JP2003284267A - 多極磁石体およびその製造方法 - Google Patents

多極磁石体およびその製造方法

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JP2003284267A
JP2003284267A JP2002079869A JP2002079869A JP2003284267A JP 2003284267 A JP2003284267 A JP 2003284267A JP 2002079869 A JP2002079869 A JP 2002079869A JP 2002079869 A JP2002079869 A JP 2002079869A JP 2003284267 A JP2003284267 A JP 2003284267A
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magnetic pole
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Fumiaki Hasegawa
文昭 長谷川
Yasuhiro Matsumoto
保浩 松本
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Daido Electronics Co Ltd
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Daido Electronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着磁ヨークの極間ピッチに制約されることな
く磁極の極間ピッチを十分に小さくする。 【解決手段】 軟磁性材よりなる構造体1の表面に間隔
をおいて形成された複数の凹所13と、これら凹所13
内に流動性の永久磁石材を充填して形成され、同一磁極
に着磁された着磁面2aを構造体1の表面側に位置させ
た永久磁石2とを具備し、かつ永久磁石2により形成さ
れる磁束によって、隣り合う永久磁石2の間に位置する
構造体1の表面12aにこれら永久磁石2の着磁面2a
の磁極とは逆極性の磁極を誘起させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多極磁石体およびそ
の製造方法に関し、特に、モータや回転センサ等のロー
タやステータに好適に使用できる多極磁石体およびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】モータや回転センサ等のロータやステー
タには、S極とN極が周面に交互に着磁された多極磁石
体が使用され、磁極の極間ピッチを小さくして極数を増
した方がモータの滑らかな回転が可能となり、また回転
センサでは分解能を向上させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の多極磁
石体は、永久磁石体に対して、着磁ヨークの互いに隣接
した着磁コイルによって交互に逆方向の磁束を与えるこ
とによりS極とN極を交互に着磁したものであるため、
着磁された磁極の極間ピッチは着磁ヨークの極間ピッチ
(着磁コイルピッチ)に対応したものとなって1mm前
後が限度であり、小型モータのステータ等ではより滑ら
かな回転を可能とするような十分な極数を形成すること
が困難であるという問題があった。
【0004】そこで、本発明はこのような課題を解決す
るもので、着磁ヨークの極間ピッチに制約されることな
く磁極の極間ピッチを十分に小さくできる多極磁石体お
よびその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本第1発明に係る多極磁石体は、軟磁性材よりなる
構造体(1)の表面に間隔をおいて形成された複数の凹
所(13)と、これら凹所(13)内に流動性のある永
久磁石材を充填して形成され、同一磁極に着磁された着
磁面(2a)を構造体(1)の表面側に位置させた永久
磁石(2)とを具備し、かつ永久磁石(2)により形成
される磁束によって、隣り合う永久磁石(2)の間に位
置する構造体(1)の表面(12a)にこれら永久磁石
(2)の着磁面の磁極とは逆極性の磁極を誘起させたも
のである。ここで「永久磁石」には着磁前のものも含ま
れる。
【0006】本第1発明によれば、構造体の表面にN極
とS極が交互に並んだ多極磁石体が得られるとともに、
永久磁石の設置ピッチを小さくすれば、これに応じて磁
極の極間ピッチも小さくできるから、従来のように着磁
ヨークの極間ピッチに制約されることなく、磁極の極間
ピッチを十分に小さくすることができる。そして、本第
1発明においては、ボンド磁石材のような流動性のある
永久磁石材を射出等によって凹所内に充填したことによ
り、磁極の極間ピッチが十分に小さい多極磁石体を容易
に得ることができる。多極磁石体は円筒状の内周面ある
いは外周面がN極S極となる場合、または平板の一面が
N極S極になる場合がある。
【0007】本第2発明に係る多極磁石体の製造方法で
は、軟磁性材よりなる構造体(1)の表面に間隔をおい
て凹所(13)を形成するともに、これら凹所(13)
内に流動性のある永久磁石材を充填して各凹所(13)
内に永久磁石(2)を形成し、構造体(1)の表面に露
出する永久磁石(2)の側面(2a)に同一磁極を着磁
して、永久磁石(2)により形成される磁束によって、
これら永久磁石(2)の間に位置する構造体(1)の表
面(12a)に永久磁石(2)の側面(2a)の磁極と
は逆極性の磁極を誘起させる。本第2発明においても本
第1発明と同様の効果が得られる。
【0008】本第3発明では、上記構造体(1)は円筒
状のもので筒内周面に上記凹所(13)が形成され、射
出金型(4)とは分離された芯金(33)を構造体
(1)の筒内に挿入して凹所(13)の開放口を閉鎖し
た状態で構造体(1)を射出金型(4)内にセットし、
射出金型(4)内で永久磁石材を凹所(13)内に射出
充填した後、芯金(33)と共に永久磁石が一体成形さ
れた構造体(1)を射出金型(4)から取り出し、放冷
後に芯金(33)を構造体(1)の筒内から抜き出す。
【0009】本第3発明によれば、小型のモータや回転
センサ等のロータやステータとして使用できる円筒状の
多極磁石体を容易に製造できるとともに、多極磁石体は
十分な極数が保証されるから、モータの滑らかな回転
や、回転センサの分解能向上を実現することができる。
この場合、筒内周面に形成された凹所内に射出された永
久磁石材が放冷過程の収縮によって凹所の開放口からは
み出すおそれがあるが、上記開放口は放冷後まで芯金に
よって閉鎖されているから、開放口からの永久磁石材の
はみ出しは効果的に防止される。
【0010】本第4発明では、上記構造体(1)を挟ん
で軸方向の両側に着磁コイル(53)を設けて、これら
着磁コイル(53)を同一極性で対向させて、構造体
(1)にその径方向の一方から他方へ向かう磁束を与え
ることにより永久磁石(2)の側面(2a)に同一磁極
を着磁する。
【0011】本第4発明においては、円筒状の多極磁石
体を構成する各永久磁石の側面に同一磁極を容易に着磁
することができる。
【0012】なお、上記カッコ内の符号は、後述する実
施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】図1〜図3にはモータステータと
して使用される多極磁石体の一例を示し、図1は多極磁
石体の斜視図、図2は多極磁石体の横断面図、図3は多
極磁石体の縦断面図である。多極磁石体の構造体1は略
円筒体で、実際には図3に示すように鉄板や珪素鋼板等
の軟磁性材よりなる一定厚の板体11を多数枚積層して
構成されている。構造体1の内周面には両開口部を除い
て、軸方向へ延びる突条12(図2)が周方向へ一定間
隔をおいて形成されており、これら突条12の間に略矩
形断面の溝条13が形成されている。そして、構造体1
の両開口縁から各溝条13内へ流動性の永久磁石材が射
出成形により充填されて永久磁石2が形成されている。
上記永久磁石材としては、希土類磁石紛に樹脂材や添加
剤を混合した、いわゆるボンド磁石材が好適に使用でき
る。各溝条13内に形成された永久磁石2はその内側面
2aが、隣接する構造体1の突条12の頂面12aに連
続して筒内周面を構成している。
【0014】図1の磁石体において構造体1に永久磁石
2を射出成形する際には例えば以下のような手順で行
う。図4に示すようにセット治具31上に、その中心穴
311に筒開口を一致させて構造体1を載置し、ハンド
プレス3のハンドル34を操作してスライダ32を下降
させて、その下面に突設した押しピン321によって構
造体1の筒内に丸棒状の芯金33を圧入する。これによ
り、各溝条13(図2参照)の開放口が閉鎖される。芯
金33を圧入した後、スライダ32を上昇させて芯金3
3が圧入された構造体1を取り出し(図5)、これを射
出成形型4内にセットする(図6)。そして、構造体1
の外周に接する下型41内の補助型411,412と上
型42内の補助型421とが形成する型空間内に、ゲー
ト422を経て永久磁石材を射出して、構造体1に永久
磁石2を一体成形する。
【0015】成形型4を開いた後、永久磁石2が一体に
成形された構造体1は図7に示すように、下型41内に
設けたエジェクタピン413によって押し上げられて型
外へ取り出される。ここで、溝条13内に射出された永
久磁石材は構造体1の開口縁で環状に成形されているた
めにその放冷過程で収縮すると溝条13の開放口から構
造体1の筒内へはみ出すおそれがある。ここにおいて本
実施形態では芯金33によって溝条13の開放口が閉鎖
されているから上記はみ出しが効果的に防止される。
【0016】射出成形型4から取り出された構造体1は
室温まで放冷される。放冷完了後に構造体1と一体の芯
金33は、図8に示すように、大径の中心穴351を有
するセット治具35上に設置されたセット治具36の中
心穴361内に挿入される。この状態で、ハンドプレス
3のスライダ32が下降させられて、その押しピン32
1によって芯金33が構造体1から下方の中心穴351
内へ脱出させられる(図9)。芯金33を脱出させた構
造体1は図10に示すような着磁治具5に装着されて永
久磁石2への着磁がなされる。
【0017】着磁治具5は開放口を上下に対向させた一
対の円形容器状ヨーク体51,52を備えており、各ヨ
ーク体51,52内には中心部に着磁コイル53が配設
されている。永久磁石2を一体に形成した構造体1には
その筒内に円柱形の補助ヨーク54が挿入されととも
に、構造体1の外周には円環状のバックヨーク55が配
設され、これらを下側ヨーク体52内に挿置して上側ヨ
ーク体51を衝合する。この状態で、両着磁コイル53
は構造体1を挟んでその軸方向(図10の上下方向)の
両側に位置する。そして、着磁コイル53の対向する側
に同一極性(本実施形態ではS極)が現れるように各着
磁コイル53に通電すると、着磁コイル53によって生
じる磁束は図10の矢印で示すように、構造体1が位置
する領域ではその径方向外方から内方へ向かうものとな
る。この磁束を図11の実線矢印で示し、これによっ
て、各溝条13内に形成された永久磁石2の内側面2a
は全てN極に着磁される。着磁治具5から取り出された
多極磁石体では、着磁された上記各N極により生じる磁
束(図11の破線)によって、隣り合う永久磁石2の間
に位置する構造体1の、各突条12の頂面12aにS極
が誘起される。これにより、筒内周面の周方向へN極と
S極が交互に並んだ多極磁石体が得られる。
【0018】本発明の製造方法が適用される多極磁石体
は筒状である必要は無く、円柱形でその外周面に磁極が
形成されたものでも良い。あるいは平板状でその表面に
磁極が形成されたものであっても良い。
【0019】
【発明の効果】以上のように、本発明の多極磁石体およ
びその製造方法によれば、着磁ヨークの極間ピッチに制
約されることなく磁極の極間ピッチを十分に小さくする
ことができ、モータの滑らかな回転や、回転センサの分
解能の向上を図ることができるとともに、磁極の極間ピ
ッチが十分に小さい多極磁石体を、ボンド磁石材のよう
な流動性の永久磁石材の射出成形等によって容易に製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す多極磁石体の斜視図
である。
【図2】多極磁石体の横断面図である。
【図3】多極磁石体の縦断面図で、図2のIII−III線に
沿った断面図である。
【図4】永久磁石の成形工程を示すハンドプレスの側面
図である。
【図5】永久磁石の成形工程を示すハンドプレスの側面
図である。
【図6】永久磁石の成形工程を示す成形型の断面図であ
る。
【図7】永久磁石の成形工程を示す成形型の断面図であ
る。
【図8】永久磁石の成形工程を示すハンドプレスの側面
図である。
【図9】永久磁石の成形工程を示すハンドプレスの側面
図である。
【図10】永久磁石への着磁を行う着磁治具の概略断面
図である。
【図11】多極磁石体の着磁状態を示す概略横断面図で
ある。
【符号の説明】
1…構造体、12…突条、12a…頂面、13…溝条、
2…永久磁石、2a…内側面、33…芯金、53…着磁
コイル。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟磁性材よりなる構造体の表面に間隔を
    おいて形成された複数の凹所と、これら凹所内に流動性
    のある永久磁石材を充填して形成され、同一磁極に着磁
    された着磁面を前記構造体の表面側に位置させた永久磁
    石とを具備し、かつ前記永久磁石により形成される磁束
    によって、隣り合う前記永久磁石の間に位置する前記構
    造体の表面にこれら永久磁石の着磁面の磁極とは逆極性
    の磁極を誘起させたことを特徴とする多極磁石体
  2. 【請求項2】 軟磁性材よりなる構造体の表面に間隔を
    おいて凹所を形成するともに、これら凹所内に流動性の
    ある永久磁石材を充填して各凹所内に永久磁石を形成
    し、前記構造体の表面に露出する前記永久磁石の側面に
    同一磁極を着磁して、前記永久磁石により形成される磁
    束によって、これら永久磁石の間に位置する前記構造体
    の表面に前記永久磁石の側面の磁極とは逆極性の磁極を
    誘起させるようにしたことを特徴とする多極磁石体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記構造体は円筒状のもので筒内周面に
    前記凹所が形成され、射出金型とは分離された芯金を前
    記構造体の筒内に挿入して前記凹所の開放口を閉鎖した
    状態で前記構造体を前記射出金型内にセットし、射出金
    型内で永久磁石材を前記凹所内に射出充填した後、前記
    芯金と共に永久磁石が一体成形された前記構造体を前記
    射出金型から取り出し、放冷後に前記芯金を前記構造体
    の筒内から抜き出すようにした請求項2に記載の多極磁
    石体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記構造体を挟んで軸方向の両側に着磁
    コイルを設けて、これら着磁コイルを同一極性で対向さ
    せて、前記構造体にその径方向の一方から他方へ向かう
    磁束を与えることにより前記永久磁石の側面に同一磁極
    を着磁するようにした請求項2又は3に記載の多極磁石
    体の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005295774A (ja) * 2004-04-05 2005-10-20 Nidec Shibaura Corp モータの回転子
WO2009039734A1 (fr) * 2007-09-28 2009-04-02 Shenzhen Tianxingjun Enterprise Ltd. Composant de surface à aimant permanent et système de connexion magnétique utilisant le composant de surface à aimant permanent
JP2010068709A (ja) * 2008-09-08 2010-03-25 Johnson Electric Sa 電気モータ
US10224793B2 (en) 2012-05-16 2019-03-05 Mitsubishi Electric Corporation Magnet-type power generator and method of manufacturing the same

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