JP2003297411A - 燃料電池用燃料カートリッジおよびそれを用いた携帯電子機器 - Google Patents

燃料電池用燃料カートリッジおよびそれを用いた携帯電子機器

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 携帯電子機器の消費電力変化に応じた水素供
給量が自発的に制御可能な燃料電池用燃料カートリッジ
を提供する。 【解決手段】 隔壁11によって液体2を含む燃料室1
2とその液体と反応して気体を発生する物質4を含む反
応室13に区切られた密閉容器10からなる燃料電池用
燃料カートリッジ1において、反応室13に気体供給口
15を設け、燃料室12から反応室13に液体供給を行
うための液体輸送媒体6の一端部61側が挿入される液
体供給口14を隔壁11に設け、液体輸送媒体6の他端
部62側が燃料室12に設けた圧力により体積変化を起
こす手段8に接合されており、燃料電池における水素消
費速度に応じたカートリッジの内圧変化により,液体物
質2の供給量を自発的に調節する機能を特徴とする燃料
電池用燃料カートリッジ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電子機器の電
源として利用可能な高分子電解質型燃料電池に水素を供
給するための、化学反応を利用する燃料電池用燃料カー
トリッジに関し、特に携帯電子機器の消費電力変化に応
じて燃料電池への水素供給量を自発的に調整する機能を
有した燃料電池用燃料カートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】現在の各種携帯電子機器において、バッ
テリー不足は非常に重要な問題となっている。近年、携
帯電子機器の多機能化に伴いその消費電力は増加の一途
をたどり、これまで主流とされていたNi水素電池やLiイ
オン電池ではエネルギー密度が小さく、十分な使用時間
を得ることが困難になってきている。このような二次電
池においては、そのエネルギー密度をさらに増加させる
ため、Li金属を用いる検討もなされてはいるが、飛躍的
なエネルギー密度の増加を図る手段は見つかっておら
ず、頭打ちを迎えつつあることは明らかである。
【0003】そこで、水素供給により高いエネルギー密
度を得ることが可能な燃料電池を携帯電子機器に用いる
ことが活発に検討されている。燃料電池は、水素と酸素
を電気化学的に反応させて化学エネルギーを直接電気エ
ネルギーに変換することで高い発電効率を得ることがで
きる。特にプロトン導電性を有する電解質膜を用いた、
高分子電解質型燃料電池は、室温での動作が可能なこと
から自動車や住宅用電源だけでなく、携帯電子機器用の
電源としても実用化が検討されている。
【0004】低消費電力の携帯電子機器における燃料電
池の水素消費量は、消費電力1Wにおいて10〜20m
l/min程度と少ない。ましてや、金属水素化物など
に水を供給する等の化学反応を用いて燃料ガスを発生す
る手段においては、水の供給速度は10〜20μl/m
in程度ときわめて少ない。このため、水の供給速度を
機械的に制御することは非常に難しく、また安価な燃料
カートリッジ実現のためには、特開平10−64572
号公報に記載されているような、毛細管現象を利用して
水の供給速度を調節する方法が望まれる。
【0005】しかし、上記公報に記載の毛細管現象を使
った燃料カートリッジにおいては、その構造上からいっ
たん水の供給をスタートし化学反応を開始させてしまう
と、水素供給を中断することはできない。そればかり
か、携帯電子機器利用時に必要な消費電力の変化に伴う
水素供給速度を制御することはできず、実際に実用化し
た際には、水素漏れや電池・筐体の破裂を招きかねない
という問題を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような問題に鑑
み、本発明は、携帯電子機器等の負荷の消費電力の変化
に応じて、水素の供給量を自発的に変化させることがで
きる、エネルギーロスを少なくし安全な燃料電池用燃料
カートリッジを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、燃料電池に水
素を供給するための密閉容器と、その密閉容器と燃料電
池の間には高い気密性を有した流路を備えおり、密閉容
器は液体を含む部屋と、液体と反応して水素を発生する
物質を含む部屋を有し、その室間が液体輸送媒体によっ
てつながれた構造を有する。さらに、その液体輸送媒体
の片側が圧力により体積変化する手段に接続した構造を
有することにより、燃料電池での水素消費速度の変化に
よる密閉容器の内圧変化に伴い、圧力により体積変化を
起こす手段に接続されている液体輸送媒体が動作し、液
体の供給を調整することで、外部から特別な制御を行う
ことなく燃料カートリッジ自体が水素供給速度を調節す
ることが可能となる。
【0008】すなわち、上記課題を解決するために、本
発明は、隔壁によって液体を含む部屋(燃料室)とその
液体と反応して気体(水素ガス)を発生する物質を含む
部屋(反応室)に区切られた密閉容器からなる燃料電池
用燃料カートリッジにおいて、気体を発生する物質を含
む部屋(反応室)に気体供給口を設け、液体を含む部屋
(燃料室)から気体を発生する物質を含む部屋(反応
室)に液体供給を行うための液体輸送媒体の一端部側が
挿入される液体供給口を隔壁に設け、液体輸送媒体の他
端部側が液体を含む部屋に設けた圧力により体積変化を
起こす手段に接合することにより、水素供給速度の自発
的調節機能を備えた。
【0009】さらに、本発明は、上記燃料電池用燃料カ
ートリッジにおいて、液体を含む部屋に保水材を添加し
たことを特徴とする。さらに、本発明は上記燃料電池用
燃料カートリッジにおいて、圧力により体積変化を起こ
す手段が、弾性体または、シリンダとピストンとバネを
組み合わせた構造体、気体を閉じ込めた空間構造を有し
ている。
【0010】また、本発明は、上記燃料電池用燃料カー
トリッジにおいて、隔壁に液体を含む部屋(燃料室)と
その液体と反応して気体を発生する物質を含む部屋(反
応室)との間の通気口を設けた。さらに、隔壁に設けら
れた液体供給口を液体を含む部屋(燃料室)とその液体
と反応して気体を発生する物質を含む部屋(反応室)と
の間の通気口として兼用した。
【0011】さらに、本発明は、上記燃料電池用燃料カ
ートリッジにおいて、液体供給口に液体を含む部屋(燃
料室)に延びる液体輸送媒体を案内する案内手段を設け
た。
【0012】また、本発明は、上記燃料電池用燃料カー
トリッジを燃料電池に接続し、燃料電池により携帯電子
機器を駆動した。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる燃料電池用
燃料カートリッジ1の構造について図面を参照して説明
する。
【0014】(実施の形態1)図1を用いて、第1の実
施の形態にかかる水素供給速度の自発的調節機能を兼ね
備えた燃料電池用燃料カートリッジの構成を説明する。
図1に示すように、本発明にかかる燃料電池用燃料カー
トリッジ1は、隔壁11によって区切られた燃料室12
および反応室13と、隔壁11に設けた液体供給口14
と、反応室13に設けた気体供給口15とを有する密閉
容器10から構成される。燃料電池用燃料カートリッジ
1は、反応室13に反応物質4が充填され、燃料室12
に液体物質2が充填される。さらに、燃料室3内には、
液体輸送媒体6が配置され、その一端が、隔壁11に設
けた液体供給口14内に挿入されるように構成されてい
る。液体輸送媒体6の他端は、燃料室3の隔壁11と反
対側の壁面に一端が固定された圧力により体積変化を起
こす手段である弾性体8に接合されている。さらに、燃
料室12内液体物質2には保水材5を加えることができ
る。
【0015】密閉容器10を形成する材料として、プラ
スチック(ポリカーボネート、アクリル、ジェラコン
等)、金属(ステンレス、アルミ、銅、鉄等)、ガラス
等を用いることができる。これらの材料の中でも、プラ
スチックを用いた密閉容器10は、軽量面かつ加工面で
優れている。
【0016】密閉容器10の内部は、触媒などと接触す
ることにより例えば水素ガスを発生する液体物質2を貯
蔵する燃料室12と、液体物質2が接触することによっ
て化学反応を起こし水素を発生させる触媒などの反応物
質4を貯蔵する反応室13の少なくとも2室に分けられ
ている。また隔壁11によって隔てられた両室間は、隔
壁11に設けた液体供給口14でつながれており、液体
供給口14には液体供給を行うための液体輸送媒体6の
一端が挿入される。
【0017】燃料室12の液体物質2が液体輸送媒体6
を介して反応室13へ運搬され、反応物質4と接触する
ことによって化学反応を起こして水素を発生する。
【0018】上記した液体物質2と反応物質4は、下記の
表1に示すような組み合わせが考えられる。
【0019】
【表1】
【0020】燃料電池用燃料カートリッジにおいては、
負荷の状態に応じて、燃料ガス(水素)が、応答よく発
生したり応答よく停止しなければならないことを考慮す
ると、反応質13へ供給される液体物質2が反応物質4
に接触することで激しく化学反応が起こり、液体物質2
の供給停止とともに速やかに化学反応が停止することが
望まれる。上記表1に示した組み合わせの中でも、水と
金属水素化物の組み合わせや、酸と金属の組み合わせは
その形状や濃度を調節することにより、激しい化学反応
をさせることが可能であり、燃料電池用燃料カートリッ
ジに用いる化合物の組み合わせとして望ましい。
【0021】また、液体物質2が液体輸送媒体6の毛細
管現象以外の力(例えば、重力)の影響を受けて反応室
13へ移行して反応物質4と過剰に反応することを抑制
するため、液体物質2に保水材5を加えることにより、
密閉容器10の向きが変わっても液体物質2を固定して
おくことが可能となり、常に同じ条件で液体輸送媒体6
と接触させることが可能となる。保水材5としては、脱
脂綿、吸収性ポリマー等を用いることができる。特に脱
脂綿は非常に安価であり、コスト面で優れている。この
ような保水材を用いることにより、液体物質2は一定速
度で反応室13に運ばれ、反応物質4と反応を起こすこ
とが可能である。
【0022】液体輸送媒体6としては、毛細管現象が生
じる物質を用いることができ、具体的にはパイプ・ハニ
カムパイプ・繊維・フェルト・発泡樹脂・線束等を用い
ることが考えられる。ただし、液体供給口14から液体
輸送媒体6の一端61が外れないようにするために、形
状を維持する程度の硬さを有していることが望ましい。
【0023】液体輸送媒体6の燃料室12側の先端62
は、圧力によって体積変化を起こす弾性体8に接着され
ている。密閉容器10内の圧力が減少して弾性体8が膨
張することによって、液体輸送媒体6の一端61が反応
室13側へ押し出されて液体物質2を反応物質4に接触
させたり、圧力が増加して弾性体8が収縮することによ
って、他端62が弾性体8に接着された液体輸送媒体6
の一端61が燃料室12側に引き込まれて液体物質2の
反応物質4との接触を停止するように動作する機構にな
っている。
【0024】密閉容器10内での水素発生速度が増加
し、燃料室12の内圧が上昇してくると、液体供給口1
4および液体輸送媒体6を通じて反応室13の内圧も増
加し、図2に示すように弾性体8の体積収縮がおきる。
これにより、弾性体8に他端62が接着された液体輸送
媒体6が反応室13から燃料室12側へ引き抜かれ、反
応物質4と接触が切れることで液体物質2の供給が停止
し、水素発生速度を低下させる。
【0025】この状態で、気体供給口15から水素が燃
料電池に供給され消費されると、図1のように密閉容器
10内の圧力が下降して弾性体8の体積が元に戻る。こ
れにより、圧力により体積変化を起こす手段(弾性体)
8に接着された液体輸送媒体6が、今度は燃料室12か
ら反応室13側へ押し込まれ、再び反応物質4と接触す
ることで液体物質2の供給が再開され、水素発生速度が
増加する。
【0026】以上のようなサイクルを繰返すことによ
り、密閉容器10内の圧力変化に応じて自発的に水素発
生速度を調節する燃料電池用燃料カートリッジを作製す
ることが可能となる。
【0027】この例で用いた、圧力により体積変化を起
こす手段である弾性体8の条件としては、圧力によって
体積変化を起こすとともに、液体や気体を通過させない
物質であることが望ましい。具体的には、図3に示すよ
うに、弾性体8として、燃料室(シリンダ)12内に、
受圧板81とシール部材としてのO−リング82を組み
合わせたものを挿入し、バネ83を用いて付勢したシリ
ンダ構造が考えられる。この場合、内圧による体積変化
の度合いはバネの強さによって調整され、精度の高い制
御が可能である。また、図4に示すように、周囲85を
燃料室12の内壁に気密に固定したゴム膜84を用いた
構造をとることが考えられる。このときは圧力により気
体の圧縮が起きることにより気体室86の体積変化を生
じさせることが可能である。また、図に示してはいない
が気泡を閉じ込めた発泡体等も用いることができる。
【0028】図5に、圧力により体積変化を起こす手段
として、弾性体、シリンダ構造、ゴム膜を用いた燃料カ
ートリッジにおける水素発生速度の変化を示す。密閉容
器10の気体供給口15に流量計を設けて、一定圧力損
失により水素消費をさせたときの水素供給速度の経時変
化を計測した。反応物質4としてCaH2を4.2g、液体
物質2として水5.0gをそれぞれ反応室13と燃料室
12に詰め、液体輸送媒体6として4mmφのフェルト芯
を用いた。
【0029】はじめ、ゴム膜84を体積減少させ、流量
計に設置した後にゴム膜84を開放することで、水を含
んだフェルト芯6が反応物質(CaH2)4と接触し急激な
水素発生量が認められた。図5に破線で示すように、水
素発生速度がある一定値を超えると密閉容器10内の圧
力が上昇しゴム膜84は徐々に凹み、フェルト芯6と反
応物質(CaH2)4の接触が遮断され、これに伴い水素発
生が停止した。しかし、密閉容器10内は加圧状態であ
るので、水素の流出はとまらず、水素発生速度の減少が
観察された。これにより、徐々に密閉容器10内の圧力
が低下しゴム膜84が元の形状に戻り、再びフェルト芯
6と反応物質(CaH2)4が接触し水素生成速度の増加が
観察された。
【0030】以上より、液体輸送媒体6をゴム膜84に
接着させた機構を有することにより、一定範囲の水素発
生速度を自発的に調節することが可能であることが示唆
された。また、図1と図3で示したような、圧力により
体積変化を起こす手段として弾性体8およびシリンダ構
造81〜83を用いる構造においても、同様な実験を行
ったところゴム膜84と同様に、図5に実線および点線
で示すように、内圧の変化により水素発生速度が制御さ
れた結果を得ることができた。
【0031】このときの、上記3つの圧力により体積変
化を起こす手段の弾性力は、ゴム膜、シリンダ構造、弾
性体の順に大きく、その弾性力の大小に伴い、水素発生
速度も、ゴム膜、シリンダ構造、弾性体の順に大きくな
っており、図5における水素発生速度は圧力により体積
変化を起こす手段の弾性力に依存していることが確認さ
れる。つまりは、この弾性力(弾性定数)を変化させる
ことにより、反応物質4への液体物質2の供給を停止す
る圧力を設定することが可能である。
【0032】(実施の形態2)図1、図3および図4に
示した構造では、反応室13で生じる圧力変化が液体供
給口14および液体輸送媒体6を通して燃料室12に伝
わるので、毛細管現象により液体輸送媒体6に蓄えられ
た液体物質2が燃料室12に押し戻されたり、それとは
反対に燃料室12から反応室13に液体物質2が押し出
されたりすることとなり、水素発生速度が十分に安定し
ないおそれがある。そこで、図6aのように、反応室1
3と燃料室12をつなげている液体供給口14の内径を
液体輸送媒体6の外径よりも大きくし、気体が通る通気
口16を設けることで、反応室13と燃料室12の圧力
調整はこの通気口16を通して行われることとなり、上
記の問題点は解決される。この通気口16としては、図
6bに示すように液体供給口14とは別に設けてもかま
わない。
【0033】図6bに示した通気口16を有した燃料カ
ートリッジ1における水素発生速度の変化を図7に実線
で示す。また、比較として図4に示した燃料カートリッ
ジ1の測定結果を図7に点線で示す。これより、図4に
示した通気口16を有していない燃料カートリッジ1に
おいては10ml/min程度の幅を持って水素発生速
度が変化しており、一定に安定しないことがわかる。し
かし、図6bに示した通気口16を有した燃料カートリ
ッジ1においては、反応物質4への液体輸送媒体6の脱
着が繰返されるとともに水素発生速度は20ml/mi
nの一定値におちついていくことがわかる。これによ
り、通気口16を設けることで安定した液体物質2の供
給が可能となり、水素発生速度も安定化させることが可
能となった。
【0034】(実施の形態3)また、内圧の変化による
液体輸送媒体6の可動により、液体輸送媒体6が液体供
給口14から外れることを防止するため、図8に示すよ
うに液体輸送媒体6の周りに液体輸送媒体6を案内する
ガイド17を設置した構造を有している。ガイド17の
長さとしては、内圧の変化により液体輸送媒体6が可動
可能な距離よりも長く設けるとよい。
【0035】(実施の形態4)図9の模式図を用いて、
燃料カートリッジ1を実際に携帯電子機器に組み込んだ
燃料電池に接続した状態を説明する。前述したカートリ
ッジ1の気体供給口15を密閉された燃料電池19に差
込み、燃料電池19からの配線は携帯電子機器18の電
源部分に接続されている。カートリッジ1から水素供給
を行い、燃料電池19により発電を行うことにより携帯
電子機器18の通常使用が可能となる。携帯電話18の
電源を入れることにより、0.01W程度の発電が燃料
電池より行われ、燃料カートリッジ1から0.2ml/
minの水素が供給された。この状態で、1W程度の消
費電力を有する通信機能を試したところ、水素消費量の
増加に伴って燃料カートリッジ1からの水素発生速度が
増加し、水素供給量は21ml/minまで増加した。
これにより、21ml/minの水素供給により通信が
可能となった。
【0036】図10にこのときの水素発生速度の変化を
示す。通信時の水素発生速度(実線)の変化に多少の遅
れはあるものの、携帯電話の消費電力(破線)の変化に
応じて、燃料カートリッジ1から供給される水素量は敏
感に変化し、問題なく携帯電話を使用することができ
た。これにより、同サイズで二次電池よりもエネルギー
密度を増加させることができ、長時間の携帯電子機器の
動作が可能となる。
【0037】
【発明の効果】上記の実施形態により、外部からの動力
を得ることなく自発的に容器内の圧力を一定に保つよう
に液体物質の供給が調節され、安定した水素供給をする
ことが可能となる。また、携帯電子機器に組み込まれた
燃料電池の燃料供給源として本発明にかかる燃料カート
リッジを用いることにより、携帯電子機器での消費電力
の変化に応じて、水素供給量を自発的に調節することが
可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 圧力により体積変化を起こす手段として弾性
体を用いた燃料カートリッジの水素発生時(ON時)の
構造を模式的に説明する断面図。
【図2】 圧力により体積変化を起こす手段として弾性
体を用いた燃料カートリッジの水素非発生時(OFF
時)の構造を模式的に説明する断面図。
【図3】 圧力により体積変化を起こす手段としてシリ
ンダ構造を用いた燃料カートリッジの構造を模式的に説
明する断面図。
【図4】 圧力により体積変化を起こす手段としてゴム
膜を用いた燃料カートリッジの構造を模式的に説明する
断面図。
【図5】 圧力により体積変化を起こす手段として、弾
性体、シリンダ構造、ゴム膜を用いた燃料カートリッジ
における水素発生速度の挙動を説明する図。
【図6】 通気口を有した燃料カートリッジの構造を模
式的に説明する断面図(a)。通気口を有した燃料カー
トリッジの構造を模式的に説明する断面模式図(b)。
【図7】 燃料カートリッジの通気口の有無による水素
発生速度の挙動を説明する図。
【図8】 ガイドを用いた燃料カートリッジの構造を模
式的に説明する断面図。
【図9】 燃料カートリッジを携帯電子機器につないだ
際の接続の模式図。
【図10】 携帯電子機器の消費電力にともなう、燃料
カートリッジから供給される水素発生速度の挙動を説明
する図。
【符号の説明】
1 燃料電池用燃料カートリッジ 10 密閉容器 11 隔壁 12 燃料室 13 反応室 14 液体供給口 15 気体供給口 16 通気口 17 ガイド 2 液体物質 4 反応物質 5 保水材 6 液体輸送媒体 8 圧力により体積変化を起こす手段 81 受圧板 82 O−リング 83 バネ 84 ゴム膜 86 気体室 18 携帯電子機器 19 燃料電池
フロントページの続き (72)発明者 森西 康晴 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 菰田 睦子 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 5H026 AA06 5H027 AA06 BA13 BA14

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隔壁によって液体を含む部屋とその液体
    と反応して気体を発生する物質を含む部屋に区切られた
    密閉容器からなる燃料電池用燃料カートリッジにおい
    て、気体を発生する物質を含む部屋に気体供給口を設
    け、液体を含む部屋から気体を発生する物質を含む部屋
    に液体供給を行うための液体輸送媒体の一端部側が挿入
    される液体供給口を隔壁に設け、液体輸送媒体の他端部
    側が液体を含む部屋に設けた圧力により体積変化を起こ
    す手段に接合されていることを特徴とする燃料電池用燃
    料カートリッジ。
  2. 【請求項2】 液体を含む部屋に保水材を有したことを
    特徴とする請求項1に記載の燃料電池用燃料カートリッ
    ジ。
  3. 【請求項3】 圧力により体積変化を起こす手段が、弾
    性体である請求項1に記載の燃料電池用燃料カートリッ
    ジ。
  4. 【請求項4】 圧力により体積変化を起こす手段が、シ
    リンダとバネの組み合わせである請求項1に記載の燃料
    電池用燃料カートリッジ。
  5. 【請求項5】 圧力により体積変化を起こす手段が、気
    体を閉じ込めた構造を有している請求項1に記載の燃料
    電池用燃料カートリッジ。
  6. 【請求項6】 隔壁に液体を含む部屋とその液体と反応
    して気体を発生する物質を含む部屋との間の通気口を設
    けた請求項1に記載の燃料電池用燃料カートリッジ。
  7. 【請求項7】 隔壁に設けられた液体供給口が、液体を
    含む部屋とその液体と反応して気体を発生する物質を含
    む部屋との間の通気口として働く請求項1に記載の燃料
    電池用燃料カートリッジ。
  8. 【請求項8】 液体供給口に液体を含む部屋に延びる案
    内手段が設けられている請求項1に記載の燃料電池用燃
    料カートリッジ。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の燃料電池用燃料カート
    リッジが燃料電池に接続され、前記燃料電池により駆動
    されることを特徴とする携帯電子機器。
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