JP2003279604A - 交流電力測定装置 - Google Patents

交流電力測定装置

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JP2003279604A
JP2003279604A JP2002085427A JP2002085427A JP2003279604A JP 2003279604 A JP2003279604 A JP 2003279604A JP 2002085427 A JP2002085427 A JP 2002085427A JP 2002085427 A JP2002085427 A JP 2002085427A JP 2003279604 A JP2003279604 A JP 2003279604A
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crystal
voltage
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electric field
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JP2002085427A
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Choushou Ri
チョウショウ リ
Shuu Sai
シュウ サイ
Toshihiko Yoshino
俊彦 芳野
Hidenobu Koide
英延 小出
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 交流電力を単一の光学的結晶を用いて測
定する。 【解決手段】 二重直交ポッケルス効果を有するニオブ
酸リチウム結晶などの3m対称性を示す結晶に、レーザ
ーダイオードからの発射光を偏光子を介して直線偏光と
したうえで入射し、負荷電圧に関係する電界と負荷電流
に関係する電界とを、光軸に対して二方向で直交するよ
うに印加し、この結晶からの出射光をビームスプリッタ
で成分分解し、直交成分信号を処理して有効電力、皮相
電力などを求める。単一の結晶で交流電力を瞬時に測定
することができるので、従来のごとく磁気光学的結晶や
鉄心コイルなどを使用することなく、リアルタイム測定
が可能となる利点を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はポッケルス効果を
有する素子を用いた交流電力の測定装置に関する。交流
電力の測定は、電力系統の運用および管理にとって非常
に重要である。
【0002】
【従来の技術】従来、交流電力の測定のために、二つの
主な方法、すなわち電気的な方法および光学的な方法が
あった。前者に関しては、電磁誘導の原理に基づく電流
力計や、ホール効果およびアナログ又はディジタルの電
気的な乗算器に基づく電力計がある。このほかに発光ダ
イオードおよび光導電素子から構成される光−電子乗算
器や、ポインティングの定理に基づく変換器も開発され
ている。
【0003】これらの電気的な方法に加えて、いくつか
の光学的方法が開発されている。それらのうちのほとん
どは、ポッケルス効果、カー効果およびファラデー効果
を主として含む、結晶あるいは光ファイバーにおいて存
在する光学的効果に基づくものである。
【0004】例えば、石英結晶、低い複屈折の光ファイ
バーおよびサニャックファイバー干渉計は、電流と電圧
の同時の測定に適用することができる。Bi12SiO20
(又はBSO)結晶は電力の検出要素として使用するこ
とができる。さらに、ポッケルスセルおよびファラデー
セルのコンビネーションに基づいた光学的電力検出シス
テムも知られている。
【0005】いくつかの電気光学の結晶において存在す
る二重の直交するポッケルス効果は、1963年に理論
上並びに実験的に突きとめられた。その時以来、この効
果は、偏光コントローラ、偏光変動のリアルタイム測定
および二次元電界の測定などに成功裡に適用された。更
に、この効果に基づいて、パルスコントロールされる偏
光変換器および電気光学的結晶乗算器も、近年紹介され
ている。
【0006】しかしながら、従来の方法は、交流電力を
測定する際に、二つ以上の素子あるいは変換器を必要と
し、このために温度や電界などの物理量の変化に対する
補正が複雑になる問題点を有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明の課題は、単
一の電気光学の結晶によって交流電力を測定する新しい
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を、二重直交ポッケルス効果をもたらす素子を利用して
達成しようとするもので、負荷電圧に相当する電圧に基
づく第一の電界と負荷電流に相当する電圧に基づく第二
の電界とを、二重直交ポッケルス効果を有する単一の結
晶に、相互に直交する方向にて印加し、直線偏光光を前
記二つの電界方向との成す角度がほぼ45°となるよう
に傾斜させて結晶中に入射し、この結晶の出射光に基づ
いて交流電力を求めることを特徴とするものである。こ
こで「ほぼ」45°としたのは、厳密には丁度45°が
望ましいのであるが、装置の各素子の製造ならびに全体
の組立の制約上、45°を若干ずれることがあり得るこ
とと、仮にずれたとして装置の動作上支障がないこと、
そして積極的にずらすことの意義が存在しないこと等の
理由から、あえて「ほぼ」と記載したものである。
【0009】本発明において用いられる光学的検出ユニ
ットは、結晶の対称軸で見ていわゆる3m対称性の点群
に属する、たとえばニオブ酸リチウム結晶(LiNbO
3又はLN)などの結晶および偏光子から構成されてい
る。
【0010】三つの回転軸を備えたいかなる電気光学的
結晶も、光のビームに垂直な電界の大きさが電気−光学
的位相遅延を制御し、電界の方向が結晶の偏光軸に対す
る位置決めを行うような、二重直交ポッケルス効果を有
している。
【0011】直交する電界下にあるLN結晶を考える。
図2で、y'およびx'は電気的に引き起こされた偏光の二
つの直交する主軸であるが、ここで示されるように、二
重の直交するポッケルス効果は次の方程式として表わす
ことができる。
【数1】
【数2】
【数3】 ここで、γは偏光のy'とx'偏光成分間の電気光学的位相
遅れ、θは座標軸xに対するy’軸の相対的角度、Em
=√(Ex 2+ Ey 2)は印加された電界の大きさ、α=
arc tan(Ey/Ex)はその等距離方位角、Ex、Eyは印
加電界の二つの直交成分、k0は定数、λ0は自由空間に
おける入射光の波長、n0はLN結晶の通常の屈折率、
22は電気光学的線形係数の一つ、lはz軸方向の長さ
である。
【0012】図2及び式(1)、(2)によれば、
x、Ey及びその積は、以下のように分離して書くこと
ができる。
【数4】
【数5】
【数6】
【0013】z軸に沿って伝播する偏光に関しては、直
交電界の印加下でのLN結晶は、理想的な線形位相遅延
器と見なすことができ、R.M.A.Azzamらによって展開さ
れた正規化されたジョーンズマトリックスは、(7)の
ようになる。
【数7】
【0014】入射偏光の等距離方位角を45°と仮定す
ると、出射光の正規化されたジョーンズベクトルは、式
(8)のように推測される。
【数8】
【0015】γは非常に小さく、sin2(γ/2) ≒(γ
/2)2であることを考慮すると、出射光の強さの二成分
とその差は、(8)式と(6)式に基づき以下のように
表される。
【数9】 ここで、Iiは入射光の強さを表わしている。
【0016】式(9)〜(11)は、二つの独立の電界E
xとEyから得られる信号は、偏光の強度信号、すなわち
ox 、Ioy 又はIodの中に含まれているということを
意味している。それゆえ、この生成信号は光の強度を検
出する際に測定可能である。これが、本発明の基本原理
である。
【0017】瞬時電力pは、電流iと電圧uとの積、すな
わちp=uiと定義される。もしもuとiとを、個別に
LN結晶の二つの印加電界ExとEyとに変換できるなら
ば、瞬時電力信号はIox 、Ioy 又はIodから得ること
ができる。
【0018】負荷電圧と負荷電流とを個別に二つの電圧
xとuyとに変換できると仮定すると、これらの関係
は、
【数10】 これから、式(11)は、次のように書きなおせる。
【数11】 ここで、 k1及びk2 二つの変換係数 h LN結晶の高さ w 同じく幅 ks センシングユニットの感度に関係する係数 式(13)は、電力を光の強度から測定することができるこ
とを示している。
【0019】
【発明の実施の形態】前述した理論的解析に基づき、図
1に示すような単一のLN結晶を用いた電力計測システ
ムを構築した。ここで、LDは波長λ0=670nmのレー
ザダイオードである。直線偏光は等距離方位角45°の
偏光子POLから得た。この偏光角は45°より前後し
ても問題はない。4個の金めっき電極を持つ30×4×4m
3のz軸成長LN結晶LNが光学的検出素子として用
いられた。各電極の面積は30×3.5mm2である。ux
yは、負荷電圧と負荷電流とに相当する印加電圧であ
る。 λ0=670nm、n0=2.277、r22≒6.8pm/V、l=3
0mm k0=2.259×10-5m/V、従って半波電界はEπ=π/
0=139.1kV/m もしもux=uyならば、相応する半波電圧Uπ=hEπ
/√2=393.4V
【0020】変調された出射光は、偏光ビームスプリッ
タPBSによってxおよびy成分に分けられ、二つのフ
ォトダイオードPD1とPD2(Si−PIN)で検出
される。電子的線形増幅器AMPを通過する際、検出さ
れた信号はディジタルオシロスコープOSC(アンリツ
電気製HP54610B)で表示し測定した。
【0021】一般的に、ビームスプリッタPBSのビー
ムスプリット比は正確に1:1ではなく、a:bであ
り、フォトダイオードの応答性および増幅器の増幅率も
相互に異なっている。これらの要素を考慮に入れると、
二つの出力検出信号は一般に、
【数12】 と表わせる。ここでrx、ryは二つのフォトダイオード
の応答度、kax、kayは二つの線形増幅器の増幅率であ
る。
【0022】負荷電圧と負荷電流が、UとIを負荷電
圧、負荷電流の実効値、ωを角周波数、φをu(t)とi
(t)との間の位相差とした場合に、
【数13】 で表されるとするならば、uoxとuoyとの差は、次のよ
うに表すことが出来る。
【0023】
【数14】
【数15】 ここで、P=UIcosφは有効電力、S=UIは皮相電
力である。
【0024】式(17)から、有効電力信号Pは、出力検出
信号uodの直流成分内に含まれることが判り、一方、皮
相電力信号Sはuodの交流成分の振幅に比例する。それ
ゆえ、もしもd≠0ならば、uodの直流成分から有効電
力信号Pを区別することは困難である。
【0025】無視できない不確実性がd≠0によりもた
らされる。式(18)によれば、d=0とする一つの簡単な
方法は、二つの増幅器の増幅率、即ち、kax及びkayを調
整することである。
【0026】電力を直線的に測定するためには、次の条
件を満足しなければならない。 1)uxとuyの振幅は、センシング結晶の整合電圧と呼
ばれるLN結晶の半波電圧の振幅、すなわち、Uπ/π
=125Vに対してかなり小さくなければならない。 2)負荷電圧と負荷電流は、整合電圧に変換されねばな
らない。この変換は受動的、線型、無歪かつ同相である
べきである。一般には抵抗性又は容量性の分圧器が電圧
変換器として用いられている。
【0027】さて、1kVAの範囲内での交流電力測定
を考える。最大負荷電圧と負荷電流は100Vと10A
で、共に多くの典型的な電圧及び電流変換器の出力値で
ある。交流電力を測定し、負荷電流を整合電圧に変換す
る回路は、図3に示されており、ここで、ZLは負荷イ
ンピーダンス、Tは負荷電圧を制御する交流電圧調整器
である。
【0028】有効電力量は、電気動力計Wを読むことに
より得られる。皮相電力は電流計Aと、負荷に並列接続
された電圧計Vの読みから計算できる。100Vの範囲
内では、負荷電圧はLN結晶の整合電圧とみなすことが
できる。すなわち、式(12)のk1=1の場合に相当す
る。
【0029】交流負荷電流を整合電圧に変換するため
に、図3に示す空心電流変換器CTとコンデンサを用い
た。図でMはCTの相互インダクタンス係数、L1,L2
は自己インダクタンス係数、R1,R2はコイルの抵抗値
である。正弦波電流に対しては、複素ベクトル分析によ
り次の式が得られる。
【数16】 もしも1−ω22C=0が成り立つならば、式(19)は、
【数17】 となる。ここで、k2は式(12)の定数で実数である。式
(20)は、整合電圧が負荷電流に直接比例し、かつこれと
同相であるということを意味している。
【0030】整合電圧uxとuyが同時にLN結晶に働く
と、z軸に沿って伝播する偏光は、uxとuyの積の信号
によって変調されるであろう。出力電圧uoxとuoyおよ
びu odはオシロスコープで観測することができる。式(1
7)によれば、有効電力信号Pはuodの平均値から得られ
る。皮相電力信号Sは振幅uodから得られる。無効電力
QはQ=√(S2−P2)なる関係式に従って計算でき
る。
【0031】電流−電圧変換器は、周波数50Hzで1
−ω22C=0なる条件を満たすために作られた。抵抗
負荷の場合、負荷電流の波形はuxのそれと同じであっ
た。ZL=9.7Ωで、I=3.8Aのとき、uxとuyの波形
は図4に示すとおりである。
【0032】図4は、出力整合電圧uyが負荷電流iと
同相であることを示している。10Aの範囲内で、負荷
電流I,負荷電圧Ux,および整合電圧Uyの実験デー
タが、図5に示されている。この図は、UyとIとの間
の良好な直線関係を示す。最小測定可能電流は0.1
A、最大出力整合電圧は74.2Vである。
【0033】抵抗性負荷では、P=Sである。ZL
9.7Ωに対する検出信号がオシロスコープにより表示
され計測された。電力が0のとき、二つの同一のDC電
圧信号線がオシロスコープのスクリーン上に現われ、相
互に一致した。電力を増加させると、二つの線は互いに
離れ、二つの逆相正弦波となる。P=825Wの場合、
ox、uoyおよびuodの波形は図6に示される。ここ
で、uod=uox−uoyである。uoxの波の底はuoyの波
の頂上に接触している。uodのピーク対ピーク振幅は、
その平均値の2倍であり、これはuoxとuoyの平均値の
差に等しい。有効電力信号はさらにuoxとuoyの間の直
流電圧から得ることが出来る。
【0034】1kWの範囲内で、異なるインピーダンス
を持つ負荷の有効電力が測定された。uodのピーク対ピ
ーク振幅Uodppを含む実験データは、図7に示されてい
る。最小測定可能電力Pmin=10Wである。測定感度
は、uod(曲線A)の平均値測定に対しては0.116
mV/W、ピーク対ピーク振幅(曲線B)の測定に対し
ては0.223mV/Wであった。図7から測定すべき
有効電力と出力電圧との間には、良好な直線関係が存在
することが判る。
【0035】負荷が誘導性のときは、負荷電圧と負荷電
流との間には位相変移が現われる。たとえば、負荷イン
ピーダンスZL=4.2+j9.7Ωで、位相変移φ=
65°、負荷電圧と負荷電流の波形は図10に示され
る。この場合、検出信号の二つの経路は図9に示すよう
に相互に重なり合い、この重畳領域は位相変移の増加と
共に拡大する。一方、差信号uodはオシロスコープのゼ
ロ線を横切る。これは、負荷に無効電力が生じたことを
意味する。
【0036】さらに、図7には、ZL=10.8+j
9.7Ωのときの実験データが示されている。測定可能
な最小有効電力は25Wである。測定感度は、平均値
(曲線C)の測定に対しては0.141mV/W、ピー
ク対ピーク振幅(曲線D)の測定に対しては0.375
mV/Wであった。
【0037】より大きなインピーダンス角(φ=83
°)を持つ負荷ZL=1.2+j9.7Ωのとき、負荷
の皮相電力を測定した。実験データは図8に示される。
感度は0.349mV/(VA)であった。
【0038】前述の理論的解析及び実験結果に従うと、
本発明による光学的電力検出方法は実現可能である。こ
の方法で電力を測定するためには、負荷電流を整合電圧
に変換する必要がある。空心コイルとコンデンサからな
る変換器はAC電流用に適している。瞬時電力信号は光
学的検出信号を検出することにより観測可能である。
【0039】負荷の有効電力と皮相電力は検出信号の平
均値とピーク対ピーク値とを別々に測定することによっ
て同時に測定可能である。1kVAの範囲内であれば、
電力と検出信号との間には良好な直線関係があることを
実験データは示している。測定の不確実性は、光源、P
BS、電流電圧変換器および望まない交叉電界などの多
くの因子により影響を受ける。なお、前述した図1の電
力計測システムでは、光源としてレーザダイオードLD
を用いているが、この発明による交流電力測定装置にお
ける光源としては発光ダイオードLEDを用いても良
い。
【0040】以上は、二重直交ポッケルス効果を奏する
結晶を前提にしての説明であるが、単一の素子という簡
便さを犠牲にしつつ従来よりも優れた効果を発揮させる
手段として、単一のポッケルス効果素子の代わりに二つ
のポッケルス効果素子を用意し、一方には負荷電流に関
係する電界を、他方には負荷電圧に関係する電界を与え
るようにし、両ポッケルス効果素子に直列的に偏光した
光を供給して、出力光から交流電力に関係する出力を得
るようにすることも可能である。
【0041】このような分離方式をとる場合には、ポッ
ケルス効果素子としては特殊な二重ポッケルスセルを用
いずに、LNOやBGOのごとき通常のポッケルスセル
を用いることができる。こうすれば、一方向のみのポッ
ケルス効果に対応したセルのみで構成できるので、低コ
ストで済むのみならず、単一結晶の場合よりも温度依存
性が小さいので、ポッケルス素子の素材の選択幅が広が
り、良好な温度依存性を実現することが可能となる。
【0042】
【発明の効果】本発明による方法の主な利点は、光学測
定ユニットの簡素化にある。検出素子としては単一のL
N結晶のみが用いられ、磁気光学的結晶や鉄心コイルは
不要である。本発明は二重直交ポッケルス効果に基づく
実用的な光学電力変換器のための基礎を提供するもので
ある。
【0043】また、上述の効果を一部を犠牲にして、二
つのポッケルスセルを用いる場合には、セルを構成する
素子の素材選択幅が広がり、より良好な温度特性を有す
るシステムを構築することが可能となる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための、単一のLN結
晶を用いた電力測定用光学的検出システムの概念図。
【図2】直交電界Em下における二重直交ポッケルス効
果を説明するためのベクトル図。
【図3】交流電力を電気動力計により測定し、負荷電流
を整合電圧に変換する回路の接続図。
【図4】50Hzの負荷電流、負荷電圧及び整合電圧の
波形図。
【図5】負荷電流、負荷電圧及び整合電圧の実験デー
タ。
【図6】抵抗負荷時の光学的電力検出信号の波形図。
【図7】異なるインピーダンス時の出力電圧と負荷の有
効電力の実験データ。
【図8】誘導性負荷に対する電圧、電流波形図。
【図9】誘導性負荷に対する光学的出力検出信号の波形
図。
【図10】誘導性負荷に対する出力電圧と皮相電力の実
験データ。
【符号の説明】
LN リチウムナイトライド結晶 POL 偏光子 PBS 偏光ビームスプリッタ LD レーザダイオード PD1,PD2 フォトダイオード LDD レーザダイオードドライバ OSC オシロスコープ AMP 増幅器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年7月1日(2002.7.1)
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】交流電力測定装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はポッケルス効果を
有する素子を用いた交流電力の測定装置に関する。交流
電力の測定は、電力系統の運用および管理にとって非常
に重要である。
【0002】
【従来の技術】従来、交流電力の測定のために、二つの
主な方法、すなわち電気的な方法および光学的な方法が
あった。前者に関しては、電磁誘導の原理に基づく電流
力計や、ホール効果およびアナログ又はディジタルの電
気的な乗算器に基づく電力計がある。このほかに発光ダ
イオードおよび光導電素子から構成される光−電子乗算
器や、ポインティングの定理に基づく変換器も開発され
ている。
【0003】これらの電気的な方法に加えて、いくつか
の光学的方法が開発されている。それらのうちのほとん
どは、ポッケルス効果、カー効果およびファラデー効果
を主として含む、結晶あるいは光ファイバーにおいて存
在する光学的効果に基づくものである。
【0004】例えば、石英結晶、低い複屈折の光ファイ
バーおよびサニャックファイバー干渉計は、電流と電圧
の同時の測定に適用することができる。Bi12SiO
(又はBSO)結晶は電力の検出要素として使用す
ることができる。さらに、ポッケルスセルおよびファラ
デーセルのコンビネーションに基づいた光学的電力検出
システムも知られている。
【0005】いくつかの電気光学の結晶において存在す
る二重の直交するポッケルス効果は、1963年に理論
上並びに実験的に突きとめられた。その時以来、この効
果は、偏光コントローラ、偏光変動のリアルタイム測定
および二次元電界の測定などに成功裡に適用された。更
に、この効果に基づいて、パルスコントロールされる偏
光変換器および電気光学的結晶乗算器も、近年紹介され
ている。
【0006】しかしながら、従来の方法は、交流電力を
測定する際に、二つ以上の素子あるいは変換器を必要と
し、このために温度や電界などの物理量の変化に対する
補正が複雑になる問題点を有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明の課題は、単
一の電気光学の結晶によって交流電力を測定する新しい
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を、二重直交ポッケルス効果をもたらす素子を利用して
達成しようとするもので、負荷電圧に相当する電圧に基
づく第一の電界と負荷電流に相当する電圧に基づく第二
の電界とを、二重直交ポッケルス効果を有する単一の結
晶に、相互に直交する方向にて印加し、直線偏光光を前
記二つの電界方向との成す角度がほぼ45°となるよう
に傾斜させて結晶中に入射し、この結晶の出射光に基づ
いて交流電力を求めることを特徴とするものである。こ
こで「ほぼ」45°としたのは、厳密には丁度45°が
望ましいのであるが、装置の各素子の製造ならびに全体
の組立の制約上、45°を若干ずれることがあり得るこ
とと、仮にずれたとして装置の動作上支障がないこと、
そして積極的にずらすことの意義が存在しないこと等の
理由から、あえて「ほぼ」と記載したものである。
【0009】本発明において用いられる光学的検出ユニ
ットは、結晶の対称軸で見ていわゆる3m対称性の点群
に属する、たとえばニオブ酸リチウム結晶(LiNbO
又はLN)などの結晶および偏光子から構成されてい
る。
【0010】三つの回転軸を備えたいかなる電気光学的
結晶も、光のビームに垂直な電界の大きさが電気−光学
的位相遅延を制御し、電界の方向が結晶の偏光軸に対す
る位置決めを行うような、二重直交ポッケルス効果を有
している。
【0011】直交する電界下にあるLN結晶を考える。
図2で、y'およびx'は電気的に引き起こされた偏光の二
つの直交する主軸であるが、ここで示されるように、二
重の直交するポッケルス効果は次の方程式として表わす
ことができる。
【数1】
【数2】
【数3】 ここで、γは偏光のy'とx'偏光成分間の電気光学的位相
遅れ、θは座標軸xに対するy’軸の相対的角度、E
=√(E + E )は印加された電界の大きさ、
α=arc tan(E/E)はその等距離方位角、E
は印加電界の二つの直交成分、kは定数、λ
自由空間における入射光の波長、nはLN結晶の通常
の屈折率、r22は電気光学的線形係数の一つ、lはz
軸方向の長さである。
【0012】図2及び式(1)、(2)によれば、
、E及びその積は、以下のように分離して書くこ
とができる。
【数4】
【数5】
【数6】
【0013】z軸に沿って伝播する偏光に関しては、直
交電界の印加下でのLN結晶は、理想的な線形位相遅延
器と見なすことができ、R.M.A.Azzamらによって展開さ
れた正規化されたジョーンズマトリックスは、(7)の
ようになる。
【数7】
【0014】入射偏光の等距離方位角を45°と仮定す
ると、出射光の正規化されたジョーンズベクトルは、式
(8)のように推測される。
【数8】
【0015】γは非常に小さく、sin2(γ/2) ≒(γ
/2)2であることを考慮すると、出射光の強さの二成分
とその差は、(8)式と(6)式に基づき以下のように
表される。
【数9】 ここで、Iは入射光の強さを表わしている。
【0016】式(9)〜(11)は、二つの独立の電界E
とEから得られる信号は、偏光の強度信号、すなわ
ちIox 、Ioy 又はIodの中に含まれていると
いうことを意味している。それゆえ、この生成信号は光
の強度を検出する際に測定可能である。これが、本発明
の基本原理である。
【0017】瞬時電力pは、電流iと電圧uとの積、すな
わちp=uiと定義される。もしもuとiとを、個別に
LN結晶の二つの印加電界EとEとに変換できるな
らば、瞬時電力信号はIox 、Ioy 又はIod
ら得ることができる。
【0018】負荷電圧と負荷電流とを個別に二つの電圧
とuとに変換できると仮定すると、これらの関係
は、
【数10】 これから、式(11)は、次のように書きなおせる。
【数11】 ここで、 k及びk 二つの変換係数 h LN結晶の高さ w 同じく幅 k センシングユニットの感度に関係する係数 式(13)は、電力を光の強度から測定することができるこ
とを示している。
【0019】
【発明の実施の形態】前述した理論的解析に基づき、図
1に示すような単一のLN結晶を用いた電力計測システ
ムを構築した。ここで、LDは波長λ=670nmのレ
ーザダイオードである。直線偏光は等距離方位角45°
の偏光子POLから得た。この偏光角は45°より前後
しても問題はない。4個の金めっき電極を持つ30×4×4
mm のz軸成長LN結晶LNが光学的検出素子として
用いられた。各電極の面積は30×3.5mmである。u
とuは、負荷電圧と負荷電流とに相当する印加電圧
である。 λ=670nm、n=2.277、r22≒6.8pm/V、
l=30mm k=2.259×10−5m/V、従って半波電界はEπ
π/k=139.1kV/m. もしもu=uならば、相応する半波電圧Uπ=hE
π/√2=393.4V
【0020】変調された出射光は、偏光ビームスプリッ
タPBSによってxおよびy成分に分けられ、二つのフ
ォトダイオードPD1とPD2(Si−PIN)で検出
される。電子的線形増幅器AMPを通過する際、検出さ
れた信号はディジタルオシロスコープOSC(アンリツ
電気製HP54610B)で表示し測定した。
【0021】一般的に、ビームスプリッタPBSのビー
ムスプリット比は正確に1:1ではなく、a:bであ
り、フォトダイオードの応答性および増幅器の増幅率も
相互に異なっている。これらの要素を考慮に入れると、
二つの出力検出信号は一般に、
【数12】 と表わせる。ここでr、rは二つのフォトダイオー
ドの応答度、kax、kayは二つの線形増幅器の増幅
率である。
【0022】負荷電圧と負荷電流が、UとIを負荷電
圧、負荷電流の実効値、ωを角周波数、φをu(t)とi
(t)との間の位相差とした場合に、
【数13】 で表されるとするならば、uoxとuoyとの差は、次
のように表すことが出来る。
【0023】
【数14】
【数15】 ここで、P=UIcosφは有効電力、S=UIは皮相電
力である。
【0024】式(17)から、有効電力信号Pは、出力検出
信号uodの直流成分内に含まれることが判り、一方、
皮相電力信号Sはuodの交流成分の振幅に比例する。
それゆえ、もしもd≠0ならば、uodの直流成分から
有効電力信号Pを区別することは困難である。
【0025】無視できない不確実性がd≠0によりもた
らされる。式(18)によれば、d=0とする一つの簡単な
方法は、二つの増幅器の増幅率、即ち、kax及びkay
を調整することである。
【0026】電力を直線的に測定するためには、次の条
件を満足しなければならない。 1)uとuの振幅は、センシング結晶の整合電圧と
呼ばれるLN結晶の半波電圧の振幅、すなわち、Uπ
π=125Vに対してかなり小さくなければならない。 2)負荷電圧と負荷電流は、整合電圧に変換されねばな
らない。この変換は受動的、線型、無歪かつ同相である
べきである。一般には抵抗性又は容量性の分圧器が電圧
変換器として用いられている。
【0027】さて、1kVAの範囲内での交流電力測定
を考える。最大負荷電圧と負荷電流は100Vと10A
で、共に多くの典型的な電圧及び電流変換器の出力値で
ある。交流電力を測定し、負荷電流を整合電圧に変換す
る回路は、図3に示されており、ここで、Zは負荷イ
ンピーダンス、Tは負荷電圧を制御する交流電圧調整器
である。
【0028】有効電力量は、電気動力計Wを読むことに
より得られる。皮相電力は電流計Aと、負荷に並列接続
された電圧計Vの読みから計算できる。100Vの範囲
内では、負荷電圧はLN結晶の整合電圧とみなすことが
できる。すなわち、式(12)のk=1の場合に相当す
る。
【0029】交流負荷電流を整合電圧に変換するため
に、図3に示す空心電流変換器CTとコンデンサを用い
た。図でMはCTの相互インダクタンス係数、L,L
は自己インダクタンス係数、R,Rはコイルの抵
抗値である。正弦波電流に対しては、複素ベクトル分析
により次の式が得られる。
【数16】 もしも1−ωC=0が成り立つならば、式(19)
は、
【数17】 となる。ここで、kは式(12)の定数で実数である。式
(20)は、整合電圧が負荷電流に直接比例し、かつこれと
同相であるということを意味している。
【0030】整合電圧uとuが同時にLN結晶に働
くと、z軸に沿って伝播する偏光は、uとuの積の
信号によって変調されるであろう。出力電圧uoxとu
oy およびuodはオシロスコープで観測することがで
きる。式(17)によれば、有効電力信号Pはuodの平均
値から得られる。皮相電力信号Sは振幅uodから得ら
れる。無効電力QはQ=√(S−P)なる関係式に
従って計算できる。
【0031】電流−電圧変換器は、周波数50Hzで1
−ωC=0なる条件を満たすために作られた。抵
抗負荷の場合、負荷電流の波形はuのそれと同じであ
った。Z=9.7Ωで、I=3.8Aのとき、uとu
波形は図4に示すとおりである。
【0032】図4は、出力整合電圧uが負荷電流iと
同相であることを示している。10Aの範囲内で、負荷
電流I,負荷電圧Ux,および整合電圧Uyの実験デー
タが、図5に示されている。この図は、UyとIとの間
の良好な直線関係を示す。最小測定可能電流は0.1
A、最大出力整合電圧は74.2Vである。
【0033】抵抗性負荷では、P=Sである。Z
9.7Ωに対する検出信号がオシロスコープにより表示
され計測された。電力が0のとき、二つの同一のDC電
圧信号線がオシロスコープのスクリーン上に現われ、相
互に一致した。電力を増加させると、二つの線は互いに
離れ、二つの逆相正弦波となる。P=825Wの場合、
ox、uoyおよびuodの波形は図6に示される。
ここで、uod=uox −uoyである。uoxの波の
底はuoyの波の頂上に接触している。uodのピーク
対ピーク振幅は、その平均値の2倍であり、これはu
oxとuoyの平均値の差に等しい。有効電力信号はさ
らにuoxとuoyの間の直流電圧から得ることが出来
る。
【0034】1kWの範囲内で、異なるインピーダンス
を持つ負荷の有効電力が測定された。uodのピーク対
ピーク振幅Uodppを含む実験データは、図7に示さ
れている。最小測定可能電力Pmin=10Wである。
測定感度は、uod(曲線A)の平均値測定に対しては
0.116mV/W、ピーク対ピーク振幅(曲線B)の
測定に対しては0.223mV/Wであった。図7から
測定すべき有効電力と出力電圧との間には、良好な直線
関係が存在することが判る。
【0035】負荷が誘導性のときは、負荷電圧と負荷電
流との間には位相変移が現われる。たとえば、負荷イン
ピーダンスZ=4.2+j9.7Ωで、位相変移φ=
65°、負荷電圧と負荷電流の波形は図8に示される。
この場合、検出信号の二つの経路は図9に示すように相
互に重なり合い、この重畳領域は位相変移の増加と共に
拡大する。一方、差信号uodはオシロスコープのゼロ
線を横切る。これは、負荷に無効電力が生じたことを意
味する。
【0036】さらに、図7には、Z=10.8+j
9.7Ωのときの実験データが示されている。測定可能
な最小有効電力は25Wである。測定感度は、平均値
(曲線C)の測定に対しては0.141mV/W、ピー
ク対ピーク振幅(曲線D)の測定に対しては0.375
mV/Wであった。
【0037】より大きなインピーダンス角(φ=83
°)を持つ負荷Z=1.2+j9.7Ωのとき、負荷
の皮相電力を測定した。実験データは図10に示され
る。感度は0.349mV/(VA)であった。
【0038】前述の理論的解析及び実験結果に従うと、
本発明による光学的電力検出方法は実現可能である。こ
の方法で電力を測定するためには、負荷電流を整合電圧
に変換する必要がある。空心コイルとコンデンサからな
る変換器はAC電流用に適している。瞬時電力信号は光
学的検出信号を検出することにより観測可能である。
【0039】負荷の有効電力と皮相電力は検出信号の平
均値とピーク対ピーク値とを別々に測定することによっ
て同時に測定可能である。1kVAの範囲内であれば、
電力と検出信号との間には良好な直線関係があることを
実験データは示している。測定の不確実性は、光源、P
BS、電流電圧変換器および望まない交叉電界などの多
くの因子により影響を受ける。なお、前述した図1の電
力計測システムでは、光源としてレーザダイオードLD
を用いているが、この発明による交流電力測定装置にお
ける光源としては発光ダイオードLEDを用いても良
い。
【0040】以上は、二重直交ポッケルス効果を奏する
結晶を前提にしての説明であるが、単一の素子という簡
便さを犠牲にしつつ従来よりも優れた効果を発揮させる
手段として、単一のポッケルス効果素子の代わりに二つ
のポッケルス効果素子を用意し、一方には負荷電流に関
係する電界を、他方には負荷電圧に関係する電界を与え
るようにし、両ポッケルス効果素子に直列的に偏光した
光を供給して、出力光から交流電力に関係する出力を得
るようにすることも可能である。
【0041】このような分離方式をとる場合には、ポッ
ケルス効果素子としては特殊な二重ポッケルスセルを用
いずに、LNOやBGOのごとき通常のポッケルスセル
を用いることができる。こうすれば、一方向のみのポッ
ケルス効果に対応したセルのみで構成できるので、低コ
ストで済むのみならず、単一結晶の場合よりも温度依存
性が小さいので、ポッケルス素子の素材の選択幅が広が
り、良好な温度依存性を実現することが可能となる。
【0042】
【発明の効果】本発明による方法の主な利点は、光学測
定ユニットの簡素化にある。検出素子としては単一のL
N結晶のみが用いられ、磁気光学的結晶や鉄心コイルは
不要である。本発明は二重直交ポッケルス効果に基づく
実用的な光学電力変換器のための基礎を提供するもので
ある。
【0043】また、上述の効果を一部を犠牲にして、二
つのポッケルスセルを用いる場合には、セルを構成する
素子の素材選択幅が広がり、より良好な温度特性を有す
るシステムを構築することが可能となる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明の原理を説明するための、単一のLN
結晶を用いた電力測定用光学的検出システムの概念図。
【図2】は直交電界E下における二重直交ポッケルス
効果を説明するためのベクトル図。
【図3】は交流電力を電気動力計により測定し、負荷電
流を整合電圧に変換する回路の接続図。
【図4】は50Hzの負荷電流、負荷電圧及び整合電圧
の波形図。
【図5】は負荷電流、負荷電圧及び整合電圧の実験デー
タ。
【図6】は抵抗負荷時の光学的電力検出信号の波形図。
【図7】は異なるインピーダンス時の出力電圧と負荷の
有効電力の実験データ。
【図8】は誘導性負荷に対する電圧、電流波形図。
【図9】は誘導性負荷に対する光学的出力検出信号の波
形図。
【図10】は誘導性負荷に対する出力電圧と皮相電力の実
験データ。
【符号の説明】 LN リチウムナイトライド結晶 POL 偏光子 PBS 偏光ビームスプリッタ LD レーザダイオード PD1,PD2 フォトダイオード LDD レーザダイオードドライバ OSC オシロスコープ AMP 増幅器
フロントページの続き (72)発明者 サイ シュウ 中華人民共和国 河北省保定市華北電力大 学官舎A−100 (72)発明者 芳野 俊彦 東京都杉並区松庵3−11−9 (72)発明者 小出 英延 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 2G025 AA00 AA08 AB11 AC06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負荷電圧に相当する電圧に基づく第一の
    電界と負荷電流に相当する電圧に基づく第二の電界と
    を、二重直交ポッケルス効果を有する単一の結晶に、相
    互に直交する方向にて印加し、直線偏光光を前記二つの
    電界方向との成す角度がほぼ45°となるように傾斜さ
    せて結晶中に入射し、この結晶の出射光に基づいて交流
    電力を求めることを特徴とする交流電力測定装置。
  2. 【請求項2】 結晶が3m対称性の点群に属する結晶で
    あることを特徴とする請求項1記載の交流電力測定装
    置。
  3. 【請求項3】 結晶が、ニオブ酸リチウム結晶からなる
    ことを特徴とする請求項2記載の交流電力測定装置。
  4. 【請求項4】 負荷電圧に相当する電圧に基づく第一の
    電界を印加される第一のポッケルス効果素子と、負荷電
    流に相当する電圧に基づく第二の電界を印加される第二
    のポッケルス効果素子とを、前記二つの電界方向が直交
    するようにして直列に配置し、直線偏光光を前記二つの
    電界方向との成す角度がほぼ45°となるように傾斜さ
    せて入射し、この二つの素子を通過した光に基づいて交
    流電力を求めることを特徴とする交流電力測定装置。
  5. 【請求項5】 直線偏光光の入射角度が45°であるこ
    とを特徴とする請求項1または4記載の交流電力測定装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1736749A1 (en) 2005-06-22 2006-12-27 Fujitsu Limited Light intensity measurement system
US7291829B2 (en) 2005-06-22 2007-11-06 Fujitsu Limited Light intensity detector

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