JP2003289865A - Fas介在型アポトーシスに関連するタンパク質をコードするポリヌクレオチドおよびその発現を抑制するリボザイム - Google Patents

Fas介在型アポトーシスに関連するタンパク質をコードするポリヌクレオチドおよびその発現を抑制するリボザイム

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JP2003289865A JP2002098123A JP2002098123A JP2003289865A JP 2003289865 A JP2003289865 A JP 2003289865A JP 2002098123 A JP2002098123 A JP 2002098123A JP 2002098123 A JP2002098123 A JP 2002098123A JP 2003289865 A JP2003289865 A JP 2003289865A
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fas
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Kazumasa Tahira
和誠 多比良
Hiroaki Kawasaki
広明 川崎
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GENOFUNCTION Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Fas介在型アポトーシスに関与する新規遺伝
子およびその発現を抑制するリボザイムの提供を課題と
する。 【解決手段】 ランダム化された基質結合アームをもつ
RNAヘリカーゼと結合したリボザイムライブラリーを用
いた本発明者らによって開発された簡便なシステムを利
用し、Fasタンパク質が介在するアポトーシス経路にお
いて機能する遺伝子の単離を行った。その結果、前アポ
トーシス(pro-apoptotic)遺伝子、および、これまで
特徴が分からなかった遺伝子の断片DNAを多数単離す
ることに成功した。該DNA断片をプローブ等として使
用することにより、Fas介在型アポトーシスに関与する
遺伝子の完全長cDNAを容易に取得することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】Fas介在型アポトーシスに関
連する新規遺伝子に関する。
【0002】
【従来の技術】ハンマーヘッド型リボザイムは初め、植
物ウイロイドを解析していて同定されたものである。RN
A分子の特異的な切断を触媒し、相補的な基質RNAをシス
およびトランスに切断することができる。リボザイムに
よる(Rz-介在型)切断にとって重要な条件は、標的RNA
の中にNUXトリプレットが存在することである(ここ
で、Nはどのリボヌクレオチドでもよく、XはA、U、また
はCを表す)。リボザイムは、NUXトリプレットを含むRN
Aを切断できるため、治療薬となる可能性が相当高いと
考えられている。また、真核細胞における目的遺伝子の
機能解析にも用いられてきた。インビボでのリボザイム
の利用を目指して多数の研究が行われており、さまざま
な生物における遺伝子発現を抑制するためにリボザイム
を利用する実験に成功したとの報告が多数ある。
【0003】今やヒトの全ゲノムに関する配列情報を利
用することができるため、ヒトの機能的な遺伝子を同定
して、それらの機能を明らかにすることが重要になっ
た。それらの解明において、DNAマイクロアレイと酵母
ツーハイブリッド系が広く利用されている。DNAマイク
ロアレイ技術は、さまざまな細胞内プロセスが起きる間
に遺伝子発現レベルが変化することに基づいている。し
かし、リン酸化のように、特定の遺伝子の発現レベルを
変化させることなく表現型に変化をもたらすという質的
変化を伴う機能的遺伝子を同定することは困難である。
酵母ツーハイブリッド系は、インビボでの直接的なタン
パク質間相互作用を検出し、また、その産物がcDNAライ
ブラリーから得られた特定のタンパク質と相互作用する
遺伝子を同定するための強力な方法を提供する。しか
し、この方法には、予想される相互作用が必ずしも当該
現象における役割を反映しておらず、しばしば、偽陽性
の結果が生じるという限界がある。そこで、特定の現象
に関与する重要遺伝子を迅速に同定するシステムの開発
が必要とされていた。
【0004】また、ヒトゲノム配列が利用できるように
なったため、機能的遺伝子を同定し、細胞周期やアポト
ーシスなど成長因子が介在する経路のような特定のシグ
ナル伝達経路に関する、それらの役割を明らかにするこ
とは重要である。Fasタンパク質は、腫瘍壊死因子レセ
プターのTNFRファミリーの一員であり、Fasリガンドま
たはFas特異的抗体(α-Fas)と結合するとアポトーシ
スを誘発する。リガンドまたは抗体でFasを活性化する
と、Fasは、FADDおよびカスパーゼ8からなる細胞死誘
導シグナル複合体(DISC)の形成を誘導する。この複合
体から活性型カスパーゼ8が遊離すると、アポトーシス
が開始する。Fas介在型アポトーシスにおける、この機
構の主要な側面はよく知られているが、この経路に関与
する多くの因子について、その特徴は未知のままであっ
た。Fas介在型アポトーシスに関与する遺伝子を同定す
ることができれば、該遺伝子の機能を解析することによ
り、より詳細にFas介在型アポトーシスのメカニズムの
解明が期待できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、Fas介
在型アポトーシスに関与する新規遺伝子およびその発現
を抑制するリボザイムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ランダム
化された基質結合アームをもつRNAヘリカーゼと結合し
たリボザイムライブラリーを用いた本発明者らによって
開発された簡便なシステムを利用し、Fasタンパク質が
介在するアポトーシス経路において機能する遺伝子の単
離を試みた。
【0007】細胞内におけるリボザイムの有効な使用
は、標的部位への送達性によって大きく制約されてきた
ため、従来のリボザイムライブラリーの有効性は低かっ
た。この問題を克服するため、内在性RNAヘリカーゼと
相互作用することができるRNAモチーフ[ポリAテール]
をリボザイムに付けることによって、ヘリケースが付着
したハイブリッドリボザイムが、mRNAの二次構造や三次
構造とは関係なく、mRNAの内側にある部位を攻撃できる
ようになる。具体的な処理方法は以下の原理に基づくも
のである。リボザイムライブラリーを導入して細胞の表
現型に変化があれば、活性のあるリボザイムクローンの
配列を決定することによって表現型を変化させた遺伝子
を同定することができる。Fas介在型アポトーシスの場
合、これらのハイブリッドリボザイムライブラリーをFa
s発現HeLa細胞に一過的に導入すると、Fas介在型アポト
ーシスに抵抗性または遅延を示す生存クローンを単離す
ることができた。発明者らは、本方法を用いて、前アポ
トーシス(pro-apoptotic)遺伝子、および、これまで
特徴が分からなかった遺伝子、並びに新規遺伝子の断片
DNAを多数単離することに成功した。該DNAは、Fa
s介在型アポトーシスに関与する遺伝子の部分DNAで
あるものと考えられる。当業者においては、該DNA断
片をプローブ等として使用することにより、Fas介在型
アポトーシスに関与する遺伝子の完全長cDNAを容易に取
得することができる。
【0008】本発明は、Fas介在型アポトーシスに関与
する遺伝子に関し、より具体的には、〔1〕 配列番
号:1〜30のいずれかに記載の塩基配列からなるポリ
ヌクレオチド、〔2〕 配列番号:1〜30のいずれか
に記載の塩基配列を含む、Fas介在型アポトーシスに
関連するタンパク質をコードするポリヌクレオチド、
〔3〕 〔2〕に記載のポリヌクレオチドによりコード
される、Fas介在型アポトーシスに関連するタンパク
質、〔4〕 〔1〕または〔2〕に記載のポリヌクレオ
チドを含むベクター、〔5〕 〔1〕または〔2〕に記
載のポリヌクレオチドまたは〔4〕に記載のベクターを
保持する宿主細胞、〔6〕 〔5〕に記載の宿主細胞を
培養し、該宿主細胞またはその培養上清から、産生させ
たタンパク質を回収する工程を含む、〔3〕に記載のタ
ンパク質の製造方法、〔7〕 〔1〕に記載のポリヌク
レオチドの転写産物を切断するリボザイム、を提供する
ものである。
【0009】本明細書において用いられる「ポリヌクレ
オチド」とは、リボヌクレオチドもしくはデオキシヌク
レオチドであって、複数の塩基または塩基対からなる重
合体を意味する。ポリヌクレオチドには、一本鎖型およ
び二本鎖型のDNAを含む。ポリヌクレオチドは、天然に
存在する状態から修飾されていないもの、および修飾さ
れているものの双方を含む意である。修飾された塩基と
しては、例えば、トリチル化された塩基およびイノシン
のような特殊な塩基がある。
【0010】本明細書において用いられる「タンパク
質」は、複数のアミノ酸からなる重合体を意味する。従
って、オリゴペプチドおよびポリペプチドもまた、タン
パク質の概念に含まれる。タンパク質は、天然に存在す
る状態から修飾されていないもの、および修飾されてい
るものの双方を含む意である。修飾としては、アセチル
化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、フラビンの
共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌ
クレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の
共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架
橋、環化、ジスルフィド結合の形成、脱メチル化、共有
架橋の形成、シスチンの形成、ピログルタメートの形
成、ホルミル化、カルボキシル化、グリコシル化、GPI
アンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、
ミリストイル化、酸化、タンパク質分解処理、リン酸
化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、ア
ルギニル化のようなタンパク質へのアミノ酸の転移RNA
媒介付加、ユビキチン化などが含まれる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者らにより、Fasタンパク
質が介在するアポトーシス(Fas介在型アポトーシス)
に関連するタンパク質をコードするポリヌクレオチドの
部分断片ポリヌクレオチドが提供された。本発明の上記
ポリヌクレオチドの配列を、配列番号:1〜30で示
す。なお、配列番号:1〜30に記載された配列に相補
的な配列もまた、本発明のポリヌクレオチドに含まれ
る。
【0012】本発明者らにより提供された上記ポリヌク
レオチドは、Fas介在型アポトーシスに関連する遺伝子
の部分配列であるが、当業者においては、配列番号:1
〜30のいずれかに記載のポリヌクレオチドの配列情報
を基に、Fas介在型アポトーシスに関連する遺伝子の全
長cDNAを単離することは、容易に行うことが可能であ
る。即ち、例えば、配列番号:1〜30のいずれかに記
載の配列をプローブとして各種細胞から調製したcDNAラ
イブラリーなどをハイブリダイゼーションによってスク
リーニングする方法や、配列番号:1〜30のいずれか
に記載の配列をプライマーとして用い、各種cDNAライブ
ラリーなどのDNAを鋳型として、プライマーに特異的な
サイズの増幅産物が得られることを指標としてライブラ
リーをスクリーニングする方法により、該cDNAの全長を
取得することができる。また、配列番号:1〜30のい
ずれかに記載の配列をプライマーとして用い、各種細胞
から調製されたmRNAを一本鎖cDNAに変換し、末端にオリ
ゴマーを付加してからPCRを行うRACE法(Frohman, M.
A. et al.: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85: 8992,19
88)によってFas介在型アポトーシスに関連する遺伝子
の全長cDNAを取得することも可能である。本発明のポリ
ヌクレオチドを、ハイブリダイゼーションのためのプロ
ーブとして使用する場合には、通常、標識したものが用
いられる。標識としては、例えば、DNAポリメラーゼI
を用いるニックトランスレーションによる標識、ポリヌ
クレオチドキナーゼを用いる末端標識、クレノーフラグ
メントによるフィルイン末端標識(Berger SL, Kimmel
AR. (1987) Guide to MolecularCloning Techniques, M
ethod in Enzymology, Academic Press; Hames BD, Hig
gins SJ (1985) Genes Probes: A Practical Approach.
IRL Press; Sambrook J,Fritsch EF, Maniatis T. (19
89) Molecular Cloning: a Laboratory Manual,2nd Ed
n. Cold Spring Harbor Laboratory Press)、RNAポリ
メラーゼを用いる転写による標識(Melton DA, Krieg,P
A, Rebagkiati MR, Maniatis T, Zinn K,Green MR. (19
84) Nucleic Acid Res., 12,7035-7056)、放射性同位
体を用いない修飾ヌクレオチドをDNAに取り込ませる方
法(Kricka LJ. (1992) NonisotopicDNA Probing Techn
iques. Academic Press)等が挙げられる。
【0013】本発明は、配列番号:1〜30のいずれか
に記載の塩基配列を含む、Fas介在型アポトーシスに関
連するタンパク質をコードするポリヌクレオチドを提供
する。該ポリヌクレオチドには、配列番号:1〜30の
いずれかに記載の配列情報を基に単離し得る、Fas介在
型アポトーシスに関連する遺伝子の全長cDNAが含まれ
る。
【0014】さらに本発明には、配列番号:1〜30の
いずれかに記載の塩基配列を含むポリヌクレオチドとス
トリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズする
ポリヌクレオチドが含まれる。ストリンジェントなハイ
ブリダイゼーション条件としては、通常「1xSSC、0.1%
SDS、37℃」程度の条件であり、より厳しい条件として
は「0.5xSSC、0.1% SDS、42℃」程度の条件であり、さ
らに厳しい条件としては「0.2xSSC、0.1% SDS、65℃」
程度の条件である。このようにハイブリダイゼーション
の条件が厳しくなるほどプローブ配列と高い相同性を有
するDNAの単離を期待しうる。但し、上記SSC、SDSおよ
び温度の条件の組み合わせは例示であり、当業者であれ
ば、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを決
定する上記若しくは他の要素(例えば、プローブ濃度、
プローブの長さ、ハイブリダイゼーション反応時間な
ど)を適宜組み合わせることにより、上記と同様のスト
リンジェンシーを実現することが可能である。
【0015】本発明のポリヌクレオチドは、上記Fas介
在型アポトーシスに関連するタンパク質の発現を抑制す
るためのアンチセンスポリヌクレオチド(アンチセンス
DNA/RNA; 例えば、本発明のタンパク質をコードする遺
伝子の転写産物と相補的なアンチセンスRNA、および該R
NAをコードするDNA)、またはリボザイムを構成するポ
リヌクレオチド(あるいは、リボザイム活性を有するRN
AをコードするDNA)として利用することができる。
【0016】アンチセンスポリヌクレオチドが標的遺伝
子の発現を抑制する作用としては、以下のような複数の
要因が存在する。すなわち、三重鎖形成による転写開始
阻害、RNAポリメラーゼによって局部的に開状ループ構
造がつくられた部位とのハイブリッド形成による転写抑
制、合成の進みつつあるRNAとのハイブリッド形成によ
る転写阻害、イントロンとエキソンとの接合点でのハイ
ブリッド形成によるスプライシング抑制、スプライソソ
ーム形成部位とのハイブリッド形成によるスプライシン
グ抑制、mRNAとのハイブリッド形成による核から細胞質
への移行抑制、キャッピング部位やポリ(A)付加部位と
のハイブリッド形成によるスプライシング抑制、翻訳開
始因子結合部位とのハイブリッド形成による翻訳開始抑
制、開始コドン近傍のリボソーム結合部位とのハイブリ
ッド形成による翻訳抑制、mRNAの翻訳領域やポリソーム
結合部位とのハイブリッド形成によるペプチド鎖の伸長
阻止、および核酸とタンパク質との相互作用部位とのハ
イブリッド形成による遺伝子発現抑制などである。これ
らは、転写、スプライシング、または翻訳の過程を阻害
して、標的遺伝子の発現を抑制する(平島および井上
「新生化学実験講座2核酸IV 遺伝子の複製と発現」,日
本生化学会編,東京化学同人,pp.319-347,1993)。
【0017】本発明で用いられるアンチセンスポリヌク
レオチドは、上記のいずれの作用で標的遺伝子の発現を
抑制してもよい。一つの態様としては、遺伝子のmRNAの
5'端近傍の非翻訳領域に相補的なアンチセンス配列を設
計すれば、遺伝子の翻訳阻害に効果的であろう。しか
し、コード領域もしくは3'側の非翻訳領域に相補的な配
列も使用し得る。このように、遺伝子の翻訳領域だけで
なく非翻訳領域の配列のアンチセンス配列を含むポリヌ
クレオチドも、本発明で利用されるアンチセンスポリヌ
クレオチドに含まれる。使用されるアンチセンスポリヌ
クレオチドは、適当なプロモーターの下流に連結され、
好ましくは3'側に転写終結シグナルを含む配列が連結さ
れる。アンチセンスポリヌクレオチドの配列は、標的遺
伝子またはその一部と相補的な配列であることが好まし
いが、遺伝子の発現を有効に阻害できる限り、完全に相
補的でなくてもよい。転写されたRNAは、標的とする遺
伝子の転写産物に対して好ましくは90%以上、最も好ま
しくは95%以上の相補性を有する。
【0018】該アンチセンスポリヌクレオチドは、例え
ば、本発明のポリヌクレオチド(例えば、配列番号:1
を基に単離されるFas介在型タンパク質をコードする遺
伝子の塩基配列)の配列情報を基にホスホロチオネート
法(Stein, 1988 Physicochemical properties of phos
phorothioate oligodeoxynucleotides. Nucleic Acids
Res 16, 3209-21 (1988))などにより調製することが可
能である。
【0019】内在性遺伝子の発現の抑制は、また、リボ
ザイムをコードするポリヌクレオチドを利用して行うこ
とも可能である。リボザイムには種々の活性を有するも
のがあるが、中でもRNAを切断する酵素としてのリボザ
イムの研究により、RNAの部位特異的な切断を目的とす
るリボザイムの設計が可能となった。リボザイムには、
グループIイントロン型や、RNasePに含まれるM1RNAのよ
うに400ヌクレオチド以上の大きさのものもあるが、ハ
ンマーヘッド型やヘアピン型と呼ばれる40ヌクレオチド
程度の活性ドメインを有するものもある(小泉誠および
大塚栄子, (1990)蛋白質核酸酵素,35:2191)。
【0020】例えば、ハンマーヘッド型リボザイムの自
己切断ドメインは、G13U14C15のC15の3'側を切断する
が、活性にはU14が9位のAと塩基対を形成することが重
要とされ、15位の塩基はCの他にAまたはUでも切断され
ることが示されている(M.Koizumiら,(1988) FEBS Lett.
228:225)。リボザイムの基質結合部を標的部位近傍のRN
A配列と相補的になるように設計すれば、標的RNA中のU
C、UUまたはUAという配列を認識する制限酵素的なRNA切
断リボザイムを作出することが可能である(M.Koizumi
ら,(1988) FEBS Lett. 239:285、小泉誠および大塚栄
子,(1990) 蛋白質核酸酵素,35:2191、 M.Koizumiら, (1
989) Nucleic Acids Res. 17:7059)。本発明において
は、配列番号:1〜30に記載された配列の転写産物(m
RNA)は、リボザイムの標的となる配列であることから、
該配列を標的配列として認識するリボザイムを、当業者
においては、容易に構築することが可能である。このよ
うにして構築されたリボザイムは、本発明のFas介在
型アポトーシスに関連するタンパク質をコードするポリ
ヌクレオチドの転写産物を切断するものと考えらる。こ
れらのリボザイムも本発明に含まれる。本発明のリボザ
イムは、例えば、Fas介在型アポトーシスのメカニズム
を解析するためのツールとして大いに有用である。
【0021】また本発明は、本発明のポリヌクレオチド
によってコードされるタンパク質を提供する。該タンパ
ク質は、Fas介在型アポトーシスに関連するタンパク質
である。本発明のタンパク質は任意の適当な方法で製造
することができる。このようなタンパク質には、単離さ
れた天然に存在するタンパク質、組換え的に生産された
タンパク質、合成的に製造されたタンパク質、またはこ
れらの方法の組み合わせにより製造されたタンパク質が
含まれる。このようなタンパク質の製造のための手段は
当業界でよく理解されている。組み換え的なタンパク質
は、例えば、本発明のポリヌクレオチドを挿入したベク
ターを適当な宿主細胞に導入し、形質転換体内で発現し
たタンパク質を精製することにより調製することが可能
である。一方、天然由来のタンパク質は、例えば、タン
パク質に対する抗体を結合したアフィニティーカラムを
利用して調製することができる (Current Protocols in
Molecular Biology edit. Ausubel et al. (1987) Pub
lish. John Wiley & SonsSection 16.1-16.19)。任意の
タンパク質についての抗体の作製は、当業者においては
周知の方法により行うことができる。アフィニティー精
製に用いる抗体は、ポリクローナル抗体であってもモノ
クローナル抗体であってもよい。また、インビトロトラ
ンスレーションなどにより本発明のタンパク質を調製す
ることも可能である。
【0022】本発明はまた、本発明のポリヌクレオチド
を含有するベクター、本発明のポリヌクレオチドまたは
該ベクターを保持する宿主細胞、および該宿主細胞を利
用した本発明のポリペプチドの生産方法を提供する。
【0023】本発明のベクターとしては、挿入したDNA
を安定に保持するものであれば特に制限されず、例えば
宿主に大腸菌を用いるのであれば、クローニング用ベク
ターとしてはpBluescriptベクター(Stratagene社製)な
どが好ましい。本発明のポリペプチドを生産する目的に
おいてベクターを用いる場合には、特に発現ベクターが
有用である。発現ベクターとしては、試験管内、大腸菌
内、培養細胞内、生物個体内でポリペプチドを発現する
ベクターであれば特に制限されないが、例えば、試験管
内発現であればpBESTベクター(プロメガ社製)、大腸
菌であればpETベクター(Invitrogen社製)、培養細胞
であればpME18S-FL3ベクター(GenBank Accession No.
AB009864)、生物個体であればpME18Sベクター(Mol Ce
ll Biol. 8:466-472(1988))などが好ましい。ベクター
への本発明のDNAの挿入は、常法により、例えば、制限
酵素サイトを用いたリガーゼ反応により行うことができ
る(Current protocols in Molecular Biology edit. A
usubel et al. (1987) Publish. John Wiley & Sons.S
ection 11.4-11.11)。
【0024】本発明のベクターが導入される宿主細胞と
しては特に制限はなく、目的に応じて種々の宿主細胞が
用いられる。ポリペプチドを発現させるための細胞とし
ては、例えば、細菌細胞(例:ストレプトコッカス、ス
タフィロコッカス、大腸菌、ストレプトミセス、枯草
菌)、真菌細胞(例:酵母、アスペルギルス)、昆虫細
胞(例:ドロソフィラS2、スポドプテラSF9)、動物細
胞(例:CHO、COS、HeLa、C127、3T3、BHK、HEK293、Bo
wes メラノーマ細胞)および植物細胞を例示することが
できる。宿主細胞へのベクター導入は、例えば、リン酸
カルシウム沈殿法、電気パルス穿孔法(Current protoc
ols in Molecular Biology edit. Ausubelet al. (198
7) Publish. John Wiley & Sons.Section 9.1-9.9)、
リポフェクタミン法(GIBCO-BRL社製)、マイクロイン
ジェクション法などの公知の方法で行うことが可能であ
る。
【0025】宿主細胞において発現したタンパク質を小
胞体の内腔に、細胞周辺腔に、または細胞外の環境に分
泌させるために、適当な分泌シグナルを目的のタンパク
質に組み込むことができる。これらのシグナルは目的の
タンパク質に対して内因性であっても、異種シグナルで
あってもよい。
【0026】本発明のタンパク質の回収は、本発明のポ
リペプチドが培地に分泌される場合は、培地を回収す
る。本発明のタンパク質が細胞内に産生される場合は、
その細胞をまず溶解し、その後にタンパク質を回収す
る。
【0027】組換え細胞培養物から本発明のタンパク質
を回収し精製するには、硫酸アンモニウムまたはエタノ
ール沈殿、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマ
トグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、
疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティーク
ロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグ
ラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含めた公
知の方法を用いることができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に制限されるものではな
い。
【0029】(1)実験材料および方法 (a)ポリ(A)連結型リボザイムをコードするベクター
の構築 プラスミドpUC-dtに由来するリボザイム発現ベクターの
構築に関しては以前に述べた(Kawasakiら、1998)。ポ
リ(A)連結型Rz発現ベクターを作製するために、60ヌク
レオチドからなるポリ(A)配列を挿入した。pUC-dtをCsp
45IおよびSalIで二重消化し、個々のリボザイム配列
を、KpnI部位およびEcoRV部位ならびに3'末端の転写終
結配列UUUUUとともにプラスミド中にクローニングし
た。KpnI部位とEcoRV部位はその後にポリ(A)配列を挿入
するために用いた。
【0030】(b)RT-PCRおよびノーザンブロットによ
る分析 Isogen(登録商標)(Nippon Gene)を製造者の指示に
従って用いて全RNAを単離した。RT-PCRは、FADD上流プ
ライマー(nt. 110〜134)および下流プライマー(nt.
589〜610)または対照としてのCBP上流プライマー(nt.
442〜467)および下流プライマー(nt. 632〜655)を
用い、RNA PCRキット、バージョン2(TaKaRa)を用いて
行った。PCR産物を2%アガロースゲル上での電気泳動に
より分析した。ノーザンブロット分析は別の文献の記載
通りに行った(Kuwabaraら、1998)。同定した4種の新
規mRNAの特異プローブは、これらの遺伝子の部分cDNAに
基づくものとした。
【0031】(c)ウエスタンブロット分析 ウエスタンブロット分析は、eIF4AI(PauseおよびSonen
berg、1992)、FADD(UBI)、CBP(C-20:Santa Cru
z)、カスパーゼ3(Oncogene)、カスパーゼ8(Oncogen
e)およびカスパーゼ9(Oncogene)に対する特異的ポリ
クローン抗体を用いて行った。
【0032】(d)in vitroでのビオチン標識RNA「プ
ルダウン」)アッセイ ポリ(A)連結型リボザイムとRNAヘリカーゼeIF4AIとの会
合は、Liらの文献に記載されたin vitroでのビオチン標
識RNA「プルダウン」アッセイ(Liら、1999;Rodgers
ら、2000)によって検出した。ビオチン標識リボザイム
はそれぞれBiotinRNA Labeling Mixキット(Boehrrnger
Mannheim)を用いて合成した。ビオチンで標識したtRN
AVal-RzまたはtRNAVal-Rz-A60とともにインキュ
ベートしたHeLa細胞の抽出物をストレプトアビジンビー
ズとインキュベートした。このビーズを十分に洗浄した
後、結合した蛋白質をビーズから溶出させた。続いて、
溶出した蛋白質をSDS-PAGEおよびeIF4AI特異抗体を用い
るウエスタンブロット法によって分析した。
【0033】(e)免疫沈降-RT-PCR(IP-RT-PCR)によ
る分析 in vivoでのポリ(A)連結型リボザイムとRNAヘリカーゼe
IF4AIとの会合は、別の文献に記載されたTP-RT-PCR分析
(Liら、1999;Rodgersら、2000)によって検出した。H
eLa細胞のトランスフェクションにはtRNA-Rz-A60をコー
ドするプラスミドを用いた。36時間後にeIF4AI結合蛋白
質とRNAをeIF4AI抗体-プロテインA-セファロースビーズ
とともに沈降させた。続いてeIF4AIと結合するRNAを精
製し、適切なリボザイム特異的プライマーを用いるRT-P
CRを行った。
【0034】(f)ポリ(A)連結型または非連結型リボ
ザイム-蛋白質複合体のin vitro活性のアッセイおよび
ヘリカーゼ活性に関するELISA FADDの部分mRNA(nt. 60〜134およびnt.. 140〜206、図
1にそれぞれ緑色および紫色の線で示したもの)を基質
として用い、T4ポリヌクレオチドキナーゼにより[γ-
32P]-ATPで標識した。本アッセイに用いる基質二本鎖
は、32P標識した各mRNAをすでに記載した通りにハイ
ブリダイズさせることによって調製した。各リボザイム
によるin vitroでの巻き戻しアッセイおよび切断アッセ
イについては別の文献に記載されている(Kuwabaraら、
1998;Hsuら.、I 998)。ポリ(A)連結型リボザイム-蛋
白質複合体のヘリカーゼ活性は別の文献に記載されたEL
ISAによって測定した(Hsuら、1998)。
【0035】(g)アポトーシスの検出 アポトーシス細胞の比率を「TUNEL」分析によって計測
し、DAPIの染色によるアポトーシス小体の検出はKawasa
kiらの文献に述べた通りである(Kawasakiら、1998)。
【0036】(h)ランダム化Rz-A60ライブラリーを用
いた機能性遺伝子のスクリーニング 基質結合アームのそれぞれがランダム化された10ヌクレ
オチドを有するランダム化Rz-A60ライブラリーを、レト
ロウイルス発現系を用いて作成した(Kuwabaraら、199
8)。ランダム化Rz-A60ライブラリーを発現するレトロ
ウイルスを感染させることにより、リボザイムの遺伝子
を宿主染色体に組み込ませた。続いて、ランダム化Rz-A
60を発現するHeLa-Fas細胞にFas特異抗体を投与した。3
6時間後に、生存しているクローンを摘出し、ゲノムDNA
を精製した。ポリ(A)連結型リボザイムの配列をPCRによ
り増幅し、DNAシーケンサーを用いる直接シークエンス
法によって決定した。リボザイム配列に関する上流プラ
イマーおよび下流プライマーの配列はそれぞれ5'-ACC G
TT GGT TCC GTA GUG TA-3'(配列番号:31)および5'
-CAG GTC GAC GCG ATA GAA AAA AA-3'(配列番号:3
2)とした。ポリ(A)連結型リボザイムの標的遺伝子はB
LASTプログラムを用いて標準的なデータベースから同定
した。
【0037】(2)FADD mRNAを標的とするポリ(A)連結
型リボザイム ポリ(A)連結型(poly(A)-connected)リボザイムを作製
するために、ポリ(A)配列(60ヌクレオチド)をtRNA
Val駆動リボザイムの3'末端に結合させた。続いて、
アポトーシス誘導因子FADD(Chinnajyanら、1995)のmR
NAを標的とする種々のリボザイムおよびポリ(A)連結型
リボザイム(Rz-A60)の細胞内活性を評価した。MulFol
dプログラム(Jaegerら、1989)を用いたコンピュータ
シミュレーションにより予測したFADD mRNAの300ヌクレ
オチド(nt.)からなる5'配列の二次構造を図1に示し
た。ポリ(A)連結型リボザイムの効率を検討するため
に、特定の標的を目標とする計4種のポリ(A)連結型リボ
ザイムおよび非連結型リボザイムを設計した。3種のリ
ボザイム、すなわちFADD-Rz1、FADD-Rz2およびFADD-Rz3
は、安定なステム構造の内部に位置する到達不能な部位
を標的とするように設計した(図1)。一方、FADD-Rz4
は、対照として、FADD mRNAのループ領域内に位置する
相対的に到達可能な部位を標的とするように設計した。
【0038】(3)in vitroおよびin vivoでのポリ(A)
連結型リボザイムのRNAヘリカーゼeIF4AIとの相互作用 RNAヘリカーゼeIF4AIがin vitroでtRNAVal -Rz-A60
と会合するか否かを検討するために、ビオチンで標識し
たtRNAVal-Rz、またはT7ポリメラーゼによりin vitr
oで転写させたtRNAVal -RZ-A60を用いるビオチン-ス
トレプトアビジン「プルダウン」アッセイを行った。イ
ムノブロットにより、ポリ(A)配列を含まないtRNA
Val-Rz転写物はeIF4AIと結合しないことが示された
(図2、レーン2〜5)。これに対して、tRNAVal-Rz-
A60転写物はeIF4AIと結合し(図2、レーン6〜9)、こ
のことからtRNAVal-Rz-A60と内因性eIF4AIとの間の
相互作用が予想通り示された。陰性対照としてポリ(C)
連結型tRNAVal -RZ(tRNA Val -Rz2-C60)も検討
したが、これはeIF4AIと結合しなかった(図2、レーン
10)。以上の結果から、内因性RNAヘリカーゼeIF4AIはi
n vitroでtRNA-Rz-A60と会合することが示された。
【0039】種々の形態のtRNA-RzA60と内因性eIF4AIと
のin vivoでの相互作用を確かめるために、 免疫沈降-R
T-PCR(IP-RT-PCR)を行った。まず細胞内のtRNAVal
-RzまたはtRNAVal-Rz-A60転写物のレベルをRT-PCRに
よって検討した。図3に示す通り、8種類のリボザイム
のいずれも発現レベルはほぼ同一であり(レーン1〜
9)、実験誤差の許容範囲に収まることが明らかになっ
た。このIP-RT-PCR分析において、eIF4AIはすべてのtRN
AVal-Rz-A60転写物と相互作用した(図4、レーン5
〜8)。これに対して、tRNAVal-RzおよびtRNAVal
-Rz-C60転写物などの、ポリ(A)尾部を含まないリボザイ
ムはeIF4AIと共沈しなかった(図4、レーン1〜4、
9)。以上の結果は、eIF4AIがtRNAVal-Rz-A60とin v
ivoで相互作用することを示している。
【0040】(4)tRNAVal-Rz-A60-蛋白質複合体の
in vitroでの巻き戻し活性 tRNAVal-Rz-A60と結合する蛋白質(図2に示され
た、分離された複合体)が巻き戻し活性を有するか否か
を調べるために、ATPの存在下または非存在下で巻き戻
し活性に関するELISAを行った(Hsuら、1998)。この場
合には、DIG標識およびビオチン標識を行った部分基質
をハイブリダイズさせることによって二本鎖を作製した
(図1に紫色および緑色の線で示したもの)。図2に示
す通り、tRNAVal(対照;IRNAVal)およびtRNA
Val-リボザイム(Rz1〜Rz3)と結合した蛋白質には
巻き戻し活性がなく、一方、tRNAVal-Rz-A60のそれ
ぞれと結合した蛋白質[Rz(1〜3)-A60の3つ]にはATP存
在下でのみ巻き戻し活性がみられた。さらに、tRNA
Val-Rz-C60と結合した蛋白質にも巻き戻し活性がな
かった。以上の結果は、tRNAVal-RZ-A60複合体がRNA
ヘリカーゼeIF4AIとの相互作用の結果として二本鎖基質
を巻き戻したことを示している。明らかに、RNAヘリカ
ーゼeIF4AIの補充はリボザイムのin vitroおよびin viv
oでの活性を高めるための代替的なアプローチである(T
suchihashiら、1993;Herschlagら、1994;Bertrandお
よびRossi、1994;Hertelら、1996;Leeら、1997)。
【0041】(5)tRNAVal-Rz-A60-蛋白質複合体の
in vitroでの巻き戻し活性と切断活性などの2通りの活
性 さらに、tRNAVal-Rz-A60-蛋白質複合体が到達不能な
標的部位を切断しうるか否かを検討するために、これら
のリボザイム-蛋白質複合体によるin vitro切断アッセ
イを行った。まず、本発明者らはFADDに対する部分mRNA
をハイブリダイズさせることによって二本鎖を基質とし
て作製し、上記のポリ(A)連結型または非連結型のリボ
ザイム-蛋白質複合体と混合した。図6に示す通り、ポ
リ(A)非連結型のFADD-Rz1、-Rz2、-Rz3および-Rz1-C60
はATPの存在下でも非存在下でも二本鎖を巻き戻さず
(レーン3、4、7、8、11、12、15および16)、このため
この基質を切断できなかった。これに対して、FADD-Rz1
-A60、-Rz2-A60および-Rz3-A60はATPが存在する場合の
み明らかに基質の巻き戻しおよび切断を行えた(レーン
6、10および14)。しかし、不活性型FADD-Rz1-A60(「I
-Rz1-A60」、触媒作用の点で重要な保存的ヌクレオチド
にG→A変異が1つあるもの)は二本鎖の巻き戻しは行え
たものの、基質を切断することはできなかった(レーン
18)。ここで、Rz4は予想通り二本鎖の標的部位に到達
可能であった上(図7)、ポリ(A)尾部があってもリボ
ザイムのin vitroでの切断活性は低下せず、リボザイム
はすべて単量体を同様の効率で切断したものと考えられ
る。(図8)。
【0042】(6)変異型RNAヘリカーゼeIF4AIのドミ
ナントネガティブ効果 さらに、この巻き戻し活性がRNAヘリカーゼeIF4AIに起
因するか否かを確かめるために、DEADボックス(Pause
およびSonenberg、1992)内に点変異のあるドミナント
ネガティブ型eIF4AI(DN-eIF4AI)を作製した。DN-eIF4
AIを過剰発現させた場合には、いずれのtRNAVal-Rz-
A60-蛋白質複合体も二本鎖を巻き戻すことができなかっ
た(図9)。以上の結果は、tRNAVal-Rz-A60-蛋白質
複合体にinvitroでの巻き戻し活性および切断活性など
の2つの活性があり、その巻き戻し活性はRNAヘリカーゼ
eIF4AIに起因することを明らかに示している。ここで重
要なことは、ポリ(A)連結型リボザイムが従来のリボザ
イムでは切断不能であった到達不能な標的部位を切断で
きたことである。
【0043】(7)ハイブリッド型リボザイムによるア
ポトーシス誘導因子FADD mRNAの効率的切断 アポトーシス誘導因子FADDのmRNAを標的とするハイブリ
ッド型リボザイムの効果を検討するために、Fas遺伝子
を発現するHeLa-Fas細胞(Goltsevら、1997)を用い
た。ポリ(A)連結型または非連結型のリボザイムを発現
する細胞内のFADD mRNAレベルをRT-PCRによって調べ
た。図10に示す通り、従来型のリボザイムであるFADD
-Rz1、-Rz2または-Rz3を発現するHeLa細胞におけるFADD
mRNAレベルは、トランスフェクションを受けていない
(WT)HeLa-Fas細胞におけるレベルと比べて変化がなか
った(レーン1、2、4および6)。しかし、ポリ(A)連結
型リボザイム、すなわちFADD-Rz1-A60、-Rz2-A60または
-Rz3-A60を発現するHeLa-Fas細胞におけるFADD mRNAレ
ベルは、WT HeLa-Fas細胞および従来型のリボザイムで
あるFADD-Rz1、-Rz2または-Rz3を発現する細胞における
レベルと比べて著しく低かった(レーン3、5および
7)。以上の結果は、本発明者らのポリ(A)連結型ハイブ
リッド型リボザイムが、RNAヘリカーゼeIF4AIとの会合
の結果として標的mRNAを極めて高い効率で切断すること
を明らかに示している。
【0044】本発明者らは次に、ポリ(A)連結型または
非連結型のリボザイムを発現するHeLa細胞におけるFADD
自体のレベルをウエスタンブロット法によって調べた。
FADD-Rz1-A60、-Rz2-A60または-Rz3-A60を発現するHeLa
細胞におけるFADDレベルは、WT HeLa-Fas細胞またはFAD
D-Rz1、-Rz2もしくは-Rz3を発現する細胞におけるレベ
ルと比べて有意に低かった(図10下図、レーン3、5お
よび7)。以上の結果は、RT-PCRの結果と同じく、Rz-A6
0の効果が従来型の親リボザイムよりも有意に大きく、F
ADDレベルの低下はFADD mRNAレベルの低下を反映するこ
とを示している。
【0045】(8)Fasを介したアポトーシスハイブリ
ッド型リボザイムの使用 Fasは腫瘍壊死因子受容体のファミリーに属し、Fasリガ
ンドまたはFas抗体と会合するとアポトーシスを誘導す
る。図11に示す通り、野生型細胞ではα-Fas投与後に
アポトーシスが生じた。これに対して、ポリ(A)連結型
リボザイムであるFADD-Rz-A60を発現する細胞ではアポ
トーシスが生じなかった。巻き戻しがなくとも標的部位
に到達可能なFADD-Rz4を発現する細胞を除き、通常型の
リボザイムを発現する細胞ではアポトーシスが生じた
(図10上図のレーン8および図10下図のレーン8も参
照)。FADD-Rz-A60を発現した細胞の表現型はFADD-Rz4
を発現した細胞と同じであったため、ポリ(A)モチーフ
は他の遺伝子の発現には影響を及ぼさない可能性が高い
と思われる。DAPIによるin situ染色によっても同様の
結果が得られた(図11)。高レベルの活性があるFADD
-Rz-A60はFas誘導経路がアポトーシスに至る詳細を今後
調べる上で有用と考えられる。
【0046】(9)ハイブリッド型リボザイムライブラ
リーによる遺伝子探索 特定の既知の標的mRNAを切断するために用いることに加
えて、これらのリボザイムは細胞における特定の表現型
と関連した遺伝子を同定するために用いることもでき
る。これは、ヘアピン型リボザイムで行われているよう
に、ランダム化された結合アームを有するリボザイムを
作製することによって実現可能である(Krugerら、200
0;Liら、2000;Welchら、2000;Begerら、2001)。ヒ
トゲノムの配列は入手可能となっており、重要な遺伝子
の迅速同定のための方法があれば極めて有意義と考えら
れる。本発明者らのハイブリッド型リボザイムは構造が
形成された部位を攻撃できるため、高い効率でmRNAを攻
撃することができる。ランダム化された結合アームを有
するハイブリッド型リボザイムのライブラリーを細胞に
導入すれば(Tairaら、1999)、特異的なリボザイムク
ローンのシークエンシングを行うことにより、表現型の
変化と関連した遺伝子を容易に同定することができる
(図12)。
【0047】この手順を、ランダム化Rz-A60発現ライブ
ラリーを用いるHela-Fas細胞におけるFas誘導性アポト
ーシスのシグナル伝達系路に関する新たな機能性遺伝子
のスクリーニングシステムを確立するために用いた。こ
のシステムでは、Rz-A60のそれぞれの基質結合アーム内
の10ヌクレオチドをランダム化し、続いてランダム化Rz
-A60発現ライブラリーを有するレトロウイルスベクター
によるHeLa-Fas細胞の形質導入を行った(図12)。こ
の一連のHeLa-Fas細胞にFas特異抗体を投与した後に生
存細胞を回収し、各クローンからそれぞれのゲノムDNA
を単離した。各ゲノムDNAにおけるRzs-A60のランダム化
領域のシークエンシングにより、アポトーシス経路に関
与する遺伝子を迅速に同定することができた(図1
3)。この最初のスクリーニングでは計127個の陽性ク
ローンが得られた(うち8個は偽陽性;補遺の表S1参
照)。並行して独立に行った実験で従来型リボザイムの
ライブラリーを用いて同じスクリーニングを行ったとこ
ろ、12個の偽陽性クローンを含め、計52個の陽性クロー
ンが得られた。偽陽性クローンをHeLa-Fas細胞に再び導
入した場合、Fas特異抗体を投与すると細胞はアポトー
シスを生じた。リボザイムの非存在下でもHeLa-Fas細胞
の100%がFas特異抗体の投与後にアポトーシスを生じる
とは限らないため、偽陽性クローンが選択されるのを完
全に防ぐことは一般に困難である(例えば、HeLa-Fas細
胞の仮に0.1%が生存したとすれば、それが偽陽性とな
る)。重要なことは、ポリ(A)尾部の導入によって偽陽
性クローンの相対的程度が有意に低くなったことであ
り、これはこの遺伝子スクリーニングシステムの能力を
示すものである。
【0048】本発明者らは、FADD、カスパーゼ8、カス
パーゼ9およびカスパーゼ3といったアポトーシス誘導作
用のある多くの興味深い遺伝子を同定することができた
(図13)。次に、これらの因子の発現レベルを特異抗
体を用いるウエスタンブロット分析によって確かめ、特
異的なRzまたはRz-A60を作製することによってそのアポ
トーシス誘導作用を確かめた(図14および15)。FA
DDまたはカスパーゼ8を標的とするポリ(A)連結型リボザ
イムはこれらの遺伝子の発現に影響を及ぼしたが、非連
結型リボザイムは影響を及ぼさなかったため、ポリ(A)
尾部がなければ、ランダム化リボザイムライブラリーを
用いた本発明者らの最初のスクリーニングでFADDとカス
パーゼ8は同定されなかったと思われることは強調して
おく必要がある(図15)。このことは、ハイブリッド
型リボザイムを遺伝子探索のための一般的な方法として
うまく利用しうることを示している。
【0049】
【発明の効果】本発明者らにより、Fas介在型アポトー
シスに関連するタンパク質をコードする遺伝子の部分断
片ポリヌクレオチドが提供された。該ポリヌクレオチド
をプローブ等として用いることにより、Fas介在型アポ
トーシスに関連する遺伝子の完全長cDNAを容易に取得す
ることができる。本発明は、Fas介在型アポトーシスの
メカニズムの解明にとって、大いに有用である。
【0050】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> GenoFunction, Inc. National Institute of Advanced Industrial Science and Technology Taira, Kazunari Kawasaki, Hiroaki <120> Novel genes that function in the Fas-mediated pathway to apoptosis <130> GFU-A0201 <140> <141> <160> 32 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 18 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 1 tattctagtt tctaacca 18 <210> 2 <211> 21 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 2 tgccccgagt caagtggggc t 21 <210> 3 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 3 ggccacctcg ttacgacatg 20 <210> 4 <211> 19 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 4 agggagcctc gctaaccac 19 <210> 5 <211> 19 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 5 agccgatgta taggaaatg 19 <210> 6 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 6 gaattttact cagaattaaa 20 <210> 7 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 7 tctgctggta aagctgttat 20 <210> 8 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 8 gattgggagt accagtgaag 20 <210> 9 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 9 tcatagggct caaatgcatc 20 <210> 10 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 10 aaaggttagt actccagtag 20 <210> 11 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 11 cttgaatggt cacttaaagt 20 <210> 12 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 12 gcagagttgt aatctcctct 20 <210> 13 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 13 gctgcaatgt acccaaatgg 20 <210> 14 <211> 19 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 14 ctgattctct caaatagag 19 <210> 15 <211> 21 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 15 ttgatagtgt atagaacatt t 21 <210> 16 <211> 19 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 16 tgagagcgtc atatatacc 19 <210> 17 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 17 agatttttgt atacattaat 20 <210> 18 <211> 19 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 18 gatggaggct cagatcaca 19 <210> 19 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 19 ggagaacggt cactatccgg 20 <210> 20 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 20 tgctggcact cctcatttgc 20 <210> 21 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 21 tgaatactgt cagtgccaca 20 <210> 22 <211> 19 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 22 ttttgaggta cctatttgg 19 <210> 23 <211> 18 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 23 ctccaagtca caatgctg 18 <210> 24 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 24 aagctgatgt cctaattcaa 20 <210> 25 <211> 19 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 25 cactctgttc tatcaatat 19 <210> 26 <211> 18 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 26 gaagcagtac ttaactcg 18 <210> 27 <211> 19 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 27 atcttgaggt cacagggaa 19 <210> 28 <211> 17 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 28 aagactgtcc aaactgt 17 <210> 29 <211> 18 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 29 actctaagtc actgatgc 18 <210> 30 <211> 21 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 30 ggaagtaagt attcaggggg t 21 <210> 31 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 31 accgttggtt ccgtagugta 20 <210> 32 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 32 caggtcgacg cgatagaaaa aaa 23
【図面の簡単な説明】
【図1】 ポリ(A)連結型リボザイムのin vitroおよびi
n vivoでのRNAヘリカーゼeIF4AIとの相互作用を示す図
である。図示した種々のリボザイムを標的とするFADD m
RNAの5'領域の二次構造(MulFoldにより予測)を示す。
【図2】 ポリ(A)連結型リボザイムのin vitroおよびi
n vivoでのRNAヘリカーゼeIF4AIとの相互作用を示す写
真である。RNAヘリカーゼeIF4AI は各ポリ(A)連結型リ
ボザイムと相互作用する。
【図3】 ポリ(A)連結型リボザイムのin vitroおよびi
n vivoでのRNAヘリカーゼeIF4AIとの相互作用を示す写
真である。RT-PCRにより検出したHeLa-Fas細胞における
種々のリボザイムの発現を示す。
【図4】 ポリ(A)連結型リボザイムのin vitroおよびi
n vivoでのRNAヘリカーゼeIF4AIとの相互作用を示す写
真である。ポリ(A)連結型リボザイムのRNAヘリカーゼeI
F4AIとの免疫沈降の結果を示す。
【図5】 ポリ(A)連結型リボザイムのin vitroおよびi
n vivoでのRNAヘリカーゼeIF4AIとの相互作用を示す図
である。ELISAアッセイを用いたハイブリッド型リボザ
イム巻き戻し活性を示す。3種類のポリ(A)連結型リボザ
イム-蛋白質複合体のいずれにも巻き戻し活性があっ
た。各値はそれぞれの場合における3回の測定による結
果の平均と標準偏差である。
【図6】 ハイブリッド型リボザイムの切断活性と巻き
戻し活性などの2通りの活性を示す写真である。ポリ(A)
連結型または非連結型リボザイム-蛋白質複合体のin vi
troでの切断活性を示す。例えば、活性FADD-Rz1をこの
レーン18の混合物に過剰に添加すると、巻き戻しを受け
ていない基質の切断が促進された(レーン20)。
【図7】 ハイブリッド型リボザイムの切断活性と巻き
戻し活性などの2通りの活性を示す写真である。ポリ(A)
連結型Rz4-蛋白質複合体または非連結型Rz4のin vitro
での短い二本鎖に対する切断活性を示す。
【図8】 ハイブリッド型リボザイムの切断活性と巻き
戻し活性などの2通りの活性を示す写真である。ポリ(A)
連結型Rz(1〜3)-蛋白質複合体または非連結型Rz(1〜
3)のin vitroでの単量体基質に対する切断活性を示
す。
【図9】 ハイブリッド型リボザイムの切断活性と巻き
戻し活性などの2通りの活性を示す写真である。ドミナ
ントネガティブ型eIF4AI(DN-eIF4AI)の切断活性に対
する効果を示す。DN-eIF4AIはDEADボックス内に点変異
がある(E→Q変異が生じる)。
【図10】 ポリ(A)連結型ハイブリッド型リボザイム
によるFADD遺伝子の発現の阻害を示す写真である。(上
図)ポリ(A)連結型または非連結型のリボザイムを発現
する細胞におけるFADD mRNAレベルを示す。(下図)ポ
リ(A)連結型または非連結型のリボザイムを発現する細
胞におけるFADDのレベルを示す。
【図11】 Fasを介したアポトーシスにおけるハイブ
リッド型リボザイムの効果を示す写真および図である。
(A)ポリ(A)連結型または非連結型のリボザイムを発現
する細胞におけるアポトーシスの程度(%)を示す図で
ある。各値はそれぞれの場合における3回の測定による
結果の平均と標準偏差である.(B)ポリ(A)連結型また
は非連結型のリボザイムの発現に伴うアポトーシス小体
の検出を示す写真である。
【図12】 ポリ(A)連結型ハイブリッド型リボザイム
ライブラリーによるFas誘導性アポトーシスに関する遺
伝子探索システムの概略図である。ランダム化Rz-A60ラ
イブラリーを発現するHeLa--Fas細胞にFas特異抗体を投
与した。
【図13】 遺伝子探索システムによる標的遺伝子の同
定結果を示す図である。大文字はRz-A60のランダム化ア
ームに対して相補的な標的配列を示す。
【図14】 ポリ(A)連結型または非連結型のカスパー
ゼ3-、カスパーゼ9-、FADD-またはカスパーゼ8-Rzを発
現する細胞における標的遺伝子の発現レベルを示す写真
である。これらの因子に対する抗体を用いるウエスタン
ブロット分析により、カスパーゼ3、カスパーゼ9、FADD
およびカスパーゼ8が検出された。SRC1は内因性対照で
ある。
【図15】 アポトーシスの程度を示す図である。カス
パーゼ3、カスパーゼ9、FADDおよびカスパーゼ8の遺伝
子を目標とするポリ(A)連結型または非連結型のリボザ
イムを発現する細胞におけるFas抗体投与36時間後のア
ポトーシスの程度(%)を示す。各値はそれぞれの場合
における3回の測定による結果の平均と標準偏差であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12P 21/02 C 9/00 C12N 15/00 ZNAA C12P 21/02 5/00 A (71)出願人 502114490 川崎 広明 東京都港区赤坂2−16−3 1102号室 (72)発明者 多比良 和誠 茨城県つくば市東2−4−3 (72)発明者 川崎 広明 東京都港区赤坂2−16−3 1102号室 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 CA04 CA11 DA01 DA02 DA05 DA11 EA01 EA02 EA03 EA04 FA02 GA11 HA01 4B050 CC03 LL03 LL10 4B064 AG01 CA01 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA01X AA57X AA87X AA93Y AB01 BA01 CA24 CA44 CA46 4H045 AA10 AA20 AA30 BA10 CA40 DA00 EA20 EA50 FA72 FA74

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:1〜30のいずれかに記載の
    塩基配列からなるポリヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 配列番号:1〜30のいずれかに記載の
    塩基配列を含む、Fas介在型アポトーシスに関連する
    タンパク質をコードするポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のポリヌクレオチドによ
    りコードされる、Fas介在型アポトーシスに関連する
    タンパク質。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載のポリヌクレオ
    チドを含むベクター。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載のポリヌクレオ
    チドまたは請求項4に記載のベクターを保持する宿主細
    胞。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の宿主細胞を培養し、該
    宿主細胞またはその培養上清から、産生させたタンパク
    質を回収する工程を含む、請求項3に記載のタンパク質
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のポリヌクレオチドの転
    写産物を切断するリボザイム。
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