JP2003300783A - 耐火耐熱材層を備えた構造物及びその製造方法 - Google Patents

耐火耐熱材層を備えた構造物及びその製造方法

Info

Publication number
JP2003300783A
JP2003300783A JP2002099596A JP2002099596A JP2003300783A JP 2003300783 A JP2003300783 A JP 2003300783A JP 2002099596 A JP2002099596 A JP 2002099596A JP 2002099596 A JP2002099596 A JP 2002099596A JP 2003300783 A JP2003300783 A JP 2003300783A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
material layer
heat
fire
resistant material
aggregate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002099596A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyobumi Ogita
清文 荻田
Ken Iida
憲 飯田
Hiroyoshi Takagi
弘義 高木
Toshihisa Shibata
稔久 柴田
Yuichiro Unomiya
裕一郎 雨ノ宮
Yoshihiro Sakamoto
義博 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHIBATA YOGYO GENRYO KK
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Meiden Ceramics Co Ltd
Towa Refractory Engineering Co Ltd
Original Assignee
SHIBATA YOGYO GENRYO KK
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Meiden Ceramics Co Ltd
Towa Refractory Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHIBATA YOGYO GENRYO KK, Meidensha Corp, Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd, Meiden Ceramics Co Ltd, Towa Refractory Engineering Co Ltd filed Critical SHIBATA YOGYO GENRYO KK
Priority to JP2002099596A priority Critical patent/JP2003300783A/ja
Publication of JP2003300783A publication Critical patent/JP2003300783A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Building Environments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被保護構造物の耐火耐熱特性を高めるととも
に、耐火耐熱剤層の軽量化、靱性化を促進して、耐火耐
熱材層の被保護構造物への取付を容易にする。 【解決手段】 主成分の骨材と、結合材である水硬性無
機質材料と、靱性化付与繊維質材料と、を水を加えて混
練して水硬性混和物10を得、この水硬性混和物10を
被保護構造物であるコンクリートセグメント9の表面に
打設、成形して自硬化させ、耐火耐熱剤層13を備えた
構造物14形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばコンクリ
ート構造物等の耐火耐熱弱体構造物の外表面を耐火耐熱
材層により覆った耐火耐熱材層を備えた構造物及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】耐火耐熱弱体構造物としては、各種のも
のがある。例えば、各種建造物、各種土木構造物、さら
には耐火金庫など各種のものがあり、各々保護対象物に
応じた仕様性能の耐火遮熱材が適用されている。特に、
耐火遮熱特性に優れているものは、無機質材を焼成して
得たセラミックス部材であり、種々の技術が提案されて
いる。例えば、背部の構造物を保護するために、耐火遮
熱特性として、1200℃に一定時間は耐えることなど
の仕様性能が求められる場合がある。
【0003】耐火遮熱材として提案されている従来の主
な技術としては、次のようなものがある。まず、特開2
000−54797号には、コンクリート構造物である
トンネルの覆工体として少なくともトンネルの表面をセ
ラミックスで被覆するものが示されている。又、特開2
000−248899号には、セラミックスタイルを有
機接着剤で固定したものが示されている。但し、有機接
着剤を使用しているので、耐熱性に劣る。又、特開平1
1−294098号には、耐火層をトンネル表面に吹き
付けにより形成するか、あるいは耐火パネルを部材を介
して固定して形成するすることが示されている。但し、
後者の場合には、耐火層が大形となり、火災などにより
急激な高温に晒された場合、素材の耐熱衝撃特性にもよ
るが、亀裂が発生すると全体の破壊に繋がる可能性が大
きい。又、素材には耐火性があっても、耐火層を吹き付
けにより形成する場合、吹き付け作業に有機溶剤を必要
とし、耐火性に欠けることとなった。
【0004】又、耐火耐熱パネルとして従来提案されて
いるものもあり、これはアルミナ、シリカ系のファイバ
ーや珪酸カルシウムなどの耐火耐熱材を加熱と共に加圧
成形したパネルをアンカーにて接着固定して耐火耐熱構
造体を得るものである。但し、セラミックスを主体に構
成する場合には、焼成工程があるので、高価なものにな
り、重量も重くなる。そこで、母材に水硬性のセメント
材料を使用して焼成工程を削減し、軽量化のために骨
材、靱性化のために繊維材料を充填するものが知られて
おり、例えば、特開平5−18042号、特開平6−5
6497号、特開平6−263507号、特開平6−2
71366号、特開平8−68180号などがある。
又、特開平11−324168号や特開平11−116
357号のように、モルタル、水硬性セメント、石膏を
耐火耐熱材層として用いた場合には、造形の自在性はあ
るものの、耐火耐熱特性には問題があった。さらに、特
開平2000−54797号のように、コンクリートセ
グメントの表面にセラミックス層を設けた場合には、そ
の厚みを相当厚くしないと、セラミックス層の裏面の温
度を300〜400℃に抑えることが困難であり、また
コンクリートセグメントの表面全体にセラミックス層を
形成することも困難であった。何れにしても、耐火耐熱
特性、装着特性、造形の自在性の何れの点においても十
分なものはなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】耐熱遮熱特性の一例と
して、例えば火災に暴露される表面側は1200℃の温
度に耐えるとともに、背部のコンクリート構造物などを
保護するために裏面側は例えば300〜400℃程度に
抑えることができる耐火耐熱特性の材料を得ることが必
要であるが、上記した従来技術では充分なものとは言え
なかった。又、耐火耐熱材からなるパネルを装着する場
合には、施工時の作業性が重要であり、装着時に割れや
欠けが生じると、そのパネルは除去して再度装着し直す
ことになり、施工時に損傷が生じない堅牢な材料が必要
となる。
【0006】この発明は上記のような課題を解決するた
めに成されたものであり、耐火耐熱特性が優れていると
ともに、耐火耐熱弱体構造物への取付時に損傷が生じ
ず、取付作業性が良い耐火耐熱材層を備えた構造物及び
その製造方法を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らは、鋭意研究を
重ねた結果、耐火耐熱特性(1200℃に1時間暴露さ
れても損失しない耐力を有する特性)を備えた骨材及び
結合材に靱性化付与繊維質材を混入して得たキャスタブ
ル材(不定形材料)を、コンクリート構造物(コンクリ
ートセグメント)の表面に自硬化特性を利用して一体化
成形し、耐火耐熱材層を備えた構造物を形成した。な
お、キャスタブル材を用いた構造物により火災時に設置
物を保護するものとして、特開平11−193579号
が知られている。即ち、免震装置を包囲してキャスタブ
ル材を使用した耐火囲壁を硬性しているが、コンクリー
ト構造物を保護するものではない。
【0008】この発明の請求項1に係る耐火耐熱材層を
備えた構造物は、主成分の骨材と、結合材である水硬性
無機質材料と、靱性化付与繊維質材料と、を含む水硬性
混和物を自硬化、成形した耐火耐熱材層を被保護構造物
の表面に形成したものである。
【0009】骨材及び水硬性無機質材料を用いたことに
より、耐火耐熱特性を高めることができるとともに、軽
量化されて、被取付物への取付が容易となる。又、靱性
化付与繊維質材料を用いているので、作業中に欠けや割
れが発生せず、取付作業が容易となる。
【0010】請求項2に係る耐火耐熱材層を備えた構造
物の製造方法は、主成分の骨材と、結合材である水硬性
無機質材料と、靱性化付与繊維質材料と、を水を加えて
混練して水硬性混和物を得、この水硬性混和物を被保護
構造物の表面に打設、成形して自硬化させることにより
耐火耐熱材層を形成したものである。
【0011】請求項3に係る耐火耐熱材層を備えた構造
物又はその製造方法は、成分比が、骨材を70〜80重
量%、結合材を20〜30重量%、靭性化付与繊維質材
料を骨材と結合材の合計量に対して0.5〜1.5重量
%としたものである。
【0012】骨材が、70重量%以下では耐火耐熱特性
が低下し、80重量%以上では結合材が不足して結合力
が低下し、欠損が生じる。結合材が、20重量%以下で
は結合力が不足し、欠損が生じ、30重量%以上では骨
材が減少し、耐火耐熱特性が低下する。靭性化付与繊維
質材料が、0.5重量%以下では靭性が低下して欠損が
生じ易く、1.5重量%以上では繊維が多くなり、混練
に時間を要して生産性が低下し、また短時間の混練では
繊維の分布に片寄りが生じ、耐火耐熱特性が低下する。
【0013】骨材の大きさは、10μm〜10mm(好
ましくは1〜5mm)が良い。10μm以下では遮熱効
果が低下し、10mm以上では偏練が生じて表面に露出
するなどにより、遮熱特性が低下する。靱性化付与繊維
質材料の長さは、耐火耐熱材層の厚さと同等〜厚さの5
倍が好ましく、具体的には20〜300mmが良い。2
0mm以下では靱性効果が低下し、300mm以上では
表面に突出して耐火耐熱特性が低下し、また混練が困難
となり、生産性が低下する。靱性化付与繊維質材料の径
は、1〜100μmが良い。1μm以下では靱性効果が
低下し、100μm以上では具備する強度により曲がり
が悪く、表面に突出してしまい、耐火耐熱特性が低下
し、また混練が困難となり、生産性が低下する。
【0014】請求項4に係る耐火耐熱材層を備えた構造
物又はその製造方法は、主成分の骨材及び結合材が、1
200℃に1時間暴露されても損失しない耐力を備えて
いるものである。
【0015】請求項5に係る耐火耐熱材層を備えた構造
物又はその製造方法は、骨材がコーディエライトからな
るものである。
【0016】コーディエライトは、MgO、Al2O
3、SiO2を主成分とする、天然物又は合成物からな
る。合成物としては、MgO(10〜20重量%)、A
l2O3(30〜45重量%)、SiO2(45〜55
重量%)を焼成合成し、これを粉砕して得る。その粒径
は、10μm〜10mm(好ましくは1〜5mm)が良
い。
【0017】請求項6に係る耐火耐熱材層を備えた構造
物又はその製造方法は、結合材が、アルミナセメント又
は高炉セメントからなるものである。
【0018】アルミナセメントは、カルシウムアルミネ
ート化合物を主成分とするものであり、Al2O3が5
0〜90重量%、CaOが9〜40重量%である。JI
SR2511では、表1のように成分比によって各種の
ものが規定されている。
【0019】
【表1】
【0020】アルミナセメントの特性は、1200℃に
1時間暴露されても損失しない耐力を有し、流し込み、
吹き付け、コテ塗りが容易で、耐酸、耐硫酸性に優れて
いることである。又、耐火度は約1500〜1700℃
であり、Al2O3量及びα−Al2O3置換率が大き
いほど耐火度が高くなる。
【0021】請求項7に係る耐火耐熱材層を備えた構造
物及びその製造方法は、靱性化付与繊維質材料が、ポリ
ビニルアルコール系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリ
アミド系繊維、麻、ガラス繊維、炭素繊維及びパルプ繊
維のうちの1種又は2種以上を混合したものからなり、
耐アルカリ特性を備えたもの(耐アルカリ性処理を施し
たもの)であるものである。
【0022】
【発明の実施の形態】実施形態1 以下、この発明の実施の形態を図面とともに説明する。
図1〜図3はこの発明の実施形態による耐火耐熱材層を
備えた構造物の製造装置の概略正面図、概略平面図、及
び構造物の断面図であり、まず主成分の骨材と、結合材
である水硬性無機質材料と、靱性化付与繊維質材料とを
有水下で混合する。骨材としては、コーディエライトを
用い、水硬性無機質材料としては水硬性セメントを用
い、水硬性セメントとしてはアルミナセメント又は高炉
セメント等の普通セメントを用いる。アルミナセメント
は、カルシウムアルミネート化合物を主成分とするもの
であり、Al2O3が50〜90重量%、CaOが9〜
40重量%である。アルミナセメントの特性は、120
0℃に1時間暴露されても損失しない耐力を有し、流し
込み、吹き付け、コテ塗りが容易で、耐酸、耐硫酸性に
優れていることである。又、耐火度は約1500〜17
00℃であり、Al2O3量及びα−Al2O3置換率
が大きいほど耐火度が高くなる。
【0023】靱性化付与繊維質材料は、靱性化を付与す
るための材料であり、ポリビニルアルコール系繊維、ポ
リオレフィン系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル
系繊維(テトロンなど)、麻、ガラス繊維、炭素繊維、
パルプ質繊維(セルロースなど)のうちの1種又は2種
以上を混合したものからなり、耐アルカリ特性を備えた
もの又は耐アルカリ性処理を施したものからなり、繊維
の長さは20〜300mm、繊維の径は1〜100μ
m、充填量は0.5〜1,5重量%である。
【0024】結合材である水硬性無機質材料(水硬性セ
メント)は定量供給手段1から振動・混練手段2を介し
て混練手段3に供給され、骨材、靱性化付与繊維質材料
(無機質繊維)も定量供給手段4,5から振動・混練手
段2を介して混練手段3に供給され、水も定量供給手段
6から振動・混練手段2を介して混練手段3に適宜供給
される。混練手段3は混練のための複数のモータ7を有
しており、供給された各材料を有水下で混練して水硬性
混和物10(キャスタブル材)を得る。一方、被保護構
造物であるコンクリートセグメント(コンクリート構造
物)9の表面に鳩尾状の凹部9aを設け、このコンクリ
ートセグメント9を型枠8内に収納し、水硬性混和物1
0を型枠8内のコンクリートセグメント9上に打設し、
成形ローラ11によって加圧成形した後、ローラなどか
らなる搬送手段12によって型枠8を搬送し、型枠8を
積み上げて一定時間養生して自硬化させる。その後、型
枠8を取り外し、さらに110℃で乾燥させ、表面に耐
火耐熱材層(厚さ40mm)13を備えた構造物14を
得る。耐火耐熱材層13の成分比は、骨材(コーディエ
ライト)80重量%、水硬性無機質材料(アルミナセメ
ント)は20重量%、靱性化付与繊維質材料(ビニロン
系繊維)としては、前記両者の合計に対して0.5重量
%混合した。また、骨材は、粒径が1〜3mmのものが
50%と100メッシュアンダーが50%の混合物であ
り、靭性化付与繊維質材料は、長さ6mmで径が50μ
mである。なお、水硬性混和物10をコンクリートセグ
メント9の表面に吹き付けても良い。
【0025】図4はトンネルなどのコンクリート構造物
15の表面に、表面に耐火耐熱材層13が形成されたコ
ンクリートセグメント9を取り付けた例を示し、コンク
リートセグメント9間においては耐火耐熱材層13をア
ンカー16により取り付けている。コンクリート構造物
15又はコンクリートセグメント9の例としてトンネル
の例を示したが、その他橋梁の橋桁部分、ガス、石油タ
ンク等の可燃物貯留所などコンクリート構造物で近傍に
火災を引き起こす可能性が考えられる箇所であれば、如
何なる場所にも適用できる。
【0026】図5は上記した耐火耐熱材層13の耐火耐
熱特性を試験するための電気炉の断面図であり、17は
遮熱材からなり、上部開放の容器状に形成された本体部
であり、その上部には遮熱材からなる蓋部18が設けら
れ、本体部17にはヒータ19が貫通して設けられ、電
気炉20が形成される。蓋部18には凹部18aが設け
られ、凹部18aには耐火耐熱材層13のサンプル21
が嵌合される。電気炉20内の大きさは長さ280m
m、幅115mm、高さ50mmである。
【0027】電気炉20内にはサンプル21を収納し、
ヒータ19により加熱する。昇温は、室温から1200
℃まで10分間で昇温させ、その後1200℃に1時間
保持した。サンプル21の表面側の温度(炉内温度)と
背部温度を測定する。各実施例(サンプル例)の耐熱
性、遮熱性の結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】表2において、骨材としてはコーディエラ
イトを用い、その粒径は1〜3mmが50%と、100
メッシュアンダーが50%の混合物である。結合材であ
る水硬性無機質材料としてはアルミナセメントを用い、
「繊維」は靱性化付与繊維質材料を示し、ガラス繊維と
有機繊維(ビニロン系繊維)を用いている。繊維の長さ
は6mm、径を50μmとする。重量%は。他の成分1
00重量部に対しての添加量である。「寸法」は、サン
プル21の幅、長さ、厚さを示し、「比重」も各サンプ
ル21の比重を示す。「耐熱性」は、上記のような昇温
を行った後の各サンプル21の外観、即ち焼割、変形、
変質、変色を観察した結果を示し、○印は変化なしか又
は若干変化した場合を示し、△印は変化ありの場合を示
し、×印は大きな変化がある場合を示す。「遮熱性」は
サンプル21の表面側の温度が1200℃に到達した時
及び1200℃に1時間保持した後のサンプル21の背
面部の温度によって判定する。総合評価のは耐火耐熱
材としての使用の適否を示し、は熱負荷後の継続使用
の可否を示す。
【0030】各実施例とも、熱負荷を受けても損傷はほ
とんどなく、継続して使用が可能である。又、再度熱負
荷を加えて実験したが、劣化はほとんど見られず、試験
前と同等の耐熱耐火特性であった。
【0031】又、表3は、現在実際に使用されている市
販品の耐火耐熱パネルを切断したサンプル(幅約100
mm、長さ約200mm、厚さ約30mm)を各比較例
としてその主成分、耐熱性、遮熱性等を示したものであ
る。表としての表示方法は、表2の場合と同様である。
各比較例とも、熱負荷により損傷を受けている。特に、
比較例1,2では焼割が発生し、継続使用には適さな
い。又、比較例3,4は変質、変色が見られることか
ら、適用場所によっては継続使用が困難な場合が生じ
る。
【0032】
【表3】
【0033】なお、1200℃に1時間保持後の各実施
例、各比較例の各サンプルの背部温度が300〜400
℃を越えているが、これは、サンプルの形状効果に起因
することであり、サンプルが小形であることと、サンプ
ルと蓋部18の凹部18aとの間の隙間から図5の矢印
イに示すように熱が背部側に回り込んだことによるもの
と推定される。
【0034】上記の結果から、コーディエライトとアル
ミナセメントを主成分とした耐火耐熱材層13は比較例
と比較して優れていることが判明した。即ち、各比較例
のものは、外観変化が著しく、継続使用が困難であり、
交換が必要となり、その作業費用は膨大なものとなり、
また交換の間は当該施設は使用不能となり、さらに費用
は増大する。一方、この発明の実施例のものは、外観変
化がほとんどなく、継続使用が可能であり、比較例のよ
うな問題は発生しない。
【0035】実施形態2 図6は実施形態2による構造物22の断面図を示し、こ
の場合にはコンクリートセグメント9の表面に鳩尾状の
凸部9bを設け、その上に水硬性混和物10を打設成形
して自硬化させ、表面に耐火耐熱材層13が形成された
構造物22が構成される。効果は実施形態1と同様であ
る。
【0036】実施形態3 図7(a),(b)は実施形態3による構造物23の製
造方法を示す断面図であり、まず、コンクリートセグメ
ント9を型枠により形成し、この際にセラミックスから
なるアンカー24を埋設しておく。次に、コンクリート
セグメント9に沿って型枠を形成し、水硬性混和物(キ
ャスタブル材)10を型枠内に充填固化させる。脱型
後、自然乾燥させて耐火耐熱材層13を形成し、この耐
火耐熱材層13を約110℃で強制乾燥させ、耐火耐熱
材層13を備えた構造物23を構成する。なお、耐火耐
熱材層13を吹き付けにより形成しても良い。又、ま
ず、耐火耐熱材層13を最初に形成し、その後にコンク
リートセグメント9を形成してもよい。効果は実施形態
1と同様である。
【0037】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、主成分
の骨材と、結合材である水硬性無機質材料と、靱性化付
与繊維質材料と、を含む水硬性混和物を成形自硬化した
耐火耐熱材層を被保護構造物の表面に形成しており、こ
のようにコンクリート構造物等の被保護構造物の表面を
耐火耐熱剤層により覆ったので、火災時に火に晒されて
も被保護構造物の温度をその劣化温度(コンクリートの
場合は約500℃)以下に制限することができ、被保護
構造物を確実に保護できる。特に、骨材や水硬性無機質
材料は例えば1200℃に1時間暴露されても損失しな
いような耐力を備えており、高温に晒されても耐火耐熱
材層の受ける損傷は軽微であり、継続使用が可能であ
る。又、この耐火耐熱材層を構造物の表面に取り付ける
と、高温に晒されても内部の構造物に及ぼす熱衝撃によ
る悪影響はなくなり、安定した耐火遮熱効果を確保でき
る。又、上記のような耐火耐熱材は,施工性に富み、流
し込み(鋳型)、吹き付け、こて塗り等により被保護構
造物と一体化できるので、任意の形状に迅速に適用で
き、耐火耐熱材層は工場内で製造するセグメントにも直
接施工できるので、施工作業は容易である。又、耐火耐
熱材は骨材を主成分としているので、軽くなり、被保護
構造物への取付作業が容易となり、また靱性化付与繊維
質材料を含んでいるので、作業中に欠けとか割れとかが
発生することはなくなり、これによっても取付作業が容
易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態1による耐火耐熱材層を備
えた構造物の製造装置の概略正面図である。
【図2】実施形態1による耐火耐熱材層を備えた構造物
の製造装置の概略平面図である。
【図3】実施形態1による耐火耐熱材層を備えた構造物
の断面図である。
【図4】実施形態1によるコンクリート構造物の表面
に、表面に耐火耐熱材層を備えたコンクリートセグメン
トを取り付けた状態の断面図である。
【図5】実施形態1による耐火耐熱材層の耐火耐熱試験
を行うための電気炉の断面図である。
【図6】実施形態2による耐火耐熱材層を備えた構造物
の断面図である。
【図7】実施形態3による耐火耐熱材層を備えた構造物
の製造方法を示す断面図である。
【符号の説明】
3…混練手段 8…型枠 9…コンクリートセグメント 10…水硬性混和物 13…耐火耐熱材層 14,22,23…構造物 15…コンクリート構造物
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 14:04 C04B 16:06 A 16:06 16:02 Z 16:02 14:38 Z 14:38) 111:28 111:28 (71)出願人 000223159 東和耐火工業株式会社 東京都中央区新川2丁目22番1号 (72)発明者 荻田 清文 静岡県沼津市東間門字上中溝515番地 明 電セラミックス株式会社内 (72)発明者 飯田 憲 静岡県沼津市東間門字上中溝515番地 明 電セラミックス株式会社内 (72)発明者 高木 弘義 愛知県春日井市林島町160−2 (72)発明者 柴田 稔久 愛知県瀬戸市汗千町79−1 柴田窯業原料 株式会社内 (72)発明者 雨ノ宮 裕一郎 東京都中央区新川2−22−1 東和耐火工 業株式会社内 (72)発明者 坂本 義博 東京都中央区新川2−22−1 東和耐火工 業株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DD05 DE01 EA01 FA30 GA12 GA42 HA00 JA00 JA21 JD04 KA01 LA07 LA12 4G012 PA03 PA17 PA20 PA22 PA24 4G033 AA01 AB02 AB27

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分の骨材と、結合材である水硬性無
    機質材料と、靱性化付与繊維質材料と、を含む水硬性混
    和物を自硬化して形成した耐火耐熱材層を被保護構造物
    の表面に形成したことを特徴とする耐火耐熱材層を備え
    た構造物。
  2. 【請求項2】 主成分の骨材と、結合材である水硬性無
    機質材料と、靱性化付与繊維質材料と、を水を加えて混
    練して水硬性混和物を得、この水硬性混和物を被保護構
    造物の表面に打設、成形して自硬化させることにより耐
    火耐熱材層を形成したことを特徴とする耐火耐熱材層を
    備えた構造物の製造方法。
  3. 【請求項3】 成分比は、骨材を70〜80重量%、結
    合材を20〜30重量%、靱性化付与繊維質材料を骨材
    と結合材の合計に対して0.5〜1.5重量%加えたこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の耐火耐熱材層を備
    えた構造物又はその製造方法。
  4. 【請求項4】 主成分の骨材及び結合材は、1200℃
    に1時間暴露されても損失しない耐力を備えたものであ
    ることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の耐火
    耐熱材層を備えた構造物又はその製造方法。
  5. 【請求項5】 骨材は、コーディエライトであることを
    特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の耐火耐熱材層
    を備えた構造物又はその製造方法。
  6. 【請求項6】 結合材は、アルミナセメント又は高炉セ
    メントであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに
    記載の耐火耐熱材層を備えた構造物又はその製造方法。
  7. 【請求項7】 靱性化付与繊維質材料は、ポリビニルア
    ルコール系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリアミド系
    繊維、麻、ガラス繊維、炭素繊維及びパルプ繊維のうち
    の1種又は2種以上を混合したものからなり、耐アルカ
    リ特性を備えたものであることを特徴とする請求項1〜
    6の何れかに記載の耐火耐熱材層を備えた構造物又はそ
    の製造方法。
JP2002099596A 2002-04-02 2002-04-02 耐火耐熱材層を備えた構造物及びその製造方法 Pending JP2003300783A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002099596A JP2003300783A (ja) 2002-04-02 2002-04-02 耐火耐熱材層を備えた構造物及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002099596A JP2003300783A (ja) 2002-04-02 2002-04-02 耐火耐熱材層を備えた構造物及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003300783A true JP2003300783A (ja) 2003-10-21

Family

ID=29388190

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002099596A Pending JP2003300783A (ja) 2002-04-02 2002-04-02 耐火耐熱材層を備えた構造物及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003300783A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006213581A (ja) * 2005-02-07 2006-08-17 Japan Insulation Co Ltd ケイ酸カルシウム系成形体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006213581A (ja) * 2005-02-07 2006-08-17 Japan Insulation Co Ltd ケイ酸カルシウム系成形体
JP4659475B2 (ja) * 2005-02-07 2011-03-30 日本インシュレーション株式会社 ケイ酸カルシウム系成形体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5641760B2 (ja) コンクリート構造体およびコンクリート構造体の耐火被覆方法
JP5511833B2 (ja) 自己平滑性コンクリート
CN87103966A (zh) 表面喷涂耐火层的方法及由此产生的耐火层
EP1951640A2 (de) Formmasse zum herstellen einer feuerfesten auskleidung
CN112266214B (zh) 夹心一体式外墙保温板及其制备方法
JPS58104072A (ja) 急速焼成耐火材
JP2003300783A (ja) 耐火耐熱材層を備えた構造物及びその製造方法
JP5536509B2 (ja) 軽量耐火断熱セメントモルタル
RU2348595C2 (ru) Способ изготовления изделий из огнеупорной массы (варианты)
JP3451212B2 (ja) 耐熱材料及びその製造方法
JP2003293484A (ja) 耐火耐熱材層を備えた構造物及びその製造方法
JP2003300769A (ja) 耐火耐熱材及びその製造方法
KR101922806B1 (ko) 고강도 콘크리트 폭렬방지용 내화패널 구조물 및 이의 제조방법
CA1043533A (en) Ingot mould base plates
JP3518701B2 (ja) 耐火遮蔽材
JP2003300770A (ja) 耐火耐熱材及びその製造方法
WO2020203426A1 (ja) 大迫天井構造およびその製造方法
JP4684608B2 (ja) 無機質板の製造方法
CN113651625A (zh) 一种不开裂抗侵蚀高铝浇注料及其应用
JPS6152116B2 (ja)
FR2785604A1 (fr) Composition de beton pret a l'emploi resistant a une temperature de 1 000°c
CN118084518A (zh) 一种罐式煅烧炉罐体墙壁用涂层料及其涂层的制备方法
JP4570429B2 (ja) 無機質板の製造方法
JPH06211557A (ja) 硬化性無機質組成物
CN111747760A (zh) 一种转炉炉口的浇注料及浇筑方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041201

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080108

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090106