JP2003286049A - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents

合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

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JP2003286049A
JP2003286049A JP2002092390A JP2002092390A JP2003286049A JP 2003286049 A JP2003286049 A JP 2003286049A JP 2002092390 A JP2002092390 A JP 2002092390A JP 2002092390 A JP2002092390 A JP 2002092390A JP 2003286049 A JP2003286049 A JP 2003286049A
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rate
glass
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JP2002092390A
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Maki Matsudo
真樹 松堂
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B17/00Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres
    • B32B17/06Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material
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    • B32B17/10005Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin laminated safety glass or glazing
    • B32B17/1055Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin laminated safety glass or glazing characterized by the resin layer, i.e. interlayer
    • B32B17/10559Shape of the cross-section
    • B32B17/10577Surface roughness
    • B32B17/10587Surface roughness created by embossing

Landscapes

  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オートクレーブを必要とすることなく合わせ
加工ができ、かつ、優れた透明性、接着性、耐貫通性、
耐候性等を有する合わせガラス用中間膜を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂シートの両面に刻線状の凹
部及び凸部からなるエンボスが形成された合わせガラス
用中間膜であって、少なくとも片面に形成されたエンボ
スについて、20〜30℃の温度で測定した凸部の十点
平均粗さを基準にして、30〜40℃、10〜20分間
の熱履歴をかけた前後の十点平均粗さの変化率が20%
以下であり、80〜100℃、10〜20分間の熱履歴
をかけた前後の十点平均粗さの変化率が40%以上であ
り、かつ、20〜30℃の温度で測定した凹部の溝深さ
を基準にして、30〜40℃、10〜20分間の熱履歴
をかけた前後の溝深さの変化率が20%以下であり、8
0〜100℃、10〜20分間の熱履歴をかけた前後の
溝深さの変化率が40%以上である合わせガラス用中間
膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オートクレーブを
必要とすることなく、減圧又は真空脱気法のみで合わせ
加工を行うことが可能であり、かつ、優れた透明性、接
着性、耐貫通性、耐候性等の合わせガラスとして必要な
諸物性を発現し得る合わせガラス用中間膜及び合わせガ
ラスに関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス板の間に可塑化ポリビニルブチラ
ール樹脂等の熱可塑性樹脂シートからなる合わせガラス
用中間膜を挟み、互いに接着させて得られる合わせガラ
スは、ガラスに物体が衝突したとき等のガラスの飛散、
ガラスによる人体、器具等への障害を防止するため又は
防犯用として自動車、航空機、建築物等の窓ガラスとし
て広く使用されている。このような合わせガラス用中間
膜には、優れた透明性、接着性、耐貫通性、耐候性等の
諸性能が要求されており、熱可塑性樹脂の中でもこれら
の諸性能のバランスに優れるポリビニルブチラール樹脂
フィルムが好適に用いられている。
【0003】従来、通常、合わせガラスは、少なくとも
2枚のガラス板間に合わせガラス用中間膜を挟み、これ
をニップロール(押圧ロール)に通して扱くか(扱き脱
気法)、又は、ゴムバックに入れて減圧吸引し、ガラス
板と合わせガラス用中間膜との間に残留する空気を脱気
しながら予備圧着し、次いで、オートクレーブ内で加熱
加圧して本圧着を行うことにより製造されている。ここ
でオートクレーブによる本圧着は、減圧プレス等のみで
は合わせガラス中の気泡を完全に抑制することが難しい
こと、及び、経時で合わせガラスの周辺部に剥離が生じ
るのを抑制する目的で行われるものである。しかし、こ
の方法はオートクレーブを設置するために多額の設備投
資を要すると共に、オートクレーブによる本圧着がバッ
チ工程になることから、生産効率が悪いという問題があ
った。
【0004】これに対して、特開平8−104551号
公報には、真空プレス機を用い、真空プレス圧と温度と
を細かく設定することにより、オートクレーブを用いる
ことなく本圧着を行う方法(非オートクレーブ法)が開
示されている。具体的な方法としては、例えば、二枚の
透明な無機ガラス板の間に合わせガラス用中間膜を挟
み、このガラス−合わせガラス用中間膜積層体を、ゴム
バック等の真空バック中に入れ、このゴムバックを排気
系に接続してゴムバック内の圧力が約36〜1000P
aになるまで吸引減圧しながら温度を上げ、120℃以
上に達したところで脱気、予備圧着及び本圧着を連続的
に行う方法等が挙げられる。
【0005】しかしながら、この方法は予備圧着工程が
煩雑であるうえ、合わせ加工メーカーが通常に管理する
調湿条件下で合わせ加工を行うと、合わせガラスを高温
に加熱した時に発泡が起こるという問題点があった。
【0006】また、合わせガラス製造時の予備圧着工程
においては、ガラス−合わせガラス用中間膜積層体の中
央部近傍に存在する空気まで充分に脱気することが重要
である。このため、通常、合わせガラス用中間膜の両面
には微細な凹凸からなる多数のエンボスが形成されてい
る。例えば、特開平11−147735号公報には、予
備圧着時に充分な脱気が可能な、表面に凹型のエンボス
を付与した合わせガラス用中間膜が提案されている。
【0007】しかしながら、従来のエンボスを付与した
合わせガラス用中間膜を用いて非オートクレーブ法で合
わせガラスを作製する場合、合わせガラス用中間膜とガ
ラスとの接着が脱気に先行して起こり脱気不良となった
り、合わせ加工後にエンボスを消滅させるのに高温、長
時間を要したりする等、安定して外観が良好な合わせガ
ラスを作製することは困難であるという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、オートクレーブを必要とすることなく、減圧又は
真空脱気法のみで合わせ加工を行うことが可能であり、
かつ、優れた透明性、接着性、耐貫通性、耐候性等の合
わせガラスとして必要な諸物性を発現し得る合わせガラ
ス用中間膜及び合わせガラスを提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、真空プレス法等を用いて合わせガラスを作製
する際に、合わせガラス用中間膜の表面に形成されたエ
ンボス形状の温度に対する変形量と得られる合わせガラ
スの外観との間に相関関係があることを見出し、本発明
を完成するに至った。本発明は、熱可塑性樹脂シートの
両面に刻線状の凹部及び凸部からなるエンボスが形成さ
れた合わせガラス用中間膜であって、少なくとも片面に
形成されたエンボスについて、20〜30℃の温度で測
定した凸部の十点平均粗さを基準にして、30〜40
℃、10〜20分間の熱履歴をかけた前後の十点平均粗
さの変化率が20%以下であり、80〜100℃、10
〜20分間の熱履歴をかけた前後の十点平均粗さの変化
率が40%以上であり、かつ、20〜30℃の温度で測
定した凹部の溝深さを基準にして、30〜40℃、10
〜20分間の熱履歴をかけた前後の溝深さの変化率が2
0%以下であり、80〜100℃、10〜20分間の熱
履歴をかけた前後の溝深さの変化率が40%以上である
合わせガラス用中間である。以下に本発明を詳述する。
【0010】本発明の合わせガラス用中間膜は、熱可塑
性樹脂シートからなる。上記熱可塑性樹脂シートとして
は特に限定されないが、例えば、可塑化ポリビニルアセ
タール系樹脂シート、ポリウレタン系樹脂シート、エチ
レン−酢酸ビニル系樹脂シート、エチレン−エチルアク
リレート系樹脂シート、可塑化塩化ビニル系樹脂シート
等の従来から中間膜として用いられているものが、優れ
た透明性、接着性、耐貫通性、耐候性等の合わせガラス
として必要な諸性能を発現し得ることから好適に用いら
れる。なかでも、可塑化ポリビニルブチラール樹脂シー
トに代表される可塑化ポリビニルアセタール系樹脂シー
トが、これらの諸性能のバランスに優れるので特に好適
に用いられる。
【0011】上記可塑化ポリビニルアセタール系樹脂シ
ートは、ポリビニルブチラール樹脂に代表されるポリビ
ニルアセタール樹脂に、例えば、トリエチレングリコー
ル−ジ−2−エチルブチレート(3GH)、トリエチレ
ングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3G
O)、トリエチレングリコール−ジ−2−ヘプタノエー
ト(3G7)等の可塑剤を添加してなる可塑化ポリビニ
ルアセタール樹脂組成物を常法により製膜して得られ
る。
【0012】本発明の合わせガラス用中間膜は、両面に
刻線状の凹部及び凸部からなるエンボスが形成されてい
る。これらのエンボスは、整然と規則的に分布していて
もよく、雑然と不規則的に分布していてもよい。また、
これらのエンボスの凹凸模様の大きさも特に限定されな
いが、一般には凸部の間隔の好ましい下限は10μm、
上限は2000μm、凸部の高さの好ましい下限は5μ
m、上限は500μm、凸部の基底面の径(差し渡し)
の好ましい下限は30μm、上限は900μmである。
凸部の間隔のより好ましい下限は200μm、上限は1
000μm、凸部の高さの好ましい下限は20μm、上
限は100μmである。
【0013】本発明の合わせガラス用中間膜は、少なく
とも片面に形成されたエンボスの温度に対する変形量が
一定の範囲内に規定されている。合わせガラス用中間膜
に設けられたエンボスは、予備圧着工程における加熱に
よって、凸型エンボスにおいてはその高さが低くなり、
凹型エンボスについてはその深さが浅くなるという性質
を有する。本発明者らは、この性質の発現の仕方が、合
わせガラスの製造において極めて重要であることを見出
した。すなわち、予備圧着工程における加熱を開始後比
較的低い温度で、凸型エンボス高さが低くなり凹型エン
ボスの深さが浅くなる場合には、ガラスと合わせガラス
用中間膜との接着が脱気に対して先行して起こるため、
合わせガラス中に空気が残留し、脱気不良の原因とな
る。一方、比較的高温まで加熱しても、凸型エンボス高
さが低くならず凹型エンボスの深さが浅くならない場合
には、高温、長時間の加熱による後処理をしなければエ
ンボスが残ってしまい得られた合わせガラスの透明性等
の外観に影響を与える。
【0014】すなわち、本発明者らは、良好な合わせガ
ラスを作製するためには、昇温開始時の比較的低温時に
おいてはエンボスの変形量が小さく、昇温後の高温にお
いてはエンボスの変形量が大きくエンボスの凹凸を容易
に消滅させることができることが必要であることを見出
した。このエンボスの変形量を規定するパラメータとし
ては、十点平均粗さ(Rz)及び溝深さ(Rzg)が最
適である。
【0015】本発明の合わせガラス用中間膜は、少なく
とも片面に形成されたエンボスについて、20〜30℃
の温度で測定した凸部の十点平均粗さを基準にして、3
0〜40℃、10〜20分間の熱履歴をかけた前後の十
点平均粗さの変化率が20%以下であり、80〜100
℃、10〜20分間の熱履歴をかけた前後の十点平均粗
さの変化率が40%以上である。
【0016】十点平均粗さ(Rz)は、円錐状の触針
(先端曲率半径5μm、頂角90°)を用い、JIS
B 0601に基づいて測定される表面粗さを表すパラ
メータであり、これを用いることにより本発明の合わせ
ガラス用中間膜の表面に形成されたエンボスの変形量を
とらえることができる。なお、十点平均粗さ(Rz)は
デジタル型の触針電気式表面粗さ測定器によって測定す
ることができる。
【0017】真空プレス方式を用いて合わせガラスを作
製する場合、真空プレスに使用される真空バックの初期
温度は40℃程度になる場合がある。この場合、合わせ
ガラス用中間膜は約40℃から高真空(−89.8KP
a)でプレスされることになるが、この場合においても
エンボスの凹凸形状を保持し合わせガラス用中間膜とガ
ラスとの間の空気を充分に脱気させる必要がある。30
〜40℃、10〜20分間の熱履歴をかけた前後の十点
平均粗さの変化率が20%を超えると、合わせガラス用
中間膜とガラスとの間で接着が脱気に先行して起こり、
合わせガラス用中間膜とガラスの間の空気が充分に脱気
されず、合わせガラス中に気泡が残留して外観不良の原
因となる。
【0018】また、真空プレス方式では、使用する真空
バック等のゴムの劣化等を考慮して、通常最高温度は約
100℃である。したがって、80〜100℃、10〜
20分間の熱履歴をかけた前後の十点平均粗さの変化率
が40%未満であると、合わせガラス用中間膜に付与さ
れているエンボス形状が容易に消滅できず外観不良の原
因となる。
【0019】また、本発明の合わせガラス用中間膜は、
少なくとも片面に形成されたエンボスについて、20〜
30℃の温度で測定した凹部の溝深さを基準にして、3
0〜40℃、10〜20分間の熱履歴をかけた前後の溝
深さの変化率が20%以下であり、かつ、80〜100
℃、10〜20分間の熱履歴をかけた前後の溝深さの変
化率が40%以上である。
【0020】本発明において、溝深さ(Rzg)は、J
IS B 0601に準拠して得られた粗さ曲線より求
められる平均線(粗さ曲線の偏差の2乗和が最小になる
ように設定した線)からのエンボスの凹部の深さを測定
し、その平均をとったものを意味する。この溝深さ(R
zg)を用いることにより本発明の合わせガラス用中間
膜の表面に形成されたエンボスの変形量をとらえること
ができる。なお、溝深さ(Rzg)は、汎用の表面粗さ
型を用いて測定されるデジタル信号をデータ処理するこ
とによって容易に得ることができる。
【0021】30〜40℃、10〜20分間の熱履歴を
かけた前後の溝深さの変化率が20%を超えると、合わ
せガラス用中間膜とガラスとの間で接着が脱気に先行し
て起こり、合わせガラス用中間膜とガラスの間の空気が
充分に脱気されず、合わせガラス中に気泡が残留して外
観不良の原因となる。80〜100℃、10〜20分間
の熱履歴をかけた前後の溝深さの変化率が40%未満で
あると、合わせガラス用中間膜に付与されているエンボ
ス形状が容易には消滅できず外観不良の原因となる。
【0022】上記熱可塑性樹脂シートにエンボスを形成
する方法としては特に限定されず、例えば、エンボスロ
ール法、メルトフラクチャーを利用した押出リップエン
ボス法等が挙げられる。なかでも、定量的に一定の微細
な凹凸からなるエンボスを得ることができることから、
エンボスロール法が好適である。
【0023】上記エンボスロール法で用いられるエンボ
スロールとしては、例えば、金属ロール表面に酸化アル
ミニウムや酸化珪素等の研削材を用いてブラスト処理を
行い、次いで表面の過大ピークを減少させるためにバー
チカル研削等にてラッピングを行うことにより、ロール
表面に微細な凹凸模様を形成したものが好適に使用され
る。その他、彫刻ミル(マザーミル)を用い、この凹凸
模様を金属ロール表面に転写することにより、ロール表
面に微細な凹凸模様を形成したもの、エッチング(蝕
刻)によりロール表面に微細な凹凸模様を形成したもの
等が使用される。
【0024】上述のように、エンボスの凹凸部の変形率
を特定の温度において、特定の範囲に制御した合わせガ
ラス用中間膜は、例えばエンボスロール法によりエンボ
スを形成する場合には、エンボスロールの温度を調整す
ることにより作製することができる。すなわち、エンボ
スロールの温度を低温にしてエンボス形状を付与する
と、低温で変形しやすいエンボスとなり、逆にエンボス
ロールの温度を高温にしてエンボス形状を付与すると、
低温では変形せずに高温で変形するエンボスとなる。
【0025】本発明の合わせガラス用中間膜の膜厚とし
ては、合わせガラスとして必要な耐貫通性等を考慮して
設定されれば良く、特に限定されないが、従来の合わせ
ガラス用中間膜と同様に好ましい膜厚の下限は0.2m
m、上限は2mmである。
【0026】本発明で使用される合わせガラス用中間膜
は、特定の温度をかけた場合のエンボスの変形量を特定
の範囲に規定しており、合わせガラス作製開始時の比較
的低温ではエンボスの変形量が小さくガラスと合わせガ
ラス用中間膜との間で脱気に先行して接着が起こること
なく気泡を充分に除くことができ、高温においてはエン
ボスの変形量が大きく容易にエンボスの凹凸部を消滅さ
せることができる。本発明の合わせガラス用中間膜を用
いれば、オートクレーブを必要とすることなく、減圧又
は真空脱気法のみで合わせ加工を行い、合わせガラスを
作製することができる。
【0027】本発明の合わせガラス用中間膜を用いてな
る合わせガラスもまた、本発明の1つである。上記ガラ
スとしては無機ガラス板のみならず、例えば、ポリカー
ボネート板、ポリメチルメタクリレート板等の有機ガラ
ス板であっても良いし、無機ガラス板と有機ガラス板と
を併用しても良い。
【0028】また、合わせガラスの構成としては、ガラ
ス板/合わせガラス用中間膜/ガラス板からなる通常の
3層構成であってもよく、ガラス板/合わせガラス用中
間膜/ガラス板/合わせガラス用中間膜/ガラス板から
なるような多層構成であっても良い。
【0029】本発明の合わせガラスを作製する方法とし
ては特に限定されず、例えば、本発明の合わせガラス用
中間膜をガラスに挟み込み、ガラス−合わせガラス用中
間膜積層体をゴムバックの中へ入れ、ゴムバック内を減
圧し、次に減圧したゴムバックを一定時間加熱した後、
合わせガラスを作製する方法等が挙げられる。
【0030】本発明の合わせガラスは、本発明の合わせ
ガラス用中間膜を用いることにより、オートクレーブを
必要とすることなく、減圧又は真空脱気法のみで作製す
ることができ、残留気泡、残留エンボス等もなく極めて
外観が良好である。
【0031】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0032】(実施例1)ポリビニルブチラール樹脂
(平均重合度1700、残存アセチル基1mol%、ブ
チラール化度68mol%)100重量部に対し、可塑
剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘサ
ノエート(3GO)38重量部を添加混合し、押出機に
より溶融混練し、金型よりシート状に押し出して、厚さ
0.76mmのポリビニルブチラール樹脂シート(PV
Bシート)を得た。次いで、得られたPVBシートを5
0℃に保った状態で、一対のエンボスロールを用いて転
写温度110℃で凸型エンボスを付与し、更に、一対の
エンボスロールを用いて転写温度110℃で凹型エンボ
スを付与して、両面に微細な凹凸からなる多数のエンボ
ス模様が形成された合わせガラス用中間膜を作製した。
得られた合わせガラス用中間膜は、温度20℃〜25
℃、湿度25〜30%RHの雰囲気下に2時間放置して
調湿した。
【0033】次いで、2枚の透明な無機平板ガラスの間
に上記で得られた中間膜を挟み、合わせガラス構成体
(積層体)を所定温度に調節したゴムバックに入れ、ゴ
ムバック内の圧力−53.2KPa下で100℃まで昇
温し、100℃、−53.2KPa下で20分間保持し
た後に冷却、減圧解除を行い合わせガラスを作製した。
【0034】(実施例2)PVBシートの作製におい
て、ブチラール化度を65mol%のポリビニルブチラ
ール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法で合わ
せガラス用中間膜及び合わせガラスを作製した。
【0035】(実施例3)PVBシートの作製におい
て、ブチラール化度を71mol%のポリビニルブチラ
ール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法で合わ
せガラス用中間膜及び合わせガラスを作製した。
【0036】(比較例1)凸型エンボスの転写温度を1
30℃、凹型エンボスの転写温度を130℃としたこと
以外は実施例1と同様の方法で合わせガラス用中間膜及
び合わせガラスを作製した。
【0037】(比較例2)凸型エンボスの転写温度を7
0℃としたこと以外は実施例1と同様の方法で合わせガ
ラス用中間膜及び合わせガラスを作製した。
【0038】(比較例3)凹型エンボスの転写温度を1
30℃としたこと以外は実施例1と同様の方法で合わせ
ガラス用中間膜及び合わせガラスを作製した。
【0039】(比較例4)凹型エンボスの転写温度を7
0℃としたこと以外は実施例1と同様の方法で合わせガ
ラス用中間膜及び合わせガラスを作製した。
【0040】実施例1〜3及び比較例1〜4で作製した
合わせガラス用中間膜について40℃及び100℃処理
前後のエンボス形状の変化率、及び、作製した合わせガ
ラスの外観を下記の方法により評価した。結果を表1に
示した。
【0041】(エンボス形状の変化率)温度20℃〜2
5℃、湿度25〜30%RHの雰囲気下に2時間放置し
て調湿した合わせガラス用中間膜の両面について、十点
平均粗さ及び溝深さを測定した。次いで、40℃及び1
00℃の温度に設定したオープン中に合わせガラス用中
間膜を20分間放置した後、自然状態で室温にまで温度
を下げ、温度20℃〜25℃、湿度25〜30%RHの
雰囲気下に2時間放置して調湿してから十点平均粗さ及
び溝深さを測定し、加熱前後のエンボス形状の変化率を
算出した。なお、十点平均粗さの測定は、デジタル型の
触針電気式表面粗さ測定器(小坂研究所社製、SE−2
000)により、円錐状の触針(先端曲率半径5μm、
頂角90°)を用い、JIS B 0601に基づいて
行った。また、溝深さの測定は、一般型取り用シリコー
ンRTV KE−20(信越化学社製)を用いて中間膜
のエンボスの陰原型をとり、この陰原型について図1に
示した楔状の触針(先端幅1000μm、対面角90
°)を用い、この触針を先端幅に対して直交する方向に
移動させ、JIS B 0601に基づいて測定した。
【0042】(合わせガラスの外観の評価)以下の基準
により評価をおこない、作製した10枚の合わせガラス
中の合格数を計数した。 合格:合わせガラスの全面にわたり優れた透明性を有し
ており、外観上、問題がなかった。 不合格:合わせガラスの一部分に脱気不良又は凹型エン
ボスの形状が残存しており、外観上、問題があった。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、オートクレーブを必要
とすることなく、減圧又は真空脱気法のみで合わせ加工
を行うことが可能であり、かつ、優れた透明性、接着
性、耐貫通性、耐候性等の合わせガラスとして必要な諸
物性を発現し得る合わせガラス用中間膜及び合わせガラ
スを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において溝深さの測定に用いた触針を示
す模式図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂シートの両面に刻線状の凹
    部及び凸部からなるエンボスが形成された合わせガラス
    用中間膜であって、少なくとも片面に形成されたエンボ
    スについて、20〜30℃の温度で測定した凸部の十点
    平均粗さを基準にして、30〜40℃、10〜20分間
    の熱履歴をかけた前後の十点平均粗さの変化率が20%
    以下であり、80〜100℃、10〜20分間の熱履歴
    をかけた前後の十点平均粗さの変化率が40%以上であ
    り、かつ、20〜30℃の温度で測定した凹部の溝深さ
    を基準にして、30〜40℃、10〜20分間の熱履歴
    をかけた前後の溝深さの変化率が20%以下であり、8
    0〜100℃、10〜20分間の熱履歴をかけた前後の
    溝深さの変化率が40%以上であることを特徴とする合
    わせガラス用中間膜。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の合わせガラス用中間膜を
    用いてなることを特徴とする合わせガラス。
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