JP2003287750A - 液晶セル基板の製造方法および液晶パネルの製造方法 - Google Patents

液晶セル基板の製造方法および液晶パネルの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複屈折層を直接液晶セル基板や液晶表示装置
に用いられる液晶パネルの液晶セル基板上に製造する製
造方法を提供する。 【解決手段】 基材と複屈折層を有する液晶セル基板の
製造方法であって、前記基材の片面に、固化すると複屈
折層を形成する重合体の溶液を直接塗布することにより
複屈折層の前駆層を作製する工程および前記前駆面を固
化させて複屈折層を作製する工程を含む製造方法によ
り、提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶セル基板の製
造方法および液晶パネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種液晶表示装置の光学補償用の
複屈折層は、高分子フィルムの延伸配向や、液晶化合物
または液晶ポリマーの配向固定化により形成される。
【0003】また、ポリアミド、ポリイミド、ポリエス
テル、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリエ
ステルイミド等のポリマーを、無機化合物の基材(SU
Sベルト、銅薄板、ガラス、Siウエハ等)の上に塗工
することによって作製する方法、また、ポリイミドをS
iウエハ上に塗工して、負の複屈折層である位相差フィ
ルムを製造する方法等も開示されている(例えば、特許
文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文
献5、特許文献6参照)。
【0004】また、ポリイミド層を、ガラス、光学的等
方性ポリマー層、異方性ポリマー層または異方性セラミ
ック層等の支持体に積層して製造する方法も開示されて
いる(例えば、特許文献7参照)。
【0005】このようにして製造された複屈折層を液晶
表示装置に実装するためには、偏光板と一体化させ、そ
れを液晶セルに貼り合わせて用いたり、液晶を挟み込ん
だ基板の外側に貼り合わせて用いている。さらに、ポリ
イミドから製造された複屈折層が、液晶を挟み込んだ基
板の内側に貼り合わされ、配向膜と複屈折層を兼ねてい
るという報告がある(例えば、特許文献8、特許文献9
参照)。
【0006】しかしながら、ポリイミド等からなる複屈
折層を液晶セルに実装する場合は、通常偏光板と一体化
されたものを形成し、セルの外側に粘着材等を介して貼
り合せているため、複雑な工程になる。その結果、全体
の厚みが厚くなるという問題があった。また、ポリイミ
ド等からなる複屈折層を接着剤を介してセルに貼り合せ
た場合、熱によって複屈折層が剥れるという問題があっ
た。
【0007】また、配向膜と複屈折層を兼ねるようにセ
ルの内側に形成する場合は、現状の材料では厚みに対す
る複屈折が小さいため、複屈折層の機能を持たせるため
には少なくとも1μm以上の厚みが必要である。このと
き膜の本来の弾性率が現れるため、セルギャップを調整
する際、調整剤が膜に埋まりギャップ調整が出来ないだ
けでなく、複屈折層の位相差変化を生じ均一性が損なわ
れるため、実用化は極めて困難であるという問題点があ
る。
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,344,916号
【特許文献2】米国特許第5,395,918号
【特許文献3】米国特許第5,480,964号
【特許文献4】米国特許第5,580,950号
【特許文献5】米国特許第5,694,187号
【特許文献6】米国特許第5,750,641号
【特許文献7】米国特許第6,074,709号
【特許文献8】米国特許第5,907,378号
【特許文献9】米国特許第6,028,651号
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、複屈折層を
直接液晶セル基板や液晶表示装置に用いられる液晶パネ
ルの液晶セル基板上に製造する製造方法を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、基材と複屈折層を有する液晶セル基板の
製造方法であって、前記基材の片面に、固化すると複屈
折層を形成する重合体の溶液を直接塗布することにより
複屈折層の前駆層を作製する工程および前記前駆面を固
化させて複屈折層を作製する工程を含む液晶セル基板の
製造方法を提供する。
【0011】また、本発明によれば、液晶セルのいずれ
か一方の表面に複屈折層を有する液晶パネルの製造方法
であって、2枚の液晶セル基板と、液晶層とを含み、前
記2枚の液晶セル基板の間に前記液晶層が配置されてい
る液晶セルを準備する工程、前記2枚の液晶セル基板の
少なくとも一方の表面上に、固化すると複屈折層を形成
する重合体の溶液を直接塗布することにより複屈折層の
前駆層を作製する工程および前記前駆面を固化させて複
屈折層を作製する工程を含む液晶パネルの製造方法が提
供される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において用いる基材は、ガ
ラスまたはポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボ
ネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、エポキ
シ樹脂またはポリノルボルネンのプラスチックから形成
されていることが好ましい。
【0013】本発明で用いる重合体は固化すると複屈折
層を形成するものであれば限定されないが、耐熱性、耐
薬品性、透明性に優れ、剛性にも富むことから、ポリア
ミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケト
ン、ポリアリールエーテルケトン、ポリアミドイミド、
ポリエステルイミド等のポリマーが好ましい。これらの
ポリマーは、いずれか一種類を単独で使用してもよい
し、例えば、ポリエーテルケトンとポリアミドとの混合
物のように、2種以上の混合物として使用してもよい。
このようなポリマーの中でも、高い複屈折性が得られる
ことから、ポリイミド等が好ましい。
【0014】前記ポリマーの分子量は、特に制限されな
いが、例えば、重量平均分子量(Mw)が1,000〜
1,000、000の範囲であることが好ましく、より
好ましくは2,000〜500,000の範囲である。
【0015】前記重合体としては、具体的には、米国特
許第5,344,916号、米国特許第5,395,9
18号、米国特許第5,480,964号、米国特許第
5,580,950号、米国特許第5,694,187
号、米国特許5,750,641号、米国特許6,07
4,709号等に開示されているポリアミド、ポリイミ
ド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアリール
エーテルケトン、ポリアミドイミド及びポリエステルイ
ミド等を用いればよく、単独で又は任意の組み合わせで
用いることができる。
【0016】前記ポリイミドとしては、例えば、面内配
向性が高く、有機溶剤に可溶なポリイミドが好ましい。
具体的には、例えば、特表2000−511296号公
報に開示された、9,9-ビス(アミノアリール)フルオ
レンと芳香族テトラカルボン酸二無水物との縮合重合生
成物、具体的には、下記式(1)に示す繰り返し単位を
1つ以上含むポリマーが使用できる。
【0017】
【化1】 前記式(1)中、R3〜R6は、水素、ハロゲン、フェニ
ル基、1〜4個のハロゲン原子またはC110アルキル
基で置換されたフェニル基、およびC110アルキル基
からなる群からそれぞれ独立に選択される少なくとも一
種類の置換基である。好ましくは、R3〜R6は、ハロゲ
ン、フェニル基、1〜4個のハロゲン原子またはC1
10アルキル基で置換されたフェニル基、およびC110
アルキル基からなる群からそれぞれ独立に選択される少
なくとも一種類の置換基である。
【0018】前記式(1)中、Zは、例えば、C620
の4価芳香族基であり、好ましくは、ピロメリット基、
多環式芳香族基、多環式芳香族基の誘導体、または、下
記式(2)で表される基である。
【0019】
【化2】
【0020】前記式(2)中、Z’は、例えば、共有結
合、C(R7)2基、CO基、O原子、S原子、SO2基、
Si(C25)2基、または、NR8基であり、複数の場
合、それぞれ同一であるかまたは異なる。また、wは、
1から10までの整数を表す。R7は、それぞれ独立
に、水素またはC(R93である。R8は、水素、炭素
原子数1〜約20のアルキル基、またはC620アリー
ル基であり、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは
異なる。R9は、それぞれ独立に、水素、フッ素、また
は塩素である。
【0021】前記多環式芳香族基としては、例えば、ナ
フタレン、フルオレン、ベンゾフルオレンまたはアント
ラセンから誘導される4価の基があげられる。また、前
記多環式芳香族基の置換誘導体としては、例えば、C1
10のアルキル基、そのフッ素化誘導体、およびFやC
l等のハロゲンからなる群から選択される少なくとも一
つの基で置換された前記多環式芳香族基があげられる。
【0022】この他にも、例えば、特表平8−5118
12号公報に記載された、繰り返し単位が下記一般式
(3)または(4)で示されるホモポリマーや、繰り返
し単位が下記一般式(5)で示されるポリイミド等があ
げられる。なお、下記式(5)のポリイミドは、下記式
(3)のホモポリマーの好ましい形態である。
【0023】
【化3】
【化4】
【化5】
【0024】前記一般式(3)〜(5)中、Gおよび
G’は、例えば、共有結合、CH2基、C(CH3)2基、
C(CF3)2基、C(CX3)2基(ここで、Xは、ハロゲン
である。)、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si
(CH2CH3)2基、および、N(CH3)基からなる群か
ら、それぞれ独立して選択される基を表し、それぞれ同
一でも異なってもよい。
【0025】前記式(3)および式(5)中、Lは、置
換基であり、dおよびeは、その置換数を表す。Lは、
例えば、ハロゲン、C1-3アルキル基、C1-3ハロゲン化
アルキル基、フェニル基、または、置換フェニル基であ
り、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。
前記置換フェニル基としては、例えば、ハロゲン、C
1-3アルキル基、およびC1-3ハロゲン化アルキル基から
なる群から選択される少なくとも一種類の置換基を有す
る置換フェニル基があげられる。また、前記ハロゲンと
しては、例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素があ
げられる。dは、0から2までの整数であり、eは、0
から3までの整数である。
【0026】前記式(3)〜(5)中、Qは置換基であ
り、fはその置換数を表す。Qとしては、例えば、水
素、ハロゲン、アルキル基、置換アルキル基、ニトロ
基、シアノ基、チオアルキル基、アルコキシ基、アリー
ル基、置換アリール基、アルキルエステル基、および置
換アルキルエステル基からなる群から選択される原子ま
たは基であって、Qが複数の場合、それぞれ同一である
かまたは異なる。前記ハロゲンとしては、例えば、フッ
素、塩素、臭素およびヨウ素があげられる。前記置換ア
ルキル基としては、例えば、ハロゲン化アルキル基があ
げられる。また前記置換アリール基としては、例えば、
ハロゲン化アリール基があげられる。fは、0から4ま
での整数であり、gおよびhは、それぞれ0から3およ
び1から3までの整数である。また、gおよびhは、1
より大きいことが好ましい。
【0027】前記式(4)中、R10およびR11は、水
素、ハロゲン、フェニル基、置換フェニル基、アルキル
基、および置換アルキル基からなる群から、それぞれ独
立に選択される基である。その中でも、R10およびR11
は、それぞれ独立に、ハロゲン化アルキル基であること
が好ましい。
【0028】前記式(5)中、M1およびM2は、同一で
あるかまたは異なり、例えば、ハロゲン、C1-3アルキ
ル基、C1-3ハロゲン化アルキル基、フェニル基、また
は、置換フェニル基である。前記ハロゲンとしては、例
えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素があげられる。
また、前記置換フェニル基としては、例えば、ハロゲ
ン、C1-3アルキル基、およびC1-3ハロゲン化アルキル
基からなる群から選択される少なくとも一種類の置換基
を有する置換フェニル基があげられる。
【0029】前記式(3)に示すポリイミドの具体例と
しては、例えば、下記式(6)で表されるもの等があげ
られる。
【化6】
【0030】さらに、前記ポリイミドとしては、例え
ば、前述のような骨格(繰り返し単位)以外の酸二無水
物やジアミンを、適宜共重合させたコポリマーがあげら
れる。
【0031】前記酸二無水物としては、例えば、芳香族
テトラカルボン酸二無水物があげられる。前記芳香族テ
トラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリト
酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、複素環式芳
香族テトラカルボン酸二無水物、2,2′−置換ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物等があげられる。
【0032】前記ピロメリト酸二無水物としては、例え
ば、ピロメリト酸二無水物、3,6−ジフェニルピロメ
リト酸二無水物、3,6−ビス(トリフルオロメチル)
ピロメリト酸二無水物、3,6−ジブロモピロメリト酸
二無水物、3,6−ジクロロピロメリト酸二無水物等が
あげられる。前記ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物としては、例えば、3,3′,4,4′−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,
2′,3,3′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物等があげられる。前記ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物としては、例えば、2,3,6,7−ナフタレ
ン−テトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフ
タレン−テトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロ
−ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無
水物等があげられる。前記複素環式芳香族テトラカルボ
ン酸二無水物としては、例えば、チオフェン−2,3,
4,5−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,
3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ピリジン−
2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等があげら
れる。前記2,2′−置換ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物としては、例えば、2,2′−ジブロモ−4,
4′,5,5′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,2′−ジクロロ−4,4′,5,5′−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′−ビス(トリ
フルオロメチル)−4,4′,5,5′−ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物等があげられる。
【0033】また、前記芳香族テトラカルボン酸二無水
物のその他の例としては、3,3′,4,4′−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3−ジカル
ボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,5,6−
トリフルオロ−3,4−ジカルボキシフェニル)メタン
二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
ン二無水物、4,4′−(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)−2,2−ジフェニルプロパン二無水物、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、
4,4′−オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、(3,
3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸
二無水物)、4,4′−[4,4′−イソプロピリデン
−ジ(p−フェニレンオキシ)]ビス(フタル酸無水
物)、N,N−(3,4−ジカルボキシフェニル)−N
−メチルアミン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)ジエチルシラン二無水物等があげられる。
【0034】これらの中でも、前記芳香族テトラカルボ
ン酸二無水物としては、2,2′−置換ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物が好ましく、より好ましくは、
2,2′−ビス(トリハロメチル)−4,4′,5,
5′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であり、さ
らに好ましくは、2,2′−ビス(トリフルオロメチ
ル)−4,4′,5,5′−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物である。
【0035】前記ジアミンとしては、例えば、芳香族ジ
アミンがあげられ、具体例としては、ベンゼンジアミ
ン、ジアミノベンゾフェノン、ナフタレンジアミン、複
素環式芳香族ジアミン、およびその他の芳香族ジアミン
があげられる。
【0036】前記ベンゼンジアミンとしては、例えば、
o−、m−およびp−フェニレンジアミン、2,4−ジ
アミノトルエン、1,4−ジアミノ−2−メトキシベン
ゼン、1,4−ジアミノ−2−フェニルベンゼンおよび
1,3−ジアミノ−4−クロロベンゼンのようなベンゼ
ンジアミンから成る群から選択されるジアミン等があげ
られる。前記ジアミノベンゾフェノンの例としては、
2,2′−ジアミノベンゾフェノン、および3,3′−
ジアミノベンゾフェノン等があげられる。前記ナフタレ
ンジアミンとしては、例えば、1,8−ジアミノナフタ
レン、および1,5−ジアミノナフタレン等があげられ
る。前記複素環式芳香族ジアミンの例としては、2,6
−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリジン、およ
び2,4−ジアミノ−S−トリアジン等があげられる。
【0037】また、前記芳香族ジアミンとしては、これ
らの他に、4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′−
ジアミノジフェニルメタン、4,4′−(9−フルオレ
ニリデン)-ジアニリン、2,2'−ビス(トリフルオロメ
チル)−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジク
ロロ−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、2,2'−
ジクロロ−4,4'−ジアミノビフェニル、2,2',
5,5'−テトラクロロベンジジン、2,2−ビス(4
−アミノフェノキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフ
ルオロプロパン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−
ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4
−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′−ビス(4−
アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス(3−
アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、
4,4′−ジアミノジフェニルチオエーテル、4,4′
−ジアミノジフェニルスルホン等があげられる。
【0038】前記複屈折層の形成材料である前記ポリエ
ーテルケトンとしては、例えば、特開2001−491
10号公報に記載された、下記一般式(7)で表される
ポリアリールエーテルケトンがあげられる。
【0039】
【化7】 前記式(7)中、Xは、置換基を表し、qは、その置換
数を表す。Xは、例えば、ハロゲン原子、低級アルキル
基、ハロゲン化アルキル基、低級アルコキシ基、また
は、ハロゲン化アルコキシ基であり、Xが複数の場合、
それぞれ同一であるかまたは異なる。
【0040】前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ
素原子、臭素原子、塩素原子およびヨウ素原子があげら
れ、これらの中でも、フッ素原子が好ましい。前記低級
アルキル基としては、例えば、C16の直鎖または分岐
鎖を有する低級アルキル基が好ましく、より好ましくは
14の直鎖または分岐鎖のアルキル基である。具体的
には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、および、
tert-ブチル基が好ましく、特に好ましくは、メチル基
およびエチル基である。前記ハロゲン化アルキル基とし
ては、例えば、トリフルオロメチル基等の前記低級アル
キル基のハロゲン化物があげられる。前記低級アルコキ
シ基としては、例えば、C16の直鎖または分岐鎖のア
ルコキシ基が好ましく、より好ましくはC14の直鎖ま
たは分岐鎖のアルコキシ基である。具体的には、メトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、
ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、およ
び、tert-ブトキシ基が、さらに好ましく、特に好まし
くはメトキシ基およびエトキシ基である。前記ハロゲン
化アルコキシ基としては、例えば、トリフルオロメトキ
シ基等の前記低級アルコキシ基のハロゲン化物があげら
れる。
【0041】前記式(7)中、qは、0から4までの整
数である。前記式(7)においては、q=0であり、か
つ、ベンゼン環の両端に結合したカルボニル基とエーテ
ルの酸素原子とが互いにパラ位に存在することが好まし
い。
【0042】また、前記式(7)中、R1は、下記式
(8)で表される基であり、mは、0または1の整数で
ある。
【0043】
【化8】
【0044】前記式(8)中、X’は置換基を表し、例
えば、前記式(7)におけるXと同様である。前記式
(8)において、X’が複数の場合、それぞれ同一であ
るかまたは異なる。q’は、前記X’の置換数を表し、
0から4までの整数であって、q’=0が好ましい。ま
た、pは、0または1の整数である。
【0045】前記式(8)中、R2は、2価の芳香族基
を表す。この2価の芳香族基としては、例えば、o−、
m−もしくはp−フェニレン基、または、ナフタレン、
ビフェニル、アントラセン、o−、m−もしくはp−テ
ルフェニル、フェナントレン、ジベンゾフラン、ビフェ
ニルエーテル、もしくは、ビフェニルスルホンから誘導
される2価の基等があげられる。これらの2価の芳香族
基において、芳香族に直接結合している水素が、ハロゲ
ン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基で置換
されてもよい。これらの中でも、前記R2としては、下
記式(9)〜(15)からなる群から選択される芳香族
基が好ましい。
【0046】
【化9】
【0047】前記式(7)中、前記R1としては、下記
式(16)で表される基が好ましく、下記式(16)に
おいて、R2およびpは前記式(8)と同義である。
【0048】
【化10】
【0049】さらに、前記式(7)中、nは重合度を表
し、例えば、2〜5000の範囲であり、好ましくは、
5〜500の範囲である。また、その重合は、同じ構造
の繰り返し単位からなるものであってもよく、異なる構
造の繰り返し単位からなるものであってもよい。後者の
場合には、繰り返し単位の重合形態は、ブロック重合で
あってもよいし、ランダム重合でもよい。
【0050】さらに、前記式(7)で示されるポリアリ
ールエーテルケトンの末端は、p−テトラフルオロベン
ゾイレン基側がフッ素であり、オキシアルキレン基側が
水素原子であることが好ましく、このようなポリアリー
ルエーテルケトンは、下記一般式(17)で表すことが
できる。なお、下記式において、nは前記式(7)と同
様の重合度を表す。
【0051】
【化11】
【0052】前記式(7)で示されるポリアリールエー
テルケトンの具体例としては、下記式(18)〜(2
1)で表されるもの等があげられ、下記各式において、
nは、前記式(7)と同様の重合度を表す。
【0053】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【0054】また、これらの他に、前記複屈折層の形成
材料である前記ポリアミドまたはポリエステルとして
は、例えば、特表平10−508048号公報に記載さ
れるポリアミドやポリエステルがあげられ、それらの繰
り返し単位は、例えば、下記一般式(22)で表すこと
ができる。
【0055】
【化16】
【0056】前記式(22)中、Yは、OまたはNHで
ある。また、Eは、例えば、共有結合、C2アルキレン
基、ハロゲン化C2アルキレン基、CH2基、C(CX3)2
基(ここで、Xはハロゲンまたは水素である。)、CO
基、O原子、S原子、SO2基、Si(R)2基、および、
N(R)基からなる群から選ばれる少なくとも一種類の基
であり、それぞれ同一でもよいし異なってもよい。前記
Eにおいて、Rは、C1-3アルキル基およびC1-3ハロゲ
ン化アルキル基の少なくとも一種類であり、カルボニル
官能基またはY基に対してメタ位またはパラ位にある。
【0057】また、前記(22)中、AおよびA’は、
置換基であり、tおよびzは、それぞれの置換数を表
す。また、pは、0から3までの整数であり、qは、1
から3までの整数であり、rは、0から3までの整数で
ある。
【0058】前記Aは、例えば、水素、ハロゲン、C
1-3アルキル基、C1-3ハロゲン化アルキル基、OR(こ
こで、Rは、前記定義のものである。)で表されるアル
コキシ基、アリール基、ハロゲン化等による置換アリー
ル基、C1-9アルコキシカルボニル基、C1-9アルキルカ
ルボニルオキシ基、C1-12アリールオキシカルボニル
基、C1-12アリールカルボニルオキシ基およびその置換
誘導体、C1-12アリールカルバモイル基、ならびに、C
1-12アリールカルボニルアミノ基およびその置換誘導体
からなる群から選択され、複数の場合、それぞれ同一で
あるかまたは異なる。前記A’は、例えば、ハロゲン、
1-3アルキル基、C1-3ハロゲン化アルキル基、フェニ
ル基および置換フェニル基からなる群から選択され、複
数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。前記置
換フェニル基のフェニル環上の置換基としては、例え
ば、ハロゲン、C1-3アルキル基、C1-3ハロゲン化アル
キル基およびこれらの組み合わせがあげられる。前記t
は、0から4までの整数であり、前記zは、0から3ま
での整数である。
【0059】前記式(22)で表されるポリアミドまた
はポリエステルの繰り返し単位の中でも、下記一般式
(23)で表されるものが好ましい。
【0060】
【化17】 前記式(23)中、A、A’およびYは、前記式(2
2)で定義したものであり、vは0から3の整数、好ま
しくは、0から2の整数である。xおよびyは、それぞ
れ0または1であるが、共に0であることはない。
【0061】以下に、本発明の液晶セル基板の製造方法
の一例を示す。まず、前記基材の片面に、前記の重合体
の溶液を直接塗工することにより塗工面を作製する。塗
工方法としては、前記の重合体を溶媒に溶解させた溶液
を、基板の片面に、スピンコート法、流延法、スプレー
法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、デ
ィップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア
印刷法等などの高い厚み精度が得られる方法により直接
塗工して塗工面を作製する。
【0062】重合体の溶液の溶媒としては、前記重合体
を溶解または懸濁することができるものであれば特に制
限されず、前記重合体の種類に応じて適宜選択される。
例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、
ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチ
レン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソ
ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;フェノー
ル、バラクロロフェノール等のフェノール類;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−
ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン、シクロペンタノン、2−ピロリドン、N−
メチル−2−ピロリドン等のケトン系溶媒;酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;t−ブチルアルコ
ール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレン
グリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレング
リコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−2,
4−ペンタンジオールのようなアルコール系溶媒;ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミ
ド系溶媒;アセトニトリル、ブチロニトリルのようなニ
トリル系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、
テトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒;あるいは
二硫化炭素、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等が
あげられる。なかでも、塩化メチレンやシクロヘキサノ
ン、トリクロロエチレンやテトラクロロエタン、N−メ
チルピロリドン、テトラヒドロフランおよびジメチルア
セトアミドが好ましい。これらの溶媒は、一種類でもよ
いし、二種類以上を併用してもよい。
【0063】重合体溶液は、塗工が容易になる粘度を考
慮し、溶媒100重量部に対して、重合体を5〜50重
量部、好ましくは10〜40重量部を混合するのがよ
い。
【0064】複屈折層の厚みは、特に限定されないが、
例えば1μm〜30μmの範囲、好ましくは1μm〜2
0μmの範囲である。1μm以上とすることで液晶表示
装置の光学補償により優れた複屈折層となり、30μm
以下とすることで液晶表示装置の更なる薄型化が達成で
きるからである。なお、複屈折層の厚みは、例えば、重
合体溶液の濃度や、基材面積あたりの塗工量等によって
適宜調整することができる。
【0065】本発明で製造する複屈折層には、さらに有
機珪素化合物を含有させてもよい。この化合物により複
屈折層と基板との密着性が良好となり、密着性の向上し
た光学補償層を、容易に形成することができる。従っ
て、本発明の方法において、前記重合体溶液に有機珪素
化合物を添加してもよい。
【0066】前記有機珪素化合物は、特に限定はなく、
例えば、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
ラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニ
ルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、3
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メ
タクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メ
タクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタク
リロキシプロピルメチルジエトキシシラン、デシルトリ
メトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラ
ン、n−ヘキサデシルジメトキシメチルシラン、ステア
リルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキ
シエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエ
チル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3
−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルト
リメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキ
シシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4
−エポキジシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
等が用いられる。これらは、単独あるいは2種以上併用
して使用してもよく、添加量は、重合体100重量部に
対し、例えば0.001重量部〜5重量部の範囲とされ
る。0.001重量部以上では接着性がより一層向上
し、5重量部以下であれば耐熱性がより向上する。
【0067】前記重合体溶液は、例えば、必要に応じ
て、さらに安定剤、可塑剤、金属類等の種々の添加剤を
配合してもよい。また、前記重合体溶液は、例えば、前
記重合体の配向性等が著しく低下しない範囲で、異なる
他の樹脂を含有してもよい。他の樹脂としては、例え
ば、各種汎用樹脂、エンジニアリングプラスチック、熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等があげられる。
【0068】前記汎用樹脂としては、例えば、ポリエチ
レン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン
(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、A
BS樹脂、およびAS樹脂等があげられる。前記エンジ
ニアリングプラスチックとしては、例えば、ポリアセテ
ート(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミ
ド(PA:ナイロン)、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、およびポリブチレンテレフタレート(PB
T)等があげられる。前記熱可塑性樹脂としては、例え
ば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテ
ルスルホン(PES)、ポリケトン(PK)、ポリイミ
ド(PI)、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタ
レート(PCT)、ポリアリレート(PAR)、および
液晶ポリマー(LCP)等があげられる。前記熱硬化性
樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノールノボ
ラック樹脂等があげられる。
【0069】このように、前記他の樹脂等を前記重合体
溶液に配合する場合、その配合量は、例えば、前記重合
体に対して、例えば、0〜50重量%であり、好ましく
は、0〜30重量%である。
【0070】次いで、本発明の方法においては、前記塗
工面を乾燥させて複屈折層を作製する。乾燥の方法とし
ては、特に制限されず、例えば、自然乾燥や加熱乾燥が
挙げられる。その条件も、例えば、前記重合体の種類
や、前記溶媒の種類等に応じて適宜決定できるが、例え
ば、温度は、通常、25℃〜400℃であり、好ましく
は60℃〜300℃であり、さらに好ましくは100℃
〜200℃である。なお、塗工膜の乾燥は、一定温度で
行っても良いし、段階的に温度を上昇または下降させな
がら行っても良い。乾燥時間も特に制限されないが、通
常、1分〜30分、好ましくは3分〜20分、さらに好
ましくは5分〜15分である。
【0071】以上のような製造方法によって、複屈折層
が積層された本発明の液晶セル基板が得られる。前記液
晶セル基板における複屈折層は、負の屈折率層である。
具体的に、図1の概略図に複屈折層における屈折率(n
x, ny, nz)の光軸方向を矢印で示す。屈折率nx、ny、n
zは、前述のように、それぞれX軸、Y軸およびZ軸方
向の屈折率を示し、図示のように、前記X軸とは面内に
おいて最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸は、前記
面内において前記X軸に対して垂直な軸方向であり、Z
軸は、前記X軸およびY軸に垂直な厚み方向を示す。負
の複屈折とは、nx≒ny>nzの特性を有しているこ
とを指す。
【0072】さらに本発明によれば、前記液晶セル基板
に、さらに偏光板を含む液晶セル基板が提供される。前
記偏光板は、液晶セル基板において、積層された複屈折
層または基材のいずれの上に積層されてもよい。
【0073】さらに本発明によれば、2枚の液晶セル基
板と、液晶層とを含み、前記2枚の液晶セル基板の間に
液晶層が配置されている液晶パネルであって、少なくと
も一方の液晶セル基板が、本発明の液晶セル基板である
液晶パネルが提供される。前記液晶パネルの構成は、本
発明の液晶セル基板を有していれば、特に制限されない
が、例えば、本発明の液晶セル基板の基材が、前記液晶
層に向かい合って位置することが好ましい。
【0074】また、前記液晶パネルは、さらに偏光板を
有することが好ましく、前記偏光板は、両方の液晶セル
基板の表面に積層されているのが好ましい。
【0075】さらに本発明によれば、液晶セルのいずれ
か一方の表面に複屈折層を有する液晶パネルの製造方法
であって、2枚の液晶セル基板と、液晶層とを含み、前
記2枚の液晶セル基板の間に前記液晶層が配置されてい
る液晶セルを準備する工程、前記2枚の液晶セル基板の
少なくとも一方の表面上に、固化すると複屈折層を形成
する重合体の溶液を直接塗布することにより複屈折層の
前駆層を作製する工程および前記前駆面を固化させて複
屈折層を作製する工程を含む液晶パネルの製造方法が提
供される。
【0076】このような方法によって、液晶セルにおけ
る2枚の液晶セル基板の少なくとも一方の表面上に複屈
折層を有する液晶パネルが提供できる。
【0077】この製造法により製造された液晶パネルに
は、ガラスまたはプラスチックからなる前記基板の液晶
を挟み込む面の反対面に、流延などにより重合体層を形
成することによって直接複屈折層を形成するので、極め
て容易に、均一性の高い基板との密着性が良好な複屈折
を有する光学補償層が形成される。
【0078】さらに、前記液晶パネルに、さらに偏光板
を含む液晶パネルも提供できる。偏光板は、両方の液晶
セル基板の表面に積層されているのが好ましい。
【0079】上記液晶セル基板や重合体等は、上述の基
材や重合体等と同様なものを使用することができる。塗
工面を作製する工程および塗工面を乾燥して複屈折層を
作製する工程も、上述と同様に行うことができる。
【0080】本発明で用いる偏光板の構成要素である偏
光子としては、例えばポリビニルアルコールや部分ホル
マール化ポリビニルアルコールなどのビニルアルコール
系ポリマーよりなるフィルムに、ヨウ素や二色性染料等
よりなる二色性物質による染色処理や延伸処理や架橋処
理等の適宜な処理を適宜な順序や方式で施してなり、自
然光を入射させると直線偏光を透過する適宜なものを用
いることができる。ポリビニルアルコールの脱水処理物
やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物の如きポリエン配向フ
ィルム等からなる偏光フィルムなどでもよい。中でも、
ヨウ素又は二色性染料を吸着配向させたポリビニルアル
コール系フィルムが好ましい。特に、光透過率や偏光度
に優れるものが好ましい。偏光子の厚さは、1〜80μ
mが一般的であるが、これに限定されない。
【0081】偏光子は、例えばその片側又は両側に、そ
れを保護するための保護フィルムが貼り合せられる。保
護フィルムとしては光学的に透明な高分子フィルムであ
れば特に限定はない。このような透明保護層の材質の具
体例としては、トリアセチルセルロール等のセルロース
系樹脂や、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリ
アミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポ
リスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、
ポリオレフィン系、アクリル系、アセテート系等の透明
樹脂等があげられる。また、前記アクリル系、ウレタン
系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等
の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等もあげられ
る。この中でも、偏光特性や耐久性の点から、表面をア
ルカリ等でケン化処理したTACフィルムが好ましい。
【0082】また、特開2001−343529号公報
(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムが
あげられる。このポリマー材料としては、例えば、側鎖
に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂
と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニト
リル基を有す熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用
でき、例えば、イソブテンとN−メチレンマレイミドか
らなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共
重合体とを有する樹脂組成物があげられる。なお、前記
ポリマーフィルムは、例えば、前記樹脂組成物の押出成
形物であってもよい。
【0083】また、前記保護層は、例えば、色付きが無
いことが好ましい。具体的には、下記式で表されるフィ
ルム厚み方向の位相差値(Rth)が、−90nm〜+7
5nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは−
80nm〜+60nmであり、特に好ましくは−70n
m〜+45nmの範囲である。前記位相差値が−90n
m〜+75nmの範囲であれば、十分に保護フィルムに
起因する偏光板の着色(光学的な着色)を解消できる。
なお、下記式において、nx,ny,nzは、前述と同
様であり、dは、その膜厚を示す。 Rth={[(nx+ny)/2]-nz}×d
【0084】また、前記透明保護層は、さらに光学補償
機能を有するものでもよい。このように光学補償機能を
有する透明保護層としては、例えば、液晶セルにおける
位相差に基づく視認角の変化が原因である、着色等の防
止や、良視認の視野角の拡大等を目的とした公知のもの
が使用できる。具体的には、例えば、前述した透明樹脂
を一軸延伸または二軸延伸した各種延伸フィルムや、液
晶ポリマー等の配向フィルム、透明基材上に液晶ポリマ
ー等の配向層を配置した積層体等があげられる。これら
の中でも、良視認の広い視野角を達成できることから、
前記液晶ポリマーの配向フィルムが好ましく、特に、デ
ィスコティック系やネマチック系の液晶ポリマーの傾斜
配向層から構成される光学補償層を、前述のトリアセチ
ルセルロースフィルム等で支持した光学補償位相差板が
好ましい。このような光学補償位相差板としては、例え
ば、富士写真フィルム株式会社製「WVフィルム」等の
市販品があげられる。なお、前記光学補償位相差板は、
前記位相差フィルムやトリアセチルセルロースフィルム
等のフィルム支持体を2層以上積層させることによっ
て、位相差等の光学特性を制御したもの等でもよい。
【0085】前記透明保護層の厚みは、特に制限され
ず、例えば、位相差や保護強度等に応じて適宜決定でき
るが、通常、500μm以下であり、好ましくは5〜3
00μm、より好ましくは5〜150μmの範囲であ
る。
【0086】前記透明保護層は、例えば、偏光フィルム
に前記各種透明樹脂を塗布する方法、前記偏光フィルム
に前記透明樹脂製フィルムや前記光学補償位相差板等を
積層する方法等の従来公知の方法によって適宜形成で
き、また市販品を使用することもできる。
【0087】また、保護層に用いられる透明保護フィル
ムは、本発明の目的を損なわない限り、ハードコート処
理、反射防止処理、スティッキングの防止や拡散、アン
チグレア等を目的とした処理等が施されたものでもよ
い。前記ハードコート処理とは、偏光板表面の傷付き防
止等を目的とし、例えば、前記透明保護層の表面に、硬
化型樹脂から構成される、硬度や滑り性に優れた硬化被
膜を形成する処理である。前記硬化型樹脂としては、例
えば、シリコーン系、ウレタン系、アクリル系、エポキ
シ系等の紫外線硬化型樹脂等が使用でき、前記処理は、
従来公知の方法によって行うことができる。スティッキ
ングの防止は、隣接する層との密着防止を目的とする。
前記反射防止処理とは、偏光板表面での外光の反射防止
を目的とし、従来公知の反射防止層等の形成により行う
ことができる。
【0088】前記アンチグレア処理とは、偏光板表面に
おいて外光が反射することによる、偏光板透過光の視認
妨害を防止すること等を目的とし、例えば、従来公知の
方法によって、前記透明保護層の表面に、微細な凹凸構
造を形成することによって行うことができる。このよう
な凹凸構造の形成方法としては、例えば、サンドブラス
ト法やエンボス加工等による粗面化方式や、前述のよう
な透明樹脂に透明微粒子を配合して前記透明保護層を形
成する方式等があげられる。
【0089】前記透明微粒子としては、例えば、シリ
カ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化イ
ンジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等があげら
れ、この他にも導電性を有する無機系微粒子や、架橋ま
たは未架橋のポリマー粒状物等から構成される有機系微
粒子等を使用することもできる。前記透明微粒子の平均
粒径は、特に制限されないが、例えば、0.5〜20μ
mの範囲である。また、前記透明微粒子の配合割合は、
特に制限されないが、一般に、前述のような透明樹脂1
00質量部あたり2〜70質量部の範囲が好ましく、よ
り好ましくは5〜50質量部の範囲である。
【0090】前記透明微粒子を配合したアンチグレア層
は、例えば、透明保護層そのものとして使用することも
でき、また、透明保護層表面に塗工層等として形成され
てもよい。さらに、前記アンチグレア層は、偏光板透過
光を拡散して視角を拡大するための拡散層(視覚補償機
能等)を兼ねるものであってもよい。
【0091】なお、前記反射防止層、スティッキング防
止層、拡散層、アンチグレア層等は、前記透明保護層と
は別個に、例えば、これらの層を設けたシート等から構
成される光学層として、偏光板に積層してもよい。
【0092】複屈折層と偏光板を積層する方法として
は、特に限定されるものではなく、透明性の高いもので
あれば、接着剤、粘着剤等を適宜使用することができ
る。
【0093】接着剤等の種類は、前記複屈折層と偏光板
の材質等によって適宜決定できる。前記接着剤として
は、例えば、アクリル系、ビニルアルコール系、シリコ
ーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテ
ル系等のポリマー製接着剤や、ゴム系接着剤等があげら
れる。また、ホウ酸、ホウ砂、グルタルアルデヒド、メ
ラミン、シュウ酸等のビニルアルコール系ポリマーの水
溶性架橋剤等から構成される接着剤等も使用できる。前
述のような粘着剤、接着剤は、例えば、湿度や熱の影響
によっても剥がれ難く、光透過率や偏光度にも優れる。
具体的には、前記偏光板がPVA系フィルムの場合、例
えば、接着処理の安定性等の点から、PVA系接着剤が
好ましい。これらの接着剤や粘着剤は、例えば、そのま
ま偏光板や透明保護層の表面に塗布してもよいし、前記
接着剤や粘着剤から構成されたテープやシートのような
層を前記表面に配置してもよい。また、例えば、水溶液
として調製した場合、必要に応じて、他の添加剤や、酸
等の触媒を配合してもよい。なお、前記接着剤を塗布す
る場合は、例えば、前記接着剤水溶液に、さらに、他の
添加剤や、酸等の触媒を配合してもよい。このような接
着層の厚みは、特に制限されないが、例えば、1nm〜
500nmであり、好ましくは10nm〜300nmで
あり、より好ましくは20nm〜100nmである。特
に限定されず、例えば、アクリル系ポリマーやビニルア
ルコール系ポリマー等の接着剤等を使用した従来公知の
方法が採用できる。また、湿度や熱等によっても剥がれ
にくく、光透過率や偏光度に優れる偏光板を形成できる
ことから、さらに、ホウ酸、ホウ砂、グルタルアルデヒ
ド、メラミン、シュウ酸等のPVA系ポリマーの水溶性
架橋剤を含む接着剤が好ましい。これらの接着剤は、例
えば、その水溶液を前記各構成物表面に塗工し、乾燥す
ること等によって使用できる。前記水溶液には、例え
ば、必要に応じて、他の添加剤や、酸等の触媒も配合で
きる。これらの中でも、前記接着剤としては、PVAフ
ィルムとの接着性に優れる点から、PVA系接着剤が好
ましい。
【0094】本発明の複屈折層が積層された液晶セル基
板や複屈折層が積層された液晶パネルは、液晶表示装置
等の各種装置の形成に使用することが好ましく、例え
ば、偏光板を液晶パネルの片側または両側に配置した液
晶パネルとし、反射型や半透過型、あるいは透過・反射
両用型等の液晶表示装置に用いることができる。
【0095】本発明においては、液晶表示装置の種類は
特に限定されず、例えば薄膜トランジスタ型等のアクテ
ィブマトリクス駆動式のものや、単純マトリクス駆動式
のものなど任意のタイプのものに形成することができ
る。また、液晶表示装置の実用に際しては、液晶セルに
他の光学部材を積層して用いることができ、その光学部
材は特に限定されないが、例えば反射板、半透過反射
板、位相差板、視角補償フィルム、輝度向上フィルムな
どの、液晶表示装置等の形成に用いられることのある適
宜な光学部材の1層又は2層以上を用いることができ
る。
【0096】また、液晶セルの両側に偏光板や光学部材
を設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異
なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成
に際しては、例えばプリズムアレイシートやレンズアレ
イシート、光拡散板やバックライトなどの適宜な部品を
適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
【0097】さらに、本発明の液晶表示装置は、本発明
の複屈折層が積層された液晶セル基板または複屈折層が
積層された液晶パネルを含み、前記基板または液晶パネ
ルとして、本発明の液晶セル基板および液晶パネルを用
いる以外は、特に制限されない。また、さらに光源を備
えてもよく前記光源としては、特に制限されないが、例
えば、光のエネルギーが有効に使用できることから、例
えば、偏光を出射する平面光源であることが好ましい。
【0098】本発明の液晶表示装置においては、視認側
の複屈折層の上に、例えば、さらに拡散板、アンチグレ
ア層、反射防止膜、保護層や保護板を配置したり、また
は液晶パネルにおける液晶セルと偏光板との間に補償用
位相差板等を適宜配置することもできる。
【0099】なお、本発明の複屈折層が積層された基板
または複屈折層が積層された液晶セルは、前述のような
液晶表示装置には限定されない。この他にも、例えば、
有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、
PDP、FED等の自発光型表示装置において、例えば
従来使用されている基板に代えて、本発明の液晶セル基
板を適用することもできる。
【0100】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定さ
れるものではない。
【0101】(実施例1)2,2’−ビス(トリフルオ
ロメチル)−4,4’,5,5’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物と、2,2’−ビス(トリフルオロメ
チル)−4,4’−ジアミノビフェニルから合成され
た、重量平均分子量(Mw)7万のポリイミドを、溶媒
にシクロヘキサノンを用いて10wt%溶液を調製し
た。市販の垂直配向モード液晶表示装置(富士通(株)
製)から位相差板付偏光板[名称:EF−HG1425
DU]を除去したガラス面(厚さ:0.7mm)を、洗
浄剤イソプロピルアルコールを用いて超音波洗浄し、そ
の表面に、前記ポリイミド溶液をスピンコーター法で塗
布し、100℃×10分乾燥した。前記ガラス面に形成
されたポリイミド膜は厚みが6μmで、Rth=
{[(nx+ny)/2]−nz}×dが150nmの
複屈折層であった。前記ポリイミド膜の表面に粘着偏光
板HEG1425DU(日東電工(株)製)を貼り合せる
ことにより、前記液晶表示装置への実装を行った。そし
て、商品名EZコントラスト(ELDIM社製)にて等
コントラスト曲線を測定することにより、前記装置にお
ける視野角特性を確認した。その結果、複屈折層および
偏光板の実装後の視野角特性は、図2に示すように位相
差板付偏光板(EF−HG1425DU)を取り除く前
の液晶表示装置(富士通(株)製)とほぼ同等であった。
【0102】得られた液晶表示装置の光モレおよび熱安
定性を評価し、その結果を表1に示す。光モレは、液晶
表示装置を50℃で100時間放置後、表示画面のコー
ナーからの光モレを目視にて確認した。表中、「○」は
光モレが見られなかったことを示す。また、「×」は、
光モレが見られたことを示す。熱安定性は、液晶表示装
置を100℃で100時間放置後、ガラス面と複屈折層
の界面を目視にて確認した。表中、「○」は複屈折層の
剥がれが見られなかったことを示す。また、「×」は複
屈折層の剥がれが見られたことを示す。
【0103】(実施例2)3,3’,4,4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物と、2,2’−ビス(ト
リフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニルか
ら合成された、重量平均分子量(Mw)5万のポリイミ
ドを、溶媒にジメチルアセトアミドを用いて10wt%
溶液を調製した。このポリイミド溶液を用いた以外は実
施例1と同様に操作して、ガラス面上にポリイミド膜を
形成した。得られたポリイミド膜は、実施例1と同様
に、厚さが5μmで、Rth={[(nx+ny)/
2]−nz}×dが130nmの複屈折層であった。実
施例1と同様の実装評価を行った結果、図2に示すよう
に液晶パネルの等コントラスト曲線は実施例1と同等で
あった。得られた液晶表示装置の光モレおよび熱安定性
は表1に示す。試験方法は実施例1と同様である。
【0104】(実施例3)実施例1で調製したポリイミ
ド溶液に、ポリイミド溶液の固形分に対して1wt%の
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを添加し
た以外は実施例1と同様に操作して、ガラス面上にポリ
イミド膜を形成した。得られたポリイミド膜は、厚さが
6μmでRth={[(nx+ny)/2]−nz}×
dが130nmの複屈折層であった。
【0105】得られたポリイミド膜について、碁盤目テ
ープ剥離試験(JIS K 5400試験方法)を行ったとこ
ろ、80℃×500時間の耐熱試験および60℃・90
%RH×500時間の耐湿熱試験においても剥がれるこ
とがなかった。なお、実施例1と同様の実装評価を行っ
た結果、液晶パネルの等コントラスト曲線は図2に示す
ように実施例1および2と同等であった。得られた液晶
表示装置の光モレおよび熱安定性は表1に示す。試験方
法は実施例1と同様である。
【0106】(比較例1)ポリカーボネートフィルムで
あるパンライト(商品名)(帝人(株)製)を175℃で
縦延伸及び固定端横延伸して、厚み80μmでRth=
{[(nx+ny)/2]−nz}×dが130nmの
複屈折フィルムを得た。このフィルムを厚さ23μmの
アクリル系粘着剤を用いて実施例1で調製したガラス面
に貼り合せた以外は、実施例1〜3と同様に実装評価を
行った。その結果、液晶パネルの等コントラスト曲線は
図2に示すように実施例1〜3と同等であった。得られ
た液晶表示装置の光モレおよび熱安定性は表1に示す。
試験方法は実施例1と同様である。
【0107】(比較例2)厚さ100μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム上に実施例1で調製したポリ
イミド溶液をスピンコーター法で塗布し、100℃で1
0分間乾燥した後、ポリイミドフィルム(厚さ:6μ
m)をポリエチレンテレフタレートフィルムから剥離し
た。次に、上記ポリイミドフィルムを厚さ23μmのア
クリル系粘着剤を用いて、実施例1で調製したガラス面
に貼り合せた以外は、実施例1〜3と同様に実装評価を
行った。その結果、液晶パネルの等コントラスト曲線は
図2に示すように実施例1〜3と同等であった。得られ
た液晶表示装置の光モレおよび熱安定性は表1に示す。
試験方法は実施例1と同様である。
【0108】
【表1】
【0109】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
液晶セル基板または液晶パネルの液晶セル基板上に複屈
折層を直接製造する方法により、極めて容易に、均一性
が高く、密着性の高い光学補償層を形成することができ
る。これにより、高視野角の液晶表示装置を、極めて生
産性良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複屈折層の軸方向を示す図である。
【図2】実施例1および2ならびに比較例1および2の
液晶パネルの等コントラスト曲線である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年3月17日(2003.3.1
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】
【化12】
【化13】
化14
化15
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉見 裕之 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 長塚 辰樹 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA06 BA42 BB50 BB65 BC22 2H090 JB03 JB10 LA06 LA09 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA11Z FB02 FB12 FC12 FD08 GA01 GA16 LA12 LA19

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と複屈折層を有する液晶セル基板の
    製造方法であって、前記基材の片面に、固化すると複屈
    折層を形成する重合体の溶液を直接塗布することにより
    複屈折層の前駆層を作製する工程および前記前駆面を固
    化させて複屈折層を作製する工程を含む液晶セル基板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記重合体が、ポリアミド、ポリイミ
    ド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアリール
    エーテルケトン、ポリアミドイミド及びポリエステルイ
    ミドからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求
    項1に記載の液晶セル基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 重合体の溶液が、さらに有機珪素化合物
    を含有する請求項1または2に記載の液晶セル基板の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記基板が、ガラスまたはプラスチック
    である請求項1〜3のいずれかに記載の液晶セル基板の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 プラスチックが、ポリエステル、ポリア
    リーレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエ
    ーテルスルホン、エポキシ樹脂またはポリノルボルネン
    のプラスチックである請求項4に記載の液晶セル基板の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の方法に
    より製造された、基材上に直接複屈折層が形成された液
    晶セル基板。
  7. 【請求項7】 さらに偏光板を含む請求項6に記載の液
    晶セル基板。
  8. 【請求項8】 2枚の液晶セル基板と、液晶層とを含
    み、前記2枚の液晶セル基板の間に液晶層が配置されて
    いる液晶パネルであって、少なくとも一方の液晶セル基
    板が、請求項6に記載の液晶セル基板である液晶パネ
    ル。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の液晶セル基板の基材
    が、液晶層と向かい合っている請求項8に記載の液晶パ
    ネル。
  10. 【請求項10】 さらに偏光板を含む請求項8または9
    に記載の液晶パネル。
  11. 【請求項11】 液晶セルのいずれか一方の表面に複屈
    折層を有する液晶パネルの製造方法であって、2枚の液
    晶セル基板と、液晶層とを含み、前記2枚の液晶セル基
    板の間に前記液晶層が配置されている液晶セルを準備す
    る工程、前記2枚の液晶セル基板の少なくとも一方の表
    面上に、固化すると複屈折層を形成する重合体の溶液を
    直接塗布することにより複屈折層の前駆層を作製する工
    程および前記前駆面を固化させて複屈折層を作製する工
    程を含む液晶パネルの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記重合体が、ポリアミド、ポリイミ
    ド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアリール
    エーテルケトン、ポリアミドイミド及びポリエステルイ
    ミドからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求
    項11に記載の液晶パネルの製造方法。
  13. 【請求項13】 重合体の溶液が、さらに有機珪素化合
    物を含有する請求項11または12に記載の液晶パネル
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 2枚の液晶セル基板が、それぞれ独立
    してガラスまたはプラスチックである請求項11〜13
    のいずれかに記載の液晶パネルの製造方法。
  15. 【請求項15】 プラスチックが、ポリエステル、ポリ
    アリーレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリ
    エーテルスルホン、エポキシ樹脂またはポリノルボルネ
    ンのプラスチックである請求項14に記載の液晶パネル
    の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項11〜15のいずれかに記載の
    方法により製造された液晶パネル。
  17. 【請求項17】 さらに偏光板を含む請求項16に記載
    の液晶パネル。
  18. 【請求項18】 前記偏光板が、前記複屈折層に積層さ
    れている請求項17に記載の液晶パネル。
  19. 【請求項19】 請求項6または7に記載の液晶セル基
    板を含む液晶表示装置。
  20. 【請求項20】 請求項8〜10および16〜18のい
    ずれかに記載の液晶パネルを含む液晶表示装置。
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