JP2003279425A - 車輪支持用転がり軸受ユニット - Google Patents
車輪支持用転がり軸受ユニットInfo
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Abstract
面反力等の測定を精度良く行なって、ABSやTCS等
の車両安定化の為の各種装置の制御を常に安定して行な
える構造を実現する。 【解決手段】 ハブ8を構成する取付フランジ15及び
ロータ2にそれぞれ形成した、環状凹部25a、25b
同士の間に圧電素子24を設置して、車輪に作用するト
ルクや路面反力等を測定自在とする。又、上記環状凹部
25a、25bの各底面26、26にそれぞれ研削加工
を施して、これら各底面26、26を平滑面とする。こ
の構成により、ABSやTCS等の車両安定化の為の各
種装置の制御を常に安定して行なえる様にする。
Description
置に対して車輪を回転自在に支持する為の車輪支持用転
がり軸受ユニットの改良に関する。特に本発明は、駆動
輪(FF車の前輪、FR車及びRR車の後輪、4WD車
の全輪)を支持する為の車輪支持用転がり軸受ユニット
を改良して、ABSやTCS等、車両の姿勢安定化の為
の各種装置の制御を安定して行なう為の信号を精度良く
得られる構造を実現するものである。
び、制動用回転体であって制動装置であるディスクブレ
ーキを構成するロータ2は、例えば図10に示す様な構
造により、懸架装置を構成するナックル3に回転自在に
支承している。即ち、このナックル3に形成した円形の
支持孔4部分に、転がり軸受ユニット5を構成する外輪
6を、複数本のボルト7により固定している。一方、こ
の転がり軸受ユニット5を構成するハブ8に上記ホイー
ル1及びロータ2を、複数本のスタッド9とナット10
とにより結合固定している。又、上記外輪6の内周面に
は外輪軌道11a、11bを、外周面には結合フランジ
12を、それぞれ形成している。この様な外輪6は、こ
の結合フランジ12を上記ナックル3に、上記各ボルト
7で結合する事により、このナックル3に対し固定して
いる。
3と内輪14とを組み合わせて成る。このうちのハブ本
体13の外周面の一部で、上記外輪6の外端開口(軸方
向に関して外とは、自動車への組み付け状態で幅方向外
側となる部分を言い、図2、4、6を除く各図の左側。
反対に、自動車への組み付け状態で幅方向中央側とな
る、図2、4、6を除く各図の右側を内と言う。本明細
書全体で同じ。)から突出した部分には、取付フランジ
15を形成している。上記ホイール1及びロータ2はこ
の取付フランジ15の外側面に、上記各スタッド9とナ
ット10とにより、結合固定している。
上記外輪6の内周面に形成した複列の外輪軌道11a、
11bのうちの外側の外輪軌道11aに対向する部分に
は、内輪軌道16aを形成している。更に、上記ハブ本
体13の内端部に形成した小径段部17に、このハブ本
体13と共に上記ハブ8を構成する上記内輪14を外嵌
固定している。そして、この内輪14の外周面に形成し
た内輪軌道16bを、上記複列の外輪軌道11a、11
bのうちの内側の外輪軌道11bに対向させている。こ
れら各外輪軌道11a、11bと各内輪軌道16a、1
6bとの間には、それぞれが転動体である玉18、18
を複数個ずつ、それぞれ保持器19、19により保持し
た状態で転動自在に設けている。尚、図示の例では、上
記ハブ本体13の内端部で上記内輪14の内端面よりも
内方に突出した部分を径方向外方に塑性変形させる事に
より形成したかしめ部20により、上記内輪14の内端
面を抑え付け、この内輪14と上記ハブ本体13との分
離防止を図っている。この構成により、背面組み合わせ
である複列アンギュラ型の玉軸受を構成し、上記外輪6
の内側に上記ハブ8を、回転自在に、且つ、ラジアル荷
重及びスラスト荷重を支承自在に支持している。
ブ8の中間部外周面及び内端部外周面との間には、それ
ぞれシールリング21a、21bを設けて、上記各玉1
8、18を設けた空間と外部空間とを遮断している。更
に、上記ハブ8に結合固定した車輪を回転駆動する為、
上記ハブ本体13の中心部に、スプライン孔22を形成
している。そして、このスプライン孔22に、等速ジョ
イント23のスプライン軸34を挿入している。
には、図10に示す様に、上記外輪6をナックル3に固
定すると共に、上記ハブ8の取付フランジ15に、図示
しないタイヤを組み合わせたホイール1及びロータ2を
固定する。又、このうちのロータ2と、上記ナックル3
に固定した、図示しないサポート及びキャリパとを組み
合わせて、制動用のディスクブレーキを構成する。制動
時には、上記ロータ2を挟んで設けた1対のパッドのラ
イニングを、上記キャリパ内の油圧シリンダ内に嵌装し
た油圧ピストンの働きにより、上記ロータ2の両側面に
押し付ける。
安定性を確保する為には、車両が走行している限り、車
輪が回転し続ける(ロックしない)事が重要である。こ
の為に従来から、車輪の回転速度と車両の減速度とを比
較して制動時にこの車輪がロックする事を防止する、ア
ンチロックブレーキ装置(ABS)が、広く使用されて
いる。ABSを構成する為に従来から、車輪支持用の転
がり軸受ユニットのうちの回転輪にエンコーダを、静止
輪若しくはナックル等の懸架装置側に速度センサを、そ
れぞれ設けて、上記車輪の回転速度を検出自在としてい
る。又、車体の一部に加速度センサを設けて、制動時に
この車体の減速度を検出自在としている。制動時には、
この加速度センサの検出信号と上記速度センサの検出信
号とを比較して、上記油圧シリンダ内に導入する油圧を
調節し、上記車輪のロックを防止する。
させ、制動距離の短縮及び制動時の姿勢安定の為の制御
をより高精度に行なう事を目的として、制動時に車輪に
加わるトルクを測定する事が、特開平9−315282
号公報、同11−34846号公報に記載されて、従来
から知られている。このうちの特開平9−315282
号公報に記載された従来技術の場合には、駆動輪に加わ
るトルクを測定する事を意図したもので、この駆動輪を
回転駆動する為の駆動軸にトルクセンサを設置するとし
ている。一方、特開平11−34846号公報の場合に
は、懸架装置に加わるブレーキトルクを測定するもの
で、制動時に加わるトルクの測定対象は、駆動輪、従動
輪を問わないものである。
構造は何れも、トルクセンサを懸架装置や駆動軸等、車
輪支持用転がり軸受ユニットとは別の部分に組み付けて
いた。この為、必ずしも制動時に車輪に加わる情報を十
分に取り込めない可能性がある。例えば、制動時に駆動
輪に加わるトルクを測定する、特開平9−315282
号公報に記載された従来技術の場合、トルクセンサを、
ハブとデファレンシャルギヤの出力部とを結ぶ駆動軸の
途中に設ける為、測定しようとするトルク以外の外乱が
入り込む可能性が増える。又、このトルク以外に、上記
駆動輪に加わる路面反力等を測定する事が、より精密な
ABS制御を行なう為に必要とされる可能性があるが、
上記駆動軸にトルクセンサを設けた場合には、上記路面
反力等を測定する事は難しい。この様な点を考慮して本
発明者は先に、荷重センサを組み込んだ車輪支持用転が
り軸受ユニットを発明(特願2002−4821号)し
た。
受ユニットは、駆動輪を支持する為の転がり軸受ユニッ
トのうちで制動時及び加速時に捻りトルクが加わる部分
である、上記転がり軸受ユニットを構成するハブとこの
ハブに結合する結合部材との間に荷重センサを設置し、
使用時にこの結合部材とハブとの間に作用する力を測定
自在としている。この様な先発明の具体的構造に就い
て、本発明の実施の形態の第1例を示す、図1〜2を用
いて説明する。
合には、ハブ8の一部である取付フランジ15の外側面
と、この外側面に結合された結合部材であるロータ2の
内側面との間に、荷重センサである圧電素子24を装着
している。この圧電素子24を設ける為に、上記取付フ
ランジ15の外側面内径寄り部分と上記ロータ2の内側
面内径寄り部分との互いに整合する位置に、それぞれハ
ブ本体13の回転中心をそれぞれの中心とする環状凹部
25a、25bを、全周に亙って設けている。そして、
これら両環状凹部25a、25bに掛け渡す状態で、環
状に形成された上記圧電素子24を設置している。上記
取付フランジ15に対して上記ロータ2を、複数本のス
タッド9とナット10とにより結合固定した状態で、上
記圧電素子24は、この圧電素子24との当接面である
上記両環状凹部25a、25bの各底面26、26同士
の間で軸方向に強く挟持(押圧)された状態となる。こ
の状態では、上記圧電素子24に予圧が付与される。そ
して、上記ハブ本体13或は上記ロータ2に外力が加わ
った場合には、直ちに上記圧電素子24がこの外力を検
出自在となる。言い換えれば、この圧電素子24の応答
性が向上する。
外側面と上記ロータ2の内側面との間に上記圧電素子2
4を装着している為、この圧電素子24により、上記ロ
ータ2と上記取付フランジ15との間に作用する力を測
定できる。即ち、上記圧電素子24は、引っ張り力、圧
縮力、剪断力を受けた場合に、受けた力の大きさに応じ
た電荷を発生させる。制動時或は加速時に上記圧電素子
24には、この圧電素子24の軸方向両面と上記両環状
凹部25a、25bの各底面26、26との間に作用す
る摩擦力に基づいて剪断力が、円周方向に作用する。そ
して上記圧電素子24が、この剪断力に応じた電荷を発
生させ、図示しないチャージアンプが、この電荷に応じ
た電圧を惹起させる。この剪断力は、上記ロータ2と上
記取付フランジ15との間に加わるトルクに比例するの
で、制動時或は加速時に上記圧電素子24に発生した電
荷に基づいてチャージアンプにより惹起される電圧は、
このトルクの大きさに応じたものとなる。そこで、この
電圧(圧電素子24の出力信号)を車体側に設けた制御
器に送れば、上記トルクの大きさを、前記ABSやトラ
クションコントロール(TCS)の制御に利用できる。
発生する電荷に応じてチャージアンプに惹起される電圧
を検出できる様に(例えば、この圧電素子24の円周方
向に関して4〜16分割し、各部に惹起される電圧を互
いに独立して検出自在と)すれば、車輪が路面から受け
る力(路面反力)等に基づいてハブ本体13に加わるモ
ーメント荷重を算出できる。この様なモーメント荷重を
算出すれば、車両の運行状態を判定して、この車両の姿
勢を安定させる為の装置の制御に利用できる。この場合
に、各部毎に、測定値を表す信号に、各部を表すIDデ
ータを組み合わせて、制御器側で何れの部分の測定信号
かを見分けられる様にする。この様にIDデータを付す
る事は、荷重センサを複数個使用する場合も同様にして
行なう。更に、検出する力の方向が互いに90度ずつ異
なる3個の圧電素子を組み合わせて成る多成分力センサ
を使用すれば、各方向の力を検出できる。
ルクを精度良く測定でき、又、路面反力等の測定も可能
である。即ち、先発明の構造の場合、荷重センサである
圧電素子24を駆動輪に近い部分に設けている為、測定
しようとするトルク以外の外乱が入り込む可能性が少な
い。又、上記圧電素子24が測定する力の方向を適切に
する事により、路面反力等の測定が可能となる。
24により測定されるトルクや路面反力等は、ABSや
TCS等の車両の姿勢安定化の為の各種装置の制御に利
用できるが、上記トルクや路面反力等の測定精度が良好
でなければ、上記ABS等の制御を常に安定して行なう
事は難しい。即ち、上記路面反力等を精度良く測定でき
れば、路面の状況に応じた制御を行なう事ができるが、
測定精度が悪ければこの様な制御を安定して行なう事は
難しい。一方、前述した先発明の構造の様に、圧電素子
24を取付フランジ15とロータ2との間に挟持する構
造の場合、上記圧電素子24と上記取付フランジ15及
びロータ2との当接状態によっては、この圧電素子24
によるトルクや路面反力等の測定精度が不十分となる可
能性がある。即ち、上記取付フランジ15及びロータ2
の圧電素子24との当接面である、環状凹部25a、2
5bの各底面26、26の表面粗さが大きい場合には、
これら各底面26、26から作用する力が上記圧電素子
24の表面全体に対して均等に負荷されない可能性があ
る。この為、上記圧電素子24による上記トルクや路面
反力等の測定精度が不十分となる可能性があり、不十分
となった場合には、上記ABSやTCS等の、車両の姿
勢安定化の為の各種装置の制御を常に安定して行なう事
が難しくなる可能性がある。本発明はこの様な事情に鑑
みて、車輪に作用するトルクや路面反力等の測定精度を
十分に確保すべく発明したものである。
り軸受ユニットは、前述した従来構造と同様に、外輪
と、ハブと、転動体とを備える。このうちの外輪は、内
周面に複列の外輪軌道を有し、使用時に懸架装置に支持
固定された状態で回転しない。又、上記ハブは、外周面
の外端部に車輪及び制動用回転体を支持する為の取付フ
ランジを、同じく中間部乃至内端部に複列の内輪軌道
を、中心部に駆動用のスプライン軸を係合させる為のス
プライン孔を、それぞれ有し、使用時に車輪と共に回転
する。又、上記転動体は、上記各外輪軌道と上記各内輪
軌道との間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けられて
いる。
ットに於いては、上記ハブと、このハブに結合する、制
動用回転体、ホイール、ナット等の結合部材との間に、
使用時にこの結合部材とハブとの間に作用する力を測定
自在な荷重センサを挟持している。又、上記ハブ及び結
合部材の表面の一部で上記荷重センサとの当接面に、そ
れぞれ仕上げ加工を施して、これら各当接面を平滑面と
している。更に、好ましくは、請求項2に記載した様
に、荷重センサの表面とハブ及び結合部材の各当接面と
の間に、それぞれグリースを介在させる。
軸受ユニットの場合には、前述した先発明の構造の場合
と同様に、ハブと結合部材との間に荷重センサを挟持し
ている為、車輪に作用するトルクを精度良く測定でき、
又、路面反力等の測定が可能となる。特に、本発明で
は、上記ハブ及び結合部材の表面の一部で上記荷重セン
サとの当接面に、それぞれ仕上げ加工を施している為、
上記トルクや路面反力等の測定精度を十分に確保でき
る。即ち、上記各当接面に研削加工等の仕上げ加工を施
す事により、これら各当接面の表面粗さを小さくしてい
る(平滑面としている)。これにより、各当接面から上
記荷重センサに負荷される力が、この荷重センサの表面
全体に均等に負荷される。この結果、荷重センサによる
上記トルクや路面反力等の測定精度を十分に確保でき
る。
する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、
本発明の特徴は、駆動輪に作用するトルクや路面反力等
に関する測定精度を確保する為、荷重センサである圧電
素子24との当接面である環状凹部25a、25bの各
底面26、26に仕上げ加工を施して、これら各底面を
平滑面とした点にある。その他の部分の構造及び作用に
関しては、前述した先発明の構造と同様であるから、重
複する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特
徴部分を中心に説明する。本例の転がり軸受ユニット5
の場合には、前述した先発明の構造の場合と同様に、上
記圧電素子24を、上記取付フランジ15と上記ロータ
2にそれぞれ形成した、環状凹部25a、25bの各底
面26、26同士の間に挟持している。
5bの各底面26、26にそれぞれ仕上げ加工として研
削加工を施す事により、これら各底面26、26を平滑
面としている。即ち、上記取付フランジ15の外側面内
径寄り部分と上記ロータ2の内側面内径寄り部分に、上
記環状凹部25a、25bをそれぞれ形成した後、更に
これら環状凹部25a、25bの各底面26、26にそ
れぞれ研削加工を施している。これら各底面26、26
の表面粗さは、算術平均粗さRa で0.4μm以下、十
点平均粗さRz で1.6μm以下とする事が好ましい。
尚、仕上げ加工を、研削加工に代えて、精密切削加工に
より行なう事もできる。又、本例の場合には、上記取付
フランジ15とロータ2との両部材にそれぞれ環状凹部
25a、25bを形成したが、どちらか一方の部材のみ
に環状凹部を形成し、他方の部材は環状凹部を形成しな
いで平坦面のままとしても良い。その場合には、この平
坦面のうちで上記一方の部材の環状凹部に対向する部分
を、仕上げ加工により平滑面とする。
壁面27と外径側壁面28とのうちの内径側壁面27に
も、研削加工を施している。即ち、本例の場合には、こ
の内径側壁面27により、上記圧電素子24の径方向の
位置決めを図っている。この為、この内径側壁面27に
研削加工を施して、この内径側壁面27の寸法精度を確
保し、上記圧電素子24の環状凹部25a、25bに対
する位置決め精度を確保している。尚、この圧電素子2
4の位置決めを外径側壁面28により行なう場合には、
この外径側壁面の寸法精度を、研削加工により確保す
る。
と上記環状凹部25a、25bの各底面26、26との
間にそれぞれグリースを介在させている。即ち、上記圧
電素子24を上記各底面26、26同士の間に挟持する
前に、この圧電素子24の表面と上記各底面26、26
とのうちの少なくとも一方の面にグリースを塗布してお
く。そして、グリースを塗布した状態で、上記圧電素子
24を上記各底面26、26同士の間に挟持する事によ
り、この圧電素子24の表面と各底面26、26との間
にグリースを介在させる。この様に当接部にグリースを
介在させる事により、圧電素子24の表面と上記各底面
26、26との間でのフレッチングを抑え、フレッチン
グに基づく摩耗粉の発生を抑える事ができる。
24と上記各底面26、26との間に作用する摩擦力に
より上記フレッチングが発生する。このフレッチングに
より摩耗粉が発生すると、上記圧電素子24の表面の摩
耗粉が存在する部分に、局所的な応力が負荷される。こ
の様に、上記圧電素子24の一部に局所的な応力が負荷
されると、上記トルクや路面反力等の測定精度が低下す
るだけでなく、著しい場合には上記圧電素子24が損傷
する可能性がある。これに対して、上記圧電素子24と
上記環状凹部25a、25bの各底面26、26との間
にグリースを介在させれば、上記フレッチングによる摩
耗粉の発生を抑え、測定精度及び圧電素子の耐久性確保
を図れる。
り軸受ユニットの場合には、前述した先発明の場合と同
様に、上記取付フランジ15とロータ2との間に上記圧
電素子24を挟持している為、制動時及び加速時に駆動
輪に加わるトルクの測定を精度良く行なう事ができる。
又、上記圧電素子24が測定する力の方向を適切にする
事により、上記駆動輪が受ける路面反力等の測定も行な
う事ができる。
5bの各底面26、26に、それぞれ仕上げ加工として
研削加工を施している為、上記トルクや路面反力等の測
定精度を十分に確保ができる。即ち、上記各底面26、
26に研削加工を施す事により、これら各底面26、2
6の表面粗さが小さくなる。これにより、各底面26、
26から上記圧電素子24に負荷される力が、この圧電
素子24の表面全体に均等に負荷される。この結果、圧
電素子24による上記トルクや路面反力等の測定精度を
十分に確保できる。尚、本例の場合、上記各底面26、
26の表面粗さを、算術平均粗さRa で0.4μm、十
点平均粗さRz で1.6μm以下に仕上げている為、上
記トルクや路面反力等の測定精度の確保を効果的に行な
える。
する、本発明の実施の形態の第2例を示している。上述
の第1例が、円環状に形成された1個の圧電素子24を
使用していたのに対して、本例の場合には、それぞれが
ピース状である複数個の圧電素子24a、24aを使用
している。そして、これら各圧電素子24a、24a
を、ロータ2(図1参照)の内側面と取付フランジ15
の外側面との間で、各スタッド9、9よりも内径寄り部
分にそれぞれ設けた各凹部35、35内に設置してい
る。本例の場合、上記圧電素子24a、24aとの当接
面である上記各凹部35、35の底面にそれぞれ研削加
工を施している。又、上記圧電素子24a、24aの位
置決めの為の基準面としての機能を有する上記各凹部3
5、35の壁面36(内周面)にも研削加工を施してい
る。尚、上記各圧電素子24a、24aの数と上記各凹
部35、35の設置位置とは、図示の状態が最も好まし
いが、上記トルクや路面反力等を検出できる範囲内で、
適宜変更実施する事もできる。その他の構成及び作用
は、上述した第1例の場合と同様である。
対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。
本例の場合には、それぞれが円環状である圧電素子24
b、24bを、取付フランジ15の外側面とロータ2の
内側面との間に挟持する為、これら取付フランジ15及
びロータ2の円周方向複数個所にそれぞれ設けた各取付
孔29、29及び各通孔30の周囲に、それぞれ凹入部
31a、31bを形成している。これら各取付孔29、
29は、上記取付フランジ15の円周方向複数個所に形
成され、複数の各スタッド9、9の基端部を圧入嵌合す
る。又、上記各通孔30は、これら複数の各スタッド
9、9を挿通する為に、ロータ2の円周方向複数個所で
上記各取付孔29、29と整合する位置に設けている。
従って、これら各取付孔29、29及び各通孔30の周
囲に形成した上記各凹入部31a、31bは、互いに整
合する位置に存在する。そして、上記圧電素子24b、
24bは、上記各スタッド9、9の基部周囲で上記各凹
入部31a、31b同士の間に挟持される。本例では、
上記圧電素子24b、24bとの当接面である、上記各
凹入部31a、31bの奥端面32、32にそれぞれ研
削加工を施している。又、上記各圧電素子24b、24
bの位置決めの為の基準面としての役割を有する、上記
各凹入部31a、31bの壁面(内周面)33、33に
も研削加工を施している。その他の構成及び作用は、前
述した第1例と同様である。
対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。
本例の場合には、上述した第3例と異なり、取付フラン
ジ15及びロータ2に、各圧電素子24bを挟持する為
の凹入部を設けてはいない。即ち、本例の場合には、こ
れら各圧電素子24bを、各スタッド9の基部に外嵌す
ると共に、上記取付フランジ15の外側面で各取付孔2
9の周囲部分と、上記ロータ2の内側面で各通孔30の
周囲部分との間で挟持している。即ち、上記各取付孔2
9及び各通孔30の周囲部分の面を、それぞれ上記各圧
電素子24bとの当接面とし、上記各スタッド9の基部
外周面を、上記圧電素子24bの位置決めの為の基準面
としている。従って、これら各取付孔29及び各通孔3
0の周囲部分の面及び上記各スタッド9の基部外周面に
それぞれ研削加工を施している。その他の構成及び作用
は、上述した第1例と同様である。
サとして圧電素子を使用する構造に就いて示したが、こ
の圧電素子に代えて、磁歪材料を使用した荷重センサを
使用しても良い。この様な荷重センサは、非磁性材製の
保持リングと、この保持リングの内径側に嵌着された永
久磁石と、同じく外周面に添着された磁歪材料製の励磁
部と、この励磁部の周囲に配置した検出コイルとから成
る。この磁歪材料を使用した荷重センサは、保持リング
の歪み状態に応じて、永久磁石により励磁される励磁部
の磁気特性が変化する。従って、この磁気特性の変化を
検出コイルにより検出する事により、ロータ2と取付フ
ランジ15との間に作用するトルクを検出できる。即
ち、制動或は加速により、ロータ2と取付フランジ15
との間にトルクが加わると、この取付フランジ15と上
記ロータ2との間に挟持された、上記磁歪材料を使用し
た荷重センサの保持リングが歪む。この歪みを上述の様
に検出コイルにより検出する事により、上記トルクを検
出する事ができる。
荷重センサを取付フランジ15とロータ2との間に設置
する構造に、本発明を適用した場合に就いて示したが、
本発明は、荷重センサを他の部分に設置した構造にも適
用できる。例えば、荷重センサを、ハブの外端面と、等
速ジョイントを構成するスプライン軸の雄ねじ部に螺合
したナットの内側面との間に設置した構造に本発明を適
用する事が考えられる。この場合、上記ハブの外端面で
スプライン孔の周囲部分と、請求項に記載した結合部材
に相当する、上記ナットのワッシャ部の内側面との互い
に整合する位置にそれぞれ環状凹部を形成し、これら両
環状凹部の底面にそれぞれ研削加工を施す。そして、こ
れら研削加工を施した両環状凹部の底面同士の間に上記
荷重センサを挟持する。これにより、上記ハブの外側面
と上記ナットのワッシャ部の内側面との間に作用する力
の測定精度を良好にする事ができる。
車輪は、駆動輪に限定されるが、トルク以外に関して
は、駆動輪に限らず、従動輪でも測定する事は可能であ
る。この場合には、内輪が静止輪で外輪が回転輪であっ
ても良い。この点に就いては、請求項1〜2がそれぞれ
請求項3〜4に対応する。
は、以上に述べた通り構成され作用するので、ABSや
TCS等の車両の姿勢安定化の為の各種装置の制御を常
に安定して行なう事ができる。そして、車両の安定した
運行状態を実現できる。
図。
方から見た図。
様の図。
方から見た図。
ニットを組み付けた懸架装置部分の断面図。
Claims (4)
- 【請求項1】 内周面に複列の外輪軌道を有し、使用時
に懸架装置に支持固定された状態で回転しない外輪と、
外周面の外端部に車輪及び制動用回転体を支持する為の
取付フランジを、同じく中間部乃至内端部に複列の内輪
軌道を、中心部に駆動用のスプライン軸を係合させる為
のスプライン孔を、それぞれ有し、使用時に車輪と共に
回転するハブと、上記各外輪軌道と上記各内輪軌道との
間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けられた転動体と
を備えた車輪支持用転がり軸受ユニットに於いて、上記
ハブとこのハブに結合する結合部材との間に、使用時に
この結合部材とハブとの間に作用する力を測定自在な荷
重センサを挟持しており、これらハブ及び結合部材の表
面の一部で上記荷重センサとの当接面に、それぞれ仕上
げ加工を施した事を特徴とする車輪支持用転がり軸受ユ
ニット。 - 【請求項2】 荷重センサの表面とハブ及び結合部材の
各当接面との間にそれぞれグリースを介在させた、請求
項1に記載した車輪支持用転がり軸受ユニット。 - 【請求項3】 周面に複列の静止側軌道を有し、使用時
に懸架装置に支持固定された状態で回転しない静止輪
と、周面の外端部に車輪及び制動用回転体を支持する為
の取付フランジを、同じく中間部乃至内端部に複列の回
転側軌道を、それぞれ有し、使用時に車輪と共に回転す
るハブと、上記各静止側軌道と上記各回転側軌道との間
にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けられた転動体とを
備えた車輪支持用転がり軸受ユニットに於いて、上記取
付フランジと制動用回転体又はホイールとの間に、使用
時にこの制動用回転体又はホイールと取付フランジとの
間に作用する力を測定自在な荷重センサを挟持してお
り、これら取付フランジ及び制動用回転体又はホイール
の表面の一部で上記荷重センサとの当接面に、それぞれ
仕上げ加工を施した事を特徴とする車輪支持用転がり軸
受ユニット。 - 【請求項4】 荷重センサの表面と取付フランジ及び制
動用回転体又はホイールの各当接面との間にそれぞれグ
リースを介在させた、請求項3に記載した車輪支持用転
がり軸受ユニット。
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