JP2003293038A - 超大入熱溶接熱影響部靭性に優れた厚肉高張力鋼板の製造方法 - Google Patents

超大入熱溶接熱影響部靭性に優れた厚肉高張力鋼板の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 入熱300kJ/cmを超える超大入熱溶接熱影響
部靭性に優れた厚肉高張力鋼板の製造方法を提案する。 【解決手段】 溶鋼に、Siおよび/またはMnを添加して
脱酸し、溶存酸素量を0.0030〜0.0120質量%に調整した
のち、REM を添加して、溶存酸素量を0.0010〜0.0050質
量%に調整するとともに、C、Si、Mn、Pを適正範囲に
調整し、さらに、S:0.0005〜0.0060%、REM :0.0030
〜0.0200%を含み、Al、Tiをそれぞれ0.004 %以下に制
限した組成の溶鋼とし、ついで鋳造して鋼素材としたの
ち、該鋼素材を1050〜1200℃に加熱したのち、Ar3
(Ar3+100 ℃)の温度域における累積圧下率を35%以
上とする熱間圧延を施し、ついで、平均冷却速度が2℃
/s以上の冷却を450 ℃以下の温度域まで施す。上記し
た組成に加えてさらにNb、V、Cu、Ni、Cr、Mo、Bのう
ちの1種または2種以上を含有してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、造船、建築、橋梁
等の溶接構造物用として好適な厚肉高張力鋼板に係り、
特に超大入熱溶接を施される使途に好適な厚肉高張力鋼
板に関する。なお、本発明でいう「超大入熱溶接」と
は、溶接入熱量が300kJ/cmを超える溶接を意味するもの
とする。また、「厚肉」鋼板とは、板厚50mm以上の鋼板
をいうものとする。
【0002】
【従来の技術】近年、船舶、建築、橋梁等の溶接構造物
の大型化に伴い、使用鋼材の高強度化・厚肉化が要望さ
れている。これに伴い、構造物の施工効率の向上と施工
コストの低減の観点から高能率溶接が指向され、例え
ば、サブマージアーク溶接、エレクトロガス溶接やエレ
クトロスラグ溶接などの大入熱溶接が適用されている。
【0003】一般に、ボンド部を含む溶接熱影響部(以
下、HAZ ともいう)は、溶接時に高温に晒され、結晶粒
が粗大化しやすく、しかも、溶接入熱が増大するにした
がい冷却速度が遅くなり、脆弱な上部ベイナイト組織が
形成されやすくなり、さらに島状マルテンサイト等の脆
化組織が生成しやすく、HAZ 靱性が低下しやすいことが
知られている。
【0004】このような大入熱溶接HAZ の靭性の低下と
いう問題に対し、例えば、特開平2-250917 号公報、特
開平2-254118 号公報、特公平3-53367号公報には、Ti
N を鋼中に微細分散させ、MnS またはREM オキシサルフ
ァイドと複合してオーステナイト粒の粗大化を抑制し、
大入熱溶接HAZ の靭性を改善する技術が提案されてい
る。
【0005】また、特開昭57-51243号公報には、Ti酸化
物を微細分散させ、大入熱溶接HAZの高靭性化を図る技
術が提案されている。また、特開昭62-170459 号公報に
は、Ti窒化物の微細分散と、固溶B量を低減したうえで
フェライト核生成能を有するBNの析出を組み合わせて、
大入熱溶接HAZ の高靭性化を図る技術が提案されてい
る。また、特開昭61-253344 号公報には、溶接時の冷却
過程でTiN などのうえに析出するBNをフェライトの変態
核として利用し、大入熱溶接HAZ 靭性を改善する技術が
提案されている。また、特開2001-107177 号公報には、
固溶Nを徹底的に低減するため、Tiと十分なAl量(0.05
〜0.10%)を含有させ、さらに微細酸化物としてCa酸化
物を活用して、超大入熱溶接におけるHAZ 靭性を向上さ
せる高張力鋼板が提案されている。
【0006】また、特開昭60-204863 号公報には、Caを
添加することで硫化物の形態を制御することにより、大
入熱溶接HAZ の靭性を改善する技術が提案されている。
また、特公平4-14180 号公報には、REM を添加し硫化物
の形態を制御することにより、大入熱溶接HAZ の靱性を
改善する技術が提案されている。また、特公平4-54734
号公報には、B:0.0003〜0.0030%を含有し、S:0.01
5 %以下とし、さらにTi、REM 、Caの1種または2種以
上を合計で0.003 〜0.04%含み、全Al:0.003 %以下に
低減した高靭性溶接用鋼が提案されている。この技術に
よれば、Al2O3 ,MnSの生成が排除され、Ti、REM 、Caの
酸化物、 硫化物、酸硫化物が形成され、粒内フェライト
の析出核となるBNが顕著に析出するようになり、 溶接HA
Z 靭性が向上するとしている。
【0007】さらに、特開平5-78740号公報には、Ce:
0.0001〜0.030 %を含み、S:0.005 %以下に低減し、
Alを実質的に含有しない組成の鋼を1000〜1250℃の温度
領域で再加熱後、熱間加工を施す溶接熱影響部低温靭性
に優れた鋼の製造方法が提案されている。この技術によ
れば、微細に分散したCe酸化物を核として、放射状に微
細なアシキュラーフェライトが生成しHAZ 靭性が向上す
るとしている。
【0008】
【発明の解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たTiN を主体に利用する従来技術で製造された鋼材に、
300kJ/cmを超える大入熱溶接法を適用した場合、HAZ
が、TiN が溶解する高温域に長時間晒されるため、TiN
が溶解し結晶粒微細化の作用がなくなり、さらに、固溶
Tiおよび固溶Nの増加に起因して、脆化組織が生成し、
著しくHAZ 靱性が低下する場合がある。この傾向は、と
くに入熱量が増大するほど顕著となり、300kJ/cmを超え
る大入熱領域から1200kJ/cm までの超大入熱領域まで安
定してこの技術を利用できないという問題があった。
【0009】また、特開2001-107177 号公報に記載され
た技術では、靭性に影響する固溶N量の低減と溶融点近
傍の高温域でも粒微細化効果を有する酸化物を活用する
ことにより、超大入熱溶接におけるHAZ 靭性を向上させ
ようとするものであり、過剰にAlを含有させることが特
徴である。しかし、多量のAl含有は、溶接時に溶接金属
中に混入して脱酸反応に影響し、溶接部靭性を低下させ
るという問題がある。
【0010】また、上記したTi酸化物を用いる従来技術
では、酸化物を均一かつ微細に分散させることがかなり
の困難を伴い、酸化物の複合化等によりその分散能を改
良すべく種々の検討がなされているが、入熱が300kJ/cm
を超える超大入熱溶接においてはオーステナイト粒の成
長を十分抑制することが現在までのところ難しく、超大
入熱溶接HAZ を安定して高靭性とすることが困難となっ
ていた。
【0011】また、特公平4-54734号公報に記載された
技術によっても、入熱が300kJ/cmを超える超大入熱溶接
HAZ におけるオーステナイト粒の成長を十分には抑制す
ることができず、依然として超大入熱溶接HAZ を安定し
て高靭性とすることが困難であるという問題があった。
また、特開平5-78740号公報に記載された技術では、Ce
酸化物を安定して微細分散することが難しく、入熱が30
0kJ/cmを超える超大入熱溶接HAZ を安定して高靭性とす
ることが困難であるという問題があった。
【0012】また、鋼材の高強度化・厚肉化は、合金元
素の多量添加や、焼入れ焼戻し等の調質処理によって可
能であるが、合金元素の多量添加は溶接部靭性の低下を
招き、また調質処理は製造コストの高騰を招く。このた
め、合金元素の多量添加を行うことなく、また調質処理
を行うことなく、非調質で、高強度の厚肉鋼板を製造す
ることも要望されている。
【0013】本発明は、上記した従来技術の問題を有利
に解決し、非調質で、降伏強さが355N/mm2以上、-40 ℃
におけるシャルピー吸収エネルギーvE-40 が200J以上の
母材靭性を有し、かつ超大入熱溶接熱影響部靭性に優れ
た厚肉高張力鋼板の製造方法を提案することを目的とす
る。なお、本発明でいう「超大入熱溶接熱影響部靭性に
優れた」とは、300kJ/cmを超える超大入熱溶接の溶接熱
影響部の-40 ℃における吸収エネルギーvE-40 が41J 以
上である場合をいうものとする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を達成するために、300 〜1200kJ/cm の超大入熱溶
接のHAZ 靭性に及ぼす各種要因について鋭意検討を重ね
た。その結果、従来のような、溶鋼中での酸化物、 硫化
物の組成を調整し酸化物、硫化物粒子(分散粒子)の分
散能を高めるだけでは、分散粒子を超大入熱溶接のHAZ
靭性向上に有効な粒子とすることに限界があることに思
い至った。そして、本発明者らは、溶鋼中での酸化物、
硫化物等の粒子組成の調整に加えて、さらに凝固過程で
形成されるデンドライトの形態制御を行うことにより、
分散粒子を、従来に比べて安定して、格段に均一かつ微
細に分散させることができることを見出した。このよう
にして形成された微細分散粒子は、入熱300kJ/cm以上の
超大入熱溶接のHAZ においても、オーステナイト粒の微
細化に有効に寄与し、HAZ 靭性を顕著に向上させること
ができる。
【0015】本発明者らは、Si,Mn で脱酸し、凝固前の
溶鋼の溶存酸素量を0.0030〜0.0120質量%に調整したの
ち、REM を添加することによりデンドライトの形態制御
が、可能であることを見出した。溶鋼中の溶存酸素量を
所定の範囲に調整したのち、REM を添加することによ
り、固液界面にREM オキシサルファイドが晶出し、その
ため、デンドライトの一方向成長が抑制され、デンドラ
イトが等軸晶化し、それによりデンドライト二次アーム
が微細化することを見い出した。さらに、本発明者ら
は、二次脱酸生成物として、このような微細化したデン
ドライト二次アーム間に、SiあるいはMnの酸化物、硫化
物、酸硫化物の1種または2種以上が複合した、微細な
分散粒子が多量にかつ均一に形成され、この微細な分散
粒子が、入熱300kJ/cm以上の超大入熱溶接の溶接熱影響
部においても、オーステナイト粒の粗大化防止に有効に
寄与することを確認した。
【0016】また、さらに本発明者らは、溶接HAZ 靭性
におよぼす前組織の影響を検討した。その結果、母材の
フェライト平均粒径を5μm 以下とすることにより、溶
接時の昇温に際し、オーステナイトの核生成サイトが増
加し、したがってオーステナイト粒が微細化し、溶接HA
Z 靭性が向上することを知見した。そして、本発明者ら
は、母材のフェライト平均粒径を5μm 以下とするに
は、熱間圧延を、Ar3変態点〜(Ar3変態点+100 ℃)
の温度域における累積圧下率を35%以上とする熱間圧延
とすることが好ましいことを見出した。
【0017】本発明は、上記した知見に基づいて、さら
に検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発
明の要旨は次の通りである。 (1)溶鋼に、Siおよび/またはMnを添加して脱酸し、
溶存酸素量を0.0030〜0.0120質量%に調整したのち、RE
M を添加し溶存酸素量を0.0010〜0.0050質量%に調整す
るとともに、組成を調整して、質量%で、C:0.05〜0.
15%、Si:0.05〜0.40%、Mn:1.0 〜 2.0%、P:0.03
%以下、S:0.0005〜0.0060%、REM :0.0030〜0.0200
%を含有し、AlおよびTiをそれぞれ0.004 %以下に制限
した組成の溶鋼とし、ついで該溶鋼を鋳造して鋼素材と
したのち、該鋼素材を1050〜1200℃に加熱したのち、A
r3変態点〜(Ar3変態点+100 ℃)の温度域における累
積圧下率を35%以上とする熱間圧延を施し、ついで、板
厚1/4 位置における平均冷却速度が2℃/s以上の冷却
を450 ℃以下の温度域まで施すことを特徴とする超大入
熱溶接熱影響部靭性に優れた厚肉高張力鋼板の製造方
法。 (2)(1)において、前記脱酸の前に、Alを添加する
予備脱酸を行い、前記脱酸前の溶存酸素量を0.0080〜0.
0170質量%に調整することを特徴とする厚肉高張力鋼板
の製造方法。 (3)(1)または(2)において、前記組成に加えて
さらに、質量%で、Nb:0.1 %以下、V:0.2 %以下、
Cu:1.0 %以下、Ni:2.0 %以下、Cr:1.0 %以下、M
o:0.8 %以下、B:0.0003〜0.0040%のうちから選ば
れた1種または2種以上を含有する組成とすることを特
徴とする厚肉高張力鋼板の製造方法。 (4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記冷
却後、さらに450 〜650℃の温度範囲で焼戻し処理を施
すことを特徴とする厚肉高張力鋼板の製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明では、まず、溶鋼を、転
炉、電気炉、真空溶解炉等通常公知の方法で溶製し、脱
酸処理や脱ガスプロセスにより、まず、溶存酸素量を0.
0030〜0.0120質量%に調整したのち、REM を添加し溶存
酸素量を0.0010〜0.0050質量%に調整する。本発明で
は、脱酸処理はAlやTiによる脱酸ではなく、Siおよび/
またはMn添加の脱酸とする。なお、予備脱酸として、Si
および/またはMn添加による脱酸に先立ち、Alを添加す
る予備脱酸を行ってもよい。Alを添加する予備脱酸を行
う場合には、Siおよび/またはMn添加による脱酸前の溶
存酸素量を0.0080〜0.0170質量%に調整することが好ま
しい。また、Alを添加する予備脱酸を行う場合には、溶
鋼中に残留するAlは0.004 質量%以下とすることが必要
となる。Alが0.004 質量%超えて残留すると、所望のRE
M 系酸硫化物の形成が困難となる。
【0019】本発明では、REM 添加前の溶存酸素量を0.
0030〜0.0120質量%に調整する。これにより、REM 硫化
物粒子、REM 酸化物、REM 酸硫化物粒子の1種または2
種以上が、凝固過程で固液界面に晶出し、デンドライト
の一方向成長を抑制し、デンドライトの等軸晶化が達成
でき、二次デンドライトアーム間隔が小さくなり、その
後の二次脱酸により生成するMn系介在物(分散粒子)が
微細化される。溶存酸素量が0.0030質量%未満では、所
望のREM 酸硫化物の形成が困難となり、上記した効果が
期待できなくなる。一方、REM 添加前の溶存酸素量が0.
0120質量%を超えると、REM が酸化物となり、所望のRE
M 硫化物あるいはREM 酸硫化物の形成が困難となる。こ
のため、デンドライトの一方向成長を抑制する能力が低
下し、二次デンドライトアーム間隔を微細化することが
できない。
【0020】REM 添加に際しては、硫化物、酸化物、酸
硫化物が形成され、添加後の溶存酸素量が所望の0.0010
〜0.0050質量%となるように、同時にSを添加すること
が好ましい。これにより、凝固過程で、REM 硫化物粒
子、REM 酸化物粒子、REM 酸硫化物粒子のいずれかが容
易に固液界面に晶出することができ、デンドライトの一
方向成長を抑制する。
【0021】REM 添加後の溶存酸素量が0.0010質量%未
満では、デンドライトアーム間隔が大きくなり、二次脱
酸生成物としてオーステナイト粒の粗大化を防止できる
Mn系複合粒子の微細分散ができなくなり、オーステナイ
ト粒粗大化抑制能が低下する。一方、REM 添加後の溶存
酸素量が0.0050質量%を超えて多くなると、Mn酸化物が
粗大化するとともに、オーステナイト粒の粗大化防止に
有効なMn系複合粒子の微細形成が難しく、オーステナイ
ト粒粗大化抑制能が低下する。
【0022】本発明では、REM を添加し溶存酸素量を0.
0010〜0.0050質量%に調整するとともに、溶鋼組成を下
記に示す組成に調整する。次に、溶鋼の組成限定理由に
ついて説明する。なお、以下、質量%は単に%で表示す
る。 C:0.05〜0.15% Cは、鋼の強度を増加させる元素であり、厚肉高張力鋼
板として必要な強度(母材降伏強さ:355 N/mm2 以上)
を得るためには、少なくとも0.05%は必要である。しか
し、過剰に含有すると、溶接部の靱性、耐溶接割れ性を
低下させる。このため、本発明では、Cは0.05〜0.15%
の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.06〜0.12%で
ある。
【0023】Si:0.05〜0.40% Siは、脱酸剤として作用し、本発明では適度な脱酸を行
うために0.05%以上の含有が必要であるが、0.40%を超
えて含有すると、母材靱性が劣化するとともに、超大入
熱溶接HAZ において島状マルテンサイトが生成し、HAZ
靱性が顕著に低下する。このため、Siは0.05〜0.40%の
範囲に限定した。なお、好ましくは、0.05〜0.30%であ
る。
【0024】Mn:1.0 〜2.0 % Mnは、脱酸剤として作用するとともに、二次脱酸生成物
として微細な酸化物、硫化物、酸硫化物の1種または2
種以上が複合した粒子を形成し、HAZ のオーステナイト
粒の粗大化を抑制し、HAZ 靭性を向上させる作用を有す
る元素である。また、Mnは、固溶強化で鋼の強度を増加
させる作用も有する。このような効果を得るために、本
発明では、1.0 %以上の含有を必要とする。一方、2.0
%を超える過剰の含有は、溶接部の靱性を著しく劣化さ
せる。このため、本発明では、Mnは1.0 〜2.0 %の範囲
に限定した。
【0025】P:0.03%以下 Pは、不純物として鋼中に不可避的に含有される元素で
あり、鋼の靭性を劣化させるため、できるだけ低減する
ことが好ましい。とくに、0.03%を超える含有は、HAZ
の靱性劣化が著しくなる。このため、Pは0.03%以下に
限定した。なお、過度のP低減は精錬コストを高騰させ
経済的に不利となるため、0.005 %以上とすることが好
ましい。
【0026】S:0.0005〜0.0060% Sは、REM を添加する本発明では、REM と結合し、REM
の硫化物(サルファイド)、またはREM の酸硫化物(オ
キシサルファイド)として、凝固段階で固液界面に晶出
し、デンドライトの一方向成長を抑制してデンドライト
を等軸晶化し、それによりデンドライト二次アームを微
細化する作用を有する。また、Sは、二次脱酸生成物と
してMnと結合し、Mnの硫化物、酸硫化物として微細に晶
出し、HAZ のオーステナイト粒粗大化を防止するという
効果もある。
【0027】Sが0.0005%未満では、REM が酸化物とし
て溶鋼段階で晶出し、上記した効果を達成できない。一
方、0.0060%を超えると、粗大なMnS を形成し靭性が顕
著に低下する。このため、本発明では、Sは0.0005〜0.
0060%の範囲に限定した。 REM :0.0030〜0.0200% REM は、溶鋼の凝固過程で、Sおよび/またはOと結合
し、REM の硫化物(サルファイド)、REM の酸化物(オ
キサイド)、REM の酸硫化物(オキシサルファイド)の
1種または2種以上として固液界面に晶出し、デンドラ
イトの一方向成長を抑制し、デンドライトを等軸晶化す
る作用を有する。そして、デンドライトの等軸晶化によ
り、二次デンドライトアーム間隔を微細化する。このよ
うな効果は、REM の0.0030%以上の含有で認められる
が、0.0200%を超えて含有すると、粗大なREM 系化合物
が増加し、母材靭性が劣化する。このため、REM は0.00
30〜0.0200%の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.
0050〜0.0100%である。
【0028】Al:0.004 %以下 Alは、強脱酸元素であり、溶鋼中の酸素と結合しアルミ
ナ(Al2O3)を形成し、溶存酸素を低減するため、REM の
酸硫化物(オキシサルファイド)の生成、あるいは二次
脱酸生成物としてのMnの酸化物、酸硫化物(オキシサル
ファイド)の生成を阻害し、デンドライトの形態制御
や、二次脱酸生成物の微細分散に悪影響を及ぼす。この
ため、本発明では、Al脱酸を行わず、Si,Mn 脱酸とし、
Al含有量を0.004 %以下に制限した。
【0029】Ti:0.004 %以下 Tiは、Alと同様に、Si,Mn にくらべて強い脱酸力を有す
る元素であり、二次脱酸生成物の微細分散のために、で
きるだけ低減する必要がある。このため、本発明では、
Alと同様に、0.004 %以下に限定した。上記した基本組
成に加えてさらに、強度増加の目的で、Nb:0.1 %以
下、V:0.2 %以下、Cu:1.0 %以下、Ni:2.0 %以
下、Cr:1.0 %以下、Mo:0.8 %以下、B:0.0003〜0.
0040%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有す
ることが好ましい。
【0030】Nb、V、Cu、Ni、Cr、Mo、Bは、いずれ
も、鋼の強度を増加させる元素であり、母材強度、溶接
継手部強度の確保のために、選択して含有することがで
きる。Nbは、母材の強度および靱性を向上させるととも
に、継手部強度を増加させる作用を有する。このような
効果は、0.01%以上の含有で顕著となるが、0.1 %を超
える含有は、HAZ 靱性の低下を招く。このため、Nbは0.
1%以下に限定することが好ましい。
【0031】Vは、母材の強度を増加させる元素であ
る。このような効果は、0.02%以上の含有で顕著となる
が、0.2 %を超える含有は、かえって靱性の低下を招
く。このため、Vは0.2 %以下に限定することが好まし
い。Cuは、Niと同様、強度を増加する元素である。この
ような効果は0.2 %以上の含有で顕著となるが、1.0 %
を超える含有は熱間脆性を生じ、鋼板の表面性状が劣化
する。
【0032】Niは、母材の高靱性を保ちつつ強度を増加
させる元素である。このような効果は、0.2 %以上の含
有で有効となるが、高価であるため、2.0 %を上限とす
ることが好ましい。また、Cr,Moは、いずれも母材の高
強度化に有効に作用する元素である。このような効果
は、Cr:0.2 %以上、Mo:0.1 %以上の含有で顕著とな
る。一方、過剰に含有すると、いずれも靱性に悪影響を
与えるため、Cr:1.0 %以下、Mo:0.8 %以下にそれぞ
れ限定することが好ましい。
【0033】Bは、焼入れ性の向上を介して、鋼の強度
を増加させる作用を有する元素である。0.0003%以下で
はその効果が十分ではなく、一方、0.0040%を超えて含
有すると焼入れ性が著しく増加し母材靱性の劣化を招く
恐れがある。このため、Bは0.0003〜0.0040%の範囲に
限定することが好ましい。上記した成分以外の残部溶鋼
は、Feおよび不可避的不純物である。不可避的不純物と
しては、N:0.0040%以下が許容できる。
【0034】上記した組成に調整した溶鋼を、ついで鋳
造して鋼素材(スラブ)とする。鋳造方法は、特に限定
されないが、分散粒子の大きさおよび形態を所望の範囲
に制御するために、凝固段階において、鋳込速度や冷却
速度を制御できる連続鋳造法とすることが好ましい。な
お、分散粒子の大きさを決めている要因は、溶存酸素量
とMn、S量が主であるが、鋳込時の冷却速度も影響する
ため、鋳造方法は造塊法よりも連鋳法とすることが好ま
しい。
【0035】ついで、これら鋼素材を、1050℃以上、12
00℃以下に再加熱する。再加熱温度が1050℃未満では、
熱間圧延での変形抵抗が高くなり、1パス当たりの圧下
量が大きくとれなくなることから、圧延パス数が増加
し、圧延能率の低下を招くとともに、鋼素材(スラブ)
中の鋳造欠陥を圧着することができない場合がある。こ
のため、再加熱温度は、1050℃以上とする。なお、再加
熱温度が1200℃を超えると、結晶粒の粗大化が著しく、
また、加熱によるスケールロスが多くなり、 歩留りが低
下するため、鋼素材の再加熱温度は1050〜1200℃の範囲
とすることが好ましい。なお、より好ましくは、1080〜
1150℃である。
【0036】再加熱された鋼素材は、ついで、Ar3変態
点〜(Ar3変態点+100 ℃)の温度域における累積圧下
率が35%以上となる熱間圧延を施され、所定の寸法形状
の厚鋼板とされる。Ar3変態点〜(Ar3変態点+100
℃)の温度域における累積圧下率が35%未満では、変態
後、平均粒径5μm 以下のフェライト組織が得られな
い。γ−α変態の核生成サイトは、オーステナイト
(γ)粒界、γ粒内の変形帯などであるが、これらはよ
り低温で加工するほど増加する。
【0037】Ar3変態点〜(Ar3変態点+100 ℃)の温
度域における累積圧下率とフェライト平均粒径の関係を
図1に示す。図1には、Ar3変態点〜(Ar3変態点+10
0 ℃)の温度域における累積圧下率と1400℃加熱、800
〜500 ℃の冷却時間が500 sの超大入熱溶接HAZ (ボン
ド部近傍)のvE-40 との関係を併記している。図1か
ら、Ar3変態点〜(Ar3変態点+100 ℃)の温度域にお
ける累積圧下率を35%以上とすることにより、フェライ
ト平均結晶粒径が5μm 以下となる。このことから、熱
間圧延におけるAr3変態点〜(Ar3変態点+100 ℃)の
温度域における累積圧下率を35%以上に限定した。ま
た、図1に示すように、熱間圧延におけるAr3変態点〜
(Ar3変態点+100 ℃)の温度域における累積圧下率を
35%以上とすることにより、フェライト平均結晶粒径が
5μm 以下となり、これによって、超大入熱溶接HAZ
(ボンド部近傍)のvE-40 が70J 以上となり、超大入熱
溶接HAZ 靭性も顕著に向上する。なお、Ar3変態点は、
含有する化学成分との関係で、概ね次式 Ar3=910-273C-74Mn-57Ni-16Cr-9Mo-5Cu (ここで、C、Mn、Ni、Cr、Mo、Cu、:各合金元素の含
有量(質量%))で推測できる。なお、含有しない合金
元素がある場合には、 該当する合金元素量を0として計
算するものとする。
【0038】本発明では、熱間圧延終了後、板厚1/4 位
置における平均冷却速度が2℃/s以上の冷却を450 ℃
以下の温度域まで施す。板厚1/4 位置における平均冷却
速度が2℃/s未満では、変態後のフェライト粒が粗大
化し、 母材強度が低下する。また、平均冷却速度が2℃
/s以上の冷却の冷却停止温度は、母材強度の観点か
ら、450 ℃以下とする。なお、好ましくは400 ℃以上で
ある。冷却停止温度が450 ℃を超えて高くなると、 引張
強さが低くなりすぎる。このため、板厚1/4 位置におけ
る平均冷却速度が2℃/s以上の冷却の冷却停止温度は
450 ℃以下に限定した。なお、この冷却後は、室温まで
空冷させる。
【0039】また、本発明では、鋼材の残留応力低減の
目的で、上記した冷却後、450 〜650 ℃の温度範囲で焼
戻し処理を施すことが好ましい。焼戻し温度が450 ℃未
満では、残留応力の除去効果が少なく、一方、650 ℃を
超えて高くなると、各種炭窒化物が析出し、析出強化に
より、靭性が劣化する。このため、焼戻し温度は450〜6
50 ℃の温度範囲に限定することが好ましい。
【0040】上記した製造方法で製造された厚鋼板は、
上記した溶鋼組成と同じ組成を有し、それ以外の不可避
的不純物として、O:0.0070%以下が許容される。0.00
70%を超える含有は、鋼中の酸化物量が増加し、鋼の清
浄度を劣化させる。なお、REM の酸化物、酸硫化物、Mn
の酸化物、酸硫化物の所要量以上の分散のために0.0015
%以上とすることがより好ましい。
【0041】また、上記した製造方法で製造された厚鋼
板は、上記した組成に加えて、平均粒径10μm以下のRE
M 硫化物粒子、REM 酸化物粒子、REM 酸硫化物粒子の1
種または2種以上と、平均粒径1μm以下の、Mn酸化
物、Mn硫化物、Mn酸硫化物のうちの1種または2種以上
が複合した粒子と、が分散した組織を有する。平均粒径
10μm以下のREM 硫化物粒子、REM 酸化物粒子、REM 酸
硫化物粒子は、凝固過程で固液界面に晶出し、デンドラ
イトの一方向成長を抑制する作用を有する。なお、デン
ドライトの一方向成長を抑制するためには、REM 硫化物
粒子、REM 酸化物粒子、REM 酸硫化物粒子の平均粒径は
1μm以上とすることが好ましい。REM の添加前の溶存
酸素量を0.0030〜0.0120質量%に調整することにより、
10μm以下好ましくは1μm以上のREM 硫化物粒子、RE
M 酸化物粒子、REM 酸硫化物粒子の1種または2種以上
が固液界面に晶出するようになる。
【0042】なお、デンドライトの一方向成長を抑制す
るために、このようなREM 硫化物粒子、REM 酸化物粒
子、REM 酸硫化物粒子のうちの1種または2種以上は、
粒数密度で70個/mm2 以上分散させることが好ましい。
70個/mm2 未満では、上記した効果が期待できなくな
り、凝固組織を等軸晶化できない。平均粒径で1μm以
下と微細分散した、Mn酸化物、Mn硫化物、Mn酸硫化物の
うちの1種または2種以上が複合した粒子は、超大入熱
溶接HAZ のオーステナイト粒の成長を抑制する作用を有
する。これら微細分散するMn系複合粒子は、二次脱酸生
成物であり、凝固段階での二次デンドライトアーム間隔
を微細とし、REM 添加後の溶存酸素量を0.0010〜0.0050
質量%に調整することにより生成することができる。こ
のようなMn系複合粒子は、粒数密度で1×106 個/mm2
以上分散させることが好ましい。1×106 個/mm2 未満
では、HAZ の高温滞留域でのオーステナイト粒のピン止
め効果が小さくなり、HAZ が粗粒化しHAZ 靱性が低下す
る。なお、分散粒子の平均粒径および単位面積当たりの
粒数密度は、鋼板から採取した試験片の圧延方向と直角
なC断面を研磨し、さらに研磨面を電解腐食して分散粒
子を現出したのち、走査型電子顕微鏡を用いて観察し、
倍率:5000倍で各10視野撮像して、得られた画像を、画
像解析装置を用いて処理し算出するものとする。
【0043】
【実施例】表1に示す組成の溶鋼を、転炉で溶製し、R
H脱ガス処理を施したのち、連続鋳造法で鋼素材(215
〜310mm 厚スラブ)とした。なお、溶製中に、脱酸処理
により、REM 添加直前の溶存酸素量を調整した。また、
一部では、Al添加による予備脱酸を行った。また、REM
、Sの添加量を変更して、REM 添加後の溶存酸素量を
調整した。その後、その他の成分含有量を調整して、表
1に示す組成の溶鋼にした。
【0044】ついで、得られて鋼素材を表2に示す条件
で再加熱し、表2に示す条件の熱間圧延を施し、表2に
示す条件で冷却し、表2に示す板厚の厚肉鋼板とした。
一部の鋼板には、 冷却後、表2に示す焼戻し処理を施し
た。得られた厚肉鋼板について、母材組織、母材引張特
性、母材靭性を調査した。 (1)母材組織 得られた厚肉鋼板から、試験片を採取し、分散粒子の種
類、平均粒径、および粒数密度を調べた。分散粒子の種
類、平均粒径および単位面積当たりの粒数密度は、試験
片のC断面を研磨し、さらに研磨面を電解腐食して分散
粒子を現出したのち、走査型電子顕微鏡を用いて観察
し、倍率:5000倍で各10視野撮像して、得られた画像
を、画像解析装置を用いて算出し、各視野ごとの平均値
を求め、さらに各視野の平均値を求め、各鋼板の値とし
た。分散粒子の種類は、走査型電子顕微鏡に装備された
EDX装置を用いて、決定した。 (2)母材引張特性 得られた厚肉鋼板の板厚の1/4 部C方向から、JIS 4号
引張試験片を採取し、JIS Z 2204の規定に準拠して引張
試験を実施し、降伏点YP、引張強さTSを求めた。 (3)母材靭性 得られた厚肉鋼板の板厚の1/4 部C方向から、JIS 4号
衝撃試験片を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠してシャ
ルピー衝撃試験を実施し、破面遷移温度vTrs、-40 ℃に
おける吸収エネルギーvE-40(J)求めた。
【0045】また、得られた厚肉鋼板について、超大入
熱溶接HAZ 靭性を調査した。 (4)超大入熱溶接HAZ 靭性 得られた厚肉鋼板について、エレクトロスラグ溶接、エ
レクトロガス溶接により、表2に示す入熱量の溶接継手
を作製した。溶接継手の溶接ボンド部から、JIS 4号試
験片を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠してシャルピー
衝撃試験を実施し、-40 ℃における吸収エネルギーvE
-40(J)求め、超大入熱溶接HAZ 靭性を評価した。
【0046】得られた結果を表3に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】本発明例はいずれも、YSが355N/mm2以上の
高強度で、vE-40 が200J以上の高靭性を有する良好な母
材特性と、300kJ/cmを超える超大入熱溶接のボンド部に
おけるvE-40 が84J 以上と、極めて良好な超大入熱溶接
HAZ 靭性を有する厚肉高張力鋼板である。これに対し、
本発明の範囲を外れる比較例は、母材特性、超大入熱溶
接HAZ 靭性のうちのいずれかまたは両方が低下した厚肉
高張力鋼板となっている。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、超大入
熱溶接熱影響部靭性に優れた溶接構造用厚肉高張力鋼板
が安価にしかも安定して製造でき、産業上格段の効果を
奏する。また、本発明は、構造物の大型化や、施工能率
の向上に寄与するという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】Ar3変態点〜(Ar3変態点+100 ℃)の温度域
における累積圧下率とフェライト平均粒径、超大入熱溶
接HAZ のvE-40 との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 38/14 C22C 38/14 38/58 38/58 (72)発明者 大井 健次 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 Fターム(参考) 4K013 AA00 BA08 BA14 EA19 EA20 EA26 EA28 4K032 AA01 AA02 AA04 AA05 AA11 AA14 AA16 AA19 AA22 AA23 AA27 AA29 AA31 AA35 AA36 AA40 BA01 CA02 CB01 CC03 CD00 CD02 CF01 CF02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶鋼に、Siおよび/またはMnを添加して
    脱酸し、溶存酸素量を0.0030〜0.0120質量%に調整した
    のち、REM を添加し溶存酸素量を0.0010〜0.0050質量%
    に調整するとともに、組成を調整して、質量%で、 C:0.05〜0.15%、 Si:0.05〜0.40%、 Mn:1.0 〜 2.0%、 P:0.03%以下、 S:0.0005〜0.0060%、 REM :0.0030〜0.02
    00%、を含有し、AlおよびTiをそれぞれ0.004 %以下に
    制限した組成の溶鋼とし、ついで該溶鋼を鋳造して鋼素
    材としたのち、該鋼素材を1050〜1200℃に加熱したの
    ち、Ar3変態点〜(Ar3変態点+100 ℃)の温度域にお
    ける累積圧下率を35%以上とする熱間圧延を施し、つい
    で、板厚1/4 位置における平均冷却速度が2℃/s以上
    の冷却を450 ℃以下の温度域まで施すことを特徴とする
    超大入熱溶接熱影響部靭性に優れた厚肉高張力鋼板の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記脱酸の前に、Alを添加する予備脱酸
    を行い、前記脱酸前の溶存酸素量を0.0080〜0.0170質量
    %に調整することを特徴とする請求項1に記載の厚肉高
    張力鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記組成に加えてさらに、質量%で、N
    b:0.1 %以下、V:0.2 %以下、Cu:1.0 %以下、N
    i:2.0 %以下、Cr:1.0 %以下、Mo:0.8 %以下、
    B:0.0003〜0.0040%のうちから選ばれた1種または2
    種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項1
    または2に記載の厚肉高張力鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記冷却後、さらに450 〜650 ℃の温度
    範囲で焼戻し処理を施すことを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかに記載の厚肉高張力鋼板の製造方法。
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