JP2003282359A - 可変容量素子 - Google Patents

可変容量素子

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JP2003282359A
JP2003282359A JP2002083658A JP2002083658A JP2003282359A JP 2003282359 A JP2003282359 A JP 2003282359A JP 2002083658 A JP2002083658 A JP 2002083658A JP 2002083658 A JP2002083658 A JP 2002083658A JP 2003282359 A JP2003282359 A JP 2003282359A
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movable
electrode
substrate
variable capacitance
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JP2002083658A
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English (en)
Inventor
Mitsuharu Takemura
光治 竹村
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動体が斜め方向に変位して保持体に乗上げ
ることにより、振動等に対する素子の動作を安定させ、
耐振性、信頼性を向上させる。 【解決手段】 基板2には、支持梁6により斜め方向に
変位可能に支持された可動体5と、保持突起14とを設
け、可動体5には可動電極12を設ける。そして、駆動
電極8,10間に電圧を印加していないときには、支持
梁6の付勢力F1により可動電極12を伝送線路3に押
付けて信号伝送位置に保持する。また、駆動電極8,1
0間に電圧を印加したときには、可動体5が静電引力F
2により変位して保持突起14に乗上げることにより、
可動電極12を信号遮断位置に保持する。これにより、
可動電極12が振動、衝撃等により誤って変位し、可変
容量型スイッチ1が誤動作するのを防止することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば静電容量を
変化させることにより高周波信号等に対してスイッチ動
作を行う可変容量型スイッチ、または可変容量コンデン
サ等として好適に用いられる可変容量素子に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、可変容量素子としては、例えば
可動電極を静電引力等により固定電極に対して変位さ
せ、これらの電極間隔を変化させることにより、静電容
量を可変に設定するようにした可変容量コンデンサ等が
知られている。
【0003】この種の従来技術による可変容量コンデン
サは、例えば特開2000−348594号公報等に記
載されている静電駆動型のスイッチとほぼ同様に、基板
の表面側に撓み変形可能な支持梁等を介して可動電極が
設けられ、該可動電極は、基板に設けられた固定電極と
隙間をもって対向している。また、基板と可動電極側に
は駆動電極がそれぞれ設けられ、該各駆動電極間には、
外部から電圧を印加することにより静電引力が発生する
構成となっている。
【0004】そして、駆動電極間に電圧を印加していな
いときには、支持梁が自由状態で可動電極を支持するこ
とにより、固定電極と可動電極との間の電極間隔(静電
容量)が所定の大きさに設定されている。また、駆動電
極間に電圧を印加したときには、その静電引力により支
持梁等が撓み変形して可動電極が固定電極に近接するよ
うに変位し、これらの電極間の静電容量が増大するもの
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、駆動電極に電圧を印加していないときに、
支持梁の剛性(ばね力)によって可動電極を所定の位置
に保持する構成としている。しかし、可変容量コンデン
サの使用時には、例えば振動、衝撃等の外力が基板に加
わることがあるため、この外力が基板と垂直な方向に作
用すると、支持梁が外力によって撓み変形し、可動電極
が固定電極に対して変位する場合がある。
【0006】このため、コンデンサの作動時には、駆動
電極に電圧を印加していないにも拘らず、その静電容量
が外力によって変化する虞れがあり、素子としての耐振
性や信頼性が低下するという問題がある。
【0007】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、可動電極が振動、衝撃
等によって誤動作するのを防止でき、可動電極を所望の
切換位置に安定的に保持できると共に、耐振性や信頼性
を向上できるようにした可変容量素子を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために請求項1の発明は、パターン形成面を有する基板
と、該基板のパターン形成面に設けられた導体パターン
と、該導体パターンに対して近接,離間可能に前記基板
と対向して配置された可動体と、該可動体を前記基板の
パターン形成面に対して斜め方向に変位可能に支持する
と共に該可動体を前記導体パターンと近接した第1の切
換位置に向けて付勢する支持梁と、前記可動体を導体パ
ターンから離間した第2の切換位置に向けて斜め方向に
変位させる駆動電極と、前記導体パターンに面して前記
可動体に設けられ前記可動体と一体に変位することによ
り前記導体パターンとの間の静電容量を前記第1,第2
の切換位置間で切換える可動電極と、前記基板に設けら
れ前記可動体が前記第2の切換位置に変位したときに前
記可動体をその位置に保持する保持体とからなる構成を
採用している。
【0009】このように構成することにより、駆動電極
に電圧を印加していないときには、可動体、可動電極等
を支持梁の付勢力によって導体パターン側に付勢でき、
これらを第1の切換位置で静止状態に保持することがで
きる。また、駆動電極に電圧を印加したときには、可動
体、可動電極等を静電引力によって斜め方向に変位させ
ることができ、これらを保持体によって第2の切換位置
で静止状態に保持することができる。
【0010】また、請求項2の発明によると、駆動電極
は、可動体と垂直方向の隙間をもって配置された第1の
駆動電極と、該第1の駆動電極に対して水平方向にずれ
た位置で前記可動体に設けられ該第1の駆動電極と斜め
方向の隙間をもって対向する第2の駆動電極とにより構
成している。
【0011】これにより、第1,第2の駆動電極間には
斜め方向の隙間を確保できるから、これらの電極間に電
圧を印加したときには、可動体に斜め方向の静電引力を
加えることができる。
【0012】また、請求項3の発明によると、支持梁は
駆動電極に電圧が印加されていないときに可動体と可動
電極とを導体パターンに押付ける構成としている。これ
により、駆動電極に電圧を印加していないときには、可
動体、可動電極等を支持梁の付勢力によって導体パター
ンに当接または接触するように押付けることができるか
ら、これらを第1の切換位置で静止状態に保持すること
ができる。
【0013】また、請求項4の発明によると、支持梁は
クランク状に屈曲して水平方向に延びた板材により形成
し、基板に対して垂直な方向に撓み変形すると共に水平
な方向に伸縮変形する構成としている。これにより、支
持梁は垂直方向に撓み変形しつつ、水平方向に伸縮変形
することができるから、可動体を斜め方向に変位させる
ことができる。
【0014】また、請求項5の発明によると、保持体に
は可動体を第1,第2の切換位置間で斜め方向に案内す
る傾斜面部を設ける構成としている。これにより、可動
体は、例えば保持体の傾斜面部に沿って摺動しつつ、斜
め方向に変位できるから、この傾斜面部により可動体を
第1の切換位置または第2の切換位置に向けて円滑に案
内することができる。
【0015】さらに、請求項6の発明によると、基板に
は可動体を覆う蓋板を設け、該蓋板には前記可動体を第
1,第2の切換位置間で斜め方向に案内するガイド部を
設ける構成としている。これにより、蓋板のガイド部
は、可動体を第1の切換位置または第2の切換位置に向
けて案内できるから、可動体を斜め方向に円滑に変位さ
せることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
可変容量素子を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0017】ここで、図1ないし図3は第1の実施の形
態を示し、本実施の形態では、可変容量素子として可変
容量型スイッチを例に挙げて述べる。
【0018】図中、1は本実施の形態に適用される可変
容量型スイッチ、2は該可変容量型スイッチ1の本体部
分を構成する基板で、該基板2は、図1、図2に示す如
く、例えば高抵抗なシリコン材料、絶縁性のガラス材料
等からなり、水平方向に延びる四角形の平板状に形成さ
れると共に、後述の導体パターン3が形成されるパター
ン形成面としての表面2Aを有している。
【0019】3は例えば高周波の信号等を伝送するため
基板2の表面2A側に設けられた導体パターンとしての
伝送線路で、該伝送線路3は、例えば金属膜等からな
り、マイクロストリップ線路等として構成されている。
この場合、伝送線路3は、例えば図1中の左,右方向に
細長い帯状をなして延びた左,右の線路部3A,3Aを
有し、該各線路部3A間には、後述の可動電極12と対
向する位置に間隔3Bが設けられている。
【0020】4は可動電極12等を支持するため基板2
に設けられた例えば4個の支持部で、該各支持部4は、
例えば四角形状の突起により形成され、後述する可動体
5の前,後両側および左,右両側にそれぞれ配置されて
いる。また、各支持部4は、例えば陽極接合等の手段を
用いて基板2に接合したシリコン板にエッチング加工等
を施すことにより、可動体5、各支持梁6等と一緒に形
成されている。
【0021】5は導体パターン3に対して近接,離間可
能に配置された可動体で、該可動体5は、例えばシリコ
ン材料等により略H字状の平板として形成され、後述の
駆動電極10、可動電極12等が設けられる四角形状の
電極配置部5Aと、該電極配置部5Aの四隅から前,後
方向に張出して形成された例えば4個のストッパ当接部
5Bとを含んで構成されている。
【0022】また、可動体5は、後述の支持梁6により
基板2と垂直な方向及び水平な方向(例えば図2中の
左,右方向及び上,下方向)にわたって斜め方向に変位
可能に支持されている。そして、可動体5は、図2に示
す如く可動電極12が導体パターン3と近接した信号伝
送位置(第1の切換位置)と、図3に示す如く可動電極
12が導体パターン3から離間した信号遮断位置(第2
の切換位置)との間で斜め方向に変位する。この場合、
可動体5が信号遮断位置にあるときには、そのストッパ
当接部5Bが後述の保持突起14に乗上げる構成となっ
ている。
【0023】6は各支持部4と可動体5との間に設けら
れた例えば4本の支持梁で、該各支持梁6は、図1に示
す如く、例えばシリコン材料等により垂直方向の寸法
(板厚)が小さな薄板として形成され、基板2と隙間を
もって水平方向に延びると共に、略コ字状に屈曲した複
数の屈曲部6Aを有している。
【0024】これにより、支持梁6は、基板2に対して
垂直方向に撓み変形可能で、かつ各屈曲部6Aが屈伸す
ることにより水平方向に伸縮可能となったクランク状の
板ばねとして構成されている。そして、各支持梁6は、
その基端側が各支持部4に固着され、先端側が可動体5
の各ストッパ当接部5Bに連結されると共に、可動体5
を基板2に対して斜め方向に変位可能に支持している。
【0025】また、各支持梁6は、水平方向に延びた状
態を自由状態として形成され、可動体5が信号伝送位置
にあるときには、図2に示す如く、支持梁6の先端側が
自由状態と比較して基板2から離れる方向に少し撓み変
形している。これにより、各支持梁6は、その復元力等
により可動体5を伝送線路3(信号伝送位置)に向けて
常に付勢し、このときの付勢力F1は、後述の如く駆動
電極8,10間に電圧が印加されていないときに、誘電
体膜13を伝送線路3の各線路部3Aに当接または接触
した状態で押付けると共に、可動体5を信号伝送位置に
静止状態で保持する構成となっている。
【0026】この場合、各支持梁6は、可動体5を前,
後方向及び左,右方向の両側で両持ち梁として支持して
いるため、可動体5を斜め方向に安定的に変位させるこ
とができると共に、可動体5をバランスよく付勢できる
構成となっている。
【0027】7は可動体5等を覆う位置で基板2の表面
2A側に設けられた蓋板で、該蓋板7は、例えば高抵抗
なシリコン材料、絶縁性のガラス材料等によって四角形
状に形成され、その裏面側には、可動体5、各支持梁6
等に面して開口した凹溝7Aと、該凹溝7Aを挟んで両
側に形成され各支持部4と接合された左,右の接合突部
7B,7Bとが設けられている。
【0028】8は蓋板7の凹溝7A内に設けられた第1
の駆動電極で、該第1の駆動電極8は、図2に示す如
く、例えば金属膜等からなり、可動体5と垂直方向の隙
間をもって配置されている。また、駆動電極8は、蓋板
7に設けられた貫通孔9を介して外部に引出された配線
部8Aを有している。
【0029】10は可動体5の電極配置部5Aの表面側
に設けられた第2の駆動電極で、該第2の駆動電極10
は、例えば金属膜にエッチング加工等を施すことにより
四角形状に形成されている。また、駆動電極10は、各
支持部4と支持梁6の表面側にそれぞれ設けられた複数
の配線部10Aを有し、該各配線部10Aは、蓋板7に
設けられた貫通孔11を介して外部に引出されるもので
ある。
【0030】ここで、これらの駆動電極8,10は、可
動体5(可動電極12)を挟んで伝送線路3と垂直方向
の反対側に配置され、互いに垂直方向に離間している。
また、可動側の駆動電極10は、例えば固定側の駆動電
極8に対して図2中に示す水平距離H分だけ水平方向の
左側にずらして配置され、これらの駆動電極8,10は
斜め方向の隙間をもって対向している。
【0031】そして、駆動電極8,10間に電圧を印加
したときには、図3に示す如く、これらの間に斜め方向
の静電引力F2が発生する。この結果、可動体5は、駆
動電極8,10間の静電引力F2により、支持梁6の付
勢力F1に抗して斜め上向き(図3中の右上方向)に変
位する。これにより、可動体5は、各ストッパ当接部5
Bが後述の保持突起14に乗上げた状態となり、信号遮
断位置に保持される構成となっている。
【0032】12は可動体5の電極配置部5Aの裏面側
に設けられた可動電極で、該可動電極12は、例えば金
属膜等により細長い略四角形状に形成され、伝送線路3
の間隔3Bを跨ぐように左,右方向に延びている。そし
て、可動電極12は可動体5と一体となって信号伝送位
置と信号遮断位置との間で斜め方向に変位し、誘電体膜
13と協働して伝送線路3との間の静電容量等を変化さ
せることにより、伝送線路3の各線路部3A間を伝わる
高周波信号等を伝送,遮断するものである。
【0033】ここで、可動電極12が信号伝送位置にあ
るときには、支持梁6の付勢力F1により可動電極12
の両側が伝送線路3の各線路部3Aに押付けられ、誘電
体膜13が各線路部3Aにそれぞれ当接した状態とな
る。このため、各線路部3A間には、例えば可動電極1
2のインダクタンス、誘電体膜13の誘電率等により定
められる一定の周波数をもつ高周波信号等が伝送される
ようになり、可変容量型スイッチ1が伝送(ON)状態
に設定される。
【0034】また、可動電極12が信号遮断位置にある
ときには、可動電極12と誘電体膜13とが伝送線路3
に対して影響を与えない程度に離間するため、高周波信
号等が各線路部3A間で遮断されるようになり、可変容
量型スイッチ1が遮断(OFF)状態に設定されるもの
である。
【0035】13は可動電極12に設けられた誘電体膜
で、該誘電体膜13は、例えばシリコンの酸化膜、窒化
膜等の誘電体材料からなり、可動電極12のほぼ全面を
覆っている。そして、誘電体膜13は、可動電極12が
信号伝送位置に変位したときに、伝送線路3の各線路部
3Aに当接し、伝送線路3と可動電極12との間を絶縁
すると共に、支持梁6の付勢力F1と協働して可動電極
12を信号伝送位置で静止状態に保持するものである。
【0036】この場合、誘電体膜13は、信号伝送位置
において伝送線路3と可動電極12との間に介在するこ
とにより、これらの間の静電容量を可動電極12が信号
遮断位置にある場合と比較して大きく変化させることが
でき、可変容量型スイッチ1を伝送状態と遮断状態との
間で確実に切換えることができる。
【0037】14は基板2の表面2A側に突出して設け
られた例えば4個の保持体としての保持突起14で、該
各保持突起14は、例えば略円柱状の突起により形成さ
れ、その先端側外周には、略円錐状をなして斜めに傾斜
した傾斜面部14Aが設けられている。また、各保持突
起14は、可動体5の各ストッパ当接部5Bに対して、
例えば駆動電極8,10間の水平距離Hに対応する寸法
分だけ水平方向の異なる位置に並んで配置されている。
また、各保持突起14は、可動体5(電極配置部5A)
の四隅に対応する位置に配設され、可動体5の幅方向
(図1中の前,後方向)及び長さ方向(左,右方向)に
離間している。
【0038】そして、可動体5が信号遮断位置に達した
ときには、図3に示す如く、各ストッパ当接部5Bが保
持突起14の先端面にそれぞれ乗上げ、その裏面側が保
持突起14に当接した状態となる。これにより、保持突
起14は、駆動電極8,10間に電圧が印加されている
ときに、可動体5を信号遮断位置で静止状態に保持する
ものである。
【0039】また、可動体5が変位するときには、その
ストッパ当接部5Bが保持突起14の傾斜面部14Aに
沿って斜め方向に摺動する。これにより、傾斜面部14
Aは、可動体5を信号伝送位置または信号遮断位置に向
けて円滑に案内する構成となっている。
【0040】本実施の形態による可変容量型スイッチ1
は上述の如き構成を有するもので、次にその作動につい
て説明する。
【0041】まず、駆動電極8,10間に電圧を印加し
てないときには、各支持梁6の付勢力F1により可動体
5、可動電極12、誘電体膜13等が伝送線路3の各線
路部3Aに当接または接触するように押付けられ、これ
らは伝送線路3と近接した信号伝送位置で静止状態に保
持されている。これにより、可変容量型スイッチ1はO
N状態に設定され、各線路部3A間に高周波信号等を伝
送することができる。
【0042】また、駆動電極8,10間に電圧を印加し
たときには、これらの位置が水平距離H分だけずれてい
るため、駆動電極8,10間に斜め方向の静電引力F2
が発生する。この結果、可動体5は、駆動電極8,10
間の静電引力F2により支持梁6の付勢力F1に抗して斜
め上向きに変位し、このとき各支持梁6は垂直方向に撓
み変形しつつ、水平方向に伸縮変形する。
【0043】そして、可動体5が伝送線路3から離間し
て信号遮断位置に達すると、各ストッパ当接部5Bが保
持突起14にそれぞれ乗上げ、可動体5は、各保持突起
14により前,後,左,右の4箇所で支持された状態と
なる。これにより、可動体5、可動電極12、誘電体膜
13等は信号遮断位置で静止状態に保持されるので、可
変容量型スイッチ1をOFF状態に切換えることがで
き、伝送線路3を伝わる高周波信号等を各線路部3A間
で遮断することができる。
【0044】さらに、この状態で駆動電極8,10間の
電圧を停止したときには、可動体5を各支持梁6の付勢
力F1によって保持突起14の先端側から伝送線路3側
に降ろすことができ、可動体5を信号伝送位置に復帰さ
せることができる。
【0045】かくして、本実施の形態によれば、可動体
5を支持梁6により斜め方向に変位可能に支持しつつ、
信号伝送位置に向けて付勢し、基板2には、可動体5が
駆動電極8,10によって信号遮断位置に変位したとき
に乗上げる保持突起14を設ける構成としたので、駆動
電極8,10間に電圧を印加していないときには、可動
体5、可動電極12等を各支持梁6の付勢力F1によっ
て伝送線路3に当接または接触するように押付けること
ができ、これらを信号伝送位置で安定した静止状態に保
持することができる。
【0046】また、駆動電極8,10間に電圧を印加し
たときには、これらの間に発生する静電引力F2によっ
て可動体5を斜め方向に変位させることができ、可動体
5は、この斜め方向の変位によって各保持突起14に乗
上げることができるから、可動体5、可動電極12等を
保持突起14により信号遮断位置で安定した静止状態に
保持することができる。
【0047】従って、例えば振動、衝撃等の外力が基板
2に加わる場合でも、これらの外力により可動体5が変
位して可変容量型スイッチ1が誤動作したり、そのスイ
ッチ動作が不安定となるのを確実に防止でき、可動電極
12の位置に応じて高周波信号等の伝送,遮断状態を安
定的に切換えることができると共に、その耐振性や信頼
性を向上させることができる。
【0048】この場合、駆動電極8,10を互いに水平
方向にずらして配置したので、これらの間に斜め方向の
隙間を確保でき、電極8,10間に電圧を印加したとき
には、可動体5に斜め方向の静電引力F2を容易に加え
ることができる。
【0049】また、支持梁6を、複数の屈曲部6Aを有
するクランク状の薄板として形成したので、可動体5が
変位するときに、支持梁6は垂直方向に撓み変形しつ
つ、各屈曲部6Aが屈伸することによって水平方向に伸
縮変形でき、簡単な構造で可動体5を斜め方向に変位さ
せることができる。
【0050】また、基板2には、可動体5の幅方向及び
長さ方向に離間して例えば4個の保持突起14を設けた
ので、可動体5が信号遮断位置にあるときには、可動体
5の四隅の近傍を各保持突起14によって安定的に支持
でき、可動体5が振動等によって保持突起14から滑り
落ちるのを防止することができる。
【0051】また、保持突起14には傾斜面部14Aを
設けたので、可動体5が変位するときには、そのストッ
パ当接部5B等を傾斜面部14Aに沿って斜め方向に摺
動させることができ、可動体5を傾斜面部14Aにより
信号伝送位置または信号遮断位置に向けて円滑に案内す
ることができる。
【0052】さらに、可動電極12には誘電体膜13を
設けたので、可動電極12が信号伝送位置に達したとき
には、誘電体膜13が伝送線路3に当接することによっ
て可動電極12を確実に静止でき、また伝送線路3と可
動電極12との間を誘電体膜13によって絶縁すること
ができる。
【0053】しかも、この場合には、可動電極12が信
号遮断位置にある場合と比較して、伝送線路3の各線路
部3A間の静電容量を誘電体膜13により大きく増加さ
せることができる。これにより、伝送線路3を伝わる高
周波信号等の状態を信号伝送位置と信号遮断位置との間
で大きく変化させることができ、スイッチ素子としての
性能を高めることができる。
【0054】次に、図4及び図5は本発明による第2の
実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、蓋板にガイ
ド突起を設ける構成としたことにある。なお、本実施の
形態では前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一
の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0055】21は本実施の形態による可変容量型スイ
ッチで、該可変容量型スイッチ21は、第1の実施の形
態とほぼ同様に、基板2、伝送線路3、可動体5、支持
梁6、駆動電極8,10、可動電極12、各保持突起1
4と、後述の蓋板22とを含んで構成されている。しか
し、蓋板22には、後述のガイド突起25が設けられて
いる。
【0056】22は可動体5等を覆う位置で基板2の表
面2A側に設けられた蓋板で、該蓋板22は、第1の実
施の形態とほぼ同様に、例えば高抵抗なシリコン材料、
絶縁性のガラス材料等によって四角形状に形成され、凹
溝22A、接合突部22B等を有している。そして、蓋
板22には、その凹溝22A内に設けられた駆動電極8
の配線部8Aを外部に引出す貫通孔23と、駆動電極1
0の配線部10Aを外部に引出す他の貫通孔24とが穿
設されている。
【0057】25は蓋板22の凹溝22A内に設けられ
たガイド部としてのガイド突起で、該ガイド突起25
は、例えば角錐状に形成され、凹溝22Aから可動体5
に向けて下向きに突出している。
【0058】また、ガイド突起25の表面側には、駆動
電極8側に向けて斜めに傾斜した傾斜面部25Aが設け
られている。そして、可動体5が変位するときには、図
5に示す如く、その電極配置部5Aが傾斜面部25Aに
沿って斜め方向に摺動する。これにより、ガイド突起2
5は、可動体5を信号伝送位置または信号遮断位置に向
けて円滑に案内するものである。
【0059】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得
ることができる。そして、特に本実施の形態では、蓋板
22にガイド突起25を設けたので、可動体5が斜め方
向に変位するときには、保持突起14の傾斜面部14A
とガイド突起25とを用いて可動体5をより円滑に案内
することができる。
【0060】なお、前記各実施の形態では、例えばマイ
クロストリップ線路等からなる伝送線路3を例に挙げて
述べたが、本発明はこれに限らず、例えば複数の細長い
導体パターンを平行に配置したコプレーナ線路や、2つ
の導体パターン間に溝(スロット)を設けたスロット線
路等を含め、各種の伝送線路に適用してもよい。
【0061】また、前記各実施の形態では、可変容量型
スイッチ1を例に挙げて述べたが、本発明はこれに限ら
ず、可変容量コンデンサに適用してもよい。この場合、
例えば伝送線路3の各線路部3Aを2つの固定電極とし
て用い、可動電極12を介した各線路部3A間の静電容
量を検出することにより、この静電容量が第1,第2の
切換位置間で変化する可変容量コンデンサを構成するこ
とができる。
【0062】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、可動体を支持梁により斜め方向に変位可能に支持
しつつ、第1の切換位置に向けて付勢し、基板には、可
動体を第2の切換位置に保持する保持体を設ける構成と
したので、駆動電極に電圧を印加していないときには、
可動体、可動電極等を支持梁の付勢力によって第1の切
換位置で安定した静止状態に保持することができる。ま
た、駆動電極に電圧を印加したときには、可動体、可動
電極等を保持体により第2の切換位置で安定した静止状
態に保持することができる。従って、例えば振動、衝撃
等の外力が基板に加わる場合でも、これらの外力により
可動体が変位して可変容量素子が誤動作するのを確実に
防止でき、その動作を第1,第2の切換位置間で安定的
に切換えることができると共に、耐振性や信頼性を向上
させることができる。
【0063】また、請求項2の発明によれば、第1,第
2の駆動電極を水平方向にずらして配置する構成とした
ので、これらの駆動電極間に電圧を印加したときには、
可動体に斜め方向の静電引力を加えることができ、簡単
な構造で可動体を斜め方向に変位させることができる。
【0064】また、請求項3の発明によれば、支持梁は
駆動電極に電圧が印加されていないときに可動体と可動
電極とを導体パターンに押付ける構成としたので、駆動
電極に電圧を印加していないときには、可動体、可動電
極等を支持梁の付勢力によって導体パターンに押付ける
ことができ、これらを第1の切換位置で安定した静止状
態に保持することができる。
【0065】また、請求項4の発明によれば、支持梁
は、クランク状に屈曲して水平方向に延びた板材により
構成したので、可動体が変位するときに、支持梁は垂直
方向に撓み変形しつつ水平方向に伸縮変形でき、簡単な
構造で可動体を斜め方向に変位させることができる。
【0066】また、請求項5の発明によれば、保持体に
は、可動体を第1,第2の切換位置間で斜め方向に案内
する傾斜面部を設ける構成としたので、例えば可動体を
傾斜面部に沿って斜め方向に摺動させることができ、可
動体を第1の切換位置または第2の切換位置に向けて円
滑に案内することができる。
【0067】さらに、請求項6の発明によれば、蓋板に
は、可動体を第1,第2の切換位置間で斜め方向に案内
するガイド部を設ける構成としたので、例えば可動体を
蓋板のガイド部に沿って斜め方向に摺動させることによ
り、可動体を第1の切換位置または第2の切換位置に向
けて円滑に案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による可変容量型ス
イッチが信号伝送位置にある状態を示す平面図である。
【図2】可変容量型スイッチが信号伝送位置にある状態
を図1中の矢示II−II方向からみた断面図である。
【図3】可動体、可動電極等が信号遮断位置に変位した
状態を示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態による可変容量型ス
イッチが信号伝送位置にある状態を示す断面図である。
【図5】可動電極等がガイド突起に沿って信号遮断位置
に変位した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1,21 可変容量型スイッチ 2 基板 2A 表面(パターン形成面) 3 伝送線路(導体パターン) 3A 線路部 3B 間隔 4 支持部 5 可動体 5A 電極配置部 5B ストッパ当接部 6 支持梁 6A 屈曲部 7,22 蓋板 7A,22A 凹溝 7B,22B 接合突部 8,10 駆動電極 8A,10A 配線部 9,11,23,24 貫通孔 12 可動電極 13 誘電体膜 14 保持突起(保持体) 14A 傾斜面部 25 ガイド突起(ガイド部) 25A 傾斜面部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パターン形成面を有する基板と、該基板
    のパターン形成面に設けられた導体パターンと、該導体
    パターンに対して近接,離間可能に前記基板と対向して
    配置された可動体と、該可動体を前記基板のパターン形
    成面に対して斜め方向に変位可能に支持すると共に該可
    動体を前記導体パターンと近接した第1の切換位置に向
    けて付勢する支持梁と、前記可動体を導体パターンから
    離間した第2の切換位置に向けて斜め方向に変位させる
    駆動電極と、前記導体パターンに面して前記可動体に設
    けられ前記可動体と一体に変位することにより前記導体
    パターンとの間の静電容量を前記第1,第2の切換位置
    間で切換える可動電極と、前記基板に設けられ前記可動
    体が前記第2の切換位置に変位したときに前記可動体を
    その位置に保持する保持体とにより構成してなる可変容
    量素子。
  2. 【請求項2】 前記駆動電極は、前記可動体と垂直方向
    の隙間をもって配置された第1の駆動電極と、該第1の
    駆動電極に対して水平方向にずれた位置で前記可動体に
    設けられ該第1の駆動電極と斜め方向の隙間をもって対
    向する第2の駆動電極とにより構成してなる請求項1に
    記載の可変容量素子。
  3. 【請求項3】 前記支持梁は前記駆動電極に電圧が印加
    されていないときに前記可動体と可動電極とを前記導体
    パターンに押付ける構成としてなる請求項1または2に
    記載の可変容量素子。
  4. 【請求項4】 前記支持梁はクランク状に屈曲して水平
    方向に延びた板材により形成し、前記基板に対して垂直
    な方向に撓み変形すると共に水平な方向に伸縮変形する
    構成としてなる請求項1,2または3に記載の可変容量
    素子。
  5. 【請求項5】 前記保持体には前記可動体を第1,第2
    の切換位置間で斜め方向に案内する傾斜面部を設けてな
    る請求項1,2,3または4に記載の可変容量素子。
  6. 【請求項6】 前記基板には前記可動体を覆う蓋板を設
    け、該蓋板には前記可動体を第1,第2の切換位置間で
    斜め方向に案内するガイド部を設けてなる請求項1,
    2,3,4または5に記載の可変容量素子。
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