JP2003293145A - 無電解金めっき用活性化液及び無電解めっき方法 - Google Patents

無電解金めっき用活性化液及び無電解めっき方法

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JP2003293145A JP2002101149A JP2002101149A JP2003293145A JP 2003293145 A JP2003293145 A JP 2003293145A JP 2002101149 A JP2002101149 A JP 2002101149A JP 2002101149 A JP2002101149 A JP 2002101149A JP 2003293145 A JP2003293145 A JP 2003293145A
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喜美子 工藤
Naomi Murase
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ニッケルめっき皮膜の上に形成された置換析
出型無電解金めっき皮膜のハンダ接続性能やワイヤーボ
ンディング特性を向上させる手段を提供する。 【解決手段】(i) 錯化剤、(ii) 酸化数2〜4のカルコ
ゲン元素を含む酸及びその塩からなる群より選ばれる少
なくとも1種の成分、(iii) ヒドラジン及びヒドラジン
誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種、及び(i
v) アミノ基及びイミノ基からなる群より選ばれる含窒
素基を2個以上含み、置換基を有することのあるエチレ
ン基を該含窒素基の窒素原子間に有する化合物を含有す
る無電解金めっき用活性化液;及びニッケルめっきを施
した被めっき物を、前記無電解金めっき用活性化液に接
触させ、次いで置換析出型無電解金めっきを行う無電解
めっき方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無電解金めっきを施
すための前処理用の活性化液を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板製造時、半導体パッケー
ジ製造時、電子部品製造時等における最終工程の一つ
に、導体回路、端子部分等にニッケルめっきを施し、更
に無電解金めっきを行う処理がある。これは、プリント
配線板の銅回路表面の酸化を防止して、良好なハンダ接
続性能を発揮させることや、半導体パッケージとその上
に実装される電子部品とをワイヤーボンディングさせる
際に、半導体パッケージ、電子部品等の端子部分の金属
と、金やアルミのワイヤーとを良好な状態でワイヤーボ
ンディングさせることを目的とするものである。
【0003】このようなめっき皮膜の形成方法として
は、プリント配線板上の銅皮膜の上、半導体パッケージ
や電子部品上の金属ペーストの上にニッケルめっき皮膜
を自己触媒的に析出させ、その後金めっき皮膜をニッケ
ル皮膜上に置換析出させ、さらに自己触媒的に無電解金
めっき皮膜を厚く成膜する方法が一般的である。
【0004】ところが、自己触媒的に無電解めっき皮膜
を形成する際に用いる金めっき液は、安定性が低く、し
かも金めっきを厚付けすると高コストとなる。このた
め、近年自己触媒型の無電解金めっきを行うことなく、
ニッケルめっき皮膜上に置換析出させた無電解金めっき
皮膜上に直接ハンダ付けやワイヤーボンディングを行う
ことが要求されている。
【0005】しかし、置換析出させた無電解金めっき皮
膜とニッケルめっき皮膜との密着性は充分ではなく、更
に置換析出によって得られた無電解金めっき皮膜は非常
に多孔質な状態であり、空気中で酸化されたニッケルめ
っき皮膜上の酸化物が金めっき皮膜上に拡散し、ハンダ
接合強度やワイヤーボンディングの接続強度が低下する
といった問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ニッケルめ
っき皮膜上に形成した置換析出型の金めっき皮膜上に、
直接ハンダ付け、ワイヤーボンディング等を行う際に、
接合強度等の特性を向上させる手段を提供することを主
な目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記した目的
を達成すべく研究を行った結果、ニッケルめっきを施し
た被めっき物を、特定の酸化防止剤、密着向上剤、腐食
抑制剤などを配合した無電解金めっき用活性化液に接触
させ、その後置換析出型無電解金めっきを行うことによ
り、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成
した。
【0008】即ち、本発明は、下記の各項に係る発明を
提供するものである。 項1 (i) 錯化剤、(ii) 酸化数2〜4のカルコゲン元
素を含む酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくと
も1種の成分、(iii) ヒドラジン及びヒドラジン誘導体
からなる群より選ばれる少なくとも1種、及び(iv) ア
ミノ基及びイミノ基からなる群より選ばれる含窒素基を
2個以上含み、置換基を有することのあるエチレン基を
該含窒素基の窒素原子間に有する化合物を含有する無電
解金めっき用活性化液。 項2 錯化剤が、官能基としてカルボキシル基、ホスホ
ノ基、水酸基及びアミノ基から選ばれる官能基を2個以
上有する化合物である項1に記載の活性化液。 項3 ニッケルめっきを施した被めっき物を、項1に記
載の無電解金めっき用活性化液に接触させ、次いで置換
析出型無電解金めっきを行う無電解めっき方法。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】無電解金めっき用活性化液 本発明の無電解金めっき用活性化液は、(i)錯化剤、(i
i) 酸化数2〜4のカルコゲン元素を含む酸及びその塩
からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分、(iii)
ヒドラジン及びヒドラジン誘導体からなる群より選ばれ
る少なくとも1種、及び(iv)アミノ基及びイミノ基から
なる群より選ばれる含窒素基を2個以上含み、置換基を
有することのあるエチレン基を該含窒素基の窒素原子間
に有する化合物を必須成分として含有する。
【0011】(i)錯化剤 錯化剤は、ニッケル皮膜上の酸化物を溶解除去させるこ
とを主な目的として配合される。被めっき物は、ニッケ
ルめっき終了後、通常、水洗を数回行ってから置換析出
型無電解金めっき液に浸漬されるが、その水洗の段階で
ニッケルめっき皮膜は酸化され、皮膜表面にはニッケル
酸化物の層が形成されている。このような層は置換析出
による金めっき皮膜とニッケルめっき皮膜との間に残存
し、最終的にはニッケルめっき皮膜への無電解金めっき
皮膜の密着性を低下させる要因となる。そこで本発明の
活性化液には、このようなニッケルめっき皮膜の酸化物
を溶解除去させるために、錯化剤として、ニッケルイオ
ンに配位する能力を有する有機化合物が配合される。
【0012】このような有機化合物としては、カルボキ
シル基、ホスホノ基、水酸基及びアミノ基から選ばれる
官能基を、2個以上有する化合物が挙げられる。これら
化合物において、2個以上の官能基の種類は同一でもよ
く、異なっていてもよい。
【0013】具体的には、2個以上のカルボキシル基を
含有する化合物として、コハク酸、マロン酸等の多価カ
ルボン酸類が挙げられる。2個以上の水酸基を含有する
化合物として、ブドウ糖等の糖類、ポリビニルアルコー
ル等の水酸基含有ポリマー等の多価水酸基含有化合物が
挙げられる。2個以上のホスホノ基を含有する化合物と
して、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン等の
ホスホン酸類が挙げられる。2個以上のアミノ基を含有
する化合物として、エチレンジアミン、ジエチレントリ
アミン等のエチレンジアミン類又はエチレントリアミン
類等が挙げられる。カルボキシル基及び水酸基を含有す
る化合物として、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のオキ
シカルボン酸類が挙げられる。カルボキシル基及びアミ
ノ基を含有する化合物としては、グリシン、アラニン等
のアミノ酸類、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレント
リアミン五酢酸等の窒素原子上にカルボキシアルキル基
を3〜5個程度有するエチレンジアミン又はエチレント
リアミン誘導体、これらの誘導体のナトリウム塩、カリ
ウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩等を挙げる
ことができる。
【0014】錯化剤は、本活性化液に一種単独で、また
は二種類以上含まれていてもよい。
【0015】本活性化液における錯化剤の濃度は、特に
限定されるものではないが、錯化剤濃度が低すぎると、
溶解したニッケルイオンを活性化液中に安定に可溶化さ
せることが困難となり、水酸化ニッケル等の沈殿が生じ
易くなったり、ニッケルめっき皮膜の酸化物の層を溶解
除去する能力が低下する傾向にある。一方、錯化剤濃度
が高すぎると、ニッケルめっき皮膜からのニッケルの溶
解が過剰となって、ニッケル皮膜の腐食を引き起こし易
くなる。これらの点から、錯化剤濃度は、0.001〜1mol/
l程度とすることが好ましく、0.002〜0.1mol/l程度とす
ることがより好ましい。
【0016】(ii) 酸化数2〜4のカルコゲン元素を含
む酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種
の成分 これらの成分は、被めっき物を、本発明活性化液に浸漬
してニッケルめっき皮膜上の酸化物を除去した後、無電
解金めっき皮膜の置換析出のためのめっき液に浸漬する
までの間、ニッケルめっき皮膜の酸化を防止するために
有効な成分(以下、「酸化防止剤」という)である。
【0017】酸化数2〜4のカルコゲン元素を含む酸及
びその塩としては、本発明の活性化液に可溶な化合物で
あれば特に限定なく使用できる。その具体例としては、
スルホキシル酸、亜硫酸、チオ硫酸、二亜チオン酸、亜
セレン酸、亜テルル酸等の酸;及びこれら酸のナトリウ
ム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、アンモニウム
塩等を挙げることができ、更に、ホルムアルデヒドスル
ホキシレート(ロンガリット)などの上記酸又は塩の誘
導体も用いることができる。
【0018】上記酸化防止剤は、一種単独で又は二種以
上混合して用いることができる。
【0019】本発明活性化液中における上記酸化防止剤
の濃度は、特に限定的ではないが、酸化防止剤濃度が低
すぎると活性化後のニッケルめっき皮膜の酸化防止効果
が低下する傾向にある。一方酸化防止剤濃度が高すぎる
と、活性化液が置換析出無電解金めっき液中に汲み込ま
れた場合、置換析出型無電解金めっき液の安定性が低下
し、ひいては置換析出型無電解金めっき液に含まれる各
種成分の分解を引き起こし易くなる。これらの点から、
酸化防止剤濃度は、0.001〜1mol/l程度とすることが好
ましく、0.002〜0.5mol/l程度とすることがより好まし
い。
【0020】(iii) ヒドラジン及びヒドラジン誘導体
からなる群より選ばれる少なくとも1種 これら化合物は、ニッケルめっき皮膜と無電解金めっき
皮膜との密着を向上させるために有効な化合物(以下
「密着向上剤」という)である。
【0021】ヒドラジン誘導体としては、具体的には、
ピラゾール類、トリアゾール類、チアジアゾール類、マ
レイン酸ヒドラジド等が例示される。これらの内で、ピ
ラゾール類としては、ピラゾールの他に、5−アミノ−
3−メチルピラゾール等のピラゾール誘導体を用いるこ
とができ、トリアゾール類としては、1,2,4−トリ
アゾール等のトリアゾールの他に、3−アミノ−1,
2,4−トリアゾール等のトリアゾール誘導体等を用い
ることができ、チアジアゾール類としては、2−アミノ
−5−エチル−1,3,4−チアジアゾール等のチアジ
アゾール誘導体を用いることができる。
【0022】本発明では、上記したような密着向上剤
は、一種単独又は二種以上混合して用いることができ
る。
【0023】かかる密着向上剤の本活性化液中における
濃度は、特に限定されるものではないが、密着向上剤の
濃度が低すぎると、置換析出による無電解金めっき皮膜
の良好な密着性が得られ難くなる。一方密着向上剤濃度
が高すぎる場合は、活性化液が置換析出型無電解金めっ
き液中に汲み込まれた場合、無電解金めっき皮膜にムラ
が生じたりめっき未析出部分が生じるなどの悪影響を及
ぼし、良好なめっき皮膜が得られにくくなる。これらの
点から、密着向上剤の濃度が、0.001〜1mol/l程度であ
ることが好ましく、0.002〜0.1mol/l程度であることが
より好ましい。
【0024】(iv) アミノ基及びイミノ基からなる群よ
り選ばれる含窒素基を2個以上含み、置換基を有するこ
とのあるエチレン基を該含窒素基の窒素原子間に有する
化合物 この化合物は、ニッケルめっき皮膜の活性化処理後の水
洗や、置換析出型無電解金めっき液中でのニッケルめっ
き皮膜の腐食を抑制するために有効な化合物(以下、
「腐食抑制剤」という)である。
【0025】アミノ基及びイミノ基からなる群より選ば
れる含窒素基を2個以上含み、置換基を有することのあ
るエチレン基を該含窒素基の窒素原子間に有する化合物
の好ましい例としては、下記一般式
【0026】
【式1】 (式中、R1〜R6は、同一又は異なって、水素原子又は
低級アルキル基を示す。nは、1〜6の整数である。) 上記一般式において、低級アルキル基としては、メチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、tert−ブチル等の炭素数1〜4程
度の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を例示できる。
【0027】このような有機化合物の例としては、エチ
レンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテ
トラミン、テトラエチレンペンタミン、N,N’−ジメ
チルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジ
アミン、N,N’’−ジメチルジエチレントリアミン、
N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノプロパン等が挙
げられる。
【0028】このような腐食抑制剤の本活性化液中の濃
度は、特に限定されるものではないが、腐食抑制剤濃度
が低すぎる場合、ニッケルめっき皮膜の腐食抑制効果が
充分に発揮され難く、ニッケルめっき皮膜の腐食を引き
起こし易い。一方、腐食抑制剤濃度が高すぎると、腐食
抑制剤が置換析出型無電解金めっき液中に汲み込まれた
場合、置換析出型無電解金めっき液中でのニッケル皮膜
の溶解を逆に促進し、置換析出型無電解金めっき液中で
のニッケルめっき皮膜の腐食が発生し易くなる。これら
の点から、本活性化液中の腐食抑制剤濃度は、0.001〜1
0mmol/l程度であることが好ましく、0.002〜1mmol/l程
度であることがより好ましい。
【0029】(v) 他の成分 本発明における活性化液中には、さらに、活性化液の特
性に悪影響を及ぼさない限り、上記したような成分の他
に、水溶性金塩、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷
移金属等の他の(金以外の)金属塩、界面活性剤等の他
の有機化合物が含まれていてもよい。
【0030】活性化液のpHは、特に限定されるもので
はないが、pHが低すぎると錯化剤の溶解性が低下し、
酸化防止剤の分解が起こり易く、また高すぎると、ニッ
ケルめっき皮膜の腐食が起こり易い。かかる点から、活
性化液のpHは、3〜12程度が好ましく、5〜10程度がよ
り好ましい。
【0031】めっき方法 次いで、本活性化液の使用方法を説明する。
【0032】本発明の活性化液を利用しためっき方法で
は、まず、ニッケルめっき皮膜を形成した被めっき物
に、本活性化液に被めっき物を接触させる。
【0033】被めっき物は、ニッケルめっき皮膜上に置
換析出による無電解金めっき皮膜を得る目的のものであ
れば、形態や構造等は限定されず、金属材料の他、プラ
スチック材料、セラミック材料など各種の材質の材料を
被めっき物とすることができる。本発明では、プリント
配線板の導体回路全体、スルーホール、パッド、ランド
及びその他の接続部分、半導体パッケージや各種電子部
品の端子部分を被めっき物とするのが好ましい。
【0034】ニッケルめっき皮膜を得るための処理方法
は特に限定されるものではなく、無電解ニッケルめっき
又は電気ニッケルめっきのいずれの方法を用いてもよ
い。プリント配線板の導体回路や接続部分、半導体パッ
ケージや各種電子部品の端子部分を被めっき物とする場
合は、一般に、無電解ニッケルめっきにより処理され
る。
【0035】ニッケルめっき皮膜を形成した被めっき物
の本活性化液への接触は、通常被めっき物を本活性化液
に浸漬させて行うが、これに限定されるものではなく、
噴霧などによって接触させてもよい。
【0036】活性化液の液温については、本発明の所期
の効果が奏されるのであれば特に限定されるものではな
いが、温度が低すぎるとニッケルめっき皮膜上の酸化物
の溶解除去が緩慢となり易く、置換析出した金めっき皮
膜の密着性が低下し、良好なワイヤーボンディング特性
が得られ難くなる。一方、温度が高すぎると活性化液中
の腐食抑制剤の効果が低下し、ニッケルめっき皮膜の腐
食し易くなる。また活性化液の温度が高すぎる場合に
は、水の蒸発が激しすぎてめっき液中に含まれる成分の
適切な濃度の維持が困難となる。かかる点から、本活性
化液は、通常0℃以上で用いられ、25〜90℃程度で用い
るのが好ましい。
【0037】本活性化液へ被めっき物を浸漬させる場合
の浸漬時間については、本発明所期の効果が得られる限
り特に限定されるものではないが、通常、30秒〜5分
間程度であり、後述の置換析出型無電解金めっき液への
浸漬時間の1〜3割程度の時間とするのが好ましい。
【0038】また、被めっき物を本活性化液に浸漬させ
る場合は、活性化液を攪拌してもよいし、活性化液を循
環濾過させてもよい。
【0039】上記したようにして活性化液に接触させた
後、置換析出型の無電解金めっきを行う。無電解金めっ
き液としては、置換析出型の金めっき液であれば特に限
定はなく使用できる。めっき条件についても、めっき液
の種類に応じて、常法に従えばよい。例えば、めっき液
への浸漬時間は、5〜30分間程度である。
【0040】置換析出により形成させる金めっき皮膜の
厚さは、通常、0.01〜0.5μm程度である。
【0041】尚、本発明の活性化液による処理を行った
後、無電解金めっきを行う前に、通常、無電解金めっき
液中への該活性化液の持ち込みによる悪影響を防ぐため
に水洗を行うが、無電解金めっきの種類によって、該活
性化液の持ち込みの影響が少ない場合には、処理工程の
短縮のためには、該活性化液による処理を行った後、水
洗することなく、直接無電解金めっきを行ってもよい。
【0042】
【実施例】以下に本発明における無電解金めっき用活性
化剤の具体的な実施例及び比較例を示す。
【0043】実施例1及び2並びに比較例1〜4 パッド径0.5mmのBGA搭載用パターンを有する5×10cm
の独立回路基板を用い、一般に独立回路基板の処理で使
用されている無電解ニッケルめっき液(含リン率5〜8
%)を用いて、無電解ニッケルめっきを約5μm施したも
のを、水洗した後、表1に示す各種金めっき用活性化液
に1分間浸漬し、表2に示す置換型金めっき液に10分
間浸漬した。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】表1の実施例1及び2は本発明の活性化液
を示す。比較例1は無電解金めっき用活性化液を使用し
ない場合を示す。また、比較例2は酸化防止剤を、比較
例3は密着向上剤を、比較例4は腐食防止剤をそれぞれ
添加せずに活性化を行い、各々の成分の効果を比較検討
した。
【0047】形成された金めっき皮膜について、下記の
方法で膜厚、外観、ニッケル皮膜の腐食の程度、ボンデ
ィング特性、ハンダ接合強度について評価した。 *金めっき皮膜の膜厚:蛍光X線膜厚測定装置を用いて
測定した。 *外観:目視により色調及び未析出の有無を調べた。 *無電解ニッケルめっき皮膜の腐食状態:無電解金めっ
き後金剥離剤にて金めっき皮膜を剥離した後、走査型電
子顕微鏡で観察し、下記の基準により評価した。 ○ 腐食無し、 △ 一部腐食あり、 × 全面に
腐食あり *ボンディング特性:ワイヤーボンディング強度の測定
には、ボンディングマシンを用いて、φ28μmの金ワイ
ヤーをボンディングし、ボンディング強度測定装置を用
いて測定を行った。また、その破断状態を下記の基準に
より表した。 ○ 金ワイヤーの破断発生 △ 金めっき表面からワイヤーが剥離 × 無電解ニッケルめっき皮膜と金めっき皮膜との間が
剥離 *ハンダ接続強度:パッド径0.5mmのBGA搭載用パターン
に、直径0.63mmの共晶ハンダボールをリフロー装置を用
いて搭載し、常温ハンダボールプル試験器を用いて、ハ
ンダボールを機械で挟んで垂直に引っ張り上げる方法に
よってハンダの接続強度を測定する装置を用いて測定し
た。
【0048】金めっき用活性化液への浸漬と金めっき液
への浸漬の間に水洗工程を実施した場合の結果を表3に
示し、無電解金めっき用活性化液への浸漬と置換析出型
の金めっき液への浸漬の間に水洗工程を実施しなかった
場合の結果を表4に示す。
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】 表3の結果から明らかなように、実施例1及び2では外
観等の問題は無く、優れたボンディング強度が得られ
た。ボンディングの破断状態は、金ワイヤーの破断であ
り、界面からの剥離ではなかった。また、腐食やハンダ
接続強度についても優れた結果が得られた。
【0051】これら実施例の結果と活性化液を用いてい
ない比較例1の結果とを比べると、実施例の結果がボン
ディング特性の点で特に優れていることがわかる。比較
例2ではボンディング強度が低下し、剥離状態も無電解
ニッケルめっき皮膜と無電解金めっき皮膜間での剥離で
あった。比較例3は、ボンディング強度が極端に低下し
ており、剥離状態も無電解ニッケルめっき皮膜と金めっ
き皮膜との間の剥離であった。また比較例4は、ボンデ
ィングの剥離状態は界面での剥離であり、無電解ニッケ
ルめっき皮膜に腐食が見られ、ハンダ接続強度が低下し
ていた。
【0052】表4の実施例1及び2では、外観、腐食、
ボンディング特性及びハンダ接続強度のいずれについて
も優れた結果が得られた。特にボンディング特性は、表
3の実施例1及び2の結果と比べて全体的により優れて
いる。これは表4の実施例1及び2では、無電解金めっ
き用活性化液浸漬直後の水洗工程が無いため、本発明に
おける無電解金めっき用活性化液の効果がより高まった
ためであると思われる。
【0053】実施例1及び2の結果から明らかなよう
に、本発明の無電解金めっき用活性化液を置換析出型無
電解金めっき液浸漬前に使用した場合は、優れたワイヤ
ーボンディング特性、ハンダ接続性能などの効果が得ら
れた。
【0054】
【発明の効果】本発明の活性化液によれば、ニッケルめ
っき皮膜上に析出させた無電解金めっき皮膜の密着性を
向上させ、さらに金めっき後の下地のニッケル皮膜の酸
化物の発生を抑え、金めっき皮膜上のハンダ接続性能や
ワイヤーボンディング特性を向上させることが可能とな
る。従って、ニッケルめっきを施した被めっき物を、置
換析出型無電解金めっき液に浸漬して金めっきを施す前
に、本発明の活性化液に浸漬させて処理することによ
り、不安定で高価な厚付け金めっき液(自己触媒型金め
っき用の金めっき液)を用いることなく、置換析出した
無電解金めっき皮膜のみで高いハンダ接続性能及びワイ
ヤーボンディング特性を有するプリント基板、半導体パ
ッケージ、各種電子部品を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下地 輝明 大阪府大阪市鶴見区放出東1丁目10番25号 奥野製薬工業株式会社表面技術研究所内 (72)発明者 工藤 喜美子 大阪府大阪市鶴見区放出東1丁目10番25号 奥野製薬工業株式会社表面技術研究所内 (72)発明者 村瀬 直美 大阪府大阪市鶴見区放出東1丁目10番25号 奥野製薬工業株式会社表面技術研究所内 Fターム(参考) 4K022 AA03 AA05 AA42 BA03 BA13 BA36 CA07 CA13 CA28 DA03 DB01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i) 錯化剤、(ii) 酸化数2〜4のカル
    コゲン元素を含む酸及びその塩からなる群より選ばれる
    少なくとも1種の成分、(iii) ヒドラジン及びヒドラジ
    ン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種、及び
    (iv) アミノ基及びイミノ基からなる群より選ばれる含
    窒素基を2個以上含み、置換基を有することのあるエチ
    レン基を該含窒素基の窒素原子間に有する化合物を含有
    する無電解金めっき用活性化液。
  2. 【請求項2】 錯化剤が、官能基としてカルボキシル
    基、ホスホノ基、水酸基及びアミノ基から選ばれる官能
    基を2個以上有する化合物である請求項1に記載の活性
    化液。
  3. 【請求項3】 ニッケルめっきを施した被めっき物を、
    請求項1に記載の無電解金めっき用活性化液に接触さ
    せ、次いで置換析出型無電解金めっきを行う無電解めっ
    き方法。
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JP2010100895A (ja) * 2008-10-23 2010-05-06 Hitachi Chem Co Ltd 還元型無電解金めっき用前処理液及び無電解金めっき方法
JP2010242194A (ja) * 2009-04-09 2010-10-28 Okuno Chem Ind Co Ltd 置換析出型無電解金めっきの前処理用活性化液

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