JP2003303662A - セラミックヒータ - Google Patents

セラミックヒータ

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JP2003303662A
JP2003303662A JP2003045724A JP2003045724A JP2003303662A JP 2003303662 A JP2003303662 A JP 2003303662A JP 2003045724 A JP2003045724 A JP 2003045724A JP 2003045724 A JP2003045724 A JP 2003045724A JP 2003303662 A JP2003303662 A JP 2003303662A
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Japan
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ceramic
heating element
temperature
heater
heating
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Application number
JP2003045724A
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English (en)
Inventor
Yasuji Hiramatsu
靖二 平松
Yasutaka Ito
康隆 伊藤
Masakazu Furukawa
正和 古川
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主に半導体産業におけるシリコンウエハ等の
乾燥用、スパッタリング用等の用途に好適に使用でき、
温度制御性及び加熱面の温度均一性に優れるセラミック
ヒータの提供。 【解決手段】 セラミック板の表面または内部に発熱体
を形成し、被加熱物を加熱する加熱面の反対側から加熱
面に向けて有底孔を設けると共に、この有底孔に測温素
子を設け、耐熱性樹脂又はセラミックを充填してセラミ
ックヒータを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種物体の加熱に
使用可能なセラミックヒータに関する。詳しくは、主に
半導体産業におけるシリコンウエハ等の乾燥用、スパッ
タリング用等の用途に好適に使用できるセラミックヒー
タであって、特に温度制御しやすく、加熱面の温度均一
性に優れるセラミックヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製品は、シリコンウエハ上に感光
性樹脂をエッチングレジストとして形成し、シリコンウ
エハのエッチングを行う工程を含む数段階の工程を経て
製造される。この感光性樹脂は液状であり、スピンコー
ターなどを用いてシリコンウエハ表面に塗布されるが、
塗布後は乾燥させなければならず、その際には塗布した
シリコンウエハをヒータ上に載置して加熱することにな
る。また、シリコンウエハ表面にスパッタリングなどで
導体回路を形成する場合があり、この場合にはシリコン
ウエハを200℃以上の高温に加熱する必要があった。
従来、このような用途に使用されるヒータは、金属製の
ヒータであり、それには例えばアルミニウム板の裏面に
発熱体を配置したものが採用されている。
【0003】ところが、このような金属製のヒータは、
以下のような問題があった。まず、金属製であるため、
ヒータ板の厚みは、15mm程度と厚くしなければなら
ない。その理由は、薄い金属板では、加熱に起因する熱
膨張により、反り、歪みが発生してしまい、金属板上に
載置したシリコンウエハが破損、変形あるいは傾斜した
りしてしまうからである。しかしながら、ヒータ板の厚
みを厚くすると、ヒータの重量が重くなり、またかさば
ってしまう。
【0004】さらに、加熱時には、発熱体に印加する電
圧や電流量を変えることにより、加熱温度を制御するの
であるが、金属板が厚いために、電圧や電流量の変化に
対してヒータ板の温度が迅速に追従せず、温度制御しに
くいという問題もあった。そのため特公平8−8247
号公報などで提案されているように、発熱体を具備する
窒化物セラミックを使用し、発熱体近傍の温度を測定し
ながら、温度制御する技術が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者も、この技術
を採用してシリコンウエハを加熱しようとしたが、その
際、ヒータ表面に温度分布が発生してしまうという問題
が発生した。そこで、本発明者らは、シリコンウエハ破
損の原因について鋭意研究した結果、温度制御を行って
いるにもかかわらず温度分布が発生する理由は、熱電対
の応答性が充分ではないためであることを解明した。
【0006】本発明者らは、この問題の解消について更
に研究を進めた結果、熱電対の応答性が充分ではない理
由は、熱電対を金ろうなどの金属を介してセラミック板
に接合させているため、熱容量が大きくなり、温度が正
確に電流値に変換されないためであることを知見した。
そこで、金属ではなく、絶縁材、具体的には樹脂あるい
はセラミックを充填して固化させることにより熱電対を
ヒータ板のセラミックに接合させたところ、このような
問題が解消できることを知見した。
【0007】
【課題を解決するための手段】したがって、本発明は、
先の知見に基づいて完成されたものであって、熱電対の
応答性に優れ、温度分布が発生しにくいセラミックヒー
タを提供するものである。その本発明のセラミックヒー
タは、セラミック板の表面または内部に発熱体を形成し
てなるセラミックヒータにおいて、被加熱物を載置する
加熱面の反対側から加熱面に向けて有底孔を設けると共
に、この有底孔に測温素子を設け、絶縁材を充填したこ
とを特徴とするものである。
【0008】本発明セラミックヒータにおける絶縁材は
セラミック又は耐熱性樹脂から選ばれることが望まし
い。断熱性に優れ、測温素子が外界の温度変化の影響を
受けないようにするためである。本発明のセラミックヒ
ータは、前記した手段を採用することにより、正確な被
加熱物の温度の測定が可能となり、この温度の測定結果
に基づいて発熱体の発熱状態を的確に調整することがで
き、シリコンウエハ等の各種の被加熱物全体を均一に加
熱することができる。すなわち、本発明のセラミックヒ
ータでは、測温素子が直接セラミック板に接触し、耐熱
性樹脂またはセラミック等の絶縁材で固定されているた
め、余分な熱容量が存在せず、温度変化を正確に電流に
変換でき、その結果として正確な温度測定が可能とな
り、この温度の測定結果に基づいて発熱体の発熱状態を
調整することにより、被加熱物を均一に加熱することが
可能となる。
【0009】また、発熱体を保持する窒化物セラミック
や炭化物セラミックは、熱膨張係数が金属よりも小さ
く、機械的な強度が金属に比べて格段に高いため、セラ
ミック板(以下、ヒータ板という)の厚さを薄くして
も、加熱により反ったり、歪んだりしない。そのため、
ヒータ板を薄くて軽いものとすることができる。さら
に、ヒータ板の熱伝導率が高く、ヒータ板自体が薄いた
め、ヒータ板の表面温度が、発熱体の温度変化に迅速に
追従する。即ち、電圧、電流値を変えて発熱体の温度を
変化させることにより、ヒータ板の表面温度を的確に制
御することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のセラミックヒータは、前
記したとおりセラミック板の表面または内部に発熱体を
形成してなるセラミックヒータにおいて、被加熱物を載
置する加熱面の反対側から加熱面に向けて有底孔を設け
ると共に、この有底孔に測温素子を設け、耐熱性樹脂ま
たはセラミックを充填したことを特徴とするものであ
る。その概要を図1を使用してまず説明する。
【0011】図1は、本発明のセラミックヒータの1例
を模式的に示す図面であり、セラミックヒータ全体を底
面側から見た図である。図1において、ヒータ板11は
円板状に形成されており、発熱体12は、ヒータ板11
の加熱面(図示した底面の反対側の面)の全体の温度が
均一になるように加熱する必要があるため、ヒータ板1
1の底面に同心円状のパターンに形成されている。
【0012】そして、これら発熱体12は、互いに近接
する二本の同心円同士のヒータを1組として、1本の線
になるように接続されており、その両端に入出力の端子
となる端子ピン13が接続されている。また、中央に近
い部分には、シリコンウエハ等の各種の被加熱物を加熱
面上に保持するために支持ピン(図示せず)を挿入する
ための貫通孔15が形成され、さらに、測温素子を挿入
するための有底孔14a〜14iが形成されている。
【0013】このセラミックヒータ10におけるヒータ
板11の厚さについては、0.5〜5mmが好ましい。
0.5mmより薄いと、強度が低下するため破損しやす
くなり、一方、5mmより厚くなると、熱が伝搬しにく
くなり、加熱の効率が悪くなる。また、その素材につい
ては、熱伝導性のよい各種セラミックが使用可能である
が、窒化物セラミックまたは炭化物セラミックが望まし
い。
【0014】前記窒化物セラミックとしては、例えば、
窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタ
ン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。また、炭化物セラミックとし
ては、例えば、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チ
タン、炭化タンタル、炭化タングステン等が挙げられ
る。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。これらのなかでは、窒化アルミニウムが最も
好ましい。その理由は、熱伝導率が180W/m・Kと
最も高く、温度追従性に優れるものであるからである。
その結果、温度分布の不均一を招きやすいことはあるも
のの、測温素子について本発明の配置・形成構造をとる
ことより、その問題も回避できるからである。また、酸
化物セラミックを使用することもできる。酸化物セラミ
ックとしては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、コージ
ェライトなどを使用できる。
【0015】本発明のセラミックヒータ10における有
底孔14a〜14iは、図2(b)に図示するように形
成されるものであるが、その底と加熱面との距離L(同
図参照)は、0.1mm〜セラミック板の厚さの1/2
であることが望ましい。それは、有底孔14a〜14i
の底と加熱面との距離が0.1mm未満では蓄熱しない
ので温度が低下しシリコンウエハ等の被加熱物加熱面に
温度分布が形成され、厚さの1/2を超えると、発熱体
の温度の影響を受けやすくなり、温度制御できなくな
り、やはり加熱面に温度分布が形成されてしまうからで
ある。
【0016】前記有底孔14a〜14iの直径は、0.
3mm〜5mmであることが望ましい。それは、大きす
ぎると放熱性が大きくなり、また小さすぎると加工性が
低下して加熱面との距離を均等にすることができなくな
るからである。また、その配置は、図1に示したように
ヒータ板11の中心に対して対称で、かつ、十字を形成
するように配列することが望ましい。それは、加熱面全
体の温度を測定することができるからである。
【0017】前記有底孔には、測温素子を挿入し、その
底部でセラミック板に接触させ耐熱性樹脂等で固定し
て、測温素子はセラミック板と接合する。その測温素子
としては、例えば、熱電対、白金測温抵抗体、サーミス
タ等が挙げられる。また、上記熱電対としては、例え
ば、JIS−C−1602(1980)に挙げられるよ
うに、K型、R型、B型、S型、E型、J型、T型熱電
対等が挙げられるが、これらのなかでは、K型熱電対が
好ましい。熱電対とセラミック板との接合部の大きさに
ついては、素線の径よりも大きく、0.5mm以下であ
ることが望ましい。それは、接合部が大きい場合には、
熱容量が大きくなって応答性が低下してしまうからであ
る。なお、素線の径より小さくすることは困難である。
【0018】前記測温素子を、有底孔14a〜14iに
挿入した後は、前記したとおり耐熱性樹脂あるいはセラ
ミックで封止することになるが、その際に両者を併用し
てもよい。前記耐熱性樹脂としては、例えば熱硬化性樹
脂、特にはエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイ
ミド−トリアジン樹脂、シリコン樹脂などが挙げられ
る。これらの樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。また、セラミックとしては、アルミナ
ゾル、シリカゾル等を使用することができ、これらのセ
ラミックゾルを乾燥させてゲル化することにより測温素
子を固定する。
【0019】前記セラミックヒータにおける発熱体の設
置位置については、図1に図示するようにヒータ板の一
主面の表面又はヒータ板の内部のいずれであってもよ
い。前者の場合には、図3に図示するように対向する表
面をシリコンウエハなどの被加熱物を加熱する加熱面と
するのがよく、後者の場合には、図2のように板状体の
厚さ方向に中心より偏芯させて配置し、発熱体から遠い
方の面を加熱面とすることが望ましい。本発明では、発
熱体の設置位置をこのように設定することにより、発熱
体から発生した熱が伝搬していくうちに、ヒータ板全体
に拡散し、被加熱物(例えばシリコンウエハ)を加熱す
る面の温度分布が均一化され、その結果、被加熱物の各
部分における温度が均一化される。なお、被加熱物は、
セラミック板に載置してもよく、セラミック板から離間
して保持しながら加熱してもよい。離間する場合は5〜
5000μmが望ましく、50〜500μmの距離が好
適である。
【0020】セラミックヒータの設置位置について更に
言及すると、本発明の発熱体12を図2のようにヒータ
板11の内部に偏芯して形成する場合については、その
位置は、ヒータ板11の加熱面に対向する面(底面)に
近い位置で、加熱面から底面までの距離に対して50%
を超え、99%までの位置とすることが望ましい。それ
は50%以下であると、加熱面に近すぎるため、温度に
不均一な分布が発生してしまい、逆に、99%を超える
と、ヒータ板11自体に反りが発生して、シリコンウエ
ハ等の被加熱物が破損するからである。
【0021】さらに、発熱体12をヒータ板11の内部
に形成する場合については、発熱体を形成する層を一層
とするのではなく、複数の層に分けて形成してもよい。
その場合は、各層のパターンは、加熱面に直交する方向
でみて、相互に補完するようにどこかの層に発熱体12
が形成され、加熱面の上方から見ると、すべての領域に
も発熱体のパターンが存在するように形成されている状
態が望ましい。このような構造としては、例えば、互い
に千鳥の配置になっている構造が挙げられる。
【0022】前記発熱体12の配置パターン(形状)に
ついては、図1に示した同心円のほかに、例えば、渦巻
き、偏心円、屈曲線などが挙げられるが、同心円状の配
置が好ましい。同心円状パターンの場合には、図1に示
したように少なくとも2以上の回路に分割されているこ
とが望ましく、2〜10の回路に分割されていることが
より望ましい。回路を分割することにより、各回路に投
入する電力を制御して発熱量を変えることができ、シリ
コンウエハ等の加熱面の温度を調整することができるか
らである。
【0023】発熱体の断面形状については、特に制限さ
れるわけではなく、断面が矩形であっても楕円であって
もよいが、図2及び3に図示するように偏平であること
が望ましい。それは偏平の方が加熱面に向かって放熱し
やすいため、加熱面の温度分布ができにくいからであ
る。その際の断面のアスペクト比(発熱体の幅/発熱体
の厚さ)については、10〜5000であることが望ま
しい。それは、この範囲に調整することにより、発熱体
12の抵抗値を大きくすることができると共に加熱面の
温度の均一性を確保することができるからである。
【0024】その理由は、発熱体12の厚さを一定とし
た場合、アスペクト比が上記範囲より小さいと、ヒータ
板11のウエハ加熱面方向への熱の伝搬量が小さくな
り、発熱体12のパターンに近似した熱分布が加熱面に
発生してしまい、逆にアスペクト比が大きすぎると発熱
体12の中央の直上部分が高温となってしまい、結局、
発熱体12のパターンに近似した熱分布が加熱面に発生
してしまう。従って、温度分布を考慮すると、断面のア
スペクト比は、10〜5000であることが好ましいの
である。
【0025】その際、発熱体12をヒータ板11の表面
に形成する場合には、アスペクト比を10〜200、ま
た発熱体12をヒータ板11の内部に形成する場合に
は、アスペクト比を200〜5000とすることが望ま
しい。以上のとおりであるから、発熱体12は、ヒータ
板11の内部に形成した場合の方が、アスペクト比が大
きくなるが、それは、発熱体12を内部に設けると、加
熱面と発熱体12との距離が短くなり、表面の温度均一
性が低下するため、発熱体12自体を偏平にする必要が
あるからである。
【0026】発熱体12の具体的厚さについては、図1
に示したように、ヒータ板11の表面に発熱体12を形
成する場合には、1〜30μmが好ましく、1〜10μ
mがより好ましい。また、ヒータ板11の内部に発熱体
を形成する場合には、1〜50μmが好ましい。さら
に、発熱体12の幅については、ヒータ板11の表面に
発熱体12を形成する場合には、その幅は、0.1〜2
0mmが好ましく、0.1〜5mmがより好ましい。発
熱体をヒータ板11の内部に形成する場合には、その厚
みは、5〜20μmが好ましい。
【0027】発熱体12は、その幅や厚さにより抵抗値
が変化し、加熱能力に変化を持たせることができるが、
発熱体を内部に形成した場合も表面に形成した場合も、
それぞれ上記した範囲が最も実用的である。なお、抵抗
値は、薄く、また、細くなる程大きくなる。発熱体12
は、ヒータ板11の内部に形成した場合の方が、表面に
形成した場合に比し、前記したとおり厚み、幅とも大き
くなる。
【0028】それは、発熱体12をセラミック板内部に
設けると、加熱面と発熱体との距離が短くなり、表面の
温度の均一性が低下するため、発熱体12自体の幅を広
げる必要があること、内部に発熱体を設けるために、窒
化物セラミック等との密着性を考慮する必要性がないた
め、タングステン、モリブデンなどの高融点金属やタン
グステン、モリブデンなどの炭化物を使用することがで
き、抵抗値を高くすることが可能となるため、断線等を
防止する目的で厚み自体を厚くしてもよい。そのため、
発熱体12は、上記した厚みや幅とすることが望まし
い。
【0029】本発明におけるヒータ板11の表面への発
熱体12の形成は、金属粒子を含む導電ペーストをヒー
タ板11の表面に塗布して所定パターンの導体ペースト
層を形成し、その後、これを焼き付けヒータ板11の表
面で金属粒子を焼結させる方法が好ましい。なお、金属
の焼結は、金属粒子同士および金属粒子とセラミックと
が融着していれば充分である。その際の導電ペーストと
しては特に限定されないが、導電性を確保するための金
属粒子または導電性セラミックが含有されているほか、
樹脂、溶剤、増粘剤、金属酸化物などを含むものが好ま
しい。
【0030】前記金属粒子としては、例えば、貴金属
(金、銀、白金、パラジウム)、鉛、タングステン、モ
リブデン、ニッケルなどが好ましい。これらは、単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの金
属は、比較的酸化しにくく、発熱するのに必要な充分な
抵抗値を有するからである。また前記導電性セラミック
としては、例えば、タングステン、モリブデンの炭化物
などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2
種以上を併用してもよい。
【0031】それら金属粒子又は導電性セラミック粒子
の粒径は、0.1〜100μmが好ましい。それは、
0.1μm未満と微細すぎると酸化されやすく、逆に、
100μmを超えると焼結しにくくなり抵抗値が大きく
なるからである。上記金属粒子の形状は、球状であって
もリン片状であってもよい。これらの金属粒子を用いる
場合、上記球状物と上記リン片状物との混合物であって
よい。上記金属粒子がリン片状物、又は球状物とリン片
状物との混合物の場合は、金属粒子間に配合された金属
酸化物を保持しやすくなり、発熱体12と窒化物セラミ
ック等との密着性を確実にし、かつ、抵抗値を大きくす
ることができるため有利である。
【0032】導電ペーストに使用される樹脂としては、
例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられ
る。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコ
ールなどが挙げられる。増粘剤としては、セルロースな
どが挙げられる。導電ペーストには、上記したように、
金属粒子に金属酸化物を添加し、発熱体12を金属粒子
および金属酸化物を焼結させたものとすることが望まし
い。このように、金属酸化物を金属粒子とともに焼結さ
せることにより、ヒータ板である窒化物セラミックまた
は炭化物セラミックと金属粒子とを密着させることがで
きる。
【0033】前記したように金属酸化物を混合すること
により生ずる金属粒子と窒化物セラミック又は炭化物セ
ラミックとの密着性が改善される技術的理由について
は、明確ではないが、金属粒子表面、窒化物セラミック
及び炭化物セラミックの表面は、わずかに酸化されて酸
化膜が形成されており、この酸化膜同士が金属酸化物を
介して焼結して一体化し、金属粒子と窒化物セラミック
又は炭化物セラミックとが密着するのではないかと考え
られる。
【0034】前記金属酸化物としては、例えば、酸化
鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B23)、アルミ
ナ、イットリアおよびチタニアからなる群から選ばれる
少なくとも1種が好ましい。それは、これらの酸化物が
発熱体の抵抗値を大きくすることなく、金属粒子と窒化
物セラミックまたは炭化物セラミックとの密着性を改善
することができるからである。
【0035】上記酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ
素(B23)、アルミナ、イットリア、チタニア等の各
酸化物相互の配合割合については、金属酸化物の全量を
100重量部とした場合に、重量比で、酸化鉛が1〜1
0、シリカが1〜30、酸化ホウ素が5〜50、酸化亜
鉛が20〜70、アルミナが1〜10、イットリアが1
〜50、チタニアが1〜50であって、その合計が10
0重量部を超えない範囲で調整されていることが望まし
い。これらの範囲で、これらの酸化物の量を調整するこ
とにより、特に窒化物セラミックとの密着性を改善する
ことができる。
【0036】上記金属酸化物の金属粒子に対する添加量
は、0.1重量%以上10重量%未満が好ましい。ま
た、このような構成の導電ペーストを使用して発熱体1
2を形成した際の面積抵抗率は、1〜45mΩ/□が好
ましい。面積抵抗率が45mΩ/□を超えると、印加電
圧量に対して発熱量は大きくなりすぎて、ヒータ板の表
面に発熱体12を設けたヒータ板11では、その発熱量
を制御しにくいからである。なお、金属酸化物の添加量
が10重量%以上であると、面積抵抗率が50mΩ/□
を超えてしまい、発熱量が大きくなりすぎて温度制御が
難しくなり、温度分布の均一性が低下する。
【0037】発熱体12をヒータ板11の表面に形成す
る場合には、発熱体12の表面部分に金属被覆層(図3
参照)24を形成することが望ましい。それは内部の金
属焼結体が酸化されて抵抗値が変化するのを防止するこ
とができるためである。その際に形成する金属被覆層の
厚さは、0.1〜10μmが好ましい。金属被覆層を形
成する際に使用される金属は、非酸化性の金属であれば
特に限定されないが、具体的には、例えば、金、銀、パ
ラジウム、白金、ニッケルなどが挙げられる。これら
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0038】これらのなかでは、ニッケルが好ましい
が、それは、発熱体12には、電源と接続するための端
子が必要であり、この端子は、半田を介して発熱体12
に取り付けるが、ニッケルは、半田の熱拡散を防止する
からである。接続端子としては、例えば、コバール製の
端子ピン13が挙げられる。
【0039】また、発熱体12をヒータ板11の内部に
形成する場合には、発熱体表面が酸化されることがない
ため、被覆は不要である。発熱体12をヒータ板11内
部に形成する場合、発熱体の一部が表面に露出していて
もよく、発熱体を接続するためのスルーホールが接続端
子部分に設けられ、このスルーホールに接続端子が接
続、固定されていてもよい。その際の接続端子を接続す
るための半田としては、銀−鉛、鉛−スズ、ビスマス−
スズなどの合金を使用することができる。なお、半田層
の厚さは、0.1〜50μmが好ましい。半田による接
続を確保するのに充分な範囲だからである。
【0040】次いで、本発明のセラミックヒータ、特に
ヒータ板の底面に発熱体を形成したセラミックヒータ
(すなわち図1に図示された構造のセラミックヒータ)
の製造方法について、図1に基づいて説明する。 (1) ヒータ板の作製工程 前記した窒化アルミニウムなどの窒化物セラミック又は
炭化物セラミックの粉末に必要に応じてイットリア等の
焼結助剤やバインダ等を配合してスラリーを調製した
後、このスラリーをスプレードライ等の方法で顆粒状に
し、この顆粒を金型などに入れて加圧することにより板
状などに成形し、生成形体(グリーン)を作製する。そ
れに続いて、生成形体に、必要に応じてシリコンウエハ
を支持するための支持ピンを挿入する貫通孔15となる
部分や熱電対などの測温素子を埋め込むための有底孔1
4a〜14iとなる部分をドリル加工等により形成す
る。
【0041】次に、この生成形体を加熱、焼成して焼結
させ、セラミック製の板状体を製造する。この後、所定
の形状に加工することにより、ヒータ板11を作製する
が、焼成後にそのまま使用することができる形状として
もよい。加圧しながら加熱、焼成を行うことにより、気
孔のないヒータ板11を製造することが可能となる。加
熱、焼成は、焼結温度以上であればよいが、具体的には
窒化物セラミックまたは炭化物セラミックでは、100
0〜2500℃である。
【0042】(2) ヒータ板に導電ペーストを印刷する工
程 導電ペーストは、前記したとおり、一般に金属粒子、樹
脂、溶剤からなる粘度の高い流動物である。この導電ペ
ーストをスクリーン印刷などを用い、発熱体を設けよう
とする部分に印刷を行うことにより、導体ペースト層を
形成する。発熱体は、ヒータ板全体を均一な温度にする
必要があることから、図1に示すような同心円からなる
パターンに印刷することが望ましい。導体ペースト層
は、焼成後の発熱体12の断面が、方形で、偏平な形状
となるように形成することが望ましい。
【0043】(3) 導体ペースト層の焼成 ヒータ板11の底面に印刷した導体ペースト層を加熱焼
成して、樹脂、溶剤を除去するとともに、金属粒子を焼
結させ、ヒータ板11の底面に焼き付け、発熱体12を
形成する。加熱焼成の温度は、500〜1000℃が好
ましい。導電ペースト中に上述した金属酸化物を添加し
ておくと、金属粒子、ヒータ板および金属酸化物が焼結
して一体化するため、発熱体とヒータ板との密着性が向
上する。
【0044】(4) 金属被覆層の形成 発熱体12表面には、金属被覆層を設けることが望まし
い。金属被覆層は、電解めっき、無電解めっき、スパッ
タリング等の各種手段により形成することができるが、
量産性を考慮すると、無電解めっきが最適である。
【0045】(5) 端子等の取り付け 発熱体12のパターンの端部に電源との接続のための端
子(端子ピン13)を半田で取り付ける。また、有底孔
14a〜14iに熱電対を挿入し、ポリイミド等の耐熱
樹脂、セラミックで封止し、セラミックヒータ10の製
造を終了する。本発明のセラミックヒータは、150℃
以上で使用することができる。また、セラミック板中
に、電極を埋設して静電チャックとしたり、セラミック
板の表面にチャックトップ導体層を、内部にガード電
極、グランド電極を設けてウエハプローバとして使用す
ることが可能である。
【0046】以上のセラミックヒータの製造方法は、ヒ
ータ板の底面に発熱体を具備する構造のセラミックヒー
タの製造方法であるから、つぎにヒータ板内部に発熱体
を具備するセラミックヒータの製造方法について説明す
る。 (1) ヒータ板の作製工程 まず、窒化物セラミックまたは炭化物セラミックの粉末
をバインダ、溶剤等と混合してペーストを調製し、これ
を用いてドクターブレード法等でシート状に成形してグ
リーンシートを作製する。グリーンシートの厚さは、
0.1〜5mmが好ましい。
【0047】その際のセラミック粉末としては、窒化ア
ルミニウム、炭化ケイ素などを使用することができ、必
要に応じて、イットリア等の焼結助剤を加えてもよい。
また、バインダとしては、アクリル系バインダ、エチル
セルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニラールから選
ばれる少なくとも1種が望ましい。さらに溶媒として
は、α−テルピオーネ、グリコールから選ばれる少なく
とも1種が望ましい。
【0048】次いで、得られたグリーンシートに、必要
に応じて、被加熱物のシリコンウエハ等を支持するため
の支持ピンを挿入する貫通孔となる部分、熱電対などの
測温素子を埋め込むための有底孔となる部分、発熱体を
外部の端子ピンと接続するためのスルーホールとなる部
分等を形成する。なお、上記加工は後述するグリーンシ
ート積層体を形成した後に行ってもよい。
【0049】(2) グリーンシート上に導体ペーストを印
刷する工程 グリーンシート上に、金属または導電性セラミックを含
む導電ペーストを印刷する。これらの導電ペースト中に
は、金属粒子または導電性セラミック粒子が含まれてい
る。金属粒子はタングステン粒子またはモリブデン粒子
がよく、その粒子の平均粒子径は、0.1〜5μmが好
ましい。それは平均粒子径が0.1μm未満であるか、
5μmを超えると、導電ペーストを印刷しにくいからで
ある。
【0050】このような導電ペーストとしては、例え
ば、金属粒子または導電性セラミック粒子85〜87重
量部:アクリル系、エチルセルロース、ブチルセロソル
ブ、ポリビニラールから選ばれる少なくとも1種のバイ
ンダ1.5〜10重量部:および、α−テルピオーネ、
グリコールから選ばれる少なくとも1種の溶媒を1.5
〜10重量部を混合した組成物(ペースト)が挙げられ
る。
【0051】(3) グリーンシートの積層工程 導電ペーストを印刷していないグリーンシートを、導電
ペーストを印刷したグリーンシートの上下に積層する。
このとき、上側に積層するグリーンシートの数を下側に
積層するグリーンシートの数よりも多くして、発熱体の
形成位置を底面の方向に偏芯させる。具体的には、上側
のグリーンシートの積層数は20〜50枚、下側のグリ
ーンシートの積層数は5〜20枚が好ましい。
【0052】(4) グリーンシート積層体の焼成工程 グリーンシート積層体の加熱、加圧を行い、グリーンシ
ート及び内部の導体ペースト層を焼結させる。加熱温度
は、1000〜2000℃が好ましく、加圧の圧力は、
100〜200kg/cm2が好ましい。加熱は、不活
性ガス雰囲気中で行う。不活性ガスとしては、例えば、
アルゴン、窒素などを使用することができる。
【0053】また、測温素子を挿入するための有底孔の
形成は積層体形成時ではなく、焼成後に行ってもよい。
その際の有底孔の形成は、表面研磨後に、サンドブラス
ト、ショットブラスト等のブラスト処理で行うことがで
きる。焼成後、内部の発熱体と接続するためのスルーホ
ールに端子を接続し、加熱してリフローする。加熱温度
は、200〜500℃が好適である。さらに、測温素子
としての熱電対などを耐熱性樹脂で封止し、セラミック
ヒータの製造を終了する。
【0054】本発明のセラミックヒータは、セラミック
板の表面または内部に発熱体を形成し、被加熱物を加熱
する加熱面の反対側から加熱面に向けて有底孔を設ける
と共に、この有底孔に測温素子を設け、耐熱性樹脂又は
セラミックを充填したことを特徴とするものであるが、
これに更に上記発熱体に電力を供給する制御部と、上記
測温素子により測定された温度データを記憶する記憶部
と、上記温度データから上記発熱体に必要な電力を演算
する演算部とを備えてセラミックヒータ装置とすること
が望ましい。
【0055】このようにすることにより、温度の測定結
果を記憶部に記憶し、上記記憶部で記憶された温度デー
タに基づき、均一加熱のために発熱体に投入する電圧を
演算部で計算し、この計算結果に基づき、制御部より制
御電圧を発熱体に印加するので、シリコンウエハ等の被
加熱物全体を均一に加熱することが可能となる。
【0056】また、窒化物セラミックや炭化物セラミッ
クは、熱膨張係数が金属よりも小さく、機械的な強度が
金属に比べて格段に高いため、ヒータ板を薄くて軽いも
のとすることができる。さらに、ヒータ板の熱伝導率が
高く、ヒータ板自体が薄いため、ヒータ板の表面温度
が、発熱体の温度変化に迅速に追従する。
【0057】図2(a)は、本発明のセラミックヒータ
と、そのセラミックヒータの発熱体に電力を供給する制
御部と、上記測温素子により測定された温度データを記
憶する記憶部と、上記温度データから上記発熱体に必要
な電力を演算する演算部とを備えたセラミックヒータ装
置を図示するものであり、この図においては、セラミッ
クヒータは部分断面図で、そのセラミックヒータが具備
する他の設備はブロック線図で図示されている。同
(b)は、セラミックヒータの一部、特に有底孔の部分
を部分拡大した断面図である。
【0058】この図のセラミックヒータは、図1の場合
とは異なり発熱体12a、12bがヒータ板11内部に
埋設されており、その発熱体は同様に図1とは異なり2
重の同心円を1組としたものでははなく、一重の円を同
心円としたものである。その発熱体12a、12bは、
スルーホール28を介して底面に設けられた端子ピン1
3に接続されている。さらに、端子ピン13には、ソケ
ット32が取り付けられ、このソケット32は、電源を
有する制御部29に接続されている。
【0059】そして、ヒータ板11には、底面11b側
から有底孔14が設けられ、この有底孔14の底には、
熱電対27が固定されている。その熱電対27は、記憶
部30に接続され、各熱電対27の温度を一定時間毎に
測定し、そのデータを記憶することができるようになっ
ている。さらに、この記憶部30は、制御部29に接続
されるとともに、演算部31に接続され、記憶部30に
記憶されたデータに基づき、演算部31で制御する電圧
値等の計算を行い、これに基づき、制御部29から各発
熱体11に対して所定の電圧を印加し、加熱面11aの
温度を均一化することができるようになっている。
【0060】また、ヒータ板11には貫通孔15が複数
個(図中では、1個のみ)設けられている。その貫通孔
15には支持ピン26が挿入され、この支持ピン26上
に被加熱物例えばシリコンウエハ19が載置されるよう
になっている。さらに、この支持ピン26を上下させる
ことにより、シリコンウエハ19を図示しない搬送機に
渡したり、搬送機からシリコンウエハ19を受け取った
りすることができるようになっている。なお、セラミッ
クヒータ10を構成する各部材やヒータ板11に形成す
る有底孔14等は、特に前記したところ以外の部分につ
いては図1のセラミックヒータの場合と同様に構成され
ているので、ここではその詳細な説明は省略する。
【0061】次に、本発明のセラミックヒータ10の動
作について、発熱体をヒータ板に埋設した構造を採用し
ている図2のセラミックヒータにより説明する。まず、
制御部29を作動させることによりセラミックヒータ1
0に電力を投入すると、ヒータ板11自体の温度が上が
り始め、外周部の方の表面温度がやや低温になる。熱電
対27がこの変化を測温しており、その測温したデータ
は、記憶部30に一端格納される。
【0062】その後、この測温された温度データは、演
算部31に送られ、演算部31において、各測定点にお
ける温度の差ΔTを演算し、さらに、加熱面11aの温
度の均一化のために必要なデータΔWを演算する。例え
ば、発熱体12aと発熱体12bにおける温度差ΔTが
あり、発熱体12aの方が低ければ、ΔTを0にするよ
うな電力データΔWを演算し、これを制御部29に送信
して、これに基づいた電力を発熱体12aに投入して昇
温させるのである。
【0063】電力の計算アルゴリズムについては、ヒー
タ板11の比熱と加熱域の重量から昇温に必要な電力を
演算する方法が最も簡便であり、これに発熱体パターン
に起因する補正係数を加味してもよい。また、予め、特
定の発熱体パターンについて昇温試験を行い、測温位
置、投入電力、温度の関数を予め求めておき、この関数
から投入電力を演算してもよい。そして、演算部31で
演算された電力に対応する印加電圧と時間とを制御部2
9に送信し、制御部29でその値に基づいて各発熱体1
2に電力を投入することになる。
【0064】図3は、図2(a)と同様に、本発明のセ
ラミックヒータと、そのセラミックヒータの発熱体に電
力を供給する制御部と、上記測温素子により測定された
温度データを記憶する記憶部と、上記温度データから上
記発熱体に必要な電力を演算する演算部とを備えたセラ
ミックヒータ装置を図示するものであり、発熱体は図2
の場合のようにヒータ板内に埋設されているのではな
く、図1のセラミックヒータの場合と同様にヒータ板の
底面に設置されている。
【0065】このヒータ板11の底面11bに形成され
た発熱体12a、12bの周囲には金属被覆層24が形
成されており、その発熱体12a、12bには更に金属
被覆層24を介して端子ピン13が接続、固定されてい
る。また、その端子ピン13にはソケット32が取り付
けられており、そのソケット32には、電源を有する制
御部29に接続されている。なお、そのほかは、図2に
示したセラミックヒータと同様に構成されている。
【0066】図3に示したセラミックヒータ10の動作
も、図2に示したセラミックヒータと同様であり、2個
の熱電対の温度を一定時間毎に測定して記憶部30で記
憶し、このデータから演算部31で制御する電圧値等の
計算を行い、これに基づき、制御部29から発熱体12
a、12bに対して所定の電圧を印加して、セラミック
ヒータ10の加熱面11a全体の温度を均一化すること
ができるようになっている。
【0067】
【実施例】以下において、本発明に関し実施例に基づい
て更に詳細に説明するが、本発明は、この実施例により
何等限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に
基づいて把握されるものであることはいうまでもないこ
とである。 〈実施例1〉 窒化アルミニウム製のセラミックヒータ
(図1参照)の製造 (1) 窒化アルミニウム粉末(平均粒径:1.1μm)1
00重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)4重
量部、アクリル系バインダ12重量部及びアルコールか
らなる組成物をスプレードライし、顆粒状の粉末を作製
した。
【0068】(2) 次に、この顆粒状の粉末を金型に入
れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。こ
の生成形体にドリル加工を施し、シリコンウエハの支持
ピンを挿入する貫通孔15となる部分、熱電対を埋め込
むための有底孔14a〜14iとなる部分(直径:1.
1mm、深さ:2mm)を形成した。
【0069】(3) この加工処理の終った生成形体を18
00℃、圧力:200kg/cm2でホットプレスし、
厚さが3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。次に、
この板状体から直径12インチ(300mm)の円板体
を切り出し、セラミック製の板状体(ヒータ板)11と
した。
【0070】(4) 上記(3) で得たヒータ板11に、スク
リーン印刷にて導電ペーストを印刷した。印刷パターン
は、図1に示したような同心円状のパターンとした。導
電ペーストとしては、プリント配線板のスルーホール形
成に使用されている徳力化学研究所製のソルベストPS
603Dを使用した。この導電ペーストは、銀−鉛ペー
ストであり、銀100重量部に対して、酸化鉛(5重量
%)、酸化亜鉛(55重量%)、シリカ(10重量
%)、酸化ホウ素(25重量%)及びアルミナ(5重量
%)からなる金属酸化物を7.5重量部含むものであっ
た。また、銀粒子は、平均粒径が4.5μmで、リン片
状のものであった。
【0071】(5) 次に、導電ペーストを印刷したヒータ
板11を780℃で加熱、焼成して、導電ペースト中の
銀、鉛を焼結させるとともにヒータ板11に焼き付け、
発熱体12を形成した。銀−鉛の発熱体12は、厚さが
5μm、幅が2.4mm、面積抵抗率が7.7mΩ/□
であった。
【0072】(6) 硫酸ニッケル80g/l、次亜リン酸
ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、ほ
う酸8g/l及び塩化アンモニウム6g/lの濃度の水
溶液からなる無電解ニッケルめっき浴に上記(5) で作製
したヒータ板11を浸漬し、銀−鉛の発熱体12の表面
に厚さ1μmの金属被覆層(ニッケル層)を析出させ
た。
【0073】(7) 電源との接続を確保するための端子を
取り付ける部分に、スクリーン印刷により、銀−鉛半田
ペースト(田中貴金属製)を印刷して半田層を形成し
た。ついで、半田層の上にコバール製の端子ピン13を
載置して、420℃で加熱タフローし、端子ピン13を
発熱体12の表面に取り付けた。
【0074】(8) 温度制御のための熱電対を有底孔に挿
入し、ポリイミド樹脂を充填し、190℃で2時間硬化
させ、セラミックヒータ10を得た。
【0075】〈実施例2〉 炭化ケイ素製のセラミック
ヒータの製造 平均粒径1.0μmの炭化ケイ素を使用し、焼結温度を
1900℃とし、さらに得られたヒータ板の表面を15
00℃で2時間焼成して表面に厚さ1μmのSiO2
を形成したほかは、実施例1と同様にし、炭化ケイ素製
のセラミックヒータを製造した。
【0076】〈実施例3〉 発熱体を内部に有するセラ
ミックヒータの製造 (1) 窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製 平均粒径:
1.1μm)、イットリア(平均粒径:0.4μm)4
重量部、アクリルバインダ11.5重量部、分散剤0.
5重量部及び1−ブタノールとエタノールとからなるア
ルコール53重量部を混合したペーストを用い、ドクタ
ーブレート法により成形を行って、厚さ0.47mmの
グリーンシートを得た。
【0077】(2) それに続いて、このグリーンシートを
80℃で5時間乾燥させた後、パンチングにより直径
5.0mmのシリコンウエハ支持ピンを挿入する貫通孔
15となる部分、端子ピンと接続するためのスルーホー
ルとなる部分を設けた。
【0078】(3) 次に、平均粒子径1μmのタングステ
ンカーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ
3.0重量部、α−テルピオーネ溶媒3.5重量部及び
分散剤0.3重量部を混合して導電ペーストAを調製し
た。さらに、平均粒子径1μmのタングステンカーバイ
ト粒子100重量部、アクリル径バインダ1.9重量
部、α−テルピオーネ溶媒3.7重量部及び分散剤0.
2重量部を混合して導電ペーストBを調製した。
【0079】(4) この導電性ペーストAを用いて、グリ
ーンシートにスクリーン印刷で印刷し、導体ペースト層
を形成した。印刷パターンは、図1に図示したような同
心円パターンとした。また、端子ピンを接続するための
スルーホール用の貫通孔に導体ペーストBを充填した。
上記処理の終わったグリーンシートに、さらに、タング
ステンペーストを印刷しないグリーンシートを上側(加
熱面)に37枚、下側に13枚、130℃、80kg/
cm2の圧力で積層した。
【0080】(5) このようにして得られた積層体を窒素
ガス中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力1
50kg/cm2で3時間ホットプレスし、厚さ3mm
の窒化アルミニウム板状体を得た。これを300mmの
円板状に切り出し、内部に厚さ6μm、幅10mmの発
熱体を有するセラミックヒータとした。
【0081】(6) 次いで、前記(4) で得た板状体を、ダ
イヤモンド砥石で研磨した後、マスクを載置し、ガラス
ビーズによるブラスト処理で表面に熱電対のための有底
孔(直径:1.2mm、深さ:2.0mm)を設けた。
【0082】(7) その後、スルーホール用の貫通孔の一
部をえぐり取って凹部とし、この凹部にNi−Auから
なる金ろうを用い、700℃で加熱リフローしてコバー
ル製の端子ピンを接続させた。なお、端子ピンの接続
は、タングステンの支持体が3点で支持する構造が望ま
しい。それは接続信頼性を確保することができるからで
ある。
【0083】(8) さらに、温度制御のための複数の熱電
対を有底孔に挿入し、シリカゾルを埋め込み、100℃
で1時間乾燥させてセラミックヒータの製造を完了し
た。
【0084】〈実施例4〉実施例2と同様であるが、ポ
リイミドの代わりに市販のセラミックゾル(東亞合成製
商品名 アロンセラミック)を充填し、100℃で1
時間乾燥させた。
【0085】〈比較例〉実施例1と同様であるが、ポリ
イミド樹脂に代えて、金ろう(81.5%Au−17.
5%Ni)を使用し、1030℃で溶融させて熱電対を
接合させた。
【0086】〈性能試験〉200℃まで昇温した場合の
直径300mmの円板形状のセラミック板の最大温度と
最低温度の差を表面温度をサーモビュア(日本データム
株式会社 IR162012−0012)を用いて、実
施例、比較例について調べた。 実施例1 9℃ 実施例2 10℃ 実施例3 9℃ 実施例4 8℃ 比較例 20℃
【0087】〈実施例5〉本実施例では、実施例1のセ
ラミックヒータの表面から100μmの位置にシリコン
ウエハを支持ピン26を用いて支持し(図2a)、30
0℃まで昇温して加熱した。ウエハの最高温度と最低温
度の差は10℃であった。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように本発明のセラミック
ヒータによれば、正確な被加熱物の温度の測定が可能と
なり、この温度の測定結果に基づいて発熱体の発熱状態
を調整することにより、シリコンウエハ全体を均一に加
熱することができる。すなわち、本発明のセラミックヒ
ータでは、測温素子が直接セラミック板に接触し、耐熱
性樹脂またはセラミックで固定されているため、余分な
熱容量が存在せず、温度変化を正確に電流に変換でき、
その結果として正確な温度測定が可能となり、この温度
の測定結果に基づいて発熱体の発熱状態を調整すること
により、被加熱物を均一に加熱することが可能となる。
【0089】また、発熱体を保持する窒化物セラミック
や炭化物セラミックは、熱膨張係数が金属よりも小さ
く、機械的な強度が金属に比べて格段に高いため、セラ
ミック板(以下、ヒータ板という)の厚さを薄くして
も、加熱により反ったり、歪んだりしない。そのため、
ヒータ板を薄くて軽いものとすることができる。さら
に、ヒータ板の熱伝導率が高く、ヒータ板自体が薄いた
め、ヒータ板の表面温度が、発熱体の温度変化に迅速に
追従する。即ち、電圧、電流値を変えて発熱体の温度を
変化させることにより、ヒータ板の表面温度を的確に制
御することができる。以上のとおり本発明は卓越した効
果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックヒータの1例を模式的に示
す図面であり、発熱体をヒータ板底面に備えたセラミッ
クヒータ全体を底面側から見た図である。
【図2】(a)は、本発明の発熱体をヒータ板内部に埋
設し、かつ部分断面図で図示されたセラミックヒータに
付帯設備を具備したセラミックヒータ装置のブロック線
図である。(b)は、セラミックヒータの有底孔の部分
を部分拡大した断面図である。
【図3】本発明の発熱体をヒータ板底面に備え、かつ部
分断面図で図示されたセラミックヒータに付帯設備を具
備したセラミックヒータ装置のブロック線図である。
【符号の説明】
10 セラミックヒータ 11 ヒータ板 11a 加熱面 11b 底面 12 発熱体 13 端子ピン 14 有底孔 15 貫通孔 19 シリコンウエハ 24 金属被覆層 26 支持ピン 27 熱電対 28 スルーホール 29 制御部 30 記憶部 31 演算部 32 ソケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古川 正和 岐阜県揖斐郡揖斐川町北方1−1 イビデ ン株式会社大垣北工場内 Fターム(参考) 3K058 AA86 BA00 CA12 CA23 CA61 CA69 CB23 CE02 CE13 CE19 CE23 3K092 PP20 QA05 QB02 QB18 QB33 QB43 QB51 QB61 QB75 QC02 QC18 QC37 QC52 RF03 RF11 RF17 RF22 RF27 TT30 UA05 VV22 5F046 KA04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック板の表面又は内部に発熱体を
    形成してなるセラミックヒータにおいて、 被加熱物を加熱する加熱面の反対側から加熱面に向けて
    有底孔を設けるとともに、 この有底孔に測温素子を設け、絶縁材を充填したことを
    特徴とするセラミックヒータ。
  2. 【請求項2】 前記有底孔の底と加熱面との距離は、
    0.1mm〜セラミック板の厚さの1/2である請求項
    1又は2に記載のセラミックヒータ。
  3. 【請求項3】 前記被加熱物をセラミック板に載置する
    か又はセラミック板の表面から離間して、加熱する請求
    項1又は2に記載のセラミックヒータ。
  4. 【請求項4】 前記発熱体の回路は複数に分割されてな
    る請求項1ないし3のいずれか1に記載のセラミックヒ
    ータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009009795A (ja) * 2007-06-27 2009-01-15 Taiheiyo Cement Corp セラミックスヒーター

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