JP2003302079A - オゾン式空気清浄器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内部構造が簡素であって、メンテナンスが容
易で、作業時の労力が低減され、総体的にコストが低く
なるようなオゾン式空気清浄器を提供する。 【構成】 オゾナイザのオゾン排出部に切替弁を取り付
けて択一的に選択される２つの流路を形成し、一方の流
路を排気口に接続し、他方の流路を空気清浄室に接続し
て、この流路から送り込まれたオゾンと吸気口から送り
込まれた空気とを空気清浄室内で混合した後、この混合
気の排出部をフィルタを介して排気口に接続して成るも
のとした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、切替弁によっ
て、オゾナイザが発生したオゾンをそのまま排出するモ
ードと、外から吸い込んだ空気と混合してフィルタで濾
漉するモードとの、２つのモードを使い分けることが出
来る、オゾン式空気清浄器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のオゾン式空気清浄器には、オゾナ
イザが発生したオゾンをそのまま外部に放出して、この
空気清浄器の外で殺菌等を行なうタイプのものと、オゾ
ナイザが発生したオゾンと外から吸い込んだ空気とを混
合して、この空気清浄器の内部で殺菌等を行なうタイプ
のものとがあった。これ等はいわゆるオゾンから発生す
る発生期の酸素の強力な酸化力を利用して殺菌を行なう
ものである。

【０００３】前者は室内をまるごと直接的に殺菌しよう
とする場合に利用されている。例えばパチンコなどの遊
戯店内の殺菌作業が、客や従業員のいない夜間に行なわ
れている。後者は外から吸い込んだ室内の空気とオゾン
とを空気清浄器内で混合させて殺菌し、更にフィルタに
掛けて、綺麗になった空気を空気清浄器外に放出するも
のである。オゾンが空気清浄器外に直接出されることが
なく、人がいる場所での利用が可能である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】例えば、前者の空気清
浄器でオゾン殺菌を行なった後に、後者の空気清浄器で
オゾンを回収しつつ、奇麗にした空気を室内に放出する
という作業を行なおうとすると、上述した２種類の空気
清浄器を別々に使用しなければならない。これは作業的
に面倒であり、コストが高くつき、メンテナンスも大変
である。従って、これ等の空気清浄器を１つにまとめた
いものと考えたが、筐体を１つにしただけではオゾン発
生装置も、空気回路も２系統が必要となり、あまりよい
解決策とは言い難い。

【０００５】そこでこの発明は、オゾン発生装置や空気
回路をうまく１つにまとめることによって、内部構造が
簡素であり、メンテナンスが容易で、作業時の労力が低
減され、総体的にコストが低くなるような空気清浄器の
提供を課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段及び作用】上記課題は、排
気口と吸気口と、この吸気口が接続された空気清浄室と
を備える筐体内にオゾナイザが設けられており、このオ
ゾナイザのオゾン排出部に切替弁を取り付けて択一的に
選択される２つの流路を形成し、一方の流路を前記排気
口に接続し、他方の流路を前記空気清浄室に接続し、こ
の流路から送り込まれたオゾンと前記吸気口から送り込
まれた空気とを空気清浄室内で混合した後、この混合気
の排出部をフィルタを介して前記排気口に接続して成
る、オゾン式空気清浄器とすることにより達成される。
なお、２つの流路の最後に設けられた排気口は、各々別
体である場合と、１つの排気口を共用するために同体で
ある場合とがあるが、これは任意設計事項である。

【０００７】この発明では、オゾナイザのオゾン排出部
に切替弁が取り付けられて、択一的に選択される２つの
流路が形成されている。従って切替弁で流路を切り替え
ることにより、２種類の用途の内の何れか一方へオゾン
を送ることが出来る。一方の流路はそのまま排気口に接
続されている。従ってこちらの流路が選択されている場
合には、発生したオゾンは直接的に室内に放出される。
また他方の流路は空気清浄室に接続されている。従って
こちらの流路が選択されている場合には、発生したオゾ
ンは空気清浄室に導かれて、吸気口から送り込まれた室
内の空気と混合され、ここで空気が殺菌され、フィルタ
で漉されて排気口から室内に戻されることに成る。

【０００８】このようにしてオゾン発生装置や空気回路
をうまく１つにまとめることが出来たのである。これに
より内部構造が簡素化されている。また上述の２種類の
作業がこれ１台で行なえる利点は大きい。

【０００９】このようなオゾン式空気清浄器に於いて、
オゾナイザのオゾン排出部分に排出ポンプを設けて成る
ものとすることが出来る。ポンプを稼働させることによ
り、オゾンを安定して供給することが出来るのである。
特にオゾナイザに大型のものを１つ用いるような場合に
は、キャパシティが大きいため、ポンプを設けるのがよ
い。従来のように比較的安価で小型のオゾナイザを複数
個設けると、空気回路に合わせてフィルタを幾つも配置
しなくては成らず、メンテナンスが大変であったが、フ
ィルタは１ヵ所に設置すればよく、フィルタの複層化が
行なえるため、効率が良く長寿命でありメンテナンスも
楽なものに成るなどの利点がある。

【００１０】また前記切替弁を電磁弁とすることが出来
る。切替弁には手動式やモータ駆動式のものなど、各種
のものが利用可能であるが、電磁弁にして切替動作が素
早く行なえるようにすることが出来る。なお電磁弁はオ
ゾンの供給をすぐに停止させたいような場合にも素早く
動作することが出来る。

【００１１】またタイマを備え、このタイマは、所定の
時間オゾンを放出するモードと空気清浄モードとの、各
々の運転時間を個別に設定し得るものとすることが出来
る。上述したように、オゾン殺菌を行なった後にこのオ
ゾンを回収しつつ奇麗にした空気を室内に放出する、と
いう工程を設定する場合に、各々の運転時間を個別に設
定出来るようにし、流路が自動的に切り替わるようにす
るとよい。個別に運転時間が設定可能であるため、殺菌
する室内空間の広さや汚染の状態や作業可能な時間に合
わせることが出来る。

【００１１】また前記排気口にスイングルーバを取り付
けて成るものとすることが出来る。スイングルーバを動
作させることによって、広い室内空間の各種方向へオゾ
ンや殺菌処理済みの空気を放散させることが出来る。な
お室内空気の対流が起こるように、スイングルーバの動
作パターンを設定可能にすることも好ましい。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
を参照しつつ説明するが、この発明はこれ等の実施形態
にのみ限定されるものではない。

【００１３】（第１実施形態）図１乃至図５はこの発明
の第１実施形態を表わす。筐体１はその内部が４つの部
屋に分割されている。すなわちオゾンを発生する部屋、
このオゾンを筐体１の外へ排出する部屋、吸入した外気
に前記オゾンを混ぜて活性炭フィルタに掛ける空気清浄
室、この清浄化された空気を筐体１の外へ排出する部屋
の４つである。前記オゾンを発生する部屋は、オゾナイ
ザ２と、このオゾナイザ２が発生させたオゾンを排出す
るための排出ポンプ３０と、この排出ポンプ３０の出力
口に接続された電磁弁３と、この電磁弁３で分岐された
２つの流路となるパイプ４，５とから構成されている。
パイプ４は後述する排気口４０に接続され、またパイプ
５は後述する空気清浄室６に接続されている。前記空気
清浄室６は、外気を吸入するための吸気ファン６０と、
活性炭フィルタ７と、この活性炭フィルタ７で濾漉した
空気を後述する排気口８０へ排出するためのパイプ８と
から成る。また前記排気口４０，８０はここから筐体１
の外部へ通じている。

【００１４】前記電磁弁３は、排出ポンプ３０によって
送り出されて来るオゾンを、パイプ４の方へ送るかパイ
プ５の方へ送るかの何れか１の状態を取る。従ってパイ
プ４の方へ送るモードであれば、オゾンはこのパイプ４
を通って排気口４０に導かれて、ここから筐体１の外へ
排出される。このようにして排出されたオゾンが室内の
殺菌を行なうことに成る。

【００１５】逆に電磁弁３が、オゾンをパイプ５の方へ
送るモードであれば、オゾンはこのパイプ５を通って空
気清浄室６に導かれる。このモードに於いてこの空気清
浄室６では、吸気ファン６０を稼働させて外気をこの空
気清浄室６に取り込むことを行なっている。従って、吸
気ファン６０により吸い込まれた外気は空気清浄室６の
内部でオゾンと混合して殺菌され、続いて活性炭フィル
タに掛けられ濾漉されて、パイプ８を通って排気口８０
に導かれて、ここから筐体１の外へ排出されることに成
る。

【００１６】オゾンは、発生期の酸素による殺菌作用が
極めて強力な物質であるから、人体にとっては有害であ
り、これを吸入すると特に喉などの呼吸器が冒される恐
れがある。従ってオゾナイザ２で発生させたオゾンを、
排気口４０から直接筐体１の外へ排出する場合は、例え
ばパチンコホールなどで客や従業員等のいない夜間に限
られるであろう。しかしながらこうしてパチンコホール
などの室内をオゾンで効果的に殺菌することが出来るの
である。

【００１７】これに対して、オゾナイザ２で発生させた
オゾンを筐体１内の空気清浄室６で外気に混入し、ここ
で殺菌を行なうモードでは、殺菌された菌類の死骸等や
残留オゾンを活性炭フィルタ７で濾漉して取り除き、マ
イナスイオンを含む清浄化された空気を排気口８０から
筐体１の外へ排出している。当然のことながら、前記室
内で直接オゾンを利用して殺菌処理した場合の残留オゾ
ンを、外気として吸気ファン６０から吸い込めば、この
残留オゾンも前記活性炭フィルタ７で濾漉して取り除く
ことが出来るのである。

【００１８】従って、このような２つのモードを持つ空
気清浄器では、排気口４０から直接筐体１の外へオゾン
を排出して、室内を殺菌する作業の後に続けて、前記活
性炭フィルタ７で濾漉する作業を行なうと都合がよい。
図２はこの独特な使用の状態を表わしている。

【００１９】図３は設定されたモードをインジケートす
る表示パネル１０を表わしたものであるが、３種のＬＥ
Ｄランプ１１，１２，１３を備えており、ＬＥＤランプ
１１が点灯している場合は上記前者のモードと成ってい
ることを表わし、またＬＥＤランプ１２が点灯している
場合は上記後者のモードと成っていることを表わしてい
る。同時にＬＥＤランプ１３により、現在モードで何時
間動作するように設定されているかが一目で分かるよう
に表示している。

【００２０】次に、この実施形態で設定されている２つ
の手順に付いて、図４および図５のフローチャートを用
いて説明する。図４のフローチャートはオゾンが異常に
発生した場合の処理を表わす。オゾナイザがＯＮ状態に
されると（ステップＳ１）、異常の発生を常に監視し
（ステップＳ２）、異常があった場合には前記電磁弁３
を閉じてオゾンをシャットアウトし（ステップＳ３）、
オゾナイザをＯＦＦ状態にする（ステップＳ４）。従っ
て、このような場合にはすぐさま原因を調査する必要が
ある。原因の第一として上げられるのは、活性炭フィル
タ７の目詰まりである。

【００２１】図５のフローチャートは、上記２つの動作
モードを順次実行する場合の処理を表わす。図示しない
メインスイッチがＯＮ状態に成ったら装置の初期化を行
ない（ステップＳ５）、タイマをＯＮ状態にし（ステッ
プＳ６）、電磁弁３をオゾンを排気口４０から直接室内
に排出するモートに切り替え（ステップＳ７）、オゾナ
イザ２をＯＮ状態にする（ステップＳ８）。そしてこの
モードでの運転が設定時間を越えたか否かを監視し（ス
テップＳ９）、設定時間に成ったならば、吸気ファン６
０をＯＮ状態にし（ステップＳ１０）、電磁弁３をオゾ
ンを空気清浄室６へ送るモードに切り替える（ステップ
Ｓ１１）。そしてこのモードでの運転が設定時間を越え
たか否かを監視し（ステップＳ１２）、設定時間に成っ
たならばオゾナイザ２をＯＦＦ状態にして（ステップＳ
１３）、装置をＯＦＦ状態にする（ステップＳ１４）。

【００２２】（第２実施形態）図６はこの発明の第２実
施形態を表わす。この実施形態のオゾン式空気清浄器の
内部構成は、その殆どの部分を上述した第１実施形態の
ものに倣うが、排気口４０にスイングルーバ４１が、ま
た排気口８０にスイングルーバ８１が取り付けられてい
る点に特徴を有する。

【００２３】このスイングルーバ４１はオゾンの排出方
向を首振りさせることが出来、またスイングルーバ８１
は清浄化された空気の排出方向を首振りさせることが出
来るように成っている。従って室内に満遍なく風を送っ
たり循環させたりすることが可能に成る。

【００２４】（第３実施形態）図７はこの発明の第３実
施形態を表わす。この発明の排気口とは、発生させたオ
ゾンを直接室内に排出する口のことであり、また発生さ
せたオゾンにより空気清浄室内で外気を清浄化させて室
内に排出する口のことである。そして上述した２つの実
施形態では、この２つの排気口４０，８０を別個に設け
ていた。しかしながら、両者を同時に使用することがな
い場合には、これを共用することが出来るはずである。

【００２５】そこで図７に示すように、２つのパイプ
４，８が共に１つの排気口８２に接続されたものとし
た。なお筐体１の底部にキャスター９を設けて、移動が
楽に行ない得るようにしている点も特徴の一つである。

【００２６】なお、この発明は上述した実施形態にのみ
限定されないから、例えば切替弁に電磁弁以外の弁を用
いてもよく、オゾナイザやフィルタの選択も任意設計事
項である。また上述の実施形態では主として据置タイプ
を紹介したが、壁掛けタイプや吊下げタイプなどその形
態は自由である。また使用場所も室内に限定されず、自
動車や航空機や船舶など任意である。このような用途の
違いに応じて筐体形状も自由に設計することが可能であ
る。一例を上げればコーナータイプとして三角形状を呈
するものなどである。このように自由度が高いのも、オ
ゾン発生装置や空気回路をうまく１つにまとめることが
出来たからであり、これにより内部構造が簡素化された
ためである。またオゾン放出モードに於いてはオゾナイ
ザが発生したオゾンをそのまま外部に放出しこの空気清
浄器の外で殺菌等を行なうため、このモードであること
を示す注意喚起ランプを設けるとよい。なお、実施形態
で説明した吸気ファンは必須ではない。

【００２７】

【発明の効果】以上、この発明は、オゾナイザのオゾン
排出部に切替弁を取り付けて択一的に選択される２つの
流路を形成して、一方の流路を排気口に接続し、他方の
流路を空気清浄室に接続し、この流路から送り込まれた
オゾンと吸気口から送り込まれた空気とを空気清浄室内
で混合した後、この混合気の排出部をフィルタを介して
排気口に接続して成るオゾン式空気清浄器としたもので
ある。即ち、オゾン発生装置や空気回路を１つにうまく
まとめることに成功したのである。

【００２８】この結果、内部構造が簡素であって、メン
テナンスが容易で、作業時の労力が低減され、総体的に
コストが低くなるような空気清浄器を提供することが出
来、所期の目的を達成している。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施形態の内部模式図である。

【図２】同実施形態の使用状態説明図である。

【図３】同実施形態の表示パネル１０の説明図である。

【図４】同実施形態のフローチャートである。

【図５】同実施形態のフローチャートである。

【図６】第２実施形態の外観図である。

【図７】第３実施形態の内部模式図である。

【符号の説明】

１ 筐体 １０ 表示パネル １１ ＬＥＤランプ １２ ＬＥＤランプ １３ ＬＥＤランプ ２ オゾナイザ ３ 電磁弁 ３０ 排出ポンプ ４ パイプ ４０ 排気口 ４１ スイングルーバ ５ パイプ ６ 空気清浄室 ６０ 吸気ファン ７ 活性炭フィルタ ８ パイプ ８０ 排気口 ８１ スイングルーバ ８２ 排気口 ９ キャスター

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 596031228 石掛 英明 神奈川県横浜市鶴見区栄町通１丁目10番12 号 高島ハイツ404 (72)発明者 原田 一彦 神奈川県横浜市鶴見区栄町通１丁目10番12 号 高島ハイツ414 Ｆターム(参考） 3L056 BD07 BF06

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 排気口と吸気口と、この吸気口が接続さ
   れた空気清浄室とを備える筐体内にオゾナイザが設けら
   れており、このオゾナイザのオゾン排出部に切替弁を取
   り付けて択一的に選択される２つの流路を形成し、一方
   の流路を前記排気口に接続し、他方の流路を前記空気清
   浄室に接続し、この流路から送り込まれたオゾンと前記
   吸気口から送り込まれた空気とを空気清浄室内で混合し
   た後、この混合気の排出部をフィルタを介して前記排気
   口に接続して成ることを特徴とする、オゾン式空気清浄
   器。
2. 【請求項２】 オゾナイザのオゾン排出部に排出ポンプ
   を設けて成る、請求項１に記載のオゾン式空気清浄器。
3. 【請求項３】 前記切替弁が電磁弁である、請求項１に
   記載のオゾン式空気清浄器。
4. 【請求項４】 タイマを備え、このタイマは、所定の時
   間オゾンを放出するモードと空気清浄モードとの、各々
   の運転時間を個別に設定し得るものである、請求項１に
   記載のオゾン式空気清浄器。
5. 【請求項５】 前記排気口にスイングルーバを取り付け
   て成る、請求項１に記載のオゾン式空気清浄器。