JP2003278708A - 油圧制御装置 - Google Patents

油圧制御装置

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JP2003278708A
JP2003278708A JP2002087650A JP2002087650A JP2003278708A JP 2003278708 A JP2003278708 A JP 2003278708A JP 2002087650 A JP2002087650 A JP 2002087650A JP 2002087650 A JP2002087650 A JP 2002087650A JP 2003278708 A JP2003278708 A JP 2003278708A
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哲弘 近藤
Mikihiro Masui
幹宏 桝井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧制御装置を改良し、ハンチングの発生を
防止すると供に、小型化を図る。 【解決手段】 この油圧制御装置は、ロードセンシング
機能を備える多連型の油圧制御システム1に用いる。油
圧制御装置100は、最高負荷圧力PLSポート183を
備える。PLSポート183には、システム内の最高負荷
圧力が供給される。油圧制御装置100のコンペンセー
タ102に絞り159を設け、これに逆止弁に相当する
機能を持たせた。コンペンセータ102に切換弁103
の機能を持たせ、コンペンセータ102とは独立して動
作させることにより、圧力PLSの調節を常時行うように
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、油圧ショ
ベルや油圧クレーン等の建設機械の油圧制御システムに
用いられる油圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、油圧ショベルや油圧クレーン
等の建設機械には、多連型の油圧制御システムが採用さ
れている。このシステムは、1つの給油ポンプから吐出
される加圧された流体を複数の油圧制御装置に供給し、
各油圧制御装置に接続されているアクチュエータを駆動
するというものである。
【0003】上記の油圧制御システムでは、ロードセン
シング機能を備えるものが知られている(例えば、特開
平6−58305号公報参照)。この機能は次のような
ものである。
【0004】油圧制御システムにおいて可変容量形の油
圧ポンプを使用し、各アクチュエータに供給する加圧さ
れた流体の圧力のうち最高のもの(以下、最高負荷圧力
PLSという)をフィードバック制御量として取り扱う。
そして、上記油圧ポンプの吐出圧Pと上記最高負荷圧力
PLSの差が一定となるように上記油圧ポンプを制御す
る。
【0005】上記ロードセンシング機能を備える油圧制
御装置は、パイロット圧力として供給される流体の圧力
または手動操作量に応じて開口する絞りと、当該絞りの
前後の差圧を一定に制御するコンペンセータと、加圧さ
れた流体の出力ポートと各ポンプポートとの間に配置さ
れた逆止弁とを有する。この逆止弁は、加圧された流体
の逆流を防止するものである。
【0006】図12は、従来の油圧制御装置500の断
面図である。この油圧制御装置500は、ロードセンシ
ング機能を備える多連型の油圧制御システムで使用され
るものである。油圧制御装置500は、本体501と、
スプール弁502と、当該スプール弁502と交わる各
流路530〜538と、ポンプポート510と、圧力室
515に連通する最高負荷圧力ポート(PLSポート)5
13と、タンクポート511と、圧力室515に備えら
れたバネ514によって図面下向きに付勢されたコンペ
ンセータ507と、当該コンペンセータ507と一体に
形成されているシャトル弁504と、逆止弁503a,
503bと、リリーフ弁505,506とを有する。
【0007】スプール弁502は、図示するように複数
の小径部と、絞りとして働く切欠部とを備える。スプー
ル弁502は、左側にスライドすることにより、ポンプ
ポート510と流路530とを連通し、スライド量の増
加に伴い流路530に多くの流体を供給する。また、ス
プール弁502が左側にスライドすることにより、流路
531と流路533とが連通され、流路533と流路5
35,536とが遮断され、流路532と流路534と
が遮断され、流路534が流路537および流路538
に連通される。ここで、流路537は、タンクポート5
11に繋がるものであり、流路538は、リリーフ弁5
05に繋がるものである。
【0008】スプール弁502を図面左側にスライドさ
せた場合、ポンプポート510の圧力は、流路530、
コンペンセータ507、逆止弁503b、流路531、
および、流路533を介して、ポートAに出力される。
このポートAは、図示しないアクチュエータに接続され
ている。この場合、上記図示しないアクチュエータから
ポートBに戻ってくる流体は、流路534および流路5
37を介してタンクポート511に排出される。なお、
突発的に高い圧力が発生した場合には、リリーフ弁50
5が作動してスプール弁502の故障を防ぐようになっ
ている。
【0009】PLSポート513には、上記圧力PLSが供
給される。この圧力PLSは、上述したように、多連型の
油圧制御システムを構成する各油圧制御装置に供給され
る流体の油圧のうち最高の圧力である。
【0010】PLSポート513は、圧力室515に連通
している。上述したように、この圧力室515にはバネ
514が納められており、このバネ514によって、コ
ンペンセータ507が下側に付勢されている。
【0011】コンペンセータ507は、最高負荷圧力P
LSが作用して生じる力PLS×S(但し、Sはコンペンセ
ータ507の上面の面積)と、コンペンセータ507の
上昇に応じて増加するバネの弾性力Fとを加えた力(以
下、PLS×S+Fと表す)によって下側に付勢されてい
る。コンペンセータ507は、流路530に供給される
流体の圧力P2によってコンペンセータ507の下面
(面積S)に作用する力P2×Sが、上記PLS×S+F
より大きくなった場合に上昇する。コンペンセータ50
7は、上昇に伴い開口する絞りを備え、当該コンペンセ
ータ507の入口の圧力(すなわち、流路530内の圧
力P2)が圧力PLSと同等程度の圧力となるように調整
する。コンペンセータ507を通過した流体は、逆止弁
503a,503bを介して、流路531,532に流
れ込む。なお、当該場合において、流路531,532
は、スプール弁502が図面左右へ移動することによっ
て生じる開口部を通じて、流路533,534と連通す
る。
【0012】シャトル弁504は、コンペンセータ50
7と一体形成されている。シャトル弁504は、コンペ
ンセータ507から上方に延びる縦孔520と、当該縦
孔520と交差する横孔521とを備える。この横孔5
21は、コンペンセータ507と共にシャトル弁504
が所定量だけ上昇した場合にのみ、PLSポート513お
よび圧力室515と連通するように形成されている。流
路530内の圧力P2の上昇に伴って、シャトル弁50
4が上記所定量だけ上昇すると、流路530とPLSポー
ト513とが上記縦孔520および横孔521を介して
連通し、流路530内の圧力P2が最高負荷圧力PLSに
なる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、油圧
制御装置500では、コンペンセータ507とポートA
およびBとの間に、コンペンセータ507を通過した流
体の逆流を防止する逆止弁503a,503bを備え
る。当該逆止弁503aおよび503bを配置するため
には、ある程度のスペースが必要となるため、油圧制御
装置500の小型化の妨げとなっていた。
【0014】また、上記油圧制御装置500では、流路
530内の圧力P2が他の連の最高負荷圧力PLSよりも
大きくなっても、直ちに最高負荷圧力PLSの更新は行わ
れない。すなわち、流路530内の油圧によってコンペ
ンセータ507の底面(面積S)に作用する力(P2×
S)が、圧力PLSによってコンペンセータ507の上面
(面積S)に作用する力(PLS×S)と前記所定量だけ
上昇した位置でのバネ514の弾性力Fとを加えた力
(PLS×S+F)よりも大きくなり、且つコンペンセー
タ507が一定量ストロークした場合に、最高負荷圧力
PLSが更新される。
【0015】この結果、ロードセンシング機能を備える
多連型の油圧制御システムにおいて、ポンプの傾転制御
に必要な信号圧力である最高負荷圧力PLSと、油圧制御
装置内500に実際に生じている最高負荷圧力との間に
偏差が生じる時間が長くなり、そのため、油圧制御装置
500およびポンプを含めたシステムにおいて、ハンチ
ングが発生し易くなる。
【0016】本発明の目的は、ロードセンシング機能を
備える多連型の油圧制御システムに使用される油圧制御
装置であって、小型で、且つ、上記最高負荷圧力PLSと
実際の油圧装置内の最高負荷圧力との偏差が生じる時間
を短くする機能を備えた油圧制御装置を提供することで
ある。また、最高負荷圧力発生機構を安定化し、フィー
ドバックシステムとしてハンチングの発生を防止する機
能を備えた油圧制御装置を提供することにもある。
【0017】
【課題を解決するための手段】そこで、上記目的を達成
するため、本願に係る油圧制御装置は、可変容量形ポン
プで制御される複数のアクチュエータを有し、これらの
アクチュエータの負荷圧力の中の最高負荷圧力を検出し
て可変容量形ポンプの吐出圧力がその最高負荷圧力より
も所定値だけ高くなるように制御するロードセンシング
機能を備える多連型の油圧制御システムで使用され、当
該システム内の最高負荷圧力が供給される最高負荷圧力
ポートを備える油圧制御装置において、可変オリフィス
を介して、ポンプポートと連通する第1流路が入力ポー
トに接続され、所定のアクチュエータに接続される油圧
制御装置の出力ポートに連通する第2流路が出力ポート
に接続され、第2流路内の圧力に応じて第1流路の圧力
を制御するために開口量が変化する絞りを有するコンペ
ンセータと、上記可変オリフィスおよびコンペンセータ
とは独立して作動し、第2流路内の圧力が当該システム
内の他の連の最高負荷圧力よりも高い場合に、第1流路
の圧力を第2流路の圧力まで調圧作動によって減圧し、
当該減圧された圧力を最高負荷圧力ポートに導くシャト
ル弁(切換弁)とを備え、当該シャトル弁を上記コンペ
ンセータに内臓し、当該シャトル弁を作動させる油の絞
り機能を上記コンペンセータに持たせたことを特徴とす
る。
【0018】また、上記油圧制御装置において、上記シ
ャトル弁は、第1流路に繋がる第1孔と、最高負荷圧力
ポートに繋がる第2孔と、最高負荷圧力ポートに供給さ
れる最高負荷圧力と第2流路内の圧力との高低に応じ
て、上記可変オリフィスおよびコンペンセータとは独立
して作動する切換弁であって、第2流路内の圧力が当該
システム内の他の連の最高負荷圧力よりも高い場合に、
第1孔と第2孔とを連通し、第2流路内の圧力が当該シ
ステム内の他の連の最高負荷圧力よりも低い場合、第1
孔を閉じ、第2孔に当該システム内の他の連の最高負荷
圧力を導く流路を備える切換弁とで構成することもでき
る。
【0019】さらに、上記油圧制御装置において、コン
ペンセータ内に、第1孔内の圧力と、第2孔内の圧力
と、第2流路内の圧力とでバランスして移動する切換弁
を備えることもできる。
【0020】また、上記油圧制御装置において、切換弁
が移動する孔をコンペンセータの軸方向と交差する方向
に設け、当該孔からコンペンセータの外周に向けて上記
第2孔を貫通させて設け、当該第2孔の外周端を含むコ
ンペンセータの外周に環状の隙間を設けて上記絞りを構
成することもできる。
【0021】さらに、上記油圧制御装置において、第2
流路から第1流路への加圧された流体の逆流を遮断する
逆止弁を、上記コンペンセータの入力ポートと出力ポー
トの間に備えることもできる。
【0022】すなわち、本発明の油圧制御装置は、ロー
ドセンシング機能を備える多連型の油圧制御システムで
使用される。この油圧制御装置は、当該システム内の最
高負荷圧力が供給される最高負荷圧力ポートを備える。
この油圧制御装置の特徴とするところは、当該油圧制御
装置が備えるコンペンセータに、従来の油圧制御装置が
備える逆止弁(例えば、図12に示した従来の油圧制御
装置500の逆止弁503a,503b)に相当する機
能を持たせた点、および当該コンペンセータに内蔵さ
れ、コンペンセータとは独立して動作することにより、
最高負荷圧力の調節を常時行うシャトル弁を備えた点、
シャトル弁(切換弁)は、第1流路の圧力を第2流路の
圧力にまで減圧し、当該圧力を絞り機能で絞りながら最
高負荷圧力ポートへ導く点であり、最高負荷圧力は、第
1流路の圧力、すなわちポンプ圧力からシャトル弁の減
圧作用を伴って直接に導かれる。
【0023】また、コンペンセータに逆止弁の機能を付
加したので、部品点数が減り、装置の小型化を図ること
ができる。さらに、独立動作するシャトル弁を備えたの
で、油圧制御システム内の最高負荷圧力の更新を常時行
うことができ、油圧制御システムにおける最高負荷圧力
と実際の油圧制御装置内の最高負荷圧力との間に偏差が
生じるのを防止することができる。
【0024】その上、シャトル弁の作動にダンピング力
が付加されるようにして、この作動によって出力される
フィードバック信号を安定化し、システムのハンチング
を防止することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係
る油圧制御装置100,200,300を使用した多連
式の油圧制御システム1の構成を油圧系統図で示したも
のである。図2は、油圧制御装置100の断面図であっ
て、油圧制御装置100の具体的な構成を図示してい
る。図3は、図2に示した調整弁110近傍を拡大して
構成を詳細に示す断面図である。
【0026】可変容量形ポンプ制御部10から伸びる給
油ライン50は、各油圧制御装置100,200,30
0のポンプポート120,220,320に接続されて
いる。各油圧制御装置100,200,300のタンク
ポート121,221,321は、排油ライン51を介
して排油タンク16に接続されている。各油圧制御部1
00,200,300の最高負荷圧力PLSポート(以
下、「PLSポート」という。)183,283,383
は、PLSライン18に接続されている。PLSライン18
は、可変容量形ポンプ制御部10の入力部20に接続さ
れている。この入力部20は、最高負荷圧力PLSが入力
されるようになっている。
【0027】なお、PLSライン18には、絞り弁21が
設けられている。この絞り弁21は、切換弁103に作
用する圧力を制御するために、回路内に常に加圧された
油(以下、適宜「作動油」という。)の流れが生じるよ
うにするものである。この絞り弁21によって、回路内
を流れる作動油のうち微量の作動油(1%程度)が、排
油タンク16に戻されるようになっている。この絞り弁
21は、可変容量形ポンプの傾転を制御するための切換
弁(以下、「切換弁」という。)14内に、同様の機能
を有する構造として設けることもできる。
【0028】(1) 可変容量形ポンプ制御部によるロード
センシング機能 可変容量形ポンプ制御部10は、入力部20に入力され
る最高負荷圧力PLSの値をフィードバック制御量として
用い、当該最高負荷圧力PLSの値と可変容量形ポンプ1
1の吐出圧Pとの差(基準差圧Pref)が常に一定とな
るように、可変容量形ポンプ11の吐出圧Pを制御す
る。
【0029】可変容量形ポンプ制御部10は、可変容量
形ポンプ11と、傾転制御装置13と、切換弁14と、
タンク15とにより構成される。
【0030】可変容量形ポンプ11は、フィードバック
レバー12を備える。このフィードバックレバー12
は、図中反時計回りの方向に操作されることにより、吐
出量を減少させるようになっている。フィードバックレ
バー12の上端部は、傾転制御装置13の制御棒に接続
されている。この制御棒には、バネ13aが備えられて
いる。
【0031】傾転制御装置13の制御棒には、給油ライ
ン50の分岐管内の圧力により図中右向きの力と、切換
弁14の下部ポート14aから導かれる圧力により図中
左向きの力と、スプリング力とが作用する。したがっ
て、かかる力の相互作用によって、制御棒が左右に動く
ようになっている。
【0032】切換弁14は、3つのポートを備えてお
り、2つの状態に切り換えることができる。当該切換弁
14は、可変容量形ポンプ11の吐出圧Pに基づく力に
バネ13aによる力を加えた力と、最高負荷圧力PLSに
所定の基準圧力Prefを付加した圧力(PLS+Pref)に
基づく力との関係(強弱)に応じて切り換わるようにな
っている。
【0033】可変容量形ポンプ11は、上記圧力Pref
に相当するスプリングを備えている。可変容量形ポンプ
11の吐出圧Pが上記圧力(PLS+Pref)よりも高い
場合、切換弁14は図中左側の接続状態に切り換る。そ
して、傾転制御装置13の右側のポートに可変容量形ポ
ンプ11から吐出された作動油が送り込まれ、傾転制御
装置13の制御棒が図中左側に移動する。これにより、
可変容量形ポンプ11のフィードバックレバー12が反
時計回りに動いて、可変容量形ポンプ11の吐出量が減
少する。
【0034】一方、上記圧力(PLS+Pref)が吐出圧
Pよりも高い場合、切換弁14は図中右側の接続状態に
切り換る。そして、傾転制御装置13の右側のポートか
らタンク15に作動油が抜け、傾転制御装置13の制御
棒が右側に移動する。これにより、可変容量形ポンプ1
1のフィードバックレバー12が時計方向に動いて、可
変容量形ポンプ11の吐出量が増加する。
【0035】このような切換弁14の動作により、PLS
ライン18に生じる最高負荷圧力と可変容量形ポンプ1
1から吐出される吐出圧Pとの差は、常に所定の基準値
Prefに維持される。
【0036】(2) 油圧制御装置 油圧制御システム1は、油圧制御装置100,200,
300を備える。各油圧制御装置100,200,30
0の構成は、同じである。以下、油圧制御装置100に
ついてのみ説明する。
【0037】油圧制御装置100は、大きく分けて、ス
プール弁101と、一体型油圧調整弁(以下、「調整
弁」という。)110とにより構成される。
【0038】スプール弁101は、そのスライド量に応
じて可変オリフィス101a,101bを開き、ポンプ
ポート120に供給される作動油を可変オリフィス10
1a,101bを介して調整弁110に出力する。ま
た、スプール弁101は、スライドの向き(左右)に応
じて、調整弁110から出力される作動油をポートA1
(油圧制御装置の出力ポート)またはポートB1(油圧
制御装置の出力ポート)に出力する。
【0039】調整弁110は、従来より知られている油
圧制御装置のコンペンセータ(例えば、図12の従来の
油圧制御装置500のコンペンセータ507)、逆止弁
(例えば、図12の従来の油圧制御装置500の逆止弁
503a,503b)およびシャトル弁(例えば、図1
2の従来の油圧制御装置500のシャトル弁504)に
相当する機能を有する。
【0040】調整弁110は、コンペンセータ102
と、切換弁103とにより構成されている。コンペンセ
ータ102は、2つのポートを備えており、2つの状態
を切り換えることができる。
【0041】切換弁103は、上記コンペンセータ10
2の内部に配置されている。切換弁103は、4つのポ
ートを備えており、2つの状態を切り換えることができ
る。切換弁103は、コンペンセータ102に対して独
立して機能する。
【0042】上記コンペンセータ102は、以下に示す
合計圧力(PLS+F/S、またはP31+F/S;但
し、Sは、作用面の面積)の高低により切り換わる。コ
ンペンセータ102が作動することにより、コンペンセ
ート部(絞り)159の開口面積が制御され、調整弁1
10に供給される作動油の圧力P21が制御されるよう
になっている。ここで、合計圧力とは、切換弁103に
よって選択して出力される最高負荷圧力PLS(後に詳
述)とバネ165(図2参照)とを合計した圧力、また
は、第2流路131,132(図2参照)内の圧力P3
1に当該調整弁110に備えられたバネ(図2に示すバ
ネ165)の弾性力Fにより加算される圧力とを合計し
た圧力である。
【0043】圧力P21が上記合計圧力(PLS+F/
S)以下の場合には、入力ポート102aと出力ポート
102bの間が閉じられる方向に作用する。その結果、
開口面積が小さくなり、P21=(PLS+F/S)とな
るように制御される。すなわち、図において絞り159
が絞られた状態となる。
【0044】また、圧力P21が上記合計圧力(PLS+
F/S)よりも高い場合には、入力ポート102aは、
圧力P21の値に応じて開口する絞り159および逆止
弁159a(係止部159a)を介して出力ポート10
2bに接続される。このとき、絞り159の開きが大き
くなり、P21=(P31+F/S)となる。
【0045】切換弁103は、PLSポート183に導か
れる最高負荷圧力PLSと、上記コンペンセータ102の
出力ポート102bから出力される作動油の圧力P31
との高低によって切り換る。
【0046】最高負荷圧力PLSが圧力P31よりも高い
場合、PLSポート183から伸びるラインが、コンペン
セータ102の入力部102cに接続される。一方、最
高負荷圧力PLSが圧力P31よりも低い場合、調整弁1
10に供給された作動油(圧力P21)は、最高負荷圧
力PLSポート183に供給される。また、後述するよう
に圧力P21が減圧されて圧力P31と同等の圧力とな
る。それにより、油圧制御システム1内の最高負荷圧力
PLSが圧力P31に更新され、圧力P31が最高負荷圧
力PLSとなる。さらに、コンペンセータ102の入力部
102cに、コンペンセータ102の出力ポート102
bから伸びるラインが接続される。
【0047】(3) 油圧制御装置の具体的な構成 以下、油圧制御装置100の具体的な構成、および機能
について詳細に説明する。
【0048】図2に示すように、油圧制御装置100
は、本体105と、スプール弁101と、当該スプール
弁101と交わる各流路130〜136と、ポンプポー
ト120と、タンクポート121a,121bと、PLS
ポート183と、バネ165により図中下向きに付勢さ
れた調整弁110と、リリーフ弁140,141と、ポ
ートA1(出力ポート)およびポートB1とを備えてい
る。なお、油圧制御装置100の特徴部分である調整弁
110およびその近傍の構成については、後に拡大図
(図3〜図8)を用いて詳細に説明する。
【0049】スプール弁101は、図示するように複数
の小径部と、絞りとして働く切欠部とを備えている。ス
プール弁101が図中左側にスライドすることにより、
ポンプポート120と流路130とが連通される。そし
て、スプール弁101のスライド量の増加に伴い可変オ
リフィス101a、101b(図1)の開度が大きくな
り、多くの作動油が流れる。
【0050】また、スプール弁101のスライドに伴っ
て、流路132と流路134とが連通され、流路133
と流路135とが連通される。流路135は、タンクポ
ート121bおよびリリーフ弁140に繋がっている。
さらに、スプール弁101のスライドに伴って、流路1
34と流路136とが遮断され、流路131と流路13
3とが遮断される。流路136は、タンクポート121
aおよびリリーフ弁141に繋がっている。
【0051】したがって、スプール弁101が図中左側
にスライドされた場合、ポンプポート120に供給され
た作動油は、流路130、調整弁110の絞り159、
流路132および流路134を介してポートA1に供給
される。ポートA1は、図示しないアクチュエータに接
続されている。このアクチュエータからポートB1に戻
ってくる作動油は、流路133を介してタンクポート1
21bに排出される。なお、突発的に高い圧力が発生し
た場合には、リリーフ弁140が動作してスプール弁1
01等の故障を防止する。
【0052】また、スプール弁101が図中右側にスラ
イドされることにより、ポンプポート120と流路13
0とが連通される。そして、スプール弁101のスライ
ド量の増加に伴い可変オリフィス101a、101bの
開度が大きくなり、多くの作動油が供給される。
【0053】また、スプール弁101のスライドに伴っ
て、流路131と流路133とが連通され、流路133
と流路135とが連通される。流路135は、タンクポ
ート121bおよびリリーフ弁140に繋がっている。
さらに、スプール弁101のスライドに伴って、流路1
32と流路134とが遮断され、流路134と流路13
6とが連通される。流路136は、ポート121aおよ
びリリーフ弁141に繋がっている。
【0054】スプール弁101が図中右側にスライドさ
れた場合、ポンプポート120に供給される作動油は、
流路130、調整弁110の絞り159、流路131、
流路133を介してポートB1に供給される。ポートB
1は、図示しないアクチュエータに接続されている。こ
のアクチュエータからポートA1に戻ってくる作動油
は、流路134を介してタンクポート121aに排出さ
れる。なお、突発的に高い圧力が発生した場合には、リ
リーフ弁141が動作してスプール弁101等の故障を
防ぐ。
【0055】スプール弁101の形状および動作は、油
圧制御装置100の特徴部分でないため、これ以上の説
明は省く。
【0056】図3に示すように、油圧制御装置100の
本体105には、直径D1,深さL1の第1シリンダ
部、直径D2,深さL2の第2シリンダ部および直径D
3,深さL3の第3シリンダ部が同軸上に連続して設け
られている。第1シリンダ部の側部には、PLSポート1
83が設けられている。第1シリンダ部から第2シリン
ダ部にかけての連結部は、テーパ状に加工されている。
第2シリンダ部と第3シリンダ部の連結部には、段差が
設けられている。第2シリンダ部の下部側面には、流路
131および流路132に繋がる開口部が設けられてい
る。
【0057】本体105との間で調整弁110を収納す
るスリーブ170は、下方に開口部を有する直径D2の
略円筒状の形状を有する。スリーブ170は、押え部材
170aによって本体105に固定されている。
【0058】図示するように、第1シリンダ部と本体1
05との間には、シール173およびシール174によ
って気密な空間が形成されている。また、スリーブ17
0は、貫通孔172(第2孔)を備えている。この貫通
孔172は、上記気密な空間を区画する面に設けられて
いる。PLSポート183に供給される最高負荷圧力PLS
は、貫通孔172を通じてスリーブ170の内側へと導
かれる。
【0059】調整弁110は、直径D4の円柱状のピス
トンにより構成されており、その下部に直径D3の絞り
159を備えている。
【0060】図示するように、調整弁110は、本体1
05に設けられたケーシング孔106に取付けられたス
リーブ170内に収納されている。このスリーブ170
の圧力室164には、PLSポート183または流路13
0から油圧制御システム1内で最大の圧力PLSが供給さ
れる。この図では、他の連が最高負荷圧力の場合を示し
ており、PLSポート183の圧力が圧力室164に作用
している。したがって、調整弁110は、最高負荷圧力
PLSが作用して生じる力PLS×SD4(但し、SD4は、最
高負荷圧力PLSが作用する調整弁110の直径D4の上
面の面積)に、当該調整弁110の位置に応じて決まる
バネ165の弾性力Fを加算した力(PLS×SD4+F)
で下向きに付勢されている。また、調整弁110は、流
路130に流れ込む作動油により、力P21×SD3(但
し、P21は、流路130内の圧力。SD3は、圧力P2
1が作用する調整弁110の直径D3の下面の面積)で
上向きに付勢されている。
【0061】図4はコンペンセータの構成を詳細に示す
図であり、(a) は正面図、(b) は側面図、(c) はC−C断
面図、(d) はD−D断面図である。図5はコンペンセータ
の構成を示す斜視図である。調整弁110のコンペンセ
ータ102は、孔150、横孔151、連通溝152、
孔154、孔156、小径部153、切換弁155、係
止部157および絞り149(環状隙間)を有してい
る。調整弁110は、大きく分けて、シャトル弁と、逆
止弁として機能する環状の係止部157と、絞り159
とにより構成される。シャトル弁は、孔150、横孔1
51(他の連の最高負荷圧力を導く流路)、連通溝15
2、小径部153(第2孔に通じる流路)、孔154、
絞り149、孔156(第1孔)および切換弁155で
構成される。
【0062】連通溝152は、小径部153の適当な箇
所から軸方向に延びている。横孔151は、連通溝15
2と交わるように設けられており、その外周は絞り14
9となる環状隙間と連通している。孔154は、孔15
1,150および絞り159と連通する孔156と交わ
るように横向きに設けられている。調整弁110の円柱
状小径部153は、少なくとも、調整弁110が上下移
動してもスリーブ170の貫通孔172と常に連通する
範囲に設けられている。
【0063】係止部157は、環状の突起部であり、絞
り159の上部に設けられている。係止部157は、図
に示すように上方に行くほど直径が大きくなるテーパ状
に加工されており、本体105の直径D3,深さL3の
第3シリンダ部の上端角部(円錐状部)に当接するよう
に設計されている。
【0064】調整弁110のコンペンセータ102は、
図3に示すように、側部は、係止部157が第2シリン
ダ部と第3シリンダ部の段差部分に接している状態で、
流路130と流路131,132との間を完全に閉塞す
るために十分な長さを有する。また、この状態で、上記
孔154は、係止部157が第2シリンダ部と第3シリ
ンダ部の段差部分に接している状態であっても、図示す
る位置、すなわち、スリーブ170よりも下側の位置に
まで降りてこない場所に設けられている。
【0065】なお、上記側部には、切欠部160および
流路161が設けられている。これらは、流路132、
流路131および孔154とを連通させる。
【0066】流路130内の圧力が流路132および流
路131の圧力より低下した場合、係止部157は、流
路130と流路131および流路132との間を遮断
し、流路131および流路132から流路130へと作
動油が逆流するのを防止する。このとき、第2シリンダ
部と第3シリンダ部の段差部分に設けられた円錐状の角
部は、弁座として機能する。
【0067】係止部157の下側には、上記絞り159
が設けられている。この絞り159によって、流路13
0が流路131および流路132に連通される。この絞
り159は、調整弁110の上昇に伴い開口面積が増加
する。
【0068】絞り159は、その前後の差圧、すなわ
ち、流路130(第1流路)に流れる作動油の圧力P2
1と、流路131,132(第2流路)の圧力P31と
の差が一定となるように働く。
【0069】なお、上記調整弁110において、最高負
荷圧力PLSの作用する面の面積SD4と、流路130内を
流れる圧力P21が作用する面の面積SD3との大小関係
を調節することで、負荷圧に対する流量制御特性を調整
することができる。
【0070】すなわち、SD4>SD3(例えば、SD4をS
D3に比べて1%〜10%程度大きくする)とすれば、負
荷圧に依存して絞り159による補正量が制限される。
また、SD4<SD3(例えば、SD4をSD3に比べて1%〜
10%程度小さくする)とすれば、SD4=SD3の場合に
制御される流量よりも多い作動油が分流し、絞り159
による過剰補正が行われる。さらに、SD4=SD3とすれ
ば、流量制御特性が負荷圧に依存しない標準的なロード
センシングシステムが構成される。
【0071】図6は、調整弁の備える切換弁155の斜
視図である。切換弁155には、円柱状の小径部155
aと、この小径部155aから一方に離れた所定位置の
油圧バランス用油溝155bと、他方の端部の小径部1
55cとが設けられている。なお、上記小径部155a
の位置および長さは、図3において、切換弁155が孔
154の左側にあるときに孔156と横孔151とが連
通し、切換弁155が孔154の右側にあるときに横孔
151と孔150とが連通するように設定されている。
小径部155cは、切換弁155が孔150と流路16
1との連通を塞ぐ長さで形成されている。
【0072】PLSポート183、小径部171、孔17
2、小径部153、連通溝152、絞り149および横
孔151を介して孔154に入力される作動油(この作
動油の圧力は、最高負荷圧力PLS)は、絞り149から
横孔151に供給されて切換弁155の小径部155a
に作用する作動油と、絞り149から孔154の外周に
入って切換弁155の頭部に作用する作動油となり、こ
れらの作動油の圧力差によって切換弁155にダンピン
グ力を付加して移動させる。つまり、図3において、切
換弁155は、圧力の大小関係に応じて左右に移動す
る。しかも、絞り149を設けることにより、PLSポー
ト183からポンプ11のレギュレータ(切換弁14)
へのフィードバックに位相遅れを持たせてシステムの安
定性を向上させている。しかも、このような位相遅れを
持たせることにより、切換弁155のハンチングを防止
することもできる。
【0073】このように、高圧選択のPLSポート183
と連通する切換弁155による減圧機能と、絞り149
による減衰機能を持たせている。この絞り149の容積
を調整すれば、圧力伝達速度を変更することができ、シ
ステムがフィードバック系であるので、伝達速度を任意
に選択することによりシステムに応じた安定化を図るこ
とができる。
【0074】図3では、他の連の最高負荷圧力PLSが作
用しているので、切換弁155は図の右端に移動した状
態である。なお、他の連の最高負荷圧力PLSが低い場合
(例えば、図6)には、流路132内の作動油(この作
動油の圧力はP21)は、切欠部160、流路161を
介して孔154の図示する右側の部屋に供給される。こ
れにより、図3において、切換弁155は、圧力の大小
関係に応じて左右に移動する。このように、切換弁15
5は、絞り159とは独立して作動する。
【0075】図3に示すように、切換弁155は、孔1
54内に気密な状態で左右に摺動するように収納されて
いる。孔150は、孔154と交わり、圧力室164に
連通するように縦向きに設けられている。孔156は、
孔154と交わり、流路130と連通するように縦向き
に設けられている。
【0076】図7は、他の連の最高負荷圧力が低い場合
の調整弁の状態を示す断面図であり、流路132内の圧
力P31の方がシステム1内の他の連の最高負荷圧力P
LSよりも高い場合における切換弁155の状態を示す図
である。
【0077】この場合において、絞り159上に設けた
孔156が切換弁155を介して横穴151,152に
接続され、流路130内の作動油(この作動油の圧力は
P11)がPLSポート183に供給される。また、流路
132内の作動油(この作動油の圧力はP21)は、切
欠部160、流路161を介して圧力室164に導かれ
る。この時、切換弁155は、図示するように、孔15
6から作用する圧力と、流路161から作用する圧力と
のバランスする位置となる。これは、孔156と横穴1
51とが連通する部分の面積が調整されるためである。
これにより、油圧制御システム1の最高負荷圧力PLSが
圧力P31に更新される。
【0078】この最高負荷圧力PLSの圧力P31への減
圧は、以下のようにしてなされる。すなわち、流路13
0からPLSポート183に供給された作動油は、面積が
調整された絞り部を通過し、PLSライン18および絞り
弁21を経て排油ライン51に流出する(図1)。その
際に作動油の圧力が減圧される。言い換えると、孔15
4の左側部分に導かれる圧力が右側に導かれる圧力P3
1と同等の圧力となり、切換弁155に働く力がバラン
スされるためである。この場合において、切換弁155
の小径部155aは、孔150と横穴151とを連通さ
せないように設定されている。
【0079】図8は、他の連の最高負荷圧力が高い場合
の調整弁の状態を示す断面図であり、最高負荷圧力PLS
が流路132の圧力P21よりも高い場合における切換
弁155の状態を示す図である。
【0080】この場合、絞り159上に設けた孔156
は、切換弁155によって閉じられており,PLSポート
183を介して供給される作動油(この作動油の圧力は
最高負荷圧力PLS)は、横穴151および孔150を介
して圧力室164へと導かれることになる。
【0081】この場合において、調整弁110は、実際
には、流路130内の圧力P11の大きさに応じた分だ
け絞り159の開口量を調整するように上昇している。
すなわち、圧力室164の圧力が、調整弁110に作用
する油の力とバネ165のバネ力を合わせた力とバラン
スするように、絞り159の開口量が調整される。つま
り、図示するように、係止部157が所定量上昇して流
路130から流路131へ絞られた作動油が供給される
こととなる。
【0082】以上のように、上記調整弁110を採用し
ているから、絞り159による圧力調整動作とは独立し
て、常時最高負荷圧力PLSの調節を行うことができるよ
うになる。また、絞り159の上側に逆止弁として機能
する係止部157を備えているから、圧力制御装置10
0の小型化を図ることができる。
【0083】(4) 実際の駆動例 図9ないし図11は、上記油圧制御装置100,20
0,300を用いる油圧制御システム1における実際の
動作状態を説明するための図である。理解の容易のた
め、油圧制御装置200および油圧制御装置300の各
部を表す参照番号には、既に説明した油圧制御装置10
0の対応する部位を示す参照番号を200番台および3
00番台に置き換えたものを採用する。また、作動油の
圧力も同様に、下1桁を2番台、3番台に置き換えて説
明する。
【0084】図9は、油圧制御装置100(第1連)の
みが動作している状態を表す図である。具体的には、油
圧制御装置100のスプール弁101が右へ所定量だけ
スライドし、残りの2つの油圧制御装置200,300
のスプール弁201,301を中立位置にした状態を表
す。
【0085】この場合において、油圧制御装置100に
は、可変容量形ポンプ11から例えば80リットル/分
の作動油が供給される。また、油圧制御装置100に
は、例えば5MPaの負荷が接続(B1に作用)されて
いる。したがって、流路131内の圧力P31は、5M
Paである。
【0086】また、油圧制御装置200(第2連)に
は、例えば20MPaの負荷が接続(B2に作用)され
ている。したがって、流路231内の圧力P32は、2
0MPaである。油圧制御装置300(第3連)は無負
荷状態である。当該状況下において、絞り159は、図
示する最大開口位置で均衡する(拡大図を参照)。
【0087】油圧制御装置100のみが制御状態である
ため、供給される作動油の圧力が最大となり、切換弁1
55が左端から僅かに右寄りの位置で釣り合い、流路1
30内の圧力P21がわずかに減圧されてP31とな
る。このP31が最高負荷圧力PLS(=P41)とな
る。
【0088】図10は、上記図9の状態で、油圧制御装
置200のスプール弁201を右側に所定量だけスライ
ドさせた状態を表す。油圧制御装置200には、可変容
量形ポンプ11から例えば90リットル/分の作動油が
供給される。
【0089】前述のように油圧制御装置200には、2
0MPaの負荷が接続されており、スプール弁201の
スライドにより流路231と流路233とが連通し、流
路231、切欠部260、流路261(図10では図示
していないが、図2および図3にならい参照符号の番号
を200番台に置き換える。以下、同様。)を介して、
孔254(図3の154)の右端部に前記負荷圧力が作
用する。このため、切換弁255は左方へ移動して孔2
50を介して圧力室264に前記負荷圧力が導かれる。
【0090】また、孔256、切換弁255の小径部2
55a、孔251、孔252を介して、流路230(絞
り259の入口ポート)とPLSポート283とが接続さ
れる。
【0091】さらに、スプール弁201のスライドによ
り、可変オリフィスを介してポンプポート220と流路
230とが連通する。このとき、ポンプポート220に
は油圧制御装置100の負荷に対応する圧力しか生じて
いないから、流路230の圧力P22<P42(圧力室
264の圧力)となる。そのため、調整弁210は下降
して係止部257が本体205のシート部に当接し、流
路232から流路230への逆流が防止される。
【0092】調整弁210が流路230と流路231と
の連通を遮断することにより、流路230の作動油の流
れはなくなる。このため、流路230の圧力P22は、
ポンプポート220の圧力P12と等しくなる。
【0093】流路230は、図7に示すようにPLSポー
ト283と連通する。図1に示すように、PLSポート2
83はPLSライン18を介して油圧制御装置100のP
LSポート183と連通しているから、流路230の圧力
P22(=P12)は、PLSポート183に導かれ、さ
らに、孔172、小径部153、連通溝152から孔1
54の左側と、横穴151から切換弁155の小径部1
55aに導かれる。
【0094】一方、上記孔154の右側には、流路13
1の圧力P31が作用しているが、P22(=P12)
>P31である。このため、切換弁155は、図8に示
すように右側に移動して、横穴151と孔156との連
通を遮断すると共に、横穴151と孔150とを連通さ
せる。したがって、圧力室164には、PLSポート18
3の圧力P22(=P12)が導かれる。
【0095】圧力室164に導かれた圧力P22は、ポ
ンプポート120の圧力P11(=P12)と等しい。
また、流路130の圧力P21<P22(圧力室164
の圧力=P11)である。このため、調整弁110が下
降して絞り159の開口面積が小さくなる。したがっ
て、流路130から流路131への流れが制限され、流
路130の圧力P21およびポンプポート120の圧力
P11が上昇する。
【0096】上昇したポンプポート120の圧力P11
は、油圧制御装置200のPLSポート283から油圧制
御装置100の圧力室164へ導かれる圧力P22と同
じである。したがって、上述したと同様に、連鎖的にポ
ンプポート120、220の圧力が上昇し、この圧力が
油圧制御装置200の負荷圧力を超えて、流路230の
圧力P22(=P11,P21)>流路231の圧力P
32(20MPa)+F/SD4(Fはバネ265によ
り加えられる圧力、SD4は調整弁210の上部面積)
になると、調整弁210が上昇して流路230と流路2
31とが連通される。つまり、油圧制御装置200のア
クチュエータに作動油が供給され、当該アクチュエータ
が駆動される。
【0097】この場合、切換弁255の左端部に作用す
る圧力は、右端部に作用する圧力よりもF/SD4だけ
大きくなり、切換弁255は右側へ移動する。一方、こ
の場合、孔256と切換弁小径部255aとを連通する
流路の開口面積は小さくなるので、切換弁255の左端
部に作用する圧力は減圧され、当該左端部の圧力P22
−F/SD4=P32となったところで、切換弁255
の左端部に作用する圧力と右端部の圧力P32とが釣り
合い、その位置で切換弁255が保持される。
【0098】したがって、PLSポート283は、流路2
30との接続状態が維持され、このPLSポート283に
は流路231の圧力P32(負荷圧力)まで減圧された
圧力が導かれる。このPLSポート283は、PLSライン
18を介して油圧制御装置100の圧力室164と連通
しているから、調整弁110が油圧制御装置200の負
荷圧力に応じて制御される。
【0099】このように、調整弁110、210、31
0を各油圧制御装置の最高負荷圧力に応じて制御するこ
とで、各油圧制御装置に接続されるアクチュエータを同
時に操作することができる。
【0100】なお、図11は、上記図10の状態におけ
る状態の推移を表すものである。油圧制御装置100に
おいて、圧力室164内の圧力P41は、さらに上昇す
る。結果的にP41+F/S=P21(ここで、F/S
はバネ力)となるが、圧力P41が上昇するのに伴い、
圧力P21も上昇する。このように連鎖的に上昇した
後、絞り159は下降し始め、コンペン動作が行われ
る。
【0101】最終的には油圧制御装置200の絞り25
9も開き、圧力P32(20MPa)が圧力P42に導
かれ、P22=P32(20MPa)+F/SD4(F
は、バネ265により加えられる圧力、SD4は、調整弁
110の上部面積)となる。
【0102】この場合、絞り259は、全開している。
また、油圧制御装置100の絞り159が動作するのに
伴って圧力PLSが20MPaとなるため、油圧制御装置
200は、作動油を供給することができるようになる。
切換弁255は、左端の圧力がP22−F/SD4=P3
2となるように調圧を行い、左端よりわずかに離れた位
置で釣り合う。
【0103】なお、このように構成された油圧制御シス
テム1によれば、負荷の変動や、ポンプ流量の変動、中
立からのインチング動作に対して、シリンダを用いて負
荷を制御する機械での寸落(一定範囲の急激な下降)を
防止することができる。これにより、ロードセンシング
機能の安定性を向上させることができる。
【0104】また、上述した実施形態は一実施形態であ
り、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可
能であり、本発明は上述した実施形態に限定されるもの
ではない。
【0105】
【発明の効果】本発明に係る油圧制御装置によれば、コ
ンペンセータとは独立して動作する切換弁(シャトル
弁)が備えられているため、当該油圧制御システム内で
可変容量形ポンプの傾転制御を行うための最高負荷圧力
の更新を常時行うことができる。したがって、ポンプに
与えられる最高負荷圧力と実際の油圧装置内の最高負荷
圧との偏差が生じる時間を短くしてハンチングの発生を
抑制することができる。
【0106】また、切換弁(シャトル弁)の作動にダン
ピング力が付加されるようにして、この作動によって出
力されるフィードバック信号を安定化し、システムのハ
ンチングを防止することができる。
【0107】さらに、切換弁(シャトル弁)がコンペン
セータに内蔵されているので、装置の小型化を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る油圧制御システムを
油圧系統図で示したものである。
【図2】油圧制御装置の構成を表す断面図である。
【図3】調整弁の構成を詳細に示す断面図である。
【図4】コンペンセータの構成を詳細に示す図であり、
(a) は正面図、(b) は側面図、(c) はC−C断面図、(d)
はD−D断面図である。
【図5】コンペンセータの構成を示す斜視図である。
【図6】調整弁の備える切換弁の斜視図である。
【図7】他の連の最高負荷圧力が低い場合の調整弁の状
態を示す断面図である。
【図8】他の連の最高負荷圧力が高い場合の調整弁の状
態を示す断面図である。
【図9】油圧制御システムにおける油圧制御装置の実際
の動作状態を説明するための図である。
【図10】油圧制御システムにおける油圧制御装置の実
際の動作状態を説明するための図である。
【図11】油圧制御システムにおける油圧制御装置の実
際の動作状態を説明するための図である。
【図12】従来の油圧制御装置の構成を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1…油圧制御システム 10…ポンプ 14…切換弁 18…PLSライン 100…油圧制御装置 101…スプール弁 102…コンペンセータ 103…切換弁 105…本体 110…調整弁 120…ポンプポート 130…流路 131…流路 132…流路 133…流路 134…流路 149…絞り 151…横孔 152…連通溝 153…小径部 154…孔 155…切換弁 156…孔 157…係止部 159…絞り 164…圧力室 170…スリーブ 171…小径部 172…孔 183…PLSポート 200…油圧制御装置 300…油圧制御装置 A1…ポート B1…ポート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F15B 11/028 F15B 11/02 X (72)発明者 大野 猛 兵庫県神戸市西区櫨谷町松本234番地 川 崎重工業株式会社西神戸工場内 Fターム(参考) 2D003 AA01 AA06 AB03 AC06 BA01 BB03 CA02 DA02 DC02 3F204 AA09 CA07 GA01 3F205 AA05 KA10 3H045 AA02 AA12 AA24 AA33 BA20 CA01 DA13 EA32 EA43 3H089 AA27 AA55 AA74 BB10 DA03 DB03 DB24 DB37 DB46 DB48 DB75 FF05 FF09 FF16 GG02 JJ01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変容量形ポンプで制御される複数のア
    クチュエータを有し、当該アクチュエータの負荷圧力の
    中の最高負荷圧力を検出し、可変容量形ポンプの吐出圧
    力が上記検出した最高負荷圧力よりも所定値だけ高くな
    るように制御するロードセンシング機能を備える多連型
    の油圧制御システムに使用され、 当該システム内の最高負荷圧力が供給される最高負荷圧
    力ポートを備える油圧制御装置において、 可変オリフィスを介して、ポンプポートと連通する第1
    流路が入力ポートに接続され、所定のアクチュエータに
    接続される油圧制御装置の出力ポートに連通する第2流
    路が出力ポートに接続され、第2流路内の圧力に応じて
    第1流路の圧力を制御するために開口量が変化する絞り
    を有するコンペンセータと、 上記可変オリフィスおよびコンペンセータとは独立して
    作動し、第2流路内の圧力が当該システム内の他の連の
    最高負荷圧力よりも高い場合に、第1流路の圧力を第2
    流路の圧力まで調圧作動によって減圧し、当該減圧され
    た圧力を最高負荷圧力ポートに供給する切換弁とを備
    え、当該切換弁を上記コンペンセータに内臓し、当該切
    換弁を作動させる油の絞り機能を上記コンペンセータに
    持たせたことを特徴とする油圧制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の油圧制御装置におい
    て、 上記切換弁は、 第1流路に繋がる第1孔と、 最高負荷圧力ポートに繋がる第2孔と、 最高負荷圧力ポートに供給される最高負荷圧力と第2流
    路内の圧力との高低に応じて、上記可変オリフィスおよ
    びコンペンセータとは独立して作動する切換弁であっ
    て、第2流路内の圧力が当該システム内の他の連の最高
    負荷圧力よりも高い場合に、第1孔と第2孔とを連通
    し、第2流路内の圧力が当該システム内の他の連の最高
    負荷圧力よりも低い場合、第1孔を閉じ、第2孔に当該
    システム内の他の連の最高負荷圧力を導く流路を備える
    切換弁とで構成される油圧制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の油圧制御装置におい
    て、 コンペンセータ内に、第1孔内の圧力と、第2孔内の圧
    力と、第2流路内の圧力とでバランスして移動する切換
    弁を備える油圧制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の油圧制御装置におい
    て、 切換弁が移動する孔をコンペンセータの軸方向と交差す
    る方向に設け、当該孔からコンペンセータの外周に向け
    て上記第2孔を貫通させて設け、当該第2孔の外周端を
    含むコンペンセータの外周に環状の隙間を設けて上記絞
    りが構成されている油圧制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の油圧制御装置におい
    て、 さらに、第2流路から第1流路への加圧された流体の逆
    流を遮断する逆止弁を、上記コンペンセータの入力ポー
    トと出力ポートの間に備える油圧制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載の油圧制御装置におい
    て、 さらに、第2流路から第1流路への加圧された流体の逆
    流を遮断する逆止弁を、上記コンペンセータの入力ポー
    トと出力ポートの間に備える油圧制御装置。
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