JP2003279778A - 光導波路装置の製造方法 - Google Patents

光導波路装置の製造方法

Info

Publication number
JP2003279778A
JP2003279778A JP2002086320A JP2002086320A JP2003279778A JP 2003279778 A JP2003279778 A JP 2003279778A JP 2002086320 A JP2002086320 A JP 2002086320A JP 2002086320 A JP2002086320 A JP 2002086320A JP 2003279778 A JP2003279778 A JP 2003279778A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyimide layer
guide groove
forming
polyimide
silicon substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002086320A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriteru Furumoto
憲輝 古本
Mitsuo Ichiya
光雄 一矢
Shigeo Akiyama
茂夫 秋山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP2002086320A priority Critical patent/JP2003279778A/ja
Publication of JP2003279778A publication Critical patent/JP2003279778A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリイミド光導波路とガイド溝との位置合わせ
精度を向上できマスクずれに起因したポリイミド光導波
路と光ファイバとの間での光損失の発生をなくすことが
可能な光導波路装置の製造方法を提供する。 【解決手段】シリコン基板1の主表面側に第1のポリイ
ミド層4、第2のポリイミド層5を順次形成した後、コ
ア5aを形成すると同時にガイド溝3の開口幅を規定す
る窓孔5cを有したマスク部5bを形成し、エッチング
ストッパ膜7を形成する。その後、シリコン基板1の主
表面側に第3のポリイミド層6を形成してからガイド溝
3の形成予定領域に対応する部分をエッチングストッパ
膜7に達する深さまでエッチングし、エッチングストッ
パ膜7を除去してから第1のポリイミド層4のうちガイ
ド溝3の形成予定領域に対応する部分をエッチングし、
次に、シリコン基板1の主表面に異方性エッチングによ
りガイド溝3を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン基板の一
面側に下部クラッド層とコアと上部クラッド層とからな
るポリイミド光導波路が設けられるとともに、ポリイミ
ド光導波路に光結合させる光ファイバを位置決めするガ
イド溝が設けられた光導波路装置の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から、光導波路を形成したチップや
光部品を形成したチップ、光部品実装用のシリコンプラ
ットホームなどへの光ファイバの光接続のために、光導
波路や光部品を形成したチップに光ファイバを位置決め
して固定するためのガイド手段を設けることが考えられ
ており、多くの場合にはシリコン基板のアルカリ性エッ
チング液による異方性エッチングを利用して断面V字状
のV溝あるいはトレンチからなるガイド溝を同一チップ
に形成しているのが一般的である。
【0003】この種のガイド溝を備えたものでは、例え
ば、シリコン基板の主表面にガイド溝を異方性エッチン
グにより形成した後、そのシリコン基板上に光導波路や
光部品を形成している。
【0004】以下、図7に示すように、シリコン基板1
の一面側に下部クラッド層4aとコア5aと上部クラッ
ド層6aとからなるポリイミド光導波路10が設けられ
るとともに、ポリイミド光導波路10に光結合させる光
ファイバ20を位置決めする断面V字状のV溝からなる
ガイド溝3が設けられた光導波路装置の製造方法につい
て図8を参照しながら説明する。なお、シリコン基板1
は、主表面の結晶方位が<100>の(100)基板を
用いており、下部クラッド層4aと上部クラッド層6a
とは屈折率が同じポリイミドにより形成され、コア5a
は各クラッド層4a,6aよりも屈折率の高いポリイミ
ドにより形成されている。また、シリコン基板1には、
光ファイバ20においてポリイミド光導波路10に対向
する端面を位置決めするためのトレンチからなるファイ
バストッパ溝8が形成されており、ガイド溝3は延長方
向におけるポリイミド光導波路10側でファイバストッ
パ溝8に連通している。また、図8の(a)〜(j)に
おいて上下方向の破線よりも左側にはポリイミド光導波
路10の形成予定領域もしくはポリイミド光導波路10
を含む断面を示してあり、右側にはガイド溝3の形成予
定領域もしくはガイド溝3を含む断面を示してある。
【0005】まず、図8(a)に示すようなシリコン基
板1の表面にシリコン酸化膜2を形成し(図8(b)参
照)、シリコン酸化膜2のうちガイド溝3(図8(j)
参照)の形成予定領域に対応する部分をフォトリソグラ
フィ工程およびエッチング工程にて除去する(図8
(c)参照)。
【0006】その後、シリコン酸化膜2をマスクとして
シリコン基板1の主表面のうち露出した部位をアルカリ
系溶液によって異方性エッチングしてV溝からなるガイ
ド溝3を形成し(図8(d)参照)、続いて、シリコン
酸化膜2をエッチングにより除去する(図8(e)参
照)。
【0007】次に、シリコン基板1においてガイド溝3
を設けた主表面側の全面に下部クラッド層となる第1の
ポリイミド層4を形成し(図8(f)参照)、第1のポ
リイミド層4上に第1のポリイミド層4よりも屈折率の
高い第2のポリイミド層5を形成して(図8(g)参
照)、その後、第2のポリイミド層5をフォトリソグラ
フィ工程およびエッチング工程にてパターニングして第
2のポリイミド層5の一部からなるコア5aを形成する
(図8(h)参照)。
【0008】続いて、シリコン基板1の主表面側の全面
に上部クラッドとなる第3のポリイミド層6を形成し
(図8(i)参照)、第3のポリイミド層6および第1
のポリイミド層4のうちシリコン基板1におけるガイド
溝3およびその周辺などに重なる不要部分を除去して第
3のポリイミド層6の一部からなる上部クラッド層6a
および第1のポリイミド層4の一部からなる下部クラッ
ド層4aを形成する(図8(j)参照)。
【0009】以上説明した製造方法によれば、シリコン
基板1の一表面側に下部クラッド層4aとコア5aと上
部クラッド層6aとからなるポリイミド光導波路10
と、ポリイミド光導波路10に光結合させる光ファイバ
20を位置決めするためのガイド溝3とを形成すること
ができる。なお、光ファイバ20はガイド溝3の延長方
向に沿って配設される。
【0010】ところで、光導波路と光ファイバとを光結
合する場合、光導波路と光ファイバとのコア同士(コア
の光軸同士)の数μmの位置ずれが大きな光損失となる
ことから、光導波路と当該光導波路に光結合させる光フ
ァイバとのコア同士の相対位置に関して高い位置精度が
要求され、光ファイバを位置決めするガイド溝と光導波
路との相対位置に関して高い位置精度が要求されてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
製造方法にて製造される光導波路装置では、第2のポリ
イミド層5をパターニングしてコア5aを形成するため
のフォトリソグラフィ工程と、ガイド溝3を形成する際
のマスクとなるシリコン酸化膜2をパターニングするた
めのフォトリソグラフィ工程とのマスクずれに伴ってコ
ア5aとガイド溝3との相対位置の合わせ精度が低下
し、ガイド溝3にて光ファイバ20を位置決めしてポリ
イミド光導波路10と光ファイバ20とを光結合させた
場合に光損失が大きくなってしまうという不具合や、歩
留まりが低下してコストが高くなってしまうという不具
合があった。
【0012】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、ポリイミド光導波路とガイド溝との
位置合わせ精度を向上できマスクずれに起因したポリイ
ミド光導波路と光ファイバとの間での光損失の発生をな
くすことが可能な光導波路装置の製造方法を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、シリコン基板の一面側に下部ク
ラッド層とコアと上部クラッド層とからなるポリイミド
光導波路が設けられるとともに、ポリイミド光導波路に
光結合させる光ファイバを位置決めするガイド溝が設け
られた光導波路装置の製造方法であって、シリコン基板
の前記一表面側に下部クラッド層となる第1のポリイミ
ド層を形成する第1ポリイミド層形成工程と、第1のポ
リイミド層上に第1のポリイミド層よりも屈折率の高い
第2のポリイミド層を形成する第2ポリイミド層形成工
程と、第2のポリイミド層をパターニングしてコアを形
成すると同時にシリコン基板の前記一表面におけるガイ
ド溝の開口幅を規定する窓孔を有したマスク部を形成す
る複合工程と、第1のポリイミド層のうちマスク部の窓
孔により露出した表面とマスク部の窓孔の内面とマスク
部の表面とを覆うようにエッチングストッパ膜を形成す
るストッパ膜形成工程と、ストッパ膜形成工程の後でシ
リコン基板の前記一表面側に上部クラッド層となる第3
のポリイミド層を形成する第3ポリイミド層形成工程
と、第3のポリイミド層のうちガイド溝の形成予定領域
に対応する部分をエッチングストッパ膜に達する深さま
でエッチングして開口する第1開口工程と、第1開口工
程の後で露出したエッチングストッパ膜を除去するスト
ッパ膜除去工程と、ストッパ膜除去工程の後で第1のポ
リイミド層のうちガイド溝の形成予定領域に対応する部
分をシリコン基板の前記一表面に到達するまでエッチン
グして開口する第2開口工程と、第2開口工程の後でシ
リコン基板の前記一表面に異方性エッチングによりガイ
ド溝を形成するガイド溝形成工程とを備えることを特徴
とする。
【0014】請求項1の発明の製造方法によれば、シリ
コン基板の前記一表面側に第1のポリイミド層、第2の
ポリイミド層を順次形成した後、複合工程にてコアを形
成すると同時にガイド溝の開口幅を規定する窓孔を有し
たマスク部を形成し、その後、第1のポリイミド層のう
ちマスク部の窓孔により露出した表面とマスク部の窓孔
の内面とマスク部の表面とを覆うようにエッチングスト
ッパ膜を形成してから、シリコン基板の前記一表面側に
上部クラッド層となる第3のポリイミド層を形成し、次
に、第3のポリイミド層のうちガイド溝の形成予定領域
に対応する部分をエッチングストッパ膜に達する深さま
でエッチングし、さらにエッチングストッパ膜を除去し
てから第1のポリイミド層のうちガイド溝の形成予定領
域に対応する部分をシリコン基板の前記一表面に到達す
るまでエッチングし、続いて、シリコン基板の前記一表
面に異方性エッチングによりガイド溝を形成することに
なるので、結果的に下部クラッドとコアと上部クラッド
とからなるポリイミド光導波路のコアとガイド溝との位
置精度がコアを形成すると同時にマスク部を形成する複
合工程にて用いる1つのマスクにより決まり、ポリイミ
ド光導波路とガイド溝との位置合わせ精度を向上でき、
歩留まりを向上できて低コスト化を図れ、しかも、マス
クずれに起因したポリイミド光導波路と光ファイバとの
間での光損失の発生をなくすことができ、ポリイミド光
導波路と光ファイバとの光結合効率を高めることができ
る。
【0015】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記第2開口工程と前記ガイド溝形成工程との間
に、シリコン基板の前記一表面に形成された自然酸化膜
からなるシリコン酸化膜を除去する酸化膜除去工程を備
えるので、前記ガイド溝形成工程における異方性エッチ
ングを確実に行うことができる。
【0016】請求項3の発明は、シリコン基板の一面側
に下部クラッド層とコアと上部クラッド層とからなるポ
リイミド光導波路が設けられるとともに、ポリイミド光
導波路に光結合させる光ファイバを位置決めするガイド
溝が設けられた光導波路装置の製造方法であって、シリ
コン基板の前記一表面にシリコン酸化膜を形成する酸化
膜形成工程と、シリコン酸化膜上に下部クラッド層とな
る第1のポリイミド層を形成する第1ポリイミド層形成
工程と、第1のポリイミド層上に第1のポリイミド層よ
りも屈折率の高い第2のポリイミド層を形成する第2ポ
リイミド層形成工程と、第2のポリイミド層をパターニ
ングしてコアを形成すると同時にシリコン基板の前記一
表面におけるガイド溝の開口幅を規定する窓孔を有した
マスク部を形成する複合工程と、第1のポリイミド層の
うちマスク部の窓孔により露出した表面とマスク部の窓
孔の内面とマスク部の表面とを覆うようにエッチングス
トッパ膜を形成するストッパ膜形成工程と、ストッパ膜
形成工程の後でシリコン基板の前記一表面側に上部クラ
ッド層となる第3のポリイミド層を形成する第3ポリイ
ミド層形成工程と、第3のポリイミド層のうちガイド溝
の形成予定領域に対応する部分をエッチングストッパ膜
に達する深さまでエッチングして開口する第1開口工程
と、第1開口工程の後で露出したエッチングストッパ膜
を除去するストッパ膜除去工程と、ストッパ膜除去工程
の後で第1のポリイミド層のうちガイド溝の形成予定領
域に対応する部分をシリコン酸化膜に到達するまでエッ
チングして開口する第2開口工程と、第2開口工程の後
でシリコン酸化膜のうちガイド溝の形成予定領域に対応
する部分を除去する酸化膜除去工程と、酸化膜除去工程
の後でシリコン基板の前記一表面に異方性エッチングに
よりガイド溝を形成するガイド溝形成工程とを備えるこ
とを特徴とする。
【0017】請求項3の発明の製造方法によれば、シリ
コン基板の前記一表面側にシリコン酸化膜、第1のポリ
イミド層、第2のポリイミド層を順次形成した後、複合
工程にてコアを形成すると同時にガイド溝の開口幅を規
定する窓孔を有したマスク部を形成し、その後、第1の
ポリイミド層のうちマスク部の窓孔により露出した表面
とマスク部の窓孔の内面とマスク部の表面とを覆うよう
にエッチングストッパ膜を形成してから、シリコン基板
の前記一表面側に上部クラッド層となる第3のポリイミ
ド層を形成し、次に、第3のポリイミド層のうちガイド
溝の形成予定領域に対応する部分をエッチングストッパ
膜に達する深さまでエッチングし、さらにエッチングス
トッパ膜を除去してから第1のポリイミド層のうちガイ
ド溝の形成予定領域に対応する部分をシリコン酸化膜に
到達するまでエッチングし、その後、シリコン酸化膜を
シリコン基板の前記一表面に到達するまでエッチング
し、続いて、シリコン基板の前記一表面に異方性エッチ
ングによりガイド溝を形成することになるので、結果的
に下部クラッドとコアと上部クラッドとからなるポリイ
ミド光導波路のコアとガイド溝との位置精度がコアを形
成すると同時にマスク部を形成する複合工程にて用いる
1つのマスクにより決まり、ポリイミド光導波路とガイ
ド溝との位置合わせ精度を向上でき、歩留まりを向上で
きて低コスト化を図れ、しかも、マスクずれに起因した
ポリイミド光導波路と光ファイバとの間での光損失の発
生をなくすことができ、ポリイミド光導波路と光ファイ
バとの光結合効率を高めることができる。
【0018】請求項4の発明は、請求項2または請求項
3の発明において、前記酸化膜除去工程では、エッチン
グ液として緩衝化されたフッ酸水溶液を用いるので、前
記第1のポリイミド層と前記シリコン基板との間に介在
するシリコン酸化膜が前記酸化膜除去工程で用いるエッ
チング液によってエッチングされてしまうことを防止で
き、前記第1のポリイミド層が剥離することを防止する
ことができる。
【0019】請求項5の発明は、請求項1ないし請求項
4の発明において、前記ガイド溝形成工程では、エッチ
ング液として緩衝化された水酸化テトラメチルアンモニ
ウム水溶液を用いるので、前記第3のポリイミド層が前
記ガイド溝形成工程で用いるエッチング液によって溶解
したり前記シリコン基板と前記第1のポリイミド層との
界面にエッチング液が浸透して前記ガイド溝の形状が所
望の形状ではなくなるのを防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】(実施形態1)本実施形態におけ
る光導波路装置の基本構成は、図7に示した従来構成と
同じであり、シリコン基板1の一面側に下部クラッド層
4aとコア5aと上部クラッド層6aとからなるポリイ
ミド光導波路10が設けられるとともに、ポリイミド光
導波路10に光結合させる光ファイバ20を位置決めす
る断面V字状のV溝からなるガイド溝3が設けられてい
る。ここにおいて、シリコン基板1は、主表面の結晶方
位が<100>の(100)基板を用いている。また、
下部クラッド層4aと上部クラッド層6aとは屈折率が
同じポリイミドにより形成され、コア5aは各クラッド
層4a,6aよりも屈折率の高いポリイミドにより形成
されている。また、シリコン基板1には、光ファイバ2
0においてポリイミド光導波路10に対向する端面を位
置決めするためのトレンチからなるファイバストッパ溝
8が形成されている。なお、ガイド溝3は延長方向にお
けるポリイミド光導波路10側でファイバストッパ溝8
に連通している。
【0021】以下、本実施形態の光導波路装置の製造方
法について図1を参照しながら説明する。なお、図1の
(a)〜(j)において上下方向の破線よりも左側には
ポリイミド光導波路10の形成予定領域もしくはポリイ
ミド光導波路10を含む断面を示してあり、右側にはガ
イド溝3の形成予定領域もしくはガイド溝3を含む断面
を示してある。
【0022】まず、自然酸化膜を除去したシリコン基板
1(図1(a)参照)の主表面上に下部クラッド層とな
る第1のポリイミド層4を形成する第1ポリイミド層形
成工程を行うことにより図1(b)に示す構造が得ら
れ、その後、第1のポリイミド層4上に第1のポリイミ
ド層4よりも屈折率の高い第2のポリイミド層5を形成
する第2ポリイミド層形成工程を行うことにより図1
(c)に示す構造が得られる。
【0023】次に、第2のポリイミド層5をパターニン
グしてコア5aを形成すると同時にシリコン基板1の主
表面におけるガイド溝3の開口幅(図1(j)における
左右方向の幅)を規定する窓孔5cを有したマスク部5
bを形成する複合工程を行うことにより図1(d)に示
す構造が得られる。ここにおいて、複合工程では、第2
のポリイミド層5上にフォトレジスト層(図示せず)を
形成し、コア5aのパターンとマスク部5bのパターン
との両方を備えたフォトマスクを用いてフォトレジスト
層をパターニングし、パターニングされたフォトレジス
ト層をマスクとして反応性イオンエッチング(RIE)
装置により酸素プラズマを用いて第2のポリイミド層5
をエッチングすることにより、コア5aおよびマスク部
5bを形成する。
【0024】続いて、第1のポリイミド層4のうちマス
ク部5bの窓孔5cにより露出した表面とマスク部5b
の窓孔5cの内面とマスク部5bの表面とを覆うように
エッチングストッパ膜7を形成するストッパ膜形成工程
を行うことにより図1(e)に示す構造が得られる。こ
こにおいて、エッチングストッパ膜7としては、後の工
程で第3のポリイミド層6(図1(f)参照)の一部を
エッチングする際に利用する酸素プラズマに対してエッ
チング耐性のある金属膜か或いは気相堆積法により堆積
したシリコン酸化膜を用いればよい。
【0025】その後、シリコン基板1の主表面側に上部
クラッド層となる第3のポリイミド層6を形成する第3
ポリイミド層形成工程を行うことにより図1(f)に示
す構造が得られる。なお、第3のポリイミド層形成工程
が終了することで、図1(f)における破線よりも左側
では第1のポリイミド層4の一部からなる下部クラッド
層4aと、第2のポリイミド層5の一部からなるコア5
aと、第3のポリイミド層6の一部からなる上部クラッ
ド層6aとで構成されるポリイミド光導波路10の形成
工程が終了することになる。
【0026】さらにその後、第3のポリイミド層6上に
フォトレジスト層(図示せず)を形成し、ガイド溝3の
形成予定領域に対応する部分にマスク部5bの窓孔5c
よりも開口幅の大きな開口窓のパターンを備えたフォト
マスクを用いてフォトレジスト層をパターニングし、パ
ターニングされたフォトレジスト層をマスクとして反応
性イオンエッチング(RIE)装置により酸素プラズマ
を用いて第3のポリイミド層6のうちガイド溝3の形成
予定領域に対応する部分をエッチングストッパ膜7に達
する深さまでエッチングして開口する第1開口工程を行
うことにより図1(g)に示す構造が得られる。なお、
第1開口工程において利用するフォトマスクの位置合わ
せ精度はコア5aとガイド溝3との位置合わせ精度には
影響しない。
【0027】次に、第1開口工程の後で露出したエッチ
ングストッパ膜7を反応性イオンエッチング(RIE)
装置によって除去するストッパ膜除去工程を行うことに
より図1(h)に示す構造が得られる。
【0028】次に、第1のポリイミド層4のうちガイド
溝3の形成予定領域に対応する部分をシリコン基板1の
主表面に到達するまで反応性イオンエッチング(RI
E)装置によりエッチングして開口する第2開口工程を
行うことにより図1(i)に示す構造が得られる。ここ
において、第1のポリイミド層4においてガイド溝3の
形成予定領域に対応した部位にはガイド溝3の開口幅に
対応した開口幅の窓孔4cが形成されることになる。要
するに、シリコン基板1上には第1のポリイミド層4の
一部よりなりガイド溝3に対応した開口幅の窓孔4cを
有するマスク部4bが形成されることになるが、この窓
孔4cの位置精度および開口幅は上述のマスク部5bの
窓孔5cの位置精度および開口幅により決まることにな
る。
【0029】続いて、シリコン基板1の主表面において
第1のポリイミド層4に覆われていない部分に形成され
た自然酸化膜からなるシリコン酸化膜(図示せず)を除
去する酸化膜除去工程を行った後、シリコン基板1の主
表面にアルカリ性のエッチング液を用いた異方性エッチ
ングによりガイド溝3を形成するガイド溝形成工程を行
うことにより図1(j)に示す構造が得られる。そし
て、最後に、適当な厚みのダイシングブレードを用いて
トレンチからなる光ファイバストッパ溝8を形成するこ
とで光導波路装置が完成する。
【0030】以上説明した製造方法によれば、シリコン
基板1の主表面側に第1のポリイミド層4、第2のポリ
イミド層5を順次形成した後、複合工程にてコア5aを
形成すると同時にガイド溝3の開口幅を規定する窓孔5
cを有したマスク部5bを形成し、その後、第1のポリ
イミド層4のうちマスク部5bの窓孔5cにより露出し
た表面とマスク部5bの窓孔5cの内面とマスク部5b
の表面の一部とを覆うようにエッチングストッパ膜7を
形成してから、シリコン基板1の主表面側に上部クラッ
ド層となる第3のポリイミド層6を形成し、次に、第3
のポリイミド層6のうちガイド溝3の形成予定領域に対
応する部分をエッチングストッパ膜7に達する深さまで
エッチングし、さらにエッチングストッパ膜7を除去し
てから第1のポリイミド層4のうちガイド溝3の形成予
定領域に対応する部分をシリコン基板1の主表面に到達
するまでエッチングし、続いて、シリコン基板1の主表
面に異方性エッチングによりガイド溝3を形成すること
になるので、結果的に下部クラッド4aとコア5aと上
部クラッド6aとからなるポリイミド光導波路10のコ
ア5aとガイド溝3との位置精度がコア5aを形成する
と同時にマスク部5bを形成する複合工程にて用いる1
つのマスク(フォトマスク)により決まり、ポリイミド
光導波路10とガイド溝3との位置合わせ精度を向上で
き、歩留まりを向上できて低コスト化を図れ、しかも、
マスクずれに起因したポリイミド光導波路10と光ファ
イバ20との間での光損失の発生をなくすことができ、
ポリイミド光導波路10と光ファイバ20との光結合効
率を高めることができる。
【0031】(実施形態2)本実施形態の光導波路装置
の構成は実施形態1と同じであって、製造方法が相違す
る。以下、本実施形態における光導波路装置の製造方法
について図2を参照しながら説明する。なお、図2の
(a)〜(l)において上下方向の破線よりも左側には
ポリイミド光導波路10の形成予定領域もしくはポリイ
ミド光導波路10を含む断面を示してあり、右側にはガ
イド溝3の形成予定領域もしくはガイド溝3を含む断面
を示してある。
【0032】まず、図2(a)に示すようなシリコン基
板1の表面にシリコン酸化膜2を形成することにより図
2(b)に示す構造が得られる。ここにおけるシリコン
酸化膜2の膜厚は後述のガイド溝形成工程でガイド溝3
を形成するために異方性エッチングを行う際にマスク材
となり得る厚さが必要である。
【0033】シリコン酸化膜2を形成した後、シリコン
基板1の主表面側の全面に下部クラッド層となる第1の
ポリイミド層4を形成する第1ポリイミド層形成工程を
行うことにより図2(c)に示す構造が得られ、その
後、第1のポリイミド層4上に第1のポリイミド層4よ
りも屈折率の高い第2のポリイミド層5を形成する第2
ポリイミド層形成工程を行うことにより図2(d)に示
す構造が得られる。
【0034】次に、第2のポリイミド層5をパターニン
グしてコア5aを形成すると同時にシリコン基板1の主
表面におけるガイド溝3の開口幅(図2(l)における
左右方向の幅)を規定する窓孔5cを有したマスク部5
bを形成する複合工程を行うことにより図2(e)に示
す構造が得られる。ここにおいて、複合工程では、第2
のポリイミド層5上にフォトレジスト層(図示せず)を
形成し、コア5aのパターンとマスク部5bのパターン
との両方を備えたフォトマスクを用いてフォトレジスト
層をパターニングし、パターニングされたフォトレジス
ト層をマスクとして反応性イオンエッチング(RIE)
装置により酸素プラズマを用いて第2のポリイミド層5
をエッチングすることにより、コア5aおよびマスク部
5bを形成する。
【0035】続いて、第1のポリイミド層4のうちマス
ク部5bの窓孔5cにより露出した表面とマスク部5b
の窓孔5cの内面とマスク部5bの表面とを覆うように
エッチングストッパ膜7を形成するストッパ膜形成工程
を行うことにより図2(f)に示す構造が得られる。こ
こにおいて、エッチングストッパ膜7としては、後述の
第1開口工程で第3のポリイミド層6(図2(g)参
照)の一部をエッチングする際に利用する酸素プラズマ
に対してエッチング耐性のある金属膜か或いは気相堆積
法により堆積したシリコン酸化膜を用いればよい。
【0036】その後、シリコン基板1の主表面側に上部
クラッド層となる第3のポリイミド層6を形成する第3
ポリイミド層形成工程を行うことにより図2(g)に示
す構造が得られる。なお、第3のポリイミド層形成工程
が終了することで、図2(g)における破線よりも左側
では第1のポリイミド層4の一部からなる下部クラッド
層4aと、第2のポリイミド層5の一部からなるコア5
aと、第3のポリイミド層6の一部からなる上部クラッ
ド層6aとで構成されるポリイミド光導波路10の形成
工程が終了することになる。
【0037】さらにその後、第3のポリイミド層6上に
フォトレジスト層(図示せず)を形成し、ガイド溝3の
形成予定領域に対応する部分にマスク部5bの窓孔5c
よりも開口幅の大きな開口窓のパターンを備えたフォト
マスクを用いてフォトレジスト層をパターニングし、パ
ターニングされたフォトレジスト層をマスクとして反応
性イオンエッチング(RIE)装置により酸素プラズマ
を用いて第3のポリイミド層のうちガイド溝3の形成予
定領域に対応する部分をエッチングストッパ膜7に達す
る深さまでエッチングして開口する第1開口工程を行う
ことにより図2(h)に示す構造が得られる。なお、第
1開口工程において利用するフォトマスクの位置合わせ
精度はコア5aとガイド溝3との位置合わせ精度には影
響しない。
【0038】次に、第1開口工程の後で露出したエッチ
ングストッパ膜7を反応性イオンエッチング(RIE)
装置によって除去するストッパ膜除去工程を行うことに
より図2(i)に示す構造が得られる。
【0039】次に、第1のポリイミド層4のうちガイド
溝3の形成予定領域に対応する部分をシリコン基板1の
主表面上のシリコン酸化膜2に到達するまで反応性イオ
ンエッチング(RIE)装置によりエッチングして開口
する第2開口工程を行うことにより図2(j)に示す構
造が得られる。ここにおいて、第1のポリイミド層4に
おいてガイド溝3の形成予定領域に対応した部位にはガ
イド溝3の開口幅に対応した開口幅の窓孔4cが形成さ
れることになる。要するに、シリコン基板1上には第1
のポリイミド層4の一部よりなりガイド溝3に対応した
開口幅の窓孔4cを有するマスク部4bが形成されるこ
とになるが、この窓孔4cの位置精度および開口幅は上
述のマスク部5bの窓孔5cの位置精度および開口幅に
より決まることになる。
【0040】続いて、シリコン基板1の主表面上にシリ
コン酸化膜2においてガイド溝3に対応する部分を除去
する酸化膜除去工程を行うことにより図2(k)に示す
構造が得られる。ここにおいて、酸化膜除去工程におい
てはエッチング液として緩衝化されたフッ酸水溶液を用
いている。酸化膜除去工程において緩衝化していないフ
ッ酸水溶液を用いた場合には、広い濃度範囲においてフ
ッ酸水溶液が各ポリイミド層4〜6中に浸透してシリコ
ン基板1と第1のポリイミド層4との間に介在するシリ
コン酸化膜2まで到達することにより、所望の箇所以外
でもシリコン酸化膜2がエッチングされ図3に示すよう
に第1のポリイミド層4が剥離してしまう恐れがあるか
らである。これに対して、本実施形態では緩衝化された
フッ酸水溶液を用いているので、図4に示すように第1
のポリイミド層4が剥離するのを防止することができ
る。したがって、ポリイミドをマスクとしてシリコン酸
化膜2の選択的エッチングを行うことができる。なお、
実施形態1で説明した酸化膜除去工程においても、シリ
コン基板1と第1のポリイミド層4との間にシリコン酸
化膜が介在している可能性があるので、エッチング液と
して緩衝化されたフッ酸水溶液を用いることが好まし
い。
【0041】その後、シリコン基板1の主表面に異方性
エッチングによりガイド溝3を形成するガイド溝形成工
程を行うことにより図2(l)に示す構造が得られる。
ここにおいて、ガイド溝形成工程では、アルカリ性のエ
ッチング液を用いるが、実施形態1で説明した製造方法
のようにシリコン基板1の主表面上に第1のポリイミド
層4が直接形成されている場合、第1のポリイミド層4
とシリコン基板1との密着性が良くないと、ガイド溝形
成工程において用いるエッチング液が、シリコン基板1
と第1のポリイミド層4との隙間に浸透しガイド溝3の
開口幅(溝幅)が広がってしまう恐れがある。しかしな
がら、本実施形態の製造方法では、シリコン基板1の主
表面においてガイド溝形成予定領域以外の部分はガイド
溝形成工程におけるマスク材となり得る膜厚のシリコン
酸化膜2により保護されているので、ガイド溝3の開口
幅が広がるのを防止することができる。ところで、ガイ
ド溝形成工程におけるエッチング液としては、緩衝化さ
れた水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶
液を用いている。ガイド溝形成工程におけるエッチング
液として一般的にシリコン基板の異方性エッチングに利
用される水酸化カリウム(KOH)水溶液あるいは緩衝
化していないTMAH水溶液などの強アルカリ性のエッ
チング液を用いた場合には、図5に示すように第3のポ
リイミド層6がエッチング液で溶解してしまう恐れがあ
り、実施形態1のようにシリコン基板1上にポリイミド
層4が直接形成されている場合にはシリコン基板1と第
1のポリイミド層4との界面から浸透してそこから異方
性エッチングが始まってエッチング形状がいびつになる
恐れがある。これに対して、本実施形態では、ガイド溝
形成工程において緩衝化されたTMAH水溶液をエッチ
ング液として用いているので、第3のポリイミド層6の
溶解を防止することができ図6に示すように第3のポリ
イミド層6の平坦性が損なわれるのを防止することがで
きるとともに、エッチング形状がいびつになるのを防止
することができる。したがって、ポリイミドをマスクと
してシリコン基板1の異方性エッチングを行うことがで
きる。なお、実施形態1で説明したガイド溝形成工程に
おいても、エッチング液として緩衝化されたTMAH水
溶液を用いることが好ましい。
【0042】上述のガイド溝3を形成した後、最後に、
適当な厚みのダイシングブレードを用いてトレンチから
なる光ファイバストッパ溝8を形成することで光導波路
装置が完成する。
【0043】以上説明した製造方法によれば、シリコン
基板1の主表面側にシリコン酸化膜2、第1のポリイミ
ド層4、第2のポリイミド層5を順次形成した後、複合
工程にてコア5aを形成すると同時にガイド溝3の開口
幅を規定する窓孔5cを有したマスク部5bを形成し、
その後、第1のポリイミド層4のうちマスク部5bの窓
孔5cにより露出した表面とマスク部5bの窓孔5cの
内面とマスク部5bの表面の一部とを覆うようにエッチ
ングストッパ膜7を形成してから、シリコン基板1の主
表面側に上部クラッド層となる第3のポリイミド層6を
形成し、次に、第3のポリイミド層6のうちガイド溝3
の形成予定領域に対応する部分をエッチングストッパ膜
7に達する深さまでエッチングし、さらにエッチングス
トッパ膜7を除去してから第1のポリイミド層4のうち
ガイド溝3の形成予定領域に対応する部分をシリコン酸
化膜2に到達するまでエッチングし、その後、シリコン
酸化膜2をシリコン基板1の主表面に到達するまでエッ
チングし、続いて、シリコン基板1の主表面に異方性エ
ッチングによりガイド溝3を形成することになるから、
結果的に下部クラッド4aとコア5aと上部クラッド6
aとからなるポリイミド光導波路10のコア5aとガイ
ド溝3との位置精度がコア5aを形成すると同時にマス
ク部5bを形成する複合工程にて用いる1つのマスク
(フォトマスク)により決まり、ポリイミド光導波路1
0とガイド溝3との位置合わせ精度を向上でき、歩留ま
りを向上できて低コスト化を図れ、しかも、マスクずれ
に起因したポリイミド光導波路10と光ファイバ20と
の間での光損失の発生をなくすことができ、ポリイミド
光導波路10と光ファイバ20との光結合効率を高める
ことができる。
【0044】なお、上記各実施形態において、エッチン
グストッパ膜7を除去する際にRIE装置を用いる代わ
りに、エッチング液としてフッ酸系の薬品を用いること
も考えられるが、フッ酸系の薬品を用いた場合には第1
のポリイミド層4が剥離する恐れがあるので、エッチン
グストッパ膜7を除去する際のエッチング液としては、
エッチングストッパ膜7を除去でき且つ第1のポリイミ
ド層4の剥離を防止できるようなエッチング液として、
例えば、緩衝化されたフッ酸水溶液(バッファードフッ
酸)を用いるか、あるはフッ酸系の薬品以外の薬品を用
いることが好ましい。
【0045】
【発明の効果】請求項1の発明は、シリコン基板の一面
側に下部クラッド層とコアと上部クラッド層とからなる
ポリイミド光導波路が設けられるとともに、ポリイミド
光導波路に光結合させる光ファイバを位置決めするガイ
ド溝が設けられた光導波路装置の製造方法であって、シ
リコン基板の前記一表面側に下部クラッド層となる第1
のポリイミド層を形成する第1ポリイミド層形成工程
と、第1のポリイミド層上に第1のポリイミド層よりも
屈折率の高い第2のポリイミド層を形成する第2ポリイ
ミド層形成工程と、第2のポリイミド層をパターニング
してコアを形成すると同時にシリコン基板の前記一表面
におけるガイド溝の開口幅を規定する窓孔を有したマス
ク部を形成する複合工程と、第1のポリイミド層のうち
マスク部の窓孔により露出した表面とマスク部の窓孔の
内面とマスク部の表面とを覆うようにエッチングストッ
パ膜を形成するストッパ膜形成工程と、ストッパ膜形成
工程の後でシリコン基板の前記一表面側に上部クラッド
層となる第3のポリイミド層を形成する第3ポリイミド
層形成工程と、第3のポリイミド層のうちガイド溝の形
成予定領域に対応する部分をエッチングストッパ膜に達
する深さまでエッチングして開口する第1開口工程と、
第1開口工程の後で露出したエッチングストッパ膜を除
去するストッパ膜除去工程と、ストッパ膜除去工程の後
で第1のポリイミド層のうちガイド溝の形成予定領域に
対応する部分をシリコン基板の前記一表面に到達するま
でエッチングして開口する第2開口工程と、第2開口工
程の後でシリコン基板の前記一表面に異方性エッチング
によりガイド溝を形成するガイド溝形成工程とを備える
ので、シリコン基板の前記一表面側に第1のポリイミド
層、第2のポリイミド層を順次形成した後、複合工程に
てコアを形成すると同時にガイド溝の開口幅を規定する
窓孔を有したマスク部を形成し、その後、第1のポリイ
ミド層のうちマスク部の窓孔により露出した表面とマス
ク部の窓孔の内面とマスク部の表面とを覆うようにエッ
チングストッパ膜を形成してから、シリコン基板の前記
一表面側に上部クラッド層となる第3のポリイミド層を
形成し、次に、第3のポリイミド層のうちガイド溝の形
成予定領域に対応する部分をエッチングストッパ膜に達
する深さまでエッチングし、さらにエッチングストッパ
膜を除去してから第1のポリイミド層のうちガイド溝の
形成予定領域に対応する部分をシリコン基板の前記一表
面に到達するまでエッチングし、続いて、シリコン基板
の前記一表面に異方性エッチングによりガイド溝を形成
することになるから、結果的に下部クラッドとコアと上
部クラッドとからなるポリイミド光導波路のコアとガイ
ド溝との位置精度がコアを形成すると同時にマスク部を
形成する複合工程にて用いる1つのマスクにより決ま
り、ポリイミド光導波路とガイド溝との位置合わせ精度
を向上でき、歩留まりを向上できて低コスト化を図れ、
しかも、マスクずれに起因したポリイミド光導波路と光
ファイバとの間での光損失の発生をなくすことができ、
ポリイミド光導波路と光ファイバとの光結合効率を高め
ることができるという効果がある。
【0046】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記第2開口工程と前記ガイド溝形成工程との間
に、シリコン基板の前記一表面に形成された自然酸化膜
からなるシリコン酸化膜を除去する酸化膜除去工程を備
えるので、前記ガイド溝形成工程における異方性エッチ
ングを確実に行うことができるという効果がある。
【0047】請求項3の発明は、シリコン基板の一面側
に下部クラッド層とコアと上部クラッド層とからなるポ
リイミド光導波路が設けられるとともに、ポリイミド光
導波路に光結合させる光ファイバを位置決めするガイド
溝が設けられた光導波路装置の製造方法であって、シリ
コン基板の前記一表面にシリコン酸化膜を形成する酸化
膜形成工程と、シリコン酸化膜上に下部クラッド層とな
る第1のポリイミド層を形成する第1ポリイミド層形成
工程と、第1のポリイミド層上に第1のポリイミド層よ
りも屈折率の高い第2のポリイミド層を形成する第2ポ
リイミド層形成工程と、第2のポリイミド層をパターニ
ングしてコアを形成すると同時にシリコン基板の前記一
表面におけるガイド溝の開口幅を規定する窓孔を有した
マスク部を形成する複合工程と、第1のポリイミド層の
うちマスク部の窓孔により露出した表面とマスク部の窓
孔の内面とマスク部の表面とを覆うようにエッチングス
トッパ膜を形成するストッパ膜形成工程と、ストッパ膜
形成工程の後でシリコン基板の前記一表面側に上部クラ
ッド層となる第3のポリイミド層を形成する第3ポリイ
ミド層形成工程と、第3のポリイミド層のうちガイド溝
の形成予定領域に対応する部分をエッチングストッパ膜
に達する深さまでエッチングして開口する第1開口工程
と、第1開口工程の後で露出したエッチングストッパ膜
を除去するストッパ膜除去工程と、ストッパ膜除去工程
の後で第1のポリイミド層のうちガイド溝の形成予定領
域に対応する部分をシリコン酸化膜に到達するまでエッ
チングして開口する第2開口工程と、第2開口工程の後
でシリコン酸化膜のうちガイド溝の形成予定領域に対応
する部分を除去する酸化膜除去工程と、酸化膜除去工程
の後でシリコン基板の前記一表面に異方性エッチングに
よりガイド溝を形成するガイド溝形成工程とを備えるの
で、シリコン基板の前記一表面側にシリコン酸化膜、第
1のポリイミド層、第2のポリイミド層を順次形成した
後、複合工程にてコアを形成すると同時にガイド溝の開
口幅を規定する窓孔を有したマスク部を形成し、その
後、第1のポリイミド層のうちマスク部の窓孔により露
出した表面とマスク部の窓孔の内面とマスク部の表面と
を覆うようにエッチングストッパ膜を形成してから、シ
リコン基板の前記一表面側に上部クラッド層となる第3
のポリイミド層を形成し、次に、第3のポリイミド層の
うちガイド溝の形成予定領域に対応する部分をエッチン
グストッパ膜に達する深さまでエッチングし、さらにエ
ッチングストッパ膜を除去してから第1のポリイミド層
のうちガイド溝の形成予定領域に対応する部分をシリコ
ン酸化膜に到達するまでエッチングし、その後、シリコ
ン酸化膜をシリコン基板の前記一表面に到達するまでエ
ッチングし、続いて、シリコン基板の前記一表面に異方
性エッチングによりガイド溝を形成することになるか
ら、結果的に下部クラッドとコアと上部クラッドとから
なるポリイミド光導波路のコアとガイド溝との位置精度
がコアを形成すると同時にマスク部を形成する複合工程
にて用いる1つのマスクにより決まり、ポリイミド光導
波路とガイド溝との位置合わせ精度を向上でき、歩留ま
りを向上できて低コスト化を図れ、しかも、マスクずれ
に起因したポリイミド光導波路と光ファイバとの間での
光損失の発生をなくすことができ、ポリイミド光導波路
と光ファイバとの光結合効率を高めることができるとい
う効果がある。
【0048】請求項4の発明は、請求項2または請求項
3の発明において、前記酸化膜除去工程では、エッチン
グ液として緩衝化されたフッ酸水溶液を用いるので、前
記第1のポリイミド層と前記シリコン基板との間に介在
するシリコン酸化膜が前記酸化膜除去工程で用いるエッ
チング液によってエッチングされてしまうことを防止で
き、前記第1のポリイミド層が剥離することを防止する
ことができるという効果がある。
【0049】請求項5の発明は、請求項1ないし請求項
4の発明において、前記ガイド溝形成工程では、エッチ
ング液として緩衝化された水酸化テトラメチルアンモニ
ウム水溶液を用いるので、前記第3のポリイミド層が前
記ガイド溝形成工程で用いるエッチング液によって溶解
したり前記シリコン基板と前記第1のポリイミド層との
界面にエッチング液が浸透して前記ガイド溝の形状が所
望の形状ではなくなるのを防止することができるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の光導波路装置の製造方法を説明す
るための主要工程断面図である。
【図2】実施形態2の光導波路装置の製造方法を説明す
るための主要工程断面図である。
【図3】同上の製造方法の比較例を説明するための主要
工程断面図である。
【図4】同上の製造方法を説明するための主要工程断面
図である。
【図5】同上の製造方法の比較例を説明するための主要
工程断面図である。
【図6】同上の製造方法を説明するための主要工程断面
図である。
【図7】従来例を示す光導波路装置の概略構成図であ
る。
【図8】同上の光導波路装置の製造方法を説明するため
の主要工程断面図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 シリコン酸化膜 3 ガイド溝 4 第1のポリイミド層 4a 下部クラッド層 5 第2のポリイミド層 5a コア 5b マスク部 5c 窓孔 6 第3のポリイミド層 6a 上部クラッド層 10 ポリイミド光導波路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 茂夫 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 2H047 KA04 PA02 PA15 PA24 PA28 QA05 RA08 TA41

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板の一面側に下部クラッド層
    とコアと上部クラッド層とからなるポリイミド光導波路
    が設けられるとともに、ポリイミド光導波路に光結合さ
    せる光ファイバを位置決めするガイド溝が設けられた光
    導波路装置の製造方法であって、シリコン基板の前記一
    表面側に下部クラッド層となる第1のポリイミド層を形
    成する第1ポリイミド層形成工程と、第1のポリイミド
    層上に第1のポリイミド層よりも屈折率の高い第2のポ
    リイミド層を形成する第2ポリイミド層形成工程と、第
    2のポリイミド層をパターニングしてコアを形成すると
    同時にシリコン基板の前記一表面におけるガイド溝の開
    口幅を規定する窓孔を有したマスク部を形成する複合工
    程と、第1のポリイミド層のうちマスク部の窓孔により
    露出した表面とマスク部の窓孔の内面とマスク部の表面
    とを覆うようにエッチングストッパ膜を形成するストッ
    パ膜形成工程と、ストッパ膜形成工程の後でシリコン基
    板の前記一表面側に上部クラッド層となる第3のポリイ
    ミド層を形成する第3ポリイミド層形成工程と、第3の
    ポリイミド層のうちガイド溝の形成予定領域に対応する
    部分をエッチングストッパ膜に達する深さまでエッチン
    グして開口する第1開口工程と、第1開口工程の後で露
    出したエッチングストッパ膜を除去するストッパ膜除去
    工程と、ストッパ膜除去工程の後で第1のポリイミド層
    のうちガイド溝の形成予定領域に対応する部分をシリコ
    ン基板の前記一表面に到達するまでエッチングして開口
    する第2開口工程と、第2開口工程の後でシリコン基板
    の前記一表面に異方性エッチングによりガイド溝を形成
    するガイド溝形成工程とを備えることを特徴とする光導
    波路装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第2開口工程と前記ガイド溝形成工
    程との間に、シリコン基板の前記一表面に形成された自
    然酸化膜からなるシリコン酸化膜を除去する酸化膜除去
    工程を備えることを特徴とする請求項1記載の光導波路
    装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 シリコン基板の一面側に下部クラッド層
    とコアと上部クラッド層とからなるポリイミド光導波路
    が設けられるとともに、ポリイミド光導波路に光結合さ
    せる光ファイバを位置決めするガイド溝が設けられた光
    導波路装置の製造方法であって、シリコン基板の前記一
    表面にシリコン酸化膜を形成する酸化膜形成工程と、シ
    リコン酸化膜上に下部クラッド層となる第1のポリイミ
    ド層を形成する第1ポリイミド層形成工程と、第1のポ
    リイミド層上に第1のポリイミド層よりも屈折率の高い
    第2のポリイミド層を形成する第2ポリイミド層形成工
    程と、第2のポリイミド層をパターニングしてコアを形
    成すると同時にシリコン基板の前記一表面におけるガイ
    ド溝の開口幅を規定する窓孔を有したマスク部を形成す
    る複合工程と、第1のポリイミド層のうちマスク部の窓
    孔により露出した表面とマスク部の窓孔の内面とマスク
    部の表面とを覆うようにエッチングストッパ膜を形成す
    るストッパ膜形成工程と、ストッパ膜形成工程の後でシ
    リコン基板の前記一表面側に上部クラッド層となる第3
    のポリイミド層を形成する第3ポリイミド層形成工程
    と、第3のポリイミド層のうちガイド溝の形成予定領域
    に対応する部分をエッチングストッパ膜に達する深さま
    でエッチングして開口する第1開口工程と、第1開口工
    程の後で露出したエッチングストッパ膜を除去するスト
    ッパ膜除去工程と、ストッパ膜除去工程の後で第1のポ
    リイミド層のうちガイド溝の形成予定領域に対応する部
    分をシリコン酸化膜に到達するまでエッチングして開口
    する第2開口工程と、第2開口工程の後でシリコン酸化
    膜のうちガイド溝の形成予定領域に対応する部分を除去
    する酸化膜除去工程と、酸化膜除去工程の後でシリコン
    基板の前記一表面に異方性エッチングによりガイド溝を
    形成するガイド溝形成工程とを備えることを特徴とする
    光導波路装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記酸化膜除去工程では、エッチング液
    として緩衝化されたフッ酸水溶液を用いることを特徴と
    する請求項2または請求項3記載の光導波路装置の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記ガイド溝形成工程では、エッチング
    液として緩衝化された水酸化テトラメチルアンモニウム
    水溶液を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項
    4のいずれかに記載の光導波路装置の製造方法。
JP2002086320A 2002-03-26 2002-03-26 光導波路装置の製造方法 Withdrawn JP2003279778A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002086320A JP2003279778A (ja) 2002-03-26 2002-03-26 光導波路装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002086320A JP2003279778A (ja) 2002-03-26 2002-03-26 光導波路装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003279778A true JP2003279778A (ja) 2003-10-02

Family

ID=29232958

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002086320A Withdrawn JP2003279778A (ja) 2002-03-26 2002-03-26 光導波路装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003279778A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4796884B2 (ja) 光導波路デバイスの製造方法
US11150409B2 (en) Saw assisted facet etch dicing
WO2007044543A3 (en) Interface for a-si waveguides and iii/v waveguides
US5961683A (en) Method of manufacturing an optical device with a groove accurately formed
JP2002277661A (ja) 光導波路デバイスの切り出し方法
US20070128757A1 (en) Method for forming comb electrodes using self-alignment etching
JP2752851B2 (ja) 光導波路の製造方法
JP2003279778A (ja) 光導波路装置の製造方法
US6756185B2 (en) Method for making integrated optical waveguides and micromachined features
JP2006251598A (ja) 薄膜構造体の製造方法
JPS6325644B2 (ja)
JP2893093B2 (ja) ファイバ・ガイド部付き光導波路の製作方法
JP3014035B2 (ja) 光結合装置用基板、光結合装置およびそれらの製造方法
US6510275B1 (en) Micro-optoelectromechanical system based device with aligned structures and method for fabricating same
JP2003121679A (ja) 端面を斜め形状に成形した光ファイバを用いる光ファイバデバイス
US8260095B2 (en) Optical device, optical system, and method of manufacturing optical device
EP1639395B1 (en) Constructing well structures for hybrid optical waveguides
JP2743847B2 (ja) 光ファイバ実装型光導波路回路及びその製造方法
JP3264256B2 (ja) 光デバイスの製造方法及び実装構造
US11402579B2 (en) Techniques for fabricating waveguide facets and die separation
JP2663841B2 (ja) 光結合構造の製造方法
JP3243021B2 (ja) 光導波路素子の作製方法
JP2004151391A (ja) 光モジュール及びその作製方法
KR20030071899A (ko) 건식 식각 방법을 이용한 웨이브 가이드 홈 제작 방법
JP2000147289A (ja) 光導波路およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050607