD20311)の表示面積
と、候補者の氏名を付したボタンの面積との兼ね合いよ
り、表示可能なボタンの数には上限があるからである。
例えば、図43は、15インチの表示エリアに対して2
8名分のボタンを配置した例を図示したものであるが、
これ以上ボタンの数を増加すると、文字サイズが小さく
なって視覚しづらくなったり、隣り合うボタン同士が接
近することにより押し間違いが起こったりする等の不都
合が生じる。従って、そのような場合には、候補者を複
数の頁に分割したり、スクロールさせたりする等の技術
が開示されている。
【0115】しかし、そのような方法では、掲載される
頁による不公平の問題が発生する。これを回避するため
に特開平7−57021号公報では、乱数を用いて複数
頁に表示される候補者の順番をランダムにする技術が開
示されている。しかしながら、かかる公開技術も、従来
の公職選挙においてしばしば見られるような、複数の立
候補者を擁立する所属政党が指定する表示順位を反映さ
せて表示することが困難となるという問題が生じる。そ
こで、本実施例では、単一画面に候補者を一覧表示でき
ない場合に、頁分割を行なうのではなく、候補者の頭文
字による検索を行なう構成としている。
【0116】図24におけるステップE0bにおいて読
み取られる候補者ボタン数は、上記した理由により選挙
データ作成システム100により予め設定される数値で
ある。そして、ステップE0cにおいて、この一画面に
表示し得る候補者ボタン数と、選挙に立候補した候補者
の数の比較を行なう。そして、一画面に表示し得る候補
者ボタン数が、選挙に立候補した候補者の数と同じある
いは大であった場合には(ステップE0cの「YE
S」)、次のステップに移り、一画面にすべての候補者
を表示する投票形態である候補者選択画面投票制御部4
35Aの処理を行い(図25において詳述する)、処理
が終了すると投票制御部435のルーチンから抜ける。
【0117】一方、一画面に表示し得る候補者ボタン数
が、選挙に立候補した候補者の数よりも小であった場合
には(ステップE0cの「NO」)、候補者の頭文字を
検索することにより該当候補者を表示する投票形態であ
る頭文字選択画面投票制御部435Bの処理を行い(図
26〜図31において詳述する)、処理が終了すると投
票制御部435のルーチンから抜ける。なお、以下の図
43の説明で後述するように、一般のNインチのディス
プレイの場合には、アスペクト比を4:3と仮定する
と、Int(0.29N)×Int(0.85N)の個数の候補者ボタンを
表示できる。但し、Int()は、()内の数値を超えな
い最大の整数を表す。そして、このようにして計算され
た候補者ボタンの数が、候補者数を下回った場合には、
ステップE0cにおいて、図44に示すような、頭文字
選択画面に表示を切り替えるように構成してもよい。
【0118】図25は、本実施例に適用される投票プロ
グラム404を構成する投票制御部435における候補
者選択画面投票制御部435Aの処理の流れの一例を示
すフローチャートである。このサブルーチンプログラム
は、選挙に立候補した候補者の全員が単一画面に表示で
きる場合に実行されるプログラムである。まずステップ
E1において、候補者表示の順序をランダムに表示する
設定があるか否かの確認を行なう。候補者のランダム表
示は、選挙人により投票カードが挿入されて投票操作が
実行される毎に、表示順位を変更する設定であり、公平
性の観点から設定することが可能なオプションである。
画面内で、同一政党の候補者が2名以上いる場合であっ
て、かつ表示順位が指定されている場合においては、政
党内の順位は保ったまま、異なる政党のみの候補者順位
を変更することが可能である。
【0119】このようなランダム表示の設定がある場合
には(ステップE1における「YES」)、ステップE
2に移り、候補者データ401のレコード順序のランダ
ム化処理が行われる。ランダム化処理は、種々の実施形
態が可能であるが、例えば以下のようにする。すなわ
ち、この選挙への投票者数(即ち、図39に図示する投
票件数)を候補者数で割った剰余を計算し、候補者テー
ブル401aの先頭のレコードから、この数の候補者を
先頭から末尾へ移動し、これをこの投票者のこの選挙へ
の投票における候補者テーブル401aとする。ステッ
プE2におけるかかる処理が終了すると次のステップE
3に移る。
【0120】一方、このようなランダム表示の設定がな
い場合(ステップE1における「NO」)、ステップE
2をスキップし、ステップE3に移る。ステップE3で
は、候補者のボタンを並べる方向の設定をチェックす
る。このステップの後、ステップE4において画面遷移
処理を行い、ステップE5において候補者選択画面(図
41〜図43に図示)を表示する。候補者選択画面が表
示されると、ステップE6において、表示メッセージテ
ーブル401fにリンクした共通音声データ(図12に
図示)の中から、候補者選択ガイダンス音声を1回だけ
再生する。例えば、図41に示す候補者選択画面に対し
ては「投票したい候補者の名前に触れてください。投票
を途中で終了する場合は、「投票しない」に触れてくだ
さい」というガイダンス音声を1回だけ再生する。ステ
ップE7の条件分岐において、投票者が、画面に表示さ
れた候補者ボタンに対して、タッチパネル入力、あるい
はバリアフリー・オプションの入力機器(運動機能障害
用プッシュスイッチ20371、視覚障害者用専用キー
ボード20381等)による入力操作を行って、入力が
検出されると(ステップE7における「YES」)、次
のステップに移る。
【0121】また、投票操作方法が自動スキャン投票で
ある選挙人(図57に図示する選挙人特性ID=05の
選挙人)の場合には、ボタンにカーソルが移動して来た
間にスイッチを押下することによって次のステップに移
る。ステップE8においては、入力されたボタンの色と
文字色をカーソル点灯時のものに変更し、一定時間
(0.2秒程度)点灯のまま待機する。そして、触れら
れたボタンが選択、入力されたものとして、ステップE
9において、選択されたボタンに関連付けられた候補者
を投票する候補者として記憶する。そして、ステップE
10において、候補者選択ガイダンス音声が再生中であ
れば、再生を停止し、選択した候補者を確認する移行の
ステップに移る。
【0122】ステップE11においては、かかる画面に
遷移するための遷移処理が行われ、ステップE12にお
いて、候補者確認画面の表示(図50に図示)が行われ
る。画面の表示が行なわれると、ステップE13におい
て、選択した候補者を表示する候補者確認ガイダンス音
声を1回だけ再生する。例えば、「確認してください。
よろしければ○に、変更する場合は×に触れてくださ
い」というガイダンス音声を再生する。そして、ステッ
プE14では、投票者は以下の操作を行なう。すなわ
ち、投票者は、選択した候補者に投票するために、タッ
チパネル入力、あるいはバリアフリー・オプションの入
力機器(運動機能障害用プッシュスイッチ20371、
視覚障害者用専用キーボード20381等)による入力
操作を行って「○ 投票する」を選択すると(ステップ
E14における「YES」)、ステップE15において
入力されたボタンの色と文字色をカーソル点灯時のもの
に変更し、一定時間(0.2秒程度)点灯のまま待機す
る。そして、ステップE16において、候補者選択ガイ
ダンス音声が再生中であれば、再生を停止し、このルー
チンを抜ける(「RETURN」と図示)。
【0123】一方、投票者は、選択した候補者に投票す
るために、タッチパネル入力、あるいはバリアフリー・
オプションの入力機器(運動機能障害用プッシュスイッ
チ20371、視覚障害者用専用キーボード20381
等)による入力操作を行って「× 変更する」を選択す
ると(ステップE14における「NO」、かつステップ
E17における「YES」)、ステップE18において
入力されたボタンが点灯して一定時間待機した後に、ガ
イダンス音声がステップE19において停止して、ステ
ップE5に戻り、候補者選択画面を表示する。候補者確
認画面の表示は、投票者がいずれかのボタンを選択する
まで、継続して表示される(ステップE17における
「NO」)。
【0124】一方、ステップE7の条件分岐において、
候補者ボタンの入力が検出されず(ステップE7におけ
る「NO」)、かつ棄権ボタン(図41〜図43では
「投票しない」ボタンとして図示)が入力されたことが
検出されると(ステップE20における「YES」)、
ステップE21において、入力ボタンが一定時間点灯
し、ステップE22において、棄権されたことをRAM
453に記憶する。そして、ステップE22においてガ
イダンス音声を停止し、ステップE24において画面遷
移処理を行って、ステップE25において棄権確認画面
(図51に図示)を表示し、ガイダンス音声を再生する
(ステップE26)。例えば、「確認してください。よ
ろしければ「○」に、変更する場合は「×」に触れてく
ださい」というガイダンス音声を再生する。ステップE
27の条件分岐において、「○ 投票しない」が入力さ
れたことを検出すると(ステップE27における「YE
S」)、ステップE28において入力されたボタンを一
定時間点灯させて待機し、ステップE29においてガイ
ダンス音声の再生を停止し、このルーチンを抜ける
(「RETURN」と図示)。
【0125】一方、ステップE27の条件分岐におい
て、「○ 投票しない」ボタンが入力されずに(ステッ
プE27における「NO」)、「× 変更する」ボタン
の入力が検出されると(ステップE30における「YE
S」)、ステップE31において入力されたボタンを一
定時間点灯させて待機し、ステップE32においてガイ
ダンス音声を停止した後に、ステップE5に戻り、候補
者選択画面を表示する。なお、棄権確認画面の表示は、
「○ 投票しない」、「× 変更する」のいずれかのボ
タンの入力が検出されるまで継続して表示される(ステ
ップE30における「NO」)。本実施例においては、
投票者の意思が棄権ではなく、やむを得ない理由で投票
を最初からやり直したい場合には、投票立会人または投
票管理者に対してその旨を伝えて投票カードの再発行を
受けるように構成される。その場合には、棄権票を開票
時に抹消する手続きが必要となるが、同一の投票カード
の再使用による二重投票の防止に万全を期すために、こ
のような運用方法をとることが好ましい。
【0126】図26は、本実施例に適用される投票プロ
グラム404を構成する投票制御部435における頭文
字選択画面投票制御部435Bの処理の流れの一例を示
すフローチャート(1/5)である。このサブルーチン
プログラムは、選挙に立候補した候補者の全員が単一画
面に表示できない場合に、頭文字選択を行って投票を行
なうために実行されるプログラムである。まずステップ
F1において、画面に表示する頭文字のリストを取得す
る。画面に表示する頭文字は、五十音の平仮名(又は片
仮名)文字であり、濁音や半濁音その他の文字は表示し
ない(図44に表示例を図示)。濁音と半濁音について
は、清音に関連付けて、表示させるようにする。例え
ば、「か」のボタンについては、「か」及び「が」を関
連付ける。「は」のボタンについては「は」、「ば」、
「ぱ」を関連付ける。さらに、その他の関連付けも行っ
てもよい。例えば、旧字体の平仮名である「ゐ」や
「ゑ」について、各々「い」及び「え」に対して関連付
けを行ってもよい。このようにして、ステップF1で
は、清音の50音に対して、濁音、半濁音等の関連付け
を行ったリストを取得する。
【0127】次に、ステップF2において、この五十音
リストの各々に対して、該当する頭文字を有する候補者
の有無を、候補者テーブル401aより検索を行なう。
そして、ステップF3の条件分岐において、該当候補者
があれば(ステップF3における「YES」)、該当す
る仮名文字ボタンを表示する設定を行なう。例えば、五
十音リスト「さ」に対しては、図13に図示する候補者
テーブル401a1において、候補者ID=00003
の「西郷隆盛」と候補者ID=00005の「坂本竜
馬」を関連付ける。そして、この他に濁音の「ざ」で始
まる候補者がいれば、合わせて関連付ける。
【0128】一方、ステップF3の条件分岐において、
該当候補者がいなければ(ステップF3における「N
O」)、そのボタンは表示しない(図45に表示例を図
示)。なお、ボタンを完全な非表示にするのではなく
て、淡い濃度で表示された選択不可のボタンとすること
も考えられるが、選挙人の視覚能力にばらつきがあるこ
とを考慮し、誤操作防止のために、非表示とすることが
好ましい。この検索を、五十音リストのすべて仮名文字
について、継続する(ステップF6における「N
O」)。候補者の検索が終了すると(ステップF6にお
ける「YES」)、ステップF7の画面遷移処理によ
り、頭文字選択画面がステップF8により表示される。
頭文字選択画面とは、例えば、図44及び図45に図示
するような画面である。頭文字選択画面が表示される
と、ステップF9において、候補者選択ガイダンス音声
を1回だけ再生させる。例えば、「投票したい候補者の
頭文字に触れてください。投票を途中で終了する場合
は、「投票しない」に触れてください。」というガイダ
ンス音声を再生する。
【0129】ステップF10の条件分岐において、投票
者が、画面に表示された頭文字ボタンに対して、タッチ
パネル入力、あるいはバリアフリー・オプションの入力
機器(運動機能障害用プッシュスイッチ20371、視
覚障害者用専用キーボード20381等)による入力操
作を行って、入力が検出されると(ステップF10にお
ける「YES」)、次のステップF11に移る。また、
投票操作方法が自動スキャン投票である選挙人(図57
に図示する選挙人特性ID=05の選挙人)の場合に
は、ボタンにカーソルが移動して来た間にスイッチを押
下することによってステップF11に移る。
【0130】ステップF11においては、入力されたボ
タンの色と文字色をカーソル点灯時のものに変更し、一
定時間(0.2秒程度)点灯のまま待機する。そして、
ステップF12において、ガイダンス音声がまだ再生中
であれば、再生を停止する。次にステップF13におい
て、入力された頭文字ボタンに関連付けられた清音、濁
音、半濁音等を読み仮名の頭文字として有する候補者
を、候補者テーブル401aの先頭から抽出し、頭文字
該当候補者リストを作成する。例えば、頭文字選択画面
(図44又は図45)において、「お」が入力されたこ
とを検出すると、「お」に関連付けられた「大久保利
通」、「大隈重信」、「沖田総司」、「大村益次郎」で
ある候補者レコードが、頭文字該当候補者リストとして
抽出されて作成される。ステップF13における頭文字
該当候補者リストの作成が完了すると、続きのステップ
(図26及び図27に3として図示)に移行する。
【0131】一方、ステップF10の条件分岐におい
て、頭文字ボタンに対する入力を検出せず(ステップF
10における「NO」)、ステップF14において棄権
ボタン(図44又は図45において「投票しない」ボタ
ンとして図示)の入力を検出すると(ステップF14に
おける「YES」)、ステップF15において、入力ボ
タンが一定時間点灯し、ステップF16において、棄権
されたことをRAM453に記憶する。そして、ステッ
プF17においてガイダンス音声を停止し、ステップF
18において画面遷移処理を行って続きのステップ(図
26及び図28に4として図示)に移行する。
【0132】図27は、本実施例に適用される投票プロ
グラム404を構成する投票制御部435における頭文
字選択画面投票制御部435Bの処理の流れの一例を示
すフローチャート(2/5)である。これは、図26に
おけるステップF10において、頭文字入力を検出した
場合のステップF13の続きのステップである。ステッ
プF19において、候補者表示の順序をランダムに表示
する設定があるか否かの確認を行なう。候補者のランダ
ム表示は、上記したように、選挙人により投票カードが
挿入されて投票操作が実行される毎に、表示順位を変更
する設定であり、公平性の観点から設定することが可能
なオプションである。
【0133】画面内で、同一政党の候補者が2名以上い
る場合であって、かつ表示順位が指定されている場合に
おいては、政党内の順位は保ったまま、異なる政党のみ
の候補者順位を変更することが可能である。このような
ランダム表示の設定がある場合には(ステップF19に
おける「YES」)、ステップF20に移り、候補者デ
ータ401のレコード順序のランダム化処理が行われ
る。ランダム化処理は、種々の実施形態が可能である
が、例えば以下のようにする。すなわち、この選挙への
投票者数(即ち、図39に図示する投票件数)を候補者
数で割った剰余を計算し、候補者テーブル401aの先
頭のレコードから、この数の候補者を先頭から末尾へ移
動し、これをこの投票者のこの選挙への投票における候
補者テーブル401aとする。ステップF20における
かかる処理が終了すると次のステップF21に移る。
【0134】一方、このようなランダム表示の設定がな
い場合(ステップF19における「NO」)、ステップ
F20をスキップし、ステップF21に移る。ステップ
F21では、候補者データ401のデータベースを構成
する投票画面レイアウトテーブル401eに格納され
た、頭文字該当候補者選択画面(図46に図示)に表示
可能な候補者ボタンの最大数の設定を参照する。ステッ
プF22の条件分岐において、投票画面レイアウトテー
ブル401eのボタンの最大数の設定が、入力を検出し
た頭文字を有する候補者リストの総数以上である場合
(ステップF22における「YES」)、次のステップ
F23に移る。一方、ステップF22の条件分岐におい
て、ボタンの最大数の設定が、入力を検出した頭文字を
有する候補者リストの総数以下である場合(ステップF
22における「NO」)、続きのステップ(図27及び
図29に9として図示)に移る(後述)。
【0135】まず、ステップF23以降の流れについて
説明する。ステップF23では、候補者のボタンをソー
トする方向の設定をチェックする。このステップの後、
ステップF24において画面遷移処理を行い、ステップ
F25において頭文字該当候補者選択画面を表示する。
図46には、頭文字の「お」が選択された場合における
頭文字該当候補者選択画面が図示されている。頭文字該
当候補者選択画面が表示されると、ステップF26にお
いて、表示メッセージテーブル401fにリンクした共
通音声データ(図12に図示)の中から、候補者選択ガ
イダンス音声を1回だけ再生する。例えば、図46に示
す頭文字該当候補者選択画面に対しては「投票したい候
補者の名前に触れてください。頭文字を選び直す場合
は、「頭文字を選び直す」に触れてください。投票を途
中で終了する場合は、「投票しない」に触れてくださ
い」というガイダンス音声を1回だけ再生する。ステッ
プF27の条件分岐において、投票者が、画面に表示さ
れた候補者ボタンに対して、タッチパネル入力、あるい
はバリアフリー・オプションの入力機器(運動機能障害
用プッシュスイッチ20371、視覚障害者用専用キー
ボード20381等)による入力操作を行って、入力が
検出されると(ステップF27における「YES」)、
次のステップに移る。
【0136】また、投票操作方法が自動スキャン投票で
ある選挙人(図57に図示する選挙人特性ID=05の
選挙人)の場合には、ボタンにカーソルが移動して来た
間にスイッチを押下することによって次のステップに移
る。ステップF28においては、入力されたボタンの色
と文字色をカーソル点灯時のものに変更し、一定時間点
灯のまま待機する。そして、触れられたボタンが選択、
入力されたものとして、ステップF29において、選択
されたボタンに関連付けられた候補者を投票する候補者
としてRAM453上に記憶する。そして、ステップF
30において、候補者選択ガイダンス音声が再生中であ
れば、再生を停止し、選択した候補者を確認する以降の
ステップに移る。ステップF31においては、かかる画
面に遷移するための遷移処理が行われる。
【0137】図28に図示するステップF38におい
て、候補者確認画面の表示(図50に図示)が行われ
る。画面の表示が行なわれると、ステップF39におい
て、選択した候補者を表示する候補者確認ガイダンス音
声を1回だけ再生する。例えば、「確認してください。
よろしければ○に、変更する場合は×に触れてくださ
い」というガイダンス音声を再生する。そして、ステッ
プF40では、投票者は以下の操作を行なう。すなわ
ち、投票者は、選択した候補者に投票するために、タッ
チパネル入力、あるいはバリアフリー・オプションの入
力機器(運動機能障害用プッシュスイッチ20371、
視覚障害者用専用キーボード20381等)による入力
操作を行って「○ 投票する」を選択すると(ステップ
F40における「YES」)、ステップF41において
入力されたボタンの色と文字色をカーソル点灯時のもの
に変更し、一定時間点灯のまま待機する。そして、ステ
ップF42において、候補者選択ガイダンス音声が再生
中であれば、再生を停止し、このルーチンを抜ける
(「RETURN」と図示)。
【0138】一方、投票者は、選択した候補者に投票す
るために、タッチパネル入力、あるいはバリアフリー・
オプションの入力機器(運動機能障害用プッシュスイッ
チ20371、視覚障害者用専用キーボード20381
等)による入力操作を行って「× 変更する」を選択す
ると(ステップF40における「NO」、かつステップ
F43における「YES」)、ステップF44において
入力されたボタンが点灯して一定時間待機した後に、ガ
イダンス音声がステップF45において停止して、図2
7におけるステップF25に戻り(図27及び図28に
8として図示)、頭文字該当候補者選択画面を表示す
る。候補者確認画面の表示は、投票者がいずれかのボタ
ンを選択するまで、継続して表示される(ステップF4
3における「NO」)。
【0139】一方、図27におけるステップF27の条
件分岐において、候補者ボタンの入力を検出せず(ステ
ップF27における「NO」)、かつステップF32の
条件分岐において、頭文字選択やり直しボタン(図46
に「頭文字を選び直す」ボタンとして図示)の入力を検
出した場合(ステップF32における「YES」)、図
26に図示するステップF8に戻り(図27及び図26
にとして図示)、頭文字選択画面(図44または図4
5に図示)を再度表示する。
【0140】一方、ステップF32の条件分岐におい
て、頭文字選択やり直しボタン(図46に「頭文字を選
び直す」ボタンとして図示)の入力を検出せず(ステッ
プF32における「NO」)、かつステップF33にお
いて棄権ボタン(図46に「投票しない」ボタンとして
図示)の入力を検出した場合(ステップF33における
「YES」)、ステップF34において、入力ボタンが
一定時間点灯し、ステップF35において、棄権された
ことをRAM453に記憶する。そして、ステップF3
6においてガイダンス音声を停止し、ステップF37に
おいて画面遷移処理を行なう。続きのステップは図28
における4の端点から行なう(図27及び図28に4と
して図示)。即ち、ステップF46において棄権確認画
面(図51に図示)を表示し、ガイダンス音声を再生す
る(ステップF47)。例えば、「確認してください。
よろしければ「○」に、変更する場合は「×」に触れて
ください」というガイダンス音声を再生する。
【0141】次に、ステップF48の条件分岐におい
て、「○ 投票しない」が入力されたことを検出すると
(ステップF48における「YES」)、ステップF4
9において入力されたボタンを一定時間点灯させて待機
し、ステップF50においてガイダンス音声の再生を停
止し、このルーチンを抜ける(「RETURN」と図
示)。一方、ステップF48の条件分岐において、「○
投票しない」ボタンが入力されずに(ステップF48
における「NO」)、「× 変更する」ボタンの入力が
検出されると(ステップF51における「YES」)、
ステップF52において入力されたボタンを一定時間点
灯させて待機し、ステップF53においてガイダンス音
声を停止した後に、端点7を経由して図26のF8のス
テップに戻り、頭文字選択画面(図44又は図45に図
示)を表示する。なお、棄権確認画面の表示は、「○
投票しない」、「× 変更する」のいずれかのボタンの
入力が検出されるまで継続して表示される(ステップF
51における「NO」)。
【0142】一方、図27に図示するステップF22の
条件分岐において、投票画面レイアウトテーブル401
eにおける候補者ボタンの最大数の設定が、入力を検出
した頭文字を有する頭文字該当候補者リストの総数以下
である場合(ステップF22における「NO」)、図2
9〜図30に図示する一連のステップが実行される(図
27及び図29に9として図示)。
【0143】図29は、本実施例に適用される投票プロ
グラム404を構成する投票制御部435における頭文
字選択画面投票制御部435Bの処理の流れの一例を示
すフローチャート(4/5)である。以下のステップ
は、同一の頭文字(清音、濁音、半濁音等を含む)を有
する立候補者が多数おり、一画面に表示可能な候補者ボ
タンの最大数(例えば、本実施形態における15インチ
のLCDディスプレイの場合は28名程度)を超えてい
る場合に、複数の頁に分割して表示する投票画面であ
る。ステップF54において、入力を検出した頭文字に
対応する頭文字該当候補者リストの人数と、一画面に表
示可能な候補者ボタンの最大数からページ数を算出して
記憶する。
【0144】すなわち、入力を検出した頭文字に対応す
る頭文字該当候補者リストの人数を、候補者データ40
1における投票画面レイアウトテーブル401eにより
予め設定された候補者ボタンの数で割り、剰余を繰り上
げた数値を算出する。そして、この数値をページ数とし
てRAM453に記憶する。次にステップF55の条件
分岐において、入力した頭文字に該当する候補者選択画
面が複数頁存在することを投票者に報知ための案内画面
を表示する設定の有無を確認する。かかる案内画面の表
示設定がある場合(ステップF55における「YE
S」)、ステップF56において画面遷移処理を行い、
複数頁存在を報知する案内画面を表示する(ステップF
57)。
【0145】かかる画面の一例を、図48に図示する。
同図においては、入力された頭文字に該当する候補者が
全部で3頁に分割されて表示することを、候補者ボタン
の表示に先立って、投票者に対して案内する画面であ
る。この画面が表示された際には、ステップF58にお
いて、ガイダンス音声の再生が行われる。例えば、「候
補者名の画面は全部で3頁あります。画面の上にある
「次頁ボタン」を押して候補者を探してください」など
というガイダンス音声を再生する。、ステップF59の
条件分岐において、「次ページ」ボタンの入力を検出し
た場合、(ステップF59における「YES」)、次の
ステップF60に移行し、入力されたボタンが点灯した
後に、ステップF61において、ガイダンス音声を停止
する。
【0146】一方、「次ページ」ボタンの入力がなされ
るまでは、複数頁案内画面が継続して表示され、ガイダ
ンス音声も繰り返し再生される。一方、ステップF55
の条件分岐に案内画面の表示を実行する設定がない場合
(ステップF55におけるNO」)、上記したF56〜
F61のステップをスキップし、ステップF62に移行
する。さて、ステップF62において、ページ番号を格
納する変数nに数値1を代入して、ページ数を1頁に設
定する。次に、ステップF63において、候補者の表示
のソート順の確認を行った後に、画面に表示する候補者
を規定する次のステップに移行する。すなわち、ステッ
プF64において、入力された頭文字に該当する候補者
リストから、現在のページ番号をnとして、((n−
1)×(候補者ボタンの数)+1)番目の候補者から、
(n×(候補者ボタンの数))番目の候補者を抽出す
る。ただし、現在のページ番号nが、最終頁である場
合、候補者リストの最後の候補者までを抽出する。
【0147】次に、複数頁の画面の移動に使用する「前
ページ」ボタン又は「次ページ」ボタンの表示に関す
る、以下の設定を行なう。すなわち、ステップF65の
条件分岐において、ページ番号n=1(最初の頁)であ
った場合には(ステップF65における「YES」)、
ステップF66において「前ページ」ボタンを非表示と
する設定を行なう。一方、ステップF65の条件分岐に
おいて、ページ番号n=1でない場合(ステップF65
における「NO」)、次のステップF67の条件分岐に
移行し、ページ番号n=総ページ数であれば(ステップ
F67における「YES」)、「次ページ」ボタンを非
表示とする設定を行なう。ページ番号nが先頭頁及び最
終頁のいずれでもない場合(ステップF67における
「NO」)、画面遷移を行なうステップF69に移行す
る。続きのステップは、端点10で接続される図30に
図示するステップで行われる。
【0148】図30は、本実施例に適用される投票プロ
グラム404を構成する投票制御部435における頭文
字選択画面投票制御部435Bの処理の流れの一例を示
すフローチャート(5/5)である。以下では、入力さ
れた頭文字に該当する候補者が複数頁にわたる場合の投
票制御処理のステップの続きを説明する。まず、ステッ
プF70において、頭文字該当候補者の複数頁選択画面
が表示される(図47に図示)。画面表示が実行される
と、ステップF71において、表示メッセージテーブル
401fにリンクした共通音声データ(図12に図示)
の中から、候補者選択ガイダンス音声を1回だけ再生す
る。
【0149】例えば、図47に示す頭文字該当候補者複
数頁選択画面に対しては「投票したい候補者の名前に触
れてください。投票したい候補者がいない場合は「前ペ
ージ」ボタンまたは「次ページ」ボタンに触れて、候補
者を探してください。頭文字を選び直す場合は、「頭文
字を選び直す」に触れてください。投票を途中で終了す
る場合は、「投票しない」に触れてください」などとい
うガイダンス音声を1回だけ再生する。ステップF72
の条件分岐において、投票者が、画面に表示された候補
者ボタンに対して、タッチパネル入力、あるいはバリア
フリー・オプションの入力機器(運動機能障害用プッシ
ュスイッチ20371、視覚障害者用専用キーボード2
0381等)による入力操作を行って、候補者ボタンの
入力が検出されると(ステップF72における「YE
S」)、次のステップに移る。
【0150】また、投票操作方法が自動スキャン投票で
ある選挙人(図57に図示する選挙人特性ID=05の
選挙人)の場合には、候補者ボタンにカーソルが移動し
て来た間にスイッチを押下することによって次のステッ
プに移る。ステップF73においては、入力された候補
者ボタンの色と候補者名の文字色をカーソル点灯時のも
のに変更し、一定時間点灯のまま待機する。そして、触
れられたボタンが選択、入力されたものとして、ステッ
プF74において、選択されたボタンに関連付けられた
候補者を投票する候補者としてRAM453上に記憶す
る。そして、ステップF75において、候補者選択ガイ
ダンス音声が再生中であれば、再生を停止し、選択した
候補者を確認する以降のステップに移る。
【0151】ステップF76においては、かかる画面に
遷移するための遷移処理が行われる。端点5で接続され
る図28に図示するステップF38において、候補者確
認画面の表示(図50に図示)が行われる。画面の表示
が行なわれると、ステップF39において、選択した候
補者を表示する候補者確認ガイダンス音声を1回だけ再
生する。例えば、「確認してください。よろしければ○
に、変更する場合は×に触れてください」というガイダ
ンス音声を再生する。そして、ステップF40では、投
票者は以下の操作を行なう。すなわち、投票者は、選択
した候補者に投票するために、タッチパネル入力、ある
いはバリアフリー・オプションの入力機器(運動機能障
害用プッシュスイッチ20371、視覚障害者用専用キ
ーボード20381等)による入力操作を行って「○
投票する」を選択すると(ステップF40における「Y
ES」)、ステップF41において入力されたボタンの
色と文字色をカーソル点灯時のものに変更し、一定時間
点灯のまま待機する。そして、ステップF42におい
て、候補者選択ガイダンス音声が再生中であれば、再生
を停止し、このルーチンを抜ける(「RETURN」と
図示)。
【0152】一方、投票者は、選択した候補者に投票す
るために、タッチパネル入力、あるいはバリアフリー・
オプションの入力機器(運動機能障害用プッシュスイッ
チ20371、視覚障害者用専用キーボード20381
等)による入力操作を行って「× 変更する」を選択す
ると(ステップF40における「NO」、かつステップ
F43における「YES」)、ステップF44において
入力されたボタンが点灯して一定時間待機した後に、ガ
イダンス音声がステップF45において停止して、図2
7におけるステップF25に戻り(図27及び図28に
8として図示)、頭文字該当候補者選択画面を表示す
る。候補者確認画面の表示は、投票者がいずれかのボタ
ンを選択するまで、継続して表示される(ステップF4
3における「NO」)。
【0153】一方、図27におけるステップF27の条
件分岐において、候補者ボタンの入力を検出せず(ステ
ップF27における「NO」)、かつステップF32の
条件分岐において、頭文字選択やり直しボタン(図46
に「頭文字を選び直す」ボタンとして図示)の入力を検
出した場合(ステップF32における「YES」)、図
26に図示するステップF8に戻り(図27及び図26
に7として図示)、頭文字選択画面(図44または図4
5に図示)を再度表示する。
【0154】一方、ステップF72の条件分岐におい
て、画面に表示された候補者ボタンに対する入力が検出
されずに(ステップF72における「NO」)、「前ペ
ージ」ボタンの入力が検出された場合(ステップF77
における「YES」)、ステップF78において、「前
ページ」ボタンを点灯させた後に、ステップF79にお
いて、ページ数の変数nにn−1を代入する。かかるペ
ージ数をデクリメントが完了すると、端点11で接続さ
れる図29のステップF64に戻り、候補者の抽出処理
を行なう。すなわち、ステップF64において、入力さ
れた頭文字に該当する候補者リストから、現在のページ
番号をnとして、((n−1)×(候補者ボタンの数)
+1)番目の候補者から、(n×(候補者ボタンの
数))番目の候補者を抽出する。ただし、現在のページ
番号nが、最終頁である場合、候補者リストの最後の候
補者までを抽出する。
【0155】一方、ステップF77の条件分岐におい
て、「前ページ」ボタンの入力が検出されずに(ステッ
プF77における「NO」)、「次ページ」ボタンの入
力が検出された場合(ステップF80における「YE
S」)、ステップF81において、「次ページ」ボタン
を点灯させた後に、ステップF81において、ページ数
の変数nにn+1を代入する。かかるページ数をインク
リメントが完了すると、端点11で接続される図29の
ステップF64に戻り、上記した候補者の抽出処理を行
なう。
【0156】一方、ステップF80の条件分岐におい
て、「次ページ」ボタンの入力が検出されずに(ステッ
プF80における「NO」)、「頭文字を選び直す」ボ
タンの入力が検出された場合(ステップF83における
「YES」)、端点7で接続される図26のステップF
8に移り、頭文字選択画面を表示する。
【0157】一方、ステップF83の条件分岐におい
て、「頭文字を選び直す」ボタンの入力が検出されずに
(ステップF83における「NO」)、「投票しない」
ボタンの入力が検出された場合(ステップF84におけ
る「YES」)、ステップF85において、入力ボタン
が一定時間点灯し、ステップF86において、棄権され
たことをRAM453に記憶する。そして、ステップF
87においてガイダンス音声を停止し、ステップF88
において画面遷移処理を行なう。続きのステップは図2
8における4の端点から行なう(図30及び図28に4
として図示)。なお、ステップF70における頭文字該
当候補者複数頁選択画面(図47に図示)の表示は、い
ずれかのボタンの入力が検出されるまで継続して表示さ
れる(ステップF84における「NO」)。
【0158】図31は、本実施例に適用される投票プロ
グラム404を構成する投票データ記録部434の処理
の流れの一例を示すフローチャートである。投票プログ
ラム404は、投票データ407、投票ログ4075を
原本、副本の2つの記録媒体に二重化して記録し、記録
にあたっては、2つの媒体を独立してアクセスすること
で、障害発生時においても、いずれかの投票データが確
保されるよう設計することが好ましい。投票プログラム
404の投票画面作成部433によりLCD20311
上に表示される画面(図39〜図51に一実施例を図
示)を投票者が操作して、投票したい候補者を確定する
ボタン(図51に図示する「○投票します」ボタン)を
押下され、投票の内容がRAM453に内部記憶された
ときは、投票データ記録部434のサブルーチンがコー
ルされ、以下のステップを有する投票データ記録処理が
開始される。
【0159】すなわち、ステップD1において、原本用
記録媒体408上の投票ログ格納用ファイルがオープン
され、ステップD2において、原本用記録媒体に投票開
始ログが記録される。投票開始ログとは、例えば「原本
への記録を開始」のような文字列である。投票開始ログ
の記録が終了すると、ファイルクローズされ(ステップ
D3)、次のステップD4において、原本用記録媒体4
08上の投票データ格納用のファイルがオープンされ
る。
【0160】そして、ステップD5において、原本用記
録媒体上にオープンされたファイルに対して、RAM4
53に内部記憶された投票の内容を書き込む。書込み
は、RAM453内部の図示しないキャッシュ領域を使
用して高速な書込みが行われる。書込みが終了するとフ
ァイルをクローズし、投票データを有するファイルが生
成される(ステップD6)。さらに、ステップD7〜D
9において、原本用記録媒体408上に投票終了ログ
(例えば「原本への記録を終了」のような文字列)の書
込みも行なう。原本用記録媒体408に対して投票デー
タ407及び投票ログ4075の書込みが終了すると、
ステップD10においてキャッシュの吐き出し(ダン
プ)を待機した後に、次のステップに移る。
【0161】ステップD11〜D18は、原本用記録媒
体408に最初に記録された投票データ407の照合
(ベリファイ)を行なうステップである。すなわち、ス
テップD11において、原本用記録媒体408の投票デ
ータ格納用ファイル(ステップD6でファイルクローズ
を行ったファイル)がオープンされ、ステップD12に
おいて、ファイル内の投票データ407の読み出しが行
われる。読み出された投票データ407は、ステップD
13において、RAM453の図示しない作業領域に記
憶され、投票プログラム404が管理するメモリ空間に
記憶された投票データと比較、照合が行われる。ステッ
プD14の条件分岐において、照合が正常になされた場
合には(ステップD14の「YES」)、次のステップ
D15に移る。
【0162】照合が正常に行われなかった場合には、原
本用記録媒体408への書き込みを禁止する処理を行
い、投票データの書込み障害が発生したことを示すエラ
ー画面(図55に図示)をLCD20311に出力する
とともに、操作表示灯20301bに点滅信号を出力す
る。このようなケースは、原本用記録媒体に不良があっ
た場合等に発生する。このような書き込みエラーが発生
した場合には、原本用記録媒体の使用を禁止し、開票時
においては副本用記録媒体409のみを使用するような
運用形態をとることが好ましい。この際に、このエラー
が発生した投票以前に副本用記録媒体409に記録され
たデータのみが有効となる。投票者に対しては、図55
に図示するような致命的エラーの発生画面を報知すると
ともに、投票所の係員(投票管理者あるいは投票立会
人)が画面を確認して、投票カードを再発行し、エラー
が発生した電子投票装置とは別の電子投票装置で再投票
をするようにする。照合が成功した後のステップD15
〜D18においては、原本用記録媒体408に記録され
た投票ログの照合が同様なプロセスで行われる。
【0163】ステップD18の条件分岐において、投票
ログの照合が正常に行われた場合には(ステップD18
における「YES」)、原本用記録媒体に正常に投票デ
ータ407及び投票ログ4075が確実に記録されたこ
とになり、法的な意味での投票が確定される。投票が確
定されると、投票が確定したことを投票者に報知するた
めに、ステップD19において、投票確定LED203
4を配置した基板に対してGPIO経由で出力し、投票
確定LED2034を点灯させる。点灯状態は、投票カ
ード406が排出され、投票者の手で抜き取られるまで
保持される。投票カードが排出されるまでの間に、シス
テムダウンが発生した場合においても、高い確率で点灯
状態が保存される。また、ステップD18の条件分岐に
おいて、投票ログの照合が正常に行われなかった場合に
は(ステップD18における「NO」)、原本用記録媒
体408への書き込みを禁止する処理を行い、投票デー
タの書込み障害が発生したことを示すエラー画面(図5
5に図示)をLCD20311に出力するとともに、操
作表示灯20301bに点滅信号を出力する。以後は、
上記したものと同様な運用形態がとられ、再投票を行な
わせる。
【0164】次に、ステップD20〜D33では、副本
用記録媒体409に対して、投票データ407の複製が
とられる。投票データ407の複製は、原本用記録媒体
407に記録された投票データと照合されて一致するこ
とが確認されたRAM453上の投票データを副本用記
録媒体409に記録することにより行なう。したがっ
て、副本用記録媒体への記録時には、原本用記録媒体4
08へのファイルアクセスを行わず、障害が発生する恐
れのあるプロセスをできるだけ排除することとしてい
る。
【0165】さて、ステップD20においては、副本用
記録媒体409上の投票ログ格納用ファイルがオープン
され、ステップD21において、副本用記録媒体に投票
開始ログが記録される。投票開始ログとは、例えば「副
本への記録を開始」のような文字列である。投票開始ロ
グの記録が終了すると、ファイルクローズされ(ステッ
プD22)、次のステップD23において、副本用記録
媒体409上の投票データ格納用のファイルがオープン
される。そして、ステップD24において、副本用記録
媒体上にオープンされたファイルに対して、RAM45
3に内部記憶された投票の内容を書き込む。書込みは、
RAM453内部の図示しないキャッシュ領域を使用し
て高速な書込みが行われる。書込みが終了するとファイ
ルをクローズし、投票データの副本を有するファイルが
生成される(ステップD25)。さらに、ステップD2
6〜D28において、副本用記録媒体408上に投票終
了ログ(例えば「副本への記録を終了」のような文字
列)の書込みも行なう。副本用記録媒体409に対して
投票データ407及び投票ログ4075の書込みが終了
すると、ステップD29においてキャッシュの吐き出し
(ダンプ)を待機した後に、次のステップに移る。
【0166】ステップD30〜D33は、副本用記録媒
体409に記録された投票データ407の照合(ベリフ
ァイ)を行なうステップである。すなわち、ステップD
30において、副本用記録媒体409の投票データ格納
用ファイル(ステップD25でファイルクローズを行っ
たファイル)がオープンされ、ステップD31におい
て、ファイル内の投票データ407の読み出しが行われ
る。読み出された投票データ407は、ステップD32
において、RAM453の図示しない作業領域に記憶さ
れ、投票プログラム404が管理するメモリ空間に記憶
された投票データと比較、照合が行われる。ステップD
33の条件分岐において、照合が正常になされた場合に
は(ステップD33の「YES」)、次のステップD3
4に移る。
【0167】照合が正常に行われなかった場合には、副
本記録媒体409への書き込みを禁止する処理を行い、
複写の作成時に障害が発生したことを示すエラー画面
(図54に図示)をLCD20311に出力するととも
に、操作表示灯20301bに点滅信号を出力する。こ
のようなケースは、原本用記録媒体には正常に投票デー
タが書き込まれているが、副本用記録媒体に不良があっ
た場合等に発生する。このような書き込みエラーが発生
した場合には、当該電子投票装置の使用を禁止するとと
もに、開票時においては副本用記録媒体の使用を禁止
し、原本用記録媒体408のみを使用するような運用形
態をとることが好ましい。この際に、このエラーが発生
した投票以前に原本用記録媒体408に記録されたデー
タのみが有効となる。そして、投票者に対しては、図5
4に図示するような複写作成エラー画面を報知するとと
もに、投票所の係員(投票管理者あるいは投票立会人)
が画面を確認して、投票が確定していることを投票者に
伝えるようにする。
【0168】照合が成功した後のステップD34〜D3
7においては、副本用記録媒体409に記録された投票
ログ4075の照合が同様なプロセスで行われる。な
お、障害発生時には、上記したように、いずれの投票デ
ータ407が正常なものであるか確認可能とすることが
好ましい。この確認については、可能な限り電子投票装
置で表示を行なうが、障害度合いにおいては、記録媒体
内のデータの精査が必要となる場合も起こり得る。かか
る精査は開票所で行なうため、障害発生時の投票者に対
して、予備的に自書投票を行ってもらい封筒に封入する
措置が必要となる。
【0169】図32は、本実施例に適用される運用カー
ドを発行するカード発券機のハードウェア構成の一例を
示す図である。カード発券機201のハードウェア構成
は、一般的な処理速度を有するパーソナルコンピュータ
(PC:Personal Computer)で実現することが可能で
ある。運用カード405及び投票カード406を発行す
る発券機カードリーダライタ2012は、本実施例では
ICカードリーダライタであり、PC本体にUSBイン
ターフェース(USB:Universal Serial Bus)等によ
り接続することができる。
【0170】また、選管から配布されるカード認証キー
403と投票所における実施選挙の種類402を格納す
る発券機用メディア202は、FDを用いることができ
る。また、乱数発生器20120は、乱数をソフトウェ
ア的に発生させる場合には、特に接続する必要がない。
後述する物理乱数を発生する場合にのみ使用する。HD
D(HDD:Hard Disk Drive)は、OSや後述する発
券プログラム504、選挙人名簿等のデータを格納す
る。発券機ディスプレイ2011は、ブラウン管(CR
T:Cathode Ray Tube)又は液晶(LCD)のいずれの
型を用いてもよい。また入力デバイスは、キーボードと
マウスを用いることができる。
【0171】図33は、本実施例に適用される運用カー
ド405を発行するカード発券機のソフトウェア構成の
一例を示す図である。発券プログラム504は、発券機
メディア読取部531、カード読取部532、投票所I
D生成部533、発券データ記録部534、発券制御部
535を有する。カード読取部532は、カード発券機
201に挿入されるカードの読み取りを制御する。投票
所ID生成部533は、投票所に固有の識別番号である
投票所IDの生成を行なう。
【0172】発券データ記録部534は、投票カード4
06又は運用カード405に対し、図21に図示するデ
ータの記録を行なう。特に、選管から配布されるICカ
ードにカード認証キー403を記録しない状態で配布す
る運営形態の場合には、本発券データ記録部534が、
カード認証キーをICカードに記録する機能を有する。
発券制御部535は、発券機ディスプレイ2011に表
示される画面の制御を行なう。
【0173】図34は、本実施例に適用される発券機メ
ディアのデータ構造の一例を示す図である。発券機メデ
ィア202は、カード認証キー403と実施選挙の種類
402、及び発券プログラム504を格納する。
【0174】図35は、本実施例に適用される発券機メ
ディアに格納される実施選挙の種類402を示す図であ
る。選管から配布される実施選挙の種類402には、カ
ード発券機201が設置される投票所で実施すべき選挙
のIDが記録されている。選挙ID=1および、選挙I
D=3の選挙を実施しなければならないことを示してい
る。これらの選挙IDは、投票カード406の発券時に
参照され、図21に図示する投票カードの投票フラグ2
022a及び2022cにおいて投票可能のフラグが立
てられることとなる。
【0175】図36は、本実施例に適用される発券プロ
グラムを構成する投票所ID生成部533の一例を示す
フローチャートである。ステップS2301において、
乱数データの入力がリアルタイムに行われる。これは外
部からの入力であってもよいし、カード発券機201内
部の演算により生成を行ったものを入力してもよい。入
力された乱数はRAM20118に取り込まれる(S2
302)。投票管理者がキーボードにより適当なキー入
力を行ったとき、RAM20118上の所定アドレス間
のデータを切り出し、管理者ID(投票所ID)バッフ
ァに格納され(S2305)、運用カードへの書込みの
準備ができた場合に当該バッファの値を出力して(S2
306)投票所ID4055を確定する。
【0176】図37及び図38は、本実施例に適用され
る運用カード405及び投票カード406を用いて、電
子投票システムの運営方法の流れを示すフローチャート
である。本実施例に適用される電子投票システムの運営
方法は、電子投票による選挙の際に、選挙期日(投票
日)に先立って、選挙のデータ(候補者データ4015
等)を作成する選挙データ作成システム100と、選挙
期日に各投票所に設置され、前記選挙データ作成システ
ムから移送されたデータを使用して、選挙人(投票者)
による投票を受け付ける電子投票装置203と、電子投
票装置203が情報を読取り可能なカード(投票カード
406又は運用カード405)を発行するカード発券機
201を備えた投票所システム200とを備えた電子投
票システムの運営方法に関するものである。そして、そ
の運営方法は図37及び図38に図示するような以下の
ステップから構成される。
【0177】すなわち、図37に図示するように、まず
投票日の投票開始時刻の前において、選挙データ作成シ
ステム100が、カード(投票カード406又は運用カ
ード405)の読み取りの認証に関するカード認証キー
403を予め生成するステップS1801を有する。カ
ード認証キー403の具体的実施態様としては、カード
としてICカードを使用する場合には、ICチップ内部
に暗号化されて記録されたデータを読み取るための復号
鍵やパスワード等が挙げられる。これらは、任意の数値
あるいは文字列の組み合わせにより実現される。
【0178】選挙データ生成システム100により作成
された全ての投票所において共通の認証キー403を、
電子投票装置203とカード発券機201に対して入力
するステップS1802を有する。例えば、FDやメモ
リカード等の可搬性のある記録媒体等にカード認証キー
403を記録して各投票所に移送し、電子投票装置20
3内部のRAM453及びカード発券機201の内部の
RAM20118上に認証キー403を記憶させる。こ
のように、各投票所に配布するカード認証キー403を
共通化し、さらに投票プログラム404及び候補者デー
タ401も共通化して、同一コンテンツの副本用記録媒
体409を配布するように構成することにより、各投票
所へのメディア配送時の人的ミスの発生を極めて低く抑
えることが可能となる。
【0179】各投票所に設置されたカード発券機201
が、投票日の投票開始時刻の前において、投票所に固有
の管理識別コード4055(投票所ID、管理ID、投
票所IDともいう)を生成するステップS1803を有
する。投票所ID4055は、乱数等を用いて生成され
た任意の数値列又は文字列、あるいはこれらの任意の組
み合わせにより実施可能である。管理識別コード405
5は、原則として投票所毎に異なるコードとなるため、
投票所IDともいう。
【0180】カード発券機201を用いて、各投票所に
おける投票管理者(カード認証キー403を発行した選
挙管理委員会の職員とは異なる)が管理所有するICカ
ードである運用カード405に、カード認証キー403
と投票所ID4055とを記録するステップS1804
を有する。なお、本発明は、他の実施形態として、上記
のように各投票所でカード認証キー403をメディアに
記録するのではなくて、選挙データ作成システム100
が認証キー403を生成した際に運用カード405用の
ブランクメディアに記録し、各投票所の投票管理者に対
してこれを配布することも可能である。この場合には、
投票所において、カード認証キー403が予め記録され
た運用カード405に対して、投票所ID4055のみ
を記録する。
【0181】カード認証キー403と投票所ID405
5とが記録された運用カード405を、投票所の投票管
理者がカード発券機201から取り出し、同一投票所内
の電子投票装置203に移送するステップS1805を
有する。電子投票装置203が有する投票カード記録読
取手段2032に運用カード405を挿入し(ステップ
S1805a)、運用カード405に記録されたカード
認証キー403と、電子投票装置203のRAM453
上に記録されたカード認証キーとを照合するステップS
1806を有する。例えば、電子投票装置203が、運
用カードのICチップに対して認証キー403を送信
し、ICチップの読取りのパスワードを解除可能な否か
を判定する。あるいは、ICチップ内のデータが平文で
なく暗号文の場合には、復号化できるか否かを判定す
る。
【0182】ステップS1807の条件分岐において、
照合が正常に行われた場合にのみ(ステップS1807
の「YES」)、カードに記録されたカード種別(投票
カードか運用カードかのID)を読み取る(ステップS
1808)。カード種別が運用カードであった場合には
(ステップS1808aの「YES」)、次のステップ
に移る。電子投票装置203が、運用カード405に記
録された管理識別コード4055を読み取るステップS
1809を有する。もし、正常に読み取られた場合には
(ステップS1810の「YES」)、電子投票装置の
RAM453上に記憶、蓄積し(ステップS181
1)、カード挿入待ち画面をLCD画面2031に表示
し(ステップS1812)、電子投票装置が投票可能な
状態になる。
【0183】このようにして、カード発券機201が投
票日当日に生成した管理識別コード4055が、カード
発券機201と同一の投票所内に設置された各々の電子
投票装置に伝播される。これらの一連のステップによ
り、投票所内のカード発券機201及び(通常は複数
の)電子投票装置203とが同一の管理識別コード40
55(投票所ID)で管理されることになり、この管理
識別コードを有する投票カード406のみを受け入れ可
能となる。
【0184】上記した一連のステップは、電子投票装置
203を投票開始可能な状態にするためのステップであ
るから、投票日当日の投票開始時刻の前に行なうのがよ
い。このステップを行なう前の、投票日前日の電子投票
装置設置後から投票日当日にかけては、いかなる人間も
投票を開始することができない。このように運用カード
を用いた電子投票システムの運営方法は、簡便な方法
で、特別な警備のコストを削減できるばかりでなく、選
挙運営の透明性を確保できるという効果がある。
【0185】なお、これらの操作は、投票管理者が必ず
しも行わなければならないものではない。例えば、投票
所に最初に来場した選挙人に対して発行された投票カー
ド406を、運用カードの代わりにもちいて、投票管理
者の立会いのもと、発券機201から電子投票装置20
3への投票所IDの伝播を行なうように運営することも
可能である。このような場合には、運用カードは不要で
あり、投票カードのみで、投票所ID(管理識別コー
ド)を伝播させるような運営の形態となる。
【0186】また、上記したステップのうち、カード認
証キー403の照合に失敗した場合(ステップS180
7の「NO」)、あるいはカード種別が運用カード40
5でない場合(ステップ1808aの「NO」、若しく
は管理識別コード(投票所ID)を正常に読み取ること
ができなかった場合(ステップS1810の「NO」)
には、ステップS1813のカード排出処理により、運
用カード405が排出され、電子投票装置がカード挿入
待ち画面(図39に図示)を表示する。
【0187】次に、図38を参照しながら、投票開始時
刻の後のステップを説明する。はじめに、管理識別ID
4055を記憶した電子投票装置203には、図39に
図示するようなカード挿入待ち画面が表示されている
(ステップS1901)。図38において、投票所の受
付で投票所の係員が選挙人名簿との対照を行なうことに
より本人確認を行った選挙人(投票者)に対し、前記カ
ード発券機201により、全投票所共通の認証キー40
3及び投票所固有の管理識別コード4055を記録した
投票カード406を発券するステップS1902を有す
る。投票カード406は、電子投票装置203に挿入し
たときに、電子投票装置203を投票可能な状態にさせ
るアクチベータであり、投票カードには、管理識別コー
ド(投票所ID)4055以外に図21に図示する選挙
人特性ID2021(選挙人の身体障害の種類によって
選択可能な入出力手段のコード)、実施される選挙の選
挙IDに対する投票可能か未発券かを識別する投票フラ
グ2022等が記録されている。
【0188】選挙人により発券機201から電子投票装
置203まで人的に移送され、選挙人が電子投票装置2
03に投票カード406を挿入するステップS1903
を有する。すなわち、選挙人は投票所で発券された投票
カード406を投票管理者から受け取った後に投票所内
に設置された電子投票装置203に向かい、投票カード
記録読取手段2022に挿入する。投票カードは、カー
ド搬送機構により機械的に電子投票装置203内部に取
り込まれる。
【0189】電子投票装置203により、RAM453
上に蓄積された認証キー203を使用して投票カード4
06を読取り、認証キーを照合するステップS1904
を有する。これは、投票プログラム404のカード制御
部415により、データの読取に先立って、読取可能か
否かを判断を行なうステップである。照合された場合に
は(ステップS1905の「YES」)、次のステップ
に移行する。照合が正常に行なうことができなかった場
合には(ステップS1905の「NO」)、投票カード
を投票カード記録読取手段2022から排出し(ステッ
プS1914)、投票カード入力待ち状態のステップS
1901に戻る。
【0190】カード認証キーの照合が正常になされた場
合には、カード種別の読取りのステップを有する。すな
わち、挿入されたカードが、投票カードか運用カードか
を識別するコードを読み取る(ステップS1906)。
これは、図21には、カード種別として図示されてい
る。カード種別が投票カードであった場合には(ステッ
プS1907の「YES」)、次のステップに移る。も
し、カード種別が運用カードであったり、正常に識別コ
ードを読み取ることができなかったりした場合には(ス
テップS1907の「NO」)、カード排出処理(ステ
ップS1914)を経て、ステップS1901に戻る。
【0191】次に、図38における投票カード406の
管理識別コード4055を読み取るステップS1908
を有する。仮に、正常に読み取られた場合には(ステッ
プS1908aの「YES」)、次のステップに移る。
読取りに失敗した場合には、カード排出処理のステップ
S1914を経て、ステップ1901に戻る。
【0192】次に投票カード406から読み取った前記
管理識別コード4055と、電子投票装置203のRA
M453上に予め記憶された管理識別コード4055と
を照合するステップS1909を有する。これは、電子
投票装置203に挿入された投票カード406が、当該
電子投票装置が設置された投票所の発券機201により
確かに発券されたカードであるかどうかの、正当性を照
査するステップである。仮に当該投票所以外の発券機で
発行されたカードが用いられた場合には、カード排出処
理のステップS1914により、それらの投票カードは
受け付けられないこととなる。また、投票カードの偽造
を行なうことも、極めて困難である。投票カードに記録
された管理IDは、投票日当日に発行されるものである
から、投票日に先立って偽造カードを製造することは事
実上不可能である。また、投票日においては、投票カー
ドは、認証キーによって読取保護されており、しかも既
に述べたように投票終了後にデータが初期化されるもの
であるから、管理IDを盗み出すことは極めて困難であ
る。こうして、投票カードの悪用による不正投票の危険
性を事実上解消することができる。
【0193】最後に、前記管理識別コード4055の照
合が正常になされた場合にのみ(ステップS1910の
「YES」)、投票カードに記録された選挙情報を読取
り(ステップS1911)、読み取った選挙の候補者を
選択可能な画面を表示して(ステップS1912)、電
子投票装置203により選挙人が投票動作を開始するス
テップS1913を有する。選挙人は、電子投票装置2
03内部で動作する投票プログラム404により、タッ
チパネル式LCD2031上に表示された候補者選択画
面を選択操作し、投票を行なう。
【0194】図39は、本実施例に適用される電子投票
装置203のLCD20311に表示される投票カード
入力待ち画面の一例を示す図である。「投票カードを入
れてください」というガイダンスが文字及び音声により
行われるとともに、電子投票装置203のカード記録読
取手段2032の位置と投票カード406の挿入の向き
が選挙人にわかりやすいようにアニメーション表示され
る。また画面右下に、この電子投票装置203で投票さ
れた票数が、投票件数として表示されている。最初の投
票者は、この表示が0件であることを確認し(零票確
認)、投票を開始する。なお、この投票カード入力待ち
画面は、投票プログラム404における投票画面作成部
433により、候補者データ401における固定画面レ
イアウトテーブル401d及び表示メッセージテーブル
401fが参照されて作成され、LCD20311上に
表示される。
【0195】図40は、本実施例に適用される電子投票
装置203のLCD20311に表示される投票カード
抜取待ち画面の一例を示す図である。投票が終了し、カ
ード記録読取手段2032より投票カード406が自動
排出されると、当該投票を行った選挙人に対して「投票
が終了しました。投票カードを抜き取り、投票カードを
係員にお返しください。」というガイダンスが文字及び
音声により行われる。なお、この投票カード抜取待ち画
面は、投票プログラム404における投票画面作成部4
33により、候補者データ401における固定画面レイ
アウトテーブル401d及び表示メッセージテーブル4
01fが参照されて作成され、LCD20311上に表
示される。
【0196】図41は、本実施例に適用される電子投票
装置203の候補者選択画面の一例を示す図である。か
かる画面により、選挙の候補者の一覧が、タッチパネル
20313で入力可能な候補者ボタンとしてLCD20
311上に表示される。
【0197】図42は、本実施例に適用される電子投票
装置203の候補者選択画面(ボタン押下時)の一例を
示す図である。かかる画面により、投票者がタッチパネ
ル20313に触れることにより選択した候補者ボタン
がLCD20311上で反転表示され、入力が行われた
ことを投票者に報知する。
【0198】図43は、本実施例に適用される電子投票
装置203の候補者選択画面(28名表示)の一例を示
す図である。かかる画面により、単一画面に28個の候
補者ボタンが表示される。このボタンサイズは、水平幅
a=69mm、垂直幅b=18mmであり、LCD20311の
水平方向に4個、垂直方向に7個のボタンを表示してい
る。このボタンサイズは経験的に求められた大きさであ
るが、平均的な視力の選挙人がボタン上の文字を視覚認
識可能であり、かつ一般的な指のサイズの選挙人が押下
するのに、不自由ない大きさである。
【0199】選挙名や、表示メッセージ等が表示されて
いるが、これらを表示せずに、候補者ボタンのみを表示
したとすると、15インチディスプレイの場合には、最
大48個の候補者ボタンを表示することができる。一般
のNインチのディスプレイの場合には、アスペクト比を
4:3と仮定すると、Int(20N/a)×Int(15N/b)の
個数の候補者ボタンを表示できる。但し、Int()は、
()内の数値を超えない最大の整数を表す。例えば、N
=21インチのLCDの場合には、102個(=水平6
個×垂直17個)の候補者ボタンを表示できる。そし
て、このようにして計算された候補者ボタンの数を超え
た場合には、図44に示すような、頭文字選択画面に表
示を切り替えるように構成する。なお、このボタンのサ
イズ及び計算式は、多少の数値の変動があったとして
も、この発明の範囲を逸脱しないものである。
【0200】図44は、本実施例に適用される電子投票
装置203の頭文字選択画面の一例を示す図である。か
かる画面により、単一頁に表示できない候補者数の場合
に、頭文字選択による公平な選択画面を提供できる。
【0201】図45は、本実施例に適用される電子投票
装置203の頭文字選択画面(該当候補者のみの表示)
の一例を示す図である。かかる画面により、立候補した
候補者の頭文字のみが、投票者に対して報知される。
【0202】図46は、本実施例に適用される電子投票
装置203の頭文字該当候補者選択画面(「お」選択
時)の一例を示す図である。かかる画面により、選択し
た頭文字に該当する候補者の一覧が、単一頁で表示され
る。
【0203】図47は、本実施例に適用される電子投票
装置203の頭文字該当候補者複数頁選択画面の一例を
示す図である。かかる画面により、選択した頭文字に該
当する候補者の一覧が、複数頁にわたって表示される。
【0204】図48は、本実施例に適用される電子投票
装置203の複数選択頁案内画面の一例を示す図であ
る。かかる画面より、候補者画面が複数頁存在すること
を投票者に対して報知することにより注意を喚起する。
【0205】図49は、本実施例に適用される電子投票
装置203の投票進捗画面の一例を示す図である。かか
る画面により、タッチパネル20313を使用する代わ
りに、バリアフリー入力機器(運動機能障害用プッシュ
スイッチ、視覚障害者用専用キーボード等)を使用して
投票を行なう選挙人の操作補助者(介助者)に対し、投
票操作の進捗状況が報知される。
【0206】図50は、本実施例に適用される電子投票
装置203の候補者確認画面の一例を示す図である。か
かる画面により、投票者が仮選択した候補者を拡大表示
し、投票意思の確認を行なう。
【0207】図51は、本実施例に適用される電子投票
装置203の棄権確認画面の一例を示す図である。かか
る画面により、投票者の投票の棄権意思(再投票意思も
含む)の確認を行なう。
【0208】図52は、本実施例に適用される電子投票
装置203の選挙終了画面の一例を示す図である。かか
る画面により、複数の選挙を行なう場合において、一つ
の選挙が終了したことを、投票者に対して報知する。
【0209】図53は、本実施例に適用される電子投票
装置203の選挙終了確認画面の一例を示す図である。
かかる画面により、原本用記録媒体408に、投票デー
タ407及び投票ログ4075が正しく記録されたこと
を、投票者に報知する。
【0210】図54は、本実施例に適用される電子投票
装置203に副本用記録媒体409の記録障害発生を報
知する画面の一例を示す図である。かかる画面により、
副本用記録媒体409への書き込みエラーが発生し、原
本用記録媒体408には、正しく記録されていること
を、投票所の係員(投票立会人や投票管理者)あるいは
選挙人に報知する。この場合は、係員が画面表示を確認
した上で、選挙人に対して、投票を確定していることを
伝える。そして、書き込みエラーの原因が、副本用記録
媒体409の不良にあるのか、あるいは電子投票装置2
03自体にあるのか直ちに明らかにすることが困難であ
るために、投票時間内においては障害が発生した当該電
子投票装置の使用を停止する措置をとる。開票時におい
ては、原本用記録媒体408を使用し、エラー発生時の
投票までの投票を有効とする。一方、副本用記録媒体4
09は、開票には使用しないこととする。
【0211】図55は、本実施例に適用される電子投票
装置203に致命的なエラーが発生したことを報知する
画面の一例を示す図である。致命的なエラーとは、例え
ば、原本用記録媒体408に書き込みエラーが発生した
場合などをいう。このような場合には、投票所の係員
(投票立会人や投票管理者)が、画面表示を確認し、投
票カード406を再発行して、当該電子投票装置とは別
の電子投票装置で投票させることにする。開票時におい
ては、この原本用記録媒体408は使用せず、副本用記
録媒体409のみを使用する。原本用記録媒体408に
は、障害発生以前には投票データが記録されているが、
これらは正常に記録されていない恐れがあるからであ
る。副本用記録媒体409は、エラー発生時にのデータ
は記録されていないため、エラー発生時の以前の投票者
によるデータを有効票として開票することとする。
【0212】図56は、本実施例に適用されるカード認
証キー403の一例を示す図である。カード認証キー4
03とは、ICカードのデータにアクセスするための鍵
であり、数字又は文字の列として実現される。本実施例
に適用される電子投票システムの運営方法では、カード
認証キー403は選管で作成され、全投票所に対して、
同一のカード認証キーが配布される。カード認証キー4
03の配布の形態は、選管で予め、ICカード(投票カ
ード406や運用カード)にカード認証キー403を入
力した後に、投票所に配布する方法がある。あるいは、
ICカードとは別の記録媒体によりカード認証キー40
3を投票所に配布し、投票所において、ICカードにカ
ード認証キー403を導入するように構成してもよい。
【0213】図57は、本実施例に適用される投票モー
ドを規定する選挙人特性ID2021により規定される
入出力手段の一例を示す図である。第1列が選挙人特性
ID2021を示す数値であり、第2列が、対応する選
挙人特性の具体例である。選挙人特性とは、非障害、視
覚障害、聴覚障害、肢体障害、内部障害、とこれらの任
意の組み合わせである。そして、同一の選挙人特性に対
して、障害等級の軽重に応じて、図16の第4列及び第
5列の欄に示すように、使用する報知手段20305及
び入力手段20306が異なる。例えば、選挙人特性I
D2021が「00」である非障害者(健常者)である
選挙人に対しては、電子投票装置203のLCD203
1に健常者用投票画面を表示し、入力手段20306と
してはタッチパネル、報知手段20305としてLCD
を使用する。
【0214】また、図57における選挙人特性ID20
21が「01」である視覚障害者(6級)の選挙人(万
国試視力表で測定した一眼の視力が0.02以下、他眼
の視力が0.6以下のもので、両眼の視力の和が0.2
を超えるもの)に対しては、電子投票装置203のディ
スプレイユニット2031に弱視者用投票画面を表示
し、入力手段20306としてはタッチパネル2031
3、報知手段20305としてLCD20311を使用
する。
【0215】一方、選挙人特性ID2021が「02」
である視覚障害者(1級)の選挙人(両眼の視力の和が
0.01以下のもの)に対しては、電子投票装置203
のLCD20311に投票進捗画面(候補者名などの投
票内容は表示せずに投票の進捗状態のみを表示する画
面。図49に図示)を表示して介助者に対する投票の秘
密の漏洩を防止し、入力手段20306としては視覚障
害者用専用キーボード20381、報知手段20305
として音量調整付きヘッドホン20391とスピーカ2
033による音声ガイドを使用する。さらに、選挙人特
性ID2021が「03」である視聴覚障害者(盲ろう
者)の選挙人(両眼の視力の和が0.01以下であり、
かつ両耳の聴力レベルがそれぞれ100デシベル以上の
もの)に対しては、電子投票装置203のLCD203
11に投票進捗画面(候補者名などの投票内容は表示せ
ずに投票の進捗状態のみを表示する画面。図49に図
示)を表示して介助者に対する投票の秘密の漏洩を防止
し、入力手段20306としては視覚障害者用専用キー
ボード20381、報知手段20305としてカナ文字
ピンディスプレイ(あるいは点字ディスプレイ)を使用
する。
【0216】また、選挙人特性ID2021が「04」
である肢体不自由者(上肢切断又は上肢機能障害)の選
挙人に対しては、電子投票装置203のLCD2031
に健常者と同一の投票画面を表示し、入力手段2030
6としては肢体不自由者用キーボード(不図示)又は足
で入力可能なフットスイッチ、報知手段20305とし
てLCDを使用する。一方、選挙人特性ID2021が
「05」である肢体不自由者(全身性運動又は機能障
害)の選挙人に対しては、電子投票装置203のディス
プレイユニット2031に投票進捗画面(候補者名など
の投票内容は表示せずに投票の進捗状態のみを表示する
画面。図49に図示)を表示して介助者に対する投票の
秘密の漏洩を防止するとともに、入力手段20306と
して不随意運動があっても入力可能な運動機能障害用プ
ッシュスイッチ20371、報知手段20305として
頭に固定して使用する眼鏡型表示機であるヘッドマウン
トディスプレイをバリアフリー用ヘッドマウントディス
プレイ端子20302に接続して使用する。
【0217】選挙人特性ID=05の選挙人が使用する
ヘッドマウントディスプレイに表示される画面は、選択
可能項目(すなわち図51における反転表示部分)が一
定時間間隔で自動的に順次切り替わるスキャン入力画面
を使用する。さらに、選挙人特性ID2021が「0
6」である内部障害(難読)を伴う選挙人対しては、電
子投票装置203のディスプレイユニット2031に健
常者用投票画面を表示し、入力手段20306としては
タッチパネル、報知手段20305としてLCDを使用
するが、画面の進行や音声ガイドをスローで再生させ
る。このように、あらゆる障害に対して選挙人特性ID
を付与して入力手段20306と報知手段20305を
規定することにより、すべての選挙人に対して投票モー
ドを提供することが可能になり、電子投票装置203を
バリアフリー化(ユニバーサルデザイン化)することが
できる。なお、実際の投票でどのような報知手段及び入
力手段が適しているかは、全国の障害者や高齢者に対し
て実施した模擬投票実験によって経験的に明らかになっ
たものである。
【0218】以下、図58〜図60を参照しながら、選
挙の立候補者による届け出から、選挙人による投票、投
票管理者による開票までの流れの一例を説明する。図5
8は、本実施例に適用される電子投票装置203の投票
の準備の流れを示すフローチャートである。投票日当日
に、投票管理者によりステップS201により電子投票
装置の電源のOFFが確認された後、電子投票装置の立
ち上げが行われ、最初の選挙人による「ゼロ票」確認待
ち状態の準備が行われる。
【0219】1)投票プログラム404、候補者データ
401、カード認証キー403の投票所への送付 ステップS204aにおいてあらかじめ作成された選挙
データマスター400を選挙管理委員会からの検査・承
認終了後(ステップS204b)、選挙データメディア
コピー機102により電子投票装置203のための副本
用記録媒体409であるメモリカードに複製され(ステ
ップS204c)、原本用記録媒体408と共に各投票
所へ送付される。したがって、全ての投票所において、
カード認証キー403などのデータは共通となる。通
常、送付は投票日前日までに行われる。
【0220】2)運用カードの作成 投票管理者は、投票カード発券機201を使い、固有の
投票所IDを付与した運用カード405を作成する。投
票所IDは、例えば乱数を用いて固有に生成された数値
であり、原則として投票所IDは投票所毎に異なること
となる。
【0221】3)選挙開始前に投票プログラム、候補者
データ、カード認証キーをインストール 南京錠2030aの鍵及び運用カード405(ICカー
ド)を保有する投票管理者がフロントドア2030を開
錠し、原本用記録媒体408と副本用記録媒体409を
本電子投票装置203へ装着し(ステップS203、S
204)、副本用記録媒体409より投票プログラム4
04、候補者データ401、カード認証キー403をイ
ンストールする(ステップS210)。
【0222】4)記録媒体装着 原本用記録媒体408及び副本用記録媒体409は、通
常投票日前日での事前動作チェック時に装着され、南京
錠2030aにより施錠管理される。このように、カー
ド認証キー403を発行した選管の人間と、投票所ID
を発行した投票所の投票管理者の双方がセキュリティに
関与することとなり、選挙運営の透明性を高めることが
できる。
【0223】次に図59を用いて単一選挙(単記式)の
投票実施例を説明する。実際の選挙では最高裁判所裁判
官の国民審査のように候補者一覧から複数の候補者を選
択する選挙もあるが、ここでは単一の候補者を選択する
単記式選挙に限定して説明する。図59は、本実施例に
適用される電子投票システムの運営方法による単一選挙
(単記式)の投票の流れの一例を示すフローチャートで
ある。
【0224】1)「ゼロ票」確認 投票所での最初の選挙人は、投票管理者と投票立会人の
立ち会いのもと、ゼロ票確認機能により「ゼロ票」を確
認する(ステップS702)。ゼロ票確認機能とは、例
えば、カード挿入待ち画面において、電子投票装置の原
本用記録媒体408に記録された票、すなわち投票デー
タ407の数を投票件数として表示する機能である。な
お、「ゼロ」票確認は、運用カード405の認証完了時
点で成立する(ステップS705の「OK」)
【0225】2)電子投票装置の開始 「ゼロ票」の確認終了後、投票管理者は運用カードを使
い投票開始手続を行い、投票カード入力待ち機能を起動
する(ステップS709)。すなわち、投票所ID40
55が電子投票装置のRAM453上に記憶され、投票
カード406を受け入れ可能な状態となる。なお、投票
の開始は、運用カード405を電子投票装置203から
抜いた時点で成立する。
【0226】3)投票の開始 投票カード入力待ち機能(ステップS709)にて、選
挙人はカード発券機201により発券された投票カード
406を本電子投票装置203に挿入し(ステップS7
10)、カード認証キー403を用いて、投票カード4
06を読取り、投票カード406に記録された投票所I
D4055と、電子投票装置のRAM453上の投票所
ID4055とを比較・照合する。照合が正常に行われ
た場合にのみ投票カード406に記録された投票権利
(すなわち投票フラグ2022)を読取り、投票権利情
報(すなわち投票フラグ2022が「投票可能」)が確
認できた場合のみ電子投票装置能を起動する(ステップ
S711の「OK」)。確認と同時に、投票カード40
6のデータ領域は初期化され、全てのデータが消去され
る(ステップS712)。投票カードの初期化を行なう
のは、カードの再使用による不正投票の恐れを完全に断
ち切るためである。なお、投票の開始は、投票カードが
初期化された時点で成立する。
【0227】4)候補者の選択 LCD画面上に図41のような画面を表示する候補者選
択機能(ステップS713)にて、選挙人は指又はスタ
イラスペンにより、候補者名に触れることで、候補者を
選択する(ステップS714)。
【0228】5)候補者選択の確認 LCD20311の画面上に図50のような画面を表示
する候補者確認機能にて(ステップS715)、選挙人
は確認ボタンに指又はスタイラスペンで触れることによ
り、確認を行なう(ステップS716)。
【0229】6)原本用記録媒体への投票データ記録 上記5)での確認により、投票データ407は最初に原
本用記録媒体408に記録される(ステップS71
7)。続いて、投票ログ4075が原本用記録媒体40
8に記録される(ステップS717a)。
【0230】7)投票の確定と投票確定LEDの点灯 原本用記録媒体408に投票データ407と投票ログ4
075が記録された後、投票確定LED2034は点灯
する(ステップS718)。なお、投票の確定は、投票
データ407と投票ログ4075が原本用記録媒体40
8に記録確認された時点で成立する(ステップS71
8)。
【0231】8)副本用記録媒体への投票データのバッ
クアップ記録 次に、バックアップ用として副本用記録媒体409に同
一の投票データ407及び投票ログ4075が記録され
る(ステップS719、S720)。なお、本実施例に
おいては、投票データ407の暗号化は行っていない。
将来において、投票データ407のネットワーク伝送を
行なう場合には、DES暗号(DES: Data Encryption S
tandard)のような共通鍵暗号やRSA暗号(RSA: Rive
st-Shamir-Adleman)のような公開鍵暗号などにより投
票データ407の暗号化を行い、開票時に復号化するよ
うに構成してもよい。
【0232】9)投票の終了 投票カード406が排出される(ステップS721)と
同時に、図40のような画面を表示する投票カード抜取
待ち機能(ステップS722)と音声ガイドにより、投
票終了案内が行われ、選挙人は投票カード406を抜き
取る(ステップS723)。なお、投票の終了は、投票
カード406が排出された時点で成立する。
【0233】10)投票確定LEDの消灯 投票カードが抜き取られると、投票データの投票確定L
ED2034は消灯する(ステップS724)。
【0234】11)二重投票の防止 投票が終了し排出された投票カード406は初期化され
ているため、再度投票カードを挿入しても投票済みと判
断され(ステップS711の「NO」)、二重投票が防
止される。
【0235】12)2人目以降の投票 上記3)〜10)が繰り返される。
【0236】13)投票カードの再発行 1.正常に発券された投票カードを挿入。 2.電子投票装置203による読取りエラーや初期化の
書き込みエラーが発生。 3.不正操作をしていないことが明白。 4.投票カードを回収するとともに、当該投票カードの
再利用禁止。 5.当該選挙人へ投票カードの再発行を行なう。
【0237】図60は、本実施例に適用される電子投票
システムの運営方法による電子投票の終了の流れを示す
フローチャートである。以下、終了の流れを順を追って
説明する。 1)投票所の閉鎖 南京錠2030aの鍵及び運用カード405(ICカー
ド)を保有する投票管理者により、投票立会人の立ち会
いのもと、投票所の閉鎖処理と投票の終了処理を行なう
(ステップS801〜S813)。 2)投票データが記録されている原本用記録媒体と副本
用記録媒体の取り外し 投票管理者は、原本用記録媒体408と副本用記録媒体
409を格納している電子投票装置203のフロントド
ア2032を開け、本電子投票装置の電源スイッチ20
32により電源を遮断する。その後、原本用記録媒体4
08と副本用記録媒体409を取り出す(ステップS8
14、S815)。 3)投票データの送致 原本用記録媒体408と副本用記録媒体409を送致用
格納箱に収納し(ステップS816)、施錠の上開票所
へ送致する。
【0238】図61は、本実施例に適用される電子投票
システムの復旧可能エラー発生時の処理の流れの一例を
示すフローチャートである。ここで、エラーとは、投票
プログラム404が検出可能であって、製造時にあらか
じめ想定されていたものをいう。「エラー」は、次の二
つに分類される。 1.リトライすることで復旧可能な「復旧可能エラー」 2.復旧不可能な「復旧不可能エラー」
【0239】「復旧可能エラー」とは、バリアフリー機
器の接続不良投票カード関連の不良時に発生する障害で
ある。具体的には、 1.投票カードの裏表や上下方向の挿入ミス、投票済み
カード挿入による読み取りエラー。カード自体の不良の
場合は投票権利の確認手段がないため、別途運用上の取
り決めが必要である。 2.バリアフリー機器(視覚障害者用専用キーボード2
0381、ヘッドホン20391及び運動機能障害用プ
ッシュスイッチ20371)の接続ミスや接続はずれ。
等が考えられる。復旧可能エラーが発生した場合は、基
本的には、画面表示機能に従って行い、バリアフリー機
器の再接続や投票カード406の再挿入を行なうことで
復旧させる。これにより症状が改善しない場合は、運用
上、復旧不可能エラーとしての処理を行なう。
【0240】「復旧不可能エラー」は、投票プログラム
が以降の投票操作が行えない状態と判断した際に出力さ
れる。投票管理者は、画面表示事項に応じた対処を行
い、電子投票装置の使用を停止しなければならない。
【0241】さて、ステップS101において、投票者
(選挙人)が投票カード406を挿入する。次にステッ
プS102の条件分岐において、投票カードに記録され
た投票者の投票権利の確認を行い、もし投票カードに記
録された投票権利がない、すなわち既に初期化済又は未
発券であったとすると(ステップS102の「投票済
(初期化済)」)、ステップS105に移り、復旧可能
なエラーの種類(即ち投票済であること)を電子投票装
置203のLCD20311に表示した後に、ステップ
S106において投票カード406を排出する。投票カ
ード406が排出されると、ステップS107において
投票者及び投票補助者が、LCD20311に表示され
たエラー内容を確認する。この場合は、LCD2031
1には、投票カードが投票済であった旨が表示されてい
る。
【0242】エラー内容の確認の後、ステップS108
において、投票者が排出された投票カードを抜き取る
と、ステップS109において、LCD20311には
投票カード挿入待ち状態(図39に図示)になる。そし
て、ステップS110において、投票者及び/又は投票
補助者によるエラーからの復旧処理が行われる。具体的
には、投票者が実際には、投票カード406を使用して
投票を終えていなかったことが投票者の自己申告及び投
票立会人の証言により確認されると、投票カード発券機
201により、投票カード406が再発行される。投票
者は、ステップS111において、再発行された投票カ
ード406を、再挿入し、投票のやり直しを行なうこと
となる。
【0243】ステップS102の条件分岐において、投
票カード406の読み取りエラーが発生した場合には
(ステップS102の「カード識別不可」)、ステップ
S105において、復旧可能なエラーの種類(即ちカー
ド識別不可であること)を電子投票装置203のLCD
20311に表示した後に、ステップS106において
投票カード406を排出する。投票カード406が排出
されると、投票者及び投票補助者が、LCD20311
に表示されたエラー内容を確認する。この場合は、LC
D20311には、挿入されたカードが認識できなかっ
た旨が表示されている。エラー内容の確認の後、ステッ
プS108において、投票者が排出されたカードを抜き
取ると、ステップS109において、LCD20311
には投票カード挿入待ち状態(図39に図示)になる。
そして、ステップS110において、投票者及び/又は
投票補助者によるエラーからの復旧処理が行われる。具
体的には、投票カード発券機201により、投票カード
406が再発行される。投票者は、ステップS111に
おいて、再発行された投票カード406を、再挿入し、
投票のやり直しを行なうこととなる。
【0244】ステップS102の条件分岐において、投
票カード406の投票権利が確認された場合には(ステ
ップS102の「投票可能」)、ステップS103にお
いて、選挙人特性2021を読取り、選挙人特性ID=
00か否か、すなわちバリアフリー入出力オプションを
使用するかどうかを識別する。選挙人特性ID=00で
なかった場合(ステップS103において「YE
S」)、ステップS104において、選挙人特性IDに
対応する入出力機器(図57に図示)が接続されている
かどうか確認する。ステップS104の条件分岐におい
て、読み取られた選挙人特性IDに対応する入出力機器
が接続されていなかったとすると(ステップS104の
「NO」)、ステップS105において復旧可能エラー
の種類(すなわち入出力機器が接続されていないこと)
をLCD20311上に表示し、ステップS106にお
いて投票カード406を排出する。
【0245】投票カード406が排出されると、ステッ
プS107において投票者及び投票補助者が、LCD2
0311に表示されたエラー内容を確認する。この場合
は、LCD20311には、ヘッドホン20391投票
カードが投票済であった旨が表示されている。エラー内
容の確認の後、ステップS108において、投票者が排
出された投票カード406を抜き取ると、ステップS1
09において、LCD20311には投票カード挿入待
ち状態(図39に図示)になる。そして、ステップS1
10において、投票者及び/又は投票補助者によるエラ
ーからの復旧処理が行われる。投票者は、ステップS1
11において、再発行された投票カード406を、再挿
入し、投票のやり直しを行なうこととなる。
【0246】ステップS104の条件分岐において、読
み取られた選挙人特性IDに対応する入出力機器が正常
に接続されていたとすると(ステップS104の「YE
S」)、ステップS112において投票カード406の
初期化処理が行われる。次のステップS113におい
て、LCD20311上に候補者選択画面が表示され、
投票者は投票操作を行なう。投票操作を行っている途中
で、例えば、ヘッドホン20391のプラグがヘッドホ
ン端子2039からが抜けてしまったとする(ステップ
S114の「NO」)。その場合には、ステップS11
5の復旧可能エラー表示機能により、ヘッドホン端子2
039に接続されていない旨の表示がLCD20311
上に表示される。そして、ステップS116において、
投票者及び/又は投票補助者によるエラーからの復旧処
理、すなわちヘッドホン端子の接続が行われる。正常に
接続されると、候補者選択画面に復帰し、投票者は、ス
テップS117において、投票を継続することとなる。
【0247】図62は、本実施例に適用される電子投票
装置203の動作履歴を記録した投票ログの一例を示す
図である。投票ログ4075は、電子投票装置203の
電子投票プログラム404が行ったすべての動作履歴を
時系列データとして記録したものである。時刻情報は、
図62の「時刻」のカラムに図示されるように、年、
月、日、時、分、秒によって表現され、各々の時刻に対
応する処理が、「機能分類」のカラムと「処理」のカラ
ムとに格納されている。例えば、機能分類のカラムが
「候補者選択」であるようなレコード(行)における処
理(レイアウト設定:候補者ボタン等)は、投票プログ
ラム404の投票画面作成部433が行った候補者選択
画面(図35に図示)の作成処理の詳細が逐次記録され
ている。投票中にエラーが発生した場合などには、この
投票ログ4075を解析することにより、障害発生要因
を把握することが可能となる。なお、これらのデータ
は、原本用記録媒体408及び副本用記録媒体409上
のCSV形式(CSV:Comma Separated Value (forma
t) :項目間をカンマで区切ったファイルフォーマッ
ト)等の適切なフォーマットのテキストファイルとして
保存される。
【0248】図63は、本実施例に適用される電子投票
装置203による投票から終了までの流れの一例を示す
シーケンス図である。始めに投票プログラム404の投
票カード挿入待ち機能によって、図39に図示する画面
が表示されている。次に、カードR/W2032に、選
挙人が投票カード406を挿入する。投票プログラム4
04は、投票カードが挿入されたことを検出すると、カ
ード認証キー403を送信する。カードR/Wはカード
認証キー403を、ICカードの記録部に書き込み、I
Cカードからのリターン値、即ちアクセスの可否を示す
符号を投票プログラムに返す。アクセスが可であった場
合には、投票プログラム404は、投票カード406か
運用カード405かを識別するコードである、カード種
別ID(図21に図示)の読取を行なう。
【0249】カードR/W2032から、カード種別I
Dが投票カード406であることが読み取られると、投
票カード406から、選挙人特性ID2021や投票フ
ラグ2022が読み取られる。これらのデータがRAM
453上に記憶されると、投票プログラム404によ
り、原本用記録媒体408上に投票ログ4075を書き
込むファイルがオープンされ、投票カード挿入処理に関
するログの書込みが行われる(図63では、すべてのロ
グを投票ログ4075として図示している)。ログの記
録が終了してファイルクローズされると、投票プログラ
ム404により、RAM453上のキャッシュ領域に存
在するキャシュの吐き出しが行われる。キャッシュの吐
き出しが完了すると、副本用記録媒体409上に、投票
ログ4075を書き込むファイルをオープンし、原本用
記録媒体408に記録したものと同一内容のログの書込
みを行なう。副本用記録媒体409への投票ログ407
5の書込みが終了するとファイルクローズし、キャッシ
ュの吐き出しを行なう。
【0250】次に、投票プログラム404により、操作
表示灯20301bのGPIOインターフェースに対し
て点灯信号が出力される。操作表示灯20301bの点
灯により、投票が開始されたことが、投票管理者や投票
立会人に報知される。投票者は、LCD20311に表
示された候補者選択画面(図41に図示)、候補者確認
画面(図50に図示)等に従って、タッチパネル203
13に触れることにより投票操作を行なう。一連の投票
操作において、画面の切替や、タッチパネルの操作等の
電子投票装置203のすべての動作記録が図62に示す
投票ログの形で、原本用記録媒体408と副本用記録媒
体409に対して、各々記録及び、キャシュの吐き出し
が行われる。もし投票者が、投票意思確認画(図50に
図示)の「○投票します」に触れたとすると、投票プロ
グラム404の投票データ記録部434によって、選択
された候補者のRAM453上の投票データ407が、
原本用記録媒体408に対して書き込まれる。
【0251】RAM453上のキャッシュの吐き出しが
行われた後に、原本用記録媒体408上に作成された投
票データ407のファイルをオープンしてRAM上に再
び読込んで、比較、照合(ベリファイ)が行われ、確実
にされたことが確認される。そして、投票ログの書込み
が原本用記録媒体408に対して行われる。図には示さ
れていないが、投票ログの書込みにおいても、キャッシ
ュを吐き出した後に、生成された投票ログファイルを読
み込んで、ベリファイが行われる。
【0252】次に、原本用記録媒体408への投票デー
タ407及び投票ログ4075の書込みが終了すると、
投票プログラム404により、投票が確定されたことを
投票者に報知するための投票確定LED2034を点灯
させるための信号がGPIOポートに出力される。
【0253】次に、投票確定2034が点灯すると、投
票プログラム404により、副本用記録媒体409に対
して、投票データ407及び投票ログ4075の複製処
理が行われる。すなわち、投票プログラム404によ
り、副本用記録媒体409上のファイルがオープンさ
れ、RAM453に記憶された投票データ407が書き
込んだ後にファイルをクローズする。そして、RAM4
53上のキャッシュの吐き出しが完了した後に、再びフ
ァイルオープンして、RAM上に読込み、ファイルクロ
ーズした後にRAM上のデータを比較してベリファイを
行なう。そして、投票ログ4075の複製についても、
同様に記録及びキャッシュ吐き出しが行われる。
【0254】次に、原本用記録媒体408および副本用
記録媒体409に対して、投票データ407及び投票ロ
グ4075の記録が終了すると、投票プログラム404
により、カードR/Wに対して、投票カード406を排
出させる命令が送信される。投票カードが搬送機構によ
り機械的に排出されると、投票プログラム404は、原
本用記録媒体408及び副本用記録媒体409に対し
て、ログの記録を行なう。このとき、これまでの処理と
同様に、それぞれの記録媒体への書込みが終了してファ
イルをクローズする度に、キャシュの吐き出しを行っ
て、その後に、ファイルオープンして書き込まれたデー
タのベリファイが行われる。
【0255】次に、投票者によって、排出された投票カ
ードがカードR/W2032より抜き取られると、投票
確定LED2034及び操作表示灯20301bに出力
されていた信号をOFFにする命令が、投票プログラム
404により出力される。操作表示灯20301bが消
灯することにより、投票管理者や投票立会人に対して、
投票が終了したことが報知される。これらの処理に対す
る投票ログ4075も、同様に、原本用記録媒体408
及び副本用記録媒体409に対して記録される。
【0256】なお、本発明は上記の実施例に限定される
ものではなく、特に、本発明の電子投票プログラムは、
投票所に設置した本願電子投票装置に限定されるもので
はなく、将来の法改正に伴い想定される、駅やコンビニ
エンスストア等に設置された、ネットワーク型の投票装
置から送信された票の記録にも適用でき、あるいは家庭
用又は個人用情報端末から送信された票の記録にも適用
できるものである。
【0257】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、投票所
において、投票データを電磁的記録媒体に記録して照合
することにより原本データを生成し、さらに原本データ
を読み出して異なる媒体に記録するように構成すること
により、脆弱な電子データを確実に記録・保持できると
いう効果がある。
【0258】また本発明は、投票データを2つの電磁的
記録媒体に二重化して記録する際に、異なるタイミング
で書き込み及び記録データの照査を行い、原本記録の完
了時に投票を確定して選挙人に報知するとともに、記録
障害発生時に原本及び副本のいずれかが有効となるよう
に構成することにより、記録のフォールトトレラント化
により電磁的な票の信頼性を向上できるという効果があ
る。
【0259】また候補者受付に係る選挙データ作成シス
テム及び投票所システムと開票所システムの間で、デー
タを二重化して送致を行なう為、開票所に確実にデータ
を伝送でき、選挙を適正かつ公正に執行するのに少なく
とも現行の自書式投票と同等のセキュリティを確保でき
るという効果がある。
【0260】また、投票所において、電子投票装置に対
する選挙人の操作を投票ログとして、電磁的記録媒体に
記録することにより、選挙終了後における疑義や争訟に
おいて信頼できる証拠を提示することができ、選挙の公
正さを保証できるという効果がある。
【0261】また、安価で軽量なメモリカード等を投票
用紙の代替物として用いて投票の記録原本を生成するこ
とにより、国や地方自治体が比較的容易かつ低コストで
電子投票システムを導入できるという効果がある。
【0262】また、投票データを記録した可搬性のある
電磁的記録媒体を開票所に送致する際に搬送者による物
理的な輸送手段をとる場合には、封印された記録媒体の
搬送に現行の投票箱を流用でき、国や地方自治体の選挙
管理者の手により容易にシステムを構築でき、自書式投
票から電子投票への移行がスムーズに行なえるという効
果がある。
【0263】また、選挙データ作成システム、投票所シ
ステム、開票所システムの各拠点を電気通信回線により
ネットワーク接続した場合においても、各システム内に
おける原本用記録媒体又は副本用記録媒体に蓄積された
データを一括して読み出して、オンラインで伝送するこ
とにより、媒体を介さず常時接続する従来のネットワー
ク型システムに比較して、ネットワーク障害に対するデ
ータ消失の危険度の低いネットワーク型システムを構築
できるという効果がある。
【0264】さらに、本発明は、電子的に投票を受け付
けるで電子投票装置あって、この電子投票装置が受け付
けた一連の投票の結果を、原本として所定の原本用記録
媒体に書き込む手段と、原本として書き込んだ一連の投
票の結果を原本用記録媒体から読み出して、副本として
所定の副本用記録媒体に書き込む手段とを備え、各記録
媒体に書き込んだ原本と副本とを用いて一連の投票の結
果の保全を行なうことを特徴とする電子投票装置とする
ことにより、電子投票における電子的な投票データを確
実に記録可能であり、かつ投票データが開票所で集計さ
れるまで確実に保持可能であり、一度しか行なうことの
できない選挙を適正かつ公正に執行するのに少なくとも
現行の自書式投票と同等のセキュリティを確保できる電
子投票プログラム及び電子投票装置を提供することが出
来るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る電子投票装置を用いた電
子投票システムの全体構成の一例を示す図である。
【図2】本実施例に適用される電子投票装置の外装の一
例を示す斜視図である。
【図3】本実施例に適用される電子投票装置の外装に係
る別の一例を示す斜視図である。
【図4】本実施例に適用される電子投票装置の外装の一
例を示す上面図である。
【図5】本実施例に適用される電子投票装置の外装の一
例を示す正面図である。
【図6】本実施例に適用される電子投票装置の外装の一
例を示す正面図(フロントドアオープン時)である。
【図7】本実施例に適用される電子投票装置の外装の一
例を示す背面図である。
【図8】本実施例に適用される電子投票装置内部のハー
ドウェア構成の一例を示す図である。
【図9】本実施例に適用される電子投票装置内部のRA
Mのデータ構造の一例を示す図である。
【図10】本実施例に適用されるシリコンディスク内部
のデータ構造の一例を示す図である。
【図11】本実施例に適用される電子投票プログラムの
構造の一例を示す図である。
【図12】本実施例に適用される候補者データの構造の
一例を示す図である。
【図13】本実施例に適用される候補者データを構成す
る候補者テーブル(選挙ID=1用)の一例を示す図で
ある。
【図14】本実施例に適用される候補者データを構成す
る政党テーブルの一例を示す図である。
【図15】本実施例に適用される候補者データを構成す
る投票所グループテーブルの一例を示す図である。
【図16】本実施例に適用される候補者データを構成す
る固定画面レイアウトテーブルの一例を示す図である。
【図17】本実施例に適用される候補者データを構成す
る投票画面レイアウトテーブル(選挙ID=1用)の一
例を示す図である。
【図18】本実施例に適用される候補者データを構成す
る表示メッセージテーブルの一例を示す図である。
【図19】本実施例に適用される電子投票装置内部に格
納される原本用記録媒体のデータ構造の一例を示す図で
ある。
【図20】本実施例に適用される電子投票装置内部に格
納される副本用記録媒体のデータ構造の一例を示す図で
ある。
【図21】本実施例に適用される電子投票装置内部に挿
入される投票カード又は運用カードのデータ構造の一例
を示す図である。
【図22】本実施例に適用される投票カードに記録され
る投票フラグのデータ構造の一例を示す図である。
【図23】本実施例に適用される投票プログラムを構成
するカード読取部の処理の流れの一例を示すフローチャ
ートである。
【図24】本実施例に適用される投票プログラムを構成
する投票制御部の処理の流れの一例を示すフローチャー
トである。
【図25】本実施例に適用される投票プログラムを構成
する投票制御部における候補者選択画面投票制御部の処
理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図26】本実施例に適用される投票プログラムを構成
する投票制御部における頭文字選択画面投票制御部の処
理の流れの一例を示すフローチャート(1/5)であ
る。
【図27】本実施例に適用される投票プログラムを構成
する投票制御部における頭文字選択画面投票制御部の処
理の流れの一例を示すフローチャート(2/5)であ
る。
【図28】本実施例に適用される投票プログラムを構成
する投票制御部における頭文字選択画面投票制御部の処
理の流れの一例を示すフローチャート(3/5)であ
る。
【図29】本実施例に適用される投票プログラムを構成
する投票制御部における頭文字選択画面投票制御部の処
理の流れの一例を示すフローチャート(4/5)であ
る。
【図30】本実施例に適用される投票プログラムを構成
する投票制御部における頭文字選択画面投票制御部の処
理の流れの一例を示すフローチャート(5/5)であ
る。
【図31】本実施例に適用される投票プログラムを構成
する投票データ記録部の処理の流れの一例を示すフロー
チャートである。
【図32】本実施例に適用される運用カードを発行する
カード発券機のハードウェア構成の一例を示す図であ
る。
【図33】本実施例に適用される運用カードを発行する
カード発券機のソフトウェア構成の一例を示す図であ
る。
【図34】本実施例に適用される発券機メディアのデー
タ構造の一例を示す図である。
【図35】本実施例に適用される発券機メディアに格納
される実施選挙の種類を示す図である。
【図36】本実施例に適用される発券プログラムを構成
する投票所ID生成部の一例を示すフローチャートであ
る。
【図37】本実施例に適用される運用カード及び投票カ
ードを用いた電子投票システムの運営方法の流れを示す
前半のフローチャートである。
【図38】本実施例に適用される運用カード及び投票カ
ードを用いた電子投票システムの運営方法の流れを示す
後半のフローチャートである。
【図39】本実施例に適用される電子投票装置のLCD
に表示される投票カード入力待ち画面の一例を示す図で
ある。
【図40】本実施例に適用される電子投票装置のLCD
に表示される投票カード抜取待ち画面の一例を示す図で
ある。
【図41】本実施例に適用される電子投票装置の候補者
選択画面の一例を示す図である。
【図42】本実施例に適用される電子投票装置の候補者
選択画面(ボタン押下時)の一例を示す図である。
【図43】本実施例に適用される電子投票装置の候補者
選択画面(28名表示)の一例を示す図である。
【図44】本実施例に適用される電子投票装置の頭文字
選択画面の一例を示す図である。
【図45】本実施例に適用される電子投票装置の頭文字
選択画面(該当候補者のみの表示)の一例を示す図であ
る。
【図46】本実施例に適用される電子投票装置の頭文字
該当候補者選択画面(「お」選択時)の一例を示す図で
ある。
【図47】本実施例に適用される電子投票装置の頭文字
該当候補者複数頁選択画面の一例を示す図である。
【図48】本実施例に適用される電子投票装置の複数選
択頁案内画面の一例を示す図である。
【図49】本実施例に適用される電子投票装置の投票進
捗画面の一例を示す図である。
【図50】本実施例に適用される電子投票装置の候補者
確認画面の一例を示す図である。
【図51】本実施例に適用される電子投票装置の棄権確
認画面の一例を示す図である。
【図52】本実施例に適用される電子投票装置の選挙終
了画面の一例を示す図である。
【図53】本実施例に適用される電子投票装置の選挙終
了確認画面の一例を示す図である。
【図54】本実施例に適用される電子投票装置の副本用
記録媒体の記録障害発生を報知する画面の一例を示す図
である。
【図55】本実施例に適用される電子投票装置に致命的
なエラーが発生したことを報知する画面の一例を示す図
である。
【図56】本実施例に適用されるカード認証キーの一例
を示す図である。
【図57】本実施例に適用される投票モードを規定する
選挙人特性IDの一例を示す図である。
【図58】本実施例に適用される電子投票装置の投票の
準備の流れを示すフローチャートである。
【図59】本実施例に適用される電子投票システムの運
営方法による単一選挙(単記式)の投票の流れの一例を
示すフローチャートである。
【図60】本実施例に適用される電子投票システムの運
営方法による電子投票装置の終了の流れを示すフローチ
ャートである。
【図61】本実施例に適用される電子投票システムの運
営方法による復旧可能エラー発生時の処理の流れの一例
を示すフローチャートである。
【図62】本実施例に適用される電子投票装置の動作履
歴を記録した投票ログの一例を示す図である。
【図63】本実施例に適用される電子投票装置による投
票から終了までの流れの一例を示すシーケンス図であ
る。
【符号の説明】
100 選挙データ作成システム 101 選挙データ管理作成機 102 選挙データメディアコピー機 200 投票所システム 201 投票カード発券機(カード発券機) 202 発券機用メディア 203 電子投票装置 300 開票所システム 301 投票データ収集・集計機 400 選挙データマスター 401 候補者データ 401a1 候補者テーブル 401b 政党テーブル 401c 投票所グループテーブル 401d 固定画面レイアウトテーブル 401e1 投票画面レイアウトテーブル 401f 表示メッセージテーブル 402 実施選挙の種類(選挙種データ) 403 カード認証キー(認証キー) 404 電子投票プログラム(投票プログラム) 405 運用カード(管理者カード) 406 投票カード 407 投票データ 408 原本用記録媒体(原本) 409 副本用記録媒体(副本、複写、複製) 411 オペレーティングシステム(OS) 412 シリアルI/O制御部 413 ウインドウ制御部 414 ファイル制御部 415 カード制御部 416 タッチパネル制御プログラム 417 プリンタ制御プログラム 418 ジャンクションボックス制御プログラム 431 カード読取部 432 選挙データ読込部 433 投票画面作成部 434 投票データ記録部 435 投票制御部 436 ローディングプログラム(プログラムローダ
ー) 450 マザーボード 451 CPU 452 ROM 453 RAM(RAMディスク) 454 シリコンディスク(システムディスク) 454b ローカルディスク領域 455 ジャンクション基板 456 VRAM(ビデオRAM) 457 CLOCK(内蔵クオーツ時計) 504 発券プログラム 531 発券機メディア読取部 532 カード読取部 533 投票所ID生成部 534 発券データ記録部 535 発券制御部 2011 発券機ディスプレイ 2012 発券機カードリーダライタ 2021 選挙人特性ID(身体障害特性) 2022 投票フラグ 2030 フロントドア 2030a 南京錠 2030b ロックブラケット 2031 ディスプレイユニット 2031a スタイラスペン 2031b ペンホルダ 2032 カード記録読取手段(カードリーダライタ、
カードR/W) 2032a カードガイドLED(カード挿入ガイドL
ED) 2033 スピーカ 2033a ボリューム 2034 投票確定LED(投票確定確認用LED) 2035 スライドカバー 2036 LCD角度調整アーム 2037 運動機能障害用プッシュスイッチ端子 2038 視覚障害者用専用キーボード端子 2039 ヘッドホン端子 4055 投票所ID(管理ID,管理識別ID,管理
識別コード、乱数) 4075 投票ログ 20117 CPU(発券機) 20118 RAM(発券機) 20119 HDD(発券機) 20120 乱数発生器 20301 状態表示灯 20301a 電源表示灯 20301b 操作表示灯 20301c ポール 20301d 状態表示灯ケーブル 20302 外部ディスプレイ端子 20303 原本用記録媒体用スロット 20304 副本用記録媒体用スロット 20305 報知手段 20306 入力手段 20307 シリコンディスク格納部 20308 電源LED(AC電源供給監視用LED) 20310 フロントドア開閉センサ 20311 LCD(液晶ディスプレイ) 20312 インバータ 20313 タッチパネル 20314 内蔵電池(内部バッテリ) 20315 直流電源(DC電源) 20316 交流電源(AC電源) 20371 運動機能障害用プッシュスイッチ 20381 視覚障害者用専用キーボード 20391 音量調整付きヘッドホン(ヘッドホン)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相澤 忠 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本 ビクター株式会社内 Fターム(参考) 3E038 AA01 BA20 BB04 BB06 BB07 CA02 CA03 CC01 DA01 DB01 FA03 GA02 HA01 KA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子投票による投票の際、記憶手段に格納
    された候補者リストを選挙人に表示させるための表示手
    段と、前記選挙人の投票の際の所定の入力操作状態を報
    知する報知手段と、前記表示された候補者リストから選
    挙人が選択入力した候補者を記録媒体に電磁的に記録さ
    せる手段とを有する電子投票装置を制御するための電子
    投票プログラムであって、 前記選挙人が選択入力した候補者のレコードを抽出し、
    第1とされる前記記憶手段の第1の記憶領域に記憶する
    ステップと、 前記第1の記憶領域に記憶されたレコードの内容を前記
    表示手段に表示させるステップと、 前記選挙人により、前記表示内容の確認入力がなされな
    かった場合、再表示により前記確認入力を促すステップ
    と、 前記確認入力がなされた場合に、第2の記憶手段に対し
    て、前記第1の記憶領域に記憶されたレコードを記録す
    るステップと、 前記第2の記憶手段に記録されたレコードを読み出し
    て、前記の第1の記憶手段の第2の記憶領域に記憶する
    ステップと、 前記第1の記憶領域に記憶されたレコードと、前記第2
    の記憶領域に記憶されたレコードとを照合するステップ
    と、 前記照合の結果、不一致レコードであると判断された場
    合、前記第2の記憶手段に対して記録が正しく行われな
    かったことを、前記表示手段及び報知手段に表示及び報
    知させ、以後の処理を中断するステップと、 前記照合の結果、一致したレコードであると判断された
    場合、第3の記憶手段に対して、前記第1の記憶領域に
    記憶されたレコードを記録するステップと、 前記第3の記憶手段に記録されたレコードを読み出し
    て、前記第1の記憶手段の第3の記憶領域に記憶するス
    テップと、 前記第3の記憶領域に記憶されたレコードと、前記第1
    の記憶領域に記憶されたレコードとを照合するステップ
    と、 前記照合の結果、不一致したレコードであると判断され
    た場合、前記第3の記憶手段に対して記録が正しく行わ
    れず、投票が確定したことを前記表示手段及び報知手段
    に表示及び報知させるステップと、 前記照合の結果、一致したレコードであると判断された
    場合、投票が確定したことを前記表示手段及び報知手段
    に表示及び報知させ、前記選挙人及び前記選挙管理者に
    報知するステップと、 を有することを特徴とする電子投票プログラム。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電子投票プログラムにお
    いて、 前記第1の記憶領域に記憶されたレコードと、前記第2
    の記憶領域に記憶されたレコードとが一致した場合に、 前記第3の記憶手段に対する記録を開始するステップに
    先立ち、前記第2の記憶手段への記録が正しく行われた
    ことを前記表示手段及び報知手段に表示及び報知させる
    ステップをさらに有することを特徴とする電子投票プロ
    グラム。
  3. 【請求項3】電子投票による投票の際、記憶手段に格納
    された候補者リストを選挙人に表示させるための表示手
    段と、前記選挙人の投票の際の所定の入力操作状態を報
    知する報知手段と、前記表示された候補者リストから選
    挙人が選択入力した候補者を記録媒体に電磁的に記録さ
    せる手段とを有する電子投票装置を制御するための電子
    投票プログラムであって、 前記選挙人が選択入力した候補者のレコードを抽出し、
    第1とされる前記記憶手段の第1の記憶領域に記憶する
    ステップと、 前記第1の記憶領域に記憶されたレコードの内容を前記
    表示手段に表示させるステップと、 前記選挙人により、前記表示内容の確認入力がなされな
    かった場合、再表示により前記確認入力を促すステップ
    と、 前記確認入力がなされた場合に、前記第1の記憶手段の
    第2の記憶領域に投票の開始ログを記憶するステップ
    と、 前記第2の記憶手段のログ記憶領域に対して、前記第1
    の記憶手段の第2の記憶領域に記憶させた投票の開始ロ
    グを記録するステップと、 第2の記憶手段に対して、前記第1の記憶領域に記憶さ
    れたレコードを記録するステップと、 前記レコードの記録が終了した後に、前記第2の記憶領
    域に投票の終了ログを記憶するステップと、 前記第2の記憶手段のログ記憶領域に対して、前記第2
    の記憶領域に記憶された前記終了ログを記録するステッ
    プと、 前記第2の記憶手段に記録されたレコードを読み出し
    て、前記第1の記憶手段の第3の記憶領域に記憶するス
    テップと、 前記第1の記憶領域に記憶されたレコードと、前記第3
    の記憶領域に記憶されたレコードとを照合するステップ
    と、 前記照合の結果、不一致レコードであると判断された場
    合、前記第2の記憶手段に対して記録が正しく行われな
    かったことを、前記表示手段及び報知手段に表示及び報
    知させ、以後の処理を中断するステップと、 前記照合の結果、一致したレコードであると判断された
    場合、前記第2の記憶手段のログ記憶領域を読み出し
    て、前記第1の記憶手段の第4の記憶領域に記憶するス
    テップと、 前記第2の記憶領域に記憶された前記開始ログ及び前記
    終了ログと、前記第4の記憶領域に記憶された前記開始
    ログ及び前記終了ログとを照合するステップと、 前記照合の結果、不一致ログであると判断された場合、
    前記第2の記憶手段に対して記録が正しく行われなかっ
    たことを、前記表示手段及び報知手段に表示及び報知さ
    せ、以後の処理を中断するステップと、 前記照合の結果、一致したログであると判断された場合
    に、第3の記憶手段のログ記憶領域に対して、前記第2
    の記憶領域に記憶された前記開始ログ及び前記終了ログ
    を記録するステップと、 前記第3の記憶手段に対して、前記第1の記憶領域に記
    憶されたレコードを記録するステップと、 前記第3の記憶手段に記録されたレコードを読み出し
    て、前記第1の記憶手段の第3の記憶領域に記憶するス
    テップと、 前記第1の記憶領域に記憶されたレコードと、前記第3
    の記憶領域に記憶されたレコードとを照合するステップ
    と、 前記照合の結果、不一致したレコードであると判断され
    た場合、前記第3の記憶手段に対して記録が正しく行わ
    れなかったこと及び、投票が確定したことを前記表示手
    段及び報知手段に表示及び報知させるステップと、 前記照合の結果、一致したレコードであると判断された
    場合、前記第3の記憶手段のログ記憶領域を読み出し
    て、前記電子投票装置の第4の記憶領域に記憶するステ
    ップと、 前記第2の記憶領域に記憶された前記開始ログ及び前記
    終了ログと、前記第4の記憶領域に記憶された前記開始
    ログ及び前記終了ログとを照合するステップと、 前記照合の結果、不一致ログであると判断された場合、
    前記第3の記憶手段に対して記録が正しく行われなかっ
    たこと及び、投票が確定したことを前記表示手段及び報
    知手段に表示及び報知させるステップと、 前記照合の結果、一致したログであると判断された場
    合、投票が確定したことを前記表示手段及び報知手段に
    表示及び報知させるステップと、 を有することを特徴とする電子投票プログラム。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の電子投票プログラムにお
    いて、 前記第2の記憶手段のログ記憶領域を読み出して、前記
    第1の記憶手段の第4の記憶領域に記憶するステップ
    と、 前記第2の記憶領域に記憶された前記開始ログ及び前記
    終了ログと、前記第4の記憶領域に記憶された前記開始
    ログ及び前記終了ログとが一致した場合に、 前記第3の記憶手段に対する記録を開始するステップに
    先立ち、 前記第2の記憶手段の記録が正しく行われたことを前記
    前記表示手段及び報知手段に表示及び報知させるステッ
    プをさらに有することを特徴とする電子投票プログラ
    ム。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3、又は4に記載の電子投
    票プログラムを所定格納部に格納して、前記電子投票プ
    ログラムを実行させるようにしたことを特徴とする電子
    投票装置。
JP2002114524A 2002-04-17 2002-04-17 電子投票プログラム及び電子投票装置 Expired - Fee Related JP3925787B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002114524A JP3925787B2 (ja) 2002-04-17 2002-04-17 電子投票プログラム及び電子投票装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002114524A JP3925787B2 (ja) 2002-04-17 2002-04-17 電子投票プログラム及び電子投票装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003308550A true JP2003308550A (ja) 2003-10-31
JP3925787B2 JP3925787B2 (ja) 2007-06-06

Family

ID=29396304

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002114524A Expired - Fee Related JP3925787B2 (ja) 2002-04-17 2002-04-17 電子投票プログラム及び電子投票装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3925787B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006021594A1 (es) * 2004-07-27 2006-03-02 Scytl Secure Electronic Voting, S.A. Métodos de gestión y protección de procesos electorales, asociados a un terminal de votación electrónica y módulo operativo utilizado
JP2008027387A (ja) * 2006-07-25 2008-02-07 Glory Ltd 自動決済装置および自動決済システム
EP2240913A2 (en) * 2008-01-04 2010-10-20 E-Government Consulting Group, Inc. System and method for secure voting

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102068497B1 (ko) * 2017-11-30 2020-02-11 주식회사 미루시스템즈 선거용지의 식별코드에 기초하여 선택 제어가 가능한 투표 및 개표장치

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006021594A1 (es) * 2004-07-27 2006-03-02 Scytl Secure Electronic Voting, S.A. Métodos de gestión y protección de procesos electorales, asociados a un terminal de votación electrónica y módulo operativo utilizado
JP2008027387A (ja) * 2006-07-25 2008-02-07 Glory Ltd 自動決済装置および自動決済システム
EP2240913A2 (en) * 2008-01-04 2010-10-20 E-Government Consulting Group, Inc. System and method for secure voting

Also Published As

Publication number Publication date
JP3925787B2 (ja) 2007-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6412692B1 (en) Method and device for identifying qualified voter
US20040195323A1 (en) Systems and methods for electronic voting
US20080320600A1 (en) Secure document management system and apparatus
US20060138226A1 (en) Precinct voting system
US20080059379A1 (en) Method and apparatus for biometrically secured encrypted data storage and retrieval
US20070145121A1 (en) Authentication system for the authorization of a transaction using a credit card, ATM card, or secured personal ID card
WO1994019884A1 (en) Personal computer diary
KR100643182B1 (ko) 인터넷을 이용한 전자투표시스템
KR100537564B1 (ko) 전자투개표 및 전자선거시스템
JP3925787B2 (ja) 電子投票プログラム及び電子投票装置
US7152792B2 (en) Voting apparatus and method using personal computers
JP3877154B2 (ja) 投票データ生成方法及び電子投票装置並びに電子投票プログラム
JP4103657B2 (ja) 電子投票装置、及び電子投票システム
JP2003296501A (ja) 電子投票プログラム及び電子投票装置
JP7245936B2 (ja) 認証装置および認証システム、認証処理方法
JP2004213408A (ja) 電子投票システム
JP3932935B2 (ja) 電子投票システム及びその運用方法
US20140244512A1 (en) Method for Separating Private Data from Public Data in a Database
JP2004206546A (ja) 電子投票プログラム及び電子投票装置
JP2004126690A (ja) 電子投票装置及び電子投票結果集計装置
JP2003323654A (ja) 電子投票装置
JP3985219B2 (ja) 電子投票機、電子投票システム、コンピュータプログラム
KR20060083454A (ko) 전자투개표 및 전자선거시스템
JP2004295780A (ja) 制御装置
JP2004213226A (ja) 電子投開票システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040930

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061013

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070222

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110309

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120309

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120309

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120309

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130309

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140309

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees