JP2003302966A - 演奏装置 - Google Patents

演奏装置

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JP2003302966A
JP2003302966A JP2002107749A JP2002107749A JP2003302966A JP 2003302966 A JP2003302966 A JP 2003302966A JP 2002107749 A JP2002107749 A JP 2002107749A JP 2002107749 A JP2002107749 A JP 2002107749A JP 2003302966 A JP2003302966 A JP 2003302966A
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sounding
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actuator
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performance
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JP2002107749A
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Shigeru Muramatsu
繁 村松
Kiyoshi Kawamura
潔 河村
Tatsuya Makino
達也 牧野
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Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発音特性の自由な可変制御を可能にして、表
現力豊かな演奏を実現する。 【解決手段】 共鳴部SYA、Cは、ガラス材の響板3
1及び筐体部34と発音音量を抑制する内装部材42、
43とで構成される。共鳴部SYB、Dには内装部材が
なく、響板31及び筐体部34は金属で構成される。各
音ユニットST毎に、響板及び筐体部の形状及び材質の
違い、さらには内装部材の有無により、発音音量の大き
さが、STA<STB<STC<STDとなっている。
リードREが弾奏により振動すると響板31が振動し、
筐体部34で共鳴する。アクチュエータ選択テーブルを
参照し、演奏データのイベントデータIで規定されるベ
ロシティ値がどの範囲に属するかによって、実際に発音
する発音ユニットSTを選択し、その中で、キーナンバ
knに対応するアクチュエータSOLを駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、ソレノイドコイ
ル等のアクチュエータを用いてリード等の発音体を発音
させるオルゴール等の演奏装置に関する。
【0002】
【従来の技術】オルゴール等の演奏装置は、発音用の複
数のリードと、突起部を設けて成るバレルドラムとから
構成され、バレルドラムが回転し、上記突起部が所定の
リードを順次弾く(乃至撥く)ことで、曲を演奏するも
のが一般的である。しかし近年、バレルドラムを用いる
ことなく、演奏データに基づきソレノイドコイル等を電
気的に駆動制御してリードを発音させるようにした演奏
装置も既に知られている。
【0003】例えば、第1の従来の演奏装置では、複数
のリードに対して共通に設けられた円柱状の回転シリン
ダの外周面に、各リードに対応して穴を複数設け、これ
ら複数の各穴にピンを挿入し、回転シリンダを回転させ
つつ、音楽データに基づいて電磁石でピンを選択的に突
出させ、突出したピンでリードを弾くことで発音させる
ようにしている。
【0004】また、第2の従来の演奏装置では、発音体
としてのリードに対応して複数のハンマを設けると共
に、ソレノイドコイルをターンテーブル上に設け、プロ
グラム制御によって、ターンテーブルを回転させてソレ
ノイドコイルで複数のハンマの被打撃部を選択的に打撃
することで、ハンマを介してリードを駆動するようにし
ている。
【0005】一方、発音特性として、例えば音量調整を
可能にしたオルゴールが知られている。例えば、第3の
従来の演奏装置では、オルゴールの上蓋を任意の開き角
度で係止できるように構成し、上蓋の開き角度で、発音
体から発する音の音量を調整することができるようにし
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
3の従来の演奏装置では、オルゴール全体が発生する音
量が調整できるだけであり、発音体個々の音を個別に音
量制御できないため、豊かな演奏表現をするには不十分
である。
【0007】ところで、上記第1の従来の演奏装置を応
用し、音楽データが示すベロシティに応じてピンの突出
量を調節することで、リードを弾く強さを異ならせると
いう制御手法が考えられる。また、上記第2の従来の演
奏装置を応用し、プログラム制御によって、ベロシティ
に応じてハンマの被打撃部を打撃する強さを調節するこ
とで、リードを駆動する強さを異ならせるという制御手
法が考えられる。これらの制御手法では、リードを弾
く、あるいは駆動する強さを変えることで、リードの振
動の大きさ(振幅)を異ならせ、その結果、音量を可変
制御することが期待できる。
【0008】しかしながら、リードの振動の大きさが異
なっていても、実際に聞こえる音の音量差としてはあま
り大きな違いとして表れず、リードを弾く強さ等の駆動
態様だけでは音量に十分な大小を付けて発音制御するこ
とが困難である。従って、音量制御による豊かな演奏を
実現することが困難であるという問題があった。
【0009】なお、音色の制御については従来の演奏装
置では一層困難であり、音量だけでなく音色制御を含め
て表現力のある演奏を実現する上でも、改善の余地があ
った。
【0010】本発明は上記従来技術の問題を解決するた
めになされたものであり、その目的は、発音特性の自由
な可変制御を可能にして、表現力豊かな演奏を実現する
ことができる演奏装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の請求項1の演奏装置は、担当音高の異なる複
数の発音体を有する発音ユニットが複数ユニット設けら
れ、略同一音高を担当する発音体が前記複数の各発音ユ
ニットに配分されて構成される演奏装置であって、前記
複数の各発音ユニットに対応して設けられ、対応する発
音ユニットにそれぞれ接続された、互いに発音特性の異
なる複数の共鳴部と、前記発音体に作用することで該発
音体を発音させることが可能な発音体駆動部材と、前記
発音体駆動部材を駆動するアクチュエータと、演奏デー
タに基づいて前記アクチュエータを制御する制御手段と
を有し、前記制御手段は、前記演奏データに基づいて、
前記複数の発音ユニットの少なくとも1つの発音ユニッ
ト内の発音体のうち、前記演奏データで規定される音高
に対応する発音体を発音させるように前記アクチュエー
タを制御することを特徴とする。
【0012】この構成によれば、発音特性の自由な可変
制御を可能にして、表現力豊かな演奏を実現することが
できる。例えば、音量可変制御及び/又は音色可変制御
をすることができる。
【0013】上記請求項1記載の構成において、例え
ば、前記制御手段は、前記複数の発音ユニットの中から
前記演奏データで規定されるベロシティに応じて少なく
とも1つの発音ユニットを選択すると共に、該選択した
発音ユニット内の発音体のうち前記演奏データで規定さ
れる音高に対応する発音体を発音させるように前記アク
チュエータを制御するようにしてもよい。これにより、
音量可変制御をすることができる。
【0014】上記請求項2記載の構成において、前記発
音体駆動部は前記複数の各発音ユニットにつき少なくと
も1つ設けられ、前記制御手段は、選択する発音ユニッ
トの数を前記ベロシティに応じて決定することが望まし
い。これにより、発音する発音ユニットの数によって音
量可変制御を行うことができる。
【0015】上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の
構成において、例えば、前記発音特性には、音量及び音
色の少なくとも一方が含まれる。これにより、選択する
発音ユニットで、音量及び音色の少なくとも一方を制御
することができる。
【0016】本発明の請求項5の演奏装置は、担当音高
の異なる複数の発音体を有する発音ユニットが複数ユニ
ット設けられ、略同一音高を担当する発音体が前記複数
の各発音ユニットに配分されて構成される演奏装置であ
って、前記発音体に作用することで該発音体を発音させ
ることが可能な発音体駆動部材と、前記発音体駆動部材
を駆動するアクチュエータと、演奏データに基づいて前
記アクチュエータを制御する制御手段とを有し、前記制
御手段は、前記複数の発音ユニットの中から前記演奏デ
ータで規定されるベロシティに応じて少なくとも1つの
発音ユニットを選択すると共に、該選択した発音ユニッ
ト内の発音体のうち前記演奏データで規定される音高に
対応する発音体を発音させるように前記アクチュエータ
を制御することを特徴とする。
【0017】この構成によれば、発音音量の自由な可変
制御を可能にして、表現力豊かな演奏を実現することが
できる。例えば、選択する発音ユニットの数によって音
量制御することができる。
【0018】上請求項5記載の構成において、前記発音
体駆動部は前記複数の各発音ユニットにつき少なくとも
1つ設けられ、前記制御手段は、選択する発音ユニット
の数を前記ベロシティに応じて決定するのが望ましい。
これにより、発音する発音ユニットの数によって音量可
変制御をすることができる。
【0019】上記請求項5記載の構成において、前記複
数の発音ユニットは、同一音高の発音に関し、少なくと
も2つの発音ユニット間で発音音量が異なるように構成
されていることが望ましい。これにより、選択する発音
ユニットまたはその組み合わせによって音量可変制御を
することができる。
【0020】上記請求項7記載の構成において、前記複
数の各発音ユニットには、それぞれ共鳴特性の異なる共
鳴部が接続されることで、前記各発音ユニット間で発音
音量が異なるようにしてもよい。これにより、音量に十
分な大小を付けて制御することができる。
【0021】本発明の請求項9の演奏装置は、略同一音
高を担当する複数の発音体が複数音高分設けられて成る
発音体群と、前記発音体に作用することで該発音体を発
音させることが可能な発音体駆動部材と、前記発音体駆
動部材を駆動するアクチュエータと、演奏データに基づ
いて前記アクチュエータを制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記演奏データで規定される音高に対
応する複数の発音体のうち、前記演奏データで規定され
るベロシティに応じた数の発音体が発音するように前記
アクチュエータを制御することを特徴とする。
【0022】この構成によれば、発音する発音体の数で
発音音量の自由な可変制御を可能にして、表現力豊かな
演奏を実現することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0024】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施の形態に係る演奏装置の平面図である。図2
は、図1のA−A線に沿う断面図である。なお、図1で
は、後述する発音口36の図示が省略されている。
【0025】本装置は、例えばオルゴール装置として構
成され、後述するアクチュエータSOLを電気的に駆動
制御して、発音体であるリードREを弾く(乃至撥く)
ように駆動して発音させる(以下、「弾奏」と表現す
る)ように構成される。
【0026】図2に示すように、本装置は、4つの発音
ユニットST(STA、STB、STC、STD)が上
から順に積層配置されて構成される。各発音ユニットS
Tは、共鳴部SYに円筒状の中央支柱33が連結されて
構成される。例えば、発音ユニットSTAについては、
円筒状の中央支柱33Aの上部にリード基端部32Aが
一体に形成されると共に、中央支柱33Aの下端部には
円盤状の延設台38Aが一体に形成されている。基端部
32AからはリードREAが延設されている。また、延
設台38AにはアクチュエータSOLAが複数配設され
る。
【0027】なお、以降、中央支柱33、リードRE、
アクチュエータSOL等の各発音ユニットSTにほぼ共
通の構成要素として各々設けられるものについて、発音
ユニットST毎に特に区別して述べるときは、各々に
“A”、“B”、“C”、“D”を付記し、「リードR
EA」、「アクチュエータSOLA」等のように表記す
る。
【0028】図1に示すように、発音ユニットSTAに
ついては、基端部32AからリードRE(REA)が延
設されている。各リードREAは、基端部32Aから外
周方向に向かって平面的に放射状に複数(例えば24
本)延びており、リードREAの先端部REaA同士の
円周方向の間隔が確保されている。リードREAの先端
部REaAは円状に並ぶが、以降、先端部REaAで形
成される円(以下、「リード円」と称する)を基準とし
て、本装置における「内周方向」、「外周方向」、「円
周方向」の語を用いる。
【0029】アクチュエータSOLAは、延設台38A
の外縁部近傍の上面において、各リードREAに対応し
て設けられる。各リードREAの長さ及び幅は担当する
音高に応じて設定されている。特に個々のリードREA
を指すときは、担当する音高を「k48〜k71」で表
し、最も長いリードREA(k48)から順に、図1の
反時計方向に向かってリードREA(k49)、リード
REA(k50)…リードREA(k71)というよう
に表記する。また、アクチュエータSOLAについて
も、対応するリードREAと同様に最低音高から順に、
アクチュエータSOLA(k48)…アクチュエータS
OLA(k71)というように表記する。
【0030】他の発音ユニットSTB〜STDについて
も、リードRE及びアクチュエータSOLの構成は発音
ユニットSTAのものと同様であり、各24本のリード
REについても発音ユニットSTAの各リードREAと
略同じ音高を担当するようになっている。従って、例え
ば、リードREA(k48)、REB(k48)、RE
C(k48)、RED(k48)は互いに同一音高を担
当する。以降、これら4本の組を、「同一音高組」とも
呼称する。
【0031】共鳴部SYAは、円盤状の響板31Aと、
上部が開口した円形の箱体である筐体部34Aと、内装
部材42とで構成される。響板31Aは、中央支柱33
Aの穴33aAと略同径の穴31aAを有する。筐体部
34Aは、底部中央に穴33aAと略同径の穴34aA
を有する。
【0032】本実施の形態では、響板31A及び筐体部
34Aは共にガラス材で構成されている。響板31A
は、中央支柱33Aからの振動が伝達されやすいよう
に、穴31aA近傍の上面部が中央支柱33Aの下端部
に適当な圧力をもって接着等により固定されている。響
板31Aはまた、外縁部近傍の下面が筐体部34Aの突
縁部上部に接着等により固定されている。リードREA
が弾奏により振動すると、それが中央支柱33Aを介し
て響板31Aに伝達され、響板31Aが振動し、筐体部
34Aで共鳴が生じて拡大発音される。また、図2に示
すように、発音ユニットSTAの中央支柱33Aの上部
には、ラッパ状に開口する発音口36が設けられてい
る。これにより、共鳴部SYAにより拡大された音響
が、発音口36によって効率よく外部へ放音される。な
お、共鳴部SYB〜SYDの音響も、穴33a、31
a、34aを通じて発音口36から放音される。
【0033】内装部材42は、例えばポリウレタン等の
発泡材でドーナツ状に形成され、共鳴部SYAの内部に
おいて、響板31A及び筐体部34Aに当接するように
固着されている。内装部材42は、響板31Aの振動を
少し抑え、共鳴部SYAで発音される音量を抑制するた
めに設けられる。
【0034】一方、共鳴部SYBは、響板31Bと筐体
部34Bとで構成される。響板31B及び筐体部34B
は、材質、形状を含めて響板31A及び筐体部34Aと
同様に構成される。ただし、共鳴部SYBには、内装部
材42に相当するものが設けられていない。従って、同
一音高に関し、共鳴部SYBは、共鳴部SYAよりも大
きい音量で発音するようになっている。
【0035】共鳴部SYC、共鳴部SYDについても共
鳴部SYAと基本的に同様に構成されるが、共鳴部SY
C、共鳴部SYDでは、響板31C、31Dと筐体部3
4C、34Dの厚みが響板31A、筐体部34Aより薄
く、且つ材質として金属(鉄等)が採用されている。ま
た、共鳴部SYCには内装部材42と同様の内装部材4
3が設けられるが、共鳴部SYDには内装部材が設けら
れていない。このような構成に違いにより、同一音高の
発音に関し、各発音ユニットSTによる発音音量の大き
さは、STA<STB<STC<STDとなっている。
【0036】各共鳴部SY間には、制震部材39、4
0、41が設けられる。例えば、制震部材39は、筐体
部34Aと中央支柱33Bとの間に介装され、発音ユニ
ットSTAと発音ユニットSTBとの間の振動の伝達を
抑制する。制震部材40、41も同様に、筐体部34B
と中央支柱33Cとの間、筐体部34Cと中央支柱33
Dとの間にそれぞれ介装される。
【0037】次に、リードRE及びアクチュエータSO
Lの1つの組についてのみその構成を詳細に説明する。
図3は、アクチュエータSOL及びその近傍を示す図で
ある。同図(a)はアクチュエータSOLの部分拡大平
面図であり、同図(b)は同図(a)のB−B線に沿う
断面図である。
【0038】アクチュエータSOLは、図3(b)に示
すように、ヨーク23、ソレノイドコイル21及びプラ
ンジャ26を備える。また、ソレノイドコイル21の中
心部には、リードREを弾くためのピック部22(発音
体駆動部材)が備えられる。
【0039】プランジャ26は上下方向に往復運動可能
に構成されており、ソレノイドコイル21に駆動電流が
供給されると、磁力が発生してプランジャ26が突出動
作する。プランジャ26の上端部には、リード円の半径
方向に平行な溝部27が形成されている。ピック部22
は角棒状に形成され、溝部27に設けられた回動軸24
がピック部22の下端部22aを貫通している。これに
よって、ピック部22が回動軸24を中心としてリード
円の半径方向に回動自在にされる。
【0040】ピック部22の上部にはバネ25が取り付
けられている。バネ25は、同図(b)に示すような非
駆動時(以下、「初期状態」と称する)においては、引
張力をほとんど有しないが、駆動後にピック部22が上
昇したときに延びて引張力を発生し、ピック部22をリ
ード円の外周方向に付勢するように構成されている。
【0041】また、ソレノイドコイル21の周囲をカバ
ーするヨーク23は、内周方向がやや上方に突出して偏
向ヨーク(乃至偏心ヨーク)となっている。これによ
り、電流供給状態では、ピック部22が内周方向に常に
付勢され、内周方向に傾いている。ピック部22が内周
方向に常に付勢された状態で上昇したとき、ピック部2
2の上端部22bがリードREの先端部REaを適当な
位置で弾く(撥く)ように設定されている。
【0042】ただし、ヨーク23によるピック部22に
対する内周方向への付勢力は、ピック部22が上昇した
ときにおけるバネ25の引張力による外周方向への付勢
力よりも小さい値に設定されている。また、ピック部2
2には、段差部22cが形成されている。そして、ピッ
ク部22が上昇してリードREを駆動する時点で、段差
部22cがヨーク23の内周側上端部23aとほぼ同じ
高さ位置に到達するように設定されている。段差部22
cがヨーク23の内周側上端部23aを通過して上方に
位置するようになると、ピック部22のヨーク23から
の距離が急に大きくなるため、偏向ヨークによる内周方
向への付勢力が急速に減少する。これらにより、ピック
部22は、リードREの駆動後にバネ25によって外周
方向に傾き、ピック部22が下降する際にリードREに
干渉することがない。
【0043】図4は、本演奏装置の制御機構の構成を示
すブロック図である。
【0044】本装置は、CPU11(制御手段)に、バ
ス15を通じて、ROM12、RAM13、MIDIイ
ンターフェイス(MIDII/F)14、タイマ16、
ドライバ(PWM(パルス幅変調))17、外部記憶装
置18及び操作部19が接続されて構成される。
【0045】CPU11は、本装置全体の制御を司る。
ROM12は、CPU11が実行する制御プログラムや
テーブルデータ等の各種データを記憶する。MIDII
/F14は、不図示のMIDI機器等からの演奏データ
をMIDI(Musical Instrument Digital Interface)
信号として入力する。RAM13は、演奏データ、テキ
ストデータ等の各種入力情報、各種フラグやバッファデ
ータ及び演算結果等を一時的に記憶する。ドライバ17
は、アクチュエータSOLを駆動制御する。タイマ16
は、タイマ割り込み処理における割り込み時間や各種時
間を計時する。外部記憶装置18は、フラッシュメモリ
等で構成され、演奏データ等のデータを記憶することが
できる。操作部19は、不図示の各種操作子を有し、自
動演奏のスタート/ストップの指示、曲選択等の指示、
各種設定等を行う。
【0046】後述するように、CPU11は、演奏デー
タ中のイベントデータで規定される音高(キーナンバk
n)に対応するリードREを発音させるべく、後述する
アクチュエータ選択テーブルを参照し、適切なアクチュ
エータSOLに対して駆動電流を送るよう制御する。駆
動電流を受けたアクチュエータSOLでは、まず、図3
(b)に示す初期状態からプランジャ26が上昇して、
ピック部22の上端部22bがリードREの先端部RE
aを弾く。先端部REaを弾いた後には、ピック部22
はややリード円の外周方向へ逃げ、プランジャ26が上
昇端まで上昇した後、バネ25により引っ張られて外周
方向を大きく逃げる。次に、駆動電流が遮断されて、プ
ランジャ26が自重及びバネ25の引張力によって下降
する際、ピック部22は外周方向へ傾いているので、リ
ードREに干渉することなく初期状態へと復帰する。
【0047】演奏データは、MIDII/F14から入
力する等によって外部記憶装置18に記憶される。ある
いは、ROM12に予めプリセット曲として数曲分記憶
しておいてもよい。
【0048】図5は、演奏データの構成を示す図であ
る。演奏データは、自動演奏を行うためのMIDIコー
ドであり、デルタタイムデータΔt、イベントデータ
I、エンドコード等で構成される。デルタタイムデータ
Δtは、イベントデータIの発生タイミングを示すデー
タである。イベントデータIは、楽音の発音を指示する
ためのキーオン(ノートオン)イベントデータと、発音
された楽音の消音を指示するためのキーオフ(ノートオ
フ)イベントデータと、これらのイベントの音高を示す
ノートナンバと、これらのイベントのベロシティを示す
ベロシティデータとにより構成されている。エンドコー
ドは当該曲の終わりを示す。演奏データにはこの他、当
該曲全体のテンポを示すテンポデータ(図示せず)等も
含まれている。
【0049】図6は、本実施の形態で用いられるアクチ
ュエータ選択テーブルの構成例を示す図である。アクチ
ュエータ選択テーブルは、ROM12に予め格納されて
いる。アクチュエータ選択テーブルでは、キーナンバk
nとベロシティ値範囲の組み合わせに対して、駆動され
るべきアクチュエータSOLが対応付けられている。な
お、簡略化するために、アクチュエータSOL(n)に
ついては、同図上では「SOL」を省略して表記し、例
えば、「SOLA(k48)」のことを「A(k4
8)」のように記す。
【0050】キーナンバkn(n=48〜71)は、演
奏データのイベントデータIのノートナンバによって規
定される音高を示し、最低音高のk48〜最高音高のk
71まで設定されている。ベロシティ値範囲は、ベロシ
ティの値(0〜127)を4段階に分けて設定され、ベ
ロシティ値範囲「0〜31」、「32〜63」、「64
〜95」、「96〜127」はそれぞれ、発音ユニット
STA、STB、STC、STD(乃至アクチュエータ
SOLA、SOLB、SOLC、SOLD)に対応して
いる。本実施の形態では、イベントデータIで規定され
るベロシティ値がどの範囲に属するかによって、実際に
発音する発音ユニットSTが規定される。
【0051】図7は、本実施の形態におけるメイン処理
のフローチャートを示す図である。本処理は、装置電源
投入時に開始される。
【0052】まず、初期化処理、すなわち所定プログラ
ムの実行を開始し、各種レジスタをクリアして初期設定
を行い(ステップS101)、操作部19におけるスタ
ート/ストップスイッチ(図示せず)が押下されたか否
かを判別する(ステップS102)。その判別の結果、
スタート/ストップスイッチが押下されていない場合は
ステップS104に進む一方、押下された場合は、自動
演奏の実行中であることを「1」で示す演奏フラグRU
Nを、|RUN−1|として(ステップS103)、前
記ステップS104に進む。
【0053】ステップS104では、その他処理(曲選
択等)を指示する操作があったか否かを判別し、その他
処理を指示する操作があった場合は、その操作に応じた
処理を実行して(ステップS105)、前記ステップS
102に戻る一方、ない場合は直ちに前記ステップS1
02に戻る。
【0054】図8は、本実施の形態における再生処理の
フローチャートを示す図である。本処理は、例えば、1
0ms毎の割込処理によって実行される。この間隔は、
上記テンポデータや操作部19で設定されたテンポで決
定される。
【0055】まず、演奏フラグRUN=1であるか否か
を判別し(ステップS201)、RUN=1でない場合
は本処理を終了する一方、RUN=1である場合は、演
奏データ(図5参照)の読み出しタイミングを示す変数
TIMEをデクリメントして(ステップS202)、T
IMEが「0」になったか否かを判別する(ステップS
203)。その判別の結果、TIMEが「0」になって
いない場合は本処理を終了する一方、TIMEが「0」
になった場合は、演奏データの読み出し位置を示すポイ
ンタを進めて演奏データ中の次のデータを読み出す(ス
テップS204)。
【0056】次に、演奏データから読み出したデータが
デルタタイムデータΔtであるか否かを判別し(ステッ
プS205)、デルタタイムデータΔtである場合は、
TIMEにそのデルタタイムデータΔtの値を設定して
(ステップS206)、本処理を終了する一方、デルタ
タイムデータΔtでない場合は、読み出したデータがエ
ンドコードであるか否かを判別し(ステップS20
7)、エンドコードである場合は、ポインタを演奏デー
タの先頭に戻して(ステップS208)、前記ステップ
S204に戻る。一方、読み出したデータがエンドコー
ドでない場合は、読み出したデータはイベントデータI
であるので、そのイベントデータIに応じて、後述する
図9のイベント処理を実行し(ステップS209)、前
記ステップS204に戻る。
【0057】図9は、図8のステップS209で実行さ
れるイベント処理のフローチャートを示す図である。
【0058】まず、読み出したイベントデータIがノー
トイベントであるか否かを判別し(ステップS30
1)、その判別の結果、ノートイベントでない場合は、
そのイベントデータIに応じた処理を実行して(ステッ
プS304)、本処理を終了する一方、ノートイベント
である場合は、それがノートオン(キーオンイベントデ
ータ)であるか否かを判別する(ステップS302)。
【0059】その判別の結果、ノートオンでない場合は
本処理を終了する一方、ノートオンである場合は、ステ
ップS303に進んで、アクチュエータ選択テーブルを
参照し、そのキーオンイベントデータが示すキーナンバ
knとベロシティ値が属するベロシティ値範囲とに対応
するアクチュエータSOLを選択し、選択したアクチュ
エータSOLを駆動するように制御して、本処理を終了
する。例えば、キーナンバkn=k49、ベロシティ値
=20であった場合は、アクチュエータ選択テーブルか
ら、アクチュエータSOLA(k49)が選択され駆動
される結果、リードREA(k49)が単独で発音す
る。
【0060】本実施の形態によれば、各音ユニットST
毎に、響板31及び筐体部34の形状及び材質の違い、
さらには内装部材の有無により、4つの発音ユニットS
Tによる発音音量の大きさが異なるように構成し、演奏
データで規定されるベロシティ値が属する範囲に基づ
き、いずれか1つの発音ユニットSTで発音されるよう
にしたので、演奏データに従って、音量に十分な大小を
付けて発音制御することを可能にして、表現力豊かな演
奏を実現することができる。
【0061】また、アクチュエータSOLは、各リード
REに対応して設けられたので、各アクチュエータSO
Lを独立して駆動制御することが可能であり、複数音高
のリードREの同時駆動により和音の同時発音が可能に
なるだけでなく、複雑なメロディの演奏も容易となる。
従って、アコースティックな演奏装置でありながら多彩
な演奏を楽しむことができる。さらに、アクチュエータ
SOLは演奏データに基づいて駆動制御されるようにし
たので、演奏データを選択することで、多種類の曲を演
奏させることができ、曲を変更することも容易である。
【0062】(第2の実施の形態)第1の実施の形態で
は、ベロシティ値が属する範囲に基づいて、発音する発
音ユニットSTをいずれか1つだけ選択するようにし
た。しかし、本第2の実施の形態では、発音する発音ユ
ニットSTの数を変更する。従って、本実施の形態で
は、アクチュエータ選択テーブルのみが第1の実施の形
態と異なり、図6に代えて図10を用いて説明する。そ
の他は第1の実施の形態と同様である。
【0063】図10は、第2の実施の形態で用いられる
アクチュエータ選択テーブルの構成例を示す図である。
同図に示すように、ベロシティ値範囲「0〜31」、
「32〜63」、「64〜95」、「96〜127」に
対して、発音ユニットSTは「STA」、「STA+S
TB」、「STA+STB+STC」、「STA+ST
B+STC+STD」が対応している。
【0064】本実施の形態では、例えば、演奏データ
が、キーナンバkn=k49、ベロシティ値=40を規
定するものであった場合は、アクチュエータ選択テーブ
ルから、アクチュエータSOLA(k49)及びアクチ
ュエータSOLB(k49)が選択され駆動される結
果、リードREA(k49)及びリードREB(k4
9)が略同時に発音する。
【0065】本実施の形態によれば、演奏データで規定
されるベロシティ値が属する範囲が大きい値の範囲であ
るほど、多数の発音ユニットSTで発音されるようにし
たので、演奏データに従って、第1の実施の形態に比
し、音量により一層十分な大小を付けて発音制御するこ
とが可能となる。
【0066】なお、本実施の形態のように、発音ユニッ
トSTの数で音量制御を行うためのアクチュエータ選択
テーブルを用いる場合は、4つの発音ユニットSTによ
る発音音量が同一となるように構成したとしても、音量
可変制御は可能である。
【0067】なお、本実施の形態では、発音する発音ユ
ニットSTの数を増やすことで音量が大きくなるように
制御したが、発音する発音ユニットSTの組み合わせを
変えることで音量制御するようにしてもよい。その場
合、少なくとも2つの発音ユニットST間で発音音量が
異なるように構成すると共に、ベロシティ値が属する範
囲が大きい値の範囲であるほど音量が大きくなるよう
に、発音ユニットSTの数とその組み合わせを設定した
アクチュエータ選択テーブルを用いるようにすればよ
い。例えば、各発音ユニットSTによる発音音量の大き
さの設定は、STA=STB<STC=STDとし、ベ
ロシティ値範囲「0〜31」、「32〜63」、「64
〜95」、「96〜127」にそれぞれ、「STAの
み」、「STA+STB」、「STC+STD」、「S
TA+STC+STD」を対応させたアクチュエータ選
択テーブルを用いればよい。
【0068】なお、本実施の形態では、各発音ユニット
STに配分された同一音高を担当する4本のリードRE
は、完全同一音高に設定してもよいが、あえてピッチを
僅かにずらしてもよい。ピッチをずらすことで、同時に
発音するいわゆるマルチリード発音時に音に深みを増す
ことができる。
【0069】なお、第1、第2の実施の形態では、共鳴
部SYの響板31、筐体部34の材質、形状や、内装部
材42、43の有無で、各発音ユニットSTにおける音
量が異なるように構成したが、音量を異ならせるための
構成は、これらに限定されない。
【0070】図11は、第1、第2の実施の形態に対す
る変形例の演奏装置における発音ユニットSTの一部を
示す部分図である。同図は特に、図2に示す発音ユニッ
トSTAにおける響板31の右半分近傍に対応する部分
を示している。
【0071】発音音量は、中央支柱33の下端面33b
と響板31とが接する半径方向の長さL1、響板31の
大きさ(直径φD1)及び厚みT1等によって異なる。
例えば、長さL1は、長すぎると当接による中央支柱3
3と響板31との圧力が小さくなって、振動の伝達効率
が悪くなり、音量が小さくなるが、長さL1を適当に短
くすることで、当接面積を小さくして圧力を増加させ、
音量を大きくすることができる。また、響板31の直径
φD1や厚みT1を変えれば、発音面積や振動の内部損
失等が変化し、音量に違いを出すことができる。このよ
うに、響板31を支持する構造(中央支柱33との当接
状態)、響板31の内径や外郭を含む形状、さらには筐
体部34との接続形態を変えることで、音量を異ならせ
ることができる。さらに、響板31の材質についても、
例示したガラス材、金属に限らず、各種木材、合成樹
脂、硬質ゴム、軟質ゴム等、各種採用可能であり、それ
ぞれの性質に応じて音量差が生じる。
【0072】筐体部34についても同様で、形状、材質
によって音量差を設けることができる。内装部材42、
43についても、その有無だけでなく、形状、材質、固
着状態等を異ならせることによって音量差を設けること
ができる。
【0073】ここで、一般論としては、音圧は響板の面
積に比例して増大するので、響板の直径を大きくすれ
ば、面積が大きくなって音量が増加する。また、響板の
厚みが厚いほど、重くなり、振動もしにくくなるので、
振幅も小さくなって、音量が減少する。従って、響板の
厚みを薄くすれば、音量が増加する。さらに、筐体部の
厚みが厚いと響板の支持状態がしっかりとするので、低
音については音量が若干増加する。また、筐体部自体も
少しは振動するので、音量に僅かに寄与するが、筐体部
の厚みが厚いと音量への寄与は少なくなる。よって、こ
れらの事項を考慮して響板31、筐体部34等を設計す
ることで、音量差や音色差をある程度自由に設けること
ができる。
【0074】さらには、音量は、振動部材の音速値によ
っても異なる。ヤング率をE、ポアソン比をρとする
と、音速値は、E/ρが大きいほど大きく、音速値に応
じて音量も増加する。よって、響板31や筐体部34等
の材質を選定する上で、各材料の音速値を考慮すること
で、適切な音量差や音色差を設けることができる。ま
た、音色の点でも、複数の材料を組み合わせることで多
様な音色が得られる場合があるので、この場合も、各材
料の音速値を考慮するのが望ましい。
【0075】なお、響板31及び筐体部34が同一材料
で構成される場合は、両者を一体に形成してもよい。
【0076】(第3の実施の形態)第1の実施の形態で
は、響板31、筐体部34、内装部材42、43の構成
差で各発音ユニットST毎に音量差を設けたが、音量差
を設ける観点からは、各共鳴部SYの共鳴特性が異なれ
ばよく、筐体部及び内装部材を省略して響板だけで音量
差を設けることは可能である。本実施の形態では、発音
ユニットSTの構成が第1の実施の形態と異なり、図2
に代えて図12を用いて説明する。その他は基本的に第
1の実施の形態と同様である。
【0077】図12は、第3の実施の形態に係る演奏装
置の図2に対応する断面図である。同図に示すように、
発音ユニットSTA’、STB’の各響板131A、1
31Bは、厚みがt1で共通し、発音ユニットST
C’、STD’の各響板131C、131Dは、厚みが
t2で共通する(t1>t2)。各響板131の直径
は、響板131A、131B、131C、131Dの順
で大きくなっている。このような形状設定により、第1
の実施の形態と同様に、各発音ユニットSTによる発音
音量の大きさは、STA’<STB’<STC’<ST
D’となっている。
【0078】発音ユニットSTA’、STB’、ST
C’、STD’間にはそれぞれ、制震部材139、14
0、141が設けられる。共鳴箱134は、最も下方に
配設される。
【0079】本実施の形態によれば、より簡単な構成
で、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができ
る。
【0080】なお、共鳴部SYについては4つ設けると
共に、発音ユニットSTから共鳴部SYを除いたもの
(24個のアクチュエータSOL及びリードREの組)
に相当するもの(「発音部」と称する)を1つだけ設け
て構成し、演奏データに基づいて、いずれかの共鳴部S
Yを選択的に発音部と接続可能に構成することによって
も、音量可変制御が可能である。その場合、選択した共
鳴部SYと発音部との接続は、例えば、発音部を上下方
向に移動可能に構成して、選択した共鳴部SYの位置ま
で発音部が移動して当接するように構成すればよい。あ
るいは、共鳴部SYと発音部とを選択的に振動伝達可能
に接続する可動部材を設け、可動部材が可動して、選択
した共鳴部SYと発音部とを接続するように構成しても
よい。
【0081】なお、ベロシティ値またはその範囲に応じ
て、発音するリードREの数を変更することだけでも、
十分ではないものの音量制御が一応可能である。その限
りにおいては、発音ユニットSTを複数段に分けて設け
る必要はなく、各音高について、略同一音高のリードR
Eがそれぞれ複数存在すれば足りる。
【0082】なお、第1〜第3の実施の形態では、音量
可変制御を説明したが、各発音ユニットST毎に、響
板、筐体部の形状、材質、さらには内装部材の有無、形
状、材質の組み合わせを種々異ならせることで、音量以
外の発音特性、例えば音色を積極的に可変制御するよう
にしてもよい。例えば、各発音ユニットST毎に音色が
異なるように構成し、MIDIチャンネルに基づき、発
音する発音ユニットSTを選択するようにすればよい。
より忠実に音色制御する観点からは、発音ユニットST
の数はより多く(例えば16個)設けるのが望ましい。
なお、音量及び音色を同時に制御するようにしてもよ
い。音色制御を行うことで、一層表現力豊かな演奏を実
現することができる。
【0083】なお、上記各実施の形態では、発音体とし
てリードを適用したオルゴール装置を例示したが、ハー
プのように、発音体として弦を適用してもよい。その場
合、各弦用のアクチュエータはいずれも、対応する弦の
側方に配設し、上記各アクチュエータSOLに対し反時
計方向へ90度回転させた向きに配設すればよい。
【0084】なお、弦の場合は、良好な音色を得る上
で、全長の略1:7の位置に撥弦位置を設定するのが有
利である。従って、弦用のアクチュエータは、同心円上
に配列するのではなく、各弦の長さに応じて配置位置を
異ならせるのが望ましい。
【0085】なお、発音体としては、リードまたは弦に
限定されるものではなく、アコースティックな発音をす
るもの、すなわち、接触等で作用して、機械的に励振さ
れて発音する「弦」や「音板」のような延設発音体であ
れば本発明を適用可能である。例えば、金属製や木製等
の板状発音体も含まれる。従って、本発明が適用される
場合の「弾奏」には、「弾く」、「撥く」のほか、「打
撃する」等、接触動作を介して励振させるための各種動
作が含まれる。
【0086】なお、上記演奏データは、ROM等から読
み出されたものに限定されず、例えば、鍵盤やパッド等
の入力操作部の操作によって発生したデータであっても
よい。
【0087】なお、上記各実施の形態において、アクチ
ュエータ選択テーブルは複数種類格納しておき、参照す
べきアクチュエータ選択テーブルを任意に設定可能に構
成してもよい。その場合、アクチュエータ選択テーブル
の選択は、例えば、図7のステップS104、S105
でユーザによる指示に基づき行うようにしてもよい。あ
るいは、アクチュエータ選択テーブルの選択を規定する
情報を「発音形態の選択」として、演奏データ中のイベ
ントの1つに含めるようにし、図9のステップS304
で、イベントに応じたアクチュエータ選択テーブルを選
択するようにしてもよい。なお、アクチュエータ選択テ
ーブルは、新規に作成して外部記憶装置18等に記憶、
追加できるようにしてもよい。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
によれば、発音特性の自由な可変制御を可能にして、表
現力豊かな演奏を実現することができる。
【0089】本発明の請求項5によれば、発音音量の自
由な可変制御を可能にして、表現力豊かな演奏を実現す
ることができる。
【0090】本発明の請求項9によれば、発音する発音
体の数で発音音量の自由な可変制御を可能にして、表現
力豊かな演奏を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る演奏装置の
平面図である。
【図2】 図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】 アクチュエータSOL及びその近傍を示す図
である。
【図4】 本演奏装置の制御機構の構成を示すブロック
図である。
【図5】 演奏データの構成を示す図である。
【図6】 アクチュエータ選択テーブルの構成例を示す
図である。
【図7】 メイン処理のフローチャートを示す図であ
る。
【図8】 再生処理のフローチャートを示す図である。
【図9】 図8のステップS209で実行されるイベン
ト処理のフローチャートを示す図である。
【図10】 本発明の第2の実施の形態で用いられるア
クチュエータ選択テーブルの構成例を示す図である。
【図11】 第1、第2の実施の形態に対する変形例の
演奏装置における発音ユニットSTの一部を示す部分図
である。
【図12】 本発明の第3の実施の形態に係る演奏装置
の図2に対応する断面図である。
【符号の説明】
11 CPU(制御手段)、 SOL アクチュエー
タ、 17 ドライバ(PWM(パルス幅変調))、
19 操作部、 21 ソレノイドコイル、 22 ピ
ック部(発音体駆動部材)、 23 ヨーク、 26
プランジャ、 RE リード(発音体、発音体群)、
REa 先端部、 ST 発音ユニット、SY 共鳴
部、 33 中央支柱、 31 響板、 34 筐体
部、 42、43 内装部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 達也 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 Fターム(参考) 5D378 MM98 QQ01 QQ26

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担当音高の異なる複数の発音体を有する
    発音ユニットが複数ユニット設けられ、略同一音高を担
    当する発音体が前記複数の各発音ユニットに配分されて
    構成される演奏装置であって、 前記複数の各発音ユニットに対応して設けられ、対応す
    る発音ユニットにそれぞれ接続された、互いに発音特性
    の異なる複数の共鳴部と、 前記発音体に作用することで該発音体を発音させること
    が可能な発音体駆動部材と、 前記発音体駆動部材を駆動するアクチュエータと、 演奏データに基づいて前記アクチュエータを制御する制
    御手段とを有し、 前記制御手段は、前記演奏データに基づいて、前記複数
    の発音ユニットの少なくとも1つの発音ユニット内の発
    音体のうち、前記演奏データで規定される音高に対応す
    る発音体を発音させるように前記アクチュエータを制御
    することを特徴とする演奏装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記複数の発音ユニッ
    トの中から前記演奏データで規定されるベロシティに応
    じて少なくとも1つの発音ユニットを選択すると共に、
    該選択した発音ユニット内の発音体のうち前記演奏デー
    タで規定される音高に対応する発音体を発音させるよう
    に前記アクチュエータを制御することを特徴とする請求
    項1記載の演奏装置。
  3. 【請求項3】 前記発音体駆動部は前記複数の各発音ユ
    ニットにつき少なくとも1つ設けられ、前記制御手段
    は、選択する発音ユニットの数を前記ベロシティに応じ
    て決定することを特徴とする請求項2記載の演奏装置。
  4. 【請求項4】 前記発音特性には、音量及び音色の少な
    くとも一方が含まれることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の演奏装置。
  5. 【請求項5】 担当音高の異なる複数の発音体を有する
    発音ユニットが複数ユニット設けられ、略同一音高を担
    当する発音体が前記複数の各発音ユニットに配分されて
    構成される演奏装置であって、 前記発音体に作用することで該発音体を発音させること
    が可能な発音体駆動部材と、 前記発音体駆動部材を駆動するアクチュエータと、 演奏データに基づいて前記アクチュエータを制御する制
    御手段とを有し、 前記制御手段は、前記複数の発音ユニットの中から前記
    演奏データで規定されるベロシティに応じて少なくとも
    1つの発音ユニットを選択すると共に、該選択した発音
    ユニット内の発音体のうち前記演奏データで規定される
    音高に対応する発音体を発音させるように前記アクチュ
    エータを制御することを特徴とする演奏装置。
  6. 【請求項6】 前記発音体駆動部は前記複数の各発音ユ
    ニットにつき少なくとも1つ設けられ、前記制御手段
    は、選択する発音ユニットの数を前記ベロシティに応じ
    て決定することを特徴とする請求項5記載の演奏装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の発音ユニットは、同一音高の
    発音に関し、少なくとも2つの発音ユニット間で発音音
    量が異なるように構成されていることを特徴とする請求
    項5記載の演奏装置。
  8. 【請求項8】 前記複数の各発音ユニットには、それぞ
    れ共鳴特性の異なる共鳴部が接続されることで、前記各
    発音ユニット間で発音音量が異なることを特徴とする請
    求項7記載の演奏装置。
  9. 【請求項9】 略同一音高を担当する複数の発音体が複
    数音高分設けられて成る発音体群と、 前記発音体に作用することで該発音体を発音させること
    が可能な発音体駆動部材と、 前記発音体駆動部材を駆動するアクチュエータと、 演奏データに基づいて前記アクチュエータを制御する制
    御手段とを有し、 前記制御手段は、前記演奏データで規定される音高に対
    応する複数の発音体のうち、前記演奏データで規定され
    るベロシティに応じた数の発音体が発音するように前記
    アクチュエータを制御することを特徴とする演奏装置。
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