JP2003308141A - 力覚提示装置 - Google Patents

力覚提示装置

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JP2003308141A
JP2003308141A JP2002114712A JP2002114712A JP2003308141A JP 2003308141 A JP2003308141 A JP 2003308141A JP 2002114712 A JP2002114712 A JP 2002114712A JP 2002114712 A JP2002114712 A JP 2002114712A JP 2003308141 A JP2003308141 A JP 2003308141A
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JP2002114712A
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Shigemi Sato
茂美 佐藤
Akira Kubota
晃 窪田
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】仮想空間画像に応じて、指に対して力覚を提示
することができる力覚提示装置を提供する。 【解決手段】リアルグローブは、仮想空間に現れている
物体に接触した指の感覚(例えば、質感、形状、強さ等
の接触強度の分布)を発生させるための触覚発生部と、
仮想空間に現れている物体に接触したときに手や指にか
かる力の強さの感覚を発生させるための力覚発生部22
と、位置姿勢検出部と、制御部と、信号処理部と、信号
送受信部とを有している。力覚発生部22は、回動可能
に連結された複数のフレーム221を備えたリンク機構
と、各フレーム221を回動させる複数のリンクモータ
222と、手袋2aに設けられ、フレーム221を回動
可能に支持する複数のフレームホルダ2bとを有してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、力覚提示装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平6−282371号には、本等の
仮想空間画像が表示され、ユーザ(使用者)が、表示さ
れた仮想の本のページをめくる動作をすると、その動作
に応じて、前記本のページがめくれるように構成された
仮想空間デスクトップ装置が開示されている。
【0003】しかしながら、前記従来の装置では、ユー
ザは、手や指で本を握ったときの反力などを感じること
ができないため、違和感を感じる。
【0004】また、本に対して手や指による感触が得ら
れないので、本のページをめくる動作の度に、本の用紙
のエッジに注目して、そのエッジに指を移動させる動作
が必要となり、前記本のページめくりに手間と時間がか
かる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、仮想
空間画像に応じて、指に対して力覚を提示することがで
きる力覚提示装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(17)の本発明により達成される。
【0007】(1) 指に装着する装着手段と、指に与
える力覚を発生する力覚発生手段とを有し、仮想空間画
像に応じて、指に対して力覚を提示するよう構成されて
いることを特徴とする力覚提示装置。
【0008】(2) 仮想空間画像に応じて前記力覚発
生手段の駆動を制御する制御手段を有する上記(1)に
記載の力覚提示装置。
【0009】(3) 前記力覚発生手段は、指の関節に
対して力覚を与えるよう構成されている上記(1)また
は(2)に記載の力覚提示装置。
【0010】(4) 前記装着手段は、指の複数の部位
に装着する複数の装着部を有しており、該装着部間の間
隔を調節する調節手段を有する上記(1)ないし(3)
のいずれかに記載の力覚提示装置。
【0011】(5) 前記力覚発生手段は、前記調節手
段を兼ねる上記(4)に記載の力覚提示装置。
【0012】(6) 前記力覚発生手段は、リンク機構
を有する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の力
覚提示装置。
【0013】(7) 前記力覚発生手段は、回動可能に
連結された複数のフレームを備えたリンク機構と、前記
各フレームを回動させる駆動源とを有し、前記フレーム
の回動により、指の関節に対して力覚を与えるよう構成
されている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の
力覚提示装置。
【0014】(8) 前記力覚は、仮想空間画像におけ
る対象物からの反力に対応したものである上記(1)な
いし(7)のいずれかに記載の力覚提示装置。
【0015】(9) 指の位置を検出する位置検出手段
を有し、該位置検出手段からの情報に基づいて、指に対
して力覚を提示するよう構成されている上記(1)ない
し(8)のいずれかに記載の力覚提示装置。
【0016】(10) 信号の送信または受信を行う通
信手段を有する上記(1)ないし(9)のいずれかに記
載の力覚提示装置。
【0017】(11) 前記通信手段から送信される信
号に基づいて、前記力覚発生手段が駆動するよう構成さ
れている上記(10)に記載の力覚提示装置。
【0018】(12) 仮想空間画像を作成する画像作
成手段を有する上記(1)ないし(11)のいずれかに
記載の力覚提示装置。
【0019】(13) 前記画像作成手段は、指の動き
に応じて仮想空間画像を更新するよう構成されている上
記(12)に記載の力覚提示装置。
【0020】(14) 前記画像作成手段に対して信号
の送信または受信を行う通信手段を有する上記(12)
または(13)に記載の力覚提示装置。
【0021】(15) 仮想空間画像を表示する表示手
段を有する上記(1)ないし(14)のいずれかに記載
の力覚提示装置。
【0022】(16) 前記表示手段は、顔面に装着し
て使用するものである上記(15)に記載の力覚提示装
置。
【0023】(17) 前記表示手段に対して信号の送
信または受信を行う通信手段を有する上記(15)また
は(16)に記載の力覚提示装置。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の力覚提示装置を添
付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0025】図1は、本発明の力覚提示装置の実施形態
およびその力覚提示装置を有する触覚・力覚提示システ
ムの構成例を示す概念図、図2は、図1に示すリアルグ
ローブの回路構成例を示すブロック図である。図3は、
図1に示すリアルグローブの外観構成例を示す外観図
(一部図示を省略)である。
【0026】図1に示すように、触覚・力覚提示システ
ム1は、ユーザ(使用者)の手(指)に装着され、装着
された手や各指に対して触覚(触った感覚、例えば、質
感、形状、強さ等の接触強度の分布)や力覚(触ったと
きに加わる力の感覚)を与える一対のリアルグローブ
(データグローブ)20、20と、仮想空間画像(仮想
空間映像)を表示する仮想空間表示装置(表示手段)5
と、情報処理装置8と、仮想空間画像を作成し、仮想空
間画像を用いた各種のサービスを提供する基地局9とを
備えている。
【0027】各リアルグローブ20、仮想空間表示装置
5、情報処理装置8および基地局9は、それぞれ、無線
で信号の送信および受信(無線通信)を行うことができ
る無線通信機能(無線通信手段)を有しており、情報処
理装置8と、各リアルグローブ20、仮想空間表示装置
5および基地局9との間で、それぞれ、通信を行うこと
ができるようになっている。
【0028】この触覚・力覚提示システム1は、基地局
9、仮想空間表示装置5および各リアルグローブ20か
ら供給された情報にもとづいて情報処理装置8によって
作成(生成)された仮想空間画像を仮想空間表示装置5
に表示し、リアルグローブ20を装着した手や指を動作
させることによってその手や指が仮想空間に表示された
物体に仮想的に接触した場合等に、その様子を仮想空間
表示装置5に表示するとともに、接触したときの触覚や
力覚をリアルグローブ20を装着した手や各指に与える
ための各処理を行う。
【0029】情報処理装置8は、例えば、携帯電話端
末、無線通信機能を有するパーソナルコンピュータ、P
DA(Personal Digital Assis
tants)と呼ばれる携帯型情報機器などの、無線通
信機能および制御機能(制御手段)を備えた各種の装置
により構成される。
【0030】また、基地局9は、例えば、インターネッ
ト上に設けられているインターネットサーバなどの、仮
想空間画像に関する情報を提供する各種の装置により構
成される。
【0031】なお、本実施形態では、各リアルグローブ
20、仮想空間表示装置5、情報処理装置8および基地
局9が無線通信機能を有する構成としているが、例え
ば、その一部またはすべてが有線通信を行う構成とされ
ていてもよい。
【0032】また、情報処理装置8が、基地局9の機能
の一部またはすべてを有していてもよい。
【0033】また、リアルグローブ20が、仮想空間表
示装置5、情報処理装置8および基地局9の機能の一部
またはすべてを有していてもよい。
【0034】ここで、力覚提示装置(触覚・力覚提示装
置)2は、本実施形態では、一対のリアルグローブ2
0、20、すなわち、ユーザの左手に装着される左手用
のリアルグローブ20と、ユーザの右手に装着される右
手用のリアルグローブ20とで構成されている。以下の
説明では、代表的に一方のリアルグローブ20を説明す
る。
【0035】なお、本発明では、力覚提示装置2は、一
方のリアルグローブ20で構成されていてもよい。
【0036】また、本発明では、力覚提示装置2は、リ
アルグローブ20の他に、仮想空間表示装置5、情報処
理装置8および基地局9のうちの、いずれか1つ、また
は、2つ、または、すべてを有していてもよい。この場
合、力覚提示装置2は、それらの有する機能の一部を有
していてもよく、また、すべてを有していてもよい。
【0037】図2に示すように、リアルグローブ20
は、仮想空間に現れている(仮想空間画像上の)物体
(対象物)に接触した指の感覚(例えば、質感、形状、
強さ等の接触強度の分布)を発生させるための触覚発生
部(触覚発生手段)21と、仮想空間に現れている物体
に接触したときに手や指にかかる力の強さの感覚を発生
させるための力覚発生部(力覚発生手段)22と、リア
ルグローブ20の各部の位置(リアルグローブ20を装
着した手、手首、腕、指等の各部の位置)を検出する位
置姿勢検出部23と、リアルグローブ20の各部を制御
する制御部24と、情報処理装置8に送信するための信
号の増幅等の信号処理を行う信号処理部25と、情報処
理装置8との間で無線通信を行うための信号送受信部2
6とを有している。
【0038】また、図3に示すように、リアルグローブ
20の全体形状は、略長手袋状(手袋状)をなしてい
る。すなわち、リアルグローブ20は、その装着者(ユ
ーザ)の指から腕の肘近傍まで装着する(比較的長い)
手袋(装着手段)2aを有している。
【0039】手袋2aには、手や腕に装着されたその手
袋2aを肘方向(基端側)に引っ張った状態で保持する
ことで指先に遊びができてしまうのを防止するストッパ
27と、手首部分を固定するためのストッパ28と、腕
でのねじれを吸収するねじれ吸収部29とが、それぞれ
形成されている。
【0040】ストッパ27、28は、それぞれ、例え
ば、各種ゴム等の弾性体で形成される。
【0041】また、ねじれ吸収部29は、例えば、伸縮
性のある材料で構成された布等の伸縮性のある部材で形
成される。このねじれ吸収部29は、本実施形態では、
3本の伸縮性のある帯状の部材で構成されている。
【0042】また、手袋2aの各指の背側の関節に対応
する部分には、それぞれ、開口21aが形成されてい
る。
【0043】なお、リアルグローブ20には、ねじれ吸
収部29よりも肘方向に位置する部分に、制御部24、
電力供給部30、動力発生部211などが設けられてい
る。
【0044】触覚発生部21の主要部は、ユーザがリア
ルグローブ20を装着したときに、ユーザの各指の第1
関節(末節骨と中節骨との間の関節)から先の指先部分
を覆う位置にそれぞれ設けられている。なお、各触覚発
生部21の構成および作用は、ほぼ同様であるので、以
下、代表的に、そのうちの1つについて説明する。
【0045】図4は、触覚発生部21の構成例を示す縦
断面図である。なお、図が煩雑になるのを避けるため、
図中、一部、部材の厚みを省略して図示する。
【0046】触覚発生部21は、図4(A)に示すよう
に、動力発生部211と、アクチュエータワイヤ212
と、アクチュエータワイヤ212の一端を保持するワイ
ヤ保持部213と、触覚を発生させるために指腹を押圧
する触覚提示ピン214と、触覚提示ピン214を支持
する触覚提示ピン支持部215とで構成される複数の単
位触覚発生部210を有している。
【0047】動力発生部211は、例えば、制御部24
からの制御信号に応じて内部に備えるモータ(駆動源)
を回転駆動し、そのモータの回転駆動によってアクチュ
エータワイヤ212を巻き取る処理を行う。制御部24
は、情報処理装置8からの指示に従って、モータの回転
駆動が所定のトルクで所定時間なされるように動力発生
部211を制御する。動力発生部211は、情報処理装
置8からの指示に従ってモータに回転動力を与えること
で、アクチュエータワイヤ212を所定の長さ巻き取る
処理を行う。
【0048】ワイヤ保持部213は、図4(A)に示す
ように、この実施形態では指の第1間接の近傍でアクチ
ュエータワイヤ212の一端(終端)を保持する。この
ワイヤ保持部213は、例えばゴムやバネなどの弾性を
有する部材(弾性体)により構成される。
【0049】従って、動力発生部211のモータ駆動に
よりアクチュエータワイヤ212が巻き取られ、そのア
クチュエータワイヤ212が図4(A)中の時計回りに
移動すると、それに伴ってワイヤ保持部213が伸張す
る。そして、動力発生部211のモータ駆動が停止する
と、ワイヤ保持部213が復元力(弾性力)によって収
縮し、これにより、巻き取られていたアクチュエータワ
イヤ212が引き出され、図4(A)中の反時計回りに
移動する。
【0050】触覚提示ピン214は、ユーザの指腹に接
触感覚(接触の有無や強さ等)を与えるために用いら
れ、指腹に接触する部分である微少な接触板214a
と、接触板214aを支持する支持部214bとで構成
される。支持部214bは、その一端がアクチュエータ
ワイヤ212に固定され、その他端に接触板214aが
設けられている。
【0051】この実施形態では、図4(A)に示すよう
に、リアルグローブ20の手袋2aは、指先を装着する
(覆う)装着部が2重構造(例えば布などの部材を2枚
重ね合わせて、重ね合わせた2枚の部材の間に何らかの
部材が収納し得るような構造)になっており、指先を覆
っている部分の内部(2重構造の内部)に、前記アクチ
ュエータワイヤ212の一部、ワイヤ保持部213およ
び支持部214bと、触覚提示ピン214のアクチュエ
ータワイヤ212の移動方向への移動を規制する触覚提
示ピン支持部215とが設けられている。そして、指が
収納される手袋2a内に、支持部214bの一端側が突
出し、接触板214aが位置している。
【0052】この実施形態では、その接触板214a
は、リアルグローブ20を装着した手の指先に常に接触
した状態となっている。
【0053】図4(A)では、説明を簡単にするため、
1つの単位触覚発生部210(1つの触覚提示ピン21
4)が代表して示されているが、実際には、触覚発生部
21には、複数の触覚提示ピン214が、例えば行列状
(マトリックス状)に配置されている。そして、各触覚
提示ピン214の前後には、それぞれ、その触覚提示ピ
ン214の支持部214bのアクチュエータワイヤ21
2の移動方向への移動を規制する触覚提示ピン支持部2
15が設けられている。
【0054】次に、触覚発生部21による触覚発生動作
について説明する。ユーザがリアルグローブ20を装着
し、手や指を動かすことによって仮想空間に現れている
物体(仮想物体)、すなわち対象物に、その指先が仮想
的に接触すると、情報処理装置8は、実際に接触があっ
たとした場合の押圧力を計算し、その計算結果にもとづ
いて動力発生部211のPWMデータ(例えば、モータ
を回転させるための励磁パターンを示すデータ)に変換
する。
【0055】この場合、前記仮想空間(3次元空間)に
おいて、予め、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸、
すなわちX−Y−Z座標(3次元座標)が想定されてお
り、前記物体の座標と、前記ユーザの指先の座標との一
致を検出し、その一致が検出されると、物体の前記座標
に相当する部位とユーザの指先の前記座標に相当する部
位とが接触したと判別する。ユーザの指先の座標は、後
述する位置姿勢検出部23から信号送受信部26を介し
て情報処理装置8に送信される信号(情報)に基づいて
導出される。
【0056】次いで、情報処理装置8は、導出したPW
Mデータと、実際に接触があったとした場合の接触位置
に押圧力を与える接触板214aを動作させる動力発生
部211を特定(指定)するためのデータとを、リアル
グローブ20に送信する。リアルグローブ20は、受信
したPWMデータに応じて、指定された動力発生部21
1を駆動し、アクチュエータワイヤ212を巻き取る。
【0057】アクチュエータワイヤ212が巻き取られ
ると、指腹に配されているアクチュエータワイヤ212
が指の先端方向に向けて移動し、図4(B)に示すよう
に、アクチュエータワイヤ212に取付固定されている
触覚提示ピン214も、指の先端方向に向けて移動す
る。
【0058】この際、図4(C)に示すように、触覚提
示ピン214は、触覚提示ピン支持部215によって指
の先端方向への移動が制限されるとともに、触覚提示ピ
ン支持部215にガイドされて、図4(C)中上側へ移
動する。すなわち、触覚提示ピン214の接触板214
aが指の表面に対しほぼ垂直上方に移動する。触覚提示
ピン214の支持部214bは、待機時には、図4
(B)に示すように、垂直方向から指の先端方向に傾斜
しており、前記接触板214aがほぼ垂直上方に移動し
ようとする力が働くことで、その接触板214aが指腹
をほぼ垂直方向へ押圧し、これにより、ユーザの手の指
腹に押圧力を与える。
【0059】この動作が、複数の単位触覚発生部210
のうちの指定された単位触覚発生部210でなされ、こ
れにより、ユーザの手の指腹に触覚が提示される(与え
られる)。
【0060】このような触覚発生部21によれば、指腹
に対してほぼ平行にアクチュエータワイヤ212を配置
し、そのアクチュエータワイヤ212を巻き取ることに
よって指腹に対してほぼ垂直な力を与えるようになって
いるので、触覚を与えるための機構を薄くすることがで
き、これにより、リアルグローブ20の指腹側の厚みを
極力抑えることができる。
【0061】図5および図6は、それぞれ、力覚発生部
22の構成例を示す外観図である。なお、図5は、フレ
ームカバーが取り外された状態を示す。
【0062】図5に示すように、力覚発生部22は、リ
アルグローブ20を装着したときのユーザの各指の背側
に設けられている。なお、力覚発生部22の構成および
作用は、ほぼ同様であるので、以下、代表的に、そのう
ちの1つについて説明する。
【0063】力覚発生部22は、回動可能に連結された
複数(本実施形態では6つ)のフレーム221を備えた
リンク機構と、各フレーム221を回動させる複数(本
実施形態では7つ)のリンクモータ(駆動源)222
と、手袋2aに設けられた複数(本実施形態では4つ)
のフレームホルダ2bとを有している。
【0064】前記フレームホルダ2bは、ユーザがリア
ルグローブ20を装着したとき、ユーザの指の第1関節
より先端側に位置する装着部と、第1関節と第2関節
(中節骨と基節骨との間の関節)との間に位置する装着
部と、第2関節と第3関節との間に位置する装着部と、
第3関節(基節骨と中手骨との間の関節)より基端側に
位置する装着部とに、それぞれ、設けられている。
【0065】リンク機構は、前記フレームホルダ2bに
よって、手袋2aの、リアルグローブ20を装着したと
きのユーザの指の背側に取り付けられている。
【0066】すなわち、リンク機構の先端側(図5中右
側)の端部のフレーム221は、ユーザがリアルグロー
ブ20を装着したときに、ユーザの指の第1関節より先
端側の部位にその端部が位置するように配置され、この
フレーム221の先端部は、フレームホルダ2bに対
し、回動可能に設置されている。
【0067】また、リンク機構の基端側(図5中左側)
の端部のフレーム221は、ユーザがリアルグローブ2
0を装着したときに、ユーザの指の第3関節より基端側
の部位にその端部が位置するように配置され、このフレ
ーム221の基端部は、フレームホルダ2bに対し、回
動可能に設置されている。
【0068】また、リンク機構の残りの各フレーム22
1は、ユーザがリアルグローブ20を装着したときに、
ユーザの指の第1関節と第2関節との間の部位と、第2
関節と第3関節との間の部位とに、フレーム連結部が1
つおきに位置するように配置され、この1つおきのフレ
ーム連結部において、フレームホルダ2bに対し、回動
可能に設置されている。
【0069】各リンクモータ222の駆動力(回転力)
は、それぞれ、図示しない動力伝達部を介して、対応す
るフレーム221に伝達される。すなわち、リンクモー
タ222が所定方向に回転駆動すると、対応するフレー
ム221は、所定方向に回動し、これにより、フレーム
221の角度が変更(調整)される。
【0070】なお、図5には、前述したアクチュエータ
ワイヤ212の束212aが示されている。
【0071】力覚発生部22の各フレーム221や各リ
ンクモータ222は、それぞれ、図6に示すように、例
えば布製のフレームカバー2cの中に収納されている。
【0072】また、図6に示すように、フレームカバー
2cの内側には、手や指の所定の部位の位置および姿勢
を検出する複数(本実施形態では4つ)の位置姿勢検出
部(位置検出手段)23が設置されている。各位置姿勢
検出部23は、それぞれ、位置および姿勢を検出する部
位(検出位置)に対して一定の位置関係を保持し得るよ
うに設けられている。
【0073】すなわち、各位置姿勢検出部23は、それ
ぞれ、この実施形態では、フレームホルダ2bが設けら
れている位置に固定されている各リンクモータ222に
取付固定されている。従って、各位置姿勢検出部23が
設けられている部位と、ユーザの手のひら側の所定の部
位との位置関係は、一定に保たれる。よって、位置姿勢
検出部23が自己の位置や姿勢を検出することによっ
て、ユーザの手の平側の所定の部位の位置や姿勢を容易
かつ正確に導出することができる。
【0074】また、各位置姿勢検出部23は、それぞ
れ、手の甲側に配置されているので、リアルグローブ2
0の指腹側の厚みを極力抑えることができる。
【0075】また、図3に示すように、位置姿勢検出部
23は、ユーザがリアルグローブ20を装着したとき、
リアルグローブ20の腕の基端側の部位に相当する位置
にも設置されている。
【0076】これら位置姿勢検出部23により、リアル
グローブ20を装着した各指、手、手首、腕などの各部
の位置および姿勢を確実に把握することができる。
【0077】次に、力覚発生部22による力覚発生動作
について説明する。ユーザがリアルグローブ20を装着
し、手や指を動かすことによって仮想空間に現されてい
る物体(仮想物体)、すなわち対象物に、その手や指が
仮想的に接触すると、情報処理装置8は、実際に接触が
あった場合の前記物体から指(指の各関節)への反力を
計算し、その計算結果にもとづいて各リンクモータ22
2のPWMデータ(例えば、リンクモータ222を回転
させるための励磁パターンを示すデータ)に変換する。
【0078】前記物体とユーザの手や指との接触の判別
は、前記触覚発生部21の場合と同様である。
【0079】情報処理装置8は、導出した各PWMデー
タと、駆動させる各リンクモータ222を示すデータと
をリアルグローブ20に送信する。リアルグローブ20
は、受信したデータに応じて、指定された各リンクモー
タ222を所定方向に回転駆動し、対応する各フレーム
221を所定方向に回動させ、各フレーム221の角度
を調整、すなわち、リンク機構の両端部のフレーム22
1の角度および各フレーム連結部の角度をそれぞれ調整
する。
【0080】このフレーム221の角度調整により、所
定のフレームホルダ2bにそれぞれ所定の大きさの力が
加わり、これにより、前記仮想空間に現されている物体
からの反力に対応する力がユーザの指の各関節に与えら
れる。すなわち、指の各関節に対して力覚が提示される
(与えられる)。
【0081】ここで、この力覚発生部22は、指の複数
の部位に装着する複数の装着部間の間隔を調節する機能
を有している(調節手段を兼ねている)。
【0082】例えば、図5に示すように、所定のフレー
ム221を回動させ、フレーム221の角度を調整する
ことにより、各フレームホルダ2b間の間隔を長くした
り、または、短くしたりすることができる。
【0083】図7は、位置姿勢検出部23の構成例を示
すブロック図である。位置姿勢検出部23には、本実施
形態では、直交コイル式(直交コイル型)の位置センサ
が用いられる。すなわち、位置姿勢検出部23は、図7
に示すように、X方向検出コイル231と、Y方向検出
コイル232と、Z方向検出コイル233とで構成され
る。なお、X方向と、Y方向と、Z方向とは、互いに直
交している。
【0084】一方、情報処理装置8には、磁界を発生す
る図示しない磁界発生部が設けられている。この磁界発
生部には、例えば、前記位置姿勢検出部23とほぼ同じ
構成のもの、すなわち、直交コイル式(直交コイル型)
の磁界発生器(X方向コイル、Y方向コイル、Z方向コ
イル)が用いられる。
【0085】磁界発生部で発生した磁界は、位置姿勢検
出部23で検出される。この場合、磁界発生部のX方向
コイル、Y方向コイルおよびZ方向コイルから、順次、
磁界を発生し、それぞれを、位置姿勢検出部23のX方
向検出コイル231、Y方向検出コイル232およびZ
方向検出コイル233の3つのコイルで検出する。
【0086】位置姿勢検出部23によってXYZ各方向
について検出された各信号(検出データ)は、それぞ
れ、信号処理部25の増幅部251にて増幅され、A/
D変換部252にてデジタル信号に変換された後、図2
に示す信号送受信部26に出力され、この信号送受信部
26により情報処理装置8に送信される。
【0087】情報処理装置8では、前記信号を受信し、
その信号(情報)に基づいて、リアルグローブ20を装
着した各指、手、手首、腕などの各部の位置および姿勢
を導出し、その情報を所定の各処理において利用する。
【0088】仮想空間表示装置5には、この実施形態で
は、顔面に装着して使用する形態のもの、すなわち、H
MD(ヘッドマウントディスプレイ)と呼ばれる眼鏡状
の装置が用いられる。
【0089】図8は、仮想空間表示装置5の外観構成例
を示す斜視図、図9は、仮想空間表示装置5の回路構成
例を示すブロック図である。
【0090】仮想空間表示装置5は、装着者(ユーザ)
に対して仮想空間画像を表示する画像表示部51a、5
1bと、装着者の視線を検出する視線検出部52a、5
2bと、周囲の画像(映像)を取り込む凹凸入力部53
a、53bと、装置全体の制御を行う制御部54と、信
号送受信部55と、位置姿勢検出部(位置検出手段)5
6と、装着部57と、信号処理部58とを備えている。
【0091】図10は、仮想空間表示装置5の凹凸入力
部53aの構成例を示す図(ブロック図、模式図)であ
る。
【0092】凹凸入力部53aは、レンズ531と、C
CD(撮像素子)532と、CCD制御部533と、C
CD出力増幅部534とを有している。
【0093】レンズ531に入射した光(光束)は、そ
のレンズ531により、CCD532の受光面(撮像
面)上に導かれて結像し、その被写体像(周囲の像)
は、CCD532により撮像される。このCCD532
の駆動は、CCD制御部533により制御される。
【0094】CCD532から出力された信号は、CC
D出力増幅部534で増幅され、その後、凹凸入力部5
3aから出力され、図9に示す信号処理部58に入力さ
れ、所定の信号処理がなされ、信号送受信部55により
情報処理装置8に送信される。
【0095】なお、凹凸入力部53bの構成および作用
は、前記凹凸入力部53aと同様であるので、その説明
は、省略する。
【0096】図11は、仮想空間表示装置5の画像表示
部51aの構成例を示す図(ブロック図、模式図)であ
る。
【0097】画像表示部51aは、レンズ511と、レ
ンズ511を移動させるレンズ移動機構512と、ステ
ッピングモータ513と、モータ制御部514と、図示
しないカラーフィルタを備えた液晶表示パネル515
と、液晶駆動部516と、バックライト517と、バッ
クライト制御部518と、トランジスタ519とを有し
ている。
【0098】画像表示部51aにおいて仮想空間画像を
表示する際は、バックライト制御部518の制御によ
り、トランジスタ519がオンし、バックライト517
が駆動し、バックライト517から液晶表示パネル51
5へ光が照射される。
【0099】そして、液晶駆動部516は、表示信号
(画像データ)に基づいて、液晶表示パネル515の駆
動を制御し、これにより、液晶表示パネル515に仮想
空間画像が表示される。
【0100】装着者は、レンズ511および後述する視
線検出部52aのハーフミラー521を介し、この液晶
表示パネル515に表示された仮想空間画像を視認する
ことができる。
【0101】ステッピングモータ513の駆動は、モー
タ制御部514により制御され、そのステッピングモー
タ513が所定方向に回転すると、レンズ移動機構51
2により、レンズ511は、液晶表示パネル515に接
近する方向、すなわち、装着者の目から離間する方向へ
移動する。
【0102】また、ステッピングモータ513が前記と
逆方向に回転すると、レンズ移動機構512により、レ
ンズ511は、液晶表示パネル515から離間する方
向、すなわち、装着者の目に接近する方向へ移動する。
【0103】このレンズ511の位置の変更により、前
記仮想空間画像の遠近を変更することができる。
【0104】このレンズ511の位置の調整、すなわ
ち、前記仮想空間画像の遠近の調整は、後述する視線検
出部52a、52bで検出される装着者の視線の情報に
基づいてなされる。
【0105】なお、画像表示部51bの構成および作用
は、前記画像表示部51aと同様であるので、その説明
は、省略する。
【0106】視線検出部52a、52bは、装着者の視
線がどの方向にあるか(仮想空間画像のどこに焦点を合
せようとしているか)を検出する機能と、セキュリティ
情報として利用するための装着者の眼の虹彩パターンを
読み取る機能とを有している。
【0107】図12は、仮想空間表示装置5の視線検出
部52aの構成例を示す図(ブロック図、模式図)であ
る。
【0108】視線検出部52aは、ハーフミラー521
と、可視光を除去し、赤外光を透過させるフィルタ52
2と、レンズ523と、CCD(撮像素子)524と、
CCD制御部525と、CCD出力増幅部526と、赤
外光を発するLED(発光ダイオード)527と、LE
D制御部528と、トランジスタ529とを有してい
る。
【0109】LED527の駆動は、LED制御部52
8により制御され、そのLED制御部528の制御によ
りトランジスタ519がオンすると、LED527が駆
動し、LED527から赤外光が発せられる。
【0110】LED527から発せられた赤外光は、フ
ィルタ522を透過し、ハーフミラー521でその一部
が反射して、装着者の目に照射される。
【0111】そして、装着者の目からの反射光(光束)
は、ハーフミラー521でその一部が反射して、フィル
タ522を透過し、レンズ523により、CCD524
の受光面(撮像面)上に導かれて結像し、その被写体像
(装着者の目の像)は、CCD524により撮像され
る。このCCD524の駆動は、CCD制御部525に
より制御される。
【0112】CCD524から出力された信号は、CC
D出力増幅部526で増幅され、その後、視線検出部5
2aから出力され、図9に示す信号処理部58に入力さ
れ、所定の信号処理がなされ、信号送受信部55により
情報処理装置8に送信される。
【0113】情報処理装置8では、前記信号を受信し、
その信号(情報)に基づいて、装着者の視線がどの方向
にあるか(仮想空間画像のどこに焦点を合せようとして
いるか)を検出するとともに、装着者の眼の虹彩パター
ンを読み取り、解析し、セキュリティ情報として利用す
る。
【0114】一方、レンズ523側からフィルタ522
へ入射する可視光は、フィルタ522で除去され、その
可視光が装着者の目に照射されてしまうのを阻止するこ
とができる。これにより、液晶表示パネル515に表示
された仮想空間画像の視認性の低下を防止することがで
きる。
【0115】なお、視線検出部52bの構成および作用
は、前記視線検出部52aと同様であるので、その説明
は、省略する。
【0116】この仮想空間表示装置5は、2台の画像取
込装置(撮像手段)、すなわち、前記凹凸入力部53
a、53bによって周囲の画像を撮像して取り込み、情
報処理装置8に対して撮像した画像データ(映像デー
タ)を送信する。
【0117】情報処理装置8は、凹凸入力部53a、5
3bにて撮像された画像、すなわち撮像された画像デー
タから視角差を導出し、その視角差等から得られる周囲
の凹凸にもとづいて、仮想空間画像、すなわち仮想空間
の画像データを作成する。そして、情報処理装置8は、
作成した仮想空間の画像(映像)と、例えば、仮想壁紙
や仮想パーソナルコンピュータや仮想本などの所定の仮
想物体を周囲の凹凸に合わせて仮想空間に配置するため
の画像とを合成した合成画像(合成映像)を示す画像デ
ータ(映像データ)を仮想空間表示装置5に送信する。
【0118】仮想空間表示装置5は、情報処理装置8か
らの画像データにもとづいて、その画像を画像表示部5
1a、51bを用いて表示する。
【0119】また、仮想空間表示装置5は、装着されて
いるリアルグローブ20、すなわち、ユーザの手や腕が
画像表示部51a、51bにより表示されている画像の
領域内に入っている場合には、その手や腕に対応する画
像も、画像表示部51a、51bに表示する。
【0120】この場合、前述したように、リアルグロー
ブ20に設けられている複数の位置姿勢検出部23の検
出データが情報処理装置8に送信されることで、リアル
グローブ20の位置および姿勢、すなわち、ユーザの各
指、手、手首、腕等は情報処理装置8にて認識される。
すなわち、情報処理装置8は、逐一、リアルグローブ2
0からの前記検出データにもとづいて、ユーザの各指、
手、手首、腕等の位置および姿勢を特定し、それらが画
像表示部51a、51bにより表示されている画像の領
域内に入っている場合には、それらを示す仮想空間画像
を作成し、その画像を基礎の画像に合成して、合成画像
(合成画像の画像データ)を得、その画像データを仮想
空間表示装置5に送信する。
【0121】従って、ユーザの手や腕が画像表示部51
a、51bにより表示されている画像の領域内に入って
いる場合には、その手や腕に対応する画像が、画像表示
部51a、51bに表示される。
【0122】そして、リアルグローブ20を装着した手
や指の実際の動作に連動し、画像表示部51a、51b
に表示されている仮想空間画像においてその手や指が動
く。
【0123】位置姿勢検出部56は、仮想空間表示装置
5の位置および姿勢、すなわち、装着者の顔面(頭部)
の位置および姿勢を検出するためのセンサである。この
位置姿勢検出部56には、本実施形態では、直交コイル
式の位置センサ、すなわち、前記位置姿勢検出部23と
同様のものが用いられる。
【0124】位置姿勢検出部56からの信号(検出デー
タ)は、信号処理部58に入力され、所定の信号処理が
なされ、信号送受信部55により逐一情報処理装置8に
送信される。情報処理装置8は、この検出データに基づ
いて、逐一仮想空間画像を更新する。
【0125】従って、例えば仮想空間表示装置5を装着
したユーザが首を動かした場合には、画像表示部51
a、51bに表示される仮想空間画像は、ユーザが向い
ている方向に合致した画像となるように変化する。
【0126】次に、触覚・力覚提示システム1の動作
(作用)について説明する。ここでは、ユーザが、触覚
・力覚提示システム1を利用して、仮想空間に現れてい
る仮想パーソナルコンピュータの操作を行う場合を例に
説明する。
【0127】ユーザは、各部の電源を入れ、リアルグロ
ーブ20を両手にそれぞれ装着し、眼鏡状の仮想空間表
示装置5をかける(顔面に装着する)。すると、仮想空
間表示装置5の画像表示部51a、51bに、仮想パー
ソナルコンピュータを含む仮想空間画像が表示される。
【0128】また、ユーザの腕が画像表示部51a、5
1bで表示されている仮想空間画像内に入るようにすれ
ば、情報処理装置8にて作成されたその手や腕の画像が
仮想空間画像に仮想物体として表示される。そして、ユ
ーザが手や指を動かした場合には、その実際の手や指の
動きに連動して、仮想空間画像において、表示されてい
る手や指が動く。
【0129】情報処理装置8は、仮想空間画像における
対象物、すなわち本実施形態では、例えば、仮想パーソ
ナルコンピュータの一部(例えばキーボード)と、ユー
ザの指の一部が同一座標となったことを検出すると、リ
アルグローブ20に対して、触覚および力覚を発生させ
るための指示を行う。具体的には、リアルグローブ20
に対して、駆動させる動力発生部211およびその駆動
に用いるPWMデータや、駆動させるリンクモータ22
2およびその駆動に用いるPWMデータなどを送信す
る。
【0130】リアルグローブ20は、情報処理装置8か
らの指示に従って、指定された各動作発生部211を、
それぞれ、指定されたトルクで指定された時間だけPW
M制御により駆動する。これにより、仮想パーソナルコ
ンピュータの一部と同一座標となった部分に配置されて
いる各触覚提示ピン214の接触板214aが突出し、
仮想パーソナルコンピュータの一部と同一座標となった
ユーザの各指先に対して触覚が与えられる。すなわち、
各指先に、接触感覚、質感、形状、強さ等の感覚が与え
られる。
【0131】同時に、リアルグローブ20は、情報処理
装置8からの指示に従って、指定された各リンクモータ
222を、それぞれ、指定されたトルクで指定された時
間だけPWM制御により駆動する。これにより、実在す
るパーソナルコンピュータの例えばキーボードに触れて
いるときに各指の各関節に与えられる力覚、すなわち、
前記各指の各関節に与えられる押圧力(反力)に相当す
る力がユーザの各指の各関節に対して与えられる。
【0132】また、ユーザが、さらに仮想パーソナルコ
ンピュータのキーを押し込む方向に指を動かすと、指の
座標変化に合わせて、画像表示部51a、51bに、キ
ーを押し込む様子を示す仮想空間画像が表示される。
【0133】この場合、情報処理装置8は、押下された
キーにもとづく表示状態の変化を仮想空間画像で再現す
るための仮想空間画像の画像データを生成して仮想空間
表示装置5に送信する処理を行い、仮想空間表示装置5
は、前記情報処理装置8からの仮想空間画像の画像デー
タにもとづいて、仮想パーソナルコンピュータのディス
プレイにキーの押下が反映された表示がなされる画像を
表示する。
【0134】以上説明したように、この力覚提示装置2
によれば、仮想空間画像に応じて、各指に対して力覚お
よび触覚をそれぞれ正確かつ確実に提示することができ
る。
【0135】これにより、ユーザは、仮想空間における
動作(操作)を、快適に、容易かつ確実に、行うことが
できる。
【0136】また、力覚発生部22はリンク機構を有し
ているので、指を伸ばしている状態、指を曲げている状
態のいずれにおいても対応することができ、これによ
り、確実に、各指に対して力覚を与えることができる。
【0137】なお、上述した実施形態では、使用例とし
て仮想空間画像にて表示されているパーソナルコンピュ
ータを仮想的に操作する場合について説明したが、本発
明では、これに限らず、例えば、仮想本などの他の物品
を取扱うために使用することもできる。仮想本を取扱う
場合には、例えば、仮想本の縁をさわったりページをめ
くったりするときに、実際の本の縁をさわったりページ
をめくったりするときに指に加わる触感や力感を感じる
ことができる。
【0138】また、本発明では、仮想空間画像が表示さ
れなくてもよい。すなわち、仮想空間画像に対応した所
定のデータがあり、そのデータに基づいて、指に対して
触覚や力覚を提示するよう構成されていてもよい。
【0139】以上、本発明の力覚提示装置を、図示の実
施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定され
るものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任
意の構成のものに置換することができる。
【0140】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
仮想空間画像(仮想空間映像)に応じて、指に対して力
覚を正確かつ確実に提示することができる。
【0141】これにより、ユーザ(使用者)は、仮想空
間における動作(操作)を、快適に、容易かつ確実に、
行うことができる。
【0142】また、力覚発生手段がリンク機構を有する
場合には、指を伸ばしている状態、指を曲げている状態
のいずれにおいても対応することができ、これにより、
確実に、指に対して力覚を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の力覚提示装置の実施形態およびその
力覚提示装置を有する触覚・力覚提示システムの構成例
を示す概念図である。
【図2】 図1に示すリアルグローブの回路構成例を示
すブロック図である。
【図3】 図1に示すリアルグローブの外観構成例を示
す外観図(一部図示を省略)である。
【図4】 図1に示すリアルグローブの触覚発生部の構
成例を示す縦断面図である。
【図5】 図1に示すリアルグローブの力覚発生部の構
成例を示す外観図である。
【図6】 図1に示すリアルグローブの力覚発生部の構
成例を示す外観図である。
【図7】 図1に示すリアルグローブの位置姿勢検出部
の構成例を示すブロック図である。
【図8】 図1に示す仮想空間表示装置の外観構成例を
示す斜視図である。
【図9】 図1に示す仮想空間表示装置の回路構成例を
示すブロック図である。
【図10】 図1に示す仮想空間表示装置の凹凸入力部
の構成例を示す図(ブロック図、模式図)である。
【図11】 図1に示す仮想空間表示装置の画像表示部
の構成例を示す図(ブロック図、模式図)である。
【図12】 図1に示す仮想空間表示装置の視線検出部
の構成例を示す図(ブロック図、模式図)である。
【符号の説明】
1・・・触覚・力覚提示システム、2・・・力覚提示装
置、20・・・リアルグローブ、2a・・・手袋、21
a・・・開口、2b・・・フレームホルダ、2c・・・
フレームカバー、21・・・触覚発生部、210・・・
単位触覚発生部、211・・・動力発生部、212・・
・アクチュエータワイヤ、212a・・・束、213・
・・ワイヤ保持部、214・・・触覚提示ピン、214
a・・・接触板、214b・・・支持部、215・・・
触覚提示ピン支持部、22・・・力覚発生部、221・
・・フレーム、222・・・リンクモータ、23・・・
位置姿勢検出部、231・・・X方向検出コイル、23
2・・・Y方向検出コイル、233・・・Z方向検出コ
イル、24・・・制御部、25・・・信号処理部、25
1・・・増幅部、252・・・A/D変換部、26・・
・信号送受信部、27、28・・・ストッパ、29・・
・ねじれ吸収部、30・・・電力供給部、5・・・仮想
空間表示装置、51a、51b・・・画像表示部、51
1・・・レンズ、512・・・レンズ移動機構、513
・・・ステッピングモータ、514・・・モータ制御
部、515・・・液晶表示パネル、516・・・液晶駆
動部、517・・・バックライト、518・・・バック
ライト制御部、519・・・トランジスタ、52a、5
2b・・・視線検出部、521・・・ハーフミラー、5
22・・・フィルタ、523・・・レンズ、524・・
・CCD、525・・・CCD制御部、526・・・C
CD出力増幅部、527・・・LED、528・・・L
ED制御部、529・・・トランジスタ、53a、53
b・・・凹凸入力部、531・・・レンズ、532・・
・CCD、533・・・CCD制御部、534・・・C
CD出力増幅部、54・・・制御部、55・・・信号送
受信部、56・・・位置姿勢検出部、57・・・装着
部、58・・・信号処理部、8・・・情報処理装置、9
・・・基地局
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C007 JT05 5B050 AA08 BA08 CA07 CA08 DA09 EA24 EA27 FA02 FA06 FA08 5E501 AA30 AC01 BA20 CC09

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 指に装着する装着手段と、指に与える力
    覚を発生する力覚発生手段とを有し、 仮想空間画像に応じて、指に対して力覚を提示するよう
    構成されていることを特徴とする力覚提示装置。
  2. 【請求項2】 仮想空間画像に応じて前記力覚発生手段
    の駆動を制御する制御手段を有する請求項1に記載の力
    覚提示装置。
  3. 【請求項3】 前記力覚発生手段は、指の関節に対して
    力覚を与えるよう構成されている請求項1または2に記
    載の力覚提示装置。
  4. 【請求項4】 前記装着手段は、指の複数の部位に装着
    する複数の装着部を有しており、該装着部間の間隔を調
    節する調節手段を有する請求項1ないし3のいずれかに
    記載の力覚提示装置。
  5. 【請求項5】 前記力覚発生手段は、前記調節手段を兼
    ねる請求項4に記載の力覚提示装置。
  6. 【請求項6】 前記力覚発生手段は、リンク機構を有す
    る請求項1ないし5のいずれかに記載の力覚提示装置。
  7. 【請求項7】 前記力覚発生手段は、回動可能に連結さ
    れた複数のフレームを備えたリンク機構と、前記各フレ
    ームを回動させる駆動源とを有し、 前記フレームの回動により、指の関節に対して力覚を与
    えるよう構成されている請求項1ないし5のいずれかに
    記載の力覚提示装置。
  8. 【請求項8】 前記力覚は、仮想空間画像における対象
    物からの反力に対応したものである請求項1ないし7の
    いずれかに記載の力覚提示装置。
  9. 【請求項9】 指の位置を検出する位置検出手段を有
    し、該位置検出手段からの情報に基づいて、指に対して
    力覚を提示するよう構成されている請求項1ないし8の
    いずれかに記載の力覚提示装置。
  10. 【請求項10】 信号の送信または受信を行う通信手段
    を有する請求項1ないし9のいずれかに記載の力覚提示
    装置。
  11. 【請求項11】 前記通信手段から送信される信号に基
    づいて、前記力覚発生手段が駆動するよう構成されてい
    る請求項10に記載の力覚提示装置。
  12. 【請求項12】 仮想空間画像を作成する画像作成手段
    を有する請求項1ないし11のいずれかに記載の力覚提
    示装置。
  13. 【請求項13】 前記画像作成手段は、指の動きに応じ
    て仮想空間画像を更新するよう構成されている請求項1
    2に記載の力覚提示装置。
  14. 【請求項14】 前記画像作成手段に対して信号の送信
    または受信を行う通信手段を有する請求項12または1
    3に記載の力覚提示装置。
  15. 【請求項15】 仮想空間画像を表示する表示手段を有
    する請求項1ないし14のいずれかに記載の力覚提示装
    置。
  16. 【請求項16】 前記表示手段は、顔面に装着して使用
    するものである請求項15に記載の力覚提示装置。
  17. 【請求項17】 前記表示手段に対して信号の送信また
    は受信を行う通信手段を有する請求項15または16に
    記載の力覚提示装置。
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