JP2003306798A - 表面処理方法およびメッキ処理部品並びに露光装置 - Google Patents

表面処理方法およびメッキ処理部品並びに露光装置

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JP2003306798A
JP2003306798A JP2002116637A JP2002116637A JP2003306798A JP 2003306798 A JP2003306798 A JP 2003306798A JP 2002116637 A JP2002116637 A JP 2002116637A JP 2002116637 A JP2002116637 A JP 2002116637A JP 2003306798 A JP2003306798 A JP 2003306798A
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surface treatment
treatment method
black chrome
ions
chrome plating
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Keiji Matsuura
恵二 松浦
Kiyoshi Shoji
喜代志 小路
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Nikon Corp
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 曇り物質の発生を抑制できる表面処理方法を
提供する。 【解決手段】 処理対象部材の表面に黒クロムメッキ処
理を施すメッキ処理工程S1と、黒クロムメッキ処理が
施された処理対象部材に湯洗を施す洗浄工程S5とを含
む。黒クロムメッキ処理に伴って処理対象部材に残留す
る所定のイオンの量に基づいて湯洗時間を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に黒クロムメ
ッキ処理を施す表面処理方法、および黒クロムメッキ処
理が施されたメッキ処理部品、並びにこのメッキ処理部
品を有する露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体デバイス、CCD等の
撮像デバイス、液晶表示デバイス、または薄膜磁気ヘッ
ド等の製造工程の1つであるリソグラフィ工程において
は、マスク又はレチクル(以下、レチクルと称する)に
形成された回路パターンをレジスト(感光剤)が塗布さ
れたウエハ又はガラスプレート等の基板上に転写する種
々の露光装置が用いられている。例えば、半導体デバイ
ス用の露光装置としては、近年における集積回路の高集
積化に伴うパターンの最小線幅(デバイスルール)の微
細化に応じて、レチクルのパターンを投影光学系を用い
てウエハ上に縮小転写する縮小投影露光装置が主として
用いられている。
【0003】この縮小投影露光装置としては、レチクル
のパターンをウエハ上の複数のショット領域(露光領
域)に順次転写するステップ・アンド・リピート方式の
静止露光型の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)
や、このステッパを改良したもので、特開平8−166
043号公報等に開示されるようなレチクルとウエハと
を一次元方向に同期移動してレチクルパターンをウエハ
上の各ショット領域に転写するステップ・アンド・スキ
ャン方式の走査露光型の露光装置(いわゆるスキャニン
グ・ステッパ)が知られている。
【0004】この種の露光装置では、ウエハ上に塗布さ
れたレジスト等の感光剤が露光光により感光することで
パターン像が転写されるため、露光装置を構成する金物
部品、特に露光光の光路に臨ませて配置された金物部品
に対しては、露光光(及び迷光)の遮光や散乱光防止等
の目的で黒クロムメッキ(JIS記号;Ep−Fe/C
r1bk、Ep−Cu/Cr1bk等)が広く使用され
ている。この黒クロムメッキは密着性がよく膜厚が薄い
(1μm程度)ため、露光装置に限らず、精密機器部品
の表面処理として広く用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来技術には、以下のような問題が存在する。
黒クロムメッキの薬液中には、アンモニアイオン(NH
4 +)や硫酸イオン(SO4 2-)が含まれるため、黒クロ
ムメッキ処理が施された部品にはこれらの無機イオンが
多く残留している。これらの無機イオンは、レンズ等の
光学素子の曇り物質の一つである硫酸アンモニウム
((NH42SO4)の原因となるものであり、この曇
り物質は、光学部品に対して光学特性の劣化(透過率低
下、反射率低下)等の悪影響を及ぼし、装置に対して照
度低下・照明ムラ悪化による性能劣化等の悪影響を及ぼ
す。
【0006】特に、近年では、半導体素子の高集積化に
対応して投影光学系での必要な解像力を実現するために
露光用の光源が短波長化されてきていることもあり、上
記の悪影響が顕著になる虞がある。
【0007】一般に、無機イオン類の多くが純水洗浄に
より除去できることが知られており、実際、上記黒クロ
ムメッキ処理が施された金物部品は、表面処理工程中に
設けられた洗浄工程で温純水による仕上げ洗浄(湯洗)
が実施されている。ところが、この洗浄工程は、金物部
品のシミ防止のために実施されるものであり、洗浄時間
が短く、黒クロムメッキ処理に含まれる上記無機イオン
類(NH4 +、SO4 2-)を充分に除去することが困難で
あった。
【0008】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、曇り物質の発生を抑制することができる表
面処理方法及びメッキ処理部品、並びに光学素子におけ
る光学特性の劣化を抑制できる露光装置を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、実施の形態を示す図1ないし図3に対応
付けした以下の構成を採用している。本発明の表面処理
方法は、処理対象部材(32)の表面に黒クロムメッキ
処理を施すメッキ処理工程と、黒クロムメッキ処理が施
された処理対象部材(32)に湯洗を施す洗浄工程とを
含む表面処理方法において、黒クロムメッキ処理に伴っ
て処理対象部材(32)に残留する所定のイオンの量に
基づいて湯洗時間を設定することを特徴とするものであ
る。
【0010】従って、本発明の表面処理方法では、曇り
物質の原因となる残留イオンが所定量以下となるように
洗浄工程における湯洗時間を設定することで、黒クロム
メッキ処理が施された処理対象部材(32)に残留する
所定の無機イオン量が所定値以下に抑制されたことを確
認できた。
【0011】また、本発明の表面処理方法は、処理対象
部材(32)の表面に黒クロムメッキ処理を施すメッキ
処理工程を含む表面処理方法において、黒クロムメッキ
処理された処理対象部材(32)に対して超音波洗浄を
行うことを特徴とするものである。
【0012】従って、本発明の表面処理方法では、黒ク
ロムメッキ処理が施された処理対象部材(32)に残留
する所定の無機イオン量が所定値以下に抑制されたこと
を確認できた。
【0013】さらに、本発明の表面処理方法は、処理対
象部材(32)の表面に黒クロムメッキ処理を施すメッ
キ処理工程と、黒クロムメッキ処理された後に洗浄され
た処理対象部材(32)を乾燥させる乾燥工程とを含む
表面処理方法において、乾燥工程後に処理対象部材(3
2)をベークするベーキング工程を含むことを特徴とす
るものである。
【0014】従って、本発明の表面処理方法では、黒ク
ロムメッキ処理が施された処理対象部材(32)に残留
する所定の無機イオン量が所定値以下に抑制されたこと
を確認できた。
【0015】そして、本発明のメッキ処理部品は、表面
に黒クロムメッキ処理が施されたメッキ処理部品であっ
て、黒クロムメッキ処理に伴って残留するイオン量が1
0ng/cm2以下であることを特徴とするものであ
る。
【0016】従って、本発明のメッキ処理部品では、残
留するイオンに起因する曇り物質の発生を、光学部品に
悪影響を及ぼさない所定量以下に抑制することが可能に
なった。
【0017】そして、本発明の露光装置は、露光光によ
りマスク(R)のパターン像を基板(W)に露光する露
光装置(1)であって、請求項12または請求項13記
載のメッキ処理部品(32)が露光光の光路に黒クロム
メッキ処理された面を臨ませて配設されることを特徴と
するものである。
【0018】従って、本発明の露光装置では、露光光の
遮光や散乱光を防止できるとともに、残留するイオンに
起因する曇り物質の発生を、光学部品に悪影響を及ぼさ
ない所定量以下に抑制することが可能になり、照度低下
・照明ムラ悪化等の光学特性に対する悪影響を回避する
ことができる。
【0019】また、本発明の露光装置は、露光光によ
り、マスク(R)のパターン像を基板(W)に露光する
露光装置(1)であって、黒クロムメッキ処理が施され
た表面が露光光の光路に臨ませて配置されるメッキ処理
部品(32)と、露光光の光路中に配置される光学部品
(39)とを有し、黒クロムメッキ処理部品(32)の
表面は、光学部品(39)の表面に付着する汚染物質の
発生量を低減させるための表面処理が施されていること
を特徴とするものである。
【0020】従って、本発明の露光装置では、露光光の
遮光や散乱光を防止できるとともに、残留するイオンに
起因し光学部品(39)の表面に付着する汚染物質の発
生量を、光学部品(39)に悪影響を及ぼさない所定量
以下に低減させることが可能になり、照度低下・照明ム
ラ悪化等の光学特性に対する悪影響を回避することがで
きる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の表面処理方法およ
びメッキ処理部品並びに露光装置の実施の形態を、図1
ないし図4を参照して説明する。ここでは、本発明のメ
ッキ処理部品として、露光装置においてレチクルのパタ
ーン像を基板に投影する投影光学系の鏡筒に適用するも
のとし、この鏡筒の内部表面の処理に本発明の表面処理
方法を適用するものとする。また、ここでは、基板を半
導体デバイス製造用のウエハとし、露光装置をレチクル
とウエハとを同期移動してレチクルのパターンをウエハ
に走査露光する走査型の露光装置とする場合の例を用い
て説明する。
【0022】図1は、本発明による投影露光装置1の概
略的構成を示している。この図に示すように、投影露光
装置1においては、光源ユニット2から例えば193n
mの出力波長を持つ光束としてのArFエキシマレーザ
光(エネルギービーム)が露光装置本体側の照明光学系
IUへ向けて出射される。なお、露光装置本体は、露光
光を透過する窒素ガスのような不活性ガスが充填、ある
いは流通されるチャンバー3内に収容されており、温
度、湿度が一定に保たれるように制御されている。光源
ユニット2には、酸素の吸収帯を避けて狭帯化されたほ
ぼ平行光束としてのパルス光を発振する光源、狭帯化さ
れたレーザ光の光路を照明光学系IUとの間で位置的に
マッチングさせるビームマッチングユニット(BM
U)、レーザ光を所定断面形状に整形するビーム整形光
学系等が配設されている。
【0023】照明光学系IUに入射したレーザ光は、反
射ミラー5で反射して、オプティカルインテグレータと
してのフライアイレンズ6に導かれる。フライアイレン
ズ6は、多数のレンズ素子が束ねられて構成されてお
り、このレンズ素子の射出面側には、それを構成するレ
ンズ素子の数に対応した多数の光源像(2次光源)が形
成される。なお、本例ではフライアイレンズ6を1つ設
けているが、このフライアイレンズ6と光源ユニット2
あるいは反射ミラー5との間に、第2オプティカルイン
テグレータとしてのフライアイレンズを設けてもよく、
さらにはフライアイレンズの代わりに内面反射型のロッ
ド状の光学部材をオプティカルインテグレータとして用
いてもよい。
【0024】フライアイレンズ6により形成される多数
の2次光源が形成される位置において、所定の形状ある
いは所定の大きさの複数の開口絞りが形成されているタ
レット板7が配設されている。このタレット板7はモー
タ8で回転駆動され、ウエハ(基板、感光基板)W上に
転写すべきレチクル(マスク)Rのパターンに応じて、
1つの開口絞りが選択されて照明光学系IUの光路中に
挿入される。なお、タレット板7とモータ8で照明系用
可変開口絞り装置が構成される。
【0025】フライアイレンズ6によって形成される多
数の2次光源からの光束は、可変開口絞りを通過してビ
ームスプリッタ9で2つの光路に分岐され、反射光はイ
ンテグレータセンサ10に導かれて照明光の照度が検出
される。検出された照度に応じた信号S1は制御回路4
0に入力される。一方、通過光はリレーレンズ11、駆
動機構12aに駆動されてレチクルRに対する照明領域
を規定する視野絞り12、リレーレンズ13を通って反
射ミラー14で反射された後、複数のレンズ等の屈折光
学素子で構成されるコンデンサ光学系15にて集光され
る。この実施の形態の投影露光装置では、以上説明した
光学素子5,6,7,9,11,12,13,14,1
5が照明光学系IUを構成している。
【0026】照明光学系IUから出射したレーザ光は、
レチクルR上に形成された回路パターン(パターン)を
重畳的に均一照明する。そして投影光学系PLによって
ウエハW上にレチクルR上の回路パターンの像が形成さ
れ、ウエハW上に塗布されたレジストが感光して、ウエ
ハW上に回路パターンの像が転写される。
【0027】レチクルRはレチクルホルダ17によりレ
チクルステージ18に投影光学系PLの物体面に位置し
て保持固定される。レチクルステージ18は、図1の紙
面と直交する面内に沿って2次元的に移動するようにベ
ース22に設けられている。レチクルホルダ17にはミ
ラー21が設置され、レーザ干渉計20からのレーザ光
がミラー21で反射されてレーザ干渉計20に入射する
ことで、レーザ干渉計20によりレチクルステージ18
の位置が高精度に計測される。この位置情報は制御回路
40に入力され、この位置情報に基づいて制御回路40
はレチクルステージ駆動用モータ19を駆動してレチク
ルRの位置を制御している。
【0028】投影光学系PLは、鏡筒(処理対象部材)
32内にレンズ等の屈折光学素子(光学部品)39が複
数段に亘って列設される構成になっており、収差(倍率
誤差等)を補正するために、少なくとも1つのレンズエ
レメント(例えばレチクルRに最も近いレンズエレメン
ト)を移動させる駆動機構(不図示)を備えている。鏡
筒32の露光光の光路に臨む内周面(実際には鏡筒32
を構成するパネルの表面)には、後述する黒クロムメッ
キ膜が成膜されている。
【0029】また、投影光学系PLの瞳面上(入射瞳)
の位置には開口絞り16が配置されている。この場合、
投影光学系PL内の開口絞り16と照明光学系IU内の
可変開口絞りとは、光学的に共役な位置に配置される。
この開口絞り16は投影光学系PLの開口数を可変する
ように、その大きさを変更できる構成になっている。
【0030】ウエハWは、ウエハホルダ26によりウエ
ハステージ27に投影光学系PLの像面に位置される。
ウエハステージ27は、図1の紙面と直交する面内に沿
って2次元的に移動するように設けられている。ウエハ
ステージ27にはミラー31が設置され、レーザ干渉計
30からのレーザ光がミラー31で反射されてレーザ干
渉計30に入射することで、レーザ干渉計30によりウ
エハステージ27の位置が計測される。この位置情報は
制御回路40に入力され、この位置情報に基づいて制御
回路40はウエハステージ駆動用モータ29を駆動して
ウエハWの位置を制御している。ウエハステージ27上
には照度センサ28が設けられ、ウエハWに照射される
露光光(レーザ光)の照度(エネルギー)が検出され
る。この照度センサ28の検出信号は制御回路40に出
力される。
【0031】そして、上記の投影露光装置1によりレチ
クルRのパターン像をウエハWに投影露光する際には、
不図示のレチクルローディング機構により、転写の目的
となるパターンの描画されたレチクルRをレチクルステ
ージ18の上に搬送して載置する。このとき、そのレチ
クルRが所定の位置に設置されるように、不図示のレチ
クルアライメント系によりそのレチクルRの位置を計測
し、その結果にしたがって、不図示のレチクル位置制御
回路によってレチクルRの位置を所定の位置に設定す
る。
【0032】レチクルRのパターンが転写されるウエハ
Wの表面には感光材料であるレジストがあらかじめ塗布
されており、その状態で不図示のウエハローディング機
構によりウエハWが搬送されてウエハステージ27上に
設置される。ウエハWはウエハステージ27上でアライ
メントされて保持固定される。ウエハステージ27上に
設置されたウエハWは第1層目のレチクルのパターンの
転写では、そのウエハW上にパターンは存在せず、ウエ
ハステージ27上の所定の位置に、例えばウエハWはそ
の外径(オリフラまたはノッチなど)を基準として定め
られる位置に設置される。
【0033】なお、ウエハWに対する第2回目以降のパ
ターンの転写の場合には、ウエハW上にパターンが存在
するため、予め転写されたパターンに付設されるマーク
を不図示のウエハアライメント系で計測することによ
り、ウエハW上に先に転写されたパターンに対して、こ
れから転写するパターンが所定の位置関係になるよう
に、レチクルステージ18やウエハステージ27の位置
を制御する。
【0034】また、ウエハW上に投影露光するレチクル
Rのパターン特性(パターン形状、パターン種類)に応
じて、最適な解像度及び焦点深度となるように、照明系
用可変開口絞りにおけるモータ8を介してターレット板
7を回転させるとともに、投影光学系PLにおける開口
絞り16の回転駆動部を駆動して開口数の大きさを変更
する。具体的には、レチクルRのパターンが、二重露光
を実施する際に比較的緩い精度が求められる、いわゆる
ラフパターンである場合や、比較的配線密度が低い、い
わゆる孤立線である場合には開口数を小さく設定して焦
点深度を大きくする。逆に、レチクルRのパターンが、
二重露光を実施する際に厳密な精度が求められる、いわ
ゆるファインパターンである場合や、比較的配線密度が
高い、例えばライン・アンド・スペースパターンである
場合には、開口数を大きく設定することで解像度を向上
させる。
【0035】その後、照明系用可変開口絞り及び開口絞
り16で規定された開口数の光束により、ウエハW上に
パターン像がステップアンドスキャン方式で投影露光さ
れる。この転写は、レチクルR上のパターンの一部を視
野絞り12によって選択的に照明し、レチクルステージ
18によってレチクルRを移動させ、それに同期しなが
らウエハWをウエハステージ27によって動かすいわゆ
る走査型の転写である。あるいは、レチクルRとウエハ
Wとを静止させた状態で転写したいレチクルR上のパタ
ーンを1度に全て照明して転写するステップアンドリピ
ート方式でもよい。
【0036】次に、鏡筒32に施される表面処理につい
て図2及び図3を用いて説明する。(実施例1)まず、
黒クロムメッキ処理工程(以下、BCrメッキ工程と称
する)S1では、濃厚メッキ液(薬液)に処理対象部材
を所定条件(例えば、7〜9V/7分)で浸漬し、表面
に黒クロムメッキ膜を形成する。次に、回収工程S2に
て濃厚メッキ液の回収を行う。この後、水洗1工程S3
及び水洗2工程S4の2つの水洗工程を経ることで薬液
の除去を行う。上記の回収・水洗に用いる水としては市
水が一般的であるが、本実施の形態では電気伝導度10
μS/cm程度のイオン交換水を用いた。
【0037】続いて、温純水を用いた洗浄工程S5を実
施する。従来では、シミ防止の仕上げ洗浄を目的として
洗浄工程を設けていたため、温純水による湯洗時間は2
0秒程度(図2中、従来例参照)であったが、本実施の
形態では洗浄工程が黒クロムメッキ処理に伴う残留イオ
ンの脱イオン工程を兼ねており、処理対象部材に残留す
るイオン量に基づいて湯洗時間を設定している。具体的
には、残留するアンモニアイオン及び硫酸イオンがそれ
ぞれ1/10以下、より詳細には各残留イオンが10n
g/cm2以下となる湯洗時間が10分以上であること
が実験で求められたため、ここでは湯洗時間を10分に
設定した。なお、各残留イオンが10ng/cm2以下
であれば、光学特性に悪影響を及ぼさない程度に光学素
子の曇り物質の発生を抑制できることが判明している。
【0038】湯洗(温水)温度については、40℃未満
では洗浄工程後の乾燥に時間がかかるため、処理対象部
材に付着した水でシミが生じたり腐食の虞があることか
ら40℃以上が好ましい。また、60℃を超える温度で
湯洗を行うと水に溶けだした汚れが処理対象部材に再付
着する虞があることから、湯洗温度は60℃が好まし
い。なお、湯洗温度が高温の方が有機物も除去できるこ
とから、本実施形態では、湯洗温度を60℃に設定し
た。また、純水の純度は、1.0μS/cm以下のもの
を用いている。
【0039】最後に乾燥工程S6として、60℃で15
〜20分(ここでは15分)の熱風乾燥を実施した。
【0040】上記実施例1の工程を経た処理対象部材を
純水抽出イオンクロマト分析にて表面脱イオン分析を行
った結果を図3に示す。この図に示すように、実施例1
の表面処理方法を適用することで、残留アンモニウムイ
オンは8.6ng/cm2、残留硫酸イオンは検出限界
値(SD;検出限界=6ng/cm2)と、曇り物質を
生じさせる残留イオンを大幅に低減することができた。
これは、通常の薬液を用いて従来例として示した工程を
経た場合(図3、従来例(1)参照)の約1/40以下
であり、アンモニア及び硫酸の含有量が少ない薬液を用
いた場合(図3、従来例(2)参照)の1/10以下で
あった。
【0041】(実施例2)実施例2では、黒クロムメッ
キ処理工程S1〜水洗2工程S4が上記実施例1と同様
であり、洗浄工程S5以降が異なる。具体的には、洗浄
工程S5において湯洗温度60℃で10分間の湯洗を実
施するが、この間、温水中に配設した超音波振動子を駆
動することで、処理対象部材に対して湯洗を施しながら
超音波洗浄を実施することができる。
【0042】そして、実施例1と同様の乾燥工程S6を
実施した後に、本実施例ではベーキング工程S7を実施
する。このベーキング工程S7では、熱風乾燥後の処理
対象部材に対してクリーンオーブンを用いてベーキング
を行う。ベーキング条件としては、150℃の温度で3
0分間を採用した。なお、150℃を超える温度でベー
キングを行うと、熱によって寸法精度の低下を招く虞が
あるため、ベーキングは150℃以下の温度で実施する
ことが好ましい。
【0043】この結果、図3に実施例(2)として示す
ように、残留アンモニウムイオンは1.2ng/c
2、残留硫酸イオンは検出限界値(SD;検出限界=
6ng/cm2)と、通常の薬液を用いて従来例として
示した工程を経た場合(図3、従来例(1)参照)の約
1/500以下、アンモニア及び硫酸の含有量が少ない
薬液を用いた場合(図3、従来例(2)参照)の約1/
70以下に残留無機イオンを低減することができた。
【0044】このように、本実施の形態では、処理対象
部材である鏡筒32に残留するイオンの量に基づいて湯
洗時間を設定しているので、黒クロムメッキ処理後の鏡
筒32に残留するアンモニウムイオン及び硫酸イオンを
目標とする1/10以下(すなわち10ng/cm2
下)に大幅に低減することが可能になり、結果として、
これら残留無機イオンで生じる曇り物質(汚染物質)の
発生量を低減することができる。そのため、この曇り物
質に起因して発生する屈折光学素子39等の光学部品に
おける光学特性の劣化を大幅に抑制することが可能にな
り、露光用の光源が短波長化された場合でも照度低下や
照明ムラ悪化による露光精度低下を回避することができ
るとともに、光学部品の高寿命化を実現することができ
る。特に、本実施の形態では、湯洗を40℃以上、且つ
60以下の温度で実施することによって、乾燥時間が短
くなり表面処理効率が向上するとともに、シミや腐食、
汚れの再付着等を防止することもできる。
【0045】また、本実施の形態では、超音波洗浄を実
施し、また乾燥工程後にベーキング工程を実施すること
で、より一層、残留無機イオンを低減することができ
る。特に、洗浄工程において超音波洗浄を実施すること
で、洗浄に係る時間を増加させることなく残留イオンを
低減することができ、効率的に表面処理を実施すること
が可能になる。
【0046】なお、上記実施の形態における実施例2で
は、湯洗時間を10分にした状態で、超音波洗浄及びベ
ーキング処理を実施する手順としたが、これに限定され
るものではなく、従来例として示した工程(湯洗時間2
0秒)に超音波洗浄のみを加える工程や、ベーキングの
みを加える工程としても、従来工程と比較して残留無期
イオン量を大幅に低減することができた。特に、超音波
洗浄のみを加える工程では、表面処理に要する時間が最
短になり、スループットを大幅に向上させることが可能
になる。また、実施例2では、乾燥工程の直後にベーキ
ング工程を実施する手順としたが、乾燥工程後に処理対
象部材の部分的な加工(精密加工)を行い、その加工後
に(アルカリ洗浄+純水洗浄+ベーキング)を行うこと
で、上記実施例と同様の汚染レベルの黒クロムメッキを
成膜することができた。
【0047】また、上記実施の形態では、アンモニアイ
オン及び硫酸イオンの双方を低減するものとして説明し
たが、曇り物質としての硫酸アンモニウムの発生を抑制
する観点からは、これらのイオンのいずれか一方のみを
所定量以下に抑えるように湯洗時間を設定してもよい。
【0048】また、上記実施の形態では、黒クロムメッ
キ処理を施す処理対象部材として鏡筒32を挙げて説明
したが、これ以外にも、例えば、アライメント光学系の
金物部品や、BMU(ビーム・マッチング・ユニット)
等を構成する照明光学系内のパネル等、表面が露光光の
光路に臨ませて配置される部材に広く適用可能である。
また、露光装置以外の精密機器部品にも広く適用可能で
ある。
【0049】なお、本実施の形態の基板としては、半導
体デバイス用の半導体ウエハWのみならず、液晶ディス
プレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用の
セラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマス
クまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)
等が適用される。
【0050】露光装置1としては、レチクルRとウエハ
Wとを同期移動してレチクルRのパターンを走査露光す
るステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置
(スキャニング・ステッパー;USP5,473,410)の他に、
レチクルRとウエハWとを静止した状態でレチクルRの
パターンを露光し、ウエハWを順次ステップ移動させる
ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステ
ッパー)にも適用することができる。
【0051】露光装置1の種類としては、ウエハWに半
導体デバイスパターンを露光する半導体デバイス製造用
の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用の露光装置
や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチ
クルなどを製造するための露光装置などにも広く適用で
きる。また、本発明の絞り装置は、投影露光装置のみな
らず、種々の絞り装置を備える光学機器(例えばカメ
ラ)にも適用できる。
【0052】また、露光用光源としては、超高圧水銀ラ
ンプから発生する輝線(g線(436nm)、h線(4
04.nm)、i線(365nm))、KrFエキシマ
レーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193
nm)、F2レーザ(157nm)、Ar2レーザ(12
6nm)のみならず、電子線やイオンビームなどの荷電
粒子線を用いることができる。例えば、電子線を用いる
場合には電子銃として、熱電子放射型のランタンヘキサ
ボライト(LaB6)、タンタル(Ta)を用いること
ができる。また、YAGレーザや半導体レーザ等の高調
波などを用いてもよい。
【0053】例えば、DFB半導体レーザ又はファイバ
ーレーザから発振される赤外域又は可視域の単一波長レ
ーザを、例えばエルビウム(又はエルビウムとイットリ
ビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅
し、かつ非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した
高調波を露光光として用いてもよい。なお、単一波長レ
ーザの発振波長を1.544〜1.553μmの範囲内
とすると、193〜194nmの範囲内の8倍高調波、
即ちArFエキシマレーザとほぼ同一波長となる紫外光
が得られ、発振波長を1.57〜1.58μmの範囲内
とすると、157〜158nmの範囲内の10倍高調
波、即ちF2レーザとほぼ同一波長となる紫外光が得ら
れる。
【0054】また、レーザプラズマ光源、又はSORか
ら発生する波長5〜50nm程度の軟X線領域、例えば
波長13.4nm、又は11.5nmのEUV(Extreme
Ultra Violet)光を露光光として用いてもよく、EUV
露光装置では反射型レチクルが用いられ、かつ投影光学
系が複数枚(例えば3〜6枚程度)の反射光学素子(ミ
ラー)のみからなる縮小系となっている。
【0055】投影光学系PLの倍率は、縮小系のみなら
ず等倍系および拡大系のいずれでもよい。また、投影光
学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用
いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過
する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射
屈折系または屈折系の光学系にし(レチクルRも反射型
タイプのものを用いる)、また電子線を用いる場合には
光学系として電子レンズおよび偏向器からなる電子光学
系を用いればよい。なお、電子線が通過する光路は、真
空状態にすることはいうまでもない。
【0056】ウエハステージ27やレチクルステージ1
8にリニアモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,118参
照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上
型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁
気浮上型のどちらを用いてもよい。また、各ステージ1
8、27は、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、
ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
【0057】各ステージ18、27の駆動機構として
は、二次元に磁石を配置した磁石ユニット(永久磁石)
と、二次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向
させ電磁力により各ステージ18、27を駆動する平面
モータを用いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機
子ユニットとのいずれか一方をステージ18、27に接
続し、磁石ユニットと電機子ユニットとの他方をステー
ジ18、27の移動面側(ベース)に設ければよい。
【0058】ウエハステージ27の移動により発生する
反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8
−166475号公報(USP5,528,118)に記載されてい
るように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に
逃がしてもよい。本発明はこのような構造を備えた露光
装置においても適用可能である。レチクルステージ18
の移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わら
ないように、特開平8−330224号公報(US S/N 0
8/416,558)に記載されているように、フレーム部材を
用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は
このような構造を備えた露光装置においても適用可能で
ある。
【0059】以上のように、本願実施形態の露光装置1
は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む
各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、
光学的精度を保つように、組み立てることで製造され
る。これら各種精度を確保するために、この組み立ての
前後には、各種光学系については光学的精度を達成する
ための調整、各種機械系については機械的精度を達成す
るための調整、各種電気系については電気的精度を達成
するための調整が行われる。各種サブシステムから露光
装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機
械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等
が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組
み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程
があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光
装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行わ
れ、露光装置全体としての各種精度が確保される。な
お、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理さ
れたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0060】半導体デバイス等のマイクロデバイスは、
図4に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計
を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマ
スク(レチクル)を製作するステップ202、シリコン
材料からウエハを製造するステップ203、前述した実
施形態の露光装置によりレチクルのパターンをウエハに
露光する露光処理ステップ204、デバイス組み立てス
テップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケー
ジ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製
造される。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る表
面処理方法は、黒クロムメッキ処理に伴って処理対象部
材に残留する所定のイオンの量に基づいて湯洗時間を設
定する手順となっている。これにより、この表面処理方
法では、黒クロムメッキ処理後に残留するイオン量を大
幅に低減することができ、残留イオンで生じる汚染物質
の発生量を低減できるという効果を奏する。
【0062】請求項2に係る表面処理方法は、イオンが
アンモニアイオンと硫酸イオンとの少なくとも一方であ
る構成となっている。これにより、この表面処理方法で
は、硫酸アンモニウムの発生を抑制できるという効果を
奏する。
【0063】請求項3に係る表面処理方法は、残留する
イオン量が湯洗により1/10以下となるように湯洗時
間を設定する手順となっている。これにより、この表面
処理方法では、悪影響を及ぼさない程度に汚染物質の発
生を抑制できるという効果を奏する。
【0064】請求項4に係る表面処理方法は、湯洗時間
が10分以上である手順となっている。これにより、こ
の表面処理方法では、10分以上の湯洗により、悪影響
を及ぼさない程度に汚染物質の発生を抑制できるという
効果を奏する。
【0065】請求項5に係る表面処理方法は、湯洗を4
0℃以上、且つ60℃以下の温水で行う手順となってい
る。これにより、この表面処理方法では、乾燥時間が短
くなり表面処理効率が向上するとともに、シミや腐食、
汚れの再付着等を防止できるという効果を奏する。
【0066】請求項6に係る表面処理方法は、残留する
イオン量を、10ng/cm2以下とする手順となって
いる。これにより、この表面処理方法では、悪影響を及
ぼさない程度に汚染物質の発生を抑制できるという効果
を奏する。
【0067】請求項7に係る表面処理方法は、黒クロム
メッキ処理された処理対象部材に対して超音波洗浄を行
う手順となっている。これにより、この表面処理方法で
は、より一層、残留イオンを低減できるという効果を奏
する。
【0068】請求項8に係る表面処理方法は、洗浄工程
後に処理対象部材を乾燥させる乾燥工程と、乾燥工程後
に処理対象部材をベークするベーキング工程とを含む手
順となっている。これにより、この表面処理方法では、
より一層、残留イオンを低減できるという効果を奏す
る。
【0069】請求項9に係る表面処理方法は、黒クロム
メッキ処理された処理対象部材に対して超音波洗浄を行
う手順となっている。これにより、この表面処理方法で
は、黒クロムメッキ処理後に残留するイオン量を大幅に
低減することができ、残留イオンで生じる汚染物質の発
生量を低減できるという効果を奏する。
【0070】請求項10に係る表面処理方法は、黒クロ
ムメッキ処理が施された処理対象部材に湯洗を施す洗浄
工程中に超音波洗浄を実施する手順となっている。これ
により、この表面処理方法では、洗浄に係る時間を増加
させることなく残留イオンを低減することができ、効率
的に表面処理を実施できるという効果が得られる。
【0071】請求項11に係る表面処理方法は、乾燥工
程後に処理対象部材をベークするベーキング工程を含む
手順となっている。これにより、この表面処理方法で
は、黒クロムメッキ処理後に残留するイオン量を大幅に
低減することができ、残留イオンで生じる汚染物質の発
生量を低減できるという効果を奏する。
【0072】請求項12に係るメッキ処理部品は、黒ク
ロムメッキ処理に伴って残留するイオン量が10ng/
cm2以下である構成となっている。これにより、この
メッキ処理部品では、悪影響を及ぼさない程度に汚染物
質の発生を抑制できるという効果を奏する。
【0073】請求項13に係るメッキ処理部品は、イオ
ンがアンモニアイオンと硫酸イオンとの少なくとも一方
である構成となっている。これにより、このメッキ処理
部品では、硫酸アンモニウムの発生を抑制できるという
効果を奏する。
【0074】請求項14に係る露光装置は、請求項12
または請求項13記載のメッキ処理部品が露光光の光路
に黒クロムメッキ処理された面を臨ませて配設される構
成となっている。これにより、この露光装置では、汚染
物質に起因する露光精度低下を回避できるという効果を
奏する。
【0075】請求項15に係る露光装置は、黒クロムメ
ッキ処理部品の表面に光学部品の表面に付着する汚染物
質の発生量を低減させるための表面処理が施される構成
となっている。これにより、この露光装置では、光学部
品における光学特性の劣化を大幅に抑制することが可能
になり、露光用の光源が短波長化された場合でも照度低
下や照明ムラ悪化による露光精度低下を回避することが
できるとともに、光学部品の高寿命化を実現できるとい
う効果を奏する。
【0076】請求項16に係る露光装置は、表面処理が
黒クロムメッキ処理部品に残留するイオン量を10ng
/cm2以下とする構成となっている。これにより、こ
の露光装置では、悪影響を及ぼさない程度に汚染物質の
発生を抑制して露光精度低下を回避できるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す図であって、露
光装置の概略構成図である。
【図2】 従来例及び実施例における工程を示す工程
図である。
【図3】 従来例及び実施例における残留イオン量を
示す図である。
【図4】 半導体デバイスの製造工程の一例を示すフ
ローチャート図である。
【符号の説明】
R レチクル(マスク) W ウエハ(基板) 1 露光装置 32 鏡筒(処理対象部材、メッキ処理部品) 39 屈折光学素子(光学部品)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/30 503G Fターム(参考) 2H097 CA13 GB01 LA10 4K024 AA02 AB01 AB13 BA01 BB01 BC05 DB01 DB07 DB10 5F046 BA03 CA08 CB20

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理対象部材の表面に黒クロムメッキ
    処理を施すメッキ処理工程と、前記黒クロムメッキ処理
    が施された前記処理対象部材に湯洗を施す洗浄工程とを
    含む表面処理方法において、 前記黒クロムメッキ処理に伴って前記処理対象部材に残
    留する所定のイオンの量に基づいて前記湯洗時間を設定
    することを特徴とする表面処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の表面処理方法におい
    て、 前記イオンは、アンモニアイオンと硫酸イオンとの少な
    くとも一方であることを特徴とする表面処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の表面処理方法
    において、 前記残留するイオン量が前記湯洗により1/10以下と
    なるように、前記湯洗時間を設定することを特徴とする
    表面処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の表面処理方法におい
    て、 前記湯洗時間が10分以上であることを特徴とする表面
    処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の表
    面処理方法において、 前記湯洗を40℃以上、且つ60℃以下の温水で行うこ
    とを特徴とする表面処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の表
    面処理方法において、 前記残留するイオン量を、10ng/cm2以下とする
    ことを特徴とする表面処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれかに記載の表
    面処理方法において、 前記黒クロムメッキ処理された前記処理対象部材に対し
    て超音波洗浄を行うことを特徴とする表面処理方法。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれかに記載の表
    面処理方法において、 前記洗浄工程後に前記処理対象部材を乾燥させる乾燥工
    程と、 前記乾燥工程後に前記処理対象部材をベークするベーキ
    ング工程とを含むことを特徴とする表面処理方法。
  9. 【請求項9】 処理対象部材の表面に黒クロムメッキ
    処理を施すメッキ処理工程を含む表面処理方法におい
    て、 前記黒クロムメッキ処理された前記処理対象部材に対し
    て超音波洗浄を行うことを特徴とする表面処理方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の表面処理方法におい
    て、 前記超音波洗浄を、前記黒クロムメッキ処理が施された
    前記処理対象部材に湯洗を施す洗浄工程中に実施するこ
    とを特徴とする表面処理方法。
  11. 【請求項11】 処理対象部材の表面に黒クロムメッ
    キ処理を施すメッキ処理工程と、前記黒クロムメッキ処
    理された後に洗浄された前記処理対象部材を乾燥させる
    乾燥工程とを含む表面処理方法において、 前記乾燥工程後に前記処理対象部材をベークするベーキ
    ング工程を含むことを特徴とする表面処理方法。
  12. 【請求項12】 表面に黒クロムメッキ処理が施され
    たメッキ処理部品であって、 前記黒クロムメッキ処理に伴って残留するイオン量が1
    0ng/cm2以下であることを特徴とするメッキ処理
    部品。
  13. 【請求項13】 請求項12記載のメッキ処理部品に
    おいて、 前記イオンは、アンモニアイオンと硫酸イオンとの少な
    くとも一方であることを特徴とするメッキ処理部品。
  14. 【請求項14】 露光光によりマスクのパターン像を
    基板に露光する露光装置であって、 請求項12または請求項13記載のメッキ処理部品が前
    記露光光の光路に前記黒クロムメッキ処理された面を臨
    ませて配設されることを特徴とする露光装置。
  15. 【請求項15】 露光光により、マスクのパターン像
    を基板に露光する露光装置であって、 黒クロムメッキ処理が施された表面が前記露光光の光路
    に臨ませて配置されるメッキ処理部品と、 前記露光光の光路中に配置される光学部品とを有し、 前記黒クロムメッキ処理部品の表面は、前記光学部品の
    表面に付着する汚染物質の発生量を低減させるための表
    面処理が施されていることを特徴とする露光装置。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の露光装置におい
    て、 前記表面処理は、前記黒クロムメッキ処理部品に残留す
    るイオン量を、10ng/cm2以下とすることを特徴
    とする露光装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2287644A2 (en) 2009-08-18 2011-02-23 Mitsubishi Electric Corporation Light source device and method of producing the same

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