JP2003307857A - 感光性樹脂凸版の現像方法及び現像装置 - Google Patents

感光性樹脂凸版の現像方法及び現像装置

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JP2003307857A
JP2003307857A JP2002113405A JP2002113405A JP2003307857A JP 2003307857 A JP2003307857 A JP 2003307857A JP 2002113405 A JP2002113405 A JP 2002113405A JP 2002113405 A JP2002113405 A JP 2002113405A JP 2003307857 A JP2003307857 A JP 2003307857A
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Hirotatsu Fujii
寛達 藤井
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 界面活性剤を含有しない水性現像液を用い、
かつ現像液を循環使用することにより廃液処分コストを
低減する感光性樹脂印刷版の現像方法を提供する。 【解決手段】 露光により所定のパターンに硬化された
感光性樹脂印刷版に対して、電極板によって電解水化
し、かつ水単一又はエアーを混入した気液二相の水性現
像液を印刷版表面に対して噴射させて現像を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、段ボール印刷、フ
ィルム印刷、プレプリント印刷、ラベル印刷のような感
光性樹脂凸版の現像方法に関するものであり、特に電解
水を含む水性現像液を用い、かつ感光性樹脂板の現像処
理において排出される廃液の極少化に関する。
【0002】
【従来の技術】段ボール印刷、或いはフィルム印刷、プ
レプリント印刷、ラベル印刷に代表される凸版印刷用の
版材に、従来から感光性樹脂版が使用されている。この
感光性樹脂の1つであるAPR(商標名、旭化成製)は
液状感光性樹脂として最も代表的な商品であり、この樹
脂を用いた製版装置としてもALF/AWF/ASF
(いずれも商標名、全て旭化成製)などが市販されてい
る。それらを用いた製版プロセスとしては、先ず透明な
キャリアフィルム上へ感光性樹脂液が一様な厚みで塗布
され、その上にベースフィルムが積層された後、該積層
構造体上へ、予め別なシステムで作製された紫外光を選
択的に透過するネガフィルムなどの透明画像担体を介し
て、紫外光を照射することにより、露光された感光性樹
脂液分のみを部分的に光硬化しレリーフ画像を形成せし
め、次いで未硬化樹脂をゴムブレードなどで除去、回収
し、最後にレリーフ画面上に残った未硬化樹脂を洗浄液
(現像液)で完全に洗い落とす。その後必要な後処理を
施すことによって印刷に供給される感光性樹脂凸版を製
造するという方法がとられている。
【0003】ところで、現在未硬化樹脂を洗い落とす工
程においては、使用する洗浄液に、ある一定量以上未硬
化樹脂が溶け込むと、洗浄能力が低下し、使用不能とな
る。この使用不能となった洗浄液は、そのまま下水ある
いは自然環境への排出ができないものであるため、産業
廃棄物処分業者に洗浄廃液としてその処分を委託しなけ
ればならない。その量は多量であり、その処分を委託す
る処分コストが高く、経済的に問題となっている。
【0004】また、現在一般的に現像工程後に後露光工
程を行っている。この後露光工程とは、現像工程によっ
て得られた硬化版の内部及び表面の未反応物を硬化させ
ることにより機械的強度を向上させるため、及び硬化版
の表面粘着性を減じるためにさらに活性光線を印刷版に
照射する工程である。この後露光工程では、感光性樹脂
層表面の重合反応を促進するために、感光性樹脂版を液
体中に浸して空気中の酸素から遮断し、液体中にて活性
光線を照射している。ここで液体を用いることは、製版
装置周りの汚濁、並びに低作業性を意味し、作業環境の
著しく低下という問題が提起されている。
【0005】以上のような現状から、使用済み現像液の
処分コストを低減する方法、および作業環境を向上させ
る空気中での後露光工程方法の開発が強く要望されてい
る。一方、現像工程に限定してだが、特開2000−2
9227号公報には、現像対象物の感光層に向けて高圧
力を加えた水性現像液をスプレーノズルから噴射する現
像方法の例が記載されている。この現像方法で用いる現
像液は水性現像液で、いわゆる水である。上述の界面活
性剤を混入した現像液を用い未硬化樹脂を洗い落とす現
像方法は、界面活性剤による化学的作用を応用して未硬
化樹脂を分解、除去しているのに対し、この特開200
0−29227号公報は、現像液を高圧することによっ
て大きな物理的エネルギーを与え、未硬化樹脂を除去す
る。よって現像液に化学的力を持たせる必要がないの
で、現像液は水で十分である。こうすることによって界
面活性剤などの洗浄剤コストが削減でき、また現像液の
寿命は現像液中に混入された未硬化樹脂量にあまり依存
しないので、界面活性剤を用いた現像方法と比較して飛
躍的に現像液寿命が延び、それによって現像廃液の処分
コストが削減できる。以上のような理由で使用済み現像
液の処分コストを低減するという問題は解決できる。し
かしながら、この技術では鮮明な印刷結果が得られる版
再現性を持つ印刷版を得るためには通常の数倍の洗浄時
間が必要である。
【0006】以上のような現状から、使用済み現像液の
処分コストを低減し、かつ現状の界面活性剤を用いた現
像方法と同程度の現像時間で鮮明な印刷結果が得られる
感光性樹脂凸版を現像する方法の開発が強く要望されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、その要望に
応えるものであり、露光工程後の感光性樹脂凸版に対す
る現像液の循環使用により現像廃液の発生量を抑制し、
その廃液処分コストを低減すると同時に空気中での後露
光工程をも可能とする製版方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、現像液に特殊な
洗浄液成分を含有させず、ほぼ水からなる現像液を電解
水にし、それを用いて物理的力により未硬化樹脂を印刷
版から除去し、かつ現像液にわずかの感光性水素引抜剤
を含有させることによって、空気中での後露光によって
版表面に粘着性のない感光性樹脂凸版が得られる知見を
得て、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、 1.露光後の感光性樹脂凸版に対して、電解水を含む水
性現像液を噴射する工程を含む感光性樹脂凸版の現像方
法、 2.水性現像液を高圧で噴射する上記1.記載の現像方
法、 3.水性現像液を1MPa以上30MPa以下の圧力下
で噴射する上記1.または2.のいずれかに記載の現像
方法、 4.水性現像液が40℃以上である上記1.の現像方
法、 5.水性現像液に気体が混入されている上記1.の現像
方法、 6.水性現像液に塩素化合物、塩素イオンのいずれか一
種を含む上記1.記載の現像方法、
【0010】7.水性現像液に混入した未硬化の感光性
樹脂をフィルターで除去し、該水性現像液を循環して利
用する上記1.〜6.のいずれかに記載の現像方法、 8.水性現像液を噴射後、感光性樹脂凸版の表面を水で
リンスし、該水をそのまま現像液へ混入する上記1〜7
のいずれかに記載の現像方法、 9.水性現像液が感光性水素引き抜き剤を含む上記1.
〜8.のいずれかに記載の現像方法、
【0011】10.(イ)感光性樹脂凸版を固定するた
めの支持体、及び該支持体に対向するように設置され、
水性現像液を吹き付けるための少なくとも1個のスプレ
ーノズルを配列させたノズルヘッダーを含む版処理部、
(ロ)加熱ヒーターおよび電解水生成部を設けた、水性
現像液を蓄える溶液タンク部、及び(ハ)入力側で該溶
液タンク部に接続され、出力側で該ノズルヘッダーに接
続されたポンプを含む感光性樹脂凸版の現像装置、
【0012】11.前記スプレーノズルと前記ポンプは
1MPa以上30MPa以下の圧力下で水性現像液をそ
れぞれ噴射及び吐出することができる上記10.記載の
現像装置、 12.前記タンク部及び/又は現像液が流れる配管中に
フィルターが設置されている上記10.記載の現像装
置、 13.上記1.〜9.のいずれかに感光性樹脂凸版の現
像方法に用いられる感光性樹脂凸版の現像装置、であ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の印刷版現像方法は、図1
の模式図に示したように、印刷版に対して、電解水を含
む水性現像液を、噴射させた後、必要に応じて、主とし
て水を用いたリンス工程を伴う一連の工程からなる。ま
ず、図1に沿って本発明に係わる現像方法及び現像装置
についてその概要を説明する。図1は本発明に係わる現
像方法が適用された現像装置の一例の模式図である。同
図に示すように、この本発明に係る現像装置は、高圧ス
プレー現像及びその後のリンス処理、エアブロー処理を
行う版処理部200と、電解室内で生成された電解水を
含む現像液を貯蔵、加熱する溶液タンク部210と、現
像液の高圧化を行う高圧ジェットポンプ101とから構
成されている。
【0014】まず版処理部200の構成について説明す
る。現像対象の感光性樹脂凸版108を固定する支持体
107が設けられている。感光性樹脂凸版108はその
支持体であるベースフィルムの頭側に版セッターを装着
して、ドラム型の支持体107に巻き付けて固定する。
その固定された感光性樹脂凸版に向けて高圧の現像液を
吹き付けるスプレーノズル112を1個又は複数個配列
されているノズルヘッダー102が感光性樹脂凸版表面
の垂直方向に設置している。このノズルヘッダー102
の入力側には耐温性、耐圧性に優れている高圧専用ホー
ス109を介して高圧ジェットポンプ101が連結され
ている。さらに版処理部200には高圧ジェット現像処
理後、感光性樹脂凸版表面に残った現像液を洗い流すリ
ンス水を噴射するノズルヘッダー103が備えられてい
る。リンス水噴射用のノズルヘッダーの入力側は、ホー
ス111を介して水道水配管が連結されている。さらに
感光性樹脂凸版表面に残ったリンス水を吹き飛ばすエア
ブローノズル113が設けられていてもよい。
【0015】次に溶液タンク部210の構成について説
明する。現像液を所定の温度まで加熱、或いは所定の温
度で保温する加熱ヒーター105が設けられている。ま
た溶液タンク内に貯蔵している現像液から電解水を生成
する電解水生成部106が設けられている。この電解水
生成部は反対極性を持つ、少なくとも2枚の電極板10
6a、106bからなる電極組を有し、この電極組に通
電して水を電解処理水することで電解水を生成する。ま
た溶液タンク内に貯蔵している現像液の表層には、現像
液内に混入した液状樹脂を濾過するために、必要に応じ
てオイル吸着マット或いは不織布フィルター或いは紙フ
ィルターなどのフィルター104を設置する。
【0016】最後に高圧ジェットポンプ101について
説明する。この現像装置の圧力源を構成する高圧ジェッ
トポンプ101の入力側には、ホース110を介して溶
液タンク210が接続されている。一方、高圧ジェット
ポンプ101の出力側には、高圧専用ホース109を介
して高圧の現像液を吹き付けるノズル112が1個又は
複数個配列されているノズルヘッダー102が接続され
ている。
【0017】以上の構成における感光性樹脂凸版の現像
装置では、高圧ジェットポンプ101が駆動されると、
溶液タンク210内で所定の温度まで加熱された現像液
を電解水生成部によって電解水に変化させ、その現像液
が高圧ジェットポンプ101内に吸引され、高圧力を加
えられた状態でノズルヘッダー102に供給される。そ
してノズルヘッダー102に供給された現像液は、スプ
レーノズル112の噴射口から微粒化或いは均等化され
た状態で噴射される。スプレーノズル112から吹き出
された現像液は感光性樹脂凸版に当たった後、フィルタ
−104を介して未硬化樹脂を取り除き、溶液タンク2
10内に取り込まれる。そしてその溶液タンク210に
連結されたホース110を介してまた高圧ジェットポン
プ101内に吸引される。その後十分に現像が行われた
後、感光性樹脂凸版表面に残った現像液を洗い落とすた
めに、水道水から直接吸引したリンス水をリンス水噴射
用のノズルヘッダー103から吹き付ける。このリンス
水は直接そのまま溶液タンク210内へ取り込む。リン
ス水処理終了後、必要に応じてエアブローノズル113
よりエアを感光性樹脂凸版に吹き付けてリンス水を吹き
飛ばす。
【0018】前記のごとく、図1で例示された構成に基
づく感光性樹脂凸版の現像方法・装置を用いた、本発明
に係わる電解水の高圧スプレー現像方法及び装置は、通
常の手法により露光工程に供された、液状又は固体状感
光性樹脂印刷版に対して適用できる。すなわち、所定の
パターンがデザインされたネガフィルムをカバーフィル
ム、感光性樹脂、ベースフィルム、マスキングフィルム
の順に積層されたものの上に配置し、露光工程を行う。
露光工程後はカバーフィルムを剥がし、必要に応じて未
硬化樹脂をゴムヘラやエアナイフ等ある程度感光性樹脂
凸版本体から回収し、その後、上記の感光性樹脂凸版現
像装置の版処理部に挿入、固定した後、上記の高圧スプ
レー現像を行うことができる。
【0019】以下、本発明の実施の態様についてより具
体的に説明する。本発明では、電解水を有する水性現像
液を用いる。ここでいう、水性現像液とは、現像液の組
成のうち、水の占める割合が最大であることを示す。従
来、液状感光性樹脂の現像液として一般的な水系現像液
としては、化学的作用で樹脂を溶解することにより、現
像を行うために1〜5%の界面活性剤水溶液を含有させ
たものが用いられるが、この現像方法では現像工程によ
って除去された未硬化樹脂が現像液中に溶け込むため、
樹脂成分だけを現像液中から除去することが困難とな
る。このような、未硬化感光性樹脂を含有する現像液
は、その樹脂溶解性が低下するばかりでなく、後述する
後露光工程による、印刷版表面の粘着性除去の効果にも
好ましくない影響を及ぼす。これに対し、本発明の水性
現像液は、界面活性剤水溶液をほとんど含有しない水性
現像液であり、疎水性の樹脂成分は本発明の水性現像液
中に溶け込むことができず、現像工程後、使用済みの水
性現像液から未硬化樹脂成分だけを除去することが容易
となる。
【0020】このように、本発明においては、電解水を
有する水性現像液を用いることによって、現像後の水性
現像液に含まれる未硬化樹脂と現像液の分離が容易とな
り、現像液の循環使用、ひいては現像液の長寿命化を図
ることができるが、本発明の水性現像液には、この現像
液の長寿命化を妨げない程度に、後述する後露光工程の
ための感光性水素引抜剤、その他必要に応じて、界面活
性剤を始めとする種々の添加剤を適宜含有していても良
い。又、水性現像液中に現像工程で混入する樹脂量とし
ては、現像液100重量部に対して樹脂混入量は少なく
とも4.0重量部まで充分な現像効果を維持することが
できる。
【0021】次に電解水についてさらに詳細に説明す
る。電解水生成部で生成させた電解水は、それ自体が滅
菌、洗浄力を有し現像液と使用できるため、現像液に界
面活性剤を混入しない現像液でも充分な現像力が得られ
る。またこれらの電解水を使用することにより、通常の
水道水を高圧化して噴射する現像方法よりも現像時間は
短くなる。また電解水によって現像力が向上することに
より、使用する高圧ポンプのサイズが小さくなりひいて
は消費電力が抑えられる。さらにこの発明により、層内
に発生しやすい黒カビの発生とその増殖とを、上記電解
水の滅菌効果によって抑制することも可能である。上記
現像装置の具体的な構成としては、少なくとも2枚の電
極板からなる電極組を有し、この電極組に通電すると、
陽極側及び陰極側で下記の反応が進行する。
【0022】
【化1】
【0023】そして、陰極側で生成されたアルカリ性
の、それ自体が洗浄力のある電解水を高圧ジェットポン
プ101に供給し、現像を行う。上記のように電極組を
構成する電極板を1つの層内に収容、配置した電解槽の
場合は、上記の反応に加えてさらに下記の反応が進行す
る。
【0024】
【化2】
【0025】そして生成した、次亜塩素酸(HCl
O)、次亜塩素酸イオン(ClO-)、塩素ガス(C
2)などの含塩素化合物を含み、それ自体が現像力を
有する中性の電解水を溶液タンク部210で生成、供給
しつつ、現像を行うことができる。さらにまた、層内の
水を、前記の反応過程でごく短時間、発生する活性酸素
(O2 -)によって現像する効果も得られる。上記の反応
は、給水手段によって層に供給する水として水道水を使
用する場合、当該水道水中に含まれる塩素イオン分をイ
オン源とするだけで十分進行するが、必要に応じて、塩
化ナトリウム(NaCl)、塩化カルシウム(CaCl
2)などの塩類を、イオン源として添加してもよい。
【0026】また、溶液タンク内に貯蔵している現像液
から電解水を生成する電解水生成部106に設けられて
いる、反対極性を持つ、少なくとも2枚の電極板106
a、106bは、電解によるいずれか一方の一方的な消
耗を防止するために、電解の累計時間、累計回数などに
応じて、印可する極性を定期的に逆転させるように設定
されている。
【0027】上記各部のうち電解水生成部106を構成
する電極板106a、106bとしては、例えばチタニ
ウム(Ti)製の基板の表面全面に金(Au)、白金
(Pt)、パラジウム(Pd)、白金−イリジウム(P
t−Ir)などの貴金属の薄膜を、メッキ法や焼成処理
によってコーティングしたものなどが使用される。また
溶液タンク本体及び配水経路などとしてはそれぞれ、こ
れらの部材がいずれも電極組106a、106bのごく
近傍に位置するため、例えばポリプロピレンなどの、電
気化学反応によって発生する含塩素化合物や活性酸素に
対して十分な耐性を有する樹脂によって形成されること
が好ましい。
【0028】本発明においては、前記、水性現像液中の
樹脂成分を分離、除去するために装置の適当な箇所にフ
ィルター類を設置することで、上記現像液の寿命延長効
果をさらに増大させることもできる。例えば、現像液を
感光性樹脂印刷版に噴射後、使用済み現像液が貯蔵され
る溶液タンク(図1、210)の表層にオイル吸着マッ
ト或いは不織布フィルター或いは紙フィルターなどのフ
ィルター類(図1、105)を設置する。現像液がそれ
らフィルター類を通過して、溶液タンクに戻ることによ
って、現像液中の大半の未硬化樹脂がフィルターで濾過
され、水性現像液をリサイクルすることができる。
【0029】水性現像液には、該現像液を噴射したとき
の印刷版への損傷を緩和するため、エアーを含ませるこ
ともできる。エアーを水性現像液中に混入する場合、エ
アーの圧力は0.1MPa以上が好ましい。0.1MP
aより低い圧力では、エアーを混入したことによる物理
的衝撃による現像効果の向上が認められない。水性現像
液は、現像工程後の版表面に残る粘着性を除去すること
を目的とした後露光工程のために、感光性水素引抜剤を
適量含んでいても良い。本発明に用いる感光性水素引抜
剤としては、例えば特開平9−288356公報に記載
されている感光性水素引抜剤のように、活性光線照射に
よって励起された状態で他の化合物の水素原子を引き抜
くことが可能な有機カルボニル化合物が望ましいが、こ
の場合、該水素引抜剤が、光励起状態のカルボニル基に
起因するの他の反応、特に、ノリッシュ(Norris
h)1型反応、すなわちカルボニル化合物が光照射下で
そのα位開裂をする反応又は同2型反応すなわちカルボ
ニル基のγ位に引き抜かれる水素を持ったケトンが光照
射下でオレフィンと低分子ケトン化合物に開裂する自己
開裂反応に比べ同程度かそれ以上の水素引き抜き反応性
を示す有機カルボニル化合物が適している。
【0030】感光性水素引抜剤として使用し得る代表的
な有機カルボニル化合物としては、例えば、ベンゾフェ
ノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベ
ンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−ヒドロ
キシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−
ジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メ
トキシベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェ
ノン、4−メチルベンゾフェノンといった置換又は無置
換ベンゾフェノン類;アセトフェノン、4’−メチルア
セトフェノン、2’,4’−あるいは3’,5’ジメチ
ルアセトフェノン、4’−メトキシアセトフェノン、2
−クロロ−2−フェニルアセトフェノン、3’,4’−
ジクロロアセトフェノン、4’−ヒドロキシアセトフェ
ノン等の置換又は無置換アセトフェノン類;
【0031】ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエ
ーテル、ベンゾイソブチルエーテルといった置換又は無
置換芳香族ケトン類;1,4−ベンゾキノン、2,6−
ジメチル−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジクロロ−
1,4−ベンゾキノン、アントラキノン、2−クロロア
ントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナ
フトキノンといった各種o,p−キノン化合物類;チオ
キサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチ
オキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,
4−ジクロロチオキサントンといった置換又は無置換チ
オキサントン類など各種の有機カルボニル化合物が発明
の感光性水素引抜剤として用いることが出来る。
【0032】本発明においては、上記感光性水素引抜剤
を含有した水性現像液を噴射することにより、現像工程
において、印刷版中の樹脂硬化物表面に感光性水素引抜
剤を付着含浸させることができ、その後の空気中で印刷
版に対して活性光線照射することにより、水素引き抜き
反応を起こさせ、印刷版表面の粘着性が十分低減するこ
とができる。
【0033】感光性水素引抜剤を現像工程で印刷版に充
分含浸させるためには、水性現像液中に感光性水素引抜
剤が溶解していることが最適であるが、懸濁状態として
均一分散しても充分な効果が発現される。この均一分散
状態としては現像中に必要量の感光性水素引抜剤が沈殿
しないで溶解、浮遊している状態を示す。現像液中で感
光性水素引抜剤が均一分散していない状態では、例え
ば、現像装置の溶液タンク内に樹脂硬化部表面層への付
着含浸に関与しない感光性水素引抜剤が沈殿、滞留する
などして、後露光工程後に充分な粘着性除去効果が得ら
れなくなる場合がある。またスプレーノズル部で結晶化
した感光性水素引抜剤が詰まることによりスプレー圧の
低下が生じ、さらには装置故障の原因ともなり得る。
【0034】感光性水素引抜剤を現像液中で均一分散さ
せるための混合方法としては、次のような方法が挙げら
れる。感光性水素引抜剤が現像液に溶解あるいは均一分
散する場合には、そのまま感光性水素引抜剤を現像液に
投入し混合する。また現像液の一部を分け取り、感光性
水素引抜剤を混合したものを現像液に投入しても良い。
多くの感光性水素引抜剤は10〜20℃で固体であり、
また液体であっても特に水系現像液に対して溶解あるい
は均一分散しないものがある。本発明で、現像液を40
℃以上に高温化した場合は、感光性水素引抜剤は直接投
入しても均一分散すると思われるが、もしも、感光性水
素引抜剤の種類により均一分散性が乏しい場合は、分散
助剤の添加によって感光性水素引抜剤の溶解性あるいは
均一分散性を付与することも可能である。
【0035】水性現像液は印刷版に対して噴射されたと
きの物理的衝撃による未硬化樹脂の現像効果を十分に発
揮するために1MPa以上、30Mpa以下の高圧で露
光工程後の印刷版に噴射させることが好ましい。1MP
aより低い圧力では、物理的衝撃により未硬化樹脂を除
去するという現像効果を充分に発揮しにくく、30MP
a以上だとスプレーされた現像液の衝撃により、印刷版
表面のレリーフ形状が損傷を受けやすい。特に線幅が5
00μm以下である独立線や面積率が5%以下であるハ
イライト網点は欠けたり、印刷版から剥離する場合があ
る。
【0036】また、本発明に用いる水性現像液の温度
は、40℃以上であることが好ましい。水性現像液を4
0℃以上にすることにより、従来の界面活性剤を用いた
現像方法と同等の版品質を持つ印刷版を作成することが
できる。この理由としては、例えば高温の現像液と接触
することにより、露光工程で硬化されなかった未硬化樹
脂が加熱されることによりその粘度が低下し、現像工程
における、物理的衝撃による未効果樹脂の除去効果が飛
躍的に向上することが考えられる。また、感光性水素引
抜剤を用いた後露光工程においても、一般的に現像液温
度を高くするほど、現像液に対する感光性水素引抜剤の
溶解性、均一分解性が向上し、さらに樹脂硬化部表面の
膨潤が大きくなり、感光性水素引抜剤の含浸量が増大す
るために、印刷版表面の粘着性除去効果が増大する。安
定した版表面の粘着性除去効果を得るためには、現像液
の温度が40〜80℃に保たれることが好ましく、55
〜65℃に保たれることが更に好ましい。
【0037】本発明における現像時間については、未硬
化樹脂を十分に洗い流すことができる時間であればよ
く、例えば、厚みが4〜7mmの感光性樹脂板であれ
ば、現像時間は6〜18分である。高圧スプレー現像液
が樹脂硬化部表面に与える衝突力を大きくする要因とし
ては、(1)水圧を大きくする(2)ノズル噴射流量を
大きくする(3)ノズル先端と印刷版表面の距離を短く
するなどが挙げられる。
【0038】以下に本発明の現像装置及び工程の詳細に
ついて説明する。上記現像工程を実施するための典型的
な現像装置は、1MPa以上30Mpa以下の圧力下で
噴射するノズルを1個以上有するノズルヘッダーと1M
Pa以上30Mpa以下の圧力下で吐出することが出来
るポンプ、電解水を生成する電極板を有する溶液タンク
から構成されている。現像工程において、電解された現
像液の噴射又は噴出方向は、未硬化樹脂を除去可能な限
り特に制限されず、樹脂硬化部表面に対して若干斜め方
向であってもよいが、通常は樹脂硬化部表面に対してほ
ぼ垂直方向(例えば0〜15°程度)である。電解され
た水性現像液の噴射は、単一又は複数のノズル(例え
ば、並列に配されたノズル群など)を用いて行うことが
でき、ノズルを移動させながら、水性現像液を噴霧状又
はスリット状に噴射する。また高圧スプレー現像におい
て、圧力は一定であってもよく、異なる圧力で複数回現
像してもよい。また、複数回現像する場合には、例え
ば、一度目は水単一による現像液、二度目には感光性水
素引抜剤を含有した水性現像液等といった現像液の種類
を変化させてもよい。
【0039】上記の高圧スプレー現像終了後は、感光性
樹脂凸版の表面に残った水性現像液を洗い流すため、水
を印刷版表面に吹き付けてリンスする。このリンス水の
組成構成は水単一であり、リンス水の水圧及び噴射方
向、時間、温度、方式は、印刷版表面に残った現像液を
洗い流すことが可能な限り特に制限されない。またリン
ス水はそのまま現像液に混入し、その後は現像液として
使用する。本発明における現像工程では、現像液を高温
下かつ高圧下でスプレー噴射による現像液の微粒化によ
って、現像液組成中の水成分が蒸発し、現像液が減少し
ていく。そこで前記リンス水を現像液中に取り込むこと
によって、現像液量を一定に保つことができる。従来の
界面活性剤を含有した化学活性の高い現像液と異なり、
リンス水が現像液に混入しても、現像液中の界面活性剤
量の割合が減少することにより、現像効果が低下し、ひ
いては、現像廃液の交換時期を早めるおそれはない。
【0040】リンス工程終了後は、通常印刷版表面に残
ったリンス水を除去するために、エアブローノズルによ
る水切り工程を設ける。エアブローのエア圧及び噴射方
向、時間、温度、方式は、印刷版表面に残ったリンス水
を吹き飛ばすことが可能な限り特に制限されない。次
に、実施例及び比較例により本発明の水性現像液が、化
学活性の高い従来の現像液に劣らない、若しくはこれを
上回る性能を有すことをさらに詳細に説明する。尚、本
発明の実施態様はこの実施例に限定されるものではな
い。
【0041】
【実施例】[参考例](化学現像液による従来の現像方
法) 感光性樹脂組成物F−400(旭化成(株)製。以後液
状感光性樹脂Aと記載)AWF−110E型製版機(旭
化成(株)製)を用いて露光工程まで終了した4mm版
を作成した。露光量はレリーフ深度1.2mm、バック
析出層2.8mm、また45LPI/5%のハイライト
形成が可能となる適正露光条件とした。AWF−110
W型現像機(ノズルヘッダー揺動スプレー式、旭化成
(株)製)の現像液層300Lに、液状感光性樹脂Aを
乳化し得るAPR(登録商標)ウォッシュアウト剤を
2.0%、消泡剤SH−4(シリコーン混和物、旭化成
(株)製)を0.3%溶解し、現像液を調合した。
【0042】予め40℃に保った現像液を用いて、露光
工程まで終了した液状感光性樹脂Aからなる4mm印刷
版を吐出圧力0.2MPa、現像時間6分間の条件で現
像した。ついで現像した版を水道水で現像液による泡立
ちが認められなくなる程度にまでリンスした後、AWF
−110E型後露光機(旭化成(株))で紫外線蛍光灯
を1000mJ/cm2、殺菌灯を2000mJ/cm2
の露光量で用いて水中後露光を行った。その後AWF−
110W型乾燥機(旭化成(株)製)で版表面の水分が
なくなるまで約10分乾燥を行った後、常温にて半日放
置して印刷版を観察した。
【0043】得られた液状感光性樹脂A印刷版の印画部
を触感にて評価したが、ややシットリとした感触がある
ものの粘着性がないことを確認した。版表面の外観は白
濁した状態で、光沢もない。またバック析出層表面は目
視上やや荒れた状態であった。
【0044】[実施例1](電解水を用いた気体混入水
性現像液による高温・高圧現像)感光性樹脂組成物「F
−400」(商標、旭化成(株)製。以後液状感光性樹
脂Aと記載)「AWF−110E型製版機」(商標、旭
化成(株)製)を用いて露光工程まで終了した4mm版
を作成した。露光量はレリーフ深度1.2mm、バック
析出層2.8mm、また45LPI/5%のハイライト
形成が可能となる適正露光条件とした。
【0045】高圧スプレー現像用実験機の溶液タンク層
(容量;200L)に水道水を成分とする現像液を投入
した。予め、60℃に保ち、かつ2枚の電極板からなる
電極組に通電して電解水化した現像液を用いて、露光工
程まで終了した液状感光性樹脂Aからなる4mm印刷版
を、渋谷工業(株)製エア混入高圧ノズル(内蔵ノズル
チップは高圧均等扇形ノズル「VNP−1/8M−25
56」(いけうち製))を並列に複数個配列したノズル
により、吐出圧力10.0MPa、内蔵ノズルチップ先
端と印刷版表面の距離100mm、各ノズル間の距離3
00mm、液状感光性樹脂Aを固定したドラムの回転速
度12.0rpm、ノズルヘッダーのステップ移動距離
40mm、現像時間500秒の条件で現像した。ついで
現像した版を水道水で現像液による泡立ちが認められな
くなる程度にまでリンスした。その後「AWF−110
E型後露光機」(旭化成(株))で紫外線蛍光灯を10
00mJ/cm2、及び殺菌灯を2000mJ/cm2
露光量で用いて水中後露光を行った。その後10分ほど
常温にて放置して印刷版を見た。
【0046】得られた液状感光性樹脂A印刷版の印刷に
共する画像表面(以下、印画部と略記)を触感にて評価
したが、やや粘着性があることを確認した。版表面の外
観としては、透明度があり、やや光沢があるようであっ
た。またバック析出層表面は目視上とてもなめらかな状
態であった。また印画部には、直径1mm以下の粒子状
の異物が僅かには見られたが、ほとんど付着していなか
った。また網点のドット根本部の形成状態を顕微鏡にて
確認したが、特に大きな損傷又は現像不足は見られなか
った。
【0047】[実施例2](気体混入水性現像液による
高温・高圧現像(1)) 実施例1と同様の条件で液状感光性樹脂Aを作成した。
高圧スプレー現像用実験機の溶液タンク層(容量;20
0L)に水道水を成分とする現像液を投入した。予め、
60℃に保って、露光工程まで終了した液状感光性樹脂
Aからなる4mm印刷版を、渋谷工業(株)製エア混入
高圧ノズル(内蔵ノズルチップは高圧均等扇形ノズル
「VNP−1/8M−2556」(商標、いけうち
製))を並列に複数個配列したノズルにより、吐出圧力
10.0MPa、内蔵ノズルチップ先端と印刷版表面の
距離100mm、各ノズル間の距離300mm、液状感
光性樹脂Aを固定したドラムの回転速度12.0rp
m、ノズルヘッダーのステップ移動距離40mm、現像
時間500秒の条件で現像した。ついで現像した版を水
道水で現像液による泡立ちが認められなくなる程度にま
でリンスした。その後「AWF−110E型後露光機」
(旭化成(株))で紫外線蛍光灯を1000mJ/cm
2、及び殺菌灯を2000mJ/cm2の露光量で用いて
水中後露光を行った。その後10分ほど常温にて放置し
て印刷版を見た。
【0048】得られた液状感光性樹脂A印刷版の印刷に
共する画像表面(以下、印画部と略記)を触感にて評価
したが、やや粘着性があることを確認した。版表面の外
観としては、透明度があり、やや光沢があるようであっ
た。またバック析出層表面は目視上とてもなめらかな状
態であった。また印画部には、直径1mm以下の粒子状
の異物が多数見られた。また網点のドット根本部の形成
状態を顕微鏡にて確認したが、特に大きな損傷又は現像
不足は見られなかった。
【0049】[実施例3](気体混入水性現像液による
高温・高圧現像(2)) 実施例1と同様の条件で液状感光性樹脂Aを作成した。
高圧スプレー現像用実験機の溶液タンク層(容量;20
0L)に水道水を成分とする現像液を投入した。予め、
40℃に保って、露光工程まで終了した液状感光性樹脂
Aからなる4mm印刷版を、渋谷工業(株)製エア混入
高圧ノズル(内蔵ノズルチップは高圧均等扇形ノズル
「VNP−1/8M−2556」(いけうち製))を並
列に複数個配列したノズルにより、吐出圧力10.0M
Pa、内蔵ノズルチップ先端と印刷版表面の距離100
mm、各ノズル間の距離300mm、液状感光性樹脂A
を固定したドラムの回転速度12.0rpm、ノズルヘ
ッダーのステップ移動距離40mm、現像時間500秒
の条件で現像した。ついで現像した版を水道水で現像液
による泡立ちが認められなくなる程度にまでリンスし
た。その後「AWF−110E型後露光機」(旭化成
(株))で紫外線蛍光灯を1000mJ/cm2、及び
殺菌灯を2000mJ/cm2の露光量で用いて水中後
露光を行った。その後10分ほど常温にて放置して印刷
版を見た。
【0050】得られた液状感光性樹脂A印刷版の印刷に
共する画像表面(以下、印画部と略記)を触感にて評価
したが、やや粘着性があることを確認した。版表面の外
観としては、透明度があり、やや光沢があるようであっ
た。またバック析出層表面は目視上とてもなめらかな状
態であった。また印画部には、直径1mm以下の粒子状
の異物が多数見られた。また網点のドット根本部の形成
状態を顕微鏡にて確認したが、一部に現像不足の兆候が
見られた。
【0051】[実施例4](気体混入水性現像液による
高温・高圧現像(3)) 実施例1と同様の条件で液状感光性樹脂Aを作成した。
水に表面処理剤「AX−10」(商標、旭化成(株)製
感光性水素引き抜き剤)を0.5w%溶解し、現像液を
調整した。高圧スプレー現像用実験機の溶液タンク層
(容量;200L)に前記現像液を投入した。予め、6
0℃に保って、露光工程まで終了した液状感光性樹脂A
からなる4mm印刷版を、渋谷工業(株)製エア混入高
圧ノズル(内蔵ノズルチップは高圧均等扇形ノズル「V
NP−1/8M−2556」(いけうち製))を並列に
複数個配列したノズルにより、吐出圧力10.0MP
a、内蔵ノズルチップ先端と印刷版表面の距離100m
m、各ノズル間の距離300mm、液状感光性樹脂Aを
固定したドラムの回転速度12.0rpm、ノズルヘッ
ダーのステップ移動距離40mm、現像時間500秒の
条件で現像した。ついで現像した版を水道水で現像液に
よる泡立ちが認められなくなる程度にまでリンスした。
その後「AWF−110E型後露光機」(旭化成
(株))で紫外線蛍光灯を1000mJ/cm2、及び
殺菌灯を2000mJ/cm2の露光量で用いて空中後
露光を行った。その後10分ほど常温にて放置して印刷
版を見た。
【0052】得られた液状感光性樹脂A印刷版の印刷に
共する画像表面(以下、印画部と略記)を触感にて評価
したが、粘着性がないことを確認した。版表面の外観と
しては、透明度があり、やや光沢があるようであった。
またバック析出層表面は目視上とてもなめらかな状態で
あった。また印画部には、直径1mm以下の粒子状の異
物は全く見られなかった。また網点のドット根本部の形
成状態を顕微鏡にて確認したが、特に大きな損傷又は現
像不足は見られなかった。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による感光
性樹脂印刷版の現像方法は電解水が持つ現像力と、好ま
しくは物理的作用を利用した高圧噴射現像を利用するの
で、感光性樹脂に対して不溶性の水性現像液を用いた印
刷版現像が可能である。使用済みの現像液から感光性樹
脂を分離除去した後これを現像液として再利用すること
が容易となるため、現像廃液の量が減少し、環境保全に
有利で、且つ廃液処分コストの大幅な削減も達成でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に好適な現像装置の概略構成を示
す説明図である。
【符号の説明】
101:高圧ジェットポンプ 102:現像液噴射用ノズルヘッダー 103:リンス水噴射用ノズル 104:不織布フィルター 105:加熱ヒーター 106:電解水生成部 106a、b:電極板 107:感光性樹脂凸版支持体 108:感光性樹脂凸版 109:耐圧性ホース 110:供給ホース 111:ホース 112:現像液噴射用スプレーノズル 113:エアブローノズル 200:版処理部 210:溶液タンク

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光後の感光性樹脂凸版に対して、電解
    水を含む水性現像液を噴射する工程を含む感光性樹脂凸
    版の現像方法。
  2. 【請求項2】 水性現像液を高圧で噴射する請求項1記
    載の現像方法。
  3. 【請求項3】 水性現像液を1MPa以上30MPa以
    下の圧力下で噴射する請求項1または2のいずれかに記
    載の現像方法。
  4. 【請求項4】 水性現像液が40℃以上である請求項1
    の現像方法。
  5. 【請求項5】 水性現像液に気体が混入されている請求
    項1の現像方法。
  6. 【請求項6】 水性現像液に塩素化合物、塩素イオンの
    いずれか一種を含む請求項1記載の現像方法。
  7. 【請求項7】 水性現像液に混入した未硬化の感光性樹
    脂をフィルターで除去し、該水性現像液を循環して利用
    する請求項1〜6のいずれかに記載の現像方法。
  8. 【請求項8】 水性現像液を噴射後、感光性樹脂凸版の
    表面を水でリンスし、該水をそのまま現像液へ混入する
    請求項1〜7のいずれかに記載の現像方法。
  9. 【請求項9】 水性現像液が感光性水素引き抜き剤を含
    む請求項1〜8のいずれかに記載の現像方法。
  10. 【請求項10】 (イ)感光性樹脂凸版を固定するため
    の支持体、及び該支持体に対向するように設置され、水
    性現像液を吹き付けるための少なくとも1個のスプレー
    ノズルを配列させたノズルヘッダーを含む版処理部、
    (ロ)加熱ヒーターおよび電解水生成部を設けた、水性
    現像液を蓄える溶液タンク部、及び(ハ)入力側で該溶
    液タンク部に接続され、出力側で該ノズルヘッダーに接
    続されたポンプを含む感光性樹脂凸版の現像装置。
  11. 【請求項11】 前記スプレーノズルと前記ポンプは1
    MPa以上30MPa以下の圧力下で水性現像液をそれ
    ぞれ噴射及び吐出することができる請求項10記載の現
    像装置。
  12. 【請求項12】 前記タンク部及び/又は現像液が流れ
    る配管中にフィルターが設置されている請求項10記載
    の現像装置。
  13. 【請求項13】 請求項1〜9のいずれかの感光性樹脂
    凸版の現像方法に用いられる感光性樹脂凸版の現像装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008145922A (ja) * 2006-12-13 2008-06-26 Toppan Printing Co Ltd 樹脂凸版の製造方法及び樹脂凸版の現像装置並びに印刷物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008145922A (ja) * 2006-12-13 2008-06-26 Toppan Printing Co Ltd 樹脂凸版の製造方法及び樹脂凸版の現像装置並びに印刷物

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