JP2003292560A - 硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

硬質ポリウレタンフォームの製造方法

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JP2003292560A
JP2003292560A JP2002104875A JP2002104875A JP2003292560A JP 2003292560 A JP2003292560 A JP 2003292560A JP 2002104875 A JP2002104875 A JP 2002104875A JP 2002104875 A JP2002104875 A JP 2002104875A JP 2003292560 A JP2003292560 A JP 2003292560A
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Shiyuuzou Iyoshi
就三 伊吉
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 火災発生の危険性を伴う低沸点有機溶剤を使
用することなく、水のみを発泡剤と使用しても脆性、圧
縮強度および熱伝導率の優れた硬質ポリウレタンフォー
ムを提供すること。 【解決手段】 有機ポリイソシアネートとポリオール成
分とを水を発泡剤として触媒の存在下で反応させて硬質
ポリウレタンフォームを製造する方法において、前記ポ
リオール成分として、1分子当たりの活性水素を有する
官能基数が少なくとも3個以上であるポリエステルポリ
オールを全ポリオール成分中に5〜40重量%含み、か
つ全ポリオール成分の平均水酸基価が100〜600m
gKOH/gのものを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天井、床、壁など
の建築用断熱材として用いられ、発泡剤としてフロン類
や低沸点有機溶剤を使用する必要のない硬質ポリウレタ
ンフォームの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平5−25243号公報等に記載さ
れているように、硬質ポリウレタンフォームは、有機ポ
リイソシアネートとポリオール成分とを、発泡剤、整泡
剤、触媒などの存在下で反応させて製造されており、特
に発泡剤としてトリフロロモノフルオロメタンなどのフ
ロン類を使用することによって優れた断熱性能を保持し
ている。しかしながら、1989年にモントリオール議
定書が発効し、20世紀末までにトリフロロモノフルオ
ロメタンを含む特定フロン類の使用が全廃されることに
なった。そのため、近年、フロン削減のために水を発泡
剤に使用したり、低沸点の有機溶剤を使用して硬質ポリ
ウレタンフォームを製造する方法が提案されているが、
発泡剤として水を使用すると、熱伝導率、寸法安定性が
悪化し、実用上、良好なフォームが得られず、また、低
沸点の有機溶剤は可燃性のものが多く、火災発生の危険
性がある。
【0003】一般的に、水発泡においては、溶剤として
の役目も持つ特定フロン類や低沸点の有機溶剤を発泡剤
として使用しないため、ポリオール混合物の粘度が高く
なるという問題があり、使用可能なポリオールも常温で
液状で、しかも低粘度のものに制限されるため、トリメ
チロールプロパンのプロピレンオキシド付加物を代表例
とされるポリオキシアルキレンポリエーテルポリオール
類に限定されてきた。しかし、このような多官能エーテ
ル系ポリオールだけで構成される硬質ポリウレタンフォ
ームは熱伝導率、寸法安定性、圧縮強度および脆性に問
題があるため様々な添加剤が併用されている。例えば、
前記特開平5−25243号公報では水酸基価350〜
500のポリビニルフィラーをグラフトしたポリエーテ
ルポリオールを使用することにより、水発泡の硬質ポリ
ウレタンフォームの脆性および圧縮強度を改善してい
る。また、特公平07−91452公報では特定の二価
フェノールのアルキレンオキシド付加物を含有させるこ
とにより硬質ポリウレタンフォームにおいて機械的強
度、脆性、および耐熱性が改善されることが開示されて
いる。しかし、上記のように特殊なポリオールの使用は
ポリオール混合物の粘度を上昇させるため発泡の制御が
難しく、さらに、他のポリエーテルポリオールとの分離
を生ずる恐れがある。また、ポリオール混合物の粘度を
下げるために塩素化パラフィン、トリスクロロエチルホ
スフェート、トリスクロロプロピルホスフェートなどの
難燃剤、ポリオキシノニルフェニルエーテルなどの界面
活性剤、プロピレンカーボネートなどの減粘剤が使用さ
れる。しかし、減粘剤はウレタンの反応に関与しないた
め、必然的に得られるフォームの物性低下を招く結果と
なる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の課題を背景になされたもので、水を発泡剤に用いて
も優れた物性を有する硬質ポリウレタンフォームを提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は「有
機ポリイソシアネートとポリオール成分とを水を発泡剤
として触媒の存在下で反応させて硬質ポリウレタンフォ
ームを製造する方法において、前記ポリオール成分とし
て、1分子当たりの活性水素を有する官能基数が少なく
とも3個以上であるポリエステルポリオールを全ポリオ
ール成分中に5〜40重量%含み、かつ全ポリオール成
分の平均水酸基価が100〜600mgKOH/gのも
のを使用することを特徴とする硬質ポリウレタンフォー
ムの製造方法」である。
【0006】本発明では、発泡剤として水を使用する硬
質ポリウレタンフォームの製造方法において、ポリオー
ル成分として、1分子当たりの活性水素を有する官能基
数が少なくとも3個以上であるポリエステルポリオール
を一定量使用することを特徴としている。この水は、ポ
リイソシアネート成分と反応して炭酸ガスを発生し、こ
のガスによって生成過程のポリウレタンが発泡してフォ
ームが形成されるものである。この水の使用量は、ポリ
オール成分100重量部に対して10重量部以下、好ま
しくは5〜8重量部である。水の使用量が10重量部を
超えると、得られるフォームは常温で収縮してしまい実
用に供し得ない。また、水の使用量が5重量部を下回る
と得られるポリウレタンフォームの密度が高くなり過ぎ
て熱伝導率が大きくなり、硬質ポリウレタンフォームの
主要な目的である断熱材として供し得ない。
【0007】本発明に使用されるポリエステルポリオー
ルは、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタ
ノールアミン、或いはペンタエリスリトール等の少なく
とも3個以上の活性水素を有する分子量が300以下の
低分子量有機化合物に、グルタル酸、アジピン酸、ピメ
リン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソ
フタル酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸あるいはその他
の低分子ジカルボン酸やオリゴマー酸の1種又は2種以
上との縮重合をすることにより得られる。少なくとも3
個以上の活性水素を有する前記低分子量有機化合物とジ
カルボン酸やオリゴマー酸との縮重合反応におけるモル
比は得られるポリエステルポリオールの水酸基価が10
0〜600mgKOH/gになるように調整される。脱
水エステル化における反応は温度90〜240℃、好ま
しくは100〜220℃で、パラトルエンスルホン酸ソ
ーダ等の脱水エステル化反応で通常用いられる触媒を使
用して減圧下で行う。反応温度が90℃未満では反応が
著しく遅く、経済的でない。逆に、240℃以上では得
られたポリエステルポリオールの解重合反応が生じるの
で、いずれも好ましくない。また、少なくとも3個以上
の活性水素を有する前記低分子量有機化合物にプロピオ
ラクトン、カプロラクトン、またはバレロラクトン等の
環状エステル化合物を開環重合により付加することによ
り得られるポリエステルポリオールも使用できる。本発
明では、低粘度のものが得られることからラクトン化合
物から得られる開環付加重合物であるポリエステルポリ
オールが好ましく、トリメチロールプロパンにε−カプ
ロラクトンを開環付加させたものが特に好ましい。少な
くとも3個以上の活性水素を有する低分子量有機化合物
に上記環状エステル化合物を開環付加重合させる場合に
用いる触媒としてはテトラエチルチタネート、テトラブ
チルチタネート、テトラプロピルチタネート等の有機チ
タン系化合物、オクチル酸第一スズ、ジブチルスズオキ
サイド、ジブチルスズジラウレート、モノ−n−ブチル
スズ脂肪酸塩等の有機スズ化合物、塩化第一スズ、臭化
第一スズ、ヨウ化第一スズ等のハロゲン化第一スズ等が
挙げられる。触媒の使用量は仕込み原料に対して0.1
〜10000ppm、好ましくは1〜5000ppmで
ある。触媒の使用量が0.1ppm未満ではラクトン類
の開環反応が著しく遅く、経済的でない。逆に1000
0ppm以上では開環反応時間は早くなるが、ポリウレ
タンフォームを製造する際の反応速度のコントロールが
しにくく、かつ、得られたポリウレタンフォームの耐久
性、耐水性などの物性が悪くなるのでいずれも好ましく
ない。反応温度は90〜240℃、好ましくは100〜
220℃である。反応温度が90℃未満ではラクトン類
の開環反応が著しく遅く、経済的でない。逆に、240
℃以上では開環付加重合したラクトンポリエステルポリ
オールの解重合反応が生じるので、いずれも好ましくな
い。また、反応中は窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気で
合成することが得られるポリウレタンフォームの色相等
に良い結果を与える。ラクトンから得られる開環付加重
合物であるポリエステルポリオールの市販品としては、
トリメチロールプロパンのε−カプロラクトン付加物で
あるPCL303、PCL305、およびPCL308
[ダイセル化学工業(株)製]等がある。
【0008】本発明に使用する官能基数が少なくとも3
個以上であるポリエステルポリオールの水酸基価は10
0〜600mgKOH/gであり、特に180〜550
mgKOH/gが好ましい。官能基数が少なくとも3個
以上であるポリエステルポリオールの水酸基価が600
mgKOH/gを超えるとポリオールの分子量が小さく
なり過ぎて、得られる硬質ウレタンフォームの架橋密度
が過剰となり、フォームの脆性が大きくなるため好まし
くない。また、水酸基価が100mgKOH/gを下回
ると分子量が大きくなり、得られる硬質ポリウレタンフ
ォームが柔かくなり圧縮強度が低下するため好ましくな
い。さらに、ポリエステルポリオールの結晶性が高くな
り、常温でワックス状になることがあり好ましくない。
また、全ポリオール成分の平均水酸基価は100〜60
0mgKOH/gであることが必須であり、好ましく
は、400〜500mgKOH/gである。全ポリオー
ル成分の平均水酸基価が100mgKOH/g未満では
得られる硬質ポリウレタンフォームが柔らかくなり過ぎ
て、十分な圧縮強度および硬度が得られず、平均水酸基
価が600mgKOH/gを超えると、フォームの脆性
が大きくなるので、いずれも好ましくない。ポリエステ
ルポリオールは好ましくは常温で液状であり、且つ25
℃における粘度が25℃における粘度が5000mPa
s以下、好ましくは2000mPas以下である。粘度
が5000mPasを超えると粘度が高くなり過ぎて、
イソシアネート類との混合を瞬時に行うことが困難とな
り、目的とする硬質ポリウレタンフォームが得られな
い。
【0009】本発明に使用するポリエステルポリオール
と併用されるポリオールとしては、一般的に硬質ポリウ
レタンフォームにおいて使用されている多官能のポリオ
ールであれば何でもよく、例えば、開始剤としてグリセ
リン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、エチレ
ンジアミン、ペンタエリスリトール、メチルグルコシ
ド、トリレンジアミン、マンニッヒ、シュークローズな
どを用い、これにエチレンオキサイド、プロピレンオキ
サイド、ブチレンオキサイドなどの1種または2種以上
を付加してなるポリエーテルポリオールや、再生PE
T、DMTプロセス残渣、無水フタル酸などをベースと
した芳香族ポリエステルポリオールが挙げられる。これ
らの中でグリセリン、エチレンジアミン、トリメチロー
ルプロパンにエチレンオキシドまたはプロピレンオキシ
ドを付加したものが、粘度が低く特に好ましい。なお、
上記のように、芳香族ポリエステルポリオールを全ポリ
オール成分の粘度および平均水酸基価が許される範囲内
において使用することもできる。
【0010】本発明において使用される有機ポリイソシ
アネートとしては、一般に用いられる芳香族ポリイソシ
アネート、脂環族ポリイソシアネート、あるいは脂肪族
ポリイソシアネートなどの通常硬質ポリウレタンフォー
ムの製造に用いられるものが全て使用できる。このポリ
イソシアネート成分の具体例としては、2,4−トリレ
ンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
トおよびこれらの混合物、2,2’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネートおよびこれらの混合物、ジフェニルメタン−
4,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメ
タン−4,4’−ジイソシアネートおよびこれらの組成
物、ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、ジベ
ンジルジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネー
ト、フェニレンジイソシアネート、キシレンジイソシア
ネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の
芳香族ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソ
シアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシア
ネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネー
ト、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン−1,6−
ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネー
ト、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニル
メタンジイソシアネート、水添トリメチルキシリレンジ
イソシアネート等の脂環族ジイソシアネートがある。こ
れらの有機ポリイソシアネートは、単独であるいは2種
以上の併用系で用いられる。さらに、これらのアダクト
変性体、カルボジイミド変性体、アロファネート変性
体、ビュレット変性体、ウレトジオン変性体、ウレトイ
ミン変性体、イソシアヌレート変性体等の変性体も使用
できる。これらのポリイソシアネートは、常温で低粘度
の液状であり、臭気が低く、安価であることから、2,
2’−ジフェニルメタンジイソシアネートと2,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物(クルード
MDI)、または、ジフェニルメタン−4,4′−ジイ
ソシアネートのカルボジイミド変性体(ポリメリックM
DI)が好ましい。また、ポリイソシアネート成分の使
用量は、イソシアネート基対水酸基の当量比(NCO/
OHインデックス)で1.0〜1.5、好ましくは、
1.05〜1.2の割合で用いられる。イソシアネート
基対水酸基の当量比が1.0未満では反応が十分に進ま
ず、また、過剰のイソシアネートによる架橋が得られ
ず、得られるフォームの強度が不十分となり、1.5を
超えると、十分な鎖延長が得られず、フォームの形成に
支障をきたす。さらに、十分な強度のフォームが得られ
なくなるので、いずれの場合も好ましくない。
【0011】また、ポリウレタン反応に使用される触媒
としては、例えばジメチルエタノールアミン、トリエチ
レンジアミン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラ
メチルヘキサメチレンジアミン、ジメチルシクロヘキシ
ルアミンなどの第3級アミン類、スタナスオクテート、
オクチル酸カリウム、ジブチルチンジラウレートなどの
金属触媒などが挙げられる。これらの触媒は、通常、ポ
リオール成分100重量部に対して、0.001〜5重
量部程度、好ましくは、0.01〜2重量部程度で用い
られる。触媒の使用量が0.001重量部未満では触媒
としての効果が得られず、2重量部を超えると反応が早
くなり過ぎて、反応速度とフォーム形成速度のバランス
が取れなくなるので、いずれも好ましくない。
【0012】本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造
に際しては、このほか整泡剤や粘度調整剤、難燃剤など
の添加剤を配合することができる。この内、整泡剤とし
ては、シリコーン系整泡剤が好ましく、例えば東レダウ
コーニング(株)製、SH−193、BY−10−54
0、日本ユニカー(株)製、L−5420、L−532
0、L−5340、SZ1605、信越シリコーン
(株)製、F305、F341などが挙げられる。整泡
剤は、通常、ポリオール成分100重量部に対して、
0.1〜5重量部程度、好ましくは、0.5〜3重量部
程度で用いられる。整泡剤の使用量が0.1重量部未満
では整泡剤としての効果が得られず、3重量部を超える
と整泡剤としての効果が飽和すると共に、得られたフォ
ームから過剰の整泡剤が染み出す場合もあり、いずれも
好ましくない。さらに、本発明の製造方法においては、
必要に応じて酸化防止剤、光安定剤、加工安定剤、老化
防止剤等の公知の添加剤の少なくとも1種を配合するこ
とができる。酸化防止剤としては、例えば1,6−ヘキ
サンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ルホスホネート−ジエチルエステル等のヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤、ジラウリル 3,3’−ジチオジ
プロピオネート等の有機イオウ系酸化防止剤、トリアル
キルフェニルホスフェート等のリン系酸化防止剤等を挙
げることができる。光安定剤としては、例えばビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セ
バケート等のヒンダードアミン系光安定剤、ジブチルジ
チオカルバミン酸ニッケル等のニッケル塩系光安定剤等
を挙げることができる。また、ビス[3−(2H−ベン
ゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−ベンゼ
ンエタノール]メタンやそれへのラクトン付加物、具体
的には、UVA101、UVA103、UVA105
[UVAシリーズはいずれもダイセル化学工業(株)
製]のような紫外線吸収機能を有するポリオールを挙げ
ることができる。加工安定剤としては、例えばトリス
(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェー
ト等のリン系加工安定剤等を挙げることができる。老化
防止剤としては、例えば1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキセン、N,N’−ジフェニル−p
−フェニレンジアミン等を挙げることができる。
【0013】また、本発明に使用される添加剤は、ポリ
オール成分の粘度を下げることおよびポリイソシアネー
ト成分との反応比率バランスを保つことを目的に添加す
るものである。これらの条件を満足する低粘度添加剤と
しては、塩素化パラフィン、トリスクロロエチルホスフ
ェート、トリスクロロプロピルホスフェートなどの難燃
剤、ノニルフェノールエーテルなどの界面活性剤、プロ
ピレンカーボネートなどの減粘剤などが挙げられる。こ
れらの添加剤は、得られるフォームの物性を低下させな
いために、通常、ポリオール成分100重量部に対して
1〜30重量部程度、好ましくは、3〜20重量部程度
で用いられる。添加剤の使用量が1重量部未満では減粘
剤としての効果が薄く、20重量部を超えると得られる
フォームの物性低下を招くこととなるので、いずれも好
ましくない。
【0014】以上の原料から本発明の硬質ポリウレタン
フォームを製造する具体的な手段としては、前記原料を
均一に混合できる装置であればいかなるものでもよい
が、例えば実験用小型ミキサーや発泡機などを用いて原
料を均一に連続または非連続に混合することによって、
本発明の硬質ポリウレタンフォームを容易に得ることが
できる。
【0015】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例中、部および%は、特に断ら
ない限り重量を表す。また、実施例中、水酸基価および
ポリウレタンフォームの物性は、水酸基価:ポリオール
1g中のOH基に相当する水酸化カリウムのmg数、圧
縮強度:JIS A9514に拠って測定、熱伝導率:
JIS A9514に拠って測定、寸法安定性:AST
M D2126に準拠して測定したものである。また、
ポリオールの粘度測定においては、E型粘度計を使用し
た。フォーム密度は1辺10cmの立方体に切り出した
試料の重量を測定し、立方体の体積で乗じて求めた。脆
性は1辺10cm立方に切り出した試験片の重量を測定
しておき、1辺を粒度AA−120のサンドペーパーで
10回軽く擦った後重量を測定し、重量減少率を算出し
た。
【0016】(実施例1)3官能ポリエステルポリオー
ルとして、トリメチロールプロパンのε−カプロラクト
ン付加物であるプラクセル305[水酸基価:305m
gKOH/g、粘度:1300mPas(25℃)、ダ
イセル化学工業(株)製]を10重量部、グリセリンの
プロピレンオキシド付加物であるサンニックスGP−6
00[水酸基価:280mgKOH/g、粘度:270
mPas(25℃)、三洋化成工業(株)製]を65重
量部およびトリエタノールアミンのプロピレンオキシド
付加物であるサンニックスAP−189[水酸基価:1
000mgKOH/g、粘度:640mPas(25
℃)、三洋化成工業(株)製]を25重量部使用してポ
リオール混合物を調製した。このポリオール混合物の水
酸基価を計算により求めた結果は465mgKOH/g
であり、粘度はE型粘度計で測定した結果、25℃で5
80mPasであった。このポリオール混合物100重
量部に対して、発泡剤として水を8重量部、整泡剤とし
て東レダウコーニング社製のSG−193を2重量部、
アミン触媒としてジアゾビシクロオクタン(DABCO
33LV)を1.5重慮部、および錫触媒としてジブチ
ルチンジラウレート(DBTDL)を0.1重量部加え
攪拌した後、粗製メチレンビスジフェニルイソシアネー
ト(粗製MDI、ルプラネートM−20S、NCO含有
量:30.5g/100g、BASF INOACポリ
ウレタン(株)製)を244重量部添加して10秒間激
しく攪拌して自由発泡させ硬質ポリウレタンフォームを
得た。なお、この時のR値=NCO/OH(当量比)は
1.03であった。
【0017】(実施例2〜5および比較例1〜3)表1
に示す原料および組成を使用した以外は実施例1と同様
の方法で硬質ウレタンフォームを作成した。得られたフ
ォームの物性も合わせて表1に記載した。なお、PCL
303およびPCL308ともトリメチロールプロパン
へのε−カプロラクトン付加物であり、サンニックスG
P−300は三洋化成工業(株)製のトリメチロールプ
ロパンへのプロピレンオキサイド付加物である。
【0018】
【表1】
【0019】表1の結果から、本発明の製造方法で得ら
れた硬質ポリウレタンフォームにおける圧縮強度等は前
記特開平5−25243号公報に記載されている水酸基
価350〜500のポリビニルフィラーをグラフトした
ポリエーテルポリオールを使用した水発泡の硬質ポリウ
レタンフォームにおける、圧縮強度の平均値1.52kg
/cm2、寸法安定性−0.6〜−2.3(100℃、24
時間)および−0.1〜−0.8(−20℃、24時
間)、熱伝導率の平均値0.0198kcal/mhr℃よりも
優れていることが明らかである。
【0020】なお、表1中における各種ポリオールA〜
FおよびMDI等の性状は以下の通りである。 A:PCL303:OH価=540、粘度:1700m
Pas(25℃)、ダイセル化学工業(株) B:PCL305:OH価=305、粘度:1350m
Pas(25℃)、ダイセル化学工業(株) C:PCL308:OH価=195、粘度:1450m
Pas(25℃)、ダイセル化学工業(株) D:サンニックスGP−600:OH価=280、粘
度:270mPas(25℃)、三洋化成工業(株) E:サンニックスTE−300:OH価=560、粘
度:540mPas(25℃)、三洋化成工業(株) F:サンニックスAP−189:OH価=1000、粘
度:640mPas(25℃)、三洋化成工業(株) 粗製MDI:ルプラネートM−20S、NCO=30.5
g/100g、粘度:196mPas(25℃)、BASF
INOACポリウレタン(株) アミン触媒:DABCO33LV 錫触媒:DBTDL(ジブチルチンジラウレート)、三
共エアプロダクツ(株) 整泡剤:SH−193、東レダウコーニング(株)
【0021】
【発明の効果】本発明のように、活性水素を有する官能
基数が少なくとも3個以上であるポリエステルポリオー
ルを全ポリオール成分中、一定の含有量で使用すること
により、オゾン層を破壊するフロン類を発泡剤として使
用することなく、また、火災発生の危険性を伴う低沸点
有機溶剤を使用することなく、水のみを発泡剤と使用し
ても脆性、圧縮強度および熱伝導率の優れた硬質ポリウ
レタンフォームを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 AA01 BA07 DA01 DB03 DB04 DB05 DC50 DF01 DF11 DF14 HA01 HA06 HA07 HC02 HC03 HC12 HC17 HC22 HC46 HC54 HC64 HC67 HC71 HC73 KC17 NA03 NA08 QA03 QB01 QC01 RA15

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機ポリイソシアネートとポリオール成
    分とを水を発泡剤として触媒の存在下で反応させて硬質
    ポリウレタンフォームを製造する方法において、前記ポ
    リオール成分として、1分子当たりの活性水素を有する
    官能基数が少なくとも3個以上であるポリエステルポリ
    オールを全ポリオール成分中に5〜40重量%含み、か
    つ全ポリオール成分の平均水酸基価が100〜600m
    gKOH/gのものを使用することを特徴とする硬質ポ
    リウレタンフォームの製造方法。
  2. 【請求項2】 全ポリオール成分の平均水酸基価が40
    0〜500mgKOH/gである請求項1記載の硬質ポ
    リウレタンフォームの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステルポリオールの水酸基価
    が100〜600mgKOH/gである請求項1または
    2記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法
  4. 【請求項4】 前記ポリエステルポリオールが少なくと
    も3個以上の活性水素基を有する低分子量有機化合物を
    開始剤として、一般式1で表されるラクトンを開環付加
    重合させて得られる多官能ポリカプロラクトンポリエス
    テルポリオールであることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方
    法。 <一般式1> 【化1】 (式中、n個のR1およびn個のR2は同一もしくは異な
    って、Hまたは炭素数1〜8のアルキル基を表し、nは
    整数で、1≦n≦7である。)
  5. 【請求項5】 前記一般式1で表されるラクトンがε−
    カプロラクトンであることを特徴とする請求項4記載の
    硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記3個以上の活性水素基を有する低分
    子量化合物がグリセリン、トリメチロールプロパン、ト
    リエタノールアミンまたはペンタエリスリトールから選
    ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする請求項
    4の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記ポリエステルポリオールが常温で液
    状であり、且つ25℃における粘度が2000mPas
    以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに
    記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
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