JP2003290742A - キレート系重金属固定化剤の必要添加量の決定方法及び処理灰の重金属固定化効果の判定方法並びに装置 - Google Patents
キレート系重金属固定化剤の必要添加量の決定方法及び処理灰の重金属固定化効果の判定方法並びに装置Info
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Abstract
溶出を防止するための適正添加量を簡易にかつ的確に決
定する。重金属含有灰にキレート剤を加えて重金属の溶
出防止処理を行った処理灰について、重金属固定化効果
を簡易にかつ的確に判定する。 【解決手段】 重金属含有灰の水スラリーに一定量のキ
レート剤を添加して遊離キレート量を経時的に測定し、
キレート剤添加後の所定期間の遊離キレート量の減少量
を求め、この減少量からキレート剤の必要添加量を決定
する。処理灰の水スラリーの遊離キレート濃度を測定
し、この遊離キレート濃度を予め設定した値と比較して
この結果に基いて処理灰の重金属固定化効果を判定す
る。
Description
レート系重金属固定化剤を加えて該重金属含有灰からの
重金属の溶出を防止するための、該キレート系重金属固
定化剤の必要添加量を簡易にかつ的確に決定する方法及
びそのための装置に関する。本発明はまた、重金属含有
灰にキレート系重金属固定化剤を加えて該重金属含有灰
からの重金属の溶出を防止するための処理を行った処理
灰について、その重金属固定化効果を簡易かつ的確に判
定する方法及びそのための装置に関する。
は、煙道の集塵機で捕集される飛灰と焼却炉の焼却残渣
である焼却灰がある。このうち重金属含有率が高い飛灰
に関しては、厚生省の定める方法により、適切な処理を
施すことが義務付けられている。
法があり、処理薬剤としては一般にキレート系薬剤、無
機系薬剤が用いられている。
トを抑えた上で、重金属の溶出を確実に防止するため
に、薬剤を過不足なく適正な添加量となるように添加す
ることが重要である。
が十分でない場合には、直ちに再処理を行う必要がある
ことから、処理灰について、その重金属固定化効果が十
分であるか否かの判定を現場にて迅速に行うことが重要
である。
方法又は処理灰の重金属固定化効果の判定方法として
は、次のような方法が提案されている。
子吸光分光光度計で重金属濃度を求め、この量をもとに
キレート系薬剤の必要添加量を求める方法。 重金属含有灰のスラリーの濾液に、キレート系薬剤
を添加し、そのときのキレート系薬剤の残量を吸光度計
で測定してキレート系薬剤の消費量を求め、この量をも
とにキレート系薬剤の必要添加量を求める方法。 重金属含有灰又はその処理灰と水とのスラリーの酸
化還元電位を測定し、この測定結果をもとにキレート系
薬剤の必要添加量や処理灰の重金属固定化効果を求める
方法(特許第3237465号、特開2000−709
02号公報)。
ト系薬剤残量の測定は容易な方法ではあるが、重金属含
有灰のスラリーを濾過した濾液にキレート系薬剤を添加
してそのときのキレート系薬剤の消費量を求めても、濾
液に溶出しなかった濾過残渣に含まれる重金属が考慮さ
れないために、キレート系薬剤の必要添加量を正確に求
めることはできない。
属固定化剤を加えて該重金属含有灰からの重金属の溶出
を防止するに当り、該キレート系重金属固定化剤の必要
添加量をより一層的確に決定することができるキレート
系重金属固定化剤の必要添加量の決定方法及びそのため
の装置を提供することを目的とする。
重金属固定化剤を加えて該重金属含有灰からの重金属の
溶出を防止するための処理を行った処理灰について、そ
の重金属固定化効果をより一層的確に判定することがで
きる処理灰の重金属固定化効果の判定方法及びそのため
の装置を提供することを目的とする。
金属固定化剤の必要添加量の決定方法は、重金属含有灰
にキレート系重金属固定化剤を加えて該重金属含有灰か
らの重金属の溶出を防止するための、該キレート系重金
属固定化剤の必要添加量を決定する方法において、該重
金属含有灰と水とのスラリーに、一定量の該キレート系
重金属固定化剤を添加したときの該スラリー中の遊離キ
レート量を経時的に測定し、該キレート系重金属固定化
剤添加後の所定期間の該遊離キレート量の減少量を求
め、この減少量に基いて前記必要添加量を決定すること
を特徴とする。
要添加量の決定方法は、請求項1の方法において、該重
金属含有灰と水とのスラリーに、一定量の該キレート系
重金属固定化剤を間欠的に添加すると共に、該スラリー
中の遊離キレート量を経時的に測定し、各該キレート系
重金属固定化剤添加後の該遊離キレート量の減少量の合
計量を求め、この合計量に基いて前記必要添加量を決定
することを特徴とする。
定方法は、重金属含有灰にキレート系重金属固定化剤を
加えて該重金属含有灰からの重金属の溶出を防止するた
めの処理を行った処理灰について、その重金属固定化効
果を判定する方法において、該処理灰と水とのスラリー
中の遊離キレート濃度を測定し、この遊離キレート濃度
と、予め設定した遊離キレート濃度とを比較して、該処
理灰の重金属固定化効果を判定することを特徴とする。
要添加量の決定装置は、重金属含有灰にキレート系重金
属固定化剤を加えて該重金属含有灰からの重金属の溶出
を防止するための、該キレート系重金属固定化剤の必要
添加量を決定する装置において、該重金属含有灰と水と
のスラリーを調製する手段と、該スラリーに該キレート
系重金属固定化剤を添加する手段と、該キレート系重金
属固定化剤を添加したときの該スラリー中の遊離キレー
ト量を経時的に測定する手段と、該キレート系重金属固
定化剤添加後の所定期間の該遊離キレート量の減少量を
算出する手段と、この減少量を重金属の固定化に必要な
キレート系重金属固定化剤量に換算する換算手段とを備
えてなることを特徴とする。
定装置は、重金属含有灰にキレート系重金属固定化剤を
加えて該重金属含有灰からの重金属の溶出を防止するた
めの処理を行った処理灰について、その重金属固定化効
果を判定する装置において、該処理灰と水とのスラリー
を調製する手段と、該スラリー中の遊離キレート濃度を
測定する手段と、測定された遊離キレート濃度を予め設
定した遊離キレート濃度と比較して、該処理灰の重金属
固定化効果を判定する手段とを備えてなることを特徴と
する。
リーを撹拌しながら一定量のキレート系重金属固定化剤
(以下「キレート剤」と称す場合がある。)を添加した
後、そのスラリー中の遊離(残留)キレート濃度を経時
的に測定し、測定期間中(例えば、キレート剤を添加し
てから、0.5分後から10分後までの間)の遊離キレ
ート濃度の減少量、即ち減少速度を求める。この遊離キ
レート濃度の減少速度に基いてキレート剤の必要添加量
を求める。また、この方法において、スラリーにキレー
ト剤を間欠的に添加してゆき、それぞれの期間の遊離キ
レート濃度の平均減少速度に基いてキレート剤の必要添
加量を求めることができる。更に、処理灰の水スラリー
に対して遊離キレート濃度を測定し、予め設定した遊離
キレート濃度値と比較することにより、処理灰の重金属
固定効果が十分であるかどうかを判定することもでき
る。
られる。
b等の重金属等が一部溶解しているが、これにキレート
剤を添加した場合、添加直後はキレート剤と重金属等の
反応が行なわれず溶解Pb等と反応した以外のキレート
剤がスラリー中に残留しているが、時間の経過と共に未
溶解の重金属が徐々に溶け出し、これがキレート剤と徐
々に反応して結合することにより、スラリー中の遊離キ
レート濃度は徐々に減少していく。
灰からのPb等の溶出速度と、環境庁告示13号試験で
求めた灰の重金属の固定に必要なキレート剤添加量とは
相関することを見いだした。これにより例えば、このキ
レート剤の減少速度と環境庁告示13号試験によるキレ
ート剤の必要添加量との検量線を作成しておき、被処理
灰を測定し、この測定値から検量線でその灰に対しての
キレート剤の必要添加量を予測することができる。キレ
ート剤の1回の添加量が少なすぎる場合、ほとんど遊離
キレートが存在せず、従ってその減少速度を測定できな
い場合があるので数回の添加を行う。
レート剤の必要添加量との検量線を作成しておき、被処
理灰のキレート剤の減少量の合計値を求め、この値から
検量線でその灰に対してのキレート剤の必要添加量を予
測することができる。
線は、現場毎、例えば、焼却炉1基毎に作成しておくこ
とが好ましい。
して重金属の溶出を防止するための処理を行った処理灰
について、そのスラリー中の遊離キレート濃度を測定す
れば、この遊離キレート濃度から、スラリー中の重金属
濃度がわかり、従って、キレート剤の添加量が十分であ
ったか否かを確認することができる。即ち、重金属とキ
レート剤(遊離キレート)と、重金属に結合したキレー
ト剤とは化学平衡(溶解度積)の関係にあるからスラリ
ー中の遊離キレート濃度が高い場合には、スラリー中の
重金属濃度は低く、処理灰のキレート剤の添加量が十分
で、十分な重金属固定化効果が得られていることを示
す。逆に、スラリー中の遊離キレート濃度が低く、遊離
キレートが殆ど存在しない場合には、スラリー中の重金
属濃度は高く、処理灰のキレート剤の添加量が不十分
で、重金属固定化効果も達成されていない。
に説明する。
決定方法及び装置について説明する。
当っては、まず、重金属含有灰のスラリーにキレート剤
を添加して、前述のキレート剤の減少量或いはその合計
値を求める。
定するには、まず、重金属含有灰(又はその処理灰)を
水に添加して1〜10分程度攪拌混合してスラリー(以
下、このスラリーを「灰スラリー」と称す場合があ
る。)を調製する。この灰スラリーの調製に当って、重
金属含有灰(又はその処理灰)と水との混合割合は、液
固比(L(mL)/s(g))で10〜1000、特に
800〜1000程度とするのが好ましい。
剤を添加して更に撹拌し、このときのスラリーのキレー
ト剤濃度を継続的に測定する。このキレート剤濃度の測
定は、例えば灰スラリーを濾過して得られた濾液の吸光
度を測定することにより行うことができる。前述の如
く、キレート剤は、灰スラリーに添加された直後におい
ては、灰スラリー中の重金属と反応せずに残留している
ため、キレート剤の添加によりスラリーのキレート剤濃
度は一旦上昇するが、その後、灰スラリー中の重金属と
反応してキレート剤が消費され、灰スラリー中のキレー
ト剤濃度が低下する。
測定結果から、所定期間のキレート剤の減少量、即ち、
キレート剤の減少速度を求め、この結果に基いてキレー
ト剤の必要添加量を決定する。
り、灰スラリーに添加するキレート剤の添加量が少な過
ぎると、キレート剤添加後のキレート剤濃度及びその減
少速度が小さく、測定誤差を引き起こし易い。逆に、こ
のキレート剤の添加量が過度に多くても、速度の測定が
難しいため、このキレート剤濃度を測定する際のキレー
ト剤の添加量は、灰スラリー中の灰に対してキレート剤
の有効純分として0.1〜5.0重量%好ましくは0.
5〜1.0重量%で、好ましくは、予想されるキレート
剤の必要添加量の1/10〜1/5程度の量とするのが
好ましい。
の「所定時間」は、撹拌条件等によっても異なるが、例
えば、キレート剤を添加してから0.5分後から10分
後までの間というような5〜30分程度の時間を採用す
ることができる。
有灰のキレート剤の必要添加量を求めるには、数種類の
重金属含有灰について上記と同様にしてキレート剤の減
少速度を測定すると共に、環境庁告示13号試験により
キレート剤の添加量を変えたときの当該重金属含有灰か
らの重金属の溶出量を求め、溶出量を一定以下とするた
めに必要とされるキレート剤の添加量を測定し、この結
果から、検量線を作成しておく。そして、キレート剤の
必要添加量を求めたい重金属含有灰について上記と同様
にしてキレート剤の減少速度を測定し、予め作成した検
量線から、このキレート剤の減少速度に対応するキレー
ト剤の必要添加量を求め、添加量を決定する。
剤の必要添加量の決定に当っても、キレート剤の減少速
度の測定を複数回行い、その平均値を算出して用いても
良い。
るには、上記と同様にして灰スラリーを調製し、この灰
スラリーを撹拌しながら、一定量のキレート剤を間欠的
に添加すると共に、キレート剤濃度を継続的に測定す
る。前述の如く、灰スラリーに一定量のキレート剤を間
欠的に添加すると、キレート剤の添加毎に灰スラリー中
のキレート剤濃度が高くなった後、キレート剤と灰スラ
リー中の重金属との反応でキレート剤が消費されること
でキレート剤濃度が低下する。この減少量は、キレート
剤の間欠添加を繰り返すと次第に小さくなり、最終的に
はキレート剤を添加してもキレート剤が殆ど減少しなく
なる、このときまでのキレート剤の添加毎のキレート剤
の減少量を合計してもよい。
おいて、キレート剤を間欠添加する際の時間間隔は、添
加されたキレート剤が灰スラリー中の重金属と完全に反
応するまでの時間である必要はなく、キレート剤の大部
分が反応する程度の時間で良い。一般的には、その作業
効率の面から60〜600秒、特に120〜300秒に
1回の間隔でキレート剤を添加し、次のキレート剤の添
加の直前でキレート剤濃度を測定して減少量を求めるの
が好ましい。
値を求める場合、1回に添加するキレート剤の添加量が
過度に少ないと、キレート剤の間欠添加を何回も繰り返
す必要があり、効率が悪くなる。キレート剤の添加量が
多過ぎてもキレート剤の必要添加量と相関する適正なキ
レート剤の減少量の合計値を求めることができないこと
から、1回に添加するキレート剤の添加量は、灰スラリ
ー中の灰に対して、キレート剤の有効純分として0.1
〜0.2重量%で、好ましくは予想されるキレート剤の
必要添加量の1/50〜1/25程度の量とし、キレー
ト剤の間欠添加を2〜10回繰り返すことにより、キレ
ート剤の減少量の合計値が算出することができるように
するのが好ましい。
金属含有灰のキレート剤の必要添加量を求めるには、数
種類の重金属含有灰について上記と同様にしてキレート
剤の減少量の合計値を測定すると共に、環境庁告示13
号試験により当該重金属含有灰からの重金属の溶出を確
実に防止するために必要とされるキレート剤の添加量を
測定し、この結果から、検量線を作成しておく。そし
て、キレート剤の必要添加量を求めたい重金属含有灰に
ついて上記と同様にしてキレート剤の減少量の合計値を
求め、予め作成した検量線から、このキレート剤の減少
量の合計値に対応するキレート剤の必要添加量を求め、
添加量を決定する。
剤の必要添加量の決定に当っても、キレート剤の減少量
の合計値の測定を複数回行い、その平均値を算出して用
いても良い。
量の決定方法は、重金属含有灰と水とのスラリーを調製
する手段と、灰スラリーにキレート剤を(間欠的に)添
加する手段と、キレート剤を添加したときのスラリー中
の遊離キレート剤濃度を経時的に測定する手段と、所定
期間内のキレート剤の減少量、或いは、この減少量が予
め設定した値になるまで間欠的にキレート剤を添加して
そのときまでのキレート剤の減少量の合計量を算出する
手段と、算出された減少量又はその合計量を重金属の固
定化に必要な該キレート系重金属固定化剤量、例えば、
環境庁告示13号試験量に換算する手段とを備えてなる
本発明の装置を用いて、容易に実施することができる。
この装置は、さらに前記スラリー調製手段のスラリー容
器及び配管系を洗浄する手段を備えるのが好適である。
の判定方法及び装置について説明する。
方法に従って、処理灰の重金属固定化効果を判定するに
は、前述と同様にして、この処理灰のスラリーを調製
し、このスラリーのキレート剤濃度を測定する。そし
て、測定されたキレート剤濃度を予め設定した値と比較
して、この設定値よりも少なければ重金属固定化効果が
不十分であり、この設定値以上であれば重金属固定化効
果が十分であると判定する。
を測定した場合、重金属固定化効果が十分なものは、重
金属の溶出は殆どないため、重金属濃度が低く、逆にキ
レート剤濃度がある値以上となる。従って、例えば、こ
の灰スラリーのキレート剤濃度が10〜100ppm以
上であるような処理灰は重金属固定化効果が十分である
と判定することができる。一方、重金属固定化効果が不
十分なものは、重金属の溶出で灰スラリーの重金属濃度
が高く、灰スラリー中にキレート剤は殆ど検出されなく
なる。
方法の実施に当っては、このようにして重金属固定化効
果を判定し、処理不良と判定された処理灰については、
前述の本発明のキレート剤の必要添加量の決定方法に従
って、この処理灰を再処理する際のキレート剤の必要追
加添加量を求めるのが好ましい。
効果の判定方法は、処理灰と水とのスラリーを調製する
手段と、灰スラリーの遊離のキレート剤濃度を測定する
手段と、測定されたキレート剤濃度を予め設定されたキ
レート剤濃度と比較して重金属固定化効果を判定する手
段とを備えてなる本発明の装置を用いて、容易に実施す
ることができる。この装置は、さらに前記スラリー調製
手段のスラリー容器及び配管系を洗浄する手段を備える
のが好適である。
り具体的に説明する。
市ごみ焼却飛灰(ストーカ炉、乾式排ガス処理)A,
B,Cの3種を使用した。各灰のPb含有量とCaO含
有量は表1に示す通りである。
ート剤(栗田工業(株)製「アッシュナイトS80
1」)を所定量添加し、スパーテルで混練して処理灰を
作成した。それぞれの処理灰について環境庁告示13号
試験を実施し、検液のPb濃度を測定した。本方法によ
りPbの濃度が基準値以下になるためのキレート剤の必
要添加率をそれぞれの供試灰について調べ、結果を表2
に示した。表2より、各供試灰毎にPb固定化のための
キレート剤の最低必要量が異なることがわかる。
試灰5g又は消石灰5gをそれぞれ入れ、撹拌機を用い
て10分間十分に撹拌してスラリーを作成した。これに
1/100濃度に希釈したキレート剤(アッシュナイト
S801)を10mL添加して、緩やかに撹拌した。撹
拌開始後、所定時間経過毎にスラリーを30mLずつ採
取し、ただちに吸引濾過(0.45μmメンブレンフィ
ルター使用)して、各濾過液中の残留キレート濃度を吸
光度計(波長284nm)で測定して結果を表3及び図
1に示した。
キレート剤を添加してから0.5分後から10分後のキ
レート剤消費量(濃度)と、環境庁告示13号試験での
キレート剤の最低必要量とを表4に示すと共に、これら
の関係を図2に示した。
(減少速度)と環境庁告示13号試験での必要添加量と
は良く対応し、キレート剤の消費速度からキレート剤の
必要添加量を求めることができることがわかる。
試灰のキレート処理灰(キレート剤添加率は表5に示す
通り。)7gをそれぞれ入れ、撹拌機を用いて10分間
十分に撹拌してスラリーを作成した。このスラリーを実
験例2と同様にして吸引濾過し、濾液中の残留キレート
濃度及びPb濃度を測定し、結果を表5に示した。
残留キレート濃度が20〜30ppm以上のときはPb
の溶出が認められず、従って、残留キレート濃度を測定
することにより、処理灰の重金属固定化効果を判定する
ことができることがわかる。
と同様にして灰スラリーにキレート剤を添加したときの
添加0.5分後から10分後までのキレート消費量を求
め、この値から、図2の検量線に基いて、キレート剤の
必要添加量を決定して処理を行ったところ、3ヶ月間に
わたって十分な重金属固定化効果を継続して得ることが
できた。
重金属固定化剤の必要添加量の決定方法及び装置によれ
ば、重金属含有灰の処理に先立ち、キレート剤の適正添
加量を容易かつ的確に求めることができ、 現場における測定も容易であることから、処理する
重金属含有灰の性状変動に対応して即時的にかつきめ細
かい薬注制御を行うことができ、これにより、安定かつ
確実な処理を行える。 キレート剤の過剰添加が不要となり、薬剤コストの
低減を図ることができる。といった効果が奏される。
の判定方法及び装置によれば、重金属含有灰にキレート
剤を添加して処理した後の処理灰について、その重金属
固定化効果を容易かつ的確に求めることができ、現場に
おける判定も容易に行うことができ、処理不良の処理灰
を確認して直ちに再処理を行うことにより、より一層確
実な処理を行える。
を示すグラフである。
でのキレート剤最低必要量との関係を示すグラフであ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 重金属含有灰にキレート系重金属固定化
剤を加えて該重金属含有灰からの重金属の溶出を防止す
るための、該キレート系重金属固定化剤の必要添加量を
決定する方法において、 該重金属含有灰と水とのスラリーに、一定量の該キレー
ト系重金属固定化剤を添加したときの該スラリー中の遊
離キレート量を経時的に測定し、 該キレート系重金属固定化剤添加後の所定期間の該遊離
キレート量の減少量を求め、 この減少量に基いて前記必要添加量を決定することを特
徴とするキレート系重金属固定化剤の必要添加量の決定
方法。 - 【請求項2】 請求項1の方法において、該重金属含有
灰と水とのスラリーに、一定量の該キレート系重金属固
定化剤を間欠的に添加すると共に、該スラリー中の遊離
キレート量を経時的に測定し、各該キレート系重金属固
定化剤添加後の該遊離キレート量の減少量の合計量を求
め、この合計量に基いて前記必要添加量を決定すること
を特徴とするキレート系重金属固定化剤の必要添加量の
決定方法。 - 【請求項3】 重金属含有灰にキレート系重金属固定化
剤を加えて該重金属含有灰からの重金属の溶出を防止す
るための処理を行った処理灰について、その重金属固定
化効果を判定する方法において、 該処理灰と水とのスラリー中の遊離キレート濃度を測定
し、この遊離キレート濃度と、予め設定した遊離キレー
ト濃度とを比較して、該処理灰の重金属固定化効果を判
定することを特徴とする処理灰の重金属固定化効果の判
定方法。 - 【請求項4】 重金属含有灰にキレート系重金属固定化
剤を加えて該重金属含有灰からの重金属の溶出を防止す
るための、該キレート系重金属固定化剤の必要添加量を
決定する装置において、 該重金属含有灰と水とのスラリーを調製する手段と、 該スラリーに該キレート系重金属固定化剤を添加する手
段と、 該キレート系重金属固定化剤を添加したときの該スラリ
ー中の遊離キレート量を経時的に測定する手段と、 該キレート系重金属固定化剤添加後の所定期間の該遊離
キレート量の減少量を算出する手段と、 この減少量を重金属の固定化に必要なキレート系重金属
固定化剤量に換算する換算手段とを備えてなることを特
徴とするキレート系重金属固定化剤の必要添加量の決定
装置。 - 【請求項5】 重金属含有灰にキレート系重金属固定化
剤を加えて該重金属含有灰からの重金属の溶出を防止す
るための処理を行った処理灰について、その重金属固定
化効果を判定する装置において、 該処理灰と水とのスラリーを調製する手段と、 該スラリー中の遊離キレート濃度を測定する手段と、 測定された遊離キレート濃度を予め設定した遊離キレー
ト濃度と比較して、該処理灰の重金属固定化効果を判定
する手段とを備えてなることを特徴とする処理灰の重金
属固定化効果の判定装置。
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