JP2003306488A - ピリミジン誘導体 - Google Patents

ピリミジン誘導体

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JP2003306488A
JP2003306488A JP2002114423A JP2002114423A JP2003306488A JP 2003306488 A JP2003306488 A JP 2003306488A JP 2002114423 A JP2002114423 A JP 2002114423A JP 2002114423 A JP2002114423 A JP 2002114423A JP 2003306488 A JP2003306488 A JP 2003306488A
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acid
compound
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sodium
salt
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Application number
JP2002114423A
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English (en)
Inventor
Junya Higuchi
潤哉 樋口
Shigeru Sakuyama
茂 作山
Katsura Yamatsuta
桂 山蔦
Takeo Inohara
武男 猪原
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Ono Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Ono Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】非毒性のエラスターゼ阻害活性を有する新規化
合物を提供する。 【解決手段】 で示される2−[5−アミノ−4−ヒドロキシ−6−オ
キソ−2−フェニル−1,6−ジヒドロピリミジン−1
−イル]−N−[1−[5−(t−ブチル)−1,3,
4−オキサジアゾール−2−イル]−3−メチルブタン
−1−オン−2−イル]アセトアミドまたはその非毒性
塩。式(I)で示される化合物またはそれらの非毒性塩
は、エラスターゼ阻害作用を有する化合物であり、哺乳
動物、特にヒトにおけるエラスターゼによるエラスチン
分解、コラーゲン繊維の分解、および/またはプロテオ
グリカン分解の異常亢進に起因する疾患の治療および/
または予防に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、(1)式(I) 【0002】 【化2】 【0003】で示される2−[5−アミノ−4−ヒドロ
キシ−6−オキソ−2−フェニル−1,6−ジヒドロピ
リミジン−1−イル]−N−[1−[5−(t−ブチ
ル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−3
−メチルブタン−1−オン−2−イル]アセトアミドま
たはその非毒性塩、(2)その製造方法、および(3)
それを有効成分として含有する薬剤に関する。 【0004】 【従来技術】WO98/24806号明細書には、一般式(A) 【0005】 【化3】 【0006】(式中、XとYが別個に、O、Sまた
はNであり、Nが1〜3個のハロ原子で置換されていて
もよいアルキルまたはアルケニルで置換されていてもよ
く;X またはYの少なくとも一つがNであるときに
は、N、O、およびSから選択された1〜3個のヘテロ
原子を含んでいてもよく;R1Aが、1個またはそれ以
上、好ましくは1〜3個の置換基で置換されていてもよ
いアルキル、アルケニルまたはアルキニル等であり;R
2AおよびR3Aは、別個にまたはともにHであり;1
〜3個の置換基で置換されていてもよいアルキルまたは
アルケニル等であり;R2A’およびR3A’は、別個
にまたはともにHであり;1〜3個の置換基で置換され
ていてもよいアルキルまたはアルケニル等であり;R
11A、R12A、およびEがいっしょにC、N、S
およびOから選択された5〜10個の原子を含む単環ま
たは二環を形成し;前記環が1個またはそれ以上のケト
基を含んでおり;ハロ、シアノ、ニトロ、ハロアルキ
ル、アミノ、アミノアルキル、ジアルキルアミノ、アル
キル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロアル
コキシ、カルボキシル、カルボアルコキシ、アルキルカ
ルボキシアミド、アルキルチオ、またはハロアルキルチ
オで置換されていてもよく;N、S、および非過酸化O
から選択された1個またはそれ以上のヘテロ原子を含ん
でいてもよく、また種々の置換基で置換されていてもよ
い、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロ
アルキルアルケニル、(C5−C12)アリール等であ
る。) (各基の定義は必要な部分だけを抜粋した。)で示され
る化合物が、セリンプロテアーゼ(特に、エラスター
ゼ)阻害剤として有用であることが記載されている。 【0007】前記明細書中には、多くのピリミジン誘導
体が具体的に合成され効果が確認されており、式(B) 【0008】 【化4】 【0009】で示される化合物が、セリンプロテアーゼ
(特に、エラスターゼ)阻害剤として有用であることが
開示されている。しかし、1,6−ジヒドロピリミジン
−6−オン環上の4位にヒドロキシ基が導入された化合
物は全く記載されていない。 【0010】 【発明の目的】本発明者らは、エラスターゼ阻害活性を
有する新規な化合物を見出すべく鋭意研究を行なった結
果、式(I)で示される2−[5−アミノ−4−ヒドロ
キシ−6−オキソ−2−フェニル−1,6−ジヒドロピ
リミジン−1−イル]−N−[1−[5−(t−ブチ
ル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−3
−メチルブタン−1−オン−2−イル]アセトアミドが
目的を達成することを見出し、本発明を完成した。 【0011】 【発明の開示】本発明は、(1)式(I) 【0012】 【化5】 【0013】で示される2−[5−アミノ−4−ヒドロ
キシ−6−オキソ−2−フェニル−1,6−ジヒドロピ
リミジン−1−イル]−N−[1−[5−(t−ブチ
ル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−3
−メチルブタン−1−オン−2−イル]アセトアミドま
たはその非毒性塩、(2)その製造方法、および(3)
それを有効成分として含有する薬剤に関する。 [本発明化合物の製造方法]式(I)で示される本発明
化合物およびその非毒性塩は、以下の方法または実施例
に記載した方法によって製造できる。 【0014】式(I)で示される本発明化合物またはそ
れらの塩は、一般式(II) 【0015】 【化6】 【0016】(式中、Rはアミノ基の保護基を表わ
す。)で示される化合物をアミノ基の保護基の脱保護反
応に付すことによって製造することができる。 【0017】アミノ基の保護基としては、例えばベンジ
ルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ア
リルオキシカルボニル(Alloc)基、1−メチル−
1−(4−ビフェニル)エトキシカルボニル(Bpo
c)基、トリフルオロアセチル基、2,2,2−トリク
ロロエチル(Troc)基、ベンジル(Bn)基、p−
メトキシベンジル基、ベンジルオキシメチル(BOM)
基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SE
M)基等が挙げられる。 【0018】アミノ基の保護基の脱保護反応は、よく知
られており、例えば、(1)アルカリ加水分解、(2)
酸性条件下における脱保護反応、(3)加水素分解によ
る脱保護反応、(4)金属を用いた脱保護反応、(5)
有機金属を用いた脱保護反応等が挙げられる。 【0019】これらの方法を具体的に説明すると、
(1)アルカリ加水分解による脱保護反応は、例えば、
有機溶媒(メタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等)中、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)、アルカリ土
類金属の水酸化物(水酸化バリウム、水酸化カルシウム
等)または炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)
あるいはその水溶液もしくはこれらの混合物を用いて、
0〜40℃の温度で行なわれる。 【0020】(2)酸条件下での脱保護反応は、例え
ば、有機溶媒(ジクロロメタン、クロロホルム、ジオキ
サン、酢酸エチル、アニソール等)中、有機酸(酢酸、
トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トシル酸
等)、または無機酸(塩酸、硫酸等)もしくはこれらの
混合物(臭化水素/酢酸等)中、0〜100℃の温度で
行なわれる。 【0021】(3)加水素分解による脱保護反応は、例
えば、溶媒(エーテル系(テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル等)、アル
コール系(メタノール、エタノール等)、ベンゼン系
(ベンゼン、トルエン等)、ケトン系(アセトン、メチ
ルエチルケトン等)、ニトリル系(アセトニトリル
等)、アミド系(ジメチルホルムアミド等)、水、酢酸
エチル、酢酸またはそれらの2以上の混合溶媒等)中、
触媒(パラジウム−炭素、パラジウム黒、水酸化パラジ
ウム、酸化白金、ラネーニッケル等)の存在下、常圧ま
たは加圧下の水素雰囲気下またはギ酸アンモニウム存在
下、0〜200℃の温度で行なわれる。 【0022】(4)金属を用いた脱保護反応は、例え
ば、酸性溶媒(酢酸、pH4.2〜7.2の緩衝液またはそれ
らの溶液とテトラヒドロフラン等の有機溶媒との混合
液)中、粉末亜鉛の存在下、超音波をかけるかまたは超
音波をかけないで、0〜40℃の温度で行なわれる。 【0023】(5)金属錯体を用いる脱保護反応は、例
えば、有機溶媒(ジクロロメタン、ジメチルホルムアミ
ド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトニトリ
ル、ジオキサン、エタノール等)、水またはそれらの混
合溶媒中、トラップ試薬(水素化トリブチルスズ、トリ
エチルシラン、ジメドン、モルホリン、ジエチルアミ
ン、ピロリジン等)、有機酸(酢酸、ギ酸、2−エチル
ヘキサン酸等)および/または有機酸塩(2−エチルヘ
キサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム
等)の存在下、ホスフィン系試薬(トリフェニルホスフ
ィン等)の存在下または非存在下、金属錯体(テトラキ
ストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、二塩化ビ
ス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、酢酸
パラジウム(II)、塩化トリス(トリフェニルホスフィ
ン)ロジウム(I)等)を用いて、0〜40℃の温度で
行なわれる。 【0024】また、上記以外にも、例えば、T. W. Gree
ne, Protective Groups in OrganicSynthesis, Wiley,
New York, 1999に記載された方法によって、脱保護反応
を行なうことができる。 【0025】当業者には容易に理解できることではある
が、これらの脱保護反応を使い分けることにより、目的
とする本発明化合物が容易に製造することができる。 【0026】一般式(II)で示される化合物またはそ
れらの塩は、一般式(III) 【0027】 【化7】 【0028】(式中、Rは前記と同じ意味を表わ
す。)で示される化合物またはその塩と式(IV) 【0029】 【化8】 【0030】で示される2−(2−アミノ−3−メチル
ブチリル)−5−t−ブチル−1,3,4−オキサジア
ゾールまたはその塩をアミド化反応に付すことによって
製造することができる。 【0031】このアミド化反応は公知であり、例えば 1)酸ハライドを用いる方法、 2)混合酸無水物を用いる方法、 3)縮合剤を用いる方法等が挙げられる。 【0032】1)酸ハライドを用いる方法は、例えば一
般式(III)で示される化合物を不活性有機溶媒(ク
ロロホルム、塩化メチレン、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン等)中または無溶媒で、酸ハライド(オキ
ザリルクロライド、塩化チオニル等)と−20℃〜還流
温度で反応させ、得られた酸ハライドを三級アミン(ピ
リジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチ
ルアミノピリジン等)の存在下、式(IV)で示される
化合物と不活性有機溶媒(クロロホルム、塩化メチレ
ン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中、−
20〜40℃で反応させることにより行なわれる。 【0033】2)混合酸無水物を用いる方法は、例えば
一般式(III)で示される化合物を不活性有機溶媒
(クロロホルム、塩化メチレン、ジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン等)中または無溶媒で、三級アミン
(ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジ
メチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン等)の存
在下、酸ハライド(ピバロイルクロライド、トシルクロ
ライド、メシルクロライド等)、または酸誘導体(クロ
ロギ酸エチル(クロロ炭酸エチル)、クロロギ酸イソブ
チル(クロロ炭酸イソブチル)等)と、−20〜40℃
で反応させ、得られた混合酸無水物を不活性有機溶媒
(クロロホルム、塩化メチレン、ジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン等)中、式(IV)で示される化合物
と−20〜40℃で反応させることにより行なわれる。 【0034】3)縮合剤を用いる方法は、例えば一般式
(III)で示される化合物と式(IV)で示される化
合物を、有機溶媒(クロロホルム、塩化メチレン、ジメ
チルホルムアミド、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、酢酸エチル、ピリジン、ジメチルカーボネート、
tert-ブチルメチルエーテル等)中、または無溶媒で、
塩基(ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリ
ン、ジメチルアミノピリジン、炭酸水素ナトリウム等)
の存在下または非存在下、縮合剤(1,3−ジシクロヘ
キシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(ED
C)、1,1'−カルボニルジイミダゾール(CD
I)、1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(DIP
C)、ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム、メ
シル酸1−ベンゾトリアゾリル、トシル酸1−ベンゾト
リアゾリル、ベンゼンスルホン酸1−ベンゾトリアゾリ
ル等)を用い、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(H
OBt)を用いてまたは用いないで、−30〜40℃で
反応させることにより行なわれる。 【0035】これら1)および2)の反応は、いずれも
不活性ガス(アルゴン、窒素等)雰囲気下、無水条件下
で行なうことが好ましい。3)の反応は、いずれも不活
性ガス(アルゴン、窒素等)雰囲気下、無水条件下で
も、水存在下でも行なうことができる。 【0036】一般式(III)と式(IV)のアミド化
反応は、3)の縮合剤を用いる反応が最も好ましい。 【0037】一般式(III)で示される化合物または
それらの塩は、一般式(V−1) 【0038】 【化9】【0039】(式中、Rは前記と同じ意味を表わ
す。)で示される化合物またはその塩、または、一般式
(V−2) 【0040】 【化10】 【0041】(式中、Rは前記と同じ意味を表わ
す。)で示される化合物またはその塩と、式(VI) 【0042】 【化11】 【0043】で示されるアミジノ酢酸誘導体またはそれ
らの塩を反応させることによって製造することができ
る。 【0044】式(V−1)で示される化合物またはその
塩または式(V−2)で示される化合物またはその塩
と、式(VI)で示される化合物またはそれらの塩の反
応は、例えば有機溶媒(炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、
メタノール、エタノール等)中、塩基(水素化ナトリウ
ム、水素化カリウム、ナトリウムエチラート、ナトリウ
ムメチラート等)を用い、フェノールの共存または非共
存下、20〜150℃の温度で反応させることにより行
なわれる。 【0045】式(IV)で示される化合物は、WO00/551
45号に具体的に記載されている。 【0046】式(VI)で示される化合物は公知であ
り、CAS登録番号32683-07-1である。 【0047】各反応の生成物は、工程ごとに単離、洗
浄、乾燥、精製を行ない次の反応に供してもよいし、ま
たそれらの操作をまったく行なわないか、あるいは適当
な段階で中止し、次の工程に進んでもよい。各反応にお
ける反応生成物は、通常の精製手段、例えば常圧下また
は減圧下における蒸留、シリカゲルまたはケイ酸マグネ
シウムを用いた高速液体クロマトグラフィ、薄層クロマ
トグラフィ、カラムクロマトグラフィ、洗浄、再結晶等
の方法により精製することができる。 【0048】本発明化合物は、公知の方法で塩に変換さ
れる。塩は、非毒性でかつ水溶性であるものが好まし
い。適当な塩としては、アルカリ金属(カリウム、ナト
リウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグ
ネシウム等)の塩、アンモニウム塩、薬学的に許容され
る有機アミン(テトラメチルアンモニウム、トリエチル
アミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチ
ルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリ
ジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、リジン、アル
ギニン、N−メチル−D−グルカミン等)の塩が挙げら
れる。 【0049】本発明化合物は、公知の方法で相当する酸
付加塩に変換される。酸付加塩は毒性のない、水溶性の
ものが好ましい。適当な酸付加塩としては、塩酸塩、臭
化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩のような無機酸
塩、または酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、乳酸塩、酒石
酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、クエン
酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホ
ン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸
塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、グルコン酸塩の
ような有機酸塩が挙げられる。 【0050】本明細書に記載した本発明化合物またはそ
の非毒性の塩は、公知の方法により、水和物に変換する
こともできる。 [毒性]本発明に用いられる式(I)で示される化合物
の毒性は非常に低いものであり、医薬として使用するた
めに十分安全であると判断できる。 [医薬品への適用]本発明に用いられる式(I)で示さ
れる化合物またはそれらの非毒性塩は、エラスターゼ阻
害作用を有する化合物であり、哺乳動物、特にヒトにお
けるエラスターゼによるエラスチン分解、コラーゲン線
維の分解、および/またはプロテオグリカン分解の異常
亢進に起因する疾患、例えば、肺気腫等の慢性閉塞性肺
疾患、慢性気管支炎、喘息、関節炎、慢性関節リウマ
チ、成人呼吸窮迫症候群、肺線維症、敗血症性ショッ
ク、多臓器障害、心筋虚血・再灌流障害、心筋梗塞、脳
梗塞、静脈血栓症、歯周疾患、腎炎、皮膚炎、乾癬、嚢
胞性線維症、アテローム硬化症、アルツハイマー病、炎
症性腸疾患(潰瘍性大腸炎および/またはクローン
病)、臓器移植、角膜潰瘍および悪性腫瘍の侵入等の治
療および/または予防に有用である。 【0051】式(I)で示される化合物またはそれらの
非毒性塩は、 1)その化合物の予防および/または治療効果の補完お
よび/または増強、 2)その化合物の動態・吸収改善、投与量の低減、およ
び/または 3)その化合物の副作用の軽減のために他の薬剤と組み
合わせて、併用剤として投与してもよい。 【0052】式(I)で示される化合物と他の薬剤の併
用剤は、1つの製剤中に両成分を配合した配合剤の形態
で投与してもよく、また別々の製剤にして投与する形態
をとってもよい。この別々の製剤にして投与する場合に
は、同時投与および時間差による投与が含まれる。ま
た、時間差による投与は、式(I)で示される化合物を
先に投与し、他の薬剤を後に投与してもよいし、他の薬
剤を先に投与し、式(I)で示される化合物を後に投与
してもかまわず、それぞれの投与方法は同じでも異なっ
ていてもよい。 【0053】上記併用剤により、予防および/または治
療効果を奏する疾患は特に限定されず、式(I)で示さ
れる化合物の予防および/または治療効果を補完および
/または増強する疾患であればよい。 【0054】式(I)で示される化合物の慢性閉塞性肺
疾患および/または喘息に対する予防および/または治
療効果の補完および/または増強のための他の薬剤とし
ては、例えば、ステロイド剤、βアドレナリン受容体
刺激薬、ロイコトリエン受容体拮抗剤、トロンボキサン
合成酵素阻害剤、トロンボキサンA受容体拮抗剤、メ
ディエーター遊離抑制薬、抗ヒスタミン剤、キサンチン
誘導体、抗コリン薬、サイトカイン阻害薬、プロスタグ
ランジン類、フォルスコリン製剤、メタロプロテアーゼ
阻害剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤、去痰薬、抗生物
質等が挙げられる。 【0055】式(I)で示される化合物の炎症性腸疾患
(潰瘍性大腸炎および/またはクローン病)に対する予
防および/または治療効果の補完および/または増強の
ための他の薬剤としては、例えば、プロスタグランジン
合成酵素阻害剤、ステロイド剤、免疫抑制剤、ロイコト
リエン受容体拮抗剤、TNFα拮抗薬、接着分子阻害
剤、5−リポキシゲナーゼ阻害剤、メタロプロテアーゼ
阻害剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤等が挙げられる。 【0056】ステロイド剤としては、例えば、外用薬と
しては、プロピオン酸クロベタゾール、酢酸ジフロラゾ
ン、フルオシノニド、フランカルボン酸モメタゾン、ジ
プロピオン酸ベタメタゾン、酪酸プロピオン酸ベタメタ
ゾン、吉草酸ベタメタゾン、ジフルプレドナート、プデ
ソニド、吉草酸ジフルコルトロン、アムシノニド、ハル
シノニド、デキサメタゾン、プロピオン酸デキサメタゾ
ン、吉草酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、酢酸
ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピ
オン酸ヒドロコルチゾン、プロピオン酸デプロドン、吉
草酸酢酸プレドニゾロン、フルオシノロンアセトニド、
プロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロンアセト
ニド、ピバル酸フルメタゾン、プロピオン酸アルクロメ
タゾン、酪酸クロベタゾン、プレドニゾロン、プロピオ
ン酸ペクロメタゾン、フルドロキシコルチド等、内服
薬、注射剤としては、酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾ
ン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸ヒド
ロコルチゾンナトリウム、酢酸フルドロコルチゾン、プ
レドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、コハク酸プレドニ
ゾロンナトリウム、ブチル酢酸プレドニゾロン、リン酸
プレドニゾロンナトリウム、酢酸ハロプレドン、メチル
プレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸
メチルプレドニゾロンナトリウム、トリアムシノロン、
酢酸トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、
デキサメサゾン、酢酸デキサメタゾン、リン酸デキサメ
タゾンナトリウム、パルミチン酸デキサメタゾン、酢酸
パラメサゾン、ベタメタゾン等、吸入剤としては、プロ
ピオン酸ベクロメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、
ブデソニド、フルニソリド、トリアムシノロン、ST−
126P、シクレソニド、デキサメタゾンパロミチオネ
ート、モメタゾンフランカルボネート、プラステロンス
ルホネート、デフラザコート、メチルプレドニゾロンス
レプタネート、メチルプレドニゾロンナトリウムスクシ
ネート等が挙げられる。 【0057】βアドレナリン受容体刺激薬としては、
例えば、臭化水素酸フェノテロール、硫酸サルブタモー
ル、硫酸テルブタリン、フマル酸フォルモテロール、キ
シナホ酸サルメテロール、硫酸イソプロテレノール、硫
酸オルシプレナリン、硫酸クロルプレナリン、エピネフ
リン、塩酸トリメトキノール、硫酸ヘキソプレナリンメ
シル、塩酸プロカテロール、塩酸ツロブテロール、ツロ
ブテロール、塩酸ピルブテロール、塩酸クレンブテロー
ル、塩酸マブテロール、塩酸リトドリン、バンブテロー
ル、塩酸ドペキサミン、酒石酸メルアドリン、AR−C
68397、レボサルブタモール、R、R−フォルモテ
ロール、KUR−1246、KUL−7211、AR−
C89855、S−1319等が挙げられる。 【0058】ロイコトリエン受容体拮抗剤としては、例
えば、プランルカスト水和物、モンテルカスト、ザフィ
ルルカスト、セラトロダスト、MCC−847、KCA
−757、CS−615、YM−158、L−7405
15、CP−195494、LM−1484、RS−6
35、A−93178、S−36496、BIIL−2
84、ONO−4057等が挙げられる。 【0059】トロンボキサン合成酵素阻害剤としては、
例えば、塩酸オキザグレル、イミトロダストナトリウム
等が挙げられる。 【0060】トロンボキサンA受容体拮抗剤として
は、例えば、セラトロダスト、ラマトロバン、ドミトロ
バンカルシウム水和物、KT−2−962等が挙げられ
る。 【0061】メディエーター遊離抑制薬としては、例え
ば、トラニラスト、クロモグリク酸ナトリウム、アンレ
キサノクス、レピリナスト、イブジラスト、ダザノラス
ト、ペミロラストカリウム等が挙げられる。 【0062】抗ヒスタミン剤としては、例えば、フマル
酸ケトチフェン、メキタジン、塩酸アゼラスチン、オキ
サトミド、テルフェナジン、フマル酸エメダスチン、塩
酸エピナスチン、アステミゾール、エバスチン、塩酸セ
チリジン、ベポタスチン、フェキソフェナジン、ロラタ
ジン、デスロラタジン、塩酸オロパタジン、TAK−4
27、ZCR−2060、NIP−530、モメタゾン
フロエート、ミゾラスチン、BP−294、アンドラス
ト、オーラノフィン、アクリバスチン等が挙げられる。 【0063】抗ヒスタミン剤としては、例えば、フマル
酸ケトチフェン、メキタジン、塩酸アゼラスチン、オキ
サトミド、テルフェナジン、フマル酸エメダスチン、塩
酸エピナスチン、アステミゾール、エバスチン、塩酸セ
チリジン、ベポタスチン、フェキソフェナジン、ロラタ
ジン、デスロラタジン、塩酸オロパタジン、TAK−4
27、ZCR−2060、NIP−530、モメタゾン
フロエート、ミゾラスチン、BP−294、アンドラス
ト、オーラノフィン、アクリバスチン等が挙げられる。 【0064】キサンチン誘導体としては、例えば、アミ
ノフィリン、テオフィリン、ドキソフィリン、シパムフ
ィリン、ジプロフィリン等が挙げられる。 【0065】抗コリン剤としては、例えば、臭化イプラ
トロピウム、臭化オキシトロピウム、臭化フルトロピウ
ム、臭化シメトロピウム、テミベリン、臭化チオトロピ
ウム、レバトロペート(UK−112166)等が挙げ
られる。 【0066】サイトカイン阻害薬としては、例えばトシ
ル酸スプラタスト等が挙げられる。 【0067】プロスタグランジン類(以下、PGと略記
する。)としては、PG受容体アゴニスト、PG受容体
アンタゴニスト等が挙げられる。 【0068】PG受容体としては、PGE受容体(EP
1、EP2、EP3、EP4)、PGD受容体(D
P)、PGF受容体(FP)、PGI受容体(IP)等
が挙げられる。 【0069】ホスホジエステラーゼ阻害剤としては、例
えば、PDE4阻害剤であるロリプラム、シロミラスト(商
品名アリフロ)、Bay19−8004、NIK−61
6、シロミラスト(BY−217)、シパムフィリン
(BRL−61063)、アチゾラム(CP−8063
3)、SCH−351591、YM−976、V−11
294A、PD−168787、D−4396、IC−
485等が挙げられる。 【0070】去痰薬としては、例えば、アンモニアウイ
キョウ精、炭酸水素ナトリウム、塩酸ブロムヘキシン、
カルボシステイン、塩酸アンブロキソール、塩酸アンブ
ロキゾール徐放剤、メチルシステイン塩酸塩、アセチル
システイン、塩酸L−エチルシステイン、チロキサポー
ル等が挙げられる。 【0071】プロスタグランジン合成酵素阻害剤として
は、例えば、サラゾスルファピリジン、メサラジン、オ
サラジン、4−アミノサリチル酸、JTE−522、オ
ーラノフィン、カルプロフェン、ジフェンピラミド、フ
ルノキサプロフェン、フルルビプロフェン、インドメタ
シン、ケトプロフェン、ロルノキシカム、ロキソプロフ
ェン、メロキシカム、オキサプロジン、パーサルミド、
ピプロキセン、ピロキシカム、ピロキシカムベータデッ
クス、ピロキシカムシンナメート、トロピンインドメタ
シネート、ザルトプロフェン、プラノプロフェン等が挙
げられる。 【0072】免疫抑制剤としては、例えば、プロトピッ
ク(FK−506)、メトトレキサート、シクロスポリ
ン、アスコマイシン、レフルノミド、ブシラミン、サル
ファサラゾピリジン等が挙げられる。 【0073】プロスタグランジン類(以下、PGと略記
する。)としては、PG受容体アゴニスト、PG受容体
アンタゴニスト等が挙げられる。 【0074】PG受容体としては、PGE受容体(EP
1、EP2、EP3、EP4)、PGD受容体(D
P)、PGF受容体(FP)、PGI受容体(IP)等
が挙げられる。 【0075】一般式(I)で示される化合物と他の薬剤
の重量比は特に限定されない。 【0076】他の薬剤は、任意の2種以上を組み合わせ
て投与してもよい。 【0077】また、一般式(I)で示される化合物の予
防および/または治療効果を補完および/または増強す
る他の薬剤には、上記したメカニズムに基づいて、現在
までに見出されているものだけでなく今後見出されるも
のも含まれる。 【0078】本発明で用いる式(I)で示される本発明
化合物、または式(I)で示される本発明化合物と他の
薬剤の併用剤を上記の目的で用いるには、通常、全身的
または局所的に、経口または非経口の形で投与される。 【0079】本発明化合物、その非毒性の塩またはその
水和物を上記の目的で用いるには、通常、全身的または
局所的に、経口または非経口の形で投与される。 【0080】投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、
投与方法、処理時間等により異なるが、通常、成人一人
あたり、1回につき、1mgから1000mgの範囲で、1
日1回から数回経口投与されるか、または成人一人あた
り、1回につき、0.1mgから100mgの範囲で、1
日1回から数回非経口投与されるか、または1日1時間
から24時間の範囲で静脈内に持続投与される。 【0081】もちろん前記したように、投与量は、種々
の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量
で十分な場合もあるし、また範囲を越えて必要な場合も
ある。 【0082】一般式(I)で示される本発明化合物、ま
たは一般式(I)で示される化合物と他の薬剤の併用剤
を投与する際には、経口投与のための内服用固形剤、内
服用液剤および、非経口投与のための注射剤、外用剤、
坐剤、点眼剤、吸入剤等として用いられる。 【0083】経口投与のための内服用固形剤には、錠
剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。カ
プセル剤には、ハードカプセルおよびソフトカプセルが
含まれる。 【0084】このような内服用固形剤においては、ひと
つまたはそれ以上の活性物質はそのままか、または賦形
剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セ
ルロース、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピル
セルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミ
ン酸マグネシウム等)、崩壊剤(繊維素グリコール酸カ
ルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム
等)、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギ
ン酸等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いら
れる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチ
ン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよ
いし、また2以上の層で被覆していてもよい。さらにゼ
ラチンのような吸収されうる物質のカプセルも包含され
る。 【0085】経口投与のための内服用液剤は、薬剤的に
許容される水剤、懸濁剤・乳剤、シロップ剤、エリキシ
ル剤等を含む。このような液剤においては、ひとつまた
はそれ以上の活性物質が、一般的に用いられる希釈剤
(精製水、エタノールまたはそれらの混液等)に溶解、
懸濁または乳化される。さらにこの液剤は、湿潤剤、懸
濁化剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、保存剤、緩
衝剤等を含有していてもよい。 【0086】非経口投与のための外用剤の剤形には、例
えば、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、湿布剤、貼付剤、
リニメント剤、噴霧剤、吸入剤、スプレー剤、点眼剤、
および点鼻剤等が含まれる。これらはひとつまたはそれ
以上の活性物質を含み、公知の方法または通常使用され
ている処方により製造、調製される。 【0087】軟膏剤は公知または通常使用されている処
方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の
活性物質を基剤に研和、または溶融させて製造、調製さ
れる。軟膏基剤は公知あるいは通常使用されているもの
から選ばれる。例えば、高級脂肪酸または高級脂肪酸エ
ステル(アジピン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、オレイン酸、アジピン酸エステル、ミリス
チン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸
エステル、オレイン酸エステル等)、ロウ類(ミツロ
ウ、鯨ロウ、セレシン等)、界面活性剤(ポリオキシエ
チレンアルキルエーテルリン酸エステル等)、高級アル
コール(セタノール、ステアリルアルコール、セトステ
アリルアルコール等)、シリコン油(ジメチルポリシロ
キサン等)、炭化水素類(親水ワセリン、白色ワセリ
ン、精製ラノリン、流動パラフィン等)、グリコール類
(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール、マクロゴー
ル等)、植物油(ヒマシ油、オリーブ油、ごま油、テレ
ピン油等)、動物油(ミンク油、卵黄油、スクワラン、
スクワレン等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選
ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。
さらに、保湿剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、着香剤
等を含んでいてもよい。 【0088】ゲル剤は公知または通常使用されている処
方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の
活性物質を基剤に溶融させて製造、調製される。ゲル基
剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれ
る。例えば、低級アルコール(エタノール、イソプロピ
ルアルコール等)、ゲル化剤(カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、エチルセルロース等)、中和剤(トリエ
タノールアミン、ジイソプロパノールアミン等)、界面
活性剤(モノステアリン酸ポリエチレングリコール
等)、ガム類、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ば
れるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さ
らに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよ
い。 【0089】クリーム剤は公知または通常使用されてい
る処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以
上の活性物質を基剤に溶融または乳化させて製造、調製
される。クリーム基剤は公知あるいは通常使用されてい
るものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸エステル、低
級アルコール、炭化水素類、多価アルコール(プロピレ
ングリコール、、1,3−ブチレングリコール等)、高
級アルコール(2−ヘキシルデカノール、セタノール
等)、乳化剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル
類、脂肪酸エステル類等)、水、吸収促進剤、かぶれ防
止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用
いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含ん
でいてもよい。 【0090】湿布剤は公知または通常使用されている処
方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の
活性物質を基剤に溶融させ、練合物とし支持体上に展延
塗布して製造される。湿布基剤は公知あるいは通常使用
されているものから選ばれる。例えば、増粘剤(ポリア
クリル酸、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、デン
プン、ゼラチン、メチルセルロース等)、湿潤剤(尿
素、グリセリン、プロピレングリコール等)、充填剤
(カオリン、酸化亜鉛、タルク、カルシウム、マグネシ
ウム等)、水、溶解補助剤、粘着付与剤、かぶれ防止剤
から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いら
れる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでい
てもよい。 【0091】貼付剤は公知または通常使用されている処
方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の
活性物質を基剤に溶融させ、支持体上に展延塗布して製
造される。貼付剤用基剤は公知あるいは通常使用されて
いるものから選ばれる。例えば、高分子基剤、油脂、高
級脂肪酸、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの
単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保
存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。 【0092】リニメント剤は公知または通常使用されて
いる処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ
以上の活性物を水、アルコール(エタノール、ポリエチ
レングリコール等)、高級脂肪酸、グリセリン、セッケ
ン、乳化剤、懸濁化剤等から選ばれるもの単独または2
種以上に溶解、懸濁または乳化させて製造、調製され
る。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいて
もよい。 【0093】噴霧剤、吸入剤、およびスプレー剤は、一
般的に用いられる希釈剤以外に亜硫酸水素ナトリウムの
ような安定剤と等張性を与えるような緩衝剤、例えば塩
化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン酸の
ような等張剤を含有していてもよい。スプレー剤の製造
方法は、例えば米国特許第 2,868,691 号および同第3,0
95,355 号に詳しく記載されている。また、エアゾル剤
としても構わない。 【0094】非経口投与のための注射剤としては、溶
液、懸濁液、乳濁液および用時溶剤に溶解または懸濁し
て用いる固形の注射剤を包含する。注射剤は、ひとつま
たはそれ以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁または乳化
させて用いられる。溶剤として、例えば注射用蒸留水、
生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチ
レングリコール、エタノールのようなアルコール類等お
よびそれらの組み合わせが用いられる。さらにこの注射
剤は、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギ
ン酸、ポリソルベート80(登録商標)等)、懸濁化
剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤等を含んでいて
もよい。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作
法によって製造、調製される。また無菌の固形剤、例え
ば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌
の注射用蒸留水または他の溶剤に溶解して使用すること
もできる。 【0095】非経口投与のための点眼剤には、点眼液、
懸濁型点眼液、乳濁型点眼液、用時溶解型点眼液および
眼軟膏が含まれる。 【0096】これらの点眼剤は公知の方法に準じて製
造、調製される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性
物質を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて用いられる。
点眼剤の溶剤としては、例えば、滅菌精製水、生理食塩
水、その他の水性溶剤または注射用非水性用剤(例え
ば、植物油等)等およびそれらの組み合わせが用いられ
る。点眼剤は、等張化剤(塩化ナトリウム、濃グリセリ
ン等)、緩衝化剤(リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム
等)、界面活性化剤(ポリソルベート80(商品名)、
ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬
化ヒマシ油等)、安定化剤(クエン酸ナトリウム、エデ
ト酸ナトリウム等)、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、
パラベン等)等などを必要に応じて適宜選択して含んで
いてもよい。これらは最終工程において滅菌するか、無
菌操作法によって製造、調製される。また無菌の固形
剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化ま
たは無菌の滅菌精製水または他の溶剤に溶解して使用す
ることもできる。 【0097】非経口投与のための吸入剤としては、エア
ロゾル剤、吸入用粉末剤又は吸入用液剤が含まれ、当該
吸入用液剤は用時に水又は他の適当な媒体に溶解又は懸
濁させて使用する形態であってもよい。 【0098】これらの吸入剤は公知の方法に準じて製造
される。 【0099】例えば、吸入用液剤の場合には、防腐剤
(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、着色剤、緩衝
化剤(リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、等張化
剤(塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、増粘剤(カリ
ボキシビニルポリマー等)、吸収促進剤などを必要に応
じて適宜選択して調製される。 【0100】吸入用粉末剤の場合には、滑沢剤(ステア
リン酸およびその塩等)、結合剤(デンプン、デキスト
リン等)、賦形剤(乳糖、セルロース等)、着色剤、防
腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、吸収促進
剤などを必要に応じて適宜選択して調製される。 【0101】吸入用液剤を投与する際には通常噴霧器
(アトマイザー、ネブライザー)が使用され、吸入用粉
末剤を投与する際には通常粉末薬剤用吸入投与器が使用
される。 【0102】非経口投与のためその他の組成物として
は、ひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、常法によ
り処方される直腸内投与のための坐剤および腟内投与の
ためのペッサリー等が含まれる。 発明を実施するための最良の形態 以下、参考例および実施例によって本発明を詳述する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0103】クロマトグラフィーによる分離の箇所、T
LCに示されているカッコ内の溶媒は、使用した溶出溶
媒または展開溶媒を示し、割合は体積比を表わす。NM
Rの箇所に示されているカッコ内の溶媒は、測定に使用
した溶媒を示している。参考例1 5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−ヒドロキシ
−6−オキソ−2−フェニル−1,6−ジヒドロピリミ
ジン−1−イル酢酸 【0104】 【化12】 【0105】2−[[イミノ(フェニル)メチル]アミ
ノ]酢酸(CAS登録番号32683-07-1:4.46g)とベンジル
オキシカルボニルアミノマロン酸ジエチル(CAS登録番
号3005-66-1:7.73g)のメタノール溶液(30mL)に、ナ
トリウムメトキシド(2.97g)を加えた。反応混合物に
メタノール(10mL)を加え、75℃で終夜撹拌した。反
応混合物を室温まで冷却し、濃縮した。残渣に1N塩酸を
加え酸性にした後、酢酸エチルで2回抽出した。抽出物
を水で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃
縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(クロロホルム:メタノール=10:1)によっ
て精製した。さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(クロロホルム:メタノール=30:1→10:
1)によって精製した。得られた結晶をジエチルエーテ
ル:n−ヘキサン=1:1溶液で洗浄し、以下の物性値
を有する標題化合物(2.68g)を得た。NMR (CDCl3) :
δ 7.58-7.45 (5H, m), 7.45-7.35 (5H, m), 5.24 (2
H, s) 4.53 (2H, s)。参考例2 2−[5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−ヒド
ロキシ−6−オキソ−2−フェニル−1,6−ジヒドロ
ピリミジン−1−イル]−N−[1−[5−(t−ブチ
ル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−3
−メチルブタン−1−オン−2−イル]アセトアミド 【0106】 【化13】 【0107】参考例1で製造した化合物(1.58g)のジ
メチルホルムアミド(10mL)溶液に、−15℃で1−ヒ
ドロキシベンゾトリアゾール(594mg)と1−エチル−
3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
(921mg)を加えた。反応混合物に30分後、トリエチ
ルアミン(0.67mL)を加えた。反応混合物に2−(2−
アミノ−3−メチルブチリル)−5−t−ブチル−1,
3,4−オキサジアゾール(1.26g)を加えた。反応混
合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をジエチルエ
ーテル:酢酸エチル=1:1溶液(200mL)で希釈し、
1N塩酸で酸性にして、抽出した。抽出物を水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘ
キサン:酢酸エチル=1:2)で精製し、以下の物性値
を有する標題化合物(1.112g)を得た。 NMR (CDCl3) : δ 7.62-7.53 (2H, m), 7.53-7.42 (3
H, m), 7.40 (5H, s), 6.78 (1H, d, J=10Hz), 5.43 (1
H, dd, J=10Hz, 5Hz), 5.23 (2H, s), 4.58 (2H,dd, J=
22Hz, 15Hz), 2.62-2.42 (1H, m), 1.47 (9H, s), 1.07
(3H, d, J=8Hz),0.87(3H, d, J=8Hz)。実施例1 2−[5−アミノ−4−ヒドロキシ−6−オキソ−2−
フェニル−1,6−ジヒドロピリミジン−1−イル]−
N−[1−[5−(t−ブチル)−1,3,4−オキサ
ジアゾール−2−イル]−3−メチルブタン−1−オン
−2−イル]アセトアミド 【0108】 【化14】 【0109】参考例2で製造した化合物(1.10g)をエ
タノール(15mL)溶液に、パラジウム−炭素(130mg)
を加えた。反応混合物を20分間、水素ガス雰囲気下、
室温で撹拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、濾過
し濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:2→酢酸
エチル→酢酸エチル:メタノール=10:1)で精製
し、以下の物性値を有する本発明化合物(462mg)を得
た。 TLC : Rf 0.26 (クロロホルム:メタノール:酢酸=9
0:10:2); NMR (CDCl3) : δ 7.55-7.35 (m, 5H), 5.25 (d, J =
5 Hz, 1H), 4.65 (s, 2H), 2.50-2.30 (m, 1H), 1.45
(s, 9H), 1.00 (d, J = 7 Hz, 3H), 0.90 (d, J= 7 H
z, 3H)。製剤例1 以下の各成分を常法により混合した後打錠して、一錠中
に50mgの活性成分を含有する錠剤100錠を得た。 ・2−[5−アミノ−4−ヒドロキシ−6−オキソ−2−フェニル−1,6−ジ ヒドロピリミジン−1−イル]−N−[1−[5−(t−ブチル)−1,3,4 −オキサジアゾール−2−イル]−3−メチルブタン−1−オン−2−イル]ア セトアミド ……5.0g ・カルボキシメチルセルロースカルシウム(崩壊剤) ……0.2g ・ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤) ……0.1g ・微結晶セルロース ……4.7g製剤例2 以下の各成分を常法により混合した後、溶液を常法によ
り滅菌し、5mlずつアンプルに充填し、常法により凍
結乾燥し、1アンプル中20mgの活性成分を含有する
アンプル100本を得た。 ・2−[5−アミノ−4−ヒドロキシ−6−オキソ−2−フェニル−1,6−ジ ヒドロピリミジン−1−イル]−N−[1−[5−(t−ブチル)−1,3,4 −オキサジアゾール−2−イル]−3−メチルブタン−1−オン−2−イル]ア セトアミド ……2.0g ・マンニトール ……20g ・蒸留水 ……500ml
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/10 101 A61P 9/10 101 11/00 11/00 11/06 11/06 13/12 13/12 17/06 17/06 19/02 19/02 25/28 25/28 27/02 27/02 29/00 29/00 35/00 35/00 37/06 37/06 43/00 111 43/00 111 // A61K 31/506 A61K 31/506 (72)発明者 猪原 武男 大阪府三島郡島本町桜井3丁目1番1号 小野薬品工業株式会社水無瀬総合研究所内 Fターム(参考) 4C063 AA01 BB09 CC58 DD31 EE01 4C086 AA03 BC71 GA06 MA01 MA04 NA14 ZA16 ZA33 ZA36 ZA54 ZA59 ZA67 ZA68 ZA81 ZA89 ZA96 ZB15 ZB26 ZC20

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 式(I) 【化1】 で示される2−[5−アミノ−4−ヒドロキシ−6−オ
    キソ−2−フェニル−1,6−ジヒドロピリミジン−1
    −イル]−N−[1−[5−(t−ブチル)−1,3,
    4−オキサジアゾール−2−イル]−3−メチルブタン
    −1−オン−2−イル]アセトアミドまたはその非毒性
    塩。
JP2002114423A 2002-04-17 2002-04-17 ピリミジン誘導体 Pending JP2003306488A (ja)

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