JP2003300712A - 水酸アパタイトセラミックスの分極方法と分極水酸アパタイトセラミックス - Google Patents

水酸アパタイトセラミックスの分極方法と分極水酸アパタイトセラミックス

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JP2003300712A
JP2003300712A JP2002106239A JP2002106239A JP2003300712A JP 2003300712 A JP2003300712 A JP 2003300712A JP 2002106239 A JP2002106239 A JP 2002106239A JP 2002106239 A JP2002106239 A JP 2002106239A JP 2003300712 A JP2003300712 A JP 2003300712A
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polarized
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Kimihiro Yamashita
仁大 山下
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】水酸アパタイトセラミックス(HAp)の分極
操作によりHApセラミックスにどの程度の範囲で電荷
量を貯蔵することができるかについて不明である。分極
によりHApセラミックスの材料本来の機能を向上させ
ることができれば、その用途を生化学材料、生体材料は
勿論、それに限らず、工業材料等としての拡大をはか
る。 【解決手段】HApの分極時の温度を約200℃から約
600℃に設定することによって分極により貯蔵される
電荷量を可変に設定可能である。水酸アパタイトセラミ
ックスの分極温度の設定によって,貯蔵される電荷量を
約1〜10,000倍の間において指数関数的に可変に
設定可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水酸アパタイト
(Ca10(PO4)6(OH)2)(以下HApと称
する。)セラミックスの分極方法と分極したHApセラ
ミックスに関する。
【0002】
【従来の技術】物質表面に高電荷を生じさせる有効な手
段を確立することは、生化学材料、薬学材料、医学材
料、化学物質の観点から見て非常に重要である。HAp
セラミックスは、優れた生体親和性を示す生体材料であ
り、分極すると常温においてセラミックス表面の近傍に
存在するイオン、細胞等に作用して骨親和性等が向上す
ることは知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、分極により
HApセラミックスに、どの程度の電荷量を貯蔵するこ
とができるかについては不明である。また、分極操作に
よりHApセラミックスにどの程度の範囲で電荷量を貯
蔵することができるかについても不明である。分極によ
りHApセラミックスの材料本来の機能を向上させるこ
とができれば、その用途を生化学材料、生体材料は勿
論、それに限らず、薬学材料、医学材料、化学物質、工
業材料としても拡大することができる点でも重要であ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、請求
項1に記載のように、分極時の温度を変えることによっ
て分極により貯蔵される電荷量を可変に設定可能にした
HApセラミックスの分極方法を提供するものである。
本発明によれば、分極時の温度を変えることによって、
HApセラミックスに貯蔵される電荷量を可変に設定す
ることができる。
【0005】また、本発明は、請求項2に記載のよう
に、請求項1に記載の分極方法において、分極時の温度
を約200°Cから約600°Cに設定することによ
り、分極により貯蔵される電荷量を約0.1μC・cm
−2から約1.2mC・cm−2の幅に可変に設定可能
にしたHApセラミックスの分極方法を提供するもので
ある。本発明によれば、分極時の温度を約200°Cか
ら約600°Cに設定することにより、分極により貯蔵
される電荷量を約0.1μC・cm−2から約1.2m
C・cm−2 の幅に可変に設定することができる。
【0006】また、本発明は、請求項3に記載のよう
に、請求項1又は2に記載の分極方法において、分極時
の温度を約200°Cから約600°Cに設定すること
により、分極により貯蔵される電荷量を約1〜1000
0倍の間において指数関数的に可変に設定可能にしたH
Apセラミックスの分極方法を提供するものである。本
発明によれば、分極時の温度を約200°Cから約60
0°Cに設定することにより、分極により貯蔵される電
荷量を約1〜10000倍の間において指数関数的に可
変に設定することができる。
【0007】また、本発明は、請求項4に記載のよう
に、請求項1乃至3のいずれかに記載の分極方法におい
て、分極時の温度と分極により貯蔵される電荷量との相
関関係に基づいて分極してなる分極水酸アパタイトセラ
ミックスの分極方法を提供するものである。本発明によ
れば、分極時の温度と貯蔵される電荷量との相関関係に
基づいて、所定の電荷量を貯蔵する分極HApセラミッ
クスを容易に製造することができる。
【0008】また、本発明は、請求項5に記載のよう
に、請求項1乃至4のいずれかに記載のHApセラミッ
クスの分極方法において、印加電圧を可変にすることに
より、分極により貯蔵される電荷量の貯蔵安定性を可変
に設定可能にしたHApセラミックスの分極方法を提供
するものである。本発明によれば、印加電圧を可変にす
ることにより、分極により貯蔵される電荷量の貯蔵安定
性を可変に設定することができる。
【0009】また、本発明は、請求項6に記載のよう
に、請求項5に記載のHApセラミックスの分極方法に
おいて、印加電圧を約0.5〜5kV・cm−2に設定
してなるHApセラミックスの分極方法を提供するもの
である。本発明によれば、請求項5に記載のHApセラ
ミックスの分極方法において、印加電圧を0.5〜5k
V・cm−2に設定して分極により貯蔵される電荷量の
貯蔵安定性を可変に設定することができる。
【0010】また、本発明は、請求項7に記載のよう
に、請求項1乃至6のいずれかに記載の分極方法におい
て、分極時の印加電圧と分極により貯蔵される電荷量の
貯蔵安定性との相関関係に基づいて分極してなる分極H
Apセラミックスの分極方法を提供するものである。本
発明によれば、分極時の印加電圧と分極により貯蔵され
る電荷量の貯蔵安定性との相関関係に基づいて分極し、
目的の電荷量の貯蔵安定性を有するHApセラミックス
を得ることができる。
【0011】また、本発明は、請求項8に記載のよう
に、請求項1乃至7のいずれかに記載の分極方法におい
て、分極時の温度を500°C以上に設定することによ
って分極により貯蔵される電荷量を20μC・cm−2
以上に分極してなる分極水酸アパタイトセラミックスの
分極方法を提供するものである。本発明によれば、従来
より遙かに大きな貯蔵電荷量を有する分極水酸アパタイ
トセラミックスを製造することができる。また、本発明
は、請求項9に記載のように、請求項1乃至8のいずれ
かに記載の分極方法において、水蒸気雰囲気内で焼結し
た水酸アパタイトセラミックスを分極することからなる
分極水酸アパタイトセラミックスの分極方法を提供する
ものであり、例えば、500°C以上の高温で素材を痛
めることなく容易に分極することができる。
【0012】また、本発明は、請求項10に記載のよう
に、分極により貯蔵される電荷量を分極時の温度設定に
基づいて設定してなる分極HApセラミックスを提供す
るものである。本発明によれば、生化学材料、生体材
料、薬学材料、医学材料、化学物質、工業材料として用
途に従って所定の電荷量を貯蔵するHApセラミックス
を提供することができる。
【0013】また、本発明は、請求項11に記載のよう
に、請求項10に記載の分極HApセラミックスにおい
て、分極時の温度と分極により貯蔵される電荷量との相
関関係に基づいて分極してなる分極HApセラミックス
を提供するものである。本発明によれば、分極時の温度
と貯蔵される電荷量との相関関係に基づいて、所定の電
荷量を貯蔵する分極HApセラミックスを提供すること
ができる。
【0014】また、本発明は、請求項12に記載のよう
に、請求項10又は11に記載の分極HApセラミック
スにおいて、分極時の温度を約200°Cから約600
°Cの間にそれぞれ設定することにより、分極により貯
蔵される電荷量を約0.1μC・cm−2から約1.2
mC・cm−2 の幅にそれぞれ分極してなる分極HA
pセラミックスを提供するものである。
【0015】本発明によれば、分極により貯蔵される電
荷量を約0.1μC・cm−2から約1.2mC・cm
−2 の幅にそれぞれ分極してなる分極HApセラミッ
クスを提供することができる。このことは、HApセラ
ミックスが、約0.1μC・cm−2から約1.2mC
・cm−2 の範囲において、蓄えられる電荷量に1万
倍以上の多大の変化を与えることを意味する。従来のゴ
ムやポリプロピレンのようなポリマー誘電体はナノクー
ロンオーダーの電荷を蓄えられるだけであり、ポリビニ
リデンフオライド(PVDF)とそのコーポリマは、ポ
リマーでは最高の蓄電量を有するものであるが、10k
V・cm−1の電界で150°Cの温度で分極して、8
μC・cm−2 だけしか蓄積できないものである。
【0016】また、本発明は、請求項13に記載のよう
に、請求項10、11又は12に記載の分極HApセラ
ミックスにおいて、分極時の温度を約200°Cから約
600°Cの間にそれぞれ設定することにより、分極に
より貯蔵される電荷量を約1〜10000倍の間で指数
関数的に可変に分極してなる分極HApセラミックスを
提供するものである。本発明によれば、分極により貯蔵
される電荷量を約1〜10000倍の間で温度変化に対
して指数関数的に可変に分極してなる分極HApセラミ
ックスを提供することができる。
【0017】また、本発明は、請求項14に記載のよう
に、請求項10乃至13のいずれかに記載の分極HAp
セラミックスにおいて、印加電圧を可変にすることによ
り、分極により貯蔵される電荷量の貯蔵安定性を可変に
分極した分極HApセラミックスを提供するものであ
る。本発明によれば、印加電圧を可変にすることによ
り、分極により貯蔵される電荷量を大きく変化させない
で貯蔵安定性を可変に分極した分極HApセラミックス
提供することができる。
【0018】また、本発明は、請求項15に記載のよう
に、請求項14に記載の分極HApセラミックスにおい
て、印加電圧を約0.5〜5kV・cm−2に可変に設
定して分極してなる分極HApセラミックスを提供する
ものである。本発明によれば、印加電圧を約0.5〜5
kV・cm−2に可変に設定して貯蔵安定性を可変に分
極してなる分極HApセラミックスを提供することがで
きる。
【0019】また、本発明は、請求項16に記載のよう
に、請求項10乃至15に記載の分極HApセラミック
スにおいて、分極時の印加電圧と分極により貯蔵される
電荷量の貯蔵安定性との相関関係に基づいて分極してな
る分極HApセラミックスを提供するものである。本発
明によれば、分極時の印加電圧と分極により貯蔵される
電荷量の貯蔵安定性との相関関係に基づいて、所定の貯
蓄安定性を有する分極HApセラミックスを提供するこ
とができる。
【0020】また、本発明は、請求項17に記載のよう
に、請求項10乃至16のいずれかに記載の分極水酸ア
パタイトセラミックスにおいて、分極時の温度を500
°C以上に設定することによって分極により貯蔵される
電荷量を20μC・cm−2以上に分極してなる分極水
酸アパタイトセラミックスを提供するものである。本発
明によれば、従来より遙かに大きな貯蔵電荷量を有する
分極水酸アパタイトセラミックスによって、生化学材
料、生体材料、薬学材料、医学材料、化学物質、工業材
料として広い用途を提供することができる。また、本発
明は、請求項18に記載のように、請求項10乃至17
のいずれかに記載の分極水酸アパタイトセラミックスに
おいて、水蒸気雰囲気内で焼結した水酸アパタイトセラ
ミックスを分極してなる分極水酸アパタイトセラミック
スを提供するものであり、例えば、500°C以上の高
温による加熱に容易に耐え、大きな電荷貯蔵量を有する
分極HApセラミックスとして、広い用途を提供するこ
とができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下図示する実施例に基づいて本
発明の実施の形態を説明する。図1は、1250°C、
水蒸気雰囲気で焼結した直径10mm、厚さ0.7mm
のHApセラミックスに対して、5.0kV・cm−1
分の分極電界において、(a)200°C、(b)
300°C、(c)400°C、(d)500°C及び
(e)600°Cの分極温度で1時間保持して、得られ
たそれぞれの分極温度の分極HApセラミックスを0°
Cから850°Cまで5°C・min−1で加熱するこ
とによって放出された熱刺激緩和電流(thermally suti
mulateddeplarization current)(以下TSDCと称す
る。)の代表的なものを、縦軸に対数級数軸として単位
J(nA・cm−2)で、横軸に加熱温度を単位°Cで
表示したものである。
【0022】図1において、TSDC曲線中の(J)のピーク
である(Jmax)は単位nA・cm−2で、分極温度と共
に、分極温度(a)200°Cでは熱刺激温度300°
Cのところで電流約0.1、(b)300°Cでは熱刺
激温度350°Cのところで約0.2、(c)400°
Cでは熱刺激電流550°Cのところで約10、(d)
500°Cでは熱刺激温度600°Cのところで約8
0、及び(e)600°Cでは熱刺激温度730°Cの
ところで800であり、TSDC曲線中の(J)のピークであ
る(Jmax)は、分極温度に伴って指数関数的に増大する。
また、分極温度が400°C以下のところでは、TSDC曲
線中の(J)のピークである(Jmax)は、分極温度より低い
熱刺激温度において現れ、分極温度が500°C以上の
ところでは、分極温度より高い熱刺激温度において現れ
ることが認められる。
【0023】図2は、1250°C、水蒸気雰囲気で焼
結した直径10mm、厚さ0.7mmのHApセラミッ
クスに対して、分極温度を300°Cとして設定し、分
極電界を(a)0.1kV・cm−1、(b)1kV・
cm−1 、(c)5.05.0kV・cm−1とし
て1時間保持して分極した分極HApセラミックスのT
DSC曲線の一例を示すもので、電流緩和過程における
分極電界の影響を示している。その曲線は分極電界が
(a)(b)(c)と増大するにしたがって280°
C、340°C、360°Cと高温方向へシフトする。
高温方向にシフトするということは、それだけ電流緩和
温度を増大させないと電荷が放出されないから、それだ
け蓄積された電荷の安定性が高いといえる。
【0024】しかしながら、これら三つのカーブの間に
おいて、Jmaxは約0.2nA・cm−2であって顕著な
違いは認められない。この結果は、温度が一定であれ
ば、分極電界がJmaxに顕著な影響を与えないで、蓄積さ
れた電荷の安定性に影響することを示している。図3
は、同様に、分極温度を500°Cとして設定し、分極
電界を(a)0.1kV・cm−1、(b)1kV・c
m−1 、(c)5.05.0kV・cm−1として
分極した分極HApセラミックスのTDSC曲線の一例
を示すもので、電流緩和過程における分極電界の影響を
示している。
【0025】その曲線は分極電界が(a)(b)(c)
と増大するにしたがって460°C、570°C、60
0°Cと高温方向へシフトする。しかしながら、これら
三つのカーブの間において、Jmaxは約43nA・cm−
2、約30nA・cm−2、約50nA・cm−2あっ
て、図1の分極温度による影響と比較して顕著な違いは
認められない。この結果は、温度が一定であれば、分極
電界がJmaxに顕著な影響を与えないで、蓄積された電荷
の安定性に影響することを示しているといえる。
【0026】次に、表1は、図1と同様に、1250°
C、水蒸気雰囲気で焼結した直径10mm、厚さ0.7
mmのHApセラミックスに対して、分極電界(Epo
l)0.5、1.0及び5.0kV・cm−1 の3
通りの分極電界において、分極温度(Tpol)473K
(200°C)、573K(300°C)、673K
(400°C)、773K(500°C)及び873K
(600°C)の5通りの分極温度で1時間保持して、
得られたそれぞれの分極温度の分極HApセラミックス
を、0°Cから850°Cまで5°C・min−1で加
熱することによって放出された熱刺激緩和電流TSDC
値を時間積分し、分極により貯蔵された貯蔵電荷量の強
さを見積もったものである。表中、N.D.は検出不能を表
し、−は分析不能を表す。貯蔵電荷量の単位はμC・c
m−2である。
【表1】
【0027】図4は、表1を分極温度T(K)に対し
て、貯蔵電荷量Q(μC・cm−2)の値を、三角形
△:l5kV、円形○:1kV、菱形◇:0.5kVとし
て、縦軸にQを対数級数軸として、横軸に分極温度をケ
ルビン温度Kで表示したものである。この表1及び図4
から、分極電界5.0kV・cm−1 の場合、分
極温度が473K(200°C)において、貯蔵電荷量
は0.08(約0.1)μC・cm−2 から、分極温
度が873K(600°C)において、貯蔵電荷量は1
200μC・cm−2 (1.2mC・cm−2)ま
で、変化することが判る。
【0028】これは、分極温度が473K(200°
C)においての貯蔵電荷量1に対して、分極温度が87
3K(600°C)においての貯蔵電荷量は12000
倍であって、分極HApセラミックスの貯蔵電荷量は1
〜12000倍の間で可変に設定することができること
を示している。また、分極温度が300°C以下では貯
蔵電荷量はせいぜい1μC・cm−2までであり、分極
温度が400°C以下では貯蔵電荷量はせいぜい20μ
C・cm−2 までであるのに対して、分極温度が500
°C以上では貯蔵電荷量はその2倍の40μC・cm−
2 を遙かに越えるてくることを示している。
【0029】また、図4から、分極HApセラミックス
の貯蔵電荷量は、分極電界ではなく分極温度に従うこと
が判り、この図4のような分極温度と分極電界と貯蔵電
荷量の相関関係から、分極条件を設定して所定の貯蔵電
荷量を有する分極HApセラミックスを作成することが
できる。なお、分極HApセラミックスの分極温度と分
極電界と貯蔵電荷量の相関関係は、分極電界を一定にし
た場合の分極温度と貯蔵電荷量の関係、又は、分極温度
を一定にした場合の分極電界と貯蔵電荷量の関係、又
は、貯蔵電荷量を一定にした場合の分極温度と分極電界
の関係として作成することができることは勿論である。
【0030】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、分極時の
温度を変えることによって分極により貯蔵される電荷量
を可変に設定可能にすることができる効果があると共
に、分極時の温度を変えることによって貯蔵電荷量を可
変に設定したHApセラミックスを提供することができ
る効果がある。
【0031】また、本発明によれば、分極時の温度を約
200°Cから約600°Cに設定することにより、H
Apセラミックスに分極により貯蔵される電荷量を約
0.1μC・cm−2から約1.2mC・cm−2 の
幅に可変に設定可能にすると共に、分極時の温度を約2
00°Cから約600°Cに設定することにより、分極
により貯蔵される電荷量を約0.1μC・cm−2から
約1.2mC・cm−2の幅に可変に設定した分極HA
pセラミックスを提供することができる効果がある。
【0032】このことは、HApセラミックスが、約
0.1μC・cm−2から約1.2mC・cm−2 の
範囲において、蓄えられる電荷量に1万倍以上の多大の
変化を与えることを意味し、従来のゴムやポリプロピレ
ンのようなポリマー誘電体はナノクーロンオーダーの電
荷を蓄えられるだけであり、ポリビニリデンフオライド
(PVDF)とそのコーポリマは、ポリマーでは最高の
蓄電量を有するものであるが、10kV・cm−1の電
界で150°Cの温度で分極して、8μC・cm−2
だけしか蓄積できないものであることを考慮すると、生
化学材料、生体材料、薬学材料、医学材料、化学物質、
工業材料としてその用途を拡大することができる効果が
ある。
【0033】また、本発明によれば、分極時の温度を約
200°Cから約600°Cに設定することにより、分
極により貯蔵される電荷量を約1〜10000倍の間に
おいて指数関数的に可変に設定可能にしたHApセラミ
ックスの分極方法を提供すると共に、分極時の温度を約
200°Cから約600°Cに設定することにより、分
極により貯蔵される電荷量を約1〜10000倍の間に
おいて指数関数的に可変に設定したHApセラミックス
を提供することができる効果がある。
【0034】また、本発明によれば、分極時の温度と分
極により貯蔵される電荷量との相関関係に基づいて容
易、且つ確実に分極することができるHApセラミック
スの分極方法を提供することができると共に、分極時の
温度と貯蔵される電荷量との相関関係に基づいて、所定
の電荷量を貯蔵する分極HApセラミックスを提供する
ことができる効果がある。
【0035】また、本発明によれば、印加電圧を可変に
することにより、分極により貯蔵される電荷量の貯蔵安
定性を可変に設定可能にしたHApセラミックスの分極
方法を提供すると共に、印加電圧を可変にすることによ
り、分極により貯蔵される電荷量の貯蔵安定性を可変に
設定した分極HApセラミックスを提供することができ
る効果がある。
【0036】また、本発明によれば、印加電圧を約0.
5〜5kV・cm−2に設定してなるHApセラミック
スの分極方法を提供すると共に、印加電圧を0.5〜5
kV・cm−2に設定して分極により貯蔵される電荷量
の貯蔵安定性を可変に設定した分極HApセラミックス
を提供することができる効果がある。また、本発明によ
れば、分極時の印加電圧と分極により貯蔵される電荷量
の貯蔵安定性との相関関係に基づいて分極してなる分極
HApセラミックスの分極方法を提供すると共に、分極
時の印加電圧と分極により貯蔵される電荷量の貯蔵安定
性との相関関係に基づいて分極し、目的の電荷量の貯蔵
安定性を有するHApセラミックスを得ることができる
効果がある。
【0037】また、本発明は、分極時の温度を500°
C以上に設定することによって分極により貯蔵される電
荷量を20μC・cm−2以上に分極してなる分極水酸
アパタイトセラミックスの分極方法を提供すると共に、
従来より遙かに大きな貯蔵電荷量を有する分極水酸アパ
タイトセラミックスによって、生化学材料、生体材料、
薬学材料、医学材料、化学物質、工業材料として広い用
途を提供することができる効果がある。
【0038】また、本発明によれば、水蒸気雰囲気内で
焼結した水酸アパタイトセラミックスを分極することに
よって高温における分極を容易に耐え、高温で分極した
貯蔵電荷量の大きい分極水酸アパタイトセラミックスを
提供すると共に、高温においても電荷の貯蔵安定性の高
い分極水酸アパタイトセラミックスを提供することがで
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るHApセラミックスのTSD
C曲線を表す説明図。
【図2】 本発明に係るHApセラミックスのTSD
C曲線を表す他の説明図。
【図3】 本発明に係るHApセラミックスのTSD
C曲線を表す他の説明図。
【図4】 本発明に係るHApセラミックスのTSD
C曲線を表す他の説明図。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年4月18日(2002.4.1
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項15
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】また、本発明は、請求項6に記載のよう
に、請求項5に記載のHApセラミックスの分極方法に
おいて、印加電圧を約0.5〜5kV・cm −1 に設定
してなるHApセラミックスの分極方法を提供するもの
である。本発明によれば、請求項5に記載のHApセラ
ミックスの分極方法において、印加電圧を0.5〜5k
V・cm −1 に設定して分極により貯蔵される電荷量の
貯蔵安定性を可変に設定することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】また、本発明は、請求項15に記載のよう
に、請求項14に記載の分極HApセラミックスにおい
て、印加電圧を約0.5〜5kV・cm −1 に可変に設
定して分極してなる分極HApセラミックスを提供する
ものである。本発明によれば、印加電圧を約0.5〜5
kV・cm −1 に可変に設定して貯蔵安定性を可変に分
極してなる分極HApセラミックスを提供することがで
きる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】また、本発明によれば、印加電圧を約0.
5〜5kV・cm −1 に設定してなるHApセラミック
スの分極方法を提供すると共に、印加電圧を0.5〜5
kV・cm −1 に設定して分極により貯蔵される電荷量
の貯蔵安定性を可変に設定した分極HApセラミックス
を提供することができる効果がある。また、本発明によ
れば、分極時の印加電圧と分極により貯蔵される電荷量
の貯蔵安定性との相関関係に基づいて分極してなる分極
HApセラミックスの分極方法を提供すると共に、分極
時の印加電圧と分極により貯蔵される電荷量の貯蔵安定
性との相関関係に基づいて分極し、目的の電荷量の貯蔵
安定性を有するHApセラミックスを得ることができる
効果がある。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分極時の温度を変えるこ
    とによって分極により貯蔵される電荷量を可変に設定可
    能にした水酸アパタイトセラミックスの分極方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の分極方
    法において、分極時の温度を約200°Cから約600
    °Cに設定することにより、分極により貯蔵される電荷
    量を約0.1μC・cm−2から約1.2mC・cm−
    2 の幅に可変に設定可能にした水酸アパタイトセラミ
    ックスの分極方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の
    分極方法において、分極時の温度を約200°Cから約
    600°Cに設定することにより、分極により貯蔵され
    る電荷量を約1〜10000倍の間において指数関数的
    に可変に設定可能にした水酸アパタイトセラミックスの
    分極方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれ
    かに記載の分極方法において、分極時の温度と分極によ
    り貯蔵される電荷量との相関関係に基づいて分極してな
    る分極水酸アパタイトセラミックスの分極方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれ
    かに記載の分極方法において、印加電圧を可変にするこ
    とにより、分極により貯蔵される電荷量の貯蔵安定性を
    可変に設定可能にした水酸アパタイトセラミックスの分
    極方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の分極方
    法において、印加電圧を約0.5〜5kV・cm−2に
    設定してなる水酸アパタイトセラミックスの分極方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいず
    れかに記載の分極方法において、分極時の印加電圧と分
    極により貯蔵される電荷量の貯蔵安定性との相関関係に
    基づいて分極してなる分極水酸アパタイトセラミックス
    の分極方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいず
    れかに記載の分極方法において、分極時の温度を500
    °C以上に設定することによって分極により貯蔵される
    電荷量を20μC・cm−2以上に分極してなる分極水
    酸アパタイトセラミックスの分極方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいず
    れかに記載の分極方法において、水蒸気雰囲気内で焼結
    した水酸アパタイトセラミックスを分極することからな
    る分極水酸アパタイトセラミックスの分極方法。
  10. 【請求項10】 分極により貯蔵される
    電荷量を分極時の温度設定に基づいて設定してなる分極
    水酸アパタイトセラミックス。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の分
    極水酸アパタイトセラミックスにおいて、分極時の温度
    と分極により貯蔵される電荷量との相関関係に基づいて
    分極してなる分極水酸アパタイトセラミックス。
  12. 【請求項12】 請求項10又は11に
    記載の分極水酸アパタイトセラミックスにおいて、分極
    時の温度を約200°Cから約600°Cの間にそれぞ
    れ設定することにより、分極により貯蔵される電荷量を
    約0.1μC・cm−2から約1.2mC・cm−2
    の幅にそれぞれ分極してなる分極水酸アパタイトセラミ
    ックス。
  13. 【請求項13】 請求項10、11又は
    12に記載の分極水酸アパタイトセラミックスにおい
    て、分極時の温度を約200°Cから約600°Cの間
    にそれぞれ設定することにより、分極により貯蔵される
    電荷量を約1〜10000倍の間で指数関数的に可変に
    分極してなる分極水酸アパタイトセラミックス。
  14. 【請求項14】 請求項10乃至13の
    いずれかに記載の分極水酸アパタイトセラミックスにお
    いて、印加電圧を可変にすることにより、分極により貯
    蔵される電荷量の貯蔵安定性を可変に分極した分極水酸
    アパタイトセラミックス。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の分
    極水酸アパタイトセラミックスにおいて、印加電圧を約
    0.5〜5kV・cm−2に可変に設定して分極してな
    る分極水酸アパタイトセラミックス。
  16. 【請求項16】 請求項10乃至15
    のいずれかに記載の分極水酸アパタイトセラミックスに
    おいて、分極時の印加電圧と分極により貯蔵される電荷
    量の貯蔵安定性との相関関係に基づいて分極してなる分
    極水酸アパタイトセラミックス。
  17. 【請求項17】 請求項10乃至16
    のいずれかに記載の分極水酸アパタイトセラミックスに
    おいて、分極時の温度を500°C以上に設定すること
    によって分極により貯蔵される電荷量を20μC・cm
    −2以上に分極してなる分極水酸アパタイトセラミック
    ス。
  18. 【請求項18】 請求項10乃至17
    のいずれかに記載の分極水酸アパタイトセラミックスに
    おいて、水蒸気雰囲気内で焼結した水酸アパタイトセラ
    ミックスを分極してなる分極水酸アパタイトセラミック
    ス。
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