JP2003283282A - 電極を有する電子部品、及びその製造方法、通信装置 - Google Patents

電極を有する電子部品、及びその製造方法、通信装置

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JP2003283282A
JP2003283282A JP2002327448A JP2002327448A JP2003283282A JP 2003283282 A JP2003283282 A JP 2003283282A JP 2002327448 A JP2002327448 A JP 2002327448A JP 2002327448 A JP2002327448 A JP 2002327448A JP 2003283282 A JP2003283282 A JP 2003283282A
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electronic component
electrode
oxide substrate
manufacturing
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JP2002327448A
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Osamu Shibata
治 柴田
Hiroki Watanabe
寛樹 渡辺
Masaru Yada
優 矢田
Kenji Sakaguchi
坂口  健二
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 挿入損失を低減できると共に、各平衡信号端
子間の平衡度を改善した弾性表面波装置及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】 加熱を用いて封止されるパッケージ内
に、すだれ電極部31、32、33を圧電基板11上に
有する弾性表面波フィルタ12が封止する。上記すだれ
電極部31、32、33は、圧電基板11上に成膜され
た第一金属層1と、第一金属層1上に成膜された、アル
ミニウムを主とする第二金属層2とを備える。第一金属
層1は、チタン、クロム、銅、ニッケル及びマグネシウ
ムよりなる群から選択された少なくとも一種を主とする
ものである。第一金属層1の圧電基板11側には酸素拡
散層が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遅延線、フィルタ
等に用いられる弾性表面波装置等の電極を有する電子部
品及びその製造方法、並びに上記電子部品を有する通信
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、近年の携帯電話機等の通信装置の
小型化、軽量化に対する技術的進歩は目覚しいものがあ
る。これを実現するための手段として、各構成部品の削
減、小型化はもとより、複数の機能を複合した電子部品
の開発も進んできた。
【0003】このような状況を背景に、携帯電話機のR
F段に、通過帯域が高くなるほど小型化が可能な、電子
部品としての弾性表面波フィルタ(以下、SAWフィル
タという)が使用されるようになっている。SAWフィ
ルタは、圧電基板上に、アルミニウム等の導電体からな
る、複数のすだれ電極部(Inter-Digital Transducer、
以下、IDTという)と反射器(リフレクタ)といった
各電極を形成したものである。
【0004】また、SAWフィルタに不平衡型−平衡型
変換機能、いわゆるバラン(balun)機能を付加したもの
も近年盛んに研究され、GSM方式(Global System fo
r Mobile communications)などを中心に使用されるよう
になってきた。バランとは、平行二線式フィーダのよう
な平衡線路と同軸ケーブルのような不平衡線路とを直接
接続すると、不平衡電流が流れ給電線(フィーダ)自体
がアンテナとして動作してしまい望ましくないので、不
平衡電流を阻止し、平衡線路と不平衡線路とを整合する
回路をいう。
【0005】また、不平衡型−平衡型変換機能を有する
SAWフィルタの場合、通過帯域内における平衡側の振
幅平衡度が0、位相平衡度が180°(合わせて以下バ
ランス性)となることが理想である。
【0006】このような不平衡型−平衡型変換機能を有
するSAWフィルタを備えた弾性表面波装置(以下、S
AWデバイスという)は、近年、チップ型のSAWフィ
ルタをセラミック製のパッケージ内に収納して封止する
形態が一般的になってきている。セラミック製のパッケ
ージの封止方法には、はんだ封止やシーム溶接が用いら
れている。
【0007】
【特許文献1】特開平9−135143号公報(公開日
1997年5月20日)
【0008】
【特許文献2】特開平7−74572号公報(公開日1
995年3月17日)
【0009】
【特許文献3】特開平5−206776号公報(公開日
1993年8月13日)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の封止方法では、封止したSAWデバイスにおいて、い
くつかの要因のためにバランス性は理想通りにならず、
劣化することが多いという問題を有している。
【0011】つまり、上記封止時には、SAWフィルタ
は加熱される。一方、SAWフィルタのIDTや反射器
の材質は純アルミあるいはアルミを主とした合金であ
る。よって、IDTや反射器を有するSAWフィルタ
は、封止時の加熱により電気特性が劣化することがあ
る。特にはんだ封止の場合、収納されているSAWフィ
ルタ自身の温度上昇が300℃以上と大きく、特性劣化
も大きいため改善方法が検討されている。
【0012】また、不平衡型−平衡型変換機能を有する
SAWデバイスの場合、封止時の特性劣化によりバラン
ス性も変化する。この不平衡型−平衡型変換機能を有す
るSAWデバイスの場合、バランス性の劣化は致命的と
なるため、特に特性改善が望まれている。
【0013】本発明の目的は、高温の処理によっても特
性劣化が抑制され、耐電力性を備えた、SAWデバイス
といった電極を有する電子部品、その製造方法、及び上
記電子部品を有する通信装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の電極を有する電
子部品は、上記課題を解決するために、酸化物基板上
に、電極を有する電子部品において、上記電極は、酸化
物基板上に形成された第一金属層と、該第一金属層上に
形成された、アルミニウムを主とする第二金属層とを備
え、第一金属層は、チタン、銅、クロム、ニッケル及び
マグネシウムよりなる金属群から選択された少なくとも
一種を主とするものであると共に、酸化物基板と接する
部分に酸素拡散層を有していることを特徴としている。
【0015】本発明の電極を有する他の電子部品は、上
記課題を解決するために、酸化物基板上、電極を有する
電子部品において、上記電極は、酸化物基板上に形成さ
れ、、酸素が拡散している酸素拡散層を有する第一金属
層と、該第一金属層上に形成された、アルミニウムを主
とする第二金属層とを備え、第一金属層は、チタン、
銅、クロム、ニッケル及びマグネシウムよりなる金属群
から選択された少なくとも一種を主とするものであるこ
とを特徴としている。
【0016】上記電子部品では、酸素拡散層は、酸化物
基板からの酸素が拡散したことによるものであることが
好ましい。
【0017】上記構成によれば、アルミニウムを主とす
る第二金属層と酸化物基板との間に、酸素拡散層を挟ん
で形成することで、高温処理によっても特性劣化を抑制
できると共に、耐電力性も向上できる。
【0018】上記電子部品においては、第一金属層の膜
厚が、電極の全体の膜厚の1%以上、8%以下であるこ
とが望ましい。上記構成によれば、酸素拡散層を有する
第一金属層を第二金属層と酸化物基板との間に挟むこと
により、挿入損失を回避しながら、高温処理による特性
劣化を抑制できると共に、耐電力性も向上できる。
【0019】上記電子部品では、酸化物基板は、弾性表
面波装置用の圧電基板であり、電極は、弾性表面波装置
用のすだれ電極部であってもよい。
【0020】上記電子部品においては、すだれ電極部
が、不平衡型−平衡型変換機能を有するように設けられ
ていてもよい。上記構成によれば、特性劣化を抑制でき
るから、バランス性を改善できる。
【0021】上記電子部品においては、電極を有する酸
化物基板を収納するパッケージが、上記酸化物基板を加
熱を用いて封止するように設けられていてもよい。
【0022】上記電子部品では、パッケージを封止する
ための封止部がはんだ封止部であってもよい。
【0023】上記電子部品では、パッケージを封止する
ための封止部が溶接封止部であってもよい。
【0024】上記構成によれば、パッケージを封止する
ときの加熱により、高温状態(300℃程度までの)と
なっても、特性劣化を抑制できると共に、耐電力性も向
上できる。
【0025】本発明の通信装置は、前記の課題を解決す
るために、上記電子部品の何れかを有することを特徴と
している。上記構成によれば、特性劣化が抑制されると
共に、耐電力性も向上した電子部品を有することで、伝
送特性や耐久性の改善が可能となる。
【0026】本発明の電子部品の製造方法は、前記の課
題を解決するために、酸化物基板上に、チタン、銅、ク
ロム、ニッケル及びマグネシウムよりなる金属群から選
択された少なくとも一種を主とする第一金属層を形成
し、上記第一金属層上に、アルミニウムを主とする第二
金属層を形成し、上記酸化物基板、第一金属層及び第二
金属層を加熱し、酸化物基板側の第一金属層の少なくと
も一部に、酸素が拡散した酸素拡散層を形成して、第一
金属層及び第二金属層を有する電極を形成することを特
徴としている。
【0027】上記電子部品の製造方法では、第一及び第
二金属層を有する電極を形成した酸化物基板をパッケー
ジ内に収納し、上記パッケージを封止するときに、上記
酸化物基板及び電極を加熱して、電極を形成してもよ
い。
【0028】上記方法によれば、酸化物基板と第二金属
層との間に第一金属層を挟むことで、例えば電子部品を
パッケージに対しはんだやシーム溶接により封止すると
きの熱によって、酸素拡散層を形成することができる。
したがって、上記方法では、酸素拡散層を簡便に形成で
きることにより、高温処理によっても特性劣化を抑制で
きると共に、耐電力性も向上できる電子部品を簡便に製
造できる。
【0029】上記電子部品の製造方法においては、酸化
物基板は、弾性表面波装置用の圧電基板であり、第一及
び第二金属層により、弾性表面波装置用の複数のすだれ
状電極形状部と、各すだれ状電極形状部間を電気的に接
続する接続部とを上記圧電基板上に形成し、圧電基板、
第一金属層及び第二金属層をアニールして、すだれ状電
極形状部からすだれ状電極を形成し、接続された各すだ
れ状電極間を電気的に絶縁状態とするように、上記接続
部の少なくとも一部を除去してもよい。
【0030】上記方法によれば、アニールにより、アル
ミニウムを主とする第二金属層の配向性を向上でき、ま
た比抵抗を低下させることができて、特性バラツキを抑
えることができる。また、上記方法では、アニールする
とき、各すだれ状電極形状部間は接続部により電気的に
接続されているので、アニールによる焦電破壊を回避で
きて、優れた特性を有する電子部品を安定に製造でき
る。
【0031】上記電子部品の製造方法では、上記アニー
ルを、圧電基板がウェハ状態において行ってもよい。
【0032】上記電子部品の製造方法においては、上記
アニールを300℃以下の大気中で行ってもよい。
【0033】上記電子部品の製造方法では、上記アニー
ルを350℃以下の窒素雰囲気中で行ってもよい。
【0034】上記電子部品の製造方法においては、上記
アニールを真空中で行ってもよい。
【0035】上記電子部品の製造方法では、上記複数の
すだれ状電極形状部を、不平衡型−平衡型変換機能を形
成するように設けてもよい。
【0036】上記電子部品の製造方法においては、第一
金属層は、チタンを主とするものであってもよい。
【0037】上記電子部品の製造方法では、酸素拡散層
に拡散する酸素は、酸化物基板由来のものであることが
好ましい。
【0038】上記電子部品の製造方法においては、第一
金属層及び第二金属層を酸化物基板上にリフトオフ法に
より形成することが望ましい。
【0039】上記方法によれば、リフトオフ法により形
成すると、第一金属層が形成されないスペース部の結晶
性を乱さないという利点を発揮できる。つまり、エッチ
ング法では、まず酸化物基板上の全面に第一金属層を形
成し、続いてフォトリソグラフィー法によって、第一金
属層の必要な部分上にフォトレジスト層を残した後、フ
ォトレジスト層の無い、第一金属層の不要部分をエッチ
ング法により除去していた。このため、エッチング法に
おいては、エッチング時の熱により、第一金属層が全面
にて当接している酸化物基板の全面に対してダメージが
残ることがあった。
【0040】しかしながら、上記の本発明の方法では、
必要な部分にのみ第一金属層が酸化物基板に当接し、不
要な部分ではフォトレジスト層が介在しているため、エ
ッチング法と比べて、スペース部のダメージを軽減でき
る。
【0041】
【発明の実施の形態】発明の実施の各形態について図1
ないし図28に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。本実施の形態では、電極を有する電子部品であるS
AWデバイスとしてPCS(Personal Communication Sy
stem) 受信用フィルタを例にとって説明する。PCS受
信用フィルタにおける通過帯域の周波数範囲は1930
MHz〜1990MHzである。
【0042】本発明に係る実施の形態のSAWデバイス
では、図2に示すように、LiTaO3やLiNbO3
らなる圧電基板(酸化物基板)11上に形成された、縦
結合共振子型のSAWフィルタ12を封止して収納する
パッケージ13が設けられている。
【0043】パッケージ13は、箱状のアルミナ等の絶
縁体セラミックスからなっており、長方形状の底板部で
ある実装基板13aと、実装基板13aの四周辺部から
それぞれ立設された各側壁部13bと、各側壁部13b
により形成される開口を覆って塞ぐキャップ部13cと
を有している。
【0044】パッケージ13では、キャップ部13cの
形成前に、実装基板13aの内表面(SAWフィルタ1
2の搭載面)上にSAWフィルタ12を、例えばバンプ
14を用いたバンプボンディングによりSAWフィルタ
12が電気的に、かつ機械的に結合されている。
【0045】このため、実装基板13aの内表面上に
は、バンプボンディング用の配線パターン部13dが設
けられており、実装基板13aの外表面(内表面の反対
面)上には、図示しないが、配線パターン部13dにス
ルーホール等を介して接続される外部端子が形成されて
いる。
【0046】このようにSAWフィルタ12を搭載し
た、キャップ部13cの形成前のパッケージ13に対
し、キャップ部13cを各側壁部13b上に、例えばは
んだ封止によりはんだ封止部13eを形成して、パッケ
ージ13における封止が完了する。上記では、はんだ封
止によるはんだ封止部13eを形成した例を挙げたが、
上記に限定されることはなく、はんだ封止部13eに代
えて、例えばシーム溶接によるシーム封止部を形成して
パッケージ13を封止してもよい。
【0047】次に、SAWフィルタ12について説明す
る。SAWフィルタ12には、図1(a)及び図3に示
すように、圧電基板11上に、中央のIDT(電極)3
2を弾性表面波の伝搬方向に沿って両側から挟み込むよ
うに各IDT(電極)31、33がそれぞれ形成され、
さらに、それらの両側に各反射器(電極)4、4がそれ
ぞれ形成されている。
【0048】圧電基板11の素材としては、例えば40
±5°YcutX伝搬LiTaO3が用いられている
が、これに限定されるものではなく、酸素を含むアルミ
ナのような酸化物であればよい。
【0049】IDTは、帯状の基端部(バスバー)と、
その基端部の一方の側部から直交する方向に延びる複数
の、互いに平行な帯状の電極指とを備えた電極指部を2
つ備えており、上記各電極指部の電極指の側部を互いに
対面するように互いの電極指間に入り組んだ状態にて上
記各電極指部を有するものである。
【0050】よって、IDTでは、2つの電極指部に対
し各基端部(バスバー)を介して入力電気信号に基づく
電位差が生じると、その部分の圧電基板11の表面上に
弾性表面波が発生し、その弾性表面波は各電極指の幅方
向(各電極指の長手方向に対し直交する方向)の双方向
に圧電基板11の表面上を伝搬する。一方、電気信号が
入力されていないIDTでは、伝搬してきた弾性表面波
により圧電基板11の表面上に発生した電位差を各電極
指によって検出し、出力電気信号に変換して出力でき
る。
【0051】このようなIDTでは、各電極指の長さや
幅、隣り合う各電極指の間隔、互いの電極指間での入り
組んだ状態の対面長さを示す交叉幅を、それぞれ設定す
ることにより信号変換特性や、通過帯域の設定が可能と
なっている。上記各反射器は、伝搬してきた弾性表面波
を反射するためのものであり、帯状の一対の基端部(バ
スバー)と、それら基端部の一方の側部から直交する方
向にそれぞれ延びて、上記各基端部を電気的に接続す
る、複数の、互いに平行な帯状の電極指とを備えたもの
である。
【0052】また、図3に示すように、SAWフィルタ
12は、IDT32の各電極指32a、32bにそれぞ
れ接続された各平衡端子5、6と、各IDT31、33
の一方の各電極指31a、33aに接続された不平衡端
子7とを備えている。各IDT31〜33は、図1に示
すように、各電極指31a、31b、32a、32b、
33a、33bにそれぞれ接続された各電極パッド部3
1c、31d、32c、32d、33c、33dを圧電
基板11上に有している。
【0053】そして、本実施の形態では、各IDT31
〜33や、各反射器4、4は、電極として、図1(b)
及び図4に示すように、リフトオフ法等によって形成さ
れた、互いに異なる素材が互いに積層された多層構造の
各金属層(箔)により形成されている。
【0054】すなわち、各IDT31〜33や、各反射
器4、4においては、圧電基板11上の第一金属層1
は、膜厚が例えば10nmのチタン(Ti)を主とする
金属からなり、第一金属層1上に積層された第二金属層
2は、膜厚が例えば133nmのアルミニウム(Al)
を主とする金属、例えば1重量%の銅(Cu)を含有し
たAl合金からなっている。また、反射器4についても
同様の多層構造にて形成されている。
【0055】さらに、第一金属層1は、アニール等の加
熱によって、図示しないが、圧電基板11に当接してい
る側に、酸素拡散チタン層(酸素拡散層)と、上記酸素
拡散チタン層以外の部分にチタン層(酸素非拡散層)と
を互いに積層させて有している。
【0056】図3は本実施の形態に用いた、不平衡−平
衡型変換機能を有するSAWフィルタの一例を表わして
いる。設計内容については以下の通り。 設計内容 反射器本数:100 IDT本数:中央25/両側16 交叉幅 :125μm 電極指線幅:0.6μm 電極指間隔:0.4μm 中心周波数:1960MHz 以下に、本発明の作用・効果について説明する。SAW
デバイスの電極材料としてはAlを主とした金属を用い
ることが一般的である。しかし、Alを主とする合金か
らなる電極材だけで構成された従来のSAWデバイスで
は、加熱を要する加工プロセス時(例えば、封止プロセ
ス時)に、SAWフィルタにおいて特性劣化が生じると
いう問題があった。
【0057】これに対し本実施の形態のようにAlを主
とする第二金属層2と圧電基板11との間に、Tiを主
とし、圧電基板11と当接している側に酸素拡散層とそ
の上にチタン層とを違いに積層させて有する第一金属層
1を挿入することによりこの特性劣化を緩和することが
できる。図5は本実施の形態において全金属層の厚さ
(第一金属層1厚+第二金属層2厚)に対する、第一金
属層1の厚さの比率を変化させたときの挿入損失の変化
に関する結果を表わしている。
【0058】通常、電極指の金属層がAlだけの状態か
ら、Tiを主とする第一金属層1の厚さを増やしていく
と、Tiの方がAlよりも電気抵抗(比抵抗率)が大き
いため挿入損失は劣化する。
【0059】しかし、第一金属層1を、1%以上、8%
以下とする範囲では、電気抵抗の増加による劣化よりも
材料定数の変化による影響が大きいため挿入損失は改善
されることが判った。また、第一金属層1を、0、1
%、3%、5%と変えて、1.9GHz帯の共振子フィ
ルタをそれぞれ作製し、耐電力性試験を加速試験(通常
使用時のパワーより強いパワーを印加する)にて行っ
た。その結果を図30に示した。図30に記載の、MT
TFは平均故障時間(h)である。電極を有する電子部
品に対する耐電力性の市場からのニーズ(規格)は、1
5dBmのパワーで1×103時間(h)以上である。
図30から明らかなように、第一金属層1が、1%以上
で、平均故障時間が大きくなって顕著に耐電力性が向上
していることが分かる。
【0060】これらの結果により、第一金属層1の厚さ
の好ましい範囲としては、下限値が、1%、より好まし
くは1.5%、さらに好ましくは3.0%、上限値が、
8%、より好ましくは7.6%、さらに好ましくは7.
0%である。本実施の形態では、Tiを主とする第一金
属層1の厚さを10nmとし、1重量%のCuを含有し
たAl合金の第二金属層2の厚さを133nmとして、
Ti金属層厚/全金属層厚[%]を7%としている。
【0061】また、図6及び図7は、本実施の形態にお
ける、はんだ封止前後の伝送特性及びバランス性(振幅
平衡度)をそれぞれ表しており、破線が封止前、実線が
封止後を表している。なお、はんだ封止は、350℃で
10分間の加熱処理を伴う。図6及び図7によれば、は
んだ封止前後における特性変化がほとんど無いことが判
る。
【0062】一方、図8及び図9はAlを主とする合金
のみによって電極指を作製した従来例での封止前後の伝
送特性及びバランス性(振幅平衡度)をそれぞれ表して
おり、破線が封止前、実線が封止後を表している。従来
例では封止後の特性が0.3dB低下していることが判
る。
【0063】不平衡型−平衡型変換機能を有するSAW
デバイスにおいては、通過帯域における振幅平衡度は0
dBに近いことが望まれている。本実施の形態でも従来
例でも振幅平衡度の特性は封止後悪化している。しか
し、従来例では0.2dBの劣化であるのに対し、本実
施の形態の変化量は0.05dBと従来例より改善され
ている。よって、本発明が封止時の加熱(300℃程度
までの加熱)による振幅平衡度の劣化の緩和に効果があ
ることが判る。
【0064】これは、図10ないし図13に示すよう
に、本発明では、アニール等の加熱によって、圧電基板
11に当接している側に、酸素拡散チタン層が形成さ
れ、該酸素拡散層とそれ以外の部分にチタン層とを互い
に積層させて有している。このような酸素拡散チタン層
はトラップとしての役割を果たしているので、Alを主
とする第二金属層2の酸化が抑制されていることが理由
である。図10及び図11では、Al合金を、酸化A
lを、酸素を、タンタルをにてそれぞれ示し、図
12及び図13においては、Tiを、タンタルを、
Alを、酸素をにて示した。
【0065】多層構造の各深さでの組成比については、
各金属層の膜厚が単一の組成の材料であれば、スパッタ
時間に比例することを利用して測定した。例えば図12
及び図13では、Al層が300nm、Ti層が100
nmであることが、蛍光X線法により測定されて分かっ
ており、そのことと図12及び図13の結果とからスパ
ッタレートを計算すると、Al:1.9nm/分、T
i:1.3nm/分となる。これにより、スパッタによ
って、多層構造の各深さでの組成比を測定できる。図1
0及び図11についても同様にして、多層構造の各深さ
での組成比を測定した。
【0066】つまり、第一金属層1を形成せずに、Al
を主とする第二金属層2のみを形成した場合、上述した
封止等の加熱処理前では、図10に示すように、表面側
のAlを主とする第二金属層2は、スパッタタイム(sp
utter time)10分から20分までのように、酸素が殆
ど検出されず殆ど酸化されていない部分を有するが、加
熱処理後においては、図11に示すように、第二金属層
2の全ての領域において、酸素が検出つまり酸化され
ていて、それにより特性が劣化していることが判る。
【0067】図11から、Alを主とする第二金属層2
の酸化の原因は、圧電基板(酸化物基板)11の酸素
が、封止時の加熱により、Alを主とする第二金属層2
に浸透したことによると考えられる。
【0068】図12は、圧電基板11上に、Tiを主と
する第一金属層1を形成し、更にその上にAlを主とす
る第二金属層2を形成した電極構造の場合の厚さ方向の
酸素分布を示す。この電極に275℃で1時間の熱処理
(アニール)を行ない、その電極の厚さ方向の酸素分布
を、図13に示す。図13から明らかなように、Tiを
主とする第一金属層1の圧電基板11と当接している部
分において、厚さ10nm以上(第一金属層1の全体に
対して膜厚10%以上)が酸素拡散チタン層になってい
る。この酸素拡散チタン層の酸素は、圧電基板11に含
有されていたものである。
【0069】このような電極を有するSAWフィルタ1
2を、350℃で10分間の加熱処理を伴う、はんだ封
止でパッケージに搭載したものの電極を分析したとこ
ろ、Alが酸化されておらず、特性が劣化しないことが
分かった。これは、熱処理(アニール)によって形成さ
れた酸素拡散チタン層が、圧電基板(酸化物基板)11
の酸素がAlを主とする第二金属層2を浸透することを
トラップとして防止したことによるものと考えられる。
なお、酸素拡散チタン層としては、Ti中に圧電基板1
1から酸素が浸透してきて保持されたものでもよいし、
Ti酸化物を構成するものでもよい。
【0070】ところで、従来の、酸化物基板上にTiを
下地として、その上にA1を形成した電極を有するSA
Wフィルタにおいても同様に、350℃で10分間の加
熱処理を伴う、はんだ封止でパッケージに搭載したもの
の電極を分析したところ、Alの酸化は起こらなかっ
た。
【0071】しかしながら、従来の酸化物基板上にTi
を下地として、その上にAlを形成した電極を有するS
AWフィルタを動作させたところ、図14の走査型電子
顕微鏡結果に示すように、圧電基板11上に形成され
た、交叉している各電極としての各電極指52a、52
bから多くのヒロックが発生していることが確認され
た。図14から、このような電極指のショートを誘発す
るようなヒロックは、電極指52a、52bの側面のボ
トム(圧電基板11との界面)から成長していることが
分かる。このような多くのヒロックの発生は、350℃
で10分間の加熱処理を伴う,はんだ封止でパッケージ
に搭載したものに限らず、約300度で数秒間の加熱処
理を伴うシーム溶接でパッケージに搭載したもの、約1
50度の加熱処理を伴うダイボンドでパッケージに搭載
したものにおいても、同様に確認された。
【0072】一方、本発明の熱処理(アニール)によっ
て形成された酸素拡散チタン層を有するSAWフィルタ
12を動作させたところ、図15の走査型電子顕微鏡結
果に示すように、圧電基板11上に形成された、交叉し
ている各電極としての各電極指52a、52bにおける
ヒロックの発生はほとんど確認されなかった。
【0073】このような本発明の効果は、動作時の電極
指において電界の集中する領域は、電極指のボトムとト
ップであることに起因すると考えられた。まず、動作時
の電極指において電界の集中する領域が、電極指のボト
ムとトップであることを示すために、圧電基板11上に
形成された、互いに隣り合う2本の電極指32a、32
bにプラスとマイナスの静電圧をそれぞれ印加したとき
の各電極指32a、32b周辺の電界分布を調べた(F
EM)。その結果(図16)から明らかなように、各電
極指32a、32b周辺の電界が集中する領域は、白く
示したトップとボトム、特にボトムであることが分か
る。また、金属表面の電荷分布は一様である。このた
め、電界分布は、そのまま静電応力分布を表している。
【0074】各電極指32a、32bに対する静電応力
が最も大きい場所は、各電極指32a、32bのボトム
であることは明らかである。この原因は、形状因子(尖
った部分に電界が集中し易い)と、圧電基板11の誘電
率が空気の約50倍と大きいことである。
【0075】よって、本発明のように、電極指において
最も応力の集中する領域から、Alを主成分とする第二
金属層2をできるだけ離すと共に、Tiより硬い、Ti
酸化物といった酸素拡散Ti層にて最も応力がかかる領
域をカバーすることにより、ボトムからのヒロック形成
を効果的に抑制できることが分かる。
【0076】その上、本発明の電極構造において、上層
にもTi層を形成することで、Alより硬い、Ti層や
酸素拡散Ti層にて、静電応力の集中している領域であ
る各電極指側面のボトム部分とトップ部分とを補強する
ことにより、さらに耐電力性や耐久性を改善できる。な
お、このような効果は、Ti以外に、Cu(銅)、Cr
(クロム)、Ni(ニッケル)及びMg(マグネシウ
ム)においても、それぞれ確認されている。
【0077】また、第一金属層1及び第二金属層2の形
成方法については、リフトオフ法が好ましい。これは、
図17に示すように、ドライエッチング法よりリフトオ
フ法の方が圧電基板11に対するダメージが前述したよ
うに少なく、両者のロス(ピークロス規格)を比較した
場合に、リフトオフ法の方がドライエッチング法より良
好となるからである。
【0078】なお、本実施の形態では、SAWフィルタ
12をパッケージ13に対しバンプボンディングした例
を挙げたが、上記に限定されることはなく、例えば、ワ
イヤボンディングを用いることもできる。
【0079】また、電極パッド部32d等の形成は、図
18(a)に示すように、電極パッド部32dの領域ま
で、電極指の第一金属層1及び第二金属層2の多層構造
を延ばし、その領域の多層構造上に、Alなどからなる
電極パッド部32dを形成するのが一般的である。しか
しながら、電極パッド部の電極構造をIDTと別にする
必要がある場合は、図18(b)に示すように、オーミ
ックコンタクトを図れるように端部にて当接させて別体
にて設けてもよい。
【0080】次に、アニールによる加熱処理を利用す
る、弾性表面波装置の製造方法について図19ないし図
29に基づいて説明する。
【0081】まず、SAWデバイスでは、前述したよう
にチップ型に成型したものをセラミック製のパッケージ
13に収納した形態が一般的となっている。このため、
パッケージ13の封止やSAWデバイスを製品基板へ取
り付ける際にSAWデバイスは300℃程度に加熱され
る。
【0082】また、SAWデバイスを製品基板へ取り付
ける際には、はんだなどを使用するため、リフロー時に
も加熱される。SAWデバイスはこれらの加熱により、
通過帯域の周波数変化などの特性変化を起こす。通常こ
の変動分を考慮して製品化するため、設計上の制約とな
っていた。
【0083】これに対し、前述の検討の結果、圧電基板
11上に、酸素拡散チタン層とチタン層とからなる第一
金属層1及び第二金属層2の多層構造を有するIDTを
用いることで、加熱プロセスによる特性変化が緩和でき
ることがわかってきた。
【0084】しかしながら、酸素拡散チタン層とチタン
層からなる第一金属層1及びAlを主成分とする第二金
属層2の電極構造では、封止時の加熱処理時の特性劣化
防止やSAWフィルタの動作時におけるヒロックの発生
防止に効果があるものの、SAWデバイスの製品基板に
取り付ける際の、はんだリフロー時の加熱による通過帯
域の周波数変化に関する製品ごとのバラツキによる歩留
まりの悪化という問題は依然としてあった。
【0085】従来、Al電極を使用したSAWフィルタ
において、アニールを行うことで、特性ばらつきが低減
できることが、特開平7−74572号公報、特開平5
−206776号公報などで知られている。
【0086】しかしながら、上述のように、LiTaO
3やLiNbO3などの圧電基板(酸化物基板)上にAl
電極を形成した場合は、加熱によって特性劣化がしやす
いという問題があった。また、SAWフィルタに用いら
れる、LiTaO3やLiNbO3などの圧電基板には焦
電性があること、近年の通過帯域の高周波化により電極
指間隔が狭くなっていることにより、昇温時、降温時に
電極指の放電破壊が発生することがあるので、容易に導
入することができなかった。また、加熱により、電極指
自体の酸化や変形もあるため、アニールの雰囲気につい
ても検討する必要があった。
【0087】そこで、チタン層からなる第一金属層1及
びAlを主成分とする第二金属層2の電極を形成した上
で、第一金属層1の圧電基板11と当接する部分に、酸
素拡散チタン層を形成するための加熱処理(アニール)
の条件を検討し、酸素拡散チタン層を形成すると同時に
製品バラツキの改善も行える方法を見出した。
【0088】まず、用いたSAWフィルタのIDT構造
は、図19に示すように、不平衡型−平衡型変換機能を
有するものである。端子41を不平衡端子として、端子
42、端子43を平衡端子として使用する構造をしてい
る。設計内容についてはおよそ表1の通り。表1では、
Tiは第一金属層1の厚さを示し、AlCuは、1重量
%のCuを含有するAl合金からなる第二金属層2の厚
さを示す。
【0089】
【表1】
【0090】上記SAWフィルタの製造方法は図20に
示すように、まず、ウェハ状態の圧電基板11上にID
T電極やリフレクタ電極をそれぞれ形成する(ステップ
1、以下、ステップをSと略記する)。上記方法におい
ては、IDT電極は、Tiを主とする第一金属層1、そ
の上にAlを主とする第二金属層2を成膜してなってい
る。また、放電による破壊の可能性のある電極指部同
士、例えばIDT45の各電極指部45a、45bは、
図21(a)に示すように、共通配線45cによって、
電気的に共通(同電位)に設定されている。
【0091】続いて、IDT電極の形成後、圧電基板1
1をウェハ状態で、アニールする(S2)。アニール条
件は表2のA〜Cの各条件とした。アニール後、図21
(b)に示すように、共通配線45cの切り離しを行う
(S3)。その後の工程については、従来の工程にて作
製した。
【0092】
【表2】
【0093】以下に、アニールの効果について説明す
る。熱プロセス(加熱処理)による特性変化の緩和に有
効なTiを主成分とする第一金属層1とその上のAlを
主成分とする第二金属層2からなる積層構造によってI
DT電極を形成した。電極同士は電気的に共通となって
いるため、アニール時の温度勾配による焦電破壊や静電
破壊は完全に防止されている。
【0094】アニールは高温とするほど効果的と考えら
れるが、大気アニールでは電極指表面の酸化や電極指表
面が変形して突起物が発生するため,300℃近い高温
では安定したアニールはできなかった。表3は、各アニ
ール条件における電極指表面の突起物の発生状況を簡易
的に表わしたものである。IDT上での突起物の発生は
耐サージ性が低下するため、SAWデバイスでは致命的
な欠陥と言える。
【0095】結果からN2雰囲気や真空アニールを採用
することで、より高温でのアニールが可能となることが
判った。
【0096】
【表3】
【0097】図19、図21による構造に対して、表2
のA〜Cの条件でアニールした製品の封止前後の変動量
を図22〜図24に示し、アニール無の製品における封
止前後の変動量を図25に示す。また、リフロー前後の
特性変動量を図26〜図28に示し、アニール無の製品
におけるリフロー前後の変動量を図29に示す。
【0098】封止条件は350℃で10分間の加熱処理
を伴う、はんだ封止で封止した。リフロー条件は240
℃ピークでリフロー炉を通過させた。また、図22〜図
29における、(a)はそれぞれ中心周波数の変動量、
(b)はそれぞれ位相バランスの変動量を表している。
各アニール条件の封止、リフローによる特性変動量のバ
ラツキを標準偏差として表すと表4のようになる。
【0099】
【表4】
【0100】この結果、本発明のアニールが特性変動量
のバラツキ低減に効果があることがわかる。特にリフロ
ー前後の比較では中心周波数、位相バランスともB、C
の真空アニールのバラツキが小さく、次いで、AのN2
雰囲気のバラツキが小さくなる結果を得ている。BとC
とは、ほぼ同程度の効果を発揮できるといえるが、温度
を上げることで短時間でも同程度の効果が得られること
がわかる。
【0101】これに対して、封止前後の比較は、中心周
波数については効果あると判断できるが、位相バランス
については条件B、Cでは位相バランスの封止前後での
特性変動量のバラツキが「アニールなし」より大きな値
となっている。これは封止時には圧電基板にかかる応力
など熱以外の影響が大きいため、リフロー時ほどアニー
ルの効果が明確にならないためである。
【0102】しかしながら、封止時でのバラツキ低減効
果が小さくても、リフロー前後でのバラツキ低減と中心
周波数のバラツキ低減を考慮すると、総合的には有効と
判断できる。この結果、特性バラツキの低減により歩留
まりを改善することができる。また、効果的なアニール
条件としては大気では275℃以下、N2雰囲気で30
0℃以下、真空アニールの場合、特に温度に関する制限
はないが、封止温度が350℃程度であることからアニ
ール温度は400℃程度までで十分である。
【0103】本発明では、耐熱性や耐電力性に有効な、
Tiを下地とし、その上にAlを形成した電極構造にお
いて、焦電気、静電気による放電破壊の可能性のある電
極指部を共通配線45cによって共通にした状態でアニ
ールするため、放電による電極指部破壊を防止し、且つ
SAWフィルタの封止やリフローといった加熱プロセス
時の特性変動とそのバラツキを低減することができると
共に、圧電基板11と当接する部分に、酸素拡散層を形
成することができる。
【0104】また、本発明においては、窒素雰囲気や真
空状態でアニールすることで電極指の酸化や変形につい
ても低減できるため、耐熱プロセスによる特性劣化に効
果的なSAWフィルタとすることができる。
【0105】本発明のアニールが効果的な製品としては
不平衡型−平衡型変換機能を有するSAWフィルタが挙
げられる。この製品の特徴である平衡度(バランス度)
は加熱による変化量が大きいため歩留まりを悪くする要
因となっている。本発明の採用により平衡度の変動量の
バラツキを低減することができる。
【0106】封止やリフローなど加熱工程を伴うSAW
フィルタやSAWデバイスにおいて、特に焦電気、静電
気の放電による電極指破壊の可能性のある電極指を有す
るSAWフィルタ、特にIDTがTi/Al構造からな
るSAWフィルタを、ウェハ状態で、特に窒素雰囲気あ
るいは真空状態にて、各電極指を電気的に接続してアニ
ールすることにより、特性劣化の少ないSAWフィルタ
や、それをパッケージングしたSAWデバイスを簡便に
製造できる。
【0107】なお、上記の実施の形態に係るSAWデバ
イスでは、図2に示すようなパッケージ13にSAWフ
ィルタ12を封止した収納した例を挙げたが、本発明は
上記に限定されず、図31や図32に示すように、外部
端子13fを有する実装基板13aに対し、バンプ14
を用いたフリップチップボンディングで空間18を有し
て実装したSAWフィルタ12を、樹脂16または樹脂
フィルム17で封止したチップサイズパッケージのSA
Wデバイスにも好適に用いることができる。
【0108】ところで、このようなチップサイズパッケ
ージにおいては、SAWデバイスのプリント基板へのは
んだ等による実装時に、リフロー処理によって樹脂の特
性が劣化することを防ぐため、SAWデバイスに対して
200度以上の高温でアニール処理が施される。
【0109】したがって、本発明では、酸素拡散Ti層
と、Tiの第一金属層1と、その上に形成されたAl合
金の第二金属層2とからなる電極構造を形成するため、
上記のようなアニール処理を行っても、Al合金の第二
金属層2の酸化による特性劣化を防ぐことができる。ま
た、SAWデバイスのプリント基板へのはんだ等による
実装時におけるリフロー処理においても、特性劣化を回
避することが可能となる。
【0110】次に、上記実施の形態に記載のSAWデバ
イスを用いた通信装置について図33に基づき説明す
る。上記通信装置600は、受信を行うレシーバ側(R
x側)として、アンテナ601、アンテナ共用部/RF
Topフィルタ602、アンプ603、Rx段間フィル
タ604、ミキサ605、1stIFフィルタ606、
ミキサ607、2ndIFフィルタ608、1st+2
ndローカルシンセサイザ611、TCXO(temperat
ure compensated crystal oscillator(温度補償型水晶
発振器))612、デバイダ613、ローカルフィルタ
614を備えて構成されている。
【0111】Rx段間フィルタ604からミキサ605
へは、図33に二本線で示したように、バランス性を確
保するために各平衡信号にて送信することが好ましい。
【0112】また、上記通信装置600は、送信を行う
トランシーバ側(Tx側)として、上記アンテナ601
及び上記アンテナ共用部/RFTopフィルタ602を
共用するとともに、TxIFフィルタ621、ミキサ6
22、Tx段間フィルタ623、アンプ624、カプラ
625、アイソレータ626、APC(automatic powe
r control (自動出力制御))627を備えて構成され
ている。
【0113】そして、上記のRx段間フィルタ604、
1stIFフィルタ606、TxIFフィルタ621、
Tx段間フィルタ623には、上述した本実施の形態に
記載のSAWデバイスが好適に利用できる。
【0114】本発明に係るSAWデバイスは、フィルタ
機能と共に不平衡型−平衡型変換機能を備えることがで
き、その上、各平衡信号間の振幅特性が理想により近い
という優れた特性を有するものである。よって、上記S
AWデバイスを有する本発明の通信装置は、伝送特性を
向上できるものとなっている。
【0115】
【発明の効果】本発明の電子部品は、以上のように、電
極は、酸化物基板上に形成された第一金属層と、該第一
金属層上に形成された、アルミニウムを主とする第二金
属層とを備え、第一金属層は、チタン、銅、クロム、ニ
ッケル及びマグネシウムよりなる金属群から選択された
少なくとも一種を主とすると共に、酸化物基板と接する
部分に酸素拡散層を有している構成である。
【0116】それゆえ、上記構成は、電極を多層とし、
アルミニウムを主とするアルミニウム含有金属層と酸化
物基板との間に、酸素拡散層、特に酸素が拡散した酸素
拡散層を挟むことで、例えば封止時の高温処理によって
も特性劣化を抑制できると共に、耐電力性も向上できる
という効果を奏する。
【0117】本発明の電子部品の製造方法は、以上のよ
うに、酸化物基板上に、チタン、銅、クロム、ニッケル
及びマグネシウムよりなる金属群から選択された少なく
とも一種を主とする第一金属層を形成し、上記第一金属
層上に、アルミニウムを主とする第二金属層を形成し、
上記酸化物基板、第一金属層及び第二金属層を加熱し、
酸化物基板側の第一金属層の少なくとも一部に、酸素が
拡散した酸素拡散層を形成して、第一金属層及び第二金
属層を有する電極を形成する方法である。
【0118】それゆえ、上記方法は、酸化物基板と第二
金属層との間に第一金属層を挟むことで、例えば電子部
品をパッケージに対しはんだやシーム溶接により封止す
るときの熱によって、酸素拡散層を形成することができ
る。したがって、上記方法では、酸素拡散層を簡便に形
成できることにより、高温処理によっても特性劣化を抑
制できると共に、耐電力性も向上できる電子部品を簡便
に製造できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態のSAWフィルタの説
明図であって、(a)は要部平面図、(b)は、上記
(a)におけるO−X矢視の要部断面図である。
【図2】上記SAWフィルタを収納した本発明に係るS
AWデバイスの概略構成図である。
【図3】上記SAWフィルタの概略構成図である。
【図4】上記SAWフィルタの要部斜視図である。
【図5】上記SAWフィルタにおける、チタン(Ti)
である第一金属層における、全金属層の層厚に対する層
厚の割合と挿入損失との関係を示すグラフである。
【図6】上記実施の形態のSAWフィルタに関する封止
前後の各伝送特性をそれぞれ示すグラフである。
【図7】上記実施の形態のSAWフィルタに関する封止
前後の各振幅平衡度をそれぞれ示すグラフである。
【図8】従来例のSAWフィルタに関する封止前後の各
伝送特性をそれぞれ示すグラフである。
【図9】従来例のSAWフィルタに関する封止前後の各
振幅平衡度をそれぞれ示すグラフである。
【図10】加熱処理前の、Alのみ単層のIDTを形成
したときの厚さ方向での酸素分布を示すグラフである。
【図11】加熱処理後の、Alのみ単層のIDTを形成
したときの厚さ方向での酸素分布を示すグラフである。
【図12】アニール処理前の、本発明の電極構造のID
Tを形成したときの、電極の厚さ方向での酸素分布を示
すグラフである。
【図13】アニール処理(275℃、1時間)後の、本
発明の電極構造のIDTを形成したときの、電極の厚さ
方向での酸素分布を示すグラフである。
【図14】比較電極の動作時のヒロック発生の様子を示
す斜視図である。
【図15】本発明の電極の動作時のヒロック発生の少な
い様子を示す斜視図である。
【図16】上記電極の動作時の電界分布を示すグラフで
ある。
【図17】本発明において、リフトオフ法がエッチング
法より優れていることを示すグラフである。
【図18】上記実施の形態のSAWフィルタにおける電
極パッド部の構造の説明図であって、(a)は第一金属
層及び第二金属層の多層構造上に、電極パッド部を形成
した例を示し、(b)は多層構造と、電極パッド部とを
別体に形成した例を示す。
【図19】上記SAWフィルタの一変形例を示す概略構
成図である。
【図20】本発明の電子部品としてのSAWフィルタの
製造方法の要部を示すフローチャートである。
【図21】上記製造方法における、共通配線を示す概略
構成図であり、(a)は共通配線を設けた状態を示し、
(b)は共通配線を除去した状態を示す。
【図22】上記製造方法における、N2 アニール、27
5℃、60分の条件下の、封止前後での特性のバラツキ
を示すグラフであり、(a)は特性が中心周波数、
(b)は特性が位相バランスである。
【図23】上記製造方法における、真空アニール、35
0℃、60分の条件下の、封止前後での特性のバラツキ
を示すグラフであり、(a)は特性が中心周波数、
(b)は特性が位相バランスである。
【図24】上記製造方法における、真空アニール、40
0℃、10分の条件下の、封止前後での特性のバラツキ
を示すグラフであり、(a)は特性が中心周波数、
(b)は特性が位相バランスである。
【図25】アニール無しの条件下の、封止前後での特性
のバラツキを示すグラフであり、(a)は特性が中心周
波数、(b)は特性が位相バランスである。
【図26】上記製造方法における、N2 アニール、27
5℃、60分の条件下の、リフロー前後での特性のバラ
ツキを示すグラフであり、(a)は特性が中心周波数、
(b)は特性が位相バランスである。
【図27】上記製造方法における、真空アニール、35
0℃、60分の条件下の、リフロー前後での特性のバラ
ツキを示すグラフであり、(a)は特性が中心周波数、
(b)は特性が位相バランスである。
【図28】上記製造方法における、真空アニール、40
0℃、10分の条件下の、リフロー前後での特性のバラ
ツキを示すグラフであり、(a)は特性が中心周波数、
(b)は特性が位相バランスである。
【図29】アニール無しの条件下の、リフロー前後での
特性のバラツキを示すグラフであり、(a)は特性が中
心周波数、(b)は特性が位相バランスである。
【図30】本発明に係る実施の形態のSAWフィルタお
よび比較SAWフィルタの寿命を測定するための加速試
験結果を示すグラフである。
【図31】上記SAWフィルタを封止により収納した本
発明に係る他のSAWデバイスの概略構成図である。
【図32】上記SAWフィルタを封止により収納した本
発明に係るさらに他のSAWデバイスの概略構成図であ
る。
【図33】上記実施の形態のSAWデバイスを用いた通
信装置の要部ブロック図である。
【符号の説明】
1 第一金属層 2 第二金属層 11 圧電基板 13 パッケージ 13e はんだ封止部 31、32、33 IDT(すだれ電極部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢田 優 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 坂口 健二 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5J097 AA01 AA24 BB03 BB14 FF04 GG03 GG04 HA02 HA03 HA04 JJ02 JJ09 KK03 KK05 KK09 KK10

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物基板上に、電極を有する電子部品に
    おいて、 上記電極は、酸化物基板上に形成された第一金属層と、
    該第一金属層上に形成された、アルミニウムを主とする
    第二金属層とを備え、 第一金属層は、チタン、銅、クロム、ニッケル及びマグ
    ネシウムよりなる金属群から選択された少なくとも一種
    を主とするものであると共に、酸化物基板と接する部分
    に酸素拡散層を有していることを特徴とする、電子部
    品。
  2. 【請求項2】酸化物基板上に、電極を有する電子部品に
    おいて、 上記電極は、酸化物基板上に形成された、酸素が拡散し
    ている酸素拡散層を有する第一金属層と、該第一金属層
    上に形成された、アルミニウムを主とする第二金属層と
    を備え、 第一金属層は、チタン、銅、クロム、ニッケル及びマグ
    ネシウムよりなる金属群から選択された少なくとも一種
    を主とするものであることを特徴とする、電子部品。
  3. 【請求項3】酸素拡散層は、酸化物基板からの酸素が拡
    散したことによるものであることを特徴とする、請求項
    1または2記載の電子部品。
  4. 【請求項4】第一金属層の膜厚が、電極の全体の膜厚
    の、1%以上、8%以下であることを特徴とする、請求
    項1ないし3の何れか1項に記載の電子部品。
  5. 【請求項5】酸化物基板は、弾性表面波装置用の圧電基
    板であり、 電極は、弾性表面波装置用のすだれ電極部であることを
    特徴とする、請求項1ないし4の何れか1項に記載の電
    子部品。
  6. 【請求項6】すだれ電極部が、不平衡型−平衡型変換機
    能を有するように設けられていることを特徴とする、請
    求項5記載の電子部品。
  7. 【請求項7】電極を有する酸化物基板を収納するパッケ
    ージが、上記酸化物基板を加熱を用いて封止するように
    設けられていることを特徴とする、請求項1ないし6の
    何れか1項に記載の電子部品。
  8. 【請求項8】パッケージを封止するための封止部がはん
    だ封止部であることを特徴とする、請求項7記載の電子
    部品。
  9. 【請求項9】パッケージを封止するための封止部が溶接
    封止部であることを特徴とする、請求項7記載の電子部
    品。
  10. 【請求項10】請求項1ないし9の何れか1項に記載の
    電子部品を有することを特徴とする、通信装置。
  11. 【請求項11】酸化物基板上に、チタン、銅、クロム、
    ニッケル及びマグネシウムよりなる金属群から選択され
    た少なくとも一種を主とする第一金属層を形成し、 上記第一金属層上に、アルミニウムを主とする第二金属
    層を形成し、 上記酸化物基板、第一金属層及び第二金属層を加熱し、
    酸化物基板側の第一金属層の少なくとも一部に、酸素が
    拡散した酸素拡散層を形成して、第一金属層及び第二金
    属層を有する電極を形成することを特徴とする、電子部
    品の製造方法。
  12. 【請求項12】第一金属層及び第二金属層を有する電極
    が形成された酸化物基板をパッケージ内に収納し、 上記パッケージを封止するときに、上記酸化物基板、及
    び電極を加熱して、酸素拡散層を形成することを特徴と
    する、請求項11記載の電子部品の製造方法。
  13. 【請求項13】酸化物基板は、弾性表面波装置用の圧電
    基板であり、 第一金属層及び第二金属層により、弾性表面波装置用の
    複数のすだれ状電極形状部と、各すだれ状電極形状部間
    を電気的に接続する接続部とを上記圧電基板上に形成
    し、 圧電基板、第一金属層及び第二金属層をアニールして、
    すだれ状電極形状部からすだれ状電極を形成し、 接続された各すだれ状電極間を電気的に絶縁状態とする
    ように、上記接続部の少なくとも一部を除去することを
    特徴とする、請求項11または12に記載の電子部品の
    製造方法。
  14. 【請求項14】上記アニールを、圧電基板がウェハ状態
    において行うことを特徴とする、請求項13記載の電子
    部品の製造方法。
  15. 【請求項15】上記アニールを、300℃以下の大気中
    で行うことを特徴とする、請求項13または14記載の
    電子部品の製造方法。
  16. 【請求項16】上記アニールを、350℃以下の窒素雰
    囲気中で行うことを特徴とする、請求項13または14
    記載の電子部品の製造方法。
  17. 【請求項17】上記アニールを、真空中で行うことを特
    徴とする、請求項13または14記載の電子部品の製造
    方法。
  18. 【請求項18】上記複数のすだれ状電極形状部を、不平
    衡型−平衡型変換機能を形成するように設けることを特
    徴とする、請求項13ないし17の何れか1項に記載の
    電子部品の製造方法。
  19. 【請求項19】第一金属層は、チタンを主とするもので
    あることを特徴とする、請求項11ないし18の何れか
    1項に記載の電子部品の製造方法。
  20. 【請求項20】酸素拡散層の酸素は、酸化物基板由来の
    ものであることを特徴とする、請求項11ないし19の
    何れか1項に記載の電子部品の製造方法。
  21. 【請求項21】第一金属層及び第二金属層を、酸化物基
    板上にリフトオフ法により形成することを特徴とする、
    請求項11ないし20の何れか1項に記載の電子部品の
    製造方法。
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