JP2003277634A - 生分解性樹脂フィルム - Google Patents
生分解性樹脂フィルムInfo
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Abstract
状複水酸化物粒子粉末を含有させることによって、耐候
性、易燃焼性およびガスバリヤ性に優れた生分解性樹脂
フィルムに関するものであり、当該生分解性樹脂フィル
ムは各種包装用フィルム、農業用フィルム等に用いるこ
とができる。 【解決手段】 ポリ乳酸などの生分解性樹脂に、平均板
面径が0.05〜5.0μmであって鉄とマグネシウム
及び/又はカルシウムとを含有する層状複水酸化物粒子
粉末を含有させた生分解性樹脂フィルムからなる。
Description
およびガスバリヤ性に優れた生分解性樹脂フィルムに関
するものである。
分解性樹脂が注目を集めている。従来から使用されてい
るポリオレフィンやポリ塩化ビニル等のプラスチック
は、安定性及び耐久性に優れており、包装材、農業用資
材、建築用資材、自動車等の様々な分野に使用され、大
量消費されている。それらの使用後の廃棄処分法として
は、焼却処分や埋め立て処分などが挙げられる。前記プ
ラスチックは難分解性樹脂であり、焼却処分の場合に
は、高発熱量による焼却炉の損傷や有害性排気ガスの発
生が問題となり、一方、埋め立て処分の場合には、環境
中に半永久的に残留することによる環境汚染が問題とな
っている。そこで、生分解性樹脂の活用が必要になって
きている。
性樹脂と同程度の機能を保ちながら、使用後は自然界に
存在する微生物の働きによって低分子化合物に分解さ
れ、最終的に炭酸ガスや水などの無機物に分解される高
分子素材」と定義される。現在、生分解性樹脂は世界各
国で様々なタイプのものが生産されているが、大別すれ
ば、化学合成系、微生物生産系、天然物利用系に分類さ
れる。
ポリエチレン、ポリスチレンやポリ塩化ビニルなどに比
べて燃焼カロリーが低く焼却炉の劣化防止に有利であ
り、また、有毒な排気ガスが発生しないので環境負荷が
少ない。
て、低温燃焼性、燃焼速度が速いなどの特性が付与され
れば、焼却可能な包装材としてさらに好適となる。した
がって、このような特徴を持つ易燃焼性の生分解性樹脂
フィルムが望まれている。
樹脂フィルムが使用され始めている(特開平9−235
360号公報、特開平11−166094号公報、特開
2000−295929号公報、特開2000−355
632号公報、特開2002−47402号公報等)。
生分解性樹脂フィルムからなる農業用マルチフィルム
は、必要な期間使用した後、フィルムを回収することな
く、鋤き込みによって土壌中に放出し、微生物による分
解作用などによって生分解して環境に戻すことが可能と
なる。
接日光に曝されているので、直射日光下においても長期
間特性を維持できる耐候性が求められる。農業用マルチ
フィルムに限らず、耐候性が要求される用途に使用する
場合には、生分解性樹脂を含む樹脂組成物中に紫外線吸
収剤が配合される。
ノン系、サルシレート系、ベンゾトリアゾール系、シア
ノアクリレート系等の有機系紫外線吸収剤が使用される
(特開平9−233956号公報)。
っては、紫外線の吸収域が狭い、高温成形加工時の揮発
性・相溶性に難点がある、吸収剤自体が着色しているの
で使用が限定される等の欠点を有しており、また、価格
が高いものである。
ような欠点が少なく、効率的に紫外線吸収能を付与する
ことができ、環境に放出しても無害である添加剤を含有
することによって耐候性に優れた生分解性樹脂フィルム
が望まれている。
容物を保護するために各種ガスを透過しない性質、所
謂、ガスバリヤ性が要求されている。ガスバリヤ性は、
殊に、食品の保存性を左右する重要な性質であり、流通
形態、包装技術の多様化、添加物規制、嗜好の変化など
により、その必要性はますます大きくなっている。多く
の生分解性樹脂は、ガスバリヤ性に乏しく、例えば酸素
遮断性が不十分であって、酸化劣化や好気性微生物によ
る内容物の変質を招きやすい。
して、扁平形状の無機層状化合物と生分解性樹脂とを含
む層を有する生分解性樹脂フィルム(特開平7−247
374)が開示されている。また、生分解性樹脂フィル
ムに無機化合物層を形成させ積層フィルムとすることに
よりガスバリヤ性を発現させる方法(特開平8−851
94号公報、特開平8−267640号公報、特開平1
0−24518号公報、特開2002−36422号公
報等。)が開示されている。
より環境に放出されても土壌中で炭酸ガスや水などの無
機物に完全分解することにより、環境負荷を与えないこ
とが最大の特徴である。したがって、耐候性、易燃焼性
及びガスバリヤ性等の各種機能を付与する目的で、生分
解性樹脂フィルムに添加剤を含有させる場合には、当該
添加剤は無害な元素または化合物で構成されていること
が必須条件となる。
ガスバリヤ性に優れた生分解性樹脂フィルムは、現在、
最も要求されているところであるが、この要求を満たす
ような生分解性樹脂フィルムは未だに提供されていな
い。
ルムは、十分な紫外線吸収能を有し、易燃焼性に優れ、
且つ、ガスバリヤ性にも優れた生分解性樹脂フィルムと
は言えない。
ガスバリヤ性に優れた生分解性樹脂フィルムを得ること
を技術的課題とする。
りの本発明によって達成できる。
面径が0.05〜5.0μmであり、鉄とマグネシウム
及び/又はカルシウムとを含有する層状複水酸化物粒子
粉末とを含有する生分解性樹脂フィルムである。
部に対して、前記の層状複水酸化物粒子粉末を0.2〜
100重量部含有させた生分解性樹脂フィルムである。
通りである。
粉末について述べる。
粒子形状は板状である。
平均板面径が0.05〜5.0μmである。平均板面径
が0.05μm未満の場合には、樹脂中の分散性が不十
分である。5.0μmを超える場合には、工業的に生産
することが困難となる。好ましくは0.07〜5.0μ
mである。
厚みは0.005〜0.090μmが好ましく、より好
ましくは0.005〜0.085μmである。
板状比(平均板面径/厚み)は3〜100が好ましい。
板状比が3未満の場合には、配向性が不十分のため好ま
しくない。100を超える場合は、工業的に生産するこ
とが困難となる。好ましくは4〜100である。
BET比表面積値は5〜150m2/gが好ましく、よ
り好ましくは5〜140m2/gである。
組成は下記の通りである。
・(OH)2・An− p・mH2OAn−:C
O3 2−,NO3 −,OH−,脂肪族カルボン酸イオ
ン、芳香族カルボン酸イオンなどの無害な有機アニオン a+b+c+d+e=1 a≧0.05,b+c≧0.05 d≧0,e≧0 m≧0
鉄の含有量は、層状複水酸化物粒子粉末を構成する全金
属イオンおいてモル比で0.05以上が好ましく、鉄含
有量が少ない場合には、樹脂フィルムの易燃焼性が低下
するため好ましくない。Fe含有量は0.05〜0.9
5が好ましい。
マグネシウム含有量は、層状複水酸化物粒子粉末を構成
する全金属イオンおいてモル比で0.05以上が好まし
く、カルシウム含有量は層状複水酸化物粒子粉末を構成
する全金属イオンおいてモル比で0.05以上が好まし
い。マグネシウムとカルシウムを併用する場合には、マ
グネシウムとカルシウムの全含有量が0.05以上が好
ましい。マグネシウム含有量及びカルシウム含有量が前
記範囲より少ない場合には、生成する層状複水酸化物粒
子粉末の板状比が著しく低下し、ガスバリヤ性が低下す
るので好ましくない。マグネシウム含有量は0.05〜
0.95がより好ましく、カルシウム含有量は0.05
〜0.95がより好ましい。なお、マグネシウムとカル
シウムとを併用する場合には、マグネシウムとカルシウ
ムとの比が1:100〜100:1が好ましい。
マグネシウム及びカルシウムと鉄との比((Mg+C
a)/Fe)は0.05〜20が好ましい。
カルシウムに対して更に、チタン、アルミニウムを含有
させても良い。チタン又はアルミニウムの含有量は、層
状複水酸化物粒子粉末を構成する全金属イオンにおいて
モル比で0.95以下が好ましい。
粉末の製造法について述べる。
は、第一鉄塩水溶液、各種金属塩水溶液、水酸化アルカ
リ水溶液及びアニオンを含む水溶液の中和反応沈殿物
(第一鉄及び各種金属含有沈殿物)を含む水懸濁液を、
5〜105℃の温度範囲、pH7.0〜13.5の範囲
に維持しながら、空気等の酸素含有ガスを通気する、ま
たは過酸化水素水等の酸化剤を添加することによって前
記中和反応沈殿物を酸化し、生成させることができる。
硫酸第一鉄水溶液、塩化第一鉄水溶液を使用することが
でき、好ましくは硫酸第一鉄水溶液である。
は、マグネシウム塩水溶液及び/又はカルシウム塩水溶
液であり、必要により、更に、アルミニウム塩水溶液又
はチタン塩水溶液を用いてもよい。
ネシウム水溶液、硝酸マグネシウム水溶液および塩化マ
グネシウム水溶液などを使用することができ、好ましく
は硫酸マグネシウム水溶液、硝酸マグネシウム水溶液で
ある。
ウム水溶液、塩化カルシウム水溶液などを使用すること
ができ、好ましくは硝酸カルシウム水溶液である。
ミニウム水溶液、硝酸アルミニウム水溶液および塩化ア
ルミニウム水溶液などを使用することができ、好ましく
は硫酸アルミニウム水溶液、硝酸アルミニウム水溶液で
ある。
水溶液、硫酸チタン水溶液、塩化チタン水溶液などを使
用することができ、好ましくは酸化硫酸チタン水溶液、
硫酸チタン水溶液である。
属塩水溶液の反応溶液中の濃度は、金属イオン濃度の総
和として、0.05〜1.50mol/l、好ましくは
0.10〜1.40mol/lである。
リウム、炭酸水素ナトリウムが好ましく、より好ましく
は炭酸ナトリウム水溶液である。
トリウム水溶液が好ましい。
殿物を含む水懸濁液は、前記第一鉄塩水溶液、各種金属
塩水溶液、水酸化アルカリ水溶液及びアニオンを含む水
溶液を混合させて得ることができる。その混合方法は、
水酸化アルカリ水溶液とアニオンを含む水溶液との混合
溶液に、第一鉄塩水溶液及び各種金属塩水溶液を添加し
て混合する方法、第一鉄塩水溶液と各種金属塩水溶液と
の混合溶液に、水酸化アルカリ水溶液とアニオンを含む
水溶液との混合溶液を添加して混合する方法、水酸化ア
ルカリ水溶液とアニオンを含む水溶液との混合溶液と第
一鉄塩水溶液と各種金属塩水溶液とを同時に添加して混
合する方法等があり、いずれの混合方法でもよい。好ま
しくは、水酸化アルカリ水溶液とアニオンを含む水溶液
との混合溶液に、第一鉄塩水溶液と各種金属塩水溶液と
を添加して混合する方法である。
とを添加する場合には、あらかじめ第一鉄塩水溶液と各
種金属塩水溶液とを混合した混合溶液の状態で添加して
もよい。
溶液との混合溶液に、第一鉄塩水溶液と各種金属塩水溶
液とを添加して混合する場合には、第一鉄塩水溶液と各
種金属塩水溶液とを一度に添加する場合、2回以上に分
割して添加する場合または連続的に滴下する場合のいず
れで行ってもよい。
殿物(中和反応物)の酸化は、第一鉄塩水溶液及び各種
金属塩水溶液の混合溶液と、水酸化アルカリ水溶液およ
びアニオンを含む水溶液との混合時から行う場合、第一
鉄塩水溶液および各種金属塩水溶液の混合溶液と、水酸
化アルカリ水溶液およびアニオンを含む水溶液との混合
後から行う場合のいずれで行ってもよい。
殿物を含む水懸濁液の酸化反応中の温度は5〜105℃
が好ましく、5℃未満の場合にも層状複水酸化物粒子は
生成するが、非常に微細で結晶性が低下した粒子となり
好ましくない。105℃を超える場合には、密閉した耐
圧容器中で酸化反応を行う必要があり、経済的な製造法
とは言えない。より好ましくは10〜105℃である。
沈殿物を含む水懸濁液の酸化反応中のpHは7.0〜1
4.0が好ましく、pH7.0未満の場合は、添加した
各種金属の全てが沈殿しない場合があり、経済的でな
い。より好ましくは7.2〜14.0である。
液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム
水溶液、アンモニア水等が使用できる。好ましくは、水
酸化ナトリウム水溶液である。
ば、層状複水酸化物粒子粉末が得られる。
粉末は、第二鉄塩水溶液、各種金属塩水溶液、水酸化ア
ルカリ水溶液及びアニオンを含む水溶液の中和反応沈殿
物(第二鉄及び各種金属含有沈殿物)を含む水懸濁液
を、5〜300℃の温度範囲、pH7.0〜14.0の
範囲で熟成することによって生成させることもできる。
硫酸第二鉄水溶液、硝酸第二鉄水溶液、塩化第二鉄水溶
液を使用することができ、好ましくは硫酸第二鉄水溶
液、硝酸第二鉄水溶液である。
製造法において、各種金属塩水溶液の種類、反応溶液中
の金属イオン濃度の総和、アニオンを含む水溶液の種
類、水酸化アルカリの種類、pH調整に用いる水酸化ア
ルカリ水溶液の種類、ならびに第二鉄塩水溶液、各種金
属塩水溶液、水酸化アルカリ水溶液及びアニオンを含む
水溶液の混合方法は、前述した鉄原料として第一鉄塩水
溶液を用いた場合の製造法と同様の種類ならびに混合方
法が用いられる。
殿物を含む水懸濁液の熟成反応中の温度は5〜300℃
が好ましく、5℃未満の場合にも層状複水酸化物粒子は
生成するが、非常に微細で結晶性が低下した粒子となり
好ましくない。300℃を超える場合には、特殊な耐圧
容器が必要となり経済的ではない。より好ましくは10
〜300℃である。
殿物を含む水懸濁液の酸化反応中のpHは7.0〜1
4.0が好ましく、pH7.0未満の場合は、添加した
各種金属の全てが沈殿しない場合があり、経済的でな
い。より好ましくは7.2〜14.0である。
殿物を含む水懸濁液の熟成時間は0.5〜24時間が好
ましい。熟成時間が0.5時間未満の場合には、非常に
微細で結晶性が低下した粒子が生成することがあり好ま
しくない。また、24時間を越える熟成は経済的ではな
い。
ば、層状複水酸化物粒子粉末が得られる。
0〜800℃で、空気中又はN2、He等の不活性ガス
雰囲気中で1〜24時間加熱処理をしても良い。
子粉末を、無機ケイ素化合物、無機アルミニウム化合
物、無機チタン化合物、高級脂肪酸、有機ケイ素化合
物、有機アルミニウム化合物、有機チタン化合物、ロジ
ン類から選ばれる1種又は2種以上の表面被覆剤で表面
被覆しても良い。
について述べる。
を構成する生分解性樹脂は、化学合成系、微生物生産
系、天然物利用系のいずれの種類でも使用することがで
きる。化学合成系としては、ポリ乳酸、ポリグリコール
酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、
ポリブチレンサクシネート・アジペート共重合体、ポリ
ブチレンサクシネート・カーボネート共重合体、ポリエ
チレンサクシネート、ポリブチレンアジペート・テレフ
タレート共重合体、ポリエチレンテレフタレート・アジ
ペート共重合体、ポリビニルアルコール、ポリウレタ
ン、ポリエステルアミド、ポリアスパラギン酸などが挙
げられる。微生物生産系としては、ポリヒドロキシブチ
レート、ポリヒドロキシブチレート・バリレート共重合
体、ポリヒドロキシ吉草酸などが挙げられる。天然物利
用系としては、修飾デンプン、キチン、キトサン、酢酸
セルロース、アセチルセルロースなどが挙げられる。必
要により、前記生分解性樹脂の2種以上を混合して用い
てもよい。
される層状複水酸化物粒子粉末の配合量は、生分解性樹
脂100重量部に対して、0.2〜100重量部が好ま
しい。層状複水酸化物粒子粉末の配合量が0.2重量部
未満の場合には本発明の目的を十分に達成できない。1
00重量部を超える場合には、フィルム強度が低下する
場合があり好ましくない。また、効果が飽和する傾向が
あるので、必要以上に多量に配合することは経済的では
ない。より好ましくは0.5〜95重量部である。
性は、波長340nmの紫外線の線吸収係数で評価した
場合、0.060以上が好ましく、より好ましくは0.
065以上である。紫外線の線吸収係数は後述する方法
によって測定した。
焼性は、空気中における燃焼速度および低温燃焼性で評
価した場合、燃焼速度は2.25分以下が好ましく、よ
り好ましくは2.00分以下であり、低温燃焼性は50
0℃以下が好ましく、より好ましくは480℃以下であ
る。空気中における燃焼速度および低温燃焼性は後述す
る方法によって測定した。燃焼速度の下限値は1.00
分程度であり、低温燃焼性の下限値は350℃程度であ
る。
バリヤ性は、酸素透過度で評価した場合、10cc/m
2/day/atm以下が好ましく、より好ましくは8
cc/m2/day/atm以下である。酸素透過度は
後述する方法によって測定した。その下限値は0.1c
c/m2/day/atm程度である。
の製造法について述べる。
に、前述した生分解性樹脂と層状複水酸化物粒子粉末と
を混合して通常の押出機等に供給し、溶融混練した後、
インフレーション法、Tダイ法等の方法でフィルム状に
製膜して製造することができる。
層状複水酸化物粒子粉末以外に、必要に応じて従来周知
の可塑剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤等の各種
添加剤を適宜配合することもできる。
の通りである。
子顕微鏡写真から測定した数値の平均値で示したもので
ある。
回折装置RAD−2A(理学電機(株)製)」(管球:
Fe、管電圧:40kV、管電流:20mA、ゴニオメ
ーター:広角ゴニオメーター、サンプリング幅:0.0
10°、走査速度:0.500°/min、発散スリッ
ト:1°、散乱スリット:1°、受光スリット:0.3
0mm)を使用し、層状複水酸化物粒子の(00l)結
晶面の回折ピーク曲線から、シェラーの式を用いて計算
した値で示したものである。
り行い、前記X線回折装置を使用し、回折角2θが5〜
90°で測定した。
た値で示した。
・Cac・Ald・Tie・(OH)2・An− p・m
H2OAn−:CO3 2−,NO3 −,OH−,脂肪族
カルボン酸イオン、芳香族カルボン酸イオンなどの無害
な有機アニオン a+b+c+d+e=1 と表記した場合のa、b、c、d、eは、該粉末を酸で
溶解し、「プラズマ発光分光分析装置 SPS4000
(セイコー電子工業(株))」で測定して求めた。
方法で紫外線吸収能を測定することにより評価した。
複水酸化物粒子粉末を所定重量部混合し通常の押出機に
供給し、溶融混練した後、インフレーション押出成形法
により、厚さ20μmのフィルムを作製した。得られた
フィルムについて「自記光電分光光度計UV−210
0」(株式会社島津製作所製)を用いて光透過率を測定
した。波長340nmの紫外線の線吸収係数は、上記光
透過率の値を下記式に挿入して算出した。
である。
の方法で燃焼速度および低温燃焼性を測定することによ
り評価した。
取り、300ml/minの空気中において昇温速度1
0℃/minで昇温させたときの重量変化を熱重量分析
装置(TG/DTA6300、セイコー電子工業(株)
製)で測定した。
量減少が開始した時間から急激な重量減少が終了した時
間までに要した時間(この間で燃焼が起こっていると推
定される。)で示した。
まうのに必要な温度と考えられる。)は、上記測定にお
いて、重量減少がこれ以上起こらなくなった時の温度で
示した。
下記の方法で酸素透過度を測定することにより評価し
た。
IS K 7126にもとづき、酸素透過度測定装置
(OX−TRAN ML,MOCON社製)を用い、2
3℃、50RH雰囲気下で酸素透過度を測定した。
5l/minを吹き込み、系内を攪拌しながら55℃に
保持したCO3 2−イオン濃度が0.42mol/lの
炭酸ナトリウム水溶液2.0l(pH値=11.6)
に、0.60mol/lの硫酸マグネシウム水溶液1.
0lと1.20mol/lの硫酸第一鉄水溶液1.0l
との混合溶液水2.0lを、温度55℃、pH10.0
に保持しながら、30分かけて滴下する。滴下終了後、
全量を4.5lに調節し、同一温度、pH下で酸化反応
を180分間行い、濾過、水洗の後、60℃で乾燥する
ことにより、層状複水酸化物粒子粉末を得た。
面径は0.40μm、厚みは0.0222μm、比表面
積は48.9m2/gであった。金属イオンのモル比
は、Fe:Mg=0.665:0.335であった。
複水酸化物粒子粉末2.8重量部、ポリ乳酸系生分解性
樹脂(商品名:レイシアH−100J、三井化学株式会
社製)100重量部とを混合して通常の押出機に供給
し、溶融混練した後、インフレーション法で厚さ20μ
mのフィルム状に製膜し、生分解性樹脂フィルムを製造
した。
吸収係数は0.162、燃焼速度が1.28分、低温燃
焼性が420℃、酸素透過度が1.4cc/m2/da
y/atmであった。
状複水酸化物粒子粉末が紫外線吸収能を有し、該層状複
水酸化物粒子粉末を含有する生分解性樹脂フィルムが耐
候性に優れるということである。
紫外線の吸収体あるいは散乱体となることによって、紫
外線を遮蔽する機能を発揮することが知られている。本
発明における層状複水酸化物粒子は鉄(ならびにチタ
ン)を含有しており、該鉄(ならびにチタン)が紫外線
の吸収体あるいは散乱体として作用し紫外線を遮蔽する
ことにより紫外線透過率を低下させることができる。前
記機能を有する層状複水酸化物粒子が、本発明に係る生
分解性樹脂フィルム中に均一に分布することにより、紫
外線透過率が低下し、耐候性が向上するものと本発明者
は推定している。
に係る生分解性樹脂フィルムが易燃焼性に優れていると
いうことである。
鉄原子は表面水酸基により安定化されているが、燃焼過
程おける加熱によって表面水酸基間で脱水が起こり、配
位不飽和な鉄イオンおよび酸素イオンが生成する。この
配位不飽和な活性サイトが燃焼過程で生起する酸素吸着
による酸素の活性化、有機物からの脱水素反応等の一連
の過程で触媒活性を示して、燃焼促進作用を発揮するも
のと本発明者は推定している。
に係る生分解性樹脂フィルムがガスバリヤ性に優れてい
るということである。
形状を呈しており、その形状に起因して粒子が配向しや
すい。したがって、フィルムにした場合に被覆性および
遮蔽性に優れており、ガスバリヤ性が発現するものと本
発明者は推定している。
は、可燃ごみと一緒に焼却炉で焼却する際に燃焼促進作
用を発揮するため、焼却炉の破損防止に有効である。ま
た、燃焼促進剤として作用している層状複水酸化物粒子
中に含有される鉄が、焼却炉中に存在する亜鉛、銅、カ
ドミウム等の重金属と反応してフェライト化する。この
ことにより、残灰中の重金属の水中への溶解度を低下さ
せて、従来の不溶化処理が軽減できるという効果も期待
できる。
度、調整pH、反応温度などを種々変化させた以外は、
前記<層状複水酸化物粒子粉末の製造>と同様にして層
状複水酸化物粒子粉末を得た。得られた層状複水酸化物
粒子粉末を用いて、該粒子粉末の添加量、生分解性樹脂
の種類を種々変化させた以外は、前記<生分解性樹脂フ
ィルムの製造>と同様にして生分解性樹脂フィルムを得
た。
表1に示す。
脂のみからなる生分解性樹脂フィルム(比較例1)、生
分解性樹脂に炭酸カルシウムまたはクレーを所定量添加
した生分解性樹脂フィルム(比較例2,3)、生分解性
樹脂にマグネシウムとカルシウムを含有し、鉄を含有し
ない層状複水酸化物粒子粉末を添加した生分解性樹脂フ
ィルム(比較例4)を実施例と同様にして製造した。そ
の諸特性を合わせて表1に示す。
耐候性、易燃焼性及びガスバリヤ性に優れているので、
各種包装用フィルム、農業用マルチフィルムとして好適
である。
に含有される層状複水酸化物粒子は無害な元素または化
合物から構成されているので、生分解性樹脂フィルムを
埋め立て処分した場合も、環境に負荷を与えることがな
い。
Claims (2)
- 【請求項1】 生分解性樹脂と、平均板面径が0.05
〜5.0μmであり、鉄とマグネシウム及び/又はカル
シウムとを含有する層状複水酸化物粒子粉末とを含有す
ることを特徴とする生分解性樹脂フィルム。 - 【請求項2】 生分解性樹脂100重量部に対して、請
求項1記載の層状複水酸化物粒子粉末を0.2〜100
重量部含有することを特徴とする生分解性樹脂フィル
ム。
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