JP2003278686A - 立形ポンプの回転軸支持構造 - Google Patents

立形ポンプの回転軸支持構造

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JP2003278686A
JP2003278686A JP2002080372A JP2002080372A JP2003278686A JP 2003278686 A JP2003278686 A JP 2003278686A JP 2002080372 A JP2002080372 A JP 2002080372A JP 2002080372 A JP2002080372 A JP 2002080372A JP 2003278686 A JP2003278686 A JP 2003278686A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 【課題】 インペラーを装着した回転軸の下部を、機械
的な軸受けに頼らず、永久磁石による磁力により、常
時、固定側ポンプ部材と無接触な状態で回転中心に保持
するようにし、保守性に優れ、高性能化と小型化を可能
にした立形ポンプの回転軸支持構造を提供する。 【解決手段】 胴管2上部に配装したモータ3と、胴管
下端に連設したケーシング5に形成したポンプ室6内に
配装したインペラー9を、回転軸10を介して連結した
立形ポンプにおいて、回転軸10に回転磁石11を配装
し、該回転磁石11に対応して固定側ポンプ部材に静止
磁石13を配装し、回転磁石11の磁界と静止磁石13
の磁界が作用して生じる磁力で、回転軸10を回転中心
に保持させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、立形ポンプの回転
軸支持構造に関するものであり、さらに詳しくは、イン
ペラーに回転を伝達する回転軸の下部を、固定側ポンプ
部材に対して無接触で回転中心に保持するようにした立
形ポンプの回転軸支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】円筒状の胴管上部にモータを配装し、胴
管下端に連設したケーシングに形成したポンプ室内にイ
ンペラーを配装し、該インペラーを回転軸を介してモー
タに連結してなる立形ポンプは、主要部の構成部品点数
が少なく、接液部分に摺動部分を持たないなどの特徴が
あり、耐食・耐摩耗性・機械的強度に優れたポンプとし
て、環境を汚染する薬液や腐食性の強い薬液等の移送、
例えば、エッチングマシン等の薬液の循環用、メッキ装
置のメッキ液の循環用又は排ガス吸収塔等の薬液の循環
用等に広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の立形
ポンプにおいて、ポンプの内部構造として、接液部分に
摺動部分を持たない立形ポンプとしては、モータに連結
される回転軸は、その基部が胴管の上部で玉軸受け等の
軸受けによって支持されて胴管内に垂下し、回転軸の下
端がポンプ室に達してインペラーが装着されている。従
って、ポンプ運転中に胴管内には薬液が入り込むことが
あっても胴管上部にある軸受け部分は薬液に接触するこ
とはないものである。
【0004】しかし、この種の接液部分に摺動部分を持
たない立形ポンプで、ポンプの空運転、気体吸込みによ
る揚水不能運転、固形物を含む液体を取り扱う運転等に
おいて、インペラーに掛かる負荷が急変したりする時
に、インペラーを装着した回転軸の下端部が振れて回転
が不安定になることがあり、これを防止するために、構
造的に、回転軸を太くしたり、胴管上部における回転軸
の支持構造を堅固にするような手法が採られており、こ
れがポンプの小型化を妨げている。
【0005】また、ポンプ形態として回転軸が長尺とさ
れる立形ポンプの場合は、回転軸の下部に軸受けを設
け、回転軸の振れをなくして回転を安定させる構成の立
形ポンプも提案されている。しかし、このように回転軸
の下部に軸受けを設ける構成は、立形ポンプの特徴的な
特性の一つが失われることになる。
【0006】そこで、本発明の課題は、回転軸の長さや
太さ等に左右されることなく、回転軸の下部を、機械的
な軸受けに頼らず、永久磁石による磁力により、常時、
固定側ポンプ部材と無接触の状態で回転中心に保持する
ようにし、ポンプの内部構造として、接液部分に摺動部
分を持たない保守性に優れ、高性能化と小型化を可能に
した立形ポンプの回転軸支持構造を提供することを目的
としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の立形ポンプの回転軸支持構造は、円筒状の
胴管上部にモータを配装し、胴管下端に連設したケーシ
ングに形成したポンプ室内にインペラーを配装し、該イ
ンペラーを回転軸を介してモータに連結した立形ポンプ
において、回転軸下部に回転磁石を配装し、該回転磁石
に対応して固定側ポンプ部材に静止磁石を配装し、回転
磁石の磁界と静止磁石の磁界が作用して生じる磁力で、
回転軸を回転中心に保持させたことを特徴とする。
【0008】ここで、立形ポンプとして、円筒状の胴管
上部にモータを配装し、胴管下端に連設したケーシング
にポンプ室を形成し、該ポンプ室内に配装したインペラ
を回転軸を介してモータに連結し、ポンプ室下部に吸込
口を、ポンプ室側部に吐出口を開口させたポンプの基本
構成は公知のものである。
【0009】また、本発明において使用される回転磁石
及び静止磁石は、共に磁極の強さの強い高性能の永久磁
石が使用され、各磁石の形態等については、特に制約は
なく、複数個の磁石を円筒形状に組み合わせものや、1
個のリング状をなす磁石であってもよいが、総合的に、
回転磁石の磁界と静止磁石の磁界が作用して生じる磁力
で、回転軸を回転中心に保持できるように、磁石の配置
等については、実験的に設定される。
【0010】このように構成した本発明によれば、回転
軸下部に配装した回転磁石と、これに対応して固定側ポ
ンプ部材に配装した静止磁石が互いに接近し、両方の磁
石間に形成される環状の隙間内で両方の磁石の磁界が強
力に作用し合って回転軸を回転中心に保持する。従っ
て、あらゆる運転条件下において回転軸の振れがなく、
安定した回転を実現する。
【0011】この場合に、例えば、回転磁石及び静止磁
石間に反発力を生じさせるように、両方の磁石の磁極の
向きを方向付けていると、両方の磁石間に形成される環
状の隙間内で、両方の磁石の磁界の方向が同じ方向に向
けられて強力な反発力の下で、常に、両方の磁石間に形
成される環状の隙間の歪みを伴う回転軸の振れが生じな
いように作用する。従って、この場合の回転軸の下部
は、機械的な汎用の軸受けを設けた構成と同様に、あら
ゆる運転条件下において、回転軸を回転中心に保持させ
ることができる。
【0012】また、立形ポンプにおいて、インペラーに
裏羽根を持つ構造では、通常、上向きにスラスト力が生
じ、一方、インペラーに裏羽根を持たない構造では下向
きにスラスト力が生じる。そこで、回転軸を回転中心に
保持する磁力に加え、同じ磁力により、インペラーを含
む回転部全体を上向けに引き上げるか、又は、下向けに
引上げるスラスト力を生じさせるように、回転磁石及び
静止磁石の配装位置を設定した構成にすると、ポンプの
運転時に生じるスラスト力を、磁力により生じるスラス
ト力で相殺させることによって、胴管上部において、イ
ンペラーを含む回転部全体の荷重を支持するスラスト軸
受けの圧力負担を軽減して、ポンプ構造を簡素化し、保
守性に優れた高性能のポンプが提供できる。
【0013】また、本発明において、回転軸上の複数個
所に回転磁石を配装し、これら回転磁石に対応して固定
側ポンプ部材にそれぞれ静止磁石を配装した構成にする
と、回転軸を回転中心に保持する作用が、回転軸沿いの
複数個所で図られて回転軸の安定性を一層向上できると
ともに、磁力によりインペラーを含む回転部全体を上方
向けに引き上げるか、又は、下向けに引上げるスラスト
力も、回転軸を回転中心に保持する作用に影響を与える
ことなく効果的に増強できるので、スラスト軸受けの圧
力負担を軽減して効率のよい回転を実現する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。
【0015】図1は本発明の実施の形態を示す立形ポン
プの断面図である。
【0016】図1において、立形ポンプ1は、円筒状の
胴管2上部にモータ3を配装し、胴管2の下端にケーシ
ングカバー4を連結し、該ケーシングカバー4をケーシ
ング5に組み付けてポンプ室6を形成し、ポンプ室6の
下部に吸込口7を、ポンプ室6の側部に吐出口8を開口
させ、ポンプ室6内に配装したインペラー9を回転軸1
0の下端に取着し、回転軸10をモータ3に連結してい
る。
【0017】実施の形態の回転軸10は、回転軸10内
の主軸部への薬液又は腐食性ガスの侵入を防止する構成
になっている。
【0018】本発明においては、前記インペラー9に近
接して回転軸10の下部に回転磁石11を配装し、この
回転磁石11に対応してケーシングカバー4の中穴壁1
2に静止磁石13を配装している。
【0019】実施の形態では、リング状をなす回転磁石
11を回転軸10の下端から填め込んで所定の位置に固
定し、この回転磁石11に対応して複数個の静止磁石1
3をケーシングカバー4の中穴壁12周りに埋設状に配
装している。
【0020】回転磁石11と静止磁石13はともに、磁
極の強さの強い高性能の永久磁石が使用され、両方の磁
石11,13の磁極の向きを同じ向きにし、両方の磁石
11,13の磁界が両方の磁石間に形成される環状の隙
間14内で強力に反発し合うことによって、回転軸10
を回転中心に保持するようにしている。
【0021】こうして、ポンプのあらゆる運転条件下に
おいて、常に、両方の磁石11,13間に形成される環
状の隙間14の歪みを伴う回転軸10の振れ(軸心のず
れ)が生じないように作用するので、回転軸10の下部
には、汎用の軸受けを設けた構成と同様に、回転軸10
を回転中心に安定させることができる。
【0022】また、実施の形態では、回転軸10の中間
部にも回転磁石11aを配装し、この回転磁石11aに
対応して胴管2の中間位置に静止磁石13aを配装して
いる。この場合の回転磁石11aも前記の回転磁石11
同様に、リング状をなす回転磁石11aを回転軸10に
填め込んで所定の位置に固定し、この回転磁石11aに
対応して静止磁石13aは磁石保持器15に固定され、
この磁石保持器15と一体で胴管2の内壁に固着し、前
記の回転磁石11と静止磁石13同様に、両方の磁石1
1a,13aを同じ向きにすることにより、両方の磁石
11a,13aの磁界が両方の磁石11a,13a間に
形成される環状の隙間14内で強力に反発し合って回転
軸10を中間位置においても回転中心に保持するように
している。こうして、回転軸10を回転中心に保持する
作用が、回転軸10上の2個所で図られて回転軸10の
安定性を一層向上させることができる。
【0023】さらに、前記する回転軸10に配装する回
転磁石11,11aと、これに対応してケーシングカバ
ー4の中穴壁12及び胴管2内壁に配装した静止磁石1
3,13aの配装位置の設定に当たって、例えば、回転
磁石11,11aの位置を、静止磁石13,13aの位
置より上側、又は下側にずらした位置に設定すると、回
転軸10を回転中心に保持する磁力に加え、同じ磁力に
よりインペラー9を含む回転部全体を上向けに引き上げ
るか、又は、下向けに引上げるスラスト力を効果的に生
じさせることができるので、回転軸10の基端部にあっ
て回転部全体の荷重を支持するスラスト軸受け(図示せ
ず)の圧力負担を軽減して効率のよい回転を実現する。
【0024】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、本発明によれば、インペラーを装着した回転軸
の下部を、機械的な軸受けに頼らず、永久磁石による磁
力により、常時、回転中心に無接触な状態で保持するよ
うにしたので、回転軸の長さや太さ等に左右されること
なく、ポンプの内部構造として、接液部分に摺動部分を
持たず、保守性に優れた立形ポンプの高性能化と小型化
を可能にしたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す立形ポンプの断面図
である。
【符号の説明】 1 立形ポンプ 2 胴管 3 モータ 4 ケーシングカバー 5 ケーシング 6 ポンプ室 7 吸込口 8 吐出口 9 インペラー 10 回転軸 11 11a 回転磁石 12 中穴壁 13 13a 静止磁石 14 隙間 15 磁石保持器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状の胴管上部にモータを配装し、胴
    管下端に連設したケーシングに形成したポンプ室内にイ
    ンペラーを配装し、該インペラーを回転軸を介してモー
    タに連結した立形ポンプにおいて、回転軸下部に回転磁
    石を配装し、該回転磁石に対応して固定側ポンプ部材に
    静止磁石を配装し、回転磁石の磁界と静止磁石の磁界が
    作用して生じる磁力で、回転軸を回転中心に保持させた
    ことを特徴とする立形ポンプの回転軸支持構造。
  2. 【請求項2】 回転磁石及び静止磁石間に反発力を生じ
    させるように、両方の磁石の磁極の向きを方向付けたこ
    とを特徴とする請求項1記載の立形ポンプの回転軸支持
    構造。
  3. 【請求項3】 回転軸を回転中心に保持する磁力に加
    え、同じ磁力により、インペラーを含む回転部全体を上
    向けに引き上げるか、又は、下向けに引き下げるスラス
    ト力を生じさせるように、回転磁石及び静止磁石の配装
    位置を設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の
    立形ポンプの回転軸支持構造。
  4. 【請求項4】 回転軸上の複数個所に回転磁石を配装
    し、これら回転磁石に対応して固定側ポンプ部材にそれ
    ぞれ静止磁石を配装したことを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の立形ポンプの回転軸支持構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007032461A (ja) * 2005-07-28 2007-02-08 Heishin Engineering & Equipment Co Ltd ポンプ装置
WO2008140278A2 (en) * 2007-05-16 2008-11-20 Jong-Gwan Geum Motor pump
GB2549995A (en) * 2016-05-03 2017-11-08 Ebm Papst Mulfingen Gmbh & Co Kg Bearing configuration for a motor shaft of a pump

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