JP2001154194A - 光学補償シートおよびそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

光学補償シートおよびそれを用いた液晶表示装置

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JP2001154194A
JP2001154194A JP33422599A JP33422599A JP2001154194A JP 2001154194 A JP2001154194 A JP 2001154194A JP 33422599 A JP33422599 A JP 33422599A JP 33422599 A JP33422599 A JP 33422599A JP 2001154194 A JP2001154194 A JP 2001154194A
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dielectric anisotropy
crystal compound
compound
support
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JP33422599A
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English (en)
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Noriyasu Kuzuhara
憲康 葛原
Nobuo Kubo
伸夫 久保
Hironori Umeda
博紀 梅田
Sota Kawakami
壮太 川上
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、斜め方向から見た場合の画
面の着色や、特殊な配向膜材料、特殊な配向操作、複雑
な層構成等を必要としない、生産性の高い液晶材料用光
学補償シート、該光学補償シートの製造方法および該光
学補償シートを用いた液晶表示装置を提供することであ
る。 【解決手段】 少なくとも一種類の誘電率異方性(Δ
ε)が負の値である液晶性化合物及び少なくとも一種類
の誘電率異方性(Δε)が正の値である液晶性化合物を
支持体上に有してなることを特徴とする光学補償シー
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置の視
野角拡大を可能にする光学補償シートに関し、詳しく
は、誘電率異方性(Δε)が負と正の液晶性化合物を用
いたTN−TFT型液晶セルの光学補償シートに関し、
更にこれを用いたTN−TFT型液晶表示装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示装置の視野角拡大のため
に用いられる光学補償シートとして、以下のような構成
が試みられており、有効な方法として提案されている
が、それぞれに課題を有している。 1)負の一軸性を有する化合物であるディスコティック
液晶化合物を支持体上に担持させる方法。 2)正の光学異方性を有するネマティック型液晶化合物
を支持体上に2層構成にして各々の層の配向方向を略9
0度とすることにより擬似的に負の一軸性類似の光学特
性を付与させる方法。 3)正の光学異方性を有するネマティック型高分子液晶
化合物を深さ方向に液晶分子のプレチルト角が変化する
ようにハイブリッド配向させたものを支持体上に担持さ
せる方法。
【0003】しかしながらこれらの方法の問題点とし
て、 1)の場合には、TNモードの液晶パネルに適用する場
合に斜め方向から見た場合の画面が黄色く着色するとい
うディスコティック液晶化合物特有の欠点がある。 2)の場合には、着色の問題はないが、配向方向をいわ
ゆる縦・横の直交する二方向に2回に分けて与えなけれ
ばならず、生産工程でロール状である光学フィルムの場
合にはそのように異なる二方向にラビング操作を行うこ
とは事実上不可能である。そのため、光配向などの特殊
な配向膜材料を用いる配向操作が必須となってしまう。
また、配向膜からなる配向層を含めると、配向層(配向
操作が必要)−液晶層−配向層(一回目と直交する向き
に配向操作)−液晶層の4層構成を必要とするため、複
雑であり生産性も悪い。 3)の場合には、高分子液晶性化合物の液晶性を発現す
る温度が高く、通常使用されるトリアセチルセルロース
の様な等方性高分子フィルムを支持体とする場合には、
耐熱性の問題から、直接、該フィルム上で配向固定化す
ることができない。その為、一度耐熱性の別の支持体上
で配向させた後、該液晶層の膜を目的の支持体上に転写
するなどの特殊な製造方法が必要となり、やはり生産コ
ストが高くなりこれが実用化の障害となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、斜め方向から見た場合の画面の着色や、特殊な配向
膜材料、特殊な配向操作、複雑な層構成等を必要としな
い、生産性の高い液晶材料用光学補償シート、該光学補
償シートの製造方法および該光学補償シートを用いた液
晶表示装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記のTN型液晶セルの
課題は、以下の手段により達成される。
【0006】1.少なくとも一種類の誘電率異方性(Δ
ε)が負の値である液晶性化合物及び少なくとも一種類
の誘電率異方性(Δε)が正の値である液晶性化合物を
支持体上に有してなることを特徴とする光学補償シー
ト。
【0007】2.誘電率異方性(Δε)が負の値である
液晶性化合物と誘電率異方性(Δε)が正の値である液
晶性化合物がネマチック相を発現している液晶性化合物
であることを特徴とする前記1に記載の光学補償シー
ト。
【0008】3.少なくとも一種類の誘電率異方性(Δ
ε)が負の値である液晶性化合物と少なくとも一種類の
誘電率異方性(Δε)が正の値である液晶性化合物を含
有する層が、支持体上に設けられた配向層を介して形成
されてなる前記1または2に記載の光学補償シート。
【0009】4.誘電率異方性(Δε)が負の値である
液晶性化合物および誘電率異方性(Δε)が正の値であ
る液晶性化合物のいずれかから選ばれる液晶性化合物を
含有する第1の液晶層が配向層を介して支持体上に設け
られており、さらに該支持体上に、第一の液晶層と誘電
異方性(Δε)の値が逆の符号を有する液晶性化合物を
含有する第二の液晶層が第一の液晶層を介して形成され
てなる前記3に記載の光学補償シート。
【0010】5.誘電率異方性(Δε)が負の値である
液晶性化合物および誘電率異方性(Δε)が正の値であ
る液晶性化合物のいずれかから選ばれる液晶性化合物を
含有する第一の液晶層が配向層を介して支持体上に設け
られており、さらに該支持体上に、第一の液晶層と誘電
率異方性(Δε)の値が逆の符号を有する液晶性化合物
を含有する第二の液晶層が配向層を介して第一の液晶層
と混和することなく形成されてなる前記3に記載の光学
補償シート 6.前記配向層が、光配向性の層であることを特徴とす
る前記3〜5のいずれか1項に記載の光学補償シート。
【0011】7.誘電率異方性(Δε)が正の値である
液晶性化合物の配向方向の軸がシート面の法線方向とな
す角度が、0度より大きく90度以下であることを特徴
とする前記1〜6のいずれか1項に記載の光学補償シー
ト。
【0012】8.誘電率異方性(Δε)が正の値である
液晶性化合物の配向方向の軸がシート面の法線方向とな
す角度が、液晶性化合物を含む層内においてシートの深
さ方向において変化していることを特徴とする前記1〜
6のいずれか1項に記載の光学補償シート。
【0013】9.支持体の屈折率が、 nx=ny≧nz、 または、 nx≠ny>nz(ここでnx;支持体平面内の任意の一方
向の屈折率、ny;支持体平面内のnxに直交する方向の
屈折率、nz;支持体の厚み方向の屈折率)の関係を有
するものであることを特徴とする前記1〜8のいずれか
1項に記載の光学補償シート。
【0014】10.誘電率異方性(Δε)が正の値であ
る液晶性化合物の配向方向のシート面における投影方向
と誘電率異方性(Δε)が負の値である液晶性化合物の
配向方向のシート面における投影方向のなす角度が80
度以下であることを特徴とする前記1〜9のいずれか1
項に記載の光学補償シート。
【0015】11.一対の透明電極を有する基板とその
基板間に封入されたねじれネマティック液晶とからなる
液晶セルの両側に設けられた一対の偏光板、及び液晶セ
ルと偏光板との間に設けられた光学補償シートからなる
液晶表示装置において、該光学補償シートが透明支持体
上に、少なくとも一種類の誘電率異方性(Δε)が負の
値である液晶性化合物と少なくとも一種類の誘電率異方
性が正の値である液晶性化合物を有してなり、該誘電率
異方性(Δε)が正の値である液晶性化合物の配向方向
の軸がシート面の法線方向となす角度が、0度より大き
く90度以下であることを特徴とする液晶表示装置。
【0016】12.一対の透明電極を有する基板とその
基板間に封入されたねじれネマティック液晶とからなる
液晶セルの両側に設けられた一対の偏光板、及び液晶セ
ルと偏光板との間に設けられた光学補償シートからなる
液晶表示装置において、該光学補償シートが透明支持体
上に、少なくとも一種類の誘電率異方性(Δε)が負の
値である液晶性化合物と少なくとも一種類の誘電率異方
性が正の値である液晶性化合物を有してなり、該誘電率
異方性(Δε)が正の値である液晶性化合物の配向方向
の軸がシート面の法線方向となす角度が、液晶性化合物
を含む層内においてシートの深さ方向において変化して
いることを特徴とする液晶表示装置。
【0017】13.一対の透明電極を有する基板とその
基板間に封入されたねじれネマティック液晶とからなる
液晶セルの両側に設けられた一対の偏光板、及び液晶セ
ルと偏光板との間に設けられた光学補償シートからなる
液晶表示装置において、該光学補償シートが透明支持体
上に、少なくとも一種類の誘電率異方性(Δε)が負の
値である液晶性化合物と少なくとも一種類の誘電率異方
性が正の値である液晶性化合物を有してなり、誘電率異
方性(Δε)が正の値である液晶性化合物の配向方向の
シート面における投影方向と誘電率異方性が負の値であ
る液晶性化合物の配向方向のシート面における投影方向
のなす角度が80度以下であることを特徴とする液晶表
示装置。
【0018】以下に本発明を詳細に説明する。棒状の液
晶化合物は、分子の長軸が電界と平行に配向した状態の
誘電率(εh)と単軸が電界と平行に配向した状態の誘
電率(εv)との値は異なり、液晶化合物は誘電率異方
性(Δε=εh−εv≠0)を有する。この誘電率の異方
性は、液晶分子内を通過する光の屈折率の異方性に影響
を与え、両者の関係は、Δε=nh 2−nv 2(ここで、Δ
n=nh−nv=ne−no;neは異常光屈折率、noは常
光屈折率、nhは液晶分子の配向ベクトルの方向に偏っ
ている光に対する屈折率、nvは配向ベクトルに垂直な
方向に偏っている光に対する屈折率である。)となる。
このΔεおよびΔnの値は、通常のTN液晶セルなどを
駆動させるために用いる液晶化合物の場合は正の値であ
る。
【0019】本発明に用いられる液晶性化合物は、棒状
の液晶性化合物であり、光学的な特性としては、正の一
軸性の光学異方性を有するものまたは二軸性を有するも
のである。この正の光学異方性を有する液晶性化合物
は、光学的に一軸性であってもよく二軸性であってもよ
い。光学的に一軸性であるとは、光学異方性を有する異
方性素子における3軸方向の屈折率の値nx、ny、nz
のうち2つのみが等しい値を示すことを言い、二軸性で
あるとは、3軸方向の屈折率の値nx、ny、nzのいず
れもが異なる値を示すことを言う。
【0020】また、誘電特性としては、本発明に使用す
る液晶性化合物は、少なくとも一種類以上の誘電率異方
性(Δε)が正の値のものと少なくとも一種類以上の誘
電率異方性が負の値のものからなる。
【0021】すなわち、本発明に使用する液晶化合物
は、(1)正の光学異方性を示しかつ誘電率異方性(Δ
ε)が負の値のものと、(2)正の光学異方性を示しか
つ誘電率異方性(Δε)が正の値のものをそれぞれ少な
くとも一種類以上からなる。
【0022】本発明に用いられる液晶性化合物は、この
ような性質を満たす液晶性化合物であれば特に限定され
るものではないが、例えば、誘電率異方性(Δε)が負
の値である(1)の液晶性化合物については、棒状の液
晶性化合物の剛直な部分とされるメソゲンコア部のベン
ゼン環の2位及び/または3位に電子吸引基であるシア
ノ基やフッ素原子を置換した構造などが典型的な構造で
ある。このような化合物の例としては、液晶の化学:季
刊 化学総説No.22,1994 日本化学会編(学
会出版センター),43頁に挙げられており、以下のよ
うな化合物があり、本発明に用いる事ができる。
【0023】
【化1】
【0024】また、本発明の誘電率異方性が正の値であ
る(2)の液晶性化合物は、TNセルに使用する通常の
棒状ネマティック液晶などが好適に用いられる。このよ
うな化合物の例としては、やはり前記、液晶の化学:季
刊 化学総説No.22,1994 日本化学会編(学
会出版センター),42、44頁に挙げられており、以
下の様な化合物があり、本発明に用いる事ができる。
【0025】
【化2】
【0026】
【化3】
【0027】
【化4】
【0028】本発明の正の光学異方性を有する液晶性化
合物である(1)正の光学異方性を示しかつ誘電率異方
性が負の値の化合物と、(2)正の光学異方性を示しか
つ誘電率異方性が正の値の化合物は、好ましくはネマテ
ィック液晶相を発現するものが用いられる。
【0029】また、本発明の誘電率異方性(Δε)が正
の値である(2)の液晶性化合物は、ネマチック状態で
の光学軸が正の一軸性であれば、当該光軸がシート面の
法線方向となす角度が0度より大きく90度以下である
ことが好ましく、また、各々の液晶分子(高分子液晶化
合物の場合は、メソゲン単位)の光軸がシート面の法線
方向となす角度が液晶性化合物を含む層内においてシー
トの深さ方向において変化しており、全体として光軸を
持たない液晶層となっていることも好ましい。
【0030】また、本発明の誘電率異方性(Δε)が正
の値である(2)の液晶性化合物は、二軸性である場合
には、二本の光軸を含む平面上の当該光軸のなす角であ
って90度以下である方の角度をθL度とした場合に、
当該平面上にあって各々の光軸とのなす角がθL/2度
となるような軸を仮定した場合にそのような仮想長軸を
定義する。この様な仮想長軸は、分子長軸と実質的に一
致する。この場合に、当該仮想長軸がシート面の法線方
向とのなす角が0度より大きく90度以下であることが
好ましく、また、各々の液晶分子(高分子液晶化合物の
場合は、メソゲン単位)の仮想長軸がシート面の法線方
向とのなす角が液晶性化合物を含む層内においてシート
の深さ方向において変化しており、全体として仮想長軸
に相当する軸を持たない液晶層となっていることも好ま
しい。
【0031】なお、誘電率異方性(Δε)が正の値の液
晶性化合物については、光学的に正の一軸性の当該液晶
性化合物と、光学的に二軸性である当該液晶性化合物に
おける前述の仮想長軸を、本発明においては簡単のため
まとめて、分子の「配向方向の軸」と呼ぶことがある。
【0032】本発明の光学補償シートを構成する光学異
方層は、正の光学異方性を示しかつ誘電率異方性が負の
値のものと、正の光学異方性を示しかつ誘電率異方性が
正の値のものをそれぞれ少なくとも一種類以上を有する
化合物からなる負の複屈折を有する層である。そして本
発明に用いる液晶性化合物から形成される棒状液晶構造
単位が、透明支持体面に対して傾き、且つ該棒状液晶構
造単位と透明支持体面とのなす角度が、光学異方層の深
さ方向に変化している形態をとることができる。
【0033】本発明の光学シートの配向状態は様々な液
晶層の接触面(例えば、支持体または空気面)の表面エ
ネルギーや、混合する液晶化合物の種類の組み合せによ
って、そのような、いわゆるハイブリッド配向をし、そ
の傾斜度合いも変化するため、これらの因子によりコン
トロールできる。
【0034】上記棒状構造単位の角度(該構造単位の光
軸とシート面とのなす角度であり、以下傾斜角というこ
とがある)は、一般に、光学異方層の深さ方向でかつ光
学異方層の底面からの距離の増加と共に増加または減少
している。上記傾斜角は、距離の増加と共に増加するこ
とが好ましい。更に、傾斜角の変化としては、連続的増
加、連続的減少、間欠的増加、間欠的減少、連続的増加
と連続的減少を含む変化、及び増加及び減少を含む間欠
的変化等を挙げることができる。間欠的変化は、厚さ方
向の途中で傾斜角が変化しない領域を含んでいる。傾斜
角は、変化しない領域を含んでいても、全体として増加
または減少していることが好ましい。更に、傾斜角は全
体として増加していることが好ましく、特に連続的に変
化することが好ましい。
【0035】上記傾斜角(角度)は、5〜85度の範囲
(特に10〜80度の範囲)で変化していることが好ま
しい。上記傾斜角の最小値は、0〜85度の範囲(特に
5〜40度)にあり、またその最大値が5〜90度の範
囲(特に30〜85度)にあることが好ましい。支持体
側の前記棒状液晶構造単位の傾斜角が、ほぼ最小値に対
応し、そして前記棒状液晶構造単位の傾斜角が、ほぼ最
大値に対応している。さらに、傾斜角の最小値と最大値
との差が、5〜70度の範囲(特に10〜60度)にあ
ることが好ましい。
【0036】上記光学異方層は、本発明に用いる液晶性
化合物及び他の化合物を溶剤に溶解した溶液を配向膜上
に塗布し、乾燥し、次いでネマチック相形成温度まで加
熱し、その後配向状態(ネマチック相)を維持して冷却
することにより得られる。あるいは、上記光学異方層
は、本発明に用いる液晶性化合物及び他の化合物(更
に、例えば重合性モノマー、光重合開始剤)を溶剤に溶
解した溶液を配向膜上に塗布し、乾燥し、次いでネマチ
ック相形成温度まで加熱したのち重合させ(UV光の照
射等により)、さらに冷却することにより得られる。本
発明に用いる液晶性化合物のネマティック液晶相−固相
転移温度としては、40〜300℃が好ましく、特に7
0〜170℃が好ましい。
【0037】例えば、支持体側の前記棒状構造単位の傾
斜角は、前述のように、一般に本発明に用いる液晶性化
合物あるいは配向膜の材料を選択することにより、また
はラビング処理方法を選択することにより、調整するこ
とができる。また、表面側(空気側)の液晶構造単位の
傾斜角は、一般に本発明に用いる液晶性化合物あるいは
これらとともに使用する他の化合物(例、可塑剤、界面
活性剤、重合性モノマー及びポリマー)を選択すること
により調整することができる。更に、傾斜角の変化の程
度も上記選択により調整することができる。
【0038】上記可塑剤、界面活性剤及び重合性モノマ
ーとしては、本発明に用いる液晶性化合物と相溶性を有
し、これら本発明に用いる液晶性化合物の傾斜角の変化
を与えられるか、あるいは配向を阻害しない限り、どの
ような化合物も使用することができる。これらの中で、
重合性モノマー(例、ビニル基、ビニルオキシ基、アク
リロイル基及びメタクリロイル基を有する化合物)が好
ましい。上記化合物は、本発明の液晶性化合物に対して
一般に1〜50質量%(好ましくは5〜30質量%)の
量にて使用される。
【0039】上記ポリマーとしては、本発明の液晶性化
合物と相溶性を有し、本発明の液晶性化合物に傾斜角の
変化を与えられる限り、どのようなポリマーでも使用す
ることができる。ポリマー例としては、セルロースエス
テルを挙げることができる。セルロースエステルの好ま
しい例としては、セルロースアセテート、セルロースア
セテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロー
ス及びセルロースアセテートブチレートを挙げることが
できる。上記ポリマーは、本発明の液晶性化合物の配向
を阻害しないように、本発明の液晶性化合物に対して一
般に0.1〜10質量%(好ましくは0.1〜8質量
%、特に0.1〜5質量%)の量にて使用される。セル
ロースアセテートブチレート(酢酸酪酸セルロース)の
ブチリル化度は、30%以上、特に30〜80%の範囲
が好ましい。またアセチル化度は30%以上、特に30
〜80%の範囲が好ましい。セルロースアセテートブチ
レートの粘度(ASTM D−817−72に従う測定
により得られる値)は、0.01〜20秒の範囲が好ま
しい。
【0040】本発明の誘電率異方性が負の値である
(1)の液晶性化合物は、ネマチック状態における光学
軸が分子の長軸方向にある正の一軸性であればよく、ま
た、二軸性の化合物であれば、分子の長軸(分子軸)に
対して直交する方向に対しては分子の面配向性をもたな
いものであっても差し支えないが、本発明においては、
ディスコティック液晶相を示さない範囲で分子の面方向
にもある程度の規則性を有するものであることが好まし
い。
【0041】また、本発明の誘電率異方性が負の値であ
る(1)の液晶性化合物は、光学的に二軸性である場合
には、二本の光軸を含む平面上の当該光軸のなす角であ
って90度以上である方の角度をθS度とした場合に、
当該平面上にあって各々の光軸とのなす角がθS/2度
となるような軸を仮定した場合にそのような仮想短軸を
定義する。この場合に、当該仮想短軸と該仮想短軸のシ
ート面への投影された線とのなす角が0°より大きく9
0°以下であることが好ましく、さらに好ましくは20
°以上70°以下である。仮想短軸がシート面に対し垂
直になっている場合は、このシート面への投影は点とな
るが、この場合は該仮想短軸のシート面に対する角度と
する。この角度は、誘電率異方性(Δε)が正の値であ
る(1)の液晶性化合物の場合ほど、光学補償能への影
響は大きくない。
【0042】また、各々の液晶分子(高分子液晶化合物
の場合は、メソゲン単位)の仮想短軸と該仮想短軸のシ
ート面へ投影された線とのなす角が液晶性化合物を含む
層内においてシートの深さ方向において変化しており、
全体として仮想軸に相当する軸をもたない液晶層となっ
ていることも好ましい。この場合においても、当該角度
は0°より大きく90°以下であることが好ましく、更
に好ましくは20°以上70°以下である。
【0043】本発明の(1)(2)の液晶性化合物は、
混合して使用することが層の数を少なくするためには好
ましいが、別個の独立した層として塗布することも可能
である。
【0044】本発明における配向方向については、誘電
率異方性(Δε)が負の値である(1)の液晶性化合物
と、誘電率異方性(Δε)が正の値である(2)の液晶
性化合物が、支持体上で該平面内における方向として、
(1)及び(2)の液晶性化合物の分子の長軸方向相互
のなす角度が、0度以上、80度以下であればよく、好
ましくは0度以上、45度以下であり、更に好ましくは
0℃以上、30度以下である。
【0045】本発明の好ましい態様の一例としては、1
層の配向層により該液晶層上に前述の2種類の液晶性化
合物を同時に、略同一方向に配向させることであり、こ
の場合、(1)及び(2)の液晶性化合物の分子の長軸
歩行相互のなす角度は実質的に0度となる。しかしなが
ら、複数の配向層を実質的に容易に設けることができる
場合などには、(1)及び(2)の液晶性化合物の分子
の長軸方向相互のなす角度が0度である必要はなく、前
述の範囲であれば光学補償能を得ることは可能である。
【0046】本発明に使用される液晶性化合物は、低分
子液晶性化合物であってもよいし高分子液晶化合物であ
ってもよい。本発明における誘電異方性または光学異方
性は、低分子液晶性化合物の場合には分子全体で規定さ
れ、高分子液晶性化合物の場合は、大別して、主鎖型液
晶・側鎖型液晶があるが、いずれの場合においてもメソ
ゲン基部分について低分子液晶性化合物に準じて規定さ
れるものとする。
【0047】ここで、本発明におけるメソゲン基(メソ
ゲン単位)とは、該液晶性化合物中において液晶性をも
たせるために必須の部分をまとめていう。通常メソゲン
基(メソゲン単位)とは剛直な部分のコア、柔軟な部分
のスペーサー、末端に位置する末端基からなるが、該液
晶性化合物に液晶相を発現させる構造であれば必ずしも
上記の3つの部分からなる必要はない。 (高分子液晶)ここで使用する液晶性高分子は、特に制
限はないが、負の固有複屈折値を有するものが好まし
い。これらの詳細については、「LIQUID CRY
STALS,1989,VOL.5,NO.1,pp.
159−170」に記載されている。
【0048】また、配向の固定を考えると、低分子液晶
同士、あるいは、高分子マトリクスと低分子液晶との架
橋のために、上記のような低分子液晶の末端に、不飽和
結合を有する置換基、活性水素を有する置換基、等の反
応性の置換基を有することが好ましい。
【0049】液晶性高分子は大きく分けると、メソゲン
基の入り方から、主鎖型、側鎖型がある。また、サーモ
トロピックとライオトロピックにも分類できる。ここで
用いる透明な液晶性高分子は、特に制限はないが、ネマ
チック液晶を形成することが好ましい。また、配向性の
点で側鎖型が好ましく、配向固定の点でサーモトロピッ
クが好ましい。側鎖型液晶性高分子で用いられる骨格
は、ビニル型のポリマー、ポリシロキサン、ポリペプチ
ド、ポリホスファゼン、ポリエチレンイミン、セルロー
ス等が好ましい。
【0050】本発明に用いられる支持体は、透明な材料
であれば特に限定されるものではないが、光学的に実質
的に等方性のものであればシート全体の光学異方性を液
晶層でコントロールしやすいため好ましい。また、TN
型液晶セルは黒表示の時に液晶層中間部の液晶分子が垂
直に配列するため正の一軸性を示すが、この部分の補償
を助けるために、支持体自身が法線方向に光軸を有する
負の一軸性を有するか、さらには面内の屈折率異方性が
異なる二軸性を有しかつ支持体面の法線方向の屈折率が
さらに小さい値であることがさらに有効である(nx
y>nz、ここでnx;支持体平面内の一方向、ny;支
持体平面内のnxに直交する方向、nz;支持体の厚み方
向)。
【0051】支持体素材は光透過率が良好であることに
加えて、光学的等方性に近いことが望ましい。従って、
ガラスやゼオネックス(日本ゼオン)、ARTON(日
本合成ゴム)、コニカタック(コニカ)などの商品名で
売られている固有複屈折値が小さい素材から形成された
支持体が好ましい。しかし、ポリカーボネート、ポリア
クリレート、ポリスルホン等の固有複屈折値が大きな素
材であっても、製膜時に分子配向を制御することによっ
て光学的に当方的な支持体を形成することも可能であ
り、それらも好適に利用される。
【0052】本発明に使用される配向膜としては、特に
限定されるものではなく、表示用液晶セルに使用されう
るものの他、特に電気的特性を要求されないためポリビ
ニルアルコールなどの高分子化合物が使用できる。
【0053】配向膜は、一般に透明支持体上又は下塗層
上に設けられる。配向膜は、その上に設けられる液晶性
化合物の配向方向を規定するように機能する。そしてこ
の配向が、光学補償シートから傾いた光軸を与える。配
向膜は、光学異方層に配向性を付与できるものであれ
ば、どのような層でも良い。配向膜の好ましい例として
は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理
された層、無機化合物の斜方蒸着層、及びマイクログル
ーブを有する層、さらにω−トリコサン酸、ジオクタデ
シルメチルアンモニウムクロライド及びステアリル酸メ
チル等のラングミュア・ブロジェット法(LB膜)によ
り形成される累積膜、あるいは電場あるいは磁場の付与
により誘電体を配向させた層を挙げることができる。
【0054】配向膜用の有機化合物の例としては、ポリ
メチルメタクリレート、アクリル酸/メタクリル酸共重
合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポリビニル
アルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、
スチレン/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化
ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩
素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸
ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共
重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、
ポリプロピレン及びポリカーボネート等のポリマー及び
シランカップリング剤等の化合物を挙げることができ
る。好ましいポリマーの例としては、ポリイミド、ポリ
スチレン、スチレン誘導体のポリマー、ゼラチン、ポリ
ビルアルコール及びアルキル基(炭素原子数6以上が好
ましい)を有するアルキル変性ポリビルアルコールを挙
げることができる。これらのポリマーの層を配向処理す
ることにより得られる配向膜は、液晶性化合物を斜めに
配向させることができる。
【0055】中でもアルキル変性のポリビニルアルコー
ルは特に好ましく、液晶性化合物を均一に配向させる能
力に優れている。これは配向膜表面のアルキル鎖と液晶
化合物のアルキル鎖との強い相互作用のためと推察され
る。また、アルキル基は、炭素原子数6〜14が好まし
く、更に、−S−、−(CH3)C(CN)−または−
(C25)N−CS−S−を介してポリビニルアルコー
ルに結合していることが好ましい。上記アルキル変性ポ
リビニルアルコールは、未端にアルキル基を有するもの
であり、けん化度80%以上、重合度200以上が好ま
しい。また、上記側鎖にアルキル基を有するポリビニル
アルコールは、クラレ(株)製のMP103、MP20
3、R1130などの市販品を利用することができる。
【0056】また、LCDの配向膜として広く用いられ
ているポリイミド膜(好ましくはフッ素原子含有ポリイ
ミド)も有機配向膜として好ましい。これはポリアミッ
ク酸(例えば、日立化成(株)製のLQ/LXシリー
ズ、日産化学(株)製のSEシリーズ等)を支持体面に
塗布し、100〜300℃で0.5〜1時間焼成した
後、ラビングすることにより得られる。更に、本発明の
配向膜は、上記ポリマーに反応性基を導入することによ
り、あるいは上記ポリマーをイソシアネート化合物及び
エポキシ化合物などの架橋剤と共に使用して、これらの
ポリマーを硬化させることにより得られる硬化膜である
ことが好ましい。
【0057】また、前記ラビング処理は、LCDの液晶
配向処理工程として広く採用されている処理方法を利用
することができる。即ち、配向膜の表面を、紙やガー
ゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊
維などを用いて一定方向に擦ることにより配向を得る方
法を用いることができる。一般的には、長さ及び太さが
均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度
ラビングを行うことにより実施され、これによりラビン
グ操作を好適に行うことが出来る。
【0058】また、無機斜方蒸着膜の蒸着物質として
は、SiOを代表とし、TiO2、ZnO2等の金属酸化
物、あるいはMgF2等のフッ化物、さらにAu、A
l、等の金属が挙げられる。尚、金属酸化物は、高誘電
率のものであれば斜方蒸着物質として用いることがで
き、上記に限定されるものではない。無機斜方蒸着膜
は、蒸着装置を用いて形成することができる。フィルム
(支持体)を固定して蒸着するか、あるいは長尺フィル
ムを移動させて連続的に蒸着することにより無機斜方蒸
着膜を形成することができる。
【0059】また、好ましくは光反応性の種々の光配向
膜を用いることにより光配向操作を行うことも出来る。
特に、桂皮酸構造、クマリン誘導体などの反応性基を含
有する配向膜は偏光UV光を照射することにより、配向
操作を行うことが可能であり、好ましく用いられる。
【0060】その他、液晶性化合物を配向させる手段と
しては、磁場又は電場が用いられるが、特に本発明のよ
うに液晶分子を斜めに配向させる手段としては、磁場が
好ましい。すなわち、低分子液晶は磁化率異方性が負で
反磁性を示すため、外部から磁場を加えると磁場方向に
分子の光学軸が配向する。したがって、高分子マトリク
スに液晶性化合物を混合して高分子マトリクス中に液晶
分子を分散させ、これを支持シート上に塗布し、支持シ
ート表面の法線方向に対して角度をなして外部磁場を加
えることにより、液晶分子をその方向に配向させること
ができる。この場合、磁場強度は500G以上であるこ
とが好ましいが、液晶の固有粘度の低いものは500G
以下の磁場でも配向し得る。 (層構成)本発明の層構成としては、少なくとも一種類
の誘電率異方性が負の値である液晶性化合物と、少なく
とも一種類の誘電率異方性が正の値である液晶性化合物
からなっていれば特に限定されるものではないが、以下
のような構成が例示される。 1)支持体−配向層−液晶層((1)と(2)の混合) 2)支持体−配向層−液晶層(1)−配向層−液晶層
(2) 3)支持体−配向層−液晶層(1)−液晶層(2) (配向の固定化)また、本発明の液晶性化合物は、配向
状態を固定化するための方法として、通常知られる全て
の方法を採ることができる。通常、配向の固定は、配向
と同時に行われることが好ましい。例えば、本発明に用
いる低分子または高分子の液晶化合物を液晶相発現温度
(例えば、室温以上、100℃以上など、液晶の種類に
よる。)の範囲に維持して液晶層を形成し、これを基板
上で配向させ、速やかに室温まで冷却することにより配
向は固定される。
【0061】あるいは、別の配向を固定する方法とし
て、不飽和結合を有するモノマーと液晶性化合物よりな
る系に、光重合開始剤あるいは熱重合開始剤を添加し
て、液晶分子の配向と同時に光あるいは熱により不飽和
結合を有するモノマーを重合させ、液晶分子の配向を固
定する方法、また、液晶性化合物同士、あるいは、高分
子マトリクスと液晶性化合物との架橋のために、上述の
液晶性化合物分子の末端に、不飽和結合を有する置換
基、活性水素を有する置換基、等の反応性の置換基を有
する液晶性化合物分子を用い、該反応性の置換基を有す
る液晶性化合物と高分子マトリクスを熱、光又はpH変
化により反応させて配向を固定化する方法、あるいは、
反応性の置換基を有する液晶性化合物同士を個々の液晶
ドメインの中で架橋することにより配向を固定する方法
があげられるが、これらの方法に止まるものではなく、
様々な公知技術を使用することができる。
【0062】この液晶の配向固定には、前述のように熱
重合開始剤あるいは光重合開始剤を用いることができ
る。熱重合開始剤の例としては、アゾ化合物、有機過酸
化物、無機過酸化物、スルフィン酸類等をあげることが
できる。これらの詳細については、高分子学会、高分子
実験学編集委員会編「付加重合・開環重合」(1983
年、共立出版)の6〜18ページ等に記載されている。
【0063】光重合開始剤の例としては、ベンゾフェノ
ン類、アセトフェノン類、ベンゾイン類、チオキサント
ン類等をあげることができる。これらの詳細について
は、「紫外線硬化システム」(1989年、総合技術セ
ンター)の63〜147ページ等に記載されている。
【0064】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
【0065】(実施例1)トリアセチルセルロース膜
(厚さ80μm)(コニカ製)上に、アルキル変性ポバ
ール(クラレ(株)製MP203)を1μm厚となるよ
うに塗布した。これをラビング処理を行い配向させた。
この支持体上に、NA−1、PA−1(それぞれ10質
量%濃度)のクロロホルム溶液をスライドコーターによ
り塗布した。これを、60℃で3分間加熱したまま、窒
素雰囲気下で紫外線照射装置を用いて照度100mW/
cm2で10秒間照射後、室温に冷却して無色透明膜を
形成した。
【0066】
【化5】
【0067】得られた無色透明の膜は、偏光顕微鏡によ
りディスクリネーションラインがなく光学的に均質なモ
ノドメインの状態であることを確認した。得られた試料
の光軸の向きをKSシステムズ(株)製自動複屈折計K
OBRA−21DHを用いて、位相差測定モードにより
測定した。その結果、試料面の法線方向でno−ne=0
(noは常光の屈折率、neは異常光の屈折率)となり、
光軸が法線方向となるように配向していることが確認さ
れた。
【0068】(実施例2)トリアセチルセルロース膜
(厚さ80μm)(コニカ製)上に、アルキル変性ポバ
ール(クラレ(株)製MP203)を1μm厚となるよ
うに塗布した。これをラビング処理を行い配向させた。
この支持体上に、実施例1で使用したNA−1の10質
量%のクロロホルム溶液をスライドコーターにより塗布
した。これを、60℃で3分間加熱したまま、窒素雰囲
気下で紫外線照射装置を用いて照度100mW/cm2
で10秒間照射後、室温に冷却した。さらにこの層の上
に再度アルキル変性ポバール(クラレ(株)製MP20
3)を1μm厚となるように塗布した。これを再度、同
様に同一方向にラビング処理を行い配向させた。この上
に、同様に実施例1で使用したPA−1の10質量%の
クロロホルム溶液をスライドコーターにより塗布した。
これを、60℃で3分間加熱したまま、窒素雰囲気下で
紫外線照射装置を用いて照度100mW/cm2で10
秒間照射後、室温に冷却して無色透明膜を形成した。
【0069】得られた無色透明の膜は、偏光顕微鏡によ
りディスクリネーションラインがなく光学的に均質なモ
ノドメインの状態であることを確認した。得られた試料
の光軸の向きをKSシステムズ(株)製自動複屈折計K
OBRA−21DHを用いて、位相差測定モードにより
測定した。その結果、試料面の法線方向でno−ne=0
(noは常光の屈折率、neは異常光の屈折率)となり、
光軸が法線方向となるように配向していることが確認さ
れた。
【0070】(実施例3)トリアセチルセルロース膜
(厚さ80μm)(コニカ製)上に、アルキル変性ポバ
ール(クラレ(株)製MP203)を1μm厚となるよ
うに塗布した。これをラビング処理を行い配向させた。
この支持体上に、NA−1、NA−2、PA−1、PA
−2を混合した(それぞれ5質量%濃度)クロロホルム
溶液をスライドコーターにより塗布した。これを、50
℃で3分間加熱したまま、窒素雰囲気下で紫外線照射装
置を用いて照度100mW/cm2で10秒間照射後、
室温に冷却して無色透明膜を形成した。得られた無色透
明の膜は、偏光顕微鏡によりディスクリネーションライ
ンがなく光学的に均質なモノドメインの状態であること
を確認した。
【0071】
【化6】
【0072】得られた試料の光軸の向きをKSシステム
ズ(株)製自動複屈折計KOBRA−21DHを用い
て、位相差測定モードにより測定した。その結果、試料
面の法線方向との入射角が23°でno−neが0ではな
い最小値(noは常光の屈折率、neは異常光の屈折率)
となり、光軸は存在せず法線方向との入射角が23度近
傍を平均として膜の厚み方向に連続的に入射角が変化し
つつ配向していることが確認された。
【0073】(実施例4)TNモードの液晶セルについ
て、視野角特性の評価を以下のようにして行った。
【0074】評価に使用したTN液晶セルは、面内で液
晶セルガラスのそれぞれの内側にITO電極およびそれ
ぞれ45度、135度の方向にラビングされた配向膜を
有しており、該ガラスの外側にそれぞれにラビング方向
に平行な編光軸を有するようにように配置されたものを
用いた。
【0075】このTNセルの偏光板とガラス面の間に実
施例1〜3で得られた光学補償シートおよび比較対照と
して、液晶分子を塗布しないトリアセチルセルロース膜
(厚さ80μm)(コニカ製)をそれぞれ配置して、こ
の上に偏光板をもとの向きに設置した。
【0076】視野角の特性評価は、液晶セルに電圧を印
加しない状態(白表示)と電圧5V印加状態(黒表示)
の比、即ち、0V(白表示)/5V(黒表示)をコント
ラスト比として、全方位測定を、エレクトロニクス・フ
ォー・ディスプレイ・アンド・イメージング・デバイス
社製視野角検査装置イージー・コントラストを用いて行
い、コントラスト比が10である時の液晶セルの法線方
向からの角度を視野角として、上下・左右方向の値を求
めた。
【0077】その結果を、表1に示した。尚、レターデ
ーション最小方向角度というのは光軸の方向を表してい
る。
【0078】
【表1】
【0079】以上の結果から、本発明の光学補償シート
を使用することにより、視野角が拡大されることが確認
された。
【0080】
【発明の効果】誘電率異方性(Δε)が負と正の液晶性
化合物を用いる事により、斜め方向から見た場合の画面
の着色や、特殊な配向膜材料、特殊な配向操作、複雑な
層構成等を必要としない、生産性の高い光学補償シート
と、これを用いた視野角の広いTN−TFT型液晶表示
装置が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 壮太 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 Fターム(参考) 2H049 BA06 BA42 BB43 BC22 2H089 RA05 SA16 TA14 2H090 HB03Y HB06Y HB07Y HB08Y HB12Y HB13Y HC02 JB03 JD04 JD05 KA05 LA06 MB01 MB06 MB09 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA11Z FD07 GA06 HA07 JA01 JA10 KA01 KA10 LA19 LA20

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一種類の誘電率異方性(Δ
    ε)が負の値である液晶性化合物及び少なくとも一種類
    の誘電率異方性(Δε)が正の値である液晶性化合物を
    支持体上に有してなることを特徴とする光学補償シー
    ト。
  2. 【請求項2】 誘電率異方性(Δε)が負の値である液
    晶性化合物と誘電率異方性(Δε)が正の値である液晶
    性化合物がネマチック相を発現している液晶性化合物で
    あることを特徴とする請求項1に記載の光学補償シー
    ト。
  3. 【請求項3】 少なくとも一種類の誘電率異方性(Δ
    ε)が負の値である液晶性化合物と少なくとも一種類の
    誘電率異方性(Δε)が正の値である液晶性化合物を含
    有する層が、支持体上に設けられた配向層を介して形成
    されてなる請求項1または2に記載の光学補償シート。
  4. 【請求項4】 誘電率異方性(Δε)が負の値である液
    晶性化合物および誘電率異方性(Δε)が正の値である
    液晶性化合物のいずれかから選ばれる液晶性化合物を含
    有する第1の液晶層が配向層を介して支持体上に設けら
    れており、さらに該支持体上に、第一の液晶層と誘電異
    方性(Δε)の値が逆の符号を有する液晶性化合物を含
    有する第二の液晶層が第一の液晶層を介して形成されて
    なる請求項3に記載の光学補償シート。
  5. 【請求項5】 誘電率異方性(Δε)が負の値である液
    晶性化合物および誘電率異方性(Δε)が正の値である
    液晶性化合物のいずれかから選ばれる液晶性化合物を含
    有する第一の液晶層が配向層を介して支持体上に設けら
    れており、さらに該支持体上に、第一の液晶層と誘電率
    異方性(Δε)の値が逆の符号を有する液晶性化合物を
    含有する第二の液晶層が配向層を介して第一の液晶層と
    混和することなく形成されてなる請求項3に記載の光学
    補償シート
  6. 【請求項6】 前記配向層が、光配向性の層であること
    を特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の光学
    補償シート。
  7. 【請求項7】 誘電率異方性(Δε)が正の値である液
    晶性化合物の配向方向の軸がシート面の法線方向となす
    角度が、0度より大きく90度以下であることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学補償シー
    ト。
  8. 【請求項8】 誘電率異方性(Δε)が正の値である液
    晶性化合物の配向方向の軸がシート面の法線方向となす
    角度が、液晶性化合物を含む層内においてシートの深さ
    方向において変化していることを特徴とする請求項1〜
    6のいずれか1項に記載の光学補償シート。
  9. 【請求項9】 支持体の屈折率が、 nx=ny≧nz、 または、 nx≠ny>nz(ここでnx;支持体平面内の任意の一方
    向の屈折率、ny;支持体平面内のnxに直交する方向の
    屈折率、nz;支持体の厚み方向の屈折率)の関係を有
    するものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれ
    か1項に記載の光学補償シート。
  10. 【請求項10】 誘電率異方性(Δε)が正の値である
    液晶性化合物の配向方向のシート面における投影方向と
    誘電率異方性(Δε)が負の値である液晶性化合物の配
    向方向のシート面における投影方向のなす角度が80度
    以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1
    項に記載の光学補償シート。
  11. 【請求項11】 一対の透明電極を有する基板とその基
    板間に封入されたねじれネマティック液晶とからなる液
    晶セルの両側に設けられた一対の偏光板、及び液晶セル
    と偏光板との間に設けられた光学補償シートからなる液
    晶表示装置において、該光学補償シートが透明支持体上
    に、少なくとも一種類の誘電率異方性(Δε)が負の値
    である液晶性化合物と少なくとも一種類の誘電率異方性
    が正の値である液晶性化合物を有してなり、該誘電率異
    方性(Δε)が正の値である液晶性化合物の配向方向の
    軸がシート面の法線方向となす角度が、0度より大きく
    90度以下であることを特徴とする液晶表示装置。
  12. 【請求項12】 一対の透明電極を有する基板とその基
    板間に封入されたねじれネマティック液晶とからなる液
    晶セルの両側に設けられた一対の偏光板、及び液晶セル
    と偏光板との間に設けられた光学補償シートからなる液
    晶表示装置において、該光学補償シートが透明支持体上
    に、少なくとも一種類の誘電率異方性(Δε)が負の値
    である液晶性化合物と少なくとも一種類の誘電率異方性
    が正の値である液晶性化合物を有してなり、該誘電率異
    方性(Δε)が正の値である液晶性化合物の配向方向の
    軸がシート面の法線方向となす角度が、液晶性化合物を
    含む層内においてシートの深さ方向において変化してい
    ることを特徴とする液晶表示装置。
  13. 【請求項13】 一対の透明電極を有する基板とその基
    板間に封入されたねじれネマティック液晶とからなる液
    晶セルの両側に設けられた一対の偏光板、及び液晶セル
    と偏光板との間に設けられた光学補償シートからなる液
    晶表示装置において、該光学補償シートが透明支持体上
    に、少なくとも一種類の誘電率異方性(Δε)が負の値
    である液晶性化合物と少なくとも一種類の誘電率異方性
    が正の値である液晶性化合物を有してなり、誘電率異方
    性(Δε)が正の値である液晶性化合物の配向方向のシ
    ート面における投影方向と誘電率異方性が負の値である
    液晶性化合物の配向方向のシート面における投影方向の
    なす角度が80度以下であることを特徴とする液晶表示
    装置。
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