JP2003277397A - 機能性ペプチド繊維、その製造方法およびペプチド鎖の回収方法 - Google Patents

機能性ペプチド繊維、その製造方法およびペプチド鎖の回収方法

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Hisakazu Mihara
久和 三原
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/001Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof by chemical synthesis
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ペプチド繊維に機能性を持たせた構造体を提供
すること、およびその有効な製造方法、さらには機能性
ペプチド繊維からペプチド鎖を回収する方法を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】少なくとも1本のペプチド鎖を含むペプチ
ド構造単位11、12を複数有し、それぞれのペプチド構造
単位に含まれるペプチド鎖と、該ペプチド構造単位に隣
接するペプチド構造単位に含まれるペプチド鎖とはペプ
チド結合されておらず、βシート構造をとることで繊維
状に構造化されてなり、前記複数のペプチド構造単位の
少なくとも1つのペプチド構造単位に含まれるペプチド
鎖に機能性材料213が接続されていることを特徴とする
機能性ペプチド繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所望の機能を有す
る機能性ペプチド繊維とその製造方法、およびペプチド
鎖の回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多数のアミノ酸残基がペプチド結合され
たペプチド鎖が採り得る2次構造として、αへリックス
構造とβシート構造が知られている。各種たんぱく質の
立体構造はこれらαへリックス構造とβシート構造が主
要な構造となっている。たんぱく質を構成する一本のア
ミノ酸配列は、αへリックスとβシートとが複雑に連な
る構造をとり、これらのアミノ酸配列と3次元構造との
関係については多くの研究がなされてきている。
【0003】たんぱく質の立体構造は、大きく分けて、
(1)球状と、(2)繊維状に分類される。酵素や抗体
といったたんぱく質は球状構造をとり、繊維状構造は筋
繊維や絹などにみられる。βシート構造はβストランド
(β鎖)が平行あるいは逆平行に並列したときに、βス
トランド間で水素結合や電気的結合を生じることで得ら
れる安定な構造である。球状たんぱく中にもαへリック
ス構造や局所的なβストランドによりβシート構造が含
まれているが、これとは異なる。絹のようなペプチド繊
維では、少なくとも100以上のペプチドβ-ストラン
ドが規則正しく並列に厳密に組織化されて、安定な繊維
状となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ペプチド繊維は安定で
あるとともに自然界にもたんぱく質の一要素として広く
存在しており、自然分解性を有することなどから、環境
に優れた材料ということができる。従って、繊維状構造
をベースにした機能性ペプチド繊維に何らかの機能を持
たせることができれば、広範囲に応用可能であり、また
再利用にも適した材料として利用することができるはず
である。しかしながら、自然界に存在するペプチド繊維
は、通常一本のペプチド鎖がβストランドの長さ毎に折
り返されることで構成されており、繊維に機能性を取り
込むための有効な方法は知られていない。
【0005】ところで、本発明者らは、特徴的なβシー
ト構造を人工的に製造する方法を見出している(Takaha
shi,Y.,Ueno,A.,Mihara,H., Chem.Eur.J.,4,2475-2484
(1998))。 これは、平行二本鎖α−ヘリックス構造を
構成するアミノ酸配列のペプチド鎖のアミノ末端に疎水
性基であるアダマンタンカルボニル基やオクタノイル基
等を導入し、水溶液中で混合し、均一環境下において自
発的、自己触媒的に、αへリックス構造からβ-シート構造
へと転移させてβ-ペプチド構造を得るものである。即
ち、これにより得られるペプチド繊維は、ペプチド結合
は切断されているが、複数のペプチド鎖が水素結合によ
り並列に組合わせられて安定に構造化されているもので
ある。このペプチド結合が分離した多数のペプチド鎖に
より構成されるβシートを利用して機能性材料を接続す
ることができれば、多様な機能性をもつ機能性ペプチド
繊維を提供することができるだけではなく、多数のペプ
チド鎖を有機溶媒あるいは酸又はアルカリ溶液を用いて
分断することにより、容易に回収・再利用できる、有効
な材料として利用することが期待される。
【0006】従って、本発明は、ペプチド繊維に機能性
を持たせた構造体を提供すること、およびその有効な製
造方法、さらには機能性ペプチド繊維からペプチド鎖を
回収する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】斯かる実情に鑑み、本発
明者は、鋭意研究を行った結果、ペプチド繊維に機能性
を持たせた構造体、およびその有効な製造方法、さらに
は機能性ペプチド繊維からペプチド鎖を回収する方法を
見出し本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、次のものを提供する
ものである。 <1> 少なくとも1本のペプチド鎖を含むペプチド構
造単位を複数有し、それぞれのペプチド構造単位に含ま
れるペプチド鎖と、該ペプチド構造単位に隣接するペプ
チド構造単位に含まれるペプチド鎖とはペプチド結合さ
れておらず、βシート構造をとることで繊維状に構造化
されてなり、前記複数のペプチド構造単位の少なくとも
1つのペプチド構造単位に含まれるペプチド鎖に機能性
材料が接続されていることを特徴とする機能性ペプチド
繊維。 <2> 前記機能性材料が、前記ペプチド鎖のアミノ末
端またはカルボキシル末端に接続されていることを特徴
とする<1>記載の機能性ペプチド繊維。 <3> 前記機能性材料が、前記ペプチド鎖と前記機能
性材料とに特異的に結合する結合性物質を介して前記ペ
プチド鎖に接続されていることを特徴とする<1>記載
の機能性ペプチド繊維。
【0009】<4> 前記結合性物質が、ペプチド鎖の
アミノ末端またはカルボキシル末端に接続されているこ
とを特徴とする<3>記載の機能性ペプチド繊維。 <5> 前記結合性物質が、前記機能性材料に対して生
化学的に特異性をもって結合する材料であることを特徴
とする<3>または<4>記載の機能性ペプチド繊維。 <6> 前記結合性物質が、互いに生化学的に特異性を
もって結合する一対の材料であり、前記一対の材料の一
方が前記ペプチド鎖側に、他方が前記機能性材料側に接
続されていることを特徴とする<3>記載の機能性ペプ
チド繊維。 <7> 前記ペプチド鎖側に接続される一方の材料が、
前記ペプチド鎖のアミノ末端またはカルボキシル末端に
接続されていることを特徴とする<6>記載の機能性ペ
プチド繊維。 <8> 前記一対の材料が、ビオチン基とアビジン基、
抗体と抗原、または酵素と基質、阻害剤もしくは補酵素
であることを特徴とする<6>または<7>記載の機能
性ペプチド繊維。 <9> 前記結合性物質が、一対となる金属と該金属の
配位子であって、前記金属および前記配位子のいずれか
一方が前記ペプチド鎖側に、他方が前記機能性材料側に
接続されていることを特徴とする<3>記載の機能性ペ
プチド繊維。
【0010】<10> 前記機能性材料が、タンパク
質、糖質、脂質、補酵素、蛍光基を含む色素、液晶性分
子および金属配位子から選ばれる1種または2種以上の
材料を含むことを特徴とする<1>〜<9>のいずれか
1項記載の機能性ペプチド繊維。 <11> 前記ペプチド構造単位自体が、βシート構造
化した1本のぺプチド鎖を含むことを特徴とする<1>
〜<10>のいずれか1項記載の機能性ペプチド繊維。 <12> 前記複数のペプチド構造単位のうち、前記機
能性材料が接続されたペプチド構造単位と隣接するペプ
チド構造単位に含まれるペプチド鎖の末端に前記機能性
材料と異なる基が接続されていることを特徴とする<1
>〜<11>のいずれか1項に記載の機能性ペプチド繊
維。
【0011】<13> 前記異なる基が、カルボキシル
基またはアミノ基であることを特徴とする<12>記載
の機能性ペプチド繊維。 <14> 前記異なる基が、前記機能性材料と異なる第
2の機能性材料であることを特徴とする<12>記載の
機能性ペプチド繊維。 <15> 2以上の前記ペプチド構造単位に前記機能性
材料が接続されていることを特徴とする<1>記載の機
能性ペプチド繊維。 <16> 前記機能性材料が接続されている前記2以上
のペプチド構造単位の間に、該ペプチド構造単位のペプ
チド鎖との間でβシート構造を形成し、前記機能性材料
と異なる基が接続されているペプチド鎖を含むペプチド
構造単位を有することを特徴とする<15>記載の機能
性ペプチド繊維。 <17> 前記ペプチド構造単位には、複数本のペプチ
ド鎖の近接する末端間が結合されているペプチド鎖を含
むことを特徴とする<1>〜<16>のいずれか1項に
記載の機能性ペプチド繊維。
【0012】<18> 前記複数本のペプチド鎖末端間
がジスルフィド結合されていることを特徴とする<17
>記載の機能性ペプチド繊維。 <19> 前記βシート構造を構成するβストランド部
分のアミノ酸残基の数が5〜30であることを特徴とす
る<1>〜<18>のいずれか1項記載の機能性ペプチ
ド繊維。 <20> 前記ペプチド構造単位に含まれるペプチド鎖
を構成するアミノ酸残基数が200以下であることを特
徴とする<1>〜<19>のいずれか1項に記載の機能
性ペプチド繊維。
【0013】<21> それぞれ少なくとも1本のペプ
チド鎖を含む複数のペプチド構造単位であって、該複数
のペプチド構造単位の少なくとも1つのペプチド構造単
位に含まれるペプチド鎖には、機能性材料、機能性材料
に結合する結合性物質または該結合性物質を介して前記
機能性材料が接続されてなる前記複数ペプチド構造単位
を水溶液中で混合することで、前記複数のペプチド構造
をβシート構造をとし、繊維状に構造化させることを特
徴とする機能性ペプチド繊維の製造方法。 <22> 2以上の前記複数のペプチド構造単位に含ま
れるペプチド鎖に、前記機能性材料または前記結合性物
質が接続されていることを特徴とする<21>記載の機
能性ペプチド繊維の製造方法。 <23>前記複数のペプチド構造単位が、前記機能性材
料および前記結合性物質とは異なる材料が接続されてな
るペプチド構造単位を含むことを特徴とする<21>あ
るいは<23>記載の機能性ペプチド繊維の製造方法。 <24>前記結合性物質が、前記機能性材料に生化学的
に特異性をもって結合するものである<21>記載の機
能性ペプチド繊維の製造方法。 <25>前記結合性物質は互いが生化学的に特異性をも
って結合する一対の材料の一方であることを特徴とする
<21>、<22>または<23>記載の機能性ペプチ
ド繊維の製造方法。
【0014】<26>前記一対の材料が、ビオチン基と
アビジン基、抗体と抗原、または、酵素と基質、阻害剤
もしくは補酵素であることを特徴とする<25>記載の
機能性ペプチド繊維の製造方法。 <27>前記結合性物質が、一対となる金属と該金属の
配位子であって、前記金属または前記配位子の一方が前
記ペプチド鎖側に、他方が前記機能性材料側に接続され
ているものである<21>記載の機能性ペプチド繊維の
製造方法。 <28>前記機能性材料は、タンパク質、糖質、脂質、
補酵素、蛍光基を含む色素、液晶性分子および金属配位
子から選ばれる1種または2種以上の材料を含むことを
特徴とする<21>〜<27>のいずれか1項記載の機
能性ペプチド繊維の製造方法。 <29>前記機能性材料または前記結合性物質は、前記
ペプチド鎖のアミノ末端またはカルボキシル末端に接続
されることを特徴とする<21>〜28>のいずれか1
項記載の機能性ペプチド繊維の製造方法。 <30>前記水溶液中における、前記機能性材料または
前記結合性物質が接続されたペプチド鎖を含む前記ペプ
チド構造単位と、前記異なる材料が接続されたペプチド
鎖を含む前記ペプチド構造単位とに含まれるβストラン
ドの混合数を異ならせたことを特徴とする<21>記載
の機能性ペプチド繊維の製造方法。
【0015】<31>前記βシート構造が形成された
後、前記結合性物質に対し前記機能性材料を結合させる
ことを特徴とする<21>〜<30>のいずれか一項記
載の機能性ペプチド繊維の製造方法。 <32>前記βシート構造が形成された後、前記βシー
ト構造に接続された前記一方の材料に対し、前記一対の
材料の他方を含む前記機能性材料を生化学的に特異性を
もって結合させることを特徴とする<25>、<26>
または<27>記載の機能性ペプチド繊維の製造方法。 <33>前記複数のペプチド構造単位に含まれるペプチ
ド鎖の末端に疎水性基が接続されてなることを特徴とす
る<21>〜<32>のいずれか1項記載の機能性ペプ
チド繊維の製造方法。 <34>前記複数のペプチド構造単位に含まれるペプチ
ド鎖が、βシート構造化前は、αへリックス構造体であ
ることを特徴とする<21>〜<33>のいずれか1項
記載の機能性ペプチド繊維の製造方法。 <35>前記ペプチド構造単位には、複数本のペプチド
鎖の近接する末端間が結合されている複数本ペプチド鎖
を含むことを特徴とする<21>〜<34>のいずれか
1項に記載の機能性ペプチド繊維の製造方法。
【0016】<36>前記複数のペプチド鎖の末端間が
ジスルフィド結合されていることを特徴とする<35>
記載の機能性ペプチド繊維の製造方法。 <37>前記複数のペプチド構造単位に含まれるペプチ
ド鎖が、他のペプチド構造単位に含まれているペプチド
鎖との間でβシート構造化する前に、既にβシート構造
化していることを特徴とする<21>〜<36>のいず
れか1項に記載の機能性ペプチド繊維の製造方法。 <38>前記βシート構造を構成するβストランド部分
のアミノ酸残基の数が5〜30であることを特徴とする
<21>〜<37>のいずれか1項記載の機能性ペプチ
ド繊維の製造方法。 <39>前記ペプチド構造単位に含まれるペプチド鎖を
構成するアミノ酸残基数が200以下であることを特徴
とする<21>〜<38>のいずれか1項に記載の機能
性ペプチド繊維の製造方法。 <40><1>〜<20>のいずれか一項記載の機能性
ペプチド繊維を、有機溶剤中あるいは酸またはアルカリ
溶液に混合して複数のペプチド鎖に分断したのち、前記
複数のペプチド鎖を前記有機溶媒中から回収することを
特徴とするペプチド鎖の回収方法。
【0017】ここでペプチド構造単位とは、他のペプチ
ド鎖と相俟ってβシート構造を形成するペプチド鎖が含
まれる部分構造を指す。例えば、単独あるいは複数のペ
プチド鎖、既にβシート構造化したペプチド鎖、複数の
ペプチド鎖の末端が結合した複数本ペプチド鎖、及びそ
れらの組み合わせが挙げられる。これらのペプチド鎖が
他のペプチド鎖との間にβシート構造を形成するもので
ある。
【0018】本発明の機能性ペプチド繊維において、所
望の機能を奏する機能性材料は、前記ペプチド鎖と前記
機能性材料とに特異的に結合する結合性物質を介して接
続されてなることが好ましい。このように構成すること
で、ペプチド鎖に接続できる機能性材料の選択肢を拡大
することができるからである。ここで用いる結合性物質
は、ペプチド鎖の末端と機能性材料とを接続する際、互
いが生化学的に特異性をもって結合する材料が好まし
く、機能性材料自体に生化学的に特異性をもって結合す
る材料、あるいは、一対の材料の一方をペプチド鎖側
に、他方を機能性材料側に接続する材料とすることがで
きる。
【0019】機能性材料は、ペプチド鎖末端に生化学的
に特定的に機能性材料を結合する結合性物質を接続する
のが特に好ましい。ペプチド鎖末端は、ペプチド鎖の他
の部分に比べて化学的修飾が容易に行え、ここに生化学
的に特異的な結合性物質を接続することで、この機能性
ペプチド繊維中の機能性材料の接続位置のコントロール
が容易となるからである。なお、繊維状のペプチド構造
体として利用するには、100以上のβストランドから
ペプチド繊維が構成されていることが望ましい。また、
βシート構造を構成するβストランドはアミノ酸残基数
が5〜30であることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の機能性ペプチド繊
維の実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 (第1の実施の形態)本発明の機能性ペプチド繊維の第
1の実施形態を図1に示す。本発明の機能性ペプチド繊
維10は、複数のペプチド鎖(βストランド)から構成
された繊維状の構造体であるが、ここでは3本のペプチ
ド鎖11,12,13を抜き出して図示している。これ
らのβストランドが平行に隣接し、互いに水素結合(破
線で示す)によって、ペプチド鎖の長さ方向と直交する
方向に互いが結合されている。本実施形態においては、
これらの3本のペプチド鎖それぞれが本発明で言うペプ
チド構造単位にあたり、特に機能性材料2が接続された
ペプチド鎖12は第1のペプチド構造単位にあたる。よ
く知られているようにアミノ酸残基の不斉炭素にはアミ
ノ酸に応じた側鎖Rが接続されている。βシート構造は
このペプチド鎖間の水素結合により構造安定性が得られ
ている。一方でこの機能性ペプチド繊維は、メタノール
等の有機溶媒と混合することによって、容易に複数のペ
プチド鎖に分解されるため、再利用性に優れている。
【0021】このペプチド繊維に接続される機能性材料
としては、所望の機能を有するタンパク質、糖質、脂質
あるいは補酵素、さらに蛍光基等を含む色素、電界下あ
るいは加熱冷却により配向を生ずる液晶性分子、金属に
対する結合性を有する金属配位子等が挙げられる。この
ような構成のペプチド繊維は、構造的に安定で、環境に
優れた機能性を有する。βシート構造をとるアミノ酸の
配列については多様に存在し、Fmoc法等により合成す
ることもできるし、天然のたんぱく質から切り出して利
用することも可能であるが、例えば、本発明者らがすで
に研究発表(Takahashi.Y.,Ueno,A.,Mihara,H.,ChemBioC
hem,2,7579(2001);Takahashi.Y.,Ueno,A.,Mihara,H.,Bi
oorg.Med.Chem.,7,177185(1999);Takahashi.Y.,Ueno,
A.,Mihara,H.,Structure,8,915・925(2000);Takahashi.
Y.,Yamashita,T.,Ueno,A.,Mihara,Tetrahedron,56,7011
-7018(2000))しているので、これをもとに構築すること
ができる。
【0022】第1の実施の形態では、アミノ末端に機能
性材料を結合したが、カルボキシル末端に接続すること
も可能であり、また双方に機能性材料を接続することも
可能である。あるいは、ペプチド鎖のアミノ酸残基側鎖
に接続することも可能である。このとき機能性材料は、
直接あるいは結合性物質を介してペプチド鎖に接続する
ことができる。機能性材料は複数あるいは全てのペプチ
ド構造単位中のペプチド鎖末端に接続することも可能で
ある。なお、機能性ペプチド繊維を構成する1本のβス
トランドは、アミノ酸残基の数が5〜30個連鎖したも
のとすることが、βシート構造化させるのに最も適して
いることを実験等から見出しており、また構造体分解時
のペプチド鎖の回収性の面からも好ましい。
【0023】(第2の実施の形態)本実施形態では、機
能性ペプチド繊維を構成するペプチド構造単位としてβ
シート構造を有するペプチド鎖を用いた。(図2) 図2において白抜き矢印は1つのペプチドβストランド
を示し、その方向はアミノ酸残基のアミノ基からカルボ
キシル基に向かう方向にあたる。第1の実施形態におい
ては、互いに逆方向のペプチド鎖がβシート構造を形成
していた(逆平行βシート)が、同方向であってもβシ
ート構造を形成することが可能であることが知られてい
る(平行βシート)。
【0024】本実施形態のペプチド構造単位は、2本の
同一方向のβストランド11−1,11−2から構成さ
れる平行βシートを一単位として、さらに両端に機能性
材料の接続されたβシート構造をペプチド構造単位とし
て逆方向に配置し(12−1,12−2)、機能性ペプ
チド繊維を形成したものである。なお、ペプチド構造単
位としては、逆平行βシートを用いても、βシート構造
を持つペプチド鎖がらせん状に並んだβへリックス構造
を用いることもできる。このとき、予めペプチド末端
に、互いが特異的に結合する一対の結合性物質のうち、
一方の結合基211が接続され、βシート構造が形成さ
れた後に、これらの結合基211には、所望の機能を奏
する機能性材料213が、この機能性材料213側に接
続された他方の結合基212を介して特異的に結合して
いる。βシート構造はペプチド鎖が水溶液中で自発的に
形成する安定構造であるが、予めペプチド鎖に機能性材
料を接続するとこれら機能性材料のもつ立体構造、分極
状態等によりβシート構造をとりにくくなってしまう場
合があり、本実施形態ではβシート構造の形成過程にお
けるこのような制約を低減することが可能になる。この
ような一対の結合性物質としては、アビジンとビオチ
ン、抗原と抗体、酵素と基質、阻害剤または補酵素、金属
とその配位子等が挙げられる。
【0025】機能性材料はβ-ペプチド繊維に直接結合
させることも可能であり、単独の結合性物質を介して接
続することもできる。ただし、生化学的に特異性をもっ
て結合する結合物質を用いることで、ペプチド末端に選
択的に機能性材料を接続することが可能となる。また、
ペプチド構造単位となる2本のペプチド鎖のカルボキシ
ル末端のシステインCys間は分子間ジスルフィド結合3
により結合している。このように一端が結合された平行
複数鎖ペプチドを一つのペプチド構造単位として用いる
と、これらの2本のペプチド鎖間は、βシート構造化が
生じやすくなり、このような複数本ペプチド鎖を含むペ
プチド構造単位が隣接することで、容易に機能性材料の
間隔を変化をさせることができる。なお、ペプチド鎖末
端間はジスルフィド結合する以外にアルキル鎖での連結
や架橋などで結合することも可能である。しかし、複数
本ペプチド鎖を形成する場合には、予め複数のペプチド
鎖を用意しておいてから、末端間を比較的容易に接続で
きる点でジスルフィド結合の方が好ましい。
【0026】より多くのペプチド鎖から構成される機能
性ペプチド繊維を形成する場合には、これらペプチド繊
維における機能性材料の接続位置を変化させることが可
能となる。機能性材料の配置間隔を制御する方法として
は、第1、第2の構造単位に含まれるβストランドの混
合数を異ならせて、その比率に応じた間隔で機能性材料
を分散して配置させる方法、第1あるいは第2のペプチ
ド構造単位中のβストランドの本数を異ならせる方法等
がある。また、ペプチド構造単位に2つの末端を有する
場合には、各端に異なる機能性材料213,223を接
続することが可能である(図3)。このとき、機能性材
料213,223は、特異的に結合する結合基を介して
ペプチド鎖末端に接続するが、ペプチド鎖末端側に接続
される結合基211,221を異ならせることにより、
この結合基毎に特異的に結合できる結合基212,22
2を異ならせ、それに接続する機能性材料213,22
3を異ならせることが可能となる。また、ペプチド鎖の
一つの末端の結合基にのみ機能性材料を接続することも
可能である。このようにして得られた機能性ペプチド繊
維は、周期性のあるβシート構造に機能性材料が接続さ
れているため、機能性材料を配列状態とすることもでき
る。
【0027】(第3の実施の形態)第3の実施形態は、
図4に示すように、ペプチド構造単位として、1本のペ
プチド鎖からβシート構造が形成されたものを用いてい
る。即ち、βシート構造を形成するペプチド鎖はβスト
ランドの末端で折り返し、折り返し部分4でもペプチド
構造の主鎖は切断されておらず、アミノ酸残基間はペプ
チド結合されている。図4中央には、第1のペプチド構
造単位、即ち、アミノ末端に結合基を介して機能性材料
Fが接続され、3回折り返し構造(βストランドが3つ
並列)が形成されたβシート構造12が有る。これと並
列して、アミノ基やカルボキシル基が末端に接続され
た、ペプチド鎖が4回折り返し(βストランドが4つ並
列)のβシート構造の第2のペプチド構造単位11,1
3が位置している。本実施形態は、これらのペプチド構
造単位が並列して機能性ペプチド繊維10を構成してい
る。なお、図では模式的に機能性材料2を繰り返して記
載しているが、第1及び第2のペプチド構造単位の混合
比率に応じて平均間隔が変わるものであるので、必ずし
も構造体全体にわたって機能性材料が周期的に並ぶとは
限らない。なお、ペプチド鎖の折り返し部分の構造や機
能性材料が3次元的に大きい構造単位と小さい構造単位
を混合する場合、立体障害によって大きいペプチド構造
単位同士が隣接することを制限し、機能性材料間に間隔
を空けることもできる場合もある。
【0028】ここで、各ペプチド構造単位は一本のペプ
チド鎖で接続されているが、隣接するペプチド構造単位
間では、切断され、即ちペプチド鎖の主鎖同士はペプチ
ド結合されていない。このように構成することで、機能
性ペプチド繊維中に機能性材料を多数接続することが可
能な多数の接続箇所を設けることが可能となり、また使
用後の機能性ペプチド繊維からペプチド鎖を容易に回収
することが可能となる。なお、ここでβストランド、即
ち、図中の1つの矢印部分を構成するアミノ酸残基数は
先に述べたように5〜30が好ましく、各ペプチド構造
単位を構成するペプチド鎖全体のアミノ酸残基数は20
0以下であることが好ましい。残基数が200を超える
とペプチド鎖の折り返しがうまくなされず、安定的にペ
プチド繊維を構成することが困難となることがある。従
って、各ペプチド構造単位でのペプチド鎖折り返し数
(あるいはペプチドβストランド数)は40以下とする
ことが好ましい。
【0029】(機能性ペプチド繊維の製造方法)上記目
的を達成するため、本発明の機能性ペプチド繊維の製造
方法は、それぞれ少なくとも1本のペプチド鎖を含む複
数のペプチド構造単位であって、前記複数のペプチド構
造単位の少なくとも1つのペプチド構造単位に含まれる
ペプチド鎖には機能性材料または機能性材料に結合する
結合性物質または前記結合性物質を介して前記機能性材
料が接続されてなる前記複数ペプチド構造単位を水溶液
中で混合することで、前記ペプチド構造単位中に含まれ
るペプチド鎖が他のペプチド構造単位に含まれるペプチ
ド鎖との間でβシート構造をとることで繊維状に構造化
させることを特徴とする。
【0030】先に述べたように、ペプチド構造単位は他
の構造単位のペプチド鎖とでβシート構造を形成する1
本以上のペプチド鎖やβシート構造等を含むものであ
り、溶液中で自発的にαへリックス構造からβシート構
造化するペプチド鎖を混合して使用することも可能であ
る。この際、機能性材料は予めペプチド鎖に直接にある
いは結合性物質を介して接続されているペプチド鎖を用
いても良いし、当初は機能性材料が接続しておらず、結
合性物質が接続された状態で構成し、ペプチド繊維化し
た後に、結合性物質を介して機能性材料を結合させるこ
とも可能である。これにより予めペプチド鎖に接続され
るとβシート構造をとりにくい構造となる機能性材料で
あっても、機能性ペプチド繊維に取り込むことが可能と
なる。また、ペプチド鎖に接続される結合性物質は、機
能性材料に対して生化学的に特異性をもって結合する材
料か、互いが生化学的に特異性をもって結合する一対の
材料の一方であることが好ましい。これにより機能性ペ
プチド繊維中の機能性材料の接続位置のコントロールが
容易となる。なお、ここで、特異的とは、単に化学反応
を伴って共有結合や水素結合するものや金属とその配位
子間の配意結合、さらに生化学的な特異性を持って結合
するものがある。しかし、特に生化学的な特異性をもっ
た結合を生ずる、例えばアビジンとビオチン、酵素と基
質あるいは阻害剤、抗体と抗原などを用いる場合には、
機能性材料の接続箇所の特定が容易になる点で好まし
い。
【0031】(第4の実施形態)本実施形態は、本発明
の機能性ペプチド繊維の製造方法に関するものである。
すなわち、本実施形態で用いるβ-ペプチド繊維を例え
ば次の方法により製造することができる。 まず、原料となるα一ヘリックス構造やランダムコイル
構造あるいは最初からβシート構造をとるペプチドは、
上記文献(Takahashi.Y.,Ueno,A.,Mihara,H.,ChemBioChe
m,2,75-79(2001)を参照して、9-フルオレニルメトキシカ
ルボニル(Fmoc)固相法、t−ブトキシカルボニル(Bo
c)固相法、液相法等により合成することができる。こ
のペプチドのアミノ末端には、β化に必要な疎水性基を
導入する。ここで用いる疎水性基としては、例えば、アダ
マンタンカルボニル基、オクタノイル基等のアシル基、
ロイシン、イソロイシン、バリン、フェニルアラニン等
の疎水性アミノ酸や蛍光基などの色素等が挙げられる。
疎水性基の導入は、例えば通常のアミノ酸の導入と同じ
カルボジイミド等の縮合剤等を用いる方法によって行な
うことができる。また、疎水性基を導入しなくともペプチ
ド部分の疎水性を上げることにより同様の効果が得られ
る。得られたペプチドは、必要により逆相HPLC等により
精製し、更に必要であればMALDI-TOFMS(レーザーイオン化
飛行時間型質量分析装置)等による分子量測定およびア
ミノ酸分析し、確認してもよい。
【0032】疎水性基が導入されたα一ヘリックス構造
やランダムコイル構造あるいは最初からβシート構造を
とるペプチドは、均一環境下において自発的、自己触媒的
に、β-ペプチド繊維構造へと転位する。ここで均一環境
下とは、少量の有機溶媒を含有又は含有しない水溶液中
の均一環境を言う。具体的には、トリス塩酸緩衝液等の緩
衝液中で、ペプチドの濃度を1μM〜10mM程度とし
て、実施すればよい。ペプチドの構造は円二色性(CD)スペ
クトルを用いて調べることができ、β-ペプチド繊維化
は、透過型電子顕微鏡(TEM),原子間力顕微鏡(AFM)又はペ
プチド特異的結合色素(例えば、チオフラビンTやコンゴ
−レッド等)を用いて調べることができる。
【0033】次にペプチド鎖末端に結合性物質を介して
機能性材料を結合する。この結合方法は、機能性材料や
結合性物質により、適宜決定すればよい。これには例え
ば、アビジンとビオチンを用いた場合は、ビオチン基を
ペプチド鎖末端に共有結合し、アビジンを非共有結合す
る方法、酵素と基質、阻害剤または補酵素を用いた場合
は、基質または阻害剤、補酵素をペプチドに共有結合
し、酵素を非共有結合する方法、金属とその配位子を用
いた場合は、配位子をペプチドに共有結合し、金属を配
位結合する方法等が挙げられる。
【0034】また、α-ヘリックス構造や特定の立体構造
をとっていない単量体の段階で、疎水性基に代りに機能
性材料や結合性物質を導入してもよい。このようにすれ
ば、機能性材料と疎水性基の割合を変化させることによ
り、機能性材料の間隔をコントロールことができる。すな
わち、機能性材料をもたないα-へリックス構造などの単
量体ペプチドと末端に疎水性基を有するαヘリックス構
造のペプチドに機能性材料(又は結合性物質)を有するα
ヘリックス構造のペプチドとを混合したのちβシート構
造化すれば、機能性材料の密度をコントロールすることが
可能となる。また、末端に疎水性基を有するαヘリックス
構造等の単量体ペプチドを予めβ化したものと機能性材
料(又は結合性物質)を有するαへリックス構造等の単量
体ペプチドとを混合したのちβシート構造化しても同様
なコントロールが可能である。また、ペプチドに結合性
物質を導入した場合は、その後機能性材料や機能性材料
が結合した結合性物質を結合させて、本発明の機能性繊
維とすることができる。なお、α−ヘリックス構造等の単
量体ペプチドの段階で、疎水性基に代りに機能性材料が
付加した結合性物質を導入してもよい。
【0035】本発明のペプチド鎖の回収方法は、本発明
の機能性ペプチド繊維を、有機溶剤あるいは酸またはア
ルカリ溶液中に混合して複数のペプチド鎖に分断したの
ち、前記複数のペプチド鎖を前記有機溶媒中から回収す
ることを特徴とする。本方法によれば、ペプチド鎖を高
い収率で回収できるため、再利用が容易であり、機能性
ペプチド繊維を環境に優しいリユース可能材料として、
広く利用することが可能となる。
【0036】本発明の機能性ペプチド繊維は、自然界の
ペプチド繊維と異なり、βシート構造を形成する異なる
ペプチド構造単位に含まれるペプチド鎖同士がペプチド
結合していないため、機能性材料を接続し得るペプチド
鎖のカルボキシル末端やアミノ末端が、βシートを構成
するペプチド鎖の数に応じて増加している。しかも、β
シート構造は最少幅が約10nmのペプチドβストラン
ドが並列された構造であるためペプチド末端も周期的か
つ微細な間隔で並ぶことになり、複数のペプチド構造単
位中のペプチド鎖末端に機能性材料を接続するようにし
た場合にはアレイ構造を形成でき、さらに機能性材料の
間隔を異ならせたり、周期的に配置・配向することが可
能となる。従って、本発明の機能性ペプチド繊維は、そ
の特徴を活かして、細胞工学や組織工学などの医用工学
材料、分子検出用マイクロアレイ等のナノテクノロジー
材料、光学材料、分子電子材料等、広い用途で利用する
ことが可能となる。
【0037】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れら実施例に限定されるものではない。 実施例1 (1) α−ヘリックス構造のペプチドの合成 両親媒性2α−ヘリックス構造となるように、下記(化1)
に示すペプチドを設計、合成した。
【0038】
【化1】
【0039】アミノ末端に疎水性基としてアダマンタン
カルボニル基を導入した。同様にペプチド(Ad-2α)及び
アミノ末端をビオチン化したペプチド(Bx-2α)を設計・
合成した。これらは、カルボキシル末端のシステイン間の
分子間ジスルフィド結合により平行二本鎖ペプチドとな
っている。また、平行して一本鎖のAd−1α及びBx
−1αも合成した。合成は、Takahashi,Y., Y.,Ueno,A.,
Mihara,H. Chem.Eur.J.,4,2475-2484等に記載の通常の
9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)固相法により
行なった.すなわち、Rinkアミド固相法樹脂(200
mg、0.10mmol)上において、アミノ酸配列に
相当するFmocアミノ酸誘導体(各3〜6等量)を、
縮合剤(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)
−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフ
ルオロフォスフェート(HBTU)等)(3〜6当量)
を用いて、延長し、Ad−1α及びBx−1αを合成し
た(収率約50%)。二本鎖ペプチドは、一本鎖ペプチ
ド(100mg)のジメチルスルフォキシド(5ml)
溶液に、1M HCl(5ml)を加え、室温、1日間
撹拌することにより、ジスルフィド結合を形成させ、合
成した。得られたペプチドは、逆相HPLC(島津社製,LC
−10型番)により精製し、更にMALDI-TOFMS(レーザーイオ
ン化飛行時間型質量分析装置)(島津社製、MALDI
III型)により分子量測定し、アミノ酸分析(フェニ
ルチオカルバモイルアミノ酸法、島津社製、LC−10
型HPLC使用)により、同定した。
【0040】(2)α-ヘリックス構造からβ-シート構造へ
の転位 アミノ末端をビオチン化したペプチド(Bx-2α)の水溶液
(20mM,トリスー塩酸緩衝液、pH7.4)を調製し、その挙動を
観察した。ペプチドの構造は円二色性(CD)スペクトルを
用いて調べ、(トリス緩衝液中、ペプチド濃度10μ
M、室温にて、日本分光社製。J−720円二色分散計
により測定)、α-ヘリックス構造からβ-シート構造への
転位したことを確認した。また、透過型電子顕微鏡(TEM)
(日立社製、H−7500型、リン酸タングステンにより
ネガティブ染色)、原子間力顕微鏡(AFM)(日本ビーコ社
製,ナノスコープIIIa型)及びペプチド特異的結合色
素(チオフラビンT)(ペプチド濃度12μM、トリス緩
衝液中、チオフラビンTを6μM加え、すぐに435n
mで励起し、482nmの蛍光強度増加からβ繊維化を
検出する)、および、色素(コンゴ−レッド)(ペプチ
ド濃度12μM、トリス緩衝液中、コンゴ−レッドを9
μM加え、30分撹拌後、可視光吸収スペクトルを測定
し、540nmの吸収強度増加からβ繊維化を検出す
る)を用いてβ―ペプチド繊維化を確認した。
【0041】(3)アビジンタンパク質の付加 ペプチド結合性繊維(濃度1〜1000μM,100μ
l)にストレプトアビジン(濃度1〜100μM、10
μl)を反応させた。この結果、機能性材料が結合され
た機能性ペプチド繊維を得ることができた。ストレプト
アビジンは、他のタンパク質、酵素、蛍光基、金属など
他の機能性材料と種々複合ができるタンパク質であり、
これを利用して機能性材料を配列化した材料等に利用す
ることができる。なお、アビジンはストレプトアビジン
に限らず、卵白アビジン等も使用することが可能である
が、取り扱いの容易性からストレプトアビジンを用いる
のが好ましい。
【0042】実施例2 実施例1の(1)で製造したでアミノ末端に疎水性基とし
てアダマンタンカルボニル基を導入したペプチド(Ad-2
α)及びアミノ末端をビオチン化したペプチド(Bx-2α)
の両者を(濃度1〜1000μM,モル比1:1〜10
0:1)、同(2)で用いる以外は実施例1と同様の操作をお
こない、機能性材料間の間隔がコントロールされた機能性
繊維を得た。
【0043】実施例3 実施例1(1)において、アミノ末端をビオチン化したペプ
チド(Bx-2α)の代りにアミノ末端をビオチン化した上に
アビジンタンパク質を結合させたペプチドを製造し、同
(2)で用いたところβ-ペプチド繊維化することができ
た。
【0044】実施例4 ビオチンーアビジン結合基による機能性材料の付加 実施例1〜3で作成したストレプトアビシンタンパク質結
合型β-ペプチド繊維中のストレプトアビジンの代わり
に、テキサスレッド、フルオレセインの蛍光色素結合ス
トレプトアビジン; スピロピラン、アゾベンゼンのフ
ォトクロミック色素結合ストレプトアビジン; 金微粒
子結合ストレプトアビジン; 西洋わさびペルオキシダ
ーゼ、アルカリフォスファターゼ、プロテインG、免疫グ
ロブリンG抗体のタンパク質(酵素)結合ストレプトアビ
ジンを実施例1〜3同様にβ-ペプチド繊維化した。
【0045】実施例5 酵素-補酵素結合基による機能性材料の付加 実施例1で作成したビオチン基結合ペプチドの代わり
に、同様に補酵素(鉄ヘム)をアミノ末端に共有結合し
たペプチドを合成した。鉄ヘムペプチドをβ−繊維化し
た後、繊維上の鉄ヘムを介してアポチトクロームCを機能
性材料(タンパク質)として結合させたβ−繊維を作成し
た。
【0046】実施例6 金属−配位子結合基による機能性材料の付加 実施例1で作成したビオチン基結合ペプチドの代わりに、
同様にイミノジ酢酸誘導体をアミノ末端に共有結合させ
たペプチドを合成した。イミノジ酢酸ペプチドをβ−繊
維化した後、繊維上のイミノジ酢酸基を介して鉄、銅、ク
ロム、コバルト、カルシウムイオンを機能性材料として結
合させたβ−繊維を作成した。
【0047】実施例7 酵素結合免疫吸着法(ELISA)試験材料の作成 実施例4で示した方法で得られた抗ウサギーヤギ抗体を結
合させたβ繊維材料を用いて、溶液中のウサギ抗体量を
西洋わさびペルオキシダーゼ結合ヤギ抗体と反応させ、ウ
サギ抗体を迅速に定量する酵素結合免疫吸着法(ELISA)
試験を行った。ヤギ抗体を結合させたβ繊維(1μM)を
膜厚約100〜1000μmのシート状に加工した。ウサギ抗体
を濃度を0.1〜100nMの範囲で順次変化させた溶液(1
μl)を約2mmにスポットし、結合させた。洗浄後、西
洋わさびペルオキシダーゼ結合抗ウサギ−ヤキ抗体(100
μM)を反応させ、洗浄、3,3’5,5'−テトラメチルペンジ
ジンを基質として反応させ、酵素量に依存した発色量を
比色し、ウサギ抗体量を算出した。従来法のように環境に
排出するプラスチックプレートを使わない、再利用可能な
ペプチドシートとしての酵素結合免疫吸着法(ELISA)試験
材料を開発することができた。
【0048】実施例8 機能性β−ペプチド繊維の回収および再利用性の試験 本β−ペプチド繊維は、非共有性結合からなる自己組織
化集合体材料である。したがって、β−ペプチド繊維を
有機溶剤により1分子状態の集合化していない状態に分
断し、再使用することが可能である。Bx-2αとAd-2αの混
合繊維(10μM)をメタノールに溶解し、直ちにエーテル
を用いて沈殿としてペプチドを得た(回収率92%)。回収ペ
プチドは、そのまま水溶液として再度β−繊維化し、同様
の物性を得ることが可能であった。
【0049】
【発明の効果】本発明の機能性ペプチド繊維は、所望の
機能をペプチド繊維に持たせることが可能となり、また
βシート構造をベースとして用いているので、回収・再
利用も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の機能性ペプチド繊維
の模式図である。
【図2】本発明の第2の実施形態の機能性ペプチド繊維
の模式図である。
【図3】 本発明の第2の実施形態の変形例の機能性ペ
プチド繊維の模式図である。
【図4】本発明の第3の実施形態の機能性ペプチド繊維
の模式図である。
【符号の説明】
10 機能性ペプチド繊維 11、12、13 ペプチド構造単位 2 結合性物質 211、212、221、222 結合性物質 213、223 機能性材料
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年9月25日(2002.9.2
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1本のペプチド鎖を含むペプチ
    ド構造単位を複数有し、それぞれのペプチド構造単位に
    含まれるペプチド鎖と、該ペプチド構造単位に隣接する
    ペプチド構造単位に含まれるペプチド鎖とはペプチド結
    合されておらず、βシート構造をとることで繊維状に構
    造化されてなり、前記複数のペプチド構造単位の少なく
    とも1つのペプチド構造単位に含まれるペプチド鎖に機
    能性材料が接続されていることを特徴とする機能性ペプ
    チド繊維。
  2. 【請求項2】前記機能性材料が、前記ペプチド鎖のアミ
    ノ末端またはカルボキシル末端に接続されていることを
    特徴とする請求項1記載の機能性ペプチド繊維。
  3. 【請求項3】前記機能性材料が、前記ペプチド鎖と前記
    機能性材料とに特異的に結合する結合性物質を介して前
    記ペプチド鎖に接続されていることを特徴とする請求項
    1記載の機能性ペプチド繊維。
  4. 【請求項4】前記結合性物質が、ペプチド鎖のアミノ末
    端またはカルボキシル末端に接続されていることを特徴
    とする請求項3記載の機能性ペプチド繊維。
  5. 【請求項5】前記結合性物質が、前記機能性材料に対し
    て生化学的に特異性をもって結合する材料であることを
    特徴とする請求項3または4記載の機能性ペプチド繊
    維。
  6. 【請求項6】前記結合性物質が、互いに生化学的に特異
    性をもって結合する一対の材料であり、前記一対の材料
    の一方が前記ペプチド鎖側に、他方が前記機能性材料側
    に接続されていることを特徴とする請求項3記載の機能
    性ペプチド繊維。
  7. 【請求項7】前記ペプチド鎖側に接続される一方の材料
    が、前記ペプチド鎖のアミノ末端またはカルボキシル末
    端に接続されていることを特徴とする請求項6記載の機
    能性ペプチド繊維。
  8. 【請求項8】前記一対の材料が、ビオチン基とアビジン
    基、抗体と抗原、または酵素と基質、阻害剤もしくは補
    酵素であることを特徴とする請求項6または7記載の機
    能性ペプチド繊維。
  9. 【請求項9】前記結合性物質が、一対となる金属と該金
    属の配位子であって、前記金属および前記配位子のいず
    れか一方が前記ペプチド鎖側に、他方が前記機能性材料
    側に接続されていることを特徴とする請求項3記載の機
    能性ペプチド繊維。
  10. 【請求項10】前記機能性材料が、タンパク質、糖質、
    脂質、補酵素、蛍光基を含む色素、液晶性分子および金
    属配位子から選ばれる1種または2種以上の材料を含む
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の機
    能性ペプチド繊維。
  11. 【請求項11】前記ペプチド構造単位自体が、βシート
    構造化した1本のぺプチド鎖を含むことを特徴とする請
    求項1〜10のいずれか1項記載の機能性ペプチド繊
    維。
  12. 【請求項12】前記複数のペプチド構造単位のうち、前
    記機能性材料が接続されたペプチド構造単位と隣接する
    ペプチド構造単位に含まれるペプチド鎖の末端に前記機
    能性材料と異なる基が接続されていることを特徴とする
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の機能性ペプチド
    繊維。
  13. 【請求項13】前記異なる基が、カルボキシル基または
    アミノ基であることを特徴とする請求項12記載の機能
    性ペプチド繊維。
  14. 【請求項14】前記異なる基が、前記機能性材料と異な
    る第2の機能性材料であることを特徴とする請求項12
    記載の機能性ペプチド繊維。
  15. 【請求項15】2以上の前記ペプチド構造単位に前記機
    能性材料が接続されていることを特徴とする請求項1記
    載の機能性ペプチド繊維。
  16. 【請求項16】前記機能性材料が接続されている前記2
    以上のペプチド構造単位の間に、該ペプチド構造単位の
    ペプチド鎖との間でβシート構造を形成し、前記機能性
    材料と異なる基が接続されているペプチド鎖を含むペプ
    チド構造単位を有することを特徴とする請求項15記載
    の機能性ペプチド繊維。
  17. 【請求項17】前記ペプチド構造単位には、複数本のペ
    プチド鎖の近接する末端間が結合されているペプチド鎖
    を含むことを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項
    に記載の機能性ペプチド繊維。
  18. 【請求項18】前記複数本のペプチド鎖末端間がジスル
    フィド結合されていることを特徴とする請求項17記載
    の機能性ペプチド繊維。
  19. 【請求項19】前記βシート構造を構成するβストラン
    ド部分のアミノ酸残基の数が5〜30であることを特徴
    とする請求項1〜18のいずれか1項記載の機能性ペプ
    チド繊維。
  20. 【請求項20】前記ペプチド構造単位に含まれるペプチ
    ド鎖を構成するアミノ酸残基数が200以下であること
    を特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の機
    能性ペプチド繊維。
  21. 【請求項21】それぞれ少なくとも1本のペプチド鎖を
    含む複数のペプチド構造単位であって、該複数のペプチ
    ド構造単位の少なくとも1つのペプチド構造単位に含ま
    れるペプチド鎖には、機能性材料、機能性材料に結合す
    る結合性物質または該結合性物質を介して前記機能性材
    料が接続されてなる前記複数ペプチド構造単位を水溶液
    中で混合することで、前記複数ペプチド構造をβシート
    構造をとし、繊維状に構造化させることを特徴とする機
    能性ペプチド繊維の製造方法。
  22. 【請求項22】2以上の前記複数のペプチド構造単位に
    含まれるペプチド鎖に、前記機能性材料または前記結合
    性物質が接続されていることを特徴とする請求項21記
    載の機能性ペプチド繊維の製造方法。
  23. 【請求項23】前記複数のペプチド構造単位が、前記機
    能性材料および前記結合性物質とは異なる材料が接続さ
    れてなるペプチド構造単位を含むことを特徴とする請求
    項21あるいは22記載の機能性ペプチド繊維の製造方
    法。
  24. 【請求項24】前記結合性物質が、前記機能性材料に生
    化学的に特異性をもって結合するものである請求項21
    記載の機能性ペプチド繊維の製造方法。
  25. 【請求項25】前記結合性物質は互いが生化学的に特異
    性をもって結合する一対の材料の一方であることを特徴
    とする請求項21、22または23記載の機能性ペプチ
    ド繊維の製造方法。
  26. 【請求項26】前記一対の材料が、ビオチン基とアビジ
    ン基、抗体と抗原、または、酵素と基質、阻害剤もしく
    は補酵素であることを特徴とする請求項25記載の機能
    性ペプチド繊維の製造方法。
  27. 【請求項27】前記結合性物質が、一対となる金属と該
    金属の配位子であって、前記金属または前記配位子の一
    方が前記ペプチド鎖側に、他方が前記機能性材料側に接
    続されているものである請求項21記載の機能性ペプチ
    ド繊維の製造方法。
  28. 【請求項28】前記機能性材料は、タンパク質、糖質、
    脂質、補酵素、蛍光基を含む色素、液晶性分子および金
    属配位子から選ばれる1種または2種以上の材料を含む
    ことを特徴とする請求項21〜27のいずれか1項記載
    の機能性ペプチド繊維の製造方法。
  29. 【請求項29】前記機能性材料または前記結合性物質
    は、前記ペプチド鎖のアミノ末端またはカルボキシル末
    端に接続されることを特徴とする請求項21〜28のい
    ずれか1項記載の機能性ペプチド繊維の製造方法。
  30. 【請求項30】前記水溶液中における、前記機能性材料
    または前記結合性物質が接続されたペプチド鎖を含む前
    記ペプチド構造単位と、前記異なる材料が接続されたペ
    プチド鎖を含む前記ペプチド構造単位とに含まれるβス
    トランドの混合数を異ならせたことを特徴とする請求項
    21記載の機能性ペプチド繊維の製造方法。
  31. 【請求項31】前記βシート構造が形成された後、前記
    結合性物質に対し前記機能性材料を結合させることを特
    徴とする請求項21〜30のいずれか一項記載の機能性
    ペプチド繊維の製造方法。
  32. 【請求項32】前記βシート構造が形成された後、前記
    βシート構造に接続された前記一方の材料に対し、前記
    一対の材料の他方を含む前記機能性材料を生化学的に特
    異性をもって結合させることを特徴とする請求項25、
    26または27記載の機能性ペプチド繊維の製造方法。
  33. 【請求項33】前記複数のペプチド構造単位に含まれる
    ペプチド鎖の末端に疎水性基が接続されてなることを特
    徴とする請求項21〜32のいずれか1項記載の機能性
    ペプチド繊維の製造方法。
  34. 【請求項34】前記複数のペプチド構造単位に含まれる
    ペプチド鎖が、βシート構造化前は、αへリックス構造
    体であることを特徴とする請求項21〜33のいずれか
    1項記載の機能性ペプチド繊維の製造方法。
  35. 【請求項35】前記ペプチド構造単位には、複数本のペ
    プチド鎖の近接する末端間が結合されている複数本ペプ
    チド鎖を含むことを特徴とする請求項21〜34のいず
    れか1項に記載の機能性ペプチド繊維の製造方法。
  36. 【請求項36】前記複数のペプチド鎖の末端間がジスル
    フィド結合されていることを特徴とする請求項35記載
    の機能性ペプチド繊維の製造方法。
  37. 【請求項37】前記複数のペプチド構造単位に含まれる
    ペプチド鎖が、他のペプチド構造単位に含まれているペ
    プチド鎖との間でβシート構造化する前に、既にβシー
    ト構造化していることを特徴とする請求項21〜36の
    いずれか1項記載の機能性ペプチド繊維の製造方法。
  38. 【請求項38】前記βシート構造を構成するβストラン
    ド部分のアミノ酸残基の数が5〜30であることを特徴
    とする請求項21〜37のいずれか1項記載の機能性ペ
    プチド繊維の製造方法。
  39. 【請求項39】前記ペプチド構造単位に含まれるペプチ
    ド鎖を構成するアミノ酸残基数が200以下であること
    を特徴とする請求項21〜38のいずれか1項に記載の
    機能性ペプチド繊維の製造方法。
  40. 【請求項40】請求項1〜20のいずれか一項記載の機
    能性ペプチド繊維を、有機溶剤中あるいは酸またはアル
    カリ溶液に混合して複数のペプチド鎖に分断したのち、
    前記複数のペプチド鎖を前記有機溶媒中から回収するこ
    とを特徴とするペプチド鎖の回収方法。
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