JP2003278230A - 人体局部洗浄装置の洗浄水噴射機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡素な構造で低コストであってコンパクトな
人体局部洗浄装置における充分な間歇効果を有する洗浄
水機構を提供すること 【解決手段】 人体局部に洗浄水を噴出するための噴出
孔１３と、これに洗浄水を導く導水路を有する人体局部
洗浄装置の洗浄水噴射機構において、噴出孔１３に連通
する洗浄水の導水路１４ａ、１４ｂの途中に配設された
空間部１５と、これより上流側の導水路１４ｂから空間
部１５へ洗浄水が流入する流入口にある流入側弁座１７
ｂと、空間部１５から導水路１４ａへ洗浄水が流入する
流出口にある流出側弁座１６ａと、流入側弁座１７ｂ及
び流出側弁座１６ａの何れか一方と当接する弁体１８
と、これを流入側弁座１７ｂへ付勢する付勢手段とを備
えることを特徴とする人体局部洗浄装置の洗浄水噴射機
構を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はトイレ等に設置され
た人体局部洗浄装置において、洗浄水をノズル装置から
間歇的に噴射させる洗浄水噴射機構に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】近年、人体局部洗浄装置は生活の中の健
康志向、清潔志向等の高まりとともにますます重要な生
活機器と成ってきている。このような中で基本機能であ
る洗浄は殊に重要であるため、種々の工夫がなされて来
ており、本発明で取り上げた間歇洗浄もそのひとつであ
る。

【０００３】間歇洗浄は、所定の時間間隔で断続的に洗
浄水の強さ或いは噴出高さを変化させて局部に心地よい
刺激を与えること等により、排便を促したり局部の血行
を促進させること等も洗浄の目的に含めたものである。

【０００４】従来からあるこの種の装置として実開平０
３−７２９７７に記載されたものがあった。この装置で
は、人体局部への噴出ノズルへの水路中に間歇供給装置
として、流路を間歇的に開閉する為にモーターで駆動さ
れるロータリ型の水路切替バルブを構成しているものが
あった。これによれば噴出ノズルへ供給された水は、水
路中に設けられたロータリ型の水路切替バルブが回転す
ることによって、入口と出口とが断続的に連通され、噴
出ノズルへの水の供給が間歇動作となるために、噴出ノ
ズルの噴出孔からの噴出水が間歇的に行なわれるもので
あった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来装
置においては、ロータリ型の水路切替バルブや駆動用モ
ーター等の他に作動を制御する制御装置等も必要となる
ことから、装置全体が大掛かりであって、部品コストも
高くなってしまい、構成部品の収納スペースも別途必要
になるという問題があった。また、上記の従来装置にお
いては、間歇供給装置であるロータリ型の水路切替バル
ブからノズル装置の噴出孔までの距離が大きい為に、間
歇的に給水された洗浄水が途中の水路で管路抵抗等によ
り混ざり合い易いこと、また、間歇通水を行なう装置に
あっては、水路中の対向する出入り口の中央部分を切抜
いた形で回転させる構造であるので、通水を所望しない
場合でも間歇装置の入口から出口へのリークが少なから
ず発生すること等から、充分な間歇効果が得られにくい
という問題があった。

【０００６】本発明の課題は、上記の問題を解決し簡素
な構造で低コストであってコンパクトな人体局部洗浄装
置における充分な間歇効果を有する洗浄水機構を提供す
ることである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記した技術的課題を解
決するために講じた第１の技術的手段は請求項１に示す
ように、人体局部に洗浄水を噴出するための噴出孔と、
前記噴出孔に前記洗浄水を導く導水路を有する人体局部
洗浄装置の洗浄水噴射機構において、前記噴出孔に連通
する前記洗浄水の前記導水路の途中に配設された空間
と、前記空間より上流側の前記導水路から前記空間へ前
記洗浄水が流入する流入口にある流入側弁座と、前記空
間から前記噴出孔側の前記導水路へ前記洗浄水が流入す
る流出口にある流出側弁座と、前記流入側弁座及び前記
流出側弁座の何れか一方の弁座と当接する弁体と、前記
弁体を前記流入側弁座へ付勢する付勢手段とを備えるこ
とを特徴とする人体局部洗浄装置の洗浄水噴射機構を構
成したことである。

【０００８】上記の構成によれば、ノズル本体に供給さ
れた洗浄水は導水路を通って空間の流入側弁座部に水密
に当接する弁体に到達し、付勢手段に抗して弁体を流出
口に移動させ、弁体を空間の流出側弁座と水密に当接さ
せる。このとき洗浄水は空間内部まで流れ込むが、流出
側弁座が弁体と水密に封止されるので流れが停止し噴出
孔からの噴出は発生しない。次に流れの停止により、空
間の流出口と流入口との間の圧力差が減じ、弁体は付勢
手段によって流入口に押し戻され、流出口を開放するの
で空間内部に閉じ込められた所定水量の洗浄水はノズル
本体の先端の噴出孔から噴出する。このとき空間内部に
流れが生じて、流出口付近の圧力が低下すると共に流入
側弁座と水密に当接している弁体には導水路から洗浄水
が継続して供給されているので、その圧力によって再び
弁体を流出口の方向へ押されて、空間部の流入口から洗
浄水が流入することになる。このようにして供給される
洗浄水は所定の時間間隔をもって間歇的に噴出ノズルの
噴出孔から繰返し噴出することができる。従って、従来
のこの種の装置と異なり大掛かりな部品は不要で、低コ
ストでコンパクトな構成で洗浄水の間歇噴出を可能にす
ることができる。

【０００９】また、ノズル装置のほぼ先端部で噴出孔の
直前に歇噴射機構を設置することができるので、従来の
装置のように途中で間歇効果が薄まる恐れもなく、充分
な間歇効果を有した噴射を行なうことができる。

【００１０】上記した技術的課題を解決するために講じ
た第２の技術的手段は請求項２に示すように、前記弁体
の前記流入側弁座と前記流出側弁座に当接する両端部、
前記流入側弁座、及び前記流出側弁座は互いに同軸上に
対向するよう配置され、前記流入側弁座は軸方向の断面
は前記上流側の導水路へ向かって先細りのテーパ形状を
なし、軸に対し垂直方向の断面は円形をなし、前記流出
側弁座は軸方向の断面は前記噴出孔側の導水路へ向かっ
て先細りのテーパ形状をなし、軸に対し垂直方向の断面
は円形をなし、前記弁体の両端部は略球面形状であるこ
とを特徴とする請求項１に記載の人体局部洗浄装置の洗
浄水噴射機構としたことである。

【００１１】上記の構成によれば、空間部の流入側およ
び流出側の双方の弁座と弁体との当接において、軸方向
に移動する弁体は当接部が球面形状であり、移動後に弁
体が当接する弁座は双方共にテーパー形状を成している
ので、付勢手段や洗浄水の圧力によって弁体が各々の弁
座に当接した場合に、自動的に弁体のセンター出しが行
なわれる。従って、当接部分からのリークのない確実な
水密封止ができるので、従来のこの種の装置に比べてよ
り充分な間歇効果を得ることができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明での人体局部洗浄装
置の間歇噴射装置に係わる洗浄水噴射機構の具体例を添
付図面に基づいて説明する。

【００１３】本実施形態における人体局部洗浄装置全体
の水回路は図１に示すようにノズル装置１から上流側に
順を追って流量調整弁４、温水タンク５、止水弁６が接
続され、最後に水道圧７が供給されるようになってい
る。

【００１４】また、ノズル装置１はその他の装置（図示
せず）と共に便座（図示せず）の後方部の所定の位置に
取り付けられている。

【００１５】本実施形態の人体局部洗浄装置の洗浄水噴
射機構は、図２から図４に示されるように下記のような
構成となっている。

【００１６】ノズル装置１を構成するノズル本体１１ｂ
は中央部に導水路１４ｂと下流側の空間部１５への流出
口１７および流入側弁座１７ｂを有し、更に先端外周に
複数の孔２３ｂが配設され、ノズル先端部材１１ａの外
周に設けられた突起２３ａと嵌合固定されており、Ｏリ
ング２２により空間部１５は水密に封止されて構成され
ている。またこの他の実施形態としてノズル先端部材１
１ａがノズル本体１１ｂに対して着脱可能に構成されて
いても良い。

【００１７】ノズル先端部材１１ａの先端の外周壁面に
は所定数の噴出孔１３が配設され、その上流側の空間部
１５の中央部には流出側弁座１６ａと流出口１６があ
り、導水路１４ａにて連通されている。

【００１８】空間部１５の中央部には、弁体１８が配さ
れており、軸方向に所定距離だけ移動可能に構成され、
更にコイルバネ１９により常に上流側に付勢されると共
に弁体１８の流入側当接面１８ｂと流出側当接面１８ａ
は共に球面形状を成しており、対向する流入側弁座１７
ｂおよび流出側弁座１６ａの各々の円錐形状部位と選択
的に当接できるようになっている。

【００１９】更に、弁体１８の流入側当接面１８ｂは弁
体の軸径より大径で上記コイルバネ１９の一端を保持す
るようになっており、図３に示すように流入側当接面１
８ｂは流入側弁座１７ｂに当接して直径Ｄの受圧面を構
成している。このことは流出側当接面１８ａにおいても
流出側弁座１６ａと同様の構成である。

【００２０】更に弁体１８は上記の流入側弁座１７ｂお
よび流出側弁座１６ａの各々の円錐形状部位と確実に当
されるように、円筒部２０ａおよび羽根２０ｂを持った
ガイド部材２０で径方向の動きが抑制されるように案内
されている。

【００２１】以上の構成に基づいた作用を下記に述べ
る。

【００２２】図１において、操作スイッチ（図示せず）
で止水弁６を開くことにより、水道圧７は温水タンク５
に供給され、温水タンク５内に貯湯されていた温水はそ
の供給圧力によりノズル装置１へ圧送され、先端部から
人体局部へ噴出される。

【００２３】図５はノズル装置１の洗浄水噴射機構の作
動開始直前の状態を示しており、止水弁６の開放により
導水路１４ｂを通して洗浄水３１が流入口１７に到達
し、流入側弁座１７ｂに当接した流入側当接面１８ｂの
投影面積を所定の圧力で加圧する。

【００２４】次に、図６は図５の状態次の過程を示すも
ので、コイルバネ１９は洗浄水３１が流入側当接面１８
ｂの投影面積を押す力よりも弱く設定されているので、
弁体１８は流出側方向へ押され流出側当接面１８ａが流
出側弁座１６ａに当接するまで移動する。このとき流入
側弁座１７ｂは所定のスキマが生じるので洗浄水３１は
空間部１５内へ流入するが、流出側当接面１８ａが流れ
の圧力差によって流出側弁座１６ａに押し付けられて水
密に閉じているので洗浄水３１は空間部１５の中に閉じ
込められ、噴出孔から出ることはない。

【００２５】更に、図７は図６の状態の次の過程を表す
もので、洗浄水３１が空間部１５内で閉じ込められて流
れがなくなることによって空間部１５内の圧力差がなく
なるので、コイルバネ１９によって弁体１８は流入口１
７の方向に押し戻され始める。このとき流出側弁座１６
ａから流出側当接部１８ａが離れるので、空間部１５内
に閉じ込められていた洗浄水３１は、ノズル先端部材１
１ａの導水路１４ａに流入し始める。

【００２６】次に、図８は図７の状態の次の過程を表す
もので、コイルバネ１９によって弁体１８は押され、流
入側弁座１７ｂに流入側当接部１８ｂが当接するまで押
し戻される。このとき洗浄水３１で充満された空間部１
５はノズル本体１１ａの導水路との連通が絶たれ、ノズ
ル先端部材１１ｂの噴出孔１３を通じてのみ大気開放と
なる。こうして空間部１５に閉じ込められていた洗浄水
３１は噴出孔１３から噴出されるが、流入側弁座１７ｂ
が閉じられているので、洗浄水３１の噴出は所定の短時
間後に終了することになる。

【００２７】以上のようにして再び図５に示す状態とな
り、以下これらを繰り返すことによって、洗浄水３１が
供給されている間は所定の時間間隔での確実な間歇噴射
洗浄を行なうことができる。

【００２８】

【発明の効果】本発明によれば、大掛かりな部品は不要
であるため、低コストでコンパクトな且つ充分な間歇効
果を有する間歇噴射機構を構成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態の人体局部洗浄装置の全体を
示す水回路図である。

【図２】本発明の実施形態での人体局部洗浄装置の洗浄
水噴射機構におけるノズル本体の先端部の内部構造を示
す軸方向断面図である。

【図３】本発明の実施形態での洗浄水噴射機構における
ノズル本体の先端部の内部構造を示す図２のＡ−Ａ断面
図であり、弁体の流入側への当接状態を示す。

【図４】本発明の実施形態での洗浄水噴射機構における
ノズル本体の先端部の内部構造を示す図２のＢ−Ｂ断面
図であり、弁体の軸方向以外の動きを規制するガイド部
の垂直断面図である。

【図５】本発明の実施形態での洗浄水噴射機構における
間歇噴出の動作過程を説明する動作説明図である。

【図６】本発明の実施形態での洗浄水噴射機構における
間歇噴出の動作過程を説明する動作説明図である。

【図７】本発明の実施形態での洗浄水噴射機構における
間歇噴出の動作過程を説明する動作説明図である。

【図８】本発明の実施形態での洗浄水噴射機構における
間歇噴出の動作過程を説明する動作説明図である。

【符号の説明】

１ ノズル装置（洗浄水噴射機構） １３ 噴出孔 １４ａ、１４ｂ 導水路 １５ 空間部 １６ａ 流出側弁座 １７ｂ 流入側弁座 １８ 弁体 １８ａ、１８ｂ 両端の当接面（両端部） １９ コイルバネ（付勢手段）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 人体局部に洗浄水を噴出するための噴出
   孔と、前記噴出孔に前記洗浄水を導く導水路を有する人
   体局部洗浄装置の洗浄水噴射機構において、 前記噴出孔に連通する前記洗浄水の前記導水路の途中に
   配設された空間部と、 前記空間より上流側の前記導水路から前記空間部へ前記
   洗浄水が流入する流入口にある流入側弁座と、前記空間
   部から前記噴出孔側の前記導水路へ前記洗浄水が流入す
   る流出口にある流出側弁座と、 前記流入側弁座及び前記流出側弁座の何れか一方の弁座
   と当接する弁体と、 前記弁体を前記流入側弁座へ付勢する付勢手段とを備え
   ることを特徴とする人体局部洗浄装置の洗浄水噴射機
   構。
2. 【請求項２】 前記弁体の前記流入側弁座と前記流出側
   弁座に当接する両端部、前記流入側弁座、及び前記流出
   側弁座は互いに同軸上に対向するよう配置され、前記流
   入側弁座は軸方向の断面は前記上流側の導水路へ向かっ
   て先細りのテーパ形状をなし、軸に対し垂直方向の断面
   は円形をなし、前記流出側弁座は軸方向の断面は前記噴
   出孔側の導水路へ向かって先細りのテーパ形状をなし、
   軸に対し垂直方向の断面は円形をなし、前記弁体の両端
   部は略球面形状であることを特徴とする請求項１に記載
   の人体局部洗浄装置の洗浄水噴射機構。