JP2003307618A - 位相差フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

位相差フィルムおよびその製造方法

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JP2003307618A JP2002114490A JP2002114490A JP2003307618A JP 2003307618 A JP2003307618 A JP 2003307618A JP 2002114490 A JP2002114490 A JP 2002114490A JP 2002114490 A JP2002114490 A JP 2002114490A JP 2003307618 A JP2003307618 A JP 2003307618A
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Takeya Sakai
丈也 酒井
Masao Uetsuki
正雄 植月
Yoshihiro Kawatsuki
喜弘 川月
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Abstract

(57)【要約】 【目的】良好な光学補償効果を有する位相差フィルム、
およびその製造方法の実現。 【構成】X軸、Y軸、Z軸方向に主屈折率nx、ny、
nzを有する2軸性の屈折率楕円体を、X軸を回転軸と
してθ1回転させ、Y軸を回転軸としてθ2回転させた
方向に主屈折率nx´、ny´、nz´を有する2軸性
の屈折率楕円体からなる複屈折性を有することを特徴と
する位相差フィルムにより良好な光学補償効果を有する
位相差フィルムを得ることができる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置の視
野角特性を改善するため用いられる位相差フィルムおよ
びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】位相差フィルムは、互いに垂直な主軸方
向に振動する直線偏光成分を透過させ、この二成分間に
必要な位相差を与える複屈折性を有するフィルムであ
る。このような位相差フィルムは液晶表示分野にも活用
されてきており、特に負の複屈折性を有する液晶性材料
を傾斜ないしはベンド配向させた位相差フィルムは液晶
表示装置の視野角拡大に有効な光学補償フィルムとして
利用されてきている。このような位相差フィルムによっ
て大幅な視野角拡大効果が得られてはいるが、液晶表示
装置を見る方向によっては光学補償効果が十分得られず
CRTの代替としては対応できていないのが実状であ
る。また、このような位相差フィルムは、特開平7−2
87119号、特開平7−287120号、特開平10
−278123号公報に記載されているように、ラビン
グ、SiO斜方蒸着、光照射などの方法によって配向処理
された配向膜上にディスコティック液晶のような負の屈
折率楕円体である液晶材料を配列させてなる。しかしな
がら、ディスコティック液晶ではトリフェニレン骨格の
ような構造からなり、波長分散が大きいためか液晶表示
装置に装着した場合に視野角において左右方向で表示が
黄色味がかり画質が低下してしまうという問題点があ
る。また、このような配向膜を用いる方法では、配向材
料の塗布乾燥工程、配向膜の配向処理工程、配列させる
液晶材料の塗布乾燥工程、液晶材料の配列処理工程など
の工程が必要となり工程が煩雑になるなどの問題もあ
る。このような工程の煩雑さを解決する方法として光照
射により位相差を発現させる方法が挙げられる。このよ
うな方法として、特開平7−168020号や特開平7
−207037号に光異性化するアゾベンゼン部を含む
高分子のシートに光照射し光軸の傾いた負の一軸性を有
する位相差フィルムが提案されているが、このフィルム
でも、アゾベンゼンの光異性化を利用しているため耐熱
性などの面で実用性に欠けると考えられる。また、特開
平11−160708号にもアゾベンゼン誘導体が置換
された2色性の光異性化を発現する液晶性配向材料に光
照射する方法が挙げられているが、光照射による複屈折
の発現の確認のみに留まっており実用性に関する記載は
一切ない。また、特開平11−183722号に光反応
性置換基を有する液晶性材料の膜に光照射し、シート面
内の進相軸または遅相軸を傾斜軸とした場合のレタデー
ション値の傾斜角依存性が法線方向に対して非対称であ
る位相差フィルムが記載されている。しかしながら、こ
のような、進相軸または遅相軸を傾斜軸とした場合のレ
タデーション値の傾斜角依存性を法線方向に対して非対
称にするのみでは、液晶表示装置に装着したときに視野
角における左右方向で表示が黄色味がかるなど画質が低
下してしまうという問題点があり光学補償効果は十分で
ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、TN型液晶
表示装置の視野角特性を改善する。即ち、着色現象、階
調反転を低減する位相差フィルムおよびその位相差フィ
ルムを工業的な製造方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の位相差フィルム
は、図1に示すように、フィルム面に平行するX軸、Y
軸、およびフィルム面法線方向のZ軸方向にそれぞれ主
屈折率nx、ny、nzを有する2軸性の屈折率楕円体
を、X軸を回転軸としてθ1回転させ、Y軸を回転軸と
してθ2回転させた方向に主屈折率nx´(11a軸方
向)、ny´(11b軸方向)、nz´(11c軸方
向)を有する2軸性の屈折率楕円体11からなる複屈折
性を有する。該位相差フィルムを2枚の電極基板間にT
N液晶を挟持してなる液晶セルと、その両側に配置され
た2枚の偏光板からなるTN型液晶表示装置において、
液晶セルと偏光板との間に少なくとも1枚装着すること
によって課題を解決できる。(本発明の位相差フィルム
は観測方向に応じて異なる複屈折特性を示す性質のもの
であるため、特にフィルム面の法線方向から観測される
複屈折の遅相軸の方向を基準軸と定め、また、フィルム
面の法線方向から観測される基準軸の方向をフィルム面
法線方向を中心軸とする回転に対して0°の方向とし
た。)
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の詳細を説明す
る。本発明の位相差フィルムは、フィルム面に平行する
X軸、Y軸およびフィルム面法線方向のZ軸からなる座
標系に対して、X、Y、Zの各軸方向にそれぞれ主屈折
率nx、ny、nzを有する2軸性の屈折率楕円体を仮
定し、X軸を回転軸として任意の回転角θ1°回転さ
せ、Y軸を回転軸として任意の回転角θ2°回転させた
方向に主屈折率nx´(11a軸方向)、ny´(11
b軸方向)、nz´(11c軸方向)を有する2軸性の
屈折率楕円体からなる複屈折を有することを特徴とする
位相差フィルムであり、本発明の実施例1における位相
差フィルムはその典型的なフィルムである。その複屈折
性をセナルモン法を応用し測定した結果を図2に示す。
透過軸が水平面に45°となるように配置した偏光子と
フィルムを正対(入射角=0°)させ面内の遅相軸の方
向と偏光子透過軸の方向が直交する場合を方位角0°と
した。ここから、フィルムを水平面の法線軸を中心に5
5°回転させた場合を右方向、反対にフィルムを水平面
の法線軸を中心に−55°回転させた場合を左方向、方
位角を90°回転させ、フィルムを水平面の法線軸を中
心に55°回転させた場合を下方向、反対にフィルムを
水平面の法線軸を中心に−55°回転させた場合を上方
向とし、それぞれの方向において偏光子と1/4波長板
を同調させて360°回転させ、その位相差を測定した
ものである。(この各方向は、本実施例位相差フィルム
を液晶表示装置に組み合わせ装着する際に適した方向と
しての名称である)この測定法により上下左右方向の各
方向ににおける位相差フィルムの屈折率体の投影形状に
おける最大となる軸の傾斜方向や位相差の大きさなどの
複屈折性に関する知見が得られる。この知見をもとに、
実施例の位相差フィルムを負の複屈折を有するフィルム
とともに、図3に示すような光学配置で液晶表示装置に
装着することが考えられる。図3において、31、31
´は本発明の位相差フィルムであり、a、a´はその位
相差フィルムを正面から見たときの遅相軸の方向を示
し、l、l´は、図1における屈折率楕円体11の主屈
折率nx´の方向であり、m、m´は、主屈折率ny´
の方向である。32は液晶セルであり、b、b’がプレ
チルト方向を示し、33、33’は偏光シートであり、
c、c’がそれぞれの光透過軸方向を示している。この
ようにして装着した場合、液晶表示装置の左右方向(そ
れぞれQ方向またはP方向)において、黄色味を呈する
ことなく広い視野角特性を発現することが確認された。
更に、4×4マトリックス法を利用した透過光のシミュ
レーションにおいても本発明の位相差フィルムを装着し
た場合に良好な光学補償効果があることが、偏光板の透
過軸が表示画面に対し45°で直交して裏側(背面光源
側)と表側(表示面側)に各1枚装着されている液晶表
示装置において黒表示時の透過光をシミュレーションを
した図4で確認できた。図4(A)、(B)は液晶表示
装置を右方向55°、左方向55°から見たときの裏側
偏光板を透過した光の偏光状態である。図4(A´)、
(B´)は図3に示した光学配置で本発明の位相差フィ
ルムと負の複屈折フィルムを装着したときの表側偏光板
に入射する光の偏光状態を示したものである。(ここ
で、41は表側偏光板の透過軸を示す。) この図より、液晶表示装置裏面より液晶セルを透過して
きた光は、比較的直線偏光に近い状態のまま表側偏光板
の透過軸方向と直交した方向となり黒表示が保たれ、良
好な光学補償効果があることがシミュレーションで示さ
れた。一方、図4(A´´)、(B´´)に位相差フィ
ルムと負の複屈折フィルム未装着時の表側偏光板に入射
する光の偏光状態を示すが、図より、未装着時には偏光
状態が大きく乱れるうえ、表側偏光板の透過軸方向と直
交せず黒表示が保たれていない。
【0006】本発明の位相差フィルムの製造法の例とし
ては、本発明者が、特開平11−189665号特許公
報、特願2000−400356号で記載したような、
光の照射と加熱冷却により複屈折を生じる材料を用いる
ことができる。これらの材料は、液晶性高分子のメソゲ
ン成分として多用されているビフェニル、ターフェニ
ル、フェニルベンゾエート、アゾベンゼンなどの置換基
と、シンナモイル基、カルコン基、シンナミリデン基、
β−(2−フリル)アクリロイル基(または、それらの
誘導体)などの感光性基を結合した構造を含む側鎖を有
し、炭化水素、アクリレート、メタクリレート、マレイ
ミド、N−フェニルマレイミド、シロキサンなどの構造
を主鎖に有する高分子が挙げられる。該重合体は同一の
繰り返し単位からなる単一重合体または構造の異なる側
鎖を有する単位の共重合体でもよく、あるいは感光性基
を含まない側鎖を有する単位を共重合させることも可能
である。また、混合する低分子化合物も、メソゲン成分
として多用されているビフェニル、ターフェニル、フェ
ニルベンゾエート、アゾベンゼンなどの置換基を有する
結晶性または、液晶性を有する化合物が挙げられる。混
合する低分子化合物は、単一の化合物のみとは限らず複
数種の化合物を混合することも可能である。更には、液
晶性を損なわない程度に配向性を向上させるための配向
助剤や耐熱性を向上させるための架橋剤を添加すること
や、液晶性を損なうことなく液晶性を示さない単量体を
感光性の重合体に共重合してもかまわない。このような
材料を、透明な基板上に塗布して製膜する。この基板
に、互いに電界振動面が直交した2つの直線偏光性の光
をそれぞれ所望の角度で照射し、加熱冷却することによ
り作製できる。この場合、膜中の分子は、2つの直線偏
光性の光の電界振動方向に配向しようとすることから、
本発明の、X軸、Y軸、Z軸方向に主屈折率nx、n
y、nzを有する2軸性の屈折率楕円体を、X軸を回転
軸としてθ1回転させ、Y軸を回転軸としてθ2回転さ
せた方向に主屈折率nx´、ny´、nz´を有する2
軸性の屈折率楕円体からなる複屈折性を有することを特
徴とする位相差フィルムを製造することができる。この
ように製造された位相差フィルムのセナルモン法による
位相差の角度依存性は、ミューラー法を用いた複屈折を
有する層状媒質に対する光学シミュレーション結果との
フィッティングにより、X軸、Y軸、Z軸方向に主屈折
率nx、ny、nzを有する2軸性の屈折率楕円体を、
X軸を回転軸としてθ1回転させ、Y軸を回転軸として
θ2回転させた方向に主屈折率nx´、ny´、nz´
を有する2軸性の屈折率楕円体の場合と良く一致するこ
とが確認されている。
【0007】ここで、位相差フィルムの複屈折性は、図
2における測定法において上下左右方向における屈折率
の最大となる軸の傾斜方向や位相差の大きさとして測定
されるが、その複屈折性は装着される液晶表示装置の捩
れ方向、セル厚、チルト角、液晶の種類などにより決ま
る光学特性によって調整する必要がある。多くのTN型
液晶表示装置においては、図2の測定結果における右方
向から見た屈折率の最大となる軸の傾斜方向は、この観
測方向からの水平方向に対して45±15°程度が好ま
しく、45±10°がより好ましい。またこの観測方向
での位相差は50〜250nm程度が好ましい。更に、
上下方向の視野角を拡大するには、上方向から見たとき
の屈折率の最大となる軸がその方向から見た前記基準軸
の方向より傾きが小さく、下方向から見たときの屈折率
の最大となる軸がその方向から見た前記基準軸の方向よ
り傾きが大きいことが好ましい。位相差フィルムの複屈
折性の調整には、膜厚や照射光の照射量、偏光度、照射
方向を変えることが有効である。更には、負の複屈折フ
ィルムや1軸延伸フィルム、2軸延伸フィルムと組み合
わせることもできる。但し、本発明の位相差フィルムの
製造法はこのような光の照射と加熱冷却により複屈折を
生じる材料に光照射するものに限定されるものではな
く、前述の複屈折性を有しているものであればよく、2
軸延伸した透明樹脂ロッドを所望の傾斜角度でスライス
するや、従来から用いられている異周速延伸、配向膜上
で液晶性分子を配向させるもの、無機物を蒸着するも
の、またはそれを複合した系などを用いても良い。
【0008】本発明の位相差フィルムの実施例において
用いた感光性重合体の原料化合物および低分子化合物に
関する合成方法を以下に示す。 (単量体1)4,4’−ビフェニルジオールと2−クロ
ロエタノールを、アルカリ条件下で加熱することによ
り、4−ヒドロキシ−4’−ヒドロキシエトキシビフェ
ニルを合成した。この生成物に、アルカリ条件下で1,
6−ジブロモヘキサンを反応させ、4−(6−ブロモヘ
キシルオキシ)−4’−ヒドロキシエトキシビフェニル
を合成した。次いで、リチウムメタクリレートを反応さ
せ、4−ヒドロキシエトキシ−4’−(6−メタクリロ
イルオキシヘキシルオキシ)ビフェニルを合成した。最
後に、塩基性の条件下において、塩化シンナモイルを加
え、化学式1に示される単量体1を合成した。
【化1】
【0009】(重合体1)単量体1をテトラヒドロフラ
ン中に溶解し、反応開始剤としてAIBN(アゾビスイソブ
チロニトリル)を添加して重合することにより感光性の
重合体1を得た。この重合体1は、47−75℃の温度
領域において、液晶性を呈した。
【0010】(低分子化合物1)4,4’−ビフェニル
ジオールと6−ブロモヘキサノールを、アルカリ条件下
で反応させ、4,4’− ビス(6−ブロモヘキシルオ
キシ)ビフェニルを合成した。次いで、塩基性の条件下
において、塩化シンナモイルを加え反応させ、生成物を
カラム精製することにより化学式2に示される低分子化
合物1を合成した。
【化2】
【0011】実施例1は、本発明の位相差フィルムを作
製した実施例である。(実施例1) 4.2重量%の重
合体1および0.8重量%の低分子化合物1をジクロロ
エタンに溶解し、ガラス基板(支持体)上に約1μmの
厚さで塗布した。該基板を水平面に対して40度傾け、
塗布面が照射面となるように配置し、直線偏光性の紫外
線の電界振動方向が基板の傾斜軸に対して45°となる
ようにして100mJ/cm照射し、続いて、直線偏
光性の紫外線の電界振動方向が基板の傾斜軸に対して−
45°となるようにして10mJ/cm照射した。更
に、基板を裏返し同様に照射し、次に、100℃に加熱
した後、室温まで冷却した。このようにして得られた位
相差フィルムを、カシオ製液晶カラーテレビEV−51
0の偏光シートを剥がし、液晶セルの上下面に1枚ずつ
貼り合わせ、次いで、偏光シート(日東電工製 HEG
1425DU)を上下1枚ずつ貼り合わせた。各光学素
子の軸配置は、前述の図3のようにした。このような構
成で液晶カラーテレビを駆動したところ左右方向で黄色
味の着色は発生せず、大幅に視野角特性が改善され、上
下方向でも視野角拡大効果が確認された。
【0012】(比較例1)実施例1と同様に、4.2重
量%の重合体1および0.8重量%の低分子化合物1を
ジクロロエタンに溶解し、ガラス基板(支持体)上に約
1μmの厚さで塗布した。該基板を水平面に対して60
度傾け、塗布面が照射面となるように配置し、直線偏光
性の紫外線の電界振動方向が基板の傾斜軸に対して平行
となるようにして100mJ/cm照射し、続いて、
直線偏光性の紫外線の電界振動方向が基板の傾斜軸に対
して垂直となるようにして10mJ/cm照射した。
更に、基板を裏返し同様に照射し、次に、100℃に加
熱した後、室温まで冷却した。2軸性の楕円体のX軸の
みを回転軸として回転させた2軸性の楕円体が傾斜し、
遅相軸を傾斜軸とした場合のレタデーション値の傾斜角
依存性が法線方向に対して非対称である位相差フィルム
を作製した。該フィルムをカシオ製液晶カラーテレビE
V−510の偏光シートを剥がし、液晶セルの上下面に
1枚ずつ貼り合わせ、次いで、偏光シート(日東電工製
HEG1425DU)を上下1枚ずつ貼り合わせた。
このような構成で液晶カラーテレビを駆動したところ左
右方向で黄色味が強くなる画質の低下が発生した。
【0013】(比較例2)市販のディスコチック液晶を
ベンド配向させた光学補償フィルムを実施例1と同様に
カシオ製液晶カラーテレビEV−510の偏光シートを
剥がし、液晶セルの上下面に1枚ずつ貼り合わせ、次い
で、偏光シート(日東電工製HEG1425DU)を上
下1枚ずつ貼り合わせた。このような構成で液晶カラー
テレビを駆動したところ左右方向で黄色味が強くなる画
質の低下が発生した。
【0014】この実施例から、本発明の、X軸、Y軸、
Z軸方向に主屈折率nx、ny、nzを有する2軸性の
屈折率楕円体を、X軸を回転軸としてθ1回転させ、Y
軸を回転軸としてθ2回転させた方向に主屈折率nx
´、ny´、nz´を有する2軸性の屈折率楕円体から
なる複屈折性を有することを特徴とする位相差フィルム
により、液晶表示装置に装着した場合の左右方向でも黄
色味を呈することのない光学補償シートが得られること
が立証された。
【0015】
【発明の効果】従来技術の位相差フィルムでは、光学補
償効果が十分ではなく液晶表示装置の左右方向において
黄色味が強くなるなどの問題があったが、本発明の、X
軸、Y軸、Z軸方向に主屈折率nx、ny、nzを有す
る2軸性の屈折率楕円体を、X軸を回転軸としてθ1回
転させ、Y軸を回転軸としてθ2回転させた方向に主屈
折率nx´、ny´、nz´を有する2軸性の屈折率楕
円体からなる複屈折性を有することを特徴とする位相差
フィルムにより、従来技術の問題点を解決した液晶表示
装置の視野角拡大に有効な位相差フィルムを提供でき
る。
【0016】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位相差フィルムの複屈折性の説明図
【図2】本発明の位相差フィルム(実施例1)の複屈折
性の測定結果
【図3】本発明の位相差フィルムの液晶表示装置への装
着時の光学系の例
【図4】4×4マトリックス法を利用した透過光のシミ
ュレーションによる本発明の位相差フィルム装着時、未
装着時の光学補償効果の計算例
【符号の説明】
11・・・2軸性の屈折率楕円体 11a、11b、11c・・・主屈折率の方向軸 31、31´・・・位相差フィルム 32・・・液晶セル 33、33´・・・偏光シート a、a´・・・基準軸(フィルム面の法線方向から観測
される複屈折の遅相軸方向) b、b´・・・プレチルト方向 c、c´・・・光透過軸 l、l´、m、m´・・・主屈折率の方向軸 P、Q・・・液晶表示装置の左右方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA06 BA42 BB42 BC01 BC05 BC22 2H091 FA11X FA11Z FB04 FC22 KA01 LA19 4F205 AG01 AH33 GA07 GC06 GF24 GN13 GN18 GN30

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複屈折性を有する位相差フィルムであっ
    て、フィルム面に平行するX軸、Y軸およびフィルム面
    法線方向のZ軸からなる座標系に対して、X、Y、Zの
    各軸方向にそれぞれ主屈折率nx、ny、nz(nx≠
    ny≠nz)を有する2軸性の屈折率楕円体を仮定した
    ときに、この屈折率楕円体を、前記X軸を回転軸として
    任意の回転角θ1°回転させ、次にY軸を回転軸として
    任意の回転角θ2°回転させてなる2軸性の屈折率楕円
    体の主屈折率nx´、ny´、nz´で示される複屈折
    特性を有することを特徴とする位相差フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の位相差フィルムの製造
    方法であって、感光性の材料をもってフィルムを製膜
    し、フィルム面に対して傾斜した方向からの光照射、ま
    たは加えて加熱冷却する操作を含む工程によって作製す
    ることを特徴とする位相差フィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20210096099A (ko) 2018-11-29 2021-08-04 닛산 가가쿠 가부시키가이샤 액정배향제, 액정배향막 및 위상차재

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20210096099A (ko) 2018-11-29 2021-08-04 닛산 가가쿠 가부시키가이샤 액정배향제, 액정배향막 및 위상차재

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