JP2003304695A - リニアモータ、その制御装置及びその制御方法 - Google Patents

リニアモータ、その制御装置及びその制御方法

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JP2003304695A
JP2003304695A JP2002103366A JP2002103366A JP2003304695A JP 2003304695 A JP2003304695 A JP 2003304695A JP 2002103366 A JP2002103366 A JP 2002103366A JP 2002103366 A JP2002103366 A JP 2002103366A JP 2003304695 A JP2003304695 A JP 2003304695A
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control
linear motor
constant
mover
gain
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JP2002103366A
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English (en)
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Ryoichi Teshigawara
良一 勅使河原
Eijiro Hirayanagi
栄治郎 平柳
Ryoji Mukai
良二 向井
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Neomax Kiko Co Ltd
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Hitachi Metals Kiko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば半導体製造装置、測定装置等の超精密
機器等の駆動機構として利用される直動装置用リニアモ
ータにおいて、起動から停止までの時間を短くするとと
もに高精度の位置決めを可能にする。 【解決手段】 前記リニアモータの制御装置において、
各動作形態に適した値に設定された位置ゲイン、速度ゲ
イン及び積分定数からなる各動作形態ごとに専用の制御
定数を設け、適用する動作形態に応じて前記制御定数を
該当するものに切り替えて使用する制御装置を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体製造
装置、測定装置等の超精密機器等の駆動機構として利用
される直動装置用リニアモータに関し、特に高精度の位
置決めを必要とするリニアモータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、略10cm乃至略100cmとい
ったストロークの範囲内で物体の位置決めを行うための
駆動装置としては、例えば、特公昭58-49100号および実
開昭63-93783号公報に開示されているような可動コイル
型リニアモータが多用されている。このリニアモータ
は、厚さ方向に着磁した複数の永久磁石を着磁方向が異
なるように対向させて配置し、対向する永久磁石間(ま
たは永久磁石とヨークの間)に形成された磁気空隙内
に、磁束と直角方向に運動する可動コイル組み立て体を
配設した構造を有する。
【0003】このようなリニアモータでは、磁気回路部
にセンターヨークがなく、しかも磁気空隙内で磁束が複
数個の閉ループを構成し、磁路の一部に磁束が集中しな
いようになっているので、ストロークの全域に亘って一
様な磁束密度を発生させることができる。
【0004】直動装置用リニアモータの機械部分の一例
の概略断面図を図5に示す。図5において1はヨークで
あり、鉄板のような強磁性材料により例えば平板状に形
成する。2は永久磁石であり、厚さ方向に着磁し、表面
にNS磁極が交互に出現するようにヨーク1の長手方向
に配設して固着する。異なる磁極の極性が対向するよう
に磁気空隙3を介してヨーク1に配置された複数個の永
久磁石2を配設する。4は支持板であり、前記空隙3を
確保するためにヨーク1の長手方向両端部に固着する。
なお支持板4は前記ヨーク1と同様の強磁性材料によっ
て形成することが好ましい。これらヨーク1、永久磁石
2、支持板4により固定子5が構成される。
【0005】次に7はコイルであり、前記磁気空隙3に
おける磁束と巻線方向が直交するような偏平の多相コイ
ルによって形成する。すなわち複数個のコイルを永久磁
石2の配設方向に若干量宛てずらせて配設(ただし図5
においては、コイル1個のみを図示している)し、磁極
の方向を磁界検出素子等の手段を介して検出し、電流を
流すべきコイルおよびその方向を切換え得るように形成
する。なお上記コイル7はホルダ(図示せず)に一体に支
持されて可動子6を形成し、支持摺動部材(図示せず)を
介して前記固定子5に移動可能に設けられる。なお上記
は可動コイル形リニアモータの場合である。ヨーク1、
永久磁石2、支持板4を可動子とし、コイル7およびホ
ルダを固定子とすると可動磁石形リニアモータとなる。
【0006】以上の構成により、コイル7に電流を流す
と、コイル7はフレミングの左手の法則により、ヨーク
1の長手方向の駆動力を受けるから、コイル7を一体に
支持してなる可動子6はヨーク1の長手方向に移動す
る。次にコイル7に前記と逆方向の電流を流すと、コイ
ル7には前記と逆方向の駆動力が作用するから、可動子
6は前記と逆方向に移動する。従ってコイル7への通電
およびその電流の方向を選択することにより、可動子6
を所定位置に移動させることができる。
【0007】図6は前記従来のリニアモータのうち、コ
イルを可動子とし永久磁石を固定子としたリニアモータ
の制御駆動装置を含めた全体構成を示す概要図であり、
同一部分は前記図3と同一の参照符号で示す。図におい
て、リニアモータの機械部分は固定子5、可動子6、位
置検出用のエンコーダ9、磁界検出素子12及び支持摺
動部材22から構成される。制御駆動部分は位置指令パ
ルスを発生する指令信号発生装置8、前記位置指令パル
スと前記エンコーダ9からのフィードバック信号を入力
として出力信号を発生する制御装置21、前記出力信号
とリニアモータからの磁極信号を入力として駆動電流を
リニアモータへ出力するドライバ14から構成される。
【0008】図7は前記従来のリニアモータのシステム
構成の一例を示す図であり、同一部分は前記図6と同一
の参照符号で示す。以下、従来のリニアモータのシステ
ム構成の一例を図7を参照しながら説明する。8は位置
指令パルスを発生する指令信号発生装置、9は位置検出
用のエンコーダ、10は前記位置指令パルスと前記エン
コーダ9の発生しフィードバックする現在位置検出パル
スとの偏差を計数する位置偏差カウンタ、11は前記エ
ンコーダ9の発生する現在位置検出パルスを速度情報に
変換する微分部、12はコイルの磁極の方向を検出する
磁界検出素子、13は前記位置偏差カウンタ10からの
位置偏差信号と前記微分部11を経由した速度情報のフ
ィードバックとを受けて駆動電流信号を発生する制御演
算部、14は前記磁界検出素子12からの磁極信号と前
記制御演算部13からの駆動電流信号とを受けてリニア
モータのコイルへの駆動電流を発生するドライバであ
る。位置偏差カウンタ10、微分部11、制御演算部1
3により制御装置21が構成される。
【0009】図8は図7の制御演算部13の制御ブロッ
ク線図であり、その作用について以下に説明する。な
お、同一部分は前記図6、図7と同一の参照符号で示
す。前記位置偏差カウンタ10からの位置偏差信号に位
置ゲインKp(符号15)を掛算し、速度指令信号が発生
する。この速度指令信号と前記速度情報のフィードバッ
クとの偏差を速度偏差カウンタ16が計数して、速度偏
差信号を発生する。この速度偏差信号ならびにPIコント
ローラ17内の速度ゲインKv(符号18)および積分定
数Ti(符号19)を用いてPIコントローラ17内で比例
積分演算を行い、得られた駆動電流信号をドライバ14
に入力しコイルへ通電してリニアモータを駆動する。前
記の位置ゲインKp(符号15)速度ゲインKv(符号1
8)および積分定数Ti(符号19)の大きさは予め設定
されるものである。以下、位置ゲインKp(符号15)速
度ゲインKv(符号18)および積分定数Ti(符号19)
を制御定数と記す。そして駆動電流信号が大きい程、コ
イルへ通電する駆動電流は大きくなり、したがって駆動
力も大きくなる。駆動電流信号の大きさは、位置偏差信
号および速度情報により変化するとともに、前記3種の
制御定数の大きさにより変化し、位置ゲインKp(符号1
5)および速度ゲインKv(符号18)が大きいほど、か
つ積分定数Ti(符号19)が小さいほど駆動電流信号は
大きくなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】リニアモータには、可
動子が移動開始後、停止位置の近傍で一旦停止する大ス
トローク形態(停止位置手前付近まで移動させる、いわ
ゆる粗送り)と、その後再起動して停止位置で停止する
小ストローク形態(停止位置に正確に停止させる、いわ
ゆる精密送り)の2種類の動作形態を有するものがあ
る。そして両動作形態とも起動から停止までの時間をで
きるだけ短くすることが求められている。また小ストロ
ーク形態においては高精度の位置決めが求められる。小
ストローク形態の場合、位置指令パルスが少ないので位
置偏差信号が小さくなり、位置偏差信号と位置ゲインKp
(符号15)とを掛けた積である速度指令信号も小さ
い。したがって速度指令信号と速度情報のフィードバッ
クとの偏差である速度偏差信号も小さくなり、その結果
駆動電流信号も小さくなり、駆動力も小さくなる。この
ため、駆動電流信号を大きくするように制御定数を設定
しないと、起動から停止までの時間が長くなってしま
い、極端な場合は動かなくなる。これに対して大ストロ
ーク形態の場合、位置指令パルスが多いので位置偏差信
号が大きくなり、位置偏差信号と位置ゲインKp(符号1
5)とを掛けた積である速度指令信号も大きく、したが
って速度指令信号と速度情報のフィードバックとの偏差
である速度偏差信号も大きくなり、その結果駆動電流信
号も大きくなる。このため制御定数を小ストローク形態
の場合のように駆動電流信号を大きくするように設定し
なくても必要な駆動力が得られる。制御定数を小ストロ
ーク形態の場合と同様な値に設定すると、大きな駆動力
のために可動子が高速になり過ぎて、所定位置での停止
時に停止位置を行き過ぎて逆戻り(逆転)し、戻り過ぎ
て再度停止位置へ搬送(正転)することを繰り返しなが
ら逆転、正転の距離が次第に減少して停止位置に停止す
る、いわゆるオーバーシュートが生じ、位置決め完了ま
でのセトリングタイムが増大して、起動から停止までの
時間が長くなってしまう場合もある このように、制御定数の適切な設定値は大ストローク形
態と小ストローク形態とでは異なるのであるが、従来の
リニアモータの制御装置では前記制御定数の設定値はそ
れぞれ一つだけであった。そのため、従来の制御定数の
値は小ストローク形態での必要な駆動力を確保できる範
囲で、大ストローク形態での所定位置停止時のオーバー
シュートをできるだけ小さくするように設定せざるをえ
ず、両動作形態に適切な値に設定することはできなかっ
た。
【0011】そこで本発明の目的は、可動子を移動させ
る距離に応じて複数の動作形態を有するリニアモータに
おいて、各動作形態ごとに適した値に設定された専用の
制御定数を設け、適用する動作形態に応じて前記制御定
数を該当するものに切り替えて使用することにより、起
動から停止までの時間が短く、高精度の位置決めができ
るリニアモータを提供することである。さらに本発明の
目的は、可動子を移動させる距離に応じて複数の動作形
態を有するリニアモータにおいて、各動作形態ごとに適
した値に設定された専用の制御定数を設け、適用する動
作形態に応じて前記制御定数を該当するものに切り替え
て使用することにより、起動から停止までの時間が短
く、高精度の位置決めができるリニアモータの制御装置
を提供することである。さらに本発明の目的は、可動子
を移動させる距離に応じて複数の動作形態を有するリニ
アモータにおいて、各動作形態ごとに適した値に設定さ
れた専用の制御定数を設け、適用する動作形態に応じて
前記制御定数を該当するものに切り替えて使用すること
により、起動から停止までの時間が短く、高精度の位置
決めができるリニアモータの制御方法を提供することで
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願の第一の発明は、永
久磁石とコイルとが相対運動する構成のリニアモータに
おいて、駆動電流を制御するための制御定数を、適切な
値に設定できる制御装置を有することを特徴とするリニ
アモータである。
【0013】本願の第二の発明は、前記制御装置は、可
動子を移動させる距離に対応する適切な制御定数を算出
する手段を有することを特徴とする、前記第一の発明の
リニアモータである。
【0014】本願の第三の発明は、前記制御装置は、可
動子を移動させる距離に対応させて予め前記制御装置に
登録した制御定数から、適切な制御定数を選択する手段
を有するとともに、前記制御定数は少なくとも、位置ゲ
イン、速度ゲイン、積分定数の1種以上を含むことを特
徴とする、前記第一ないし第二の発明のリニアモータで
ある。
【0015】本願の第四の発明は、永久磁石とコイルと
が相対運動する構成のリニアモータにおいて、駆動電流
を制御するための制御定数を、適切な値に設定できるこ
とを特徴とするリニアモータの制御装置である。
【0016】本願の第五の発明は、前記制御装置は、可
動子を移動させる距離に対応する適切な制御定数を算出
する手段を有することを特徴とする、前記第四の発明の
リニアモータの制御装置である。
【0017】本願の第六の発明は、前記制御装置は、可
動子を移動させる距離に対応させて予め前記制御装置に
登録した制御定数から、適切な制御定数を選択する手段
を有するとともに、前記制御定数は少なくとも、位置ゲ
イン、速度ゲイン、積分定数の1種以上を含むことを特
徴とする、前記第四ないし第五の発明のリニアモータの
制御装置である。
【0018】本願の第七の発明は、永久磁石とコイルと
が相対運動する構成のリニアモータにおいて、駆動電流
を制御するための制御定数を、適切な値に設定できるこ
とを特徴とするリニアモータの制御方法である。
【0019】本願の第八の発明は、前記制御方法は、可
動子を移動させる距離に対応する適切な制御定数を算出
する手段を有することを特徴とする、前記第七の発明の
リニアモータの制御方法である。
【0020】本願の第九の発明は、前記制御方法は、可
動子を移動させる距離に対応させて予め制御装置に登録
した制御定数から、適切な制御定数を選択する手段を有
するとともに、前記制御定数は少なくとも、位置ゲイ
ン、速度ゲイン、積分定数の1種以上を含むことを特徴
とする、前記第七ないし第八の発明のリニアモータの制
御方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図1、図
2、図3を参照しながら以下に説明する。なお同一部分
は前記図7、図8と同一の参照符号で示す。なお、リニ
アモータの制御駆動装置を含めた全体構成を示す概要図
は前記図6と同じ(すなわちコイルを可動子とし永久磁
石を固定子としたリニアモータ)である。
【0022】図1はシステム構成図である。8は位置指
令パルスを発生する指令信号発生装置、9は位置検出用
のエンコーダ、10は前記位置指令パルスと前記エンコ
ーダ9の発生しフィードバックする現在位置検出パルス
との偏差を計数する位置偏差カウンタ、11は前記エン
コーダ9の発生する現在位置検出パルスを速度情報に変
換する微分部、12はコイルの磁極の方向を検出する磁
界検出素子、13は前記位置偏差カウンタ10からの位
置偏差信号と前記微分部11を経由した速度情報のフィ
ードバックとを受けて駆動電流信号を発生する制御演算
部、14は前記磁界検出素子12からの磁極信号と前記
制御演算部13からの駆動電流信号とを受けてリニアモ
ータのコイルへの駆動電流を発生するドライバである。
動作形態切り替え部20は動作形態を大ストローク形態
と小ストローク形態とのいずれかに切り替えるための動
作形態切り替え信号を発生する。そして制御演算部13
に前記動作形態切り替え信号が入力され、後述するよう
に制御演算部13内で制御定数が切り替えられる。指令
信号発生装置8は動作プログラムを有する。エンコーダ
9は光学式エンコーダあるいは磁気式エンコーダが用い
られる。位置偏差カウンタ10、微分部11、制御演算
部13および動作形態切り替え部20により制御装置2
1aが構成される。指令信号発生装置8、制御装置21
aは市販のパーソナルコンピュータ、シーケンサあるい
は本リニアモータ専用の制御演算機器が用いられる。
【0023】図2は図1の制御演算部13の制御ブロッ
ク線図である。制御演算部13内には位置ゲイン、速度
ゲインおよび積分定数の3種の制御定数が有る。この制
御定数の内、位置ゲインは大ストローク形態用位置ゲイ
ンKpl(符号15L)および小ストローク形態用位置ゲイ
ンKps(符号15S)の二つがあり、速度ゲインは大スト
ローク形態用速度ゲインKvl(符号18L)および小スト
ローク形態用速度ゲインKvs(符号18S)の二つがあ
り、積分定数は大ストローク形態用積分定数Til(符号
19L)および小ストローク形態用積分定数Tis(符号1
9S)の二つがある。すなわち、大ストローク形態用位
置ゲインKpl(符号15L)、大ストローク形態用速度ゲ
インKvl(符号18L)および大ストローク形態用積分定
数Til(符号19L)は大ストローク形態用制御定数であ
り、小ストローク形態用位置ゲインKps(符号15S)、
小ストローク形態用速度ゲインKvs(符号18S)および
小ストローク形態用積分定数Tis(符号19S)は小スト
ローク形態用制御定数である。これらの制御定数は予め
制御演算部13にプログラムとして登録されるものであ
る。20aは、前記動作形態切り替え部20からの動作
形態切り替え信号により、前記制御定数を切り替えるた
めの切り替え機能である。便宜上、切り替え機能20a
は図の左側にコモン端子があり、図の右側の上下二つの
端子のいずれかに接続する接点のシンボルで模擬的に表
示されているが、実際には制御演算部13にプログラム
として登録されるものである。
【0024】次に作用について説明する。図3は動作フ
ローチャートであり、可動子6を移動させる距離が大き
い大ストローク形態と、可動子6を移動させる距離が小
さい小ストローク形態の2種類の動作形態の1回分を示
す。(実際には前記2種類の動作形態が必要回数繰り返
される。)ステップS1において指令信号発生装置8の
動作プログラムが動作に必要な位置指令パルスを発生す
る。位置指令パルスが位置偏差カウンタ10に入力され
ると、位置偏差カウンタ10が位置指令パルスと現在位
置検出パルスフィードバックとの偏差である位置偏差信
号を発生する(ステップS2)。この位置偏差信号が動
作形態切り替え部20に入力されると、動作形態切り替
え部20は大ストローク形態動作を選択するよう動作形
態切り替え信号を出力する。これにより、図2に示すよ
うに切り替え機能20aの模擬的接点が上側に切り替わ
る(ステップS3)ので、位置ゲインは大ストローク形
態用位置ゲインKpl(符号15L)に切り替わり、 PIコ
ントローラ17内の比例積分演算は大ストローク形態用
速度ゲインKvl(符号18L)および大ストローク形態用
積分定数Til(符号19L)を用いたKvl(1+1/( T
ilS ))の比例積分演算に切り替わる(ステップS
4)。これにより、可動子6が、大ストローク形態で移
動し(ステップS5)、大ストローク形態の所定位置に
停止すると(ステップS6)、動作形態切り替え部20
は小ストローク形態動作を選択するよう動作形態切り替
え信号を出力する(ステップS7)。これにより、図2
に示すものとは逆に切り替え機能20aの模擬的接点が
下側に切り替わるので、位置ゲインは小ストローク動作
形態用位置ゲインKps(符号15S)に切り替わり、PIコ
ントローラ17内の比例積分演算は小ストローク形態用
速度ゲインKvs(符号18S)および小ストローク形態用
積分定数Tis(符号19S)を用いたKvs(1+1/(TiS
S))の比例積分演算に切り替わる(ステップS8)。
これにより、可動子6が、小ストローク形態で移動し
(ステップS9)、小ストローク形態の所定位置に停止
する(ステップS10)。
【0025】そして大ストローク形態用位置ゲインKpl
(符号15L)、大ストローク形態用速度ゲインKvl(符
号18L)および大ストローク形態用積分定数Til(符号
19L)の値を所定位置停止時のオーバーシュートを生
じないか、またはオーバーシュートをできるだけ小さく
するように適切な値に設定する。また小ストローク形態
用位置ゲインKps(符号15S)の値は大ストローク形態
用位置ゲインKpl(符号15L)の値より大きくし、小ス
トローク形態用速度ゲインKvs(符号18S)の値は大ス
トローク形態用速度ゲインKvl(符号18L)の値より大
きくし、小ストローク形態用積分定数Tis(符号19S)
の値は大ストローク形態用積分定数Til(符号19L)の
値より小さくするようにして、小ストローク形態での駆
動力不足傾向を解決するよう適切な値に設定する。この
ように、リニアモータの動作形態を、可動子6が移動開
始後、停止位置の近傍で一旦停止する大ストローク形態
と、その後再起動して停止位置で停止する小ストローク
形態の2種類に分け、制御定数を夫々の動作形態に適合
する値に設定し、かつ、動作形態切り替え部20が動作
形態切り替え信号を出力することを、制御定数選択手段
とすることにより、起動から停止までの時間を短くする
ことが可能で停止精度の高いリニアモータを提供するこ
とができる。さらに、起動から停止までの時間を短くす
ることが可能で停止精度の高いリニアモータの制御装置
を提供することができる。さらに、起動から停止までの
時間を短くすることが可能で停止精度の高いリニアモー
タの制御方法を提供することができる。
【0026】以上、本発明の実施の一形態について説明
したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものでは
ない。実施の形態に記した構成はこれに限定されるもの
ではなく、機能、生産性等を勘案して最適のものとすれ
ば良い。また、下記のような変形も可能である。 1)実施の形態では、可動子6を移動させる距離が大き
い大ストローク形態と、可動子6を移動させる距離が小
さい小ストローク形態の2種類の動作形態の場合につい
て記したが、動作形態は3種類以上でも良い。 2)実施の形態では、コイルを可動子とし、永久磁石を
固定子としたが、コイルを固定子とし、永久磁石を可動
子としても良い。 3)実施の形態では、制御定数は予め制御演算部13に
プログラムとして登録されたが、制御定数は可動子6を
移動させる距離に対応する適切な値に算出されるように
しても良い。 4)実施の形態では、制御定数は位置ゲインKp(符号1
5)速度ゲインKv(符号18)および積分定数Ti(符号
19)の3種を全て大ストローク形態用と小ストローク
形態用とに切り替えたが、3種のうち少なくとも1種を
切り替えるようにしても良い。 5)実施の形態では、リニアモータの磁気回路は図5の
ように永久磁石2同士が対向する構成としたが、図4
(同一部分は図5と同一の参照符号で示す)に示すよう
に相隣る磁極が交互に異なるように配置された複数個の
永久磁石2と、この永久磁石2に磁気空隙3を介して配
置されたヨーク1a(ヨーク1と同様の強磁性材料によ
って形成することが好ましい)が対向する構成としても
良い。 6)実施の形態では、位置偏差カウンタ10は制御装置
21aに内蔵されるものとしたが、制御装置21aとは
別にしても良い。 7)実施の形態では、指令信号発生装置8は制御装置2
1aには含まれないようにしたが、指令信号発生装置8
は制御装置21aに含まれるようにしても良い。
【0027】本発明においては、上記変形同士の組み合
わせ或いは実施の形態と変形との組み合わせは、任意に
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示すシステム構成図で
ある。
【図2】本発明の実施の一形態を示す制御ブロック線図
である
【図3】本発明の実施の一形態を示す動作フローチャー
トである。
【図4】本発明の変形5)の概略断面図である。
【図5】直動装置用リニアモータの機械部分の一例の概
略断面図である。
【図6】従来のリニアモータの制御駆動装置を含めた全
体構成を示す概要図である。
【図7】従来のリニアモータのシステム構成の一例を示
す図である。
【図8】従来のリニアモータの制御ブロック線図であ
る。
【符号の説明】
1、1a ヨーク、 2 永久磁石、 3 磁気空隙、
4 支持板、 5固定子、 6 可動子、 7 コイ
ル、 8 指令信号発生装置、 9 エンコーダ、 1
0 位置偏差カウンタ、 11 微分部、 12 磁界
検出素子、13 制御演算部、 14 ドライバ、 1
5 位置ゲインKp、 15L 大ストローク形態用位置
ゲインKpl、 15S 小ストローク形態用位置ゲインKp
s、16 速度偏差カウンタ、 17 PIコントローラ、
18 速度ゲインKv、18L 大ストローク形態用速
度ゲインKvl、 18S 小ストローク形態用速度ゲイン
Kvs、 19 積分定数Ti、 19L 大ストローク形態
用積分定数Til、 19S 小ストローク形態用積分定数
Tis、 20 動作形態切り替え部、20a 切り替え
機能、 21、21a 制御装置、 22 支持摺動部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 向井 良二 埼玉県熊谷市三ヶ尻5200番地日立金属株式 会社生産システム研究所内 Fターム(参考) 5H540 AA06 BA05 BB02 BB06 BB08 DD09 EE02 EE05 EE06 EE16 FA02 FB05 FC05 5H641 BB03 BB18 GG03 GG24 GG26 GG27 GG28 HH02 JA02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石とコイルとが相対運動する構成
    のリニアモータにおいて、駆動電流を制御するための制
    御定数を、適切な値に設定できる制御装置を有すること
    を特徴とするリニアモータ。
  2. 【請求項2】 前記制御装置は、可動子を移動させる距
    離に対応する適切な制御定数を算出する手段を有するこ
    とを特徴とする、請求項1に記載のリニアモータ。
  3. 【請求項3】 前記制御装置は、可動子を移動させる距
    離に対応させて予め前記制御装置に登録した制御定数か
    ら、適切な制御定数を選択する手段を有するとともに、
    前記制御定数は少なくとも、位置ゲイン、速度ゲイン、
    積分定数の1種以上を含むことを特徴とする、請求項1
    ないし請求項2に記載のリニアモータ。
  4. 【請求項4】 永久磁石とコイルとが相対運動する構成
    のリニアモータにおいて、駆動電流を制御するための制
    御定数を、適切な値に設定できることを特徴とするリニ
    アモータの制御装置。
  5. 【請求項5】 前記制御装置は、可動子を移動させる距
    離に対応する適切な制御定数を算出する手段を有するこ
    とを特徴とする、請求項4に記載のリニアモータの制御
    装置。
  6. 【請求項6】 前記制御装置は、可動子を移動させる距
    離に対応させて予め前記制御装置に登録した制御定数か
    ら、適切な制御定数を選択する手段を有するとともに、
    前記制御定数は少なくとも、位置ゲイン、速度ゲイン、
    積分定数の1種以上を含むことを特徴とする、請求項4
    ないし請求項5に記載のリニアモータの制御装置。
  7. 【請求項7】 永久磁石とコイルとが相対運動する構成
    のリニアモータにおいて、駆動電流を制御するための制
    御定数を、適切な値に設定できることを特徴とするリニ
    アモータの制御方法。
  8. 【請求項8】 前記制御方法は、可動子を移動させる距
    離に対応する適切な制御定数を算出する手段を有するこ
    とを特徴とする、請求項7に記載のリニアモータの制御
    方法。
  9. 【請求項9】 前記制御方法は、可動子を移動させる距
    離に対応させて予め制御装置に登録した制御定数から、
    適切な制御定数を選択する手段を有するとともに、前記
    制御定数は少なくとも、位置ゲイン、速度ゲイン、積分
    定数の1種以上を含むことを特徴とする、請求項7ない
    し請求項8に記載のリニアモータの制御方法。
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