JP2003292761A - 硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物及びゴム製品 - Google Patents

硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物及びゴム製品

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JP2003292761A
JP2003292761A JP2002098782A JP2002098782A JP2003292761A JP 2003292761 A JP2003292761 A JP 2003292761A JP 2002098782 A JP2002098782 A JP 2002098782A JP 2002098782 A JP2002098782 A JP 2002098782A JP 2003292761 A JP2003292761 A JP 2003292761A
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Japan
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group
molecule
fluoropolyether
rubber
rubber composition
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JP2002098782A
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English (en)
Inventor
Yasuhisa Osawa
康久 大澤
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (A)1分子中に少なくとも2個のアル
ケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテ
ル構造を有する直鎖状フルオロポリエーテル化合物、
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少な
くとも2個有する有機ケイ素化合物、(C)1分子中に
少なくとも1つのフッ素原子とヒドロキシル基を有する
融点50℃以上の粉末、(D)ヒドロシリル化反応触媒
を含有する硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物。 【効果】 本発明の硬化性フルオロポリエーテル系ゴム
組成物は、フッ素含有率が高いために耐溶剤性、耐薬品
に優れ、透湿性も低く、低表面エネルギーを有するた
め、離型性、撥水性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐溶剤性、耐薬品
性、耐候性、離型性、撥水性、撥油性、耐熱性に優れ、
金型離型性が改良された硬化物を得ることができる硬化
性フルオロポリエーテル系ゴム組成物及びその硬化物を
含むゴム製品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ
主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状
フルオロポリエーテル化合物、1分子中にH−SiOS
iO構造を少なくとも2個以上有する有機ケイ素化合物
及びヒドロシリル化反応触媒からなる組成物から、耐熱
性、耐薬品性、耐溶剤性、撥水性、撥油性、耐候性等の
性質がバランスよく優れた硬化物を得ることができるこ
とが提案されている(特許第2990646号公報
等)。
【0003】しかしながら、このようなフルオロポリエ
ーテル系ゴム組成物は、ほとんどの形状においては十分
な加工性を有しているものの、形状が複雑であったり、
ダイヤフラムのような薄い形状の製品に関しては、粘着
性があるために、金型からの取り出しが困難となってし
まう。従って、離型性に劣ることに起因する成形工程に
おける歩留まりの低さや成形サイクルの長さ等の加工性
に関しては改良の余地があった。
【0004】この場合、従来より使用されているシリコ
ーンオイルや界面活性剤をベースとした内部添加タイプ
のゴム材料用の離型剤(内添離型剤)を配合すると、粘
度が上昇してしまい、流動性がなくなってしまうことか
ら成形困難になってしまうという問題点があった。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、撥水性、撥油性、耐
候性等に優れている上、離型性、特に金型離型性に優れ
た硬化物を与える硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組
成物及びその硬化物を含むゴム製品を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、
フルオロポリエーテル系ゴム組成物に対し1分子中に少
なくとも1つのフッ素原子とヒドロキシル基を有する融
点50℃以上の粉末を添加することにより、粘度上昇が
なく、金型離型性に優れた硬化性フルオロポリエーテル
系ゴム組成物が得られることを知見し、本発明をなすに
至ったものである。
【0007】従って、本発明は、(A)1分子中に少な
くとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフ
ルオロポリエーテル構造を有する直鎖状フルオロポリエ
ーテル化合物、(B)1分子中にケイ素原子に結合した
水素原子を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物、
(C)1分子中に少なくとも1つのフッ素原子とヒドロ
キシル基を有する融点50℃以上の粉末、(D)ヒドロ
シリル化反応触媒を含有する硬化性フルオロポリエーテ
ル系ゴム組成物及びこの硬化性フルオロポリエーテル系
ゴム組成物の硬化物を含むゴム製品を提供する。
【0008】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の(A)成分は、1分子中に少なくとも2個のア
ルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエー
テル構造を有する直鎖状フルオロポリエーテル化合物で
ある。
【0009】この直鎖状フルオロポリエーテル化合物に
おけるアルケニル基としては、炭素数2〜8のものが好
ましく、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、
イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等の末端
にCH2=CH−構造を有する基、特にビニル基、アリ
ル基等が好ましい。このアルケニル基は、直鎖状フルオ
ロポリエーテル化合物の主鎖の両端部に直接結合してい
てもよいし、二価の連結基、例えば、−CH2−、−C
2O−又は−Y−NR−CO−(但し、Yは−CH2
又は
【化4】 (o,m又はp位)であり、Rは水素原子、メチル基、
フェニル基又はアリル基である。)等を介して結合して
いてもよい。アルケニル基は1分子中に少なくとも2個
有する。
【0010】なお、(A)成分は、主鎖中にパーフルオ
ロポリエーテル構造を有するものであるが、パーフルオ
ロポリエーテル構造については、下記に説明する。
【0011】(A)成分としては、下記一般式(2)で
表される分岐を有するポリフルオロジアルケニル化合物
を挙げることができる。 CH2=CH−(X)a−Rf1−(X’)a−CH=CH2 (2) [式中、Xは−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2
−又は−Y−NR1−CO−(Yは−CH2−又は下記構
造式(Z)
【化5】 で示されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン
基)で表される基、R1は水素原子、置換若しくは非置
換の一価炭化水素基、X’は−CH2−、−OCH2−、
−CH2OCH2−又は−CO−NR1−Y’−(Y’は
−CH2−又は下記構造式(Z’)
【化6】 で示されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン
基)で表される基であり、R1は上記と同じである。R
1は二価のパーフルオロポリエーテル基であり、aは
独立に0又は1である。]
【0012】ここで、上記一般式(2)のRf1は二価
のパーフルオロポリエーテル構造であり、下記一般式
(i)、(ii)で表される化合物が好ましい。
【0013】
【化7】 (式中、p及びqは1〜150の整数であって、かつp
とqの和の平均は、2〜200である。また、rは0〜
6の整数、tは2又は3である。)
【0014】
【化8】 (式中、uは1〜200の整数、vは1〜50の整数、
tは上記と同じである。)
【0015】また、(A)成分としては、下記一般式
(3)で表される分岐を有するポリフルオロモノアルケ
ニル化合物が挙げられる。 Rf2−(X’)aCH=CH2 (3) [(式中、X’、aは上記と同じ、Rf2は、下記一般
式(iii)である。
【0016】
【化9】 (式中、wは1以上の整数、tは上記と同じ、かつ上記
(A)成分のRf1基に関するp+q(平均)及びrの
和、並びにu及びvの和のいずれの和よりも小さ
い。)]
【0017】(A)成分の好ましい例として、下記一般
式(1)で表される化合物が挙げられる。
【化10】 [式中、Xは−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2
−又は−Y−NR1−CO−(Yは−CH2−又は下記構
造式(Z)
【化11】 (o,m又はp位)で示される基)で表される基、R1
は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基、X’
は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−C
O−NR1−Y’−(Y’は−CH2−又は下記構造式
(Z’)
【化12】 (o,m又はp位)で示される基)で表される基であ
り、R1は上記と同じである。aは独立に0又は1、L
は2〜6の整数、b及びcはそれぞれ0〜200の整数
である。]
【0018】本発明の(B)成分は、1分子中にケイ素
原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する有機ケ
イ素化合物である。(B)成分は、(A)成分の架橋剤
ないし鎖長延長剤として機能するものであり、(A)成
分との相溶性、分散性、硬化後の均一性の観点から、1
分子中に1個以上のフッ素含有基を有するものが好まし
い。
【0019】このフッ素含有基としては、例えば下記一
般式で表されるもの等を挙げることができる。 Cg2g+1− (式中、gは1〜20、好ましくは2〜10の整数であ
る。) −Cg2g− (式中、gは1〜20、好ましくは2〜10の整数であ
る。)
【0020】
【化13】 (式中、fは2〜200、好ましくは2〜100、hは
1〜3の整数である。)
【0021】
【化14】 (式中、i及びjは1以上の整数、i+jの平均は2〜
200、好ましくは2〜100である。)
【0022】このようなフッ素含有基を有する(B)成
分としては、例えば下記の化合物が挙げられる。これら
の化合物は、1種単独でも2種以上を併用して用いても
よい。下記式において、Meはメチル基、Phはフェニ
ル基を示す。
【0023】
【化15】
【0024】
【化16】
【0025】
【化17】
【0026】
【化18】
【0027】
【化19】
【0028】
【化20】
【0029】
【化21】
【0030】
【化22】
【0031】
【化23】
【0032】
【化24】
【0033】
【化25】
【0034】
【化26】
【0035】上記(B)成分の配合量は、通常(A)成
分中に含まれるビニル基、アリル基シクロアルケニル基
等のアルケニル基1モルに対し(B)成分のヒドロシリ
ル基、即ちSi−H基を好ましくは0.5〜5モル、よ
り好ましくは1〜2モル供給しうる量である。0.5モ
ル未満だと、架橋度合が不十分になる場合があり、ま
た、5モルを超えると、鎖長延長が優先し、硬化が不十
分になったり、発泡したり、耐熱性、圧縮永久歪み特性
等が悪化する場合がある。
【0036】本発明の(C)成分は、1分子中に少なく
とも1つのフッ素原子とヒドロキシル基を有する融点5
0℃以上の粉末である。本発明において(C)成分は特
に重要であり、金型成形するにあたり離型性を付与する
内添離型剤である。
【0037】一般的な液状の内添離型剤を添加した場合
は、ポリマー成分との相溶性が無いために増粘してしま
い、加工性が悪化してしまうので実用的ではなく、更に
は保存中に液状の内添離型剤が組成物と分離してしまう
場合もある。
【0038】従って、(C)成分の内添離型剤は、常温
保存時には固体あるいは粉末であることが重要であり、
保存安定性から考えて融点は50℃以上である。
【0039】また、分子構造は上記(A)成分との分散
性を考慮して、1分子中に少なくとも1つのフッ素原子
を含有する必要があり、含有しない場合には、組成物中
に均一に分散させることが難しくなる。
【0040】また、(C)成分は、1分子中に少なくと
も1つのヒドロキシル基を有する。これは、金型離型性
に悪影響を与えるものとして、COOH、OH、N
3、COO−、O−等の極性を有する有機基が挙げら
れるが、これらの有機基と化学結合又は水素結合させる
ためである。
【0041】1分子中に少なくとも1つの、ヒドロキシ
ル基を有する物質としては、具体的には、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールB、1,3,5−トリヒドロキシ
ベンゼン、ヒドロキシレゾルシン、2−t−ブチルヒド
ロキノン、2−メチルレゾルシン、1,5−ジヒドロキ
シナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、3,3,
5,5−テトラクロロビスフェノールA、4,4−ジヒ
ドロキシジフェニル等である。フッ素原子を有するため
には、これらをフッ素変性したものであればよいが、具
体的にはビスフェノールAをフッ素化したビスフェノー
ルAFが挙げられる。
【0042】ビスフェノールAFは、フッ化ビニリデン
系のフッ素ゴムの架橋剤として工業的に生産されている
ことから、入手が容易で安全性にも実績があり、融点は
165℃の微粉末である。
【0043】(C)成分の添加量は、(A)成分100
重量部に対して0.1〜20重量部が好ましい。特に、
離型性と機械的特性のバランスの安定の点から、0.5
〜10重量部が好ましい。0.1重量部未満では、離型
性が期待できない場合があり、20重量部を超えると、
機械的特性が好ましくない場合がある。
【0044】本発明の(D)成分は、ヒドロシリル化反
応触媒である。ヒドロシリル化反応触媒は、(A)成分
中のアルケニル基と、(B)成分中のヒドロシリル基と
の付加反応を促進する触媒である。このヒドロシリル化
反応触媒は、一般に貴金属の化合物であり、高価格であ
ることから、比較的入手し易い白金又は白金化合物がよ
く用いられる。
【0045】白金化合物としては、例えば塩化白金酸又
は塩化白金酸とエチレン等のオレフィンとの錯体、アル
コールやビニルシロキサンとの錯体、シリカ、アルミ
ナ、カーボン等を担持した金属白金等を挙げることがで
きる。白金化合物以外の白金族金属触媒として、ロジウ
ム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム系化合物も知
られており、例えばRhCl(PPh33、RhCl
(CO)(PPh32、Ru3(CO)12、IrCl
(CO)(PPh32、Pd(PPh34等を例示する
ことができる。
【0046】ヒドロシリル化反応触媒の配合量は、触媒
量とすることができるが、通常(A)、(B)及び
(C)成分の合計量100重量部に対して0.1〜10
0ppm(白金換算)の割合で配合することが好まし
い。
【0047】本発明の組成物においては、上記(A)〜
(D)成分以外にも、機械的強度を向上させる目的で補
強性フィラー等の各種フィラーを添加してもよい。
【0048】補強性フィラーは、機械的強度、熱安定
性、耐候性、耐薬品性あるいは難燃性を向上させたり、
硬化時における熱収縮の減少、硬化して得られる弾性体
の熱膨張率を低下させたり、ガス透過率を低下させる目
的で添加されるが、主な目的は、機械的強度の向上であ
る。
【0049】フィラーとしては、ヒュームドシリカ、湿
式シリカ、粉砕シリカ、炭酸カルシウム、珪藻土、カー
ボンブラック、各種金属酸化物粉末等を挙げることがで
き、また、これらを各種表面処理剤で処理したものであ
ってもよい。この中で、機械的強度の向上の点から、特
にヒュームドシリカが好ましく、更に、分散性の向上の
点から、ヒュームドシリカをシラン系表面処理剤で処理
したものが好ましい。
【0050】フィラーの添加量としては、(A)成分1
00重量部に対して、5〜200重量部が好ましい。特
に、機械的特性の安定の点から10〜60重量部が好ま
しい。
【0051】更に、本発明の硬化性フルオロポリエーテ
ル系ゴム組成物は、必要に応じて適当な顔料、染料等を
配合することもできる。また、本発明の目的を損なわな
い範囲で、各種配合剤を添加することができる。このよ
うな任意成分としては、例えば1−エチニル−1−ヒド
ロキシシクロヘキサン、3−メチル−1−ブチン−3−
オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オー
ル、3−メチル−1−ペンテン−3−オール、フェニル
ブテノール等のアセチレンアルコールや、3−メチル−
3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキ
セン−1−イン等、或いはポリメチルビニルシロキサン
環式化合物、有機リン化合物等のヒドロシリル化反応触
媒の制御剤が挙げられ、これによって硬化反応性と保存
安定性を適度に保つことができる。
【0052】本発明の硬化性組成物の製造方法は特に制
限されず、上記成分を練り合わせることにより製造する
ことができる。また2組成物とし、使用時に混合するよ
うにしてもよい。
【0053】硬化物の形成は、適当な型内に本発明の組
成物を注入して、該組成物の硬化を行うか、該組成物を
適当な基体上にコーティングした後に硬化を行う等の従
来公知の方法により行われる。また、硬化は、通常10
0〜180℃の温度で10秒〜30分程度の処理によっ
て容易に行うことができる。
【0054】本発明のフルオロポリエーテルゴム組成物
は、これらを硬化させることにより、耐熱性、耐薬品
性、耐溶剤性、撥水性、撥油性、耐候性等に優れている
上、離型性、特に金型離型性に優れた硬化物を形成させ
ることができ、各種の用途に使用することができる。
【0055】この場合、本発明の組成物の硬化物を用い
たゴム製品は、自動車用、化学プラント用、インクジェ
ットプリンタ用、半導体製造ライン用、分析・理化学機
器用、医療機器用、航空機用、燃料電池用等として、ダ
イヤフラム、バルブ、O−リング、オイルシール、ガス
ケット、パッキン、ジョイント、フェースシール等のゴ
ム部品として使用することが好ましい。
【0056】更に詳述すると、本発明の組成物の硬化物
を含むゴム製品は、自動車用ゴム部品、化学プラント用
ゴム部品、インクジェットプリンタ用ゴム部品、半導体
用製造ライン用ゴム部品、分析・理化学機器用ゴム部
品、医療機器用ゴム部品、航空機用ゴム部品、その他、
テント膜材料、シーラント、成形部品、押出部品、被覆
材、複写機ロール材料、電気用防湿コーティング材、セ
ンサー用ポッティング材、燃料電池用シール材、積層ゴ
ム布等を挙げることができる。
【0057】自動車用ゴム部品としては、フューエル・
レギュレータ用ダイヤフラム、パルセーションダンパ用
ダイヤフラム、オイルプレッシャースイッチ用ダイヤフ
ラム、EGR用ダイヤフラム等のダイヤフラム類、キャ
ニスタ用バルブ、パワーコントロール用バルブ等のバル
ブ類、クイックコネクター用のO−リング、インクジェ
ッタ用O−リング等のO−リング類、オイルシール、シ
リンダヘッド用ガスケット等のシール材等が挙げられ
る。
【0058】化学プラント用ゴム部品としては、ポンプ
用ダイヤフラム、バルブ類、O−リング類、パッキン
類、オイルシール、ガスケット等が挙げられる。
【0059】インクジェットプリンタ用ゴム部品、半導
体用製造ライン用ゴム部品としては、ダイヤフラム、
弁、O−リング、パッキン、ガスケット等が挙げられ
る。
【0060】分析・理化学機器用ゴム部品、医療機器用
ゴム部品としては、ポンプ用ダイヤフラム、O−リン
グ、パッキン、バルブ、ジョント等が挙げられる。
【0061】航空機用ゴム部品としては、航空機用エン
ジンオイル、ジェット燃料、ハイドローリックオイル、
スカイドロール等の流体配管用O−リング、フェースシ
ール、パッキン、ガスケット、ダイヤフラム、バルブ等
が挙げられる。
【0062】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。なお、下記例で部は重量部を示す。
【0063】下記にベース組成物の作製及び、組成物の
ゴム物性の評価方法を示す。ベース組成物の作製 下記式(4)で表されるポリマー(粘度8500cs、
平均分子量22000、ビニル基量0.009モル/1
00g)100部にジメチルシロキシ基で処理された比
表面積200m2/gの煙霧質シリカ25部を加え、混
合し、熱処理後、三本ロールミル上にて混合し、更に下
記式(5)で表される含フッ素有機ケイ素化合物2.7
4部、塩化白金酸を下記式(6)で表される化合物で変
性させた触媒のトルエン溶液(白金濃度1.0重量%)
0.2部及びフッ素変性させたアセチレンアルコール
0.4部を加え、混合してベース組成物を作製した。
【0064】
【化27】
【0065】ゴム物性評価 組成物を減圧下で脱泡し、2mm厚の長方形の枠に置
き、再び空気抜きをし、100kg/cm2、150℃
で10分間プレス硬化した。試験片を硬化した試料から
切り取り、JIS K6251、6252、6253に
準じて、硬さ、伸び、引張り強さ、引き裂き強さ等の物
性を測定し、JIS K7117に準じて粘度を測定し
た。離型性評価 2mm厚の長方形の枠をクロムメッキを行ったJIS
P−8サイズのO−リング6個取り金型にした以外は、
上記成形と同じ条件で行い、O−リングの取り出し易さ
を下記評価基準で評価し、離型性評価を行った。 ◎ :非常に良好 ○ :良好 △ :やや良好 × :困難 ××:非常に困難剥離力評価 クロムメッキ板との一体成形を行う以外は、ゴム物性評
価と同じ条件で行い、得られた試験片のピール剥離力を
ストログラフE−L(株)東洋精機製で測定した。
【0066】[実施例1〜5、比較例1]ベース組成物
に、ビスフェノールAFを表1に示す量で添加し、混合
後、硬化後のゴム物性、離型性、剥離力について評価し
た。結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】ビスフェノールAF無添加の比較例1に比
べて、実施例では離型性に大きな差異が見られるにもか
かわらず、粘度等の物性は大きな差が見られないことが
分かった。
【0069】[比較例2〜5]ベース組成物に、表2に
示す添加剤を表2に示す量で添加し、混合後、硬化後の
ゴム物性、離型性、剥離力について評価した。結果を表
2に示す。
【0070】
【表2】 シリコーンオイル :KF96(1万)(信越化学工業(株)製) フッ素オイル :FomblinZ65(アウジモント製) フルオロシリコーンオイル :FL100(信越化学工業(株)製) フッ素系界面活性剤 :X−70−090(信越化学工業(株)製)
【0071】フッ素系界面活性剤を添加したものは、離
型性を示したが、粘度上昇が激しく、加工性に劣るもの
であった。
【発明の効果】本発明の硬化性フルオロポリエーテル系
ゴム組成物は、フッ素含有率が高いために耐溶剤性、耐
薬品に優れ、また、透湿性も低く、低表面エネルギーを
有するため、離型性、撥水性に優れており、かつ耐酸
性、耐油性を要求される自動車用、航空機用ゴム材料、
半導体製造装置用シール材料、テント膜材料、シーラン
ト、成形部品、押出部品、被覆材、複写機ロール材料、
電気用防湿コーティング材、センサー用ポッティング
材、剥離紙用材料等に有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16J 15/10 F16J 15/10 Y 15/32 301 15/32 301Z 311 311Z Fターム(参考) 3J006 CA01 3J040 FA07 HA07 HA30 3J045 AA08 AA20 BA02 EA01 3J103 AA02 FA07 FA08 FA11 GA02 GA57 HA03 HA53 4J002 CH05W CP17X CP18X DE018 DE178 EC017 EC057 EJ037 EJ057 EW008 EX026 FD147 FD206 FD208 GJ02 GK04 GL00 GN00 GQ05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)1分子中に少なくとも2個のアル
    ケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテ
    ル構造を有する直鎖状フルオロポリエーテル化合物、
    (B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少な
    くとも2個有する有機ケイ素化合物、(C)1分子中に
    少なくとも1つのフッ素原子とヒドロキシル基を有する
    融点50℃以上の粉末、(D)ヒドロシリル化反応触媒
    を含有する硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分が下記一般式(1) 【化1】 [式中、Xは−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2
    −又は−Y−NR1−CO−(Yは−CH2−又は下記構
    造式(Z) 【化2】 (o,m又はp位)で示される基)で表される基、R1
    は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基、X’
    は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−C
    O−NR1−Y’−(Y’は−CH2−又は下記構造式
    (Z’) 【化3】 (o,m又はp位)で示される基)で表される基であ
    り、R1は上記と同じである。aは独立に0又は1、L
    は2〜6の整数、b及びcはそれぞれ0〜200の整数
    である。]で表される直鎖状フルオロポリエーテル化合
    物である請求項1記載の硬化性フルオロポリエーテル系
    ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 (B)成分の1分子中に少なくとも1つ
    のフッ素原子とヒドロキシル基を有する融点50℃以上
    の粉末が、ビスフェノールAFであることを特徴とする
    請求項1又は2記載の硬化性フルオロポリエーテル系ゴ
    ム組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項記載の硬
    化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物の硬化物を含む
    ことを特徴とするゴム製品。
  5. 【請求項5】 自動車用、化学プラント用、インクジェ
    ットプリンタ用、半導体製造ライン用、分析・理化学機
    器用、医療機器用、航空機用又は燃料電池用である請求
    項4記載のゴム製品。
  6. 【請求項6】 ダイヤフラム、バルブ、O−リング、オ
    イルシール、ガスケット、パッキン、ジョイント又はフ
    ェースシールである請求項4又は5記載のゴム製品。
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